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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A24B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A24B
管理番号 1353051
審判番号 不服2018-8906  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-28 
確定日 2019-07-29 
事件の表示 特願2015-514512「エアロゾル発生物品で使用するための香味付きロッド」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月 5日国際公開、WO2013/178767、平成27年 6月25日国内公表、特表2015-517818、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)5月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年5月31日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成29年4月12日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月17日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年2月22日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年6月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、その後、平成31年3月19日付けで当審より拒絶理由が通知され、令和元年5月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願請求項1?13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明13」という。)は、令和元年5月30日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
重なり合って配置され共にギャザー加工されてラッパー(12)に取り巻かれた、タバコ材料を含む皺寄せされた第1のシート(2)と、非タバコ香味料を含む皺寄せされた第2のシート(3)とを含み、前記第1のシートは、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートであり、前記第2のシートは、高分子シートである、
ことを特徴とするロッド。
【請求項2】
前記第1のシートは、均質化タバコ材料のシートである、
ことを特徴とする請求項1に記載のロッド。
【請求項3】
前記第2のシートは、前記非タバコ香味料で被覆されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロッド。
【請求項4】
前記第2のシートは、前記非タバコ香味料で含浸されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロッド。
【請求項5】
前記第2のシートは生分解性ポリマーを含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロッド。
【請求項6】
前記生分解性ポリマーはポリ乳酸である、
ことを特徴とする請求項5に記載のロッド。
【請求項7】
前記非タバコ香味料はメントールを含む、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のロッド。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のロッドを含む、
ことを特徴とする喫煙物品。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載のロッドを含む、
ことを特徴とする、加熱式エアロゾル発生物品のためのエアロゾル形成基材。
【請求項10】
電気作動式エアロゾル発生装置と、該装置と共に使用するための、請求項9に記載のエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品とを備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
可燃性熱源と、該可燃性熱源の下流に位置する請求項9に記載のエアロゾル形成基材と
を含む、
ことを特徴とする加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項12】
請求項9に記載のエアロゾル形成基材を含む、
ことを特徴とする、電気作動式エアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項13】
ロッドの形成方法であって、
タバコ材料を含む皺寄せされた第1の連続シート(2)であって、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートである前記第1の連続シートを準備するステップと、
非タバコ香味料を含む、高分子シートである皺寄せされた第2の連続シート(3)を準備するステップと、
重なり合って配置された前記第1及び第2の連続シートを、該両シートの長手方向軸に対して横方向に同時にギャザー加工するステップと、
前記ギャザー加工したシートをラッパー(12)で取り巻いて連続ロッドを形成するステップと、
前記連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するステップと、
を含むことを特徴とする方法。」

第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。
本件出願の請求項1?15(平成29年10月17日の手続補正による補正後の請求項1?15である。)に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明、引用文献2?4に記載された事項及び周知の技術(周知例:引用文献6、7)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

原査定の拒絶の理由で引用された引用例及び周知例は次のとおりである。
引用文献1:特開昭52-10500号公報
引用文献2:特開昭51-12999号公報
引用文献3:特表2010-506594号公報
引用文献4:特開平2-53476号公報
引用文献6:特開平1-243979号公報(周知技術を示す文献)
引用文献7:特開平9-107942号公報(周知技術を示す文献)

第4 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、概略、次のとおりである。
(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

1 請求項1について
特許請求の範囲の請求項1には、「タバコ材料を含む皺寄せされた第1のシート(2)」と記載されているが、当該特定のみでは、「第1のシート(2)」としてどのような範囲のものまでを特定しようとしているが明確でないため、発明を不明確なものとしている。
この点、請求項1を直接又は間接に引用する請求項2?11も同様である。
2 請求項12について
特許請求の範囲の請求項12には、「タバコ材料を含む皺寄せされた第1の連続シート(2)」と記載されているが、当該特定のみでは、「第1の連続シート(2)」としてどのような範囲のものまでを特定しようとしているが明確でないため、発明を不明確なものとしている。
3 請求項5について
特許請求の範囲の請求項5には、「例えばポリ乳酸などの生分解性ポリマーを含む」と記載されているが、「例えば・・・」との記載は、例示であって、特許請求の範囲として、請求項5が当該記載事項を含んでいるのか否かが不明確である。
この点、請求項5を直接又は間接に引用する請求項6?11も同様である。

第5 原査定の拒絶の理由に対する判断
(1)引用文献及び引用文献に記載された発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開昭52-10500号公報)には、図面とともに、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。)。
「2.特許請求の範囲
1.ウエブの幅にわたって延在したスリツトであって、それぞれの線のスリツトが隣接した線のスリツトから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリツトの線を有する少なくとも1条のフイラー材料のウエブを連続的に供給することによりフイラーを成形することと、スリツトを開くため、ウエブを張り広げるとともに、スリツトの間に残されたウエブの互につながったストリツプ様の部分を元の面からねじることと、フイラーを成形するためウエブを圧搾ることと、連続したロツドを形成するため、このようにして形成されたフイラーを包み紙の中に包むことと、連続的なロツドを個々の単体部分に切断することより成る工程を包有した、取り囲み包み紙を有するフイラーより成るロツド様のタバコ製品を製造する方法。
2.ウエブがフイルター・ペーパーであるシガレツト・フイルターを製造する特許請求範囲の1項記載の方法。
3.ウエブが喫煙可能な材料であるシガレツトを製造する特許請求範囲の1項記載の方法。
4.シガレツト・フイラーを形成するためウエブが圧搾される前に、タバコの細片がウエブに送達される特許請求範囲の3項記載の方法。
5.スリツトの長さおよび/あるいはスリツト間の間隔が、できあがったシガレツトのフイラーの端部分を提供するウエブの所定の規則的な間隔が設けられた区域において変更される特許請求範囲の3項または4項記載の方法。
6.ウエブが張り広げられる量が、所定の物理的特性あるいは選択的に変更できる物理的特性を有するフイラーを作るためウエブを駆動する可変速ローラーの速度を制御することにより制御される特許請求範囲の1項より5項までのうちのいずれか1つに記載の方法。
7.ウエブの幅にわたって延在したスリツトであって、それぞれの線のスリツトが隣接した線のスリツトから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリツトの線を作るため、ウエブをスリツト加工するよう配設されたスリツト加工機構に向かって所定速度でフイラー材料の連続的なウエブを移送する装置と、ウエブを張り広げ、これによりスリツトを開くとともに、スリツトの間に残されたウエブの互につながったストリツプ様部分をもとの面からねじるため、スリツト加工後、前記より大きい速度でウエブを移送する装置と、ロツド・フイラーを形成するためウエブを圧搾する装置と、連続したロツドを形成するため包み紙の中にロツド・フイラーを包む装置と、連続したロツドを個々の単体部分に切断する切断装置とより成るロツド様タバコ製品を製造する機械。
8.シガレツト・フイラーを形成するためウエブが圧搾される前に、タバコの細片をウエブの上に送達する装置を包持する特許請求範囲の7項記載のシガレツト製造機械。
9.スリツトの長さおよび/あるいはスリツト間の間隔が、できあがったシガレツトのフイラーの端部分を提供するウエブの所定の規則的な間隔が設けられた区域で変更される特許請求範囲の7項あるいは8項記載のシガレツト製造機械。
10.ウエブが圧搾される前に、芳香剤および/あるいはバインダーをスプレイする装置を包持する特許請求範囲の7項より9項までのうちのいずれか1つに記載のシガレツト製造機械。
11.ウエブの圧搾を助けるため、サクシヨン・ホイールまたは他のサクシヨン・コンベアを包持し、しかして、コンベアがウエブを把持するよう、コンベアのウエブ係合部分を介してサクシヨンを作用せしめる特許請求範囲の7項より10項までのうちのいずれか1つに記載の機械。
12.ウエブが圧搾される区域の長さ方向に間隔をへだてた個所に設けられた圧力取出し部と、2つの圧力取出し部の圧力を比較する装置とを包有する特許請求範囲の7項より11項までのうちのいづれか1つに記載の機械。
13.2つの圧力取出し部間の圧力差をほぼ一定に維持するため、ウエブが張り広げられる量が自動的に変更される特許請求範囲の12項記載の機械。
14.幅の広いウエブを多数の別々のウエブ部分に長さ方向に切断することにより形成された多数のウエブを移送し、スリツト加工し、そしていっしょに圧搾する装置を包有した特許請求範囲の7項より13項までのうちのいずれか1つに記載の機械。
15.スリツト加工機構が、協働するナイフを支承するとともに、ウエブの背中合わせにかつウエブの移動方向に対し直角に載置された軸のまわりで回転するよう配設されて少なくとも1対の協働するローラーより成る特許請求範囲の7項より14項までのうちのいずれか1つに記載の機械。
16.フイルター・ロツド・フイラーを形成するためフイラーが圧搾される前に、粒状のフイルター材料をウエブの上に載せる装置を包持する特許請求範囲の7項記載のシガレツト・フイルター製造機械。
17.粒状材料がウエブに付着するよう、ウエブまたは粒状材料を静電気的に荷電する装置を包持する特許請求範囲の15項記載の機械。
18.ウエブの幅にわたって延在したスリツトであって、それぞれの線のスリツトが隣接した線のスリツトから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリツトの線をもつ成形された圧搾ウエブを包持するかあるいは該圧搾ウエブより構成されたフイラーを取り囲む包み紙より成り、しかして、スリツトが開いた状態にあって、スリツトの間に残されたウエブの互につながったストリツプ様部分が、ロツドの軸に平行な面に対しおおむね傾斜するよう、前記ウエブが長さ方向に張り広げられているシガレツトあるいはシガレツト・フイルター。」(2.特許請求の範囲)
「第1図に示された構成においては、シート材のウエブ1は、1対のローラー3によりボビン2から引き出される。シート材は、戻しを行なったタバコもよく、もしこの装置がシガレツトを作るために使用されるときは、人造スモーキング材料でもよく、あるいは、もしフイルターを使用しなければならないときは、適当な紙であってよい。2対のスリツト加工ローラー4、5が、送りローラー3と別の対をなす送りローラー6との間に配設されている。ローラー6の向こうには、紙のウエブからフイルターを作るために特定の公知の方法と装置に用いられるコーンに類似した縮合コーン7が設けられているとともに、該縮合コーンの向こうにはロツド成形装置8が設けられており、該ロツド成形装置8は、公知の種類のものであってさしつかえない。ペーパー・ストリツプ10を運ぶテープ9が、ウエブ1によって形成されたフイラーのまわりでペーパー・ストリツプをシールするため、公知の方法でロツド成形装置を通過するよう配置される。
送りローラー3と6は、ウエブを把持し、テープ9とペーパー・ストリツプ10の速度より低い所定速度でウエブを運び、しかしてスリツト加工ローラー4、5の回転速度は、該スリツト加工ローラー4、5の周速度がウエブ速度に相当するよう設定される。
スリツト加工ローラーは、第4図に示されている模様のスリツトをウエブに作るようローラーのまわりとこれに沿って配設されている小型のスリツト加工ナイフあるいはカツターを備えている。ローラー4のナイフは、ウエブの幅にわたって、すなわち、ウエブの長さ方向に対し横に延在したスリツトaの一連の線を作るよう設定されており、一方、ローラー5のナイフは、前記スリツトaの線の間にスリツトbの別の一連の線を作るよう設定されている。スリツトaとbは、(図示の例では、ウエブのへりに生じるスリツトbの長さが短くなることを除き)同じ長さであるが、スリツトaの線は、スリツトbの線から一様に片寄りしている。これにより、ウエブ全幅にわたって延在し、スリツトの隣接した線の間に所在する互につながったストリツプ様の部分cの模様がウエブに作られるが(第6図参照)、該部分cは、スリツトの隣接した端の間に所在するとともに、互に片寄りしたウエブの小さい部分dによって互につながっている。スリツトがこのように配置されているので、ウエブは、長さ方向に張り広げることが可能である。なぜなら、スリツトの線の間のストリツプ様の部分は、第6図に示すように、離れ勝手に引っ張られ、これによりスリツトを広げることができるからである。ウエブをこのように張り広げる結果、ストリツプ様部分cにねじりが生じ(部分cと部分dが、ウエブの一般的な面に対し傾斜するようになり)、付随的にスリツト加工されたウエブの幅が狭ばまることとなる。
ウエブが送りローラー6を離れて、テープ9とペーパー・ストリツプ10の速度になるときに、ウエブは、このように開かれ、張り広げられる。この直後、ウエブは、コーン7の内に引き入れられ、これにより(ウエブをランダムにあるいは部分的に所定通り長さ方向に折りたたむことを伴なうが)ほぼ円筒状の形状に圧搾され、そしてウエブは、この状態でペーパー・ストリツプ10により取り囲まれ、ロツド成形装置8を通って運ばれる。連続したロツド108は、装置8から退出し、個々のロツド部分108aを作るため、切断装置109によって一定の間隔をあけて切断される。」(公報第3ページ右下欄第10行?第4ページ左下欄第16行)
「第2図は、2つのウエブ11と12が同時に供給され、そしてスリツト加工される他の配置例を図解的に示したものである。2つのウエブは、対をなす送りローラー13と14によって供給される。両ウエブは、それぞれスリツト加工ローラー15と16によってスリツト加工されたあと、ローラー17と18を通って送られながら、上下に重なって張り広げられた状態でコーン7の中に引き入れられる。案内ローラー19は、上側のウエブを案内し、両ウエブがコーンにはいる直前に、下側のウエブの上に前記上側のウエブを重ねる。この配置によれば、2つの張り広げられ、開かれたウエブが、重ね合わせのとき、つなぎ合わさったりあるいは″からみあう″ことはない。そしてこれを実現する1つの方法は、第3図に示すように、スリツト加工ローラー15に設けたナイフの相対的な位置が、ローラー16に設けたナイフの位置と向かいあわせとなるよう配設を行なうことである。なお、第3図においてローラー15に設けた1対のナイフは、15Aとして示されており、一方、ローラー16に設けた1対のナイフは、16Aとして示されている。
張り広げは、とくに、ウエブ材料が比較的強い場合、(たとえば、ローラー17と18を省略することにより)スリツト加工ローラーの直後で始めてもさしつかえない。しかし、もし、ウエブ材料が比較的弱い場合、ウエブがひきちぎれる危険を避けるため、ローラー17と18が包設されなければならない。ローラー17と18は、送りローラー13と14やスリツト加工ローラー15と16の周速に等しい周速でもって回転してさしつかえなく、さもなければ、スリツト加工作業を助けるため、ウエブの軽い張り広げが、スリツト加工ローラーの出口側の直後で行なわれるよう、わずかに大い速度で運転してさしつかえない。
(ウエブがシガレツトの製造のために使用されるものと仮定して)第1図のウエブ1と第2図に示されたウエブ一方または両方は、第4図の破線に示されているみぞ形材20を通ってタバコの細片をウエブの上に散布させてもさしつかえない。このみぞ形材は、ウエブを横切って斜めに延在していて、公知の方法でみぞ形材に対して直角の方向にバンド(図示せず)によりタバコの細片をウエブに供給することができる。」(公報第4ページ右下欄第20行?第5ページ左下欄第3行)
「シガレツトを製造する場合、ウエブ(または複数のウエブ)は、スプレイにより芳香剤をしみこますことができ、シガレツトの連続的な喫煙の味を変えるよう、このようなスプレイの段取りを行なってさしつかえない。同様に、(たとえば、英国特許明細書第1,391,694号に記載されているように)ニコチン含有量を増加させてさしつかえなく、かつ/あるいは最後の喫煙の間、更新効果を釣り合わすため、各シガレツトに沿ってニコチン含有量を変えてもさしつかえない。いま1つの可能性は、シガレツトの連続した移送の間、フイラー・ウエブの細片がシガレツトの端からこぼれ落ちないよう、ウエブまたは複数のウエブに(たとえば、カルボキシル・メチール・セルローズのごとき)バインダーをスプレイしてさしつかえないことである。たとえば、第2図に示されているように、ウエブ12は、バインダーがスプレイされるスプレイ・チヤンバー23を通過し、次に、もし必要とあれば、赤外線乾燥チヤンバー24を通過してさしつかえない。一方、ウエブ11も、類似のチヤンバーを通過してさしつかえない。」(公報第5ページ左下欄
第19行?右下欄第20行)
「シガレツト・ロツドに詰めるべくタバコの細片をウエブに供給することができること、あるいは、フイルター・ロツドに詰めるべく繊維材料または粉末材料をウエブに供給することができることは、上述の通りである。第2図に示されているような配置では、付加される材料は、両シート間にとどめ置かれるよう、下側のウエブの上に供給することができる。ウエブそれ自身は、密度が非常に安定しているように思われるが、がさがさする材料を加えることは、ロツドの単位長さ当りのかさにばらつきが生じるおそれがあり、もし必要とあれば、ベーター線測定装置のごとき公知の装置によってこのようなばらつきをモニターすることができる。またウエブの張り広げは、このように検出されたばらつきに応じ、要求通り、変更してさしつかえない。」(公報第6ページ右下欄第7行?第7ページ左上欄第2行)
「第7図と8A図よりG図までは、サクシヨン・ホイールによりウエブまたは複数のウエブを圧搾する装置を示す。縮合コーン25は、スリツト加工されたウエブ(図示せず)を受け取り、ウエブの圧搾を始める。しかし、コーン25は、サクシヨン・ホイール26がコーンにはいって、ウエブを把持して、ウエブの主な圧縮を行なうため、切り取りが行なわれている。サクシヨン・ホイール26は、空気通過リム26aを有し(第8F図参照のこと)、サクシヨン・ホイールの壁部26dと26eとの間に所在している固定部材26cに形成されたサクシヨン・スペース26bより前記空気通過リム26aを通って吸引作用が伝えられる。サクシヨン・ホイールと、コーンと、紙包み用ストツプ27は、第8A図よりE図までに示すように、断面積が漸減する態様の通路を形成している。サクシヨン・ホイールによる圧搾は、第7図のラインF部までに行なわれ、コーン25は、前記ラインFの個所で終わり、フイラー・ウエブは、サクシヨン・ホイールと紙包み用ストリツプとの間に限定される。紙包み用ストリツプは、床部材28によって支承されている(前記床部材28は、包み紙用ストリツプ27がコーン25の下で実際よりわずかに下がった状態で示されている第8A図と8B図には示されていない)。
ウエブ断面の圧搾と成形は、第7図のラインG部の出口側で舌様部材29により継続される。この舌様部材は、長さ方向に間隔をあけて設けられた点30と31において圧力取出しを可能とする2つの小孔を備えており、パイプ32と33は、前記小孔より比較測定装置に圧力信号を送り出す。比較測定装置からの電気出力は、2つの圧力取出し部における圧力差次第であって、ウエブを介する圧力差を指示する。比較測定装置の出力は(とくに、フイルターを製造する場合)、圧力差をほぼ一定に維持することを勘案してウエブが張り広げられる量を自動的に変更するために使用することができる。」(公報第7ページ左上欄第3行?右上欄第20行)
「4.図面の簡単な説明
第1図は、ウエブを供給し、スリツト加工し、張り広げるための機械の図解説明図。第2図は、2つのウエブを取り扱かう別の装置を示す図解説明図。第3図は、第2図の装置に設けられているナイフ装置の配置用。第4図は、ウエブのスリツトの配列図。第5図は、第4図に示されているウエブの一部の拡大図。第6図は、張り伸ばした状態にあるウエブの第5図に示す部分の視図。第7図は、フイラー・ウエブを圧搾するための他の配置図。第8A図より第8G図までは、第7図の線AからGまでのところで切断した断面図。
1、11、12・・・シート材のウエブ、2・・・ボビン、3、6、13、14、17、18・・・送りローラー、4、5、15、16・・・スリツト加工ローラー、7、25・・・縮合コーン、8・・・ロツド成形装置、9・・・テープ、10、27・・・ペーパー・ストリツプ、15A、16A・・・ナイフ、19・・・ガイド・ローラー、20・・・みぞ形材、21・・・スリツト間隔の狭い区域、22・・・中央線、23・・・スプレイ・チヤンバー、24・・・赤外線乾燥チヤンバー、25a・・・空気入口、26・・・サクシヨン・ホイール、26a・・・サクシヨン・ホイールの空気通過リム、26b・・・サクシヨン・スペース、26c・・・サクシヨン・ホイールの固定部材、26d、26e・・・サクシヨン・ホイールの壁面、26g・・・空気流の矢印、26f・・・第2のチヤンバー、29・・・舌様部材、30、31・・・圧力取出し点、32、33・・・パイプ、34・・・比較測定装置、108・・・連続したロツド、108a・・・個々のロツド部分、109・・・切断装置」




(イ)引用文献1に記載された発明
上記(ア)で摘記した記載を含む引用文献1の全記載から、引用文献1に、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「2つのウェブは、対をなす送りローラーによって供給され、両ウェブは、それぞれスリット加工ローラーによってスリット加工されたあと、ローラーを通って送られながら、上下に重なって張り広げられた状態でコーンの中に引き入れられ、
ウェブ(または複数のウェブ)は、スプレイにより芳香剤をしみこますことができ、
ウェブの幅にわたって延在したスリットであって、それぞれの線のスリットが隣接した線のスリットから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリットの線をもつ成形された圧搾ウェブを包持するかあるいは該圧搾ウェブより構成されたフィラーを取り囲む包み紙より成り、スリットが開いた状態にあって、スリットの間に残されたウェブの互につながったストリップ様部分が、ロッドの軸に平行な面に対しおおむね傾斜するよう、前記ウェブが長さ方向に張り広げられているシガレット。」
また、引用発明の製造方法について着目すると以下の発明(以下「引用方法発明」という。)が記載されていると認められる。
「ウェブの幅にわたって延在したスリットであって、それぞれの線のスリットが隣接した線のスリットから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリットの線を有する少なくとも1条のフィラー材料のウェブを連続的に供給することによりフィラーを成形することと、スリットを開くため、ウェブを張り広げるとともに、スリットの間に残されたウェブの互につながったストリップ様の部分を元の面からねじることと、フィラーを成形するためウェブを圧搾ることと、連続したロッドを形成するため、このようにして形成されたフィラーを包み紙の中に包むことと、連続的なロッドを個々の単体部分に切断することより成る工程を包有した、取り囲み包み紙を有するフィラーより成るロッド様のタバコ製品を製造する方法。」
イ 引用文献2の記載
「まず、本発明方法を、紙巻タバコの製造のための第1図の略図に基づいて説明するが、このタバコはもっぱらタバコの薄板からだけ成立つている。この場合、例えば、50gr/m^(2)の重量及び20?25cmの巾を有しているタバコの薄板が無端状の帯10として、貯蔵ローラ11から矢印の方向に両方の協同作用をしているローラ12及び13によって引去られるが、これらのローラ12、13は、本実施例においては、両方共略図によって暗示されている駆動装置14から、同じ大きさではあるが連続的に制御可能である回転を受ける。両方の駆動ローラ12、13の直径は同一であることが目的にかなっており、また、それらの表面は平滑であるか、又は、かずかにけば立てされる。タバコの薄板の帯10は、続いて1対の成形ローラ15、16に到達するが、これらのローラは同様に両方の、略図で示されるように、駆動装置14によって連続的に制御可能である回転を受けることができるようになっている。駆動装置14及びその目的にかなって形態は、以下に更に詳細に説明される。
成形ローラ15、16によって、連続的に送られるタバコの薄板の帯10は、帯の平面から突出している構造を設けられる。本実施例の場合には、成形ローラ15、16を去った後に、成形されたタバコの薄板の帯17は、第3図に略図風に示された断面を有し、従って、平行に相互に長手方向に延びているリブを有している。リブの形状及びこのように成形されたタバコの薄板の帯17の他の特徴は、本質的に成形ローラ15、16の形状に関係する。第3図に示された規則正しい長手方向のリブは、例えば、第2図に拡大して示された成形ローラ15、16によって達成される。上方の成形ローラ15は多数の環状のリブ18を有し、これらは下方の成形ローラ16の同様の環状のリブ19に係合している成形ローラ15、16の軸間距離を精密に調整することによって、環状リブ18ないしは19の係合が調節されることができる。対向して係合している成形ローラ15及び16の間のすきまを貫いて走行するタバコの薄板の帯10は、係合の正しい調整によって永続的な成形を受け、すきまを去る際に、第3図に示す横断面を有するようになる。タバコの薄板の帯10の厚さ及び組成に応じて、成形ローラ15、16を約400℃までの温度に加熱することが目的にかなっているかも知れない。対応する成形ロール15、16の形状に関する他の詳細は、後に更に説明される。
成形されたタバコの薄板の帯17は、第1図に示すように、今や公知構造の巻管形成機械21の進入ろうと20の中に到達する。そこで、成形されたタバコの薄板の帯は、ほぼ円形横断面を有する無端のひもに寄せ集められ、公知の方法によって、被覆を設けられるが、そのために、例えば、せまい紙の帯22が貯蔵ローラ23から矢印の方向に引去られる。被覆用の帯22は、普通のように、重ね継ぎされる、継目に沿って接着され、これによって、製造されるべき紙巻タバコの直径に相当する、例えば、7.8?8.6mmの直径を有する無端の被覆された巻管24が生ずるようにする。これらの巻管は、ここでは、例えば、回転円板25として示された切断装置によって紙巻タバコの長さの切断片26に細分割されるが、その時に、この切断片は、仕上げられた紙巻タバコを形成する。
それ故、このような紙巻タバコ26は、被覆の中に、結合されているタバコの薄板から成立っている充てん物を有している。この充てん物は成形されたタバコの薄板の帯17の寄せ集めのために、多数の不規則な層に配置される。帯の平面から突出している構造物、従って、ここでは長手方向のリブのために、隣接する層の間に、その都度、多数の煙の通過するみぞが生ずるが、これらのみぞは、ほぼ紙巻タバコの充てん物の長手方向に延びている。このような、単に成形されたタバコの薄板の帯だけを含んでいる紙巻タバコの薫煙する際には、多数の長手方向のみぞ及びタバコの薄板の帯の構造物のために、一様な薫煙焼残渣及び通常の紙巻タバコに相当する通気抵抗が保証される。」(公報第2ページ左下欄末行?第3ページ右下欄第1行)



ウ 引用文献3の記載
「【請求項1】
タバコを収容する、電動の喫煙物品であって、
(a)喫煙物品内で発生したエアロゾルの放出のために構成された開口を備える吸い口と、喫煙物品内への空気の取り入れのために構成された開口を備える、吸い口に対する遠位端とを有する外側ハウジングと、
(b)喫煙物品に流入する空気が電力源を通過するように、外側ハウジング内であって外側ハウジングの遠位端における開口の下流に動作可能に配置された電力源と、
(c)前記電力源によって給電され、外側ハウジングの遠位端における開口を介して吸い込まれた空気を加熱するように動作可能に配置された外側ハウジング内の第1の電気抵抗発熱体と、
(d)外側ハウジング内に配置されたタバコ材料と、
(e)空気がタバコ材料及びエアロゾル形成材料の双方を介して吸い込まれることができるように、前記タバコ材料と流体的に連通している外側ハウジング内に配置されたエアロゾル形成材料と、
(f)前記電力源によって給電され、エアロゾル形成材料及びタバコ材料を加熱するように動作可能に配置された外側ハウジング内の第2の電気抵抗発熱体と、
(g)喫煙物品におけるユーザによる吸い込みを検知するように構成されたセンサを備え、吸い込み中に、前記第1及び第2の電気抵抗発熱体のうちの少なくとも1つを流れる電流を調整するように構成された煙吹かし作動コントローラとを備える、喫煙物品。」(【特許請求の範囲】)
エ 引用文献4の記載
「1.(a)燃料要素と、
(b)少なくとも1種のエーロゾル生成物質を含む物理的に分離したエーロゾル発生手段と、
(c)エーロゾル発生手段により生成されるエーロゾルを喫煙者に排出する分離した手段とを含み、排出手段は少なくとも1種の風味剤を保持する炭素充填シート材料を含む喫煙品。」(2.特許請求の範囲の1)
オ 引用文献6の記載
「ウエブの材料としてはいろいろなものを使用することができる。例えば、ウエブは、再構成タバコ材のような天然材料であってもよく、熱可塑性ポリマー材のような合成材料であってもよい。大抵の熱可塑性ポリマー材をウエブの材料として使用することができるが、好ましい熱可塑性ポリマー材としては、アイソタクチツクポリプロピレンのようなポリオレフィン、及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルがある。ウエブをメルトブロー熱成形法によって成形する場合、メルトブローされるウエブの組織を、従って、喫煙物品のフィルタ素子としての性能を改変するために、押出されるポリマー材メルト内に、又は溶融ポリマー材の表面上にいろいろな添加剤(例えば炭酸カルシウム(当審注:「単産カルシウム」とあったのは、「炭酸カルシウム」の誤記と認めた。))を容易に添加することができる。又、メルトブロー成形されたウエブには、その成形後、ある種の官能的及び、又は医療的属性を付与するために乾燥状態又は液状の補助剤で容易に後処理を施すことができる。」(公報第7ページ左下欄第19行?右下欄第17行)
カ 引用文献7の記載
「【0011】
【発明の実施の形態】シート状素材は、(1)セルロースエステル短繊維と、(2)前記短繊維に対して結合能(バインダーとしての機能)を有する特定の繊維とで構成されている。バインダー繊維は、セルロースエステル短繊維に対して、絡み合いなどによる物理的結合能、接着、親和力などによる化学的結合能又は物理化学的結合能を有していればよい。
【0012】[セルロースエステル短繊維]前記セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、燐酸セルロースなどの無機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートなどのセルロースエステル誘導体などが例示される。これらのセルロースエステルは、単独でまたは二種以上混合して使用できる。
【0013】セルロースエステルの平均重合度(粘度平均重合度)は、通常10?1000(例えば50?1000)、好ましくは50?900(例えば100?800)、より好ましくは200?800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1?3(好ましくは1.5?3)程度の範囲から選択でき、平均置換度1?2.15、好ましくは1.1?2.0程度のセルロースエステルは優れた生分解性を有するという特色がある。
【0014】好ましいセルロースエステルには、有機酸エステル(例えば炭素数2?4程度の有機酸とのエステル)、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが含まれるが、特にセルロースアセテートが好ましい。セルロースアセテートの結合酢酸(酢化度)は、43?62%程度である場合が多いが、酢化度30?50%程度のセルロースアセテートは、生分解性にも優れている。そのためセルロースアセテートの酢化度は、30?62%程度の範囲で適当に選択できる。
【0015】セルロースエステル短繊維は、例えば、慣用の紡糸法により製造された繊維を切断することにより得ることができる。セルロースエステル短繊維の平均繊維長は、湿式抄造などによるシート成形性を損なわない範囲で選択でき、例えば、1?20mm、好ましくは1?10mm(例えば、2?8mm)程度であり、3?7mm程度である場合が多い。短繊維の繊維長が短過ぎると、短繊維の製造コストが上昇するとともに、シート強度が低下し、巻上げ時にシートが破断するなどのトラブルが生じやすく、繊維長が長過ぎると、水への分散性、湿式抄紙法によるシート成形性が低下するとともに、自然界での崩壊性も低下しやすい。セルロースエステル短繊維の繊度は、例えば、1?10デニール、好ましくは2?8デニール、さらに好ましくは3?6デニール程度である。繊度が小さ過ぎると、一般的な方法で効率よく製造するのが困難であるとともに、紡糸に特殊な方法を必要とし、繊度が大き過ぎると、フィルターの濾過効率やシートの強度が低下するだけでなく、シートが嵩高くなりやすく、巻き上げが困難となるとともに、フィルター断面の均一性が低下しやすい。セルロースエステル短繊維は、捲縮繊維および無捲縮繊維のいずれであってもよいが、抄紙性、湿潤時の崩壊性又は分散性の点からは、非捲縮繊維であるのが好ましい。さらに、セルロースエステル短繊維の断面形状は、特に制限されず、円形、楕円形、多角形、異形断面形状、中空状などであってもよい。多角形や異形断面のセルロースエステル短繊維において、フィルターの通気抵抗を低減するとともに、硬度および濾過性能を高めるためには、特願平6-292149号に記載されているように、繊維の断面外縁に対する外接円の直径D1 と内接円の直径D2 との比R(=D1 /D2 )が2以上(例えば、2.2?6)、好ましくは2.3?5、さらに好ましくは3?5程度のセルロース短繊維を用いるのが有利である。異形断面形状の繊維には、断面形状が三葉形、十字形、R字状、H字状、I字状、T字状、U字状、V字状、Y字状、X字状、星形状などが含まれる。好ましい異形断面形状の繊維には、例えば、X字形、Y字形、H字形、I字形、R字状、特にX字形、Y字形、H字形、I字形の断面形状を有する繊維が含まれる。中でも、Y字形などの断面形状を有する繊維が好ましい。
【0016】[バインダー繊維]
(2)バインダー繊維には、水中において少なくとも部分的に繊維状の形態を保ち、前記短繊維に対して結合能を有する繊維が含まれる。なお、水中で「繊維状」であるか否かは、顕微鏡観察において、一定視野内に10個以上の物質を収め、これらの物質のうち占有面積の大きな5個の物質について、それぞれ外接する円(外接円)を描き、この外接円の面積に対する物質の面積の割合が0.5以下であるか否かによって判断でき、「繊維状」とは、線状の繊維を含めて、前記面積の割合が0.5以下の物質を意味する。このようなバインダー繊維は、セルロースエステル短繊維と、必要に応じてパルプとの総量100重量部に対してバインダー繊維10重量部を添加して混合し、湿式抄造したとき、坪量が同じであっても、未添加のシートに比べて、シート強度を10%以上増強でき、しかも、後述する水崩壊試験において、水の存在下又は生分解などによって結合力を低下させる繊維状物質であればよい。
【0017】前記バインダー繊維には、適度にフィブリル化した繊維、水で膨潤又は一部溶解する繊維が含まれる。さらに、バインダー繊維は、喫味を損なうことがなく、口に直接触れるたばこフィルターに要求される安全性の高い繊維であるのが好ましい。バインダー繊維には、揮発性で異臭又は悪臭のモノマー又はオリゴマー成分を含まず、経口的に安全な生分解性高分子、多糖類又はその誘導体であるのが好ましい。生分解性高分子には、脂肪族ポリエステル、例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリグリコール酸などの脂肪族オキシカルボン酸の単独又は共重合体、ポリカプロラクトンなどのラクトンの開環重合体など、C2-10程度の脂肪族ジオールとC2-12程度の脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルなどが例示できる。多糖類又はその誘導体の繊維には、例えば、天然セルロース繊維、繊維状でんぷん、再生セルロース繊維、キチン又はキトサンの繊維などが含まれる。これらの生分解性高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0018】生分解性高分子、多糖類又はその誘導体のバインダー繊維を用いると、環境汚染の低減と言う観点から有効である。また、キトサンの繊維は、フェノール成分、酸性成分の選択的除去性を高めることができるとともに、弱酸性環境下での崩壊性を発現させる上で有用である。なお、生分解性高分子のバインダー繊維の含有量が多くなるにつれてシート強度を向上させ、短繊維の脱落を抑制できるが、必然的にセルロースエステルの含有量が低減し、たばこ煙に対する濾過性能や喫味に悪影響を及ぼす場合がある。」
(2)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、文言の意味、機能または作用等からみて、後者の「ロツド」は、前者の「ロッド」に相当する。
また、引用発明の「ウェブ」は、シート状のものであることが明らかであって、機能または作用等も考慮すると、本願発明1の「第1のシート(2)」、「第2のシート(3)」及び「シート」に相当する。
さらに、引用発明の「シガレツト」は、ロッドからなり、ロッドと同じものといいえるものなので、本願発明1の「ロッド」に相当するものである。
また、引用発明の「スプレイによ」る「芳香剤」は、本願発明1の「非タバコ香味料」に相当し、本願発明1と引用発明とは、「非タバコ香味料を含みうる」との限りで一致する。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、以下の一致点及び相違点1を有する。
<一致点>
「第1のシートと第2のシートを含み、
非タバコ香味料とを含みうる、
ロッド。」
<相違点1>
第1のシート、第2のシート及び非タバコ香味料の態様について、本願発明1は、「重なり合って配置され共にギャザー加工されてラッパー(12)に取り巻かれた、タバコ材料を含む皺寄せされた第1のシート(2)と、非タバコ香味料を含む皺寄せされた第2のシート(3)とを含み、前記第1のシートは、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートであり、前記第2のシートは、高分子シートである」としているのに対して、引用発明は、「2つのウェブは、対をなす送りローラーによって供給され、両ウェブは、それぞれスリット加工ローラーによってスリット加工されたあと、ローラーを通って送られながら、上下に重なって張り広げられた状態でコーンの中に引き入れられ、
ウェブ(または複数のウェブ)は、スプレイにより芳香剤をしみこますことができ、
ウェブの幅にわたって延在したスリットであって、それぞれの線のスリットが隣接した線のスリットから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリットの線をもつ成形された圧搾ウェブを包持するかあるいは該圧搾ウェブより構成されたフィラーを取り囲む包み紙より成り、スリットが開いた状態にあって、スリットの間に残されたウェブの互につながったストリップ様部分が、ロッドの軸に平行な面に対しおおむね傾斜するよう、前記ウェブが長さ方向に張り広げられている」とされている点。
イ 相違点1についての判断
本願発明1の「タバコ材料を含む皺寄せされた第1のシート(2)」における「皺寄せ」とは、本願明細書の「本明細書で使用する『皺寄せシート』という用語は、『クレープ紙』という用語と同義であることを意図しており、複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有するシートを意味する。例えば均質化タバコ材料の皺寄せシートなどの、エアロゾル形成材料の皺寄せシート
は、本明細書で説明するロッドの円筒軸に対して実質的に平行な複数の隆起部又は皺を有することが好ましい。」(【0039】)との記載によると、
「ロッドの円筒軸に対して実質的に平行な複数の隆起部又は皺を有」することを意味している。
そして、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2には、「成形ローラ15、16によって、連続的に送られるタバコの薄板の帯10は、帯の平面から突出している構造を設けられる。本実施例の場合には、成形ローラ15、16を去った後に、成形されたタバコの薄板の帯17は、第3図に略図風に示された断面を有し、従って、平行に相互に長手方向に延びているリブを有している。」、「対向して係合している成形ローラ15及び16の間のすきまを貫いて走行するタバコの薄板の帯10は、係合の正しい調整によって永続的な成形を受け、すきまを去る際に、第3図に示す横断面を有するようになる。」と記載され、成形ローラにより、タバコの帯に、永続的な成形を与えて、リブを設けるという技術的事項が記載されていると認められる。
しかしながら、引用発明は、「ウエブの幅にわたって延在したスリツトであって」、「スリツトが開いた状態にあって、スリツトの間に残されたウエブの互につながったストリツプ様部分が、ロツドの軸に平行な面に対しおおむね傾斜するよう、前記ウエブが長さ方向に張り広げられている」ものであって、引用発明に、上記技術的事項を適用すると、シートにリブを設ける程の成形を与えることとなり、その結果、引用発明の「スリツトの間に残されたウエブの互につながったストリツプ様部分」が破壊されることとなるから、引用発明に上記技術的事項の適用することに、動機付けがあるとは認められず、むしろ、阻害要因があるといえる。
また、引用文献2?4、6、7をみても、上記相違点1に係る本願発明1の特定事項が技術常識であるともいうことができない。
そうすると、上述の点で、相違点1に係る本願発明1の特定事項について、引用発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項から当業者が容易に想到し得たといえないから、本願発明1は、引用発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3) 本願発明2?12について
本願発明2?12は、相違点1に係る本願発明1の特定事項を具備しており、本願発明2?12と引用発明は、少なくとも、相違点1と同様の点で相違するところ、前記(2)イで述べたのと同様の理由によって、本件発明2?12は、引用発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4) 本願発明13について
本願発明13は、「タバコ材料を含む皺寄せされた第1の連続シート(2)であって、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートである前記第1の連続シートを準備するステップ」を備えるものであり、本願発明13と引用方法発明と対比すると、少なくとも以下の相違点2を有する。
<相違点2>
本願発明13は、「タバコ材料を含む皺寄せされた第1の連続シート(2)であって、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートである前記第1の連続シートを準備するステップ」を備えているのに対して、引用方法発明は、「ウェブの幅にわたって延在したスリットであって、それぞれの線のスリットが隣接した線のスリットから片寄りしている間隔をあけて設けられたスリットの線を有する少なくとも1条のフィラー材料のウェブを連続的に供給することによりフィラーを成形することと、スリットを開くため、ウェブを張り広げるとともに、スリットの間に残されたウェブの互につながったストリップ様の部分を元の面からねじることと」している点。
以下、上記相違点2について検討する。
引用方法発明は、「タバコ材料を含む皺寄せされた第1の連続シート(2)」との特定事項を備えるものであり、この点で、相違点1について同様な理由により、引用方法発明に、上記技術的事項の適用することには、動機付けがあるとは認められず、むしろ、阻害要因があるといえる。
また、引用文献2?4、6、7をみても、上記相違点2に係る本願発明13の特定事項が技術常識であるともいうことができない。
そうすると、上述の点で、相違点2に係る本願発明1の特定事項について、引用方法発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項から当業者が容易に想到し得たといえないから、本願発明13は、引用方法発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)小括
前記(2)?(4)のとおりであって、本願発明1?12は、引用発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項に基いて、本願発明13は、引用方法発明及び引用文献2?4、6、7に記載された事項に基いて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によって、本件出願を拒絶することはできない。

第6 当審拒絶理由(明確性要件違反)に対する判断
前記第4で指摘した事項は、令和元年5月30日の手続補正により、明確な記載に補正された結果、当該理由(明確性要件違反)は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本件出願を拒絶することはできない。
また、他に本件出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する
 
審決日 2019-07-12 
出願番号 特願2015-514512(P2015-514512)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A24B)
P 1 8・ 121- WY (A24B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 豊島 ひろみ  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 井上 哲男
山崎 勝司
発明の名称 エアロゾル発生物品で使用するための香味付きロッド  
代理人 上杉 浩  
代理人 那須 威夫  
代理人 弟子丸 健  
代理人 西島 孝喜  
代理人 大塚 文昭  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 豊島 匠二  
代理人 近藤 直樹  
代理人 須田 洋之  
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