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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H04N 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 H04N 審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1353127 |
異議申立番号 | 異議2018-700630 |
総通号数 | 236 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-07-31 |
確定日 | 2019-05-16 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6272727号発明「媒体ガイダンスインターフェイスを有する双方向媒体ガイド」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6272727号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-10〕について訂正することを認める。 特許第6272727号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6272727号の請求項1?10に係る特許についての出願は、2001年(平成13年)4月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2000年4月10日、米国、2000年5月5日、米国)を国際出願日とする特願2001-575710号の一部を数次の分割を経て平成26年4月25日に新たな特許出願としたものであって、平成30年1月12日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人松田純一により特許異議の申立てがされ、平成30年10月31日付けで取消理由が通知され、平成31年2月4日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人松田純一から平成31年3月27日付けで意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)、(2)のとおりである。 (1)請求項1?5に係る訂正 特許請求の範囲の請求項1において、「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている」とあるのを「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」に訂正する(請求項1の記載を直接的または間接的に引用する請求項2?5も同様に訂正する)。 当該訂正を以下「訂正事項1」という。 (2)請求項6?10に係る訂正 ア 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6において、「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている」とあるのを「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」に訂正する(請求項6の記載を直接的または間接的に引用する請求項7?10も同様に訂正する)。 当該訂正を以下「訂正事項2」という。 2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)請求項1?5に係る訂正 ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている」における「予め定義されている」を「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」とし、どのような態様で予め定義されているかを限定しているものと認められる。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 同様に、訂正後の請求項2?5は、訂正後の請求項1の記載を引用することにより、訂正後の請求項2?5に係る発明をより具体的に特定し、更に限定するものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アのとおり、訂正事項1は、発明特定事項を限定的に減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する訂正前の請求項2?5の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記アのとおり、訂正後の請求項1の記載は、訂正前の請求項1との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?5の記載について何ら訂正するものではなく、訂正後の請求項2?5に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、訂正前の請求項2?5との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 願書に添付した明細書の段落【0060】には、 「いくつかの実施形態では、ユーザに媒体ガイドメニュー画面を動的に作成する機会が与えられ得る。図8bでは、ユーザにより規定され、かつユーザに双方向媒体ガイドにより保存された1つ以上のサーチ830を入力する機会がユーザに与えられ得る。ユーザはまた、選択されたサーチの結果が表示され得る1つ以上の群850を選択し得る。適切なチェックボックス835を選択することでサーチを入力するという要望を示すと、ユーザにはサーチストリングを名付ける(例えば、「Richのお気に入り」)機会が与えられる。ユーザにはまた、サーチストリングを入力する機会が与えられ得る。サーチストリングはブーリアンサーチストリング、自然言語サーチストリング、または任意の他の適切なサーチストリングであり得る。図8cは、ユーザがサーチストリングを入力する要望を示す場合に、ユーザに提示され得る例示の表示855を示す。ユーザはクエリボックス858にサーチストリングを入力し得る。サーチをさらに精細に行うために、ユーザはサーチを適用する1つ以上のサーチ基準860を選択し得る。これらの基準は、例えば番組時間、番組サブジェクト、またはキーワードサーチを含み得る。その後、メニュー画面を入力すると、ガイドはユーザによって入力されたサーチを実行し、そしてサーチ基準を満たす番組を含むユーザ規定された群850のみを表示する。ユーザにはまた、サーチ基準フィールド870から適切なチェックボックスを選択することにより、サーチがいつ実行されるべきかを決定する機会が与えられ得る。例えば、ユーザは、直ちにか、予定された時間にか(例えば、午前9時に、または1時間毎に)、あるいは特定のイベントが起こったときに(例えば、群またはサブ群が選択されたときはいつでも、特定の番組の終わりで、または任意の他の適切なイベントで)サーチを実行するように選択し得る。」 と記載され、また、図8b、図8cは次のとおりである 「【図8b】 」 「【図8c】 」 段落【0060】の記載、図8b、図8cによると、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内である。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 一群の請求項 請求項2?5は請求項1を直接的又は間接的に引用するから、請求項1?5は一群の請求項である。 上記訂正事項1は、一群の請求項に対して請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 (2)請求項6?10に係る訂正 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項6の「1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている」における「予め定義されている」を「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」とし、どのような態様で予め定義されているかを限定しているものと認められる。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 同様に、訂正後の請求項7?10は、訂正後の請求項6の記載を引用することにより、訂正後の請求項7?10に係る発明をより具体的に特定し、更に限定するものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アのとおり、訂正事項2は、発明特定事項を限定的に減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 訂正事項2は、訂正前の請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する訂正前の請求項7?10の記載についても実質的に訂正するものであるが、上記アのとおり、訂正後の請求項6の記載は、訂正前の請求項6との関係で特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項2は、訂正前の請求項6の記載以外に、訂正前の請求項7?10の記載について何ら訂正するものではなく、訂正後の請求項7?10に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、訂正前の請求項7?10との関係で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 願書に添付した明細書の段落【0060】の記載、図8b、図8cは上記(1)ウのとおりである。 段落【0060】の記載、図8b、図8cによると、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内である。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 一群の請求項 請求項7?10は請求項6を直接的又は間接的に引用するから、請求項7?10は一群の請求項である。 上記訂正事項2は、一群の請求項に対して請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1?10について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1?10(以下「本件発明1」?「本件発明10」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 ただし、(1A)?(10B)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件1A」?「構成要件10B」という。 (本件発明1) (1A)ユーザにメディアを提示する方法であって、前記方法は、 (1B)番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、 (1B-1)前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、 (1B-2)前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、 (1B-3)前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている、ことと、 (1C)選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、 (1C-1)前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、 (1C-2)前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 (1D)前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと (1E)を含む、方法。 (本件発明2) (2A)前記選択されたメディアグループオプションは、現在利用可能なメディアに関連付けられている、 (2B)請求項1に記載の方法。 (本件発明3) (3A)前記1以上のメディアグループオプションは、ユーザによって定義される、 (3B)請求項1に記載の方法。 (本件発明4) (4A)メディアグループオプションに関連付けられたメディアサブグループオプションを表示のために生成することをさらに含み、 (4B)前記複数のメディアインジケータのうちの少なくとも1つは、前記メディアサプグループオプションに関連付けられている、 (4C)請求項1に記載の方法。 (本件発明5) (5A)前記メディアサプグループオプションに関連付けられたメディアインジケータの数を示すことをさらに含む、 (5B)請求項4に記載の方法。 (本件発明6) (6A)ユーザにメディアを提示するシステムであって、前記システムは、処理回路部を含み、前記処理回路部は、 (6B)番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、 (6B-1)前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、 (6B-2)前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、 (6B-3)前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている、ことと、 (6C)選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、 (6C-1)前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、 (6C-2)前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 (6D)前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと (6E)を行うように構成されている、システム。 (本件発明7) (7A)前記選択されたメディアグループオプションは、現在利用可能なメディアに関連付けられている、 (7B)請求項7に記載のシステム。 (本件発明8) (8A)前記1以上のメディアグループオプションは、ユーザによって定義される、 (8B)請求項6に記載のシステム。 (本件発明9) (9A)前記処理回路部は、メディアグループオプションに関連付けられたメディアサブグループオプションを表示のために生成するようにさらに構成されており、 (9B)前記複数のメディア インジケータのうちの少なくとも1つは、前記メディアサプグループオプションに関連付けられている、 (9C)請求項6に記載のシステム。 (本件発明10) (10A)前記処理回路部は、前記メディアサプグループオプションに関連付けられたメディアインジケータの数を示すようにさらに構成されている、 (10B)請求項9に記載のシステム。 2 取消理由の概要 訂正前の請求項1?10に係る特許に対して平成30年10月31日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 A(新規性)本件特許の請求項1?3、6?8に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 B(進歩性)本件特許の請求項1?10に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 甲第1号証:国際公開第00/04706号 甲第2号証:特開平8-102922号公報 甲第3号証:特開平10-164471号公報 3 甲各号証の記載及び甲各号証に記載された発明 (1)甲第1号証 ア 甲第1号証の記載事項 甲第1号証(以下「甲1」という。)には、「CLIENT-SERVER BASED INTERACTIVE TELEVISION PROGRAM GUIDE SYSTEM WITH REMOTE SERVER RECORDING」[訳:リモートサーバ録画を用いたクライアント-サーバに基づいた双方向テレビ番組ガイドシステム](発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。訳は、甲1の対応する公表公報:特表2003-520458号公報の記載を参考に当審で付した。)。 (ア)「Cable, satellite, and broadcast television systems provide viewers with a large number of television channels. Viewers have traditionally consulted printed television program schedules to determine the programs being broadcast at a particular time. More recently, interactive television program guides have been developed that allow television program information to be displayed on a user’s television. Interactive television program guides allow the user to navigate through television program listings using a remote control. In a typical program guide, various groups of television program listings are displayed in predefined or user-defined categories. Listings are typically displayed in a list, grid, or table.」(1頁10行?2頁3行) [訳:ケーブルテレビシステム、衛星テレビシステム、および放送テレビシステムは、視聴者に多数のテレビチャンネルを提供する。視聴者は従来から、特定の時間に放送される番組を決定するために、印刷されたテレビ番組予定を参照してきた。より最近では、ユーザのテレビにテレビ番組情報を表示することを可能にする双方向テレビ番組ガイドが開発されている。双方向テレビ番組ガイドは、ユーザがリモコンを用いてテレビ番組ガイドをナビゲートすることを可能にする。典型的な番組ガイドでは、様々な種類のテレビ番組リスト項目が、所定のカテゴリまたはユーザの規定するカテゴリ内で表示される。リスト項目は典型的には、リスト、グリッド、または表に表示される。(段落0001)] (イ)「The interactive television program guide or program guide client may run on set-top box 28, on television 36, on optional digital storage device 31 (if television 36 or optional digital storage device 31 has suitable processing circuitry and memory), or on a suitable analog or digital receiver connected to television 36. The interactive television program guide may also run cooperatively on both television 36 and set-top box 28. Interactive television application systems in which a cooperative interactive television program guide application runs on multiple devices are described, for example, in Ellis U.S. patent application Serial No. 09/186,598, filed November 5, 1998, which is hereby incorporated by reference herein in its entirety. 」(31頁10?24行) [訳:双方向テレビ番組ガイドまたは番組ガイドクライアントは、セットトップボックス28、テレビ36、オプションのデジタル記憶装置31(ただし、テレビ36またはオプションのデジタル記憶装置31が適切な処理回路およびメモリを有する場合)、またはテレビ36に接続された適切なアナログ受信器もしくはデジタル受信器の上で実行することができる。双方向テレビ番組ガイドはまた、テレビ36およびセットトップボックス28の両方で協同して実行することができる。複数のデバイス上で双方向テレビ番組ガイドアプリケーションを協同して実行する双方向テレビアプリケーションシステムについては、例えば、1998年11月5日に出願された、Ellisによる米国特許出願第09/186,598号に記載がある。本明細書中、同出願の全体を参考のため援用する。(段落0054)] (ウ)「When a user indicates a desire to access the interactive television program guide (e.g., by using a "MENU" key on remote control40), the program guide generates an appropriate program guide display screen for display on display device 45. A main menu screen such as illustrative main menu screen 100 of FIG. 10 may be generated that provides the user with access to various program guide functions. Main menu screens may contain various advertisements, logos, etc.」(39頁22?30行) [訳:ユーザが(例えば、リモコン40上の「メニュー」キーを用いて)双方向テレビ番組ガイドにアクセスしたい旨を知らせると、番組ガイドは、適切な番組ガイド表示画面を生成して、表示デバイス45上に表示する。図10の例示的メインメニュー画面100のようなメインメニュー画面を生成することができ、この画面は、ユーザに様々な番組ガイド機能へのアクセスを提供する。メインメニュー画面は、様々な広告、ロゴなどを含み得る。(段落0072)] (エ)「Illustrative main menu screen 100 of FIG. 10 includes a menu 102 of selectable program guide features 106. If desired, selectable features 106 may be organized according to feature type. In menu 102, for example, program guide options 106 have been organized into three columns. The column labeled "TV GUIDE" is for listings-related features, the column labeled "MSO SHOWCASE" is for multiple system operator (MSO) related features, and the column labeled "VIEWER SERVICES" is for viewer-related features. The interactive television program guide may generate a display screen for a particular program guide feature when the user selects that feature from menu 102.」(39頁31行目?40頁11行目) [訳:図10の例示的メインメニュー画面100は、選択可能な番組ガイド機能106のメニュー102を含む。所望ならば、選択可能な機能106は、機能の種類別に分けてもよい。メニュー102では例えば、番組ガイドオプション106は3つの縦列に分かれている。「TVガイド」という名前の列は、リスト項目に関連する機能用の列であり、「MSOショーケース」という名前の列は、複数のシステムオペレータ(MSO)に関連する機能用の列であり、「視聴者サービス」という名前の列は、視聴者に関連する機能用の列である。ユーザが、メニュー102から上記の機能を選択すると、双方向テレビ番組ガイドは、特定の番組ガイド機能についての表示画面を生成し得る。(段落0073)] (オ)「One function of the interactive television program guide may be to provide the user with the opportunity to view television program listings. A user may indicate a desire to view program listings by, for example, positioning highlight region 120 over a desired program guide option related to program listings (e.g., the "movies" option). The program guide may also present program listings when the user presses a suitable key (e.g., a "GUIDE" key) on remote control 40. When the user indicates a desire to view television program listings, the program guide may obtain program listings data from a data stream provided by program guide distribution facility 16, from server 25, or from memory 63 and may generate an appropriate program listings screen for display on monitor 45. A program listings screen may contain one or more groups or lists of program listings organized according to one or more organization criteria (e.g., by program category).」(41頁3?21行) [訳:双方向テレビ番組ガイドの1つの機能は、ユーザにテレビ番組リス卜項目を見る機会を与えることであり得る。ユーザは、例えば強調表示領域120を番組リスト項目(例えば、「映画」オプション)に関連する所望の番組ガイドオプション上に位置決めすることにより、番組リスト項目を見たい旨を知らせることができる。番組ガイドはまた、ユーザがリモコン40上の適切なキー(例えば、「ガイド」キー)を押したときに、番組リスト項目を提示することもできる。ユーザがテレビ番組リスト項目を見たい旨を知らせると、番組ガイドは、番組ガイド配信設備16により提供されるデータストリームから、サーバ25から、またはメモリ63から番組リスト項目データを入手し、適切な番組リスト項目を生成してモニタ45上に表示することができる。番組リスト項目画面は、1つ以上の分類基準(例えば、番組カテゴリなど)に従って分類された番組リスト項目のグループまたはリストを1つ以上含み得る。(段落0076)] (カ)「A user may indicate a desire to view program listings by time, channel, or category by, for example, selecting a selectable feature from menu 102. In response, the program guide may display program listings in a suitable listings display screen. FIGS. 11a, 11b, and 11c illustrate the display of program listings by time, by channel, and by category, respectively. The program listings display screens 130, 135, and 140 of FIGS. 11a, 11b, and 11c may include highlight region 151, which highlights the current program listing 150. The user may position highlight region 151 by entering appropriate commands with user input device 46. For example, if user input device 46 has a keypad, the user can position highlight region 151 using up, down, left, and right arrow keys. Remote program listings may also be panned left, right, up, and down by positioning highlight region 151 using the arrow keys on remote control 40. Alternatively, a touch sensitive screen, trackball, voice recognition device, pen-based computer device, or other suitable device may be used to move highlight region 151 or to select program listings without the use of highlight region 151. In still another approach, the user may speak a television program listing into a voice request recognition system. These methods of selecting program listings are merely illustrative. Any other suitable approach for selecting program listings or other items in the program guide may be used if desired. 」(42頁5?32行) [訳:ユーザは、例えばメニュー102から選択可能な機能を選択することにより、時間別、チャンネル別、またはカテゴリ別の番組リスト項目を見たい旨を示し得る。それに応答して、番組ガイドは、番組リスト項目を適切なリスト項目表示画面で示すことができる。図11a、図11b、および図11cは、時間別、チャンネル別、およびカテゴリ別の番組リスト項目をそれぞれ表示したものを示す。図11a、図11b、および図11cの番組リスト項目表示画面130、135、および140は、現在の番組リスト項目150を強調表示する強調表示領域151を含むことができる。ユーザは、ユーザ入力装置46を用いて適切なコマンドを入力することにより、強調表示領域151を位置決めすることができる。例えば、ユーザ入力装置46にキーパッドがある場合、ユーザは、上下および左右矢印キーを用いて強調表示領域151を位置決めすることができる。リモコン40上の矢印キーを用いて強調表示領域151を位置決めすることにより、リモート番組リスト項目を上下左右にパンすることもできる。あるいは、タッチスクリーン、トラックボール、音声認識システム、ペンを用いたコンピュータデバイス、または他の適切なデバイスを用いて、強調表示領域151を移動させ、または強調表示領域151を用いずに番組リスト項目を選択してもよい。さらに別のアプローチにおいて、ユーザは、音声リクエスト認識システム内のテレビ番組リスト項目に話し掛けてもよい。これらの番組リクエスト項目の選択方法は例示的なものに過ぎない。所望ならば、番組ガイド中の番組リスト項目または他のアイテムを選択するための他の任意の適切なアプローチを用いてもよい。(段落0078)] (キ)「The program listings screens of FIGS.11a, 11b, and 11c may also include listings for programs recorded by, or selected for recording by, remote media server 24 or local media server 29. Recorded programs may be displayed, for example, at the beginning of the listings. Programs to be recorded may be displayed in their normal position within a list and may, if desired, have an icon indicating them as to be recorded. FIG. 11a shows, for, example, a listing for a scheduled recording of "I Love Lucy" at 10:30 PM on June 5, 1999. The listing has icon 299 that indicates the listing is for a program that is to be recorded. FIG. 11b shows, for example, a comedy program listing for a recorded copy of the comedy "Saturday Night Live" that was recorded at 11:00 on June 1, 1999. FIG. 11c shows, for example, a movie listing for a recorded copy of the movie "Perfect Body," recorded at 9:00 PM on May 31, 1999. 」(43頁13?30行) [訳:また、図11a、図11b、および図11cの番組リスト項目画面は、リモートメディアサーバ24またはローカルメディアサーバ29により録画されたかまたは録画希望番組として選択された番組のリスト項目も含むことができる。録画された番組は、例えばリスト項目の一番上に表示され得る。録画予定番組は、通常のリスト内の位置に表示され得、所望ならば、録画予定番組であることを示すアイコンを付けることができる。図11aは、例えば、「ILoveLucy」が1999年6月5日の10:30PMに録画される予定であることを示すリスト項目を示す。この「ILoveLucy」のリスト項目は、そのリスト項目が録画予定番組のリスト項目であることを示すアイコン299を有する。図11bは、例えば、1999年6月1日の11:00に録画された「SaturdayNightLive」というコメディ番組の録画されたコピーについてのコメディ番組リスト項目を示す。図11cは例えば、1999年5月31日の9:00PMに録画された「PerfectBody」という映画の録画されたコピーについての映画リスト項目を示す。(段落0080)] (ク)「FIGS. 11a, 11b and 11c show listings for recorded programs and programs scheduled for recording as having a slightly different listing display format than the listings for regular programs. For example, recorded programs have their actual or anticipated record dates displayed. If desired, any other suitable approach may be used to indicate that some listings are for recorded programs or programs scheduled for recording. Such listings may have a different color, a different font, a shading, an icon or any other effect that indicates they are not regular program listings. Alternately, such listings may be omitted from program listings screens.」(43頁31行?44頁11行) [訳: 図11a、図11b、および図11cは、録画済み番組および録画予定番組についてのリスト項目の表示形式が、通常の番組のリスト項目の表示形式と少し異なっている様子を示す。例えば、録画される番組の実際の録画日または録画予定日が表示されている。所望ならば、他の任意の適切なアプローチを用いて、録画済み番組または録画予定番組のいくつかのリスト項目を示してもよい。このようなリスト項目は、通常の番組リスト項目ではないことを示すよう、異なる色、異なるフォント、影付き、アイコンまたは他の任意の効果を有する。あるいは、このようなリスト項目は、番組リスト項目画面から省くこともできる。(段落0081)] (ケ)「Once the user has selected a listing and indicated a desire that its associated program be played back (and if necessary confirmed the playback), the program guide may issue a play back request to remote media server 24 or local media server 29. If desired, the program may be played back without commercials. The program guide may, for example, provide the user with the opportunity to set a "skip commercials" option from a set-up screen. Alternatively, the user may fast-forward through commercials.」(56頁24行?57頁2行) [訳:ユーザがリスト項目を選択してそのリスト項目に関連する番組を再生したい旨を知らせる(そして必要な場合、その再生を確認する)と、番組ガイドは、リモートメディアサーバ24またはローカルメディアサーバ29に対して再生リクエストを発行することができる。所望ならば、番組をコマーシャル無しで再生することができる。番組ガイドは、例えば設定画面から「コマーシャルをスキップする」オプションを設定する機会をユーザに与えることができる。あるいは、ユーザは、コマーシャルを早送りすることもできる。(段落0107)] (コ)「The user may select or designate a program for playback by, for example, selecting the listing for the program from a list or other program guide display screen. After the user designates a program for playback (e.g., by selecting a listing and pressing a "PLAY" key on remote control 40), the program guide generates a playback request that is transmitted to remote media server 24 or local media server 29 (steps 2720 and 2740). Playback requests may be transmitted using, for example, TCP/IP, IPX/SPX, DOCSIS, or any other suitable protocol or protocols. If users are charged for playing back programs, program guide distribution equipment 16 may provide billing information to billing system 199 (FIG. 1) at step 2750. The billing information may include the title of the program that was selected, its identifier, its length, the charge for the play back, or any other suitable information. Billing system 199 may bill the requesting user or adjust the user’s account at steps 2755 and 2757, respectively. At steps 2760 and 2780, the program and associated program guide data are played back from the recording media server and presented to the user (e.g., on the user’s television 36 of FIG. 7 or PC 231 of FIG. 2e).」(77頁9?32行) [訳:ユーザは、例えばリストまたは他の番組ガイド表示画面から番組リスト項目を選択することにより、再生する番組を選択または指定することができる。ユーザが(例えばリスト項目を選択してリモコン40上の「再生」キーを押すなどして)再生する番組を指定すると、番組ガイドは再生リクエストを生成し、この再生リクエストをリモートメディアサーバ24またはローカルメディアサーバ29へと送信する(工程2720および工程2740)。再生リクエストの送信は、例えばTCP/IP、IPX/SPX、DOCSIS、または他の任意の適切なプロトコル(単数または複数)を用いて行うことができる。番組の再生に対してユーザが請求される場合、工程2750において、番組ガイド配信機器16は、課金情報を課金システム199(図1)へと提供し得る。課金情報には、選択された番組のタイトル、番組の識別子、番組の長さ、再生にかかる料金、または他の任意の適切な情報が含まれ得る。課金システム199は、それぞれ工程2755および工程2757において、リクエストしているユーザに請求書を発行するか、またはユーザの勘定を清算することができる。工程2760および2780において、録画メディアサーバから番組および関連番組ガイドデータが再生され、ユーザへと提示される(例えば、図7のユーザのテレビ36または図2eのPC231など)。(段落0151)] 「 」 [訳:【図10】 ] 「 」 [訳:【図11a】 ] 「 」 [訳:【図11b】 ] 「 」 [訳:【図11c】 ] イ 甲1に記載された発明 (ア)上記ア(ウ)、(エ)によると、ユーザがリモコン上のメニューキーを用いてテレビ番組ガイドにアクセスしたい旨を知らせると、番組ガイド表示画面であるメインメニュー画面(100)を生成して表示する。ここで、メインメニュー画面(100)は複数の番組ガイドオプション(106)を含む。 (イ)図10によると、番組ガイドオプション(106)には、「BY CHANNEL」(チャンネル別)、「FAVORITES」(お気に入り)がある。 (ウ)上記ア(ア)によると、番組ガイドは、様々な種類のテレビ番組リスト項目が、所定のカテゴリまたはユーザの規定するカテゴリ内で表示される。 (エ)上記ア(オ)によると、ユーザが強調表示領域(120)を所望の番組ガイドオプション(106)上に位置決めし、ガイドキーを押すと、番組リスト項目画面を生成して表示する。ここで、番組リスト項目画面は1つ以上の分類基準に従って分類された番組リスト項目のグループを含む。 (オ)図11bの番組リスト項目画面には、上記ア(キ)、(ク)によると、録画された番組の番組リスト項目があり、図11bによると、時間及び番組の番組リスト項目がある。 (カ)上記ア(ケ)、(コ)によると、複数の番組リスト項目(150)から1つの番組リスト項目を選択し、リモコンの再生キーを押すことにより、再生する番組を指定すると、番組が再生され、ユーザへ提示される。 したがって、甲1には、番組を再生することが記載されている。 (キ)以上まとめると、甲1には、上記(ア)?(カ)のような番組を再生することが記載されている。 これを方法の発明として認定すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 (甲1発明) (1a)ユーザがリモコン上のメニューキーを用いてテレビ番組ガイドにアクセスしたい旨を知らせると、番組ガイド表示画面であるメインメニュー画面を生成して表示し、 (1a-1)ここで、メインメニュー画面は複数の番組ガイドオプションを含み、番組ガイドオプションには、チャンネル別、お気に入りがあり、番組ガイドは、様々な種類のテレビ番組リスト項目が、所定のカテゴリまたはユーザの規定するカテゴリ内で表示され、 (1b)ユーザが強調表示領域を所望の番組ガイドオプション上に位置決めし、ガイドキーを押すと、番組リスト項目画面を生成して表示し、 (1b-1)ここで、番組リスト項目画面は1つ以上の分類基準に従って分類された番組リスト項目のグループを含み、番組リスト項目画面は、録画された番組の番組リスト項目と、時間及び番組の番組リスト項目があり、 (1c)複数の番組リスト項目から1つの番組リスト項目を選択し、リモコンの再生キーを押すことにより、再生する番組を指定すると、番組が再生され、ユーザへ提示される、 (1d)方法。 ((1a)?(1d)は、構成を区別するために、当審で付与した。以下各構成を「構成1a」?「構成1d」という。) (2)甲第2号証 ア 甲第2号証の記載事項 甲第2号証(以下「甲2」という。)には、「番組情報放送方式、番組情報表示方法および受信装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。 「【0027】この発明による番組情報表示方法においては、前記番組情報放送方式により放送される番組情報の対応表データを用いて、識別データからなる番組予定表データを文字表示するためのデータで表された番組予定表データに作り変え、ディスプレイに表示する。このとき、ユーザにより番組の分類項目や細項目が選択指定されれば、その指定された分類項目、例えばスポーツ番組のみの番組予定が、ディスプレイに表示される。」 「【0181】図19は、他の検索例の画面表示の例である。この例は、項目種類一覧データに基づく初期検索メニューM4が図19Aに示すような場合であって、この初期検索メニューM4において、項目種類「出演者(ARTIST)」がユーザにより検索キーとして選択された場合である。 【0182】この例の場合には、放送信号中のインデックスデータのID対応一覧データとして出演者ID対応一覧データが含まれているので、メニューM5としては、図19Bに示すように、その出演者ID一覧データのテキストデータを文字に変換した出演者一覧表が表示される。 【0183】そして、このメニューM5において、特定の項目、この例の場合には、特定の出演者名が図19Bで斜線を付して示すように、ユーザにより選択されると、その出演者IDを検索キーとして、検索部114により、メモリ111の番組情報について、当該出演者が出演する番組、あるいは当該出演者により演奏される楽曲が放送される番組あるいは分割サブ番組がサーチされる。そして、見付け出された番組あるいは分割サブ番組のタイトルあるいはサブタイトルと、その放送開始時刻および放送時間長からなる項目別番組表tblが、図19Cに示すように、ディスプレイ75の画面75Dに表示される。なお、図19Cは、例えば分割サブ番組のタイトル名の例として、曲名が表示された例である。」 イ 甲2に記載された技術 甲2の段落【0027】には、「ユーザにより番組の分類項目や細項目が選択指定されれば、その指定された分類項目、例えばスポーツ番組のみの番組予定が、ディスプレイに表示される」と記載されている。この記載によると、番組の分類項目により選択指定されるとその指定された分類項目の番組予定が表示される。また、細項目の記載があり、細項目については具体的な記載がないものの、分類項目の更に細かい項目として理解でき、分類項目を選択指定すると、細項目が表示され、そのうちの1つの項目を選択指定することで番組予定(番組表)が表示されるものと理解できる。段落【0181】?【0183】にも同様な記載がある。 したがって、甲2には、「番組の分類項目、細項目により対応する項目別番組表を表示する技術」(以下「甲2技術」という。)が記載されている。 (3)甲第3号証 ア 甲第3号証の記載事項 甲第3号証(以下「甲3」という。)には、「知的映像録画再生装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審が付与した。)。 「【0022】図6は図5において録画登録された番組の情報を格納する録画番組構造体90を表す。91は録画登録された番組の検索に利用したキーワードが格納され、92は録画登録がされた番組の順番が格納され、93は録画登録された番組のタイトルが格納され、94は録画登録された番組の放送局名が格納され、95は録画登録された番組の放送される日付が格納され、96は録画登録された番組の開始時間が格納され、97は録画登録された番組の終了時間が格納され、98は録画登録された番組のGコードが格納される。 【0023】図7は再生モードボタン100が押されたときに表示される画面110であり、録画が完了して保存された番組の件数を検索に用いたキーワード別に表示している。領域111はキーワードに別に録画した番組の件数を表示する領域であり、111-1は番組の検索を行うのに利用したキーワードであり、111-2は録画が完了した件数を表す。尚、キーワードが領域111の表示可能な数を超えた場合には、領域111がスクロールする。また、全てのキーワードを確認する場合、ユーザは領域112のスクロールバー113を操作することで確認できる。そして、このように表示されているキーワードの中から視聴を希望する番組を含むキーワードの領域111に、リモコン10のカーソルコントロールボタン10-11でカーソル20を移動させ、決定ボタン10-12を押すことにより選択が行える。 【0024】このように、録画が完了した番組の状況を検索したキーワード別に表示するため、録画番組がたくさん発生した場合に所望の番組を簡単に探すことができる。 【0025】図8は図7で選択したキーワードにより録画された番組の詳細情報とそのアイコン画像を示す。領域121は番組の検索に利用したキーワードを表示する領域であり、121-1はキーワードである。領域122は録画が完了した番組の詳細な情報を表示する領域であり、122-1は録画された番組名、122-2は番組を放送した局名、122-3は番組の放送された日付、122-4は番組の放送された時間帯である。122-5は録画された番組のアイコン画像である。 【0026】このアイコン画像122-5は番組のダイジェストとなる画像,シーンが切り変わった場面の画像,一定時間間隔で得られた画像から構成される。尚、録画番組が表示可能な数を超えた場合には、領域122がスクロールする。これにより、全ての番組を確認する場合、ユーザは領域123のスクロールバー124を操作することで確認できる。そして、このように表示されている番組の中から視聴を希望する場合は、希望番組の領域122に、リモコン10のカーソルコントロールボタン10-11でカーソル20を移動させ、決定ボタン10-12を押すことにより選択が行える。」 「【図7】 」 イ 甲3に記載された技術 甲3の段落【0022】?【0026】及び図7には、キーワード別に録画した番組の件数を表示することが記載されている。 したがって、甲3には、「項目に属する番組の数を表示する技術」(以下「甲3技術」という。)が記載されている。 (4)甲第4号証 ア 甲第4号証の記載事項 異議申立人が、平成31年3月27日付け意見書とともに提出した甲第4号証(特開平7-203411号公報)には、「有線テレビ制御器」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている 「【0034】本発明の個人用番組ガイド機能によれば、視聴者が特別の興味を持つ具体的テレビ番組の表示を見ることができる個人用番組ガイドが提供される。個人用番組ガイドは、テレビスクリーンに表示され、視聴者が制御することができる。」 「【0037】図16は、現番組情報を維持するケーブル制御器20の動作を説明する。ケーブル制御器20は、ステップ132において、ケーブル入力信号内の制御メッセージを介して、有線会社のような番組情報源から一定期間(例えば、1週間)の全番組リストをダウンロードする。(有線会社が全番組リストから作成した)処理前主題リストも、ステップ134において、ケーブル制御器20にダウンロードされる。ついで、ケーブル制御器20は、ステップ136において、元に戻る。ケーブル制御器20は、個人用番組ガイドを作成するため、この処理前主題リスト情報を使用し、使用者定義によるキーワードフィルタ(「好き」および「嫌い」)を適用する。 」 「【0055】以下の例は、個人用番組ガイド機能がどのような方法で設定され使用されうるかを説明するために提供される。ある特定の視聴者は、(ゴルフ、テレビショー「ABC」、ジュデー・ガーランドの昔の映画、料理およびニューヨークライダーズ野球チームを含む)自分の興味が反映されるように、個人用番組ガイドを設定することを望む。視聴者は、「テレショッピング」網に関する番組(チャネル127)にも興味がなく、特別支払いチャネル250?300に契約しない。 【0056】視聴者プロファイルを設定するため、視聴者は、遠隔制御装置30の個人用番組ガイドボタン137を押す。図22に示された情報は、テレビスクリーンに表示される。スクリーンは、個人用番組ガイドNo.1が母親によって使用され、個人用番組ガイドNo.2が父親によって使用されることを示す。残りの番組ガイドは、現在、使用されない。新しい個人用番組ガイドを作成するため、視聴者は、遠隔制御装置30の「3」ボタンを押す。 【0057】新しい個人用番組ガイドを設定するため、ケーブル制御器20は、視聴者の名前の入力を催促する。この情報は、新しい個人用番組ガイドが作成される時にのみ必要とされる。ついで、図23に示されたメッセージは、テレビスクリーンに表示される。 【0058】視聴者の名前を入力するため、視聴者は、アルファベットを順次通過して望みの最初の文字を得る(または、下向きボタン(谷形印)264を使用して逆の順序に順次通過する)ため遠隔制御装置30の上向きボタン(山形印)262を使用する。視聴者は、望みの最初の文字に達したとき、次の文字に移動するため、右ボタン(右向き矢印)266を押す。この過程は、視聴者が自分の名前を完全に入力するまで、繰返される。本例によれば、視聴者は、名前「マチュー(Matthew)」を入力する。全ての文字が入力されたとき、視聴者は、続いて「入力」キー131を押す。この時点で、個人用番組ガイドの主メニューは、図24に示されているように表示される。 【0059】個人用番組ガイドが全ての現存する番組をフィルタに掛けるようにするため、「好き」リスト(および/または「嫌い」リスト)が設定されなければならない。視聴者は、「好き」リストを設定するため、「2」を入力する。これにより、図25に示された表示がテレビスクリーンに現われる。表示は、現在、「好き」リストにいずれの項目も存在しないことを示す。表示の一番下側は、視聴者に以下の選択肢を与える。 1. 主題追加 - この選択肢により、視聴者は、「好き」リストに主題キーワード(例えば、ゴルフ、料理、フットボール、ニュース、ドラマ、ミステリー)を追加することができる。 2. 番組名追加 - この選択肢により、視聴者は、番組名(例えば、「ABC」、「おはようセコーカス」、「アリゾナヨット遊び」)を「好き」リストに追加することができる。 3. チャネル番号追加 - この選択肢により、視聴者は、特定のチャネル番号(例えば、17,136,292)を「好き」リストに追加することができる。 4. 特別項目追加 - この選択肢により、視聴者は、特定の名前(例えば、ニューヨークライダーズ、ジュディ・ガーランド、ジョン・ウェイン、アフリカ)を「好き」リストに追加することができる。 5. 現番組追加 - この選択肢により、視聴者は、ケーブル制御器20が合わされた現番組を「好き」リストに追加することができる。」 「【0072】この時点で、視聴者は、「好き」リストを作成するのに使用されたのと同一方法を使用して、「嫌い」リストを作成することができる。視聴者は、「嫌い」リストに特定のチャネルを追加したいので、視聴者は、遠隔制御装置30の「3」を押す。情報は、図31に示されているように、テレビスクリーンに表示される。 【0073】「嫌い」リストにチャネルを追加するため、視聴者は、遠隔制御装置30の「3」を押す。ついで、視聴者は、図32に示されたプロンプトによりチャネル番号を入力するよう催促される。「テレショッピング」チャネルを「嫌い」リストに追加するため、視聴者は、チャネル番号「127」を入力し、「入力」を押し、「嫌いリスト更新」メニューに戻る。有料チャネル(250?300)の閉鎖を「嫌い」リストに追加するため、視聴者は、「3」を押して、チャネル番号を「嫌い」リストに追加し、「250」、「300」および「入力」を入力する。「嫌いリスト更新」メニューは、図33に示されているように再表示される。」 「【0074】編集された通りの視聴者の個人用番組ガイドを見るため、ついで、視聴者は、「1」を押してもよい。図13に示されたスクリーンは、テレビスクリーンに表示される。図34に示されたスクリーンは、「好き」フィルタおよび「嫌い」フィルタが現在の1日番組に適用された視聴者の個人用番組ガイドを表示する。視聴者は、複数の情報スクリーンをページ繰りするため、上向き矢印キー262および下向き矢印キー264を使用することができる。示された例によれば、全日が1つのスクリーンに納まる。ついで、上向き矢印キー/下向き矢印キーを使用することにより、視聴者は、次/前の1日番組閲覧へページをめくることができる。特定の日へ飛ぶため、視聴者は、日番号を入力することができる(例えば、視聴者は、日曜日のため「1」を押し、月曜日のため「2」を押し、その他の曜日のため他の番号を押すことができる)。」 「【図22】 」 「【図23】 」 「【図24】 」 「【図25】 」 「【図31】 」 「【図34】 」 イ 甲4に記載された発明 上記アによると、甲4には次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。 (甲4発明) 視聴者が特別の興味を持つ具体的テレビ番組の表示を見ることができる個人用番組ガイドを提供する方法であって、 新しい個人用番組ガイドを作成するため、使用者定義によるキーワードフィルタ(「好き」および「嫌い」)を適用し、 新しい個人用番組ガイドを設定するため、視聴者の名前の入力をして、新しい個人用番組ガイドが作成され、 全ての現存する番組をフィルタに掛けるようにするため、「好き」リストおよび「嫌い」リストが設定され、設定のための選択肢には、 主題キーワードを追加する主題追加、番組名を追加する番組名追加、特定のチャネル番号を追加するチャネル番号追加、特定の名前を追加する特別項目追加、現番組を追加する現番組追加があり、 視聴者の個人用番組ガイドを見るため、「好き」フィルタおよび「嫌い」フィルタが現在の1日番組に適用された視聴者の個人用番組ガイドを表示する、 個人用番組ガイドを提供する方法。 4 判断 (1)取消理由通知に記載した取消理由について ア 新規性(甲1発明) (ア)本件発明1 a 本件発明1、甲1発明 本件発明1と甲1発明とを対比するにあたり、本件発明1と甲1発明とを再掲する。 (本件発明1) (1A)ユーザにメディアを提示する方法であって、前記方法は、 (1B)番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、 (1B-1)前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、 (1B-2)前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、 (1B-3)前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている、ことと、 (1C)選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、 (1C-1)前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、 (1C-2)前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 (1D)前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと (1E)を含む、方法。 (甲1発明) (1a)ユーザがリモコン上のメニューキーを用いてテレビ番組ガイドにアクセスしたい旨を知らせると、番組ガイド表示画面であるメインメニュー画面を生成して表示し、 (1a-1)ここで、メインメニュー画面は複数の番組ガイドオプションを含み、番組ガイドオプションには、チャンネル別、お気に入りがあり、番組ガイドは、様々な種類のテレビ番組リスト項目が、所定のカテゴリまたはユーザの規定するカテゴリ内で表示され、 (1b)ユーザが強調表示領域を所望の番組ガイドオプション上に位置決めし、ガイドキーを押すと、番組リスト項目画面を生成して表示し、 (1b-1)ここで、番組リスト項目画面は1つ以上の分類基準に従って分類された番組リスト項目のグループを含み、番組リスト項目画面は、録画された番組の番組リスト項目と、時間及び番組の番組リスト項目があり、 (1c)複数の番組リスト項目から1つの番組リスト項目を選択し、リモコンの再生キーを押すことにより、再生する番組を指定すると、番組が再生され、ユーザへ提示される、 (1d)方法。 b 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (a)構成要件1A、1Eと構成1c、1dとを対比する。 甲1発明における「番組」は、構成要件Aの「メディア」に相当する。 また、構成1c、1dによると、甲1発明の「方法」は、「ユーザに番組を提示する方法」といえる。 したがって、構成要件1Aと構成1c、1dとは、「ユーザにメディアを提示する方法」として一致する。 また、構成要件1Eと構成1dとは、「方法」として一致する。 (b)構成要件1Bと構成1a、1a-1とを対比する。 構成1aの「番組ガイドオプション」は、構成1b、1b-1によると、「番組ガイドオプション」上に位置決めし、ガイドキーを押すと、番組リスト画面を生成し表示するものであって、構成要件1b-1によると、番組リスト項目画面は1つ以上の分類基準に従って分類された番組リスト項目のグループを含む。したがって、構成1aの「番組ガイドオプション」は、「メディアグループオプション」といえる。 また、構成1a、1a-1によると、「メインメニュー画面」は、「番組ガイド表示画面」であり、「複数の番組ガイドオプション」を含むから、「メインメニュー画面を作成して表示する」ことは、「番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成する」ことといえる。 したがって、構成要件1Bと構成1a、1a-1とは、「番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成すること」として一致する。 (c)構成要件1B-1と構成1aとを対比する。 上記(b)のとおり、構成1aの「メインメニュー画面を生成して表示」することは、「番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成する」ことといえる。 そして、構成1aの「ユーザがリモコン上のメニューキーを用いてテレビ番組ガイドにアクセスしたい旨を知らせると、番組ガイド表示画面であるメインメニュー画面を生成して表示」することは、「前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ」るといえる。 したがって、構成要件1B-1と構成1aとは、「前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ」るとして一致する。 (d)構成要件1B-2と構成1a-1とを対比する。 「メディアグループオプション」に相当する構成1a-1の「番組ガイドオプション」の「チャンネル別」は、「前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示」しているといえる。 したがって、構成要件1B-2と構成1a-1とは、「前記1のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示」すとして一致する。 「1以上のメディアオプション」は、「1のメディアオプション」を含むから、構成要件1B-2と構成1a-1とは、「前記1以上ののメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示」すとして一致する。 (e)構成要件1B-3と構成1a-1とを対比する。 構成1a-1の「番組ガイドは、様々な種類のテレビ番組リスト項目が、所定のカテゴリまたはユーザの規定するカテゴリ内で表示され」ることは、「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている、こと」といえる。 しかしながら、構成1a-1は、「1つのグループの中にメディアを含める基準」が、「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて」予め定義されていない点で、構成要件1B-3と相違する。 (f)構成要件1Cと構成1bとを対比する。 構成1b「番組リスト項目画面」は、構成1b-1によると、「番組リスト項目画面は1つ以上の分類基準に従って分類された番組リスト項目のグループを含」むから、複数の「番組リスト項目」を含む。 当該「番組リスト項目」は、「番組」を示すものといえ、構成要件1Cの「メディアインジケータ」に相当する。 また、構成1bの「ユーザが強調表示領域を所望の番組ガイドオプション上に位置決め」することは、「メディアグループオプション」に相当する「番組ガイドオプション」を選択することといえる。 したがって、構成要件1Cと構成1bとは、「選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成すること」として一致する。 (g)構成要件1C-1と構成1bとを対比する。 上記(f)のとおり、構成1bの「番組リスト項目画面を生成して表示」することは、「選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成すること」といえる。 そして、構成1bの「ユーザが強調表示領域を所望の番組ガイドオプション上に位置決めし、ガイドキーを押すと、番組リスト項目画面を生成して表示」することは、「前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ」るといえる。 したがって、構成要件1C-1と構成1bとは、「前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ」るとして一致する。 (h)構成要件1C-2と構成1b-1とを対比する。 構成1b-1の「番組リスト項目」は、構成要件1C-2の「メディアインジケータ」に相当する。 また、構成1b-1の「録画された番組の番組リスト項目」は、「スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータ」といえ、構成1b-1の「時間及び番組の番組リスト項目」は、「スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータ」といえる。 したがって、構成要件1C-2と構成1b-1とは、「前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、こと」として一致する。 (i)構成要件1Dと構成1cとを対比する。 構成1cの「複数の番組リスト項目から1つの番組リスト項目を選択し、リモコンの再生キーを押すことにより、再生する番組を指定すると、番組が再生され、ユーザーへ提示される」ことは、「前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行すること」として一致する。 c まとめ 以上によると、上記(e)のとおり相違点があるから、本件特許発明1と甲1発明とは一致しない。 したがって、本件発明1は、甲1発明ではない(理由A)。 (イ)本件発明2、3 本件発明2、3は、請求項1の記載(本件発明1)を引用するものであって、上記(ア)のとおり、本件発明1は甲1発明ではないから、本件発明2、3は、本件発明1と同じ理由で、甲1発明ではない。 (ウ)本件発明6 本件発明6は、本件発明1のカテゴリ-の異なる発明であって、本件発明1の「方法」の発明を、「システム」の発明にしたものであり、方法の発明の動作をシステムの「処理回路部」が行うようにしたものである。 上記3(1)ア(イ)によると、番組ガイドが、「処理回路」により実行されるから、甲1に記載された発明として、甲1発明である方法を「処理回路」が実行するシステムの発明が認定できる。 したがって、本件発明6は、本件発明1の取消理由と同様な理由で、甲1に記載された発明でない。 (エ)本件発明7、8 本件発明7、8は、請求項6の記載(本件発明6)を引用するものであって、上記(ウ)のとおり、本件発明6は甲1に記載された発明ではないから、本件発明2、3は、本件発明6と同じ理由で、甲1に記載された発明ではない。 イ 進歩性 (ア)本件発明1 a 一致点、相違点 本件発明1と甲1発明とを対比すると、上記ア(ア)bのとおりである。したがって、一致点、相違点は次のとおりである。 なお、共通するものの相違点がある構成要件には、記号に「’」を付与した。 (一致点) (1A)ユーザにメディアを提示する方法であって、前記方法は、 (1B)番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、 (1B-1)前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、 (1B-2)前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、 (1B-3’)前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている、ことと、 (1C)選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、 (1C-1)前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、 (1C-2)前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 (1D)前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと (1E)を含む、方法。 (相違点) 「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、予め定義されている」における「基準」が、 本件発明1においては、「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて」予め定義されているのに対し、 甲1発明においては、「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて」予め定義されていない点 b 判断 上記相違点について判断する。 上記3(4)イのとおり、甲4には、甲4発明が記載されていると認められる。ここで、甲4発明を再掲する。 (甲4発明) 視聴者が特別の興味を持つ具体的テレビ番組の表示を見ることができる個人用番組ガイドを提供する方法であって、 新しい個人用番組ガイドを作成するため、使用者定義によるキーワードフィルタ(「好き」および「嫌い」)を適用し、 新しい個人用番組ガイドを設定するため、視聴者の名前の入力をして、新しい個人用番組ガイドが作成され、 全ての現存する番組をフィルタに掛けるようにするため、「好き」リストおよび「嫌い」リストが設定され、設定のための選択肢には、 主題キーワードを追加する主題追加、番組名を追加する番組名追加、特定のチャネル番号を追加するチャネル番号追加、特定の名前を追加する特別項目追加、現番組を追加する現番組追加があり、 視聴者の個人用番組ガイドを見るため、「好き」フィルタおよび「嫌い」フィルタが現在の1日番組に適用された視聴者の個人用番組ガイドを表示する、 個人用番組ガイドを提供する方法。 甲4発明は、「好き」リストおよび「嫌い」リストに設定した使用者定義による主題キーワード、番組名、特定のチャネル番号、特定の名前及び現番組を適用して、個人用番組ガイドを提供するから、甲4発明は、「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準」は、「ユーザによって定義されたサーチクエリ」に基づいて予め定義されているといえる。しかしながら、甲4発明は、当該「基準」が「前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」ものを備えているとはいえない。 また、「前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準」が、「ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている」ことは、甲2、甲3をみても、記載も示唆をされておらず、自明のこととも認められない。 そうすると、本件発明1は、当業者であっても、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4発明に基づいて容易になし得るものではない。 特許異議申立人は、平成31年3月27日付け意見書において、「甲4における個人用番組ガイドの名称として入力された視聴者の名前(「マチュー(Matthew)」)は、本件特許明細書におけるユーザがクエリボックス858にサーチストリングを入力して名付けたサーチ830の名称に対応するように、本件特許発明1の「ユーザによって定義された サーチクエリ」に相当する。さらに、甲4におけるメディアを含める基準を設定するための(図25の画面中の)選択肢の選択は、本件特許明細書におけるユーザが名付けたサーチ830に対しての群850の選択に対応するように、本件特許発明1の「前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択」に相当するから、甲4には、メディアを含める基準がユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されていること(以下「甲4技術」という。)が記載されている。」(9頁3?15行)と主張している。 しかしながら、甲4発明において、全ての現存する番組をフィルタするためのキーワードフィルタは、「好き」リストおよび「嫌い」リストに設定された主題キーワード、番組名、特定のチャネル番号あるいは特定の名前及び現番組であって、「視聴者の名前」でないことは明らかであるから、特許異議申立人の「視聴者の名前」は「ユーザによって定義されたサーチクエリ」に相当する旨の主張は採用できない。 また、甲4発明には、上述したとおり、「キーワードフィルタによってフィルタされた結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択」は存在しないし、甲4発明の選択肢の選択(図25の画面中)は主題キーワード、番組名、チャネル番号あるいは特別項目の追加を行うための選択であって、フィルタ結果を選択することではないことは明らかであるから、特許異議申立人の「選択肢の選択」は「サーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択」に相当する旨の主張は採用できない。 (イ)本件発明2?5 本件発明2?5は、本件発明1を引用するから、本件発明1と同じ理由で、当業者であっても、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4発明に基づいて容易になし得るものではない。 (ウ)本件発明6 本件発明6は、本件発明1の「装置」の発明とカテゴリーの異なる「方法」の発明であるから、本件発明1と同様に、当業者であっても、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4発明に基づいて容易になし得るものではない。 (エ)本件発明7?10 本件発明7?10は、本件発明6を引用するから、本件発明6と同じ理由で、当業者であっても、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4発明に基づいて容易になし得るものではない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由(特許異議申立書に記載した特許異議申立理由)によっては、本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1?10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ユーザにメディアを提示する方法であって、前記方法は、 番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている、ことと、 選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと を含む、方法。 【請求項2】 前記選択されたメディアグループオプションは、現在利用可能なメディアに関連付けられている、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記1以上のメディアグループオプションは、ユーザによって定義される、請求項1に記載の方法。 【請求項4】 メディアグループオプションに関連付けられたメディアサブグループオプションを表示のために生成することをさらに含み、前記複数のメディアインジケータのうちの少なくとも1つは、前記メディアサブグループオプションに関連付けられている、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記メディアサブグループオプションに関連付けられたメディアインジケータの数を示すことをさらに含む、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 ユーザにメディアを提示するシステムであって、前記システムは、処理回路部を含み、前記処理回路部は、 番組ガイド表示画面の1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することであって、前記番組ガイド表示画面の前記1以上のメディアグループオプションを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションを含む前記番組ガイド表示画面をユーザ機器の表示デバイス上に表示するための前記ユーザからの第1の入力に応答して行なわれ、前記1以上のメディアグループオプションは、前記メディアの内容を示すことなく、前記メディアのタイトルを示すことなく、前記メディアの源を示すことなく、前記ユーザにとって利用可能なメディアを示し、前記1以上のメディアグループオプションの中の1つのグループオプションに関連付けられている1つのグループの中にメディアを含める基準は、ユーザによって定義されたサーチクエリと、前記ユーザによって定義されたサーチクエリの結果が表示される1つ以上のグループのユーザ選択とに基づいて予め定義されている、ことと、 選択されたメディアグループオプションに関連付けられた複数のメディアインジケータを表示のために生成することであって、前記選択されたメディアグループオプションに関連付けられた前記複数のメディアインジケータを表示のために生成することは、前記1以上のメディアグループオプションから1つのグループオプションを選択するための前記ユーザからの第2の入力に応答して行なわれ、前記複数のメディアインジケータは、スケジュールされた時間に利用可能なメディアのための第1のメディアインジケータと、スケジュールされた時間なしで利用可能なメディアのための第2のメディアインジケータとを含む、ことと、 前記複数のメディアインジケータから1つのメディアインジケータの選択を受信したことに応答して、前記選択されたメディアインジケータに関連付けられたアクションを実行することと を行うように構成されている、システム。 【請求項7】 前記選択されたメディアグループオプションは、現在利用可能なメディアに関連付けられている、請求項6に記載のシステム。 【請求項8】 前記1以上のメディアグループオプションは、ユーザによって定義される、請求項6に記載のシステム。 【請求項9】 前記処理回路部は、メディアグループオプションに関連付けられたメディアサブグループオプションを表示のために生成するようにさらに構成されており、前記複数のメディアインジケータのうちの少なくとも1つは、前記メディアサブグループオプションに関連付けられている、請求項6に記載のシステム。 【請求項10】 前記処理回路部は、前記メディアサブグループオプションに関連付けられたメディアインジケータの数を示すようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-04-25 |
出願番号 | 特願2014-91159(P2014-91159) |
審決分類 |
P
1
651・
851-
YAA
(H04N)
P 1 651・ 113- YAA (H04N) P 1 651・ 121- YAA (H04N) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 福西 章人、鍬 利孝 |
特許庁審判長 |
鳥居 稔 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 渡辺 努 |
登録日 | 2018-01-12 |
登録番号 | 特許第6272727号(P6272727) |
権利者 | ロヴィ ガイズ, インコーポレイテッド |
発明の名称 | 媒体ガイダンスインターフェイスを有する双方向媒体ガイド |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 飯田 貴敏 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 石川 大輔 |
代理人 | 石川 大輔 |
代理人 | 山本 健策 |
代理人 | 飯田 貴敏 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 山本 健策 |