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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C12Q
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C12Q
審判 全部申し立て 2項進歩性  C12Q
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C12Q
審判 全部申し立て 特123条1項5号  C12Q
管理番号 1353186
異議申立番号 異議2019-700232  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-26 
確定日 2019-07-01 
異議申立件数
事件の表示 特許第6395917号発明「ヒトの癌におけるPIK3CA遺伝子の変異」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6395917号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6395917号の請求項1?3に係る特許についての出願は、2005年2月18日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2004年3月2日 米国)を国際出願日として米国に英語で出願された特願2007-501815号の一部を特許法第44条第1項の規定に基づいて分割出願した特願2012-52427号の一部を同規定に基づいて分割出願した特願2013-100073号の一部を同規定に基づいて分割出願した特願2015-245769号の一部を同規定に基づいて平成29年10月19日に分割出願したものであり、平成30年9月7日にその特許権の設定登録がされ、平成30年9月26日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、平成31年3月26日に特許異議申立人山内博明は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明

特許第6395917号の請求項1?3の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
がんが疑われるヒトから採取したサンプルまたはがんを有するヒトから採取したサンプルにおいて、変異PIK3CA ポリヌクレオチドを検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
野生型PIK3CAコード配列と比較してC112T, G113A, G263A, C311G, G317T, G323C, del332-334, G353A, G365A, C370A, T1035A, G1048C, T1132C, T1258C, G1357C, C1616G, G1624A, A1625G, A1625T, G1633A, A1634G, G1635T, C1636A, A1637C, C1981A, A2102C, G2702T, T2725C, T3022C, A3073G, C3074A, G3129T, C3139T, A3140G, A3140T, およびG3145A からなる群より選択される少なくとも1の変異を含む変異PIK3CA ポリヌクレオチド断片を増幅する工程、ここで、前記野生型PIK3CA コード配列がSEQ ID NO.1 のヌクレオチド配列を有し;および、
前記増幅工程で増幅されたポリヌクレオチドを検出する工程。
【請求項2】
変異PIK3CA ポリヌクレオチドを検出する方法であって、前記方法は、被検者から取得したサンプルにおいて、
野生型PIK3CAコード配列と比較してC112T, G113A, G263A, C311G, G317T, G323C, del332-334, G353A, G365A, C370A, T1035A, G1048C, T1132C, T1258C, G1357C, C1616G, G1624A, A1625G, A1625T, G1633A, A1634G, G1635T, C1636A, A1637C, C1981A, A2102C, G2702T, T2725C, T3022C, A3073G, C3074A, G3129T, C3139T, A3140G, A3140T, およびG3145Aからなる群より選択される少なくとも1の変異を含み、前記野生型PIK3CAコード配列がSEQ ID NO.1のヌクレオチド配列を有する、変異PIK3CAのポリヌクレオチド配列の断片の存在を検出することを含み、前記サンプルはがんが疑われるヒトから採取したサンプルまたはがんを有するヒトから採取したサンプルである、前記方法。
【請求項3】
請求項1又は2の方法のためのプライマーオリゴヌクレオチドのセットであって、前記プライマーオリゴヌクレオチドのセットは、PIK3CA ポリヌクレオチドの変異箇所の増幅またはシークエンシングのためのものであり、前記変異は、野生型PIK3CAコード配列におけるC112T, G113A, G263A, C311G,G317T, G323C, del332-334, G353A, G365A, C370A, T1035A, G1048C, T1132C, T1258C, G1357C, C1616G, G1624A, A1625G, A1625T, G1633A, A1634G, G1635T, C1636A, A1637C, C1981A, A2102C, G2702T, T2725C, T3022C, A3073G, C3074A, G3129T, C3139T, A3140G, A3140T, およびG3145A からなる群より選択される少なくとも1の変異であり、前記野生型PIK3CA コード配列がSEQ ID NO.1のヌクレオチド配列を有する、前記プライマーオリゴヌクレオチドのセット。」

第3 申立理由の概要及び証拠

特許異議申立人は、下記の証拠を提出し、以下の特許異議申立理由を主張している。

1.特許異議申立理由の概要
(1)特許法第29条第1項第3号(新規性)について
本件特許発明1?2は、甲第1号証および甲第6号証に記載されたものであり、本件特許発明3は、甲第1号証、甲第6号証および甲第20号証に記載されたものであり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものであるから、同法第113条第2号の規定に基づき取り消されるべきものである。

(2)特許法第29条第2項(進歩性)について
本件特許発明1?3は、甲第1号証発明、甲第6号証発明、甲第20号証発明、甲第2号証?甲第5号証および甲第7号証?甲第19号証記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、同法第113条第2号の規定に基づき取り消されるべきものである。

(3)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
本件特許請求の範囲の記載には不備があり、具体的には、本件特許発明1?2には本件発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、また、本件特許発明1?2のうち「がんを有するヒトから採取したサンプル」に関する発明は本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものではなく、請求項1?2を引用する本件特許発明3についても同様であり、本件特許発明1?3は、特許法第36条第6号第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号の規定に基づき取り消されるべきものである。

(4)特許法第36条第6項第2号(明確性)について
本件特許請求の範囲の記載には不備があり、具体的には、本件特許発明1は「変異PIK3CAポリヌクレオチド断片を増幅する工程」で断片をどのように増幅するのかを特定していないから、変異PIK3CAポリヌクレオチドをどのように検出するのかが不明であり、本件特許発明2は、検出する対象が変異PIK3CAポリヌクレオチドであることを特定するのみであるから、これをどのように検出するのかが不明であり、本件特許発明3のうちシークエンシングのためのプライマーオリゴヌクレオチドの「セット」はどのようなものであるのか不明であり、本件特許発明1?3は、特許法第36条第6号第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号の規定に基づき取り消されるべきものである。

(5)特許法第17条の2第3項(新規事項)について
ア 特許異議申立人の主張
平成30年1月16日付手続補正書による請求項1?2に係る補正のうち、「がんを有するヒトから採取したサンプル」に係る記載を追加する補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、本件特許発明1?3は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第1号の規定に基づき取り消されるべきものである。

イ 適用条文の変更
本件出願は、外国語でされた国際特許出願の分割出願であるから、本件特許が同法第184条の18で読み替えられた同法113条第1号に該当することを理由として特許異議の申立てをすることはできない。
しかしながら、仮に当該手続補正書による補正が同法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、いわゆる新規事項を含む補正である場合は、当該補正後の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にない可能性があるから、本件特許は、同法第184条の18で読み替えられた同法第113条第5号の規定に基づき取り消されるべきものである可能性がある。
以上のことから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正がなされたことを理由としてなされた特許異議申立人の申立理由(新規事項)に代えて、本件特許が同法第113条第5号に該当するか否か(原文新規事項)について検討をする。

2.証拠方法
・甲第1号証:国際公開第01/55314号
・甲第2号証:平成31年3月12日に作成された甲第1号証配列番号497と甲第1号証配列番号3511とのアラインメント結果
・甲第3号証:平成31年3月8日に作成された本件配列番号5と甲第1号証配列番号3511とのアラインメント結果
・甲第4号証:Philp et al., Cancer Res., 2001, vol.61, no.20, p.7426-7429
・甲第5号証:Rodriguez-Viciana et al., EMBO J., 1996, vol.15, no.10, p.2442-2451
・甲第6号証:Camargo et al., Proc Natl Acad Sci U S A., 2001, vol.98, no.21, p.12103-12108及び2004年1月6日にProc Natl Acad Sci U S A. 2004, vol.101, no.1, p.414に掲載されたCorrections
・甲第7号証:PM3-BN0174-100600-011-h02 BN0174 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession BE815880
・甲第8号証:MR0-BN0070-040400-011-d02 BN0070 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession AW999771
・甲第9号証:MR0-BN0070-260400-017-e03 BN0070 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession BE000279
・甲第10号証:MR2-EN0091-221200-005-a01 EN0091 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession CV347577
・甲第11号証:MR3-AN0025-040800-004-g09_1 AN0025 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession BE811417
・甲第12号証:PM3-BN0174-160500-004-a12 BN0174 Homo sapiens cDNA, mRNA sequence, Accession BE815686
・甲第13号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とBE815880.1とのアラインメント結果
・甲第14号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とAW999771.1とのアラインメント結果
・甲第15号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とBE000279.1とのアラインメント結果
・甲第16号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とCV347577.1とのアラインメント結果
・甲第17号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とBE811417.1とのアラインメント結果
・甲第18号証:平成31年3月20日に作成された本件配列番号1とBE815686.1とのアラインメント結果
・甲第19号証:Strausberg et al., Nat Rev Genet., 2003, vol.4, no.6, p.409-418
・甲第20号証:Redon et al., Cancer Res., 2001, vol.61, no.10, p.4122-4129

第4 証拠の記載事項

外国語で記載されている証拠の記載事項は、訳文で摘示する。訳文は当審による。

1.甲第1号証(以下、「甲1」と記載する。他の証拠も同様とする。)には以下の事項が記載されている。
(1)「[003]本発明は新規な消化系関連ポリヌクレオチド、本明細書中で集合的に「消化系抗原」と称されるこれらのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、およびこれらのポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、ならびに、癌および癌転移の存在を含むがこれらに限定されない、消化系の障害を検出、処置、予防および/または予知するための、このような消化系ポリヌクレオチド、抗原、および抗体の使用に関する。」(1頁、段落番号[003]、1?7行目)

(2)表1B(144?284頁、転記は省略)
・表1Bの全体には、「クローン番号:Z」、「配列番号:X」、「コンティグ番号:」、「BAC番号:A」、「配列番号:B」、「エキソンから-まで」により特定される膨大な数のコンティグ配列が列記されている。
・表1B中に「クローン番号:Z」が「HTPHT28」、「配列番号:X」が「497」、「コンティグ番号:」が「952088」、「BAC番号:A」が「AC067992」、「配列番号:B」が「3511」、「エキソンから-まで」が「1-4074」であるコンティグ配列がある。(201頁、18行目)

(3)「[073]表1Bに本発明に包含されるさらなるポリヌクレオチドをまとめる(配列に関連するcDNAクローン(クローン番号:Z)、コンティグ配列(コンティグ識別子(コンティグ番号:)コンティグヌクレオチド配列識別子(配列番号:X))、およびゲノム配列(配列番号B)を含む)。第1列は、各コンティグ配列に関連するcDNAクローンに対する固有のクローン識別子「クローン番号:Z」を提供する。第2列は、各コンティグ配列に対する配列識別子「配列番号:X」を提供する。第3列は、各コンティグ配列に対する固有のコンティグ識別子「コンティグ番号:」を提供する。第4列は、表の対応する行で参照されるBACクローンに対するBAC識別子「BAC番号:A」を提供する。第5列は、表の対応する行の4列目に特定されたBACクローンの断片に対するヌクレオチド配列識別子「配列番号:B」を提供する。」(284?285頁、段落番号[073]、1?11行目)

(4)「[0487]より一般的に、ポリヌクレオチド、転写産物及びこの遺伝子に対応する抗体は次に挙げるシステムに関連する疾患及び/または障害の診断、予後診断、予防及び/又は治療に有用であり得る。
消化器障害
[0488]・・・
免疫活性
[0497]・・・
血液関係の障害
[0570]・・・
過増殖性障害
[0593]・・・
[0600]別の好ましい態様において、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは前癌状態を診断、予後診断、予防、および/または治療するために、ならびに、上述した障害を含むがこれらに限定されない、新生物状態または癌状態への進行を防止するために使用される。このような使用は腫瘍または癌への進行に先行することが知られているかまたは疑われる状態、特に、過形成、化生、または最も具体的には異形成からなる非腫瘍性細胞増殖が起こっている状態に適応される(このような異常な増殖状態の総説については、Robbins and Angell, 1976, Basic Pathology, 2d Ed., W. B. Saunders Co., Philadelphia, pp.68-79を参照のこと)。
・・・
泌尿器系障害
[0632]・・・」(708?747頁)

(5)「特許請求の範囲
1.以下のものからなる群から選択される配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子、
(a)配列番号Xのポリヌクレオチド断片または配列番号Xにハイブリダイズ可能なクローン番号:Zに含まれるcDNA配列のポリヌクレオチド断片、
(b)
・・・
(j)ストリンジェントな条件下で(a)?(i)に記載のポリヌクレオチドのいずれか1つにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドであって、ストリンジェントな条件下で、A残基のみまたはT残基のみのヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズしないポリヌクレオチド。」(980頁、請求項1)

(6)「18.対象における病理学的状態または病理学的状態に対する感受性を診断する方法であって、以下を含む方法:
(a)請求項1に記載のポリヌクレオチドにおける変異の存在または非存在を決定すること、および
(b)前記変異の有無に基づいて、病理学的状態または病理学的状態に対する感受性を診断すること。」(983頁、請求項18)

2.甲2?甲3のそれぞれから以下の事項が看取できる。
・甲2
甲1の配列番号497の2?462位(1位を欠く全長)の配列と同配列番号3511の100?560位の配列との相同性は100%。

・甲3
本件配列番号5の1?1186位(全長)の配列と甲1の配列番号3511の664?1849位の配列との相同性は99%。

3.甲4には以下の事項が記載されている。
「要約すると、我々はヒトPI3k遺伝子のいずれかにおける最初の体細胞変異を記載し、そしてこれらの少なくとも1つが構成的に活性な酵素をもたらすことを実証した。我々の結果は、PI3k p85遺伝子(PIK3R1)が新しいヒトがん遺伝子であることを示し、そしてヒト腫瘍形成におけるPI3kの重要な役割を強調する。我々は、ヒトの腫瘍が他のPI3k遺伝子の体細胞変異を有するであろうと考えており、PI3kファミリーが新しいクラスのヒトがん遺伝子であるとみなされ得ることを提言する。」(7429頁左欄1?8行目)

4.甲5には以下の事項が記載されている。
・「K227E p110の基礎活性がCos細胞において高いという事実は、Ras-p110相互作用のための必須部位での荷電残基のこの逆転が、Rasが結合したときに起こるものを何らかの形で模倣する立体構造変化を引き起こし得ることを示唆する。」(2448頁右欄2?6行目)
・図3C(2445頁左欄)
図3Cより、K227Eの変異を含むp110と野生型p85とを導入したCos細胞の方が、野生型p110と野生型p85とを導入したCos細胞よりもPIP3レベルが高いことが看取できる。

5.甲6には以下の事項が記載されている。
「パイロットプロジェクトの成功により、大規模なORESTESプログラム、Fundacao de Amparo a Pesquisa do Estado Sao Paulo/Ludwig Institute for Cancer Research-Human Cancer Genome Project(FAPESP/LICR-HCGP、参考文献15)を実施することが可能となった。今回、ヒト遺伝子とその産物を決定する作業への貢献として、696,745配列のデータセットを科学界に発表した。」(12104頁左欄16?22行目)

6.甲7?甲12のそれぞれには以下の事項が記載されている。
・甲7
「アクセッション BE815880」(3行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(31?32行目)
「器官:正常乳房」(43行目)

・甲8
「アクセッション AW999771」(3行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(31?32行目)
「器官:正常乳房」(44行目)

・甲9
「アクセッション BE000279」(3行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(31?32行目)
「器官:正常乳房」(44行目)

・甲10
「アクセッション CV347577」(3行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(31?32行目)
「器官:正常肺」(40行目)

・甲11
「アクセッション BE811417」(4行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(32?33行目)
「器官:正常羊膜」(44行目)

・甲12
「アクセッション BE815686」(3行目)
「この配列はFAPESP/LICR Human Cancer Genome Projectに由来する。」(31?32行目)
「器官:正常乳房」(44行目)

7.甲13?甲18のそれぞれから以下の事項が看取できる。
・甲13
本件配列番号1の2073?2425位の配列と甲7のアクセッション BE815880の6?359位の配列との相同性は97%。

・甲14
本件配列番号1の2437?2713位の配列と甲8のアクセッション AW999771の36?312位の配列との相同性は100%。

・甲15
本件配列番号1の2436?2713位の配列と甲9のアクセッション BE000279の31?308位の配列との相同性は98%。

甲16
本件配列番号1の2763?3038位の配列と甲10のアクセッション CV347577の351?627位の配列との相同性は98%。

・甲17
本件配列番号1の3129?3320位の配列と甲11のアクセッション BE811417の1?193位(全長)の配列との相同性は97%。

・甲18
本件配列番号1の2073?2258位の配列と甲12のアクセッション BE815686の10?201位の配列との相同性は95%。

8.甲19には以下の事項が記載されている。
「Cancer Genome Projectは、小さな遺伝子内変異を迅速にスクリーニングするためにヘテロ二重鎖アッセイを採用した^(74)。・・・PCRプライマーは、腫瘍および正常DNAの両方から同じエキソンを増幅するために、別々のアッセイで使用される(b)。・・・腫瘍サンプルからのクロマトグラムは、(生殖細胞系多型を除外するため、通常は同じ個体からの)正常トレースと比較される。クロマトグラムが互いに異なる場合、体細胞変異が示される(c)。そのようなパターンを有する腫瘍試料は、突然変異の性質を決定するために配列決定される(d)。・・・」(415頁Box 4左欄)

9.甲20には以下の事項が記載されている。
「特異的プライマー(60℃でのアニーリング)として用いたオリゴヌクレオチドは以下の通り:(a)DNp63アイソフォーム用は5’-CAA TGC CCA GAC TCA ATT TAG TGA-3’および5’-GCG CCG TGA CGC TGT T T-3’、(b)PIK3CA転写物用は5’-TCA AAG GAT TGG GCA CTT TT-3’および5’-GCC TCG ACT TGC CTA TTC AG-3’、ならびに(c)GAPDH転写物用は5’-TTG CCC TCA ACG ACC ACT TT-3’および5’-TGG TGG TCC AGG GGT CTT AC-3’。」(4123頁下から17?12行目)

第5 当審の判断

1.新規性について
(1)甲1を証拠とした新規性
本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」ともいう。)及び本件の請求項2に係る発明(以下、「本件発明2」ともいう。)は、がんが疑われるヒトから採取したサンプルまたはがんを有するヒトから採取したサンプル(以下、「がん関連サンプル」という。)において本件発明1及び2に特定される個々の変異のうちの少なくとも1の変異を含む変異PIK3CAポリヌクレオチドを検出する方法である。
一方、甲1には、配列番号:Xのポリヌクレオチド断片であってよいポリヌクレオチドにおける変異の有無に基づいて、癌を含む種々の病理学的状態を診断することが記載されているものの(第4 1.(1)、(4)?(6))、甲1には、診断対象となる病理学的状態として過増殖性障害(癌を含む)の他に、消化器障害、免疫活性、血液関係の障害、泌尿器系障害を含む広範な疾患が挙げられており(第4 1.(4))、かつ、甲1に、前記の疾患から診断対象として癌を積極的あるいは優先的に選択することの示唆も見当たらない。
また、甲1の発明に包含されるポリヌクレオチドとして、表1Bには多数のものが挙げられ、その中に配列番号:Xが「497」かつ対応するBACクローンの断片に対するヌクレオチド配列識別子(「配列番号:B」)が「3511」である配列が記載されており(第4 1.(2)?(3))、甲2及び甲3から、配列番号3511(4074塩基対)の配列は、その100?516位で甲1の配列番号497の2?462位(1位を欠く全長)の配列と一致し、その664?1849位でPIK3CAの第20エキソンである本件配列番号5の1?1186位(全長)の配列と99%の相同性を有することが看取できるから、甲1には、PIK3CAの第20エキソンの配列を含む配列番号3511のポリヌクレオチドが記載されていると認められる。
しかしながら、配列番号3511の配列は、表1Bに挙げられている膨大な数の配列のうちの1つに過ぎず、かつ、甲1に、表1Bの中から配列番号3511の配列を積極的あるいは優先的に選択することの示唆も見当たらない。
さらに、配列番号3511の配列中で配列番号497に対応する配列とPIK3CAの第20エキソンに対応する配列の位置が異なることは、配列番号Xのポリヌクレオチド断片の配列(配列番号497)がPIK3CAの第20エキソンの配列ではないことを意味するから、PIK3CAの第20エキソンに相当する配列は、甲1において病理学的状態の診断のために変異の有無を検出する対象ではない。
以上のことから、甲1には、がんとPIK3CAポリヌクレオチドの変異の関連の開示もその示唆もないし、まして、本件発明1及び2に特定されるPIK3CAポリヌクレオチドの個々の変異の開示もないから、本件発明1ないし2は、甲1に記載された発明でない。
また、請求項3に係る発明(以下「本件発明3」ともいう。)は、本件発明1又は2の方法のためのプライマーオリゴヌクレオチドのセットであるところ、上記のとおり、本件発明1?2の方法は甲1に記載されていないから、本件発明3も甲1に記載された発明でない。

(2)甲6を証拠とした新規性
甲6には、ORESTESプログラムゲノムプロジェクトFAPESP/LICR Human Cancer Genome Project(FAPESP/LICR-HCGP)で、696,745配列のデータセットの配列決定がなされたことが記載されている(第4 5.)。
そして、甲7?甲12のそれぞれには、前記のプロジェクトに由来するポリヌクレオチドの配列として、アクセッション番号がそれぞれBE815880.1、AW999771.1、BE000279.1、CV347577.1、BE811417.1、BE815686.1である6のポリヌクレオチドの配列が記載されているところ(第4 6.)、甲13?甲18のそれぞれから、甲7?甲12の各ポリヌクレオチドの配列は、本件配列番号1のPIK3CAポリヌクレオチドの2073?2425位、2437?2713位、2436?2713位、2763?3038位、3129?3320位、2073?2258位の配列とその全部(甲8)または一部(甲7、甲9?12)が95?100%の相同性を有することが看取できる(第4 7.)。
しかしながら、甲7?甲12のそれぞれには、ポリヌクレオチドが正常組織に由来することが記載されているから(第4 6.)、甲6は、がん関連サンプルに由来するポリヌクレオチドの変異やその検出を開示するものではない。
加えて、甲7?甲12に記載されるポリヌクレオチドは、配列決定がなされた696,745という膨大な数のポリヌクレオチドのうちのたった6つに過ぎず、かつ、甲6に、696,745のポリヌクレオチドの中から甲7?甲12の各ポリヌクレオチドを積極的あるいは優先的に選択することの示唆も見当たらない。
以上のことから、甲6には、がんとPIK3CAポリヌクレオチドの変異の関連の開示もその示唆もないし、まして、本件発明1及び2に特定されるPIK3CAポリヌクレオチドの個々の変異の開示もないから、本件発明1ないし2は、甲6に記載された発明でない。
また、本件発明1又は2の方法のためのプライマーオリゴヌクレオチドのセットである本件発明3も、甲6に記載された発明でない。

(3)甲20を証拠とした新規性
甲20には、PIK3CA転写物用特異的プライマーとして5’-TCA AAG GAT TGG GCA CTT TT-3’および5’-GCC TCG ACT TGC CTA TTC AG-3’が記載されており(第4 9.)、前記のプライマーのポリヌクレオチド配列はそれぞれ、本件配列番号1のPIK3CAポリヌクレオチドの1980?1999位および2104?2123位に対応するから、前記のPIK3CA転写物用特異的プライマーは、PCRにより本件配列番号1のPIK3CAポリヌクレオチドの1980?2123位の部分を増幅し得る。
しかし、甲20には、がん関連サンプルに由来するポリヌクレオチドを増幅することの記載はないから、甲20のPIK3CA転写物用特異的プライマーは、がんに関連するサンプルにおいて変異PIK3CAポリヌクレオチドを検出するために用いられるものではなく、すなわち、本件発明1又は2の方法のためのものではない。
一方、本件発明3は、本件発明1又は2の方法のためのプライマーオリゴヌクレオチドのセットであるから、本件発明3は、甲20に記載された発明でない。

(4)小括
以上のことから、本件発明1?2は、甲1に記載された発明でも甲6に記載された発明でもなく、また、本件発明3は甲1に記載された発明でも甲6に記載された発明でも甲20に記載された発明でもなく、本件特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものでない。

2.進歩性について
1.にて述べたとおり、甲1は、不特定のポリヌクレオチドにおける変異の有無に基づいて癌を含む広範な病理学的状態を診断し得ることと、PIK3CAの第20エキソンの配列を含むポリヌクレオチドをそれぞれ別に開示するに留まり、甲6は、正常組織に由来するPIK3CAポリヌクレオチドの配列決定がなされたことを開示するに留まり、甲20は、PIK3CAポリヌクレオチドの一部分を増幅し得るPIK3CA転写物用特異的プライマーを開示するに留まり、すなわち、甲1、甲6、甲20のいずれにも、がんとPIK3CAポリヌクレオチドの変異の関連の開示もその示唆もないし、まして、本件発明1及び2に特定されるPIK3CAポリヌクレオチドの個々の変異の開示もない。
一方、本件発明1?3は、がん関連サンプルにおいて本件発明1及び2に特定される個々の変異のうちの少なくとも1の変異を含む変異PIK3CAポリヌクレオチドを検出する方法に関するものであって、本件特許明細書の記載によれば、ヒトのがん組織由来のPIK3CAに体細胞変異が集中することを見出し(本件特許明細書【0014】)、ヒトのがん組織由来のPIK3CAの変異を決定したこと(同【0038】表3)に基づいてなされた発明であるから、そのような本件発明1?3を、がんとPIK3CAポリヌクレオチドの変異の関連について開示も示唆もない甲1、甲6または甲20の記載事項からでは当業者といえども容易に想到し得ないと認められる。
また、甲4、甲5、甲7?12のいずれにも、がんとPIK3CAポリヌクレオチドの変異の関連の開示もその示唆もないし、まして、本件発明1及び2に特定されるPIK3CAポリヌクレオチドの個々の変異の開示もないから(第4 3.?4.、6.、8.)、甲1、甲6、甲20と甲4、甲5、甲7?12の記載事項を併せて考慮しても、本件発明1?3を当業者は容易に想到し得ないと認められる。
さらに、甲2?3、甲13?18はいずれも、ポリヌクレオチドの配列のアラインメント結果を示す証拠であって、がん関連サンプルにおけるPIK3CAポリヌクレオチドの変異やその検出についての開示はなく、本件発明1及び2に特定されるPIK3CAポリヌクレオチドの個々の変異の開示もないから(第4 2.、7.)、甲1、甲6、甲20と甲2?甲5および甲7?甲19号の記載事項を併せて考慮しても、本件発明1?3を当業者は容易に想到し得ないと認められる。
よって、本件発明1?3は、甲1、甲6、甲20、甲2?甲5および甲7?甲19号の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものでない。

3.サポート要件について
(1)発明の課題を解決するための手段の反映について
本件発明の課題の一つは、「癌であることが疑われるヒト組織における癌を評価する方法を提供する」(本件特許明細書【0006】)ことであると認められるところ、本件発明1?2は特定の変異を検出する方法であるにとどまり、検出された変異をどのように利用するのかの特定はない。
しかしながら、本件発明1?2の方法に係る変異PIK3CAポリヌクレオチドの検出により、「癌であることが疑われるヒト組織における癌の評価」が可能なことは、本件特許明細書の記載から当業者に明らかであるから、検出された変異をどのように利用するかが本件発明1?2において特定されていなくても、本件発明1?2の方法が「癌であることが疑われるヒト組織における癌を評価する方法を提供する」という本件発明の課題を解決し得ることは当業者に明らかである。
よって、本件発明1?2に、発明の課題を解決するための手段が反映されていないという不備はない。

(2)「がんを有するヒトから採取したサンプル」に関する発明について
本件特許明細書には、「本発明のさらに別の態様は、適切な化学療法剤を、治療を必要とする患者に輸送する方法である。PIK3CAのコード配列(配列番号:1)中の非同義の遺伝子内変異を、患者の被験組織を対象に決定する。p110α阻害剤を患者に投与する。」(本件特許明細書【0011】)、「PIK3CAのコード配列中の非同義の遺伝子内変異が、患者の被験組織中に同定されたら、こうした情報を元に治療に関する判断を下すことができる。このような変異を有する患者は、p110α阻害剤を使用する治療の有力な候補となる。」(同【0029】)との記載がある。
そうすると、「がんを有するヒトから採取したサンプル」における変異PIK3CAポリヌクレオチドの検出により、当該ヒト患者がp110α阻害剤を使用する治療の候補となるか否かの判断が可能であることは、本件特許明細書の記載から当業者に明らかであるから、本件発明1?2のうち「がんを有するヒトから採取したサンプル」に関する発明は本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものである。
なお、本件発明3は、本件発明1?2の方法のための物の発明であり、本件発明1?2について前述した事項は、本件発明3についても同様に妥当する。

(3)小括
以上のことから、本件特許の特許請求の範囲の記載には不備はなく、本件特許出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たす。

4.明確性について
(1)本件発明1
本件発明1は、「変異PIK3CAポリヌクレオチド断片を増幅する工程」と「前記増幅工程で増幅されたポリヌクレオチドを検出する工程」とを含む「変異PIK3CAポリヌクレオチドを検出する方法」であるところ、本件特許発明1は「変異PIK3CAポリヌクレオチド断片を増幅する工程」で断片をどのように増幅するのかを特定していない。
しかしながら、特定の塩基配列(以下、「特定配列」という。)を検出する手段として、
(i)当該特定配列を標的とするプライマーを用いて、当該特定配列のポリヌクレオチド断片のみを増幅し、電気泳動等により増副産物の有無を決定する手法
(ii)(特定配列部分を標的とするのではなく、)当該特定配列の上流(5’側)及び下流(3’側)に位置する配列を標的とするプライマーを用いてポリヌクレオチド断片を増幅した後、当該特定配列を標的とするプローブにより増幅産物が当該特定配列を有するか否かを決定する手法や、増副産物を配列決定して当該配列の有無を決定する手法
のいずれもが本件出願当時の周知技術である。
そして、当該周知技術を考慮すると、(i)の手法で本件発明1における変異PIK3CAポリヌクレオチドの検出が可能であることを当業者は理解するから、本件発明1の増幅工程において「変異PIK3CAポリヌクレオチド断片」のみを増幅することが明示的に特定されていなくても、本件発明1が変異PIK3CAポリヌクレオチドをどのように検出するのか理解できない不明確な発明であるとはいえない。

(2)本件発明2
本件発明2は、変異PIK3CAポリヌクレオチドをどのように検出するのかを特定していないが、(1)に記載した本件出願当時の周知技術を考慮すると、(i)及び(ii)のいずれの手法でも本件発明2における変異PIK3CAポリヌクレオチドの検出が可能であることを当業者は理解するから、本件発明2に変異PIK3CAポリヌクレオチドの検出手段が明示的に特定されていなくても、本件発明2が変異PIK3CAポリヌクレオチドをどのように検出するのか理解できない不明確な発明であるとはいえない。

(3)本件発明3
本件発明3のプライマーオリゴヌクレオチドの「セット」とは、その記載から、PIK3CA ポリヌクレオチドの変異箇所の増幅のためのセット、または、シークエンシングのためのセットである。
ここで、オリゴヌクレオチドの増幅のためにフォワードプライマーとリバースプライマーの対が用いられることは、本件出願当時の周知技術である。
また、ポリヌクレオチドのシークエンシングは通常、ポリヌクレオチドの増幅の後に行われるから、ポリヌクレオチドのシークエンシングには、ポリヌクレオチドの増幅のためのフォワードプライマーとリバースプライマーの対とシークエンシングプライマーが用いられることとなることも本件出願当時の周知技術であり、かつ、このことは、本件特許明細書の「有用なプライマーセットは、任意選択で配列決定用プライマーと組み合わされた、フォワードプライマーとリバースプライマーの対を含む。」(本件特許明細書【0030】)との記載とも合致する。
以上からみて、本件発明3は、ポリヌクレオチドの変異箇所の増幅のためのフォワードプライマー及びリバースプライマーのセット、あるいは、ポリヌクレオチドの変異箇所のシークエンシングのためのフォワードプライマー、リバースプライマー及びシークエンシングプライマーのセットが特定されていることとなり、いずれも複数のプライマーオリゴヌクレオチドの「セット」であることは明らかであるから、本件発明3は明確である。

(4)小括
以上のことから、本件特許の特許請求の範囲の記載には不備はなく、本件特許出願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たす。

5.原文新規事項について
3.にて述べたとおり、本件特許明細書には、「本発明のさらに別の態様は、適切な化学療法剤を、治療を必要とする患者に輸送する方法である。PIK3CAのコード配列(配列番号:1)中の非同義の遺伝子内変異を、患者の被験組織を対象に決定する。p110α阻害剤を患者に投与する。」(本件特許明細書【0011】)、「PIK3CAのコード配列中の非同義の遺伝子内変異が、患者の被験組織中に同定されたら、こうした情報を元に治療に関する判断を下すことができる。このような変異を有する患者は、p110α阻害剤を使用する治療の有力な候補となる。」(同【0029】)との記載があり、本件出願に係る国際出願日における国際出願の明細書にも当該記載がある(国際公開第2005/091849号の[10]、[30]を参照。)
そして、前記の患者が「がんを有するヒト」と同義であることは当業者に明らかである。
そうすると、本件出願に係る国際出願日における国際出願の明細書に、「がんを有するヒトから採取したサンプル」において変異PIK3CA ポリヌクレオチドを検出する方法が記載されていたことは明らかであるから、平成30年1月16日付手続補正書による補正がなされた後の本件特許の特許請求の範囲の記載事項は、本件出願に係る国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
よって、本件特許は、特許法第113条第5号に該当しない。

第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2019-06-19 
出願番号 特願2017-202265(P2017-202265)
審決分類 P 1 651・ 536- Y (C12Q)
P 1 651・ 537- Y (C12Q)
P 1 651・ 54- Y (C12Q)
P 1 651・ 121- Y (C12Q)
P 1 651・ 113- Y (C12Q)
最終処分 維持  
前審関与審査官 伊達 利奈  
特許庁審判長 大宅 郁治
特許庁審判官 小暮 道明
天野 貴子
登録日 2018-09-07 
登録番号 特許第6395917号(P6395917)
権利者 ザ ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ
発明の名称 ヒトの癌におけるPIK3CA遺伝子の変異  
代理人 刑部 俊  
代理人 川本 和弥  
代理人 井上 隆一  
代理人 五十嵐 義弘  
代理人 山口 裕孝  
代理人 春名 雅夫  
代理人 新見 浩一  
代理人 大関 雅人  
代理人 小林 智彦  
代理人 清水 初志  
代理人 佐藤 利光  

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