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審決分類 審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61K
審判 全部無効 2項進歩性  A61K
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A61K
管理番号 1353409
審判番号 無効2018-800024  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2018-02-26 
確定日 2019-06-05 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4472770号発明「多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4472770号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7及び16について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続等の経緯

特許第4472770号は、平成18年3月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2005年4月8日 米国(US))を国際出願日とする特願2008-505426号に係るものであり、平成22年3月12日に特許権の設定登録がされ、これに対して、平成27年8月10日に特許無効審判(無効2015-800161号)が請求(請求人:一般財団法人 化学及血清療法研究所)され、被請求人(ワイス・エルエルシー)は同年11月24日に特許請求の範囲を訂正する訂正請求をし、平成28年5月30日に「特許第4472770号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6、8〕、〔9-15、17〕について訂正することを認める。請求項9-15、17に係る特許についての本件審判の請求を却下する。請求項1-6、8に係る特許についての本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、その15分の7を請求人の負担とし、15分の8を被請求人の負担とする。」との審決がされ、この審決は確定した。
本件審判請求人は、「特許第4472770号の請求項1ないし8及び16に係る発明についての特許を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めて、特許無効審判を請求した。
本件の特許無効審判の請求以後の手続等の経緯は以下のとおりである。

平成30年 2月26日付け 審判請求書の提出
同 年 6月21日付け 答弁書及び訂正請求書の提出
同 年 7月 6日付け 手続補正書(被請求人)の提出
同 年 7月26日付け 審理事項通知書(請求人)
同 年 7月26日付け 審理事項通知書(被請求人)
同 年 9月13日付け 口頭審理陳述要領書(被請求人)の提出
同 年 9月28日付け 口頭審理陳述要領書(請求人)の提出
同 年10月10日付け 口頭審理陳述要領書(被請求人)の提出
同 年10月12日 口頭審理
同 年10月26日付け 上申書(請求人)の提出


第2 訂正の適否

1 訂正請求の内容
本件訂正請求は、本件特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、請求項7及び16について訂正をすることを求めるものであって、その訂正事項は以下のとおりである。

(1)請求項7に係る訂正(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項7に
「該免疫原性組成物が、13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、」とあるのを、
「該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、」に訂正する。

(2)請求項16に係る訂正
ア 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項16に
「・・・免疫原性組成物であって、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型3および少なくとも1種類の付加的な血清型から調製され、」とあるのを、
「・・・免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、」に訂正する。
また、同請求項16に
「付加的な血清型としての6Bを4μgとすることを除き、」とあるのを、
「6Bを4μgとすることを除き、」に訂正する。

イ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項16の「・・・免疫原性組成物であり、」の後に
「ここでコンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されており、」との記載を追加する訂正をする。

2 訂正の目的、新規事項追加の有無、特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無、独立特許要件
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
本件訂正前の請求項7に係る発明では、免疫原性組成物にストレプトコッカスニューモニエの異なる13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートが含まれることのみが特定されており、例えば、14種類以上の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートも含まれ得るものであったところ、訂正事項1は、請求項7に記載の免疫原性組成物に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートについて、「前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり」と特定することにより、多糖類-タンパク質コンジュゲートとして、13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートのみが含まれることに限定するものであり、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
本件特許の願書に添付した明細書の【0006】には、「莢膜多糖類がストレプトコッカスニューモニエの血型型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fからのものであり」との記載があり、また【0032】には、「莢膜多糖類は、ストレプトコッカスニューモニエの血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fから調製される」との記載があり、さらに、実施例1?16には、多糖類-タンパク質コンジュゲートとして、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fの莢膜多糖類とCRM_(197)とから調製された13価の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物(ワクチン)の製造例及び使用例が記載されており、これらの記載から、訂正事項1が、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無
上記アで説示したとおり、訂正事項1は、多糖類-タンパク質コンジュゲートを13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)とのコンジュゲートからなるものに限定する訂正であり、発明のカテゴリーや目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 独立特許要件
本件特許無効審判事件において、請求項7に係る特許は無効審判の請求の対象とされているので、訂正事項1については、いわゆる独立特許要件は適用されない(特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項)。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
本件訂正前の請求項16に係る発明では、免疫原性組成物にストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートが含まれ、その莢膜多糖類が血清型3及び血清型6Bを含む少なくとも1種類の付加的な血清型から調製されることのみが特定されていたところ、訂正事項2は、請求項16に記載の免疫原性組成物に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートについて、「前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され」と特定することにより、多糖類-タンパク質コンジュゲートとして、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製される13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートのみが含まれることに限定するものであり、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
本件特許の願書に添付した明細書の【0006】には、「莢膜多糖類がストレプトコッカスニューモニエの血型型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fからのものであり」との記載があり、また【0032】には、「莢膜多糖類は、ストレプトコッカスニューモニエの血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fから調製される」との記載があり、さらに、実施例1?16には、多糖類-タンパク質コンジュゲートとして、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fの莢膜多糖類とCRM_(197)とから調製された13価の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物(ワクチン)の製造例及び使用例が記載されており、これらの記載から、訂正事項2が、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無
上記アで説示したとおり、訂正事項2は、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製される13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)とのコンジュゲートからなるものに限定する訂正であり、発明のカテゴリーや目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 独立特許要件
本件特許無効審判事件において、請求項16に係る特許は無効審判の請求の対象とされているので、訂正事項2については、いわゆる独立特許要件は適用されない(特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項)。

(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、本件訂正前の請求項16に係る発明における多価免疫原性組成物に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートについて、コンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されているものに限定するものであり、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
本件特許の願書に添付した明細書の【0033】の「各莢膜多糖類は、同じキャリアタンパク質にコンジュゲートする。この実施形態では、還元的アミノ化によってコンジュゲーションを実施する」との記載から、訂正事項3が、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無
上記アで説示したとおり、訂正事項3は、多糖類-タンパク質コンジュゲートについて、コンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されているものに限定する訂正であり、発明のカテゴリーや目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 独立特許要件
本件特許無効審判事件において、請求項16に係る特許は無効審判の請求の対象とされているので、訂正事項3については、いわゆる独立特許要件は適用されない(特許法第134条の2第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項)。

3 訂正についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正は、訂正の要件を全て満たすものであるから、これを認める。



第3 本件訂正発明

上記のとおり本件訂正が認められるから、本件特許の請求項1?8及び16に係る発明は、平成30年6月21日付け訂正請求書に添付の訂正特許請求の範囲の請求項1?8及び16に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
なお、以下、本件訂正後の請求項1?8及び16に係る発明を、それぞれ、「本件訂正発明1」?「本件訂正発明8」及び「本件訂正発明16」という。また、これらをまとめて「本件訂正発明」ともいう。

「【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクルと共に含む多価免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている、多価免疫原性組成物。
【請求項2】
さらにアジュバントを含む、請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
アジュバントがアルミニウムをベースとするアジュバントであるところの、請求項2記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
アジュバントがリン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群より選択されるところの、請求項3記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
アジュバントがリン酸アルミニウムであるところの、請求項4記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における、請求項1に記載の免疫原性組成物の使用。
【請求項7】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている免疫原性組成物であり、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;CRM_(197)キャリアタンパク質を29μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム緩衝液を含有するように処方されるところの、使用。
【請求項8】
さらに、ネイセリアメニンジタイディスタイプBからの1種または複数のタンパク質を含む、請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている免疫原性組成物であり、ここでコンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されており、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;CRM_(197)キャリアタンパク質を29μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム緩衝液を含有するように処方されるところの、使用。」


第4 当事者の主張

1 請求人の主張及び証拠方法
請求人は、概略以下の理由により、請求項1?8及び16に係る特許を無効にすべき旨主張する。

(1)無効理由1(進歩性違反)
ア 無効理由1-1
本件特許の請求項1?6に係る発明は、
(a)本件優先日前に公然実施された発明(公知発明)であるプレベナー(Prevnar)(商標)並びに
(b)甲第3?8及び24号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、請求項1?6に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

イ 無効理由1-2
本件特許の請求項7に係る発明は、
(a)公知発明であるプレベナー(Prevnar)(商標)、
(b)甲第3?8及び24号証、
(c)甲第22号証並びに
(d)甲第14及び15号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、請求項7に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

ウ 無効理由1-3
本件特許の請求項8に係る発明は、
(a)公知発明であるプレベナー(Prevnar)(商標)並びに
(b)甲第3?8、17及び24号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、請求項8に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

エ 無効理由1-4
本件特許の請求項16に係る発明は、
(a)公知発明であるプレベナー(Prevnar)(商標)、
(b)甲第1?8、18、23及び24号証、
(c)甲第22号証並びに
(d)甲第14及び15号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、請求項16に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

(2)無効理由2(実施可能要件違反)
ア 無効理由2-1
本件特許明細書には、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製された13種類の血清型の莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる免疫原性組成物に関する事項のみ記載されるところ、本件特許の請求項7及び16に係る発明は、該13種類の血清型の莢膜多糖類以外の血清型の莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物も包含するものであるが、特許権者の主張する免疫干渉についての本件特許の優先日における技術常識(ア)(ワクチンの分野では免疫干渉現象が知られており、当業者は、特定の抗原とキャリアタンパク質との組み合わせについて直接実験を実施することなく、ワクチンが全ての抗原に対して、深刻な免疫干渉を一切もたらすことなく、有意な程度に免疫応答を引き起こし得るものであるかどうかを予測することは不可能であったこと)によれば、そのような組成物が組成物中の全ての血清型に対し免疫原性を示すとは直ちにはいえない。
よって、請求項7及び16に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

イ 無効理由2-2
本件特許明細書の免疫原性を試験した実施例では、キャリアタンパク質CRM_(197)の用量が明記されていないところ、特許権者の主張する免疫干渉についての本件特許の優先日における技術常識(イ)(ワクチンの分野では免疫干渉現象が知られており、多糖類コンジュゲートワクチンの免疫干渉はキャリアタンパク質の含量が増えるにつれてより起こりやすくなること、並びにワクチンの各成分の含量を含む様々な要因により免疫原性の程度が異なること)によれば、組成物中の全ての血清型に対して免疫原性を示すキャリアタンパク質CRM_(197)の用量を見いだすためには、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤を必要とする。
よって、請求項1?8及び16に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

ウ 無効理由2-3
本件特許明細書の実施例では、血清型14についてはOPA試験で機能的な抗体を誘発することができなかったことが記載されており、血清型14に対する機能的抗体を誘発できるようにするにはどうしたらよいのか説明がなく、優先日当時の当業者は、本件明細書の発明の詳細な説明と技術常識から、血清型14を含む請求項1?8及び16に係る発明を実施できない。
よって、請求項1?8及び16に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

(3)無効理由3(サポート要件違反)
ア 無効理由3-1
本件特許明細書には、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製された13種類の血清型の莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる免疫原性組成物に関する事項のみ記載されるところ、本件特許の請求項7及び16に係る発明は、該13種類の血清型の莢膜多糖類以外のほかの血清型の莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物も包含するものであるが、上記技術常識(ア)に基づくと、これらの請求項に係る発明は、本件特許明細書に当業者が発明の課題を解決できることを認識できるように記載された範囲を超えている。
よって、請求項7及び16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

イ 無効理由3-2
本件特許の請求項7及び16に係る発明はCRM_(197)の用量を特定しているが、この用量を明記した免疫原性を確認した実施例がない。このため、上記技術常識(イ)によれば、請求項7及び16に係る発明の範囲にまで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
本件特許の請求項1?6及び8に係る発明はCRM_(197)の用量を特定していない。一方、免疫原性を試験した実施例では、キャリアタンパク質CRM_(197)の用量が明記されていない。したがって、上記技術常識(イ)によれば、いかなる用量のCRM_(197)も使用できるという点で、請求項1?6及び8に係る発明の範囲にまで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
本件特許明細書では、特定の用量の多糖類でのみ免疫原性を試験しているが、請求項1?6及び8に係る発明は多糖類の用量が特定されていない。したがって、上記技術常識(イ)によれば、いかなる用量の多糖類も使用できるという点で、請求項1?6及び8に係る発明の範囲にまで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
よって、請求項1?8及び16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

ウ 無効理由3-3
本件特許の明細書の実施例では、血清型14については、OPA試験で機能的な抗体を誘発することができなかったことが記載されており、血清型14を含む請求項1?8及び16に係る発明は、課題を解決できることを認識できるように記載された範囲を超えている。
よって、請求項1?8及び16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであり、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。

証拠方法:

甲第1号証 Overturf, Seminars in Pediatric Infectious
Diseases, 2002; 13(3): 155-164
甲第2号証 O'Brien, American Journal of Epidemiology, 2004;
159(7): 634-644
甲第3号証 Hausdorff, Pediatr Infect Dis J, 2002; 21(11):
1008-1016
甲第4号証 C. de la Pena, Pediatrika 2004; 24(4): 147-155
甲第5号証 特表2004-508416号公報(平成16年3月
18日公表)
甲第6号証 特表2002-539273号公報(平成14年11月
19日公表)
甲第7号証 特表2002-540074号公報(平成14年11月
26日公表)
甲第8号証 特表2002-542204号公報(平成14年12月
10日公表)
甲第9号証の1 PHYSICIANS' DESK REFERENCE^((R)) 55 Editionの表紙
(2000年11月28日発行)
(合議体注:(R)はRを○で囲んだマーク。以下、同じ。)
甲第9号証の2 PHYSICIANS' DESK REFERENCE^((R))55
Edition 2001; 1673-1679(2000年11月28日発
行)
甲第10号証 PDR^((R)) 2001: Physicians' Desk Reference, 55th
Edition / Edition 55
(https://www.barnesandnoble.com/w/pdr-2001-medical
-economics-company/1101753641)
甲第11号証 Obaro,Pediatr Infect Dis J, 2002;21:940-6
甲第12号証 Huebner, Vaccine 2004;22: 2696-2700
甲第13号証 Whitney, The New England Journal of Medicine 2003;
348 (18): 1737-1746
甲第14号証 特表2004-538291号公報(平成16年12月
24日公表)
甲第15号証 コーンスタンプ 生化学(第5版)(第10刷1995
年9月1日発行)
甲第16号証 AFFIDAVIT OF CHRISTOPHER BUTLER(2016年11
月28日)
甲第17号証 国際公開第2004/094596号(平成16年11
月4日国際公開)
甲第18号証 Sigurdardottir, Pediatr Infect Dis J, 2002;21:
548-54
甲第19号証 米国特許第5,360,897号 (平成6年11
月1日発行)
甲第20号証 無効審判2015-800161号答弁書
別紙:本件審判請求は成り立たない理由
甲第21号証 プレベナー^((R))水性懸濁皮下注の添付文書
(2010年8月改訂(第3版))
甲第22号証 Obaro, Pediatr Infect Dis J, 2000; 19: 463-9
甲第23号証 Dagan, The Journal of Infectious Diseases
2000;181:1322-9
甲第24号証 Yu, The Journal of Infectious Diseases
1999;180:1569-76
甲第25号証の1 Bentley et al, Genet., 2006; 2(3):262-269
甲第25号証の2 Figure S1. Capsule Biosynthesis Genes and Repeat-
Unit Polysaccharide Structure for All 90 Serotypes
(https://doi.org/10.1371/journal.pgen.0020031.sg001)
甲第26号証 Rubin, Pediatr Clin North Am, 2000, 47: 269-285
甲第27号証 無効審判2015-800161 審決(審決日:平成
28年5月30日)
甲第28号証 The Pink Sheet 2001; 63 (22) 16
甲第30号証の1 Videotaped Deposition of Ali Fattom (October 27,
2017)
甲第30号証の2 Petitioner's Notice of Deposition of Ali Fattom,
Ph.D. (October 2, 2017)
甲第31号証 米国特許出願公開2012/0237542号(平成2 4年9月20日公開)
甲第32号証 Deposition of Peter R. Paradiso (August 22, 2018)
甲第33号証の1 Akers, Pharmaceutical Biotechnology, 2002; 14:
表紙及び扉
甲第33号証の2 同 47-127頁
甲第34号証 PGR No. 2017-00016 Patent Owner Preliminary
Response
甲第35号証の1 WHO EXPERT COMMITTEE ON BIOLOGICAL
STANDARDIZATION,
WHO Technical Report Series 927 表紙及び目次
甲第35号証の2 WHO EXPERT COMMITTEE ON BIOLOGICAL
STANDARDIZATION,
WHO Technical Report Series 927 64-98


2 被請求人の主張及び証拠方法
被請求人は、本件訂正は適法であり、本件訂正発明1?8及び16には、請求人が主張するいずれの無効理由もない旨主張する。

証拠方法:

乙第1号証 Jorgen Henrichsen et al., Six Newly Recognized Types
of Streptococcus Pneumoniae, Journal of Clinical
Microbiology, Oct. 1995, Vol. 33, No. 10, p. 2759
-2762
乙第2号証 J.D. Grabenstein et al., A century of Pneumococcal
vaccination research in humans, Clinical
Microbiology and Infection, 2012; 18 (Suppl. 5)
: 15-24
乙第3号証 医薬品インタビューフォーム、ニューモバックス^((R))NP、
MSD株式会社
(2013年10月改訂(改訂第13版))
乙第4号証 Ron Dagan et al., Reduction of Antibody Response to
an 11-Valent Pneumococcal Vaccine Coadministered
with a Vaccine Containing Acellular Pertussi
Components, Infection and Immunity,
September 2004, Vol. 72, No. 9, p. 5383-5391
乙第5号証 S.R. Gatchalian et al., A randomized, placebo-
controlled study to evaluate the immunogenicity
of an 11-valent pneumococcal protein D conjugate
vaccine administered as primary vaccination to
infants at 6, 10 and 14 weeks of age, 19th Annual
Meeting of the Eur. Sco. Paed. Inf. Dis. (ESPID),
poster number 4, P1A Poster Session 1, Istanbul
Turkey
乙第6号証 Roman Prymula et al., 10-valent pneumococcal
nontypeable Haemophilus influenzae PD conjugate
vaccine: Synflorix^((TM)), Expert Rev. Vaccines 8(11),
1479-1500 (2009)
乙第7号証 医薬品インタビューフォーム、プレベナー13^((R))水性懸濁
注、ファイザー株式会社
(2014年6月改訂(改訂第3版))
乙第8号証 Ali Fattom et al., Epitopic overload at the site of
injection may result in suppression of the immune
response to combined capsular polysaccharide
conjugate vaccines, Vaccine 17 (1999) 126-133
乙第9号証 Ron Dagan et al., Reduced Response to Multiple
Vaccines Sharing Common Protein Epitopes
That Are Administered Simultaneously to Infants,
Infection and Immunity, May 1998, Vol.66,
No. 5, p.2093-2098
乙第10号証 Wuorimaa, Tomi MD et al., Tolerability and
immunogenicity of an eleven-valent pneumococcal
conjugate vaccine in healthy toddlers,
The Pediatric Infectious Disease Journal,
Vol. 20(3), March 2001, pp 272-277
乙第11号証 Jim P. Buttery et al., Immunogenicity and Safety of
a Combination Pneumococcal-Meningococcal
Vaccine in Infants, Journal of American Medical
Association, April 13, 2005, Vol. 293, No. 14,
1751-1758
乙第12号証 Ron Dagan et al., Glycoconjugate vaccines and immune
interference: A review, Vaccine 28 (2010) 5513-5523
乙第13号証 Sharon Choo et al., Immunogenicity and
reactogenicity of a pneumococcal conjugate
vaccine administered combined with
a Haemophilus influenza type b conjugate
vaccine in United Kingdom infants,
Pediatr. Infect. Dis. J., Vol. 19, No. 9, Sept.,
2000, p.854-862
乙第14号証 Reinert, Pneumococcal conjugate vaccines
-a European perspective, Int. J. Medical
Microbiology, 2004; 294: 277-294
乙第15号証 平成25年5月10日付け審査報告書、独立行政法人医薬
品医療機器総合機構
乙第16号証 R. Prymula et al., 9th International Symposium
on Pneumococcal and Pneumococcal Diseases
(ISPPD), 2014, Hyderabad, India [the abstract
and poster disclosed on March 10, 2014]
乙第17号証 Peter Paradiso博士の宣誓書、2015年11月19日作成
乙第18号証 Study Report: Immunogenicity of Free and Conjugated
Capsular Polysaccharides from Streptococcus
pneumoniae and Neisseria meningitidis in 13-valent
Pneumococcal, 13-valent Pneumococcal/ 4-valent
Meningococcal and 4-valent Meningococcal
Vaccines, Wyeth
乙第19号証 Clinical Review of Biologics License Application for
Prevnar 13 (Pneumococcal 13-valent Conjugate
Vaccine (Diphtheria CRM197 Protein)), Food and
Drug Administration, 2010年2月17日付け)
乙第20号証 2016年2月29日付け、米国特許出願14/409,865に関する
意見書、弁護士Mythili Markowski作成
乙第21号証 2017年3月27日付け、米国特許出願14/409,865に関する
意見書、弁護士Mythili Markowski作成
乙第22号証 米国特許出願14/409,865における2018年3月30日付け
Notice of Allowance and Fee(s) Due
乙第23号証 韓国特許裁判所第5裁判所、案件番号2015
ホ4613(特許無効)判決
乙第24号証 Kim Mulholland, The Gambian pneumococcal
vaccine trial - implications for control of
childhood pneumonia, Tropical Medicine
and International Health, vol.10, No.6
June 2005 p.497-500
乙第25号証 A.S.Ginsburg et al., New Conjugate Vaccines For The
Prevention Of Pneumococcal Disease In Developing
Countries, Drugs of Today, 2011 47(3) p.207-214
乙第26号証 F T Cutts et al., Efficacy of nine-valent
pneumococcal conjugate vaccine against
pneumonia and invasive pneumococcal disease
in The Gambia: randomised, double-blind, placebo
-controlled trial, The Lancet, vol.365 March 26,
2005 p.1139-1146
乙第27号証 Daniel A. Scott et al., Phase 1 trial of a
13-valent pneumococcal conjugate vaccine
in healthy adults, Vaccine 25 (2007)
6164-6166


第5 証拠の記載事項

1 請求人が提出した証拠の記載事項
請求人が提出した甲第1?8号証、9号証の2、10?19号証、22?24号証、26号証、28号証、32号証及び33号証の2には、それぞれ以下の事項が記載されている。
なお、甲第1?4号証、9号証の2、11?13号証、16?19号証、22?24号証、26号証、28号証、32号証及び33号証の2は、外国語で記載されているので、日本語による訳文にて表記する。

(1)甲第1号証の記載事項
ア 摘記事項甲1-(1)
「子供の肺炎球菌ワクチン」(標題)

イ 摘記事項甲1-(2)
「7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(プレベナー(Prevnar) 商標)が、現在米国で承認されている。このワクチンは、還元的アミノ化により20μgのCRM_(197) にコンジュゲートした7つの肺炎球菌多糖類抗原(血清型4、6B、9V、14、19F、23F及びオリゴ多糖18C)を含み、PCV7と表示される。推奨される0.5mL投与量には、6Bで推奨される4μgを除き、各抗原2μgを含む。リン酸アルミニウム(0.5mg)がアジュバントとして含まれているが、防腐剤やチメロサールは含まない。」(第158頁右欄下から第10行?末行)

ウ 摘記事項甲1-(3)
「表4 開発中の肺炎球菌コンジュゲートワクチン


注.フェーズII及びIII試験で試験された他のワクチンの組み合わせ又はコンジュゲートには、破傷風及びジフテリアトキソイドに加えられたコンジュゲート並びに1価調製物(6B)から5価(6B、14、18C、19F及び23F)、7価(PCV7)、9価(PCV7に血清型1及び5を追加)及び11価(9価に3及び7Vを追加)の範囲の肺炎球菌抗原の組み合わせが含まれる。・・・」(第158頁)


(2)甲第2号証の記載事項
ア 摘記事項甲2-(1)
「小児肺炎球菌疾患におけるコンジュゲート肺炎球菌ワクチンの潜在的影響」(標題)

イ 摘記事項甲2-(2)
「表3 米国にて承認済み又は開発中の肺炎球菌コンジュゲートワクチン

*この製品は、メルク アンド カンパニーによって、もはや開発されていない。
+この製品は、付随的に投与された無細胞百日咳ワクチンの免疫原性が予想よりも低いためという理由もあり、アベンティス パスツールによってもはや開発されていない。」(第638頁)

ウ 摘記事項甲2-(3)
「7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PnCRM-7)(Prevnar;ワイス ワクチン, Pearl River, New York)が米国及び約50の他の国で承認されている。」(第638頁右欄下から第5行?末行)


(3)甲第3号証の記載事項
ア 摘記事項甲3-(1)
「子供の急性中耳炎を起こす肺炎球菌血清型の多国間研究」(標題)

イ 摘記事項甲3-(2)
「略語・・・血清型4、6B、9V、14、18C、19F、23Fを含む7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-7);PCV-7血清型プラス1及び5を含む9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-9);PCV-9血清型プラス3及び7Fを含む11価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-11)」(第1009頁左欄第12?21行)

ウ 摘記事項甲3-(3)
「図2(右)は、臨床試験中であるPCV-9及びPCV-11製剤が6?35か月の子供に最低限役立つのみならず、PCV-11血清型特異的カバー範囲が、もっと幼い及びもっと年上の子供に対しても、それぞれ60%まで及び70%までに増加するであろうということを示している。」(第1013頁右欄第26?32行)

エ 摘記事項甲3-(4)



図2 データセットと年齢によるワクチン血清型
左:血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23F(PCV-7)、又は、6A、19A、23B等のようなワクチン関連血清型の各データセットの肺炎球菌MEF(合議体注:中耳液)分離株のパーセンテージ
右:PCV-7血清型を有する、血清型1と5(PCV-9とPCV-11に含まれる)を有してさらに増加する、及び、血清型3と7F(PCV-11に含まれる)を有してさらに増加する、各年齢集団における全肺炎球菌MEF分離株のパーセンテージ」(第1013頁左欄)

オ 摘記事項甲3-(5)
「PCV-11血清型プラス6A及び19Aが、研究された各年齢集団における、全ての主たる血清型を含むように思われる。」(第1014頁右欄第12行?15行)


(4)甲第4号証の記載事項
ア 摘記事項甲4-(1)
「肺炎に対するワクチンの現状及び将来」(標題)

イ 摘記事項甲4-(2)
「新しい7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(7血清型)が研究され、続いて上市され、そのワクチンは、肺炎球菌疾患を防ぐことができるかもしれない。・・・7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、ストレプトコッカスニューモニエの7の血清型(4、6B、9V、14、18C、19F及び23F)の莢膜抗原の精製された多糖類が別々にCRM197(ジフテリア毒素の無毒性突然変異体)タンパク質にコンジュゲートされた糖コンジュゲートを含む。」(第148頁右欄第20?39行)

ウ 摘記事項甲4-(3)
「米国の状況
2000年2月に、米国はストレプトコッカスニューモニエの7の血清型(4、6B、9V、14、18C、19F及び23F)に対する肺炎球菌コンジュゲートワクチン(プレベナー(Prevnar))の使用を承認した。このワクチンは、2001年1月から米国でのワクチン接種スケジュールに含まれた。」(第150頁左欄第1?7行)

エ 摘記事項甲4-(4)
「スペインの状況
2001年6月まで、スペインでは、ストレプトコッカスニューモニエの23の血清型の莢膜多糖類からなる、23価の肺炎球菌ワクチンだけだった。2001年6月に7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(プレベナー(Prevnar))がスペインで上市された。」(第150頁右欄第26?32行)

オ 摘記事項甲4-(5)
「ほかの肺炎球菌ワクチン
ご存じのとおり、現在、肺炎球菌の侵襲性疾患を防ぐために、23価多糖類(VNP-23V)及び7価コンジュゲートワクチン(VNC-7V)の2つのワクチンが利用できる。まだ上市されておらず、進んだフェーズの研究中である他の肺炎球菌コンジュゲートがある。
- 1及び5を追加した9血清型ワクチンは、2歳未満と2?5歳の子供における87%までカバーする。
- 3及び7Fを加えた11血清型ワクチン。血清型3が、スペインの大人において、最も侵襲性の疾患を引き起こすので、これらのワクチンの使用は、この血清型による感染症の発生率に好ましいインパクトを与え得る。
- 6A及び19Aを追加した13血清型のワクチン」(第152頁右欄第20行?末行)

カ 摘記事項甲4-(6)
「9価肺炎球菌コンジュゲートワクチン:VCN-9V
・・・
以下の研究を含む、9価コンジュゲートワクチンの安全性と免疫原性を評価したいくつかの試験がある。
・DTPワクチンと同時であるが別のシリンジでガンビアの子供たちに投与したVCN-9Vの安全性と免疫原性(23)。
・・・
・残りの3つの試験(23,24,25)は、VCN-9Vの安全性と免疫原性を、以下のとおり証明した。
- 含んでいる9つの血清型に対し良好な免疫応答を産生する安全なワクチンである。
- 耐用性の高いワクチンである。
- 抗生物質耐性に起因するIPD発生率の顕著な減少があった。
- ワクチン対象の肺炎球菌の鼻咽頭キャリヤーが減少し、ワクチン対象でない肺炎球菌はそれほど増加しなかった。
- 耐性肺炎球菌のキャリヤーの減少があった。
- 免疫スケジュールのルーチンワクチンとVCN-9Vの同時投与は、安全で、免疫原性である。
したがって、VCN-9Vはコンジュゲートワクチンの分野で新しい機会を開く、安全で、効果的で、免疫原性のワクチンであるといえる。」(第153頁左欄第1行?右欄第17行)

キ 摘記事項甲4-(7)
「肺炎球菌ワクチンの将来
・・・
7価コンジュゲートワクチンに新たな血清型を追加する研究が行われており、血清型1と5を追加する9価、3と7Fを追加する11価、及び6Aと19Aを追加する13価ワクチンの研究が様々な段階にある。我々は対象範囲の多様性を維持し続けるけれども、これは年齢と国の範囲を広げることができるだろう。」(第153頁右欄第18?48行)

ク 摘記事項甲4-(8)
「参考文献23 Obaro SK, Adegbola RA, Banya W, Greenwood B. ガンビアの幼児に、ジフテリア、破傷風及び百日咳ワクチンと同時だが別のシリンジで投与したCRM197にコンジュゲートした9価肺炎球菌ワクチンの安全性と免疫原性 Pediatr Infect Dis J, 2000; 19: 463-9」(第155頁左欄第7?12行)


(5)甲第5号証の記載事項
ア 摘記事項甲5-(1)
「【請求項1】
少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖体抗原と、PhtA、PhtD、PhtB、PhtE、SpsA、LytB、LytC、LytA、Sp125、Sp101、Sp128、Sp130およびSp133から成る群から選択される少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ蛋白抗原またはその免疫学的機能等価物とを含んで成る免疫原性組成物。
【請求項2】
多糖体抗原が多糖体蛋白担体接合物の形態で提供される請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
担体蛋白がジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、CRM197、キーホール・リンペットヘモシアニン(KLH)、ツベルクリンの蛋白誘導体およびH.インフルエンザ由来の蛋白Dから成る群から選択される請求項2記載の免疫原性組成物。
・・・」(特許請求の範囲)

イ 摘記事項甲5-(2)
「【0013】
本発明のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖体抗原
典型的には、本発明のストレプトコッカス・ニューモニエワクチンは多糖体抗原(好ましくは、担体蛋白に結合したもの)を含み、ここに多糖体は少なくとも4つの肺炎球菌の血清型から誘導される。好ましくは、4つの血清型は、6B、14、19Fおよび23Fを含む。より好ましくは、少なくとも7つの血清型、例えば血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来のものが組成物に含まれる。さらにより好ましくは、少なくとも11の血清型が組成物に含まれ、例えば一の具体例における組成物は、1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F(好ましくは、担体蛋白に結合したもの)由来の莢膜多糖体を含む。本発明の好ましい具体例において、さらに多糖体抗原、例えば23価(例えば抗原型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33F)も本発明により考えられるが、少なくとも13の多糖体抗原(好ましくは、担体蛋白に結合したもの)が含まれる。
【0014】
高齢者のワクチン接取(例えば、肺炎の予防)に関しては、血清型8および12F(および最も好ましくはさらに15および22)を上記の11価の抗原性組成物に含み、15価ワクチンを形成することが有利であるのに対して、幼児または小児(中耳炎の不安がある)に関しては、有利には抗原型血清型6Aおよび19Aが13価ワクチンを形成するために含まれる。上記多糖体は全長、天然の形態で用いることができるが、また免疫原性がある大きさを減少させた多糖体も用いることができることは理解されるだろう(例えば、EP497524および497525)。」

ウ 摘記事項甲5-(3)
「【0041】
本発明はまた、一連の異なる病原体に対して防御を与える混合ワクチンを意図する。多くの小児ワクチンは、現在、子供が受けねばならない注射の数を減らすために混合型ワクチンとして投与される。かくして、小児用ワクチンの場合、他の病原体由来の他の抗原を本発明のワクチンと共に処方することができる。・・・混合ワクチンはまた、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、ポリオウイルス抗原(例えば不活化3価ポリオウイルスであるIPV)、モラクセラ・カタラーリス膜外蛋白、分類不可能な特異的ヘモフィルス・インフルエンザ蛋白、髄膜炎菌B膜外蛋白のような他の抗原も含むことができる。」

エ 摘記事項甲5-(4)
「【0048】
実施例1
エス・ニューモニエ莢膜多糖体
11価の候補ワクチンは、実質的にEP72513に記載されているように調製した莢膜多糖体血清型1、3、4、5、6B,7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fを含む。各々の多糖体を活性化し、CDAP化学(WO98/08348)を用いて誘導体化し、蛋白担体に結合させる。すべての多糖体は、血清型3(これはその粘度を減少させるために大きさを小さくした)を除いてそれらの天然の形態で結合する。
【0049】蛋白担体:
選択した蛋白担体は分類不可能なヘモフィルス・インフルエンザから、イー・コリで発現した組換え蛋白D(PD)である。」


(6)甲第6号証の記載事項
ア 摘記事項甲6-(1)
「【請求項1】3D-MPLでアジュバント化された1以上のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)莢膜多糖コンジュゲートを含み、かつ、アルミニウム-ベースのアジュバントを実質的に欠く抗原性組成物であって、ここで、上記ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖コンジュゲートの中の少なくとも1が、アルミニウム-ベースのアジュバントとともに3D-MPLを含む組成物に比較して、3D-MPLを含む組成物において有意により免疫原性である、前記抗原性組成物。
・・・
【請求項9】前記ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖がヘモフィラス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)のプロテインDにコンジュゲートされている、請求項1?7のいずれかに記載の抗原性組成物。
【請求項10】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型6B,14,19F、及び23Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
【請求項11】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型4,6B,9V,14,18C,19F、及び23Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
【請求項12】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型1,3,4,5,6B,7F,9V,14,18C,19F、及び23Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
【請求項13】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型1,3,4,5,6B,7F,8,9V,12F,14,18C,19F、及び23Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
【請求項14】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型1,3,4,5,6A,6B,7F,9V,14,18C,19A,19F、及び23Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
【請求項15】ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖血清型1,2,3,4,5,6B,7F,8,9N,9V,10A,11A,12F,14,15B,17F,18C,19A,19F,20,22F,23F、及び33Fのコンジュゲートを含む、請求項1又は7に記載の抗原性組成物。
・・・」(特許請求の範囲)

イ 摘記事項甲6-(2)
「【0021】
C)細菌多糖-プロテインD複合体
前記のように、多糖抗原ベースのワクチンは、当業界で周知である。前記の認可多糖ワクチンは、異なる実証済み臨床効能を有する。Vi多糖ワクチンは、培養確証腸チフスの防止に際して55%?77%の効能を有すると概算されている(Plotkin and Cam,(1995)Arch Intern Med 155:2293-99)。髄膜炎菌C多糖ワクチンは、流行条件下で79%の効能を有することが示された(De Wals P, et al.(1996)Bull World Health Organ. 74:407-411)。23価肺炎球菌ワクチンは、0%?81%の臨床効能の広範な変動を示した(Fedson et al.(1994)Arch Intern Med.154:2531-2535)。前記のように、肺炎球菌ワクチンの防御効能は、ワクチン接種時に誘導される抗体の濃度に多少関連する、ということが容認される。
【0022】
ワクチン接種への多糖アプローチに関連した問題の1つは、多糖それ自体が貧免疫原性であるという事実である。免疫原性のこの欠如を克服するよう意図された戦略としては、大型高免疫原性タンパク質との多糖の連結が挙げられるが、これは、バイスタンダーT細胞援助を提供する。
【0023】
多糖免疫原の産生のために今日一般に用いられるこれらの高免疫原性担体の例としては、ジフテリア毒素(CTまたはCRM197突然変異体)、破傷風毒素(TT)、カギアナカサガイヘモシアニン(KLH)およびツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)が挙げられる。
【0024】
一般的に用いられる担体に関連した問題
多数の問題が、例えばGMP複合体の産生におけるならびに複合体の免疫学的特徴における、これらの一般的に用いられる担体の各々に関連している。
【0025】
これらの担体の一般的使用および抗多糖抗体応答の誘導におけるそれらの成功例にもかかわらず、それらはいくつかの欠点に関連する。例えば、抗原特異的免疫応答は、担体(この場合、破傷風毒素)に対して向けられる先在する抗体の存在により抑制され得る(エピトープ抑制)ということが知られている(Di John et al;(1989)Lancet, 2:1415-8)。集団全般では、人々はこれらの抗原でルーチンにワクチン接種されるので、非常に高パーセンテージの人々がDTおよびTTの両方に対する先在免疫を有する。英国では、例えば95%の小児がDTおよびTTの両方を含むDTPワクチンを接種されている。他の著者等は、動物モデルにおけるペプチドワクチンに対するエピトープ抑制の問題を記載している(Sad et al, Immunology, 1991; 74:223-227; Schutze et al, J. Immunol. 135:4, 1985; 2319-2322)。
【0026】
さらに、定期的追加免疫を要するワクチンに関しては、高免疫原性担体、例えばTTおよびDTの使用は、数回注射後の多糖抗体応答を抑制すると思われる。これらの多数回予防接種は、遅延型過応答性(DTH)のような望ましくない反応によっても成し遂げられ得る。
【0027】
KLHは、効力のある免疫原として既知であり、ヒト臨床試験におけるIgEペプチドのための担体としてすでに用いられている。しかしながら、いくつかの悪反応(DTH様反応またはIgE感作)ならびに抗体に対する抗体応答が観察されている。
【0028】
したがって、多糖ベースのワクチンのための担体タンパク質の選択は、すべての患者において作用する(広範なMHC認識)担体に対する必要性、高レベルの抗多糖抗体応答の誘導および担体に対する低抗体応答の間の平衡を必要とする。
【0029】
したがって、多糖ベースのワクチンのために予め用いられる担体は、多数の欠点を有する。これは、種々の多糖抗原に関して同一担体が用いられる場合に、エピトープ抑制が特に問題となる組合せワクチンにおいて特にそうである。WO 98/51339では、組合せワクチン中の多担体は、この作用を乗り越えようとするために用いられた。
【0030】
本発明は、前記の欠点を蒙らない多糖/多ペプチドベースの免疫原性複合体の調製に際して用いるための新規の担体を提供する。
【0031】
本発明は、ワクチンを含めた多糖ベースの免疫原性組成物のための担体として、インフルエンザ菌からのプロテインD(EP 0 594 610 B1)またはその断片を提供する。この担体の使用は、組合せワクチンにおいて特に有益である。」

ウ 摘記事項甲6-(3)
「【0048】
本発明の肺炎連鎖球菌多糖抗原
典型的には、本発明の肺炎連鎖球菌ワクチンは、多糖抗原(好ましくは複合化)を含み、この場合、多糖は少なくとも4つの血清型の肺炎球菌から得られる。好ましくは、4つの血清型としては、6B、14、19Fおよび23Fが挙げられる。さらに好ましくは少なくとも7つの血清型、例えば4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fから得られるものが組成物中に含まれる。さらに好ましくは、少なくとも11の血清型が組成物に含まれ、例えば一実施態様における組成物は、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fから得られる莢膜多糖(好ましくは複合化(conjugated))を含む。本発明の好ましい実施態様では、少なくとも13の多糖抗原(好ましくは複合化)が含まれるが、しかしさらなる多糖抗原、例えば23価(例えば血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33F)も本発明により意図される。
【0049】
老齢者予防接種(例えば、肺炎予防のための)に関しては、血清型8および12F(そして最も好ましくはさらに15および22)を前記の11価抗原性組成物に含入して、15価ワクチンを生成するのが有益であるが、一方、乳児または幼児用(中耳炎がより問題である)には、血清型6Aおよび19Aが含入されて、13価ワクチンを生成するのが有益である。」

エ 摘記事項甲6-(4)
「【0058】
前記のように、予防接種への多糖アプローチに関連した問題は、多糖それ自体が貧免疫原性であるという事実である。これを克服するために、多糖は、バイスタンダーT細胞援助を提供するタンパク質担体に連結され得る。したがって、本発明に利用される多糖はこのようなタンパク質担体に結合されるのが好ましい。多糖免疫原の産生のために現在一般的に用いられるこのような担体の例としては、ジフテリアおよび破傷風毒素(それぞれDT、DT CRM197およびTT)、カギアナカサガイヘモシアニン(KLH)、髄膜炎菌からのOMPC、ならびにツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)が挙げられる。
【0059】
しかしながら多数の問題が、これらの一般的に用いられる担体の各々に関連している(前記の「一般的に用いられる担体に関連した問題」の節参照)。
【0060】
本発明は、好ましい実施態様において、これらの欠点を蒙らない多糖ベースの免疫原構築物の調製に際して用いるための新規の担体を提供する。肺炎球菌多糖ベースの免疫原性組成物(またはワクチン)のための好ましい担体は、インフルエンザ菌からのプロテインD(EP 594610-B)またはその断片である。用いるのに適した断片としては、T-ヘルパーエピトープを包含する断片が挙げられる。特に、プロテインD断片は、好ましくはタンパク質のN末端1/3を含有する。」

オ 摘記事項甲6-(5)
「【0117】
多数の小児科ワクチンは、目下、小児が受ける注射の回数を低減するために組合せワクチンとして投与されている。したがって、小児科ワクチンに関しては、他の抗原は、本発明のワクチンを用いて処方され得る。・・・組合せワクチンは、その他の抗原、例えばB型肝炎表面抗原(HBsAg)、ポリオウイルス抗原(例えば、不活性化三価ポリオウイルス-IPV)、モラクセラ属のMoraxella catarrhalis外膜タンパク質、非分類可能インフルエンザ菌タンパク質、B型髄膜炎菌外膜タンパク質も含み得る。」

カ 摘記事項甲6-(6)
「【0134】
実施例1
肺炎連鎖球菌莢膜多糖:
11価候補ワクチンとしては、本質的にはEP 72513に記載されたように作製された莢膜多糖血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fが挙げられる。各多糖は、CDAP化学作用を用いて活性化され、誘導されて(WO 95/08348)、タンパク質担体と連結される。多糖はすべて、血清型3(その粘度を減少させるためにサイズ低減される)以外は、それらのネイティブ形態で連結される。
【0135】
タンパク質担体:
選択されるタンパク質担体は、大腸菌中で発現された非分類可能インフルエンザ菌からの組換え体プロテインD(PD)である。」


(7)甲第7号証の記載事項
ア 摘記事項甲7-(1)
「【請求項1】少なくとも1のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖抗原、及び少なくとも1のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)タンパク質抗原又は免疫学的に機能性のその等価物を含む免疫原性組成物。
・・・
【請求項5】前記多糖抗原が、多糖-タンパク質担体コンジュゲートの形態で提示される、請求項1?4のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項6】前記担体タンパク質が、以下の:ジフテリア毒素(Diphtheria toxid)、破傷風毒素(Tetanus toxid)、CRM197、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(Keyhole Limpet Haemocyanin (KLH))、ツベルクリン(Tuberculin)のタンパク質誘導体(PPD)、及びH.インフルエンザ(H. influenzae)由来のタンパク質から成る群から選ばれる、請求項5に記載の免疫原性組成物。
・・・」(特許請求の範囲)

イ 摘記事項甲7-(2)
「【0021】
C)細菌多糖-プロテインD複合体
前記のように、多糖抗原ベースのワクチンは、当業界で周知である。前記の認可多糖ワクチンは、異なる実証済み臨床効能を有する。Vi多糖ワクチンは、培養確証腸チフスの防止に際して55%?77%の効能を有すると概算されている(Plotkin and Cam,(1995)Arch Intern Med 155:2293-99)。髄膜炎菌C多糖ワクチンは、流行条件下で79%の効能を有することが示された(De Wals P, et al.(1996)Bull World Health Organ. 74:407-411)。23価肺炎球菌ワクチンは、0%?81%の臨床効能の広範な変動を示した(Fedson et al.(1994)Arch Intern Med.154:2531-2535)。前記のように、肺炎球菌ワクチンの防御効能は、ワクチン接種時に誘導される抗体の濃度に多少関連する、ということが容認される。
【0022】
ワクチン接種への多糖アプローチに関連した問題の1つは、多糖それ自体が貧免疫原性であるという事実である。免疫原性のこの欠如を克服するよう意図された戦略としては、大型高免疫原性タンパク質との多糖の連結が挙げられるが、これは、バイスタンダーT細胞援助を提供する。
【0023】
多糖免疫原の産生のために今日一般に用いられるこれらの高免疫原性担体の例としては、ジフテリア毒素(CTまたはCRM197突然変異体)、破傷風毒素(TT)、カギアナカサガイヘモシアニン(KLH)およびツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)が挙げられる。
【0024】
一般的に用いられる担体に関連した問題
多数の問題が、例えばGMP複合体の産生におけるならびに複合体の免疫学的特徴における、これらの一般的に用いられる担体の各々に関連している。
【0025】
これらの担体の一般的使用および抗多糖抗体応答の誘導におけるそれらの成功例にもかかわらず、それらはいくつかの欠点に関連する。例えば、抗原特異的免疫応答は、担体(この場合、破傷風毒素)に対して向けられる先在する抗体の存在により抑制され得る(エピトープ抑制)ということが知られている(Di John et al;(1989)Lancet, 2:1415-8)。集団全般では、人々はこれらの抗原でルーチンにワクチン接種されるので、非常に高パーセンテージの人々がDTおよびTTの両方に対する先在免疫を有する。英国では、例えば95%の小児がDTおよびTTの両方を含むDTPワクチンを接種されている。他の著者等は、動物モデルにおけるペプチドワクチンに対するエピトープ抑制の問題を記載している(Sad et al, Immunology, 1991; 74:223-227; Schutze et al, J. Immunol. 135:4, 1985; 2319-2322)。
【0026】
さらに、定期的追加免疫を要するワクチンに関しては、高免疫原性担体、例えばTTおよびDTの使用は、数回注射後の多糖抗体応答を抑制すると思われる。これらの多数回予防接種は、遅延型過応答性(DTH)のような望ましくない反応によっても成し遂げられ得る。
【0027】
KLHは、効力のある免疫原として既知であり、ヒト臨床試験におけるIgEペプチドのための担体としてすでに用いられている。しかしながら、いくつかの悪反応(DTH様反応またはIgE感作)ならびに抗体に対する抗体応答が観察されている。
【0028】
したがって、多糖ベースのワクチンのための担体タンパク質の選択は、すべての患者において作用する(広範なMHC認識)担体に対する必要性、高レベルの抗多糖抗体応答の誘導および担体に対する低抗体応答の間の平衡を必要とする。
【0029】
したがって、多糖ベースのワクチンのために予め用いられる担体は、多数の欠点を有する。これは、種々の多糖抗原に関して同一担体が用いられる場合に、エピトープ抑制が特に問題となる組合せワクチンにおいて特にそうである。WO 98/51339では、組合せワクチン中の多担体は、この作用を乗り越えようとするために用いられた。
【0030】
本発明は、前記の欠点を蒙らない多糖/多ペプチドベースの免疫原性複合体の調製に際して用いるための新規の担体を提供する。
【0031】
本発明は、ワクチンを含めた多糖ベースの免疫原性組成物のための担体として、インフルエンザ菌からのプロテインD(EP 0 594 610 B1)またはその断片を提供する。この担体の使用は、組合せワクチンにおいて特に有益である。」

ウ 摘記事項甲7-(3)
「【0048】
本発明の肺炎連鎖球菌多糖抗原
典型的には、本発明の肺炎連鎖球菌ワクチンは、多糖抗原(好ましくは複合化)を含み、この場合、多糖は少なくとも4つの血清型の肺炎球菌から得られる。好ましくは、4つの血清型としては、6B、14、19Fおよび23Fが挙げられる。さらに好ましくは少なくとも7つの血清型、例えば4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fから得られるものが組成物中に含まれる。さらに好ましくは、少なくとも11の血清型が組成物に含まれ、例えば一実施態様における組成物は、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fから得られる莢膜多糖(好ましくは複合化(conjugated))を含む。本発明の好ましい実施態様では、少なくとも13の多糖抗原(好ましくは複合化)が含まれるが、しかしさらなる多糖抗原、例えば23価(例えば血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33F)も本発明により意図される。
【0049】
老齢者予防接種(例えば、肺炎予防のための)に関しては、血清型8および12F(そして最も好ましくはさらに15および22)を前記の11価抗原性組成物に含入して、15価ワクチンを生成するのが有益であるが、一方、乳児または幼児用(中耳炎がより問題である)には、血清型6Aおよび19Aが含入されて、13価ワクチンを生成するのが有益である。」

エ 摘記事項甲7-(4)
「【0058】
前記のように、予防接種への多糖アプローチに関連した問題は、多糖それ自体が貧免疫原性であるという事実である。これを克服するために、多糖は、バイスタンダーT細胞援助を提供するタンパク質担体に連結され得る。したがって、本発明に利用される多糖はこのようなタンパク質担体に結合されるのが好ましい。多糖免疫原の産生のために現在一般的に用いられるこのような担体の例としては、ジフテリアおよび破傷風毒素(それぞれDT、DT CRM197およびTT)、カギアナカサガイヘモシアニン(KLH)、髄膜炎菌からのOMPC、ならびにツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)が挙げられる。
【0059】
しかしながら多数の問題が、これらの一般的に用いられる担体の各々に関連している(前記の「一般的に用いられる担体に関連した問題」の節参照)。
【0060】本発明は、好ましい実施態様において、これらの欠点を蒙らない多糖ベースの免疫原構築物の調製に際して用いるための新規の担体を提供する。肺炎球菌多糖ベースの免疫原性組成物(またはワクチン)のための好ましい担体は、インフルエンザ菌からのプロテインD(EP 594610-B)またはその断片である。用いるのに適した断片としては、T-ヘルパーエピトープを包含する断片が挙げられる。特に、プロテインD断片は、好ましくはタンパク質のN末端1/3を含有する。」

オ 摘記事項甲7-(5)
「【0117】
多数の小児科ワクチンは、目下、小児が受ける注射の回数を低減するために組合せワクチンとして投与されている。したがって、小児科ワクチンに関しては、他の抗原は、本発明のワクチンを用いて処方され得る。・・・組合せワクチンは、その他の抗原、例えばB型肝炎表面抗原(HBsAg)、ポリオウイルス抗原(例えば、不活性化三価ポリオウイルス-IPV)、モラクセラ属のMoraxella catarrhalis外膜タンパク質、非分類可能インフルエンザ菌タンパク質、B型髄膜炎菌外膜タンパク質も含み得る。」

カ 摘記事項甲7-(6)
「【0134】
実施例1
肺炎連鎖球菌莢膜多糖:
11価候補ワクチンとしては、本質的にはEP 72513に記載されたように作製された莢膜多糖血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fが挙げられる。各多糖は、CDAP化学作用を用いて活性化され、誘導されて(WO 95/08348)、タンパク質担体と連結される。多糖はすべて、血清型3(その粘度を減少させるためにサイズ低減される)以外は、それらのネイティブ形態で連結される。
【0135】
タンパク質担体:
選択されるタンパク質担体は、大腸菌中で発現された非分類可能インフルエンザ菌からの組換え体プロテインD(PD)である。」


(8)甲第8号証の記載事項
ア 摘記事項甲8-(1)
「【請求項1】(a)タンパク質又はペプチドと複合しているか、あるいは複合していない、そのいずれかの1又は複数のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の多糖類;及び
(b)RSV抗原を、
Th1型応答の優先的な刺激因子であるアジュバントと共に含んで成る、ワクチン組成物。
【請求項2】ストレプトコッカス・ニューモニエの多糖がヘモフィルス・インフルエンザB(Haemophilus influenzae B)由来のプロテインD又はそのフラグメント、プロテインDの脂質化版(リポタンパク質D);破傷風毒素、及びジフテリア毒素を含んで成る群由来のタンパク質に優先的に複合する、請求項1に記載のワクチン組成物。
・・・
【請求項7】前記のストレプトコッカス・ニューモニエの多糖が23価の肺炎球菌の多糖ワクチンである、請求項1?6のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項8】前記ストレプトコッカス・ニューモニエの多糖が11価の複合型肺炎球菌多糖ワクチンである、請求項1?7のいずれか1項に記載のワクチン組成物。」

イ 摘記事項甲8-(2)
「【0022】
免疫原性多糖コンストラクトの製造のために一般に使用される2つの複合方法:(1)炭水化物とタンパク質との直接的複合;並びに(2)二機能性リンカー又はスペーサー試薬を経由する炭水化物とタンパク質との間接的複合がある。一般に、直接的及び間接的複合、その両方が誘導化前に前記炭水化物部分の化学的活性化を必要とする。例えば米国特許第5,651,971号及びDick & Beurret, “Glycoconjugates of Bacterial Carbohydrate Antigens”, Conjugate Vaccines, J.M. Cruse & R.E. Lewis (eds), Vol. 10, 48-114 (1989)を参照のこと。
【0023】
本発明に従う組成物におけるストレプトコッカス・ニューモニエの多糖は、好ましくは複合した形態において存在するが、必ずしもそうではない。複合していないS.ニューモニエの多糖は除外されない。
【0024】
ストレプトコッカス・ニューモニエの多糖は、複合しているならばタンパク質又はペプチドのいずれかに複合する。多糖の抗原はいくつかのTヘルパータンパク質に複合されてきた。これらはTヘルパーのエピトープを提供する。代表的なタンパク質はジフテリア毒素、破傷風毒素、及びプロテインD又はヘモフィルス・インフルエンザB(Haemophilius influenza B)由来のその脂質化した誘導リポプロテインDを含む。他の適当なタンパク質担体は、ジフテリアCrm197及びインフルエンザ由来の主要な非構造性タンパク質、NS1(特にアミノ酸1-81)を含む。
【0025】
プロテインDは本発明に従うワクチンの好ましい成分であり、これにストレプトコッカス・ニューモニエの多糖が複合される。プロテインDのフラグメントもまた適している。プロテインDは欧州特許第0 594 610号に記載されている。使用に適したフラグメントはTヘルパーのエピトープを包含するフラグメントを含む。特にプロテインDのフラグメントは、好ましくは前記タンパク質のN末端の1/3を含むだろう。
【0026】
驚いたことに、本発明に従う組成物における、RSV抗原とプロテインD-複合ストレプトコッカス・ニューモニエの多糖とを組合わせることが前記複合体のプロテインD成分に対する免疫応答に影響しないことが更に明らかになった。プロテインDは分類不可能なヘモフィルス・インフルエンザB(NTHi)感染に対する防御抗原である。」

ウ 摘記事項甲8-(3)
「【0028】
典型的に本発明のワクチンのストレプトコッカス・ニューモニエ成分は、多糖抗原を含んで成り(好ましくは複合したもの)、ここで前記の多糖は少なくとも4つの肺炎球菌の血清型に由来するだろう。好ましくは、前記の4つの血清型は6B,14,19F及び23Fを含む。更に好ましくは、少なくとも7つの血清型が前記組成物に含まれ、例えば血清4,6B,9V,14,18C,19F及び23Fに由来するものである。より更に好ましくは、少なくとも11の血清型が前記組成物に含まれ、例えば1つの態様における本組成物は、血清型1,3,4,5,6B,7F,9V,14,18C,19F及び23F(好ましくは複合したもの)に由来する莢膜多糖を含む。本発明の好ましい態様において、少なくとも13又は少なくとも15又は少なくとも17の多糖抗原(好ましくは複合したもの)が含まれるが、更に多糖抗原、例えば23価(例えば血清型1,2,3,4,5,6B,7F,8,9N,9V,10A,11A,12F,14,15B,17F,18C,19A,19F,20,22F,23F及び33F)もまた本発明によって考慮される。
【0029】
高齢者のワクチン接種(例えば肺炎の予防のため)にとって、15価のワクチンを形成するために、上述した11価の抗原性組成物に対する血清型8及び12F(並びに最も好ましくは更に15及び22)を含めることは有利であり、一方幼児又はよちよち歩きの幼児にとって(より関心があるのが中耳炎である場合)、血清型6A及び19Aは13価のワクチンを形成するために有利に含まれる。」

エ 摘記事項甲8-(4)
「【0066】

例1-組み合わせたRSV+23価の肺炎球菌ワクチンの評価
1.調剤方法:
H_(2)O希釈したFG抗原(2μg:1/10 HD)を、15分間、50μgのAl(OH)_(3)上に吸着した。使用するときに、5μgの3D-MPLを100nmの粒子の懸濁液として調製物に加え、そして30分間インキュベートした。次に、製剤を10倍濃縮の、pH7.4のPBSで緩衝化した。使用するときに、前記の23価の肺炎球菌ワクチン(11.5μg:1/50 HD)を、前記緩衝溶液の添加の15分後に加えた。FG無しの群のために、同一の調剤の順序が続き、前記の23価の肺炎球菌ワクチンの添加前に、前記3D-MPLをはじめに吸着せしめる。前記の濃縮緩衝液又は前記の23価の肺炎球菌ワクチンの添加の15分後に、フェノキシエタノール(5mg/ml)を保存剤として前記製剤に加えた。」


(9)甲第9号証の2の記載事項
ア 摘記事項甲9の2-(1)
「プレベナー(Prevnar)(商標)、肺炎球菌7価コンジュゲートワクチン(ジフテリアCRM_(197)タンパク質)は、ストレプトコッカスニューモニエの血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fの莢膜抗原が、ジフテリアCRM_(197)タンパク質に個々にコンジュゲートされた糖の滅菌溶液である。・・・多糖類は、糖コンジュゲートを形成するようにキャリアタンパク質CRM_(197)に直接コンジュゲートされた糖を作るために、化学的に活性化されている。これは、還元アミノ化により行われる。・・・Prevnar(商標)は、液剤として製造される。各0.5ml用量が投与当たり血清型4、9V、14、18C、19F及び23Fの各糖2μg、血清型6Bを4μg(総糖類16μg);CRM_(197)キャリアタンパク質約20μg、そして、0.5ml用量当たりリン酸アルミニウムアジュバントとしてアルミニウム0.125mgを含むように製造される。」(第1673頁左欄下から第6行?中欄第25行)


(10)甲第10号証の記載事項
PHYSICIANS' DESK REFERENCE^((R))55 Edition の発行日が、2000年11月28日であることが示されている。


(11)甲第11号証の記載事項
ア 摘記事項甲11-(1)
「ジフテリア、破傷風トキソイド、百日咳及びヘモフィルスインフルエンザb型コンジュゲートワクチンと組み合わせた肺炎球菌コンジュゲートワクチンの安全性及び免疫原性」(標題)

イ 摘記事項甲11-(2)
「背景. 肺炎球菌多糖類/タンパク質コンジュゲートワクチン(PnCV)は免疫原性であり、乳児期に有効である。しかし、現在推奨されているアフリカの子どもの生後1年間の9のワクチン注射に追加するのであれば、PnCVプログラムの参加を妨げるかもしれない。したがって、我々は、ジフテリア、破傷風トキソイド、細胞百日咳及びヘモフィルスインフルエンザb型(TETRAMUNE)と混合した9価PnCV(ワイス-レダール ペディアトリクス アンド ワクチン(Wyeth Lederlw Pediatrics and Vaccines))の安全性及び免疫原性を評価した。
・・・
結論. TETRAMUNEとPnCVとの組み合わせは、安全で免疫原性がある。」(第940頁 要約)

ウ 摘記事項甲11-(3)
「ワクチン. ワイス-レダール ペディアトリクス アンド ワクチン(Wyeth Lederlw Pediatrics and Vaccines)が、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを製造した。凍結乾燥形態で作られ、肺炎球菌のタイプ1、4、5、9V、14、19F及び23Fの多糖類2μg、タイプ18Cのオリゴ糖2μg並びにタイプ6Bの多糖類4μgを含んでいた。各多糖類又はオリゴ糖は独立してジフテリア毒素の非毒性変異体であるCRM_(197)に結合され、投与量当たりCRM_(197)の20μgまでが投与された。TETRAMUNEは、各0.5ml用量にジフテリア毒素の12.5ライム凝集ユニット(Lf)まで、破傷風毒素5Lf、全細胞百日咳ワクチンがマウス保護アッセイで4保護ユニット及び25μgのCRM_(197)に結合した1μgのHibオリゴ糖を含んでいた。」(第941頁左欄下から第9行?右欄第6行)


(12)甲第12号証の記載事項
ア 摘記事項甲12-(1)
「9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンで免疫された南アフリカの子供たちの長期の抗体濃度とブースター反応」(標題)

イ 摘記事項甲12-(2)
「血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23Fを含む9価肺炎球菌コンジュゲートワクチン又はプラセボを、生後6、10及び14週に、最初に3回投与された子供たちが、抗体濃度決定のため、生後9及び18か月に採血された。子供たちは、その後、ランダムに9価コンジュゲートワクチン又は23価多糖類ワクチンのブースター投与をされ、1か月後に抗体量を測定された。生後9か月では、ワクチン投与された子供はコントロールと比べ、幾何平均濃度(GMCs)は全てのワクチン血清型で顕著に高かった(・・・)。・・・18か月における多糖類ワクチンのブースターにより、幼児期にコンジュゲートワクチンを受けた子供たちは、受けなかった子供たちに比べてより高い濃度の抗体を産生した。結論として、幼児期に受けた9価肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、コンジュゲート又は多糖類ワクチンでブーストされる、有意な長く続く抗体応答を引き起こす。」(第2696頁 要約)

ウ 摘記事項甲12-(3)
「9価肺炎球菌ワクチンは、CRM_(197)-ジフテリアタンパク質交差反応分子にコンジュゲートされた血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23Fを含み、発展途上国で重要である血清型1及び5を含めるために開発された[5]。」(第2696頁右欄第7?11行)


(13)甲第13号証の記載事項
ア 摘記事項甲13-(1)
「タンパク質-多糖類コンジュゲートワクチン導入の後の浸潤性肺炎球菌感染症の低下」(標題)

イ 摘記事項甲13-(2)
「背景 2000年の初めに、7つの肺炎球菌血清型を標的とするタンパク質-多糖類コンジュゲートワクチンが米国で幼い子供の使用のために認可された。
・・・
結果 侵襲性疾患の割合は、1998年と1999年の10万人あたり平均24.3例から2001年には10万人あたり17.3に減少した。最も大きな減少は2歳以下の子供であった。このグループでは、疾患の割合は、ベースライン率(10万人あたり59.0ケース 対 10万人あたり188.0ケース、P<0.001)より2001年に69%低かった。ワクチン及びワクチン関連血清型によって引き起こされる疾患の割合は、それぞれ、78%(P<0.001)及び50%(P<0.001)低下した。
・・・」(第1737頁 要約)

ウ 摘記事項甲13-(3)
「2000年の初めに、7つの肺炎球菌血清型を標的とするタンパク質-多糖類コンジュゲートワクチン(プレベナー(Prevnar)、ワイス-レダール ワクチン(Wyeth Lederlw Vaccines))が米国で乳児の使用のために認可された。・・・」(第1738頁左欄第1?5行)

エ 摘記事項甲13-(4)
「表1 1998年から2001年における2歳以下の子供の中での侵襲性肺炎球菌疾患の年と血清型による推定比率の変化


(第1741頁)


(14)甲第14号証の記載事項
ア 摘記事項甲14-(1)
「【0009】
本発明は、アミノ酸のヒスチジンが、アルミニウム塩アジュバントを含むワクチンの安定性を増強するという驚くべき知見に基づく。このことは、糖類抗原およびタンパク質抗原の両方において見出されている。本発明は、故に、抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを含む組成物を提供する。
【0010】
(抗原)
この抗原は、好ましくは、タンパク質抗原または糖類抗原(必要に応じて結合体化される)である。・・・
【0011】
本発明での使用のための特定の細菌抗原としては、以下が挙げられる:
・・・
-Streptococcus pneumoniae由来の糖類抗原[例えば、22、23、24]。
・・・」

イ 摘記事項甲14-(2)
「【0025】
(アルミニウム塩)
アルミニウム塩は、好ましくは、・・リン酸アルミニウム(例えば、アルミニウムヒドロキシホスフェートまたはアルミニウムオルトホスフェート)である・・・
【0029】
リン酸アルミニウム(特に、ヒドロキシフォスフェート)と組合せでのヒスチジンの使用は、酸性の抗原に特に好都合である。・・・
【0033】
このヒスチジンは、好ましくは、緩衝剤として作用する。ヒスチジン緩衝剤は、当業者に周知である。従って、ヒスチジンは、本発明の組成物中でイオン化され得る。
【0034】
この組成物は、同等の組成物(ヒスチジン緩衝系が、リン酸ナトリウム緩衝系で置き換えられるか、またはいかなる緩衝系も含まれないかのいずれか)と比較された場合、好ましくは、増強されたpH安定性および/または低減された抗原加水分解を有する。低減された抗原加水分解は、増強されたpH安定性の結果であり得る。・・・
【0038】
この組成物はまた、ナトリウム塩(例えば、リン酸ナトリウムまたは塩化ナトリウム)を含み得る。ナトリウム塩の濃度は、好ましくは、少なくとも1mM(例えば、少なくとも2mM、少なくとも3mM、少なくとも4mM、少なくとも5mMなど)および好ましくは、高くとも10mM(例えば、高くとも10mM、高くとも9mM、高くとも8mM、高くとも7mMなど)である。より好ましくは、この組成物中のナトリウム塩の濃度は、1mMと5mMとの間(例えば、2mMと3mMとの間)であり、そして最も好ましくは2.5mMである。」

ウ 摘記事項甲14-(3)
「【0051】
これらの使用および方法は、好ましくは、Neisseria(例えば、髄膜炎、敗血症、淋病など)、H.influenzae(例えば、中耳炎、気管支炎、肺炎, 小胞炎, 心膜円、髄膜炎など)または肺炎双球菌(例えば、髄膜炎、敗血症、肺炎など)によって起こされる疾患の予防および/または処置のためである。故に、細菌性髄膜炎の予防および/または処置が好ましい。」

エ 摘記事項甲14-(4)
「【実施例2】
・・・
【0078】
これを、CRM_(197)キャリアタンパク質[20]への、meningococcus 血清型Cオリゴ糖結合体ついて、詳細に調べた。・・・
【0079】
・・・このワクチンを、20μg/ml オリゴ糖および45μg/ml CRM_(197)タンパク質として処方した。結果は以下のようであった:
【0080】
【表1】

従って、ヒスチジンが処方物内に存在する場合、抗原の吸着が改善され:ヒスチジン非存在下では、吸着は約6%であり;5mM ヒスチジンは、これを36%に上昇させ;10mM ヒスチジンは、吸着を約52%まで上昇させる。
【0081】
従って、ヒスチジンは、アルミニウムヒドロキシホスフェートに対する抗原の吸着の改善に対して、有用な添加剤である。」

オ 摘記事項甲14-(5)
「【0106】
・・・
23-Rubin(2000)Pediatr Clin North Am 47:269-285,v.
・・・」


(15)甲第15号証の記載事項
ア 摘記事項甲15-(1)
「・・・ある溶液がpH変化を緩和するはたらきを緩衝作用という。緩衝作用はpHがpKaに等しい場合に最大である。」(第15頁第8?9行)

イ 摘記事項甲15-(2)
コハク酸のpK_(a1)及びpK_(a2)は、それぞれ、4.18及び5.56であることが記載されている。(第16頁表1・2)

ウ 摘記事項甲15-(3)
「緩衝液とは酸やアルカリを加えたとき、pHが変化しにくい溶液である。」(第17頁第21?22行)

エ 摘記事項甲15-(4)
「必要なpH(たとえばpH=5)でよく作用する緩衝液を選ぶには次のようにする。pK_(a)が5.0に近い弱酸を選び、その系に含まれる他の物質の影響を打消せるだけの濃さにする。」(第18頁第12?14行)

オ 摘記事項甲15-(5)
ヒスチジンのpK_(a1)、pK_(a2)及びpK_(a3)は、それぞれ、1.8、6.0及び9.2であることが記載されている。(第18頁表1・3)


(16)甲第16号証の記載事項
ア 摘記事項甲16-(1)
「クリストファー バトラーの宣誓供述書
1.私はサンフランシスコにあるインターネットアーカイブのオフィスマネージャーです。私は、私自身の個人の知識をここに宣誓します。
2.インターネットアーカイブは、ウエブサイトで有り、インターネットサイトやデジタル形式の他の文化的な人工品のデジタルライブラリーへのアクセスを提供しています。紙のライブラリーのように、我々は、研究者、歴史家、学者、や一般の人々に自由なアクセスを提供しています。インターネットアーカイブは、米国議会図書館を含む様々な協会とパートナーになり、そして、それらからのサポートを受けている。
3.インターネットアーカイブは、ウェイバック マシンとして知られているサービスを作った。ウェイバック マシンは、インターネットアーカイブのウエブアーカイブに保管された450兆頁以上をサーフィンできる。ウェイバック マシンへの訪問者は、URL(すなわち、ウエブアドレス)によって、アーカイブをサーチできる。もしもURLに保管された記録が入手可能ならば、訪問者は入手可能日のリスト付きで提供される。訪問者はそれらの日の一つを選択し、それからウエブの保管されたバージョンのサーフィンを始めても良い。保管されたファイルのリンクは、ウェイバック マシンによって提供されたときに、他のアーカイブされたファイルを示す(HTML頁又はイメージ)。訪問者が、アーカイブされた頁のリンクをクリックすると、ウェイバック マシンは、アーカイブされたファイルをリンクが示しクリックされた頁に最も近い利用可能な日にち付きで提供する。
4.ウェイバック マシンによって見ることができ、拾い読みできるアーカイブされた日付は、ウエブをサーフィンし自動的にウエブファイルのコピーを保管するクローラとして知られるソフトウエアプログラムを使い集められ、捕獲した時点でそれらが存在したようにこれらのファイルを保存している。
5.インターネットアーカイブは、そのサイトに、http://web.archive.org/web/[Year in yyyy][Month in mm][Day in dd][Time code in hh:mm:ss]/[Archived URL]の形式にアーカイブしたファイルにURLを割り当てる。このように、インターネットアーカイブURL http://web.archive.org/web/19970126045828/http:// web.archive.org/ は、1997年1月26日午前4時58分28秒にアーカイブされれたインターネットアーカイブホームページ(http://web.archive.org/)HTMLファイルの保管のためのURLである。ウエブブラウザーは、それからプリンターがフッターにウエブページのURLを示すようなセットである場合があります。インターネットアーカイブにより割り当てられた日付は、HTMLファイルに適用されるが、それにつながったイメージファイルには適用されない。頁に現れるイメージはHTMLファイルとして同日にはアーカイブされないかもしれない。同じように、ウエブサイトがフレーム付きでデザインされていると、インターネットアーカイブにより割り当てられる日付は、全体としてフレームセットに適用され、各フレーム内の個々の頁に適用されない。
6.ここに添付した別紙A(Exhibit A)は、URLのHTMLファイルと各プリントアウトのフッターに特定された日付のインターネットアーカイブの記録のプリントアウトの本当の、正確なコピーである。
7.ここに添付する別紙B(Exhibit B)は、URLのPDFファイルと各プリントアウトのカバーシートに特定された日付のインターネットアーカイブの記録のプリントアウトの本当の、正確なコピーである。
8.私は、前述が真実で正しいと偽証の罰をうけて断言します。
日付:2016年11月28日 クリストファー バトラー」(第1?2頁)

イ 摘記事項甲16-(2)
「プレベナー 改訂2-22/01/04
・・・
https://web.archive.org/web/20041210120100/http://www.emea.eu.ing/humandocs/Humans/EPAR/Prevenar/Prevenar.htm」(別紙A 標題及びフッター)

ウ 摘記事項甲16-(3)
「https://web.archive.org/web/20050125205137//http://www.emea.eu.nt/humandocs/PDFs/EPAR/Prevenar/413000en4.pdf」(別紙B カバーシート)

エ 摘記事項甲16-(4)
「1.薬用製品の名前
プレベナー(Prevnar)注射用サスペンジョン
肺炎球菌糖コンジュゲートワクチン、吸着されている
2.質的及び量的構成物
各0.5ml投与量が下記を含む:
肺炎球菌多糖類血清型4^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型6B^(*)4μg
肺炎球菌多糖類血清型9V^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型14^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型18C^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型19F^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型23F^(*)2μg
*CRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートされ、リン酸アルミニウム(0.5mg)に吸着
賦形剤は6.1参照
3.剤型
注射用サスペンジョン」(「別紙B添付1 製品特性の要約」の第2頁第1?16行)

オ 摘記事項甲16-(5)
「6.1 賦形剤一覧
塩化ナトリウム
注射用水」(「別紙B添付1 製品特性の要約」の第7頁第18?20行)

カ 摘記事項甲16-(6)
「1.薬用製品の名前
プレベナー(Prevnar)注射用サスペンジョンプレフィルドシリンジ
肺炎球菌糖コンジュゲートワクチン、吸着されている
2.質的及び量的構成物
各0.5ml投与量が下記を含む
肺炎球菌多糖類血清型4^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型6B^(*)4μg
肺炎球菌多糖類血清型9V^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型14^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型18C^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型19F^(*)2μg
肺炎球菌多糖類血清型23F^(*)2μg
*CRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートされ、リン酸アルミニウム(0.5mg)に吸着
賦形剤は6.1参照
3.剤型
注射用サスペンジョンプレフィルドシリンジ」(「別紙B添付1 製品特性の要約」の第9頁第1?16行)

キ 摘記事項甲16-(7)
「6.1 賦形剤一覧
塩化ナトリウム
注射用水」(「別紙B添付1 製品特性の要約」の第14頁第18?20行)


(17)甲第17号証の記載事項
ア 摘記事項甲17-(1)
「・・・本発明は免疫原性組成物、およびナイセリア メニンギティディスによって引き起こされる髄膜炎菌感染症、とりわけナイセリア メニンギティディス セログループBによって引き起こされる髄膜炎菌性疾患の予防、処置および/または診断におけるそれらの使用、ならびに前記組成物の製造方法に関する。」(第1頁第11?15行)

イ 摘記事項甲17-(2)
「・・・本発明は2086サブファミリーAタンパク質および2086サブファミリーBタンパク質を含む、ナイセリアORF2086タンパク質(“2086タンパク質”)を提供する。2086タンパク質のそれぞれはナイセリア メニンギティディス(セログループA、B、C、D、W-135、X、Y、Zおよび29E)、ナイセリア ゴノロエ、およびナイセリア ラクタミカの菌株を含む、天然のナイセリア菌株から単離することができるタンパク質である。」(第4頁第8?13行)

ウ 摘記事項甲17-(3)
「本発明の2086タンパク質の種々の形状は、特記しない限り、本明細書では、"2086"タンパク質と呼ばれる。また、“2086ポリペプチド”は、特記しない限り、2086タンパク質、およびその免疫原性部分または生物学的等価物を表す。」(第51頁第25?28行)

エ 摘記事項甲17-(4)
「本発明の具体的態様は、S.ニューモニア感染の予防または改善のための組成物における、本発明のポリペプチドの使用に関する。2086ポリペプチドは、S.ニューモニア感染に対して使用するために免疫原性組成物と組み合わせることができる。また、2086ポリペプチドは多糖を基礎にした髄膜炎菌ワクチンと組み合わせてもよい。」(第63頁第28行?第64頁第3行)


(18)甲第18号証の記載事項
ア 摘記事項甲18-(1)
「8価のジフテリア-及び破傷風-コンジュゲート肺炎球菌ワクチンに対する免疫応答は、血清型及びキャリア特異的である:混合キャリアワクチンの選択」(標題)

イ 摘記事項甲18-(2)
「方法. ランダムな試験で、アイスランドの乳児(n=160)は、生後3、4及び6か月で2種類の8価コンジュゲートワクチン(血清型3、4、6B、9V、14、18C、19F及び23がジフテリア毒素(PncD)又は破傷風毒素(PncT)にコンジュゲートしている)の一方で免疫され、同じコンジュゲート又は23価多糖類ワクチンで13か月にブースター免疫された。安全性データが各ワクチン接種後集められた。そして、IgG応答(酵素免疫測定法)は3、4、6、7、13及び14か月に測定された。
結果. 両コンジュゲートは、安全で、ルーチンなワクチンよりも低い局所反応を示した(P<0.0001)。7か月で、両方が、全ての血清型に対し重要なIgG応答をした。」(第548頁左欄第7?21行)


(19)甲第19号証の記載事項
ア 摘記事項甲19-(1)
「好ましい担体タンパク質は、若い哺乳動物への投与に安全であり、担体として免疫学的に担体として有効なものである。安全性は、一次毒性がなくアレルギー性合併症の危険が小さいものである。ジフテリア及び破傷風トキソイドはこれらの基準を満たすものである。」(第5欄第6?11行)

イ 摘記事項甲19-(2)
「莢膜ポリマーが複合される担体タンパク質は、天然の毒素又は脱毒素された毒素(トキソイド)であり得る。また、最近の変異技術によって、毒素と抗原性的に同類であるが非毒性である遺伝的に変異されたタンパク質が産生されている。これらは「交差反応物質」又はCRMと呼ばれている。CRM_(197)は、これが天然のジフテリア毒素からの単一アミノ酸変異を有するが、それと免疫学的に区別がつかないので注目すべきものである。」(第5欄第36?44行)

ウ 摘記事項甲19-(3)
「天然の毒素は莢膜ポリマーへの複合の前に、よく知られたトキソイドを生成するためにフォルマリンで脱毒素化され得る。しかし、予めのフォルマリン処理は莢膜ポリマーフラグメントの還元基との反応ができるフリーのアミノ基の数を減らす。そのため、CRMは、アミノ基がフォルマリンによって占拠されていないが生来の毒性を有していないという点で重要な利点がある。さらに、良い点はCRMでの作用において何ら生物災害がないことである。」(第5欄第59?68行)

エ 摘記事項甲19-(4)
「1.少なくとも2つのカルボニル基を有する細菌性病原体ストレプトコッカスニューモニエの無傷の莢膜ポリマーの還元アミノ化産物と細菌毒素又はトキソイドを含む免疫原性コンジュゲートであって、該コンジュゲートは莢膜ポリマーと毒素又はトキソイドを直接共有結合している交差反応物質を含むコンジュゲート。
2.細菌性病原体がストレプトコッカスニューモニエの血清型3である、請求項1の免疫原性コンジュゲート。
・・・
6.毒素又はトキソイドがジフテリア毒素又はトキソイドである、請求項1の免疫原性コンジュゲート。
7.トキソイドがCRM_(197)である、請求項6の免疫原性コンジュゲート。」(第24欄 特許請求の範囲)


(20)甲第22号証の記載事項
ア 摘記事項甲22-(1)
「ガンビアの幼児に、ジフテリア、破傷風及び百日咳ワクチンと同時だが別のシリンジで投与したCRM_(197)にコンジュゲートされた9価肺炎球菌ワクチンの安全性と免疫原性」(標題)

イ 摘記事項甲22-(2)
「結論. 拡大された免疫プログラムのワクチンとPnCVの同時投与は、安全で免疫原性である。複合抗原に対する免疫応答は保護を与えるようである。」(第464頁左欄第25?29行)

ウ 摘記事項甲22-(3)
「ワクチン. 研究に使われた9価肺炎球菌ワクチン(PnCV)は、ワイス-レダール ワクチン アンド ペディアトリクス(Wyeth Lederlw Vaccines and Pediatrics)・・・によって作成された。凍結乾燥形態で作られ、肺炎球菌のタイプ1、4、5、9V、14、19F及び23Fの多糖類2μg、タイプ18Cのオリゴ糖2μg並びにタイプ6Bの多糖類4μgを含んでいた。各多糖類又はオリゴ糖は独立してジフテリア毒素の非毒性変異体であるCRM_(197)に結合され、投与量当たりCRM_(197)の20μgまでが投与された。」(第465頁左欄第9?18行)


(21)甲第23号証の記載事項
ア 摘記事項甲23-(1)
「南イスラエルの抗生物質耐性肺炎球菌により起こる中耳炎:コンジュゲートワクチンで免疫するための意味」(標題)

イ 摘記事項甲23-(2)
「7、9及び11価肺炎球菌コンジュゲートワクチンによる急性中耳炎(AOM)を引き起こす抗生物質耐性肺炎球菌の潜在的な適用範囲が南イスラエルで研究された。肺炎球菌AOMの合計876例を様々な臨床的状況で研究した。・・・」(要約)

ウ 摘記事項甲23-(3)
「分類された858の分離株のうち、抗生物質感受性の結果は、823(96%)に見られた。9つの最も一般の血清型は、23F、19F、14、19A、9V、6B、6A、1及び3であった(表1)。・・・我々は、年齢と人種集団に従って様々なコンジュゲートワクチンの候補により、MEF分離株のカバー範囲を調べた(表3)。現在、ヒトで試験されている様々な肺炎球菌コンジュゲートワクチンに従い、分析の目的のためのワクチンを以下のとおりに定めた:
7価ワクチン、血清型4、6B、9V、14、18C、19Fと23F;
9価ワクチン(血清型1及び5を追加する以外は7価ワクチンと同じ);
11価ワクチン(血清型3と7Fを追加する以外は9価ワクチンと同じ)。
予想されたように、ワクチンの血清型の数を7から11に増やしたとき、様々な肺炎球菌コンジュゲートワクチンの候補による肺炎球菌の分離株のカバー範囲は全ての年齢層にとって改善された。ワクチンの候補の間で最も大きな違いは、最も若い年齢層と最も年をとった年齢層(<6か月と≧24か月)にみられた。・・・いずれのワクチンにも含まれない2つの重要な一般的な血清型は、血清型6A及び19Aであり、それぞれ、全分離株の6%及び8%である。」(第1324頁左欄第28行?右欄末行)

エ 摘記事項甲23-(4)
「表1 中耳流体からの肺炎球菌分離株の血清型(血清型が決定された858株の823[96%]の感受性パターンがわかった)による耐性パターン

」(第1324頁)


(22)甲第24号証の記載事項
ア 摘記事項甲24-(1)
「乳児における肺炎球菌コンジュゲートワクチンによって誘発される交差反応性血清型に対する免疫」(標題)

イ 摘記事項甲24-(2)
「6B及び19Fを含むが6A又は19Aの血清型を含まない3種の実験的肺炎球菌コンジュゲートワクチンのうちの1種を用いて乳児を免疫化した。それらの血清を、ストレプトコッカスニューモニエの6A、6B、19A及び19Fの血清型をオプソニン化する能力及び4つの血清型に対するIgG抗体のレベルについて研究した。6B(ワクチン)血清型に対する3つのコンジュゲートワクチンで、検出可能なオプソニン作用力価を有する乳児の数の有意な増加が観察されたが、6A(交差反応性)血清型に対しては2つのみで観察された。19F血清型について2つのコンジュゲートワクチンで有意な増加が観察されたが、19A血清型については1つのワクチンのみであった。したがって、いくつかのコンジュゲートワクチンは、他のコンジュゲートワクチンよりも優れた交差防御を引き出すことができる。さらに、オプソニン作用力価とELISAによるIgG抗体レベルとの間の相関は、6B及び19F血清型では高かったが、6A及び19A血清型では低かった。したがって、ELISAは、交差反応性血清型に対するワクチン応答の不適切な代理アッセイであり得る。」(要約)

ウ 摘記事項甲24-(3)
「現在の実験的なコンジュゲートワクチンは、7(例えば、血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23F)又はより多くの血清型[9、10]を含む。保護のためのカバー範囲を増やすために、さらなる血清型(例えば、血清型1、3、5、6A、7F及び19A)は、将来コンジュゲートワクチンに加えられるかもしれない。しかし、一般に、6Bと19Fコンジュゲートワクチンが、それぞれ、6Aと19A血清型で交差反応している抗体を誘導し(図1)、そして、交差反応を起こし得る抗体が6Aと19A血清型の感染症から保護すると推測されていた[7]。この推測を調べるために、6Bと19F PS(合議体注:多糖類)を含んでいる3つの異なる実験的なコンジュゲートワクチンで、免疫された乳児の血清中のオプソニン活性能力と4つの血清型(6A、6B、19A及び19F)に対するPSに特異的なIgG抗体濃度を測定した。それが肺炎球菌の抗体の機能的な力を直接測るので、オプソニン活性分析が選ばれた。」(第1569頁右欄第3?18行)

エ 摘記事項甲24-(4)
「表1 ワクチン研究グループの概要

^(a) CRM_(197)、ジフテリアトキシンの非毒性変異体; NMOPC、ネイセリアメニンジタイディス(Nesseria meningitidis)の外膜タンパク質
^(b) 6B、19F及び19Aを含むが、6Aは含まない23血清型の多糖類ワクチン」(第1571頁)

オ 摘記事項甲24-(5)
「交差反応性血清型6A及び19A PSに対する免疫反応
交差反応性血清型に対する免疫応答を調べるために、6A及び19A血清型に対するオプソニン作用力価及び抗体レベルを測定した(図3)。6A血清型に関しては、未免疫児のいずれも測定可能な力価を示さなかったが、3つの結合体ワクチンはいずれも、乳児の約半数において測定可能なオプソニン作用力価(>30)を誘発した(図3A;OP及びPPワクチン、それぞれP=0.073及び0.014、フィッシャーの正確な検査)。・・・驚くべきことに、図3Cに示されるように、乳児の3つグループ全てについて、6A血清型に対するIgG抗体のレベルは、免疫されていない乳児に比べてわずかに高いだけだった(P=0.065、未免疫 対 PPワクチン・グループ)。したがって、6A血清型への免疫反応は、ELISAによってではなくオプソニン作用分析によって示された。
19A血清型への免疫反応が調べられたとき、免疫されていない乳児の誰も、検出可能なオプソニン作用力価を持たなかった。PP又はOPワクチンによる免疫化の後でも(図3B)、乳児のわずか10%未満で、検出可能なオプソニン作用力価を発現させたにすぎなかった。これは、免疫されていない乳児と比較したとき、どちらのワクチンも交差オプソニン抗19A抗体の生産を刺激しなかったことを示した(P>0.58)。」(第1571頁左欄下から第9行?右欄第18行)


(23)甲第26号証の記載事項
ア 摘記事項甲26-(1)
「肺炎球菌ワクチン」(標題)

イ 摘記事項甲26-(2)
「表4 子供における肺炎球菌コンジュゲートワクチンのフェーズIII効果試験

」(第282頁)


(24)甲第28号証の記載事項
ア 摘記事項甲28-(1)
「ワイスの9価の肺炎球菌/髄膜炎ワクチンは、2004年にEUで、2005年に米国で発売され、2006年に11価の肺炎球菌のワクチン、2007年に4価の髄膜炎ワクチンが世界的に発売されるだろう。
9価の製品による90%と7価による89%に対して、11価の肺炎球菌のワクチンは、米国において92%の株に対する保護範囲を提供するだろう。ワイスのゴールは、最終的に世界的な保護範囲を95%以上に拡大することである。」(第16頁右欄第10?19行)


(25)甲第32号証の記載事項
ア 摘記事項甲32-(1)
「メルク シャープ アンド ドーム コーポレーション、原告

ファイザー インコーポレーション、特許権者

事件番号
IPR2017-02131
IPR2017-02132
IPR2017-02136
IPR2017-02138
米国特許第9,492,559 B2号
2018年8月22日 9:07 a.m.

ピーター・アール・パラディソのデポジション・・・」(第1頁第5?21行)

イ 摘記事項甲32-(2)
「Q.’542公開の段落237は、「S.ニューモニエタイプ14を除き、13vPnCワクチンは、OPAにおいて、S.ニューモニエの代表的な株に対する機能的抗体を誘発することができた(表6)と、述べています。ご覧になっていますか?
A.はい。
Q.542公報は、13価組成物が血清型14に対して機能的な抗体を誘発しなかったことを開示しています。それは正しいですか?
クラウス氏:形式に異議あり 。
A.あなたが見せた表6は2倍の増加を示しています。このように誘発された機能的な抗体がありました。
Q.しかし、’542公開公報の記載において、あなたは、その発明者として、2倍の違いを、機能的な抗体を誘発しているとは考えなかった。それが正しいですよね?
A.私は、あなたの言っていることはそのとおりだと思います。
Q.ファイザーが’542公開の13価の組成物を追求したということも正確ですか。・・・はい。撤回します。ファイザーは、このアッセイで血清型14に対する機能的な抗体を誘導しなかったとしても、’542公開の13価組成物を追求したというのは正確でしょうか?
クラウス氏:形式に異議あり。
A.はい、それは正確でしょう。
Q.さあ、次にへ進みましょう。・・・この紙を横においてくだざい。私はあなたに別の紙をお渡しします。
A.回答に追加してもいいでしょうか。
クラウス氏:もちろん。
A.しかし、IgG力価によって測定された強い応答を誘導しました。
Q.しかし、IgGアッセイとOPAアッセイは同じではありません。そうではありませんか?
A.正しいです。しかし、IgGアッセイは、コンジュゲートワクチンを比較する際にしばしば標準となります。」(ピーター・アール・パラディソのデポジション 第81頁第5行?第82頁第22行)


(26)甲第33号証の2の記載事項
ア 摘記事項甲33の2-(1)
「タンパク質剤形の製剤開発」(第47頁 標題)

イ 摘記事項甲33の2-(2)
「緩衝液。タンパク質可溶性と安定性に影響を及ぼすことができる溶液pHの小さな変化を防止するのに、緩衝液は用いられる。緩衝液はイオン化合物の塩類から成る。そして、最も一般的なのはアセテート、クエン酸塩とリン酸塩である。非経口溶液で使用するために許容できる緩衝液系は、表5にリストされる。」(第63頁第29?33行)

ウ 摘記事項甲33の2-(3)
「表5 タンパク質製剤で使用された緩衝液

」(第64頁)


2 被請求人が提出した証拠の記載事項

被請求人が提出した乙第8?13号証には、以下の事項が記載されている。
なお、乙第8?13号証は、いずれも外国語で記載されているので、日本語による訳文にて表記する。

(1)乙第8号証の記載事項
ア 摘記事項乙8-(1)
「投与の場におけるエピトープの過負荷は、結合した莢膜多糖類コンジュゲートワクチンに対する免疫応答の抑制をもたらし得る」(標題)

イ 摘記事項乙8-(2)
「様々な細菌感染を標的とする莢膜多糖(CP)コンジュゲートワクチンは、近年開発および臨床評価が行われている。単回投与において、混合した複数のCP血清型を含有することは、評価すべき重要な方策である。単回の多価投与におけるCPコンジュゲートワクチンの組み合わせは、異なる成分間での競合に繋がり、個々のコンジュゲートの免疫応答に不利に影響するかもしれない。12価の大腸菌(E.coli)リポ多糖コンジュゲートワクチンの免疫原性を、別々に評価した各1価のワクチンの免疫原性と比較したとき、マウスにおいて、いくつかの血清型に対する抗体応答が30-90%減少することが観察された。黄色ブドウ球菌(S.aureus)8型rEPAコンジュゲートを、5型rEPAコンジュゲートと混合したとき、8型CP抗体の30%減少が観察された。黄色ブドウ球菌5型あるいは8型rEPAコンジュゲートを、100μgのrEPA(相同)あるいはジフテリア毒素(DT)(非相同)キャリアタンパク質と混合し、rEPAあるいはDTで初期免疫したマウスで評価した。相同タンパク質の付与は、5型CP抗体の64%減少をもたらした。非相同タンパク質は、5型の免疫原性に影響しなかった。我々は、結合していないタンパク質が、コンジュゲートと競合し、rEPAで初期免疫されたT細胞の殆どを回収したと、仮定している。DTコンジュゲートの場合、DTはT細胞の異なる集団を標的とする、このため、干渉は観察されなかった。これらのデータは、投与の場において、抗原処理より、エピトープ処理が、コンジュゲートの免疫原性減少を引き起こしていることを、示唆する。同じキャリアタンパク質にコンジュゲートした多価CPワクチンの個々の成分が、特定のキャリアタンパク質で初期免疫された限られた数のT細胞に対して競合すると、理論化する。これは、一つ以上の成分が、十分な免疫応答を起こすのに役立たないということをもたらす。多価コンジュゲートワクチンを単回投与製剤とするときは、干渉を減少させるための方策として、複数キャリアタンパク質の使用を検討するべきである。」(第126頁第2?19行、要約)


(2)乙第9号証の記載事項
ア 摘記事項乙9-(1)
「乳児に同時に投与される共通のタンパク質エピトープを共有する複数のワクチンに対する応答の低下」(標題)

イ 摘記事項乙9-(2)
「多くの新たに発見されたワクチンは、将来において、多数のワクチンが乳児に同時に投与されなければならないことを、意味する。同じタンパク質成分、すなわち、破傷風毒素(TT)を含む、いくつかの共に投与されたワクチンの免疫応答干渉の可能性を調べた。TTへコンジュゲートした4価肺炎球菌ワクチン(PncT)及びジフテリア-破傷風-百日咳-ポリオウイルス-インフルエンザ菌b型-破傷風コンジュゲートワクチンを同時に受けた乳児は、ジフテリア毒素にコンジュゲートした4価肺炎球菌ワクチンあるいはプラシーボを受けた乳児より、著しく低い、抗インフルエンザ菌b型多糖(多リボシルリビトールリン酸(PRP))抗体濃度を示した。投与用量の範囲の研究は、抗PRP抗体濃度は、乳児に投与されたPncTワクチンのTT濃度と、逆行して関係することを示した。共に投与したワクチンのTT成分が増えるにつれて、免疫後の抗破傷風抗体濃度もまた、逆の影響を受けた。共通のキャリアタンパク質よる干渉によると考えられるこの現象は、複数のコンジュゲートワクチンを含む予防接種プログラムの導入を検討する際に、考慮されるべきことである。」(第2093頁第1?12行、要約)

ウ 摘記事項乙9-(3)
「いくつかのメカニズムを提案できる。第1に、抗PRP抗体応答は、フリー体またはコンジュゲートタンパク質にて注入されたTTの量に関係しているようである:抗PRP抗体応答における最大の減少は、PncTコンジュゲートの最も高い用量に伴い観察された。抗PRP抗体と抗破傷風抗体濃度との相関が見られたことから、注入されたTTの量は抗破傷風抗体応答にも同様に影響するようである(言い換えると、より低い抗PRP抗体レベルを持つ傾向を有するワクチン非接種者は、より低い抗破傷風抗体レベルも有していた)。
第2に、先行研究はキャリアに対する免疫応答は糖-タンパク質ワクチンに対する応答と干渉しうることを示している(3-5,13,23)。タンパク質キャリアによる事前の免疫化は、キャリアとHib多糖エピトープに対する抗体応答を低減しうる(5)。このような現象は、最初に2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸ハプテン(TNP)または2,4,6-ジニトロフェニルハプテン(DNP)(15、16)またはペプチドエピトープ(26)にて報告されたエピトープ抑制と関連しうる。この抑制は、キャリアエピトープに特異的なB細胞のクローン優位により媒介される(20、27)。これらの結論はキャリア刺激された動物で得られたが、我々は今や類似のメカニズムが同時接種コンジュゲートに対する応答を制御していることを提案できる。」(第2096頁右欄下から第6行?第2097頁左欄第18行)


(3)乙第10号証の記載事項
ア 摘記事項乙10-(1)
「健康な幼児における11価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの許容性及び免疫原性」(標題)

イ 摘記事項乙10-(2)
「背景. 肺炎球菌コンジュゲートワクチンの血清型の保護範囲を増加する必要性が存在する。単一キャリアタンパク質の使用はキャリアの過重量を起こし、十分なキャリア特異的Tヘルパー細胞のサポートを供給できないことにより、免疫応答を低減させるかもしれない。破傷風及びジフテリアコンジュゲート多糖の混合からなるワクチンは、この問題に対する、潜在的解決策である。
目的. この研究の目的は、キャリアとして破傷風及びジフテリアの両方をキャリアとして用いた11価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの健康幼児における忍耐性及び免疫原性を調べることであった。アルミニウムアジュバントの安全性の効果および免疫原性を、アジュバントの有無によるワクチンを比較して調べた。
方法. 20人のフィンランド人及び23人のイスラエル人の幼児が、アルミニウムアジュバント有りあるいは無しのコンジュゲートワクチンを受けた。ワクチンの投与後、5日間、安全性のデータを記録した。免疫前および免疫後28日に、血清を採取した。11価の血清型多糖(PSs)に対するIgG抗体は、酵素免疫アッセイで決定した。
結果. 深刻な有害事象は生じなかった。アジュバント製剤は局部では殆ど何も誘導しない傾向であったが、アジュバントを含まない製剤より、全身性の反応を誘導した。両製剤とも、ワクチン特異的PSsに対する特異的IgGの増加を誘導した。3型および7F型は最も免疫原性があった、抗体は全ての対象で1μg/mlに達した。6B、14および23Fのコンジュゲートは、最も弱い免疫原性であった、それぞれ、ノンアジュバントグループで対象の36、27および32%で、アジュバントグループで53、38および53%で、抗体は1μg/mlに達した。
結論. 11価の混合キャリア肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、幼児において、安全であり免疫原性を有する。アジュバントの使用は、意義のある優位性を提供しないようである。」(要約)


(4)乙第11号証の記載事項
ア 摘記事項乙11-(1)
「乳児における肺炎球菌-髄膜炎菌の組み合わせワクチンの免疫原性及び安全性」(標題)

イ 摘記事項乙11-(2)
「背景 肺炎球菌及びC群髄膜炎菌による侵襲性疾患の減少におけるコンジュゲートワクチンの成功は、混み合った乳児免疫化スケジュールに負荷をかけており、組合せワクチンの開発を優先させている。
目的 9価肺炎球菌-C群髄膜炎菌コンジュゲートワクチン候補品(Pnc9-MenC)の安全性及び免疫原性を決定するため、英国における2、3及び4か月齢におけるルーチンの乳児免疫化スケジュールの一部として接種した。
計画、設定、被験者 第2相無作為化対照試験が2000年8月から2002年1月に実施された。英国における2施設からの7から11週の健康な乳児240名が参加した。フォローアップの家庭訪問が2、3、4及び5か月齢にて行われた。
介入 Pnc9-MenC(n=120)またはC群髄膜炎菌コンジュゲートワクチン単一価(MenC)(n=120)が、ルーチンの免疫化(ジフテリア及び破傷風トキソイド及び百日咳全細胞[DTwP]、インフルエンザ菌b[Hib]ポリリボシルリビトールリン酸-破傷風トキソイドタンパク質コンジュゲート、経口ポリオワクチン)に加えて接種された。
主要評価基準 3回目の投与後1月の血清殺菌価(SBT)により測定されるC群髄膜炎菌免疫原性;接種後反応の割合
結果 MenC成分免疫原性は、MenC群に対してPnc9-MenCにおいて減少していた(幾何平均SBT、179[95%信頼性区間{CI}、133-243]対808[95%CI、630-1037]、それぞれ;P<.001)。1:8よりも大きいC群髄膜炎菌SBTの比はPnc9-MenCにてMenC群に対して低かった(95%対100%,P=.05)。同時に投与されたHibワクチンに対する抗体の幾何平均濃度はMenC群に対してPnc9-MenCにおいて減少しており(2.11[95%CI,1.57-2.84]μg/mL対3.36[95%CI,2.57-4.39]μg/mL;P=.02)、ジフテリアに対する抗体でも同様であった(0.74[95%CI,0.63-0.87]μg/mL対1.47[95%CI,1.28-1.69]μg/mL;P<.001)。Pnc9-MenCは、各9つの含有される肺炎球菌血清型について免疫原性であり、88%以上の乳児において0.35μg/mLより大きい応答が観察された。Pnc9-MenC群の3回目投与後、被刺激性の増加と活性の減少が見られた。
結論 Pnc9-MenC組合せワクチンの2、3及び4月齢の投与は、MenCワクチンと比較してC群髄膜炎菌免疫原性を低減した。同時に投与されたHib及びDTwPワクチンの免疫原性も減少した。Pnc9-MenCワクチンは安全であり全ての含有された肺炎球菌血清型について免疫原性であった。減少したMenC免疫原性は、Pnc9-MenCワクチンの開発を制限しうる。」(第1751頁第2?第3コラム第1?35行)

ウ 摘記事項乙11-(3)
「訪問及びワクチン
乳児は2、3、4及び5か月齢にて来診され、来診間隔は28から42日であった。乳児は2、3及び4月において、ジフテリア及び破傷風トキソイド及び全細胞百日咳(DTwP)ワクチン(Aventis,Lyon,France)が、0.5ml、インフルエンザ菌b型(Hib)ポリリボシルリビトールリン酸-破傷風トキソイドタンパク質コンジュゲート(ActHib;Aventis)、0.5mlと混合され、右大腿部前外側に筋肉内投与された。乳児には経口ポリオワクチンが、2滴経口にて投与された。乳児は試験導入時1:1の割合で無作為化され左大腿部前外側にPnc9-MenC(Wyeth Vaccines, Maidenhead, UK)を0.5mL筋肉内に、またはMenC(Meningitec; Wyeth Vaccines)を0.5mL筋肉内に、各接種来診ごとに投与した。無作為化は、コンピュータ生成の6のブロックの無作為化リストにより行った。Pnc9-MenC(凍結乾燥)及びMenC(事前にシリンジに調製)ワクチンは視覚的に異なるので、試験は盲検化されなかった。
Pnc9-MenCワクチンは単回用量バイアルにおいて凍結乾燥製剤にて提供された。各0.5mL用量は2μgの肺炎球菌糖コンジュゲート1、4、5、9V、14、18C、19F及び23F;4μgの肺炎球菌糖コンジュゲート6B;10μgのC群髄膜炎菌オリゴ糖;及びおよそ38.5μgのcross-reacting material197(CRM_(197))キャリアタンパク質(ジフテリア毒素の非毒性変異体)を、アジュバントとしての0.5mgのリン酸アルミニウム(0.125mgアルミニウム元素)とともに含有した。MenCは、CRM_(197)とコンジュゲートしたC群髄膜炎菌オリゴ糖を含むコンジュゲートワクチンである。各0.5mL投与量は、10μgの髄膜炎菌C群オリゴ糖、15μgのCRM_(197)キャリアタンパク質、及びアジュバントとしての0.5mgのリン酸アルミニウム(0.125mgアルミニウム元素)を含有した。Pnc9-MenCワクチンにおけるMenC成分は、MenCワクチンとは異なる製造者ロットに由来した。静脈穿刺は、2及び5か月来診時に行われ、血清学的アッセイのために2.5から5.0mLの血液が採取された。」(第1752頁第2コラム第51行?第3コラム最終行)


(5)乙第12号証の記載事項
ア 摘記事項乙12-(1)
「多糖コンジュゲートワクチンと免疫干渉:レビュー」(標題)

イ 摘記事項乙12-(2)
「異なったCVの共投与の間での異なった臨床知見を、CPの投与量又は古典的なキャリア誘発エピトープ抑制機構のみによって説明しようとする試みは成功せず[1]、他の機構が進行していることを示す。」(第5513頁右欄第5?9行)

ウ 摘記事項乙12-(3)
「3価Hib-MenCY-TT製剤(テーブル1)とは免疫干渉を起こさなかったことと比較して、7の肺炎球菌のPS-TTコンジュゲートを含む11価製剤の干渉結果は、注目すべきである。PCV11-DT/TTのTTの総含有量(17μg、DTPa5及びHib-TTとともに投与したとき58μg)[62]は、Hib-MenCY-TT(36μgTT、DTPa3-HBV-IPVとともに投与したとき84μg)と比べて低い。したがって、この違いに関する適した説明は、Tヘルパー活性を得るために争うTTコンジュゲートの数と関連する。PCV4-TT製剤に示されるようにTT投与量は高用量で重要な役割をし、PCV11-DT/TT製剤[81]に示されるようにTT投与量は低用量で重要な役割をする可能性がある。」(第5519頁右欄第10?20行)

エ 摘記事項乙12-(4)
「しかしながら、PCV7-CRM197がHib-CRM197と混合された(総量45μgのCRM197が投与された)ときには、抗肺炎球菌抗体GMCが減少した[83]。同様に、PCV9-CRM197がMenC-CRM197と混合された(総量38.5μgのCRM197が投与された)ときには、減少したMenC GMCを誘発した[54]。したがって、CRM197との免疫原性は、コンジュゲートの特定の数及び/又はCRM197の用量を超えて起こる可能性がある。これは、コンジュゲート間での抗原特異的B細胞競合が限られた数のTヘルパー細胞(Fig.1B)、及び/又はキャリア特定制御性T細胞機構(Fig.1D)を求めていることを示す。特に、抗肺炎球菌及び抗髄膜炎菌の干渉なく、PCV7-CRM197及びMenC-CRM197は、別々に共に投与されることができることは[84]、今日の知識でも説明することは難しい。」(第5519頁右欄第29?41行)

オ 摘記事項乙12-(5)
「要するに、多価グリココンジュケートワクチンに関連する様々な干渉機構は、ワクチンの干渉をもたらす又はもたらさない複雑な機構を含む、グリココンジュケートに対する免疫応答の決定要因のさらなる理解を必要とする。入手できるデータは、CRM197にコンジュゲートしたワクチンは、共に投与されたとき、免疫干渉のリスクが高いようである。」(第5521頁左欄下から第6行?右欄第1行)


(6)乙第13号証の記載事項
ア 摘記事項乙13-(1)
「インフルエンザ菌b型コンジュゲートワクチンと組み合わせて英国乳児に投与された肺炎球菌コンジュゲートワクチンの免疫原性及び反応原性」

イ 摘記事項乙13-(2)
「背景. 肺炎球菌は乳幼児において重要な疾病負荷であり、抗生物質耐性の肺炎球菌株の事象が増加している。多価肺炎球菌糖タンパク質コンジュゲートワクチンが開発されている。
目的. 生後2、3及び4月に、分離接種として、あるいはインフルエンザ菌b型ワクチン(HbOC)との混合接種として投与した7価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(7VPnC)の免疫原性及び反応原性の調査
方法. ルーティンワクチンのみ(対照群)を、ルーティンワクチンと分離接種として7VPnC(分離群)を、あるいはルーティンワクチン及びHbOCと混合した7VPnC(混合群)を、2、3及び4月に接種された368人の健康な英国乳児の無作為コントロール治験。対照群は、7VPnCを生後5、6及び7月に受けた。全ての群は、肺炎球菌ワクチンを13-16月に受けた。7VPnC血清型に対する抗莢膜IgG抗体は、2、5、13及び14月で測定され、安全性データが取られた。
結果. 生後5月におけるIgG抗体濃度は、全ての7VPnC血清型 (P<0.001)に対して、対照群と比較して、2つの処置群は高かった、そして、5つの7VPnC血清型 (P<0.05)に対して、分離群は混合群より高かった (P<0.05。2つの処置群は、抗体濃度が、全ての7VPnC血清型 (P<0.001)に対して、生後5月(0.6-2.5μg/ml)より生後14月(6.6-25.3μg/ml)で高かった。
結論. 別々の注射として、又は、7VPnC/ HbOC混合注射として投与されたとき、7VPnCは、良好な耐用性、安全性及び免疫原性を示した。別々の注射として7VPnCを投与された乳児と比較すると、混合投与された乳児では抗体応答が低かったが、多糖刺激に対する顕著な既往応答が観察されたことは、両方のグループが免疫学的にプライムされたことを示唆する。」(第854頁左欄第1行?右欄第12行)

ウ 摘記事項乙13-(3)
「ワクチンと免疫接種
・・・
乳児はルーティンワクチン(ジフテリア、破傷風、全細胞百日咳ワクチン(DTwP)、・・・、インフルエンザ菌b型-CRM_(197)コンジュゲートワクチン(HbOC)・・・及び経口ポリオワクチン(OPV))を生後2、3及び4月に受けた。加えて2つの処置群は、7VPnC(2μgの血清型4、6B、9V、14、19F及び23F多糖、2μgの血清型18Cオリゴ糖、4μgの血清型6B多糖及び20μgのCRM_(197)を含む7価肺炎球菌コンジュゲートワクチン)を、生後2、3及び4月に受けた。対照群は、生後5、6及び7月で7VPnCを受けた。・・・分離群は、混合接種としてHbOCをDTwPと共に、7VPnCを分離接種として、受けた。混合群は、混合接種としてHbOCを7VPnCと共に、DTwPを分離接種として、受けた。全ての乳児が、各多糖25μgを含む23日の肺炎球菌多糖ワクチン(ワイス レダール:PPS)ブースター及び麻疹、流行性耳下腺炎、風疹ワクチン(パルトゥルメリュー MSD:MMR)を13?16月齢で投与された。」(第855頁左欄第19行?右欄第9行)

エ 摘記事項乙13-(4)
「結果
対象
368人の乳児(・・・)が治験に入った。120人が対照群に、124人が分離群に、124人が混合群に無作為に振り分けられた。」(第856頁左欄第35?39行)

オ 摘記事項乙13-(5)
「免疫原性
・・・
表1は、研究の初期投与段階に対する肺炎球菌IgG抗莢膜抗体GMC(幾何学平均濃度)を示す。生後2月、最初のワクチン接種前において、GMCに、3つの群に意味のある違いはなかった。5月齢では、コントロールと比較して治療群では、7つの7VPnC血清型に対するGMCが著しく高かった(全てP<0.001)。5か月のGMCは、分離群では、1.1?2.5μg/mlの範囲であり、混合群では0.6μg/ml?2.1μg/mlであった。・・・生後5月において、血清型6B (P<0.01)、9V (P<0.01)、14 (P<0.05)、19F (P<0.01)及び23F (P<0.001)に対して、分離群のGMCは、混合群より、著しく高かった。」(第856頁右欄第21?38行)

カ 摘記事項乙13-(6)
「初期投与シリーズの後、混合群と比較して、分離群において、7つの7VPnC血清型のうち5つについて著しく高い抗莢膜抗体応答が見られた。しかしながら、両群において、ブースター免疫に対しては顕著な応答があり、7VPnCは既往応答に対してうまくプライムしたことを示唆する。ブースター後、分離群と混合群で、それぞれ93?100%、92?99%の乳児で、抗莢膜抗体濃度が1.0μg/ml以上に達した。生後5か月の混合群で観察された低い抗莢膜抗体濃度は、このようなプライミングの状況下では、ほとんど生物学的意義がないかもしれない。しかしながら、体液性の既往免疫応答が、反応が乏しい子供を侵襲性疾患から保護するのに十分な速さでは起こらないかもしれないという理論上の懸念が残る。」(第860頁左欄第34?50行)

キ 摘記事項乙13-(7)
「7VPnCでプライミングされた乳児で、肺炎球菌多糖刺激後、抗肺炎球菌IgG抗体濃度が顕著に上昇したことは、免疫性記憶を誘導したことを示唆している。7VPnC/HbOCレシピエントでの7VPnCの7血清型の5つに対し肺炎球菌莢膜に対する抗体応答が減少したが、これは、多糖類ブーストに対する彼らの応答が良いプライミングを示したことを考えると、これは、臨床上は重要でないかもしれない。肺炎球菌コンジュゲートワクチンを含む新たな混合ワクチンによるさらなる調査が必要である。」
(第861頁左欄第23?33行)



第6 当審の判断

1 本件特許の優先日における技術常識について
提出された証拠(乙第8?13号証及び甲第11号証)より、本件特許の優先日時点において、以下に示す、いわゆる免疫干渉並びにその予測及び回避の困難性についての技術常識が存在していたものと認められる。

同時に投与されるべき抗原の数が増えるにつれて、抗原が相互に影響し合う「免疫干渉」と呼ばれる現象が生ずる(摘記事項乙9-(1)?(3))。多糖コンジュゲートワクチンの免疫干渉は、キャリアタンパク質の含量が増えるにつれて、より起こりやすくなることが知られていたことから、免疫干渉を回避するために、複数のキャリアタンパク質を混合して使用することが示唆されていたが(摘記事項乙8-(1)?(2)、摘記事項乙9-(1)?(3)及び摘記事項乙10-(1)?(2))、多価コンジュゲートワクチン中のキャリアタンパク質の含量を少なくすれば免疫干渉が回避されると必ずいえるわけでもなく(摘記事項甲11-(1)?(3)並びに摘記事項乙11-(1)?(3)、乙12-(1)?(5)及び乙13-(1)?(7))、免疫干渉を事前に予測して回避することは困難であった。

2 無効理由の検討
(1)無効理由1(進歩性違反)について
ア 本件訂正発明1について
(ア)公知発明1について
摘記事項甲1-(1)?(2)、甲2-(1)?(3)、甲4-(1)?(4)、甲9の2-(1)及び甲16-(1)?(7)によれば、本件特許の優先日前に、「プレベナー(Prevnar)(商標)」なる肺炎球菌コンジュゲートワクチンが少なくとも米国及びスペインにおいて使用されていたことが認められ、さらに、「プレベナー(Prevnar)(商標)」は、7種類の血清型(4、6B、9V、14、18C、19F及び23F)の肺炎球菌の莢膜多糖類抗原が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質に還元的アミノ化によりコンジュゲートされたものであり、0.5mL投与量は、血清型6Bの多糖類を4μgとそれ以外の血清型の多糖類を2μg、CRM_(197)キャリアタンパク質を約20μg、アジュバントとしてリン酸アルミニウムを0.5mg(アルミニウム0.125mg)並びに賦形剤として塩化ナトリウム及び注射用水を含有することも、本件特許の優先日前に知られていたものと認められる。
そうしてみれば、以下の発明が、本件特許の優先日前に外国において公然実施をされていた発明であるといえる(以下、「公知発明1」という。)。

(公知発明1)
「多糖類-タンパク質コンジュゲートを、賦形剤である塩化ナトリウム及び注射用水と共に含む7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが7種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている、7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、ここでコンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されており、
該肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、0.5mL投与量にて、血清型6Bの多糖類を4μgとそれ以外の血清型の多糖類を2μg、CRM_(197)キャリアタンパク質を約20μg、アジュバントとしてリン酸アルミニウムを0.5mg(アルミニウム0.125mg)並びに賦形剤である塩化ナトリウム及び注射用水を含有するように処方される、
7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。」

(イ)対比・判断
本件訂正発明1と公知発明1とを対比すると、公知発明1は賦形剤である塩化ナトリウム及び注射用水を含んでいるから、公知発明1は「生理学的に許容できるビヒクル」を含むといえる。また、公知発明1は、ワクチンであるから、免疫原性組成物である。
そうしてみれば、両発明は、
「多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクルと共に含む多価免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが複数種の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている、多価免疫原性組成物。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
本件訂正発明1の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製されるものであるのに対し、公知発明1の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、7種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fから調製されるものである点

上記相違点1について検討する。
肺炎球菌の多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる多価免疫原性組成物における多糖類の血清型について、
甲第3号証には、血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fを含む7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-7)に血清型1及び5を追加した9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-9)並びにPCV-9に血清型3及び7Fを追加した肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(PCV-11)は臨床試験中であり、これらの製剤は6?35か月の子供に役立つだけでなく、0?5か月や36か月以上の子供においてもカバー範囲を増加させるであろうと記載され、PCV-11に血清型6A及び19Aを追加した13種類の血清型からなる肺炎球菌ワクチンが各年齢集団の子供において主たる血清型を含むと思われると記載されている(摘記事項甲3-(1)?(5))。
甲第4号証には、7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンに新たな血清型を追加する研究(血清型1及び5を追加する9価、3及び7Fを追加する11価並びに6A及び19Aを追加する13価ワクチンの研究)がワクチンの対象となる年齢と国の範囲を広げることができるだろうと記載され、血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23Fの多糖類がキャリアタンパク質CRM_(197)にコンジュゲートした9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンがヒトで免疫原性を示したことが記載されている(摘記事項甲4-(5)?(8))。
甲第5?8号証には、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F及び23F(好ましくは、担体蛋白に結合したもの)の11価の抗原性組成物に抗原型血清型6A及び19Aを加えた13価ワクチンが幼児又は乳児に有利(有益)であると記載されている(摘記事項甲5-(2)、甲6-(3)、甲7-(3)及び甲8-(3))。
甲第24号証には、血清型6B及び19Fを含むが、血清型6A及び19Aを含まない5価のCRM_(197)コンジュゲートワクチンによって免疫した乳児は、その約半数が血清型6Aに交差反応するオプソニン作用を有する抗体を産生し、全てが血清型19Aに交差反応する抗体を誘導しなかったことが記載され、保護範囲を増やすために、将来、血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fから調製されたコンジュゲートワクチンに、血清型1、3、5、6A、7F及び19Aが加えられるかもしれないと記載されている(摘記事項甲24-(1)?(5))。

また、請求人が審判請求書でさらに提示する甲1、2、11?13、22、23及び28号証には、以下の記載がある。
甲第1及び2号証には、キャリアタンパク質CRM_(197)に9種類の血清型(1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23F)の肺炎球菌莢膜多糖類がコンジュゲートした9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンなるものが「フェーズIII」の段階にあること、また、CRM_(197)に11種類の血清型(上記9種に血清型3及び7Fを追加)の肺炎球菌莢膜多糖類がコンジュゲートした11価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンなるものが「前臨床」の段階にあることが記載されている(摘記事項甲1-(3)及び甲2-(2))。
甲第11、12及び22号証には、血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23Fの多糖類がキャリアタンパク質CRM_(197)にコンジュゲートした9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンがヒトで免疫原性を示したことが記載されている(摘記事項甲11-(1)?(3)、甲12-(1)?(3)並びに甲22-(1)?(3))。
甲第13号証には、米国でプレベナー(Prevnar)が認可された後の調査では、2歳以下の子供において、侵襲性肺炎球菌疾患が血清型6A及び19Aに起因する例が多かったことが記載されている(甲13-(1)?(4))。
甲第23号証には、抗生物質耐性の肺炎球菌株に血清型6A及び19Aが存在し、血清型6A及び19Aが7、9及び11価ワクチンに含まれない重要な血清型であること、並びにワクチンの血清数を7価から11価に増やしたときに、全ての年齢集団で単離された肺炎球菌株のカバー範囲が改善されたことが記載されている(甲23-(1)?(4))。
甲第28号証には、ワイスの9価の肺炎球菌/髄膜炎ワクチンが2004年にEUで、2005年に米国で発売され、11価の肺炎球菌のワクチンが2006年に世界的に発売されるだろうということ、11価の肺炎球菌ワクチンは、米国における株のカバー範囲を、9価の90%及び7価の89%に対して、92%とするだろうということ、並びにワイスのゴールは、世界的なカバー範囲を最終的に95%以上にすることであることが記載されている(摘記事項甲28-(1))。

上記の記載からみて、7価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(公知発明1)のほか、9種類の血清型(1、4、5、6B、9V、14、18C、19F及び23F)の肺炎球菌莢膜多糖類をCRM_(197)にコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物が9価ワクチン、すなわち9価免疫原性組成物として実際に使用でき、これによって肺炎球菌に対する保護の範囲を公知発明1よりも拡大できることが本件特許の優先日前より当業者に知られていたと認められる。さらに、肺炎球菌に対する保護の範囲をより拡大するためには13価ワクチンが有益であり、それに加えるべき血清型は、公知発明1(7価ワクチン)に対し、血清型1、3、5、6A、7F及び19Aであることも、優先日前より当業者に知られていたと認められる。
してみると、本件特許優先日当時、公知発明1にさらに血清型1、3、5、6A、7F及び19Aの多糖類が加えられた13価ワクチンを開発しようとすること自体は、当業者に動機づけられていたものと認められる。
しかしながら、上記甲号証のいずれにも、13種類の肺炎球菌莢膜多糖類-タンパク質(CRM_(197))コンジュゲートを含む組成物が実際に13価ワクチン(13価免疫原性組成物)となることを当業者に示唆するような具体的な記載はない。さらに、上記の甲号証には、キャリアタンパク質である「CRM_(197)」が記載されていないか、記載されているとしても、13価以外の肺炎球菌ワクチンにおけるものであるか、あるいは13価に特定されない肺炎球菌多価コンジュゲートワクチンのキャリアタンパク質として複数列挙されるタンパク質の一つとして、その名称のみが挙げられているに過ぎないものであるから、上記の甲号証はいずれも、肺炎球菌に対する13価コンジュゲートワクチン、すなわち肺炎球菌の13種類の血清型に対して免疫原性を発揮する組成物を得るために、どのようなキャリアタンパク質を選択すべきかを示唆するものでもない。
そして、本件優先日当時、コンジュゲートワクチンに用いられるキャリアタンパク質には多くの種類があり(CRM_(197)、ネイセリアメインンジタイディスの外部膜タンパク質、ジフテリアトキソイド、破傷風タンパク質、非型のヘモフィラスインフルエンザのプロテインDなど(摘記事項甲1-(3)、甲2-(2)、甲5-(1)、甲6-(4)、甲7-(4)、甲8-(1)?(2)、乙8-(2)、乙9-(2)、乙10-(2)、乙11-(2)及び乙12-(3)?(4))、さらに、多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多糖コンジュゲートワクチンにおいて、免疫干渉はキャリアタンパク質の含量が増えるにつれてより起こりやすくなり、複数のキャリアタンパク質を混合して使用することなどによって免疫干渉を回避することが行われていたが、免疫干渉を事前に予測して回避することは困難であるとの技術常識があったことを踏まえれば、免疫干渉を回避し、13種類の血清型に対して免疫原性を発揮する組成物を得るためにどのようなキャリアタンパク質を選択すればよいのかは、上記の甲号証の記載からは、当業者にも全く分からないし、ましてや、キャリアタンパク質としてCRM_(197)のみを選択することが当業者に容易であったとは到底いえない。したがって、相違点1は、上記の甲号証の記載から当業者が容易に想到し得るものではない。
そして、本件訂正発明1は、本件訂正後の請求項1に記載の事項を具備することにより、13種類の血清型の全てに対して免疫干渉なしに有効な免疫原性を発揮するという効果を有するものであり、かかる効果は、上述の免疫干渉に係る技術常識からすれば、当業者の予測の範囲を超えるものといえる。
よって、本件訂正発明1は、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、公知発明1並びに甲第3?8及び24号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(ウ)請求人の主張について
請求人は、無効理由1(進歩性違反)について、審判請求書、平成30年9月28日付け口頭審理陳述要領書及び上申書において、以下a?cのとおり主張するので、各主張について検討する。

a 「本件優先日当時、多価コンジュゲートワクチンにおいて、単一のキャリアタンパク質を用いることによる明らかなメリット、例えば、効率、コスト、単純さ、有害反応の危険性の最小化」があり、優先日当時の当業者が、「公知発明1にCRM_(197)にコンジュゲートしている血清型を追加する動機づけ」並びに「CRM_(197)を単一キャリアタンパク質として(7、9及び11価に)引き続き使用する動機づけ」があった(平成30年9月28日付け口頭審理陳述要領書第7頁第17行?第8頁第12行及び上申書第9頁第6行?第10頁第7行)。

b 「免疫干渉現象があるため、組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性が獲得できるかどうかは、血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量、などを特定して試験を行ってみないと、予想ができないという技術常識に関する特許権者の主張によれば、当業者であれば、明細書に、組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性が獲得できたことを記載し、実証している血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量によるワクチン以外については、組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性を有する蓋然性が高いとは、考えられないのである」から、キャリアタンパク質の用量が特定されていない本件特許発明1は、免疫原性を確認されていない用量のキャリアタンパク質を含む本件特許発明1の全体にわたって、組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性、すなわち予想できない有利な効果があるとは理解できない(審判請求書第86頁第10行?第90頁第5行)。

c 本件特許明細書の実施例16の「S.ニューモニエからの莢膜多糖類(PSs)の、CRM_(197)に対する化学的コンジュゲーション効果と、リン酸アルミニウム(AlPO_(4))アジュバントの、ラビットにおける13vPnCワクチンへの免疫応答に対する効果」を調べるための2つの独立した研究(#HT01-0021及び#HT01-0036)のうち、研究#HT01-0036の結果について本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0224】
表5は、抗原特異的なIgG ELISAで分析した、4週目の血液から得られたGMTデータを示す。追加分析は、4週?0週のGMT値の比を示す。データは、コンジュゲートワクチン調製物が、遊離PSまたは遊離PS+CRM_(197)ワクチンよりも高い血清IgG価を現したことを示している。S.ニューモニエタイプ14を除き、13vPnCワクチンは、OPAにおいて、S.ニューモニエの代表的な株に対する機能的抗体を誘発することができた(表6)。13vPnPSまたは13vPnPS+CRM_(197)ワクチンでの2種の免疫の後、測定した13種類のうち10種類の血清型について、どちらも4週目対0週目で8倍以上のOPA価を誘発することができなかった(表6)。」
この記載によれば、「本件明細書の実施例で用いた組成物さえも13種の全ての血清型に対する有効な免疫原性を示さなかったことが記載されている。・・・つまり、S.ニューモニエタイプ14(すなわち、血清型14)については、OPA試験で機能的な抗体を誘発することができなかったのであり、13の血清型の全てに対してOPA試験で機能的な活性がある抗体を高い力価で産生することはできなかった」(審判請求書第90頁第10行?末行)。そして、本件訂正発明1の発明者であるピーター・アール・パラディソ氏は、「明細書中の表6の結果に基づき、血清型14については、機能的な抗体を誘発することができなかったと判断していた」と宣誓証言(甲第32号証)している(平成30年9月28日付け口頭審理陳述要領書第9頁第11行?末行)。

<主張aについて>
上記の甲号証には、肺炎球菌の多価コンジュゲートワクチンにおいて、効率やコスト等の点から単一のキャリアタンパク質を用いるべきことを特に示唆する記載はない。そして、キャリアタンパク質には様々なものが知られていたのだから、CRM_(197)以外のキャリアタンパク質を用いることも当業者の選択肢として当然あったものと認められるし、「多糖コンジュゲートワクチンの免疫干渉は、キャリアタンパク質の含量が増えるにつれて、より起こりやすくなることが知られていたことから、免疫干渉を回避するために、複数のキャリアタンパク質を混合して使用することが示唆されていた」との技術常識からすれば、7価及び9価ワクチンにおいてCRM_(197)が単一のキャリアタンパク質として用いられているからといって、それよりも価数の大きい13価においてCRM_(197)を単一のキャリアタンパク質として用いることが動機付けられているとはいえず、むしろ、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの価数を7価あるいは9価から13価とすることにより免疫干渉のリスクが高まると考え、上述のメリットや過去の成功した経験とノウハウを考慮しつつも、かかるリスクを回避するために、複数のキャリアタンパク質を選択することも十分にあり得たといえる。以上のことは、11価のコンジュゲートワクチンに関して、上述のとおり、甲第1及び2号証にCRM_(197)にコンジュゲートしたものが前臨床の段階にあることが示されている(甲1-(3)及び甲2-(2))一方で、甲第2号証には、Pnc-D/T(ジフテリアトキソイド及び破傷風タンパク質にコンジュゲートしたもの)がフェーズIIIの段階にあることとともに非型のヘモフィラスインフルエンザのプロテインD(PD)にコンジュゲートしたものがフェーズII/IIIの段階にあることが記載され(甲2-(2))、また、甲第5?7号証には、非型のヘモフィラスインフルエンザのプロテインD(PD)にコンジュゲートしたものが好ましい例として記載されているように(甲5-(4)、甲6-(6)及び甲7-(6))、本件特許の優先日時点において、CRM_(197)以外のキャリアタンパク質を用いたものや、キャリアタンパク質を複数種用いたものが検討されていたことからも十分に理解される。
したがって、上記主張aは受け入れられない。

ところで、請求人は、上記主張aにおいて、公知発明1や上記9価ワクチンと同様に、CRM_(197)をキャリアタンパク質とする11価ワクチンが実際に得られていたように主張するようである。しかしながら、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F及び23Fの多糖類をCRM_(197)にコンジュゲートした11種類の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物は甲第1及び2号証に記載されているものの(摘記事項甲1-(3)及び甲2-(2))、該組成物は「前臨床」の段階にあると記載されており、「前臨床」との記載のみでは、該11種類の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物がどのような開発段階にあって、どのような試験において、ワクチンとしての効果あるいは免疫原性についてどのような結果が得られていたのかが全く理解できないから、かかる記載では、11種類の血清型(1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F及び23F)の全てに対して有効な免疫原性を示し、肺炎球菌に対する11価ワクチンとしての効果を有することが明らかにされていたとはいえない。
したがって、公知発明1や上記9価ワクチンと同様に、CRM_(197)をキャリアタンパク質とする11価ワクチンが実際に得られていたとは認められない。
なお、仮に、CRM_(197)をキャリアタンパク質とする上記11価の組成物が、公知発明1や上記9価ワクチンと同様に、11価ワクチンとしての効果が認められていたものであるとしても、11価よりもさらに価数の大きい13価においてCRM_(197)を単一のキャリアタンパク質として用いることが動機付けられていたとはいえないことは上述と同様である。

<主張bについて>
本件特許明細書には、以下の記載がある。
「【0044】
ある特定のワクチンに対する成分の最適な量は、被験者の適切な免疫応答を観測する標準の研究によって確定することができる。最初のワクチン投与後、被験者は、適切な間隔で1回または数回の追加免疫を受けることができる。
【0045】
本発明の特定の一実施形態では、13vPnCワクチンは、個々にCRM197にコンジュゲートした血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fの肺炎球菌莢膜多糖類の滅菌液体処方である。各用量0.5mLは、4μgの6Bを除き、各糖類2μg、CRM_(197)キャリアタンパク質約29μg、元素アルミニウム0.125mg(リン酸アルミニウム0.5mg)アジュバント、ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム緩衝液を含有するように処方される。その液体は、単回用量のシリンジに保存剤なしで充填される。振とう後、ワクチンは、筋肉内投与に使用できる均質な白色懸濁液になる。
【0046】
13vPnCワクチンの用量レベルの選択は、市販の7VPnCワクチン(Prevnar)と同じである。1用量につき4μgの6Bを除き、全ての血清型について糖類2μgの用量レベルが選択された。7VPnCワクチンは、血清型4、9V、14、18C、19F、および23Fについては糖類2μgの用量レベルで、6Bについては4μgの用量で、IPDに対する望ましい安全性、免疫原性、および有効性を示した。」、
「【0215】
研究#HT01-0021
研究#HT01-0021によって、AIPO_(4)アジュバントと共に、ワクチン血清型特異的な免疫応答を現す13vPnCワクチンの能力を調査した。13vPnCワクチンで表される肺炎球菌血清型には、タイプ1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fが含まれる。第2の目的は、抗体応答の動態および持続時間の評価を含んでいた。ニュージーランドホワイトラビットを、0週目および2週目に、AIPO_(4)(100μg/用量)と共に処方した、またはAIPO_(4)なしで処方した各多糖類の計画的ヒト臨床用量(6Bの4μgを除き、各PSを2μg)で、筋肉内注射によって免疫した。様々な時点で、血清を収集した。血清型特異的なIgGをELISAによって測定し、機能的活性をOPAによって評価した。
【0216】
表3は、13vPnCワクチンの2用量後のプール血清サンプルにおいて実現した幾何平均価(GMT)を示している。IgG GMTの比を使用して、4週?0週の応答を比較した。これらのデータは、13vPnC処方がAIPO_(4)を含むことによって、アジュバントを伴わない同じワクチンと比べ、より高いレベルのIgG抗体が現れたことを示している。抗体応答は、処方がAIPO_(4)を含む場合よりも高いが、これらの増加は統計的に有意ではなかった。
【0217】
また、2種類の13vPnC処方での免疫後の機能的抗体応答を、ラビットで評価した(表4)。アジュバントを伴うワクチン処方または伴わないワクチン処方を比較すると、13vPnC+AIPO_(4)ワクチン処理グループで、より高いOPA GMTが観測された。両方のグループにおける全てのワクチン血清型に対して、4週目の血清プールでOPA価が検出された。4週目に測定されたOPA価は、血清型の殆どについて、0週目(ベースライン)のOPA価より少なくとも4倍高かった。
【0218】
13vPnCワクチン血清型のそれぞれに対する動態応答は、両方の処理グループの血清プールから評価した。各血清型に対するIgG価を、0週目と、1、2、3、4、8、12、26、および39週目とに採取した血液から測定し、その後比較した。血清型1を除いて、アジュバントを伴うワクチンを投与された動物の抗体応答は、アジュバントなし
のワクチンを投与された動物の抗体応答よりも優れており、免疫スケジュールの2週目でピークに達した(データは示さず)。
【0219】
概して、リン酸アルミニウムと共に処方した13vPnCワクチンは、ラビットにおいては免疫原性を示し、ワクチンに含まれる肺炎球菌莢膜多糖類に対する実質的な抗体応答を表していること、およびこれらの応答は機能的活性に関連していることがデータによって示されている。13vPnC+AIPO_(4)で免疫した後の、7種の主要な血清型に対する観測された応答は、7価の処方に対するラビットの時刻歴応答と一致する。
【0220】
【表3】

【0221】
【表4】



上記【0215】に記載された研究#HT01-0021に用いられた用量レベルは、いずれも6B以外の血清型につき2μg、6Bにつき4μgとするものであり、かつ、ヒトに投与するのに適した用量レベルであって、その用量は、上記【0045】において特定された一実施形態の用量レベルと同じであるから、本件特許明細書の実施例に示される研究#HT01-0021においては、上記【0045】にあるとおり、約29μgのCRM_(197)キャリアタンパク質が用いられ、当該容量において免疫原性が確認されているものと認められる(上記【0215】?【0221】)。
そして、確かに、多糖類-タンパク質コンジュゲートを含むコンジュゲートワクチンについては、上記1で述べたような「本件特許の優先日における技術常識」があり、「組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性が獲得できるかどうかは、血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量、などを特定して試験を行ってみないと、予想ができない」というのも技術常識であったと認められるが、血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量などを特定した多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物が免疫干渉をすることなく免疫原性を有することが試験により確認されれば、当該試験の結果を基に免疫原性に影響しない範囲で、当該組成物におけるキャリアタンパク質の用量等の変更を行うことは当業者が通常の実験手法に基づいて適宜なし得ることである。してみると、当業者は、本件特許明細書の実施例等の記載に基づき、13種類の血清型に対して免疫原性を発揮するキャリアタンパク質の用量を設定し得、本件訂正発明1はそのように設定されたキャリアタンパク質の用量の多価免疫原性組成物であって、その全範囲において実施例で示される優れた効果を奏するものといえる。
したがって、上記主張bは受け入れられない。

<主張cについて>
請求人の指摘する【0224】において、研究#HT01-0036の結果を示す「表6」は以下のとおりである。
「【0227】
【表6】


ここで、本件特許明細書の実施例16の表6で示された血清型14についての本件訂正発明1(13vPnC)のOPA価(4週:0週の比)の値は2であり、表6で示される「13vPnPS(遊離PS)」及び「13vPnPS+CRM_(197)(CRM_(197)と混合した遊離PS)」のOPA価(4週:0週の比)の値は1であるから、血清型14多糖類はCRM_(197)にコンジュゲートさせることにより、OPA価が増加することが明らかである。
また、「S.ニューモニエからの莢膜多糖類(PSs)の、CRM_(197)に対する化学的コンジュゲーション効果と、リン酸アルミニウム(AlPO_(4))アジュバントの、ラビットにおける13vPnCワクチンへの免疫応答に対する効果」を調べるためもう一方の研究である#HT01-0021の結果が本件特許明細書の表4に示されている。



表4によれば、血清型14についての本件訂正発明1(13vPnC)のOPA価(4週:0週の比)の値は、#HT01-0036と同様に2であり、この結果について、本件特許明細書には、
「【0217】・・・2種類の13vPnC処方での免疫後の機能的抗体応答を、ラビットで評価した(表4)。アジュバントを伴うワクチン処方または伴わないワクチン処方を比較すると、13vPnC+AlPO_(4)ワクチン処理グループで、より高いOPA GMTが観測された。両方のグループにおける全てのワクチン血清型に対して、4週目の血清プールでOPA価が検出された。」(下線は、当審による。)
と記載されており、血清型14を含む全てのワクチン血清型でOPA価が検出されたと評価されている。
さらに、実施例16の上記2つの研究において、ラビットのIgG免疫応答を血清IgG濃度を抗原特異的なELISAによって測定した結果が、下記のとおり、表3及び表5に示されているところ、#HT01-0021では、血清型14の4週:0週の比は、アジュバントを追加していない本件訂正発明1(13vPnC)で「113」という値であり(表3)、#HT01-0036では「402.4」という値であり(表5)、免疫原性に関係するIgG免疫応答(GMTs)も血清型14で増大している。
「【0220】
【表3】

」、
「【0226】
【表5】


以上の記載を総合的にみれば、ピーター・アール・パラディソ氏の宣誓証言の内容(甲第32号証)にかかわらず、本件訂正発明1が血清型14についても十分な免疫原性が得られていることは、本件特許明細書の記載から明らかといえる。
したがって、上記主張cは受け入れられない。

(エ)小括
以上検討したように、本件訂正発明1は、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、公知発明1並びに甲第3?8及び24号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明1に係る特許を無効理由1-1により無効にすることはできない。

イ 本件訂正発明2?5について
本件訂正発明2は、本件訂正発明1について、「さらにアジュバントを含む」ことを特定したものであり、本件訂正発明3?5は、当該アジュバントを特定の化学物質に限定したものであり、上記相違点1において公知発明1と相違するのは本件訂正発明1と同じであるから、本件訂正発明2?5は、上記アで述べた理由と同様の理由で、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、公知発明1並びに甲第3?8及び24号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明2?5に係る特許を無効理由1-1により無効にすることはできない。

ウ 本件訂正発明6について
本件訂正発明6は、本件訂正発明1の多価免疫原性組成物を「ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造」における「使用」とするものであるが、上記相違点1に係る事項を発明特定事項として含む点は本件訂正発明1と同じであるから、本件訂正発明6は、上記アで述べた理由と同様の理由で、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、公知発明1並びに甲第3?8及び24号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明6に係る特許を無効理由1-1により無効にすることはできない。

エ 本件訂正発明7について
本件訂正発明7と公知発明1とを対比すると、公知発明1は肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、ワクチンに含まれる7種類の多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる免疫原性組成物が医薬の製造に使用されていることは明らかであるから、本件訂正発明7が免疫原性組成物を「ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造」における「使用」とした点は、本件訂正発明7と公知発明1との実質的な相違点とはいえない。
そうしてみると、両発明は、
「ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが複数種の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている免疫原性組成物であり、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムを含有するように処方されるところの、使用。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1’)
本件訂正発明7の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製されるものであるのに対し、公知発明1の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、7種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fから調製されるものである点

(相違点2)
本件訂正発明7は、CRM_(197)キャリアタンパク質を29μg含むのに対し、公知発明1は、CRM_(197)キャリアタンパク質を約20μg含む点

(相違点3)
本件訂正発明7は、コハク酸ナトリウム緩衝液を含有するのに対し、公知発明1は、これを含まない点

そして、上記アで述べたのと同様の理由から、上記相違点1’については、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、甲第3?8及び24号証の記載からは当業者は容易に想到し得ない。
また、甲第22号証における9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンが多糖類20μgとCRM_(197)キャリアタンパク質20μgを含むとの記載(甲22-(3))、甲第14号証における抗原、アジュバントであるリン酸アルミニウム及びヒスチジン緩衝液に関する記載(甲14(1)?(5))、甲第15号証における緩衝液に関する一般的な記載(甲15-(1)?(5))、甲第26号証における7価及び9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンに関する記載(甲26-(1)?(2))並びに甲第33号証の2におけるコハク酸塩及びヒスチジンがタンパク質製剤で使用される緩衝液であるとの記載(甲33の2-(1)?(3))を考慮したとしても、相違点1’について当業者は容易に想到し得ないし、本件訂正発明7の免疫原性組成物の奏する効果は当業者の予測の範囲を超えるものであるから、上記相違点2及び3を検討するまでもなく、本件訂正発明7は、甲第1、2、11?13、23、26及び28号証並びに甲第33号証の2の記載を参酌しても、公知発明1、甲第3?8及び24号証、甲第22号証並びに甲第14及び15号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明7に係る特許を無効理由1-2により無効にすることはできない。

オ 本件訂正発明8について
本件訂正発明8は、本件訂正発明1について「さらに、ネイセリアメニンジタイディスタイプBからの1種または複数のタンパク質を含む」ことを特定したものであり、上記相違点1において公知発明1と相違するのは本件訂正発明1と同じである。そして、上記アで述べたように、相違点1については、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、甲第3?8及び24号証の記載からは当業者は容易に想到し得ない。
また、甲第17号証におけるネイセリアメニンジタイディスタイプBのタンパク質との組み合わせワクチンに関する記載(甲17-(1)?(4))及び甲第5?7号証における注射の回数を低減するために組み合わせワクチンが投与されていたことに関する記載(甲5-(3)、甲6-(3)及び甲7-(3))を考慮したとしても、相違点1について当業者は容易に想到し得ないし、本件訂正発明8の免疫原性組成物の奏する効果は当業者の予測の範囲を超えるものであるから、本件訂正発明8は、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、公知発明1並びに甲第3?8、17及び24号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明8に係る特許を無効理由1-3により無効にすることはできない。

カ 本件訂正発明16について
本件訂正発明16と公知発明1とを対比すると、公知発明1は肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、ワクチンに含まれる7種類の多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる免疫原性組成物が医薬の製造に使用されていることは明らかであるから、本件訂正発明16が免疫原性組成物を「ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造」における「使用」とした点は、本件訂正発明16と公知発明1との実質的な相違点とはいえない。
そうしてみると、両発明は、
「ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが複数種の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている免疫原性組成物であり、ここでコンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されており、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムを含有するように処方されるところの、使用。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1”)
本件訂正発明16の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23Fから調製されるものであるのに対し、公知発明1の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、7種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートに含まれる莢膜多糖類は血清型4、6B、9V、14、18C、19F及び23Fから調製されるものである点

(相違点2’)
本件訂正発明16は、CRM_(197)キャリアタンパク質を29μg含むのに対し、公知発明1は、CRM_(197)キャリアタンパク質を約20μg含む点

(相違点3’)
本件訂正発明16は、コハク酸ナトリウム緩衝液を含有するのに対し、公知発明1は、これを含まない点

そして、上記アで述べたのと同様の理由から、上記相違点1”については、甲第1、2、11?13、22、23及び28号証の記載を参酌しても、甲第3?8及び24号証の記載からは当業者は容易に想到し得ない。
また、甲第18号証における8価(血清型3、4、6B、9V、14、18C、19F及び23)のジフテリア毒素又は破傷風毒素コンジュゲート肺炎球菌ワクチンが全て血清型に対し重要なIgG応答を示したとの記載(甲18-(1)?(2))、甲第19号証におけるCRM_(197)キャリアタンパク質が毒素と抗原性的に同類であるにもかかわらず非毒性である等の記載(甲19-(1)?(4))、甲第22号証における9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンが多糖類20μgとCRM_(197)キャリアタンパク質20μgを含むとの記載(甲22-(1)?(3))、甲第14号証における抗原、アジュバントであるリン酸アルミニウム及びヒスチジン緩衝液に関する記載(甲14-(1)?(5))、甲第15号証における緩衝液に関する一般的な記載(甲15-(1)?(5))、甲第26号証における7価及び9価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンに関する記載(甲26-(1)?(2))並びに甲第33号証の2におけるコハク酸塩及びヒスチジンがタンパク質製剤で使用される緩衝液であるとの記載(甲33の2-(1)?(3))を考慮しても、相違点1”について当業者は容易に想到し得ないし、本件訂正発明16の免疫原性組成物の奏する効果は当業者の予測の範囲を超えるものであるから、上記相違点2’及び3’を検討するまでもなく、本件訂正発明16は、甲第11?13、19、26及び28号証並びに甲第33号証の2の記載を参酌しても、公知発明1、甲第1?8、18、23及び24号証、甲第22号証並びに甲第14及び15号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件訂正発明16に係る特許を無効理由1-4により無効にすることはできない。

キ 本件訂正発明7及び16に関する請求人の主張について
請求人は、本件特許発明7及び16で特定されているキャリアタンパク質用量を含む免疫原性組成物が免疫原性を有することを本件特許明細書で示していない。したがって、技術常識に関する特許権者の主張によるならば、免疫原性が確認されていない用量のキャリアタンパク質を含む本件特許発明7及び16の全体にわたって、組成物中の全血清型に対し有効な免疫原性、すなわち予想できない有利な効果があるとは理解できない旨主張する(審判請求書第86頁第10行?第90頁第5行)。
しかしながら、上記ア(ウ)<主張bについて>で述べたとおり、本件特許明細書の実施例に示される研究#HT01-0021において、用量約29μgのCRM_(197)キャリアタンパク質が用いられ、免疫原性が確かめられているといえるから、上記主張は受け入れられない。

ク 無効理由1(進歩性違反)についての小括
以上のとおり、本件訂正発明1?8及び16に係る特許を無効理由1(進歩性違反)により無効にすることはできない。


(2)無効理由2(実施可能要件違反)について
ア 発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号の要件(実施可能要件)を満たすか否かは、当業者が、明細書及び図面に記載された発明の実施についての説明と出願時の技術常識とに基づいて、請求項に係る発明を実施しようとした場合に、どのように実施するかを理解できるか否かを検討して判断すべきものであり、「物の発明」においては、その物を作れ、かつ、その物を使用できることを理解できる必要があり、また、「方法の発明」においては、その方法を使用できることを理解できる必要がある。

イ そこで、本件訂正発明をこの点から検討すると、本件特許明細書の実施例において、肺炎球菌の13種類の血清型(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23F)の各莢膜多糖類を精製し、CRM_(197)と反応することができるように化学的に活性化し、活性化された各莢膜多糖類とCRM_(197)とをそれぞれ別々にコンジュゲートして13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートを調製し(実施例1?14)、これらの多糖類-タンパク質コンジュゲートを精製した後、生理食塩水、コハク酸塩緩衝液及びリン酸アルミニウムとともに混合し、ガラス製シリンジに充填した組成物(ワクチン)を得たことが記載されている(実施例15)。さらに、上記(1)ア(ウ)<主張bについて>及び<主張cついて>でも述べたとおり、当該組成物が肺炎球菌の13種類の血清型の全てに対して有効な免疫原性を発揮することが確認されている(実施例16)。
これらのことを踏まえれば、本件特許明細書及び出願時の技術常識とに基づいて、当業者は、本件訂正発明に係る多価免疫原性組成物を作ることができ、また、該多価免疫原性組成物をストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造に使用できるものと理解できる。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件訂正発明について、当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されている。

ウ これにつき、請求人は、無効理由2-1?2-3のとおり主張するが、以下に述べるように、これらの主張はいずれも受け入れられない。

(ア)無効理由2-1について
無効理由2-1は、本件訂正前の請求項7及び16に係る発明が、13種類の血清型(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23F)の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲート以外の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を包含するものとなっていることを理由とするものである。
しかしながら、第2で述べたように、本件訂正により、本件訂正発明7及び16において、多糖類-タンパク質コンジュゲートは13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)とのコンジュゲートからなるものに限定された。
よって、無効理由2-1に係る主張は受け入れられない。

(イ)無効理由2-2について
上記(1)ア(ウ)<主張bについて>で述べたとおり、本件特許明細書の実施例に示される研究#HT01-0021において、約29μgのCRM_(197)キャリアタンパク質が用いられ、当該用量において免疫原性が確認されている。また、血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量などを特定した多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物が免疫干渉をすることなく免疫原性を有することが試験により確認されれば、当該試験の結果を基に免疫原性に影響しない範囲で、当該組成物におけるキャリアタンパク質の用量の変更を行うことは当業者が通常の実験手法に基づいて適宜なし得ることも、上記<主張bについて>で述べたとおりである。してみると、当業者は、本件特許明細書の実施例等の記載に基づき、13種類の血清型に対して免疫原性を発揮するキャリアタンパク質の用量を設定し得るのであり、組成物中の全ての血清型に対して免疫原性を示すキャリアタンパク質CRM_(197)の用量を見いだすために、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤を必要とするとはいえない。
よって、無効理由2-2に係る主張は受け入れられない。

(ウ)無効理由2-3について
上記(1)ア(ウ)<主張cについて>で述べたとおり、本件訂正発明は血清型14についても十分な免疫原性が得られているものである。
よって、無効理由2-3に係る主張は受け入れられない。

エ 無効理由2(実施可能要件違反)についての小括
以上のとおり、本件訂正発明1?8及び16に係る特許を無効理由2(実施可能要件違反)により無効にすることはできない。


(3)無効理由3(サポート要件違反)について
ア 特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1項の要件(サポート要件)を満たすか否かの判断は、請求項に係る発明と発明の詳細な説明に発明として記載されたものとを対比し、請求項に係る発明が、発明の詳細な説明において「発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲」にあるものであるか否かを検討して判断すべきものである。

イ 本件訂正発明が解決しようとする課題について、本件特許明細書には以下の記載がある。
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血清型1、3、5、6A、7F、および19Aに起因する肺炎球菌による侵襲性疾患の相対的負荷の大きさおよび重要性を鑑みると、これらの血清型をPrevnar処方に加えることによって、米国および欧州では90%超、ならびにアジアおよびラテンアメリカでは70%?80%にまで、侵襲性疾患への適用範囲が高まるはずである。このワクチンは、Prevnar以上に適用範囲を著しく拡大し、血清群交差防御の制限に依存しない6Aおよび19Aへの適用範囲を提供するはずである。」

上記記載から、本件訂正発明は、7価ワクチンであるPrevnarよりも肺炎球菌による侵襲性疾患への適用範囲が拡大されたワクチンを提供することを課題とするものであり、その解決手段として、肺炎球菌の13種類の血清型(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23F)の莢膜多糖類とCRM_(197)とをそれぞれコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲートからなる多価免疫原性組成物を使用するものである。そして、上記(2)イで述べたように、本件特許明細書の実施例において、当該多価免疫原性組成物を所定の方法で調製し、当該組成物が13種類の血清型の全てに対して有効な免疫原性を発揮することが確認されているから、本件訂正発明は、本件特許明細書の発明の詳細な説明において本件訂正発明の課題が解決できることを当業者が認識できる範囲にあるものといえる。
したがって、本件訂正発明は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。

ウ これにつき、請求人は、無効理由3-1?3-3のとおり主張するが、以下に述べるように、これらの主張はいずれも受け入れられない。

(ア)無効理由3-1について
無効理由3-1は、本件訂正前の請求項7及び16に係る発明が、13種類の血清型(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F及び23F)の莢膜多糖類とCRM_(197)がコンジュゲートした多糖類-タンパク質コンジュゲート以外の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を包含するものとなっていることを理由とするものである。
しかしながら、第2で述べたように、本件訂正により、本件訂正発明7及び16において、多糖類-タンパク質コンジュゲートは13種類の血清型の莢膜多糖類とCRM_(197)とのコンジュゲートからなるものに限定された。
よって、無効理由3-1に係る主張は受け入れられない。

(イ)無効理由3-2について
a 上記(1)ア(ウ)<主張bについて>で述べたとおり、本件特許明細書の実施例に示される研究#HT01-0021において、約29μgのCRM_(197)キャリアタンパク質が用いられ、当該用量において免疫原性が確認されている。
それゆえ、本件訂正発明7及び16は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。

b また、血清型抗原の種類、キャリアタンパク質の種類、各成分の含量などを特定した多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物が免疫干渉をすることなく免疫原性を有することが試験により確認されれば、当該試験の結果を基に免疫原性に影響しない範囲で、当該組成物におけるキャリアタンパク質や多糖類の用量の変更を行うことは当業者が通常の実験手法に基づいて適宜なし得ることである。してみると、当業者は、本件特許明細書の実施例等の記載に基づき、13種類の血清型の多糖類に対して免疫原性を発揮するキャリアタンパク質や多糖類の用量を設定し得る。
それゆえ、本件訂正発明1?6及び8は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。

c よって、無効理由3-2に係る主張は受け入れられない。

(ウ) 無効理由3-3について
上記(1)ア(ウ)<主張cについて>で述べたとおり、本件訂正発明は血清型14についても十分な免疫原性が得られているものである。
それゆえ、本件訂正発明1?8及び16は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。
よって、無効理由3-3に係る主張は受け入れられない。

エ 無効理由3(サポート要件違反)についての小括
以上のとおり、本件訂正発明1?8及び16に係る特許を無効理由3(サポート要件違反)によって無効にすることはできない。


第7 むすび

以上のとおり、本件訂正請求に係る訂正は適法であり、本件訂正後の請求項1?8及び16に係る特許は、請求人が主張するいずれの無効理由によっても無効にすることはできない。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担とすべきものとする。

よって、結論のとおり、審決する。
 
別掲
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクルと共に含む多価免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている、多価免疫原性組成物。
【請求項2】
さらにアジュバントを含む、請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
アジュバントがアルミニウムをベースとするアジュバントであるところの、請求項2記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
アジュバントがリン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群より選択されるところの、請求項3記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
アジュバントがリン酸アルミニウムであるところの、請求項4記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における、請求項1に記載の免疫原性組成物の使用。
【請求項7】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしている免疫原性組成物であり、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;CRM_(197)キャリアタンパク質を29μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム緩衝液を含有するように処方されるところの、使用。
【請求項8】
さらに、ネイセリアメニンジタイディスタイプBからの1種または複数のタンパク質を含む、請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
(削除)
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
(削除)
【請求項16】
ストレプトコッカスニューモニエ莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘発するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
該免疫原性組成物が、多糖類-タンパク質コンジュゲートを生理学的に許容できるビヒクル、アジュバントおよび賦形剤と共に含む免疫原性組成物であって、ここで前記多糖類-タンパク質コンジュゲートが13種類の異なる多糖類-タンパク質コンジュゲートからなり、そのコンジュゲートの各々がCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカスニューモニエの異なる血清型からの莢膜多糖類を含み、その莢膜多糖類が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから調製され、その各莢膜多糖類が別々にCRM_(197)キャリアタンパク質にコンジユゲートしている免疫原性組成物であり、ここでコンジュゲーションが還元的アミノ化により実施されており、
該免疫原性組成物が、0.5mLの単回用量にて、6Bを4μgとすることを除き、各糖類を2μgにて;CRM_(197)キャリアタンパク質を29μgにて;アルミニウム元素を0.125mg(リン酸アルミニウムを0.5mg)のアジュバントにて;ならびに賦形剤としての塩化ナトリウムおよびコハク酸ナトリウム緩衝液を含有するように処方されるところの、使用。
【請求項17】
(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-01-08 
結審通知日 2019-01-10 
審決日 2019-01-25 
出願番号 特願2008-505426(P2008-505426)
審決分類 P 1 113・ 537- YAA (A61K)
P 1 113・ 536- YAA (A61K)
P 1 113・ 121- YAA (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 基章  
特許庁審判長 關 政立
特許庁審判官 冨永 みどり
阪野 誠司
登録日 2010-03-12 
登録番号 特許第4472770号(P4472770)
発明の名称 多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物  
代理人 龍田 美幸  
代理人 森下 梓  
代理人 窪田 英一郎  
代理人 矢野 恵美子  
代理人 四本 能尚  
代理人 池田 理愛  
代理人 飯村 敏明  
代理人 小野 新次郎  
代理人 泉谷 玲子  
代理人 今井 浩人  
代理人 泉谷 玲子  
代理人 龍田 美幸  
代理人 小野 新次郎  
代理人 柿内 瑞絵  
代理人 本阿弥 友子  
代理人 乾 裕介  
代理人 今井 優仁  
代理人 池田 理愛  
代理人 飯村 敏明  
代理人 中岡 起代子  
代理人 森下 梓  
代理人 四本 能尚  
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