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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:857 訂正する G06F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G06F
管理番号 1353418
審判番号 訂正2018-390188  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-11-30 
確定日 2019-06-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4010533号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4010533号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔11、15〕、〔12-14〕、16、17、18、〔19-20〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4010533号(以下「本件特許」という。)及び本件審判事件の手続の経緯の概要は次のとおりである。

平成13年11月20日 特許出願(特願2001-354811)
平成19年 9月14日 特許権の設定登録(特許第4010533号)
平成30年11月30日 本件訂正審判請求(訂正2018-390188)
平成30年12月17日 上申書提出(代理人の記載順序変更)
平成30年12月17日 上申書提出(添付書類:侵害訴訟の主張書面及び関連証拠)
平成31年 1月 8日付け 訂正拒絶理由通知
平成31年 2月 4日 面接(フライトシミュレータの実機動作を確認)
平成31年 2月12日 意見書提出(添付書類:平成31年2月8日付け「報告書2」)
平成31年 3月11日付け 審尋
平成31年 3月22日 回答書提出(添付書類:平成31年3月20日付け「報告書2(補充書)」)
令和 元年 5月14日 上申書提出(添付書類:侵害訴訟の主張書面及び関連証拠)

第2 請求
1.請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、特許第4010533号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11-20について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

2.訂正の内容
(1) 訂正事項1(各訂正事項における下線は、請求人が付したものである。以下同様。)
特許請求の範囲における請求項11に、
「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備える、ゲーム機。」
とあるのを、
「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段とを備える、ゲーム機。」
に訂正する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲における請求項12に、
「 前記復帰条件表示手段は、前記省電力モード解除手段によって前記省電力モードが解除されたとき、前記第2の操作信号を発生させるための第2の操作手順を前記表示装置に表示する、請求項11に記載のゲーム機。」
とあるのを、独立形式に改め、
「 内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記復帰条件表示手段は、前記省電力モード解除手段によって前記省電力モードが解除されたとき、前記第2の操作信号を発生させるための第2の操作手順を前記表示装置に表示する、ゲーム機。」
に訂正する(請求項12の記載を直接的に引用する請求項13及び請求項14も同様に訂正する)。

(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項15を削除する。

(4) 訂正事項4
特許請求の範囲における請求項16に、
「 前記第1段目の復帰条件は、前記第1の操作信号が発生している時間が所定の時間以下であることを特徴とする、請求項11に記載のゲーム機。」
とあるのを、独立形式に改め、
「 内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記第1段目の復帰条件は、前記第1の操作信号が発生している時間が所定の時間以下であることを特徴とする、ゲーム機。」
に訂正する。

(5) 訂正事項5
特許請求の範囲における請求項17に、
「 前記第1段目の復帰条件は、複数の前記操作スイッチの中から予め設定された組合せの前記操作スイッチからの操作信号であることを特徴とする、請求項11に記載のゲーム機。」
とあるのを、独立形式に改め、
「 内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記第1段目の復帰条件は、複数の前記操作スイッチの中から予め設定された組合せの前記操作スイッチからの操作信号であることを特徴とする、ゲーム機。」
に訂正する。

(6) 訂正事項6
特許請求の範囲における請求項18に、
「 前記省電力モードへの移行するとき、前記第1の操作信号を発生させるための第1の操作手順を前記表示装置に表示する第1の操作手順表示手段をさらに備える、請求項11に記載のゲーム機。」
とあるのを、独立形式に改め、
「 内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記省電力モードへの移行するとき、前記第1の操作信号を発生させるための第1の操作手順を前記表示装置に表示する第1の操作手順表示手段をさらに備える、ゲーム機。」
に訂正する。

(7) 訂正事項7
特許請求の範囲における請求項19に、
「 ゲーム処理モード中に、前記操作スイッチから発生する第3の操作信号が予め設定された第1段目の移行条件と一致すること又は操作信号が一定時間発生していないことに応じて、前記ゲーム処理モードにおけるゲームデータを退避させるゲームデータ退避手段と、
前記ゲームデータを退避させた後、前記第1の復帰判定手段から実行開始状態に設定し、その後省電力モードへ移行させる省電力モード移行手段とをさらに備える、請求項11に記載のゲーム機。」
とあるのを、独立形式に改め、
「 内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
ゲーム処理モード中に、前記操作スイッチから発生する第3の操作信号が予め設定された第1段目の移行条件と一致すること又は操作信号が一定時間発生していないことに応じて、前記ゲーム処理モードにおけるゲームデータを退避させるゲームデータ退避手段と、
前記ゲームデータを退避させた後、前記第1の復帰判定手段から実行開始状態に設定し、その後省電力モードへ移行させる省電力モード移行手段とをさらに備える、ゲーム機。」
に訂正する(請求項19の記載を直接的に引用する請求項20も同様に訂正する)。

第3 当審の判断
1.訂正の目的、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無について
(1) 訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項11で特定されていない「ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段」と、「前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段」という発明特定事項(以下、前者の訂正事項を「訂正事項1-1」、後者の訂正事項を「訂正事項1-2」という。)を新たに特定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである(下線は、当審が付したものである。以下同様。)。

新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無
(ア) 訂正事項1-1について
訂正事項1-1の「ゲーム処理モード中」の「操作信号」に基づく「第1の省電力モード移行手段」については、【図3】の「ステップS12」の判断が「yes」の場合の説明である、願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の段落【0034】-【0043】「【0034】
図2および図3において、CPU15が上記ゲーム制御プログラムに基づいてゲーム処理を実行することによってゲーム処理モードで動作しているとき(ステップS11)、操作スイッチ14eの「SELECT」スイッチがONされる(ステップS12)あるいは2分間他の操作スイッチ14からの入力がない状態が継続した(ステップS13)場合、ワーキングRAM17に格納されているスリープモード移行管理プログラムが実行されて、次のステップS14に進む。一方、CPU15が上記ゲーム処理モードで動作しているとき、上記「SELECT」スイッチがONされず、かつ2分間に何らかの操作スイッチ14の入力があった場合、ステップS11に戻り上記ゲーム処理を継続する。このステップS12の条件が、本発明の第1段目の移行条件に相当し、そのときの操作スイッチ14からの入力が、本発明の第3の操作信号に相当する。
【0035】
次に、CPU15は、ゲーム処理モードのゲーム処理実行途中におけるCPUコア157の内部レジスタのデータ、内部RAM153の特定のアドレスに存在するデータ及びVRAM154に記憶されているゲーム画面のデータ等を、内部RAM153やワークキングRAM17、VRAM154の他のメモリ領域に退避(又は格納)させる(ステップS14)。これによって、スリープモードから復帰後、スリープモード移行直前のゲームの進行状態に戻すことが可能になる。なお、VRAM154においては、表示するためのメモリ空間を単に切り替えるようにすることによって、ゲーム画面を退避させるようにしてもよい。そして、処理は次のステップに進む。
【0036】
次に、CPU15は、上記移行管理プログラムに基づいてCPUコア157が実行することによって、ユーザにスリープモード移行の可否を問う移行ウインドウを生成し、VRAM154に格納する(ステップS15)。そして、処理は次のステップに進む。
【0037】
次に、CPU15は、10秒間のタイマセットを行い起動させ(ステップS16)、上記移行ウインドウをLCDコントローラ158を介してLCD12に表示させる(ステップS17)。図4は、LCD12に表示される移行ウインドウの一例である。図4において、上記ゲーム処理実行中にLCD12に表示されていたゲーム画面GWは、上記ステップS17が実行されることによって、移行ウインドウSWに表示が変わる。図4で示した移行ウインドウSWの例では、ユーザにスリープモード移行の可否を「はい」あるいは「いいえ」で選択させることによってスリープモード移行の可否を問う表示となっている。また、当該移行ウインドウSWでは、スリープモード移行可(すなわち「はい」)をデフォルト項目として表示される。なお、上記ステップS16で設定されるタイマセットの時間(10秒間)は、上記移行ウインドウSWをLCD12に継続して表示することによって、ユーザにスリープモード移行の可否を問う時間を示している。

・・・(中略)・・・

【0039】
上述したように、CPU15は、操作スイッチ14によって10秒間入力がない場合、および上記移行ウインドウの選択肢から「はい」が選択された場合、LCD12に表示されている移行ウインドウを消去するため、LCD12にブランク画面を表示する(ステップS20)。これは、LCDコントローラ158の動作を停止させて、LCD12の表示を消去することもできるが、LCDコントローラ158の停止を先に行った場合、LCD12にノイズ等が発生するため、ここでは上述したようにブランク画面を表示する方が好ましい。そして、処理は次のステップS21に進む。

・・・(中略)・・・

【0043】
次に、CPUコア157がウエイト信号により待機状態となり、システムクロック発生回路151がクロック供給を停止する(ステップS23)ことによって、携帯ゲーム機1は、完全にスリープモードに移行し、スリープモードに移行する動作を示すフローチャートを終了する。これは、CPUコア157がシステムコール「SWI<3>」命令(stop())を実行することによって、携帯ゲーム機1は、スリープモードに移行される。このスリープモード状態での各機能ブロックの状態は、CPUコア157はウエイト信号によって待機状態、システムクロック発生回路151は停止状態、LCD12、スピーカ13、I/F18、周辺回路155、およびLCDコントローラ158はクロック未供給により停止状態となっており、各種RAMの内容は電源ユニット16からの電力供給がされているため保持されている。つまり、スリープモード状態での各機能ブロックの状態は、スリープ回路152が操作スイッチ14からの入力が上記第1段目の復帰条件に一致するか否かを判断するために継続して稼動しているのみで、他の機能ブロックは待機あるいは停止状態になり、大幅に消費電力を抑えることができる。」との記載に基づくものである。
なお、上記の実施例において、「SELECT」スイッチがONされてから(段落【0034】)、「完全にスリープモードモードに移行」する(段落【0043】)までの途中で、ユーザにスリープモード移行を確認するための「移行ウインドウSW」を表示させている(段落【0036】-【0037】)。しかし、「操作スイッチ14によって10秒間入力がない場合」(段落【0039】)、すなわち、ユーザの追加の操作なしに移行ウインドウSWは自動的に消去されて、「完全にスリープモードモードに移行」するから、少なくとも実施例のこのような処理は、訂正事項1-1の「ゲーム処理モード中」の「操作信号」に基づく「第1の省電力モード移行手段」に対応しているといえる。

(イ) 訂正事項1-2について
訂正事項1-2の「ゲーム処理モード中」及び「第2段目の復帰条件の表示中」の「入力がない状態」に基づく「第2の省電力モード移行手段」については、
【図3】の「ステップS13」の判断が「yes」の場合の説明である、本件明細書の段落【0034】「図2および図3において、CPU15が上記ゲーム制御プログラムに基づいてゲーム処理を実行することによってゲーム処理モードで動作しているとき(ステップS11)、操作スイッチ14eの「SELECT」スイッチがONされる(ステップS12)あるいは2分間他の操作スイッチ14からの入力がない状態が継続した(ステップS13)場合、ワーキングRAM17に格納されているスリープモード移行管理プログラムが実行されて、次のステップS14に進む。」との記載、及び、
段落【0043】「次に、CPUコア157がウエイト信号により待機状態となり、システムクロック発生回路151がクロック供給を停止する(ステップS23)ことによって、携帯ゲーム機1は、完全にスリープモードに移行し、スリープモードに移行する動作を示すフローチャートを終了する。」との記載、
【図5】の「ステップS41」の判断が「yes」の場合の説明である、本件明細書の段落【0056】「一方、上記ステップS37で、操作スイッチ14からの入力によってスリープモードからの復帰可否の判断が選択されていない判断した場合、CPU15は、操作スイッチ14によって10秒間継続して入力がないか否かを判断する(ステップS41)。そして、CPU15は、操作スイッチ14による未入力時間が10秒に満たない場合、上記ステップS37に戻り、ユーザからの復帰可否の選択を待つ。一方、CPU15は、操作スイッチ14による未入力時間が10秒以上継続した場合、次のステップS42に処理を進める。」との記載、
段落【0058】「次に、CPUコア157がウエイト信号により待機状態となり、システムクロック発生回路151がクロック供給を停止する(ステップS43)ことによって、携帯ゲーム機1は、再度スリープモードに移行し、上記ステップS31に戻り、上記第1段目の復帰条件の入力を待つ。つまり、携帯ゲーム機1は、第2段目の復帰条件を満足しない場合、ゲーム処理を実行するゲーム処理モードには復帰せず、再度スリープモードに移行される。」との記載に基づくものである。

(ウ) まとめ
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。

また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

(2) 訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項12の記載が、訂正前の請求項11の記載を引用する記載であったものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法126条1項ただし書4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
同様に、訂正事項2は、訂正後の請求項12の記載を直接的に引用する訂正後の請求項13及び請求項14との関係においても、特許法126条1項ただし書4号に規定するいわゆる引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無
訂正事項2は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

(3) 訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項15を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無
訂正事項3は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

(4) 訂正事項4-6について
ア 訂正の目的
訂正事項4-6は、訂正前の請求項16-18の記載が、それぞれ、訂正前の請求項11の記載を引用する記載であったものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法126条1項ただし書4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無
訂正事項4-6は、上記アのとおりであるから、それぞれ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項4-6は、それぞれ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

(5) 訂正事項7について
ア 訂正の目的
訂正事項7は、訂正前の請求項19の記載が、訂正前の請求項11の記載を引用する記載であったものを、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法126条1項ただし書4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
同様に、訂正事項7は、訂正後の請求項19の記載を直接的に引用する訂正後の請求項20との関係においても、特許法126条1項ただし書4号に規定するいわゆる引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張または変更の有無
訂正事項7は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

2.一群の請求項ごとに訂正請求することについて
訂正事項1-訂正事項7に係る訂正前の請求項11-請求項20について、訂正前の請求項12-請求項20は、請求項11の記載をそれぞれ直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項11に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項11-請求項20は一群の請求項を構成するものであるといえる。
したがって、訂正事項1-訂正事項7は、いずれも特許法第126条第3項に規定する要件を満たすものである。

ただし、訂正後の請求項12(訂正後の請求項12を直接引用する訂正後の請求項13及び請求項14)に係る「訂正事項2」、訂正後の請求項16に係る「訂正事項4」、訂正後の請求項17に係る「訂正事項5」、訂正後の請求項18に係る「訂正事項6」、訂正後の請求項19(訂正後の請求項19を直接引用する訂正後の請求項20)に係る「訂正事項7」は、それぞれ、引用関係の解消を目的とする訂正であって、請求人から、訂正後の請求項12、16、17、18、19について訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったところ、上記1で判断したように、訂正後の請求項12、16、17、18、19の訂正が認められることから、請求項12、16、17、18、19は、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを認める。

3.訂正後発明11の独立特許要件について
訂正事項1-訂正事項7のうち、訂正後の請求項11に係る「訂正事項1」(及び請求項15の削除に係る「訂正事項3」)は、上述したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするので、訂正後の請求項11に係る発明(以下、「訂正後発明11」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か(独立特許要件)について検討する。

なお、本件特許(特許第4010533号)に関し、東京地方裁判所において特許権侵害差止等請求事件(平成29年(ワ)第43185号。以下、「本件侵害事件」という。)が提起されており、本件侵害事件では、いわゆる無効の抗弁(以下、「本件無効抗弁」という。)が、同事件の被告により、本件特許の請求項11について、提出されている。
そこで、当審は、本件無効抗弁に係る無効理由を、訂正後発明11に関する限りにおいて、下記の無効理由(1)-(3)に係る証拠に基づき、それぞれ、独立特許要件について検討する。

(1) 本件無効抗弁に係る無効理由の概要
ア 無効理由(1)(フライトシミュレータ発明(乙40の1、乙40の2)及び周知技術(乙65-乙68の2)に基づく進歩性欠如)
本件特許(特許第4010533号)の請求項11に係る発明は、本件特許の出願前である2000年(平成12年)1月12日にマイクロソフト株式会社から発売されたWindows向けゲームソフト「Microsoft Flight Simulator 2000 Professional Edition」(以下「本件フライトシミュレータ」という。)がインストールされたWindows2000SP2をOSとするノートパソコンに開示された、本件出願前に公知となり又は公然と実施されていた、発明(フライトシミュレータ発明)及び周知技術(乙65-乙68の2)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性欠如の無効理由がある。

イ 無効理由(2)(GBA発明1及びGBA発明2(乙69-乙70)に基づく進歩性欠如)
本件特許(特許第4010533号)の請求項11に係る発明は、本件特許の出願前である2001年(平成13年)3月21日に原告(本件における請求人)から発売されたゲームソフト「スーパーマリオアドバンス」が装着されたゲーム機「ゲームボーイアドバンス」に開示された、本件出願前に公知となり又は公然と実施されていた、発明(GBA発明1)及びGBA発明2(乙69-乙70)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性欠如の無効理由がある。

ウ 無効理由(3)(139発明(乙43)及び周知技術(乙71-乙77)に基づく進歩性欠如)
本件特許(特許第4010533号)の請求項11に係る発明は、本件特許の出願前である1993年(平成5年)1月22日に公開された特開平5-12139号公報(乙43。以下「139公報」という。)に開示された発明(139発明)及び周知技術(乙71-乙77)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性欠如の無効理由がある。

エ 本件無効抗弁に係る証拠は次のとおりである(抜粋。以下は、平成30年12月17日付け上申書の添付書類である。)。
甲24: 報告書([スーパーマリオアドバンス動作確認])(添付動画あり)
乙40の1: 報告書(「Microsoft Flight Simulator 2000 Professional Edition」の動作について)
乙40の2: 「フライトシミュレータ」の動画ファイル
乙41: 2001-’02年版最新パソコン用語事典(抜粋)
乙42: 報告書(「スーパーマリオアドバンス」が装着された「ゲームボーイアドバンス」)
乙43: 特開平5-12139号公報

(以下は、令和元年5月14日付け上申書の添付書類である。)
甲40: Microsoft Flight Simulator 2000 Professional Edition マイクロソフト フライト シミュレータ 2000 プロフェッショナル エディション パイロット ハンドブック
乙68の1: 報告書(「マインスイーパ」の動作について)
乙68の2: 検証動画
乙69: 原告ウェブサイト「黄金の太陽 開かれし封印」
乙70: 「黄金の太陽 開かれし封印」取扱説明書

(以下は、周知技術を示すために引用された公開公報である。)
乙65: 特開平9-34577号公報
乙66: 特開2001-14070号公報
乙67: 特開平6-28062号公報
乙71: 特開平11-235470号公報
乙72: 特開2000-33179号公報
乙73: 特開2001-87548号公報
乙74: 特開2001-87550号公報
乙75: 特開2001-87553号公報
乙76: 特開2001-87555号公報
乙77: 特開平4-243403号公報

(2) 訂正後発明11
訂正後の請求項11に係る発明は、以下のとおりである。

「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段とを備える、ゲーム機。」

(3) フライトシミュレータ発明(乙40の1-2)
ア 乙40の1:報告書(「Microsoft Flight Simulator 2000 Professional Edition」の動作について)には、乙40の2「フライトシミュレータ」の動画ファイルとともに、以下の記載がある。
(ア) 6ページ2-3行
「本件検証機は、Windows2000SP2上にインストールしたフライトシミュレータを搭載したノートパソコンであり、Windows2000SP2は、スタンバイ/モードを備える。」

(イ) 7ページ下から14行目
「5 本件検証機の発明の構成
以上のとおり、本件検証機により、以下の発明が、本件出願日より前に公知となり又は公然と実施されていた。
[「フライトシミュレータ」に係る公知・公用発明]
1a スタンバイ・モードを備えるWindows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコンであって、
1b 本件検証機のキーボード及び該キーボードの上部に設けられる各種キー(電源スイッチ及びPキーが含まれる。)を備え、
1c スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたかを判定し、
1d スタンバイ・モード中 に、電源スイッチ押しを受け付けたと判定した場合に、スタンバイ・モードから復帰し、
1e スタンバイ・モードが復帰された後、『シミュレーションポーズ-Pキーで継続』が点滅表示されたポーズ画面をディスプレイに表示し、
1f ポーズ画面において、Pキーが押されたかを判定し、
1g ポーズ画面において、Pキーが押されたと判定した場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させる、
1h Windows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコン。」

イ 平成31年2月19日付け被告準備書面(11)には、12ページ4-最下行に、以下の記載がある。

「そして、本件ゲーム機1では、以下の発明が開示されている(以下、「フライトシミュレータ発明」という。)。なお、下線部は被告第5準備書面からの変更箇所を示している。

[フライトシミュレータ発明]
「1a スタンバイ・モードを備えるWindows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコンであって、
1b 本件検証機のキーボード及び該キーボードの上部に設けられる各種キー(電源スイッチ及びPキーが含まれる。)を備え、
1i ゲーム進行状態において、電源スイッチ押しを受け付けたと判定されたとき、スタンバイ・モードに移行させ、
1c スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたかを判定し、
1d スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたと判定した場合に、スタンバイ・モードから復帰し、
1e スタンバイ・モードが復帰された後、『シミュレーションポーズ-Pキーで継続』が点滅表示されたポーズ画面をディスプレイに表示し、
1f ポーズ画面において、Pキーが押されたかを判定し、
1g ポーズ画面において、Pキーが押されたと判定した場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させ、
1j ゲームプレイ中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合、また、ポーズ画面の表示中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合のいずれの場合でも、スタンバイ・モードに移行しない
1h Windows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコン。」

ウ 平成31年2月12日付け意見書(請求人)に添付された平成31年2月8日付け「報告書2」[フライトシミュレータ等動作確認]には、4ページ1行-5ページ最下行に、添付動画1-10、別紙[表1]とともに、以下の記載がある。

「第3 スタンバイ・モードへの移行
1 本件ゲーム
本件ゲームにおける操作対象の飛行機がフライト中の場合、または、駐機中の場合のいずれの場合であっても、下記[A][B]の状態において、キーボード等からの未入力状態が「システムスタンバイ」の設定時間を越えても本件端末はスタンバイ・モードに移行しない。
[A]進行状態
[B]スタンバイ・モードからの復帰により「シミュレーションポーズ」-Pキーで継続」が点滅表示しているポーズ状態

・・・(中略)・・・

第4 動画の説明
1 本件ゲーム
本件ゲームにおける操作対象の飛行機がフライト中の場合、駐機中の場合のそれぞれの場合において、[A]進行状態、[B]ポーズ状態とし、「システムスタンバイ」の設定時間を越えて、キーボードなどからの未入力状態を継続させたときの本件端末の動作を設定した動画を本報告書に添付する(動画1?動画4)。この動画の内容をまとめたものが別紙[表1]である。
動画の途中に表示している設定画面のとおり、いずれも「システムスタンバイ」を「1分」に設定しているものの、キーボードなどからの未入力状態がこの設定時間を越えても本件端末はスタンバイ・モードに移行しなかった。

・・・(中略)・・・

また、本報告書に動画としては添付していないものの、「システムスタンバイ」ないし「システム休止状態」の設定時間を「1時間」とした場合も同様に、本件端末はこれら各モードに移行しなかった。」

なお、合議体は、平成31年2月4日の請求人との間で実施した面接において、フライトシミュレータの実機動作を確認して、上記請求人の主張どおり、フライトシミュレータのゲーム中に、未入力状態が継続しても、スタンバイ・モードに移行しないことを確認した。

エ 上記ア-ウから、以下の発明(以下「フライトシミュレータ発明」という。)が、本件出願前に公知となり又は公然と実施されていたといえる。

[フライトシミュレータ発明]
「1a スタンバイ・モードを備えるWindows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコンであって、
1b ノートパソコンのキーボード及び該キーボードの上部に設けられる各種キー(電源スイッチ及びPキーが含まれる。)を備え、
1i ゲーム進行状態において、電源スイッチ押しを受け付けたと判定されたとき、スタンバイ・モードに移行させ、
1c スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたかを判定し、
1d スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたと判定した場合に、スタンバイ・モードから復帰し、
1e スタンバイ・モードが復帰された後、『シミュレーションポーズ-Pキーで継続』が点滅表示されたポーズ画面をディスプレイに表示し、
1f ポーズ画面において、Pキーが押されたかを判定し、
1g ポーズ画面において、Pキーが押されたと判定した場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させ、
1j ゲームプレイ中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合、また、ポーズ画面の表示中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合のいずれの場合でも、スタンバイ・モードに移行しない
1h Windows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコン。」

(4) 訂正後発明11と[フライトシミュレータ発明]との対比
ア Windowsにおける「スタンバイ」は、通常「システムをサスペンドした状態で素早く終了」するためのモードであり(乙41、524ページ)、「サスペンド」モードとは「サスペンド中はメモリの状態を保持するために微少な電力を消費する」モードであるから(乙41、458ページ)、フライトシミュレータ発明において、「シャットダウン」、「再起動」、「スタンバイ」、「休止状態」の選択肢から選択される「スタンバイ・モード」は、訂正後発明11の「内部消費電力を抑える省電力モード」に相当する。

フライトシミュレータ発明の「Windows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコン」は、フライトシミュレータのゲームプログラムを実行している点で、訂正後発明11の「ゲーム機」に相当する。

よって、フライトシミュレータ発明の「スタンバイ・モードを備えるWindows2000SP2をOSとし、フライトシミュレータがインストールされたノートパソコン」は、訂正後発明11の「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機」に相当する。

イ フライトシミュレータ発明の「ノートパソコンのキーボード及び該キーボードの上部に設けられる各種キー(電源スイッチ及びPキーが含まれる。)」は、訂正後発明11の「そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチ」に相当する。

ウ フライトシミュレータ発明が「ゲーム進行状態において、電源スイッチ押しを受け付けたと判定されたとき、スタンバイ・モードに移行させ」ることは、訂正後発明11が「ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段」を備えることに相当する。

エ フライトシミュレータ発明が「スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたかを判定し」ていることは、訂正後発明11が「前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段」を備えることに相当する。

オ フライトシミュレータ発明が「スタンバイ・モード中に、電源スイッチ押しを受け付けたと判定した場合に、スタンバイ・モードから復帰し」ていることは、訂正後発明11が「前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段」を備えることに相当する。

カ フライトシミュレータ発明の「スタンバイ・モードが復帰された後、『シミュレーションポーズ-Pキーで継続』が点滅表示されたポーズ画面をディスプレイに表示し」ていることは、訂正後発明11の「前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段」を備えることに相当する。

キ フライトシミュレータ発明の「ポーズ画面において、Pキーが押されたかを判定し」ていることは、訂正後発明11の「前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段」を備えることに相当する。

ク フライトシミュレータ発明の「ポーズ画面において、Pキーが押されたと判定した場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させる」ことは、訂正後発明11の「前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段」を備えることに相当する。

よって、訂正後発明11とフライトシミュレータ発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
とを備える、ゲーム機。」

<相違点1>
訂正後発明11は、「前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段」を備えるのに対して、フライトシミュレータ発明は、ゲームプレイ中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合、また、ポーズ画面の表示中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合のいずれの場合でも、スタンバイ・モードに移行しない点。

(5) <相違点1>についての判断
ア 一般に、ゲーム機やノートパソコン等の各種情報機器を省電力化するために、機器の動作状態(例えば、ゲームプレイ中や特定の画面の表示中も含む)に関わらずに、入力がない状態が継続した場合に、省電力モードに移行させることは、周知かつ慣用の技術である。
この点について、必要ならば、例えば、下記(ア)-(ウ)を参照されたい。

(ア) 特開平9-34577号公報(乙65)には、段落【0002】-【0004】に以下の記載がある。
【0002】
【従来の技術】昨今の技術革新に伴い、デスクトップ型、ノートブック型など各種パソナル・コンピュータ(以下、「PC」又は「システム」ともいう)が開発され市販されている。 ・・・(中略)・・・
【0003】ノートブックPCの1つの特徴は、内蔵したバッテリでも駆動できるという「バッテリ駆動型」である点である。これはシステムに商用電源が届かない場所でも使用できるようにしたためである。ノートブックPCが内蔵するバッテリは、一般には、Ni-Cd,NiMH,Li-Ionなどの充電式のバッテリ・セルを複数本並列又は直列接続してパッケージ化した「バッテリ・パック」の形態をとっている。このようなバッテリ・パックは、充電により再利用可能ではあるが、1回当りの充電容量はシステムのオペレーション時間にして精々2?3時間程度に過ぎない。バッテリ・ライフを少しでも長時間化するべく、節電のための種々の工夫が凝らされている点も、ノートブックPCの特徴の1つと言えよう。
【0004】PCの節電は、各々の電気回路の消費電力自体を低減させる以外に、使用状況が低下した電気回路(若しくは周辺デバイス)に対する電力供給を適宜低下若しくは遮断することによっても実現される。後者のことを、特に「パワー・マネージメント(Power Management)」と呼ぶこともある。PCのパワー・マネージメントの形態としては、LCD(液晶表示装置)やHDD(ハード・ディスク・ドライブ)のようにシステム全体の総消費電力に対して大きなウェートを占めるデバイス類への給電を部分的に停止するというもの(「LCDオフ」や「HDDオフ」ともいう)の他、「サスペンド(Suspend)」*のようにシステムの殆ど全ての電気回路への給電を停止するものがある。このようなパワー・マネージメント動作は、最後のユーザ入力や最後の処理動作(例えばHDDのディスク・アクセス)から所定時間(サスペンド・タイマーの設定時間)が経過したこと、すなわち動作待ち時間が所定時間以上継続したことをトリガにして、あるいは所定キー(サスペンド・キー)の入力などユーザの意思に応じて、実行される。そして、サスペンドなどの節電モードの間に、ユーザによるキー/マウス入力が再びなされたり、あるいはシステム内で処理動作が再び発生すると、停止中の給電を再開して、節電モードに突入する直前の状態からタスクを再開するようになっている。例えば日本アイ・ビー・エム(株)が市販するThinkPad 700/750/755("ThinkPad"は米IBM社の商標)は、サスペンド機能を備えている。」

(イ) 特開2001-14070号公報(乙66)には、段落【0002】に、以下の記載がある。
「【0002】
【従来の技術】省電力型のパーソナルコンピュータでは、キーボードやマウスなどによるユーザ入力が一定時間ないときに表示装置(液晶表示装置のバックライトを含む)やCPUの電源をOFFにすることにより消費電力の節減を行うようになっている。このモードは、省電力モード、スタンバイ、或いはスリープと呼ばれている。パーソナルコンピュータが省電力モードに切り替わった後には、ユーザはキーボードのキーやマウスボタンを押すことにより省電力モードを解除することができ、これによりパーソナルコンピュータは通常モードに復帰する。」

(ウ) 特開平6-28062号公報(乙67)には、段落【0014】-【0018】に、以下の記載がある。
「【0014】図3は従来技術の電源制御装置を示している。電源制御ユニット22は、キー入力監視部221と電源制御部222とを含み、キー入力監視部221は、キーボード割込信号が発生しない場合一定時間毎にインクリメントされるスタンバイタイマ2211を備え、また電源制御部222は電源制御情報が格納されている電源制御レジスタ2221を備えている。
【0015】以下、従来システムの動作を図2、3に示した構成に基づき説明する。
【0016】従来システムでは電源制御装置22、キーボード制御装置23および主記憶26には常に電源が投入されている。中央処理装置25および表示装置27の電源は電源供給線31から供給されており、電源制御装置22により電源の投入および切断が可能となっている。
【0017】システムは電源制御装置22、キーボード制御装置23、中央処理装置25、主記憶26および表示装置27に電源が投入されたランモードと、電源制御装置22、キーボード制御装置23、主記憶26には電源が投入されるが中央処理装置25および表示装置27には電源が投入されていないスタンバイモードの2種類の電源モードを有している。
【0018】キー入力監視部221は、キーボード割込信号を監視し、一定時間キー入力が無い場合、スタンバイ割込制御線30にスタンバイ割込信号を送出し、中央処理装置25に対してスタンバイ割込を発生させる。スタンバイタイマ2211は一定周期T秒にてインクリメントされるアップカウンタであり、キーボード割込制御線29からのキーボード割込信号によりゼロクリアされる。すなわち、キー入力が行われた場合、スタンバイタイマ2211は初期値ゼロに設定される。キー入力が発生しなかった場合、スタンバイタイマは2211は周期T秒毎にインクリメントされる。キー入力監視部23はスタンバイタイマ2221の値が既定のスタンバイタイムアウト値Stoを越えたか否かを判定し、スタンバイタイマ2211の値がスタンバイタイムアウト値Stoを越えた場合、すなわちスタンバイタイムアウト値Stoと周期T秒の積で表されるSto×T秒間、キーボード制御装置23からキーボード割込信号が送出されなかった場合、スタンバイ割込制御線30にスタンバイ割込信号を送出する。」

さらに、フライトシミュレータ発明が用いる「Windows 2000」は、上記の周知の技術を備えるOS(オペレーティング・システム)である。
この点について、必要ならば、例えば、下記(エ)、及び、(オ)を参照されたい。

(エ) 安室浩和、“Windows 2000プログラミングのツボ 第2回 電源管理をサポートするコツ”、日経ソフトウエア、日経BP社、2000年7月24日、第3巻、第8号、p.180-189(特に、180ページ左欄18行-同ページ右欄5行「『電源管理』というと,まずモバイルPCを連想する人が多いかもしれない。実際,モバイルPCの多くはバッテリの持ちをよくするために,CPUの速度を落とす,一定時間アイドル状能が続くと液晶ディスプレイやハードディスクをオフにするといった機能を備えている。さらに,PCを一時的に待機状能にしたり(スタンバイ),作業状態をすべてハードディスクに保存して休止状態にする(ハイバネーション)といったスリープ機能を持つものもある。Windows2000では,コントロールパネルの「電源のオプション」からこうした設定を一括して行うことができる(図1)^(※1)。」の記載、181ページの【図1】、181ページ右欄下から5行目-182ページ右欄1行「アプリケーションがビジーであることを通知する
ここまでシステム側の話をしてきたが、もちろんシステムが対応していればそれで済むわけではない。そうでなければ、そもそもアプリケーション仕様書に盛り込まれているはずがないわけだ。ではいったいアプリケーション側でどのような対応をする必要があるのだろうか。簡単にまとめると次の2点である。
(1)スリープに入っては困るタイミングをシステムに通知する
(2)スリープに入るとき/復帰するときに異常を起こさない
(1)は,先ほどの動画再生の例のようなケースについての対策だ。ユーザーの操作を伴うことなく長時間処理を実行するような場合には,アプリケーションがビジーであることをOSに知らせる必要があるのである。動画再生以外にも,1年分の電子メールのアーカイブを作成するといった処理がこれに相当する。
一方(2)については,システムがサポートしていれば異常を起こさないのが当然,と思うかもしれない。しかし,突然なんの前触れもなくスリープに入ってしまうと困る場合もある。そのために,(1)とは逆にシステム側から状能変化を通知する機能も用意しているのである。
ではこれら2点について,サンプルを交えながらもう少し詳しく説明していくことにしよう。まずはプログラムの状態通知についてである。
Windowsは,電源管理のために二つのアイドル・タイマーを使用している。一つはスリープ状態に入るかどうかを決めるためのもの,もう一つはディスプレイの電源を落とすかどうかを決めるためのものだ。これらはそれぞれ関連するアクティビティがあるとリセットされる。リセットされないまま設定された時間に達すると,システムはスリープ状態に移行したり,ディスプレイの電源をオフにしたりする。
タイマーをリセットする要因となるアクティビティには,キーボード/マウスからのユーザー入力やネットワーク経由のデータ送受信などがある。ディスクの読み書きや画面への出力といったものは含まない。そのために,先の例の動画再生プログラムのようにデータの読み込みと画像の出力しかない場合には,タイマーがリセットされることなくディスプレイがオフになってしまったりするのである。これを解決するためにはこのアイドルタイマーをプログラムから明示的にリセットできればよい。」の記載を参照。)、及び、

(オ) 報告書(「マインスイーパ」の動作について)(乙68の1)(検証動画(乙68の2)とともに、特に、2ページ下から3行目-最下行「本検証から、Windows200SP2で起動する「マインスイーパ」のゲーム進行状態において、ユーザが操作を行わず、各キーからの入力がない状態が一定時間継続した場合にシステムが自動的にスタンバイに移行することが確認された。」の記載を参照。)。

フライトシミュレータ発明では、ゲームプレイ中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合、また、ポーズ画面の表示中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合のいずれの場合でも、スタンバイ・モードに移行しない。
一方、下記「イ」記載のとおり、ゲームプレイの開始前である、フライトシミュレータの「初期メニューのような画面」(平成31年3月20日付け報告書2(補充書)の図1-1を参照。)が表示されている状態では、無操作状態が所定時間継続すると、スタンバイ・モードに移行させる構成が採用されていることに鑑みれば、フライトシミュレータ発明は、省電力化のための「スタンバイ・モード」を備えるノートパソコンでありながら、ゲームプレイ中は、意図して、ゲームプレイ中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合、また、ポーズ画面の表示中にキーボード等からの入力がない状態が継続した場合のいずれの場合でも、スタンバイ・モードに移行させないように構成していることは明らかであるといえる。
よって、スタンバイ・モードに移行させない構成をあえて採用しているフライトシミュレータ発明において、このような構成を排除してまで、上記相違点1に係る構成を付加することは想起されず、むしろ阻害されているといえる。
さらに、フライトシミュレータは、実際の飛行機の操縦を忠実に再現するものであって、自由度が高く、例えば自動操縦の遊覧飛行など多様な遊び方が用意されており、完全な自動操縦機能の使用中には、ユーザの操作入力が行われない状態を想定できる。
そして、自動操縦機能を備えるフライトシミュレータの特殊性を踏まえると、ユーザが操作入力を行わない自動操縦機能の使用中などにスタンバイ・モードへ移行させると、ゲームの没入感が失われ興趣を損ねて、自動操縦機能の本来の意義を失わせるものとなることを考慮すると、スタンバイ・モードに移行させない構成をあえて採用しているフライトシミュレータ発明において、このような構成を排除してまで、上記相違点1に係る構成を付加することは想起されず、むしろ阻害されているといえる。
したがって、訂正後発明11は、フライトシミュレータ発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

イ フライトシミュレータ発明の「初期メニューのような画面」の表示中の動作について
平成31年3月11日付け審尋に対する、平成31年3月22日付け回答書に添付された、平成31年3月20日付け報告書2(補充書)[フライトシミュレータ等動作確認]によれば、フライトシミュレータ発明では、ゲームプレイ開始前である、フライトシミュレータの立ち上げ後に表示される「初期メニューのような画面」(平成31年3月20日付け報告書2(補充書)の図1-1を参照。)が表示されている状態においては、無操作状態が所定時間継続すると、スタンバイ・モードに移行するものである。
そして、このことを、訂正後発明11における無操作状態が所定時間継続することによる省電力モードへの移行と一応対応させるとしても、平成31年3月20日付け報告書2(補充書)[フライトシミュレータ等動作確認]を参照すると、フライトシミュレータ発明では、「初期メニューのような画面」が表示されている状態からスタンバイ・モードに移行した場合には、スタンバイ・モードからの復帰時に、移行前と同じ「初期メニューのような画面」が再び表示されるにすぎない(平成31年3月20日付け報告書2(補充書)の図1-2、図1-3を参照。)。
そして、ゲームプレイ中にスタンバイ・モードに移行した場合とは異なり、ゲームプレイの開始前にスタンバイ・モードに移行した場合、ゲームを継続するための画面である、『シミュレーションポーズ-Pキーで継続』が点滅表示されたポーズ画面を表示させることの起因や動機付けも見いだせない。
したがって、仮に、フライトシミュレータ発明として、ゲーム開始前の「初期メニューのような画面」の表示中のスタンバイ・モードへの移行と復帰の動作を、訂正後発明11におけるゲーム処理モードから省電力モードへの移行と復帰の動作に対応させたとしても、上記相違点1に係る構成には至らない。
したがって、訂正後発明11は、フライトシミュレータ発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。

(6) GBA発明1(乙42、甲24)、及び、GBA発明2
ア 乙42:報告書(「スーパーマリオアドバンス」が装着された「ゲームボーイアドバンス」)には、以下の記載がある。

(ア) 3ページ2-7行
「「ゲームボーイアドバンス」本体の表面には、STARTボタン、SELECTボタン、Rボタン、Lボタン、Aボタン、Bボタン等の各種ボタンが配置されている(本件取扱説明書10-11頁)。「スーパーマリオアドバンス」における各種ボタンによる操作方法の説明は、本件取扱説明書10-11頁に記載のとおりである。特に、11頁には、「スリープモード」による中断及び「スリープモード」からの復帰に関するボタン操作が説明されている。」

(イ) 4ページ1-14行(以下、「(1)」等は、「丸数字の1」等を示す。以下同様。)
「第5 検証手順及びその結果
「スーパーマリオアドバンス」でのゲーム進行制御の動作例として、ここでは、以下の順にゲームの進行制御を行った。即ち、
(1) ゲームプレイ中のゲーム進行状態
↓ スタートボタン押しによるゲーム進行の中断
(2) PAUSE画面表示状態
↓ SELECTボタンとRボタンの同時押しによるスリープモードへの移行
(3) スリープモードでの液晶画面非表示状態
↓ SELECTボタンとLボタンの同時押しによりスリープモードからの復帰
(4) PAUSE画面の表示に戻ったPAUSE画面再表示状態
↓ 『セーブしないで、つづける』の実行によるゲーム進行状態への復帰
(5) ゲーム中断((1)→(2)→(3)のプロセスによる。)直前の直前ゲーム進行状態
の順にゲームを進行させた。
上記検証手順による動作例(画面遷移)は別紙のとおりである。」

(ウ) 5ページ10-22行
「3 スリープモードからの復帰(構成要件3-11C及びD)
ユーザがゲームプレイ中にSELECTボタンとRボタンを同時押しすることにより、「スリープモード」に移行する(本件取扱説明書11頁)。「スリープモード」への移行は、いつでも行うことができる(本件取扱説明書11頁の「どこでも中断でき」るを参照)。即ち、電源がONされている間であれば、どのゲーム場面でも「スリープモード」に移行できる。上記の動作例のうち(2)から(3)への画面遷移は、「スリープモード」への移行の例を示している。
「スリープモード」中に、ユーザがSELECTボタンとLボタンを同時押しすることにより、「ゲームボーイアドバンス」はスリープモードから復帰し(本件取扱説明書11頁)、液晶画面が表示される。したがって、「ゲームボーイアドバンス」は、SELECTボタンとLボタンが同時押しされたか否かを判定している。上記の動作例のうち(3)「液晶画面非表示状態」から(4)「PAUSE画面再表示状態」への画面遷移は、スリープモードからの復帰の例を示している。」

(エ) 6ページの[「スーパーマリオアドバンス」が装着された「ゲームボーイアドバンス」に係る公知・公用発明]欄
「5 本件検証ゲーム機の発明の構成
以上のとおり、本件検証ゲーム機により、以下の発明が、本件出願日より前に公知となり又は公然と実施されていた。
[「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンスに係る公知・公用発明]
2a スリープモード(液晶表示を止める省電力モードである。)を備える「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンス」であって、
2b 「ゲームボーイアドバンス」本体の表面に設けられユーザによって操作される各種ボタン(SELECTボタン、Lボタン、及びAボタンが含まれる。)を備え、
2c スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたかを判定し、
2d スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、スリープモードから復帰し、
2e スリープモードが復帰された後、『セーブしないで つづける』が選択可能に表示されたPAUSE画面をディスプレイに表示し、
2f PAUSE画面において、▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押されたかを判定し、
2g PAUSE画面において▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押された場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させる、
2h 「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンス」。」

(オ) 添付資料3の2葉目(カートリッジ媒体で販売された「スーパーマリオアドバンス」に添付された2001年3月15日付け取扱説明書の10-11ページ)
「SELECTボタン+Rボタン
●同時押しで、スリープモード(電源はONのままで液晶表示がなくなる省電力モード)になる。 ※どこでも中断できますが、電池がなくなると電源OFFと同じ状態になります。
SELECTボタン+Lボタン
●同時押しで、スリープモードから復帰する。」

イ 甲24:報告書(スーパーマリオアドバンス動作確認]には、添付動画(動画1 mov01.mp4、動画2 mov02.mp4)とともに、2ページ10行-5ページ6行に、以下の記載がある。

「第4 動画の説明
1 スリープモードへの移行操作あり
・本件ゲームのプレイ中(ゲーム進行状態)(図1-1-1)、「SELECT(ボタン)」と「R(ボタン)」を同時に押すと、スリープモードに移行した(図1-1-2)。
・その後、「SELECT(ボタン)」と「L(ボタン)」を同時に押すことにより、スリープモードから復帰させると、スリープモードに入る直前の状態(ゲーム進行状態)から再開した(図1-1-3)。

・本件ゲームのプレイ中(ゲーム進行状態)(図1-2-1)、「スタートボタン」を押すと、「PAUSE画面」が表示された(図1-2-2)。
・「PAUSE画面」が表示されている状態で「SELECT(ボタン)」と「R(ボタン)」を同時に押すと、スリープモードに移行した(図1-2-3)。
・その後、「SELECT(ボタン)」と「L(ボタン)」を同時に押して、スリープモードから復帰させると、スリープモードに入る直前の状態(「PAUSE画面」の表示状態)から再開した(図1-2-4)。

2 スリープモードへの移行操作なし
・本件ゲームのプレイ中(ゲーム進行状態)(図2-1-1)、操作ボタン等からの入力がない状態が一定時間(3分間)継続しても、スリープモードへ移行しなかった(図2-1-2)。
・本件ゲームの「PAUSE画面」の表示中(図2-2-1)、 操作ボタン等からの入力がない状態が一定時間(3分間)継続しても、スリープモードへ移行しなかった(図2-2-2)。
・なお、本件ゲームは弊社(任天堂株式会社)にて開発しており、「SELECT(ボタン)」と「R(ボタン)」の同時押し以外では、スリープモードに移行するものではない。」

ウ 上記ア、イの記載から、以下の発明(以下「GBA発明1」という。)が、本件出願前に公知となり又は公然と実施されていたといえる。

[GBA発明1]
「2a スリープモード(液晶表示を止める省電力モードである。)を備える「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンス」であって、
2b 「ゲームボーイアドバンス」本体の表面に設けられユーザによって操作される各種ボタン(STARTボタン、SELECTボタン、Rボタン、Lボタン、及びAボタンが含まれる。)を備え、
2i どのゲーム場面でも、SELECTボタンとRボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、中断してスリープモードに移行し、また、ゲーム進行状態において、STARTボタン押しを受け付けたと判定した場合に、ゲーム進行を中断してポーズ画面表示状態となり、さらに、SELECTボタンとRボタンによる同時押しを受け付けた場合に、スリープモードに移行し、
2c スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたかを判定し、
2d スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、スリープモードから復帰し、
2e スリープモードからの復帰後は、スリープモードに移行するときと同じ状態から再開し、すなわち、スリープモードに移行するときの状態がゲーム進行中の場合には、当該進行中のゲームが再開し、また、スリープモードに移行するときの状態がポーズ画面の表示中の場合には、スリープモードが復帰された後、『セーブしないで つづける』が選択可能に表示されたポーズ画面をディスプレイに表示し、
2f ポーズ画面において、▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押されたかを判定し、
2g ポーズ画面において▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押された場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させ、
2j ゲーム進行中、及び、スリープモードからの復帰後におけるポーズ画面の表示中に、操作ボタン等からの入力がない状態が一定時間継続した場合でも、スリープモードに移行しない、
2h 「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンス」。」

エ GBA発明2(乙69、乙70)
乙69、乙70の記載から、平成31年2月19日付け被告第11準備書面(本件特許権3関連)20ページ13行-21ページ8行に記載されたとおりの、以下の発明(以下「GBA発明2」という。)が、本件出願前に公知となり又は公然と実施されていたといえる。

[GBA発明2]
「a 省電力モードを備える「黄金の太陽」を装着した「ゲームボーイアドバンス」であって、
b 「ゲームボーイアドバンス」本体の表面に設けられユーザによって操作される各種ボタン(STARTボタン、SELECTボタン、Aボタン及びBボタン、並びに、Lボタン及びRボタンが含まれる。)を備え、
i’ プレイ中にSTARTボタンによる押下を受け付けてポーズメニューを表示し、ポーズメニューにおいて「いますぐスリープ」に指のマークの指標が合った状態でAボタンによる押下を受け付けた場合に、省電力モードに移行させ、
c 省電力モード中に、LボタンとRボタンによる同時押しを受け付けたかを判定し、
d 省電力モード中に、LボタンとRボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、省電力モードを解除し、
e 省電力モードが解除された後、省電力モードに移行する直前に「ゲームボーイアドバンス」で処理されていたプレイに復帰させ、
j’ プレイ中に各種ボタンからの入力がない状態が3分間継続したとき、及び、ポーズメニューの表示中に各種ボタンからの入力がない状態が3分間継続したとき、省電力モードに移行させる、
h 「黄金の太陽」を装着した「ゲームボーイアドバンス」。」

なお、上記[GBA発明2]は、主に、上記「構成j’」の技術(「入力のない状態の継続によって省電力モードに移行させる技術」)が公然実施品に採用された技術であることを示すものである(平成31年2月19日付け被告第11準備書面(本件特許権3関連)、17ページ1-3行、20ページ11-12行、21ページ下から5行目-最下行の記載を参照。)。

(7) 訂正後発明11と[GBA発明1]との対比
ア GBA発明1の「スリープモード(液晶表示を止める省電力モードである。)を備える「スーパーマリオアドバンス」を装着した「ゲームボーイアドバンス」」は、訂正後発明11の「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機」に相当する。

イ GBA発明1の「「ゲームボーイアドバンス」本体の表面に設けられユーザによって操作される各種ボタン(STARTボタン、SELECTボタン、Rボタン、Lボタン及びAボタンが含まれる。)」は、訂正後発明11の「そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチ」に相当する。

ウ GBA発明1が「どのゲーム場面でも、SELECTボタンとRボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、中断してスリープモードに移行し、また、ゲーム進行状態において、STARTボタン押しを受け付けたと判定した場合に、ゲーム進行を中断してポーズ画面表示状態となり、さらに、SELECTボタンとRボタンによる同時押しを受け付けた場合に、スリープモードに移行し」ていることは、GBA発明1の動作において、特に、ゲーム進行中であるゲーム場面において、SELECTボタンとRボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、中断してスリープモードに移行した場合を想定すると、訂正後発明11が「ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段」を備えることに相当する。

エ GBA発明1が「スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたかを判定し」ていることは、訂正後発明11が「前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段」を備えることに相当する。

オ GBA発明1が「スリープモード中に、SELECTボタンとLボタンによる同時押しを受け付けたと判定した場合に、スリープモードから復帰し」ていることは、訂正後発明11が「前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段」を備えることに相当する。

カ GBA発明1が「ポーズ画面において、▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押されたかを判定し」ていることは、訂正後発明11が「前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段」を備えることに相当する。

キ GBA発明1が「ポーズ画面において▲印の指標が『セーブしないで つづける』に合った状態でAボタンが押された場合に、ゲーム中断直前のゲーム進行状態に復帰させる」ことは、訂正後発明11の「前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段」を備えることに相当する。

よって、訂正後発明11とGBA発明1とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
とを備える、ゲーム機。」

<相違点2-1>
訂正後発明11は、「前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段」を備えるのに対して、GBA発明1は、「スリープモードからの復帰後は、スリープモードに移行するときと同じ状態から再開し、すなわち、スリープモードに移行するときの状態がゲーム進行中の場合には、当該進行中のゲームが再開し、また、スリープモードに移行するときの状態がポーズ画面の表示中の場合には、スリープモードが復帰された後、『セーブしないで つづける』が選択可能に表示されたポーズ画面をディスプレイに表示」するものであって、ゲーム進行中の状態から移行させたスリープモードの解除後に、スリープモード移行直前のゲーム状態で中断させたポーズ画面を表示させる表示手段を備えていない点。

<相違点2-2>
訂正後発明11は、「前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段」を備えるのに対して、GBA発明1は、ゲーム処理モード中と第2段目の復帰条件の表示中に、無入力状態が継続したとき、省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段を備えない点。

(8) <相違点2-1>についての判断
GBA発明1は、スリープモードからの復帰後は、スリープモードに移行するときと同じ状態から再開するという発明である。
すなわち、GBA発明1では、ゲーム進行中にスリープモードに移行した場合は、スリープモードからの復帰後に、ゲーム実行状態に直ちに復帰する。一方、ゲーム進行中に、STARTキーを押してポーズ画面を表示した状態から、スリープモードに移行した場合は、スリープモードからの復帰後に、ポーズ画面を表示する状態に復帰するにすぎない。
そして、GBA発明1において、ゲーム進行中にスリープモードに移行した場合に、スリープモードからの復帰後に、ポーズ画面を表示するように構成することで、<相違点2-1>に係る構成とすることの起因や動機付けは見いだし難い。
また、GBA発明2も、少なくとも、上記<相違点2-1>に係る構成を備えていない。
したがって、訂正後発明11は、<相違点2-2>について検討するまでもなく、GBA発明1及びGBA発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(9) 139発明(乙43)
乙43: 特開平5-12139号公報には、以下の記載がある。
ア 段落【0008】-【0011】
「【0008】
【実施例】本発明を図面に基づき詳細に説明すると、図1は携帯用テレビゲーム機の正面斜視図であり、本発明のホットスタートシステムを動作させる上での基本装置となる。携帯用テレビゲーム機1の正面にはカラーの液晶表示パネル2が設けられている。液晶表示パネル2の左側には操作方向をコントロールするための十字コントロールボタン3と音を発生させるためのスピーカ4が設けられている。液晶表示パネル2の右側上には電源スイッチ5が設けられ、液晶表示パネル2の右側にはゲームを開始するためのスタートボタン6と、ゲームをコントロールするための1ボタン7と2ボタン8とが設けられている。上側中央後方にはカートリッジ差込口9が設けられ、左側には通信用コネクタ10を装備し、さらに左側にはヘッドフォンジャック11が設けられている。
【0009】ゲームを行う場合には、上側にあるカートリッジ差込口9からゲームカートリッジ30を装着して電源スイッチ5を入れて、液晶表示パネル2に映像を映し出し、スタートボタン6を押して、液晶表示パネル2に映し出された映像を見ながら十字コントロールボタン3及び1ボタン7、2ボタン8を用いて」ゲームを行う。液晶表示パネル2には本発明のホットスタートシステムを取り入れたゲームカートリッジ30をセットし、電源スイッチ5を入れてスタートボタン6を押した後に表示されるスタート時のメニュー画面の状態を示している。
【0010】本発明は家庭用テレビゲーム機のゲームの中でもロールプレイングゲームと呼ばれるゲームに適している。この種のゲームでは、テレビゲームを操作する操作者がゲームの主人公となり、冒険の旅へと出発して旅の途中に設けられた様々な状況設定のなかでゲームを進行させて行くのである。従って、通常この種のゲームは長時間にわたってゲームを進行させていくようになっており、ゲームの途中でそこまでのゲーム内容であるゲームデータを保存しておき、後にその時点から再開してゲームを行なうのである。このゲームデータとは、主人公のいる場面のレベル番号、各登場キャラクタの位置、ゲーム進行に関するフラグ、主人公や各キャラクタの状態(強さ、所持金、持ち物等)等のデータで、操作者が操作した時点での結果でありその状況を再現するデータである。
【0011】ここでは本発明のホットスタートシステムにより、予めゲームデータが保存されているとして説明する。液晶表示パネル2の画面下側には「ゲームをはじめる」、「そのほか」の横書き文字が2列に縦に並び、「ゲームをはじめる」の文字の頭にカーソル12が表示されている。操作者がテレビゲーム機1の十字コントロールボタン3を下に動かすと、カーソル12は下に動き、「そのほか」の文字の頭にカーソル12を移すことができる。ここではカーソル12の位置を「ゲームをはじめる」のまま2ボタン8を押すと液晶表示パネル2の下側の表示は図2のバックアップメニュー画面のごとく「ゲーム1 LV12」、「ゲーム2 LV 8」、「ゲーム3 データなし」と3列に表示され「ゲーム1 LV12」の文字の頭にカーソル12が表示されている。」

イ 段落【0015】-【0019】
「【0015】図4に本発明に関わる携帯用テレビゲーム機のブロック図を示してあり、携帯用テレビゲーム機1には、ゲームをコントロールするための十字コントロールボタン3、スタートボタン6、1ボタン7、2ボタン8、液晶表示パネル2、及び電源スイッチ5が設けてある。携帯用テレビゲーム機1を制御するためのCPU20と、CPU20が必要に応じて種々のデータを書き込むためのスクラッチRAM21とが設けられている。また、テレビゲームのビデオ信号を生成するためのVDP(ビデオディスプレイプロセッサー)22と、ビデオ信号を生成するために必要なデータが記憶されたビデオRAM23とが設けられている。さらに、本実施例のテレビゲーム装置のためにスタンダードセルアレイを用いて作られた専用の制御回路24が設けてある。
【0016】電源電力を供給するために電源回路25が設けられ、これらCPU20、スクラッチRAM21、VDP22、ビデオRAM23、制御回路24、ゲームカートリッジ30に対しコネクタ28に電力を供給している。制御回路24からは、液晶表示のための表示信号が液晶表示パネル2に出力される。液晶表示パネル2へは独立の電源回路26により電力が供給される。制御回路24からは音声出力のために音声信号が音声増幅回路27に出力される。この音声増幅回路27にはスピ-カ4とヘッドフォンジャック11が接続されている。
【0017】コネクタ28を介して入出力される信号としては、電源回路25からのパワ-信号PW、アドレス信号、コントロ-ル信号、デ-タ信号が割当てられている。アドレス信号は、CPU20、スクラッチRAM21、VDP22、制御回路24に対して入力または出力される。デ-タ信号は、CPU20、スクラッチRAM21、VDP22、制御回路24に対して入力または出力される。制御回路24には外部と通信するための通信コネクタ10が接続される。
【0018】図5にゲームカートリッジのブロック図を示すと、ゲートアレイ31、ROM32、スタティックRAM33がそれぞれアドレスバス、データバスに並列に接続されている。ゲートアレイ31は、CPU20が一度に扱かうことができるメモリの範囲が決まっているためにアドレスバスを通して、ROM32のメモリを分割するバンク切替えを行うのである。ROM32には、本ゲームに必要な各種のプログラムを記憶しており、図8にそのメモリマップを示している。スタティックRAM33は本発明のホットスタートシステムのための複数の記憶領域を持っており、ゲームデータを保存するために用いられる。また、スタティックRAM33をバックアップするために、バッテリー電源34がリセットIC35を介してスタティックRAM33に接続されている。スタティックRAM33では、リセットIC35から電源とコントロール信号を受けている。
【0019】リセットIC35にはテレビゲーム機側からの電源PW(+5V)とバッテリー電源BT(+3V)が入力され、スタティックRAM33にコントロール信号と電源を供給している。リセットIC35はテレビゲーム機側からの電源PWが来ているときには、スタティックRAM33を動作させデータバス間とのデータの読み書きを可能にするコントロール信号をスタティックRAM33のチップセレクト端子に発し、電源PWが切れると直ちにバッテリー電源34に切り替えると共にスタティックRAM33に記録されているデータを保存する信号をコントロール信号としてスタティックRAM33のチップセレクト端子に発する。従ってリセットIC35は入力される電源電圧を監視し検出しスタティックRAM33のモ-ドを切替えるスタティックRAMモード切替素子となっている。」

ウ 段落【0020】-【0022】
「【0020】図6にホットスタートシステムのフローチャートを示し説明する。ここで扱うホットスタートシステムとは、プログラムの実行中に操作者自身が特別な保存操作をしなくてもその時点でのゲーム状況を常に記憶しており、電源切れ等ならんかの理由で正しく実行されずに終わってしまった場合、その時点の状態をメモリの中身(プログラムやデータ)に残したままで、そこから再スタートできることを言う。ここでは特別なセーブコマンド(保存操作)は不要でゲームの主人公が一歩歩くごとに、あるいは1回戦闘を終えるごとに、さらには1回話す毎に自動的に保存操作がされるのである。
【0021】まず、携帯用テレビゲーム機1のカートリッジ差込口9にゲームカートリッジ30を装着し電源スイッチ5を投入し(ステップ1)、携帯用テレビゲ-ム機のCPU20を起動シ、コネクタ28、36を介して携帯用テレビゲーム機1とゲームカートリッジ30との間でゲーム用信号を入出力して液晶表示パネル2に映像を表示する。操作者はスタートボタン6を押して図2のバックアップメニュー画面にして、十字コントロールボタン3を操作しカーソル12を動かし、ゲームデータをバックアップする箇所のゲーム1からゲーム3の何れかに合わせ2ボタン8を押して、ゲームカートリッジのスタティックRAM33に設けたゲーム1からゲーム3までの記憶領域の中からバックアップ箇所を選択する(ステップ2)。
【0022】ゲーム1からゲーム3までの何れかが選択されると、CPU20は選択した記憶領域にゲームデータがバックアップされているかどうかを判断し(ステップ3)、もしゲームデータがバックアップされているならゲームデータをテレビゲーム機1のスクラッチRAM21に読み込む(ステップ4)。逆にゲームデータがないのならスクラッチRAM21のバックアップ対象データ領域を初期化プログラムにより初期化し(ステップ5)、最初からのゲームのスタートに備える。次にCPU20ではスクラッチRAM21のゲームデータを基にして映像データをVDP22にてビデオRAMとの連携で発生させ、制御回路24で画面表示信号にして液晶表示パネルに映像を表示させ、またゲームデータに基づく音データを準備する(ステップ6)。」

上記アーウから、以下の発明(以下「139発明」という。)が、開示されているといえる。

[139発明]
「3a 電源PW(+5V)のモードと、電源PW(+5V)が切れた際に直ちに切り替えられるバッテリー電源(+3V)34のモードとを備える、ゲームカートリッジ30を装着した携帯用テレビゲーム機1であって、バッテリー電源(+3V)34のモードでは、スタティックRAM33のデータを保存するものの、CPU20の動作を停止し、スタティックRAM33とデータバス間とのデータの読み書きも停止し(段落【0015】-【0019】、段落【0021】)、
3b 携帯用テレビゲーム機1の正面に設けられ、操作者によって操作される電源スイッチ、スタートボタン、十字コントロールボタン、1ボタン及び2ボタンを備え(段落【0008】、【図1】)、
3i’ プログラム実行中に、電源切れ等何らかの理由でゲームが正しく実行されずに終わってしまい、携帯用テレビゲーム機1からの電源PW(+5V)が切れた場合に、直ちにバッテリー電源(+3V)34に切り替え(段落【0019】、【0020】)、
3c バッテリー電源(+3V)34が入力されているモード中に、電源スイッチ5が投入されたかを判定し(段落【0021】)、
3d 電源スイッチ5が投入されたことが判定された場合に、携帯用テレビゲーム機1から電源PW(+5V)が入力されて、CPU20を起動し(段落【0021】)、
3e 携帯用テレビゲーム機1から電源PW(+5V)が入力されてCPU20が起動された後、バックアップメニュー画面を液晶表示パネル2に表示し、当該バックアップメニュー画面には、各ゲーム名称が、バックアップ済みのゲームデータでの主人公のレベル(バックアップされたデータがない場合には、「データなし」と表記される。)とともに表示され、カーソルを十字コントロールボタンによって各ゲーム名称の間で移動させることができ(段落【0011】、【0021】、【図2】)、
3f 操作者のバックアップメニュー画面でのボタン操作が、カーソルが何れかのゲーム名称の位置にある場合の2ボタンの押下かについて判定し(段落【0021】)、
3g 操作者のバックアップメニュー画面でのボタン操作が、カーソルが何れかのゲーム名称の位置にある場合の2ボタンの押下と判定された場合に、カーソルの位置のゲーム名称について保存されているゲームデータを基にして液晶表示パネルに映像を表示させると共に、ゲームデータに基づく音データを準備して、電源切断直前の状態を再現する(段落【0022】)、
3h ゲームカートリッジ30を装着した携帯用テレビゲーム機1(段落【0021】)。」

(10) 訂正後発明11と[139発明]との対比
ア 139発明の「携帯用テレビゲーム機1」は、訂正後発明11の「内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機」と「ゲーム機」である点で共通するといえる。

イ 139発明が「携帯用テレビゲーム機1の正面に設けられ、操作者によって操作される電源スイッチ、スタートボタン、十字コントロールボタン、1ボタン及び2ボタンを備え」ることは、訂正後発明11が「そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチ」を備えることに相当する。

よって、訂正後発明11と139発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
「ゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチを備える、ゲーム機。」

<相違点3>
訂正後発明11は、「内部消費電力を抑える省電力モードを備える」ゲーム機に係るものであって、具体的には、
「ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段とを備える」ゲーム機であるのに対して、139発明は、「内部消費電力を抑える省電力モード」を備えておらず、これに伴って、「内部消費電力を抑える省電力モード」に関する「第1の省電力モード移行手段」、「第1の復帰判定手段」、「省電力モード解除手段」、「復帰条件表示手段」、「第2の復帰判定手段」、「ゲーム処理モード復帰手段」、「第2の省電力モード移行手段」を備えていない点。

(11) <相違点3>についての判断
上記「(4)訂正後発明11と[139発明]との対比」記載のとおり、139発明は、そもそも、「内部消費電力を抑える省電力モード」を備えていない。
139発明における、「ゲームカートリッジ30」側に備えられた「バッテリー電源BT」による駆動状態は、テレビゲーム機1からの電源PWが切れた場合であっても、ゲームデータが消失しないように、ゲームカートリッジ30に設けられた「バッテリー電源BT」によってスタティックRAM33にゲームデータを保存可能とした状態にすぎず、テレビゲーム機1としては電力を喪失した状態であるため、再開時にはテレビゲーム機の機能が停止している状態から、電源投入によりテレビゲーム機1を最初から起動し直す必要がある(乙43の【図5】、段落【0018】-【0019】、段落【0021】の「まず、携帯用テレビゲーム機1のカートリッジ差込口9にゲームカートリッジ30を装着し電源スイッチ5を投入し(ステップ1)、携帯用テレビゲ-ム機のCPU20を起動シ、コネクタ28、36を介して携帯用テレビゲーム機1とゲームカートリッジ30との間でゲーム用信号を入出力して液晶表示パネル2に映像を表示する。」の記載を参照。)。
また、139発明において、「テレビゲーム機1」と「ゲームカートリッジ30」は、一貫して別の構成として記載されている(例えば、段落【0021】の「まず、携帯用テレビゲーム機1のカートリッジ差込口9にゲームカートリッジ30を装着し電源スイッチ5を投入し(ステップ1)、携帯用テレビゲ-ム機のCPU20を起動シ、コネクタ28、36を介して携帯用テレビゲーム機1とゲームカートリッジ30との間でゲーム用信号を入出力して液晶表示パネル2に映像を表示する。」の記載を参照。)。
つまり、139発明の上記状態は、ゲーム機の「内部消費電力を抑える省電力モード」すなわち、「省電力モード」に移行する直前に処理されていたゲーム処理モードに復帰させる「第1段目の復帰条件」に一致する信号が「操作スイッチ」から発生したか否かの判定を行うことができるように電力を維持しつつ、ゲーム機が消費する電力を抑えた、いわゆるスリープモードではなく、単にゲーム機の電源がOFFとなった電力喪失状態というべきものである。
したがって、139発明のゲームカートリッジ30側に備えられた「バッテリー電源BT(+3V」)による駆動状態」は、訂正後発明11のようなゲーム機の「内部消費電力を抑える省電力モード」に該当するものではない。
また、一般に、携帯型の情報処理端末装置のプログラム処理中にユーザが操作しない状態が一定時間以上継続したとき処理端末の電源をOFFすることが周知技術であることを示す乙71-乙77(平成31年2月19日付け被告第11準備書面(本件特許権3関連)27ページ13行-28ページ8行を参照。)を考慮しても、上記相違点3の「省電力モード」に係る各構成要素までが周知技術であるとはいえない。
したがって、訂正後発明11は、139発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(12) まとめ
他に、訂正後発明11が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項11に記載された事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機において、当該省電力モードへ移行および当該省電力モードから復帰させるために当該ゲーム機のコンピュータに実行させる省電力モード管理プログラムであって、
前記省電力モード中に、前記ゲーム機に設けられた操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定ステップと、
前記第1の復帰判定ステップで前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除ステップと、
前記省電力モード解除ステップで前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示ステップと、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定ステップと、
前記第2の復帰判定ステップで前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰ステップとを、前記コンピュータに実行させる、省電力モード管理プログラム。
【請求項2】
前記復帰条件表示ステップでは、前記省電力モード解除ステップによって前記省電力モードが解除されたとき、前記第2の操作信号を発生させるための第2の操作手順を前記表示装置に表示させる、請求項1に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項3】
前記第2段目の復帰条件は、前記復帰条件表示ステップで前記表示装置に表示された選択肢から、ユーザが前記省電力モードからの復帰を選択することである、請求項2に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項4】
前記第2段目の復帰条件は、前記復帰条件表示ステップで前記表示装置に表示された複数の前記操作スイッチの組合せに対応する操作信号である、請求項2に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項5】
前記省電力モード解除ステップによって前記省電力モードが解除されてから、所定の時間以内に前記第2の操作信号が発生しないとき、前記省電力モードに再び移行させる省電力モード再移行ステップを、さらに前記コンピュータに実行させる、請求項1ないし4のいずれかに記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項6】
前記第1段目の復帰条件は、前記第1の操作信号が発生している時間が所定の時間以下であることを特徴とする、請求項1に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項7】
前記第1段目の復帰条件は、複数の前記操作スイッチの中から予め設定された組合せの前記操作スイッチからの操作信号であることを特徴とする、請求項1に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項8】
前記省電力モードへの移行するとき、前記第1の操作信号を発生させるための第1の操作手順を前記表示装置に表示する第1の操作手順表示ステップを、さらに前記コンピュータに実行させる、請求項1に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項9】
ゲーム処理モード中に、前記操作スイッチから発生する第3の操作信号が予め設定された第1段目の移行条件と一致すること又は操作信号が一定時間発生していないことに応じて、前記ゲーム処理モードにおけるゲームデータを退避させるゲームデータ退避ステップと、
前記ゲームデータを退避させた後、前記第1の復帰判定ステップから実行開始状態に設定し、その後省電力モードへ移行させる省電力モード移行ステップとを、さらに前記コンピュータに実行させる、請求項1に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項10】
前記第1の復帰判定ステップを実行開始状態に設定する前に、前記省電力モードへの移行をユーザに確認させるための移行ウィンドウを前記表示装置に表示する移行ウィンドウ表示ステップを、さらに前記コンピュータに実行させる、請求項9に記載の省電力モード管理プログラム。
【請求項11】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
ゲーム処理モード中に前記操作スイッチから発生する操作信号が前記省電力モードに移行させるための信号であると判定されたとき、前記省電力モードに移行させる第1の省電力モード移行手段と、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段と、
前記ゲーム処理モード中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、および、前記第2段目の復帰条件の表示中に前記操作スイッチからの入力がない状態が一定時間以上継続したとき、前記省電力モードに移行させる第2の省電力モード移行手段とを備える、ゲーム機。
【請求項12】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記復帰条件表示手段は、前記省電力モード解除手段によって前記省電力モードが解除されたとき、前記第2の操作信号を発生させるための第2の操作手順を前記表示装置に表示する、ゲーム機。
【請求項13】
前記第2段目の復帰条件は、前記復帰条件表示手段で前記表示装置に表示された選択肢から、ユーザが前記省電力モードからの復帰を選択することである、請求項12に記載のゲーム機。
【請求項14】
前記第2段目の復帰条件は、前記復帰条件表示手段で前記表示装置に表示された複数の前記操作スイッチの組合せに対応する操作信号である、請求項12に記載のゲーム機。
【請求項15】
(削除)
【請求項16】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記第1段目の復帰条件は、前記第1の操作信号が発生している時間が所定の時間以下であることを特徴とする、ゲーム機。
【請求項17】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記第1段目の復帰条件は、複数の前記操作スイッチの中から予め設定された組合せの前記操作スイッチからの操作信号であることを特徴とする、ゲーム機。
【請求項18】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
前記省電力モードへの移行するとき、前記第1の操作信号を発生させるための第1の操作手順を前記表示装置に表示する第1の操作手順表示手段をさらに備える、ゲーム機。
【請求項19】
内部消費電力を抑える省電力モードを備えるゲーム機であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記ゲーム機で処理されていたゲーム処理モードに復帰させるゲーム処理モード復帰手段とを備え、
ゲーム処理モード中に、前記操作スイッチから発生する第3の操作信号が予め設定された第1段目の移行条件と一致すること又は操作信号が一定時間発生していないことに応じて、前記ゲーム処理モードにおけるゲームデータを退避させるゲームデータ退避手段と、
前記ゲームデータを退避させた後、前記第1の復帰判定手段から実行開始状態に設定し、その後省電力モードへ移行させる省電力モード移行手段とをさらに備える、ゲーム機。
【請求項20】
前記第1の復帰判定手段を実行開始状態に設定する前に、前記省電力モードへの移行をユーザに確認させるための移行ウィンドウを前記表示装置に表示する移行ウィンドウ表示手段をさらに備える、請求項19に記載のゲーム機。
【請求項21】
内部の消費電力を抑える省電力モードを備えるコンピュータにおいて、当該省電力モードへ移行および当該省電力モードから復帰させるために当該コンピュータに実行させる省電力モード管理プログラムであって、
前記省電力モード中に、前記コンピュータに入力する操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定ステップと、
前記第1の復帰判定ステップで前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除ステップと、 前記省電力モード解除ステップで前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示ステップと、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定ステップと、
前記第2の復帰判定ステップで前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記コンピュータで処理されていた処理モードに復帰させる処理モード復帰ステップとを、前記コンピュータに実行させる、省電力モード管理プログラム。
【請求項22】
内部消費電力を抑える省電力モードを備える電子機器であって、
そのハウジング表面に設けられ、ユーザの操作によって操作信号を発生させる操作スイッチと、
前記省電力モード中に、前記操作スイッチから発生する第1の操作信号が予め設定された第1段目の復帰条件と一致するか判定する第1の復帰判定手段と、
前記第1の復帰判定手段で前記第1の操作信号が前記第1段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードを解除する省電力モード解除手段と、
前記省電力モード解除手段で前記省電力モードが解除された後、第2段目の復帰条件を表示装置に表示する復帰条件表示手段と、
前記操作スイッチから発生する第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致するか判定する第2の復帰判定手段と、
前記第2の復帰判定手段で前記第2の操作信号が前記第2段目の復帰条件と一致すると判定されたとき、前記省電力モードに移行する直前に前記電子機器で処理されていた処理モードに復帰させる処理モード復帰手段とを備える、電子機器。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-05-31 
結審通知日 2019-06-04 
審決日 2019-06-17 
出願番号 特願2001-354811(P2001-354811)
審決分類 P 1 41・ 857- Y (G06F)
P 1 41・ 851- Y (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 安島 智也  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 稲葉 和生
白井 亮
登録日 2007-09-14 
登録番号 特許第4010533号(P4010533)
発明の名称 ゲーム機、電子機器、および省電力モード管理プログラム  
代理人 金本 恵子  
代理人 井上 義隆  
代理人 鈴木 守  
代理人 福原 裕次郎  
代理人 三村 量一  
代理人 鈴木 守  
代理人 三村 量一  
代理人 加藤 真司  
代理人 安井 友章  
代理人 井上 義隆  
代理人 新藤 圭介  
代理人 福原 裕次郎  
代理人 金本 恵子  
代理人 安井 友章  
代理人 加藤 真司  
代理人 新藤 圭介  
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