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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A23F 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A23F |
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管理番号 | 1353449 |
審判番号 | 不服2018-10525 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-08-02 |
確定日 | 2019-07-30 |
事件の表示 | 特願2016-187636「半発酵茶及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月22日出願公開、特開2016-214268、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯の概要 本願は、2007年11月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年11月29日 中国(CN))を国際出願日とする特願2009-538574号の一部を、平成26年9月11日に新たな特許出願とした特願2014-185739号の一部を、平成28年9月26日に新たな特許出願としたものであって、出願後の手続の経緯の概要は次のとおりである。 平成29年 8月22日付け 拒絶理由通知 同年11月28日 意見書・手続補正書の提出 平成30年 3月29日付け 拒絶査定 同年 8月 2日 拒絶査定不服審判の請求・手続補正書の提 出 同年 9月14日受付け 手続補足書の提出 第2 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1?5に係る発明は、平成30年8月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される以下のとおりのもの(以下「本願発明1」等ということがある。)であると認める。 「 【請求項1】 茶青を萎凋する工程と、 前記萎凋した後、前記茶青の縁部分と表面と裏面を含む茶青全体の組織又は全体の組織細胞に傷をつける工程と、 前記傷をつけた茶青を発酵させる工程と、 前記発酵工程において目標発酵度に達したとき、発酵途中の茶青を160℃以上の温度下にて殺青して発酵を中止する工程と、 前記発酵を中止した茶青を乾燥して乾燥茶葉を得る工程とを含み、 前記目標発酵度は、前記乾燥茶葉の重量に対して、前記乾燥茶葉に含有されるテアフラビンとテアルビジンとテアブラウンの総量が11.2重量%?23.1重量%になるようにすることを特徴とする、全発酵茶である紅茶を除く、半発酵茶の製造方法。 【請求項2】 前記発酵の時間が、10分?5時間である、請求項1記載の半発酵茶の製造方法。 【請求項3】 前記目標発酵度は、前記茶青のカテキン転化率が41.61%?84.8%になるようにする、請求項1又は2記載の半発酵茶の製造方法。 【請求項4】 前記茶青全体の組織又は全体の組織細胞に傷をつける工程は、深度搖青、揉捻、破砕の何れかを含む方法を用いて行う、請求項1?3の何れかに記載の半発酵茶の製造方法。 【請求項5】 前記茶青全体の組織又は全体の組織細胞に傷をつける工程は、前記茶青を破砕し、該破砕した茶青の破片の面積が2cm^(2)以下となるように行う、請求項1?4の何れかに記載の半発酵茶の製造方法。」 第3 原査定の拒絶理由の概要 原査定の拒絶理由は、理由1及び2からなるものであり、その概要は、それぞれ以下のとおりである。 理由1:この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 理由1について、具体的には、拒絶理由通知において、[2]として請求項1-8が指摘され、拒絶査定において、次の指摘がされている。 「・請求項 1-7 上記拒絶理由通知書(理由1[2]参照)において述べたように、請求項1に係る発明には、「半発酵茶」の製造方法が記載されているが、「半発酵茶」について、本願明細書の段落【0024】には、「本明細書中の半発酵茶とは、紅茶と烏龍茶のような発酵を施した茶葉、或いはこれらの茶葉を破砕した砕茶をいうだけではなく、ある程度の発酵をした茶葉または砕茶を含む。すなわち、伝統の烏龍茶より高いが、伝統の紅茶より低い非全発酵茶をも含む。」旨、段落【0025】には、「本発明の半発酵茶は、必ずしもカテキン類の物質の転化率(含有量の減少率)が丁度50%とは限らない。発酵度の低い物から高発酵度まで、例えばカテキンの転化率が5%から95%までの範囲の物をいう。ただし本発明の半発酵茶はカテキン類物質の転化率は100%ではない。」旨記載されており、上記記載からみて、請求項1に係る発明の「半発酵茶」は全発酵茶も包含しうるものと解される。また、紅茶にもカテキン類が含まれることは明らかであるから、カテキン類物質の転化率が100%でないことをもって区別することもできない。 したがって、請求項1に係る発明の範囲が不明確である。」 理由2:この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 理由2について、拒絶理由通知において、請求項1?10に係る発明に対し、引用文献等1?10が挙げられ、拒絶査定において、請求項1?7に係る発明に対し、引用文献等1、3?10が挙げられ、請求項8、9に係る発明に対し、引用文献等1?10が挙げられている。 また、拒絶理由通知において、「引用文献1に記載の上記ウーロン茶は、引用文献3、4に記載(引用文献3:【0004】、引用文献4:第2頁右上欄第11行-左下欄第15行)のような、摘採した茶葉(茶青)を萎凋、揺青、殺青及び乾燥する一般的な工程により、茶葉の外周に傷を付け、発酵して製造されたものと解される」との指摘がされている。 引用文献等1?10は以下のとおりである。 1.東京衛研年報 (1998) Vol.49, pp.135-143 2.特表2001-504704号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2006-217803号公報(周知技術を示す文献) 4.特開平3-206843号公報(周知技術を示す文献) 5.特開2004-141056号公報(周知技術を示す文献) 6.特開2001-335701号公報(周知技術を示す文献) 7.化学と生物(1994), Vol.32, No.3, pp.185-189(周知技術を示す文献) 8.化学と生物(1994), Vol.32, No.3, pp.181-185(周知技術を示す文献) 9.国際公開第2006/048122号(周知技術を示す文献) 10.「台湾烏龍茶の発酵現場潜入!花のような香りはこうして作られる」、お茶の専門店HOJO、[online]、2006年11月14日掲載 [2015年12月2日検索]、インターネット<URL:http://hojotea.com/jp/posts-218/> 以下では、引用文献等1?9を、それぞれ、「刊行物1?9」と、引用文献等10を、「電子的技術情報10」いう。 第4 当審の判断 1 理由1について 原査定の理由は、本願明細書の【0024】及び【0025】の記載からみて、請求項1に係る発明の「半発酵茶」は全発酵茶も包含しうるものと解されるというものであるところ、【0024】に記載された紅茶については、平成30年8月2日付け(審判請求時)の手続補正により、請求項1に記載の「半発酵茶の製造方法」に「全発酵茶である紅茶を除く」との発明特定事項が追加されることにより、請求項1に記載の「半発酵茶」に紅茶が含まれないことが明らかとなり、また、【0025】の記載をみても、請求項1に記載の「半発酵茶」に「全発酵茶」が包含し得るという理由はなく、請求項1に記載の「半発酵茶」に「全発酵茶」が含まれないことは明らかである。 したがって、この点において、本願発明1が明確でないとはいえない。 本願発明2?5についても同様である。 2 理由2について (1)刊行物の記載事項 刊行物1、3、4には、次の事項が記載されている。 刊行物1: 1a)「茶葉及び茶飲料中のカテキン類、メチルキサンチン類及びアスコルビン酸の分析」(135頁表題) 1b)「緒言 近年,緑茶中に含まれるカテキン類に虫歯予防,酸化防止,癌予防,抗菌作用等の効果があることが報告されており^(1)),その機能性が大いに注目されたことから,縁茶の消費量が増加している.このようなことから,通常茶を浸出して飲用する他に,手軽に飲める清涼飲料水としての缶入り茶飲料の消費が増大している. しかしながら,市販の茶飲料においては,製造工程あるいは流通過程でカテキン類が異性化したり,また,酸化等によってカテキン類そのものが減衰する可能性がある.したがって,その機能性の変化あるいは低下が予想される.一方,茶中には覚醒,利尿作用を持つカフェイン等のメチルキサンチン類も含まれており,茶飲料の摂取量の増加に伴うメチルキサンチン類の摂取量の増加も懸念される. しかし,市販茶飲料中のカテキン類及びメチルキサンチン類についての調査報告例は少なく,その中で調査対象となったカテキン類も,カテキン,エピカテキン,エピカテキンガレート,エピガロカテキン,エピガロカテキンガレートの5種と少ない^(2,3)).また,茶葉中のカテキン類の含有量についても,これら5種のカテキン類の分析が中心であり^(3)),それ以外のカテキン類を含めた調査例は極めて少ない^(4)). そこで,缶入り茶飲料については品質評価の観点からカテキン類8種,メチルキサンチン類3種及びアスコルビン酸についての含有量調査を行うことにした.また,茶葉及びその浸出液についてもそれらの含有量を測定し,各成分の組成を明らかにするとともに,市販の缶入り茶飲料との比較を行った. なお、分析は緑茶カテキン類の主要構成成分であり,B環の立体配置が2Rであるエピカテキン(EC),エピカテキンガレート(ECG),エピガロカテキン(EGC),エピガロカテキンガレート(EGCG)及びそれらの各異性体でB環の立体配置が2Sであるカテキン(C),カテキンガレート(CG),ガロカテキン(GC),ガロカテキンガレート(GCG)の合計8種のカテキン類(Fig.1),メチルキサンチン類の中からカフェイン(CF),テオブロミン(TB),テオフィリン(TP)の3種及びL-アスコルビン酸(AA)を対象に含有量の調査を行った.」(135頁左欄下から4行?136頁右欄3行) 1c)「実験方法 ・・・ 4.茶葉の浸出条件 四訂日本食品標準成分表^(5))の茶浸出液の調製法に従い,以下のように行った. 煎茶:・・・ 番茶,ほうじ茶,ウーロン茶:茶菓l5gを90℃の湯650mlで0.5分間浸出した.」(136右欄4行?137頁左欄22行) 1d)「結果及び考察 ・・・ 2.茶葉中の含有量について 茶葉中の各成分の分析結果をTable 1に示した.」(137頁右欄21行?139頁左欄10行) 1e)「 」(140頁) 刊行物3: 3a)「【0004】 「ウーロン茶」の場合、緑茶にはない発酵工程(「天日萎凋」及び「室内萎凋」工程)を一旦経た後、加熱処理(「殺青」工程)し酸化酵素の不活性化を図る。その後揉捻を行い、穏やかな乾燥と包揉を複数回繰り返す(「包揉」は、緑茶の場合の「葉打」「粗揉」「揉捻」「中揉」及び「精揉」工程に相当するが、緑茶の場合にはこれらが乾燥させながらの工程であるのに対し、ウーロン茶の場合には乾燥工程が独立しているのが一般的である)。」 刊行物4: 4a)「最初に摘採した茶葉を日光により約20分間萎凋する。次に、日光萎凋した茶葉を室内で4?6時間萎凋する。この状態では茶葉の重量が95?97%になる。 次に、室内萎凋を終了した茶葉を揺青機により20分揺青して茶葉の外周に傷を付け、茶葉の香りを高める処理を行う。 その後、殺青機に茶葉を入れて、約350℃の温度で3分間加熱して、殺青処理を行う。 この工程では茶葉が緑色からやや茶褐色となるが、茶葉の酸化酵素の作用を抑制して緑の成分が残存するようにする。 さらに、殺青処理した茶葉は揉捻機により揉捻する。 次いで中揉機により約70?100℃の温度で、20?30分間加熱しながら回転して中捻し茶葉中の真水を抜きながら、茶葉が団子状になるのを防ぐ。 さらに、精揉機により約100?150℃の温度で、約30?40分間、加熱しながら回転して精揉処理する。この工程は茶葉の形態を青柳茶の形態のように整える。 その後、約100?110℃の温度で、約15?20分間、加熱して乾燥する。この乾燥終了時には、茶葉の重量は25%となる。」(2頁右上欄11行?左下欄15行) (2)刊行物1に記載された発明 刊行物1には、茶葉及び茶飲料中のカテキン類、メチルキサンチン類及びアスコルビン酸の分析についての記載があるところ(摘示1a)、茶葉中のカテキン類等の含有量について、具体的に分析した結果の記載がある(摘示1b?1e)。 そして、摘示1eのTable 1には、烏龍茶の茶葉の分析結果として、mg/gの単位で、Cが1.4、ECが2.4、GCが4.1、EGCが7.0、GCGが1.3、EGCGが17、CGが<1.0、ECGが5.1、総カテキン量が39、CFが22、TBが1.1、AAが<0.1である烏龍茶、Cが<1.0、ECが2.8、GCが3.1、EGCが8.9、GCGが(-)、EGCGが25、CGが(-)、ECGが6.1、総カテキン量が46、CFが25、TBが1.2、AAが(-)である烏龍茶、及び、Cが<1.0、ECが2.4、GCが(-)、EGCが6.5、GCGが(-)、EGCGが18、CGが(-)、ECGが6.0、総カテキン量が33、CFが30、TBが2.2、AAが0.2である烏龍茶が記載されている(なお、Table 1には、「ECGC」と記載されているが、刊行物1全体の記載からみて、「EGCG」の誤記と認められる。また、(-)は分析において検出されなかったことを意味すると解される。)。 したがって、刊行物1には、 「烏龍茶であって、カテキン(C)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、エピガロカテキン(EGC)、ガロカテキンガレート(GCG)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、カテキンガレート(CG)、エピカテキンガレート(ECG)、総カテキン量、カフェイン(CF)、テオブロミン(TB)、及びL-アスコルビン酸(AA)を、それぞれ、mg/gの単位で、(1)Cが1.4、ECが2.4、GCが4.1、EGCが7.0、GCGが1.3、EGCGが17、CGが<1.0、ECGが5.1、総カテキン量が39、CFが22、TBが1.1、AAが<0.1、(2)Cが<1.0、ECが2.8、GCが3.1、EGCが8.9、GCGが(-)、EGCGが25、CGが(-)、ECGが6.1、総カテキン量が46、CFが25、TBが1.2、AAが(-)、又は(3)Cが<1.0、ECが2.4、GCが(-)、EGCが6.5、GCGが(-)、EGCGが18、CGが(-)、ECGが6.0、総カテキン量が33、CFが30、TBが2.2、AAが0.2の含有量で含む烏龍茶」の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認める。 (3)対比・判断 ア 本願発明1について 本願発明1と刊行物1発明とを対比する。 刊行物1発明の「烏龍茶」は本願発明1の「全発酵茶である紅茶を除く、半発酵茶」に相当する。 してみると、本願発明1と刊行物1発明とは、「全発酵茶である紅茶を除く、半発酵茶」に関するものである点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 本願発明1は当該茶の製造方法の発明であり、当該製造方法として、 「茶青を萎凋する工程と、 前記萎凋した後、前記茶青の縁部分と表面と裏面を含む茶青全体の組織又は全体の組織細胞に傷をつける工程と、 前記傷をつけた茶青を発酵させる工程と、 前記発酵工程において目標発酵度に達したとき、発酵途中の茶青を160℃以上の温度下にて殺青して発酵を中止する工程と、 前記発酵を中止した茶青を乾燥して乾燥茶葉を得る工程とを含み、 前記目標発酵度は、前記乾燥茶葉の重量に対して、前記乾燥茶葉に含有されるテアフラビンとテアルビジンとテアブラウンの総量が11.2重量%?23.1重量%になるようにすることを特徴とする」ことを特定しているのに対し、刊行物1発明は当該茶の製造方法が特定されていない点 上記相違点について検討するに、刊行物1には、刊行物1発明の烏龍茶の製造方法についての記載はない。 刊行物3、4には、烏龍茶、茶葉の製造方法に関する記載があるが(摘示3a、4a)、刊行物1発明の烏龍茶が刊行物3、4に記載の製造方法で製造されたとする技術的根拠は存在しない。 仮に、当該烏龍茶が、刊行物3、4に記載の製造方法又は摘採した茶葉(茶青)を萎凋、揺青、殺青及び乾燥する一般的な工程により製造されたものであったとしても、刊行物3、4には、「萎凋した後、前記茶青の縁部分と表面と裏面を含む茶青全体の組織又は全体の組織細胞に傷をつける工程」、「発酵工程において目標発酵度に達したとき、発酵途中の茶青を160℃以上の温度下にて殺青して発酵を中止する工程」、「目標発酵度は、前記乾燥茶葉の重量に対して、前記乾燥茶葉に含有されるテアフラビンとテアルビジンとテアブラウンの総量が11.2重量%?23.1重量%になるようにすること」については記載も示唆もされておらず、これらの点は、刊行物5?9、電子的技術情報10のいずれにも、記載も示唆もされていない。また、これらの点が本願優先日における技術常識であるといえる根拠も見出せない。 してみると、本願発明1は、刊行物1、3?9に記載された発明、電子的技術情報10に係る発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 イ 本願発明2?5について 本願発明2?5はいずれも本願発明1を引用するものであって、本願発明1の発明特定事項を有するものであるから、本願発明1が、刊行物1、3?9に記載された発明、電子的技術情報10に係る発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできない以上、本願発明2?5も、刊行物1、3?9に記載された発明、電子的技術情報10に係る発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 なお、原査定の拒絶理由の対象となった請求項8、9は平成30年8月2日付け(審判請求時)の手続補正により削除されている。また、拒絶査定において、引用文献11(中国特許出願公開第1525821号明細書)に記載された発明に基づく請求項1?7に係る発明についての新規性・進歩性の拒絶理由の指摘があるが、引用文献11にはもっぱら紅茶に関する発明が記載されており、本願発明1?5は、全発酵茶である紅茶を除く、半発酵茶に関するものであって、本願優先日における技術常識に照らして、引用文献11に記載された技術的事項が本願発明1?5にいう半発酵茶にも適用できるとはいえないから、引用文献11に記載された発明に基づく新規性・進歩性の拒絶理由が存在するとはいえない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に適合しないから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていないとすることはできず、また、本願発明1?5は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることもできない。 したがって、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-07-16 |
出願番号 | 特願2016-187636(P2016-187636) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(A23F)
P 1 8・ 537- WY (A23F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤澤 雅樹 |
特許庁審判長 |
村上 騎見高 |
特許庁審判官 |
関 美祝 冨永 保 |
発明の名称 | 半発酵茶及びその製造方法 |
代理人 | 松井 茂 |
代理人 | 宮尾 武孝 |