• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 B21C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B21C
管理番号 1353643
審判番号 不服2018-12426  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-18 
確定日 2019-08-06 
事件の表示 特願2014-235067「鋼帯巻取装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年5月30日出願公開、特開2016-97422、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成26年11月19日の出願であって、その主な手続の経緯は、以下のとおりである。
平成30年 4月 3日付け:拒絶理由通知
同 年 6月 4日 :意見書及び手続補正書の提出
同 年 6月15日付け:拒絶査定
同 年 9月18日 :審判請求と同時に手続補正書の提出
同 年 10月22日 :前置報告

第2.原査定の概要
原査定(平成30年6月15日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。

理由1.(新規性)平成30年6月4日の手続補正書により補正された請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1の発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2.(進歩性)平成30年6月4日の手続補正書により補正された請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2006-281248号公報

第3.本願発明
本願請求項1及び請求項2に係る発明(以下、「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成30年9月18日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
走行する鋼帯を巻き取る鋼帯巻取装置であって、
鋼帯の幅方向に沿って移動可能に構成された鋼帯を巻き取る巻取機と、
鋼帯を上下から挟み込む一対のピンチロールと、
前記一対のピンチロールの上流側に設けられ、鋼帯を幅方向外側から挟み込むように配置された少なくとも一対のサイドガイドと、
各サイドガイドを幅方向に沿って互いに独立して移動させるガイド移動機構と、
前記一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるように前記ガイド移動機構を制御する制御モードと、鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御モードとを有する制御装置と、を備えた、鋼帯巻取装置。
【請求項2】
鋼帯の幅方向の両エッジ位置を検知するエッジセンサーが設けられ、
前記制御装置は、前記エッジセンサーから得られる鋼帯のエッジ位置情報、又は、鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報に基づいて、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する、請求項1に記載の鋼帯巻取装置。」

第4.引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面(【図1】及び【図2】を参照。)とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである。

ア.「【0002】
従来、鋼板処理設備においてコイルの端面の巻きずれを小さくするため、EPC(Edge Position Control:端部位置検出)設備といわれる、巻き取り装置の入り側で金属ストリップの端部の位置をセンサーによって把握し、その位置に合わせるように巻き取り装置を金属ストリップの幅方向にシフトさせている。この方法は、巻き取りの張力が十分であり、巻き取り装置の入側に設置されるデフレクターロールにおいて金属ストリップの幅方向の摩擦力が十分であるときには有効である。しかし、連続鋼板処理設備においてはコイルが十分な大きさになり、巻き取り軸を交換する必要が生じた場合には、金属ストリップを剪断装置によって剪断するが、この場合には、巻き取り張力がほとんどなくなるために、EPC装置による金属ストリップエッジの正確な認識ができず、巻き乱れを制御することができない。その結果、コイルの最終数巻きにおいて、巻き乱れが生じる。このような巻き乱れを防止し、巻き取り精度を向上させる方法として、以下のような方法が提案されていた。」

イ.「【0008】
本発明は、剪断装置による剪断後の巻き取り張力がほとんどない金属ストリップを、金属ストリップエッジの傷発生およびコイルの巻き乱れなく案内できる、鋼板製造設備の巻き取り装置におけるサイドガイドを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明に係るサイドガイドは、金属ストリップを連続通板する鋼板製造設備の巻き取り装置において、巻き取り装置と剪断装置との間に設置するデフレクターロールと前記剪断装置との間に、1対の小径縦ロールを金属ストリップ幅方向に拡縮可能に設け、金属ストリップ剪断時点から金属ストリップ尾端が前記小径縦ロールを通過する迄の間、前記小径縦ロールにより金属ストリップ両端を案内することを特徴とする。」

ウ.「【0016】
また、本発明に係る鋼板製造設備の巻き取り装置におけるサイドガイドで、巻き取り装置コイル端面の巻きずれ防止の制御に用いるエッジ検出センサーと小径縦ロール位置制御に用いるエッジ検出センサーとを共用すれば、設備費がそれだけ節約できる。」

エ.「【0019】
図1は、本発明に係る鋼板製造設備の巻き取り装置の全体概念図である。この図に示すように、従来は、連続的に通板された金属ストリップ1は、出側に設けられた剪断装置2によって尾端が剪断された後、デフレクターロール7とストリップ上面に接触するストリップ押さえのためのピンチロール8により案内され、無張力、無蛇行制御状態で巻き取り装置によりコイル11状に巻き取られる(図1には、カローゼルタイプの巻き取り装置にて巻き取る様子を示す。)。移送ラインが連続ラインの場合においては、ライン出側には、通常、2つの巻き取り軸13(あるいは2台の巻き取り機)が設置されていて、先行する金属ストリップが1方の巻き取り軸14aで巻き取られ、後行の金属ストリップは他方の巻き取り軸14bにて巻き取りを開始するようになっている。また、剪断装置2で剪断される金属ストリップ1はスクラップ処理設備4のテーブル5が下降しているため、一旦テーブル5上に落下し、引き上げられる。このような動きの中で金属ストリップ1の蛇行が発生し、コイル11の巻きずれの原因となってしまう。
【0020】
本発明においては、上記工程の中で、巻き取り装置13と剪断装置2との間に設置するデフレクターロール7と前記剪断装置2との間に、1対の小径縦ロール15を金属ストリップ1幅方向に拡縮可能に設ける。剪断に伴い金属ストリップ1が、スクラップ処理設備4の下降しているテーブル5に落下し、その後引き上げられるが、この際金属ストリップ1を幅方向で案内するので、コイル11の巻きずれを効果的に抑えることが出来る。
【0021】
また、サイドガイド3を金属ストリップ1の尾端が通過した後はサイドガイド3の効果はなくなるが、その位置から巻き取り軸14a迄の距離は小さく、またマグネットを内蔵したコンベア9でガイドするため、蛇行は発生しない。
【0022】
図2は、本発明に係るサイドガイド3の詳細図である。本発明では、金属ストリップ1の両端を1対の小径縦ロール15でガイドする。1対の小径縦ロール15は、金属ストリップ1の剪断前は、金属ストリップ1と接しない位置に退避させておき、剪断直前に金属ストリップ1の両端部に移動させる。スライドガイドレール18上の小径縦ロール15は、空圧シリンダ17により、退避位置と金属ストリップ1の両端部位置間を移動する。空圧シリンダ17を使用することで、移動・退避動作が短時間で行えると共に、金属ストリップ1と小径縦ロール15との接触時に金属ストリップ1の端部に加わる力を調整できる。
【0023】
金属ストリップ1剪断時点から金属ストリップ1尾端が前記小径縦ロール15を通過する迄の間、1対の小径縦ロール15で金属ストリップ1を案内する。EPCセンサー6で確認する金属ストリップ1の端面位置に小径縦ロール15を移動させるため、本発明では、上記小径縦ロール15、スライドガイドレール18および空圧シリンダ17等からなる退避機構を拡縮テーブル20上に積載している。そして、拡縮テーブル20は、拡縮用スライドガイドレール19上を小径縦ロール拡縮用モータ16の駆動により、プーリ21、タイミングベルト22および図示しないボールスクリュー・ナットを介して、金属ストリップ1の端面位置に移動する。この時、金属ストリップ1端面と小径縦ロール15は、金属ストリップ1の端面を傷付けないように数mm控えてセットする。この金属ストリップ1端面と小径縦ロール15との間隔23は、剪断装置2での剪断時の金属ストリップ1の上下挙動等を見て決定するが、1?2mmとする。」

(2)引用文献1に記載された技術的事項
これらの記載事項から、引用文献1には,以下のア.の技術的事項が記載されているということができる。
ア.段落【0016】の「巻き取り装置コイル端面の巻きずれ防止の制御に用いるエッジ検出センサー」との記載、及び段落【0002】の「巻き取り装置の入り側で金属ストリップの端部の位置をセンサーによって把握し、その位置に合わせるように巻き取り装置を金属ストリップの幅方向にシフトさせている。」との記載によれば、金属ストリップを巻き取る巻き取り装置は、金属ストリップの幅方向に沿って移動可能に構成されていることが理解できる。

イ.段落【0016】の「小径縦ロール位置制御に用いるエッジ検出センサー」との記載、及び段落【0023】の「金属ストリップ1剪断時点から金属ストリップ1尾端が前記小径縦ロール15を通過する迄の間、1対の小径縦ロール15で金属ストリップ1を案内する。EPCセンサー6で確認する金属ストリップ1の端面位置に小径縦ロール15を移動させるため、本発明では、上記小径縦ロール15、スライドガイドレール18および空圧シリンダ17等からなる退避機構を拡縮テーブル20上に積載している。そして、拡縮テーブル20は、拡縮用スライドガイドレール19上を小径縦ロール拡縮用モータ16の駆動により、プーリ21、タイミングベルト22および図示しないボールスクリュー・ナットを介して、金属ストリップ1の端面位置に移動する。」との記載によれば、金属ストリップ1尾端において、金属ストリップ1を幅方向に案内するように前記空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16を制御することが理解できる。

(3)引用発明
上記(1)の記載事項及び上記(2)の技術的事項を整理すると,引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。

「走行する金属ストリップを巻き取る鋼板製造設備の巻き取り装置であって、
金属ストリップの幅方向に沿って移動可能に構成された金属ストリップを巻き取る巻き取り装置13と、
金属ストリップを上下から挟み込むデフレクターロール7及びピンチロール8と、
前記デフレクターロール7及びピンチロール8の上流側に設けられ、金属ストリップを幅方向外側から挟み込むように配置された一対のサイドガイド3と、
各サイドガイド3を幅方向に沿って互いに独立して移動させる空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16と、
金属ストリップ尾端において幅方向に案内するように前記空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16を制御する制御装置と、を備えた、鋼板製造設備の巻き取り装置。」 (以下「引用発明」という。)

2.その他の文献について
(1)引用文献2について
前置報告書において引用された 特開2006-61934号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面(特に【図1】、【図2】、【図6】を参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献2に記載された技術的事項」という。)。
ア.「【0021】
サイドガイド1は、図6に示すように、鋼帯5の両側をガイドする1対の板状のガイド部材1a、1bと、この各ガイド部材1a、1bを保持するガイド部材保持体8a、8bと、このガイド部材保持体8a、8bをサイドガイド幅方向に移動させるための駆動機構11と、ガイド部材1a、1bをガイド部材保持体8a、8bに対して保持し、ガイド部材1a、1bをセンタリング位置に移動させるための駆動シリンダー7a、7bとを有している。
【0022】
ここで、センタリング位置とは、鋼帯5の幅をWとした時に、圧延ラインの幅方向中心から、それぞれW/2の距離離れた位置のことであり、鋼帯5の幅変動等を考慮したクリアランスを設けてW/2+α(α=0?3mm)としてもよい。また、ガイド部材1a、1bをセンタリング位置に移動させるとは、鋼帯5の幅端部が通過する位置である前記センタリング位置にガイド部材1a、1bの前面を位置させることである。
【0023】
ガイド部材1a、1bは、ガイド部材保持体8a、8bに対して保持され、ガイド部材保持体8a、8bに固定された駆動シリンダー7a、7bによりそれぞれ独立にセンタリング位置に移動させられる。」

第5.対比及び判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「金属ストリップ」は、その構造及び機能からみて、本願発明1の「鋼帯」に相当し、以下、同様に、「鋼板製造設備の巻き取り装置」は「鋼帯巻取装置」に、「巻き取り装置13」は「巻取機」に、「デフレクターロール7及びピンチロール8」は「一対のピンチロール」に、「サイドガイド3」は「サイドガイド」に、「空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16」は「ガイド移動機構」に、それぞれ相当する。
また、引用発明の「金属ストリップ尾端において幅方向に案内する」ことは、本願発明1の「鋼帯尾端において幅方向を拘束する」ことに相当する。

よって、本願発明1と引用発明は、次の点で一致及び相違する。

<一致点>
「走行する鋼帯を巻き取る鋼帯巻取装置であって、
鋼帯の幅方向に沿って移動可能に構成された鋼帯を巻き取る巻取機と、
鋼帯を上下から挟み込む一対のピンチロールと、
前記一対のピンチロールの上流側に設けられ、鋼帯を幅方向外側から挟み込むように配置された一対のサイドガイドと、
各サイドガイドを幅方向に沿って互いに独立して移動させるガイド移動機構と、
鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御装置と、を備えた、鋼帯巻取装置。」

<相違点>
本願発明1は、「制御装置」が、「一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるように前記ガイド移動機構を制御する制御モード」と、「鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御モード」の2種類のモードを有するの対し、引用発明では、「制御装置」が、「一対のサイドガイド3(本願発明1の「サイドガイド」に相当。)の中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイド3を移動させるように前記空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16を制御する制御モード」を有しておらず、また、金属ストリップ(本願発明1の「鋼帯」に相当。)尾端において幅方向に案内する(本願発明1の「幅方向を拘束する」に相当。)ように前記空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16(本願発明1の「ガイド移動機構」に相当。)を制御するものの、前記空圧シリンダ17及び小径縦ロール拡縮用モータ16の制御を、金属ストリップ幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づいて行うものではない点。

(2)相違点についての判断
相違点について検討するに、引用文献2には、「一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるようにガイド移動機構を制御する」ことが記載されているとはいえるものの「ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報」を用いる点に関する記載はないから、結局のところ「一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるように前記ガイド移動機構を制御する制御モードと、鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御モードとを有する制御装置」を有する点は引用文献2には記載も示唆もないと認められる。
これに対して、本願発明1は、発明特定事項で「鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する」とされており、この点に関し、本願明細書の段落【0039】によれば、オートワイドセンサー3により鋼帯Sのエッジ位置を推定できることにより、巻取装置1への投資コストを抑えることができるという効果を奏するものである。
以上のとおり、引用文献1及び引用文献2には、「一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるように前記ガイド移動機構を制御する制御モードと、鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御モードとを有する制御装置」は記載も示唆もないから、相違点に係る本願発明1の発明特定事項が、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて,当業者が容易に想到できる事項であるとはいえない。

(3)小活
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて,当業者が容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を直接的に引用するものであって、本願発明1の発明特定事項を全て有するから、上記1.(2)に示す理由と同様の理由により、本願発明2は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。

第6.原査定について
1.理由1及び理由2について
本願発明1及び本願発明2の鋼帯巻取装置は、「一対のサイドガイドの中心軸間距離の中点がラインセンターを通るように各サイドガイドを移動させるように前記ガイド移動機構を制御する制御モードと、鋼帯幅情報と前記ラインセンターからの鋼帯幅方向偏差量情報から算出した幅方向の両エッジ位置に基づき、鋼帯尾端において幅方向を拘束するように前記ガイド移動機構を制御する制御モードとを有する制御装置」を有するものであるが、この点は、引用文献1には記載も示唆もされていない。
したがって、本願発明1及び本願発明2は、原査定における引用文献1に記載された発明ではなく、また、本願発明1及び本願発明2は、当業者であっても、原査定における引用文献1に基いて容易に発明できたものでないから、原査定を維持することはできない。

第7.むすび
以上のとおり、原査定の拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-22 
出願番号 特願2014-235067(P2014-235067)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (B21C)
P 1 8・ 121- WY (B21C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 酒井 英夫  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 青木 良憲
中川 隆司
発明の名称 鋼帯巻取装置  
代理人 金本 哲男  
代理人 萩原 康司  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ