• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1353739
審判番号 不服2018-4050  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-23 
確定日 2019-07-22 
事件の表示 特願2014-518031「2つのビーム形成器段を用いる2次元超音波診断撮像システム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月 3日国際公開、WO2013/001484、平成26年 7月28日国内公表、特表2014-518124〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2012年6月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年6月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年5月20日に手続補正書が提出され、平成28年4月20日付けで拒絶理由が通知され、同年7月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月20日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成29年6月20日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月21日付けで同年6月20日になされた手続補正の補正の却下の決定がなされるとともに、同日付けで拒絶査定がなされた。
本件は、これに対して、平成30年3月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、本願の特許請求の範囲の請求項1は、本件補正前の(平成28年7月25日になされた手続補正により補正された)特許請求の範囲の請求項1である、
「 【請求項1】
2D撮像プローブのファミリーを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、
異なる臨床応用に関する複数の2D撮像プローブであって、各2D撮像プローブが、アレイトランスデューサ、及び前記アレイトランスデューサの要素に結合される1つ又は複数の同じマイクロビーム形成器を有し、前記1つ又は複数のマイクロビーム形成器が、4から16までの部分的にビーム形成される受信信号をそれぞれ生成する、複数の2D撮像プローブと、
前記部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるため、前記プローブのそれぞれに結合されるプローブケーブルと、
前記メインフレーム超音波システムに結合されるよう構成される各ケーブルの端にあるプローブコネクタと
を有し、
前記メインフレーム超音波システムが、
プローブケーブルにより係合するよう構成される嵌合コネクタと、
プローブ選択信号が適用されるマルチプレクサと、
前記プローブ選択信号によって選択される前記プローブの前記嵌合コネクタからの信号を受信するよう構成されるビーム形成器であって、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記選択されるプローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4?16チャネルを持つ、ビーム形成器と、
前記完全にビーム形成される受信信号に応答する画像プロセッサと、
前記画像プロセッサに結合されるディスプレイと
を持つ、超音波診断システム。」
から、次のように補正されたものと認める。
「 【請求項1】
2D撮像プローブのファミリーを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、
異なる臨床応用に関する複数の異なる2D撮像プローブであって、前記異なる2D撮像プローブの各々が、異なるアレイトランスデューサ構成のアレイトランスデューサ、及び同じマイクロビーム形成器アーキテクチャのマイクロビーム形成器を有し、前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され、各々のプローブにおける前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をそれぞれ生成する、複数の異なる2D撮像プローブと、
前記プローブの各々に結合される複数のプローブケーブルであって、前記プローブケーブルの各々は、前記4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるように構成される4から12までの導体を有する、プローブケーブルと、
前記複数のプローブケーブルを前記メインフレーム超音波システムに結合するよう構成される各ケーブルの端にある複数のプローブコネクタと
を有し、
前記メインフレーム超音波システムが、
前記複数のプローブケーブルにより係合されて前記複数の異なる2D撮像プローブを前記メインフレーム超音波システムに同時に結合するよう構成される複数の嵌合コネクタと、
プローブ選択信号が適用されるマルチプレクサと、
前記複数の異なる2D撮像プローブにおける前記同じマイクロビーム形成器アーキテクチャの前記マイクロビーム形成器と通信するように前記複数の嵌合コネクタに結合されるビーム形成器であって、前記ビーム形成器は、前記複数の異なる2D撮像プローブの何れか一つに関連する前記4から12までの部分的にビーム形成される信号を受信するように構成され、前記ビーム形成器は、前記プローブ選択信号によって選択される前記プローブの前記嵌合コネクタからの信号を受信するよう構成され、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記選択されるプローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4から8までのチャネルを持ち、最も外側の要素のグループに対応する、前記部分的にビーム形成される信号経路は一緒に接続されることが可能である、ビーム形成器と、
前記完全にビーム形成される受信信号に応答する画像プロセッサと、
前記画像プロセッサに結合されるディスプレイと
を持つ、超音波診断システム。」
(下線は、請求人が付したものである。)

2 補正の目的
本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項1の、「2D撮像プローブ」、「プローブケーブル」、「プローブコネクタ」、「嵌合コネクタ」及び「ビーム形成器」の構成を限定する記載が追加されたものであるから、本件補正の請求項1についての補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するか否か)について、以下に検討する。

3 本願補正発明
本願補正発明は、本件補正後の請求項1に記載された事項(上記「1」で、本件補正後の請求項1として記載した事項)により特定されるものと認められる。

4 引用刊行物
(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、米国特許第6491634号明細書(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付したものである。)

ア 「TECHNICAL FIELD
The present invention relates generally to ultrasound imaging systems, and, more particularly, to a sub-beamforming apparatus for use in a portable ultrasound imaging system having a one-dimensional transducer array.」
(当審訳)
発明が属する技術分野
本発明は概して超音波撮像システムに関し、より詳細には、1次元トランスデューサアレイを有する携帯型超音波撮像システムに使用するためのサブビーム形成装置に関するものである。

イ 「BACKGROUND OF THE INVENTION
Ultrasound imaging systems have been available for quite some time and are commonly used in nondestructive testing and medical applications. Medical ultrasound imaging allows the internal structure of the human body to be viewed non-invasively in real time. Preferably, the imaging system is capable of three-dimensional imaging, thereby allowing a user the ability to easily view and diagnose complex organs, such as the heart and valves. Such an ultrasound imaging system is disclosed in commonly assigned U.S. Pat. No. 6,013,032, issued on Jan. 11, 2000 to Savord (hereafter the '032 patent), the text of which is incorporated into this document by reference. The '032 patent is directed generally to a two-dimensional ultrasound imaging method and apparatus that employs a beamforming technique that includes the formation of sub-beamformer signals. The '032 patent uses the sub-beamforming methodology on a two-dimensional transducer array to reduce the cost, size and power of the imaging system and to achieve a practical three-dimensional ultrasound imager. The '032 patent, however, only takes into account two-dimensional transducer arrays. With ever increasing pressure to reduce the size, power and cost of all medical ultrasound imaging systems, one-dimensional transducer arrays can also benefit from using sub-beamformers in the array. Two-dimensional imaging using one-dimensional transducer arrays can also benefit by requiring fewer interconnects between the probe assembly and the processor, and by reducing the size and power requirements of the imaging system.
Therefore, it would be desirable to have a portable or hand-held ultrasound imaging system that uses sub-beamforming techniques and that uses a one-dimensional transducer array.
(当審訳)
発明の背景
超音波撮像システムは、かなり以前から利用されてきており、非破壊検査及び医療応用で一般に使用されている。医療用超音波イメージングは、人体の内部構造をリアルタイムで非侵襲に見ることを可能にする。好ましくは、撮像システムは、3次元画像に対応可能で、心臓とその弁のような複雑な器官を、ユーザーが容易に観察し診断することを可能にする。このような超音波撮像システムは、共通に譲渡されたU.S. Pat. No. 6,013,032, issued on Jan. 11, 2000 to Savord (以下、’032特許)に記載されており、そのテキストは参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。’032特許は、概して、サブビーム形成信号を形成することを含むビーム形成技術を使用する2次元超音波イメージング方法及び装置を指向している。’032特許は、2次元トランスデューサアレイ上のサブビーム形成方法を使用して、撮像システムのコスト、サイズおよび電力を低減するとともに、実用的な3次元の超音波撮像装置を実現する。しかしながら、’032特許は、2次元トランスデューサアレイを考慮に入れるだけである。すべての医療用超音波撮像システムのサイズ、電力及びコストを減らすことに対するプレッシャは増加し続けているため、1次元トランスドューサアレイも、該アレイ内でビーム形成器を使用することで利益を得ることができる。1次元トランスデューサアレイを使用する2次元イメージングも、プローブアセンブリとプロセッサとの間のより少ない相互接続を要求することにより、また、撮像システムのサイズおよび電力の要求を減少させることにより、利益を得ることができる。
したがって、サブビーム形成技術と、1次元のトランスデューサアレイを使用する携帯型または手持ち式超音波撮像システムを有することが望ましい。

ウ 「SUMMARY OF THE INVENTION
The invention provides a portable ultrasound imaging system that uses sub-beamforming techniques and a one-dimensional transducer array.
In architecture, the present invention may be conceptualized as an ultrasound imaging apparatus including a one-dimensional ultrasonic transducer array, comprising a one-dimensional ultrasonic transducer array including a plurality of transducer elements divided into a plurality of subarrays, and receive circuitry coupled to the one-dimensional ultrasonic transducer array, the receive circuitry including a sub-beamformer configured to receive ultrasonic energy from the plurality of transducer elements and develop a plurality of delayed subarray signals corresponding to the plurality of subarrays.
The present invention may also be conceptualized as a method for sub-beamforming in a portable ultrasound imaging apparatus including a one-dimensional ultrasonic transducer array, the method comprising the steps of dividing a one-dimensional ultrasonic transducer array including a plurality of transducer elements into a plurality of subarrays, receiving, in receive circuitry coupled to the one-dimensional ultrasonic transducer array, ultrasonic energy from the plurality of transducer elements, and developing a plurality of delayed subarray signals corresponding to the plurality of subarrays.
Other systems, methods, features, and advantages of the present invention will be or will become apparent to one with skill in the art upon examination of the following drawings and detailed description. It is intended that all such additional systems, methods, features, and advantages be included within this description, be within the scope of the present invention, and be protected by the accompanying claims. 」
(当審訳)
発明の概要
本発明は、サブビーム形成技術と、1次元トランスデューサーアレイを利用した携帯型超音波撮像システムを提供する。
アーキテクチャにおいて、本発明は、複数のサブアレイに分割された複数のトランスデューサ素子を含む1次元超音波トランスデューサアレイからなる1次元超音波トランスデューサアレイと、1次元超音波トランスデューサアレイに結合された受信回路であって、複数のトランスジューサ素子からの超音波エネルギーを受信し、複数のサブアレイに対応して遅延されたサブアレイ信号を発生するように構成されたサブビーム形成器を含む受信回路とを備える超音波撮像装置として概念化することができる。
また、本発明は、1次元の超音波トランスデューサアレイを含む携帯型超音波診断装置におけるサブビーム形成方法であって、複数のサブアレイに複数のトランスデューサ素子を有する1次元超音波トランスデューサアレイを分割する工程と、1次元超音波トランスデューサアレイに結合された受信回路で、複数のトランスデューサ素子から超音波エネルギを受信する工程と、複数のサブアレイに対応して遅延された複数のサブアレイ信号を発生する工程とを含む方法として概念化することができる。
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明により当業者に明らかになるであろう。全てのかかる追加のシステム、方法、特徴及び利点は、この説明内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。

エ 「DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENT
Although the present invention will be described below with particular reference to one-dimensional transducer arrays, the invention is applicable to any transducer array in which it is desirable to use sub-beamforming processing techniques to reduce the amount of information communicated between an ultrasonic probe assembly and the portable ultrasonic image processor.
The sub-beamforming system of the invention can be implemented in hardware, software, firmware, or a combination thereof. In the preferred embodiment(s), the sub-beamforming system is implemented using a combination of hardware and software or firmware that is stored in a memory and that is executed by a suitable instruction execution system. If implemented in hardware, as in an alternative embodiment, the sub-beamforming system can be implemented with any or a combination of the following technologies, which are all well known in the art: a discrete logic circuit(s) having logic gates for implementing logic functions upon data signals, an application specific integrated circuit (ASIC) having appropriate combinational logic gates, a programmable gate array(s) (PGA), a field programmable gate array (FPGA), etc.
The software portion of the sub-beamforming system, which comprises an ordered listing of executable instructions for implementing logical functions, can be embodied in any computer-readable medium for use by or in connection with an instruction execution system, apparatus, or device, such as a computer-based system, processor-containing system, or other system that can fetch the instructions from the instruction execution system, apparatus, or device and execute the instructions. In the context of this document, a "computer-readable medium" can be any means that can contain, store, communicate, propagate, or transport the program for use by or in connection with the instruction execution system, apparatus, or device. The computer readable medium can be, for example but not limited to, an electronic, magnetic, optical, electromagnetic, infrared, or semiconductor system, apparatus, device, or propagation medium. More specific examples (a nonexhaustive list) of the computer-readable medium would include the following: an electrical connection (electronic) having one or more wires, a portable computer diskette (magnetic), a random access memory (RAM) (electronic), a read-only memory (ROM) (electronic), an erasable programmable read-only memory (EPROM or Flash memory) (electronic), an optical fiber (optical), and a portable compact disc read-only memory (CDROM) (optical). Note that the computer-readable medium could even be paper or another suitable medium upon which the program is printed, as the program can be electronically captured, via for instance optical scanning of the paper or other medium, then compiled, interpreted or otherwise processed in a suitable manner if necessary, and then stored in a computer memory.
Turning now to the drawings, FIG. 1 is a graphical view illustrating a portable ultrasound system 100 constructed in accordance with an aspect of the invention. Portable ultrasound system 100 includes portable processor 102 connected via interface cable 104 to probe assembly 106. Probe assembly 106 transmits ultrasonic energy to target 108 and receives reflected ultrasonic energy from target 108. The ultrasonic energy reflected from target 108 is received by a transducer array included within probe assembly 106. The received ultrasonic energy is processed in the probe assembly and forwarded to the portable processor for additional processing. After processing, an image generated from the received ultrasonic energy is then displayed on a display incorporated within portable processor 102. In accordance with an aspect of the invention, probe assembly 106 includes processing circuitry that enables some of the ultrasound energy received from target 108 to be processed into a number of sub-beams. These sub-beams represent the energy received from all of the transducers in probe assembly 106 using a number of signals less than that of the number of transducer elements. This in turn reduces the number of signals that must be communicated between probe assembly 106 and portable processor 102 via interface cable 104. Probe assembly 106 includes sub-beamformer circuitry (to be described below with respect to FIG. 2) implemented using digital electronics, that form a number of delayed sub-array signals using multiple partial beamforming techniques. The probe assembly 106 also contains transmit application specific integrated circuit(s) ASIC(s) (to be described with respect to FIG. 2), which provide the transmit high voltage pulses to the transducer array (not shown) contained within probe assembly 106 .
FIG. 2 is a schematic view illustrating the portable ultrasound system 100 of FIG. 1. Probe assembly 106 includes one-dimensional transducer array 202. One-dimensional transducer array 202 includes a number of individual ultrasonic transducer elements arranged as a phased array, linear array, or curved linear array. It is contemplated that any one-dimensional transducer array can be used in the disclosed system, however, for discussion purposes, a 48-element phased array transducer will be described. Transducer array 202 communicates 48 signals (one signal for each transducer element) via connection 204 with transmit/receive (T/R) switch 206. T/R switch 206 provides the switching function that isolates the transmit energy from the receive energy. T/R switch 206 communicates via connection 208 with a plurality of processors, commonly referred to as "front-end" ASICs, an exemplar one of which is illustrated as front-end ASIC 210. Front-end ASIC 210 is typically an analog ASIC device, and receives a portion of the 48 ultrasonic transducer signals via connection 208. While illustrated using a single front-end ASIC 210, a plurality of front-end ASICs are typically employed to process all of the 48 ultrasonic transducer signals received via connection 208. Front-end ASIC 210 performs power amplification, filtering and front-end time gain compensation (TGC) functions. TGC is required when receiving ultrasound signals from multiple depths within the target. In such an instance, in order to compensate for the increasing time of flight with respect to depth of the ultrasonic energy, gain is typically increased correspondingly. Front-end ASIC 210 supplies the amplified, filtered and gain compensated ultrasonic energy signals via connection 212 to a plurality of analog-to-digital converters (ADCs), an exemplar one of which is illustrated using reference numeral 214. The plurality of ADCs 214 convert the 48 analog signals on connection 212 into a digital bit stream using 8-bit converter technology, and supply the digital bit stream to a plurality of sub-beamformers, an exemplar one of which is illustrated using reference numeral 218, via connection 216. Although shown as single blocks, front-end ASIC 210 , ADC 214 and sub-beamformer 218 are typically implemented in multiples sufficient to process the signals received from the transducer elements contained within transducer 202. Furthermore, the ADC 214 and the sub-beamformer 218 may be combined and implemented in one or more ASICs.
A portion of the 48 ultrasonic signals represented by the digital bit stream on connection 216 are forwarded to each sub-beamformer 218. Each sub-beamformer 218 provides partial beamforming by combining a portion of the 48 input signals on connection 216 into a smaller number of delayed sub-array signals. The plurality of sub-beamformers process all of the 48 ultrasonic signals on connection 216 to provide the delayed subarray signals on connection 222. Sub-beamformer 218 can be implemented as disclosed in commonly assigned U.S. Pat. No. 6,013,032 referenced above, or can be implemented using an all digital circuitry to be described below. Whether implemented as disclosed in the above-referenced U.S. Pat. No. 6,013,032 or whether implemented using an all digital approach, sub-beamformer 218 provides multiple partial beamforming within probe assembly 106. In this manner, the amount of processing required to be performed by portable processor 102 and the number of signals that are communicated via interface cable 104 can be significantly reduced. The operation of sub-beamformer 218 will be described in further detail below with respect to FIGS. 3, 4, 5 and 6.
The output of the plurality of sub-beamformers 218 is a plurality of delayed sub-array signals and is supplied via connection 222 to main beamformer 226. For illustrative purposes only, the 48 individual transducer signals present on connection 216 are formed into six delayed sub-array signals by sub-beamformer 218 and supplied via connection 222. These six delayed sub-array signals are supplied to main beamformer 226, which can be implemented in similar fashion as sub-beamformer 218. Main beamformer 226 can be implemented in ASICs or can be implemented in a discrete block as described in FIG. 2, or can be combined into one ASIC with ASIC 234, commonly referred to as "back-end" ASIC 234. The outputs of main beamformer 226 on connection 228 are combined in summing device 230 so that a single beamformed output signal is present on connection 232. The single beamformed output signal on connection 232 is supplied to back-end ASIC 234. Back-end ASIC 234 provides detection and additional back-end TGC functionality. Detection includes converting the radio frequency (RF) data stream produced on connection 232 into log magnitude data sampled for two-dimensional anatomical imaging as well as baseband quadrature data for use in two dimensional color flow imaging.
Back-end ASIC 234, which may be implemented using a plurality of ASICs, communicates via connection 252 with processor 258 and with static/dynamic random access memory (SDRAM) 256. Processor 258 controls the operation and functionality of the portable ultrasound system 100 by executing the code contained in SDRAM 256 and flash memory 248, and, for illustrative purposes only, can be a series 7xx power PC processor available from Motorola Corporation. Back-end ASIC 234 also communicates with memory element 242 via connection 240. Memory element 242 includes flash memory 248 and data storage element 244. Data storage element 244 can be used to initially load the flash memory 248 and can also be used to export information displayed on display 238. Although shown using discrete connections, processor 258, SDRAM 256 and memory 242 may also communicate over a common bus.
Back-end ASIC 234 also provides a scan converter function in order to provide an ultrasound image for display via connection 236 on display element 238. For example, display element 238 can be a liquid crystal display (LCD) used to view the ultrasound images generated by the probe assembly 106 and the portable processor 102. Although omitted for clarity, portable processor 102 also includes a power source, such as a battery or AC adapter for powering all the elements disclosed in FIG. 2. Back-end ASIC 234 also communicates with transmit ASIC 260 via connection 254. Similar to that of the other ASICs described herein, transmit ASIC 260 is typically implemented as a plurality of ASICs, but will be described using transmit ASIC 260 for simplicity. Transmit ASIC 260 develops the transmit pulses that are used to excite the elements in transducer array 202, and are communicated to T/R switch 206 via connection 224. The combination of connections 222 and 254 form interface cable 104 of FIG. 1. In some applications, the functionality of TX ASIC 260 could be incorporated into the front-end ASIC 210 and in other applications, the functionality of the TX ASIC could be incorporated into the portable processor 102.
FIG. 3 is a schematic view illustrating the sub-beamformer 218 of FIG. 2. Sub-beamformer 218 receives the digital bit stream from ADC 214 on connection 216. Input select element 302 receives a control signal via connection 326 from a beamformer configuration register (not shown) that determines whether the input mode will be set to test or normal. The input select element 302 allows for inputting a digital test vector into each of the channels for exercising the beamformer. The output is checked for the correct vector. In normal imaging mode, the input select element 302 passes the 48 ADC outputs to the corresponding 48 coarse delay input channels. The output of input select element 302 is supplied via connection 304 to coarse delay element 306. Coarse delay element 306 employs a synchronous dual port RAM device (to be described below with respect to FIG. 4) to provide a coarse delay to each of the signals on connection 304, and provides this delayed signal via connection 308 to fine delay element 310. The control of coarse delay element 306 and fine delay element 310 will be described in further detail below with respect to FIG. 5.
Fine delay element 310 provides further filtering to the signal on connection 308 and supplies the filtered signal on connection 312. The operation of fine delay element 310 will be described in further detail below with respect to FIG. 6. Focus generator 330 provides the coarse and fine delay control values via connection 332 to coarse delay element 306 and fine delay element 310, respectively. The focus generator 330 receives a control signal via connection 326 in the form of a gate signal that starts the data transfer process. The gate signal is generated by the back-end ASIC 234 with the aid of internal line counters (timers). The line counters are started under command of the processor 258.
The output of fine delay element 310 on connection 312 is supplied to receive (RX) apodization (APOD) element 314. The RX APOD element 314 multiples the samples on connection 312 by a value between 0 and 1 and will be described in further detail with respect to FIG. 7. RX APOD element 314 is controlled by RX APOD control element 322, which receives a control signal via connection 326. The control 326 is generated by the back-end ASIC 234 along with control from the processor 258. The output of RX APOD element 314 on connection 316 is illustrated as six signals, each going to a summing element 320 - 1 through 320 - 6. Each of the six signals on connection 316 is represented by 8 individual signals, each one a 12-bit signal on connections 318 - 1 through 318 - 6. Each of the summing elements 320 - 1 through 320 - 6 provides a single delayed sub-array signal comprising 14 bits, resulting in six delayed sub-array signals supplied via connection 222to the main beamformer 226 (FIG. 2). 」
(当審訳)
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、特に1次元のトランスデューサアレイを参照して、以下に説明するが、本発明は、超音波プローブアセンブリと超音波画像処理装置との間で通信される情報の量を減らすために、サブビーム形成処理技法を使用することが望ましい任意のトランスデューサアレイにも適用可能である。
本発明のサブビーム形成システムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組合せで実施することができる。好ましい実施形態では、サブビーム形成システムは、メモリに記憶され、適切な命令実行システムによって実行されるハードウェアおよびソフトウェアまたはファームウェアの組合せを使用して実施される。ハードウェアで実施される場合、別の実施形態では、サブビーム形成システムは、データ信号に論理関数を実施する論理ゲートを有する個別論理回路、適当な組合せ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当技術分野ですべてよく知られている技術のいずれか又はその組合せにより実施される。
サブビーム形成システムのソフトウェア部分は、論理機能を実施する実行可能命令の順序付きリストを含み、命令実行システム、装置又はデバイス、例えば、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、または、命令実行システム、装置、またはデバイスから命令をフェッチし、該命令を実行することができる他のシステムに使用される、又はこれらに関連する任意のコンピュータ可読媒体で実施することができる。この文書の文脈では、コンピュータ可読媒体は、含み、記憶し、通信し、伝播し、または命令実行システム、装置、またはデバイスにより使用される、あるいはそれに関連するためのプログラムを転送することができる任意の手段であってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、デバイス、または伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のより特定の例(非網羅的リスト)は、次のようなものを含む。1つ以上のワイヤを有する電気接続部(電子)、携帯コンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子)、読み出し専用メモリ(ROM(電子)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROMまたはフラッシュメモリ)(電子)、光ファイバ(光学)、および、携帯用コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)(光学)が挙げられる。コンピュータ可読媒体は、紙またはプログラムが印刷される別の適切な媒体でもよく、プログラムを電子的にキャプチャできる、例えば、紙又は他の媒体を光走査し、コンパイルし、翻訳し、または、必要ならば適切な方法で処理し、次いでコンピュータ・メモリに格納できるからである。
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の態様に従って構成された携帯型超音波システム100を説明する概略図である。携帯型超音波システム100は、インタフェースケーブル104を介してプローブアセンブリ106に接続されたポータブルプロセッサ102を含む。プローブアセンブリ106は、超音波エネルギーをターゲット108に送信し、ターゲット108から反射された超音波エネルギーを受信する。ターゲット108から反射された超音波エネルギーは、プローブアセンブリ106内に含まれるトランスジューサアレイによって受信される。受信された超音波エネルギーは、プローブアセンブリにおいて処理され、追加の処理のためにポータブルプロセッサに転送される。処理の後、受信された超音波エネルギーから生成された画像は、ポータブルプロセッサ102内に組み込まれたディスプレイに表示される。本発明の一態様によれば、プローブアセンブリ106は、ターゲット108から受信された超音波エネルギーの一部を、多数のサブビームに加工することを可能にする処理回路を含む。これらサブビームは、トランスデューサ要素の数よりも少ない信号数を用いて、プローブアセンブリ106内のすべてのトランスデューサから受信されるエネルギーを示す。次に、これは、インターフェースケーブル104を介して、プローブアセンブリ106とポータブルプロセッサ102の間で通信されなければならない信号の数を減少させる。プローブアセンブリ106は、複数の部分的なビーム形成技術を使用して、多数の遅延されたサブアレイ信号を形成するデジタル電子回路を使用して実装される、サブビーム形成回路(以下に図2を参照して説明する)を含む。プローブアセンブリ106は、また、プローブアセンブリ106内に含まれるトランスデューサアレイ(図示せず)に高電圧パルスを送信する送信機である、特定用途向け集積回路ASIC(図2を参照して説明する)を含む。
図2は、図1の携帯型超音波システム100を示す模式図である。プローブアセンブリ106は、1次元トランスデューサアレイ202を含む。1次元トランスデューサアレイ202は、フェイズドアレイ、リニアアレイ、湾曲リニアアレイとして配置された個々の超音波変換素子を多数含む。任意の1次元トランスデューサアレイが、上記のシステムで使用することができることが企図されているが、説明のために、48素子のフェーズドアレイトランスデューサに関して記載される。トランスジューサアレイ202は送信/受信(T/R)スイッチ206との接続部204を介して48個の信号(それぞれにトランスデューサ素子について1つの信号)を通信する。T/Rスイッチ206は、送信エネルギーを受信エネルギーから隔離するためのスイッチング機能を提供する。T/Rスイッチ206は、フロントエンドASIC210として、例示的に1つ図示されている、一般にフロントエンドASIC、と呼ばれる複数のプロセッサと、接続部208を介して通信する。フロントエンドASIC210は、典型的には、アナログASICデバイスであり、接続部208を介して、48個の超音波トランスデューサ信号の一部を受信する。単一のフロントエンドASIC210を用いて図示しているが、複数のフロントエンドASICが、典型的には、接続部208を介して受信された48個の超音波トランスデューサ信号のすべてを処理するために使用される。フロントエンドASIC210は、電力増幅、フィルタリング及びフロントエンドの時間利得補償(TGC)機能を実行する。ターゲット内の複数の深さから超音波信号を受けた時にTGCが必要とされる。このような場合、超音波エネルギーの深さに関して飛行時間の増加を補償するために、利得は相応して典型的に増加される。フロントエンドASIC210は、増幅され、フィルタリングされ、利得補償された超音波エネルギー信号を、接続212を介して、参照番号214用いて例示的に1つ図示されている、複数のアナログ・デジタル変換器(ADC)に供給する。複数のA/D変換器214は、接続部212上の48個のアナログ信号を8ビットの変換技術を用いてディジタルビットストリームに変換し、参照番号218用いて例示的に1つ図示されている、複数のサブビーム形成器に、接続部216を介して、デジタルビットストリームを供給する。単一のブロックとして示したが、フロントエンドASIC210、ADC214及びサブビーム形成器218は、典型的には、トランスデューサ202内に含まれるトランスデューサ素子から受信される信号を処理するのに十分な倍数で実装される。また、ADC214及びサブビーム形成器218は、1つ以上のASICに組み合わされ、実装されてもよい。
接続部216上のデジタルビットストリームにより表される48個の超音波信号の一部は、各サブビーム形成器218に転送される。各サブビーム形成器218は、接続部216上の48個の入力信号の一部を、より少ない数の遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成を提供する。複数のサブビーム形成器は、接続部216上の48個の超音波信号のすべてを処理して、接続部222上の遅延されたサブアレイ信号を提供する。サブビーム形成器218は、上記で参照され、一般に譲渡された米国特許第6,013,032号明細書に開示されているように実施することができ、又は以下に説明する全てのデジタル回路を用いて実施することができる。上記で参照した米国特許第6,013,032号に開示されているように実施されるか、または全てのデジタル手法を使用して実施されることで、サブビーム形成器218は、プローブアセンブリ106内の複数の部分的なビーム形成を提供する。このように、ポータブルプロセッサ102によって実行される必要な処理およびインターフェイスケーブル104を介して伝達される信号の数の量を大幅に低減することができる。サブビーム形成器218の動作を、図3、4、5及び6を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
複数のサブビーム形成器218の出力は、複数の遅延されたサブアレイ信号であり、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給される。例示目的のみのために、接続部216上の48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218によって6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され、接続部222を介して供給される。これら6個の遅延されたサブアレイ信号は、サブビーム形成器218と同様のやり方で、メインビーム形成器226に供給される。メインビーム形成器226は、ASIC内に実装されるか、図2で説明されているように別個のブロックで実装されるか、一般にバックエンドASIC234と呼ばれる1つのASICに組み込むことができる。接続部228上のメインビーム形成器226の出力は、加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号が接続部232上に提供される。接続部232上の単一のビーム形成された出力信号は、バックエンドASIC234に供給される。バックエンドASIC234は、検出及び追加のバックエンドTGC機能を提供する。検出機能は、接続部232で生成された無線周波数(RF)のデータストリームを対数振幅データ、及び、2次元のカラーフロー画像形成における使用のためのベースバンド直交データに変換することを含む。
バックエンドASIC234は、複数のASICを使用して実装されていてもよく、プロセッサ258及びスタティック/ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)256と接続部252を介して通信する。プロセッサ258は、SDRAM256とフラッシュメモリ248に含まれるコードを実行することによって、携帯型超音波システム100の動作および機能を制御するものであり、例示目的のみのために、モトローラ社から入手可能なシリーズ7xxのパワーPCプロセッサであってもよい。バックエンドASIC234は、また、接続部240を介してメモリ素子242と通信する。メモリ素子242は、フラッシュメモリ248及びデータ記憶素子244を含んでいる。データ記憶素子244は、はじめにフラッシュメモリ248にロードするために使用することができ、またディスプレイ238上に表示される情報を出力するために使用することができる。別個の接続部を使用して示されているが、プロセッサ258は、SDRAM256及びメモリ242は、また、共通のバスを介して通信することができる。
バックエンドASIC234は、また、表示素子238に接続部236を介して表示用の超音波画像を提供するために、スキャンコーバータ機能を提供する。例えば、表示素子238は、プローブアセンブリ106とポータブルプロセッサ102によって生成された超音波画像を見るために使用される液晶ディスプレイ(LCD)とすることができる。明確にするために省略されているが、ポータブルプロセッサ102も、また、図2に開示された全ての素子に電力供給するためのバッテリやACアダプタ等の電源を含む。バックエンドASIC234は、また、接続部254を介して、送信ASIC260と通信する。本明細書に記載される他のASICと同様に、送信ASIC260は、典型的には、複数のASICとして実施されるが、簡単にするために、送信ASIC260を用いて説明する。ASIC260は、トランスデューサアレイ202の素子を励起するために使用される送信パルスを発生し、接続部224を介してT/Rスイッチ206に伝達される。接続部222と接続部254の組合せは、図1のインタフェースケーブル104を形成する。いくつかの用途では、TX ASIC260の機能は、フロントエンドASIC210に組み込むことができる一方、他の用途では、TX ASICの機能は、ポータブルプロセッサ102に組み込むことができる。
図3は、図2のサブビーム形成器218を示す模式図である。サブビーム形成器218は、接続部216上のデジタルビットストリームをADC214から受信する。入力選択素子302は、入力されたモードがテスト又は通常に設定されるかを決定するビーム形成器のコンフィギュレーションレジスタ(図示せず)から接続部326を介して制御信号を受信する。入力選択素子302は、ビーム形成を実行するために、各チャンネルにデジタルテストベクトルを入力することを可能にする。出力は、正しいベクトルでチェックされる。通常撮像モードでは、入力された選択素子302は、48個のADCの出力を、対応する48個の粗遅延入力チャネルに渡す。入力選択素子302の出力は、接続部304を介して粗遅延素子306に供給される。粗遅延素子306は、接続部304上の各信号に対して粗遅延を提供するために、同期デュアルポートRAMデバイス(図4を参照して、以下に説明される)を使用し、接続部308を介して、精密遅延素子310に、この遅延された信号を供給する。粗遅延素子306及び精密遅延素子310の制御は、図5を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
精密遅延素子310は、接続部308上の信号にさらにフィルタリングを提供し、接続部312上にフィルタリングされた信号を供給する。精密遅延素子310の動作は、図6を参照して、以下でさらに詳細に説明する。フォーカス生成器330は、接続部332を介して、粗遅延素子306及び精密遅延素子310に、それぞれ、粗及び精密遅延制御値を供給する。フォーカス生成器330は、接続部326を介して、データ転送処理を開始するためのゲート信号の形態の制御信号を受信する。ゲート信号は、内部ラインカウンタ(タイマ)の助けを借りてバックエンドASIC234によって生成される。ラインカウンタは、プロセッサ258の指令下で始動される。
接続部312上の精密遅延素子310の出力は、受信(RX)アポダイゼーション(APOD)要素314に供給される。RX APOD要素314は、0と1の間の値と接続部312上のサンプルを乗算するものであり、図7を参照してさらに詳細に説明する。RX APOD要素314は、接続部326を介して制御信号を受信するRX APOD制御素子322により制御される。制御信号326は、プロセッサ258からの制御にしたがって、バックエンドASIC234によって生成される。接続部316上のRX APOD素子314の出力は、6個の信号として図示され、各々の信号は、加算素子320-1?320-6に入力される。接続部316上の6個の信号の各々は、それぞれが接続部318-1?318-6上の12ビットの信号である8個の個々の信号で表される。加算素子320-1?320-6の各々は、14ビットからなる単一の遅延されたサブアレイ信号を提供し、接続部222を介して、メインビーム形成器226(図2)に、6個の遅延したサブアレイ信号を供給する。

オ 「



カ 上記記載事項オの図2において、上記記載事項エの記載事項を参酌すれば、「プローブアセンブリ106」は「サブビーム形成器218」を、「ポータブルプロセッサ102」は「メインビーム形成器226」、「加算器230」、「バックエンドASIC234」及び「ディスプレイ238」を、「インタフェースケーブル104」は「接続部222」を、それぞれ、有することが読み取れる。

キ 上記記載事項エの
「接続部216上のデジタルビットストリームにより表される48個の超音波信号の一部は、各サブビーム形成器218に転送される。各サブビーム形成器218は、接続部216上の48個の入力信号の一部を、より少ない数の遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成を提供する。
・・・
複数のサブビーム形成器218の出力は、複数の遅延されたサブアレイ信号であり、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給される。例示目的のみのために、接続部216上の48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218によって6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され、接続部222を介して供給される。これら6個の遅延されたサブアレイ信号は、サブビーム形成器218と同様のやり方で、メインビーム形成器226に供給される。
・・・
接続部228上のメインビーム形成器226の出力は、加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号が接続部232上に提供される。接続部232上の単一のビーム形成された出力信号は、バックエンドASIC234に供給される。バックエンドASIC234は、検出及び追加のバックエンドTGC機能を提供する。」
との記載並びに図2及び3を参照すると、以下のような技術事項が読み取れる。
「48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218に転送されて、サブビーム形成器218により、その一部である8個ずつに分けられて、それぞれ、1つの遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成である6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され、サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され、メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され、
バックエンドASIC234は、検出及び追加のバックエンドTGC機能を提供する。」

すると、上記引用文献1の記載事項によれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「プローブアセンブリ106と、インタフェースケーブル104と、ポータブルプロセッサ102を含む携帯型超音波システム100であって、
プローブアセンブリ106は、1次元トランスデューサアレイ202とサブビーム形成器218を含み、1次元トランスデューサアレイ202は48素子のフェーズドアレイトランスデューサであり、
インタフェースケーブル104は、接続部222を有し、
ポータブルプロセッサ102は、メインビーム形成器226、加算器230、バックエンドASIC234及びディスプレイ238とを有し、
48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218に転送されて、サブビーム形成器218により、その一部である8個ずつに分けられて、それぞれ、1つの遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成である6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され、サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され、メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され、
バックエンドASIC234は、検出及び追加のバックエンドTGC機能を提供し、
バックエンドASIC234は、また、表示素子238に接続部236を介して表示用の超音波画像を提供する、携帯型超音波システム100。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平1-300936号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア 「第1図は本発明の一実施例を示す構成図である。第1図において、プローブ11(駆動周波数x1)及び12(駆動周波数x2)は本体1とコネクタ13及び14で接続される。コネクタ13はプローブ側コネクタ13aと本体側コネクタ13bで構成される。プローブ側コネクタ13aのピン接続は超音波信号の授受を行う配線と共に、プローブ13の種別を現わす配線が施されている。又、コネクタ14はプローブ側コネクタ14aと本体側コネクタ14bで構成される。プローブ側コネクタ14aのピン接続は超音波信号の授受を行う配線と共に、プローブ14の種別を現わす配線が施されている。本体1のキーボード15にはタッチスクリーン(表示機能付きのスイッチ)16及び17が設けられている。第2図は第1図の構成における接続図である。プローブ11はコネクタ13の超音波信号授受用ピンを、又、プローブ12はコネクタ14の超音波信号授受用ピンをそれぞれ介してスイッチ部18に接続される。又、各プローブの種別表示用ピン(プローブの種別を現わす配線が施されているピン)は制御部15に接続される。タッチスクリーン16及び17の中央部16a及び17aはスイッチ操作部と表示部を兼ねた構成となっており、各部はそれぞれ制御部15に接続される。制御部15の送受波制御信号出力端はスイッチ部18及び送受波部20にそれぞれ接続される。
以上の構成において、プローブ側のコネクタ13a及び14aを本体側のコネクタ13b及び14bに接続すると、制御部19は各プローブ種別信号を検出し、各タッチスクリーンに種別表示信号を出力する。これにより、タッチスクリーン16及び17にそれぞれx1及びx2が表示される。オペレータはタッチスクリーン16及び17上で本体1に接続されているプローブの種別を知ることができる。タッチスクリーン16又は17を押圧すると、押圧されたタッチスクリーンからプローブ選択信号が制御部19に与えられる。制御部19はタッチスクリーンからのプローブ選択信号に基づく送受波制御信号でスイッチ部18及び送受波部20を制御し、選択されたプローブを駆動する。オペレータはこの駆動されているプローブを使用して映像信号を得ることになるが、プローブには、通常タッチスクリーンの表示と同じ文字や記号、即ち、x1又はx2が記載されているので、オペレータは駆動中のプローブを識別することは容易である。
次に、例えば、コネクタ13bにプローブ11に代えてプローブ21(図示せず。駆動周波数x3)を接続した場合、制御部19は前記と同様の動作をすることにより、タッチスクリーン16及び17にそれぞれx3及びx2が表示される。従って、オペレータは本体1に駆動周波数x2のプローブ12及び駆動周波数x3のプローブ21が接続されていることを知ることができ、使用目的に応じて所望のプローブを選択することが容易になる。
尚、本発明は上記実施例に限定するものではない。プローブの種別表示手段と、プローブの選択・駆動手段(スイッチ)はタッチスクリーンによらず、表示部とスイッチ部を分離した構成であってもよい。又、プローブ種別信号はプローブ側コネクタの配線によるのではなくて、プローブ内に種別信号作成手段を設けるようにしてもよい。」(第2頁右上欄第20行?第3頁右上欄第3行)

イ 「



上記引用文献2の記載事項によれば、引用文献2には、以下の技術事項(以下「引用技術事項2」という。)が記載されている。

プローブ11(駆動周波数x1)及び12(駆動周波数x2)は、プローブ側コネクタ13a、14aと本体側コネクタ13b及び14bで、本体1に接続され、オペレータがタッチスクリーン16又は17を押圧すると、押圧されたタッチスクリーンからプローブ選択信号が制御部19に与えられ、制御部19はタッチスクリーンからのプローブ選択信号に基づく送受波制御信号でスイッチ部18及び送受波部20を制御し、選択されたプローブを駆動する。また、コネクタ13bにプローブ11に代えてプローブ21(図示せず。駆動周波数x3)を接続した場合、制御部19は前記と同様の動作をする。

(3)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平2005-261595号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア 「【0023】
図1には、本発明に係る超音波診断装置におけるプローブ接続構成がブロック図として示されている。この超音波診断装置は、大別して本体10と複数のプローブ12,14と、で構成される。本実施形態において、本体10に対しては同時に例えば6つのプローブを接続することが可能である。利用可能なプローブとしては診断部位や方式の違いによって例えば10あるいは20個のプローブが用意されており、ユーザーはその中から必要なプローブを1又は複数選択して最大で6個まで本体10に対して接続することができる。
【0024】
図1に例示されているプローブ12は通常のプローブであり、すなわち以下に説明するプローブ14のように付加機能を具備していない。このプローブ12はプローブヘッド16、プローブケーブル18及びプローブ側コネクタ20によって構成される。プローブ側コネクタ20内にはプローブ識別情報としてのプローブコード20Aが保有されている。そのようなプローブコード20Aは半導体メモリ上におけるデータとして構成されてもよいし、複数の端子を用いて2値コードを表現したものであってもよい。
【0025】
プローブヘッド16内には複数の振動素子からなるアレイ振動子が設けられている。各振動素子には信号線が接続されており、それらの信号線はプローブケーブル18を構成している。それらの信号線は基本的に送受信において用いられるものであり、それらの信号線はプローブ側コネクタ20内におけるメイン端子群104に接続されている。
【0026】
プローブ14は、付加機能をもったプローブであり、例えば食道に挿入される体腔内挿入型の超音波探触子である。このプローブ14はプローブヘッド22、付加機能ユニット23、プローブケーブル27及びプローブ側コネクタ26を有している。
【0027】
プローブヘッド22は、上記プローブヘッド16と同様に複数の振動素子からなるアレイ振動子を有している。付加機能ユニット23は、この例では、アレイ振動子を機械的に駆動する機構及びアレイ振動子の位置を検出する位置検出器を有している。
【0028】
プローブケーブル27は、送受信において用いられる信号線群24と、付加機能ユニット23を動作させるために必要となる信号を伝送する信号線群25とを含んで構成されている。付加機能ユニット23に対しては本体10から必要な駆動信号や電源などが供給され、付加機能ユニット23から本体10へは位置検出信号などが出力される。
【0029】
プローブ側コネクタ26は、上記のプローブ側コネクタ20と同様にプローブコード26Aを保有している。また、プローブ側コネクタ26は上記のプローブ側コネクタ20と同様にメイン端子群104を有しており、更に上記のプローブ側コネクタ20とは異なり有効なサブ端子群106を有している。メイン端子群104には送受信で用いられる信号線群24が接続され、サブ端子群106には付加機能ユニット23を動作させるために必要な信号線25が接続される。
【0030】
付加機能をもったプローブとしては、上記で説明したものの他に、経食道用超音波探触子、三次元データ取込用超音波探触子、などをあげることができる。そのような超音波の送受信以外の付加機能をもったプローブを用いる場合、従来においては各プローブごとに専用のコネクタを用意する必要があったが、本実施形態に係る超音波診断装置においては、コネクタが汎用化されており、複数のコネクタのいずれにプローブを接続してもそのプローブに対して適切な機能実現回路を選択して接続することが可能である。
【0031】
以下に、本体10について説明する。本体10は、複数の(例えば6つの)本体側コネクタ30,32を有している。各本体側コネクタ30,32は互いに同一の形態をもっており、これは複数のプローブ側コネクタ20,26についても同様である。すなわち各プローブを任意の本体側コネクタ30,32に接続することが可能である。
【0032】
各本体側コネクタ30,32はそれぞれメイン端子群100とサブ端子群102とを有している。ここでメイン端子群100は例えば100?200個のメイン端子によって構成され、各メイン端子は送受信専用の端子である。メイン端子群100はプローブセレクタ34を介して送受信部36に接続されている。サブ端子群は例えば10?20個のサブ端子によって構成され、各サブ端子は付加機能の為の汎用端子として機能し、各付加機能ごとにその役割を個別的に定義することができる。
【0033】
ちなみに、本体側コネクタ30,32は、上記で説明したメイン端子群100及びサブ端子群102の他に、グランド端子群などを有している。これと同様に、プローブ側コネクタ20,26にもそのようなグランド端子群が含まれている。ちなみに、本体側コネクタ30,32及びプローブ側コネクタ20,26は例えば矩形あるいは箱状の形態をもったマルチピンコネクタとして構成され、各コネクタには数百本の端子が備えられている。本実施形態においては上述したようにプローブの接続にあたってインターフェイスが規格化されているため、プローブの接続先についてユーザーが迷うことなくプローブ接続を行えるので、装着作業性を良好にでき、また1回のプローブ接続だけで付加機能についても接続を完了できるのでその意味においても接続作業性が良好である。また本体10においても各プローブごとに専用の本体側コネクタを用意する必要がなくなるので装置構成を簡略化できるという利点がある。
【0034】
プローブセレクタ34は複数の本体側コネクタ30,32の中からいずれかの本体側コネクタを選択する回路であり、その選択された本体側コネクタが送受信部36に電気的に接続される。これによってプローブヘッド内に含まれている各振動素子に対して送受信器が個別的に接続されることになる。」

イ 「【図1】



上記引用文献3の記載事項によれば、引用文献3には、以下の技術事項(以下「引用技術事項3」という。)が記載されている。

本体10に対しては同時に例えば6つのプローブを接続することが可能であり、利用可能なプローブとしては診断部位や方式の違いによって例えば10あるいは20個のプローブが用意されており、ユーザーはその中から必要なプローブを1又は複数選択して最大で6個まで本体10に対して接続することができる。プローブには、通常のプローブのほか、例えば食道に挿入される体腔内挿入型の超音波探触子、経食道用超音波探触子、三次元データ取込用超音波探触子のような付加機能をもったプローブがある。
そして、本体10は、複数の(例えば6つの)本体側コネクタ30,32を有している。各本体側コネクタ30,32は互いに同一の形態をもっており、これは複数のプローブ側コネクタ20,26についても同様であり、各プローブを任意の本体側コネクタ30,32に接続することが可能である。
また、プローブセレクタ34は複数の本体側コネクタ30,32の中からいずれかの本体側コネクタを選択する回路であり、その選択された本体側コネクタが送受信部36に電気的に接続される。

(4)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平2010-136873号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア 「【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に本発明の一実施形態の超音波診断装置の構成図を示す。この超音波診断装置10は、例えばセクタ走査用の超音波プローブ11a、リニア走査用の超音波プローブ11b及びコンベックス走査用の超音波プローブ11cが、各々接続されるプローブコネクタ12a,12b,12cを有するプローブコネクタ部12と、このプローブコネクタ部12に接続され、上記超音波プローブから送信される超音波に対応する送信パルス、これらの超音波プローブにより受信された反射超音波信号を受ける送受信部13と、この送受信部13に送信パルスの元になる駆動パルスを供給する駆動パルス生成部14と、送受信部13にて受けたアナログ的な反射信号をデジタル反射信号に変換するDA変換部15と、デジタル信号に変換された反射信号を走査変換するスキャンコンバータ16と、走査変換されたデジタル反射信号を画像表示のための信号処理を行う画像信号処理部17と、画像処理された信号を画像として表示するモニタ部18と、超音波の表示モードを指示するモード指示部19と、このモード指示部19から入力される表示モード信号に応じてプローブコネクタ部12、駆動パルス生成部14、スキャンコンバータ16及び画像信号処理部17にモード制御信号を送るモード切換制御部20と、を有する。超音波プローブ11a,11b,11cはプローブコネクタ部12において送受信部13に接続され、そのうちの1つの超音波プローブが動作可能に選択的に送受信部13に接続されることになる。
【0012】
モード切換制御部20は、図2に示すように、モード指示部19から入力された表示モードあるいは検査方法の指示の制御信号(モード検査制御信号)を検知する表示モード検査方法検知部22と、この表示モード検査方法検知部22において検知された表示モードなどに基づいて使用プローブの選択をプローブコネクタ部12に指示する使用プローブ選択指示部23と、上記モード検査制御信号に基づいて駆動パルス生成部14に駆動パルスの指示を行う駆動パルス指示部24と、このときのスキャンコンバータ16による走査方法を指示するスキャン方法指示部25と、このとき画像信号処理部17における画像信号の処理方法を指示する画像信号処理方法指示部26と、ストレスエコー検査の中断状態における、使用プローブ、その他の設定を記憶するストレスエコー中断状態記憶部27とを有する。」

イ 「【図1】

【図2】



上記引用文献4の記載事項によれば、引用文献4には、以下の技術事項(以下「引用技術事項4」という。)が記載されている。

セクタ走査用の超音波プローブ11a、リニア走査用の超音波プローブ11b及びコンベックス走査用の超音波プローブ11cが、各々接続されるプローブコネクタ12a,12b,12cを有するプローブコネクタ部12を備える超音波診断装置であり、
使用プローブの選択をプローブコネクタ部12に指示する使用プローブ選択指示部23により、1つの超音波プローブが動作可能に選択的に送受信部13に接続されることになる。

(5)周知技術
上記引用技術事項2?4で示されるように、
・プローブケーブル端部のコネクタ(本願補正発明の「ケーブルの端にある」「プローブコネクタ」に相当)と本体のコネクタ(本願補正発明の「嵌合コネクタ」に相当)とを接続する構造、
・異なる超音波診断に用いられる、複数の異なるプローブの同一構造のコネクタ(本願補正発明の「各ケーブルの端にある複数のプローブコネクタ」に相当)を、本体の複数の同一構造のコネクタ(本願補正発明の「前記複数の異なる2D撮像プローブを前記メインフレーム超音波システムに同時に結合するよう構成される複数の嵌合コネクタ」に相当))に接続可能とする構造(なお、複数の異なるプローブに、トランスデューサアレイの個数や配列などが異なるものが含まれることは、普通のことである。)
・同時に接続した複数の異なるプローブのうちの1つを選択する選択手段(本願補正発明の「マルチプレクサ」に相当)
は、いずれも、周知の技術である。(以下、まとめて、単に「周知技術」という。)

5 対比
(1)本願補正発明と引用発明との対比
ア(ア)引用発明の「1次元トランスデューサアレイ201」を有する「プローブアセンブリ106」が2次元の画像を生成することは自明であるから、引用発明の「プローブアセンブリ106」は、本願補正発明の「2D撮像プローブ」に相当する。
(イ)引用発明の「携帯型超音波システム100」は、本願補正発明の「超音波診断システム」に相当する。
(ウ)引用発明の「インタフェースケーブル104」及び「ポータブルプロセッサ102」は、それぞれ、本願補正発明の「プローブケーブル」及び「メインフレーム超音波システム」に相当する。
(エ)すると、引用発明の
「プローブアセンブリ106と、インタフェースケーブル104と、ポータブルプロセッサ102を含む携帯型超音波システム100であって、
プローブアセンブリ106は、1次元トランスデューサアレイ202」「を含」ことと、
本願補正発明の「2D撮像プローブのファミリーを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、」「2D撮像プローブと、」「プローブケーブルと、」「プローブコネクタとを有」することとは、
「2D撮像プローブを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、」「2D撮像プローブと、」「プローブケーブルと、」「を有」することで一致する。

イ(ア)引用発明の「1次元トランスデューサアレイ」は、本願補正発明の「アレイトランスデューサ」に相当する。
(イ)本願補正発明の「前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号を」「生成する」ことについて、本願明細書に「ASIC10は、64要素の1Dトランスデューサアレイに結合される64の入力を持つ。マイクロビーム形成器ASICは、64のトランスデューサ要素からの信号を制御可能に遅延させ、16の入力チャネルのグループにそれらを組み合わせる。結果は、部分的にビーム形成された信号の4つの出力である。」(段落【0008】)と記載されており、この記載を参照すると、「マイクロビーム形成器」は、例えば、トランスデューサアレイの64の出力信号を、16ずつの4グループに分け、16の出力信号を制御可能に遅延させて組合せることにより、部分的にビーム形成された信号を4つ出力するものであることがわかる。
そして、引用発明の「48個の個別のトランスデューサ信号は、」「その一部である8個ずつに分けられて、それぞれ、1つの遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成である6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され」ることは、上記トランスデューサアレイの64の出力信号を、16ずつの4グループに分け、16の出力信号を制御可能に遅延させて組合せることにより、部分的にビーム形成された信号を4つ出力することに対応する。
してみると、引用発明の「サブビーム形成器218」は、本願補正発明の「マイクロビーム形成器」に相当するといえるから、引用発明の「サブビーム形成器218により、その一部である8個ずつに分けられて、それぞれ、1つの遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成である6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され」ることは、本願補正発明の「前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号を」「生成する」ことに相当する。
(ウ)引用発明の「48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218に転送され」ることは、本願補正発明の「前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され」ることに相当する。
(エ)したがって、引用発明の
「プローブアセンブリ106は、1次元トランスデューサアレイ202とサブビーム形成器218を含み、1次元トランスデューサアレイ202は48素子のフェーズドアレイトランスデューサであり、」
「48個の個別のトランスデューサ信号は、サブビーム形成器218に転送されて、サブビーム形成器218により、その一部である8個ずつに分けられて、それぞれ、1つの遅延されたサブアレイ信号に組み合わせることにより、部分的なビーム形成である6個の遅延されたサブアレイ信号に形成され」る「プローブアセンブリ106」と、
本願補正発明の
「異なる臨床応用に関する複数の異なる2D撮像プローブであって、前記異なる2D撮像プローブの各々が、異なるアレイトランスデューサ構成のアレイトランスデューサ、及び同じマイクロビーム形成器アーキテクチャのマイクロビーム形成器を有し、前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され、各々のプローブにおける前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をそれぞれ生成する、複数の異なる2D撮像プローブ」とは、
「2D撮像プローブであって、前記2D撮像プローブが、アレイトランスデューサ、及びマイクロビーム形成器を有し、前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され、前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号を生成する、2D撮像プローブ」で一致する。

ウ(ア)引用発明の「サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され」るためには、「接続部222」が「6個の遅延されたサブアレイ信号」のそれぞれを「メインビーム形成器226」に送信するための6本の導線を備えることは当然である。
(イ)引用発明では「インタフェースケーブル104は、接続部222を有し、」「ポータブルプロセッサ102は、メインビーム形成器226」「を有」する。
(ウ)すると、引用発明の「インタフェースケーブル104は、接続部222を有し、」「ポータブルプロセッサ102は、メインビーム形成器226」「を有し、」「「サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され」る「インタフェースケーブル104」と、
本願補正発明の
「前記プローブの各々に結合される複数のプローブケーブルであって、前記プローブケーブルの各々は、前記4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるように構成される4から12までの導体を有する、プローブケーブル」とは、
「前記プローブに結合されるプローブケーブルであって、前記プローブケーブルは、前記4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるように構成される4から12までの導体を有する、プローブケーブル」で一致する。

エ(ア)引用発明の「サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され、メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され」ることは、「サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号」が、「接続部222」と「メインビーム形成器226」を介して、「加算器230」に送信されることである。
(イ)引用発明の「メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され」ることは、「メインビーム形成器226の出力」である「6個の遅延されたサブアレイ信号」が、「加算器230」で、「単一のビーム形成された出力信号」に形成されることである。
(ウ)本願補正発明の「前記ビーム形成器は、」「完全にビーム形成される受信信号を形成する」ことについて、本願明細書に
「この例において、標準的なマイクロビーム形成器ASIC10a及び10bの2つは、128要素の1Dトランスデューサアレイ16を持つプローブにおいて用いられる。128要素の半分は、ASIC10aの64の入力に結合される。この要素の他の半分は、ASIC10bの64の入力に結合される。プローブからの8つの部分的にビーム形成された出力信号経路が存在する。これは、8導体プローブケーブル18によりシステムメインフレームに結合される。プローブケーブルは、信号がまだアナログ形式の場合8つのアナログ信号導体を持ち、信号がプローブにおいてデジタル化される場合デジタル信号導体を持つことができる。ケーブル18の8つの部分的にビーム形成された信号経路が、システムメインフレームにおけるミニビーム形成器12の8つのチャネルに結合される。ミニビーム形成器12は、グループ遅延で遅延させ、その出力14で完全にビーム形成されたコヒーレントなエコー信号を生成するため8つの信号を組み合わせて、ビーム形成動作処理を完了する。完全にビーム形成された信号は、画像処理及び表示のためシステムメインフレームの後続のアセンブリへと転送されることができる。」(段落【0009】)
と記載されており、この記載を参照すると、トランスデューサアレイの128要素を半分にわけ、それぞれ、マイクロビーム形成器(ASIC10a、10b)に入力して、それぞれのマイクロビーム形成器から4つの出力、合計8つの部分的にビーム形成された出力信号系統を、「ミニビーム形成器」(本願補正発明の「ビーム形成器」に対応)が、グループ遅延で遅延させ、8つの信号を組み合わせて、完全にビーム形成されたコヒーレントなエコー信号を生成して、画像処理及び表示のためシステムメインフレームの後続のアセンブリへと転送することであることと理解できる。
そして、引用発明の「6個の遅延されたサブアレイ信号は、」「メインビーム形成器226に供給され、メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され」ることは、上記「ミニビーム形成器」が、グループ遅延で遅延させ、8つの信号を組み合わせて、完全にビーム形成されたコヒーレントなエコー信号を生成して、画像処理及び表示のためシステムメインフレームの後続のアセンブリへと転送することに対応する。
してみると、引用発明の「加算器230」は、本願補正発明の「ビーム形成器」に相当するといえる。
(エ)したがって、引用発明の
「サブビーム形成器218の出力である6個の遅延されたサブアレイ信号は、接続部222を介して、メインビーム形成器226に供給され、メインビーム形成器226の出力は加算器230で結合され、単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され」る「加算器230」と、
本願補正発明の
「前記複数の異なる2D撮像プローブにおける前記同じマイクロビーム形成器アーキテクチャの前記マイクロビーム形成器と通信するように前記複数の嵌合コネクタに結合されるビーム形成器であって、前記ビーム形成器は、前記複数の異なる2D撮像プローブの何れか一つに関連する前記4から12までの部分的にビーム形成される信号を受信するように構成され、前記ビーム形成器は、前記プローブ選択信号によって選択される前記プローブの前記嵌合コネクタからの信号を受信するよう構成され、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記選択されるプローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4から8までのチャネルを持ち、最も外側の要素のグループに対応する、前記部分的にビーム形成される信号経路は一緒に接続されることが可能である、ビーム形成器」とは、
「前記2D撮像プローブの前記マイクロビーム形成器と通信するように結合されるビーム形成器であって、前記ビーム形成器は、前記2D撮像プローブに関連する前記4から12までの部分的にビーム形成される信号を受信するように構成され、前記ビーム形成器は、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記プローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4から8までのチャネルを持つ、ビーム形成器」で一致する。

オ 引用発明の「バックエンドASIC234」は、「単一のビーム形成された出力信号がバックエンドASIC234に供給され、」「検出及び追加のバックエンドTGC機能を提供」するのであるから、本願補正発明の「前記完全にビーム形成される受信信号に応答する画像プロセッサ」に相当するといえる。

カ 引用発明の「バックエンドASIC234は、また、」「接続部236を介して表示用の超音波画像を提供する」「表示素子238」は、本願補正発明の「前記画像プロセッサに結合されるディスプレイ」に相当する。

(2)一致点
してみると、両者は、
「2D撮像プローブを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、
2D撮像プローブであって、前記2D撮像プローブが、アレイトランスデューサ、及びマイクロビーム形成器を有し、前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され、前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号を生成する、2D撮像プローブと、
前記プローブに結合されるプローブケーブルであって、前記プローブケーブルは、前記4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるように構成される4から12までの導体を有する、プローブケーブルと、
を有し、
前記メインフレーム超音波システムが、
前記2D撮像プローブの前記マイクロビーム形成器と通信するように結合されるビーム形成器であって、前記ビーム形成器は、前記2D撮像プローブに関連する前記4から12までの部分的にビーム形成される信号を受信するように構成され、前記ビーム形成器は、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記プローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4から8までのチャネルを持つ、ビーム形成器と、
前記完全にビーム形成される受信信号に応答する画像プロセッサと、
前記画像プロセッサに結合されるディスプレイと
を持つ、超音波診断システム。」
で一致し、次の各点で相違する。

(3)相違点
ア 本願補正発明では、
「2D撮像プローブのファミリーを持つ2D撮像に関する超音波診断システムであって、
異なる臨床応用に関する複数の異なる2D撮像プローブであって、前記異なる2D撮像プローブの各々が、異なるアレイトランスデューサ構成のアレイトランスデューサ、及び同じマイクロビーム形成器アーキテクチャのマイクロビーム形成器を有し、前記マイクロビーム形成器は、前記アレイトランスデューサの要素に結合され、各々のプローブにおける前記マイクロビーム形成器が、4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をそれぞれ生成する、複数の異なる2D撮像プローブと、
前記プローブの各々に結合される複数のプローブケーブルであって、前記プローブケーブルの各々は、前記4から12までの部分的にビーム形成される受信信号をメインフレーム超音波システムに結合させるように構成される4から12までの導体を有する、プローブケーブルと、
前記複数のプローブケーブルを前記メインフレーム超音波システムに結合するよう構成される各ケーブルの端にある複数のプローブコネクタと
を有し、
前記メインフレーム超音波システムが、
前記複数のプローブケーブルにより係合されて前記複数の異なる2D撮像プローブを前記メインフレーム超音波システムに同時に結合するよう構成される複数の嵌合コネクタと、
プローブ選択信号が適用されるマルチプレクサと、
前記複数の異なる2D撮像プローブにおける前記同じマイクロビーム形成器アーキテクチャの前記マイクロビーム形成器と通信するように前記複数の嵌合コネクタに結合されるビーム形成器であって、前記ビーム形成器は、前記複数の異なる2D撮像プローブの何れか一つに関連する前記4から12までの部分的にビーム形成される信号を受信するように構成され、前記ビーム形成器は、前記プローブ選択信号によって選択される前記プローブの前記嵌合コネクタからの信号を受信するよう構成され、完全にビーム形成される受信信号を形成するため、前記選択されるプローブから部分的にビーム形成される受信信号を処理するための4から8までのチャネルを持」つ、「ビーム形成器」(特に、下線部)であるのに対して、
引用発明では、「プローブアセンブリ106」は1つであって、「インタフェースケーブル104」は、「メインビーム形成器226」に結合されるものの、コネクタを介して結合されるとは特定されていない点。

イ 「ビーム形成器」が、本願補正発明では、「最も外側の要素のグループに対応する、前記部分的にビーム形成される信号経路は一緒に接続されることが可能である」のに対して、引用発明では、そのような特定がなされていない点。

6 判断
(1)相違点アについて
上記周知技術は、一般に、超音波撮像システムにおいて慣用されるものであるから、引用発明において、上記周知技術を採用することは当業者が適宜なし得ることにすぎない。
また、一般に、類似の装置において、コスト低減などのため、構成部品を共通化することも、慣用される手段にすぎない。
すると、引用発明に、上記周知技術を採用する際に、構成部品の共通化として、「マイクロビーム形成器」、「導体を有する、プローブケーブル」を同一の構成部品とすることにより、相違点アに係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、引用発明に上記周知技術を採用して得られた超音波システムにおいて、異なる超音波診断に用いられる、複数の異なるプローブは、本願補正発明の「2D撮像プローブのファミリー」に相当するといえる。

(2)相違点イについて
本願補正発明の「最も外側の要素のグループに対応する、前記部分的にビーム形成される信号経路は一緒に接続されることが可能である」点について、本願明細書では、「10の部分的にビーム形成された出力信号経路は、最も外側の要素のグループに対応する経路を一緒に接続することにより、8にまで減らされる。」(段落【0010】)、「この場合、アレイにおいてチャネルの外側のグループに仕える2つのマイクロビーム形成器が、一緒に接続されるそれらの出力を持つ。こうして、ケーブルにおける信号経路の四つ組が共有される。」(段落【0012】)と記載されるのみで、一緒に接続するための特別な構造を要するとは認められない。
そして、上記引用発明に上記周知技術を採用して得られた超音波システムにおいて、最も外側のトランスデューサのグループに対応する信号径路を「加算器230」に一緒に接続することが不可能である理由は特段存在しないから、上記引用発明に上記周知技術を採用して得られた超音波システムにおいても、最も外側のトランスデューサのグループに対応する信号径路を「加算器230」に一緒に接続することは可能であるといえる。(本願補正発明の「接続されることが可能である」という記載は、実際に接続されることまでを特定するものではない。)

(3)効果について
本願補正発明が奏し得る効果は、引用発明、周知技術及び慣用手段から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。

(4)結論
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、周知技術及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

7 小括
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年7月25日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記「第2」「[理由]」「1」の本件補正前の請求項1の記載を参照。)

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1?16に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許第6491634号明細書
引用文献2:特開平1-300936号公報
引用文献3:特開2005-261595号公報
引用文献4:特開2010-136873号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献1?4、それらの記載内容及び引用発明は、上記「第2」「[理由]」「4」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記「第2」「[理由]」「5」及び「6」で検討した本願補正発明から、上記「第2」「[理由]」「1」の本件補正後の請求項1の記載中の下線部を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、更に限定したものに相当する本願補正発明は、前記「第2」「[理由]」「5」及び「6」に記載したとおり、引用発明、周知技術及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同様に、本願発明も、引用発明、周知技術及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 結論
したがって、本願発明は、引用発明、周知技術及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-02-25 
結審通知日 2019-02-26 
審決日 2019-03-11 
出願番号 特願2014-518031(P2014-518031)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 門田 宏  
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 伊藤 昌哉
信田 昌男
発明の名称 2つのビーム形成器段を用いる2次元超音波診断撮像システム  
代理人 五十嵐 貴裕  
代理人 笛田 秀仙  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ