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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1353818
審判番号 不服2018-12391  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-14 
確定日 2019-08-20 
事件の表示 特願2014-186265「発光装置,及び照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月21日出願公開,特開2016- 58685,請求項の数(7)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 1 手続の経緯
本願は,平成26年9月12日の出願であって,平成30年2月14日付けで拒絶理由が通知され,同年3月5日に手続補正がされ,同年8月7日付けで拒絶査定がされ,これに対して同年9月14日に審判請求がされると同時に手続補正がされ,その後,平成31年3月28日付けで当審より拒絶理由が通知され,同年4月22日に手続補正がされたものである。

2 平成31年3月28日付けで当審が通知した拒絶理由の概要
平成31年3月28日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審理由」という。)は,以下の理由1ないし理由4からなる。
(1)理由1(特許法第29条第1項第3号;新規性)
請求項1,3及び4に記載された発明は,本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である引用例1に記載された発明である。
(2)理由2(特許法第29条第2項;進歩性)
請求項2,5及び7に記載された発明は,下記引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,また,請求項6に記載された発明は,下記引用例1に記載された発明及び下記引用例2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)理由3(特許法第36条第6項第2号;明確性)
請求項1に記載された「バッファ層」及び「前記バッファ層は,・・・前記配線領域に沿って・・・形成される」との記載は明確でない。
(4)理由4(特許法第36条第6項第1号;サポート要件)
請求項1には,課題を解決するための必須の手段が記載されているとはいえないから,請求項1-7に係る発明は発明の詳細な説明に記載したものではない。

---< 引用例等一覧 >------------------
1 特開2014-67747号公報
2 特開2011-100862号公報
-------------------------------
(当審理由の上記理由1ないし4を,以下においては,単に「理由1」ないし「理由4」という。)

3 原査定の理由の概要
原査定の拒絶の理由は,以下の理由1及び理由2からなる。
(1)理由1(特許法第29条第1項第3号;新規性)
請求項1,3?5に記載された発明は,本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
(2)理由2(特許法第29条第2項;進歩性)
請求項2及び7に記載された発明は,周知技術を勘案して下記引用例1に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,また,請求項6に記載された発明は,下記引用例1に記載された発明及び下記引用例2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

---< 引用例等一覧 >------------------
1 特開2002-344026号公報 (引用例A)
2 特開2011-100862号公報
-------------------------------
(原査定の拒絶の理由の上記理由1及び2を,以下においては,「原査定理由1」及び「原査定理由2」という。また,原査定理由1及び原査定理由2における引用例1を,以下においては「引用例A」という。なお,原査定理由2における引用例2は,当審理由における引用例2と同じである。)

4 検討
まず,理由3及び4について検討し,次いで理由1及び2について検討する。
(1)特許請求の範囲の記載
ア 平成31年4月22日にされた手続補正(以下単に「手続補正」という。)の前後で請求項1の記載は以下のとおりである(下線は当審で付加。以下同様。)。
〈補正前〉
「【請求項1】
基板と,
前記基板上に実装された発光素子と,
前記発光素子を封止する封止部材と,
前記基板上に形成されたバッファ層と,
前記バッファ層の上面に設けられた,前記封止部材をせき止めるためのダム材とを備え,
前記バッファ層は,前記基板上において,配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり,かつ,前記配線領域に沿って前記配線領域を覆うように形成される
発光装置。」

〈補正後〉
「【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、
前記基板上に形成された下地層と、
前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材とを備え、
前記下地層は、前記基板上において、配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり、かつ、前記配線領域を覆うように形成され、
前記下地層の前記基板への密着強度および前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記基板への密着強度よりも高く、
前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高く、
前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない
発光装置。」

(2)理由3について
手続補正により,請求項1において,「バッファ層」は「下地層」と補正され,また,「前記配線領域に沿って前記配線領域を覆うように形成される」との記載は削除された。
よって,理由3は解消された。

(3)理由4について
手続補正により,請求項1において,「前記下地層の前記基板への密着強度および前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記基板への密着強度よりも高く、前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高く、前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない」との文言が加入され,課題を解決するための必須の手段が記載されているものとなった。
よって,理由4は解消された。

(4)本願発明
よって,本願の請求項1?7に係る発明は,平成31年4月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載された,以下のとおりのものと認める(以下「本願発明1」?「本願発明7」という。)。
「 【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、
前記基板上に形成された下地層と、
前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材とを備え、
前記下地層は、前記基板上において、配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり、かつ、前記配線領域を覆うように形成され、
前記下地層の前記基板への密着強度および前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記基板への密着強度よりも高く、
前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高く、
前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない
発光装置。
【請求項2】
前記下地層の上面の表面粗さは、前記基板の表面粗さよりも粗い
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記下地層は、無機化合物からなる
請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記下地層は、ガラス材料からなる
請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
上面視した場合、前記下地層及び前記ダム材は、前記発光素子を囲むように環状に形成
される
請求項1?4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記下地層は、透明材料中に光反射粒子を含んだ構造を有する
請求項1?5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
請求項1?6のいずれか1項に記載の発光装置を備える照明装置。」

(5)理由1について
ア 引用例1(特開2014-67747号公報)に記載された発明
(ア)引用例1には以下の記載がある。
a 「【0010】
〔第1の実施形態〕
図1は,第1の実施形態に係る発光装置1を表す模式図である。図1(a)は,発光装置1の発光面10aを表す平面図である。図1(b)は,図1(a)に示すIB-IB線に沿った断面図である。
【0011】
発光装置1は,基板10の上に複数の発光素子,例えば,発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を実装した発光モジュールである。基板10は,例えば,酸化アルミニウムを材料とするセラミック基板であり,表面および裏面の少なくともいずれかに金属層を有しても良い。また,絶縁層をコートしたアルミニウム基板であっても良い。
【0012】
図1に示すように,発光装置1は,基板10の上に実装された複数の第1発光素子(以下,LED13)を含む第1発光素子群(以下,LED群20)と,同じく,基板10の上に実装された複数の第2発光素子(以下,LED15)を含む第2発光素子群(LED群30)と,を備える。LED群20およびLED群30は,基板10上の第1方向であるX方向に並んで実装される。
【0013】
LED群20は,第1配線(以下,配線21)と,第2配線(以下,配線23)と,の間に実装され,それぞれの配線に電気的に接続される。LED群30は,第3配線(以下,配線27)と,第4配線(以下,配線29)と,の間に実装され,それぞれの配線に電気的に接続される。
【0014】
発光装置1は,LED群20およびLED群30と電気的に接続された複数の端子21a,23a,27aおよび29aを有する。そして,複数の端子は,それぞれの端部に実装された単極コネクタ40のレセプタクル部43を含む。なお,本明細書で言う端子は,各配線の端部そのものを示す場合と,その端部に実装されたレセプタクル部43を含む場合と,がある。
【0015】
端子21a,23a,27aおよび29aを含む端子群は,LED群20のLED群30とは反対側に,X方向に並んで設けられる。すなわち,LED群20は,LED群30と端子群との間に実装される。
【0016】
さらに,発光装置1は,基板10の上に設けられLED群20およびLED群30を囲む外周枠17を備える。そして,外周枠17の内側には,LED群20およびLED群30を覆う樹脂層25が設けられる。
【0017】
図1(b)に示すように,樹脂層25は,LED群20および30を封止する樹脂であり,例えば,蛍光体44を含む。蛍光体44は,LED群20および30の放射光により励起され,その励起光とは異なる波長の光を放射する。
【0018】
樹脂層25には,例えば,シリコーン樹脂を用いることができる。また,外周枠17も樹脂を含み,例えば,シリコーンを含む。LED群20に含まれるLED13,および,LED群30に含まれるLED15は,例えば,青色LEDであり,蛍光体44は,例えば,YAG蛍光体である。そして,発光装置1は,LED13および15から放射される青色光と,蛍光体44から放射される黄色光と,を混合した白色光を放出する。
【0019】
後述するように,外周枠17は,配線21,配線23,配線27および配線29のそれぞれの一部を覆う。そして,図1(b)に示すように,各配線の外周枠に覆われる部分には,ガラスコート19が施される。これにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めることができる。
【0020】
また,図1(b)に示すように,配線21と配線23との間に実装される複数のLED13は,金属ワイヤ35を介して直列に接続される。そして,直列接続の一方の端に位置するLED13aのアノードは,金属ワイヤ35を介して配線21に電気的に接続される。直列接続の他方の端に位置するLED13bのカソードも,金属ワイヤ35を介して配線23に電気的に接続される。また,配線27と配線29との間に実装される複数のLED15も,金属ワイヤ35を介して直列に接続される。そして,その直列接続の一方の端に位置するLED15のアノードは,金属ワイヤ35を介して配線27に接続され,他方の端に位置するLED15のカソードは,金属ワイヤ35を介して配線29に接続される。
【0021】
・・・(中略)・・・
【0033】
図3は,第1の実施形態に係る発光装置1の配線を模式的に表す別の平面図である。同図は,配線21,23,27および29を覆うガラスコート19を設けた状態を表している。同図に示すように,ガラスコート19は,基板10上の複数の部分19a?19dに設けられる。
【0034】
ガラスコート19aは,外周枠17が配線21に重なる部分21bおよび配線27に重なる部分27bを覆う。さらに,レセプタクル部43が実装されるコンタクト部51aおよび51bを除く端子21aおよび27aも覆う。
【0035】
ガラスコート19bは,外周枠17が配線23に重なる部分23bおよび配線29に重なる部分29bを覆う。さらに,レセプタクル部43が実装されるコンタクト部51aおよび51bを除く端子23aおよび29aを覆う。
【0036】
ガラスコート19cは,外周枠17が配線27を覆う部分27cおよび配線29を覆う部分29cを覆う。さらに,チップコンデンサ33のコンタクト部57aを除いて,配線57を覆う。
【0037】
ガラスコート19dは,チップコンデンサ31のコンタクト部55aを除いて,配線55を覆う。
【0038】
このように,ガラスコート19は,金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆う。これにより,各配線の表面を保護し,例えば,錆または腐食などを抑制する。また,外周枠17に接触する部分においては,外周枠17の接着力を向上させる。」

b 図1(a),図1(b),図2及び図3は以下のものである。
【図1】

【図2】

【図3】

*************図1?3

c ここで,上記段落【0019】及び【0038】の記載から,ガラスコート19は,金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆い,これにより,各配線の表面を保護し,例えば,錆または腐食などを抑制し,また,外周枠17は,配線21,配線23,配線27および配線29のそれぞれの一部を覆うところ,各配線の外周枠に覆われる部分には,ガラスコート19が施されることにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めていることがわかる。

d 前記図1(b)及び図3から,ガラスコート19が,各配線21,23,27,29上のみならず,各配線21,23,27,29から基板にかけても(特に配線21と配線27の間,及び配線23と29の間)配置されていることが見て取れる。

(イ)以上から引用例1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「発光装置1であって,
発光装置1は,基板10の上に複数の発光素子,例えば,発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を実装した発光モジュールであり,
基板10の上に実装された複数の第1発光素子(以下,LED13)を含む第1発光素子群(以下,LED群20)と,同じく,基板10の上に実装された複数の第2発光素子(以下,LED15)を含む第2発光素子群(LED群30)と,を備え,
LED群20は,第1配線(以下,配線21)と,第2配線(以下,配線23)と,の間に実装され,それぞれの配線に電気的に接続され,LED群30は,第3配線(以下,配線27)と,第4配線(以下,配線29)と,の間に実装され,それぞれの配線に電気的に接続され,
配線21と配線23との間に実装される複数のLED13は,金属ワイヤ35を介して直列に接続され,直列接続の一方の端に位置するLED13aのアノードは,金属ワイヤ35を介して配線21に電気的に接続され,直列接続の他方の端に位置するLED13bのカソードも,金属ワイヤ35を介して配線23に電気的に接続され,配線27と配線29との間に実装される複数のLED15も,金属ワイヤ35を介して直列に接続され,その直列接続の一方の端に位置するLED15のアノードは,金属ワイヤ35を介して配線27に接続され,他方の端に位置するLED15のカソードは,金属ワイヤ35を介して配線29に接続され,
発光装置1は,基板10の上に設けられLED群20およびLED群30を囲む外周枠17を備え,外周枠17の内側には,LED群20およびLED群30を覆う樹脂層25が設けられており,
樹脂層25は,LED群20および30を封止する樹脂であり,例えば,蛍光体44を含み,
樹脂層25には,例えば,シリコーン樹脂を用いることができ,また,外周枠17も樹脂を含み,例えば,シリコーンを含み,
ガラスコート19が,金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆い,これにより,各配線の表面を保護し,例えば,錆または腐食などを抑制し,
ガラスコート19は,各配線上のみならず,各配線から基板にかけても配置されており,
外周枠17は,配線21,配線23,配線27および配線29のそれぞれの一部を覆うところ,各配線の外周枠17に覆われる部分には,ガラスコート19が施されることにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めることができるものである,
発光装置1。」

イ 対比・判断(本願発明1について)
(ア)対比
a 引用発明の「基板10」は,本願発明1の「基板」に相当する。

b 引用発明の「基板10の上に実装された複数の第1発光素子(以下,LED13)」及び「基板10の上に実装された複数の第2発光素子(以下,LED15)」は,ともに本願発明1の「前記基板上に実装された発光素子」に相当する。

c 引用発明の「樹脂層25」であって,「LED群20および30を封止する樹脂」は,本願発明1の「前記発光素子を封止する封止部材」に相当する。

d 引用発明の「ガラスコート19」であって,「金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆い」,「各配線上のみならず,各配線から基板にかけても配置されて」いるものは,本願発明1の「前記基板上に形成された下地層」であって,「前記下地層は、前記基板上において、配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり、かつ、前記配線領域を覆うように形成され」たものに相当する。

e 引用発明の「基板10の上に設けられLED群20およびLED群30を囲む外周枠17」は,「外周枠17の内側には,LED群20およびLED群30を覆う樹脂層25が設けられて」おり,「外周枠17は,配線21,配線23,配線27および配線29のそれぞれの一部を覆うところ,各配線の外周枠に覆われる部分には,ガラスコート19が施される」ものであるから,当該「外周枠17」は,本願発明1の「前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材」に相当する。

f 引用発明の「各配線の外周枠に覆われる部分には,ガラスコート19が施されることにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めることができるものである」ことは,外周枠17とガラスコート19との間の接着力,及びガラスコート19と各配線の接着力が,ともに各配線と外周枠17とが直接接する場合の接着力よりも大きくないと達成できないことは明らかであるから,前記引用発明の構成は,本願発明1の「前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高」いことに相当する。

g 引用発明の「発光装置1」は,本願発明1の「発光装置」に相当する。

h よって,両者は次の点で一致する。
「基板と、
前記基板上に実装された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、
前記基板上に形成された下地層と、
前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材とを備え、
前記下地層は、前記基板上において、配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり、かつ、前記配線領域を覆うように形成され、
前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高い
発光装置。」

i そして,両者は以下の各点で相違することになる。
《相違点1》
本願発明1は,「前記下地層の前記基板への密着強度および前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記基板への密着強度よりも高く」との構成を備えるが,引用発明においては,当該密着強度の関係が不明である点。
《相違点2》
本願発明1は,「前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない」との構成を備えるが,引用発明は当該構成を備えない点。

(イ)以上のとおり,本願発明1と引用発明との間には相違点があるから,本願発明1は,引用例1に記載された発明とはいえない。

ウ 本願発明3及び4について
本願の請求項3及び4は,請求項1を引用するから,本願の請求項3及び4に係る発明は請求項1に係る発明の発明特定事項を含むものである。
そして,前記イで検討したとおり,本願発明1すなわち請求項1に係る発明は,引用例1に記載された発明とはいえないから,本願の請求項3及び4に係る発明についても,引用例1に記載された発明とはいえない。

(6)理由2について
ア 引用例1に記載された発明は前記(5)アのとおりである。また,本願発明1と引用発明との相違点は上記(5)イ(ア)iのとおりである。

イ 引用例2に記載された事項
(ア)引用例2(特開2011-100862号公報)には以下の記載がある。
「【0030】
(第1実施形態)
以下に、図1?図3を参照して、第1実施形態による発光装置10の構成について詳細に説明する。
【0031】
第1実施形態では、図1および図2に示すように、発光素子としてのLED(発光ダイオード素子)1がフレーム2上に搭載されている。また、フレーム2上には枠状の反射面3aを有する反射枠3が配置されており、反射枠3の反射面3aによってLED1が取り囲まれている。そして、反射枠3の開口部内(反射面3aで囲まれた部分内)には、LED1を封止するための封止部材4が埋め込まれている。
【0032】
・・・(中略)・・・
【0034】
フレーム2上に配置された反射枠3は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金などの高熱伝導材料からなっている。また、反射枠3の反射面3aは、放射状に広がるような傾斜面となっている。そして、この反射枠3の反射面3aには、光反射率に重点を置いた表面処理が施されている。このような表面処理としては、銀メッキ、銀メッキ+絶縁(セラミック)コーティング、および、アルマイト処理などがある。
【0035】
ところで、反射枠3における光反射率を簡便な表面処理で高めるには、アルミニウム反射枠にアルマイト処理を施したり、化学研磨により薄い酸化膜を形成したりするのが適している。また、フレーム2における熱伝導を優先すると、銅フレームを用いるのが適している。このような観点で反射枠3およびフレーム2の構成材料を選定する場合には、アルミニウム反射枠および銅フレームを選定すればよい。また、両方共に熱伝導を優先する場合には、銅反射枠(銀メッキなどを施したもの)および銅フレーム(銀メッキなどを施したもの)を選定すればよい。
【0036】
ここで、第1実施形態では、シリコーン系接着材料からなる固着部材6によってフレーム部2aおよび2bが互いに固着されており、さらに、固着部材6の構成材料であるシリコーン系接着材料と同じシリコーン系接着材料からなる固着部材7によってフレーム2と反射枠3とが固着されている。なお、固着部材6および7は、それぞれ、本発明の「第1固着部材」および「第2固着部材」の一例である。
【0037】
固着部材6および7の構成材料であるシリコーン系接着材料は、酸化チタンやセラミックス粉末またはシリカなどが含有されたものであり、それによって白色化されている。したがって、LED1で生成された光が固着部材6および7に到達すると、その表面によって光の反射が行われることになる。このような白色のシリコーン系接着材料としては、たとえば、チップボンディング用に開発された信越化学工業株式会社製の「KER-3100-U2」や「KER-3200-T1」などがある。
【0038】
なお、酸化チタンを加えることでシリコーン系接着材料を白色化する場合、酸化チタンの光触媒作用によって品質に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、酸化チタンにより白色化されたシリコーン系接着材料を固着部材6および7の構成材料として用いる場合には、酸化チタンに対して、光触媒作用の発生が抑制されるような表面処理を施しておくのがよいと考えられる。
【0039】
・・・(中略)・・・
【0043】
第1実施形態では、上記のように、フレーム部2aおよび2bを互いに固着するための固着部材6の構成材料を白色のシリコーン系接着材料とするとともに、フレーム2および反射枠3を互いに固着するための固着部材7の構成材料も白色のシリコーン系接着材料とすることによって、以下のような効果が得られる。
【0044】
すなわち、固着部材6および7の構成材料を白色のシリコーン系接着材料とすることによって、白色のシリコーン系接着材料は光を反射する材料であるので、LED1で生成された光が固着部材6および7に達すると、その光が固着部材6および7で反射されることになる。したがって、所望方向とは異なる方向に漏れ出る光(フレーム部2aとフレーム部2bとの間から漏れ出る光、および、フレーム2と反射枠3との間から漏れ出る光)が減少し、その分、所望方向への発光を増大させることができる。また、白色のシリコーン系接着材料は光の照射による変色が少ないので、発光光度および色度の変化を抑制することもできる。」

(イ)以上から,引用例2には次の技術事項が記載されているといえる。
「発光素子としてのLED(発光ダイオード素子)1がフレーム2上に搭載され、フレーム2上には枠状の反射面3aを有する反射枠3が配置されており、反射枠3の反射面3aによってLED1が取り囲まれ,固着部材7によってフレーム2と反射枠3とが固着されているものにあって,
固着部材7の構成材料を白色のシリコーン系接着材料とすることによって、LED1で生成された光が固着部材7に達すると、その光が固着部材7で反射されることになり、フレーム2と反射枠3との間から漏れ出る光が減少し、その分、所望方向への発光を増大させることができる。」

ウ 本願発明2,本願発明5及び本願発明7について
(ア)本願の請求項2,5及び7は,請求項1を引用するから,本願発明2,5及び7は本願発明1の発明特定事項を含むものである。それゆえ,本願発明2,5及び7の各々と引用発明との間には,少なくとも前記相違点1及び2が含まれる。

(イ)そこで,まず,引用発明において相違点2に係る構成を備えることが,当業者にとって容易に想到し得たことであるか否かについて検討する。
a 引用発明においては,「ガラスコート19」は,「金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆い,これにより,各配線の表面を保護し,例えば,錆または腐食などを抑制」するとともに,「各配線の外周枠17に覆われる部分には,ガラスコート19が施されることにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めることができるもの」である。

b すなわち,「各配線の外周枠に覆われる部分には,ガラスコート19が施されることにより,各配線と外周枠17との間の接着力を高めることができるもの」であり,各配線と外周枠17との間の接着力については,より向上させることが望まれ,そのため,ガラスコート19を設けることにより高めるものと解される。

c その一方,引用例1においては,基板10と外周枠17との間の接着力については言及がなく,これを向上させることが好ましい旨の記載もないことから,基板10と外周枠17との間の接着力については,特に課題とされているものではない。
このことは,引用例1の記載からもわかる。すなわち,引用例1の図1(a)及び図3を対比すると,配線27及び配線29のうち,金属ワイヤ35をボンディングする部分は,ガラスコート19は形成されていないところ,その外周に設けられた外周枠17の下にもガラスコート19は形成されていない。

d また,上記aの,「ガラスコート19」は,「金属ワイヤ35をボンディングする部分を除いて,各配線を覆い,これにより,各配線の表面を保護し,例えば,錆または腐食などを抑制」するものであることから,ガラスコート19は,各配線と一体不可分に設けられるものであって,各配線と無関係に基板10上に設けられるものではない。

e 上記a?dから,ガラスコート19は,各配線と一体不可分に設けられ,各配線の表面を保護するとともに,各配線と外周枠17との間の接着力を高めるものであって,また,仮に,配線が設けられていない部分にガラスコート19を設けたとしても,基板10と外周枠17との間の接着力が,ガラスコート19を介することにより,必ずしも向上するとはいえない。
それゆえ,引用発明において,各配線と一体不可分に設けられるガラスコート19を,各配線と無関係に基板10上に設けることは当業者が適宜になし得たこととはいえず,また,引用発明において,ガラスコート19によって,基板10と外周枠17との間の接着力向上を意図する動機が生ずるともいえない。

f したがって,引用発明において,外周枠17下に各配線がない部分について,基板10上にガラスコート19を設け,相違点2に係る「前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない」との構成を備えることは,当業者が適宜になし得たこととはいえない。

(ウ)よって,相違点1について検討するまでもなく,本願発明2,5及び7は,周知技術を勘案しても,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

エ 本願発明6について
前記イ(イ)に記載したとおり,引用例2には,「固着部材7の構成材料を白色のシリコーン系接着材料とすることによって、LED1で生成された光が固着部材7に達すると、その光が固着部材7で反射される」との技術事項が記載されてはいるが,当該技術事項を勘案しても,引用発明において,相違点2を備えることを当業者が適宜になし得たとはいえない。
よって,相違点1について検討するまでもなく,本願発明6は,周知技術を勘案しても,引用発明及び引用例2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

オ なお,上記ウ,エのとおり,引用発明において相違点2に係る構成を備えることは,当業者にとって容易に想到し得たことではないから,本願発明1,3?5については,当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(7)原査定理由1について
ア 引用例A(特開2002-344026号公報)に記載された発明
(ア)引用例Aには以下の記載がある。
a
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,オプトエレクトロニック半導体構造素子がチップからなり,該チップが電気的接続部品を備えており,チップがケーシングに収容され,該ケーシングが機能的に少なくとも1つの基体および1つの載置物からなり,この2つがガラスからなるオプトエレクトロニック半導体構造素子を製造する方法から出発する。その際構造素子は特に発光ダイオード(LED)である。
【0002】
・・・(中略)・・・
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は,ケーシングが光およびUV光線に安定であり,特に温度に安定であり,湿分に安定である,オプトエレクトロニック半導体構造素子を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
・・・(中略)・・・
【0007】ケーシングが完全にガラスから製造される半導体構造素子が提示される。ガラスは可視光線またはUV光線による相当する老化または損傷を受けない。低い変態温度を有する湿分安定なガラス,例えば米国特許第4783612号に記載されると同様なホウ酸鉛含有ガラスを使用する。
【0008】ケーシングは少なくとも2個の部品,すなわち基体および基体に固定された載置物からなる。この2個の区別は機能の区別の意味で理解される。ケーシングの実現は方法に応じて1つの部分で行うことができる。2つの部品はガラスからなり,その際有利には2つの部品は同じ材料から製造される。しかしこれは必然的な前提ではない。(後略)」
b
「【0037】図1および図2にはオプトエレクトロニック半導体構造素子1が示される。芯部分は一次UV線を放射するチップ2であり,該チップは電気的接続部品3,4と接続され,該接続部品は導体フレーム部品として形成される。接続部品4の一方は接続線14を介してチップに接続されている。チップ2は直接幅の広い接続部品3上に配置し,該接続部品はガラスからなる長方形の基体6の表面5の上に(または適当な凹所に)配置されている。基体6の上にリング状の載置物8が載置され,載置物はチップを包囲し,その内部に凹所7が空いたままになっている。載置物8の内側の斜面はリフレクター9として形成される。載置物8は接着剤またははんだガラス10により基体6および導体フレーム3,4と結合されている。載置物8は同様にガラスから製造される。
【0038】リフレクター9の内部の凹所7は公知のように,注型樹脂11が充填され,この樹脂は場合により波長を変換する発光物質を有する。」

(イ)以上から,引用例Aには次の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。
「オプトエレクトロニック半導体構造素子1であって,
芯部分は一次UV線を放射するチップ2であり,該チップは電気的接続部品3,4と接続され,該接続部品は導体フレーム部品として形成され,
接続部品4の一方は接続線14を介してチップに接続され,チップ2は直接幅の広い接続部品3上に配置し,該接続部品はガラスからなる長方形の基体6の表面5の上に(または適当な凹所に)配置され,
基体6の上にリング状の載置物8が載置され,載置物はチップを包囲し,その内部に凹所7が空いたままになっており,
載置物8は同様にガラスから製造され,
載置物8の内側の斜面はリフレクター9として形成され,
載置物8は接着剤またははんだガラス10により基体6および導体フレーム3,4と結合され,
リフレクター9の内部の凹所7は,注型樹脂11が充填されている,
オプトエレクトロニック半導体構造素子1」

イ 対比・判断(本願発明1について)
(ア)対比
a 引用発明Aの「基体6」は本願発明1の「基板」に相当する。

b 引用発明Aにおいては,「チップ2は直接幅の広い接続部品3上に配置し,該接続部品はガラスからなる長方形の基体6の表面5の上に(または適当な凹所に)配置され」ているから,当該「チップ2」は,本願発明1の「前記基板上に実装された発光素子」に相当する。

c 引用発明Aにおいては,「チップ2は直接幅の広い接続部品3上に配置し,該接続部品はガラスからなる長方形の基体6の表面5の上に(または適当な凹所に)配置され,基体6の上にリング状の載置物8が載置され,載置物はチップを包囲し,その内部に凹所7が空いたままになって」いるところ,「リフレクター9の内部の凹所7は,注型樹脂11が充填されている」から,当該「注型樹脂11」は,本願発明1の「前記発光素子を封止する封止部材」に相当する。

d 引用発明Aにおいては,「載置物8は接着剤またははんだガラス10により基体6および導体フレーム3,4と結合され」ているところ,当該「接着剤またははんだガラス10」は,本願発明1の「前記基板上に形成された下地層」に相当する。

e 引用発明Aにおいては,「載置物8の内側の斜面はリフレクター9として形成され」ているところ,「リフレクター9の内部の凹所7は,注型樹脂11が充填されている」から,当該「載置物8」は,本願発明1の「前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材」に相当する。

f 引用発明Aの「オプトエレクトロニック半導体構造素子1」は本願発明1の「発光装置」に相当する。

g よって,両者は次の点で一致する。
「基板と、
前記基板上に実装された発光素子と、
前記発光素子を封止する封止部材と、
前記基板上に形成された下地層と、
前記下地層の上面に設けられた、前記封止部材をせき止めるためのダム材とを備える、
発光装置。」

h そして,両者は以下の各点で相違することになる。
《相違点A1》
本願発明1は,「前記下地層は、前記基板上において、配線が設けられた配線領域と前記配線領域以外の領域とにまたがり、かつ、前記配線領域を覆うように形成され」との構成を備えるが,引用発明Aは当該構成を備えることが明らかでない点。

《相違点A2》
本願発明1は,「前記下地層の前記基板への密着強度および前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記基板への密着強度よりも高く、
前記下地層の前記配線領域への密着強度、及び、前記ダム材の前記下地層への密着強度は、前記ダム材の前記配線領域への密着強度よりも高く、」
との構成を備えるが,引用発明Aは当該構成を備えない点。

《相違点A3》
本願発明1は,「前記ダム材は、前記下地層の前記上面に接触し、前記基板及び前記配線領域には接触しない」との構成を備えるが,引用発明Aは当該構成を備えるのか明らかでない点。

(イ) よって,本願発明1は,引用例1に記載された発明とはいえない。

ウ 本願発明3及び4について
本願の請求項3?5は,請求項1を引用するから,本願の請求項3?5は請求項1に係る発明の発明特定事項を含むものである。
そして,前記イで検討したとおり,本願発明1すなわち請求項1に係る発明は,引用例1に記載された発明とはいえないから,本願の請求項3?5に係る発明についても,引用例1に記載された発明とはいえない。

(8)原査定理由2について
ア 引用例2に記載された技術事項は前記(6)イのとおりである。

イ 本願発明2及び本願発明7について
(ア)本願の請求項2及び7は,請求項1を引用するから,本願発明2及び7は本願発明1の発明特定事項を含むものである。それゆえ,本願発明2及び7の各々と引用発明との間には,少なくとも前記相違点A1?A3が含まれる。

(イ)そこで,まず,引用発明において相違点A2に係る構成を備えることが,当業者にとって容易に想到し得たことであるか否かについて検討する。
a 本願発明1によって解決しようとする課題は,「基板上に設けられたダム材が基板から剥離する場合があり、ダム材の剥離を抑制し、発光装置の信頼性を高めること」(本願明細書の段落【0005】)である。
それゆえ,基板とダム材との間には一定の接着力があるものの,その接着力が十分でなく,剥離が生じていたことを課題としており,当該接着力を向上させるために下地層を設けるものである。

b 一方,引用発明Aにおいては,「載置物8は接着剤またははんだガラス10により基体6および導体フレーム3,4と結合され」るものであり,「接着剤またははんだガラス10」は接着力を向上させるものというよりも,接着作用を有する唯一のものというべきである。

c そうすると,引用発明Aにおいては,下地層を介した接着強度と対比されるものである「前記ダム材の前記基板への密着強度」あるいは「前記ダム材の前記配線領域への密着強度」は,いずれも存在しないものであり,
引用発明Aにおいて,これらの接着強度を備えること自体,想定されないものである。

d よって,引用発明Aにおいて,相違点2に係る構成を備えることは,当業者が容易になし得たこととはいえない。

(ウ)よって,相違点1及び3について検討するまでもなく,本願発明2,及び7は,周知技術を勘案しても,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 本願発明6について
前記イ(イ)に記載したとおり,引用例2には,「固着部材7の構成材料を白色のシリコーン系接着材料とすることによって、LED1で生成された光が固着部材7に達すると、その光が固着部材7で反射される」との技術事項が記載されてはいるが,当該技術事項を勘案しても,引用発明Aにおいて,相違点2を備えることを当業者が適宜になし得たとはいえない。
よって,相違点1及び3について検討するまでもなく,本願発明6は,周知技術を勘案しても,引用発明及び引用例2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

エ なお,上記イ,ウのとおり,引用発明Aにおいて相違点2に係る構成を備えることは,当業者にとって容易に想到し得たことではないから,本願発明1,3?5については,当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

6 むすび
以上のとおりであるから,審判合議体が通知した拒絶理由,及び原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由も発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-29 
出願番号 特願2014-186265(P2014-186265)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (H01L)
P 1 8・ 121- WY (H01L)
P 1 8・ 537- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大西 孝宣  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 近藤 幸浩
井上 博之
発明の名称 発光装置、及び照明装置  
代理人 道坂 伸一  
代理人 新居 広守  
代理人 寺谷 英作  
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