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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1353895
審判番号 不服2018-15844  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-29 
確定日 2019-08-01 
事件の表示 特願2016-159161号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月22日出願公開、特開2018- 27111号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年8月15日の出願であって、平成29年7月20日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年9月21日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年2月16日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成30年4月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年9月12日付け(発送日:平成30年9月18日)で、平成30年4月17日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成30年11月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成30年11月29日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年11月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、平成29年9月21日になされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。

(補正前:平成29年9月21日になされた手続補正)
「【請求項1】
遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段と、
前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段と、を備え、
前記演算処理手段は、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有し、
前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
所定の読み出し命令を実行することにより、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、前記遊技媒体の払出数のデータ及び前記判定データが格納されている前記第2記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行う
ことを特徴とする遊技機。」

「【請求項2】
前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行して、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。」

(補正後:本件補正である平成30年11月29日になされた手続補正)
「【請求項1】
遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段と、
前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段と、を備え、
前記演算処理手段は、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有し、
前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
所定の読み出し命令を実行することにより、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、前記遊技媒体の払出数のデータ及び前記判定データが格納されている前記第2記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行い、
キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行して、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。」

2.本件補正の適否
本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項2に記載された発明特定事項である「判定命令」について、「キャリーフラグの状態を判定する判定命令」であることを特定することにより、本件補正前の請求項2に記載された「遊技機」を限定するものである。
そして、本件補正後の請求項1に記載された発明は、本件補正前の請求項2に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は【1045】、【1046】、図145、図146等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。

3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下において検討する。

(1)本件補正後の請求項1に係る発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A?Nは分説のために当審で付した。)。
「A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
D 複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段と、
E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
G 前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段と、
H 前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段と、
I 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段と、
J 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段と、を備え、
K 前記演算処理手段は、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有し、
L 前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
所定の読み出し命令を実行することにより、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、前記遊技媒体の払出数のデータ及び前記判定データが格納されている前記第2記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行い、
M キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行して、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する
N ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献について
ア 引用文献1に記載された発明
原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009-201915号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。

(ア)「【0020】
図1は、本発明の実施例である回胴式遊技機1の外観例を示す斜視図であり、図2は、同回胴式遊技機1のパネル表示部2aを拡大して示す正面図である。」

(イ)「【0025】
また、図1及び図2に示すように、回胴式遊技機1のパネル表示部2aの中央には、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの外周面に付された図柄を見るための透光式の表示窓4L,4C,4R(図柄表示手段)が設けられており、表示窓4L,4C,4Rには、有効ライン8が表示されている。
【0026】
有効ライン8は、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、水平方向上部に配されたトップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8eとから構成されている。」

(ウ)「【0029】
有効ライン8は、表示窓4L,4C,4Rを通して表示される役の成否に関わる。具体的には、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立する。すなわち、内部当籤役が"スイカ"であった場合に、"スイカ"の図柄が、表示窓4L,4C,4Rの中段のセンターライン8a上に並んで停止表示された場合には、"スイカ"の小役の入賞が成立して、所定枚数のメダルが払出される。
【0030】
筐体枠2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれた左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rが、回転自在に横一列に設けられている。左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rに描かれた図柄のうちの一部は、各リールの前面に配設された透光部を有する表示窓4L,4C,4Rを通して視認することができる。図1及び図2に示す実施例では、左リール3L,中リール3C,及び右リール3R毎に、それぞれ独立した表示窓4L,4C,4Rを配設しているが、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの全ての図柄の一部を一括して視認可能に表示する大型の表示窓を一つ配設するように構成することもできる。
【0031】
左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rは、遊技者による変動表示開始の指示、即ち、後述するスタートレバー6の操作により回転を開始し、定速(例えば80回転/分。)で回転するように構成されている。」

(エ)「【0066】
主制御回路55は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路、クロックパルス発生回路を加えた構成となっている。マイクロコンピュータ30は、あらかじめ設定されたプログラムにしたがって制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を備えている。」

(オ)「【0069】
マイクロコンピュータ30のROM32には、CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が規定されたボーナス作動時テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路56に送信する制御信号などが記憶されている。
【0070】
RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される。尚、主制御回路55から副制御回路56に対しては一方向による通信で、制御信号等が出力される。」

(カ)「【0074】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生する。投入メダルセンサ50は、メダル投入口15に投入されたメダルを検出する。」

(キ)「【0079】
CPU31(内部当籤役決定手段)は、前述したサンプリングした乱数値に基づいて内部抽籤処理を行う。そして、CPU31(停止制御手段)は、遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミングで、リール停止信号や内部当籤役により滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる制御を行う。」

(ク)「【0103】
図9に示す内部抽籤テーブル決定テーブルには、各遊技状態に応じてCPU31(内部当籤役決定手段、内部当籤役持越手段)が参照する内部抽籤テーブル(後述の図10に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブル、図11に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブル参照。)及び、それぞれのテーブルを参照した際にCPU31が実行する抽籤回数の情報を記憶している。各遊技状態においては、内部抽籤処理においてCPU31により決定される可能性のある内部当籤役の種類、その内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている。
・・・
【0105】
次に、図10及び図11を参照しながら、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理(後述の図23参照。)において、CPU31が参照する内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、抽籤値に対応した当籤番号と、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとの情報を備えている。内部抽籤テーブルに示される抽籤値は、抽出した乱数値から抽籤回数毎に減算してゆく際に用いる値であり、当籤確率に対応した数値である。」

(ケ)「【0123】
図17に示す図柄組合せテーブルは、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている。図17に示す実施例では、表示役データは、1バイトからなるデータである。なお、図17に示す実施例では、「一般遊技状態」におけるメダルの投入枚数は3枚(3枚掛)とし、「BB遊技状態」又は「RB遊技状態」においては2枚(2枚掛)とするとともに、払出枚数もメダルの投入枚数に応じて差を設けている。」

(コ)「【0138】
次に、回胴式遊技機1の主制御回路55による制御処理を、図20に示すメインフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、ROM32に記憶された制御プログラムにより実行される処理手順を示すものであり、CPU31によって実施される。」

(サ)「【0142】
ステップS4では、新たにメダルが投入されたことによる投入枚数カウンタ又はクレジットカウンタの更新処理、投入枚数カウンタの値に応じた有効ライン8の設定処理、MAXBETスイッチ13の押下操作のチェック処理、単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理等を行う。このメダル受付・スタートチェック処理の詳細については、後段にて図22を用いて説明する。」

(シ)「【0154】
ステップS14では、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図17に示す図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。この処理では、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、図17に示す表示役データを、図18又は図19の表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットする。ここでは、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー(図4参照。)、図柄組合せテーブル(図17参照。)、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。」

(ス)「【0177】
ステップS102にて、CPU31は、図9に示す内部抽籤テーブル決定テーブルを参照して、遊技状態に応じて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する処理を行う。例えば、現在の遊技状態が「一般遊技状態」(図10参照。)である場合には、抽籤回数として「12」を代入する。また、現在の遊技状態が、「RB1遊技状態」又は「RB2遊技状態」(図11参照。)である場合には、抽籤回数として「1」を代入する。そして、決定した抽籤回数をCPU31のレジスタに抽籤回数カウンタの値としてセットする。」

(セ)「【0186】
次に、図24を参照して、内部当籤役と遊技者による停止操作のタイミングとに基づいて、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの回転を停止させるためのリール停止制御処理について説明する。図24は、図20のステップS13における主制御回路55のリール停止制御処理の詳細を示すものである。
【0187】
先ず、ステップS222にてCPU31は、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別する。このとき、有効な停止ボタンが押下操作されたと判断した場合には、次のステップS224の処理を実行する。他方、有効な停止ボタンが押下操作されていない場合には、再び、ステップS222の判断に戻り、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されるのを待つ処理を行う。」

(ソ)「【0209】
次に、図27に示すフローチャートを用いて定期割込処理について説明する。この定期割込処理は、例えば1.1173ms毎に、主制御回路55が定期的に実行する処理である。
ステップS352にてCPU31は、従前に実行していた図20に示す電源投入処理を割込処理により一時中断するので、内部抽籤処理(図20のステップS7)等で用いていたレジスタのデータを、RAM33の所定領域に一旦退避させる。」

上記(ア)?(ソ)の記載事項から、以下の事項が導かれる。

(a)上記(カ)の【0074】には、「スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生する。投入メダルセンサ50は、メダル投入口15に投入されたメダルを検出する。」と記載されていることから、引用文献1には、メダル投入口15に投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ50が記載されている。

(b)上記(サ)の【0142】には、「単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理等を行う。」と記載され、上記(エ)の【0066】には、「主制御回路55は、」「CPU31」「を備えている。」と記載され、上記(コ)の【0138】には、「主制御回路55による制御処理を、」「CPU31によって実施される。」と記載され、上記(カ)の【0074】には、「スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生する。投入メダルセンサ50は、メダル投入口15に投入されたメダルを検出する。」と記載されていることから、引用文献1には、単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理を主制御回路55のCPU31が行う際、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生するスタートスイッチ6Sが記載されている。

(c)上記(オ)の【0069】には、「スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う」と記載され、上記(ク)の【0103】には、「各遊技状態においては、内部抽籤処理においてCPU31により決定される可能性のある内部当籤役の種類、その内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている。」と記載され、上記(ク)の【0105】には、「内部当籤役を決定するための内部抽籤処理」「において、CPU31が参照する」と記載されていることから、引用文献1には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて、各遊技状態において決定される可能性のある内部当籤役の種類、その内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理を行うCPU31が記載されている。

(d)上記(ウ)の【0030】には、「各々の外周面に複数種類の図柄が描かれた左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rが、回転自在に横一列に設けられている。」と記載され、上記(ウ)の【0031】には、「左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rは、遊技者による変動表示開始の指示、即ち、後述するスタートレバー6の操作により回転を開始し、定速」「で回転するように構成されている。」と記載されていることから、引用文献1には、回転自在に横一列に設けられ、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれ、遊技者による変動表示開始の指示、即ち、スタートレバー6の操作により回転を開始し、定速で回転するように構成されている左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rが記載されている。

(e)上記(セ)の【0186】には、「遊技者による停止操作」と記載され、上記(セ)の【0187】には、「CPU31は、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別する。」と記載されていることから、引用文献1には、遊技者により左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別するCPU31が記載されている。

(f)上記(キ)の【0079】には、「CPU31」「は、遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミングで、リール停止信号や内部当籤役により滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる制御を行う。」と記載されていることから、引用文献1には、遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミングで、リール停止信号や内部当籤役により滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる制御を行うCPU31が記載されている。

(g)上記(イ)の【0025】には、「左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの外周面に付された図柄を見るための透光式の表示窓4L,4C,4R(図柄表示手段)が設けられており、表示窓4L,4C,4Rには、有効ライン8が表示されている。」と記載され、上記(イ)の【0026】には、「有効ライン8は、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、水平方向上部に配されたトップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8eとから構成されている。」と記載され、上記(ウ)の【0029】には、「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立する。」と記載され、上記(コ)の【0138】には、「主制御回路55による制御処理を、」「CPU31によって実施される。」と記載されていることから、引用文献1には、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの外周面に付された図柄を見るための透光式の表示窓4L,4C,4Rに表示され、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、水平方向上部に配されたトップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8eとから構成されている有効ライン8と、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立したとするCPU31が記載されている。

(h)上記(ウ)の【0029】には、「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立する。」「所定枚数のメダルが払出される。」と記載され、上記(シ)の【0154】には、「全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図17に示す図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。この処理では、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、図17に示す表示役データを、図18又は図19の表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットする。」「更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー」「、図柄組合せテーブル」「、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。」と記載され、上記(コ)の【0138】には、「主制御回路55による制御処理を、」「CPU31によって実施される。」と記載されていることから、引用文献1には、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される際、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定するCPU31が記載されている。

(i)上記(エ)の【0066】には、「主制御回路55は、」「記憶手段であるROM32を備えている。」と記載され、上記(オ)の【0069】には、「ROM32には、CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が規定されたボーナス作動時テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路56に送信する制御信号などが記憶されている。」と記載されていることから、引用文献1には、CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブルなどが記憶されている主制御回路55のROM32が記載されている。

(j)上記(エ)の【0066】には、「主制御回路55は、」「記憶手段である」「RAM33を備えている。」と記載され、上記(オ)の【0070】には、「RAM33には、」「抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される。」と記載されていることから、引用文献1には、抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される主制御回路55のRAM33が記載されている。

(k)上記(ス)の【0177】には、「遊技状態に応じて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する処理を行う。」「決定した抽籤回数をCPU31のレジスタに抽籤回数カウンタの値としてセットする。」と記載され、上記(ソ)の【0209】には、「CPU31は、」「内部抽籤処理」「等で用いていたレジスタ」と記載されていることから、引用文献1には、CPU31が、遊技状態に応じて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する処理を行った際、決定した抽籤回数が抽籤回数カウンタの値としてセットされ、内部抽籤処理等で用いるCPU31のレジスタが記載されている。

(l)上記(ウ)の【0029】には、「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立する。」「所定枚数のメダルが払出される。」と記載され、上記(コ)の【0138】には、「主制御回路55による制御処理を、」「CPU31によって実施される。」と記載され、上記(ケ)の【0123】には、「図柄組合せテーブルは、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている。」と記載され、上記(シ)の【0154】には、「全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図17に示す図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。この処理では、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、図17に示す表示役データを、図18又は図19の表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットする。」「更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー」「、図柄組合せテーブル」「、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定する。」と記載されていることから、引用文献1には、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される際、CPU31は、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定することが記載されている。

(m)上記(ウ)の【0029】には、「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立する。」「所定枚数のメダルが払出される。」と記載され、引用文献1には、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出されることが記載されている。

(n)上記【0020】には、「回胴式遊技機1」と記載されている。

以上(ア)?(ソ)の記載事項及び(a)?(n)の認定事項を総合すれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているa?nは、引用発明の構成を分説するため当審にて付した。)。

「a メダル投入口15に投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ50と、
b 単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理を主制御回路55のCPU31が行う際、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生するスタートスイッチ6Sと、
c スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて、各遊技状態において決定される可能性のある内部当籤役の種類、その内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理を行うCPU31と、
d 回転自在に横一列に設けられ、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれ、遊技者による変動表示開始の指示、即ち、スタートレバー6の操作により回転を開始し、定速で回転するように構成されている左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rと、
e 遊技者により左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別するCPU31と、
f 遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミングで、リール停止信号や内部当籤役により滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる制御を行うCPU31と、
g 左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの外周面に付された図柄を見るための透光式の表示窓4L,4C,4Rに表示され、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、水平方向上部に配されたトップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8eとから構成されている有効ライン8と、所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立したとするCPU31と、
h 所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される際、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定するCPU31と、
i CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブルなどが記憶されている主制御回路55のROM32と、
j 抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される主制御回路55のRAM33と、
k CPU31が、遊技状態に応じて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する処理を行った際、決定した抽籤回数が抽籤回数カウンタの値としてセットされ、内部抽籤処理等で用いるCPU31のレジスタと、
l 所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される際、CPU31は、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定し、
m 所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される
n 回胴式遊技機1。」

イ 引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-27483号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。

(ア)「【0010】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。」

(イ)「【0266】
<主制御部の特殊命令>
次に、図36および図37を用いて、主制御部300が備える特殊命令について説明する。なお、図36は、主制御部300が備える命令の一部と、その説明を示した図である。また、図37(a)は、主制御部300の命令データの上位ビットと下位ビットを示した図であり、同図(b)は、命令データテーブルの一例を示した図である。」

(ウ)「【0286】
「TENSOUINC BC,(HL)」命令を例に挙げると、第2オペランドで示されるペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの下位のレジスタCに記憶し、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、第2オペランドで示されるペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの上位のレジスタBに記憶し、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算するための命令である。TENSOUINC命令は、HLレジスタの値で示されるアドレス以降のアドレスに格納されている値をレジスタに転送するのに適している。また、TENSOUINC命令は、該命令を実行後にBレジスタの値が0か否かで該命令を繰り返すか否かの判断処理を行う場合、繰り返すと判断した場合には判断前にHLレジスタにプラス1されているために該命令を使用するのに適している。また、繰り返し処理を行わない場合にもTENSOUINC命令後はHLレジスタの値をプラス1した状態で次の処理を行うことができるので該命令を使用するのに適している。」

以上(ア)?(ウ)の記載事項から、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されている。

「ペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、ペアレジスタBCのうちの下位のレジスタCに記憶し、ペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、ペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、ペアレジスタBCのうちの上位のレジスタBに記憶し、ペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算するための命令である「TENSOUINC BC,(HL)」命令を主制御部300が備えるパチンコ機100。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出し(a)?(n)は、本願補正発明の特定事項A?N、引用発明の特定事項a?nに対応させている。

(a)引用発明の「メダル投入口15に投入されたメダルを検出する」ことは、本願補正発明の「遊技媒体の投入操作を検出する」に相当するので、引用発明の「メダル投入口15に投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ50」は、本願補正発明の「遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(特定事項A)」に相当する。

(b)引用発明の「単位遊技を行うためのメダルが投入されていること」は、本願補正発明の「前記投入操作検出手段による投入操作の検出された」ことに相当し、引用発明の「スタートレバー6の操作を検出」することは、本願補正発明の「遊技者による開始操作を検出する」ことに相当する。
してみると、引用発明の「単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理を主制御回路55のCPU31が行う際、スタートレバー6の操作を検出してスタートスイッチ信号を発生するスタートスイッチ6S」は、本願補正発明の「前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(特定事項B)」に相当する。

(c)引用発明の「スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて」「内部当籤役を決定するための内部抽籤処理を行う」ことは、本願補正発明の「前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて」「内部当籤役を決定する」ことに相当する。また、引用発明の「内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている」ことは、本願補正発明の「予め定められた確率で内部当籤役を決定する」ことに相当する。
してみると、引用発明の「スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて、各遊技状態において決定される可能性のある内部当籤役の種類、その内部当籤役が決定される確率等がそれぞれ定められている、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理を行うCPU31」は、本願補正発明の「前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(特定事項C)」に相当する。

(d)引用発明の「左リール3L,中リール3C,及び右リール3R」が「回転自在に横一列に設けられ、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれ」ることは、本願補正発明の「複数の表示列を含」むことに相当する。また、引用発明の「遊技者による変動表示開始の指示、即ち、スタートレバー6の操作により回転を開始し、定速で回転するように構成されている」ことは、本願補正発明の「前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する」ことに相当する。
してみると、引用発明の「回転自在に横一列に設けられ、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれ、遊技者による変動表示開始の指示、即ち、スタートレバー6の操作により回転を開始し、定速で回転するように構成されている左リール3L,中リール3C,及び右リール3R」は、本願補正発明の「複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段(特定事項D)」に相当する。

(e)引用発明の「遊技者により左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別する」ことは、本願補正発明の「遊技者による停止操作の検出を行う」ことに相当するので、引用発明の「遊技者により左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L,中リール3C,又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別するCPU31」は、本願補正発明の「遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(特定事項E)」に相当する。

(f)引用発明の「内部当籤役」、「遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミング」は、それぞれ、本願補正発明の「前記内部当籤役決定手段の決定結果」、「前記停止操作検出手段による停止操作の検出」に相当し、引用発明の「滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる」ことは、本願補正発明の「前記図柄の変動表示を停止させる」ことに相当する。
してみると、引用発明の「遊技者が左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rを押下操作したそれぞれのタイミングで、リール停止信号や内部当籤役により滑り駒数を決定し、左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rをそれぞれ所定の位置に停止させる制御を行うCPU31」は、本願補正発明の「前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(特定事項F)」に相当する。

(g)引用発明の「左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの外周面に付された図柄を見るための透光式の表示窓4L,4C,4Rに表示され、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、水平方向上部に配されたトップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8eとから構成されている有効ライン8」は、本願補正発明の「前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン」に相当するので、引用発明の「図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合」は、本願補正発明の「前記複数の表示列の変動表示が停止された場合」に相当する。また、引用発明の「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立したとする」ことは、本願補正発明の「前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する」ことに相当する。
してみると、引用発明の「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立したとするCPU31」は、本願補正発明の「前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段(特定事項G)」に相当する。

(h)引用発明の「図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定する」ことは、本願補正発明の「前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理」に相当するので、引用発明の「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し、所定枚数のメダルが払出される際、全ての停止ボタン(左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7R)が操作されて、対応する全てのリール3(左リール3L,中リール3C,及び右リール3R)が停止したとき、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて、表示役を識別し、表示役データを、表示役1格納領域又は表示役2格納領域にセットし、更に、有効ライン8に沿って並ぶ図柄の位置を表すコードナンバー、図柄組合せテーブル、及び投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数とを決定するCPU31」は、本願補正発明の「前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(特定事項H)」に相当する。

(i)引用発明の「CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブル」は、本願補正発明の「前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報」に相当するので、引用発明の「CPU31における処理を実現するプログラムや、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数のサンプリングで取得した乱数値を用いて内部抽籤処理を行う各種の内部抽籤テーブル、左停止ボタン7L,中停止ボタン7C,及び右停止ボタン7Rの操作に応じて、対応する左リール3L,中リール3C,及び右リール3Rの停止態様を決定するための停止制御テーブルなどが記憶されている主制御回路55のROM32」は、本願補正発明の「前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段(特定事項I)」に相当する。

(j)引用発明の「抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報」は、本願補正発明の「前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報」に相当するので、引用発明の「抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、RB1遊技状態フラグ,RB2遊技状態フラグ,BB1?BB6遊技状態フラグ等)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される主制御回路55のRAM33」は、本願補正発明の「前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段(特定事項J)」に相当する。

(k)引用発明の「CPU31」、「抽籤回数が抽籤回数カウンタの値としてセットされ」る「レジスタ」は、それぞれ、本願補正発明の「演算処理手段」、「データが格納される汎用レジスタ」に相当する。引用発明は、「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立したとする(特定事項g)」際にレジスタを用いるのか不明であるものの、引用発明と本願補正発明とは、演算処理手段は、演算処理手段による処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有する点で共通する。

(l)引用発明の「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し」たとすることは、本願補正発明の「前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する」ことに相当する。また、引用発明の「有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている図柄組合せテーブル」の「払出枚数」、「表示役」は、それぞれ、本願補正発明の「前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータ」、「該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データ」に相当する。
してみると、引用発明と本願補正発明とは、演算処理手段は、遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを用いる処理を行う点で共通する。

(m)引用発明の「所定の内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が、有効化されている何れかの有効ライン8上の位置に並んで停止表示された場合に、その所定の役が成立し」たとすることは、本願補正発明の「前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する」ことに相当し、引用発明と本願補正発明とは、遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する点で共通する。

(n)引用発明の「回胴式遊技機1」は遊技機であり、引用発明と本願補正発明とは、いずれも遊技機に関する発明である点で一致する。

上記(a)?(n)によれば、本願補正発明と引用発明とは、

「A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
D 複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段と、
E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
G 前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段と、
H 前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段と、
I 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段と、
J 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段と、を備え、
K’前記演算処理手段は、
前記演算処理手段による処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有し、
L’前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを用いる処理を行い、
M’前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する
N ことを特徴とする遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](特定事項K)
演算処理手段による処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタについて、
本願補正発明は、「前記演算処理(判定動作を制御するための演算処理)」の実行時に汎用レジスタにデータが格納されるのに対して、
引用発明は、内部抽籤処理等でレジスタを用いる点。

[相違点2](特定事項L)
遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理について、
本願補正発明は、「所定の読み出し命令を実行することにより、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、前記遊技媒体の払出数のデータ及び前記判定データが格納されている前記第2記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行」うのに対して、
引用発明は、そのような処理を行うのか不明である点。

[相違点3](特定事項M)
遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する際に、
本願補正発明は、「キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行」するのに対して、
引用発明は、そのような処理を行うのか不明である点。

(4)判断
ア 相違点1及び相違点2について
相違点1及び相違点2は、いずれも判定動作を制御するための演算処理に係るものであり、まとめて検討する。
引用文献2に記載された事項の「TENSOUINC BC,(HL)」命令は、命令を実行することにより、ペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、ペアレジスタBCのうちの下位のレジスタCに記憶し、ペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、ペアレジスタBCのうちの上位のレジスタBに記憶させるものであり、当該処理は、本願補正発明の「所定の読み出し命令を実行することにより、」2つのデータを「同時に取得する処理」に相当する。また、「TENSOUINC BC,(HL)」命令は、命令を実行することにより、ペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に1を加算させた後に、ペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算させており、当該処理は、本願補正発明の「データが格納されている第2記憶手段内のアドレスを更新する処理」に相当する。よって、引用文献2に記載された事項と本願補正発明とは、所定の読み出し命令を実行することにより、2つのデータを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、2つのデータが格納されている記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行う点で共通する。
そして、引用発明と引用文献2に記載された事項とが、いずれも、遊技機の技術分野に属し、遊技機においてデータを読み出す機能を有する事から機能が共通することに鑑みると、引用発明が、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理において、表示役データ及び払出枚数データを取得する際に引用文献2に記載された事項を適用し、レジスタに格納されたデータに基づいて表示役データ及び払出枚数データを同時に取得する処理と、レジスタが指定する記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行わせる命令を実行させることにより、上記相違点1及び相違点2に係る本願補正発明の特定事項K及び特定事項Lとすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点3について
キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行することは、遊技機の技術分野において、特開平9-253273号公報(【0038】には、「ステップ3で、キャリーフラグCが1の場合にはLIST 4 2番地にジャンプする。JRはジャンプレラティブであり、256バイト内の領域にジャンプさせる比較的単純な命令コードであり」との記載がある。)、「「パチンコ解析実戦講座」,パチンコ攻略マガジン1993年11.25号,株式会社双葉社,1993年11月25日,p.051」(「JR C,RANSET」に関して、「「キャリーフラグが立っていたら、ジャンプせよ」という命令。ジャンプ先のプログラムアドレスはRANSETである。」との記載がある。)に記載されているように、本願出願前に周知である(以下、「周知技術」という。)。また、特開昭61-269752号公報(第4ページ右上欄第18行-第20行には、「ステップ24においてキャリーフラグがセットされておれば、@にジャンプし、そうでなければ次のステップへ進む。」との記載がある。)、「図解ET教科書-TLCS-900ファミリー-+μITRON-,株式会社オーム社,平成20年5月12日,p.23,p.24」(「JP C,LABEL 1 ;キャリーフラグが立っていればジャンプLABEL1番地へ」との記載がある。)に記載されているように、当該周知技術は遊技機の分野のみならず、本願出願前に広く一般に知られていたものである。
引用発明と周知技術とは、遊技機の技術分野に属するものであり、引用発明が、有効ライン8に沿ったそれぞれの図柄組合せに対応して、表示役データ及び払出枚数のデータを備えている図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定する処理を行う際に、当該周知技術を付加し、キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行することにより、上記相違点3に係る本願補正発明の特定事項Mとすることは、当業者が容易になし得たことである。

よって、本願補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書3.c.において、「本願請求項1に係る発明では、上記第1及び第2の特徴を設けることにより、例えば、主制御回路で管理する処理プログラムやテーブルなどの容量を削減して主制御回路のROM(第1記憶手段)の空き容量を増やし、該増えた容量分のROMの空き領域を利用して遊技性を高めることができる、という効果が得られます(本願明細書の段落[0013]参照)。」と主張している。
しかし、引用文献2に「TENSOUINC BC,(HL)」命令では、必要なステート数は14ステート、必要なバイト数は2バイトである。一方、従来の命令によってTENSOUINC命令と同様の処理を行う場合には、図36に示すように、必要なステート数は26ステート(=7+6+7+6)、必要なバイト数は4バイト(=1+1+1+1)である。したがって、HLレジスタの値で示されるアドレスと次のアドレスに格納された値をBCレジスタに転送する場合に「TENSOUINC BC,(HL)」命令を使用すれば、制御プログラムの処理時間を短縮して制御負担を軽減することができる上に、プログラムコード量を削減することができ、メモリ容量が制限されているROMの記憶領域を有効に利用することができる場合がある。また、遊技性を高めるためにプログラムコードが増えたとしても、プログラム容量の増加や処理速度の低下を抑止できる場合がある。また、プログラム容量を削減することによって、開発者のコーディングミスやチェックミスを減らし、デバッグが容易で開発効率を高めることが可能となることに加えて、遊技台として適正な機能を有するか否かを外部機関が確認する際にも、確認作業のミスを防止でき、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技台を提供できる場合がある。なお、INCTENSOU命令とTENSOUINC命令は、CPUに両方実行可能に備えるようにしても良いし、何れか一方のみ実行可能に備えるようにしてもよい。(【0287】、下線は当審にて付した。)」と記載されていることから、出願人が主張する効果は、引用発明に引用文献2に記載された事項を適用する際に、当業者が予測できる範囲のものにすぎない。
よって、請求人の主張は採用できない。

(6)小括
以上のように、本願補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることはできない。

4.補正却下の決定についてのむすび
上記3.において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年9月21日に提出された手続補正書により補正された、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A?Nは分説のために当審で付した。)。

「【請求項1】
A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出された後、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
D 複数の表示列を含み、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、各表示列に設けられた図柄を変動表示する変動表示手段と、
E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
G 前記停止制御手段により前記複数の表示列の変動表示が停止された場合に、前記複数の表示列に跨って設定された判定ライン上に、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する特典付与判定手段と、
H 前記特典付与判定手段による判定動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段と、
I 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶手段と、
J 前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶手段と、を備え、
K 前記演算処理手段は、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時にデータが格納される汎用レジスタを有し、
L 前記演算処理手段は、
前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理において、
所定の読み出し命令を実行することにより、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示された場合に付与され得る前記遊技媒体の払出数のデータと、該払出数のデータに対応付けられた、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せの種別を示す判定データとを同時に取得する処理、並びに、該取得処理時に指定する、前記遊技媒体の払出数のデータ及び前記判定データが格納されている前記第2記憶手段内のアドレスを更新する処理の両方の処理を行う
N ことを特徴とする遊技機。」

2.原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由である理由1は、本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

・請求項1-2
・引用文献等1-2
引用文献1 特開2009-201915号公報
引用文献2 特開2013-27483号公報

3.引用文献について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1及び引用文献2の記載事項は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、演算処理手段の「前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが前記判定ライン上に停止表示されたか否かを判定する処理」に関して、「キャリーフラグの状態を判定する判定命令、処理のジャンプ先アドレスの指定命令及び処理のジャンプ動作命令を一つの命令で実行可能な所定の判定命令を実行して、前記遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが停止表示されたか否かを判定する」という限定を付加した部分を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とを対比すると、上記第2の3.(3)に記載した相違点1及び相違点2で相違するが、これらの点ついては上記第2の3.(4)で検討したとおりであり、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることはできない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-05-31 
結審通知日 2019-06-04 
審決日 2019-06-17 
出願番号 特願2016-159161(P2016-159161)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
P 1 8・ 575- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 一  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 大山 栄成
松川 直樹
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人信友国際特許事務所  
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