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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1354409
審判番号 不服2018-17517  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-28 
確定日 2019-08-15 
事件の表示 特願2015-232753号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月 8日出願公開、特開2017- 99442号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年11月30日の出願であって、平成29年8月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月6日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年3月13日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年5月14日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月10日付けで、同年5月14日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

なお、審判請求人は、平成31年4月24日に、平成31年3月18日作成の特許法第164条第3項の規定に基づく報告(前置報告)に対する意見を記載した上申書(以下、単に「上申書」という。)を提出している。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
本件補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の概要
(1)本件補正は、
平成29年10月6日に提出された手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう遊技機であって、
前記一括表示装置は、
第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する、
遊技機。」とあったものを、

「LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう遊技機であって、
前記一括表示装置は、
第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する、
遊技機。」
と補正するものである(下線は、補正前後の箇所を明示するために合議体が付した)。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
本件補正前の請求項1に「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する」とあったものを、「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する」とする補正。

2 本件補正の目的
(1)上記1(2)の補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0628】ないし【0630】、図105等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが・・・点灯する」ことを、「前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより」「点灯態様を変更する」ことに限定するとともに、その「点灯態様を変更する」時期的要件について、本件補正前の請求項1において記載されていた「変動表示中においていずれかのタイミング」を、「変動表示中において・・・前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミング」に限定するものである。

(2)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしHは、分説するため合議体が付した。

「A LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、
B ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう
C 遊技機であって、
A 前記一括表示装置は、
D 第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、
E 前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
F 変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、
G 前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
H 前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する、
C 遊技機。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-153887号公報(平成25年8月15日出願公開、以下「引用例」という。)には、パチンコ遊技機に関し、次の事項が図面とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を用いて特別図柄の変動表示動作と保留数表示を行う弾球遊技球に関する。
・・・略・・・
【0019】
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
・・・略・・・
【0505】
<16.各種機能表示部:図2、図5>
(16-1.LEDによる構造:図51)
再び図2を参照して、遊技盤の非遊技領域、ここでは遊技盤3の右上縁付近には、接近して設けられた複数個のLEDにより構成される各種機能表示部が設けられている。この各種機能表示部には、図5および図51(イ)に示すように7セグメント表示器(ドット付)が3個並設され、そのうちの左側と中側の2個の7セグメント表示器によって第1特別図柄表示装置38aと第2特別図柄表示装置38bが構成されている。また残りの右側の1個の7セグメント表示器により、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5種類の機能を表示し得る保留・時短・高確複合表示装置(保留複合表示装置)38cが構成されている。さらに保留複合表示装置38cの隣りには、普通図柄表示用LED群とラウンド数表示用LED群とを有する普図・ラウンド表示ブロック39が配設されている。すなわち、この普図・ラウンド表示ブロック39中には、ドット状の2個のLEDを横方向に配置してなる普通図柄表示装置39aと、ドット状の3個のLEDを横方向に配置してなるラウンド数表示装置39bとが上下二段に配設されている。これらにより各種機能表示部は構成される。
【0506】
なお、特別図柄表示装置38a、38b、保留複合表示装置38cおよび普図・ラウンド表示ブロック39は、遊技盤の非遊技領域に互いに接近して集約的に配置されるが、その相互の配置関係や非遊技領域での配設場所は自由である。たとえば、図51(イ)の配置関係全体を紙面内で180°回転させた姿の配置関係に変更し、これを遊技盤3内の右下の非遊技領域や中央の非遊技領域に配設することもできる。
【0507】
また遊技盤の非遊技領域とは、この実施形態では遊技盤3の右上片隅部であるが、遊技盤の中央に非遊技領域が形成され、それを取り巻くように遊技領域が形成され、さらにその遊技領域の外側に非遊技領域が形成されている場合は、その遊技領域の内側に形成された非遊技領域または遊技領域の外側に形成された非遊技領域のいずれに各種機能表示部を形成しても良い。
【0508】
上記特別図柄表示装置38a、38bおよび保留複合表示装置38cは、7セグメント表示器、正確には7セグメントLED表示器(ドット付)からなる。そこで、以下、この3個の7セグメントLED表示器を、特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38bおよび保留複合表示用LED表示器38cとも称する。ダイナミック駆動制御上の走査対象として、特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、および特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群は、それぞれ独立した1つの特別図柄表示系のブロックとしてまとまっており、また保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群は保留表示系(正確には保留複合表示系)のブロックとしてまとまっており、また普通図柄表示用LED39aおよびラウンド数表示用LED39bは一つの普図・ラウンド数表示ブロックとしてまとまっている。
【0509】
上記特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38bおよび保留複合表示用LED表示器38cを構成する7セグメントLED表示器は、図51(ロ)に示すように、それぞれ8の字状に配置された7つのLEDセグメント(向かって右回りにA?Fおよび中央のG)と、8番目のLEDセグメントである1つのドットDPとで構成されている。そして、各LEDセグメントA?GおよびDPにそれらを個別に活性化するためのデータ信号(図63のダイナミック点灯データDn(D0?D7))が加えられ、かつ、各7セグメントLED表示器のコモン(図52のアノードコモンCOM、DP-A)に加えられる走査信号(図52のダイナミック点灯コモンC0?C3)によって、該当する7セグメントLED表示器が選択的に駆動されることにより、該当する7セグメントLED表示器のLEDセグメントに電流が流れて発光する。このように、上記3つのLED表示器38a、38bおよび38cは、走査信号によってLED表示器の点灯を順次切り換えて行くダイナミック駆動方式によって駆動され、ダイナミック点灯表示される。なお、この実施形態の場合、特別図柄表示装置38a、38bおよび保留複合表示装置38cを構成する7セグメントLED表示器として内部回路構成がアノードコモンのものを用いているが、この替わりに内部回路構成がカソードコモンの7セグメントLED表示器を用いることもできる。
・・・略・・・
【0514】
(16-3.特別図柄表示用LED表示器38a、38bの表示機能:図53)
特別図柄表示用LED表示器38a、38bは、特別図柄変動表示ゲームにおいて特別図柄を変動表示動作させ、その変動表示動作の停止時には、7セグメント(正確にはドットDPを含む計8セグメント)により表現される所定の特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)のうち、抽選結果を反映させた特別図柄を、たとえばハズレA図柄「・」、ハズレB図柄「-」、当り図柄「1」「2」・・などの表示態様にて停止表示する。これらの停止図柄の表示態様は特別停止図柄データ作成処理(図17のステップS428)で作成される特別停止図柄番号により特定される。
【0515】
図53は、この特別図柄表示の変動中の表示態様と変動停止中(停止時)の表示態様を作り出すために特別図柄表示用LED表示データテーブルを切り替える切替方式(特別図柄表示の表示切替態様)を略示したものである。ここでは、特別図柄表示用LED表示データテーブルにA、Bの二種類を用意する実施形態について説明する。
【0516】
図53では、説明を簡単にするため、特別図柄表示用LED表示データテーブルAには、「-」、「-」、「1」、「2」、「3」・・・の各停止図柄表示データが0番地から順次記憶されており、また特別図柄表示用LED表示データテーブルBには、「・」、「-」、「1」、「2」、「3」・・・の図柄の表示データが0番地から順次記憶されているものとする。ここで「・」はハズレA図柄、「-」はハズレB図柄であり、「1」、「2」、「3」・・・は当り図柄である。ハズレA図柄「・」、ハズレB図柄「-」は、その停止表示データが変動中表示データとして用いられる。なお実際には、図62に示すように、停止図柄にはハズレA、B、Cの3種類があるが、ここではハズレA、Bに対応する停止図柄「・」「-」の停止図柄データが、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bのそれぞれ0番地に変動表示用データとして格納されている。そしてハズレCに対応する停止図柄データが、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bのそれぞれ1番地に格納されており、ハズレが1種類の場合であるとして示している。
【0517】
特別図柄の「変動中」の場合つまり変動表示中の期間には、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bにおける0番地の「-」と「・」の図柄の表示データを交互に128ms間隔で切り替えることにより、変動中を示す点滅表示を行わせる。また「ハズレ」の場合の特別図柄の停止時には、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bの次の1番地における「-」と「-」の図柄の表示データを交互に128ms間隔で切り替えることにより、「-」の図柄を継続的に点灯表示させる。また当りの場合、たとえば図53に例示する「当り1」の場合の特別図柄の停止時には、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bの2番地における「1」と「1」の図柄の表示データを交互に128ms間隔で切り替えることにより、特別図柄として「1」の図柄を継続的に点灯表示させる。同様にして、当り2、当り3・・の場合の特別図柄の停止時には、特別図柄表示用LED表示データテーブルA、Bの3番地、4番地・・における「2」と「2」、「3」と「3」・・の図柄の表示データを交互に128ms間隔で切り替えることにより、特別図柄として、たとえば「2」「3」・・等の図柄を継続的に点灯表示させる。
【0518】
上記した特別図柄が継続的に点灯表示している期間、つまり特別図柄が停止表示してから次の図柄変動表示動作が開始されるまでの時間長さは、本実施形態の場合、特別図柄表示の点滅周期128msより2倍以上長い500msとしている。そこで特別図柄の表示態様は、その点滅周期128msより2倍以上長い500msの停止状態を維持した後、次の図柄変動表示動作が開始されることになる。そのため、特別図柄の表示が変動停止中なのか変動中なのかが容易に認識することができる。
【0519】
(16-4.保留複合表示用LED表示器38cの表示機能:図54)
図54(イ)?(ホ)は、保留複合表示用LED表示器38cのセグメントの種類(配置位置)と発光パターンの種別とにより識別される5つの表示機能を個別に示したものである。
【0520】
図54(イ)は特別図柄1作動保留球数の表示(特図1保留表示)機能を示している。この例の場合、保留複合表示用LED表示器38cは、8字状配置7セグメントの上側のロの字状に配置された4つのLEDセグメントA、B、F、Gのうち、「左」と「下」にL字状に配置された2つのLEDセグメントF、G(特図1用保留LED1と特図1用保留LED2)の点灯と点滅の組合せによる表示態様により、特別図柄1作動保留球数の表示がなされる。
【0521】
具体的には、図54(イ)に示すように、作動保留球数が1個(保留1)の場合は、左セグメントF(特図1用保留LED1)が1個だけ点滅している保留表示態様(第1の保留表示態様:左セグメントF=点滅、下セグメントG=消灯)となる。また、作動保留球数2個(保留2)の場合は、左と下のセグメントF、G(特図1用保留LED1と特図1用保留LED2)が共に点滅している保留表示態様(第2の保留表示態様:左セグメントF=下セグメントG=点滅)となる。また、作動保留球数3個(保留3)の場合は左セグメントF(特図1用保留LED1)が点灯で、下セグメントG(特図1用保留LED2)が点滅している保留表示態様(第3の保留表示態様:左セグメントF=点灯、下セグメントG=点滅)となる。そして、作動保留球数4個(保留4)の場合は左と下のセグメントF、G(特図1用保留LED1と特図1用保留LED2)が共に点灯している保留表示態様(第4の保留表示態様:左セグメントF=下セグメントG=点灯)となる。
【0522】
また、図54(ロ)は特別図柄2作動保留球数の表示(特図2保留表示)機能を示している。この例の場合、保留複合表示用LED表示器38cは、8字状配置7セグメントの上側のロの字状に配置された4つのLEDセグメントA、B、F、Gのうち、「上」と「右」に配置された2つのLEDセグメントA、B(特図2用保留LED1と特図2用保留LED2)の点灯と点滅の組合せによる表示態様により、特別図柄2の作動保留球数が表示される。
【0523】
具体的には、図54(ロ)に示すように、作動保留球数1個(保留1)の場合は、上セグメントA(特図2用保留LED1)が1個だけ点滅している保留表示態様(第1の保留表示態様:上セグメントA=点滅、右セグメントB=消灯)となる。また、作動保留球数2個(保留2)の場合は、上と右のセグメントA、B(特図2用保留LED1と特図2用保留LED2)が共に点滅している保留表示態様(第2の保留表示態様:上セグメントA=右セグメントB=点滅)となる。また、作動保留球数3個(保留3)の場合は、上セグメントA(特図2用保留LED1)が点灯で、右セグメントB(特図2用保留LED2)が点滅している保留表示態様(第3の保留表示態様:上セグメントA=点灯、右セグメントB=点滅)となる。そして、作動保留球数4個(保留4)の場合は、上と右のセグメントA、B(特図2用保留LED1と特図2用保留LED2)が共に点灯している保留表示態様(第4の保留表示態様:上セグメントA=右セグメントB=点灯)となる。
【0524】
また、図54(ハ)は普通図柄の作動保留球数の表示(普図保留表示)機能を示している。この例の場合、保留複合表示用LED表示器38cは、8字状配置7セグメントの下側のU字状に配置された3つのセグメントCDEのうち、「左」と「右」に配置された2つのセグメントC、E(普図用保留LED1と普図用保留LED2)の点灯と点滅の組合せによる表示態様により、普通図柄の作動保留球数が表示される。
【0525】
具体的には、図54(ハ)に示すように、作動保留球数1個(保留1)の場合は、右セグメントC(普図用保留LED1)が1個だけ点滅している保留表示態様(第1の保留表示態様:右セグメントC=点滅、左セグメントE=消灯)となる。また、作動保留球数2個(保留2)の場合は、右と左のセグメントC、E(普図用保留LED1と普図用保留LED2)が共に点滅している保留表示態様(第2の保留表示態様:右セグメントC=左セグメントE=点滅)となる。また、作動保留球数3個(保留3)の場合は、右セグメントC(普図用保留LED1)が点灯で、左セグメントE(普図用保留LED2)が点滅している保留表示態様(第3の保留表示態様:右セグメントC=点灯、左セグメントE=点滅)となる。そして、作動保留球数4個(保留4)の場合は、上と右のセグメントA、B(普図用保留LED1と普図用保留LED2)が共に点灯している保留表示態様(第4の保留表示態様:右セグメントC=左セグメントE=点灯)となる。
【0526】
図54(ニ)は変動時間短縮機能作動中(変動短縮中(時短中))を報知する表示機能を示している。この例の場合、保留複合表示用LED表示器38cは、8字状配置7セグメントの下側のU字状に配置された3つのセグメントCDEのうち、「下」に配置された1つのセグメントD(時短中報知LED1)が点灯しているか否かにより、変動時間短縮機能(変動短縮(時短)機能)が作動しているか否かを表示する。
【0527】
図54(ホ)は高確率状態中(高確中)を報知する表示機能を示している。この例の場合、保留複合表示用LED表示器38cは、8番目のセグメントであるドットDP(高確中報知LED)の点灯の有無により、遊技状態が高確率状態にあるか否かを表示する。このドットDP(高確中報知LED)は、高確率状態下での電断復帰の場合に条件装置が作動するまで点灯し、電源断復旧時に確率変動機能作動中を報知する。
【0528】
以上の作用を踏まえ、各種機能表示部の構成をLEDを中心にして見ると、特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38bは第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示中に点滅表示される複数個のLEDによりそれぞれ構成される。また保留複合表示用LED表示器38cのLEDセグメントF、GおよびLEDセグメントA、Bは、それぞれ第1特別図柄保留数表示手段および第2特別図柄保留数表示手段として働く。そこで、第1特別図柄保留数表示手段および第2特別図柄保留数表示手段は、その発光パターンの点灯と点滅の組み合わせによって保留数に関する複数の遊技状態を表示する複数個のLED(LEDセグメントF、GおよびA、B)によりそれぞれ構成されていることになる。
・・・略・・・
【0540】
(16-7.点滅周期の相違)
上記した特図1表示用LED表示器38aおよび特図2表示用LED表示器38bと、保留複合表示用LED表示器38cとには、主制御部20からダイナミック点灯コモンC0?C3とダイナミック点灯データD0?D4の信号が加えられて、ダイナミック点灯駆動される。
【0541】
その際、上記特図1表示用LED表示器38aおよび特図2表示用LED表示器38bの点滅周期と、保留複合表示用LED表示器38cの点滅周期とは互いに異なっている。これらのLEDのうちで特に特別図柄表示と保留個数表示とに注目すると、特別図柄表示系(特図1表示用LED表示器38aおよび特図2表示用LED表示器38b)の点滅周期は128ms周期であり、これに対し保留個数表示系(保留複合表示用LED表示器38c)の点滅周期は256ms周期となっている。つまり特図表示用LED表示器38a、38bのLED(セグメントG、DP)の第1の点滅周期よりも特別図柄保留数表示手段のLED(保留複合表示用LED表示器38cのセグメントF、GまたはA、B)の第2の点滅周期の方が長くなっている。このため特別図柄表示系の表示と保留個数表示系の表示とを区別して認識することが容易となっている。この作用効果は、非遊技領域の局所的な狭い場所に7セグメント表示器やLEDを配置したり、その周囲に説明プレート等を配置しない形態とした場合に特に顕著となる。
【0542】
すなわち、遊技盤の非遊技領域に所定数接近して集約的に設けられ、遊技の進行を制御する主制御部により駆動制御される複数のLED群(この実施形態では、表示器38a、38b、38cのLEDセグメント群および普図・ラウンド表示ブロック39のLED群)により構成される各種機能表示部(図51(イ))を有するので、一方においては、それらのLEDうちで、たとえば点滅周期の速いLEDセグメント群が存在することを認識できれば、それは特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bのLEDセグメントの点滅であって、そのLEDセグメントの表示態様(図53参照)から、特別図柄1、2が変動中であるか否かや変動停止した場合にどの図柄で停止したかを含む特別図柄の表示態様についての遷移状況が判る。他方においては、これとの比較において、点滅周期の遅いLEDセグメント群(F、G、またはA、B)が存在することを認識できれば、それは保留個数表示系(保留複合表示用LED表示器38c)のLEDセグメントの点滅であって、そのLED表示態様(図54(イ)(ロ)、図56参照)から、特別1保留表示と当別2保留表示の区別、および特別図柄1、2についての保留個数の遷移状況、すなわち保留0?保留4の間で保留個数表示が変化する様子が判る。
・・・略・・・
【0560】
(17-3.図柄表示データ作成処理:図58)
図58は、上記特別図柄表示データ更新処理(図57)中のステップS633とステップS636で呼び出されて使用される図柄表示データ作成処理(サブルーチン)の詳細を示したものである。この図柄表示データ作成処理は、特別図柄1の図柄表示データ作成処理(ステップS633)と特別図柄2の図柄表示データ作成処理(ステップS636)において、共通の処理モジュールとして利用される。なお、この図柄表示データ作成処理は、普通図柄についても共通の処理モジュールとして利用される。
【0561】
図58の図柄表示データ作成処理を用いて、まず特別図柄1の図柄表示データを作成する。この場合は、まずレジスタにセットした特別図柄1変動中フラグの内容が5AH(特別図柄1が変動中)であるか否かをチェックする(ステップS641)。
【0562】
特別図柄1変動中フラグが5AHである場合(特別図柄1が変動中の場合)は、RAMワーク領域W_T1ZCNTにある特別図柄1変動カウンタの値をHLレジスタにロードして、そのHLレジスタ(特別図柄1変動カウンタ)の値を+1(1加算)する(ステップS642)。
【0563】
ここで「変動カウンタ」とは、特別図柄1または特別図柄2について、それぞれ二種類の図柄「・」と「-」を交互に切替表示することを目的として、LEDの表示データ(点滅と点灯)を切替制御するために用いられる切替タイミング作成用のカウンタである。この変動カウンタは、特別図柄が変動中(変動表示の期間中)であれば、その期間中、主制御側タイマ割込処理(図8)の割込み周期である4ms毎に+1され、そのカウンタ値が増加して行き(図58のステップS642)、特別図柄の変動表示の期間(変動時間)が終了するとクリアされる(図20のステップS453)。このため変動カウンタのカウント動作、したがって後述する変動カウンタのBit5の出力の更新動作は、特別図柄の変表示の期間中においてのみ行われる。この変動カウンタには、図57のステップS633またはS636のいずれかで用いられかにより、特別図柄1変動カウンタと特別図柄2変動カウンタという二つの種別がある。図57のステップS633で用いられる場合は特別図柄1変動カウンタとして働き、またステップS636で用いられる場合は特別図柄2変動カウンタとして働く。なお、この変動カウンタは、後述するLED出力カウンタ(ステップS651、S6653、S671参照)とは別のカウンタである。
【0564】
次いで、特別図柄1変動カウンタ(HLレジスタペア)のBit5(6ビット目)の値をチェックする(ステップS643)。特別図柄1変動カウンタは4ms毎に1回カウントするので、Bit5の2進出力は、32カウントする128msを周期として「1」と「0」が切り替わる。
【0565】
この特別図柄1変動カウンタのBit5が「0」の場合は、ステップS644に進み、表示図柄「・」用の「変動中データ0」を表示図柄番号(ここでは特別図柄1表示図柄番号W_T1ZGRNO)のエリアにセットする(ステップS644)。具体的には、相対アドレス値として図62の停止図柄0番地を指定し、ドット「・」表示用の変動中データ0を、図61のワーク領域W_T1ZGRNO(特定図柄1表示図柄番号)にセットする(ステップS644)。このW_T1ZGRNOのエリアに変動中データ0がセットされることにより、特図1表示用LED表示器38aに、特定図柄1の停止図柄としてドット「・」が表示されることになる。
【0566】
また、上記ドット「・」が表示されてから128msが経過して、特別図柄1変動カウンタのBit5の2進出力が「0」から「1」に切り替わった場合は、ステップS645に進み、表示図柄「-」用の「変動中データ1」を表示図柄番号(ここでは特別図柄1表示図柄番号W_T1ZGRNO)のエリアにセットする(ステップS645)。具体的には、相対アドレス値として図62の停止図柄1番地を指定し、バー「-」表示用の変動中データ1を、図61のワーク領域W_T1ZGRNO(特定図柄1表示図柄番号)のエリアにセットする(ステップS645)。このW_T1ZGRNOのエリアに変動中データ1がセットされることにより、特図1表示用LED表示器38aに、特定図柄1の停止図柄としてバー「-」が表示されることになる。
【0567】
また、上記バー「-」が表示されてから128msが経過すると、特別図柄1変動カウンタのBit5が「1」から「0」に切り替わり、W_T1ZGRNOのエリアに変動中データ0がセットされて、特図1表示用LED表示器38aに特定図柄1の停止図柄としてドット「・」が表示されることになる。
【0568】
上記した変動カウンタのBit5の2進出力が128msを周期として「1」と「0」に切り替わることにより、図柄変動中においては、第1特別図柄表示装置(特図1表示用LED表示器)38aの表示が、128msを周期として「・」と「-」に切り替わることになる。
【0569】
ここで、上記図53では特別図柄表示用LED表示データテーブルにA、Bの二種類があるとして説明したが、実際には、ハズレA図柄「・」とハズレB図柄「-」の図柄表示のために、同じ一つの特別図柄LED出力データテーブルが兼用される。この形態を図65(a)に略示する。ここでは図62の場合のハズレA図柄「・」とハズレB図柄「-」の停止図柄データは、変動中データとして1つにまとめて表示され、そして変動中データとして兼用されないハズレ停止図柄データが、ハズレC図柄「-」データの1つだけ存在するものとして示されている。
【0570】
このように、ドット「・」とバー「-」の図柄表示のために、同じ特別図柄LED出力データテーブルAを切り替えの両側で兼用しているため、128ms毎に切り替える先の特別図柄LED出力データテーブル(図62参照)をドット「・」用とバー「-」用に別々に二種類用意する必要がなく、一種類だけ用意すれば足りる。このことは特別図柄2についての図柄表示データを作成する処理の場合にも当てはまる。すなわち、特別図柄2についての図柄表示データを作成する場合も、図62と同様に構成された特別図柄2用の特別図柄LED出力データテーブルが一種類だけ用意され、この同じ特別図柄2用の特別図柄LED出力データテーブルが、ドット「・」図柄表示用の切替先データテーブルとして、および、バー「-」図柄表示用の切替先データテーブルとして共通に用いられる。
【0571】
すなわち、特別図柄1の変動表示中の期間においては、特別図柄LED出力データテーブルにおける停止図柄0番地を示す相対アドレスと、停止図柄1番地を示す相対アドレスとを交互に指定して、当該番地の停止図柄データ(図33の特別停止図柄番号00Hと01H)を交互にW_T1ZGRNO領域にセットして使用する。
【0572】
この特別図柄1の変動表示中の期間(たとえば通常変動3sの3秒や特殊通常変動10sの10秒など)が経過すると、特図1表示用LED表示器38aにおいて、あらかじめ特別図柄1表示図柄番号で特定された特別図柄1が停止表示される。つまりステップS641の判断において、変動中フラグが5AHでない(特別図柄1が停止中)と判断された場合には、図62の特別図柄LED出力データテーブル上の対応する停止図柄データが存在する相対アドレス値を指定し、該当する特別図柄1停止図柄データをワーク領域W_T1ZGRNO(表示図柄番号)にセットする(ステップS646)。
【0573】
たとえば、特別図柄の停止図柄が図62の特別図柄LED出力データテーブルにおける1番地の「ハズレB」である場合は、その停止図柄1番地を示す相対アドレスを指定して、当該番地の停止図柄データ(図33の特別停止図柄番号01H)をW_T1ZGRNO領域にセットする。ここでオフセット値1番地にあるハズレBの場合の停止図柄データは、ハズレB図柄「-」を表示するデータであり、これは変動表示中に「・」と「-」を切り替え表示する他方の停止図柄「-」の表示データと兼用されている。また、特別図柄の停止図柄が図62の特別図柄LED出力データテーブルにおける2番地の「ハズレC」である場合は、その2番地を示す相対アドレスを指定して、当該番地の停止図柄データ(図33の特別停止図柄番号02H)をW_T1ZGRNO領域にセットする。また、図62の特別図柄LED出力データテーブルにおける3番地の「2R短開放潜確当り」である場合は、その3番地の相対アドレスを指定して、たとえば停止図柄「2」の停止図柄データ(図31の特別停止図柄番号06H)をW_T1ZGRNO領域にセットする。その他の停止図柄4番地以降の「2R短開放潜確当り」「2R短開放潜確当り」「10R長開放確変当り」・・・等の停止図柄を停止表示する場合も同様である。
【0574】
特別図柄が停止表示した後は、特別図柄表示の点滅周期128msより2倍以上長い500msの停止状態を維持した後、次の図柄変動表示動作が開始される。
【0575】
特別図柄2についても同様にして、図57のステップS624?S626の処理が行われ、図58の図柄表示データ作成処理が呼び出される。この図柄表示データ作成処理では、まず図57のステップS624で取得した特別図柄2変動中フラグに基づいて特別図柄2が変動中であるか否かがチェックされる。そして、特別図柄2が変動表示中の期間は、特別図柄2変動カウンタが4ms毎に+1され、そのBit5の出力が「0」の場合は特別図柄2表示図柄番号(特別図柄2表示図柄番号W_T2ZGRNO)のエリアに「・」用の「変動中データ0」がセットされ、「1」の場合は特別図柄2表示図柄番号(特別図柄2表示図柄番号W_T2ZGRNO)のエリアに「-」用の「変動中データ1」がセットされる。これにより、特図1表示用LED表示器38aに、特定図柄1の変動中は「・」と「-」が128ms周期で交互に点灯表示されることになる。
【0576】
この特別図柄2の変動表示中の期間が経過すると、ステップS641からステップS646に進み、図62の特別図柄LED出力データテーブル上の対応する停止図柄データが存在する相対アドレス値を指定し、該当する特別図柄1停止図柄データをワーク領域W_T1ZGRNO(表示図柄番号)にセットする(ステップS646)。これにより特図2表示用LED表示器38bにおいて、あらかじめ特別図柄2表示図柄番号で特定された特別図柄2が停止表示されることになる。そして、特別図柄表示の点滅周期128msより2倍以上長い500msの停止状態を維持した後、次の図柄変動表示動作が開始される。」
イ 「【図2】


ウ 「【図5】


エ 「【図51】


オ 「【図53】


カ 上記アの【0505】には、「遊技盤の非遊技領域、ここでは遊技盤3の右上縁付近には、接近して設けられた複数個のLEDにより構成される各種機能表示部が設けられている。」と記載されているところ、そのような複数個のLEDの具体例として、上記アの【0508】には、特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群が記載されている。そして、上記イないしエの図2、図5及び図51の記載からは、特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38b、及び保留複合表示用LED表示器38cが遊技盤3の前面側に備えることが看取できる。そうすると、上記【0505】及び【0508】の記載事項と、上記図2、図5及び図51の記載とからみて、特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群を有する各種機能表示部を遊技盤3の前面側に備えることは、当業者にとって自明であるといえる。
キ 上記アの【0568】には、「図柄変動中においては、第1特別図柄表示装置(特図1表示用LED表示器)38aの表示が、128msを周期として「・」と「-」に切り替わる」と記載されており、上記アの【0575】には、「特図1表示用LED表示器38aに、特定図柄1の変動中は「・」と「-」が128ms周期で交互に点灯表示される」と記載されている。ここで、後者の記載事項は、その前後の文脈から、「特図1表示用LED表示器38a」は「特図2表示用LED表示器38b」の、「特定図柄1」は「特定図柄2」の誤記であることは明らかである。そして、上記オの図53の記載からは、特図1表示用LED表示器38aと特図2表示用LED表示器38bとが、それぞれ7セグメントLEDからなることが看取できる。そうすると、上記【0568】及び【0575】の記載事項と、上記図53の記載とからみて、特別図柄1の変動中においては、7セグメントLEDからなる特図1表示用LED表示器38aに、「・」と「-」とが交互に点灯表示され、特別図柄2の変動中においては、7セグメントLEDからなる特図2表示用LED表示器38bに、「・」と「-」とが交互に点灯表示されることは、当業者にとって自明である。
ク 上記アないしキの記載内容からみて、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、aないしhについては本願補正発明のAないしHに対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群を有する各種機能表示部を遊技盤3の前面側に備え(【0505】、【0508】、図2、図5、図21、上記カ)、
b 特図1表示用LED表示器38a及び特図2表示用LED表示器38bと、保留複合表示用LED表示器38cは、ダイナミック点灯駆動される(【0540】)
c パチンコ遊技機であって(【0019】、図2)、
a 前記各種機能表示部は、
d、e 特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38b、及び保留複合表示用LED表示器38cを含み(【0505】、【0508】)、特図1表示用LED表示器38a及び特図2表示用LED表示器38bの点滅周期と、保留複合表示用LED表示器38cの点滅周期とは互いに異なっており(【0541】)、
f 特別図柄表示用LED表示器38a、38bは、特別図柄変動表示ゲームにおいて、特別図柄を停止表示し(【0514】)、
g 保留複合表示用LED表示器38cは、特別図柄1作動保留球数や特別図柄2作動保留球数を表示し(【0520】、【0522】)、
h 特別図柄1の変動中においては、7セグメントLEDからなる特図1表示用LED表示器38aに、「・」と「-」とが交互に点灯表示され、特別図柄2の変動中においては、7セグメントLEDからなる特図2表示用LED表示器38bに、「・」と「-」とが交互に点灯表示される(【0568】、【0575】、図53、上記キ)、
c パチンコ遊技機(【0019】、図2)。」

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(h)は、本願補正発明のAないしHに対応させている。

(a)引用発明における「特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群」は、本願補正発明における「LED」に相当する。ここで、引用発明における「各種機能表示部」は、「特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群」を一括して表示する表示装置といえるから、本願補正発明における「一括表示装置」に相当するといえる。そうすると、引用発明における「特図1表示用LED表示器38aを構成するLED群、特図2表示用LED表示器38bを構成するLED群、及び保留複合表示用LED表示器38cを構成するLED群を有する各種機能表示部を遊技盤3の前面側に備え」ることは、本願補正発明における「LEDを有する一括表示装置を前面側に備え」ることに相当するといえるから、引用発明の特定事項aは、本願補正発明の特定事項Aに相当する。

(b)引用発明における「ダイナミック点灯駆動」は、本願補正発明における「ダイナミック点灯制御」に相当するといえるから、引用発明における「特図1表示用LED表示器38a及び特図2表示用LED表示器38bと、保留複合表示用LED表示器38cとは、ダイナミック点灯駆動される」ことは、本願補正発明における「ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御を行う」ことに相当するといえる。そうすると、引用発明の特定事項bは、本願補正発明の特定事項Bに相当する。

(c)引用発明における「パチンコ遊技機」は、本願補正発明における「遊技機」に相当するといえるから、引用発明の特定事項cは、本願補正発明の特定事項Cに相当する。

(d)(e)上記(a)より、特図1表示用LED表示器38a、特図2表示用LED表示器38b、及び保留複合表示用LED表示器38cが、各種機能表示部に設けられることは明らかである。そして、それらは、いずれもLED群から構成されるものであるから、LEDブロックとも呼称し得るものであるといえる。さらに、引用発明の特定事項d、eより、引用発明は、「特図1表示用LED表示器38a及び特図2表示用LED表示器38bの点滅周期と、保留複合表示用LED表示器38cの点滅周期とは互いに異なって」いるものであるから、本願補正発明における、「第1のLEDブロック」が「第1のタイミングで点灯態様を更新可能」であって、かつ、「第2のLEDブロック」が「前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能」であることも具備しているといえる。そうすると、引用発明の特定事項d、eは、本願補正発明の特定事項D、Eに相当する。

(f)引用発明における「特別図柄変動表示ゲームにおいて、特別図柄を停止表示」することは、本願補正発明における「変動表示ゲームの図柄表示を行う」ことに相当するといえるから、引用発明における「特別図柄変動表示ゲームにおいて、特別図柄を停止表示」する「特別図柄表示用LED表示器38a、38b」は、本願補正発明における「変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LED」に相当するといえる。また、上記(d)(e)より、特図1表示用LED表示器38a及び特図2表示用LED表示器38bがLEDブロックとも呼称し得るものであることは明らかであるから、引用発明は、本願補正発明における「図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置」することも具備するといえる。そうすると、引用発明の特定事項fは、本願補正発明の特定事項Fに相当する。

(g)引用発明における「特別図柄1作動保留球数や特別図柄2作動保留球数を表示」することは、本願補正発明における「前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう」ことに相当するといえるから、引用発明における「特別図柄1作動保留球数や特別図柄2作動保留球数を表示」する「保留複合表示用LED表示器38c」は、本願補正発明における「前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LED」に相当するといえる。また、上記(d)(e)より、保留複合表示用LED表示器38cがLEDブロックとも呼称し得るものであることは明らかであるから、引用発明は、本願補正発明における「保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置」することを具備するといえる。そうすると、引用発明の特定事項gは、本願補正発明の特定事項Gに相当する。

(h)引用発明における「特別図柄1の変動中」または「特別図柄2の変動中」は、本願補正発明における「変動表示中」に相当するといえる。また、上記(f)より、引用発明における「特別図柄表示用LED表示器38a、38b」は、本願補正発明における「前記図柄表示LED」に相当するといえる。さらに、引用発明は、「変動中において」「「・」と「-」とが交互に点灯表示され」ることは、本願補正発明における「変動表示中において・・・いずれかのタイミングで点灯態様を変更する」ことに相当するといえる。そうすると、引用発明の特定事項hと、本願補正発明の特定事項Hとは、「H’前記図柄表示LEDを構成するLEDが変動表示中において、いずれかのタイミングで点灯態様を変更する」点で共通する。

イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、
B ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう
C 遊技機であって、
A 前記一括表示装置は、
D 第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、
E 前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
F 変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、
G 前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
H’前記図柄表示LEDを構成するLEDが変動表示中において、いずれかのタイミングで点灯態様を変更する、
C 遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点1(特定事項H)
変動表示中におけるLEDの点灯態様の変更に関し、
本願補正発明では、「変動表示中」に「点灯態様を変更する」LEDが、「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLED」であって、その「点灯態様を変更する」動作が、「前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミング」でなされるのに対し、
引用発明では、特別図柄1または特別図柄2の変動中において、特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bに、「・」と「-」とが交互に点灯表示されるものの、その点灯表示されるLEDが、表示器38aまたは表示器38bを構成する全てのLEDではなく、本願補正発明のような動作で点灯態様を変更しない点。

(4)判断
ア 相違点1について検討する。
(ア)遊技機において、例えば7セグメントLEDのような図柄表示LEDを構成する全てのLEDが変動表示中において、前記全てのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記全てのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更することは、例えば、特開2014-198160号公報の【0001】、【0026】、【0064】-【0065】、図5(e)(1周期を構成する6つのパターン(うち、2つのパターンでは2以上のセグメントが同時点灯。)により、図柄表示を構成する全てのLEDが点灯態様を変更することに留意。)等、特開2015-144934号公報の【0001】、【0107】-【0108】、図9等(「縦横移動パターン」の場合は、「パターン1」から始まって「パターン6」までの6つのパターン(うち、4つのパターンでは2以上のセグメントが同時点灯。)により、「斜め移動パターン」の場合は、「パターン1」から始まって「パターン4」までの4つのパターン(それらの全てのパターンで2以上のセグメントが同時点灯。)により、図柄表示を構成する全てのLEDが点灯態様を変更することに留意。)、特開平8-10405号公報の【0001】、【0107】、図11等(「0」から始まって「2」までの3つのパターン(それらの全てのパターンで2以上のセグメントが同時点灯。)により、図柄表示を構成する全てのLEDの点灯態様が変更されることに留意。)に記載のように、本願の出願前に周知(以下「周知技術1」という。)である。

(イ)ここで、引用発明において、特図1表示用LED表示器38aと特図2表示用LED表示器38bとが、それぞれ7セグメントLEDからなるものであるところ、引用発明も周知技術1も変動表示中に点灯態様を変更する図柄表示LEDが7セグメントLEDからなる点で共通するものである。そうすると、引用発明において、特別図柄1または特別図柄2の変動中に、7セグメントLEDからなる特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bを点灯表示するにあたり、周知技術1を採用して、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項のようになすことは、当業者が予測し得ない顕著な効果を奏することではなく、具体化のための設計事項の範囲内である。

イ 以上のとおりであるから、引用発明において、相違点1に係る本願補正発明の特定事項のようになすことは、当業者が周知技術1に基づいて容易に想到し得たことである。

ウ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び周知技術1の奏する効果から予測することができた程度のものである。

(5)審判請求人の主張について
ア 審判請求人は、審判請求書において、概略以下の通り主張している。
「(3)本願発明が特許されるべき理由
・・・略・・・
(d)本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用刊行物1に記載の発明とは、「LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう遊技機であって、前記一括表示装置は、第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し」に相当する構成を有する点で一致し、引用刊行物1に記載の発明が「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する」に相当する構成を有しない点で相違している。
また、引用刊行物1及び引用刊行物2は、「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する」について一切の開示も示唆もない。
引用刊行物1に記載の発明は、特別図柄の「変動中」を図柄の表示データ「-」と「・」とを交互表示することを開示するだけであり、図柄表示LEDを構成するすべてのLEDの点灯態様を変更するということをしていない。したがって、引用刊行物1に記載の発明は、「-」と「・」に相当するLED以外のLEDの動作確認を変動表示中におこなうことができない。
また、引用刊行物2は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行うことを開示する。引用刊行物2もまた、中央の1個のセグメントについて消灯タイミングがなく、図柄表示LEDの動作確認を変動表示中におこなうことができない。
すなわち、引用刊行物1、2のいずれも変動表示中にLEDの動作を確認可能にするという技術思想を有していない。
一方で、本願発明は、図柄表示LEDを構成するすべてのLEDの点灯態様を変更するということをしているから、常時点灯のLEDや常時消灯のLEDを異常なLEDとして容易に発見可能にする。
さらに本願発明は、変動表示中にLEDの動作を確認可能にするという技術思想を有したうえで、すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内でLEDの動作を確認可能にするために、すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンを採用するものである。
これにより、本願発明は、すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内でLEDの動作を確認可能にし、変動表示ゲームに関して容易に正常動作を確認できるものである。
したがって、当業者は、引用刊行物1、2から変動表示中にLEDの動作を確認可能にするという技術思想に接することはできないし、当然、すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内でLEDの動作を確認可能にすることにも想到することができない。」

イ しかしながら、上記(4)で示したとおり、引用発明も周知技術1も変動表示中に点灯態様を変更する図柄表示LEDが7セグメントLEDからなる点で共通するものであるところ、引用発明において、特別図柄1または特別図柄2の変動中に、7セグメントLEDからなる特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bを点灯表示するにあたり、「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する」ことは、7セグメントLEDに関する周知技術1に基づいて、当業者が容易に想到し得たことであるといえるから、審判請求人の主張を採用することはできない。

ウ また、審判請求人は、上申書において、以下のとおり主張している。
「(2)特許法第17条の2第3項の規定違反について
審査官殿は、「請求項1には「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する、」(便宜上、下線を付した。)と特定されている。上記特定のうち、「点灯態様の変更」とは、「点灯」から消灯に変更することのほか、例えば、フルカラーLEDであれば、カラーの変更も含み得る。しかしながら、発明の詳細な説明には、点灯態様として、LEDをONおよびOFFすることのみが記載(出願人が補正の根拠と主張する特に段落0628-0630、図105を参照。)され、上記のように把握される事項は記載も示唆もされていないから、当該補正は新規事項を追加するものである。」とされました。
なお、出願人が主張した補正の根拠は、審査官の便宜を図るためにより適切な補正箇所を示したものです。
また、請求項1には、「前記一括表示装置は、第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み」なる発明特定事項の記載があります。
また、図柄表示LEDの構成を説明した段落番号〔0083〕、及び図面第5図の記載、たとえば、「特図1図柄表示部53は、LED_06からLED_13の8個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。」等の記載があります。
したがって、当該補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものではありません。
・・・略・・・
(3)特許法第36条第6項第2号について
審査官殿は、「請求項1には「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中において、前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより、前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内のいずれかのタイミングで点灯態様を変更する、」(便宜上、下線を付した。)と特定されている。上記特定のうち、「前記すべてのLEDが1つずつ点灯する」との特定は、「すべてのLED」が点灯していることを排除しておらず、少なくとも、「すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯」を包含する。してみると、「前記すべてのLEDが1つずつ点灯するよりも短い時間内」との特定が、どのような「時間」を特定しようとしているのかを正確に理解できず、請求項1に係る発明の内容を正確に把握できない。したがって、この出願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないため、当該補正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない。」とされました。
しかしながら、請求項1に記載の「前記すべてのLEDが1つずつ点灯する」との発明特定事項は、すべてのLEDが1つずつ点灯する場合に要する時間を規定したものであり、すなわち、LEDの数によって変わり得る時間を規定するものであり不明確なところはないものと思料いたします。」

エ しかしながら、本願補正発明は、「前記すべてのLEDのうち全部のLEDの同時点灯を除く複数のLEDの同時点灯の2以上の組合せを含む点灯パターンにより」「点灯態様を変更する」ことを特定するものであるところ、その「点灯態様を」「点灯パターンにより」「変更する」ものであることは文言上明らかであるから、例えば、フルカラーLEDにおけるカラーの変更等のような、新たな技術的事項を導入するものであるとは認められない。また、本願補正発明における「前記すべてのLEDが1つずつ点灯する」との特定事項は、すべてのLEDが同時点灯することを意味せず、すべてのLEDが1つずつ順に点灯することを意味することは当業者にとって明らかであるから、本願補正発明を不明確にするものであるとは認められない。
以上から、合議体は、本願が特許法第17条の2第3項及び特許法第36条第2項の規定を満たすものと判断し、上述のとおり、本願補正発明が特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かを検討した。

(6)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用例に記載された発明に基づいて容易に想到することができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
(1)本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年10月6日付けで補正された、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

(2)ここで、本願発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしG及びH-2は、分説するため合議体が付した。

「A LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、
B ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう
C 遊技機であって、
A 前記一括表示装置は、
D 第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、 E 前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
F 変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、
G 前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
H-2 前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する、
C 遊技機。」

2 原査定の理由の概略
原査定の拒絶の理由は、この出願の平成29年10月6日に提出された手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献1に記載された発明と周知技術とに基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。


引用文献1.特開2013-153887号公報
引用文献2.特開2015-6239号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開2015-123103号公報(周知技術を示す文献)

3 引用文献
引用文献1(引用例)の記載事項は、上記第2〔理由〕3(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
ア 本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明のAないしGについては、上記第2〔理由〕3(3)の(a)ないし(g)で示したように、本願補正発明と引用発明との対比結果のとおりであって、本願発明のH-2については、以下の見出し(h-2)に示すとおりである。

(h-2)引用発明における「特別図柄1の変動中」または「特別図柄2の変動中」は、本願発明における「変動表示中」に相当し、上記(f)のとおり、引用発明における「特別図柄表示用LED表示器38a、38b」は、本願発明における「前記図柄表示LED」に相当するといえる。さらに、引用発明は、「変動中において」「「・」と「-」とが交互に点灯表示され」ることは、本願発明における「LEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する」ことに相当するといえる。そうすると、引用発明の特定事項hと、本願発明の特定事項H-2とは、「H-2’前記図柄表示LEDを構成するLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する」点で共通する。

イ 上記アからみて、本願発明と引用発明とは、
「A LEDを有する一括表示装置を前面側に備え、
B ダイナミック点灯制御により前記LEDの点灯制御をおこなう
C 遊技機であって、
A 前記一括表示装置は、
D 第1のタイミングで点灯態様を更新可能な第1のLEDブロックと、 E 前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで点灯態様を更新可能な第2のLEDブロックとを含み、
F 変動表示ゲームの図柄表示をおこなう図柄表示LEDを前記第1のLEDブロックに配置し、
G 前記変動表示ゲームの保留表示をおこなう保留表示LEDを前記第2のLEDブロックに配置し、
H-2’前記図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯する、
C 遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点2(特定事項H-2)
変動表示中におけるLEDの点灯態様の変更に関し、
本願発明では、「変動表示中」に「点灯態様を変更する」LEDが、「前記図柄表示LEDを構成するすべてのLED」であるのに対し、
引用発明では、特別図柄1または特別図柄2の変動中において、特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bに、「・」と「-」とが交互に点灯表示されるものの、その点灯表示されるLEDが、表示器38aまたは表示器38bを構成する全てのLEDではない点。

ウ 相違点2について検討する。
遊技機において、例えば7セグメントLEDのような図柄表示LEDを構成するすべてのLEDが変動表示中においていずれかのタイミングで点灯することは、原査定の拒絶の理由において周知例として示した、特開2015-6239号公報(上記引用文献2。【0217】ないし【0218】、図20、図21等を参照。)や特開2015-123103号公報(上記引用文献3。【0065】等を参照。)だけでなく、上記第2〔理由〕1(3)イで相違点1に対する周知例として示した、特開2014-198160号公報(【0001】、【0026】、【0064】-【0065】、図5(e)等を参照。)、特開2015-144934号公報(【0001】、【0107】-【0108】、図9等を参照。)、特開平8-10405号公報(【0001】、【0107】、図11等を参照。)にも記載のように、本願の出願前に周知(以下「周知技術2」という。)である。

エ また、引用発明において、特図1表示用LED表示器38aと特図2表示用LED表示器38bとが、それぞれ7セグメントLEDからなるものであるところ、引用発明も周知技術2も、変動表示中に点灯態様を変更する図柄表示LEDが7セグメントLEDからなる点で共通するものである。そうすると、引用発明において、特別図柄1または特別図柄2の変動中に、7セグメントLEDからなる特図1表示用LED表示器38aまたは特図2表示用LED表示器38bを点灯表示するにあたり、周知技術2を採用して、上記相違点2に係る本願発明の特定事項のようになすことは、当業者が予測し得ない顕著な効果を奏することではなく、具体化のための設計事項の範囲内である。

オ そうすると、本願発明は、当業者が引用発明と周知技術2とに基づいて容易に想到することができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明と周知技術2とに基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-06-13 
結審通知日 2019-06-18 
審決日 2019-07-01 
出願番号 特願2015-232753(P2015-232753)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 直行  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 島田 英昭
藤田 年彦
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人扶桑国際特許事務所  
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