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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1354729
審判番号 不服2018-10252  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-26 
確定日 2019-09-24 
事件の表示 特願2016-186095「電気振動型タクタイル・ディスプレイ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日出願公開,特開2017- 33586,請求項の数(22)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2012年(平成24年)4月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年(平成23年)4月22日,米国)を国際出願日とする特願2014-506471号の一部を平成28年9月23日に新たな特許出願としたものであって,同年10月14日及び同年12月7日に手続補正がされ,平成29年6月28日付け拒絶理由通知に対し,同年9月19日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ,同年9月26日付け最後の拒絶理由通知に対し,同年12月22日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが,平成30年3月27日付けで当該手続補正は却下されるとともに拒絶査定(以下,「原査定」という。)がされた。その後,同年7月26日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,当審からの令和元年6月27日付け最後の拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由」という。)に対し,同年7月2日に意見書が提出されるとともに手続補正(以下,「本件補正」という。)がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の理由の概要は以下のとおりである。
(進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は,その優先権主張日前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1ないし22
・引用文献 1ないし5
<引用文献等一覧>
1.特開2006-163206号公報
2.特開2010-86471号公報
3.国際公開第2010/105006号
4.米国特許出願公開第2010/0231541号明細書
5.米国特許出願公開第2009/0305744号明細書

第3 本願発明
本願の請求項1ないし22に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明22」という。)は,本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1及び本願発明12は,それぞれ以下のとおりである。

「【請求項1】
総合的な触覚効果を提供するインタフェース装置であって,前記インタフェース装置は,
表面に接触している物体と関係する圧力を検出し,該圧力と関係するセンサ信号を送信するように構成された表面と,
前記表面に接続され,静電装置の電極層と前記物体との間に静電力を生成することにより,前記第1の触覚効果を前記表面に生成するよう構成された静電装置と,
前記表面の起伏を変化させることにより,第2の触覚効果を前記表面に生成するよう構成されたアクチュエータと,
前記表面,前記センサ,前記静電装置及び前記アクチュエータと通信するプロセッサと,を備え,
該プロセッサは,
前記センサから前記センサ信号を受信し,
前記センサ信号に基づいて,前記表面に接触している前記物体と関係する前記圧力を決定し,
前記接触と関係する前記圧力に基づいて,前記静電装置に前記第1の触覚効果を生成させるように構成された第1の触覚信号を前記静電装置に送信し,前記第1の触覚効果と同時に前記アクチュエータに前記第2の触覚効果を生成させるように構成された第2触覚信号を前記アクチュエータに送信するものであり,
前記総合的な触覚効果は,前記第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果の組み合わせを含むものであり,
前記第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果は,前記表面を物体が動いている方向に基づいて調節される,インタフェース装置。」

「【請求項12】
総合的な触覚効果を提供する方法であって,
表面に接触している物体と関係する圧力を示すセンサ信号を該センサから受信する工程と,
前記センサ信号に基づいて,前記表面に接触している前記物体と関係する前記圧力を決定する工程と,
前記接触と関係する前記圧力に基づいて,静電装置の電極層と前記物体との間に静電力を生成することにより,該静電装置に第1の触覚効果を生成させるように構成された第1の触覚信号を該静電装置に送信し,前記第1の触覚効果と同時に前記表面の起伏を変化させることにより,アクチュエータに第2の触覚効果を生成させるように構成された第2の触覚信号を該アクチュエータに送信する工程と,を備え,
前記総合的な触覚効果は,前記第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果の組み合わせを含むものであり,
前記第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果は,前記表面を物体が動いている方向に基づいて調節される,方法。」

なお,本願発明2ないし11は,本願発明1を減縮した発明であり,本願発明13ないし22は,本願発明12を減縮した発明である。

第4 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2006-163206号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で加筆した。以下,同じ。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,移動可能な触覚提示装置に関する。」

イ 「【0021】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では,触覚提示装置を用いた「布などの触り心地提示」について説明する。
【0022】
第1の実施の形態に係る触覚提示装置は,移動可能な装置であり,例えば,マウスなどの入力装置の他,携帯電話などの通信端末であってもよい。触覚提示装置10は,図1に示すように,摩擦力を発生させる摩擦力発生部16と,推進力を発生させる推進力発生部17と,摩擦力発生部から発生される摩擦力と,推進力発生部から発生される推進力とにより,触覚を通じて情報を提示する出力部(例えば,電気刺激によって情報を提示する刺激電極部11)とを備える。又,触覚提示装置10は,触覚提示装置10の位置,速度,加速度のいずれか1を検出する第1のセンサ(光学式位置センサ15)と,刺激電極部11への物体の押圧力を検出する第2のセンサ(押圧力センサ14)とを備える。
【0023】
又,触覚提示装置10は,押圧力に従って,摩擦力あるいは推進力を制御する。又,触覚提示装置10は,光学式位置センサ15によって検出される位置,速度,加速度,あるいは押圧力センサ14によって検出される押圧力に従って,摩擦力あるいは推進力あるいは電気刺激の波形パターンを制御する。
【0024】
摩擦力発生部16及び推進力発生部17は,例えば,アクチュエータ付きキャスターを使用することができる。アクチュエータとしては,例えば,モータが挙げられる。
【0025】
図1では,触覚提示装置10の外部に,電流モニタ20と,アンプ21と,モータドライバ22と,D/A変換器23と,A/D変換器24と,触覚提示装置10,電流モニタ20,アンプ21,モータドライバ22,D/A変換器23,A/D変換器24を制御する制御部25とを配置する構成としているが,触覚提示装置10の内部に,電流モニタ20と,アンプ21と,モータドライバ22と,D/A変換器23と,A/D変換器24と,制御部25とを備える構成としても構わない。
【0026】
第1の実施の形態に係る触覚提示装置の使用について,図2及び図3を用いて具体的に説明する。人間は,布などの触り心地を得る場合,人差し指などを布の上で左右に動かすことで表面のザラザラ,スベスベなどを認識する。
【0027】
第1の実施の形態においても,触覚提示装置10の刺激電極部11に指を乗せ,左右に動かすことで布などの触り心地を感じることが可能である。尚,図2(a)は,触覚提示装置10を正面から見た図,図2(b)は,裏面から見た図,図2(c)は,側面から見た図である。又,図3(a)は,触覚提示装置10を側面から見た断面図,図3(b)は,触覚提示装置10を正面から見た拡大図である。
【0028】
図2(a)及び図3(a)に示すように,刺激電極部11上に指30を乗せ,触覚提示装置10全体を左右上下などに動かす。すると,アクチュエータ付きキャスター33は,触覚提示装置10の動作方向に応じた触覚を提示することができる。又,アクチュエータ付きキャスター33は,図3(b)に示すように,アクチュエータ35と,キャスター34とから構成される。尚,図3(a)に示すスイッチ31は,指30が乗せられ,その押圧力によって,図の下方向へ下がるが,スイッチ31の詳細については,第3の実施の形態において説明する。
【0029】
次に,アクチュエータ付きキャスター33(摩擦力発生部及び推進力発生部)による,触覚提示の原理について,詳細に説明する。
【0030】
第1の実施の形態では,刺激電極部11上に再現したい物体表面と指30との摩擦係数μ1と物体表面形状の波長λ1を設定することで物体表面を模擬的に再現する。使用方法としては,触覚提示装置10の刺激電極部11に指先を置き,その指で刺激電極部11を押し付けながら,ある平らな面で左右に動かす。摩擦力は,アクチュエータ付キャスターの発生力により,摩擦係数μ1を用いて再現され,物体表面形状の波長λ1は,電気刺激による振動刺激により再現される。再現したい物体表面の図を図4に示す。摩擦係数μ1,物体表面の波長λ1の物体表面を模擬的に再現したい場合の詳細を以下に示す。
【0031】
まず,布などの触り心地提示の際に必要なパラメータを図5に示す。再現したい物体表面の波長をλ1,再現したい物体表面と指の摩擦係数をμ1,触覚提示装置10の動く速度(速度センサより取得)をV,指の触覚提示装置10への押圧力(押圧力センサ14により取得)をFp,アクチュエータ付きキャスター33の発生力(複数あるキャスター,すべての合力)をF,触覚提示装置の系全体と触覚提示装置を動かす平らな面との初期の摩擦係数をμ0とする。μ0は理想的には0であるが,アクチュエータとキャスターの摩擦係数などが存在するため,考慮する必要がある。
【0032】
また,電気刺激のパラメータについて,図6に示す。電気刺激はパルス波で行い,パルス頻度をf,パルス幅をw,電流値をIとする。
【0033】
摩擦係数μ1を再現する場合,キャスターの発生力FはVとFpの関数となる。即ち
V=0の場合
F=0
V>0の場合
F=(μ1-μ0)・Fp
となる。
【0034】
又,μ1>μ0の場合,Fの発生する方向は,図10(a)に示すように速度Vのベクトルと常に180度向きが逆の方向となる。触覚提示装置に指を置いただけの状態で速度V=0の場合は,キャスターの発生力は0であり,摩擦力は発生していない。指により触覚提示装置が動き始めV>0となると,動かしている方向と逆向きにF=(μ1-μ0)・Fpの力を発生する(図10(b)参照。)。この(μ1-μ0)・Fpが摩擦力となる。V>0の状態では,指の押圧力のみの関数となり,押圧力が大きくなれば,摩擦力Fも大きくなる。ここでは,キャスターを動かすアクチュエータはモータを想定しているが,発生力Fを発生可能なアクチュエータであれば,特定するものではない。摩擦係数は,0.0から5.0まで再現可能であれば好ましい。また,キャスターと触覚提示装置100を動かしているある平らな面との摩擦係数は理想的には無限大である。キャスターには摩擦係数が高いゴムなどが理想である。キャスターの摩擦係数,キャスターを駆動するアクチュエータなどの要素により,各パラメータの調整が必要になると考えられる。
【0035】
一方,μ1<μ0の場合,Fの発生する方向は,図11(a)に示すように速度Vのベクトルと同じ方向となる。μ1とμ0の大小により変化するパラメータは,発生する力Fの方向のみである(図11(b)参照。)。
【0036】
又,第1の実施の形態では,物体表面形状の波長λ1を模擬的に再現するために,電気刺激を用いる。
【0037】
次に,刺激電極部11の拡大図を図7に示す。使用者は,前述したように触覚提示装置10の刺激電極部11に指を乗せ,触覚提示装置10全体を左右に動かす。刺激電極部11の電極配置は図8のようになっている。刺激電極の数については,図8では30チャンネルだが,数に制限はない。
【0038】
第1の実施の形態における振動覚再現の際には,指に接している刺激電極41すべてから刺激を行う。刺激の電流値については,出力している合計の電流値が1.8[mA]程度が適当である。刺激電流にはパルス波を用いる。電流は,刺激電流から刺激電極の周りに配置している不関電極へ流れる(陽極性刺激)。駆動電圧は,+150?-150[V]以上あれば,問題ない。それより小さくなると,刺激電極と指との接触インピーダンスが高すぎて,思い通りの電流を出力できない可能性がある。不関電極40について,図8のように刺激電極41の周りに配置することが適当と考えられるが,手のひらや刺激電極41と違う他の指と接するような位置に不関電極40が配置されていても問題は無い。
・・・
【0042】
以上のようにして,布などの触り心地を,摩擦力と振動覚の再現により模擬的に再現する。再現したい摩擦係数および物体表面の波長については,操作者で設定可能である。PCなどの制御マシンにより,再現したいパラメータを設定することが考えられる。また,遠隔地にある触覚センサなどにより摩擦係数と物体表面の波長をセンシングし,触覚提示装置に伝送し,そのまま再現することも考えられる。
【0043】
第1の実施の形態に係る触覚提示装置10によると,摩擦力及び推進力発生機構(アクチュエータ付きキャスター33)を触覚提示装置10の駆動部分として持つため,摩擦力だけでなく,推進力を発生可能となる。これにより,今まで成し得なかった物体表面形状の再現が可能となる。
【0044】
又,振動覚再現に電気式の触覚ディスプレイ(刺激電極部11)を用いるため,従来よりも小型のデバイスを作成することができる。」

(2) 引用発明
したがって,上記(1)によれば,引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「触覚提示装置10の位置,速度,加速度のいずれか1を検出する第1のセンサ(光学式位置センサ15)と,刺激電極部11(触覚ディスプレイ)への物体の押圧力を検出する第2のセンサ(押圧力センサ14)とを備え,
光学式位置センサ15によって検出される位置,速度,加速度,あるいは押圧力センサ14によって検出される押圧力に従って,摩擦力あるいは推進力あるいは電気刺激の波形パターンを制御し,
摩擦力発生部16及び推進力発生部17は,アクチュエータ付きキャスターを使用することができ,
外部に触覚提示装置10を制御する制御部25を配置する触覚提示装置であって,
触覚提示装置10の刺激電極部11に指先を置き,その指で刺激電極部11を押し付けながら,ある平らな面で左右に動かすことにより,摩擦力は,アクチュエータ付キャスターの発生力により,摩擦係数μ1を用いて再現され,物体表面形状の波長λ1は,電気刺激による振動刺激により再現され,
物体表面形状の波長λ1を模擬的に再現するために,電気刺激が用いられる,
触覚提示装置。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2010-86471号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【背景技術】
・・・
【0011】
(2)2次元(2D)タクタイル・ディスプレイ&マトリックス
複数のピンで構成され,これらのピンの動作によりユーザの手に影響を与えるというマトリックスを基調とするタクタイル・ディスプレイも既に存在する。このようなディスプレイには2つのタイプがある。第1のタイプは,ピンの垂直方向の動きで3次元のレリーフを形成するタイプである(例えば,非特許文献7,非特許文献8,非特許文献9を参照のこと)。第2のタイプは,ピンを水平方向および垂直方向に振動させるものである(例えば,非特許文献10を参照のこと)。しかし,このような構成も大きさが比較的大きくなり,小型の携帯機器に搭載することは困難であるという問題がある。
・・・
【0013】
[電気振動型タクタイル・ディスプレイ(Electrovibrotactile display)]
次に,電気振動型タクタイル・ディスプレイ(Electrovibrotactile display)について説明する。電気振動型タクタイル・ディスプレイ(Electrovibrotactile display)とは,電気的に絶縁された表面に間欠的に電圧を印加することによって人の手や指などの皮膚を引き付ける効果を利用したデバイスである。この物理現象については,1953年にMallinckrodt,Hughes他によって偶然発見されたものである(例えば,非特許文献13を参照のこと)。彼らは,110Vの電圧を間欠的に金属(metal)に印加し,金属(metal)を絶縁層で覆った表面に乾いた指を滑らせると,まるでゴムのような弾性体上を滑らせる感覚[rubbery feeling]が得られることを発見した。」

「【発明を実施するための最良の形態】
・・・
【0040】
(1)操作感提供装置の構成例および原理説明
まず,操作感提供装置の構成例および原理について説明する。本発明は,様々な情報処理機器に適用可能でありユーザに対して操作感を提供する。このような装置はタクタイルメインタフェース,触覚入力装置(haptic appratus)などと呼ばれる。本発明の操作感提供装置は,例えば液晶表示装置と一体化した触覚ディスプレイ(haptic display),あるいはタッチパッド,スクリーン方式表示装置などに利用可能である。
・・・
【0052】
データ処理部(processing unit)124は,さらに,触感制御部(Tactile Control Module)127に対してコマンドを出力する。このコマンドは,触感制御部(Tactile Control Module)127が,操作部110の導電層111に対して出力する電気信号の制御用コマンドである。例えば,ユーザの指の位置,圧力等がセンサによって検出され,データ処理部124は,このセンサ検出情報に応じて電圧および周波数を決定して,これらのパラメータを設定したコマンドを触感制御部(Tactile Control Module)127に出力する。なお,データ処理部124は,センサの検出情報である位置情報を入力し,位置情報の時間変化に基づいてユーザの指250の動き(移動情報)を判断し,その判断結果に基づいて電圧および周波数を決定するといった処理も行う。
【0053】
触感制御部(Tactile Control Module)127は,データ処理部(processing unit)124から入力するコマンドに応じて,操作部110の導電層111に対して電気信号を出力する。
【0054】
触感制御部(Tactile Control Module)127が出力する電気信号は時間経過に従って変動する電圧信号,例えば交流電圧である。この電気信号が操作部110の導電層111に対して入力された状態で,ユーザの指150が絶縁層112上をすべって移動すると,電気信号に応じた摩擦(friction)が発生し,ユーザは操作感を感じることになる。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(国際公開第2010/105006号)には,図面とともに次の事項が記載されている(訳は当審で作成した。以下,同じ。)。

「 As was noted above, a touch surface need not overlay a display. Figure 1C illustrates another example of a touch-enabled computing system lOOC. In this example, a computing device 101 features a touch surface 116 which is mapped to a graphical user interface provided in a display 122 that is included in computing system 120 interfaced to device 101. For example, computing device 101 may comprise a mouse, trackpad, or other device, while system 120 may comprise a desktop or laptop computer, set-top box (e.g., DVD player, DVR, cable television box), or another computing system. As another example, touch surface 116 and display 122 may be included in the same device, such as a touch-enabled trackpad in a laptop computer featuring display 122.」(第7頁第7行ないし同頁第15行)
(訳)「 前述したように,タッチサーフェースは,ディスプレイを覆う必要はない。図1Cは,タッチ操作可能なコンピューティングシステム100Cの他の具体例を例示する。この具体例にあって,コンピューティングデバイス101は,デバイス101にインターフェースされるコンピューティングシステム120に含まれるディスプレイ122に設けられるグラフィカルユーザインターフェースに描かれるタッチサーフェース116を特徴とする。例えば,コンピューティングデバイス101は,マウス,トラックパッド,又は他のデバイスを含み,他方,システム120はデスクトップ又はラップトップコンピュータ,セットトップボックス(例えば,DVDプレーヤ,DVR,ケーブルテレビジョンボックス),又は他のコンピューティングシステムを含む。他の具現化例にあって,タッチサーフェース116及びディスプレイ122は,ディスプレイ122を特徴とするラップトップコンピュータにおけるタッチ操作可能なトラックパッドのような,同一のシステムに含まれてもよい。」

「 Figures 4C-4D provides an example of a graphical user interface 424 as the processor is configured to select a haptic effect in response to recognizing a page turn input gesture, with the haptic effect selected to vary the touch surface in the direction of the page turn input gesture as the gesture is provided. Figure 4C shows a first interface state 424-1 in which a finger 438 touches an onscreen representation of a stack of pages 440.
As shown at 442 in Figure 4D, the finger has provided a right-to-left input gesture. In this example, software of computing device 401 configures the processor to recognize a right- to-left trajectory beginning from a page corner as a page turn input gesture. Thus, the interface moves to state 424-2 where the page corner is lifted and the next page is visible at 444. Additionally, as the gesture is in progress (and/or after the gesture is recognized), a surface-based haptic effect can be provided. For example, as finger 438 moves from right to left, the coefficient of friction of the touch surface can be varied (e.g., by increasing) to simulate the feel of a page turn. As another example, a series of friction changes can be provided, or one or more texture changes may occur.」(第13頁第14行ないし同頁第27行)
(訳)「 図4C-4Dは,プロセッサがページめくり入力ジェスチャの認識に応答して触覚効果を選択するために構成されるときの,ジェスチャが提供されたときページめくり入力ジェスチャの方向にあってタッチサーフェースを変化するために選択される触覚効果を伴って,グラフィカルユーザインターフェース424の具現化例を提供する。図4Cは,指438がページ440の積み重ねのオンスクリーン描写をタッチする第1インターフェース状態424-1を示す。
図4Dの442として示すように,指にて右から左に入力ジェスチャが行なわれる。この具体例にあって,コンピューティングデバイス401のソフトウェアは,プロセッサをページめくり入力ジェスチャとしてページのコーナから始まる右から左への軌跡を認識するように構成する。このため,インターフェースは,ページコーナが引き起こされ次にページが444にて視認されるステート424-2に動く。付加的に,前記ジェスチャが推移していると(及び/又はジェスチャが認識されると),サーフェースベースの触覚効果が提供される。例えば,指438が右から左に移動すると,タッチサーフェースの摩擦係数は,ページめくりの感覚をシミュレートするように変化される(例えば,摩擦係数を増加することによって)。」

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(米国特許出願公開第2010/0231541号明細書)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「[0051] As shown in FIG. 1 , processor 110 is also in communication with speaker 120 . Speaker 120 is configured to receive audio signals from processor 110 and output them to the user. In some embodiments, the audio signals may be associated with the haptic effect output by actuator 118 , or the image output by display 116 . In other embodiments, the audio signal may not correspond to the haptic effect or the image.」
(訳)「[0051] また,図1に示されるように,プロセッサ110は,スピーカ120とも通信する。スピーカ120は,プロセッサ110から音声信号を受信して,ユーザに出力するように構成される。幾つかの実施形態では,音声信号は,アクチュエータ118によって出力される触覚効果,又はディスプレイ116によって出力される画像に関連付けられてもよい。他の実施形態では,音声信号は,触覚効果又は画像に対応しなくてもよい。」

「[0069] Then, touch-sensitive interface 114 transmits an interface signal to processor 110 , which receives the interface signal 404 . In some embodiments, touch-sensitive interface 114 may comprise a touch-screen or a touch-pad. For example, in some embodiments, touch-sensitive interface 114 may comprise a touch-screen mounted overtop of a display configured to receive a display signal and output an image to the user. In other embodiments, touch-sensitive interface 114 may comprise a button, switch, mouse, scroll wheel, roller ball, or some other type of physical device interface known in the art. In some embodiments, processor 110 is in communication with a single touch-sensitive interface 114 . In other embodiments, processor 110 is in communication with a plurality of touch-sensitive interfaces 114 , for example, a touch-screen and a roller ball. Touch-sensitive interface 114 is configured to detect user interaction, and based on the user interaction, transmit signals to processor 110 . In some embodiments, touch-sensitive interface 114 may be configured to detect multiple aspects of the user interaction. For example, touch-sensitive interface 114 may detect the speed and pressure of a user interaction and incorporate this information into the interface signal. In some embodiments, touch-sensitive interface 114 is capable of detecting multi-touch.」
(訳)「[0069] このように,タッチセンサ式インターフェース114はプロセッサ110にインターフェース信号を送信して,プロセッサ110はインターフェース信号を受信する(404)。幾つかの実施形態では,タッチセンサ式インターフェース114は,タッチスクリーン又はタッチパッドを含んでもよい。例えば,幾つかの実施形態では,タッチセンサ式インターフェース114は,表示信号を受信してユーザに画像を出力するように構成されるディスプレイの上に搭載されるタッチスクリーンを含んでもよい。他の実施形態では,タッチセンサ式インターフェース114は,ボタン,スイッチ,マウス,スクロールホイール,ローラーボール,又は当技術分野で周知の何らかの他の種類の物理的装置インターフェースを含んでもよい。幾つかの実施形態では,プロセッサ110は,単一のタッチセンサ式インターフェース114と通信する。他の実施形態では,プロセッサ110は,複数のタッチセンサ式インターフェース114,例えば,タッチスクリーン及びローラーボールと通信する。タッチセンサ式インターフェース114は,ユーザ相互作用を検出し,ユーザ相互作用に基づいて,プロセッサ110に信号を送信するように構成される。幾つかの実施形態では,タッチセンサ式インターフェース114は,複数の態様のユーザ相互作用を検出するように構成されてもよい。例えば,タッチセンサ式インターフェース114は,ユーザ相互作用の速度及び圧力を検出して,この情報をインターフェース信号に組み込んでもよい。幾つかの実施形態では,タッチセンサ式インターフェース114は,マルチタッチを検出することが可能である。」

「[0100] Messaging device 1102 further comprises an actuator (not shown in FIG. 11 ) configured to output a haptic effect configured to simulate a texture. In some embodiments, the user can feel this texture on the surface of display 1116 . For example, in some embodiments, when the user touches the section of display 1116 associated with scrollbar 1106 the actuator may output a haptic effect configured to simulate a texture. In such an embodiment, the actuator may not output a different texture when the user touches a part of scrollbar track 1104 . Further, in some embodiments, the actuator may output a texture that changes as the user moves scrollbar 1106 along scrollbar track 1104 . For example, in some embodiments, the actuator may output a haptic effect configured to simulate a texture that becomes coarser as the user moves further down scrollbar track 1104 . Such an embodiment may allow the user to quickly determine his/her finger's location on scrollbar track 1104 , without looking at display 1106 , or without being distracted from reading text 1108 . In some embodiments, messaging device 1102 may comprise more than one actuator, as described herein in relation to system 500 .」
(訳)「[0100] メッセージング装置1102は,テクスチャをシミュレートするように構成される触覚効果を出力するように構成されるアクチュエータ(図11には示されない)をさらに備える。幾つかの実施形態では,ユーザは,ディスプレイ1116の表面でこのテクスチャを感知することが出来る。例えば,幾つかの実施形態では,ユーザがスクロールバー1106に関連付けられるディスプレイ1116の一部に触れると,アクチュエータは,テクスチャをシミュレートするように構成される触覚効果を出力してもよい。このような実施形態では,アクチュエータは,ユーザがスクロールバートラック1104の一部に触れる場合に,異なるテクスチャを出力しなくてもよい。さらに,幾つかの実施形態では,アクチュエータは,ユーザがスクロールバートラック1104に沿ってスクロールバー1106を動かすと変化するテクスチャを出力してもよい。例えば,幾つかの実施形態では,ユーザがスクロールバートラック1104をさらに下に動かすと,より粗くなるテクスチャをシミュレートするように構成される触覚効果を出力してもよい。このような実施形態は,ユーザが,ディスプレイ1116を見なくても,又はテキスト1108を読むことから気を散らされることなく,スクロールバートラック1104上の自身の指の場所を迅速に決定することを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では,システム500に関連して本明細書に記載されたように,メッセージング装置1102は,1つ以上のアクチュエータを備えてもよい。」

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(米国特許出願公開第2009/0305744号明細書)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「[0002] Portable electronic devices, such as mobile phones, smartphones, camera phones, cameras, personal digital assistants (“PDAs”), etc., typically include output mechanisms to alert the user of certain events that occur with respect to the devices. For example, a cell phone normally includes a speaker for audibly notifying the user of an incoming telephone call event. The audible signal may include specific ringtones, musical ditties, sound effects, etc. In addition, cell phones may include display screens that can be used to visually notify the users of incoming phone calls. Furthermore, other sensory outputs can be presented to users via tactile actuators, vibration actuators, haptic feedback devices, etc.
[0003] Depending on a particular environment in which a user carries such a portable electronic device, some of the various types of notifications may be inappropriate. For this reason, conventional portable electronic devices are normally designed to allow the users to change notification settings as needed. For example, in a movie theater, a user can switch off the audible notification mechanisms in order to avoid noisy disruptions to others in the theater. Therefore, instead of an audible signal indicating an incoming phone call, a tactile sensation can be applied when the call is received. Although some developments have been made in the art of portable electronic devices to enable a user to manually set various notification mechanisms, further advancements and improvements in this regard can still be made.」
(訳)「[0002] 携帯電話,スマートフォン,カメラ付き携帯電話,カメラ,携帯情報端末(PDA)等の携帯用電子機器は,該機器に関して発生する特定のイベントについてユーザに警告するために,出力メカニズムを一般的に含む。例えば,携帯電話は一般に,電話着信イベントについてユーザに音声報知するためのスピーカを含む。音響信号としては,特定の着信音,着信メロディ,効果音等が挙げられる。また,携帯電話は,電話着信についてユーザに視覚的に報知するのに使用できるディスプレイ画面を含んでもよい。更にまた,他の知覚出力を,触覚的アクチュエータ,振動アクチュエータ,触覚フィードバック装置等でユーザに提示できる。
[0003] ユーザがそうした携帯用電子機器を携帯する特定の環境によっては,多様な報知の種類の中には不適当なものがあるかもしれない。そのために,従来の携帯用電子機器は一般に,ユーザが必要に応じて報知設定を変更できるように設計されている。例えば,映画館では,ユーザは,館内の他の人々を騒音で妨害しないように,音声報知メカニズムのスイッチをオフにできる。従って,電話着信を示す音響信号の代わりに,着呼時に,触覚的刺激を付与できる。ユーザが様々な報知メカニズムを手動で設定できるように,多少の開発が携帯用電子機器の技術分野において行なわれているが,この点についてはまだ更なる進歩及び改良が可能である。」

第5 対比及び判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。

ア 引用発明は,「刺激電極部11(触覚ディスプレイ)への物体の押圧力を検出する第2のセンサ(押圧力センサ14)」を備えているから,本願発明1の「表面に接触している物体と関係する圧力を検出し,該圧力と関係するセンサ信号を送信するように構成された表面」を備えているということができる。

イ 引用発明は,「摩擦力発生部16及び推進力発生部17は,アクチュエータ付きキャスターを使用することができ」るから,「第2の触覚効果を前記表面に生成するよう構成されたアクチュエータ」を備えているということができる。

ウ 引用発明の「制御部25」は,「触覚提示装置10を制御する」ものであるから,「プロセッサ」であるといえ,上記アによれば,「刺激電極部11(触覚ディスプレイ)への物体の押圧力を検出する第2のセンサ(押圧力センサ14)」からセンサ信号を受信し,センサ信号に基づいて物体の押圧力を決定しているといえ,上記イによれば,「アクチュエータ付きキャスター」に「第2の触覚効果を生成させるように構成された第2触覚信号」を送信しているといえる。

エ 引用発明は,「触覚提示装置10の刺激電極部11に指先を置き,その指で刺激電極部11を押し付けながら,ある平らな面で左右に動かすことにより,摩擦力は,アクチュエータ付キャスターの発生力により,摩擦係数μ1を用いて再現され,物体表面形状の波長λ1は,電気刺激による振動刺激により再現され」るものであるから,「総合的な触覚効果を提供するインタフェース装置」であるということができる。

そうすると,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「総合的な触覚効果を提供するインタフェース装置であって,前記インタフェース装置は,
表面に接触している物体と関係する圧力を検出し,該圧力と関係するセンサ信号を送信するように構成された表面と,
第2の触覚効果を前記表面に生成するよう構成されたアクチュエータと,
前記表面,前記センサ及び前記アクチュエータと通信するプロセッサと,を備え,
該プロセッサは,
前記センサから前記センサ信号を受信し,
前記センサ信号に基づいて,前記表面に接触している前記物体と関係する前記圧力を決定し,
前記接触と関係する前記圧力に基づいて,前記アクチュエータに前記第2の触覚効果を生成させるように構成された第2触覚信号を前記アクチュエータに送信するものである,
インタフェース装置。」

(相違点)
(相違点1)
本願発明1は,「前記表面に接続され,静電装置の電極層と前記物体との間に静電力を生成することにより,前記第1の触覚効果を前記表面に生成するよう構成された静電装置」を備え,「プロセッサ」と通信するものであり,当該「プロセッサ」は「前記接触と関係する前記圧力に基づいて,前記静電装置に前記第1の触覚効果を生成させるように構成された第1の触覚信号を前記静電装置に送信し,前記第1の触覚効果と同時に前記アクチュエータに前記第2の触覚効果を生成させるように構成された第2触覚信号を前記アクチュエータに送信するもの」であるのに対し,引用発明は,「物体表面形状の波長λ1は,電気刺激による振動刺激により再現され」るものの,「静電装置」を備えるものではないから,「制御部25」(プロセッサ)と通信するものでもなく,「制御部25」(プロセッサ)が「第1の触覚信号」を送信するものでもない点。

(相違点2)
「アクチュエータ」について,本願発明1は,「表面の起伏を変化させることにより,第2の触覚効果を前記表面に生成するよう構成され」ているのに対し,引用発明は,「表面の起伏を変化させ」ているのか不明である点。

(相違点3)
「総合的な触覚効果」について,本願発明1は,「前記第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果の組み合わせを含むものであり」,「第1の触覚効果及び前記第2の触覚効果は,前記表面を物体が動いている方向に基づいて調節される」のに対し,引用発明は,上記(相違点1)のとおり,「静電装置」を備えるものではないから,「第1の触覚効果」を含むものではなく,「表面を物体が動いている方向に基づいて調節される」ものでもない点。

(2) 相違点についての判断
事案にかんがみて,(相違点2)について検討する。
引用発明は,「押圧力センサ14によって検出される押圧力に従って,摩擦力あるいは推進力」の「波形パターンを制御し」,「摩擦力発生部16及び推進力発生部17は,アクチュエータ付きキャスターを使用することができ」るものであるところ,上記第4の1(1)イ【0034】によれば,引用文献1に記載された「アクチュエータ付きキャスター」の「アクチュエータ」は「キャスター」を動かすものであって,「刺激電極部11(触覚ディスプレイ)」に作用するものであるとはいえない。
そして,引用文献1の記載をみても,引用発明の「アクチュエータ付きキャスター」の「アクチュエータ」を「表面の起伏を変化させ」るように構成することの動機付けはなく,引用文献2ないし5をみても,そのように構成することの記載や示唆も見当たらない。
これに対し,本願発明1は,上記(相違点2)に係る構成を採用することにより,「高さ及び深さの知覚を変えるためにアクチュエータを用いてもよい。例えば,アクチュエータは,傾斜を表す領域から平坦部を表す領域への変化を示す振動を生成することができる。または,当該アクチュエータは,例えば,表面の起伏を変化させるロッドやピンを用いることにより,高さや深さを実際に作り出すことができる。」(本願明細書【0050】)という格別の有利な効果を奏するものである。
そうすると,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献1ないし5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(3) まとめ
したがって,本願発明1は,当業者であっても引用発明及び引用文献1ないし5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし22について
本願発明2ないし11は,上記第3のとおり,本願発明1を減縮した発明であるから,上記1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献1及び引用文献5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
また,本願発明12は,本願発明1に対応する方法の発明であり,上記相違点2と同様の構成を備えるものであるから,上記1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献1及び引用文献5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
そして,本願発明13ないし22は,上記第3のとおり,本願発明12を減縮した発明であるから,上記1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献1及び引用文献5に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
本件補正で補正された本願発明1ないし22は,上記第5のとおり,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。

第7 当審拒絶理由について
当審では,本件補正前の請求項2に係る発明は,発明の詳細な説明に記載されていないから,本願は,特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていないとの当審拒絶理由を通知したが,本件補正により,当該当審拒絶理由は解消した。

第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-09-10 
出願番号 特願2016-186095(P2016-186095)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅原 浩二  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 梶尾 誠哉
小田 浩
発明の名称 電気振動型タクタイル・ディスプレイ  
代理人 大森 拓  
代理人 伊藤 正和  
代理人 原 裕子  
代理人 三好 秀和  
代理人 大渕 一志  
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