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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B
管理番号 1354813
審判番号 不服2018-11505  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-08-24 
確定日 2019-08-29 
事件の表示 特願2015-157557「フロントエンド回路、モジュールおよび通信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月 8日出願公開、特開2016-208484〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年8月7日(優先権主張 平成27年4月27日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月27日付け:拒絶理由通知書
平成30年 3月12日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年 5月18日付け:拒絶査定
平成30年 8月24日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提


第2 平成30年8月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年8月24日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第1アンテナ端子と、
前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第2アンテナ端子と、
前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、
前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、
前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、
前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間を前記ローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間を前記ハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ローバンドおよび前記ミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する分波回路と、
を具備し、
前記分波回路は、前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間に接続されたローパスフィルタと、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間に接続されたハイパスフィルタと、を備え、
前記ローバンドは、699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、
前記ミドルバンドは、1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、
前記ハイバンドは、2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含み、
前記ローバンド、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドは、各々送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含み、前記複数のバンドの送信帯域は異なり、前記複数のバンドの受信帯域は異なり、
前記第1アンテナ端子は前記別のアンテナには接続されず、
前記第2アンテナ端子は前記アンテナには接続されず、
前記第1アンテナ端子から前記ミドルバンドの送信信号が出力せず、
前記第2アンテナ端子から前記ローバンドおよび前記ハイバンドの送信信号が出力しないことを特徴とするフロントエンド回路。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成30年3月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第1アンテナ端子と、
前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第2アンテナ端子と、
前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、
前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、
前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、
前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間を前記ローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間を前記ハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ローバンドおよび前記ミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する分波回路と、
を具備し、
前記分波回路は、前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間に接続されたローパスフィルタと、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間に接続されたハイパスフィルタと、を備え、
前記ローバンドは、699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、
前記ミドルバンドは、1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、
前記ハイバンドは、2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含む
ことを特徴とするフロントエンド回路。」

2.補正の適否
特許請求の範囲の請求項1についての補正は、補正前の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)を特定するために必要な事項である「ローバンド」、「ミドルバンド」、「ハイバンド」、「第1アンテナ端子」及び「第2アンテナ端子」について、前記1(1)の下線部のとおり限定を付加するものであって、本願発明と補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2003-32140号公報(平成15年1月31日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

a.「【0002】
【背景技術】1台の無線機で3つの互いに異なる周波数帯の信号の送信あるいは受信を行う場合には、例えば、図9に示されるように、上記3つの周波数帯のうちの最も高い高域周波数帯(High Band)と、最も低い低域周波数帯(Low Band)との信号の送受信が可能なアンテナ2aを設けると共に、真ん中の中域周波数帯(MiddleBand)の信号の送受信が可能なアンテナ2bを設ける。
【0003】アンテナ2aはダイプレクサ4を介して高域周波数帯用の送受信回路5Hおよび低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ接続されており、ダイプレクサ4によって、アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号がそれぞれ別々に取り出されて、高域周波数帯の信号は高域周波数帯用の送受信回路5Hに、また、低域周波数帯の信号は低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ加えられる。
【0004】アンテナ2bはバンドパスフィルタ(BPF)6を介して中域周波数帯用の送受信回路5Mに接続されており、BPF6によって、アンテナ2bの受信信号から中域周波数帯の信号が取り出されて中域周波数帯用の送受信回路5Mに加えられる。」

(当審注:段落【0003】中の「MiddleBand」は、「Middle Band」の誤記と認める。)

b.図9


(イ)前記(ア)によれば、引用文献1には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
a.段落【0002】の記載によれば、図9に示される回路は、無線機であると認められる。よって、前記(ア)によれば、引用文献1には、「最も高い高域周波数帯(High Band)と、最も低い低域周波数帯(Low Band)との信号の送受信が可能なアンテナ2aが設けられると共に、真ん中の中域周波数帯(Middle Band)の信号の送受信が可能なアンテナ2bが設けられた無線機において、アンテナ2aはダイプレクサ4を介して高域周波数帯用の送受信回路5Hおよび低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ接続されており、ダイプレクサ4によって、アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号がそれぞれ別々に取り出されて、高域周波数帯の信号は高域周波数帯用の送受信回路5Hに、また、低域周波数帯の信号は低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ加えられ、アンテナ2bはバンドパスフィルタ6を介して中域周波数帯用の送受信回路5Mに接続されており、バンドパスフィルタ6によって、アンテナ2bの受信信号から中域周波数帯の信号が取り出されて中域周波数帯用の送受信回路5Mに加えられる、無線機。」が記載されていると認められる。

b.電気回路図の技術常識によれば、図9において、ダイプレクサ4と高域周波数帯用の送受信回路5Hとを結ぶ配線の途中にある小さな丸印は端子を表すと認められる。そして、図9中、前記丸印の直上に「High Band」と記載されているから、前記丸印は「High Band端子」と呼ぶべきものである。同様に、ダイプレクサ4と低域周波数帯用の送受信回路5Lとを結ぶ配線の途中にある丸印は「Low Band端子」と呼ぶべきものであり、バンドパスフィルタ6と中域周波数帯用の送受信回路5Mとを結ぶ配線の途中にある丸印は「Middle Band端子」と呼ぶべきものである。よって、引用文献1には、前記無線機において「ダイプレクサ4と高域周波数帯用の送受信回路5Hとを結ぶ配線の途中にHigh Band端子が設けられ、ダイプレクサ4と低域周波数帯用の送受信回路5Lとを結ぶ配線の途中にLow Band端子が設けられ、バンドパスフィルタ6と中域周波数帯用の送受信回路5Mとを結ぶ配線の途中にMiddle Band端子が設けられ」ることが記載されていると認められる。

c.図9には、アンテナ2aとダイプレクサ4との間を接続する配線(以下、「配線1」という。)及びアンテナ2bとバンドパスフィルタ6との間を接続する別の配線(以下、「配線2」という。)が記載されている。よって、引用文献1には、前記無線機において「アンテナ2aとダイプレクサ4とは配線1により接続され、アンテナ2bとバンドパスフィルタとは配線2により接続され」ることが記載されていると認められる。

d.図9中のダイプレクサ4は、その図記号によれば、2つのバンドパスフィルタを含んでいると認められる。よって、引用文献1には、前記無線機において「ダイプレクサ4は2つのバンドパスフィルタを含んでなる」ことが記載されていると認められる。

e.以上a?dを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「最も高い高域周波数帯(High Band)と、最も低い低域周波数帯(Low Band)との信号の送受信が可能なアンテナ2aが設けられると共に、真ん中の中域周波数帯(Middle Band)の信号の送受信が可能なアンテナ2bが設けられた無線機において、
アンテナ2aはダイプレクサ4を介して高域周波数帯用の送受信回路5Hおよび低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ接続されており、
ダイプレクサ4によって、アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号がそれぞれ別々に取り出されて、高域周波数帯の信号は高域周波数帯用の送受信回路5Hに、また、低域周波数帯の信号は低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ加えられ、
アンテナ2bはバンドパスフィルタ6を介して中域周波数帯用の送受信回路5Mに接続されており、
バンドパスフィルタ6によって、アンテナ2bの受信信号から中域周波数帯の信号が取り出されて中域周波数帯用の送受信回路5Mに加えられ、
ダイプレクサ4と高域周波数帯用の送受信回路5Hとを結ぶ配線の途中にHigh Band端子が設けられ、
ダイプレクサ4と低域周波数帯用の送受信回路5Lとを結ぶ配線の途中にLow Band端子が設けられ、
バンドパスフィルタ6と中域周波数帯用の送受信回路5Mとを結ぶ配線の途中にMiddle Band端子が設けられ、
アンテナ2aとダイプレクサ4とは配線1により接続され、
アンテナ2bとバンドパスフィルタとは配線2により接続され、
ダイプレクサ4は2つのバンドパスフィルタを含んでなる、
無線機。」

イ 引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2004-32673号公報(平成16年1月29日出願公開。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(ア)「【0105】
次に、図19を参照して、ダイプレクサ310の構成について説明する。ダイプレクサ310は、第1ないし第3のポート321?323と、LPF324と、HPF325とを有している。LPF324およびHPF325の各一端は第1のポート321に接続されている。LPF324の他端は第2のポート322に接続されている。HPF325の他端は第3のポート323に接続されている。」

(イ)図19


ウ 引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である国際公開第2014/005061号(2014年1月3日国際公開。以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「[0021] Wireless device 110 may support carrier aggregation, which is operation on multiple carriers. Carrier aggregation may also be referred to as multi-carrier operation. Wireless device 110 may be able to operate in low-band from 698 to 960 megahertz (MHz), mid-band from 1475 to 2170 MHz, and/or high-band from 2300 to 2690 and 3400 to 3800 MHz. Low-band, mid-band, and high-band refer to three groups of bands (or band groups), with each band group including a number of frequency bands (or simply, "bands"). Each band may cover up to 200 MHz and may include one or more carriers. Each carrier may cover up to 20 MHz in LTE. LTE Release 11 supports 35 bands, which are referred to as LTE/UMTS bands and are listed in 3GPP TS 36.101. Wireless device 110 may be configured with up to 5 carriers in one or two bands in LTE Release 11. 」

(当審訳)
【0021】無線装置110は、キャリアアグリゲーションをサポートしてもよい。キャリアアグリゲーションは、複数キャリア上での運用である。キャリアアグリゲーションは、マルチキャリアオペレーションとも呼んでもよい。無線装置110は、698から960MHzのローバンド、1475から2170MHzのミッドバンド、2300から2690及び3400から3800MHzのハイバンドのいずれか又は全てで運用できてもよい。ローバンド、ミッドバンド及びハイバンドは、複数バンドからなる3つのグループ(又はバンドグループ)を指し、各バンドグループは多数の周波数バンド(又は、単に「バンド」)を包含する。各バンドは200MHzまでカバーしてもよく、1つ以上のキャリアを包含してもよい。各キャリアはLTEでは20MHzまでをカバーしてもよい。LTEリリース11は35バンドをサポートし、それらはLTE/UMTSバンドと呼ばれ、3GPP TS 36.101に列挙されている。無線装置110はLTEリリース11における1又は2バンド内に5キャリアまでを含むように構成されてもよい。

「[0025] FIG. 2C shows an example of inter-band CA in the same band group. In the example shown in FIG. 2C, wireless device 110 is configured with four carriers in two bands in low-band. Wireless device 110 may send and/or receive transmissions on multiple carriers in different bands in the same band group. 」

(当審訳)
【0025】図2Cは同一のバンドグループ内でのバンド間CAの例を示す。図2に示される例では、無線装置110はローバンド内の2つのバンドの4つのキャリアを含むように構成される。無線装置110は同一のバンドグループ内の相異なる複数のバンドでの伝送の送信及び受信のいずれか又は双方を行ってもよい。

(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「最も高い高域周波数帯(High Band)」、「最も低い低域周波数帯(Low Band)」及び「真ん中の中域周波数帯(Middle Band)」は、それぞれ本件補正発明の「ハイバンド」、「ローバンド」及び「ミドルバンド」に相当する。

イ 引用発明においては「ダイプレクサ4によって、アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号がそれぞれ別々に取り出されて、高域周波数帯の信号は高域周波数帯用の送受信回路5Hに、また、低域周波数帯の信号は低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ加えられ」るのであるから、アンテナ2aとダイプレクサ4とを接続する「配線1」には、高域周波数帯の受信信号及び低域周波数帯の受信信号がアンテナ2aから入力されると認められる。引用発明の「送受信回路5H」は、信号の受信だけでなく信号の送信をも行うのであるから、送受信回路5Hから送信された高域周波数帯の送信信号は、ダイプレクサ4を介して「配線1」からアンテナ2aに出力されると認められる。同様に、引用発明の「送受信回路5L」から送信された低域周波数帯の送信信号は、ダイプレクサ4を介して「配線1」からアンテナ2aに出力されると認められる。そうすると、本件補正発明の「第1アンテナ端子」と引用発明の「配線1」とは、「アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する接続部品1」である点で共通する。

ウ 引用発明の「アンテナ2b」は「アンテナ2a」とは別のアンテナである。引用発明においては「アンテナ2bはバンドパスフィルタ6を介して中域周波数帯用の送受信回路5Mに接続されており、バンドパスフィルタ6によって、アンテナ2bの受信信号から中域周波数帯の信号が取り出されて中域周波数帯用の送受信回路5Mに加えられ」るのであるから、アンテナ2bとバンドパスフィルタ6とを接続する「配線2」には、中域周波数帯の受信信号がアンテナ2bから入力されると認められる。引用発明の「送受信回路5M」は、信号の受信だけでなく信号の送信をも行うのであるから、送受信回路5Mから送信された高域周波数帯の送信信号は、バンドパスフィルタ6を介して「配線2」からアンテナ2bに出力されると認められる。そうすると、本件補正発明の「第2アンテナ端子」と引用発明の「配線2」とは、「前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する接続部品2」である点で共通する。

エ 引用発明の「Low Band端子」、「Middle Band端子」及び「High Band端子」に対して、それぞれLow Band、Middle Band及びHigh Bandの送信信号及び受信信号が流入及び流出することは明らかであるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、」「前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、」「前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、」を具備する点で一致する。

オ 引用発明は「ダイプレクサ4によって、アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号がそれぞれ別々に取り出されて、高域周波数帯の信号は高域周波数帯用の送受信回路5Hに、また、低域周波数帯の信号は低域周波数帯用の送受信回路5Lにそれぞれ加えられ」るものであるから、引用発明の「ダイプレクサ4」は、配線1とHigh Band端子との間をHigh Band信号のみを通過させ、かつ、配線1とLow Band端子との間をLow Band信号のみを通過させる分波回路であると認められる。そして、引用発明が想定する使用帯域が、Low Band、Middle Band及びHigh Bandの3帯域に限られることに鑑みれば、High Band信号のみを通過させるということは、Low Band信号及びMiddle Band信号を遮断することに他ならず、Low Band信号のみを通過させるということは、Middle Band信号及びHigh Band信号を遮断することに他ならない。そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「前記接続部品1と前記ローバンド端子との間を前記ローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、前記接続部品1と前記ハイバンド端子との間を前記ハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ローバンドおよび前記ミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する分波回路」を具備する点で共通する。
引用発明の配線1は、明らかにアンテナ2bには接続されていない。また、引用発明の配線2は、明らかにアンテナ2aには接続されていない。そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「前記接続部品1は前記別のアンテナには接続されず、前記接続部品2は前記アンテナには接続され」ない点で共通する。

カ 引用発明のダイプレクサ4、バンドパスフィルタ6、Low Band端子、Middle Band端子、High Band端子、配線1及び配線2からなる回路は、少なくとも電気回路である。そして、本件補正発明の分波回路、ローバンド端子、ミドルバンド端子、ハイバンド端子、第1アンテナ端子及び第2アンテナ端子からなる「フロントエンド回路」も、少なくとも電気回路である。したがって、本件補正発明と引用発明とは、少なくとも「電気回路」である点で共通する。

キ 前記ア?カによれば、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致及び相違する。

〈一致点〉
アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する接続部品1と、
前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する接続部品2と、
前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、
前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、
前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、
前記接続部品1と前記ローバンド端子との間を前記ローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、前記接続部品1と前記ハイバンド端子との間を前記ハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ローバンドおよび前記ミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する分波回路と、
を具備し、
前記接続部品1は前記別のアンテナには接続されず、
前記接続部品2は前記アンテナには接続されないことを特徴とする電気回路。

〈相違点1〉
本件補正発明は「フロントエンド回路」であるのに対し、引用発明はダイプレクサ4、バンドパスフィルタ6、Low Band端子、Middle Band端子、High Band端子、配線1及び配線2からなる回路である点。

〈相違点2〉
「接続部品1」及び「接続部品2」が、本件補正発明ではそれぞれ「第1アンテナ端子」及び「第2アンテナ端子」であるのに対し、引用発明ではそれぞれ「配線1」及び「配線2」である点。

〈相違点3〉
本件補正発明の「分波回路」は、「前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間に接続されたローパスフィルタと、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間に接続されたハイパスフィルタと、を備え」るのに対し、引用発明の「ダイプレクサ4」は、「アンテナ2aの受信信号から高域周波数帯の信号と低域周波数帯の信号」を「それぞれ別に取り出」す「2つのバンドパスフィルタ」を含むものである点。

〈相違点4〉
使用周波数帯域が、本件補正発明では「前記ローバンドは、699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、前記ミドルバンドは、1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、前記ハイバンドは、2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含み、前記ローバンド、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドは、各々送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含み、前記複数のバンドの送信帯域は異なり、前記複数のバンドの受信帯域は異な」るのに対し、引用発明のLow Band、Middle Band及びHigh Bandは、その具体的周波数帯域が明らかではなく、各々が複数のバンドを含むか否かも明らかではない点。

〈相違点5〉
本件補正発明は「前記第1アンテナ端子から前記ミドルバンドの送信信号が出力せず、前記第2アンテナ端子から前記ローバンドおよび前記ハイバンドの送信信号が出力しない」のに対し、引用発明の「配線1」がMiddle Bandの送信信号を出力するか否か、及び、引用発明の「配線2」がLow Band及びHigh Bandの送信信号を出力するか否かが明らかではない点。

(4)判断
ア 相違点1について
本件補正後の特許請求の範囲、明細書及び図面には、「フロントエンド回路」の明確な定義はない。図2は「実施例1に係るフロントエンド回路の回路図である」(【0032】)とされ、より詳細には、「図2は、実施例1に係る通信装置およびフロントエンド回路の回路図である。・・・図2に示すように、フロントエンド回路104は、主に、端子T1(第1アンテナ端子)、T2(第2アンテナ端子)、TL(ローバンド端子)、TM(ミドルバンド端子)、TH(ハイバンド端子)、ダイプレクサ16、ローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10M、ハイバンド系回路10HおよびRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)48を含む。通信装置は、フロントエンド回路104およびアンテナ40LHおよび40Mを備える。」(【0036】)とされることから、フロントエンド回路にはアンテナが含まれないと解される。他方、前記記載によれば、フロントエンド回路は第1アンテナ端子、第2アンテナ端子、ローバンド端子、ミドルバンド端子、ハイバンド端子及びダイプレクサ16(本件補正発明の「分波回路」に対応)の他に、ローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10M、ハイバンド系回路10H及びRFICを含むとされているが、本件補正発明のフロントエンド回路は、第1アンテナ端子、第2アンテナ端子、ローバンド端子、ミドルバンド端子、ハイバンド端子及び分波回路以外のものを含むことを要件としていない。
以上を考慮すると、本件補正発明における「フロントエンド回路」とは、アンテナに接続される一群の電気回路程度の意味であると推察される。
そうすると、引用発明の電気回路もアンテナに接続される一群の電気回路であり、本件補正発明の第1アンテナ端子、第2アンテナ端子、ローバンド端子、ミドルバンド端子、ハイバンド端子及び分波回路にそれぞれ対応する「配線1」、「配線2」、「Low Band端子」、「Middle Band端子」、「High Band端子」及び「ダイプレクサ4」を具備するのであるから、フロントエンド回路と称することを妨げない。
したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。

イ 相違点2について
無線機において、アンテナを取り付けるためのアンテナ端子を設けることは、周知技術に過ぎない。
したがって、引用発明において、アンテナを取り付けるためのアンテナ端子を配線1及び配線2に設けることは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、格別のことではない。

ウ 相違点3について
相異なる2つの周波数帯の信号のためのダイプレクサとして、ローパスフィルタとハイパスフィルタとで構成されたものは、周知である(例えば、引用文献2【0105】及び図19を参照。)。
したがって、引用発明のダイプレクサ6に代えて、ローパスフィルタとハイパスフィルタとで構成された周知のダイプレクサを採用することにより、相違点3に係る構成とすることは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、格別のことではない。

エ 相違点4について
ローバンド、ミドルバンド及びハイバンドを用いる無線通信において、ローバンドが699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、ミドルバンドが1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、ハイバンドが2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含む構成、ローバンド、ミドルバンド及びハイバンドが送信帯域及び受信帯域を含む複数のバンドを含む構成、複数のバンドの送信帯域が異なる構成並びに複数のバンドの受信帯域が異なる構成は、周知である。例えば、引用文献3には、698MHz?960MHzのローバンドと呼ばれるバンドグループ、1476MHz?2170MHzのミッドバンドと呼ばれるバンドグループ、2300MHz?2690MHz及び3400MHz?3800MHzのハイバンドと呼ばれるバンドグループからなる3つのバンドグループを無線装置110がサポートすることが記載されている(【0021】)。また、引用文献3には、各バンドグループが多数のバンドを包含することが記載されている(【0021】)。さらに、引用文献3には、同一のバンドグループ内の相異なる複数のバンドで送受信を行うことが記載されている(【0025】)。
そうすると、引用発明のLow Band、Middle Band及びHigh Bandとして、引用文献3に記載されたような周知の構成を採用することにより、相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

オ 相違点5について
引用発明において、アンテナ2aに送受信機5Mが接続されていない以上、配線1からMiddle Bandの信号が出力されることはないと認められる。同様に、配線2からLow Band及びHigh Bandの信号が出力されることもないと認められる。したがって、相違点5は実質的な相違点ではない。

カ 本件補正発明の効果について
審判請求書にて審判請求人は、「請求項1に係る発明は、図4のように、ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドにアンテナ端子を設けるとコストアップおよび大型化すること(0053段落)、相違点のような、ローバンドとミドルバンドを、ローパスフィルタとハイパスフィルタを備えるダイプレクサを用い分波すると、抑圧特性が十分でないこと(図5、0048段落)を課題とします。」として本件補正発明の課題を示した上で、「そこで、『アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第1アンテナ端子と、前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第2アンテナ端子と、前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、を具備し、前記第1アンテナ端子は前記別のアンテナには接続されず、前記第2アンテナ端子は前記アンテナには接続されず、前記第1アンテナ端子から前記ミドルバンドの送信信号が出力せず、前記第2アンテナ端子から前記ローバンドおよび前記ハイバンドの送信信号が出力しない』とし、『前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間をローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、ミドルバンドおよびハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、第1アンテナ端子とハイバンド端子との間をハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、ローバンドおよびミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断し、第1アンテナ端子とローバンド端子との間に接続されたローパスフィルタと、第1アンテナ端子とハイバンド端子との間に接続されたハイパスフィルタと、を備える分波回路』を用います。これにより、抑圧特性を向上できます(0051段落)。」と課題解決手段及び効果を主張する。ここでの「抑圧特性を向上できます」という効果は、前記課題の「ローバンドとミドルバンドを、ローパスフィルタとハイパスフィルタを備えるダイプレクサを用い分波すると、抑圧特性が十分でないこと」に比較しての効果であると認められる。
上記主張について検討すると、ダイプレクサの抑圧特性は、技術常識によれば分離すべき周波数帯の間隔が広ければ広い程有利になるのであるから、ローバンドとミドルバンドとを分離する場合及びミドルバンドとハイバンドとを分離する場合に比べて、ローバンドとハイバンドを分離する場合のほうが有利になる。これは、ダイプレクサを構成するフィルタがローパスフィルタ及びハイパスフィルタであるか、それともバンドパスフィルタであるかには直接関係しない。そして、引用発明のダイプレクサ4も、Low BandとHigh Bandとを分離するものであるから、本件補正発明の分波回路と同様の抑圧特性を有すると認められる。
別の観点によれば、本件補正発明は、ミドルバンドの回路をローバンド及びハイバンドの回路と別体とすることで、全バンドを同一の回路で処理するよりもミドルバンドとローバンド及びハイバンドとの混信を少なくできるとの知見に基づいたものだと推察される。そして、このような混信の少なさを強調するために、本件補正発明の「前記第1アンテナ端子から前記ミドルバンドの送信信号が出力せず、前記第2アンテナ端子から前記ローバンドおよび前記ハイバンドの送信信号が出力しない」との発明特定事項を加えたと推察される。しかしながら、引用発明も本件補正発明と同様にミドルバンドの回路をローバンド及びハイバンドの回路と別体としているのであるから、本件補正発明と同様に引用発明においても、配線1からMiddle Bandの送信信号が出力せず、配線2からLow Band及びHigh Bandの送信信号が出力しないといえる。
本件補正発明における「ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドにアンテナ端子を設けるとコストアップおよび大型化すること」との課題は、3つのバンド全てにアンテナ端子を設けると、アンテナ端子が3つ必要であるからコストアップと大型化が生じるのだと解される。本件補正発明は、ローバンド及びハイバンドで1つのアンテナ端子(第1アンテナ端子)とし、ミドルバンドで1つのアンテナ端子(第2アンテナ端子)としているので、2つのアンテナ端子を設けるのみで済んでいる。すなわち、本件補正発明はアンテナ端子を2つとしたことにより、前記課題を解決していると認められる。引用発明も、本件補正発明と同様にアンテナ2aとのLow Band及びHigh Bandの信号の入出力を一つの配線(配線1)で実現し、アンテナ2bとのMiddle Bandの信号の入出力を一つの配線(配線2)で実現しているのであるから、前記課題は解決される。
以上によれば、本件補正発明の効果は、引用発明の構成から当然に奏されるものであって、格別のものではない。

キ 小括
前記アからカによれば、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
前記2のとおりであるから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願発明は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2.原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1?11に係る発明は、本願の優先権主張の日の前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2003-32140号公報

3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明から、「ローバンド」、「ミドルバンド」、「ハイバンド」、「第1アンテナ端子」及び「第2アンテナ端子」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項の全てを含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-06-27 
結審通知日 2019-07-02 
審決日 2019-07-16 
出願番号 特願2015-157557(P2015-157557)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04B)
P 1 8・ 575- Z (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 秀彦浦口 幸宏  
特許庁審判長 北岡 浩
特許庁審判官 中野 浩昌
丸山 高政
発明の名称 フロントエンド回路、モジュールおよび通信装置  
代理人 片山 修平  

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