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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1354871
審判番号 不服2019-1906  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-12 
確定日 2019-09-05 
事件の表示 特願2017-160813号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月16日出願公開、特開2017-202380号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成24年4月18日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2012-95027号の一部を平成26年2月26日に新たな特許出願(特願2014-35255号)とし、さらにその一部を平成27年10月1日に新たな特許出願(特願2015-195673号)とし、さらにその一部を平成28年10月19日に新たな特許出願(特願2016-204793号)とし、さらにその一部を平成29年8月24日に新たな特許出願(特願2017-160813号)としたものであって、平成30年5月30日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月3日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月8日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成31年2月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成31年2月12日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年2月12日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1?2を補正する内容を含むものであり、そのうちの請求項1について、平成30年8月3日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「複数の図柄が表示された複数のリールと、
前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、
所定の開始条件の成立に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、
前記所定の開始条件の成立に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する当籤役決定手段と、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、
前記当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段と、
特定の開始条件が成立すると、所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる特定遊技状態作動手段と、
前記特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段と、を備えることを特徴とする遊技機。」は、

審判請求時に提出された手続補正書(平成31年2月12日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「複数の図柄が表示された複数のリールと、
前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、
所定の開始条件の成立に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、
前記所定の開始条件の成立に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する当籤役決定手段と、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、
前記当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段と、
特定の開始条件が成立すると、所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる特定遊技状態作動手段と、
前記特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段と、を備えることを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定期間」に関して、「当該特定遊技状態の特定期間を遊技者に付与する」とあったものを、「当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間」と限定することを含むものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正に係る特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0141】、【0398】等の記載からみて、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Iは、分説するため審決にて付した。)。
「A 複数の図柄が表示された複数のリールと、
B 前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、
C 所定の開始条件の成立に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、
D 前記所定の開始条件の成立に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する当籤役決定手段と、
E 前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、
F 前記当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段と、
G 特定の開始条件が成立すると、所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる特定遊技状態作動手段と、
H 前記特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段と、
I を備えることを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された、本件の遡及日前に頒布された刊行物である特開2012-16534号公報(以下「引用文献1」という。)には、スロットマシンに関して、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は審決にて付した。以下同じ。)。

ア 記載事項
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のスロットマシンでは、AT抽選で当選すると一定期間に亘りATに制御されるものであった。このため、いずれの抽選契機が成立したかによって、AT抽選で当選した後の遊技者にとっての有利度合いを異ならせることができなかった。その結果、AT抽選契機に遊技者を注目させることができなかった。また、当選率が高く遊技者にとって有利度合いが高い抽選契機ばかりが成立することも有り得、この場合には射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合が生じる虞もあった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、AT抽選契機に遊技者を注目させるとともに射幸性が高まりすぎることを防止することができるスロットマシンを提供することである。」

(イ)「【実施例】
【0019】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0020】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0021】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
・・・
【0024】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。」

(ウ)「【0080】
また、本実施例におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が通常遊技状態や有利RTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。」

(エ)「【0147】
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
・・・
【0162】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。」

(オ)「【0208】
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施例にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
【0209】
遊技の進行が可能な状態であるためには、例えば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
・・・
【0213】
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
・・・
【0215】
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
【0216】
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。」

(カ)「【0236】
[AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。」

(キ)「【0309】
本実施例においては、AT抽選条件が成立する毎に実行されるAT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。また、前回ボーナスが終了してから非ATにおいて消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、AT抽選の結果に関わらず、次にボーナス入賞するまでATに制御される。」

(ク)「【0357】
また、本実施例においては、上記のナビストック数を獲得していないときであっても、前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数(例えば、500ゲーム)に到達したときに、次回ボーナス当選するまでATに制御される。本実施例におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる天井ゲーム到達時処理を実行することにより、天井ゲーム数に到達したときにATに制御するための処理を行う。
【0358】
図18は、天井ゲーム到達時にAT制御するための天井ゲーム到達時処理を説明するためのフローチャートである。天井ゲーム到達時処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、例えば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
・・・
【0361】
S24においては、S23において加算された非ATゲーム数カウンタの値が、予め定められた天井ゲーム数(例えば500)に到達したか否かが判定される。S24において天井ゲーム数に到達していないと判定されたときにはそのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。一方、S24において天井ゲーム数に到達していると判定されたときには、次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するためのAT設定を行う。例えば、ATに制御するための強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させて強制的にATに制御する。この強制ATフラグは、ボーナス発生時にクリアされる。これにより、非AT中に消化したゲーム数が天井ゲーム数に到達したときに、次回ボーナス発生するまでATに制御することができる。」

(ケ)「【0463】
[特定制御について]
前述した実施例においては、ナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法として、同じナビストックを獲得しているときであっても、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときの方が高い割合で、潜伏期間として長い期間を決定する手法について説明した。しかし、ナビストックを消費する間における純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法は、これに限らず、以下のものであっても良い。
・・・
【0466】
第3の例として、ナビストックを1消費することにより所定期間に亘りATに制御するものであって、所定期間ATを継続させた後においても当該ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘りATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときにはATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘りATに制御するスロットマシンにおいて、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、高い割合で、低い継続率を決定することにより実現しても良い。これにより、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックを新たに消費せずにATへの制御が継続される確率が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。尚、この場合における報知条件の有利度合いは、ナビストックや継続率から特定される。有利度合いが高い報知条件とは、ナビストックが多いものや、継続率が高いものをいう。」

イ 上記ア(ア)?(ケ)の記載事項、及び、図面の図示内容を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a?iは、本件補正発明のA?Iに対応させて付与した。)。
「a 外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(【0020】)と、
b リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄を透視窓3を介して視認できるようにした液晶表示器51(【0021】、【0024】)と、
c BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させるメインCPU41aを含むメイン制御部41(【0208】?【0209】、【0213】、【0215】)とを備え、
d メインCPU41aを含むメイン制御部41は、
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行い(【0213】)、
e リール2L、2C、2Rの回転開始から回転速度が一定速度に達した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させ(【0216】)、
f 停止制御テーブルに基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御を行い(【0147】、【0162】)、
g AT抽選条件が成立する毎に実行されるAT抽選で付与すると決定されたナビストック数の合計数に応じて、あるいは、
前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数に到達したときに、
内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるATに演出状態を制御するサブ制御部91(【0080】、【0236】、【0309】、【0357】)とを備え、
h サブ制御部91は、次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するため、強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させるAT設定を行い、この強制ATフラグをボーナス発生時にクリアする(【0357】、【0361】)
i スロットマシン。」

(3)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)引用発明における構成aの「外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R」は、本件補正発明における構成Aの「複数の図柄が表示された複数のリール」に相当する。

(b)引用発明における構成bの「リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄を透視窓3を介して視認できるようにした液晶表示器51」は、リール2L、2C、2Rの図柄を表示しているといえるから、本件補正発明における構成Bの「リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段」に相当する。

(c)引用発明における「BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作される」ことは、本件補正発明における「所定の開始条件の成立に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる」ことは、本件補正発明における「リールを回転させることにより前記図柄を変動させる」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成cの「メインCPU41aを含むメイン制御部41」は、本件補正発明における構成Cの「図柄変動手段」に相当する。

(d)上記(c)より、引用発明における「BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作される」ことは、本件補正発明における「所定の開始条件の成立に基づ」くことに相当する。
そして、引用発明における「内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行」うことは、本件補正発明における「複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成dの「メインCPU41aを含むメイン制御部41」は、本件補正発明における構成Dの「当籤役決定手段」に相当する。

(e)引用発明における「ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることによ」ることは、本件補正発明における「複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成eの「メインCPU41aを含むメイン制御部41」は、本件補正発明における構成Eの「停止操作検出手段」に相当する。

(f)引用発明における「当選している役」、「当選していない役」は、構成dの「遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理」により決定されることから、本件補正発明における「当籤役決定手段により決定された内部当籤役」に相当する。
そして、引用発明における「操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる停止操作が行われた際」は、本件補正発明における「停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミング」に相当する。
また、引用発明における「揃えて停止させる制御」を行うこと、及び、「ハズシて停止させる制御を行」うことは、「リール2L、2C、2Rの回転を停止させる」ことによるが、構成bより、「液晶表示器51」の「透視窓3を介して」「視認できる」「図柄」の変動を停止させることであるから、本件補正発明における「リールの回転を停止させることにより図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成fの「停止制御テーブルに基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御を行」う「メインCPU41aを含むメイン制御部41」は、本件補正発明における構成Fの「当籤役決定手段により決定された内部当籤役と停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リールの回転を停止させることにより図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段」に相当する。

(g)引用発明における「前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数に到達したとき」は、本件補正発明における「特定の開始条件が成立する」ことに相当する。
そして、引用発明における「内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるATに演出状態を制御する」ことは、本件補正発明における「所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる」ことに相当する。
したがって、引用発明における構成gの「サブ制御部91」は、本件補正発明における「特定遊技状態作動手段」に相当する。

(h)引用発明における「次回のボーナスが発生」したときは、本件補正発明における「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたとき」に相当する。
したがって、引用発明における「次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するため、強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させるAT設定を行」う「サブ制御部91」と、本件補正発明における「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段」とは、特定遊技状態を所定の条件を満たすまで作動させる点で共通する。
ゆえに、引用発明における構成hと、本件補正発明における構成Hとは、「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たすまで、当該特定遊技状態を作動させる」ことで共通する。

(i)引用発明における「スロットマシン」は、本件補正発明における「遊技機」に相当する。

よって、上記(a)?(i)によれば、本件補正発明と引用発明は、
「A 複数の図柄が表示された複数のリールと、
B 前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、
C 所定の開始条件の成立に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、
D 前記所定の開始条件の成立に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する当籤役決定手段と、
E 前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、
F 前記当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段と、
G 特定の開始条件が成立すると、所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる特定遊技状態作動手段とを備え、
H’前記特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たすまで、当該特定遊技状態を作動させる
I 遊技機。」の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点](構成H)
本件補正発明は、「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段」「を備える」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
遊技機(スロットマシン)の技術分野において、遊技者に不満感を与えないため、あるいは、斬新な遊技性を醸し出すために、ATや、AT機能を有するARTの作動中にボーナスに当選した場合、ボーナスに当選した時点でのATゲーム数を保存し、ボーナスゲーム終了後に、保存されたATゲーム数から継続してATを再開させることは、本件の遡及日前に周知の技術事項である(例えば、特開2002-172205号公報の【0004】?【0005】、【0118】?【0122】、【0143】、【0148】には、遊技者の不満感を防止するために、AT状態中のゲームでビッグボーナスに当選するとAT状態を中断し、ビッグボーナス状態が終了すると、AT状態が中断したときに保持されていたATゲーム数カウンタの値を引き続き用いてAT状態を再開することが記載され、
特開2011-125532号公報の【0006】?【0007】には、「AT中に特別遊技へ移行した場合は、その間AT中における遊技回数の計数が停止するため、特別遊技を行ったために継続抽選の契機が早まることがなく、遊技者に損失感を与えることがないという利点もある。」ことが記載され、
特開2003-70970号公報の【0130】には、ATの1種であるARTについて、「上記遊技数カウント手段120は、特殊遊技であるARTゲームの実行中に、BBゲームやRBゲーム等の特別遊技へ移行した場合、ARTゲームの遊技数のカウントを中断して、そこまでのカウントされた遊技数を遊技数記憶手段130に記憶させるものである。そして、遊技数カウント手段120は、BBゲームやRBゲーム等の特別遊技が終了した後、遊技数記憶手段130に記憶させたカウント中断時の特殊遊技であるARTゲームの遊技数を採取して、そのカウントを再開するものである。」ことが記載され、
特開2003-339957号公報の【0105】?【0106】には、「AT中にBB入賞又はRB入賞に当選した場合、或いは、AT中にBB又はRBが発生した場合には、当該ATの残り回数をストックして、BBの終了後或いはRBの終了後に該残り回数のATを実行可能としても良いし、・・・BBやRB等の発生に拘わらずAT等の特別遊技状態を発生可能となる。このため、従来にない斬新な遊技性を醸し出すことができる。」ことが記載されている。以下「周知の技術事項」という。)。

ここで、引用発明は、引用文献1の【0007】に記載されているとおり、「AT抽選契機に遊技者を注目させる」という課題を解決するものである。
また、引用発明は、「強制ATフラグは、ボーナス発生時にクリアされる」(構成h)ものであるから、ATがボーナス終了後に継続されないものである。そうすると、ボーナス終了後にATが継続されないことによって、遊技者に不満感が生じるという自明の課題を内在するものである。
したがって、引用発明と上記周知の技術事項とは、遊技者の興趣を向上させ、かつ、技者に不満感を与えないという共通の課題を解決するものである。
さらに、引用発明と上記周知の技術事項とは、AT中にボーナス当選可能なスロットマシンという共通の機能を有するものである。
よって、引用発明におけるAT中のボーナス発生に係る構成hに、ボーナス終了後のATの再開に係る上記周知の技術事項を適用して、ATの作動中にボーナスに当選した場合、ボーナスに当選した時点でのATゲーム数を保存し、ボーナスゲーム終了後に、保存されたATゲーム数を継続して用いてATを再開させ、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に成し得たものである。

(5)請求人の主張について
請求人は、平成31年2月12日付けの審判請求書において、次の主張をする。
「本願の請求項1に係る発明は、上記構成要件(h)で特定しているように、特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の残りの期間である特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段を備えています。この構成により、請求項1に係る発明は、ART等の遊技者にとって有利な特定遊技状態の上乗せに関して、所定の条件を満たした時点でARTゲーム数のうちの残りゲーム数を保持することができます。これにより、例えば演出として、ARTが通常通り終了した後に、保持していた残りゲーム数を付与することで、あたかも所定の条件を満たした時点の遊技状態に戻ったかのように作動する等、多様な演出を行うことができるので、従来と比較して遊技者の興趣を向上させることができるという上記作用効果(イ)を奏します。
これに対し引用文献1には、所定期間ATを継続させた後のATの継続率の決定法について開示されていますが、補正後の本願請求項1に記載したような、所定の条件を満たしたときに特定遊技状態の残りの期間である特定期間、すなわちARTゲーム数のうちの残りゲーム数をストックし遊技者に付与する構成については開示されていません。」(3.(1)請求項1に係る発明と引用文献1に記載されたものとの対比)と主張する。

そこで、請求人の上記主張について検討する。
引用発明は、構成gにより、AT抽選条件が成立することに基づいて、あるいは、前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数に到達することに基づいて、ATに演出状態を制御するものである。
そして、上記(4)において検討したように、本件補正発明における構成Hは、引用発明における構成hに上記周知の技術事項を適用することにより当業者が容易になし得たものであるから、引用発明の構成hに上記周知の技術事項を適用することにより得られる「ATの作動中にボーナスに当選した場合、ボーナスに当選した時点でのATゲーム数を保存し、ボーナスゲーム終了後に、保存されたATゲーム数を継続して用いてATを再開させ」るものは、あたかも、AT抽選条件が成立することに基づいて、あるいは、前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数に到達することに基づいて、ATが開始されたかのような印象を遊技者に与える多様な演出を行うことができ、それにより遊技者の興趣を向上させるものであるといえる。
したがって、引用発明に上記周知の技術事項を適用したものは、請求人が主張する本件補正発明の構成Hにより奏される上記効果と同様の効果を奏するものである。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(6)小括
本件補正発明により奏される効果は、当業者が、引用発明、及び、周知の技術事項から予測し得る効果の範囲内のものであって、格別のものではない。
よって、本件補正発明は、引用発明、及び、周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 まとめ
上記1?3より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、前記第2のとおり却下されることとなったので、平成30年8月3日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の「1 補正の内容」に示した平成30年8月3日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1のとおりの次のとおりのものであると認める(記号A?Iは、分説するため審決にて付した。)。
「A 複数の図柄が表示された複数のリールと、
B 前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、
C 所定の開始条件の成立に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、
D 前記所定の開始条件の成立に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する当籤役決定手段と、
E 前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、
F 前記当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる停止制御手段と、
G 特定の開始条件が成立すると、所定期間に亘って遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を作動させる特定遊技状態作動手段と、
H2 前記特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段と、
I を備えることを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
(1)(新規性)この出願の下記の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

(2)(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2012-16534号公報

3 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(前記第2の「3(2)」における「引用文献1」に対応する。)の記載事項については、前記「第2 3(2)引用文献」に記載したとおりである。
そして、引用文献1には、引用発明における構成a?g、iに加えて、構成h2を備える次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる(a?iは、本願発明のA?Iに対応させて付与した。)。
「a?g(引用発明における構成a?gと同じ構成)
h2 サブ制御部91は、所定期間ATを継続させた後においても当該ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘りATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときにはATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘りATに制御する(【0357】、【0466】)
i スロットマシン。」

そこで、本願発明と引用発明2とを対比する。
まず、引用発明2の構成a?g、iは、前記第2 3(3)対比(a)?(g)、(i)と同様に、本願発明の構成A?G、Iに相当する。
次に、引用発明2における構成h2と、本願発明における構成H2とを対比する。
引用発明2の「所定期間ATを継続させた後においても当該ATを」「継続させないと決定されたとき」における継続決定は、引用発明2が、「ATへの制御を」「継続させないと決定されたときにはATを終了させ」るものであることから、AT中のタイミングにおいて成されるものである。
そして、引用発明2の「所定期間ATを継続させた後においても当該ATを」「継続させないと決定されたとき」は、本願発明の「所定の条件を満たしたとき」に相当する。
したがって、引用発明2の「所定期間ATを継続させた後においても当該ATを」「継続させないと決定されたとき」は、本願発明の「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたとき」に相当する。
また、引用発明2の「ATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより」「所定期間に亘りATに制御する」ことは、本願発明の「特定遊技状態の特定期間を遊技者に付与する」ことに相当する。
さらに、引用発明2は、「ATへの制御を」「継続させないと決定されたとき」、一旦、「ATを終了させ」、「新たに所定期間に亘りATに制御する」ものであるから、新たに制御される「AT」は、一旦終了したATの復帰により生じたものとみることもできる。
ゆえに、引用発明2における構成h2の「所定期間ATを継続させた後においても当該ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘りATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときにはATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘りATに制御する」「サブ制御部91」は、本願発明における構成H2の「特定遊技状態の作動中に所定の条件を満たしたときの当該特定遊技状態の特定期間を遊技者に付与する特定遊技状態復帰手段」に相当する。
そうすると、本願発明と引用発明2とは、一致し、相違する点はない。
よって、本願発明は、引用発明2である。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-07-03 
結審通知日 2019-07-09 
審決日 2019-07-25 
出願番号 特願2017-160813(P2017-160813)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 牧 隆志高木 亨  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 長崎 洋一
大谷 純
発明の名称 遊技機  
代理人 有我 軍一郎  
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