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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 B65G |
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管理番号 | 1356831 |
異議申立番号 | 異議2018-700966 |
総通号数 | 240 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-12-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-11-29 |
確定日 | 2019-10-03 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6332887号発明「コンテナ管理システム、コンテナ管理方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6332887号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3-6、8〕、2、7、〔9、10〕について訂正することを認める。 特許第6332887号の請求項1ないし3及び5ないし10に係る特許を維持する。 特許第6332887号の請求項4についての特許異議申立を却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6332887号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成27年5月27日(優先権主張 平成27年1月13日)に出願された特願2015-107345号の一部を平成29年8月10日に新たな特許出願としたものであって、平成30年5月11日に設定登録され、同年5月30日に特許掲載公報が発行され、同年11月29日に特許異議申立人関根由美子(以下、「異議申立人1」という。)により特許異議の申立てがされ、同年11月29日に特許異議申立人梅原慎治(以下、「異議申立人2」という。)により特許異議の申立てがされ、平成31年4月3日付けで取消理由が通知され、その指定期間内の令和1年6月7日に意見書の提出及び訂正の請求があったものである。なお、訂正の請求があった旨、令和1年7月16日付け(発送日:同年7月22日)で異議申立人1及び2に通知し、この通知の発送の日から30日以内の意見書の提出を異議申立人1及び2に求めたが、異議申立人1及び2から意見書は提出されなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和1年6月7日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下のとおりである。(下線は特許権者が付した。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有する、コンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、 前記ETC車載器は、前記機体固有番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を前記管理部に送信し、 前記運送車両判定部は、 受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、 前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する、コンテナ管理システム」 に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項3、5、6及び8も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、 「海貨業者が用いる海貨業者端末と、 海コン業者が用いる海コン業者端末と、 前記運送車両の運転手が個人所有する携帯電話端末と、 前記海貨業者端末、前記海コン業者端末及び前記携帯電話端末の間の通信を行う管理通信部とをさらに備え、 前記無線端末は、固有のETC番号を有するETC車載器であり、 前記管理通信部は、 前記海貨業者端末から前記海コン業者の情報及び作業指示が入力されると、前記海コン業者端末に前記作業指示を伝達し、 前記海コン業者端末から前記作業指示に関連付けて前記運送車両及び前記運転手に関する情報が入力されると、前記海貨業者端末に対して前記海コン業者の受託の事実を伝達すると共に、前記携帯電話端末に対して前記作業指示及び前記運送車両を伝達する、請求項1記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 海貨業者が用いる海貨業者端末と、 海コン業者が用いる海コン業者端末と、 前記運送車両の運転手が個人所有する携帯電話端末と、 前記海貨業者端末、前記海コン業者端末及び前記携帯電話端末の間の通信を行う管理通信部とをさらに備え、 前記無線端末は、固有のETC番号を有するETC車載器であり、 前記管理通信部は、 前記海貨業者端末から前記海コン業者の情報及び作業指示が入力されると、前記海コン業者端末に前記作業指示を伝達し、 前記海コン業者端末から前記作業指示に関連付けて前記運送車両及び前記運転手に関する情報が入力されると、前記海貨業者端末に対して前記海コン業者の受託の事実を伝達すると共に、前記携帯電話端末に対して前記作業指示及び前記運送車両を伝達する、コンテナ管理システム」 に訂正する。 (1)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「脚部に前記無線アンテナとを有する、請求項1又は2記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「脚部に前記DSRCアンテナとを有する、請求項1記載のコンテナ管理システム」 に訂正する(請求項3の記載を直接又は間接的に引用する請求項5、6及び8も同様に訂正する)。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に、 「請求項3又は4記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「請求項3記載のコンテナ管理システム」 に訂正する(請求項5の記載を直接又は間接的に引用する請求項6及び8も同様に訂正する)。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に、 「請求項1から5のいずれかに記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「請求項1,3又は5のいずれかに記載のコンテナ管理システム」 に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7に、 「前記ゲート部が有し、前記運送車両を上方から撮影する天井カメラ部と、 前記海上コンテナの上面に記載されて前記天井カメラ部が撮影した撮影データに表示された第3コンテナ番号を読み取る文字読取部とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する、請求項6記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 輸出入ゲートの付近にあって前記管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって前記海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定し、 前記ゲート部が有し、前記運送車両を上方から撮影する天井カメラ部と、 前記海上コンテナの上面に記載されて前記天井カメラ部が撮影した撮影データに表示された第3コンテナ番号を読み取る文字読取部とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する、コンテナ管理システム」 に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8に、 「請求項6又は7記載のコンテナ管理システム」 と記載されているのを、 「請求項6記載のコンテナ管理システム」 に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9に、 「輸出入業務に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムを用いたコンテナ管理方法であって、 前記コンテナ管理システムは、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有のETC番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記ETC番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 前記ETC車載器が、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに無線送信する無線送信ステップを含むコンテナ管理方法。」 と記載されているのを、 「輸出入業務に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムを用いたコンテナ管理方法であって、 前記コンテナ管理システムは、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有のETC番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記ETC車載器は、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記ETC番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記管理部が、前記運送車両がゲートに進入する際、前記運送車両を停止させると共に、 前記ETC車載器が、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに無線送信する無線送信ステップと、 前記DSRCアンテナが、前記ETC番号を前記管理部に送信するステップと、 前記運送車両判定部が、前記第1コンテナ番号が正しいか否かを判定するステップと、 前記運送車両判定部が、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定するステップとを含むコンテナ管理方法。」 に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10に、 「コンピュータを、請求項9における前記作業履歴記憶部として機能させるためのプログラム」 と記載されているのを、 「コンピュータを、請求項9における前記作業履歴記憶部及び前記運送車両判定部として機能させるためのプログラム」 に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の有無(下線は当審で付した。) (1)訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「無線端末」及び「無線アンテナ」をそれぞれ「ETC車載器」及び「DSRCアンテナ」に限定し、また、訂正前の請求項1に「前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、前記ETC車載器は、前記機体固有番号を前記DSRCアンテナに送信し、前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を前記管理部に送信し、前記運送車両判定部は、受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する」ことを付加し限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものといえる。 また、訂正前の請求項4に「前記無線アンテナは、DSRCアンテナであり、前記無線端末は、ETC車載器であり、」と記載されており、明細書の 段落【0074】に 「管理部15は、管理処理部53と、管理判定部55(本願請求項の「判定手段」の一例)と、管理記憶部57と、管理通信部59(本願請求項の「管理通信部」の一例)と、管理制御部61と、マスク部62(本願請求項の「マスク部」の一例)を備える。また、管理処理部53は、ユニークキー割付部63と、コンテナ番号書換部65(本願請求項の「履歴修正部」の一例)と、TP番号割当部67と、EIR発行部69と、コンテナ優先順位決定部71とを有する。管理判定部55は、コンテナ引当判定部73と、運送車両判定部75と、コンテナ番号判定部77と、エラー判定部79と、文字認証判定部81とを有する。さらに、管理記憶部57は、作業履歴記憶部83(本願請求項の「作業履歴記憶部」の一例)と、Booking情報記憶部85と、M/F情報記憶部87と、撮影データ記憶部89とを有する。」と記載され、同段落【0094】に「ステップST009において、管理制御部61は、運送車両がゲートに進入する際、LED表示板33に“STOP”と表示させる。また、ETC通信部23は、DSRCアンテナ35に対してETC番号記憶部21に記憶されたETC番号(本願請求項の「機体固有番号」の一例)を送信する(本願請求項の「無線送信ステップ」の一例)。DSRCアンテナは、ETC番号を管理部15に送信し、運送車両判定部75が、受信したETC番号と作業履歴で関係付けられているコンテナ番号(本願請求項の「第1コンテナ番号」の一例)、ゲート搬入指定日、輸出コンテナ、運送車両が全て正しいか否か、及び、運送車両のゲートの通過の是非を判定する(本願請求項の「判定ステップ」の一例)。」と記載されており、訂正事項1は、願書に添付された明細書又は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内においてしたものといえるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1を引用する記載であるところ、請求項1を引用しないものとし、独立形式の請求項に改めるための訂正である。したがって、訂正事項2は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的としたものといえる。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項3が、請求項1又は2を引用していたところ、請求項1のみを引用するよう限定するものであるとともに、訂正前の請求項3の「無線アンテナ」を「DSRCアンテナ」に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものである。そして、訂正前の請求項4に「前記無線アンテナは、DSRCアンテナであり、」と記載されているので、訂正事項3は、願書に添付された特許請求の範囲に記載された事項の範囲内においてしたものといえるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (5)訂正事項5 訂正事項5は、訂正前の請求項5が、請求項3又は4を引用していたところ、請求項3のみを引用するよう限定するものである。そうすると、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (6)訂正事項6 訂正事項6は、訂正前の請求項6が、請求項1?5のいずれかを引用していたところ、請求項1,3又は5のみを引用するよう限定するものである。そうすると、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (7)訂正事項7 訂正事項7は、訂正前の請求項7が請求項6の記載を引用し、訂正前の請求項6は請求項1から5のいずれかの記載を引用する記載であるところ、訂正前の請求項1を引用する請求項6をさらに引用する請求項7について、請求項間の引用関係を解消して、独立形式の請求項に改めるための訂正である。 したがって、訂正事項7は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的としたものといえる。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (8)訂正事項8 訂正事項8は、訂正前の請求項8が、請求項6又は7を引用していたところ、訂正後の請求項8が、請求項6のみを引用するよう限定するものである。そうすると、訂正事項8は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (9)訂正事項9 訂正事項9は、訂正前の請求項9に、「前記ETC車載器は、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに送信」すること、管理部が「前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部」を有し、「前記管理部が、前記運送車両がゲートに進入する際、前記運送車両を停止させる」こと、及び「前記DSRCアンテナが、前記ETC番号を前記管理部に送信するステップと、前記運送車両判定部が、前記第1コンテナ番号が正しいか否かを判定するステップと、前記運送車両判定部が、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定するステップと」を有することを付加し限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものといえる。 そして、願書に添付された明細書の段落【0094】に「ステップST009において、管理制御部61は、運送車両がゲートに進入する際、LED表示板33に“STOP”と表示させる。また、ETC通信部23は、DSRCアンテナ35に対してETC番号記憶部21に記憶されたETC番号(本願請求項の「機体固有番号」の一例)を送信する(本願請求項の「無線送信ステップ」の一例)。DSRCアンテナは、ETC番号を管理部15に送信し、運送車両判定部75が、受信したETC番号と作業履歴で関係付けられているコンテナ番号(本願請求項の「第1コンテナ番号」の一例)、ゲート搬入指定日、輸出コンテナ、運送車両が全て正しいか否か、及び、運送車両のゲートの通過の是非を判定する(本願請求項の「判定ステップ」の一例)。」と記載されており、訂正事項9は、願書に添付された明細書に記載された事項の範囲内においてしたものといえるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (10)訂正事項10 訂正事項10は、訂正前の請求項10に「プログラム」について、「前記運送車両判定部として機能させる」ことを付加し限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものといえる。 そして、願書に添付された明細書の段落【0048】に「本発明の第11の観点は、コンピュータを、第10の観点における前記作業履歴記憶部及び前記判定手段として機能させるためのプログラムである。」と記載され、同段落【0094】に「ステップST009において、管理制御部61は、運送車両がゲートに進入する際、LED表示板33に“STOP”と表示させる。また、ETC通信部23は、DSRCアンテナ35に対してETC番号記憶部21に記憶されたETC番号(本願請求項の「機体固有番号」の一例)を送信する(本願請求項の「無線送信ステップ」の一例)。DSRCアンテナは、ETC番号を管理部15に送信し、運送車両判定部75が、受信したETC番号と作業履歴で関係付けられているコンテナ番号(本願請求項の「第1コンテナ番号」の一例)、ゲート搬入指定日、輸出コンテナ、運送車両が全て正しいか否か、及び、運送車両のゲートの通過の是非を判定する(本願請求項の「判定ステップ」の一例)。」と記載されており、訂正事項10は、願書に添付された明細書に記載された事項の範囲内においてしたものといえるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正前の全請求項である請求項1?10に対して異議申立人1及び2から特許異議の申立てがされているので、訂正事項1、3?6、8?10に関して、独立特許要件は課されない。 3 一群の請求項についての説明等 訂正前の請求項1?8について、請求項2?8は、直接又は間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 また、訂正前の請求項9及び10について、請求項10は、請求項9を引用するものであって、訂正事項9によって記載が訂正される請求項9に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1?8に対応する訂正後の請求項1?8並びに訂正前の請求項9及び10に対応する訂正後の請求項9及び10は、それぞれ特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 なお、訂正後の請求項2及び7については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することが求められている(訂正請求書第12ページ第26?30行参照)。 4 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第9項において準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1、3-6、8〕、2、7、〔9、10〕について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし10に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明10」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項1】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、 前記ETC車載器は、前記機体固有番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を前記管理部に送信し、 前記運送車両判定部は、 受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、 前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する、コンテナ管理システム。 【請求項2】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 海貨業者が用いる海貨業者端末と、 海コン業者が用いる海コン業者端末と、 前記運送車両の運転手が個人所有する携帯電話端末と、 前記海貨業者端末、前記海コン業者端末及び前記携帯電話端末の間の通信を行う管理通信部とをさらに備え、 前記無線端末は、固有のETC番号を有するETC車載器であり、 前記管理通信部は、 前記海貨業者端末から前記海コン業者の情報及び作業指示が入力されると、前記海コン業者端末に前記作業指示を伝達し、 前記海コン業者端末から前記作業指示に関連付けて前記運送車両及び前記運転手に関する情報が入力されると、前記海貨業者端末に対して前記海コン業者の受託の事実を伝達すると共に、前記携帯電話端末に対して前記作業指示及び前記運送車両を伝達する、コンテナ管理システム。 【請求項3】 船から前記海上コンテナを荷揚げし、若しくは、前記海上コンテナを船積みするコンテナ搬送機、又は、トランステナーをさらに備え、 前記コンテナ搬送機又は前記トランステナーは、 オペレータ室に前記作業履歴記憶部により前記機体固有番号と関連付けられている前記第1コンテナ番号を表示するモニタと、 脚部に前記DSRCアンテナとを有する、請求項1記載のコンテナ管理システム。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記コンテナ搬送機は、ガントリークレーンであり、 前記運送車両は、シャーシである、請求項3記載のコンテナ管理システム。 【請求項6】 輸出入ゲートの付近にあって前記管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって前記海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定する、請求項1,3又は5のいずれかに記載のコンテナ管理システム。 【請求項7】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 輸出入ゲートの付近にあって前記管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって前記海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定し、 前記ゲート部が有し、前記運送車両を上方から撮影する天井カメラ部と、 前記海上コンテナの上面に記載されて前記天井カメラ部が撮影した撮影データに表示された第3コンテナ番号を読み取る文字読取部とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する、コンテナ管理システム。 【請求項8】 前記第1コンテナ番号は、7桁以上の数字を含むものであり、 前記第2コンテナ番号は、前記第1コンテナ番号のうちの特定の4桁のみの数字として前記ゲート部に入力されるものであり、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号のうち前記第2コンテナ番号に対応する4桁の数字と、前記第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定する、請求項6記載のコンテナ管理システム。 【請求項9】 輸出入業務に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムを用いたコンテナ管理方法であって、 前記コンテナ管理システムは、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有のETC番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記ETC車載器は、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記ETC番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記管理部が、前記運送車両がゲートに進入する際、前記運送車両を停止させると共に、 前記ETC車載器が、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに無線送信する無線送信ステップと、 前記DSRCアンテナが、前記ETC番号を前記管理部に送信するステップと、 前記運送車両判定部が、前記第1コンテナ番号が正しいか否かを判定するステップと、 前記運送車両判定部が、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定するステップとを含むコンテナ管理方法。 【請求項10】 コンピュータを、請求項9における前記作業履歴記憶部及び前記運送車両判定部として機能させるためのプログラム。」 2 取消理由の概要 本件訂正前の請求項1、3ないし6及び8ないし10に係る発明に対して平成31年4月3日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件特許の請求項1、3?6、8?10に係る発明は、その優先日前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許は取り消すべきものである。 記 引用文献1:特開2009-196777号公報(異議申立人1の甲第1号証) 引用文献2:特開2002-37453号公報(異議申立人1の甲第4号証) 引用文献3:特開2010-146460号公報(異議申立人1の甲第5号証、異議申立人2の甲第7号証) 引用文献4:特開2006-232495号公報(異議申立人2の甲第1号証) 引用文献5:特開2006-335507号公報(異議申立人2の甲第2号証) 引用文献6:特開2003-312856号公報(異議申立人2の甲第5号証) 3 引用文献1?6の記載等 (1)引用文献1・引用発明1 引用文献1(異議申立人1の甲第1号証 特開2009-196777号公報)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。) ア「【請求項2】 前記指定端末装置は前記コンテナの搬送を担う乙仲業者または運送業者に設置して、該指定端末装置から前記管理サーバーへ荷役情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ搬送トラックの運行管理システム。」 イ「【0001】 この発明は、コンテナターミナルに対して搬出入されるコンテナを積載して陸送するトラックの運行を管理して、コンテナターミナルにおける荷役作業等の管理作業を円滑に行えるようにするコンテナ搬送トラックの運行管理システムに関する。 【背景技術】 【0002】 コンテナターミナルは海上輸送と陸上輸送との異種輸送手段間の接点となる施設で、これら異種輸送手段間でコンテナの積み込み、積み卸し等を行うことを主たる機能としている。このため、積み込み、積み卸しに待機するコンテナを一時的に保管するコンテナヤードを備えている。すなわち、コンテナヤードには、岸壁に接岸したコンテナ船に積み込み、あるいはコンテナ船から積み卸しされた、及び陸上輸送のトラックに積み込み、あるいはトラックから積み卸しされたコンテナが保管されている。 【0003】 コンテナヤードに保管されたコンテナには、コンテナ船から積み卸しされた輸入貨物が収容されて、荷主により搬出される搬出コンテナと、輸出貨物が収容されて、荷主により搬入された搬入コンテナ、貨物を収容していない空コンテナがある。搬出コンテナは確実に輸入元の荷主に搬送されなければならないから、搬出のためにコンテナターミナルに来構した外来トラックに対して、誤ったコンテナを積み込むことがないようにしなければならない。また、搬入コンテナは確実に輸出国行きのコンテナ船に積み込まなければならないから、誤った位置にコンテナを蔵置することがないようにしなければならない。このため、来構した外来トラックは、入口ゲートにおいて諸手続を行って、該外来トラックが向かうべき蔵置位置の指定を受ける必要がある。なお、コンテナヤードにおけるコンテナの積み込み積み卸しには、コンテナクレーン等の荷役機器が用いられる。 【0004】 図2は、コンテナターミナル1の一例を示す平面図である。コンテナ船2は岸壁3に係留され、岸壁用コンテナクレーン4によってコンテナ5の積み込みと積み卸しが行われる。岸壁3はコンテナヤード6の縁部に配されており、コンテナ船2に積み込み積み卸しされるコンテナ5はこのコンテナヤード6に蔵置される。コンテナ5は適宜個数が行列状に積まれてコンテナブロック5aとされ、コンテナヤード6には該コンテナブロック5aが適宜数ずつ行列状に配されている。コンテナ5を、このコンテナヤード6内で移動させたり、荷主との間の陸送にはトラック7が用いられる。このトラック7にコンテナ5を積み込み、積み卸すにはヤードクレーン8が用いられる。」 ウ「【0032】 図1は、この発明に係るコンテナ搬送トラックの運行管理システムの構成を説明するブロック図を示している。 【0033】 この運行管理システムは、インターネット網30に接続されている管理サーバー20により統括されて構成されている。前述したようにコンテナターミナル1には管理のための管理棟9が設けられており、この管理棟9内でコンテナヤード6やゲートG等の管理が行われているが、前記管理サーバー20は、例えばこの管理棟9内に設置されて、コンテナの蔵置位置等の管理を担うターミナル管理端末装置27を含んで、この運行管理システムを統括する。 【0034】 コンテナ5はトラック7に積載されて運搬される。例えば、輸出用貨物が収容された搬出コンテナ5では、輸出業者が運送業者に貨物をコンテナに収容してコンテナターミナル1へ搬送を依頼する。運送業者は輸出業者から貨物を預かりコンテナ5に収容してコンテナターミナル1へ搬送する。このトラック7には車載端末装置21が搭載されており、この車載端末装置21にはGPS21a(Global Positioning System)が接続されており、トラック7の当該時の位置が検出されている。また、車載端末装置21には、例えばDoPa(ドゥーパ)(登録商標)と称されているデジタル携帯電話網を介したデータ通信サービスのための移動体通信21bが接続されており、この移動体通信21bを介してドゥーパ網22に接続されている。そして、このドゥーパ網22を介して前記管理サーバー20との間で情報を交換できるようにしてある。他方、車載端末装置21には、近距離における端末間の無線通信に適した規格であるブルートゥースによる通信可能な移動体通信が備えられており、このブルートゥースにより、後述するゲート端末装置と交信する。なお、車載端末装置21には所定の情報を表示する表示装置21cが接続されている。 【0035】 また、車載端末装置21には、ICチップと適宜な通信用アンテナが組み込まれて、通信機能を備えているRFIDによるIDタグを備えさせて、このIDタグと前記ゲート端末装置との間の交信を行うようにすることもできる。 【0036】 コンテナターミナル1のゲートGiには来構するトラック7のコンテナターミナル1における荷役作業を受け付ける手続を行うためのゲート端末装置25が設置されており、トラック7の来構時には運転者は必要に応じてこのゲート端末装置25を操作することにより受付手続が行われる。 【0037】 前記ゲート端末装置25はコンテナターミナル1に設置された、該コンテナターミナル1の搬出入作業や荷役作業を管理するターミナル管理端末装置27と接続されており、これらの作業に関する情報が交換されている。また、このゲート端末装置25はインターネット網30に接続されている。 【0038】 また、コンテナ5の搬送を担うそれぞれの運送業者には、インターネット網30を介して前記管理サーバー20と接続できる指定端末装置32が設置されている。 【0039】 以上により構成されたこの発明に係るコンテナ搬送トラックの運行管理システムの作用を、以下に説明する。 【0040】 運送業者は指定端末装置32から貨物を収容したコンテナ5に関する情報と当該コンテナ5を積載したトラック7に関する情報とに係る荷役情報を、インターネット網を介して管理サーバー20に提供する。管理サーバー20から前記ドゥーパ網を介して車載端末装置21にコンテナ5に関する情報を提供することにより、該車載端末装置21は当該コンテナ5の情報を保存して保持すると共に、表示装置21cに表示する。トラック7の運転者はこの表示された内容を確認してトラック7を走行させてコンテナターミナル1に向かう。 【0041】 トラック7にはGPS21aが搭載されているから、走行中であっても当該時の所在位置が捕捉されて、管理サーバー20で位置情報が取得される。管理サーバー20は、この位置情報に基づいて、例えば管理サーバー20が保有している地図データの画像にトラック7の位置を重ねて表示する等により、トラック7の位置を特定した情報を提供する。なお、この地図データは当該コンテナターミナル1の管轄範囲を含む地域についてのものであって十分である。 【0042】 前記管理サーバー20によって特定されたトラック7の位置情報は、インターネット網30を介して、前記指定端末装置32と前記ターミナル管理端末装置27に提供される。なお、指定端末装置32とターミナル管理端末装置27とでは、必要に応じてインターネット網30からこの位置情報を取得することもできる。また、管理サーバー20は、トラック7がコンテナターミナル1の近くに到達してからターミナルに到着するまでの時間の集計と、コンテナターミナル1を退構してから特定の搬送先までの所要時間の集計を行う。 【0043】 他方、運送業者は指定端末装置32によりインターネット網30を介してトラック7の位置情報を取得して当該トラック7が積載しているコンテナ5の搬送作業の進捗状況を把握することができる。また、管理サーバー20から提供されるトラック7の到着予定時刻から当該トラック7に対する次の搬送作業の手配を行うことができる。この手配は、指定端末装置32から管理サーバー20に対して所定の指示を行い、該管理サーバー20からトラック7の車載端末装置21に送信することによる。送信された指示内容は該車載端末装置21に保持されると共に、前記表示装置21cに表示されて運転者に伝達される。また、例えば、前記地図情報によりトラック7の走行経路が誤っていると確認できる場合には、運送業者はその旨を運転者に通知することができる。 【0044】 トラック7が走行してゲート端末装置25に接近すると、該トラック7に搭載されたブルートゥースによる移動体通信とゲート端末装置25との間で交信が開始されて、トラック7が接近していることが把握される。これにより、当該トラック7が特定されて、このトラック7の情報を前記ターミナル管理端末装置27で参照して、該トラック7に積載されているコンテナ5に関する情報を取得する。また、前記IDタグを備えている場合には、該IDタグとの間で交信が開始されて、該IDタグのRAMあるいはROMに書き込まれている識別情報をもとにコンテナの荷役に関する情報が把握される。このコンテナ5の情報に基づいて迅速に受付手続を開始することができる。」 エ 上記記載事項ウの「運送業者は指定端末装置32から貨物を収容したコンテナ5に関する情報と当該コンテナ5を積載したトラック7に関する情報とに係る荷役情報を、インターネット網を介して管理サーバー20に提供する。管理サーバー20から前記ドゥーパ網を介して車載端末装置21にコンテナ5に関する情報を提供することにより、該車載端末装置21は当該コンテナ5の情報を保存して保持すると共に、表示装置21cに表示する。」(段落【0040】)との記載から、管理サーバ20は、指定端末装置32から提供されたコンテナ5に関する情報に係る荷役情報を、車載端末装置21に提供するために、当該荷役情報を記憶する記憶部を有すると認められる。 オ 上記記載事項ウの「他方、車載端末装置21には、近距離における端末間の無線通信に適した規格であるブルートゥースによる通信可能な移動体通信が備えられており、このブルートゥースにより、後述するゲート端末装置と交信する。」(段落【0034】)との記載から、ゲート端末装置は、ブルートゥースにより車載端末装置21と交信することが理解でき、車載端末装置21の通信用アンテナが発信するブルートゥース規格に則った無線信号を受信する通信用アンテナをゲート端末装置は有すると認められる。 上記記載事項及び認定事項を総合し、本件発明1の記載振りに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明1] 「輸出及び輸入に用いられ海上輸送されるコンテナ5を管理するコンテナ搬送トラックの運行管理システムであって、 当該コンテナ搬送トラックの運行管理システム内の荷役情報を管理する管理サーバ20と、 前記コンテナ5を陸上輸送するトラック7に搭載されて、IDタグを備え無線通信可能な車載端末装置21と、 前記車載端末装置21からの無線信号を受信する通信用アンテナとを備え、 前記管理サーバ20は、前記コンテナ5に関する荷役情報として上記コンテナ5に関する情報とトラック7に関する情報とに係る荷役情報を記憶する記憶部を有する、 コンテナ搬送トラックの運行管理システム。」 (2)引用文献2 引用文献2(異議申立人1の甲第4号証 特開2002-37453号公報 )には、以下の事項が記載されている。 ア「【0013】 【発明の実施の形態】 以下、本発明のコンテナターミナルのゲートシステムの実施の形態について図面に基づいて説明する。図1はコンテナターミナルの搬入ゲートの平面図であり、この搬入ゲート1には、複数のレーン2、複数のアイランド3a,3bがある。各アイランド3aにはブース4、ダメージチェッカブース5、ドライブスルー箱6、遮断機7等が設けられ、各アイランド3bには、ダメージチェッカブース5、ドライブスルー箱6、遮断機7等が設けられている。尚、レーン2の路面側に重量測定装置が装備されている場合もある。 【0014】図1?図5に示すように、各レーン2の上流部の上部には、コンテナ9の後面のコンテナ番号を撮影するディジタルカメラ11を備えたディジタルカメラユニット10が設けられ、ディジタルカメラ11で撮影した画像信号はダメージチェッカブース5のコンピュータ40に出力され、後述のDVD46に格納される。各レーン2の上方には、コンテナ9の上面の画像を撮影する為のラインスキャナ方式ディジタルカメラ21(以下、ラインカメラという)を備えたカメラユニット20と、このカメラユニット20を40フィートコンテナの全長に亙って移動駆動可能な移動駆動装置23が設けられている。」 イ「【0028】次に、ディジタルカメラ11で撮影したコンテナ番号の画像を解析したコンテナ番号を認識するデータ処理について説明する。図10は、ディジタルカメラ11で撮影したコンテナ番号の画像の一例を示すもので、図中の「MAEU 2302791」がコンテナ番号であり、このコンテナ番号のうち「MAEU」はコンテナ所有者コード、「2302791」は一連コードであり、末尾の数字「1」はチェックデジットである。コンテナ9の後面へのコンテナ番号の記載形式は図10のものに限定されず、図11(a)?(f)に示すような種々の記載形式が採用されている。 【0029】図12は、コンテナ番号認識制御の概略フローチャートで、符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。制御の開始後、まず画像データをRAMから取込み(S1)、次に画像のうちから文字列領域を切り出し(S2)、次に文字列の左側の文字から順に各文字を抽出して文字認識を行ない(S3)、次にコンテナ番号を構成する文字列を認識することでコンテナ番号を認識し(S4)、次にコンテナ番号をなす文字列を出力することで、認識処理の結果をディスプレイ41に出力すると共にコンピュータ40に記憶して(S5)この認識制御を終了する。」 (3)引用文献3 引用文献3(異議申立人1の甲第5号証、異議申立人2の甲第7号証 特開2010-146460号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア「【0019】 図2は、運送効率の向上を図ることができる場内車両管制システムの一実施形態を示した図である。入場口30上方には入場車両情報取得手段としてのDSRCアンテナ31が配置されている。DSRCアンテナ31は、その通信圏を数メートルとする短距離無線通信手段であり、通信圏内に入った車載器21から車載器識別情報としての車載器番号を取得する。DSRCアンテナ31の位置は、入場口30上方に限ることなく、入場口30に位置する車両20の車載器21が通信圏内となる位置であれば、側方、あるいは、下方(道路に埋設する)など適宜箇所に設けることができる。このDSRCアンテナ31は、圏内に入った車載器21の存否を認識するのみで、車両20の通行方向を認識することはできないが、場内に入場口30と退場口40が設けられることで、入場する車両20なのか、退場する車両20であるのかを判別することができる。」 イ「【0021】 一方、市場内へ物資を運搬する運送業者の車両20には車載器21が搭載される。この車載器21には、ETCシステムで用いられる車載器を流用することができる。ETCシステムなど既存の車載器21を利用することで安価、かつ容易に本発明のシステムを構築することができる。各車載器21には、固有の車載器識別情報が記憶されている。DSRCアンテナ31の通信圏内に車載器21が入ることで、この車載器識別情報を読み取り車両を識別することができる。ETCシステムでは、車載器21にETCカードを装着して利用することになるが、車載器識別情報としては、車載器21自身が記憶する車載器番号に代え、このETCカードに記憶されるETCカード番号を採用してもよいし、車載器番号と、ETCカード番号を併せて識別することとしてもよい。 【0022】 車両20に搭乗するドライバーは、誘導情報を受け取るための情報端末として携帯電話22を所持している。情報端末としては携帯電話22に限られるものではなく、市販されるPHSやPDA、さらには、本システム専用の情報端末であってもよい。携帯電話やPHS、PDAといった既存の情報端末を採用すれば、新たなインフラを構築することなく容易にシステムを作ることができる。」 ウ「【0024】 サーバ11は、記憶部12が記憶する各種データを利用して車両の誘導を行う。本発明では、この各種データとして、少なくとも車載器識別情報に対応付けて、車両20のドライバーが所持する端末の端末連絡先と、場内での目的エリアを記憶することが必要とされる。本実施形態では、車載器識別情報として車載器番号を、また端末連絡先として携帯電話番号を利用する。この他、車載器識別情報に対応付けて、市場内で荷を待つ届先業者が所持する業者側端末の連絡先(業者側端末連絡先)や、当該届先業者の名称などの届先属性などを記憶し、更なる車両20の管制処理に利用してもよい。」 (4)引用文献4・引用発明2 引用文献4(異議申立人2の甲第1号証 特開2006-232495号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア「【0033】 以下に、本発明に係る物品管理システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。 図1は、本発明の一実施形態に係る物品管理システムの全体構成を示したブロック図である。 図1に示されるように、本実施形態に係る物品管理システムは、コンテナ(物品)を輸送するコンテナシャーシ(輸送手段)の輸送経路に設定された管理中継地点P1乃至Pnに設置された複数の管理中継装置(図示略)と、各管理中継装置からの情報を記録することにより物品の輸送状況を一元的に管理する物品管理装置10とを備えている。 各管理中継装置及び物品管理装置10は、無線回線或いは有線回線を介してコンテナ物流ネットワーク20に接続されており、このコンテナ物流ネットワーク20を経由して互いに情報を送受可能な構成となっている。 【0034】 このような物品管理システムにより管理されるコンテナの各々には、図2に示されるように、各コンテナに関する情報が入力されたICタグ101が付されている。このICタグ101には、例えば、各コンテナ100に固有に割り当てられているコンテナの識別情報、このコンテナ100に収容されている貨物情報、コンテナ100の開扉履歴などの他、通関状況、温度履歴、衝撃履歴などがコンテナに関する情報として入力されている。 更に、図3に示すように、コンテナ100を積載して陸路を輸送するコンテナシャーシ200には、そのコンテナシャーシに関する情報が入力されたETC車載器201が搭載されている。ETC車載器201には、コンテナシャーシ200に固有に割り当てられている識別情報(例えば、車両ナンバーなど)の他、型式、車両の形状、最大積載量などが車両に関する情報として入力されている。 また、図1に示すように、コンテナ100を積載して海路を輸送するコンテナ船(輸送船舶)300には、そのコンテナ船300の位置情報を取得するGPS受信機(図示略)が搭載されている。コンテナ船300は、コンテナ100の輸送中において、GPS受信機により取得される現在位置情報を定期的に物品管理装置10へ送信する。このとき、現在位置情報に自己の識別情報を付加して送信する。海上における現在位置情報などの送信手段としては、例えば、インマルサット衛星などを介した通信手法が一例として挙げられる。 【0035】 上記管理中継地点P1乃至Pnは、図1に示すように、例えば、コンテナを出荷する出荷地点の出入口ゲート、複数の輸送経路が合流する道路上、ETCゲート、港湾の出入口ゲート、コンテナゲート、及び港湾の出入口から所定の距離をおいた道路上などに設定されている。 そして、これら各管理中継地点P1乃至Pnに設置されている管理中継装置は、図3に示されるように、ICタグリーダ31、TECアンテナ32、及び送信部33を備えている。 【0036】 上記ICタグリーダ31は、上記コンテナ100に付されたICタグ101に入力されているコンテナに関する情報を読み取り、読み取った情報を出力する。ETCアンテナ32は、コンテナシャーシ200に搭載されたETC車載器201に入力されているコンテナシャーシに関する情報を読み取り、読み取った情報を出力する。送信部33は、ICタグリーダ31から出力されるコンテナに関する情報、及びETCアンテナ32から出力されるコンテナシャーシに関する情報を受信し、これら情報と、自己が設置されている管理中継地点の情報、例えば、各管理中継地点に割り当てられている識別情報、その位置情報などを互いに対応付けて、物品管理装置10(図1参照)へ送信する。 【0037】 次に、上述した構成を備える物品管理システムの作用について図を参照して説明する。 なお、以下の説明においては、コンテナ100(図1において省略)を工場A(図1参照)からアメリカ本土の仕向地Cまで輸送する場合において、上記物品管理システムにより行われるコンテナ100の管理について説明する。 まず、図1に示した工場Aにおいて、コンテナ100がコンテナシャーシ200に積載され、このコンテナシャーシ200が管理中継地点P1である工場Aのゲートを通過すると、この通過の際に、ゲートに設置された管理中継装置30(図3参照)のICタグリーダ31によりコンテナシャーシ200に積載された全てのコンテナ100に付されているICタグ101の情報が読み取られるとともに、更に、ETCアンテナ32によりコンテナシャーシ200のETC車載器201に入力されているコンテナシャーシに関する情報が読み取られる。 【0038】 そして、これら読み取られたコンテナに関する情報及びコンテナシャーシに関する情報は、送信部33へ出力される。送信部33は、これら情報を取得すると、管理中継地点P1に関する情報を対応付けて物品管理装置10へ送信する。 これにより、コンテナシャーシに関する情報、コンテナシャーシ200に積載された全てのコンテナに関する情報、及び、これら情報が読み取られた管理中継地点P1(図1参照)の情報が互いに対応付けられて、コンテナ物流ネットワークを介して物品管理装置10へ送信されることとなる。 物品管理装置10は、コンテナ物流ネットワーク20を介して上記情報を受信すると、受信した上記情報をデータベース(図示略)に格納し、管理する。 【0039】 次に、コンテナシャーシ200が高速道路を利用するためにインターチェンジに設けられている管理中継地点P2であるETCゲートを通過すると、ETCゲートに設置されている管理中継装置30(図2参照)により、このコンテナシャーシに関する情報、コンテナシャーシ200に積載されているコンテナに関する情報が、上述と同様の手法により読み取られ、読み取られたこれら情報が、この管理中継地点P2の情報とともに、物品管理装置10へ送信される。 物品管理装置10は、管理中継装置30から送信されてきた上記情報を受信すると、受信した情報をデータベースに格納するとともに、格納した時刻をこれら情報に付加する。 【0040】 そして、コンテナシャーシ200が管理中継地点P3、P4・・・Pnを通過するたびに、上述したような情報のやり取りが行われることにより、物品管理装置10には、図4に示すようなコンテナ100の輸送状況を示す管理情報が蓄積されることとなる。 図4において、「通過地点又はGPS位置情報」は、コンテナシャーシに関する情報及びコンテナに関する情報1、2・・・が読み取られた管理中継地点の情報又は後述のコンテナ船が搭載するGPS受信機にて取得された位置情報、「受信時刻」は、物品管理装置10がこれら情報を受信した時刻、「輸送車両に関する情報、輸送船舶に関する情報」は、ETC車載器201により読み取られたコンテナシャーシに関する情報又は後述するコンテナ船に関する情報、「コンテナに関する情報1、2、・・・」は、コンテナシャーシ又は後述するコンテナ船に積載されている各コンテナに関する情報である。例えば、コンテナが10個積載されていた場合には、コンテナに関する情報1から10まで記載されることとなる。 【0041】 続いて、コンテナシャーシ200がコンテナターミナルBに到着すると、海路による輸送に切り替えるために、コンテナ100は、コンテナシャーシ200から積み下ろされ、コンテナ船300に積み上げされる。このとき、コンテナターミナルBに設けられている管理局(図示略)からコンテナ100に関する情報と、コンテナ100が積載されたコンテナ船300に関する情報が物品管理装置10へ送信される。そして、物品管理装置10 がこの情報をデータベースに格納することにより、図4のD5に示すように、コンテナ船に関する情報と、このコンテナ船に積載されているコンテナ100に関する情報が対応付けられて管理されることとなる。 【0042】 続いて、コンテナ船300が港湾を離れ、海上輸送が開始されると、コンテナ船300は、自己が備えるGPS受信機(図示略)により取得された現在位置情報と、コンテナ船300に関する情報とを対応付けて物品管理装置10へ定期的に送信する。物品管理装置10は、コンテナ船300から送信されてきた現在位置情報と、コンテナ船300に関する情報とを受信すると、これらを対応付けてデータベースに格納するとともに、受信した時刻をこれら情報に付加する。 これにより、図4のD6に示すように、コンテナ船300の現在位置を取得することが可能となり、このコンテナ船300に積載された各コンテナの輸送状況を管理することが可能となる。 【0043】 以上説明してきたように、本実施形態に係る物品管理システムによれば、陸路の輸送においては、管理中継地点P1乃至Pnを通過する度に、コンテナシャーシ200の情報と、そのコンテナシャーシ200に積載されているコンテナ100の情報とが対となって読み取られ、読み取られたこれら情報が管理中継装置の情報とともに物品管理装置10に送信されるので、物品管理装置10において、コンテナ100の輸送状況を一元的に管理することが可能となる。これにより、コンテナがどのコンテナシャーシによって、どのような輸送経路を辿り、どこまで搬送されているのかなどの詳細な輸送状況を確実に管理することが可能となる。 また、海路の輸送においては、コンテナ船300から現在位置情報が定期的に物品管理装置10へ送信されるので、物品管理装置10において、コンテナ船の位置、つまり、コンテナ船に積載されているコンテナの位置を確実に管理することが可能となる。以上のことから、陸路及び海路に一貫した物品の輸送状況を詳細に管理することが可能となる。 【0044】 更に、本実施形態に係る物品管理システムによれば、コンテナの開扉情報を管理するため、仕向地までコンテナを輸送する際に、途中でコンテナが開扉されたか否かを把握することが可能となる。これにより、コンテナ輸送に係る安全性を高めることが可能となる。 【0045】 また、例えば、特定の者にのみ物品管理装置10に外部からアクセスする権利を与え、このアクセス権限を有する者が端末装置50を操作して、コンテナ物流ネットワーク20を介して物品管理装置10に接続することにより、外部からコンテナの輸送状況を容易に確認することが可能となる。」 イ 上記記載事項アの「このような物品管理システムにより管理されるコンテナの各々には、図2に示されるように、各コンテナに関する情報が入力されたICタグ101が付されている。このICタグ101には、例えば、各コンテナ100に固有に割り当てられているコンテナの識別情報、このコンテナ100に収容されている貨物情報、コンテナ100の開扉履歴などの他、通関状況、温度履歴、衝撃履歴などがコンテナに関する情報として入力されている。 更に、図3に示すように、コンテナ100を積載して陸路を輸送するコンテナシャーシ200には、そのコンテナシャーシに関する情報が入力されたETC車載器201が搭載されている。ETC車載器201には、コンテナシャーシ200に固有に割り当てられている識別情報(例えば、車両ナンバーなど)の他、型式、車両の形状、最大積載量などが車両に関する情報として入力されている。」(段落【0034】参照)との記載から、コンテナ100に関する情報には前記コンテナ100に固有に割り当てられている識別情報が含まれ、同様にコンテナシャーシ200に関する情報には前記コンテナシャーシ200に固有に割り当てられている識別情報が含まれると認められる。 ウ 上記記載事項アの「図1に示すように、コンテナ100を積載して海路を輸送するコンテナ船(輸送船舶)300には、」(段落【0034】)との記載及び、日本から米国に向かう2つの矢印の間に「300:コンテナ船」が記載された【図1】の図示内容からみて、コンテナ100は、輸出及び輸入に用いられると認められる。 エ 【図3】から、「ETCアンテナ」は「201:ETC車載器」からの無線信号を受信することが見て取れる。 したがって、上記記載事項、認定事項及び図示内容を総合し、本件発明1の記載振りに則って整理すると、引用文献4には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明2] 「輸出及び輸入に用いられ海路を輸送されるコンテナ100を管理する物品管理システムであって、 当該物品管理システム内の情報を管理する物品管理装置10と、 上記コンテナ100を陸路で輸送するコンテナシャーシ200に搭載されて、コンテナシャーシ200に固有に割り当てられている識別情報を有するETC車載器201と、 前記ETC車載器201からの無線信号を受信するETCアンテナ32とを備え、 コンテナ100に関する情報には前記コンテナ100に固有に割り当てられている識別情報が含まれ、 コンテナシャーシ200に関する情報には前記コンテナシャーシ200に固有に割り当てられている識別情報が含まれ、 前記物品管理装置10は、前記コンテナ100に関する開扉履歴などの情報と前記コンテナシャーシ200に関する情報とを対応付けて格納するデータベースを有する、 物品管理システム。」 (5)引用文献5 引用文献5(異議申立人2の甲第2号証 特開2006-335507号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア「【0012】 荷主、海貨業者、陸運業者などのコンテナターミナルの利用者14は、パーソナルコンピュータなどからなる利用者端末16を有している。各利用者14の利用者端末16は、インターネット18に接続してある。また、インターネット18には、コンテナターミナル12の管理センタ20に設置したウエブサーバ22が接続してある。そして、各利用者14は、自己の利用者端末16を用いてコンテナ船から陸揚げされたコンテナの通関手続が終了しているか否かを確認でき、またコンテナターミナル12からのコンテナの搬出、コンテナターミナル12へのコンテナの搬入の予約をすることができるようになっている。 【0013】 各利用者14は、適宜の数のIDタグ24を有している。IDタグ24は、ICチップを内蔵したRFID(Radio Frequency Identification)からなっていて、図2に示したように、前面に表示部26を備えているとともに、キー入力部28が設けてある。表示部26は、実施形態の場合、数字とアルファベットとだけが表示できるようになっている。そして、IDタグ24は、キー入力部28を介して表示部26に表示された数字とアルファベットとを入力できるようになっている。また、IDタグ24は、アンテナ30を内蔵していて、通信機能を有している。 【0014】 さらに、IDタグ24は、RAM、ROMからなる記憶部(図示せず)を備えている。そして、例えばコンテナ36をコンテナターミナル12に搬入する場合、利用者14のトラック32の運転者34、または管理者は、IDタグ24のキー入力部28を用いて、コンテナターミナル12への入場に必要な情報(データ)をIDタグ24のRAMに書き込む。IDタグ24に書き込む情報は、例えば利用者識別情報である認証IDとなる使用するトラック32のヘッドID、トラック32を運転していく運転者IDであり、また、受付け情報となるコンテナ番号、あるいは、インターネットで予約したときに発行される予約番号などである。なお、IDタグ24のROMには、IDタグ自体の識別情報が記憶させてある。また、IDタグ24への情報の入力は、リーダライタ38を用いて行なってもよい。 【0015】 コンテナターミナル12の入り口ゲートの入場チェック部40および出口ゲート(図示せず)の退場チェック部には、IDタグ24と無線通信をするゲート端末42が設けてある。ゲート端末42は、LANなどを介して管理センタ20に設けたシステムサーバ44に接続してある。システムサーバ44は、コンテナターミナル12の全体を管理しているとともに、コンテナ管理装置を形成していて、コンテナターミナル12が取り扱ったコンテナ36や、コンテナターミナル12に蔵置してあるコンテナ36に関するデータベースを構築している。そして、システムサーバ44は、LANを介してウエブサーバ22に接続してあって、ウエブサーバ22がインターネット18を介して利用者端末16から受け取ったコンテナ36の搬出入の予約情報を記憶している。」 イ「【0019】 運転者34は、IDタグ24に必要事項を入力して記憶させたならば、そのIDタグ24を携帯して対応するトラック32に搬入するコンテナ36を積載し、コンテナターミナル12の入り口ゲートの入場チェック部40に乗り入れる(ステップ52)。トラック32が入場チェック部40に到着すると、ゲート端末42がIDタグ24と通信し、IDタグ24から、識別情報と受付け情報とを読み取り(ステップ54)、システムサーバ44の記憶している情報と照会し、コンテナターミナル12への入場を許可できるか否かを判断する(ステップ56)。」 ウ「【0023】 一方、システムサーバ44は、ゲート端末42から入場したトラック32のヘッドIDの通知を受けると、搬入されたコンテナ36の荷役を行なうクレーンの運転室に設けた端末に、そのコンテナ36の荷役を行なう場所と蔵置する場所とを表示し、クレーンを荷役位置に移動するようにオペレータに通知する(ステップ68)。オペレータは、クレーンを指定された場所に移動し(ステップ70)、コンテナ荷役の準備をして待機する。そして、トラック32が指定位置に到着すると、ステップ72に示したように、クレーンを使用してコンテナ荷役を行ない、コンテナ36をトラック32から吊り上げ、指定された蔵置場所に搬入する。そして、オペレータは、コンテナ36の荷役が終了すると、クレーン端末からシステムサーバ44に荷役作業が終了した旨を入力する(ステップ74)。」 (6)引用文献6 引用文献6(異議申立人2の甲第5号証 特開2003-312856号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア「【0003】図5及び図6は従来例を示しており、図中の符号1はゲートシステム、2は帳票入力用ブース、3は印刷用ブース、4はチェッカー、5は認識用カメラ、10は車両、20はコンテナ、30は監視室である。車両10に積載されたコンテナ20は、ターミナルの出入口に設けられたゲートシステム1を通過する際、コンテナ番号21に基づいた各種管理を行うため、コンテナ番号21の認識が必要となる。そこで、コンテナ外周面に記載されたコンテナ番号21を画像処理によって割り出すことができるコンテナ番号認識装置をコンテナゲートに設置し、この装置で割り出したコンテナ認識番号を使用することで監視室30内にいるクラーク31の作業負担を軽減している。」 イ「【0005】監視室30内のクラーク31は、認識番号表示部34上に表示されたコンテナ認識番号21aと、生画像表示部35に表示されたコンテナ番号21とを目視によって比較し、両者が一致していれば手動操作部36を操作して、ゲート管理コンピュータ33に入力されているコンテナ認識番号21aを正規のコンテナ番号として確定させる。この結果、ゲート管理コンピュータ33は、たとえばヤード行先指示など確定したコンテナ番号21に対応する指示、すなわちコンテナ番号別の指示37を演算処理して印刷用ブース3などへ出力することができるので、クラーク31の作業負担を軽減して手入力によるミスを低減することができる。」 ウ 【図2】及び【図5】からは、認識用カメラ5によって撮像されるコンテナ番号21が7桁以上の数字を含むことが見て取れる。 4 取消理由で採用しなかった甲各号証の記載 (1)異議申立人1の甲第2号証 異議申立人1が甲第2号証として提出した、本件特許の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったWEBデータであるJOC.com、WhereNet offers RFID box locator、 URL:https://joc.com/maritime-news/wherenet-offers-rfid-box-locator_20050404.htmlの印刷物には、以下の事項が記載されている。 ア 1/3ページ第3-4行 (当審仮訳)「WhereNet社は火曜日、海上ターミナルヤード内において、コンテナとコンテナ荷役機器の動きを追跡できるアクティブRFID搭載のリアルタイム位置特定ソリューションを業界にむけて提供しました。」 イ 1/3ページ第17-20行 (当審仮訳)「このシステムは、ターミナルヤード内における各コンテナ荷役機器に装着するアクティブ無線識別タグの使用を含んでいます。」 ウ 1/3ページ第24-26行 (当審仮訳)「ガントリークレーンの光学式文字読取装置を使用することにより、ターミナルでは、コンテナが船から荷揚げされる際にコンテナ番号を取得します。その情報は、WhereNetシステムに提供され、コンテナの荷揚げ作業中にヤード機器に関連付けられます。」 (2)異議申立人1の甲第3号証 異議申立人1が甲第3号証として提出した、本件特許の優先日前の2006年10月に外国において頒布されたWhere Net、“Asset Visibility for Marine Terminal Operators Operational Efficiencies Gained from RFID”の第8ページの図から、トランステナーのオペレータ室にコンテナ情報を表示するモニタが備えられていることと、トランステナーの脚部に無線アンテナが備えられていることが見て取れる。 (3)異議申立人2の甲第3号証 異議申立人2が甲第3号証として提出した特開2013-140413号公報には、以下の事項が記載されている。 ア「【0001】 本願は、コンテナターミナルにおけるコンテナの搬出入を行うトレーラ等の入退場の受付を行うシステムに係り、特にコンテナターミナルゲート近傍における渋滞等を避けることに好適なコンテナターミナルゲート受付システムに関する。」 イ「【0021】 本実施形態に係るコンテナターミナルゲート受付システム10は、少なくとも、汎用通信機器12と、ゲート端末32、およびコンテナ管理装置24とを有する。 汎用通信機器12は図3に示すように、少なくとも近距離通信機能とGPS(Global Positioning System)機能、近距離通信機能、あるいは通信・通話機能を用いて情報通信を行うためのコンテナ受付ソフトを記憶する第1記憶手段20、コンテナ受付ソフトを起動させる演算手段16、およびコンテナ受付ソフトを介して電気信号を送信するための通信手段14を備えているものとする。汎用通信機器12として具体的には、コンテナを搬送するトレーラ50を運転する運転者が携帯する高機能携帯電話等であれば良い。運転者が携帯する高機能携帯電話等を汎用通信機器12として利用することにより、個別のタグや車載機器を購入する必要が無く、利用コストを削減することができる。」 ウ「【0024】 コンテナ受付ソフトとは、汎用通信機器12の中で稼動し、必要に応じて詳細を後述するゲート端末32やコンテナ管理装置24と通信を行うためのアプリケーションソフトウェアである。コンテナ受付ソフトは少なくとも、搬出入受付情報入力機能、コンテナ管理装置24との通信機能、およびゲート端末32との通信機能を発揮可能なものとする。」 エ「【0028】 また、本実施形態に係るコンテナ受付ソフトでは、トレーラ50が出入口ゲート44に到着すると、ゲート端末32との間で通信を行う。ゲート端末32との通信は、図2(B)に示すように、汎用通信機器12(汎用通信機器12を搭載したトレーラ50)がゲート端末32の近距離通信圏内に入ることで、演算手段16が通信方式の切換えを行い、上述した近距離通信機能により行われる。民間で使用可能なGPS機能は、位置特定における誤差が大きい。このため、GPS機能のみを利用して位置特定を実行した場合、本当にコンテナターミナル42(出入口ゲート)に到着したかどうかの判断が困難となる場合があるためである。また、近距離通信は、端末間の直接通信となることより、中継基地を介した通信に比べて情報伝達をスムーズに行うことが可能となるからである。なお、近距離通信では、ゲート端末32に対して、利用者IDを出力する。なお、図2において、図2(A)は、汎用通信機器12(汎用通信機器12を搭載したトレーラ50)が、ゲート端末32の近距離通信圏外に居る様子を示す。 【0029】 さらに、本実施形態に係るコンテナ受付ソフトでは、ゲート端末32との近距離通信時に、コンテナターミナル42内の行先(コンテナヤード、および番地等)情報を受信することができる。演算手段16は、受信した行先情報を第1記憶手段20に記憶すると共に、表示手段22に表示する。」 オ「【0031】 ゲート端末32は、コンテナターミナル42の出入口ゲート44に設けられ、汎用通信機器12との間で近距離通信を行うための装置である。ゲート端末32には、例えば図5に示すように、通信手段34と一時記憶手段38、演算手段36、および表示手段40が備えられている。通信手段34は、トレーラ50(トレーラ50に搭載された汎用通信機器12)が近距離通信の通信範囲圏内に入ると、汎用通信機器12との間で近距離通信を行うための機能を担う手段である。近距離通信により、汎用通信機器12に対し、利用者IDの送信を要求する旨の指示信号を出力する。信号の出力後、汎用通信機器12からの返信により、利用者IDが得られた場合には、この番号を一時記憶手段38に記憶すると共に、コンテナ管理装置24へ送信する。なお、各機能の稼動、判断は、演算手段36の介在により成される。」 カ「【0034】 コンテナ管理装置24は図4に示すように、少なくとも通信手段26と第2記憶手段30、および演算手段28とを備える。通信手段26は、前述した汎用通信機器12やゲート端末32との間で情報の受け渡しを行うための手段である。コンテナ管理装置24は、汎用通信機器12における通信・通話機能を介して送信された情報を受信し、記憶する役割を担う。通信手段26を介して受信された情報は、演算手段28を介して第2記憶手段30に記憶される。第2記憶手段30への情報の記憶は、トレーラ50のヘッド番号、荷主情報、コンテナ情報等が、利用者IDに関連付られて成される。 【0035】 そして演算手段28は、ゲート端末32から利用者IDの受信をした時は、受信した利用者IDに基づいて、関連づけられたコンテナの情報を検索する。演算手段36は、検索結果に基づき、コンテナターミナル42に対するトレーラ50の入出可否の判定を行うと共に、トレーラ50の行先情報を導き出し、その結果および情報をゲート端末32へと送信する。」 キ「【0037】 また、コンテナ管理装置24は上述したように、汎用通信機器12から直接、現在位置情報や到着予定時間、到着までの距離に関する情報、およびコンテナターミナル42を利用する目的を受信した時は、演算手段28を介して各種情報を第2記憶手段30に記憶すると共に、コンテナヤード内のコンテナ荷役機器(不図示)や作業者に対して、コンテナターミナル42の利用目的に応じた作業指示を出力するようにすることができる。このような機能を持たせることで、トレーラ50がコンテナヤードに到着するまでにコンテナを荷役する準備を整えることが可能となり、作業の効率化と共にトレーラ50の待機時間の削減を図ることができる。なお、コンテナ管理装置24は、このような作業指示を出力する場合、コンテナの搬出入の順番や待機するトレーラ50の有無等に基づいて、準備作業の優先順位を定めるようにしても良い。このような機能を持たせることにより、一層の作業の効率化を図ることができる。」 ク「【0044】 このような拒否理由を示された場合、トレーラ50の運転者は、汎用通信機器12を介してその場で、誤認情報の入れ直しを行うことができる。情報の再入力により、コンテナターミナル42への入出が許可された場合には、コンテナターミナル42へ向かい、許可が得られない場合には、荷主との相談等、根本的な問題を解決することが必要となる。なお、汎用通信機器12には、GPS機能による現在位置情報の検出により、自機を搭載したトレーラ50が移動状態にあるか停止状態にあるかを判定する機能を持たせることで、トレーラ50の移動中における機器操作を禁止する制限を働かせることができる。これにより、運転中の操作によって招かれる交通上の危険を避けることが可能となる。」 (4)異議申立人2の甲第4号証 異議申立人2が甲第4号証として提出した特開2008-214044号公報には、以下の事項が記載されている。 ア「【0001】 本発明は、コンテナ荷役施設におけるコンテナの搬入出受付システムに関するものである。」 イ「【0015】 図2に示すように、この認識装置9には、例えば門型の認識ゲート10の上桁部に取り付けられたカメラ装置(例えば、CCDカメラが用いられる)11と、このカメラ装置11にて撮影された搬送車両2のナンバープレートおよびコンテナ番号の撮影データを入力するとともに所定の画像処理、例えば2値化処理を施す画像処理部12と、この画像処理部12にて2値化処理された画像データを入力するとともに例えばパターンマッチングなどにより車両番号およびコンテナ番号を認識する認識部13とが具備されている。」 ウ「【0017】 すなわち、認識ゲート10には、認識装置9にて得られた車両番号およびコンテナ番号を入力するとともに無線にて送信し得る無線送信機(無線通信装置の一例)16が具備され、また受付ゲート3には、上記無線送信機16からの送信データを受信し得る無線受信機(無線通信装置の一例)17が具備されている。」 エ「【0026】 この認識ゲート10で認識された車両番号およびコンテナ番号が無線送信機16および無線受信機17により受付ゲート3に送られる。 そして、受付ゲート3では、係員が端末機23から車両番号およびコンテナ番号を入力することにより、コンピュータシステム6の記録装置21に記録されたデータから当該コンテナ番号に対応するコンテナ情報が検索されるとともに、このコンテナ情報が端末機23に送られる。」 (5)異議申立人2の甲第6号証 異議申立人2が甲第6号証として提出した特開2012-133703号公報には、以下の事項が記載されている。 ア「【0021】 図1は本発明のETCを利用した工事用車両等の車両識別情報通知装置を示し、1は、例えば一般道路2沿いにある工事現場、病院、消防署、バスターミナル、配送センター等の特定場所、3は上記一般道路2から上記特定場所1内へ進入するための進入口、4は、上記一般道路2から進入口3を介して上記特定場所1内に進入する、例えば工事用車両、救急車、消防車、バス、配送車等の関係車両、5は上記一般道路2を走行する車両に設置されたETC車載器、6は、上記進入口3に配置され又は待機所などに待機した、上記進入口3の交通誘導員又は守衛7に上記進入口3に進入してくる関係車両4の車両識別情報を通知する、例えば、携帯電話などを含む無線機、音声スピーカー、モニタ、電光掲示板等の通知装置、8は、上記一般道路2の上流側の路側に設けた、上記進入口3から所望の距離離れた上記一般道路2の車線9を走行する車両に設置されたETC車載器5の個体番号を取得するDSRCアンテナなどの個体番号取得装置、10は、上記取得したETC車載器の個体番号から、上記車両の車両識別情報を判別する判別装置、11は、上記判別装置10に設けた、上記判別された車両識別情報を上記通知装置6に無線又は有線により送信する送信装置を示す。」 イ「【0023】 また、上記判別装置10は、図2に示すように、上記特定場所1の進入口3に進入する予定のある関係車両4のETC車載器の個体番号とこの関係車両4の車両識別情報とを、あらかじめ対にして記憶した記憶部12と、上記個体番号取得装置8により取得されたETC車載器の個体番号と上記記憶部12に記憶されたETC車載器の個体番号とが一致するか否かを比較する判別部13とよりなり、上記判別部13により個体番号が一致したと判断された場合に、そのETC車載器の個体番号に対に記憶された車両識別情報を上記通知装置6により通知するように構成される。」 (6)異議申立人2の甲第8号証 異議申立人2が甲第8号証として提出した特開2011-248674号公報には、以下の事項が記載されている。 「【0014】 次に、図1に示す駐車場管制システムを使用する前に、行うべき処理動作について説明する。図1に示すタワーパーキング11、12は、例えば、企業の職場付近に設けられており、従業員が使用する社用車を駐車するのに使用するものである。従業員は、それぞれ社員番号が書き込まれたICカードを携帯している。また、タワーパーキング11、12に駐車する車両の全てに、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器、またはDSRC(Dedicated Short Range Communication)車載器(以下、車載器という)が搭載されているものとする。社用車の利用者は、予め車載器を一意に識別可能な車載器ID、車両を駐車するべきタワーパーキング11、12のパレット番号、ICカードに記憶された社員番号と、ICカードの番号とを関係付けて、駐車場管制制御装置2内の登録車両マスタデータベース(図示せず)に登録しておく。パレット番号は、2つあるタワーパーキングのうち、1つを特定する識別番号(TP番号)とそのタワーパーキングのパレットの番号(車室番号)とからなる。 【0015】 次に、図2、3を参照して、図1に示す駐車場管制システムにおける車両入庫時の処理動作を説明する。まず、車両が駐車場入口に到着し、DSRCアンテナ31の検知エリア内に入ると(図2(1))、DSRCアンテナ31により、車載器IDを受信し、駐車場管制装置2は、受信した車載器IDの認証を行い、認証された場合には、入庫呼出禁止フラグをoffにして、受信した車載器IDと関係付けて登録車両マスタデータベースに記憶する(ステップS1)。そして、駐車場管制装置2は、シャッターが閉まった状態であるか否かを判定し(ステップS2)、閉まっていればシャッター制御盤72に対して開信号を送信する。これにより、シャッター71が開く(図2(1))。運転者は、出庫車両がないことを確認し、徐行運転により駐車場敷地内に進入する(図2(2))。このとき、車両注意灯61、62は、いずれも青が点灯し、進入可能であることを示す。」 5 判断 (1)取消理由通知に記載した取消理由について ア 本件発明1について 本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「輸出及び輸入」は本件発明1の「輸出入」に相当し、以下同様に、「海上輸送されるコンテナ5」は「海上コンテナ」に、「コンテナ搬送トラックの運行管理システム」は「コンテナ管理システム」に、「荷役情報」は「情報」に、「管理サーバ20」は「管理部」に、「陸上輸送する」ことは「運送する」ことに、「トラック7」は「運送車両」に、「搭載され」ることは「固定され」ることに、それぞれ相当する。 そして、引用発明1の「無線通信可能な車載端末装置21」と本件発明1の「ETC車載器」とは「無線端末」という限りで共通し、引用発明1の「通信用アンテナ」と本件発明1の「DSRCアンテナ」とは「無線アンテナ」という限りで共通する。 また、引用発明1の「前記コンテナ5に関する荷役情報として上記コンテナ5に関する情報とトラック7に関する情報とに係る荷役情報を記憶する記憶部」と、本件発明1の「前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部」とは、「前記海上コンテナに関する作業履歴を記憶する作業履歴記憶部」という限りで共通する。 したがって、本件発明1と引用発明1とは、 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定される無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴を記憶する作業履歴記憶部を有する、コンテナ管理システム。」の点で一致し、以下の相違点1及び2で相違する。 [相違点1] 「無線端末」及び「無線アンテナ」が、本件発明1は「ETC車載器」及び「DSRCアンテナ」であり、本件発明1の「ETC車載器」は「固有の機体固有番号を有」しており、「管理部」は「前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有する」のに対し、 引用発明1の「無線通信可能な車載端末装置21」は「IDタグを備え」ており、「管理サーバ20」は「前記コンテナ5に関する荷役情報として上記コンテナ5に関する情報とトラック7に関する情報とに係る荷役情報を記憶する記憶部を有する」点。 [相違点2] 本件発明1は 「運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、 ETC車載器は、機体固有番号をDSRCアンテナに送信し、 前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を管理部に送信し、 運送車両判定部は、 受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、 前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する」構成を有するのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点。 事案に鑑み、相違点2について検討する。 引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6、8号証のいずれにも、上記相違点2に係る本件発明1の構成について記載されていないし、上記相違点2に係る本件発明1の構成が従来周知であったとする証拠もない。そして上記相違点2に係る本件発明1の構成により、本件発明1は、「運送車両の無線端末の機体固有番号を用いて、作業当日も含めたリアルタイムなコンテナ作業登録が可能となる。しかも、運送車両のゲート入場の時間登録により、運送車両のゲート前混雑の解消が容易となる」(段落【0052】)との格別顕著な効果を奏するものである。したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 また、本件発明1と引用発明2とを対比すると、引用発明2の「輸出及び輸入」は本件発明1の「輸出入」に相当し、以下同様に、「海路を輸送されるコンテナ100」は「海上コンテナ」に、「物品管理システム」は「コンテナ管理システム」に、「物品管理装置10」は「管理部」に、「陸路で輸送する」ことは「運送する」ことに、「コンテナシャーシ200」は「運送車両」に、「搭載され」ることは「固定され」ることに、「ETC車載器201」は「ETC車載器」に、「ETCアンテナ32」は「DSRCアンテナ」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明2の「開扉履歴など」の情報は、実質的に本件発明1の「作業履歴」に含まれるといえるから、引用発明2の「前記コンテナ100に関する開扉履歴などの情報と前記コンテナシャーシ200に関する情報とを対応付けて格納するデータベース」と本件発明1の「前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部」とは、「前記コンテナに関する作業履歴を記憶する作業履歴記憶部」という限りで共通する。 したがって、本件発明1と引用発明2とは 「輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する情報を記憶する作業履歴記憶部を有する、コンテナ管理システム。」の点で一致し、次の相違点3及び4で相違する。 [相違点3] 本件発明1は、「前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有する」のに対し、引用発明2は、「コンテナ100に関する情報には前記コンテナ100に固有に割り当てられている識別情報が含まれ、コンテナシャーシに関する情報には前記コンテナシャーシに固有に割り当てられている識別情報が含まれ、前記物品管理装置10は、前記コンテナ100に関する開扉履歴などの情報と前記コンテナシャーシ200に関する情報とを対応付けて格納するデータベースを有する」点。 [相違点4] 本件発明1は 「運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、 ETC車載器は、機体固有番号をDSRCアンテナに送信し、 前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を管理部に送信し、 運送車両判定部は、 受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、 前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する」構成を有するのに対し、引用発明2はそのような構成を備えていない点。 そして相違点4は上記相違点2と同じ内容であるから、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1の場合と同様の理由により、引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 イ 本件発明3、5、6及び8について 本件発明3、5、6及び8は、本件発明1の全ての発明特定事項を含み、さらに限定を加えた発明であるので、上記アで示したと同様の理由により、引用発明1及び引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 ウ 本件発明9について 本件発明9は、本件発明1を方法のカテゴリーで記載したものといえ、本件発明9と引用発明1とを対比すると、本件発明1と引用発明1との相当関係に照らせば、少なくとも本件発明9は 「運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 管理部が、前記運送車両がゲートに進入する際、前記運送車両を停止させると共に、 前記ETC車載器が、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに無線送信する無線送信ステップと、 前記DSRCアンテナが、前記ETC番号を前記管理部に送信するステップと、 前記運送車両判定部が、前記第1コンテナ番号が正しいか否かを判定するステップと、 前記運送車両判定部が、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定するステップとを含む」構成を有するのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点(以下、「相違点5」という。)で相違する。 また、同様に本件発明9と引用発明2とを対比すると、少なくとも上記相違点5と同様の点で相違する。 そして、引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6、8号証のいずれにも、上記相違点5に係る本件発明9の構成について記載されていないし、上記相違点5に係る本件発明9の構成が従来周知であったとする証拠もない。そして上記相違点5に係る本件発明9の構成により、本件発明9は、「運送車両の無線端末の機体固有番号を用いて、作業当日も含めたリアルタイムなコンテナ作業登録が可能となる。しかも、運送車両のゲート入場の時間登録により、運送車両のゲート前混雑の解消が容易となる」(段落【0052】)との格別顕著な効果を奏するものである。したがって、本件発明9は、引用発明1及び引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 エ 本件発明10について 上記ウで検討したとおり、本件発明9の「作業履歴記憶部」及び「運送車両判定部」は、引用発明1及び引用発明2が有する構成ではないし、引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証のいずれにも記載されておらず、また、「作業履歴記憶部」及び「運送車両判定部」を含む相違点5に係る本件発明9の構成により、格別顕著な効果を奏するものである。 そうすると、本件発明9の「作業履歴記憶部」及び「運送車両判定部」の機能をコンピュータに行わせる「プログラム」である本件発明10についても同様に、引用発明1及び引用発明2が有する構成ではないし、引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証のいずれにも記載されておらず、本件発明10の構成により格別顕著な効果を奏するものといえる。 したがって、本件発明10は、引用発明1及び引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立ての理由について ア 本件発明2について 異議申立人1は、異議申立書において、請求項2に係る発明は、引用発明1、異議申立人1の甲第2号証及び引用文献3に基づいて当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。(第18ページ第7?27行) また、異議申立人2は、異議申立書において、請求項2に係る発明は、引用発明2、引用文献5及び異議申立人2の甲第3号証並びに周知技術(引用文献3、異議申立人2の甲第6号証及び甲第8号証)に基づいて当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。(第23ページ第19?29行) しかしながら、本件発明2と引用発明1とを対比すると、少なくとも本件発明2は 「海貨業者が用いる海貨業者端末と、 海コン業者が用いる海コン業者端末と、 前記運送車両の運転手が個人所有する携帯電話端末と、 前記海貨業者端末、前記海コン業者端末及び前記携帯電話端末の間の通信を行う管理通信部とを備え、 前記管理通信部は、 前記海貨業者端末から前記海コン業者の情報及び作業指示が入力されると、前記海コン業者端末に前記作業指示を伝達し、 前記海コン業者端末から前記作業指示に関連付けて前記運送車両及び前記運転手に関する情報が入力されると、前記海貨業者端末に対して前記海コン業者の受託の事実を伝達すると共に、前記携帯電話端末に対して前記作業指示及び前記運送車両を伝達する」構成を有するのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点(以下、「相違点6」という。)で相違する。 また、本件発明2と引用発明2とを対比すると、少なくとも上記相違点6と同様の点で相違する。 そして、引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6、8号証のいずれにも、上記相違点6に係る本件発明2の構成について記載されていないし、上記相違点6に係る本件発明2の構成が従来周知であったとする証拠もない。そして上記相違点6に係る本件発明2の構成により、本件発明2は、「多重チェックにより、コンテナターミナルにおいて競合関係にある複数の荷役事業者、海貨業者の業務遂行能力や手順の違いが許容される体制となり、結果としてターミナル運営の高効率化が可能となる」(段落【0051】)との格別顕著な効果を奏するものである。したがって、本件発明2は、引用発明1及び引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 したがって、異議申立人1及び2の請求項2についての主張は、採用することができない。 イ 本件発明7について 異議申立人1は、異議申立書において、請求項7に係る発明は、引用発明1、引用文献2及び3並びに異議申立人1の甲第2号証及び甲第3号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。(第20ページ第16?25行) また、異議申立人2は、異議申立書において、請求項7に係る発明は、引用発明2、引用文献5、異議申立人2の甲第3号証及び甲第4号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。(第24ページ第26行?第25ページ第2行) しかしながら、本件発明7と引用発明1とを対比すると、少なくとも本件発明7は 「輸出入ゲートの付近にあって管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とを備え、 前記判定手段は、第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定し、 前記ゲート部が有し、運送車両を上方から撮影する天井カメラ部と、 海上コンテナの上面に記載されて前記天井カメラ部が撮影した撮影データに表示された第3コンテナ番号を読み取る文字読取部とを備え、 判定手段は、第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する」構成を有するのに対し、引用発明1はそのような構成を備えていない点(以下、「相違点7」という。)で相違する。 また、本件発明7と引用発明2とを対比すると、少なくとも上記相違点7と同様の点で相違する。 そして、引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6、8号証のいずれにも、上記相違点7に係る本件発明7の構成のうち「判定手段は、第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する」点について記載されていないし、この点が従来周知であったとする証拠もない。そして上記相違点7に係る本件発明7の構成により、本件発明7は、「ゲートチェックマンの目視によるコンテナ番号の確認と独立して、運送車両に搭載された無線端末由来の情報に基づいてコンテナ番号を取得できる。そのため、ゲートにおいてコンテナの多重チェックが可能となり、ヒューマンエラーのリスクを低減してコンテナのトレーサビリティを確保することが容易となる」(段落【0050】)との格別顕著な効果を奏するものである。したがって、本件発明7は、引用発明1及び引用発明2並びに引用文献1?6、異議申立人1の甲第2?3号証、異議申立人2の甲第3、4、6及び8号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 したがって、異議申立人1及び2の請求項7についての主張は、採用することができない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び異議申立人1及び2による異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件の請求項1ないし3及び5ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項1ないし3及び5ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、本件の請求項4は本件訂正請求による訂正により削除されたので、請求項4についての特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記ゲートにおいて前記運送車両を停止させるものであり、 前記ETC車載器は、前記機体固有番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記DSRCアンテナは、前記機体固有番号を前記管理部に送信し、 前記運送車両判定部は、 受信した前記機体固有番号が正しいか否か判定し、 前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定する、コンテナ管理システム。 【請求項2】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 海貨業者が用いる海貨業者端末と、 海コン業者が用いる海コン業者端末と、 前記運送車両の運転手が個人所有する携帯電話端末と、 前記海貨業者端末、前記海コン業者端末及び前記携帯電話端末の間の通信を行う管理通信部とをさらに備え、 前記無線端末は、固有のETC番号を有するETC車載器であり、 前記管理通信部は、 前記海貨業者端末から前記海コン業者の情報及び作業指示が入力されると、前記海コン業者端末に前記作業指示を伝達し、 前記海コン業者端末から前記作業指示に関連付けて前記運送車両及び前記運転手に関する情報が入力されると、前記海貨業者端末に対して前記海コン業者の受託の事実を伝達すると共に、前記携帯電話端末に対して前記作業指示及び前記運送車両を伝達する、コンテナ管理システム。 【請求項3】 船から前記海上コンテナを荷揚げし、若しくは、前記海上コンテナを船積みするコンテナ搬送機、又は、トランステナーをさらに備え、 前記コンテナ搬送機又は前記トランステナーは、 オペレータ室に前記作業履歴記憶部により前記機体固有番号と関連付けられている前記第1コンテナ番号を表示するモニタと、 脚部に前記DSRCアンテナとを有する、請求項1記載のコンテナ管理システム。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記コンテナ搬送機は、ガントリークレーンであり、 前記運送車両は、シャーシである、請求項3記載のコンテナ管理システム。 【請求項6】 輸出入ゲートの付近にあって前記管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって前記海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定する、請求項1,3又は5のいずれかに記載のコンテナ管理システム。 【請求項7】 輸出入に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムであって、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有の機体固有番号を有する無線端末と、 前記無線端末からの無線信号を受信する無線アンテナとを備え、 前記管理部は、前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記機体固有番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部を有し、 輸出入ゲートの付近にあって前記管理部と情報を伝達し合うゲート部と、 判定手段とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号と、前記ゲート部から入力されたコンテナ番号であって前記海上コンテナの側面に表示された第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定し、 前記ゲート部が有し、前記運送車両を上方から撮影する天井カメラ部と、 前記海上コンテナの上面に記載されて前記天井カメラ部が撮影した撮影データに表示された第3コンテナ番号を読み取る文字読取部とをさらに備え、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号、前記第2コンテナ番号及び前記第3コンテナ番号が整合するか否かを判定する、コンテナ管理システム。 【請求項8】 前記第1コンテナ番号は、7桁以上の数字を含むものであり、 前記第2コンテナ番号は、前記第1コンテナ番号のうちの特定の4桁のみの数字として前記ゲート部に入力されるものであり、 前記判定手段は、前記第1コンテナ番号のうち前記第2コンテナ番号に対応する4桁の数字と、前記第2コンテナ番号とが整合するか否かを判定する、請求項6記載のコンテナ管理システム。 【請求項9】 輸出入業務に用いられる海上コンテナを管理するコンテナ管理システムを用いたコンテナ管理方法であって、 前記コンテナ管理システムは、 当該コンテナ管理システム内の情報を管理する管理部と、 前記海上コンテナを運送する運送車両に固定されて固有のETC番号を有するETC車載器と、 前記ETC車載器からの無線信号を受信するDSRCアンテナとを備え、 前記ETC車載器は、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに送信し、 前記管理部は、 前記海上コンテナに関する作業履歴として前記海上コンテナに付された第1コンテナ番号と前記ETC番号とを関連付けて記憶する作業履歴記憶部と、 前記運送車両のゲートの通過の是非を判定する運送車両判定部とを有し、 前記管理部が、前記運送車両がゲートに進入する際、前記運送車両を停止させると共に、前記ETC車載器が、前記ETC番号を前記DSRCアンテナに無線送信する無線送信ステップと、 前記DSRCアンテナが、前記ETC番号を前記管理部に送信するステップと、 前記運送車両判定部が、前記第1コンテナ番号が正しいか否かを判定するステップと、 前記運送車両判定部が、前記運送車両の前記ゲートの通過の是非を判定するステップとを含むコンテナ管理方法。 【請求項10】 コンピュータを、請求項9における前記作業履歴記憶部及び前記運送車両判定部として機能させるためのプログラム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-09-18 |
出願番号 | 特願2017-155893(P2017-155893) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(B65G)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 八板 直人 |
特許庁審判長 |
平田 信勝 |
特許庁審判官 |
藤田 和英 内田 博之 |
登録日 | 2018-05-11 |
登録番号 | 特許第6332887号(P6332887) |
権利者 | 株式会社シスコム |
発明の名称 | コンテナ管理システム、コンテナ管理方法及びプログラム |
代理人 | 羽立 幸司 |
代理人 | 羽立 幸司 |
代理人 | 峰 雅紀 |
代理人 | 峰 雅紀 |