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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G05B
管理番号 1357126
審判番号 不服2018-17515  
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-28 
確定日 2019-12-03 
事件の表示 特願2016-506027「生産情報管理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年9月11日国際公開、WO2015/132916、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願の手続の経緯は以下のとおりである。
2014年(平成26年)3月5日 本件国際出願(以下、「本願」という。)
平成29年10月20日付け 拒絶理由通知
平成29年12月8日 意見書、手続補正書の提出
平成30年3月7日付け 拒絶理由通知
平成30年4月23日 意見書、手続補正書の提出
平成30年6月22日付け 拒絶理由通知
平成30年8月7日 意見書、手続補正書の提出
平成30年10月5日付け 拒絶査定
平成30年12月28日 審判請求書と同時に手続補正書の提出
平成31年1月24日 前置報告

第2 原査定の概要
本願についての拒絶査定(以下、「原査定」という。)の概要は次のとおりである。

本願請求項1、5に係る発明は、以下の引用文献1に記載の発明、引用文献2に記載された事項及び、引用文献5、6に示される周知技術に基づいて、本願請求項2ないし4に係る発明は、引用文献1に記載の発明、引用文献2に記載された事項及び、引用文献3ないし6に示される周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開平10-202480号公報
2.特開2007-41794号公報
3.特開2012-94016号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2010-86487号公報(周知技術を示す文献)
5.特開平7-102430号公報(周知技術を示す文献)
6.特開平7-82619号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願請求項1ないし5に係る発明は、平成30年12月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。また、請求項2ないし5に係る発明を、「本願発明2」ないし「本願発明5」という。)は、以下のとおりである。

「【請求項1】
工作機械に接続された制御装置を備え、
該制御装置の記憶部に作業者ごとの交代制の勤務時間である複数の稼働時間および任意の表示期間がそれぞれ登録可能であるとともに、
任意の基準時刻からカレンダー上の日付を跨いだ24時間後の該基準時刻までをシステム上の1日とし、かつ、複数の該稼働時間の各々が該システム上の1日のうちに全て含まれるように該基準時刻が設定されると共に該基準時刻を含む該カレンダー上の日付をシステム上の日付として該システム上の1日が設定される、ワークの生産情報を管理する生産情報管理システムであって、
複数の前記稼働時間のうちの特定の該稼働時間、かつ任意の前記表示期間を各々選択することで、選択した該稼働時間ごと、かつ任意の該表示期間ごとに、抽出された該工作機械が生産した前記ワークの生産データを表示するとともに、該ワークの該生産データは24時間周期で連続する前記システム上の1日の複数日を対象として抽出されることを特徴とする生産情報管理システム。」

第4 引用文献
1.引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、「生産計画表示システム」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各生産ライン毎に複数の作業員が交代で作業を行う分担作業生産で各作業時間帯毎の生産予定を的確に把握できるようにした生産計画表示システムに関する。」

イ 「【0002】
【従来の技術】従来の生産計画表示システムにおいては、MPU等によりスケジューリングされた生産計画を、表示画面上の縦軸に『生産ラインあるいは工程』、横軸に『生産予定時間』をとったガントチャートで表示していた。そして、24時間生産体制の場合でも、各生産ラインの作業担当者の交代が明確には表示されていなかった。しかし、24時間生産体制の工場では、各生産ラインを1日例えば3交代制で作業するために、作業者3人それぞれの交代時点の生産予定台数と作業内容を的確に把握する必要があり、次のような問題があった。すなわち、各作業者が、個々の作業完了、作業範囲の目安が立てられず、また、作業進捗の遅れが他の交代作業者にどのように影響するかが事前に把握できなかった。したがって、最初の作業者の遅れが最終作業者で初めて発覚し、納期遅れを多発するという状況ともなっていた。」

ウ 「【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、3交代制の生産体制に対しても、各作業者の生産計画が明確に把握できるようにして、納期遅れの発生を未然に防止する手段を提供することを目的とする。」

エ 「【0004】
【課題を解決するための手段】生産数量、製品納期、作業者データ等から各生産ライン毎に各時間帯毎の生産計画を作成するスケジューリング実行部と、同生産計画を色分けして同表示装置に表示する映像信号を出力する映像処理部とを設け、各生産ライン毎に複数の作業員が交代で作業を行う分担作業時間毎の作業時間帯をそれぞれ異なる色で色分けして表示して、3交代制の生産体制に対しても、各作業者の生産計画が明確に把握できるようにする。」

オ 「【0012】
【実施例】図1は、本発明による生産計画表示システムの1実施例の要部ブロック図である。また、図2は、同システムの生産計画線表の表示例の概念図である。MPU等からなる制御部4等を用いて生産計画を作成して、各生産ライン毎の生産計画を生産計画線表(ガントチャート)20としてCRT等の情報表示装置の表示部1に表示して作業者の作業進捗管理等の用に供するする。生産計画表示システムの制御部4で、スケジューリング実行部6aの手順にしたがってデータ入力部3からの入力により、あるいはオンラインで他システムから伝送してメモリ上に記憶した生産数量、製品納期、作業者データ等の生産計画データ2から各生産ライン25毎に各日付21毎の各時間帯22毎の生産計画を作成する。この作成した生産計画のデータから映像処理部6cにより、各時間帯22毎の生産計画を色分けした映像信号を作成して表示部1に出力し、各生産ライン25毎に複数の作業員が交代で作業を行う分担作業時間毎の作業時間帯22をそれぞれ異なる色で色分けして表示する。
【0013】制御部4ではまた、進捗管理部6bの手順にしたがって、データ入力部3から入力する各生産ライン25毎の各分担作業時間帯22毎の生産実績と上記の生産計画のデータから生産の進捗状況を把握して管理する。そして、各作業時間帯22毎の生産開始時の生産予定台数23及び終了時の生産予定台数24を算出して、生産計画線表20の上に表示する。」

カ 「【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0017】生産数量、製品納期、作業者データ等から各生産ライン毎に各時間帯毎の生産計画を作成するスケジューリング実行部と、同生産計画を色分けして同表示装置に表示する映像信号を出力する映像処理部とを設け、各生産ライン毎に複数の作業員が交代で作業を行う分担作業時間毎の作業時間帯をそれぞれ異なる色で色分けして表示することにより、3交代制の生産体制に対しても各作業者の生産計画が明確に把握できるようになり、容易に各作業者の作業範囲の目安が立てられるようになる。
【0018】前記各生産ライン毎の各分担作業時間帯毎の生産実績を入力するデータ入力部と、同入力された生産実績から生産の進捗状況を把握して管理する進捗管理部とを設け、前記作業時間帯毎の生産開始時及び終了時の生産予定台数を、前記生産計画線表の上に表示することで、各作業者の作業目標が具体的な数字として把握できるようになり、生産計画に沿った生産実績が得られ易くなる。
【0019】前記スケジューリング実行部から得られる生産予定台数及び単位生産台数当たりの所要時間並びに前記進捗管理部から得られる生産完了台数から前記各作業時間帯毎の生産予定台数をシミュレートするシミュレーション部を設け、前記各作業時間帯毎の生産開始時及び終了時毎の生産予定台数をシミュレートして前記生産予定台数の表示を逐次更新することにより、逐次生産計画からの生産進捗状況が明確に把握できるため、きめ細かい生産管理が可能となる。
【0020】前記生産予定台数の表示は前記生産計画からの差に応じて色分けして表示することで、生産計画と実績との差が一目瞭然となり、生産遅れへの対処のタイミングを外すことがなくなる。
【0021】前記生産予定台数の表示は前記生産計画からの差が一定値以上となったときに点滅して表示するフラッシング表示とすることで、上記の対処がさらに徹底できる。
【0022】前記表示処理部には前記表示装置に表示する複数画面分の画像メモリを設け、前記生産計画線表の前記表示装置への表示は縦軸を前記生産ラインとし横軸を前記作業時間として、外部からの入力指示に応じて横スクロール表示するようにすることで、過去、将来にわたる生産計画が把握できる。
【0023】生産計画表示システムにはカラープリンタを設け、前記表示装置に表示した前記生産計画線表をカラー印刷出力するようにすることにより、任意の場所の作業者等への生産計画の徹底が可能となる。」

(2)引用発明
上記(1)ア?カ(特に、オ、カ)から、生産計画表示システムは、データ入力部3から入力、あるいはオンラインにより、各生産ライン25毎の各分担作業時間帯22毎の生産実績をデータとして保有し、当該生産実績から生産の進捗状況を把握して管理する進捗管理部を有するものであり、生産予定台数の表示は前記生産計画からの差に応じて色分けして表示、あるいは、当該差が一定値以上となったときに点滅して表示するフラッシング表示することによって、逐次生産計画からの生産進捗状況が明確に把握できるため、きめ細かい生産管理が可能になるものであることが理解できる。

そうすると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「工場の生産計画を作成して、生産計画線表20として表示部1に表示する生産計画表示システムであって、
生産計画表示システムの制御部4で、各生産ライン25毎に各日付21毎の各分担作業時間帯22毎の生産計画を作成し、制御部4はまた、進捗管理部6bの手順にしたがって、各生産ライン25毎の各分担作業時間帯22毎の生産実績と生産計画のデータから生産の進捗状況を把握して管理するものであり、
分担作業時間帯22毎の生産予定台数の表示は、前記生産計画からの差に応じて色分けして表示、あるいは、当該差が一定値以上となったときに点滅して表示するフラッシング表示するようにして、逐次生産計画からの生産進捗状況が明確に把握できるようにした、生産計画表示システム。」

2.引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、「生産状況表示装置」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0005】
・・・この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、工作機械による生産状況を即座に把握することができる生産状況表示装置を提供することを目的とする。」

イ 「【0006】
この発明に係る生産状況表示装置は、加工品を生産する毎に完了信号を出力する工作機械の生産状況を表示する装置であり、ディスプレイと演算装置とを備え、演算装置が工作機械に接続されると共に工作機械から完了信号が出力される毎にその加工品の機種と加工完了の時刻を含む実績データを作成して工作機械による加工品生産の計画データと共に前記ディスプレイに表示するものである。
ここで、加工完了の時刻は、日付を含むものであってもよい。」

ウ 「【0009】
この発明によれば、工作機械から完了信号が出力される毎にその加工品の機種と加工完了の時刻を含む実績データが作成されて工作機械による加工品生産の計画データと共にディスプレイに表示されるので、工作機械による生産状況を即座に把握することが可能となる。」

エ 「【0019】
演算装置2は、工作機械1から入力される完了信号に従って実績データを作成する毎に、ディスプレイ5上の計画データが表示されているグラフにその実績データをプロットする。すなわち、『実績時刻』として書き込んだ時刻で且つ『No.』の数値の累積台数の箇所に機種別データの『色』で指定された色彩の点を打つ。これにより、工作機械1から完了信号が出力される毎にリアルタイムで実績データがディスプレイ5上に表示されることとなる。・・・
さらに、演算装置2は、現在時刻における計画データによる加工品の累積台数を『計画』として、実績データによる加工品の実際の累積台数を『実績』として、これら『計画』と『実績』の累積台数の差分を『進捗』として、それぞれ数字表記によりディスプレイ5上のグラフに重畳表示する。」

オ 「【0021】
また、演算装置2は、計画データ及び実績データを用いることにより、図10に示されるように単位時間毎の計画データ及び実績データを表形式で表して従前から使用されている生産管理表を作成してディスプレイ5上に表示することもできる。実績データは、演算装置2が工作機械1から完了信号を入力する毎に作成されるので、この生産管理表における実績数は工作機械1で加工品が一つ生産される毎に更新されることとなる。・・・」

カ 「【0026】
また、データ入力装置3からの指定により、過去の任意の期間における計画データと実績データをグラフ形式で表示することも可能である。例えば、図12のグラフの午後2時から午後3時までの期間を指定することにより、図13に示されるようなグラフが得られる。実績データが工作機械1からの完了信号の出力の毎にプロットされている様子が明確に示されている。このとき、午後3時における『計画』、『実績』、『進捗』、『CT』の値がそれぞれ数字表記によりディスプレイ5に重畳表示されている。」

(2)引用文献2技術事項
上記(1)ア?カから、引用文献2には、以下の技術事項(以下、「引用文献2技術事項」という。)が記載されているといえる。
「工作機械による生産状況を即座に把握することができるよう、工作機械から完了信号が出力される毎にその加工品の機種と加工完了の時刻を含む実績データを作成して工作機械による加工品生産の計画データと共に前記ディスプレイにグラフ又は生産管理表の形式で表示する生産状況表示装置であり、過去の任意の期間における計画データと実績データをグラフ形式で表示することも可能とされたもの。」

第5 対比・判断
1.本願発明1と引用発明との対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明における「各生産ライン25」と、本願発明1における「工作機械」とは、「生産に利用される設備」である点で一致する。

イ 引用発明の制御部4は、「各生産ライン25毎に各日付21毎の各分担作業時間帯22毎の生産計画を作成」するものであるから、その前提として、「各分担作業時間帯22」が制御部4に記憶されているものであることは明らかである。そうすると、本願発明1とは、「制御装置に作業者ごとの交代制の勤務時間である複数の稼働時間が記憶」される点で一致する。

ウ 引用発明における制御部4を有する生産計画表示システムは、「生産計画を作成」するとともに、「生産実績と生産計画のデータから生産の進捗状況を把握して管理する」ものであるから、本願発明1の生産管理システムとは、「ワークの生産情報を管理する生産管理システム」である点で一致する。

エ 引用発明における「分担作業時間帯22毎の生産予定台数の表示は、前記生産計画からの差に応じて色分けして表示、あるいは、当該差が一定値以上となったときに点滅して表示するフラッシング表示するようにして、逐次生産計画からの生産進捗状況が明確に把握できるようにした、生産計画表示システム」と、本願発明1の「複数の前記稼働時間のうちの特定の該稼働時間、かつ任意の前記表示期間を各々選択することで、選択した該稼働時間ごと、かつ任意の該表示期間ごとに、抽出された該工作機械が生産した前記ワークの生産データを表示するとともに、該ワークの該生産データは24時間周期で連続する前記システム上の1日の複数日を対象として抽出される」、生産情報管理システムとは、「複数の稼働時間におけるワークの生産データを把握するようにした」生産情報管理システムである点で一致する。

以上を踏まえると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点が認められる。

(一致点)
「生産に利用される設備に接続された制御装置を備え、
該制御装置に作業者ごとの交代制の勤務時間である複数の稼働時間が記憶され、
ワークの生産情報を管理する生産情報管理システムであって、
複数の稼働時間におけるワークの生産データを把握するようにした、生産情報管理システム。」

(相違点)
相違点1:生産に利用される設備に関し、本願発明1は、「工作機械」であるのに対し、引用発明は、「各生産ライン25」である点。

相違点2:制御装置に記憶される情報に関し、本願発明1は、「作業者ごとの交代制の勤務時間である複数の稼働時間および任意の表示期間が」登録可能であるのに対し、引用発明は、「作業者ごとの交代制の勤務時間である複数の稼働時間」が記憶されるものであって、任意の表示期間についての特定がない点。

相違点3:システム上の1日に関し、本願発明1は、「任意の基準時刻からカレンダー上の日付を跨いだ24時間後の該基準時刻までをシステム上の1日とし、かつ、複数の該稼働時間の各々が該システム上の1日のうちに全て含まれるように該基準時刻が設定されると共に該基準時刻を含む該カレンダー上の日付をシステム上の日付として該システム上の1日が設定される」のに対し、引用発明は、「分担作業時間帯22毎」の生産計画の表示や生産実績の取得がされるものであるから、「分担作業時間帯22」が分断しないようにされていると解されるが、それを、本願発明1のようなシステム上の1日の設定に基づき行っているかについては不明である点。

相違点4:本願発明1は、生産データの表示に関し、「複数の前記稼働時間のうちの特定の該稼働時間、かつ任意の前記表示期間を各々選択することで、選択した該稼働時間ごと、かつ任意の該表示期間ごとに、抽出された該工作機械が生産した前記ワークの生産データを表示するとともに、該ワークの該生産データは24時間周期で連続する前記システム上の1日の複数日を対象として抽出される」ものであるのに対し、引用発明の生産実績は、逐次生産計画からの生産進捗状況が明確に把握できるようにするために用いられるものであり、本願発明1のように抽出して表示されるものではない点。

2.相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点4から検討する。
相違点4について、引用文献2には、上記第4の2(2)のとおりの引用文献2技術事項が記載されているところ、過去の任意の期間についての生産状況の表示における任意の期間は、午後2時から午後3時までの期間のような、時間的に連続する期間における状況が示されるものであり(上記第4の2(1)カ)、このような意味において、過去の任意の期間についての生産状況を表示することが公知であったといえる。
また、引用文献5の段落【0002】、【0003】、引用文献6の段落【0002】から、精紡機又は紡機について、三交替勤務の交替勤務毎に生産量を積算することについては周知技術であったといえる。

しかしながら、引用文献2、5、6はいずれも、相違点4に係る本願発明1の構成である、「複数の前記稼働時間のうちの特定の該稼働時間、かつ任意の前記表示期間を各々選択することで、選択した該稼働時間ごと、かつ任意の該表示期間ごとに、抽出された該工作機械が生産した前記ワークの生産データを表示する」とともに、「ワークの該生産データは24時間周期で連続する前記システム上の1日の複数日を対象として抽出される」ことを開示しない。

また、引用文献3(特に段落【0130】)、引用文献4(特に段落【0041】?【0060】)は、表示装置をタッチディスプレイにすることが周知技術であることを示すにすぎない。

したがって、引用発明に引用文献2技術事項及び引用文献3ないし6に示される周知技術を適用し得たとしても、本願発明1の相違点4に係る構成には至らないから、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、上記引用発明等に基づいて容易に想到し得るものとはいえない。

なお、前置報告に提示された引用文献7(特開2009-122980号公報)の段落【0046】等及び引用文献8(特開2008-275467号公報)の段落【0015】等は、3交替制の交替時間に合わせてシステム上の1日を設定することに関連した開示をするに過ぎないものであり、上記相違点4に係る本願発明1の構成を開示するものではない。

そして、本願発明1は、上記相違点4に係る構成を採用することによって、「図5?図9に示すように、表示-入力装置20は、1直A1?3直A3ごとにワークW1、W2、W3・・・の生産数を表示することができる。このため、操作者は、1直A1?3直A3ごとのワークW1、W2、W3・・・の生産数を簡単に把握することができる。」(本願明細書段落【0053】)、「また、図5?図7に示すように、表示-入力装置20は、表示期間(1日D1、D2、D3・・・、1時間H1、H2、H3・・・、1ヶ月M1、M2、M3・・・)ごとに、ワークW1、W2、W3・・・の生産数を表示することができる。すなわち、表示-入力装置20は、任意の1直A1?3直A3のワークW1、W2、W3・・・の生産数を、表示期間ごとに表示することができる。このため、操作者は、表示期間ごとのワークW1、W2、W3・・・の生産数を、簡単に比較することができる。」(同【0054】)、「また、図5、図7に示すように、表示期間のうち、1時間H1、H2、H3・・・、1ヶ月M1、M2、M3・・・は、カレンダーを基準に設定されている。このため、ワークW1、W2、W3・・・の生産数と、時期や季節との関連付けが簡単である。」(同【0055】)、「また、図5?図7に示すように、表示-入力装置20は、表示期間経過ごとに、ワークW1、W2、W3・・・の生産数を追加して表示することができる。すなわち、上段から下段に向かって古くなるように、表示期間経過ごとに、ワークW1、W2、W3・・・の生産数を並べることができる。このため、操作者は、1直A1?3直A3ごとに、ワークW1、W2、W3・・・の生産数の経時的な動向を、簡単に把握することができる。」(同【0056】)等の本願発明1に特有の作用効果を得ることができるものである。

3.本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は、本願発明1を引用するものであって、本願発明1の全ての特定事項を含むものであるから、上記相違点4を有するものであるところ、本願発明1についてと同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3ないし6に示される周知技術に基づいて容易に想到し得るものとはいえない。

第6 原査定について
原査定は、上記第2のとおり、請求項1ないし5に係る発明について引用文献1を主引用例として進歩性欠如の判断をしたものである。
しかしながら、上記第5のとおり、平成30年12月28日に提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に係る発明(本願発明1ないし5)と、引用発明とは、相違点1ないし4を有するものであり、少なくとも相違点4について容易想到とすることはできないものであるから、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし5は、当業者が引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3ないし6に示される周知技術に基づいて容易に想到し得るものとはいえないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-11-18 
出願番号 特願2016-506027(P2016-506027)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G05B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山村 秀政  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 見目 省二
中川 隆司
発明の名称 生産情報管理システム  
代理人 東口 倫昭  
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