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審決分類 |
審判 訂正 判示事項別分類コード:857 訂正する A63F 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F |
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管理番号 | 1357940 |
審判番号 | 訂正2019-390056 |
総通号数 | 242 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-02-28 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2019-05-14 |
確定日 | 2019-11-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4262217号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4262217号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1-9,12〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 手続の経緯の概要は以下のとおりである。 平成17年 4月26日 出願(特願2005-128133号) 平成21年 2月 3日 特許査定 平成21年 2月20日 設定登録(特許第4262217号) 令和 元年 5月14日 訂正審判の請求(訂正2019-390056号) 第2 訂正の可否に対する判断 1 請求の趣旨及び訂正の内容 本件審判の請求は,その趣旨を「本件特許第4262217号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1ないし9,12について訂正することを認める,との審決を求める。」とするものである。 そして,その訂正内容は,以下のとおりである(下線は,当審で付した。以下も同じ。)。 (1)訂正事項1 ア 【請求項1】の「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム。」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するための当該表示画面上に設けられたタッチパネルを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記タッチパネルからの出力信号に基づいて,当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるプレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該プレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項1】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 なお,上記訂正事項1において「ア」と区分したものは,以下「訂正事項1-ア」とし,「イ」と区分したものは,以下「訂正事項1-イ」とする。 他の訂正事項についても同様に,「訂正事項2-ア」,「訂正事項2-イ」などとする。 (2)訂正事項2 ア 【請求項2】の「前記位置関係判別ステップは,前記座標検出ステップによって直前に検出された前記座標値に対応する前記表示画面上の位置と該時点における前記第2のオブジェクトとの位置関係を判別することを特徴とする,請求項1に記載のゲームプログラム。」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ, 前記位置関係判別ステップは,前記座標検出ステップによって直前に検出された前記座標値に対応する前記表示画面上の位置と該時点における前記第2のオブジェクトとの位置関係を判別することを特徴とする,ゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項2】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (3)訂正事項3 ア 【請求項3】の「前記位置関係判別ステップは,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの位置関係を判別することを特徴とする,請求項1に記載のゲームプログラム。」を, 「前記位置関係判別ステップは,前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの位置関係を判別することを特徴とする,請求項1に記載のゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項3】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (4)訂正事項4 ア 【請求項4】の「前記位置関係判別ステップは,プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の距離が所定の距離内であるか否かを判別し, 前記動作制御ステップは,前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記所定の距離内に複数の第2のオブジェクトが存在するときは,プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置に最も近い位置にいる第2のオブジェクトに対して前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする,請求項1に記載のゲームプログラム。」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ, 前記位置関係判別ステップは,プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の距離が所定の距離内であるか否かを判別し, 前記動作制御ステップは,前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記所定の距離内に複数の第2のオブジェクトが存在するときは,プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置に最も近い位置にいる第2のオブジェクトに対して前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする,ゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項4】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (5)訂正事項5 ア 【請求項5】の「前記動作制御ステップは,プレイヤが操作中であった前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする,請求項1記載のゲームプログラム。」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ, 前記動作制御ステップは,プレイヤが操作中であった前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする,ゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項5】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (6)訂正事項6 ア 【請求項6】の「前記位置関係判別ステップは,プレイヤのポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であるか否かを判別し, 前記動作制御ステップは,前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップで前記位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であると判別されたときに,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御することを特徴とする,請求項1記載のゲームプログラム」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ, 前記位置関係判別ステップは,プレイヤのポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であるか否かを判別し, 前記動作制御ステップは,前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップで前記位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であると判別されたときに,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御することを特徴とする,ゲームプログラム」と訂正する。 イ 【請求項6】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (7)訂正事項7 ア 【請求項7】の「前記所定の動作とは,前記第1あるいは第2のオブジェクトのパラメータ値を変化させることであることを特徴とする,請求項1記載のゲームプログラム。」を, 「前記所定の攻撃動作とは,前記敵キャラクタの体力値を変化させることであることを特徴とする,請求項1記載のゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項7】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (8)訂正事項8 ア 【請求項8】の「前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たしたと判別されたときに,前記位置関係が所定の条件を満たしていることを示す表示を行うマーキングステップとを前記コンピュータに更に実行させる,請求項1記載のゲームプログラム。」を, 「前記敵キャラクタは移動するキャラクタであり, 前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たしたと判別されたときに,前記位置関係が所定の条件を満たしていることを示す表示を行うマーキングステップとを前記コンピュータに更に実行させる,請求項1記載のゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項8】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 (9)訂正事項9 ア 【請求項9】の「前記ポインティングデバイスは,前記表示画面上に設けられたタッチパネルであり, 前記移動制御ステップは,前記タッチパネルに対する接触が無い状態から最初に当該タッチパネルに対する接触が検出された時点における第1の入力座標値に続いて連続的に入力される一連の第2の入力座標値のうち,最新の第2の入力座標値を移動目標として,前記第1のオブジェクトを所定のアルゴリズムに従って移動させ, 前記動作制御ステップは,前記タッチパネルに対する接触が途絶えたときに,前記第2の入力座標値に対応する位置に存在する第2のオブジェクトの種類に応じて異なる動作をするように前記第1のオブジェクトを動作させることを特徴とする,請求項1に記載のゲームプログラム。」を, 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ, 前記ポインティングデバイスは,前記表示画面上に設けられたタッチパネルであり, 前記移動制御ステップは,前記タッチパネルに対する接触が無い状態から最初に当該タッチパネルに対する接触が検出された時点における第1の入力座標値に続いて連続的に入力される一連の第2の入力座標値のうち,最新の第2の入力座標値を移動目標として,前記第1のオブジェクトを所定のアルゴリズムに従って移動させ, 前記動作制御ステップは,前記タッチパネルに対する接触が途絶えたときに,前記第2の入力座標値に対応する位置に存在する第2のオブジェクトの種類に応じて異なる動作をするように前記第1のオブジェクトを動作させることを特徴とする,ゲームプログラム。」と訂正する。 イ 【請求項9】を引用する【請求項12】を,上記アと同様に訂正する。 2 当審の判断 (1)訂正事項1 訂正事項1-アは,複数箇所の訂正があるため, 訂正前の「表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイス」を「表示画面上の位置を指示するための当該表示画面上に設けられたタッチパネル」とする訂正と,訂正前の「前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて,当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値」を「前記タッチパネルからの出力信号に基づいて,当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値」とする訂正を「訂正事項1-ア-1」とする。 訂正前の「前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム」を, 「前記表示画面上に表示されるプレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該プレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップと, プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム」とする訂正を「訂正事項1-ア-2」とする。 ア 訂正事項1-ア-1 訂正事項1-ア-1は,タッチパネル,マウス,タッチパッド等を含む「ポインティングデバイス」について,「タッチパネル」と限定し,さらに,そのタッチパネルが「表示画面上」に設けられるものでもあることを限定するものである。 したがって,訂正事項1-ア-1は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0012】に「…表示画面(実施例との対応関係を示せば,例えば第2のLCD12)と,ポインティングデバイス(15)とを有するゲーム装置…」,同【0036】に「…ゲーム装置10は,第1のLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)11および第2のLCD12を含む。」,同【0038】に「…また,さらなる入力装置として,第2のLCD12の画面上にタッチパネル15が装着されている。」,同【0045】に「なお,上記のようなゲーム装置10の構成は単なる一例に過ぎず,本発明は,ポインティングデバイス(タッチパネル,マウス,タッチパッド等)と少なくとも1つの表示装置を有する任意のコンピュータシステムに適用することができる」と記載されているとおり,ゲーム装置に含まれる第2のLCDは「表示画面」であり,その第2のLCDに「タッチパネル」が装着され,そのタッチパネルが「ポインティングデバイス」の一例であることが明らかである。 つまり,願書に添付した明細書には,ポインティングデバイスの一例として「タッチパネル」が用いられること,「表示画面上に設けられたタッチパネル」が記載されている。 したがって,訂正事項1-ア-1によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項1-ア-1は,特許請求の範囲を減縮するものであって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項1-ア-2 訂正事項1-ア-2に係る訂正前の【請求項1】には,「第1のオブジェクトが操作されている状態が解除され,かつ,第1のオブジェクトと第2のオブジェクトが所定の条件を満たすと,第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行う」ものが記載されている。 これに対して,訂正事項1-ア-2に係る訂正後の【請求項1】には,「プレイヤキャラクタが操作されている状態が解除され,かつ,プレイヤキャラクタと敵キャラクタが所定の条件を満たすと,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングでプレイヤキャラクタが敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行う」ものが記載されている。 つまり,訂正後の訂正事項1-ア-2に係る【請求項1】の発明特定事項は,ゲーム画像として表示される「第1のオブジェクト」及び「第2のオブジェクト」を「プレイヤキャラクタ」及び「敵キャラクタ」とオブジェクトの内容を限定し,「所定の動作」を,「所定の攻撃動作」と動作の内容を限定し,「(プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態の)解除がプレイヤにより行われたタイミング」と動作のタイミングを限定し,さらに,「何れか一方が他方に対して所定の動作を行う」を「プレイヤキャラクタが敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行う」と,動作の主体を限定したものであるから,訂正事項1-ア-2は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0002】の「プレイヤが操作するオブジェクトに,その他のオブジェクトへの攻撃等の所定の動作を行わせるゲームがある」,同段落【0003】の「例えば,ARPG(アクションロールプレイングゲーム)のようなゲームにおいて,プレイヤオブジェクトを敵オブジェクトの至近距離まで近づける。その状態で,プレイヤが攻撃ボタンを押すことにより,例えばプレイヤキャラクタが剣を振る動作を行って敵キャラクタを攻撃する」と記載されているとおり,ゲームの技術分野において「オブジェクト」が「キャラクタ」を含むことは常識であり,ユーザーが操作するオブジェクトを「プレイヤオブジェクト」または「プレイヤキャラクタ」,ユーザーが操作するオブジェクに敵対し攻撃を受けることもあるオブジェクトを「敵オブジェクト」または「敵キャラクタ」と称することも常識である。 また,同段落【0024】に「ポインティングデバイス等による第1のオブジェクト(プレイヤキャラクタ)の操作中において,敵キャラクタ等を指定するための別個の操作を行わずとも,攻撃等を行いたい対象を指定することができる」と記載されているとおり,本願の願書に添付した明細書においても「第1のオブジェクト」は「プレイヤキャラクタ」とされている。 さらに,同段落【0046】に「そして,任意のプレイヤキャラクタ群を囲むと,囲まれたプレイヤキャラクタ群は,好ましくは一箇所に寄り集まり,隊列を構成する。このとき,図6に示すように,当該プレイヤキャラクタ群は,赤い円61(以下,指示待ち円と呼ぶ)で囲まれた状態で表示される。以下,この状態にあるプレイヤキャラクタ41を,フォーカスキャラと呼ぶ。」と記載されているとおり,「プレイヤキャラクタ」は「フォーカスキャラ」と呼ばれることもあり,同段落【0047】に「また,図12は,敵キャラクタ43をロックオンしたときの様子を示す図である。この場合は,タッチオフ操作が行われると,図13に示すように,隊列を組んでいたフォーカスキャラが当該敵キャラクタ43に対して攻撃をしかける」と記載されているとおり,「プレイヤキャラクタ」である「フォーカスキャラ」が,「敵キャラクタ」に対して攻撃を行うものであるから,「第1のオブジェクト」を「プレイヤキャラクタ」とした場合,その「第1のオブジェクト」から所定の動作である「攻撃」を受ける役割の「第2オブジェクト」が「敵キャラクタ」となることは自明である。 また,「動作の内容」,「動作のタイミング」,「動作の主体」に関しては,同段落【0071】の「操作中フラグ256がオフであれば(ステップS61でNO),プレイヤはタッチパネル15に触れていない,すなわち何の指示も出していないことになる…」,同段落【0072】の「操作中フラグ256がオンであれば(ステップS61でYES),続くステップS62で,画面上に表示されている各オブジェクト(敵・NPCも含む)と,スティック16の接触位置との距離を計算する…最終入力座標から所定距離以下の位置にいるオブジェクトが存在するか否かを判定する」,同段落【0073】の「所定距離内にオブジェクトが存在すれば(ステップS63でYES),…当該オブジェクトのロックフラグ257をオン(すなわち,ロックオン)にする」,同段落【0079】の「タッチ入力がなかったとき(ステップS2でNO)の処理…は,タッチパネル15からスティック16を離したとき,すなわちタッチオフしたときに行われる処理である。」,同段落【0080】の「タッチ入力フラグ254がオンであれば(ステップS71でYES),操作中フラグがオンか否か判定する(ステップS72)。これは,今までタッチパネル15に触れていた状態からタッチオフした直後の状態に該当する…既にロックオンしたオブジェクトが存在していれば(ステップS73でYES),仕事内容決定テーブル253を参照し,当該ロックオンしたオブジェクトの種類に応じた仕事処理が開始される(ステップS74)。ここで,仕事処理とは,当該ロックオンしたオブジェクトとフォーカスキャラとの間において,何れか一方が他方に何らかの影響を及ぼす処理のことをいう…ロックオンしたキャラが敵キャラクタ43であれば,フォーカスキャラが当該敵キャラクタ43への攻撃を行う処理が該当する」のとおりであって,プレイヤがタッチパネルに触れていないことを操作されていないこととして,タッチパネルに触れていた状態からタッチオフしたタイミングで,プレイヤキャラクタであるフォーカスキャラが,敵キャラクタに攻撃を行うことが記載されている。 したがって,訂正事項1-ア-2によって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項1-ア-2は,特許請求の範囲を減縮するものであって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項1-イ 【請求項1】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項1-アで検討したとおり,訂正事項1-アによる訂正が適法であるから,訂正事項1-アによる訂正に連動した訂正事項1-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項1-イは,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正事項2-ア 訂正事項2-アは,訂正前の【請求項2】が訂正前の【請求項1】を引用する記載であったものを,請求項間の引用関係を解消し,【請求項1】の記載を引用しないものとし,独立形式請求項へ改めるための訂正であるから,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項2-アは,請求項間の引用関係を解消したものであって,なんら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項2-イ 【請求項2】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項2-アで検討したとおり,訂正事項2-アによる訂正が適法であるから,訂正事項2-アによる訂正に連動した訂正事項2-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項2-イは,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3 ア 訂正事項3-ア 「(1)イ」で検討したとおり,「第1のオブジェクト」及び「第2のオブジェクト」を,それぞれ「プレイヤキャラクタ」及び「敵キャラクタ」に訂正することは,オブジェクトの内容を限定することである。 訂正前の【請求項3】における訂正事項3-アも「第1のオブジェクト」及び「第2のオブジェクト」を,それぞれ「プレイヤキャラクタ」及び「敵キャラクタ」に訂正するものであるから,同様に特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 また,「(1)イ」で検討したとおり,「第1のオブジェクト」及び「第2のオブジェクト」を,それぞれ「プレイヤキャラクタ」及び「敵キャラクタ」に訂正することを含む「訂正事項1-ア-2」が,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから,訂正事項3-アも,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項3-イ 【請求項3】を引用する【請求項1】2に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項3-アで検討したとおり,訂正事項3-アによる訂正が適法であるから,訂正事項3-アによる訂正に連動した訂正事項3-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項3-イは,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4 ア 訂正事項4-ア 訂正事項4-アは,訂正前の【請求項4】が訂正前の【請求項1】を引用する記載であったものを,請求項間の引用関係を解消し,【請求項1】の記載を引用しないものとし,独立形式請求項へ改めるための訂正であるから,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項4-アは,請求項間の引用関係を解消したものであって,なんら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項4-イ 【請求項4】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項4-アで検討したとおり,訂正事項4-アによる訂正が適法であるから,訂正事項4-アによる訂正に連動した訂正事項4-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項4-イは,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (5)訂正事項5 ア 訂正事項5-ア 訂正事項5-アは,訂正前の【請求項5】が訂正前の【請求項1】を引用する記載であったものを,請求項間の引用関係を解消し,【請求項1】の記載を引用しないものとし,独立形式請求項へ改めるための訂正であるから,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項5-アは,請求項間の引用関係を解消したものであって,なんら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項5-イ 【請求項5】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項5-アで検討したとおり,訂正事項5-アによる訂正が適法であるから,訂正事項5-アによる訂正に連動した訂正事項5-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項5-イは,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6 ア 訂正事項6-ア 訂正事項6-アは,訂正前の【請求項6】が訂正前の【請求項1】を引用する記載であったものを,請求項間の引用関係を解消し,【請求項1】の記載を引用しないものとし,独立形式請求項へ改めるための訂正であるから,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項6-アは,請求項間の引用関係を解消したものであって,なんら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項6-イ 【請求項6】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項6-アで検討したとおり,訂正事項6-アによる訂正が適法であるから,訂正事項6-アによる訂正に連動した訂正事項6-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項6-イは,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (7)訂正事項7 ア 訂正事項7-ア 訂正事項7-アは,訂正前の【請求項7】にある「所定の動作」を「所定の攻撃動作」に,「第1あるいは第2のオブジェクトのパラメータ値」を「敵キャラクタの体力値」に訂正するもので,このうち「所定の動作」を「所定の攻撃動作」とする訂正は,動作の内容を限定するものである。 また,「第1あるいは第2のオブジェクトのパラメータ値」を「敵キャラクタの体力値」とする訂正は,択一的に記載されていた訂正前の「第1あるいは第2のオブジェクト」を「第2のオブジェクト」のみに限定した上で,「オブジェクト」を「敵キャラクタ」とオブジェクトの内容を限定し,「パラメータ値」については,「体力値」とパラメータ値の内容を限定するものである。 したがって,訂正事項7-アは,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 「(1)イ」で検討したとおり,「第2のオブジェクト」及び「所定の動作」を,それぞれ「敵キャラクタ」及び「所定の攻撃動作」に訂正することを含む「訂正事項1-ア-2」が,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 また,「パラメータ値」に関しては,願書に添付した明細書の段落【0071】の「操作中フラグ256がオフであれば(ステップS61でNO),プレイヤはタッチパネル15に触れていない,すなわち何の指示も出していないことになる…」,同段落【0072】の「操作中フラグ256がオンであれば(ステップS61でYES),続くステップS62で,画面上に表示されている各オブジェクト(敵・NPCも含む)と,スティック16の接触位置との距離を計算する…最終入力座標から所定距離以下の位置にいるオブジェクトが存在するか否かを判定する」,同段落【0073】の「所定距離内にオブジェクトが存在すれば(ステップS63でYES),…当該オブジェクトのロックフラグ257をオン(すなわち,ロックオン)にする」,同段落【0079】の「タッチ入力がなかったとき(ステップS2でNO)の処理…は,タッチパネル15からスティック16を離したとき,すなわちタッチオフしたときに行われる処理である。」,同段落【0080】の「タッチ入力フラグ254がオンであれば(ステップS71でYES),操作中フラグがオンか否か判定する(ステップS72)。これは,今までタッチパネル15に触れていた状態からタッチオフした直後の状態に該当する…既にロックオンしたオブジェクトが存在していれば(ステップS73でYES),仕事内容決定テーブル253を参照し,当該ロックオンしたオブジェクトの種類に応じた仕事処理が開始される(ステップS74)。ここで,仕事処理とは,当該ロックオンしたオブジェクトとフォーカスキャラとの間において,何れか一方が他方に何らかの影響を及ぼす処理のことをいう…ロックオンしたキャラが敵キャラクタ43であれば,フォーカスキャラが当該敵キャラクタ43への攻撃を行う処理が該当する。…フォーカスキャラが敵キャラクタ43のパラメータ値(体力値など)を減少させるという影響を及ぼすことである」のとおりであって,プレイヤがタッチパネルに触れていないことを操作されていないこととして,タッチパネルに触れていた状態からタッチオフしたタイミングで,プレイヤキャラクタであるフォーカスキャラが,敵キャラクタに攻撃を行い,その結果,敵キャラクタのパラメータである体力値が減少する点が記載されている。 したがって,訂正事項7-アによって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項7-アは,特許請求の範囲を減縮するものであって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項7-イ 【請求項7】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項7-アで検討したとおり,訂正事項7-アによる訂正が適法であるから,訂正事項7-アによる訂正に連動した訂正事項7-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項7-イは,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (8)訂正事項8 ア 訂正事項8-ア 訂正事項8-アは,訂正前の【請求項8】に,「前記敵キャラクタは移動するキャラクタであり,」という発明特定事項を付加して限定するものである。 したがって,訂正事項8-アは,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,願書に添付した明細書の段落【0019】に「第8の発明は,第1の発明において,位置関係判別ステップが所定の位置関係にあると判別したときに,所定の位置関係にあることを示す表示を行うマーキングステップ(S67)を更にコンピュータに実行させる」,同【0074】に「当該ロックオンしたオブジェクトを中心とする照準円81を生成する(ステップS67)」,同【0087】に「一旦至近距離の敵キャラクタ43をロックオンしたときは,その後,敵キャラクタ43の移動により最終入力座標との距離関係に変化が生じても,例えばスティック16を動かしていなければ,ロックオン対象は変化しないようにしてもよい」と記載されているとおり,位置関係判別ステップが所定の位置関係にあると判別した際に行われる「マーキングステップ」は,敵キャラクタに対する処理のステップであり,その敵キャラクタは,移動するものであることは明らかである。 したがって,訂正事項8-アによって訂正された事項は,願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものではなく,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,特許法第126条第5項の規定に適合する。 また,訂正事項8-アは,特許請求の範囲を減縮するものであって,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項8-イ 【請求項8】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項8-アで検討したとおり,訂正事項8-アによる訂正が適法であるから,訂正事項8-アによる訂正に連動した訂正事項8-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項8-イは,特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (9)訂正事項9 ア 訂正事項9-ア 訂正事項9-アは,訂正前の【請求項9】が訂正前の【請求項1】を引用する記載であったものを,請求項間の引用関係を解消し,【請求項1】の記載を引用しないものとし,独立形式請求項へ改めるための訂正であるから,他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものである。 そして,訂正事項9-アは,請求項間の引用関係を解消したものであって,なんら実質的な内容の変更を伴うものではないから,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項9-イ 【請求項9】を引用する【請求項12】に記載される発明特定事項そのものは,訂正の前後において変化はない。 そして,訂正事項9-アで検討したとおり,訂正事項9-アによる訂正が適法であるから,訂正事項9-アによる訂正に連動した訂正事項9-イによる訂正は,同様に適法な訂正である。 したがって,訂正事項9-イは,特許法第126条第1項ただし書き第4号に掲げる事項を目的とするものであり,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (10)特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正事項1,3,7,及び8によって訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項1,3,7,及び8に記載された事項により特定される発明,並びに特許請求の範囲の請求項1,3,7,及び8を引用する請求項12に記載された事項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができる発明であるかについて 本件特許に係る侵害訴訟事件(東京地裁平成29年(ワ)第43185号)において,被告(株式会社コロプラ)は,本件訂正前の特許請求の範囲に記載された発明について,以下のとおり主張しているので検討する。(以下,本件訂正前の特許請求の範囲の各請求項を「本件の請求項1」,「本件の請求項2」などという。また,以下,特許請求の範囲の請求項1,3,7,及び8を引用する請求項12のことを単に「請求項12」という。」) ア ゲームWAについて (ア)被告の主張 本件の請求項1,3,7,及び8に係る発明は,「WARFARE INCORPORATED」なるゲーム(以下,「ゲームWA」という。)に開示された発明と同一であり新規性欠如の無効理由がある。 (イ)証拠 被告は,ゲームWAの動作に関する報告書として乙第39号証の1を,ゲームWAの検証動画として,乙第39号証の2,乙第61号証の2を提出し,乙第39号証の2には,CharacterMovement,Fight_1,Fight_2,Fight_3の4つの動画のファイルがあり,乙第61号証の2には,[16]乙61-2の動画のファイルがある。 本件審判の請求人である原告は,ゲームWAの動作確認として甲第21号証,甲第34号証を提出し,甲第21号証には,mov01.mp4,mov02.mp4,mov03.mp4,mov04.mp4,mov05(ExB39-1Fight_1).mp4,mov06(ExB39-1Fight_2).mp4,mov07(ExB39-1Fight_3).mp4,の7つの動画のファイルがあり,甲第34号証には,mov01の動画のファイルがある。 (ウ)乙第39号証の2の動画ファイルの内容 A CharacterMovement.MOV (A)ゲーム画像が表示される表示画面をスタイラスでタッチして,ゲームを進行している。 (B)兵士様キャラクタ(以下,スタイラスによって操作されるキャラクタを,単に「キャラクタ」という。)の近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にバー形状の表示(以下,バー形状の表示を「ゲージ」という。)が現れる。 (C)表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動する。 (D)表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチする際には,キャラクタは停止状態にある。 B Fight_1 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から赤色の別のキャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (B)赤色の別のキャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタの移動中も,キャラクタがタッチされた場所に移動して停止した後も,赤色の別のキャラクタは,キャラクタに向かって接近している。 C Fight_2 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から赤色の別のキャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (C)赤色の別のキャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタの移動中も,キャラクタがタッチされた場所に移動して停止した後も,赤色の別のキャラクタは,キャラクタに向かって接近している。 D Fight_3 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から赤色の別のキャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (C)キャラクタは,停止後,接近中の赤色の別のキャラクタ(キャラクタから攻撃を受ける「赤色の別のキャラクタ」は,キャラクタにとって「敵」であることは明らかであるから,以下「敵キャラクタ」とする。)に対して攻撃を行う。 (D)敵キャラクタは,最初の攻撃を受けると,停止するとともに,頭上付近にゲージーが現れる。 (E)敵キャラクタは,攻撃を受けるごとに頭上付近のゲージの色づけされた区画を減ずるものであって,2回目の攻撃までは区画は緑色,3回目の攻撃では区画は黄色,4回目の攻撃では区画は赤色,5回目の攻撃では色づけされた区画がなくなり,6回目の攻撃では,敵キャラクタが消滅する。 (F)キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を行うごとに,キャラクタのゲージの色づけされた区画は減ずるものである。 (エ)乙第61号証の2の動画ファイルの内容 A [16]乙61-2 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動する。 (C)敵キャラクタは,停止した後に,キャラクタに対して攻撃を行う。 (D)キャラクタは,移動中に敵キャラクタから攻撃を受けても,敵キャラクタのすぐ近くを通過しても,敵キャラクタに対して攻撃を行わない。 (E)キャラクタは,上記(B)の任意の位置に到達すると停止するとともに,敵キャラクタに対して攻撃を行う。 (F)再度,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動するが,移動中に敵キャラクタから攻撃を受けても,敵キャラクタのすぐ近くを通過しても,敵キャラクタに対して攻撃を行わない。 (G)キャラクタは,上記(F)の任意の位置に到達すると停止するとともに,敵キャラクタに対して攻撃を行う。 (H)再度,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動するが,移動中に敵キャラクタから攻撃を受けても,敵キャラクタのすぐ近くを通過しても,敵キャラクタに対して攻撃を行わない。 (I)キャラクタは,上記(H)の任意の位置に到達すると停止するとともに,敵キャラクタに対して攻撃を行った結果,敵キャラクタは消滅する。 (オ)甲第21号証の動画ファイルの内容 A mov01.mp4 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (C)敵キャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタの移動中も,キャラクタがタッチされた場所に移動して停止した後も,敵キャラクタは,キャラクタに向かって接近している。 (D)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときにキャラクタから1回目の攻撃を受けた敵キャラクタは,そのままキャラクタに接近し続けるが,2回目の攻撃を受けると動きを止めて停止する。 (E)キャラクタからの攻撃を受け続けた敵キャラクタは消滅する。 B mov02.mp4 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離さないと,キャラクタは,現在位置に停止したままである。 (C)敵キャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタに向かって接近している。 (D)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときにキャラクタから1回目の攻撃を受けた敵キャラクタは,そのままキャラクタに接近し続けるが,2回目の攻撃を受けると動きを止めて停止して,キャラクタに対して攻撃を行う。 (E)互いに停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 C mov03.mp4 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチしないため,キャラクタの頭上付近にゲージは現れない。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現し,キャラクタに向かって接近する。 (C)キャラクタは,頭上付近にゲージが表示されない状態で,敵キャラクタに対して攻撃を行う。 (D)敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けても,停止しないが,頭上付近にゲージが現れる。 (E)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときに,敵キャラクタはキャラクタから1回目の攻撃を受けて,そのままキャラクタに接近し続けた後に,動きを止めて停止して,キャラクタに対して攻撃を行う。 (F)互いに停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 D mov04.mp4 (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすると,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現し,キャラクタに向かって接近する。 (C)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときに敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けても,停止しないが,頭上付近にゲージが現れる。 (E)敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けてそのままキャラクタに接近し続けた後に,動きを止めて停止して,キャラクタに対して攻撃を行う。 (D)互いに停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 E mov05(ExB39-1Fight_1) (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすると,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (C)敵キャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタの移動中も,キャラクタがタッチされた場所に移動して停止した後も,キャラクタに向かって接近している。 (D)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときに敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けても,停止しないが,頭上付近にゲージが現れる。 (E)敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けてそのままキャラクタに接近し続けた後に,動きを止めて停止して,キャラクタに対して攻撃を行う。 (F)互いに停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 F mov06(ExB39-1Fight_2) (A)キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすると,キャラクタの頭上付近にゲージが現れる。 (B)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (C)敵キャラクタは,出現してからは常に移動しており,キャラクタの移動中も,キャラクタがタッチされた場所に移動して停止した後も,敵キャラクタは,キャラクタに向かって接近している。 (D)キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/3程度になったときに敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けても,停止しないが,頭上付近にゲージが現れる。 (E)敵キャラクタは,キャラクタから1回目の攻撃を受けてそのままキャラクタに接近し続けた後に,動きを止めて停止して,キャラクタに対して攻撃を行う。 (F)停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 G mov07(ExB39-1Fight_3) (A)画面下方から敵キャラクタが出現した後に,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止する。 (B)敵キャラクタは,出現してからは常に移動しているが,キャラクタの停止後,キャラクタと敵キャラクタとの距離が,画面の長辺の1/4程度になったときに,キャラクタが攻撃を行い,それとほぼ同時に敵キャラクタは停止する。 (C)互いに停止した状態のキャラクタと敵キャラクタは互いに攻撃を行い,敵キャラクタが消滅する。 (カ)甲第34号証の動画ファイルの内容 A mov01 (A)ゲーム画像が表示される表示画面に表示される複数の青い兵士様キャラクタ及び青い戦車様キャラクタ(以下,複数の青い兵士様キャラクタ及び青い戦車様キャラクタを「青いキャラクタ群」という。)を,スタイラスでまとめて囲むと,囲んだ青いキャラクタ群の各々の頭上付近にゲージが現れる。 (B)スタイラスを表示画面から離し,囲まれた青いキャラクタ群以外の場所(画面右方)をスタイラスでタッチすると,青いキャラクタ群は全体的には画面右方に移動するが,個別に異なる移動を行うことが可能である。 (C)複数の赤い兵士様キャラクタ(以下,複数の赤い兵士様キャラクタを「赤い兵士様キャラクタ群」という。)が,表示画面の右方から登場する。 (D)青いキャラクタ群と赤い兵士様キャラクタ群は,スタイラスの操作なしに,互いに動きながら攻撃を行い,青い兵士様キャラクタから攻撃を受けると,赤い兵士様キャラクタにもゲージが表示される。 (E)ゲージの色づけされた区画がなくなった青い兵士様キャラクタ及び赤い兵士様キャラクタは,動きを停止し,ゲージの表示が消える。 (キ)上記各証拠の動画ファイルの内容から認められる技術事項及び引用発明 ・「(ウ)A(A)」より,「ゲームWA」は,「タッチパネルを備えるゲーム装置によって行われるゲーム」であること,ゲーム装置には,「コンピュータが用いられている」こと,そのコンピュータは,「ゲームプログラムによって何らかの指示を実行させられる」ことは明らかである。 ・「(ウ)A(B)」より,「ゲームWA」において,キャラクタの近傍をスタイラスでタッチすることで,当該タッチされたキャラクタの頭上付近にゲージの表示が現れるから,「タッチパネルからの出力信号に基づいて,当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップ」を有していることは明らかである。 ・「(ウ)A(C)」より,「ゲームWA」において,表示画面上のキャラクタの現在位置以外の場所をスタイラスでタッチして,スタイラスを離すと,キャラクタは,そのタッチされた場所に移動して停止し,「(オ)B(A)」より,表示画面上のキャラクタの現在位置以外のタッチされた場所をスタイラスでタッチしても,スタイラスを離さないと,キャラクタは,現在位置に停止したままであるから,「スタイラスでタッチパネルをタッチした後で離すことにより,タッチにより指示された表示画面上の位置について座標検出ステップで検出された座標値に基づいてプレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップ」を有していることは明らかである。 ・「(ウ)D(A)ないし(E)」より,スタイラスがタッチパネルにタッチされない状態において,キャラクタは敵キャラクタを攻撃し,「(オ)B(A)ないし(E)」より,スタイラスがタッチパネルにタッチされた状態であっても,キャラクタは敵キャラクタを攻撃するから,「スタイラスがタッチパネルにタッチされているか否かに関係なく,キャラクタは敵キャラクタを攻撃する」ことは明らかである。 ・ゲームWAに係るすべての証拠から,キャラクタが敵キャラクタを攻撃するための条件やタイミングなどの契機が何であるかを看て取ることはできない。 以上のことより,「ゲームWA」の動画を記録した各証拠からは,以下の「引用発明WA」を認めることができる。 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するための当該表示画面上に設けられたタッチパネルを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記タッチパネルからの出力信号に基づいて,当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるキャラクタが,前記タッチパネルからスタイラスが離れた状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該キャラクタを移動させる移動制御ステップと, 前記キャラクタは,前記タッチパネルと前記スタイラスとが接触されているか否かに関係なく,前記キャラクタが敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御することもある動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム。」の発明。 なお,乙39号証の1の「第3 本件ゲームプログラムの説明」によれば,ゲームWAが2003年頃,すなわち本願出願前に販売されていたものと一応認められる。 (ク)判断 引用発明WAは,「タッチパネルからスタイラスが離れた状態にあるときに,座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該キャラクタを移動させる移動制御ステップ」を有しているが,これは「スタイラスがタッチパネルから離れた状態であるときに,(プレイヤ)キャラクタを目標位置まで移動」させること,つまり移動中の「(プレイヤ)キャラクタ」が,タッチパネルにより操作されている状態ではないことを意味しているから,引用発明WAにおいて,(プレイヤ)キャラクタが「操作されている状態」や「操作されている状態が解除される状態」に相当する状態が定義できない。 したがって,引用発明WAは,本件特許発明1における「表示画面上に表示されるプレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該プレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップ」を備えるものではない。 さらに,引用発明WAは,キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を行うものであるところ,その攻撃がどのような契機によって行われるかについて,上記各証拠からは不明であり,また,上述のとおり,(プレイヤ)キャラクタが「操作されている状態」や「操作されている状態が解除される状態」に相当する状態も定義できないことを踏まえると,引用発明WAにおいて,キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を行うための条件やタイミング,特にプレイヤの操作と前記条件や前記タイミングとの関係が明らかでないから,引用発明WAは,本件特許発明1の「プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップ」,「プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップ」を備えるものではない。 上記のとおり,本件特許発明1と「引用発明WA」とは相違点を有するものであるから,本件特許発明1は「引用発明WA」に該当しない。 また,本件特許発明3,7,8及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7,8及び12は「引用発明WA」に該当するものではない。 したがって,「ゲームWA」の存在によって,本件特許発明1,3,7,8及び12は,新規性を欠くものではない。 本件特許に係る侵害訴訟事件において原告(権利者,本件請求人)が進歩性についても主張しているので,念のために,本件特許発明1が「引用発明WA」から,当業者が容易に想到し得たかについても判断する。 本件特許発明1と引用発明WAの間に相違点があることは上述のとおりである。 そして,ゲームWA,後述する「ゲームぐる」,「ゲームスパ」,「XPデスクトップ」は,上記相違点を備えるものではなく,またゲームの技術分野において周知技術でもなく,設計的事項とも認めることはできない。 よって,本件特許発明1が「引用発明WA」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 また,本件特許発明3,7,8及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7,8及び12は「引用発明WA」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 したがって,「ゲームWA」や他の証拠等の存在によって,本件特許発明1,3,7,8及び12は,進歩性を欠くものではない。 イ ゲームぐるについて (ア)被告の主張 本件の請求項1,3,7,及び8に係る発明は,「ぐるみん(GURUMIN)」なるゲーム(以下,「ゲームぐる」という。)に開示された発明と同一であり新規性欠如の無効理由がある。 (イ)証拠 被告は,ゲームぐるの動作に関する報告書として乙第62号証の1を,ゲームぐるの検証動画として乙第62号証の2を提出し,乙第62号証の1には添付資料2として「GURUMIN プレイイングマニュアル」の写し,乙第62号証の2には[18]乙62-2の動画のファイルがある。 原告は,ゲームぐるの動作確認として甲第35号証を提出し,甲第35号証には,mov01,mov02,mov03の3つの動画のファイルがある。 (ウ)乙第62号証の1(GURUMIN プレイイングマニュアル) ・移動時のマウスの機能(50頁) 左クリックは「押している間マウスカーソル方向へ移動」, 右クリックは「攻撃」, ダブルクリックは「カートダッシュ」, ホイール回転は「カメラ視点回転」,ホイールクリックは「ジャンプ」 ・ターゲットアタック(20ページ) 「ジャンプ! 敵が射程内にいる状態でジャンプするとターゲットマークが変わるよ。」 「攻撃&ヒット その時攻撃をくり出せば”ターゲットアタック”になるよ!」 ・チャージ攻撃(21頁) 「攻撃ボタンを押し続けるとタイミングバーでチャージが始まるよ!それからボタンを離せばチャージ攻撃!」 (エ)乙第62号証の2の動画ファイルの内容 A [18]乙62-2 (A)ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためにマウスを用いてゲームを進行する。 (B)マウスの右ボタンを押したまま(以下,マウスの右ボタン又は左ボタンを押したままの状態にすることを「クリック継続」という。)にすると,マウスで操作されるキャラクタ(以下,マウスによって操作されるキャラクタを,単に「キャラクタ」という。)は,チャージ状態になり,右ボタンから指を離して右ボタンのクリック継続を解除すると,敵キャラクタ(なお,ゲームの常識からみて,「敵キャラクタ」は,キャラクタにとって「敵」であることは常識であるから,以下「敵キャラクタ」とする。)との位置関係とは無関係にチャージ攻撃を行う。 (C)敵キャラクタに所定のマークが付されると,キャラクタの攻撃が敵キャラクタに対して有効となる。 (D)マウスの左ボタンのクリック継続によって,キャラクタは,マウスのポインタが指し示す方向に移動する。 (E)キャラクタが停止中に,マウスのコントロールホイールを前方に回転操作すると,画面が水平方向に回転しながら,ズームイン(キャラクタに接近して,キャラクタが大きく表示される)し,マウスのコントロールホイールを後方に回転操作すると,画面が水平方向に回転しながら,ズームアウト(キャラクタから離れて,キャラクタが小さく表示される)する。 (オ)甲第35号証の動画ファイルの内容 A mov01 (A)マウスの右ボタンのみのクリック継続中,画面上部中央のタイミングバーでチャージが行われ,マウスの動きに応じてカーソルは移動するが,キャラクタは停止したままであり,当該クリック継続によりキャラクタが持つ武器の輝きが増加する。 (B)マウスの右ボタンのみのクリック継続を解除して,マウスの左右のボタンを押さない状態にすると,キャラクタは,カーソルの位置や向きに関係なく,キャラクタの前方に移動し,その際キャラクタが持つ武器からは光が放射され,その後,キャラクタは停止する。 (C)マウスの左ボタンをクリック継続中にすると,キャラクタは,マウスのポインタが指し示す方向に移動する。 (D)マウスの左ボタンのクリック継続を解除すると,キャラクタは攻撃をすることなく,おじぎ動作を行って停止する。 B mov02 (A)マウスの右ボタンのみのクリック継続中,画面上部中央のタイミングバーでチャージが行われ,右ボタンのみのクリック継続を中止すると,停止中のキャラクタは攻撃を行う。攻撃の方向は,カーソルの位置や向きに関係がなく,キャラクタの前方である。 (B)キャラクタの右側方から敵キャラクタが接近しても,敵キャラクタがサークル状の画像で囲まれるまでは,攻撃の方向は,キャラクタの前方である。 (C)接近する敵キャラクタがサークル状の画像で囲まれると,敵キャラクタは停止し,キャラクタの攻撃の方向は,敵キャラクタに向けられたものに変化する。 (D)キャラクタの攻撃によって,敵キャラクタはキャラクタから離れる方向に後退するが,サークル状の画像は消えない。 C mov03 (A)マウスの左右ボタンのクリック継続中,画面上部中央のタイミングバーでチャージが行われるとともに,キャラクタは移動する。右ボタンのクリック継続を中止すると,移動中のキャラクタは攻撃を行う。攻撃の方向は,カーソルの位置や向きに関係がなく,キャラクタの前方である。 (B)接近する敵キャラクタがサークル状の画像で囲まれても,移動中のキャラクタの攻撃の方向は,キャラクタの前方であって,敵キャラクタに向けられたものではない。 (カ)上記各証拠の動画ファイルの内容から認められる技術事項及び引用発明 ・「(エ)A(A)」より,ゲームぐるを実行する装置は,タッチパネルを備えるゲーム装置ではないものの,装置として,コンピュータが用いられていること,そのコンピュータはゲームプログラムによって,何らかの指示を実行させられることは明らかである。 ・「(エ)A(D)」より,マウスの動きに応じてキャラクタが移動するのであるから,「マウスからの出力信号に基づいて,当該マウスを通じて入力される表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップ」を有し,「表示画面上に表示されるキャラクタがマウスにより操作されている状態にあるときに,座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該キャラクタを移動させる移動制御ステップ」を有していることも明らかである。 ・ゲームぐるに係るすべての証拠から,敵キャラクタがサークル状の画像で囲まれるための条件やタイミングなどの契機が何であるかを看て取ることはできない。 以上のことより,「ゲームぐる」の動画を記録した各証拠から,以下の「引用発明ぐる」を認めることができる。 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのマウスを備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記マウスからの出力信号に基づいて,当該マウスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるキャラクタが前記マウスにより,左ボタンのクリック継続が操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該キャラクタを移動させる移動制御ステップと, 前記キャラクタが前記マウスによる右ボタンのクリック継続が解除されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが所定の攻撃動作を行うものであって,前記キャラクタが停止し,敵キャラクタがサークル状の画像で囲まれている場合には,敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム。」の発明。 なお,乙第62号証の1の「第3 本件ゲームプログラム2の説明」の記載によれば,「ゲームぐる」が,2004年に販売されていた事実を一応認めることができる。 (キ)判断 本件特許発明1と「引用発明ぐる」とを対比すると,本件特許発明1が「タッチパネル」を備えるゲーム装置であって,「プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップ」と,「前記プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップ」を備えるゲームプログラムであるのに対して,「引用発明ぐる」は,「タッチパネル」を備えるゲーム装置ではなく,ゲームプログラムが上記のステップを備えるものではない点で相違する。 上記のとおり,本件特許発明1と「引用発明ぐる」とは相違点を有するものであるから,本件特許発明1は「引用発明ぐる」に該当しない。 また,本件特許発明3,7,8及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7,8及び12は「引用発明ぐる」に該当するものではない。 したがって,「ゲームぐる」の存在によって,本件特許発明1,3,7,8及び12は,新規性を欠くものではない。 念のために,本件特許発明1が「引用発明ぐる」から,当業者が容易に想到し得たかについても判断する。 本件特許発明1と引用発明ぐるとの間に相違点があることは上述のとおりである。 また,ゲームぐるにおいて用いられるコンピュータとマウスの組み合わせをタッチパネルに単に置き換えることは当業者にとって容易であるとしても,ゲームぐるは,少なくともマウスの左右のクリック(継続や解除を含む)の使い分けを要し,通常一本のスタイラスや指で操作するタッチパネルの操作に対して,どのように置き換えるかは,当業者であっても容易に想到できるものではない。 そして,ゲームWA,ゲームぐる,後述する,「ゲームスパ」,「XPデスクトップ」は,タッチパネル以外の上記相違点を備えるものではなく,またゲームの技術分野において周知技術でもなく,設計的事項とも認めることはできない。 よって,本件特許発明1が「引用発明ぐる」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 また,本件特許発明3,7,8及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7,8及び12は「引用発明ぐる」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 したがって,「ゲームぐる」や他の証拠等の存在によって,本件特許発明1,3,7,8及び12は,進歩性を欠くものではない。 ウ ゲームスパについて (ア)被告の主張 本件の請求項1,3,及び7に係る発明は,「スパイダソリティア(Spider Solitaire)」なるゲーム(以下,「ゲームスパ」という。)に開示された発明と同一であり新規性欠如の無効理由がある。 (イ)証拠 被告は,ゲームスパの動作に関する報告書として乙第63号証の1を,ゲームスパの検証動画として乙第63号証の2を提出し,乙第63号証の2には,[20]乙63-2の動画のファイルがある。 (ウ)乙第63号証の2の動画ファイルの内容 A [20]乙63-2 (A)ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するために矢印状のポインタを用いてゲームを進行している。 (B)右端にあるカードの上にポインタを置き,ポインタが移動するとカードがポインタに追随して移動する。 (C)ポインタの移動に伴って移動されているカードは,他のカードに触れない状態において,何らかの操作によって元々あった右端の位置に戻る場合がある。また,左端から3つ目のカードに触れた状態で何らかの操作が行われると,右端の位置に戻ることなく,左端から3つ目のカードの上に一部重なるように表示される。 (エ)上記各証拠の動画ファイルの内容から認められる技術事項及び引用発明 ・「(ウ)A (A)」より,ゲームスパを実行する装置にはコンピュータが用いられていること,そのコンピュータはゲームプログラムによって,何らかの指示を実行させられることは明らかである。 ・「(ウ)A(B)」より,カードの上に矢印様のポインタを置き,ポインタが移動するとカードがポインタに追随して移動しており,コンピュータの常識を踏まえると,ポインタは何らかの操作部材の操作によって移動されており,該何らかの操作によるポインタの移動のための入力によって,移動表示されるポインタの表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるカードが前記ポインタの移動により操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該カードを移動させる移動制御ステップとを備えるものであることは明らかである。 ・「(ウ)A(C)」より,移動されているカードが,元々の位置に戻るか,他のカードに重なるように表示されるかは,移動されているカードが他のカードに触れているか否かによって決定されることは明らかであって,移動されているカードと他のカードとの距離によって決定されると言い換えることができる。したがって,「入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される別のカードの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと,前記カードに何らかの操作がされ,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記何らかの操作が行われたタイミングで前記カードが前記別のカードに対して所定の表示状態となるよう制御する動作制御ステップとを実行させる,ゲームプログラム」を備えるものであることは明らかである。 ・「(ウ)A(A)?(C)」より,ポインタを移動させるための操作部材(スタイラスや指など)は,画面上に表示されないが,何らかの操作部材があることは自明であり,ポインタを移動させるための操作部材が画面上に表示されないことから,当該画面がタッチパネルでないことも自明である。 以上のことより,「ゲームスパ」の動画を記録した各証拠から,次の「引用発明スパ」を認めることができる。 「ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するための操作部材を備えるゲーム装置のコンピュータに, 前記操作部材からの出力信号に基づいて,当該操作部材を通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるプレイヤのカードが前記操作部材により,何らかの操作がされている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該のカードを移動させる移動制御ステップと, 前記操作部材による入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される別のカードの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記カードに何らかの操作がされた状態にあるときには,前記操作の行われたタイミングで前記カードが前記別のカードに対して一部重なるように表示される表示制御を実行させる,ゲームプログラム。」の発明。 なお,乙第63号証の1の「第3 本件ゲームプログラム3の説明」の記載によれば,「ゲームスパ」は2004年に公知・公用のものであったと一応認められる。 (オ)判断 本件特許発明1と「引用発明スパ」とを対比すると,引用発明スパは「タッチパネル」を備えるゲーム装置ではないため,本件特許発明1が備える「タッチパネルからの出力信号に基づいて,当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップ」,「表示画面上に表示されるプレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該プレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップ」,「プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップ」,「プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップ」を備えるものではない点で,本件特許発明1と相違する。 上記のとおり,本件特許発明1と「引用発明スパ」とは相違点を有するものであるから,本件特許発明1は「引用発明スパ」に該当しない。 また,本件特許発明3,7及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7及び12は「引用発明スパ」に該当するものではない。 したがって,「ゲームスパ」の存在によって,本件特許発明3,7及び12は,新規性を欠くものではない。 念のために,本件特許発明1が「引用発明スパ」から,本件特許発明3,7及び12が,当業者が容易に想到し得たかについても判断する。 本件特許発明1と引用発明スパとの間に相違点があることは上述のとおりである。 そして,引用発明スパは,トランプのカードを用いて,カードを所定の取決めによって並べるゲームであるから,ゲームの画面において「プレイヤキャラクタ」,「(プレイヤキャラクタから攻撃を受ける)敵キャラクタ」という概念に相当するキャラクタは登場せず,仮に,ゲームスパにおいて用いられるコンピュータと操作部材の組み合わせをタッチパネルに置き換えることは当業者にとって容易であるとしても,引用発明スパに本件特許発明1のような「プレイヤキャラクタ」と「敵キャラクタ」とが戦う,いわゆるバトルゲームを適用することに動機付けはなく,当業者といえども技術的困難性があるというべきである。 そして,ゲームWA,ゲームぐる,ゲームスパ,後述する,「XPデスクトップ」は,上記相違点のうち特に「位置関係判別ステップ」及び「動作制御ステップ」を備えるものでもなく,またゲームの技術分野において周知技術でもなく,設計的事項とも認めることはできない。 よって,本件特許発明1が「引用発明スパ」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 また,本件特許発明3,7及び12は,いずれも本件特許発明1を引用し,さらに発明特定事項を付加して限定したものであるから,同様の理由により本件特許発明3,7及び12は「引用発明スパ」から,当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 したがって,「ゲームスパ」や他の証拠等の存在によって,本件特許発明1,3,7及び12は,進歩性を欠くものではない。 エ XPデスクトップについて (ア)被告の主張 本件の請求項8に係る発明は,「ゲームスパ」に開示された発明と,「WindowsXPデスクトップ」(以下,「XPデスクトップ」という。)に開示される周知技術に対して進歩性を欠く。 (イ)証拠 被告は,XPデスクトップの動画として乙第64号証を提出し,乙第64号証には,[21]乙64の動画のファイルがある。 (ウ)乙第64号証の動画ファイルの内容 A [21]乙64 (A)ファイルのアイコンが表示される表示画面上の位置を指示するために矢印状のポインタを用いて,表示画面上を移動させる。 (B)ファイルのアイコンの上にポインタを置き,ポインタが移動するとファイルのアイコンがポインタに追随して移動する。 (C)ポインタの移動に伴って移動されるファイルのアイコンは,フォルダのアイコンに触れない状態で何らかの操作が行われると,その位置で停止する。 (D)ポインタの移動に伴って移動されるファイルのアイコンは,フォルダのアイコンに触れた状態で何らかの操作が行われると,フォルダのアイコンの色が変化して,ファイルのアイコンがフォルダのアイコンに吸収されるように表示される。 (エ)上記各証拠の動画ファイルの内容から認められる技術事項 ・「(ウ)A(A)」より,ファイルのアイコンが表示される装置は,タッチパネルを備える装置ではないものの,装置として,コンピュータが用いられていること,そのコンピュータはプログラムによって,何らかの指示を実行させられることは明らかである。 ・「(ウ)A(B)」より,ファイルのアイコンの上にポインタを置き,ポインタが移動するとアイコンがポインタに追随して移動しており,また,ポインタを移動させるための操作部材(スタイラスや指など)は,画面上に表示されないから,当該画面はタッチパネルでないことは明らかであって,ポインタを移動させるためには何らかの操作部材が必要であり,コンピュータの常識を踏まえると,ポインタは操作部材によって操作されるとするのが妥当である。 したがって,XPデスクトップは,操作部材からの出力信号に基づいて,当該操作部材を通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるアイコンが前記操作部材により操作されている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該カードを移動させる移動制御ステップとを備えるものであることは明らかである。 ・「(ウ)A(C)及び(D)」より,操作部材によって移動されているファイルのアイコンが,停止するか,フォルダのアイコンに吸収されるは,移動されているファイルのアイコンがフォルダのアイコンに触れているか否かによって決定されることは明らかであって,移動されているファイルのアイコンとフォルダのアイコンとの距離によって決定されると言い換えることができる。したがって,「プレイヤの操作部材による入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される別のカードの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと,前記ファイルのアイコンが何らかの操作がされ,かつ,前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには,前記何らかの操作がプレイヤにより行われたタイミングで前記ファイルのアイコンが前記フォルダのアイコンに対して所定の表示状態となるよう制御する動作制御ステップとを実行させる,プログラム」を備えるものであることは明らかである。 以上のことより,「XPデスクトップ」の動画を記録した各証拠から,次のとおりの「周知技術XPデスクトップ」を認めることができる。 「ファイルのアイコンが表示される表示画面上の位置を指示するための操作部材を備えるコンピュータに, 前記操作部材からの出力信号に基づいて,当該操作部材を通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと, 前記表示画面上に表示されるファイルのアイコンが前記操作部材により,何らかの操作がされている状態にあるときに,前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該ファイルのアイコンを移動させる移動制御ステップと, 前記操作部材による入力操作に関連するファイルのアイコンの位置情報と前記表示画面上に表示されるフォルダのアイコンの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと, 前記ファイルのアイコンが前記フォルダのアイコンに触れているときに,前記ファイルのアイコンに何らかの操作がされると,前記操作の行われたタイミングで前記ファイルのアイコンが前記フォルダのアイコンに対して吸収されるように表示される表示制御を実行させる,プログラム。」の発明。 なお,XPデスクトップが「Microsoft Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」のデスクトップ画面での動作の様子に基づくものであることに鑑みれば,XPデスクトップは,2004年に公開されていたものであると一応認められる。 (オ)判断 「周知技術XPデスクトップ」において「コンピュータの画面上で移動するアイテムと別のアイテムとの位置関係が所定の条件を満たしたときに,双方の位置関係が所定の条件を満たしていることを示す表示を行う技術」が実質的に存在することが認められ,該表示を行う技術が周知技術であったとして,「引用発明スパ」に上記周知技術を適用しても,本件特許発明1と「引用発明スパ」との間に,「ウ ゲームスパについて」で検討したとおりの相違点があり,この相違点に係る本件特許発明1の発明特定事項が,上記周知技術と無関係である以上,本件特許発明8が,「引用発明スパ」と周知技術に基づいて,当業者が容易に想到し得たとはいえない。 したがって,「ゲームスパ」及び「XPデスクトップ」の存在によって,本件特許発明8及び12は,進歩性を欠くものではない。 オ 小括 上記の各証拠によって,また,他の理由によって訂正後の特許請求の範囲の請求項1,3,7,8及び12に記載された事項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができないとすることはできない。 第3 むすび 以上のとおりであるから,本件訂正審判の請求は,特許法126条1項ただし書1号,及び4号に掲げる事項を目的とするものである。 また,同条5項,6項,及び7項の規定にも適合する。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するための当該表示画面上に設けられたタッチパネルを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記タッチパネルからの出力信号に基づいて、当該タッチパネルを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示されるプレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該プレイヤキャラクタを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記タッチパネルによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される敵キャラクタの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記プレイヤキャラクタが前記タッチパネルにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記解除がプレイヤにより行われたタイミングで前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して所定の攻撃動作を行うよう制御する動作制御ステップとを実行させる、ゲームプログラム。 【請求項2】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて、当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ、 前記位置関係判別ステップは、前記座標検出ステップによって直前に検出された前記座標値に対応する前記表示画面上の位置と該時点における前記第2のオブジェクトとの位置関係を判別することを特徴とする、ゲームプログラム。 【請求項3】 前記位置関係判別ステップは、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの位置関係を判別することを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。 【請求項4】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて、当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ、 前記位置関係判別ステップは、プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の距離が所定の距離内であるか否かを判別し、 前記動作制御ステップは、前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記所定の距離内に複数の第2のオブジェクトが存在するときは、プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置に最も近い位置にいる第2のオブジェクトに対して前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする、ゲームプログラム。 【請求項5】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて、当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ、 前記動作制御ステップは、プレイヤが操作中であった前記第1のオブジェクトが前記所定の動作を行うよう当該第1のオブジェクトを制御することを特徴とする、ゲームプログラム。 【請求項6】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて、当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ、 前記位置関係判別ステップは、プレイヤのポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報が示す前記表示画面上の位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であるか否かを判別し、 前記動作制御ステップは、前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップで前記位置と前記第2のオブジェクトとの距離が所定距離以下であると判別されたときに、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御することを特徴とする、ゲームプログラム。 【請求項7】 前記所定の攻撃動作とは、前記敵キャラクタの体力値を変化させることであることを特徴とする、請求項1記載のゲームプログラム。 【請求項8】 前記敵キャラクタは移動するキャラクタであり、 前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たしたと判別されたときに、前記位置関係が所定の条件を満たしていることを示す表示を行うマーキングステップとを前記コンピュータに更に実行させる、請求項1記載のゲームプログラム。 【請求項9】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスからの出力信号に基づいて、当該ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記表示画面上に表示される第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態にあるときに、前記座標検出ステップで検出された座標値に基づいて当該第1のオブジェクトを移動させる移動制御ステップと、 プレイヤの前記ポインティングデバイスによる入力操作に関連する位置情報と前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトの位置情報とに基づいて双方の位置関係が所定の条件を満たすか否かを判別する位置関係判別ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除され、かつ、前記位置関係判別ステップにより前記位置関係が所定の条件を満たすと判別されたときには、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させ、 前記ポインティングデバイスは、前記表示画面上に設けられたタッチパネルであり、 前記移動制御ステップは、前記タッチパネルに対する接触が無い状態から最初に当該タッチパネルに対する接触が検出された時点における第1の入力座標値に続いて連続的に入力される一連の第2の入力座標値のうち、最新の第2の入力座標値を移動目標として、前記第1のオブジェクトを所定のアルゴリズムに従って移動させ、 前記動作制御ステップは、前記タッチパネルに対する接触が途絶えたときに、前記第2の入力座標値に対応する位置に存在する第2のオブジェクトの種類に応じて異なる動作をするように前記第1のオブジェクトを動作させることを特徴とする、ゲームプログラム。 【請求項10】 ゲーム画像が表示される表示画面上の位置を指示するためのポインティングデバイスを備えるゲーム装置のコンピュータに、 前記ポインティングデバイスを通じて入力される前記表示画面上の位置を示す座標値を逐次検出する座標検出ステップと、 前記座標検出ステップによって検出された座標値群に基づいて、前記表示画面上に表示され、プレイヤが操作中である第1のオブジェクトの移動方向を示すベクトルデータを算出するベクトルデータ算出ステップと、 前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除されたときに、前記ベクトルデータの示す移動方向に、前記表示画面上に表示される第2のオブジェクトが存在するか否かを判別する移動先オブジェクト判別ステップと、 前記移動先オブジェクト判別ステップが、前記ベクトルデータの示す移動方向に第2のオブジェクトが存在すると判別したときに、プレイヤが操作していた第1のオブジェクトと当該第2のオブジェクトとの何れか一方が他方に対して所定の動作を行うよう当該一方を制御する動作制御ステップとを実行させる、ゲームプログラム。 【請求項11】 前記移動先オブジェクト判別ステップは、前記第1のオブジェクトが前記ポインティングデバイスにより操作されている状態が解除されたときで、且つ、前記ベクトルデータに関するプレイヤの入力操作にかかった速度が所定の値以上のときにのみ、前記ベクトルデータの移動方向の先に第2のオブジェクトが存在するか否かを判別することを特徴とする、請求項10記載のゲームプログラム。 【請求項12】 請求項1から11のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶した記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたゲームプログラムを実行するプログラム実行手段とを備えたゲーム装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2019-10-30 |
結審通知日 | 2019-11-05 |
審決日 | 2019-11-18 |
出願番号 | 特願2005-128133(P2005-128133) |
審決分類 |
P
1
41・
857-
Y
(A63F)
P 1 41・ 851- Y (A63F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 植野 孝郎 |
特許庁審判長 |
尾崎 淳史 |
特許庁審判官 |
藤本 義仁 吉村 尚 |
登録日 | 2009-02-20 |
登録番号 | 特許第4262217号(P4262217) |
発明の名称 | ゲームプログラム及びゲーム装置 |
代理人 | 井上 義隆 |
代理人 | 新藤 圭介 |
代理人 | 金本 恵子 |
代理人 | 三村 量一 |
代理人 | 新藤 圭介 |
代理人 | 安井 友章 |
代理人 | 三村 量一 |
代理人 | 加藤 真司 |
代理人 | 金本 恵子 |
代理人 | 加藤 真司 |
代理人 | 鈴木 守 |
代理人 | 井上 義隆 |
代理人 | 福原 裕次郎 |
代理人 | 福原 裕次郎 |
代理人 | 鈴木 守 |
代理人 | 安井 友章 |