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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01L
管理番号 1358593
異議申立番号 異議2019-700311  
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-19 
確定日 2019-11-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6413646号発明「静電チャック装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6413646号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕について訂正することを認める。 特許第6413646号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6413646号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成26年10月31日に出願され、平成30年10月12日にその特許権の設定登録がされ、同年10月31日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許について、平成31年4月19日に特許異議申立人坂岡範穗により特許異議の申立てがされ、当審は、令和元年6月26日(6月28日発送)に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年8月27日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、当審は、その訂正の請求に対し、同年8月29日(9月2日発送)に特許異議申立人坂岡範穗に訂正の請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)をし、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許異議申立人坂岡範穗からは何の応答もない。

2 訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有する高分子材料層とを含み、」とあるのを、「前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有し、該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層とを含み、」に訂正する(請求項1を引用する請求項2?8も同様に訂正する。)。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する静電チャック装置」とあるのを、「それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する静電チャック装置であって、
前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有し、
前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である、静電チャック装置。」に訂正する(請求項1を引用する請求項2?8も同様に訂正する。)。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び一群の請求項について
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的の適否
訂正前の請求項1に係る特許発明では、「高分子材料層」が「セラミックス基材と支持体とを接合する」ことについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正事項1は、請求項1において、高分子材料層が、「該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の有無
訂正事項1は、明細書の段落【0021】に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、訂正後の請求項1に係る発明並びに訂正後の請求項1を引用する訂正後の請求項2?8に係る発明の技術的範囲を狭めるものであるにとどまり、それらのカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的の適否
訂正前の請求項1に係る特許発明では、「高分子材料層」が有する「接合線」、及び「高分子材料層」における、「接合領域」の幅の長さと「高分子材料層」の厚さとの関係については何ら特定されていない。
これに対して、訂正事項2は、請求項1に、「静電チャック装置であって、前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有し、前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である、」との記載を追加することにより、「高分子材料層」が、「該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有」すること、及び「前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」ことを限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の有無
訂正事項2は、明細書の段落【0023】、【0025】及び図面の図1、2に基づいて導き出される構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、請求項1?8に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

ウ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件においては、訂正前の全ての請求項1?8に係る特許が特許異議の申立ての対象とされているため、訂正事項1?2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。

エ 一群の請求項について
訂正事項1?2に係る訂正前の請求項1?8について、訂正前の請求項2?8は直接又は間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1?2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1?8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当する。
よって、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、また、同法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合する。また、本件訂正請求は、同法第120条の5第4項の規定に適合する。
したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?8〕について訂正することを認める。

3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし8に係る発明(以下、順に「本件発明1」ないし「本件発明8」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
面方向および厚さ方向を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に対して、前記セラミックス基材の厚さ方向に配置され、前記セラミックス基材を支持する支持体と、
前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有し、該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層とを含み、
前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され、
前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層が、それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する静電チャック装置であって、
前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有し、
前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である、静電チャック装置。
【請求項2】
前記高分子材料層の厚さが40?500μmである請求項1に記載の静電チャック装置。
【請求項3】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層のヤング率に比べて低いヤング率を有する請求項1又は2に記載の静電チャック装置。
【請求項4】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層のプラズマに対する耐食性が、前記第2の高分子材料層のプラズマに対する耐食性に比べて高い請求項1?3のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項5】
前記高分子材料層の前記支持体側の面における前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層の接合線が、前記高分子材料層の前記セラミックス基材側の面における前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層の接合線に比べて、前記高分子材料層の面方向の中心側にある、請求項4に記載の静電チャック装置。
【請求項6】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層の熱伝導率が前記第2の高分子材料層の熱伝導率と異なる請求項1?5のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項7】
前記第1の高分子材料層が樹脂およびフィラーを含み、
前記第2の高分子材料層が、前記第1の高分子材料層の樹脂と同一の樹脂、ならびに前記第1の高分子材料層の前記フィラーと種類が異なるフィラー、または前記第1の高分子材料層における前記フィラーの含有量と異なる含有量の前記フィラーを含む請求項1?6のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項8】
前記セラミックス基材の中に、前記セラミックス基材および前記高分子材料層の間に、または前記高分子材料層および前記支持体の間に、前記セラミックス基材を加熱する加熱部材を含む請求項1?7のいずれか1項に記載の静電チャック装置。」

4 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
訂正前の請求項1?8に係る特許に対して、当審が令和元年6月26日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

1.(新規性)請求項1、2、6、及び8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証(特開2014-165267号公報)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、2、6、及び8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
2.(サポート要件)請求項1?8に係る特許は、明細書又は特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

(2)甲号証の記載
ア 甲第1号証(特開2014-165267号公報)の段落【0041】、【0045】、【0047】、【0056】ないし【0059】、【0073】、【0076】、【0081】、【0092】、【0093】及び【図1】、【図2】、【図6】、【図7】、【図9】の記載からみて、甲第1号証には以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「静電チャック1は、上側にて半導体ウェハ3を吸着する装置であり、第1主面(吸着面)5及び第2主面(接合面)7を有する(例えば直径300mm×厚み3mmの)円盤状のセラミック絶縁板9と、第1主面(接合面)11及び第2主面(裏面)13を有する(例えば直径340mm×厚み20mmの)円盤状の金属ベース(クーリングプレート)15とを、2重構造の複合接着剤層17を介して接合したものであって、
前記セラミック絶縁板9は、その内部において、吸着面5の下方には、例えば平面形状が半円状の一対の吸着電極41、43が形成され、吸着電極41、43の下方には、例えば同一平面にて軸中心を回るように螺旋状に巻き回されたヒータ(発熱体)45が形成され、
金属ベース15の接合面11に、セラミック絶縁板9が重ね合わされる外周円89に沿って、その内側に、全周にわたって所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の外部ダム91が形成され、また、下貫通孔87の開口部87aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第1内部ダム93が形成され、更に、端子用貫通孔88の開口部88aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第2内部ダム95が形成され、
そして、これらの各ダム91?95は、熱硬化型接着剤である例えばシリコーン接着剤をスクリーン印刷し、塗布部を100℃程度で乾燥させて硬化させて形成したものであり、
更に、外部ダム91と第1、第2内部ダム93、95とで囲まれた領域S、すなわち、(接合面11の平面方向において)外部ダム91の内側と第1、第2内部ダム93、95の外側との間の閉鎖された領域Sには、各ダム91?95と同様な熱硬化型接着剤をスクリーン印刷し、金属ベース15の接合面11側からセラミック絶縁板9を押し当て、次に、セラミック絶縁板9に荷重をかけて押圧し、大気雰囲気にて100℃程度に加熱し、熱硬化型接着剤を乾燥硬化させて、接着剤層97を形成したものであり、
セラミック絶縁板9と金属ベース15との間の複合接着剤層17は、外部ダム91及び第1、第2内部ダム93、95と接着剤層97とから構成されている、即ち、複合接着剤層17は、環状の各ダム91?95とそれらの間の領域Sの接着剤層97との2重構造となっており、
外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とは面方向に隣接し区画されており、
金属ベース15の接合面11の領域Sに、熱硬化型接着剤をスクリーン印刷して領域塗布部Saを形成する場合には、その厚みを、各ダム91、93、95の厚みよりも大きくし(例えば50μm程度厚くする)、
熱硬化型接着剤をセラミック絶縁板9で押圧する際に、領域塗布部Saの厚さが各ダム91、93、95の厚さよりも大きいので、余剰の熱硬化型接着剤が僅かに各ダム91、93、95の上部(先端)を乗り超えて、オーバーフロー層101が形成されており、
外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とはオーバーフロー層101の領域で、厚さ方向で重なる部分を有し、
ダム91?95の先端と対向する接合面7との間に、熱硬化型接着剤からなるオーバーフロー層101が形成されているので、セラミック絶縁板9と金属ベース15との密着性(従って接着性)が高いという利点があり、
さらに、前記ダムや接着剤層を構成する接着剤としては、同じ熱的特性(例えば熱伝導率)や機械的特性(例えばヤング率)などの特性を有する同種の接着剤を使用できるが、それらの特性が異なる別種の接着剤を使用してもよく、
また、ダムの熱伝導率と接着剤層の熱伝導率とが異なるように、異なる材料(接着剤)を用いてよく、ダムと接着剤層の熱伝導率が異なるようにすることによって、吸着面における熱的特性を任意に変更することができ、これによって、接合面の開口部に、セラミック絶縁体の外周部や端子部などにより熱的に特異領域となる場合であっても、熱的な特異領域を調整できるという利点がある、
静電チャック1。」

イ 甲第1号証の段落【0041】、【0045】、【0047】、【0056】ないし【0059】、【0068】ないし【0077】、【0081】、【0082】、【0092】ないし【0094】及び【図1】、【図2】、【図6】、【図7】、【図9】の記載からみて、甲第1号証には以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「静電チャック1は、上側にて半導体ウェハ3を吸着する装置であり、第1主面(吸着面)5及び第2主面(接合面)7を有する(例えば直径300mm×厚み3mmの)円盤状のセラミック絶縁板9と、第1主面(接合面)11及び第2主面(裏面)13を有する(例えば直径340mm×厚み20mmの)円盤状の金属ベース(クーリングプレート)15とを、接着剤層97を介して接合したものであって、
前記セラミック絶縁板9は、その内部において、吸着面5の下方には、例えば平面形状が半円状の一対の吸着電極41、43が形成され、吸着電極41、43の下方には、例えば同一平面にて軸中心を回るように螺旋状に巻き回されたヒータ(発熱体)45が形成され、
金属ベース15の接合面11に、セラミック絶縁板9が重ね合わされる外周円89に沿って、その内側に、全周にわたって所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の外部ダム91が形成され、また、下貫通孔87の開口部87aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第1内部ダム93が形成され、更に、端子用貫通孔88の開口部88aを囲むように、所定幅(例えば2mm)で所定厚み(例えば250μm)の円環状の第2内部ダム95が形成され、
そして、これらの各ダム91?95は、熱硬化型接着剤である例えばシリコーン接着剤をスクリーン印刷し、塗布部を100℃程度で乾燥させて硬化させて形成したものであり、
更に、外部ダム91と第1、第2内部ダム93、95とで囲まれた領域S、すなわち、(接合面11の平面方向において)外部ダム91の内側と第1、第2内部ダム93、95の外側との間の閉鎖された領域Sには、各ダム91?95と同様な熱硬化型接着剤をスクリーン印刷し、金属ベース15の接合面11側からセラミック絶縁板9を押し当て、次に、セラミック絶縁板9に荷重をかけて押圧し、大気雰囲気にて100℃程度に加熱し、熱硬化型接着剤を乾燥硬化させて、接着剤層97を形成したものであり、
外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とは面方向に隣接し区画されており、
ダム91?95は、例えばシリコーン樹脂からなり、押圧によって変形可能な弾性(例えばヤング率が1.5MPa)を有しているので、接合時に、セラミック絶縁板9が押圧されると、その押圧力によってダム91?95も柔軟に変形して、ダム91?95の先端の相手側の接合面7と密着し、
さらに、前記ダムや接着剤層を構成する接着剤としては、同じ熱的特性(例えば熱伝導率)や機械的特性(例えばヤング率)などの特性を有する同種の接着剤を使用できるが、それらの特性が異なる別種の接着剤を使用してもよく、
また、ダムの熱伝導率と接着剤層の熱伝導率とが異なるように、異なる材料(接着剤)を用いてよく、ダムと接着剤層の熱伝導率が異なるようにすることによって、吸着面における熱的特性を任意に変更することができ、これによって、接合面の開口部に、セラミック絶縁体の外周部や端子部などにより熱的に特異領域となる場合であっても、熱的な特異領域を調整できるという利点があり、
オーバーフロー層を形成しないように、領域Sに塗布する接着剤の厚みを設定した、静電チャック1であって、
前記ダム91?95の先端と対向する接合面72の間に、熱硬化型接着剤からなるオーバーフロー層が形成されていないので、前記引用発明1の静電チャック1と比べて、セラミック絶縁板9と金属ベース15との接着性が低い、
静電チャック1。」

(3)当審の判断
ア 理由1(新規性:特許法第29条第1項第3号)について
(ア)本件発明1について
a 引用発明1に対する新規性について
本件発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「セラミック絶縁板9」、「金属ベース15」、「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95」、「接着剤層97」、「静電チャック1」はそれぞれ本件発明1の「セラミックス基材」、「支持体」、「第1の高分子材料層」、「第2の高分子材料層」、「静電チャック装置」に相当する。

また、引用発明1において、「各ダム91?95は、熱硬化型接着剤である例えばシリコーン接着剤をスクリーン印刷し、塗布部を100℃程度で乾燥させて硬化させて形成したもの」であるところ、シリコーン接着剤は高分子材料からなるから、引用発明1の「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95」と「接着剤層97」を併せたものは、本件発明1の「高分子材料層」に相当する。

また、引用発明1において、「セラミック絶縁板9」と、「金属ベース(クーリングプレート)15」とは、「2重構造の複合接着剤層17を介して接合したもの」であって、「セラミック絶縁板9と金属ベース15との間の複合接着剤層17は、外部ダム91及び第1、第2内部ダム93、95と接着剤層97とから構成されている」であるから、本件発明1と引用発明1とは、「前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有し、該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層」を含む点で一致する。

ここで、上記(2)アのとおり、引用発明1において、「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とは面方向に隣接し区画されて」おり、本件発明1と引用発明1とは、「前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され」ている点で一致する。
更に、引用発明1において、「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とはオーバーフロー層101の領域で、厚さ方向で重なる部分を有する」ものであり、本件発明1と引用発明1とは、「前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層が、それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する」点で一致する。

したがって、本件発明1と引用発明1との一致点と相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「面方向および厚さ方向を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に対して、前記セラミックス基材の厚さ方向に配置され、前記セラミックス基材を支持する支持体と、
前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有し、該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層とを含み、
前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され、
前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層が、それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する、静電チャック装置。」

<相違点>
<相違点1>
高分子材料層について、本件発明1では、「前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有」するのに対し、引用発明1では、そのような特定はなされていない点。

<相違点2>
高分子材料層において、本件発明1では、「前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」のに対し、引用発明1では、そのような特定はなされていない点。

すなわち、引用発明1は、本件発明1の発明を特定する事項である、
「前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有」する点、及び「前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」点について特定されていない。

また、上記(2)アのとおり、引用発明1は、「熱硬化型接着剤をセラミック絶縁板9で押圧する際に、領域塗布部Saの厚さが各ダム91、93、95の厚さよりも大きいので、余剰の熱硬化型接着剤が僅かに各ダム91、93、95の上部(先端)を乗り超えて、オーバーフロー層101が形成され」ているものであるところ、「接合線」は、「支持体(金属ベース(クーリングプレート)15)」側の面にのみ有されるものであるといえるから、甲第1号証に、本件発明1の「前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線」を有する構成が示唆されているということもできない。

したがって、本件発明1が引用発明1であるということも、甲第1号証に記載された発明であるということもできない。

b 引用発明2に対する新規性について
本件発明1と引用発明2とを対比する。
(a)引用発明2の「セラミック絶縁板9」、「金属ベース15」、「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95」、「接着剤層97」、「静電チャック1」はそれぞれ本件発明1の「セラミックス基材」、「支持体」、「第1の高分子材料層」、「第2の高分子材料層」、「静電チャック装置」に相当する。

(b)また、引用発明2において、「各ダム91?95は、熱硬化型接着剤である例えばシリコーン接着剤をスクリーン印刷し、塗布部を100℃程度で乾燥させて硬化させて形成したもの」であるところ、シリコーン接着剤は高分子材料からなるから、引用発明2の「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95」と「接着剤層97」を併せたものは、本件発明1の「高分子材料層」に相当する。
そして、引用発明2において、「更に」、「領域Sには、各ダム91?95と同様な熱硬化型接着剤をスクリーン印刷し、金属ベース15の接合面11側からセラミック絶縁板9を押し当て、次に、セラミック絶縁板9に荷重をかけて押圧し、大気雰囲気にて100℃程度に加熱し、熱硬化型接着剤を乾燥硬化させて、接着剤層97を形成したもの」であり、ダム91?95は、「接合時に、セラミック絶縁板9が押圧されると、その押圧力によってダム91?95も柔軟に変形して、ダム91?95の先端の相手側の接合面7と密着」するものであるところ、接着剤層97の形成の際に「大気雰囲気にて100℃程度に加熱」しても、ダム91?95は、その押圧力によって変形して、密着するものの、各ダム91?95を形成する熱硬化型接着剤は、既に100℃程度の熱により硬化済みで、接着する能力を失っていることから、各ダム91?95が、セラミック絶縁板9と金属ベース15とを「接合」することはない。このことは、引用発明2の接着性が引用発明1の接着性よりも低いとされていることからも明らかである。
すなわち、引用発明2において、セラミック絶縁板9と金属ベース15とを接合する機能を有する層は、「接着剤層97」のみである。
そして、引用発明2において、「セラミック絶縁板9」と、「金属ベース(クーリングプレート)15」とを、「接着剤層97を介して接合し」ているから、「接着剤層97」は、「セラミック絶縁板9」と、「金属ベース(クーリングプレート)15」との間に配置されているといえる。
また、引用発明2において、「金属ベース15の接合面11」に「外部ダム91が形成され」、「第1内部ダム93が形成され」、「第2内部ダム95が形成され」、「ダム91?95」は、「接合時に、セラミック絶縁板9が押圧されると、その押圧力によってダム91?95も柔軟に変形して、ダム91?95の先端の相手側の接合面7と密着」するものであるから、「各ダム91?95」も、「セラミック絶縁板9」と、「金属ベース(クーリングプレート)15」との間に配置されているといえる。
以上から、本件発明1と引用発明2とは、「前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有する高分子材料層」を含む点で一致する。

(c)また、上記(2)イのとおり、引用発明2では、「外部ダム91または第1内部ダム93または第2内部ダム95と、接着剤層97とは面方向に隣接し区画されて」おり、本願発明1と引用発明2とは、「前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され」いる点で一致する。

(d)また、この構造を有する装置が、「前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有」する構造を備えることは自明であるから、本願発明1と引用発明2とは、「前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有」する点で一致する。

したがって、本件発明1と引用発明2との一致点と相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「面方向および厚さ方向を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に対して、前記セラミックス基材の厚さ方向に配置され、前記セラミックス基材を支持する支持体と、
前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有する高分子材料層とを含み、
前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され、
前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層が、それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する静電チャック装置であって、
前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有する、静電チャック装置。」

<相違点>
<相違点3>
高分子材料層において、本件発明1では、「前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」のに対し、引用発明2では、そのような特定はなされていない点。

<相違点4>
第1の高分子材料層および第2の高分子材料層に少なくとも区画される高分子材料層について、本件発明1では、「該セラミックス基材と該支持体とを接合する」ものであるのに対し、引用発明2では、各ダム91?95は、セラミック絶縁板9に密着はするものの、セラミック絶縁板9と金属ベース15とを接合するものではない点。

すなわち、引用発明2は、本件発明1の発明を特定する事項である、
「前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」点、及び第1の高分子材料層および第2の高分子材料層に少なくとも区画される高分子材料層が、「該セラミックス基材と該支持体とを接合する」ものである点について特定されていない。

次に、甲第1号証に、本件発明1が示唆されているといえるか否かについて検討する。
甲第1号証には、以下のように記載されている。
「【0068】
<セラミック絶縁板9と金属ベース15との接合方法>
(1)図7(a)に模式的に示すように、上述した各ダム(外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95)の平面形状(ダムパターン)に対応した開口部87a、88aを有するスクリーンマスクを用い、金属ベース15の接合面11に、所定の粘度を有するペースト状の前記熱硬化型接着剤をスクリーン印刷する。なお、この粘度は、塗布後に自身の形状を保持することができる程度の粘度(例えば150Pa・s)である。
【0069】
これにより、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95の形成位置に、複数の環状のダムパターンの塗布部91a、93a、95a(図8(a)の濃いグレー部分参照)が形成される。即ち、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95の形成位置に、塗布部91a、93a、95aが形成される。
【0070】
(2)次に、図7(b)に示す様に、この塗布部91a、93a、95aを、100℃程度で乾燥させて硬化させる。これにより、外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95(図8(b)参照)が形成される。」

上記(2)イのとおり、引用発明2は、「ダム91?95は、例えばシリコーン樹脂からなり、押圧によって変形可能な弾性(例えばヤング率が1.5MPa)を有しているので、接合時に、セラミック絶縁板9が押圧されると、その押圧力によってダム91?95も柔軟に変形して、ダム91?95の先端の相手側の接合面7と密着する。」ものであるところ、上記のように、甲第1号証には、「各ダム(外部ダム91、第1、第2内部ダム93、95)」は所定の粘度(塗布後に自身の形状を保持することができる程度の粘度)を有するペースト状の熱硬化型接着剤をスクリーン印刷によって塗布することによって形成する旨が記載されているから、技術常識を勘案すると、塗布後のダムの断面形状は、上に凸の山形となること認められるものの、「前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である」という構成が示唆されているとまではいえない。
したがって、甲第1号証に、上記相違点3に係る本件発明1の構成が示唆されているとはいえない。
更に、甲第1号証に、上記相違点4に係る本件発明1の構成は、記載も示唆もされていない。

よって、本件発明1が引用発明2であるということも、甲第1号証に記載された発明であるということもできない。

(イ)本件発明2、6、及び8について
本件発明2、6、及び8は、いずれも本件発明1を更に限定したものである。
したがって、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、本件発明2、6、及び8は、甲第1号証に記載された発明であるということはできない。

(ウ)特許法第29条第1項第3号についてのまとめ
よって、本件発明1、2、6、及び8は、甲第1号証に記載された発明であるということはできない。

以上のとおりであるから、本件発明1、2、6、及び8は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないので、本件発明1、2、6、及び8に係る特許は、特許法第29条の規定に違反していない特許出願に対してされたものであり、取消理由通知に記載した理由1によっては、本件発明1、2、6、及び8に係る特許を取り消すことができない。

イ 理由2(サポート要件:特許法第36条第6項第1号)について
取消理由通知の理由2(サポート要件)では、下記の点を指摘した。

「(4)そうすると、特許請求の範囲の請求項1に係る「前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有する高分子材料層」という構成は、「セラミックス基材と支持体とを接合するための樹脂接合層」と言い得るものではないので、課題解決のための必要な前提条件を欠くものであり、発明の詳細な説明に記載された課題解決手段が反映されているとは認められない。
すなわち、本件特許発明1は、「第1の高分子材料層」及び「第2の高分子材料層」が、「セラミックス基材」と「支持体」を接合せずに、単に、「セラミックス基材」及び「支持体」の間に配置されるだけの構造を有する静電チャック装置を包含するが、そのような構造を有する静電チャック装置が、本件特許明細書に記載された課題を解決することができるとは認められない。
また、請求項1を引用する請求項2ないし8に係る発明も同様である。」、
「(5)したがって、特許請求の範囲の請求項1ないし8の記載は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載及び本件特許の出願当時の技術常識に照らして、当業者が本件特許明細書に記載された本件特許発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えており、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」

この点について、上記2(1)アの訂正事項1により、請求項1において、高分子材料層が、「該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層」と限定された。
これにより、請求項1ないし8の記載は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載及び本件特許の出願当時の技術常識に照らして、当業者が本件特許明細書に記載された本件特許発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものとなった。
よって、請求項1ないし8の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たす。

以上のとおりであるから、本件発明1ないし8に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている特許出願に対してされたものであり、取消理由通知の理由2によっては、本件発明1ないし8に係る特許を取り消すことができない。

5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項1ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面方向および厚さ方向を有するセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に対して、前記セラミックス基材の厚さ方向に配置され、前記セラミックス基材を支持する支持体と、
前記セラミックス基材および前記支持体の間に配置され、面方向および厚さ方向を有し、該セラミックス基材と該支持体とを接合する高分子材料層とを含み、
前記高分子材料層は、第1の高分子材料層および該第1の高分子材料層と異なり該第1の高分子材料層と面方向に隣接し、該第1の高分子材料層と接合する第2の高分子材料層に少なくとも区画され、
前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層が、それらの接合領域で、厚さ方向で重なる部分を有する静電チャック装置であって、
前記高分子材料層は、該高分子材料層が有する、前記セラミックス基材側の面および前記支持体側の面のそれぞれの面に、区画された前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合している接合線を有し、
前記高分子材料層における、前記第1の高分子材料層と前記第2の高分子材料層とが接合する前記接合領域の幅の長さを該高分子材料層の厚さで割り算した値が、0.5?50である、静電チャック装置。
【請求項2】
前記高分子材料層の厚さが40?500μmである請求項1に記載の静電チャック装置。
【請求項3】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層のヤング率に比べて低いヤング率を有する請求項1又は2に記載の静電チャック装置。
【請求項4】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層のプラズマに対する耐食性が、前記第2の高分子材料層のプラズマに対する耐食性に比べて高い請求項1?3のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項5】
前記高分子材料層の前記支持体側の面における前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層の接合線が、前記高分子材料層の前記セラミックス基材側の面における前記第1の高分子材料層および前記第2の高分子材料層の接合線に比べて、前記高分子材料層の面方向の中心側にある、請求項4に記載の静電チャック装置。
【請求項6】
前記高分子材料層が面方向の円形であり、円形の前記第2の高分子材料層が面方向の中心部に配置され、
前記高分子材料層の面方向の中心に対して、前記第1の高分子材料層が前記第2の高分子材料層の外側に配置されてなり、
前記第1の高分子材料層の熱伝導率が前記第2の高分子材料層の熱伝導率と異なる請求項1?5のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項7】
前記第1の高分子材料層が樹脂およびフィラーを含み、
前記第2の高分子材料層が、前記第1の高分子材料層の樹脂と同一の樹脂、ならびに前記第1の高分子材料層の前記フィラーと種類が異なるフィラー、または前記第1の高分子材料層における前記フィラーの含有量と異なる含有量の前記フィラーを含む請求項1?6のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
【請求項8】
前記セラミックス基材の中に、前記セラミックス基材および前記高分子材料層の間に、または前記高分子材料層および前記支持体の間に、前記セラミックス基材を加熱する加熱部材を含む請求項1?7のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-11-07 
出願番号 特願2014-222733(P2014-222733)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (H01L)
P 1 651・ 113- YAA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 儀同 孝信  
特許庁審判長 加藤 浩一
特許庁審判官 辻本 泰隆
恩田 春香
登録日 2018-10-12 
登録番号 特許第6413646号(P6413646)
権利者 住友大阪セメント株式会社
発明の名称 静電チャック装置  
代理人 大谷 保  
代理人 大谷 保  
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