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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05K
管理番号 1359565
異議申立番号 異議2019-700392  
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-05-14 
確定日 2020-01-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6425374号発明「セラミック配線基板」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6425374号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし4〕について訂正することを認める。 特許第6425374号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6425374号の請求項1ないし4に係る特許についての出願は、平成25年10月11日に出願され、平成30年11月2日にその特許権の設定登録がされ、同年11月21日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、令和1年5月14日に特許異議申立人関豊美子(以下「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。そして、同年7月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年9月20日付けで特許権者により意見書の提出及び訂正の請求がされ、異議申立人に対して同年10月10日付けで訂正請求があった旨の通知をしたが、異議申立人から何ら応答がなされなかったものである。

第2 訂正の適否
1.訂正の内容
令和1年9月20日付けの訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下の訂正事項のとおりである(下線は訂正部分を示す。)。

特許請求の範囲の請求項1に「前記第1面側電極パッドと前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群」と記載されているのを、「1つの前記第1面側電極パッドと1つの前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群」に訂正する。

2.訂正の適否についての判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1ないし4は、請求項2ないし4が訂正の対象である請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあるから一群の請求項であり、これら訂正前の請求項1ないし4に対応する訂正後の請求項1ないし4も一群の請求項である。
したがって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとにされたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項は、訂正前の請求項1の発明特定事項である「前記第1面側電極パッドと前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群」について、「1つの前記第1面側電極パッド」及び「1つの前記第2面側電極パッド」として、ビア導体群が接続する第1面側電極パッド及び第2面側電極パッドの数を限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件特許明細書の段落【0032】に「図1及び図2に示されるように、ビアアレイ28を構成する複数のビア導体27は、共通の第1面側電極パッド24及び第2面側電極パッド25に接続される。・・・」と記載され、図1には、1つの第1面側電極パッド24と1つの第2面側電極パッド25とが複数のビア導体27からなるビアアレイ28に接続される構成が記載されていることから、当該訂正事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項て準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。
さらに、当該訂正事項は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項て準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

なお、本件においては、訂正前の請求項1ないし4について特許異議申立がなされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

3.訂正の適否についてのむすび
以上のとおりであるから、本件訂正による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正を認める。

第3 特許異議の申立について
1.本件特許発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし4に係る発明(以下「本件特許発明1ないし4」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである(下線は訂正箇所を示す。)。

「【請求項1】
セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体と、前記第1面上に配置される第1面側電極パッドと、前記第2面上に配置される第2面側電極パッドと、1つの前記第1面側電極パッドと1つの前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群とを備え、前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される電力用半導体素子が前記第1面側に搭載可能なセラミック配線基板であって、
前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され、
前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなし、前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている
ことを特徴とするセラミック配線基板。
【請求項2】
前記仮想図形は、前記複数の頂点のうち全ての頂点の内角が鈍角となっていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板。
【請求項3】
前記ビア導体群を複数備え、
特定のビア導体群の前記仮想図形が有する前記複数の頂点と、前記特定のビア導体群に隣接するビア導体群の前記仮想図形が有する前記複数の頂点との距離のうち、内角が鈍角となる頂点同士の距離が最も短い
ことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック配線基板。
【請求項4】
同じビア導体群において、前記仮想図形を構成する複数の辺から延びる延長線同士の交差部分に、前記ビア導体が存在しない箇所が設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミック配線基板。」

2.取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
令和1年7月22日付けで通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

・請求項1、2及び4について、引用文献1(特許第4521984号公報(甲第1号証))

(2)引用文献の記載
引用文献1(特許第4521984号公報(甲第1号証))には、「積層型半導体装置および実装基板」に関して、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

ア.「【0028】
本発明の積層型半導体装置1は、配線基板3の上面に半導体素子5が設けられた半導体装置7を複数重ねて構成され、この積層型半導体装置1が、さらに外部回路基板9に接合され、実装基板11が構成されている。」

イ.「【0029】
この半導体装置7を構成している配線基板3は絶縁基板13の内部に導体層15を形成して構成され、また、その上面および下面には複数の接続パッド17が形成され、導体層15と接続パッド17とはビアホール導体19を介して接続され、さらに、配線基板3の上面の半導体素子5と接続パッド17とはワイヤ21によって接続されている。」

ウ.「【0030】
また、上から2層目以降の半導体装置7の配線基板3の上下面にも複数の接続パッド17が形成され、内部の導体層15とビアホール導体19を介してそれぞれ接続されている。
【0031】
そして、各配線基板3の接続パッド17は接続端子23によりそれぞれ相互に、機械的および電気的に接続されている。」

エ.「【0032】
また、複数の接続端子23の集合体である接続端子群25の外周部には、各配線基板3の接続パッド17には接続されているが、導体層15には接続されていない補助接続端子27が設けられ、機械的に上下の半導体装置7が接続されている。
・・・(中略)・・・
【0034】
これらの接続端子23は、図2(a)に示すように、半導体素子5を搭載した部分を除いて、配線基板3の下面に格子状に形成され、その接続端子群25は主面が四角形状の配線基板3の下面の外形に対応して四角形状とされ、その外周部に位置する配線基板3の主面の角部には、それぞれ補助接続端子27が設けられている。」

オ.「【0038】
また、この配線基板3上に設けられる半導体素子5は、図1に示したように、半導体素子5と配線基板3に形成された接続パッド17とをAl、Auなどのワイヤ21で接続するワイヤボンディング方式で接合され、封止樹脂によって気密封止されている。」

カ.「【0044】
(材料および製法)
本発明の半導体装置7における絶縁基板13の材質としては、アルミナ、ムライト等のセラミックス、あるいは低温焼成のガラスセラミックスなどの電気絶縁材料のいずれであっても良いが、積層型半導体装置1が実装された構造においては、部品相互の熱膨張差を緩和し、発生する応力を低減する上で絶縁基板13がガラスセラミックス焼結体からなることが望ましい。」

・上記ア.によれば、半導体素子5は、配線基板3の上面に設けられるものである。
・上記イ.及びカ.によれば、配線基板3は、材質がセラミックスの絶縁基板13で構成されるものである。
・上記ウ.によれば、複数の接続パッド17は、配線基板3の上下面に形成され、接続端子23により相互に電気的に接続されるものである。
・上記エ.及び図2(a)によれば、接続端子群25を構成する複数の接続端子23は、格子状に形成されるものである。また、接続端子群25は、四角形状であるが、その外周部に位置する配線基板3の主面の角部には、それぞれ補助接続端子27が設けられていることから、四隅に接続端子23が設けられていないものである。
・上記オ.及び図1によれば、半導体素子5は、Al、Au等のワイヤ21、導体層15及び複数のビアホール導体19を介して複数の接続パッド17と接続されるものである。
・図1によれば、半導体装置1は、配線基板3と、複数の接続パッド17と、複数のビアホール導体19とを備えるものである。
・図1によれば、配線基板3は、上面及び下面を有する板状に形成されたものである。
・図1によれば、複数のビアホール導体19は、上面に形成される複数の接続パッド17と下面に形成される複数の接続パッド17とを接続するように配線基板3に形成されるものである。
・図1によれば、接続端子23は、ビアホール導体19に対応する位置に形成されるものである。

上記摘示事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「上面及び下面を有する板状に形成され、材質がセラミックスの絶縁基板13で構成される配線基板3と、
配線基板3の上下面に形成され、接続端子23により相互に電気的に接続される、複数の接続パッド17と、
上面に形成される複数の接続パッド17と下面に形成される複数の接続パッド17とを接続するように配線基板3に形成される、複数のビアホール導体19とを備え、
Al、Au等のワイヤ21、導体層15及び複数のビアホール導体19を介して複数の接続パッド17と接続される半導体素子5は、配線基板3の上面に設けられる、半導体装置1であって、
接続端子群25を構成する複数の接続端子23は、格子状に形成され、
該接続端子群25は、四角形状で、四隅に接続端子23が設けられておらず、
該接続端子23は、ビアホール導体19に対応する位置に形成される、
半導体装置1。」

(3)当審の判断
ア.請求項1に係る発明について
本件特許発明1と引用発明1とを対比する。

(ア)引用発明1の「上面」、「下面」、「材質がセラミックス」及び「配線基板3」は、本件特許発明1の「第1面」、「第2面」、「セラミック材料」及び「基板本体」にそれぞれ相当する。よって、引用発明1の「上面及び下面を有する板状に形成され、材質がセラミックスの絶縁基板13で構成される配線基板3」は、本件特許発明1の「セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体」に相当する。

(イ)引用発明1の「接続端子23により相互に電気的に接続される、複数の接続パッド17」は、接続パッド17が電気的に接続する電極と解されるから、引用発明1の「配線基板3の上下面に形成され、接続端子23により相互に電気的に接続される、複数の接続パッド17」は、本件特許発明1の「前記第1面上に配置される第1面側電極パッド」及び「前記第2面上に配置される第2面側電極パッド」に相当する。

(ウ)引用発明1の「上面に形成される複数の接続パッド17と下面に形成される複数の接続パッド17とを接続するように配線基板3に形成される、複数のビアホール導体19」と本件特許発明1とは、「前記第1面側電極パッドと」「前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群」である点で共通する。
ただし、引用発明1は、複数のビアホール導体19が上面に形成される複数の接続パッド17と下面に形成される複数の接続パッド17とを接続するものである。よって、ビア導体群の接続について、本件特許発明1は「1つの」前記第1面側電極パッドと「1つの」前記第2面側電極パッドとを接続するのに対し、引用発明1にはその旨の特定はされていない。

(エ)引用発明1の「Al、Au等のワイヤ21、導体層15及び複数のビアホール導体19を介して複数の接続パッド17と接続される半導体素子5」は、半導体素子5がワイヤ21及び導体層15を介して複数のビアホール導体19及び複数の接続パッド17と電気的に接続されると解される。よって、本件特許発明1と引用発明1とは、「前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される」「半導体素子」である点で共通するといえる。
ただし、半導体素子について、本件特許発明1は「電力用」半導体素子であるのに対し、引用発明1にはその旨の特定はされていない。

(オ)引用発明1の「半導体装置1」は、セラミックスの絶縁基板で構成される配線基板を備えるものであるから、本件特許発明1の「セラミック配線基板」に相当する。

(カ)引用発明1の「接続端子群25を構成する複数の接続端子23は、格子状に形成され、」「該接続端子23は、ビアホール導体19に対応する位置に形成される」ことは、複数のビアホール導体19が複数の接続端子23と同じ格子状に形成されるものと解されるから、本件特許発明1の「前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され」ることに相当する。

(キ)引用発明1の「該接続端子群25は、四角形状で、四隅に接続端子23が設けられて」いないことは、複数のビアホール導体19からなるビアホール導体群が接続端子群25と同じ四角形状で、四隅にビアホール導体19が設けられていないものと解される。これは、ビアホール導体群の最外周を構成するビアホール導体19の中心を線分で繋ぐことによって得られる図形が多角形状をなし、該図形の少なくとも1つの頂点の内角が鈍角になると認められる。よって、引用発明1の「該接続端子群25は、四角形状で、四隅に接続端子23が設けられて」いないことは、本件特許発明1の「前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなし、前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっていること」に相当する。

そうすると、本件特許発明1と引用発明1とは、
「セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体と、前記第1面上に配置される第1面側電極パッドと、前記第2面上に配置される第2面側電極パッドと、前記第1面側電極パッドと前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群とを備え、前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される半導体素子が前記第1面側に搭載可能なセラミック配線基板であって、
前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され、
前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなし、前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている
ことを特徴とするセラミック配線基板。」の点で一致し、
以下の点で相違する。

<相違点1>
ビア導体群の接続について、本件特許発明1は「1つの」前記第1面側電極パッドと「1つの」前記第2面側電極パッドとを接続するのに対し、引用発明1にはその旨の特定はされていない点。

<相違点2>
半導体素子について、本件特許発明1は「電力用」半導体素子であるのに対し、引用発明1にはその旨の特定はされていない点。

上記<相違点1>について検討する。
上記(ウ)のとおり、引用発明1は、複数のビアホール導体19が上面に形成される複数の接続パッド17と下面に形成される複数の接続パッド17とを接続するものである。しかしながら、引用文献1には、該複数のビアホール導体19が上面に形成される1つの接続パッド17と下面に形成される1つの接続パッド17とを接続することは記載も示唆もされていない。
また、半導体装置では、通常、複数の接続パッドがそれぞれ異なる信号に対応して設けられている。そして、複数のビアホール導体もそれぞれ異なる信号に対応して設けられている。よって、引用発明1において、異なる信号に対応して設けられる複数のビアホール導体19をあえて1つの接続パッド17に接続させるべき合理的な理由はなく、むしろ、そのような変更には阻害要因が存在するというべきである。
したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

イ.請求項2及び4に係る発明について
請求項2及び4に係る発明は、請求項1に係る発明に対して、さらに限定した構成を追加したものである。よって、上記「ア.」に示した理由と同様の理由により、請求項2及び4に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3.その他の特許異議申立理由について
(1)申立理由の概要
ア.理由1
訂正前の請求項1及び2に係る特許について、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。

イ.理由2
訂正前の請求項1ないし4に係る特許について、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(2)異議申立人が提示された各甲号証の記載
ア.甲第1号証(特許第4521984号公報 (引用文献1))
甲第1号証の記載事項及び引用発明1は、上記「2.(2)」に記載したとおりである。

イ.甲第2号証(特開2008-251850号公報)
甲第2号証には、「半導体装置および半導体装置の製造方法」に関して、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

(ア)「【0028】
図1において、本実施の形態1のHPAモジュール(半導体装置)100は配線基板1が封止樹脂2により封止されている。また、図2に示すように配線基板1は半導体素子3、4などが搭載された表面(第1の面)1aおよび表面1aの反対側に位置する裏面(第2の面)1bとを有している。半導体素子3、4は封止樹脂2により封止されている。」

(イ)「【0029】
また、配線基板1は例えばガラスセラミックなどの複数の絶縁層5が積層された(図2では4層)構造をなしており、各絶縁層5の表面にはHPAモジュール100に必要な回路を構成するため所望のパターンで形成された表面配線6が形成されている。また、配線基板1の裏面(第2の面)には所望のパターンで形成された裏面配線8が形成されている。」

(ウ)「【0030】
この表面配線6および裏面配線8には、配線基板1と半導体素子3、4などを電気的に接続する電極端子や、HPAモジュール100の外部接続端子も含まれる。
【0031】
また、各層の表面配線6は、ビア7によって電気的、あるいは熱的に接続されている。例えば、図2において、第2層目に配置された絶縁層(第1絶縁層)5aの表面に形成された表面配線(第1表面配線)6aは、第3層に配置されたの絶縁層(第2絶縁層)5bに形成された表面配線(第2表面配線)6bとビア7、またはサーマルビア9を介して接続されている。
【0032】
また、最下層に配置される絶縁層5cの表面配線6cは、絶縁層5cの裏面、すなわち配線基板1の裏面1bに形成された裏面配線8とビア7、または、サーマルビア9を介して接続されている。
・・・(中略)・・・
【0037】
このため、配線基板1の半導体素子3および半導体素子4を搭載する領域には、半導体素子3および半導体素子4に発生した熱を外部に放出するため、図2および図4に示すようにサーマルビア9が複数形成されている。
・・・(中略)・・・
【0039】
なお、サーマルビア9は、熱的連絡路としての機能の他、半導体素子3、4に基準電源電位を供給する電気的連絡路としての機能を有している場合もある。」

(エ)「【0040】
ここで、図4に示すように、本実施の形態1では配線基板1の半導体素子3、4(図1参照)などが搭載された表面1a(図2参照)におけるサーマルビア9の平面上の配置が、格子状に配列されている。詳しくは、半導体素子3、4が搭載面側に有する四辺のうち、互いに隣り合った第1の辺3a、4aおよび第2の辺3b、4bに沿って格子状に配列されている。
・・・(中略)・・・
【0043】
ところで、サーマルビア9の密度を低減すると、HPAモジュール100の放熱特性は低下するおそれがある。しかし、サーマルビア9を格子状に配列する場合、半導体素子3、4の最も発熱量が大きい箇所である半導体素子3、4の外縁部に対応するサーマルビア9の密度(すなわち、最外周に配列されたサーマルビア9の密度)は隣接ピッチを同一として千鳥状にサーマルビアを配置する場合と比較して同程度の密度で配置することができる。このため、HPAモジュール100の放熱特性の低下を抑制することが可能となる。」

・上記(ア)によれば、半導体素子3、4は、配線基板1の表面1aに搭載されるものである。
・上記(ア)及び図1によれば、配線基板1は、表面1a及び裏面1bを有する板状に形成されたものである。
・上記(イ)によれば、配線基板1は、ガラスセラミックが積層された構造をなすものである。
・上記(ウ)によれば、半導体素子3、4は、表面配線6及び裏面配線8に電気的に接続され、サーマルビア9から基準電源電位が供給されるものである。また、表面配線6及び裏面配線8は、電極端子を含むものである。
・上記(エ)の段落【0040】及び図4によれば、複数のサーマルビア9は、格子状に配列されるものである。
・図2によれば、半導体装置100は、配線基板1と、表面1aに形成された表面配線6と、裏面1bに形成された裏面配線8と、複数のサーマルビア9とを備えるものである。
・図2によれば、複数のサーマルビア9は、表面配線6aないし6cを介して、表面1aに形成された1つの表面配線6と裏面1bに形成された1つの裏面配線8とを接続するように配線基板1に形成されているといえる。

上記摘示事項及び図面を総合勘案すると、甲第2号証には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。

「表面1a及び裏面1bを有する板状に形成され、ガラスセラミックが積層された構造をなす配線基板1と、
前記表面1aに形成され、電極端子を含む表面配線6と、
前記裏面1bに形成され、電極端子を含む裏面配線8と、
表面配線6aないし6cを介して、前記表面1aに形成された1つの前記表面配線6と前記裏面1bに形成された1つの前記裏面配線8とを接続するように前記配線基板1に形成される、複数のサーマルビア9とを備え、
前記表面配線6及び前記裏面配線8に電気的に接続され、前記サーマルビア9から基準電源電位が供給される半導体素子3、4は、前記配線基板1の前記表面1aに搭載される、半導体装置100であって、
複数の前記サーマルビア9は、格子状に配列される、
半導体装置100。」

ウ.甲第3号証(特開2004-172260号公報 )
甲第3号証には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

(ア)「【0004】
しかし、前記BGA22および回路基板21の熱膨張差により生じる応力は、前記電極パッド25およびBGAボール24からなる複数の接続部のうち、図6(B)で外周部、特にコーナ付近において大きくなる。この結果、各コーナに位置する電極パッド25とBGAボール24との接続が損なわれるため、各コーナ付近の電気的接続は信頼性に欠ける、という問題があった。
かかる問題を解決するため、図6(C)に示すように、実装エリア22aの各コーナ付近に電極パッド25を設置しない回路基板21aも検討されている。しかしながら、各コーナに電極パッド25を設置しない部分を有しつつ、電子部品を実装するには、その当該電子部品の平面視おける寸法(実装エリア)を大きくする必要があり、比較的小型の電子部品には適用できない、という問題があった。
・・・(中略)・・・
【0014】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、配線基板(第1の配線基板)2に電子部品(ICチップ)10を実装した配線基板(第2の配線基板)1を示す。
配線基板2は、図1(A)に示すように、表面3および裏面4を有する基板本体2aと、その表面3に形成され且つ後述する配線層(内部配線)と導通された複数の導通用パッド6とを備えている。また、電子部品10は、平面視で正方形を呈し、図1(A)に示すように、その底面11に位置する図示しない外部端子に接続ボール14がハンダ付けにより個別に接続されている。
【0015】
図1(B),図2(A),(B)に示すように、配線基板2の基板本体2aは、平面視で正方形を呈する例えばガラス-セラミック(絶縁材)からなり、その表面3において一点鎖線で示す電子部品10の実装エリア12には、複数の導通用パッド6が格子状に配置され且つ平面視でほぼ矩形を呈する。また、実装エリア12の各コーナ付近(外側)には、隣接する導通用パッド6と同じピッチでダミーパッド8が配置されている。
配線基板2の基板本体2aは、ガラス-セラミック材料からなる複数のグリーンシートと、これらの間および最上層のグリーンシートの表面に配置した所定パターンのAg,Au,Cuなどを含むメタライズインクとを焼成したもので、図2(A),(B)に示すように、内部の配線層(内部配線)9a,9bと表面3の導通用パッド6およびダミーパッド8とを有する。かかる配線層9a,9bおよび導通用パッド6の間は、ビア導体7,7aを介して接続され、最下層の配線層9bから垂下したビア導体7bは基板本体2aの裏面4に露出している。」

(イ)「【0016】
図2(A),(B)に示すように、複数の導通用パッド6は、ビア導体7,7aを介して配線層9a,9bと接続されている。
一方、ダミーパッド8は、かかる配線層9a,9bやビア導体7とは接続されていないか、あるいは図示しないベタ状の導体層からなるグランド(接地)電極とのみ導通するように、内部配線との導通が制限されている。
図1(A),(B)に示すように、第1の配線基板2の表面3における複数の導通用パッド6の真上には、ハンダ16を介して予め電子部品10の底面11に位置する図示しない外部端子と接続された銅製の接続ボール14が固着される。
・・・(中略)・・・
【0018】
以上のような第1の配線基板2およびその表面3に電子部品10を実装した第2の配線基板1では、電子部品10の実装エリア12の各コーナ付近(外側)にダミーパッド8およびダミーボールからなるダミー接続部を配置している。かかるダミー接続部は、実装エリア12内で配線基板2と電子部品10との熱膨張差による応力を最も大きく受けるが、配線基板2と電子部品10との間の電気的接続をせず且つ上記応力を分散しつつ吸収する。
この結果、各コーナ付近以外に位置する導通用パッド6および接続ボール14からなる電気的接続部は、上記応力による影響を受けにくくなるため、これらを介して配線基板2と電子部品10との電気的接続を確保することができる。従って、第1の配線基板2およびその表面3に電子部品10を実装した第2の配線基板1の接続信頼性を保証することが可能となる。」

・上記(ア)の段落【0015】及び図1(B)によれば、複数の導通用パッドは、平面視でほぼ矩形を呈する実装エリアに格子状に配置されるが、該実装エリアの各コーナ付近にダミーパッドが配置されることから、各コーナ付近に導通用パッドが配置されていないものである。
・上記(イ)の段落【0016】及び図2(B)によれば、導通用パッドは、ビア導体に対応する位置に形成されるものである。

上記摘示事項及び図面を総合勘案すると、甲第3号証には、「ビア導体に対応する位置に形成され、平面視でほぼ矩形を呈する実装エリアに格子状に配置されるが、該実装エリアの各コーナ付近に配置されない複数の導通用パッド」の技術事項が記載されている。

(3)当審の判断
ア.理由1について
(ア)請求項1に係る発明について
本件特許発明1と引用発明1を対比すると、上記「2.(3)ア.」に記載したとおり、上記相違点1及び2で相違する。
したがって、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明ではない。

(イ)請求項2に係る発明について
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に対して、さらに限定した構成を追加したものである。よって、上記「(ア)」に示した理由と同様の理由により、請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明ではない。

イ.理由2について
(ア)請求項1に係る発明について
本件特許発明1と甲2発明とを対比する。

a.甲2発明の「表面1a」、「裏面1b」、「ガラスセラミック」及び「配線基板1」は、本件特許発明1の「第1面」、「第2面」、「セラミック材料」及び「基板本体」にそれぞれ相当する。よって、甲2発明の「表面1a及び裏面1bを有する板状に形成され、ガラスセラミックが積層された構造をなす配線基板1」は、本件特許発明1の「セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体」に相当する。

b.甲2発明の「前記表面1aに形成され、電極端子を含む表面配線6」及び「前記裏面1bに形成され、電極端子を含む裏面配線8」は、本件特許発明1の「前記第1面上に配置される第1面側電極パッド」及び「前記第2面上に配置される第2面側電極パッド」にそれぞれ相当する。

c.甲2発明の「前記表面1aに形成された1つの前記表面配線6と前記裏面1bに形成された1つの前記裏面配線8とを接続するように前記配線基板1に形成される、複数のサーマルビア9」は、本件特許発明1の「1つの前記第1面側電極パッドと1つの前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群」に相当する。

d.甲2発明の「前記表面配線6及び前記裏面配線8に電気的に接続され、前記サーマルビア9から基準電源電位が供給される半導体素子3、4」は、半導体素子3、4が表面配線6、裏面配線8及びサーマルビア9と電気的に接続されると解される。よって、本件特許発明1と甲2発明とは、「前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される」「半導体素子」である点で共通するといえる。
ただし、半導体素子について、本件特許発明1は「電力用」半導体素子であるのに対し、甲2発明にはその旨の特定はされていない。

e.甲2発明の「半導体装置100」は、ガラスセラミックが積層された構造をなす配線基板を備えるものであるから、本件特許発明1の「セラミック配線基板」に相当する。

f.甲2発明の「複数の前記サーマルビア9は、格子状に配列される」ことは、本件特許発明1の「前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され」ることに相当する。

g.甲2発明の「複数の前記サーマルビア9は、格子状に配列される」ことは、複数のサーマルビア9の最外周を構成するサーマルビア9の中心を線分で繋ぐことによって得られる図形が多角形状をなすものであると認められる。よって、本件特許発明1と甲2発明とは、「前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をな」す点で共通するといえる。
ただし、仮想図形について、本件特許発明1は「前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている」のに対し、甲2発明にはその旨の特定はされていない。

そうすると、本件特許発明1と甲2発明とは、
「セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体と、前記第1面上に配置される第1面側電極パッドと、前記第2面上に配置される第2面側電極パッドと、1つの前記第1面側電極パッドと1つの前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群とを備え、前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される半導体素子が前記第1面側に搭載可能なセラミック配線基板であって、
前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され、
前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなす
ことを特徴とするセラミック配線基板。」の点で一致し、
以下の点で相違する。

<相違点1>
半導体素子について、本件特許発明1は「電力用」半導体素子であるのに対し、引用発明1にはその旨の特定はされていない点。

<相違点2>
仮想図形について、本件特許発明1は「前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている」のに対し、甲2発明にはその旨の特定はされていない。

上記<相違点2>について検討する。
甲第3号証には、「ビア導体に対応する位置に形成され、平面視でほぼ矩形を呈する実装エリアに格子状に配置されるが、該実装エリアの各コーナ付近に配置されない複数の導通用パッド」の技術事項が記載されている。
ここで、甲第3号証の、実装エリアの各コーナ付近に配置されない複数の導通用パッドについて検討するに、当該複数の導通用パッドは、上記「(2)ウ.(ア)の段落【0004】及び(イ)の段落【0018】」によれば、電子部品(BGA)と配線基板(回路基板)の熱膨張差により生じる応力が導通用パッド(電極パッド)と接続ボール(BGAボール)からなる複数の接続部のうち、特にコーナ付近の接続部において大きくなり、この結果、各コーナに位置する導通用パッドと接続ボールとの接続が損なわれて各コーナ付近の電気的接続の信頼性が欠けるという問題を解決するためものであることが記載されている。してみると、甲2発明は、配線基板1と半導体素子3、4との接続を、導通用パッド及び接続ボールからなる複数の接続部で行うものではないので、甲2発明において上記のような問題が生じることはなく、甲2発明に甲第3号証に記載された技術事項を適用するべき合理的な動機付けが存在しない。
また、甲2発明は、上記「(2)イ.(エ)の段落【0043】」によれば、半導体装置100の放熱特性の低下を抑制するために、半導体素子3、4の最も発熱量が大きい箇所である半導体素子3、4の外縁部に対応するサーマルビア9の密度(最外周に配列されたサーマルビア9の密度)を低減させないようにしたものである。してみると、甲第3号証に記載された技術事項は、実装エリアの最外周のコーナ付近にビア導体を配置しないようにするものであるから、甲2発明に甲第3号証に記載された技術事項を適用することについて阻害要因があるといえる。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

この点について、異議申立人は、特許異議申立書にて「ビア導体群の最外周を構成するビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなし、複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている、とすることは、甲第3号証に記載されている(以下、『甲3記載事項』という)。そして、甲第3号証に記載されたものは、セラミックス材料からなる基板を用いた配線基板に関し、甲2発明と技術分野を一にするものであることから、甲3記載事項を甲2発明に適用することは、容易に想到し得るものである。」旨を主張している。
しかしながら、甲第3号証に記載された技術事項が甲2発明と技術分野を一にするものであったとしても、上記に記載したとおり、甲2発明に甲第3号証に記載された技術事項を適用するべき合理的な動機付けが存在せず、また、甲2発明に甲第3号証に記載された技術事項を適用することについて阻害要因があるといえるから、請求項1に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、異議申立人の上記主張は採用できない。

(イ)請求項2ないし4に係る発明について
請求項2ないし4に係る発明は、請求項1に係る発明に対して、さらに限定した構成を追加したものである。よって、上記「(ア)」に示した理由と同様の理由により、請求項2ないし4に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1ないし4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック材料を用いて第1面及び第2面を有する板状に形成される基板本体と、前記第1面上に配置される第1面側電極パッドと、前記第2面上に配置される第2面側電極パッドと、1つの前記第1面側電極パッドと1つの前記第2面側電極パッドとを接続する複数のビア導体からなるビア導体群とを備え、前記第1面側電極パッド、前記第2面側電極パッド及び前記複数のビア導体に電気的に接続される電力用半導体素子が前記第1面側に搭載可能なセラミック配線基板であって、
前記ビア導体群を構成する前記複数のビア導体が全体として格子状に配置され、
前記ビア導体群の最外周を構成する前記ビア導体の中心を線分で繋ぐことによって得られる仮想図形は、複数の頂点を有する多角形状をなし、前記複数の頂点のうち少なくとも1つの頂点の内角が鈍角となっている
ことを特徴とするセラミック配線基板。
【請求項2】
前記仮想図形は、前記複数の頂点のうち全ての頂点の内角が鈍角となっていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板。
【請求項3】
前記ビア導体群を複数備え、
特定のビア導体群の前記仮想図形が有する前記複数の頂点と、前記特定のビア導体群に隣接するビア導体群の前記仮想図形が有する前記複数の頂点との距離のうち、内角が鈍角となる頂点同士の距離が最も短い
ことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック配線基板。
【請求項4】
同じビア導体群において、前記仮想図形を構成する複数の辺から延びる延長線同士の交差部分に、前記ビア導体が存在しない箇所が設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミック配線基板。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-12-18 
出願番号 特願2013-213546(P2013-213546)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (H05K)
P 1 651・ 121- YAA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 ゆずりは 広行  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 佐々木 洋
須原 宏光
登録日 2018-11-02 
登録番号 特許第6425374号(P6425374)
権利者 日本特殊陶業株式会社
発明の名称 セラミック配線基板  
代理人 渥美 久彦  
代理人 渥美 久彦  

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