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審決分類 審判 査定不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) 取り消して特許、登録 H01B
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H01B
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 H01B
管理番号 1360384
審判番号 不服2019-2015  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-13 
確定日 2020-03-24 
事件の表示 特願2015-108914「酸化物超電導線材の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月28日出願公開、特開2016-225082、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成27年5月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 9月21日付け:拒絶理由通知
同 年11月26日 :意見書、手続補正書の提出
同 年12月14日付け:拒絶査定
平成31年 2月13日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 平成31年2月13日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成31年2月13日付けの手続補正を却下する。

[理由]
平成31年2月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、本件補正前には、

「 【請求項1】
テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、
前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、
前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、JIS規格のメッシュ番号16以上の番号で規定される目開きを有するフィルタ部と、
が設けられ、
前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタ部を通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成する、
酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項2】
テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、
前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、
前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、前記銅イオンを通過させ、且つ、前記水溶液中で析出する固体を通過させない目開きを有するフィルタ部と、
が設けられ、
前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタ部を通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成する、
酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項3】
前記銅塩はリン酸銅である、
請求項1または2記載の酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項4】
前記フィルタ部は、前記銅塩を包む袋体である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項5】
前記フィルタ部は、前記メッキ槽内で前記超電導線材本体と前記銅塩とを仕切る板状体である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。」

とあったのを、

「 【請求項1】
テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、
前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、
前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、前記銅イオンを通過させ、且つ、前記水溶液中で析出する固体を通過させない目開きを有するフィルタ部と、
が設けられ、
前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタ部を通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成する、
酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項2】
前記銅塩はリン酸銅である、
請求項1記載の酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項3】
前記フィルタ部の目開きは、JIS規格のメッシュ番号16以上の番号で規定される、
請求項1または2記載の酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項4】
前記フィルタ部は、前記銅塩を包む袋体である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項5】
前記フィルタ部は、前記メッキ槽内で前記超電導線材本体と前記銅塩とを仕切る板状体である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。」

と補正するものである(下線部は補正箇所を示す。)。

上記補正は、
(1)補正前の請求項1を削除すると共に、項番及び引用関係を整理(本件補正の請求項1及び2)し、
(2)新たに請求項3として、「前記フィルタ部の目開きは、JIS規格のメッシュ番号16以上の番号で規定される、請求項1または2記載の酸化物超電導線材の製造方法」を追加したものである。
このうち(1)については、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。
しかしながら、上記(2)については、新たな請求項を追加するものであるから、特許請求の範囲を限縮する補正ではない。そして、上記(2)の点は、請求項の削除、誤記の訂正、又は明瞭でない記載の釈明を目的としたものでないことも明らかであるから、特許法第17条の2第5項第1号ないし第4号に掲げるいずれを目的とする補正にも該当しない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本件発明について

平成31年2月13日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成30年11月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-03-09 
出願番号 特願2015-108914(P2015-108914)
審決分類 P 1 8・ 56- WY (H01B)
P 1 8・ 572- WY (H01B)
P 1 8・ 536- WY (H01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 財太  
特許庁審判長 井上 信一
特許庁審判官 石坂 博明
山田 正文
発明の名称 酸化物超電導線材の製造方法  
代理人 特許業務法人鷲田国際特許事務所  

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