• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06F
管理番号 1360500
異議申立番号 異議2019-700925  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-20 
確定日 2020-02-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第6517414号発明「ドキュメント作成支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6517414号の請求項に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6517414号の請求項1?5に係る特許についての出願は,平成30年8月24日に出願されたものであって,平成31年4月26日にその特許権の設定登録がされ,令和元年5月22日に特許掲載公報が発行された。その後,その特許に対し,令和元年11月20日に特許異議申立人アベイズム株式会社(以下,「申立人という。」)は,特許異議申立てを行った。その後,当審から,令和元年12月23日付けで申立人に対し審尋を行ったところ,申立人は,令和2年1月23日(差出日)に回答を行った。


第2 申立理由の概要

申立人は,下記甲1号証-1?甲1号証-8を提出して,請求項1?5に係る特許は特許法29条2項の規定に違反してなされたものであり,請求項1?5に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

証拠方法
甲第1号証-1:P/S マスター管理マニュアルM-3 Version 1-2
甲第1号証-2:ベース原稿生成マニュアルM-4Version 1-2
甲第1号証-3:OM制作編集マニュアルM-5 Version 1-2
甲第1号証-4:エディタ操作マニュアルM-6Version 1-2
甲第1号証-5:PDF生成マニュアルM-7 Version 1-2
甲第1号証-6:翻訳手配マニュアルM-9Version 1-0
甲第1号証-7:多言語編集マニュアル(エディタ操作マニュアル多言語編)M-10 Version 1-2
甲第1号証-8:システム管理マニュアル(システム管理者用)M-11 Version 1-1

なお,証拠説明書では,甲第1号証-1について,「二輪OM制作システムHondaRED」開発時の納品ドキュメント(M-3_PSマスター管理マニュアル_160219)」(原文ママ)と表記されているが,甲第1号証-1の表紙のタイトルの記載と異なる表記であり,他に,甲第1号証-1に請求人の表記方法が適切であることを裏付ける記載もないため,請求人の表記方法を採用することはできない。甲第1号証-2?甲第1号証-8についても,同様に,請求人の表記方法を採用することはできない。


第3 当審の判断

1 甲第1号証-1?甲第1号証-8について
回答書によると,甲第1号証-1?甲第1号証-8は,オンラインマニュアルの写しであり,実際に納品されたものである旨説明されており,これを否定する事情も見当たらないことから,甲第1号証-1?甲第1号証-8は,刊行物又は電気通信回線を通じて利用可能となったものである。

次に,甲第1号証-1?甲第1号証-8の公知日について検討をする。
甲第2号証は,2014年(平成26年)3月14日付けで,本田技研工業(株)が発行した注文書であり,品名欄に「二輪OM制作システム詳細設計,開発,検証,データ構」と記載されている。
甲第3号証は,2015年(平成27年)1月30日付けで,本田技研工業(株)が発行した納品書であり,品名欄に「二輪OM制作システム開発,データ構築,導入支援 一括」と記載されている。さらに,検収日が,2015年3月31日,取引先搬入日が,2015年3月31日であることが記載されている。
甲第4号証は,2015年(平成27年)12月18日付けで,本田技研工業(株)が発行した納品書であり,品名欄に「92期4Q分サポート費 その他」と記載されている。さらに,検収日が,2016年(平成28年)3月25日,取引先搬入日が,2016年3月25日であることが記載されている。
このように,甲第2号証?甲第4号証のそれぞれの品名欄に記載された品名は,甲第1号証-1?甲第1号証-8の表紙のタイトルの記載と異なるものであって,甲第1号証-1?甲第1号証-8が,甲第2号証?甲第4号証の納品書により納品されたものであることを認定することはできないから,甲第2号証?甲第4号証のみによって,甲第1号証-1?甲第1号証-8の公知日が特定されるものではない。
また,甲第1号証-1?甲第1号証-8には,これらのオンラインマニュアルについての納品の経緯を含め,公知日を推認させる記載はない。

以上より,甲第1号証-1?甲第1号証-8は,請求項1?5に係る特許についての特許出願前に頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能になったものであるということはできない。

したがって,請求項1?5の特許に係る発明は,甲第1号証-1?甲第1号証-8の記載事項から,その特許出願前に頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと判断をすることはできない。

2 審尋に対する申立人の回答について
当審の,甲第2号証?甲第4号証は,甲第1号証-1?甲第1号証-8の公知日を特定する証拠ではなく,これらによっては,甲第1号証-1?甲第1号証-8の公知日を特定することができない旨等の審尋に対して,申立人は,他の証拠を追加することなく,甲2号証,甲3号証,甲4号証は,甲1号証-1?甲1号証-8を全体として納品したときの納品書であり,その納品時期が甲2号証,甲3号証,甲4号証に記載されており,少なくとも本件特許出願日前であることが記載されている旨,及び,甲1号証-1?甲1号証8は,オンラインマニュアルの写しであって,公開公報のような公開日の記述はなく,出版物のような刊行日の記載はないが,実際に納品されたものであるので,納品書によって納品の日時が記述される旨を主張する。
しかしながら,上記1のとおり,甲第2号証?甲第4号証のみによって,甲第1号証-1?甲第1号証-8の公知日が特定されるものではなく,また,甲第1号証-1?甲第1号証-8からも納品の経緯は特定されないから,申立人の主張を採用することはできない。


第4 まとめ

したがって,特許異議申立ての理由及び証拠によっては,請求項1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に請求項1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2020-02-18 
出願番号 特願2018-157281(P2018-157281)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G06F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 成瀬 博之  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 松田 直也
相崎 裕恒
登録日 2019-04-26 
登録番号 特許第6517414号(P6517414)
権利者 グレイステクノロジー株式会社
発明の名称 ドキュメント作成支援システム  
代理人 梅澤 崇  
代理人 渡部 仁  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ