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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04W
管理番号 1360753
審判番号 訂正2019-390126  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-05-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-12-12 
確定日 2020-02-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6577087号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6577087号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6577087号は,平成30年5月2日(パリ条約による優先権主張2017年5月5日,米国)の出願であって,令和1年8月30日に特許権の設定登録がなされ,令和1年12月12日に本件訂正審判の請求がされたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は,特許第6577087号の明細書,特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付した訂正明細書,特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものであり,その訂正の内容は,次の訂正事項からなる。

1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1及び請求項18に「パケットデータユニット(PDU)」と記載されているのを,「プロトコルデータユニット(PDU)」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2乃至17も同様に訂正する)。(下線は,訂正箇所を示す。以下同様。)

2.訂正事項2
明細書の【0005】,【0038】,【0223】,【0256】にそれぞれ「パケットデータユニット(PDU)」と記載されているのを,「プロトコルデータユニット(PDU)」に訂正する。

3.訂正事項3
図29の2910に「パケットデータユニット(PDU)」と記載されているのを,「プロトコルデータユニット(PDU)」に訂正する。

第3 当審の判断

1.訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には,「第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)」と記載されている。
一方,願書に最初に添付された明細書の段落【0008】には,以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「特に,以下に説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは,本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてもよい。標準は,R2-1701542,Packet duplication in CA,RAN WG2 Meeting #97,R2-1702032,Data duplication in lower layers (HARQ),RAN WG2 Meeting #97,TR 38.913 V14.1.0,Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies,TS 36.300 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN), Overall description,Stage 2”, R2-1703731,Packet Duplication Operations,R2-1703529,Activating and deactivating packet duplication,TS 36.321 V14.0.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Medium Access Control (MAC) protocol specification”,TS 36.331 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Radio Resource Control (RRC),Protocol specification”,TS 36.322 V13.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Radio Link Control (RLC) protocol specification”,R2-1702642,“Duplication Impacts to PDCP”,及びTS 36.323 V11.2.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”を含む。上記に挙げた標準及び文書は,全体として参照により本明細書に明示的に援用される。」

ここで,段落【0008】に記載されている標準(3GGP規格)について検討する。

ア TS 36.300 V14.1.0
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった3GGP規格である
Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 14)([当審仮訳]:発展型汎用地上無線アクセス(E-UTRA)及び発展型汎用地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN);全体的説明;ステージ2(リリース14)),3GPP TS 36.300 V14.1.0 (2016-12),[online],2016年12月30日アップロード,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/36_series/36.300/36300-e10.zip>には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(ア)「3.2 Abbreviations
For the purposes of the present document, the abbreviations given in TR 21.905 [1] and the following apply. Anabbreviation defined in the present document takes precedence over the definition of the same abbreviation, if any, in TR 21.905 [1].
(中略)
PDU Protocol Data Unit」(第21頁第14行-第24頁第4行)

(当審仮訳:
3.2 略語
本ドキュメントの目的のために,TR21.905 [1]に与えられる略語及び以下が適用される。本ドキュメントにおいて定義される略語は,TR21.905 [1]において同じ略語がある場合,TR21.905[1]の同じ略語の定義よりも優先される。
(中略)
PDU プロトコルデータユニット
)

(イ)「6.2.2 PDU Structure
Figure 6.2.2-1 below depicts the RLC PDU structure where:
- The PDU sequence number carried by the RLC header is
independent of the SDU sequence number (i.e. PDCP sequence
number);
- A red dotted line indicates the occurrence of segmentation;
- Because segmentation only occurs when needed and concatenation
is done in sequence, the content of an RLC PDU can generally
be described by the following relations:
- {0; 1} last segment of SDU_(i) + [0; n] complete SDUs + {0; 1}
first segment of SDU_(i+n+1) ; or
- 1 segment of SDU_(i).


Figure 6.2.2-1: RLC PDU Structure
」(第75頁第19行-第75頁第27行)

(当審仮訳:
6.2.2 PDUストラクチャー
図6.2.2-1は以下にRLC PDU構造を示す。
- RLCヘッダによって搬送されるPDUシーケンス番号はSDUシーケンス番号
(すなわちPDCPシーケンス番号)とは無関係である。
- 赤色点線はセグメンテーションの発生を示す。
- セグメンテーションは必要とされる場合にのみ発生し,連結は順次行
われるので,RLC PDUの内容は,一般に,以下の関係によって記述す
ることができる。
- {0; 1} SDU_(i)の最後のセグメント + [0; n] 完全SDUs +
{0; 1} SDU_(i+n+1)の最初のセグメント。又は
- SDU_(i)の1セグメント。

(図は省略)
)

イ TS 36.322 V13.1.0
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった3GGP規格である
Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Radio Link Control (RLC) protocol specification (Release 13)([当審仮訳];発展型汎用地上無線アクセス(E-UTRA);無線リンク制御(RLC)プロトコル仕様(リリース13)),TS 36.322 V13.1.0 (2016-03),[online],2016年3月30日アップロード,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.322/36322-d10.zip>には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(ア)「3.2 Abbreviations
For the purposes of the present document, the following abbreviations apply:
(中略)
PDU Protocol Data Unit」(第6頁第33行-第7頁第23行)

(当審仮訳:
3.2 略語
本ドキュメントの目的のために,以下の略語が適用される。
(中略)
PDU プロトコルデータユニット」

(イ)「6.1 Protocol data units
RLC PDUs can be categorized into RLC data PDUs and RLC control PDUs. RLC data PDUs in sub clause 6.1.1 are used by TM, UM and AM RLC entities to transfer upper layer PDUs (i.e. RLC SDUs). RLC control PDUs in sub clause 6.1.2 are used by AM RLC entity to perform ARQ procedures.」(第21頁第8行-第21頁第12行)

(当審仮訳:
6.1 プロトコルデータユニット
RLC PDUは,RLCデータPDU及びRLC制御PDUに分類することができる。6.1.1節のRLCデータPDUは,上位レイヤPDU(すなわちRLC SDU)を転送するために,TM,UM及びAM RLCエンティティによって使用される。6.1.2節におけるRLC制御PDUは,ARQ手順を実行するためにAM RLCエンティティによって使用される。)

上記「ア TS 36.300 V14.1.0」の(イ),及び「イ TS 36.322 V13.1.0」の(イ)には,「RLC PDU」について記載されている。ここで,「ア TS 36.300 V14.1.0」の(ア),及び「イ TS 36.322 V13.1.0」の(ア)によれば,PDUを,Protocol Data Unit(プロトコルデータユニット)の略語として定義することが記載されているから,上述した「RLC PDU」の「PDU」は,Protocol Data Unit(プロトコルデータユニット)のことを示しているのは明らかである。そして,本願明細書の段落【0008】によれば,本願明細書において説明される無線通信システム及びデバイスは,上記「ア TS 36.300 V14.1.0」,及び「イ TS 36.322 V13.1.0」に示した標準(3GGP規格)をサポートするものといえ,また,上記「ア TS 36.300 V14.1.0」,及び「イ TS 36.322 V13.1.0」に示した標準(3GGP規格)は,全体として本願明細書に援用されるものといえる。
更に,訂正前の請求項1には,「第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)」との特定がされているが,無線リンク制御(RLC)はLayer2の事項である一方で,パケットデータユニットはLayer3の事項を想起させる用語であるから,訂正前の請求項1の「PDU」をパケットデータユニットの略語と解することは不適切であることは明らかである。
したがって,訂正前の請求項1の「第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)」との記載が,「第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)」の誤記であることは明らかである。
また,請求項18についても同様である。

したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「(1)」に示した段落【0008】の記載は,願書に最初に添付した明細書に記載されていることから,願書に最初に添付した明細書には,「第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)」が記載されているといえる。よって,訂正事項1は,願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項1は,訂正前の請求項1及び請求項18の誤記を訂正するものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項1に係る訂正により,何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから,訂正後の特許請求の範囲の請求項1乃至18に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第7項の規定に適合する。

2.訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0005】,【0038】,【0223】,【0256】には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「【0005】
本明細書では,無線通信システムにおいてデータ複製を送信するための方法及び装置を開示する。データ複製を用いて構成されるユーザ装置(UE)のための1つの方法である。UEは,データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製する。UEは,第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)を構築する。
(中略)
【0038】
図7は,CAとDCの両方が構成されるときのアップリンクのためのレイヤ2構造を説明する。3GPP TS 36.300 V14.1.0のセクション4.9.2において説明されているように,SRBは常にMeNBによって処理され,その結果,共通制御チャネル(CCCH)はMeNBに対してのみ示される。スプリットベアラの場合,UEは,MeNBによって,UEがULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)パケットデータユニット(PDU)を送信するリンク(又は両方のリンク)を介して構成される。
(中略)
【0223】
図29は,データ複製を用いて構成されるUEの観点からの,例示的な一実施形態によるフローチャート2900である。ステップ2905では,UEは,データユニットを第1データユニット及び第2データユニットに複製する。ステップ2910では,UEは,第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)を構築する。
(中略)
【0256】
図3及び図4に戻って参照すると,一実施形態では,デバイス300は,メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は,プログラムコード312を実行して,データ複製を用いて構成されるUEが(i)データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製することと,(ii)第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)を構築することであって,第2のデータユニットは第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である,構築することと,(iii)制御コマンドをネットワークノードから受信することであって,制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される,受信することと,(iv)第2のRLC PDUが第2のRLC SDUを含む場合,第2のRLC PDUを破棄することと,を可能にすることができる。」

してみると,訂正事項2のうち,明細書の段落【0005】,【0223】,【0256】の記載については,前記訂正事項1と同様の訂正をするものであるから,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

以下,訂正事項2のうち,明細書の段落【0038】の記載に関する訂正について検討する。

上述のとおり,訂正前の明細書の段落【0038】には,「ULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)パケットデータユニット(PDU)」と記載されている。
一方,願書に最初に添付された明細書の段落【0008】には,以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「特に,以下に説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは,本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてもよい。標準は,R2-1701542,Packet duplication in CA,RAN WG2 Meeting #97,R2-1702032,Data duplication in lower layers (HARQ),RAN WG2 Meeting #97,TR 38.913 V14.1.0,Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies,TS 36.300 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN), Overall description,Stage 2”, R2-1703731,Packet Duplication Operations,R2-1703529,Activating and deactivating packet duplication,TS 36.321 V14.0.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Medium Access Control (MAC) protocol specification”,TS 36.331 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Radio Resource Control (RRC),Protocol specification”,TS 36.322 V13.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Radio Link Control (RLC) protocol specification”,R2-1702642,“Duplication Impacts to PDCP”,及びTS 36.323 V11.2.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA),Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”を含む。上記に挙げた標準及び文書は,全体として参照により本明細書に明示的に援用される。」

ここで,段落【0008】に記載されている標準(3GGP規格)について検討する。

ア TS 36.300 V14.1.0
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった3GGP規格である
Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 14)([当審仮訳]:発展型汎用地上無線アクセス(E-UTRA)及び発展型汎用地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN);全体的説明;ステージ2(リリース14)),3GPP TS 36.300 V14.1.0 (2016-12),[online],2016年12月30日アップロード,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/36_series/36.300/36300-e10.zip>には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(ア)「3.2 Abbreviations
For the purposes of the present document, the abbreviations given in TR 21.905 [1] and the following apply. Anabbreviation defined in the present document takes precedence over the definition of the same abbreviation, if any, in TR 21.905 [1].
(中略)
PDU Protocol Data Unit」(第21頁第14行-第24頁第4行)

(当審仮訳:
3.2 略語
本ドキュメントの目的のために,TR21.905 [1]に与えられる略語及び以下が適用される。本ドキュメントにおいて定義される略語は,TR21.905 [1]において同じ略語がある場合,TR21.905[1]の同じ略語の定義よりも優先される。
(中略)
PDU プロトコルデータユニット
)

(イ)「6.3.2 PDU Structure
Figure 6.3.2-1 below depicts the PDCP PDU structure for user plane data, where:
- PDCP PDU and PDCP header are octet-aligned;
- PDCP header can be either 1 , 2 or 5 bytes long.


Figure 6.3.2-1: PDCP PDU Structure

The structures for control PDCP PDUs and for control plane PDCP data PDUs are specified in [15].」(第76頁第31行-第77頁第1行)

(当審仮訳:
6.3.2 PDUストラクチャー
図6.3.2-1は以下にユーザプレーンデータのPDCP PDU構造を示す。
- PDC PPDU及びPDCPヘッダはオクテット整列される。
- PDCPヘッダは,1,2又は5バイト長のいずれかであり得る。

(図は省略)

制御PDCP PDU及び制御プレーンPDCPデータPDUの構造は,[15]において特定される。)

イ TS 36.323 V11.2.0
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった3GGP規格である
Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification (Release11)([当審仮訳];発展型汎用地上無線アクセス(E-UTRA);パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)仕様(リリース11)),TS 36.323 V11.2.0 (2013-03),[online],2013年3月18日アップロード,インターネット<http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.323/36323-b20.zip>には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(ア)「3.2 Abbreviations
For the purposes of the present document, the abbreviations given in TR 21.905 [1] and the following apply. Anabbreviation defined in the present document takes precedence over the definition of the same abbreviation, if any, in TR 21.905 [1].
(中略)
PDU Protocol Data Unit」(第7頁第1行-第7頁第21行)

(当審仮訳:
3.2 略語
本ドキュメントの目的のために,TR21.905 [1]に与えられる略語及び以下が適用される。本ドキュメントにおいて定義される略語は,TR21.905 [1]において同じ略語がある場合,TR21.905[1]の同じ略語の定義よりも優先される。
(中略)
PDU プロトコルデータユニット
)

(イ)「6 Protocol data units, formats and parameters
6.1 Protocol data units
6.1.1 PDCP Data PDU
The PDCP Data PDU is used to convey:
- a PDCP SDU SN; and
- user plane data containing an uncompressed PDCP SDU; or
- user plane data containing a compressed PDCP SDU; or
- control plane data; and
- a MAC-I field for SRBs; or
- for RNs, a MAC-I field for DRB (if integrity protection is
configured);
6.1.2 PDCP Control PDU
The PDCP Control PDU is used to convey:
- a PDCP status report indicating which PDCP SDUs are missing and which are not following a PDCP re-establishment.
- header compression control information, e.g. interspersed ROHC
feedback.
6.2 Formats
6.2.1 General
A PDCP PDU is a bit string that is byte aligned (i.e. multiple of 8 bits) in length. In the figures in sub clause 6.2, bit strings are represented by tables in which the most significant bit is the leftmost bit of the first line of the table, the least significant bit is the rightmost bit on the last line of the table, and more generally the bit string is to be read from left to right and then in the reading order of the lines. The bit order of each parameter field within a PDCP PDU is represented with the first and most significant bit in the leftmost bit and the last and least significant bit in the rightmost bit.
PDCP SDUs are bit strings that are byte aligned (i.e. multiple of 8 bits) in length. A compressed or uncompressed SDU is included into a PDCP PDU from the first bit onward.」(第19頁第15行-第20頁第5行)

(当審仮訳:
6 プロトコルデータユニット,フォーマット及びパラメータ
6.1 プロトコルデータユニット
6.1.1 PDCPデータPDU
PDCPデータPDUは,以下を伝達するために使用される。
- PDCP SDU SN。及び,
- 圧縮されていないPDCP SDUを含むユーザプレーンデータ。又は,
- 圧縮されたPDCP SDUを含むユーザプレーンデータ。又は,
- 制御プレーンデータと,SRBに対するMAC-Iフィールド。及び,
- RNに対して,DRBに対するMAC-Iフィールド(完全性保護が構成される場
合)。
6.1.2 PDCP制御PDU
PDCP制御PDUは,以下を伝達するために使用される。
- PDCP SDUが欠落していることを示すPDCPステータスレポートであって
,PDCPの再構築に従わないことを示すPDCPステータスレポート。
- ヘッダ圧縮制御情報。例えば,分散ROHCフィードバック。
6.2 フォーマット
6.2.1 一般
PDCP PDUは,バイト整列(例えば,8ビットの倍数)されたビット列である。6.2節の図において,ビット列は,最上位ビットがテーブルの第1行の最左ビットであり,最下位ビットがテーブルの最後の行の最右ビットであり,より一般的には,ビット列が左から右に読み出され,次にラインの読み順に読み出されるテーブルによって表される。PDCP PDU内の各パラメータフィールドのビット順序は,最も左側のビットにおける第1及び最上位ビットと最も右側のビットにおける最後及び最下位ビットとで表される。
PDCP SDUは,バイト整列されたビット列(例えば,8ビットの倍数)である。圧縮されたSDU又は圧縮されていないSDUは,第1のビットからPDCP PDUに含まれる。)

上記「ア TS 36.300 V14.1.0」の(イ),及び「イ TS 36.323 V11.2.0」の(イ)には,「PDCP PDU」について記載されている。ここで,「ア TS 36.300 V14.1.0」の(ア),及び「イ TS 36.323 V11.2.0」の(ア)によれば,PDUを,Protocol Data Unit(プロトコルデータユニット)の略語として定義することが記載されているから,上述した「PDCP PDU」の「PDU」は,Protocol Data Unit(プロトコルデータユニット)のことを示しているのは明らかである。そして,本願明細書の段落【0008】によれば,本願明細書において説明される無線通信システム及びデバイスは,上記「ア TS 36.300 V14.1.0」,及び「イ TS 36.323 V11.2.0」に示した標準(3GGP規格)をサポートするものといえ,また,上記「ア TS 36.300 V14.1.0」,及び「イ TS 36.323 V11.2.0」に示した標準(3GGP規格)は,全体として本願明細書に援用されるものといえる。
更に,訂正前の段落【0038】には,「ULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)パケットデータユニット(PDU)」と記載されているが,パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)はLayer2の事項である一方で,パケットデータユニットはLayer3の事項を想起させる用語であるから,訂正前の段落【0038】の「PDU」をパケットデータユニットの略語と解することは不適切であることは明らかである。
したがって,訂正前の段落【0038】には,「ULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)パケットデータユニット(PDU)」との記載が,「ULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)プロトコルデータユニット(PDU)」の誤記であることは明らかである。

したがって,訂正事項2は,特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「(1)」に示した段落【0008】の記載は,願書に最初に添付した明細書に記載されていることから,願書に最初に添付した明細書には,「第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)」及び「ULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)プロトコルデータユニット(PDU)」が記載されているといえる。よって,訂正事項2は,願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項2は,訂正前の明細書の段落【0005】,【0038】,【0223】,【0256】の誤記を訂正するものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項2に係る訂正により,何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから,訂正後の特許請求の範囲の請求項1乃至18に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項2は,特許法第126条第7項の規定に適合する。

3.訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は,図29の記載について,前記訂正事項1と同様の訂正をするものであるから,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

(2)願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項3は,図29について,訂正事項1と同様の誤記の訂正をしたものである。
したがって,訂正事項3は,願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項3は,図29について,訂正事項1と同様の誤記の訂正をしたものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しないから,訂正事項3は特許法第126条第6項に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項3に係る訂正により,何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから,訂正後の特許請求の範囲の請求項1乃至18に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項3は,特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび

以上のとおりであるから,本件審判の請求に係る訂正は,特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

よって,結論のとおり審決する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】
無線通信システムにおいて、データ複製を送信する方法及び装置
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年5月5日に出願された米国仮特許出願第62/502,430号の利益を主張するものであり、そのすべての開示は全体として参照により本明細書に援用される。
【0002】
この開示は、概して、無線通信ネットワークに関連し、より詳細には、無線通信システムにおいて、データ複製を送信する方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
移動体通信デバイスとの大量データの通信に対する要求が急速に高まる中、従来の移動体音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットをやり取りするネットワークへと発展している。そのようなIPデータパケット通信は、移動体通信デバイスのユーザに、ボイスオーバIP、マルチメディア、マルチキャスト、及びオンデマンド通信サービスを提供可能である。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のボイスオーバIP及びマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供可能である。現在、次世代(例えば、5G)の新しい無線技術が3GPP標準化機構によって論じられている。このため、現行の3GPP標準内容に対する変更が現在提出され、3GPP標準の発展及び確定に向けて検討されている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、無線通信システムにおいてデータ複製を送信するための方法及び装置を開示する。データ複製を用いて構成されるユーザ装置(UE)のための1つの方法である。UEは、データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製する。UEは、第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)を構築する。第2のデータユニットは第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である。UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信する。制御コマンドは、データ複製を非アクティブにするために使用される。第2のRLC PDUが第2のRLC SDUを含む場合、UEは、第2のRLC PDUを破棄する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】 例示的な一実施形態による無線通信システムの図を示す。
【図2】 例示的な一実施形態による送信機システム(アクセスネットワークとしても知られる)及び受信機システム(ユーザ機器又はUEとしても知られる)のブロック図である。
【図3】 例示的な一実施形態による通信デバイスの機能ブロック図である。
【図4】 例示的な一実施形態による図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
【図5】 3GPP TS 36.300 V14.1.0に記載されているアップリンク(UL)のためのレイヤ2構造を示す。
【図6】 3GPP TS 36.300 V14.1.0に記載されているULのためのレイヤ2構造を示す。
【図7】 3GPP TS 36.300 V14.1.0に記載されているCA及びDCの両方が構成されるときのULのためのレイヤ2構造を示す。
【図8】 3GPP R2-1703731から得られるLTEヌメロロジ(15KHzサブキャリア間隔、1msサブフレーム)下でのURLLCのための必要なRB数及び最小帯域幅を示す表を示す。
【図9】 3GPP R2-1703529に示される、パケット複製をアクティブにするためのシグナリングフローを示す。
【図10】 3GPP R2-1703529に示される、パケット複製を非アクティブにするためのシグナリングフローを示す。
【図11】 3GPP R2-1703529に示される、RRCシグナリングを介してUEに送信される基準に基づいて、パケット複製をアクティブ及び非アクティブにするためのシグナリングフローを示す。
【図12】 論理チャネル構成フィールドの記述に関する、3GPP TS36.331 V14.1.0からの表を再現したものである。
【図13】 論理チャネル構成条件付き存在及び説明に関する、3GPP TS36.331 V14.1.0からの表を再現したものである。
【図14】 1つの例示的なサービスフローを示すフローチャートである。
【図15】 1つの例示的なサービスフローを示すフローチャートである。
【図16】 1つの例示的なサービスフローを示すフローチャートである。
【図17】 1つの例示的なサービスフローを示すフローチャートである。
【図18】 複製送信のためのUEスタックモデルの例示的な実施形態である。
【図19】 複製送信のためのUEスタックモデルの例示的な実施形態である。
【図20】 データ複製のアクティブ又は非アクティブのためのPDUの例示的な実施形態を示す表である。
【図21】 データ複製のアクティブ又は非アクティブのためのPDCP制御PDUの例示的な実施形態を示す。
【図22】 データフローの例示的な実施形態を示す。
【図23】 PDCP複製のアクティブのタイムラインを示す。
【図24】 3GPP R2-1702642からの提案2の再現である。
【図25】 データ複製を非アクティブにし、RLC PDUを破棄する様々な実施形態を要約した表である。
【図26】 データ複製をアクティブにし、RLC SDUを複製するための様々な実施形態を要約した表である。
【図27】 データ複製をアクティブにし、RLC PDUを複製するための様々な実施形態を要約した表である。
【図28】 データ複製をアクティブにし、RLC PDUをピギーバックするための様々な実施形態を要約した表である。
【図29】 UEの観点からの例示的な一実施形態の場合の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に記載される例示的な無線通信システム及び機器は、無線通信システムを採用し、ブロードキャストサービスをサポートする。無線通信システムは、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供するため、広く展開されている。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス、3GPP LTE-A若しくはLTE-アドバンスト(ロングタームエボリューションアドバンスト)、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband:超モバイル広帯域)、WiMax、又はその他何らかの変調技術に基づいてよい。
【0008】
特に、以下に説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは、本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてもよい。標準は、R2-1701542,Packet duplication in CA,RAN WG2 Meeting #97、R2-1702032,Data duplication in lower layers(HARQ),RAN WG2 Meeting #97、TR 38.913 V14.1.0,Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies、TS 36.300 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN),Overall description,Stage 2”、R2-1703731,Packet Duplication Operations、R2-1703529,Activating and deactivating packet duplication、TS 36.321 V14.0.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA),Medium Access Control(MAC)protocol specification”、TS 36.331 V14.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA),Radio Resource Control(RRC),Protocol specification”、TS 36.322 V13.1.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA),Radio Link Control(RLC)protocol specification”、R2-1702642,“Duplication Impacts to PDCP”、及びTS 36.323 V11.2.0,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA),Packet Data Convergence Protocol(PDCP)specification”を含む。上記に挙げた標準及び文書は、全体として参照により本明細書に明示的に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る多重アクセス無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104及び106、別のグループは108及び110、また別のグループは112及び114を含む。図1においては、各アンテナグループに対して、アンテナが2つしか示されていないが、より多くの又はより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されてよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112及び114と通信しており、アンテナ112及び114は、順方向リンク120を介して情報をアクセス端末116に送信すると共に、逆方向リンク118を介して情報をアクセス端末116から受信している。アクセス端末(AT)122は、アンテナ106及び108と通信しており、アンテナ106及び108は、順方向リンク126を介して情報をアクセス端末(AT)122に送信すると共に、逆方向リンク124を介して情報をアクセス端末(AT)122から受信している。FDDシステムにおいては、通信リンク118、120、124、及び126は通信に異なる周波数を使用してよい。例えば、順方向リンク120では、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用してよい。
【0010】
アンテナの各グループ及び/又はアンテナが通信するように設計されたエリアは、アクセスネットワークのセクターと称することが多い。本実施形態において、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされるエリアのセクターにおいて、アクセス端末と通信するように設計されている。
【0011】
順方向リンク120及び126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122に対する順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用してよい。また、カバレッジにランダムに分散したアクセス端末への送信にビームフォーミングを使用するアクセスネットワークは、1つのアンテナからすべてのそのアクセス端末に送信を行うアクセスネットワークよりも、隣接セルのアクセス端末への干渉が少ない。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するのに使用される固定局又は基地局でよく、アクセスポイント、ノードB、基地局、拡張型基地局、進化型ノードB(eNB)、又はその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、又はその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム250(アクセス端末(AT)又はユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡易ブロック図である。送信機システム210では、多くのデータストリームのトラフィックデータがデータ源212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマット、符号化、及びインターリーブして、符号化データを提供する。
【0015】
各データストリームについての符号化データを、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化してよい。パイロットデータは、代表的には、既知の様態で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するのに使用されてよい。そして、各データストリームについての多重化パイロット及び符号化データは、データストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK、又はM-QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化、及び変調は、プロセッサ230により実行される命令によって決定されてよい。
【0016】
そして、すべてのデータストリームについての変調シンボルはTX MIMOプロセッサ220に与えられ、これが(例えば、OFDMの場合に)変調シンボルをさらに処理してよい。そして、TX MIMOプロセッサ220は、N_(T)個の変調シンボルストリームをN_(T)個の送信機(TMTR)222a?222tに提供する。特定の実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビームフォーミング加重をデータストリームのシンボル及びシンボルが送信されているアンテナに適用する。
【0017】
各送信機222は、各シンボルストリームを受信及び処理して1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調節(例えば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。そして、送信機222a?222tからのN_(T)個の変調信号がそれぞれ、N_(T)個のアンテナ224a?224tから送信される。
【0018】
受信機システム250においては、送信された変調信号はN_(R)個のアンテナ252a?252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各受信機(RCVR)254a?254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調節(例えば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)して、調節された信号をデジタル化してサンプルを与え、さらに、これらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
そして、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、N_(R)個の受信機254からのN_(R)個の受信シンボルストリームを受信及び処理して、N_(T)個の「検出」シンボルストリームを提供する。そして、RXデータプロセッサ260は、各検出シンボルストリームを復調、デインターリーブ、及び復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220及びTXデータプロセッサ214により実行される処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディングマトリクス(後述)使用するかを定期的に決定する。プロセッサ270は、マトリクス指標部及びランク値部を含む逆方向リンクメッセージを構築する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含んでよい。そして、逆方向リンクメッセージは、データ源236からの多くのデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238により処理され、変調器280により変調され、送信機254a?254rにより調節され、送信機システム210に送り戻される。
【0022】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224により受信され、受信機222により調節され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システム250により送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。そして、プロセッサ230は、ビームフォーミング加重を決定するのにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定し、そして、抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替的な簡易機能ブロック図を示している。図3に示されるように、無線通信システムにおける通信デバイスは、図1のUE(若しくはAT)116及び122又は図1の基地局(若しくはAN)100を実現するのに利用可能であり、無線通信システムは、LTEシステムであることが好ましい。通信デバイスは、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央演算処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及びトランシーバ314を含んでよい。制御回路306は、CPU308を介してメモリ310内のプログラムコード312を実行することにより、通信デバイスの動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を介してユーザにより入力された信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を介して画像及び音声を出力することができる。トランシーバ314は、無線信号を受信及び送信するのに使用され、受信信号を制御回路306に伝達すると共に、制御回路306により生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、図1のAN100を実現するのにも利用可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による図3に示すプログラムコード312の簡易ブロック図である。本実施形態において、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部402、及びレイヤ2部404を含み、レイヤ1部406に結合されている。レイヤ3部402は一般的に、無線リソース制御を実行する。レイヤ2部404は一般的に、リンク制御を実行する。レイヤ1部406は一般的に、物理的接続を実行する。
【0025】
次世代(すなわち、5G)アクセス技術についての3GPP標準化活動が2015年3月に立ち上げられている。次世代アクセス技術は、緊急の市場ニーズとITU-R IMT-2020に明記されたより長期的なニーズとの両方を満たすために以下の3つの使用シナリオファミリをサポートすることを目的としている。
- eMBB(拡張モバイルブロードバンド)
- mMTC(大規模マシン型通信)
- URLLC(超高信頼性及び低遅延通信)。
【0026】
新しい無線アクセス技術についての5G研究項目の目的は、少なくとも100GHzまでの任意のスペクトル帯域を使用できるはずの新しい無線システムに必要な技術要素を特定し開発することである。100GHzまでの搬送波周波数をサポートすることにより、無線伝搬の領域において多くの課題が生じる。キャリア周波数が増加すると、パスロスも増加するのである。
【0027】
3GPP R2-1701542によれば、LTEでは、レイヤ2における自動再送要求/ハイブリッド自動再送要求(ARQ/HARQ)及びレイヤ1における適応変調符号化(AMC)により誤ったデータ伝送が保証されているが、レイテンシは進化型ノードB(eNB)のスケジューリングに依存する。レイヤ1におけるAMCがデータパス(すなわち1つのセル)のチャネル品質に密接に関連していることを考慮すると、レイヤ2は、キャリアアグリゲーション(CA)又はデュアルコネクティビティ(DC)を使用することによって複数のデータパス(すなわち複数のセル)を効果的に使用する機会を提供することが可能となる。
【0028】
3GPP R2-1702032によれば、マルチコネクティビティ(MC)は、新しいRAT/無線(NR)におけるシステムアーキテクチャの観点から、デュアルコネクティビティ(DC)及びキャリアアグリゲーション(CA)の用語を含むことができる。特徴的には、MCは、少なくとも2つの側面においてURLLCに貢献することができる。(1)レイテンシに関するパフォーマンスを犠牲にすることなく信頼性を高める。(2)モビリティに起因する中断時間を除去する。強調すべきコンセプトは、MCが、それ自身によってリンクレベルのダイバーシティスキームが達成できない信頼性とレイテンシの大きな利得を得ることのできるダイバーシティスキームの一種であることである。ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)MCの両方は、超高信頼性及び低遅延通信(URLLC)にとって特別な関心事であり得るが、UL MCは、UEの電力などの制限要因を有する可能性がある。
【0029】
3GPP TR 38.913 V14.1.0によれば、URLLCパケットは、以下の2つの要件を満たす。
【0030】
信頼性は、あるチャネル品質(例えば、カバレッジエッジ)において無線インタフェースの無線プロトコルレイヤ2/3サービスデータユニット(SDU)進入ポイントから無線プロトコルレイヤ2/3SDU退出ポイントまで小さなデータパケットを供給するのにかかる時間である、ある遅延以内にXバイトを送信する成功確率によって評価することができる。
- パケットの1回の送信に対する一般的なURLLC信頼性要件は、1ミリ秒のユーザプレーンレイテンシを持つ32バイトの場合、1?10^(-5)である。
UPレイテンシ:アプリケーションレイヤパケット/メッセージを、アップリンクとダウンリンク方向の両方において無線インタフェースを介して無線プロトコルレイヤ2/3SDU進入ポイントから無線プロトコルレイヤ2/3SDU退出ポイントまで首尾よく供給するのにかかる時間。デバイス又は基地局の受信の両方とも、不連続受信(DRX)によって制限されない。
- URLLCの場合、ユーザプレーンレイテンシの場合の目標は、ULの場合に0.5ms、ダウンリンク(DL)の場合に0.5msとするべきである。さらに、可能であれば、レイテンシは、次世代アクセスアーキテクチャ内で使用することができる無線転送技術として、次世代のアクセス技術の使用をサポートするのに十分に低いものであるべきでもある。上記の値については、平均値が考慮されるべきであり、関連する高い信頼性要件を有さない。
【0031】
3GPP TS 36.300 V14.1.0によれば、レイヤ2は、以下のサブレイヤに分割される。媒体アクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)である。
【0032】
同じトランスポートチャネル(すなわちトランスポートブロック)上のいくつかの論理チャネル(すなわち、無線ベアラ)の多重化は、MACサブレイヤによって実行される。
【0033】
アップリンクとダウンリンクの両方において、CAもDCも構成されないとき、空間多重化がないときは、送信時間間隔(TTI)あたりただ1つの転送ブロックが生成される。
【0034】
図5は、ULのためのレイヤ2構造を示す。
【0035】
CAの場合、物理レイヤのマルチキャリア性質は、1つのサービングセル当たり1つのHARQエンティティが必要とされるMACレイヤにのみさらされる。
【0036】
アップリンクとダウンリンクの両方において、サービングセル当たり1つの独立したハイブリッドARQエンティティがあり、1つのトランスポートブロックは、空間多重化がない場合、サービングセルごとでTTIごとに生成される。各トランスポートブロック及びその可能性としてあるHARQ再送信は、単一のサービングセルにマッピングされる。
【0037】
図6は、CAが構成されるULのためのレイヤ2構造を示す。DCの場合、UEは、2つのMACエンティティを用いて構成される。すなわち、マスタ進化型ノードB(MeNB)のための1つのMACエンティティと、セカンダリeNB(SeNB)のための1つのMACエンティティである。
【0038】
図7は、CAとDCの両方が構成されるときのアップリンクのためのレイヤ2構造を説明する。3GPP TS 36.300 V14.1.0のセクション4.9.2において説明されているように、SRBは常にMeNBによって処理され、その結果、共通制御チャネル(CCCH)はMeNBに対してのみ示される。スプリットベアラの場合、UEは、MeNBによって、UEがULパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)プロトコルデータユニット(PDU)を送信するリンク(又は両方のリンク)を介して構成される。RLCレイヤは、UL PDCP PDUの送信に関与しないリンク上のダウンリンクデータに対して対応するARQフィードバックのみを送信する。
【0039】
3GPP R2-1703731によれば、データ複製(パケット複製)は、以下の場合に有益である。
(外1-1)

(外1-2)

論理チャネル優先順位付け(LCP)手順及びMAC制御要素とMAC SDUの多重化は、以下に引用される3GPP TS 36.321に示されている。
【0040】
3GPP R2-1703529は、データ複製(パケット複製)のためのシグナリングを開示する。
【0041】
パケット複製をアクティブ化及び非アクティブ化するための基準は、DL及びULチャネル条件と異なるセル/キャリアにおける負荷に依存する。DC/MCとCAアーキテクチャの両方において、MgNB(PCell)が、UEに対してパケット複製をアクティブにするかどうかの決定を行う。
【0042】
一旦パケット複製がアクティブ化されると、MgNBは、要求される信頼性を満たすために、DLとUL送信のためにいくつのリンク(セル)が使用されるかを動的に決定することができる。UEは、パケットの送信のために1つ以上のDL割り当て又はUL許可を受信することができる。
【0043】
UL及びDLのために使用されるリンクの数は、UL及びDL内の負荷が著しく異なる可能性があるため、異なる可能性がある。
【0044】
ネットワークは、UEがパケット複製のために構成されている間に、パケット複製をいつ使用するかを決定するための基準をUEに提供することもできる。これにより、UEは、パケット複製をいつ使用するかを決定することができる。
【0045】
パケット複製をアクティブにするためのシグナリングフローを図9に示す。
【0046】
上記の手順では、UEの測定レポートに基づいて、UEのために新しいセル/キャリアを追加することができる。サービングMgNBは、リンク選択を使用して、パケットを送信するための最良のセル/キャリアを決定することができる。パケット複製(PD)をアクティブにするための基準が満たされる場合、サービングMgNBは、無線リソース制御(RRC)接続再構成メッセージを送信して、PDモードをアクティブにする。一旦UEがRRC再構成完了メッセージを送信すると、パケット複製モードがアクティブにされる。これは、UEが同じパケットに対して複数のDL割り当てメッセージ及び複数のUL許可を受信できることを意味する。
【0047】
パケット複製を非アクティブにするためのシグナリングフローを図10に示す。
【0048】
上記手順では、UEがPDモードにある場合、サービングMgNBは、UEのチャネル測定及びセル/キャリアにおける負荷に基づいて、PDを非アクティブにするための基準を評価する。PD基準が満たされる場合、MgNBはRRC接続再構成を送信して、PDモードを非アクティブにする。一旦UEがRRC再構成完了メッセージを送信すると、PDモードは無効にされ、サービングMgNBはリンク選択を使用して、パケットを送信する。
【0049】
いくつかのシナリオでは、MgNBは、パケット複製をアクティブ/アクティブにするための基準をUEに提供することができる。UEは、パケット複製をいつ使用するかを決定するための基準を評価する。この手順を図11に示す。上記の手順では、MgNBはRRC接続再構成メッセージを送信して、PDアクティブ化基準を用いてUEを構成する。この場合、UEは、パケット複製(例えば、複数のセル/キャリア上の許可のないリソース)に使用され得るリソースを用いて構成される。
【0050】
媒体アクセス制御(MAC)プロトコル仕様のLTE手順は、以下に引用される3GPP TS 36.321 V.14.0.0に示されている。
(外2-1)

(外2-2)

(外2-3)

(外2-4)

(外2-5)

(外2-6)

(外2-7)

(外2-8)

(外2-9)

(外2-10)

(外2-11)

(外2-12)

(外2-13)

(外2-14)

(外2-15)

(外2-16)

(外2-17)

(外2-18)

(外2-19)

【0051】
RRCによって制御される論理チャネルの構成は、以下に引用される3GPP TS36.331 V14.1.0に記載されている。
(外3)

【0052】
3GPP R2-1702642は、以下のように複製アクティブ化を論じている。
(外4-1)

(外4-2)

(外4-3)

【0053】
以下の用語を本明細書において使用することができる。
・TRP:送受信ポイントはネットワークカバレッジを提供し、UEと直接通信する。TRPは、分散ユニット(DU)と呼ぶこともできる。TRPは、各UEに提供するために1つ以上のビームを使用してもよい。
・セル:セルは1つ以上の関連するTRPを含むことができる。すなわち、セルのカバレッジは、すべての関連するTRPのカバレッジを含む。1つのセルは1つのBSによって制御される。セルは、TRPグループ(TRPG)と呼ぶこともできる。
・オリジナルデータ:データ複製のメカニズムでは、データは2つの等価なデータに複製される。一方はオリジナルデータで、他方は複製データである。オリジナルデータとは、複製されていないデータである。オリジナルデータを送信するために使用される論理チャネルは、複製データを送信するために使用される論理チャネルとは異なる可能性がある。オリジナルデータの送信を処理するために使用されるセル/TRP/ビームは、複製データの送信を処理するために使用されるセル/TRP/ビームと異なってもよい。
・複製データ:データ複製のメカニズムでは、データは2つの等価なデータに複製される。一方はオリジナルデータで、他方は複製データである。複製データとは、オリジナルデータから複製されたデータである。複製データを送信するために使用される論理チャネルは、オリジナルデータを送信するために使用される論理チャネルとは異なる可能性がある。複製データの送信を処理するために使用されるセル/TRP/ビームは、オリジナルデータの送信を処理するために使用されるセル/TRP/ビームと異なってもよい。
【0054】
1つのシナリオでは、TRP1が第1のセルによって制御され、TRP2が第2のセルによって制御されると想定する。第1のセルと第2のセルの両方は、基地局(BS)によって制御される。第1のセルは、第1のコンポーネントキャリア(すなわち、CC1)に関連付けられることができる。第2のセルは、第2のコンポーネントキャリア(すなわち、CC2)に関連付けられることができる。サービスフローを図14に示し、以下に説明することができる。
ステップ1:UEは電源がオンにされると、セル選択を実行し、サービングセルにキャンプオンする。UEは、サービングセルのBSから最低限SIを受信する。サービングセルは、BSによって制御される第1のセルとすることができる。第1のセルは、コンポーネントキャリア#1(CC1)に関連付けられている。UEは、TRP1を介して最低限SIを受信してもよい。TRP1は第1のセルに属する。
ステップ2:UEは、ネットワークへの最初のアタッチを実行し、RRC_CONNECTEDに移行し、関連する登録及び許可/認証を完了することができる。
ステップ3:BSは、UEが第2のセルを測定するように構成することができる。UEは、第2セルについて測定し、測定結果をBSに報告することができる。測定レポートに基づいて、BSはCC2を用いてUEを構成することができる。さらに、BSは、複製構成を用いてUEを構成することができる。
ステップ4:BSはRRC状態変更コマンドを送信してUEをRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEに遷移させることができる。例えば、UEはなんら進行中のユニキャストサービスを有していなくてもよい。
ステップ5:基地局は、UEに送信されるデータをコアネットワーク(例えば、S-GW)から受信する。
ステップ6:BSは、UEをページングするためのシグナリングを送信することができる。
ステップ7:UEはRRC_CONNECTEDに移行する。
ステップ8:BSは、UEについてCC2をアクティブにする。
ステップ9:UEは、BSからCC1及びCC2を介してDLデータを受信する。DLデータの再送信は、CC1及び/又はCC2上で行われてもよい。
【0055】
1つのシナリオでは、TRP1が第1のセルによって制御され、TRP2が第2のセルによって制御されると想定する。第1のセルと第2のセルの両方は、BSによって制御される。第1のセルは、第1のコンポーネントキャリア(すなわち、CC1)に関連付けられることができる。第2のセルは、第2のコンポーネントキャリア(すなわち、CC2)に関連付けられることができる。サービスフローを図15に示し、以下に説明することができる。
・パケット複製構成
パケット複製構成は、システム情報内で送信される、又はRRCシグナリングを介していつでも送信されることができる。パケット複製構成は、UE能力に関連してもよい。
・TRP1でのRRC接続
UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行して、第1のセル内にTRP1にアタッチし、RRC_CONNECTEDに移行する。第1のセルはプリイマリセルであると想定する。
・測定/TRP2(CC2)追加
いくつかの条件(例えば、UL/DLデータ送信が過負荷であるか、又はパケット複製の使用の場合)に対して、第2のセル内のTRP2が測定に基づいて追加される。UEは、RACH手順を実行してTRP2をアタッチしてもよく、TRP2は、UEのためのデータ送信可能になるようにアクティブ化される。
・パケット複製のアクティブ化
・スケジューリング要求
基本的に、UEは、スケジューリング要求(SR)/バッファステータスレポート(BSR)手順を実行して、送信リソースを要求する。
・送信リソーススケジューリング
BSは、UEに対して送信リソースを割り当てる。BSは、1つのTRP又は両方のTRPを介してUL許可を送信してもよい。
・複製したULデータ送信
UEは、複製されたULデータを2つのTRPに送信する。
・UL HARQ動作
新しいRAT(NR)のみが、ULにおける非同期HARQ動作によってサポートされてもよい。BSはUEがULデータを再送信することを必要とする場合、BSはUEのためのUL許可を送信する。
【0056】
1つのシナリオでは、TRP1及びTRP2が同じセルに属すると想定する。セルはBSによって制御される。UEは、TRP1の1つ以上のビームによって提供されてもよい。UEは、TRP2の1つ以上のビームによって提供されてもよい。サービスフローを図16に示し、以下に説明することができる。
ステップ1:UEの電源がオンにされると、セル選択を行い、サービングセルにキャンプオンする。UEは、サービングセルのBSから最低限SIを受信してもよい。UEは、TRP1を介して最低限SIを受信してもよい。TRP1は、UEに対して透過であってもなくてもよい。
ステップ2:UEは、最低限SIに基づいてネットワークへの最初のアタッチを実行し、RRC_CONNECTEDに移行し、関連する登録及び許可/認証を完了することができる。最初のアタッチ手順中に、TRP1のデフォルトのTRPビームを決定することができる。最初のアタッチ手順中に、デフォルトのUEビームを決定することができる。
ステップ3:BSは、UEがビーム測定結果を報告するように構成してもよい。ビーム測定報告に基づいて、BSは、TRP1とTRP2の両方を使用してUEに提供することを考慮してもよい。BSは、UEが関連データ無線ベアラ、EPSベアラ及び/又は論理チャネルを確立するように構成してもよい。さらに、BSは、複製構成を用いて、UEを構成してもよい。複製構成に基づいて、UEは複製受信のために関連する論理チャネルを確立する。
ステップ4:(例えば、UEが一時的に進行中のユニキャストサービスを有していない可能性があるため)BSはRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEにUEを遷移させるためにRRC状態変更コマンドを送信してもよい。
ステップ5:基地局は、コアネットワーク(例えば、S-GW)からUEに送信されるデータを受信する。
ステップ6:BSは、UEをページングするためにシグナリングを送信してもよい。
ステップ7:UEはRRC_CONNECTEDに入る。UEは複製構成を再開する。UEは、ビーム測定を実行してもよく、ビーム測定結果をBSに報告してもよい。BSは、TRP1とTRP2の両方をUE上で依然として利用可能と考慮してもよい。
ステップ8:UEは、TRP1のビーム又はTRP2のビームのいずれかを介してBSからDLデータを受信する。DLデータの再送信は、TRP1のビーム又はTRP2のビームのいずれかで発生してもよい。
【0057】
1つのシナリオでは、TRP1及びTRP2が同じセルに属すると想定する。セルはBSによって制御される。UEは、TRP1の1つ以上のビームによって提供されてもよい。UEは、TRP2の1つ以上のビームによって提供されてもよい。サービスフローを図17に示し、以下に説明することができる。
ステップ1:UEの電源がオンにされると、セル選択を行い、サービングセルにキャンプオンする。UEは、サービングセルのBSから最低限SIを受信してもよい。UEは、TRP1を介して最低限SIを受信してもよい。TRP1は、UEに対して透過であってもなくてもよい。
ステップ2.UEは、最低限SIに基づいてネットワークへの最初のアタッチを実行し、RRC_CONNECTEDに移行し、関連する登録及び許可/認証を完了することができる。最初のアタッチ手順中に、TRP1のデフォルトのTRPビームを決定することができる。代替的には、最初のアタッチ手順中に、デフォルトのUEビームを決定することができる。
ステップ3:BSは、UEがビーム測定結果を報告するようにUEを構成してもよい。ビーム測定報告に基づいて、BSは、TRP1及びTRP2の両方を使用してUEに提供することを考慮してもよい。BSは、UEが関連するデータ無線ベアラ、進化型パケットシステム(EPS)ベアラ及び/又は論理チャネルを確立するように構成してもよい。追加的に、BSは、複製構成を用いて、UEを構成してもよい。複製構成に基づいて、UEは複製受信のために関連する論理チャネルを確立する。
ステップ4:(例えば、UEが一時的に進行中のユニキャストサービスを有していない可能性があるため)BSはRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEにUEを遷移させるためにRRC状態変更コマンドを送信してもよい。
ステップ5:UEは、送信可能なデータを有する。
ステップ6:UEは、BSとのRRC接続を確立してもよい。UEはRRC_CONNECTEDに移行する。UEは複製構成を再開する。UEは、ビーム測定を実行してもよく、ビーム測定結果をBSに報告してもよい。BSは、TRP1とTRP2の両方をUE上で依然として利用可能と考慮してもよい。
ステップ7:UEは、送信リソースを割り当てるためにリソース要求をBSに送信する。
ステップ8:UEは、BSから送信リソースを受信する。
ステップ9:UEは、送信リソースを使用してUL送信を実行する。UL送信は、BSからTRP1のビーム又はTRP2のビームのいずれかを介したものとしてもよい。ULデータの再送信は、TRP1のビーム又はTRP2のビームのいずれかで発生してもよい。
【0058】
ダイバーシティ利得を提供し、信頼性を高めるために、スプリット無線ベアラ/論理チャネルを介した、及び異なるサービングセル/TRP/ビームを介した複製データ送信をサポートしてもよい。NRシステムでは、MACエンティティは、異なるサービングセル/TRP/ビームに対する送信を制御してもよい。(CC及び/又はビームのいずれかを介した)複製送信のためのUEスタックモデルの例を図18及び図19に示す。
【0059】
データ複製は、ダイバーシティ利得を高めるために、データがPDCPエンティティによって複製され、異なるトランスポートブロック(TB)上で送信されることができるため、送信信頼性を向上するために使用されるメカニズムである。いくつかのケースでは、データ複製が、以下の例において有益である。URLLCの要件がデータ複製なしでは達成できない場合、両方のリンク(例えば、異なるセル)に対するチャネル品質が悪い(例えば、セルエッジにおいて)場合、全体的なチャネル占有率が低い場合である。しかし、他のケースでは、リソースを浪費するため、データ複製が必要でなくてもよい。結果として、データ複製のアクティブ化/非アクティブ化が望ましい。データ複製をアクティブにするか非アクティブにするかの決定は、ネットワークによって(例えば、RRC構成、PDCPコマンド、又はMAC制御要素によって)制御される、又はUEによって決定されてよい(例えば、イベントトリガ)。複製がネットワークによって制御されるか、UEによって決定されるかにかかわらず、データ複製状態が変更されたとき(例えば、データ複製が非アクティブ状態からアクティブにされる、又はデータ複製がアクティブ状態から非アクティブにされる)、いくつかのメカニズム又は手順がデータ複製状態の変更/更新に応答するために必要になる。通常、アクティブ状態におけるデータ複製は、1つの状況である可能性がある:上位レイヤのデータ(例えば、PDCP PDU)が複製され得る。ただし、非アクティブ状態におけるデータ複製は、2つのやり方で達成される可能性がある。(i)上位レイヤデータが非アクティブ状態において複製されない、又は(ii)上位レイヤデータが非アクティブ状態において複製される。非アクティブ状態におけるデータ複製は、異なる方法によって達成されてよい。そのような方法の詳細を以下に開示する。
【0060】
非アクティブ状態にあるPDCP PDUの複製
この方法では、UEがデータ複製を使用して無線ベアラを提供するように構成される場合、UEは無線ベアラのためにすべてのPDCP PDUを複製してもよい。UEは、無線ベアラのために第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立するように構成されてもよい。可能であれば、論理チャネルは、無線ベアラ上でパケットを送信するために使用され、第2の論理チャネルは、パケットの複製を送信するために使用されてもよい。代替的には、第1の論理チャネルは、無線ベアラ上でパケットの複製を送信するために使用され、第2の論理チャネルは、パケットを送信するために使用されてもよい。追加的に、UEは、データ複製の送信のために第1の通信リンク及び第2の通信リンクを用いて構成されてもよい。さらに、UEは、第1の論理チャネルを提供するために第1の通信リンクを使用し(使用するように構成され)、第2の論理チャネルを提供するために第2の通信リンクを使用してもよい(使用するように構成されてもよい)。各(第1/第2の)通信リンクは、コンポーネントキャリア/サービングセル/TRP/サービングビーム/HARQエンティティ/HARQプロセスであってもよい。UEは、第1の論理チャネルを提供するために使用される第1の無線リンク制御(RLC)エンティティを確立し、第2の論理チャネルを提供するために使用される第2のRLCエンティティを確立してもよい。RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングは、PDCP PDUの生成するときに/生成した後にUEが第1の論理チャネル又は第2の論理チャネルを提供するかどうかを制御するために使用されてもよい。レイヤ2シグナリングは、PDCP制御PDU又はMAC制御要素であってもよい。
【0061】
最初にUEが非アクティブ状態にあると仮定する。非アクティブ状態では、第2の論理チャネルは、非アクティブ状態により中断されてもよい。第1の論理チャネルは、アクティブ状態か非アクティブ状態かによらず、中断されない。UEのPDCPレイヤが上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤ、TCP/IPレイヤ等)からパケットを受信すると、UEは、そのパケットを含むPDCP PDUを生成し、そのPDCP PDUを第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティに供給する。PDCPレイヤは、パケットに関連付けられたdiscardTimerを開始することができる。discardTimerが満了すると、PDCPレイヤは、パケットを含むPDCP PDU及び/又はPDCP PDUを含む任意のRLC PDUを破棄するように第1のRLCエンティティと第2のRLCエンティティの両方に指示してもよい。非アクティブ状態では、次世代ノードB(gNB)は、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしなくてもよく、UEは、送信のために第2の論理チャネルを提供しないようにする。非アクティブ状態では、gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングすることができるが、第2の論理チャネルが中断されているため、UEは送信のために第2の論理チャネルを提供しない。このようにして、リソースが第2の論理チャネルを送信するために使用されないため、リソース効率を達成することができる。

【0062】
gNBは、非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替えるために使用されるレイヤ2シグナリングをUEに送信してもよい。アクティブ状態では、UEは、第2の論理チャネルを中断しないこと考慮してもよい。gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジュールしてもよく、UEが送信のために第2の論理チャネルを提供するようにする。このようにして、信頼性要件を達成するために第2の論理チャネルを送信するためにリソースが使用されるため、リソース効率は重要ではない。
【0063】
UEがアクティブ状態に切り替えるためのレイヤ2シグナリングを受信すると、第2のRLCエンティティに対する再確立手順を実行することができる。第2のRLCエンティティに対する再確立手順において、UEは、第2のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄してもよい。また、UEは、第2のRLCエンティティに対する再確立手順において、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を複製/コピーし、第1のRLCエンティティから複製されたPDCP PDU(即ち、RLC SDU)を第2のRLCエンティティに供給する。第2のRLCエンティティのための再確立手順において、第2のRLCエンティティにバッファされたPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄した後、PDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を第1のRLCエンティティから第2のRLCエンティティに複製することが続く。
【0064】
アクティブ状態に切り替えるためにレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第1のRLCエンティティに対する再確立手順を実行しない。すなわち、UEは、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄するわけではない。
【0065】
アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替える必要がある場合、gNBは、アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えるためにレイヤ2シグナリングをUEに送信してもよい。非アクティブ状態において、gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしなくてもよく、UEは、送信のために第2の論理チャネルを提供しないようにする。非アクティブ状態において、gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしてもよいが、第2の論理チャネルが中断されているため、UEは送信のために第2の論理チャネルを提供しない。このようにして、リソースが第2の論理チャネルを送信するために使用されないため、リソース効率を達成することができる。
【0066】
非アクティブ状態に切り替えるためにレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第2のRLCエンティティに対する再確立手順を実行してよい。第2のRLCエンティティに対する再確立手順では、UEは、第2のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄してもよい。
【0067】
非アクティブ状態に切り替えるためのレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第1のRLCエンティティに対する再確立手順を実行しない。すなわち、UEは、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄するわけではない。
【0068】
データ複製は、LTEにおけるPDCPスプリットベアラアーキテクチャを再利用して達成してもよく、PDCPエンティティは、データを複製し、スプリットベアラを介して同じPDCP PDUを供給する。上述のように、データ複製のアクティブ化/非アクティブ化は有益である。データ複製は、PDCPコマンドによってPDCPレイヤをアクティブ又は非アクティブにすることによって達成されてもよい(例えば、指示に対応するアクティブ化/非アクティブ化をPDCP 制御PDUを介して指示することができる)。例えば、図20では、新しいPDUタイプをデータ複製のアクティブ化/非アクティブ化のために追加することができる。PDCPエンティティがPDCP制御PDUを受信すると、それはデータ複製アクティブ化/非アクティブ化のためのPDUタイプを含み、PDCPエンティティは関連機能を有効化/無効化しなければならない(例えば、データは、複製及び/又はスプリットベアラを介して送信されることができる(、又はできない))。さらに、データ複製関連タイマ(例えば、discardTimer)及び/又はパラメータを、PDCP制御コマンド(例えば、PDCP制御PDU)の指示によってリセット又は設定することができる。
【0069】
一方、データ複製が非アクティブ状態にあるとき、UEはオリジナルデータのみを送信してもよい。データ複製が必要な場合、ネットワークは、データ複製をアクティブにするようにUEに指示するためにPDCP制御PDUを送信してもよい。このケースでは、ネットワークは、信頼性を高めるために、異なる通信リンクを介してPDCP制御PDUを送信することができる(すなわち、データ複製が非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替わる場合にPDCP制御PDUを複製することもできる)。UEは、2つのPDCP制御PDUを受信している間、データ複製をアクティブにすることができる(複製したものを無視又は破棄することができる)。
【0070】
例えば、図21は、データ複製のためのPDCP制御PDUの一例を示す。データ複製のためのPDCP制御PDUは、データ/制御PDUに関する指示、PDUタイプに関する指示(データ複製アクティブ化/非アクティブ化について)、アクティブ化又は非アクティブ化を示す指示、及び/又はデータ複製に関連する他の情報を含むことができる。この例では、「アクティブ化/非アクティブ化」とは、有効/無効を意味する。図21に示すように、「A/D」は、アクティブ化/非アクティブ化を意味する。
【0071】
上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤ、TCP/IPレイヤなど)から受信した各パケットについて、PDCPレイヤは、そのパケットを含むPDCP PDUを、そのパケットの元データを送信するために使用されるRLCエンティティに供給し、そのパケットを含むPDCP PDUを、そのパケットの複製データを送信するために使用されるRLCエンティティに供給してもよい。
【0072】
各RLCエンティティは、論理チャネルに関連付けられてもよい。データ複製の場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティがあり、RLCエンティティは、複製データを送信するための論理チャネルを提供するために使用される。オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。
【0073】
複製データを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティが再確立手順を実行するために指示されると、UEは、複製データを送信するための論理チャネルを提供するためにRLCエンティティにバッファされたすべてのRLC SDU(すなわち、PDCP PDU)を破棄してもよい。
【0074】
複製データを送信するのための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティが再確立手続を実行するために指示されると、UEは、RLC SDUのセグメントがマッピングされていない場合、各PDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄してもよい。
【0075】
次いで、オリジナルデータのための論理チャネルを提供するためにRLCエンティティにバッファされたすべてのRLC SDU(すなわち、PDCP PDU)は、複製データを送信するための論理チャネルのためにRLCエンティティに複製/コピーされてもよい。
【0076】
複製データを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティは、RRCレイヤ、PDCPレイヤ、MACレイヤ又は物理レイヤによる再確立手順を実行することをトリガするよう指示されてもよい。これらの選択肢は、AM RLC及びUM RLCに適用可能としてもよい。
【0077】
MACエンティティでは、データ複製がアクティブ/非アクティブにされると、いくつかのメカニズム又は手順が影響を受ける可能性がある。インパクトを解決する方法は、この明細書においては2つのケースに分けられる。すなわち、ケース1は非アクティブのためのものであり、ケース2はアクティブ化のためのものである。各ケースは、異なるメカニズムに関連するいくつかの箇条書きを含む。
【0078】
ケース1:データ複製が非アクティブにされるとき
UEは、データ複製が非アクティブにされたときに複製データを送信するために使用される論理チャネルにULリソースを割り当てることを回避しなければならない。例えば、複製データを送信するために使用される論理チャネル(LCH)が送信可能なデータを有する場合(例えば、PDCPエンティティは依然としてPDCP PDUを複製し、両方の論理チャネルを介して送信している)、これらの論理チャネルのうちの1つは(例えば、複製データ送信のために)割り当てられたULリソースとすることができない。
【0079】
1つの選択肢では、データ複製が非アクティブにされたときに複製データ送信のためのLCHが禁止/中断されてもよい。LCHは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられてもよい。LCHをパラメータに関連付けるかどうかは、RRCシグナリング(例えば、LogicalChannelConfig)によって構成されてもよい。追加的に、ネットワークは、RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングを使用して、送信のためのLCHを禁止/中断するかどうかをUEに指示するパラメータを制御してもよい。代替的には、パラメータは、UEによって制御されることができる(例えば、データ複製状態が変化したときにUEがパラメータの値を変更することができる)。
【0080】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルがパラメータに関連付けられてもよく、ネットワークはパラメータを「禁止されていない」に常に制御して、UEがオリジナルデータを送信するために論理チャネルを提供するようにする。
【0081】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータと関連付けられなくてもよい。パラメータに関連付けられない論理チャネルとは、たとえデータ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルは送信を禁止されないことを意味する。
【0082】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、パラメータと関連付けられてもよく、パラメータは、必要とするネットワークによって制御されてもよい。より具体的には、オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されているときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。無線ベアラが送信を中断/禁止されているときは、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製したデータを送信するための論理チャネルの両方が、送信を中断/禁止されてもよい。
【0083】
別の代替案では、複製データ送信のためのLCHの優先順位を下げることができる。LCHの優先順位が下げられると、LCHは、データ送信が使い果たされた後でも依然として残っているリソースがあるまで、ULリソースを割り当てられない。複製データを送信していない他のLCHのデータが使い果たされ、ULリソースが依然として残っている場合、これらのULリソースは、リソースの浪費を避けるために複製データを送信しているLCHに割り当てることができる。
【0084】
1つの代替案では、複製データのためのHARQバッファがフラッシュされる。データ複製が非アクティブにされ、HARQバッファが複製データを含む場合、複製データが送信/再送される必要がないため、このHARQバッファをフラッシュすることができる。
【0085】
第2の代替案では、複製データ送信のためのHARQエンティティを解放する。 HARQエンティティが複製データ送信に関連付けられる(又は構成されている)場合、データ複製が非アクティブにされている間、HARQエンティティは必要でない可能性があるため、HARQエンティティを解放することができる。
【0086】
第3の代替案では、複製データ送信のためのHARQプロセスを解放する。HARQプロセスが複製データ送信に関連付けられる(又は構成される)場合、データ複製は非アクティブにされている間、HARQエンティティは必要でない可能性があるため、HARQプロセスを解放することができる。
【0087】
ULリソースの要件がアクティブ状態と非アクティブ状態とで異なるため、BSRをトリガして、更新されたバッファステータスをネットワークに通知することができる。例えば、データ複製が非アクティブにされると、複製データを送信しているLCHのためのバッファサイズの量を縮小又は省略することができる。より具体的には、更新されたバッファステータスは、データ複製のために使用されるLCH(又はLCG)のバッファステータスのみを報告することができる。
【0088】
BSRは、データ複製が非アクティブにされると、複製データを送信するためのLCHを考慮しなくてもよい。BSRは、データ複製がアクティブにされているか非アクティブにされているかにかかわらず、オリジナルデータを送信するためのLCHを考慮してもよい。
【0089】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられてもよく、ネットワークは、パラメータを「禁止されていない」に制御してもよく、UEがBSRにおいてオリジナルデータを送信する論理チャネルのバッファステータスを報告するようにする。
【0090】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられなくてもよい。パラメータと関連付けられない論理チャネルとは、たとえデータ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルは送信を禁止されないことを意味する。この実施形態では、UEは、BSRにおいてその論理チャネルのバッファステータスを報告する。
【0091】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、必要とするネットワークによって制御されるパラメータに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルのパラメータが中断/禁止を示す場合、UEは、BSRにおいて複製データを送信するための論理チャネルのバッファステータスを報告しない。より具体的には、オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されているときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。より具体的には、無線ベアラが送信を中断/禁止されている場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製したデータを送信するための論理チャネルの両方が、送信を中断/禁止されてもよい。その状況では、UEは、BSRにおいてオリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製データ送信するための論理チャネルのバッファステータスを報告しない。
【0092】
データ複製が非アクティブにされると、対応するビーム/TRP/セル/gNB(複製データ伝送のために使用される)は省電力のために非アクティブにすることができる。より具体的には、データ複製を非アクティブにするためのメカニズムは、GPP TS 36.321 V14.0.0,Evoloved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Medium Access Control(MAC)protocol specificationに開示されているようにLTEにおけるSCellsのアクティブ化/非アクティブ化のメカニズムのようなものである。この実施形態では、ネットワークがアクティブ化/非アクティブ化MAC制御要素を送信する必要がない。他の利点としては、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することも含む。
【0093】
セミパーシステントスケジューリング(SPS)だと、構成されたアップリンク許可が利用されないため、UEは、構成されたUL許可を直ちにクリアしなければならない。構成されたUL許可がクリアされない場合、ULリソースは無駄になる。
【0094】
ケース2:データ複製がアクティブにされるとき
データ複製がアクティブにされると、論理チャネル優先順位付け(LCP)は、複製データを送信するために使用される論理チャネルを考慮しなくてはならない。
【0095】
一つの選択肢では、複製データ送信のためのLCHが禁止/中断されている場合、LCHを許可しなければならない(すなわち、LCHを禁止することはできない)。ネットワークは、LCHが禁止されているかどうかを表すパラメータ(例えば、フラグ)をUEに構成することができる。例えば、パラメータは、RRCシグナリングを介してLogicalChannelConfigを用いて示すことができる。代替的には、パラメータは、UEによって制御することができる。例えば、データ複製がアクティブにされたときに、UEは、パラメータの値を変更することができる。
【0096】
複製データ送信のためのLCHは、データ複製が非アクティブにされたときに禁止/中断されてもよい。LCHは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられてもよい。RRCシグナリング(例えば、LogicalChannelConfig)によって、LCHをパラメータに関連付けるかどうかが構成されてもよい。追加的に、ネットワークは、RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングを使用して、UEがLCH送信を禁止/中断されるかどうかを指示するためのパラメータを制御してもよい。代替的には、パラメータをUEによって制御することができる。例えば、データ複製状態が変化したときに、UEがパラメータの値を変更することができる。
【0097】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられてもよい。ネットワークは、パラメータを「禁止されていない」に常に制御してもよく、UEがオリジナルデータを送信するための論理チャネルを提供するようにする。
【0098】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータと関連付けられなくてもよい。パラメータと関連付けられない論理チャネルとは、データ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルはデータ送信を禁止されないことを意味する。
【0099】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、必要とするネットワークによって制御され得るパラメータに関連付けられてもよい。より具体的には、オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されているときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。より具体的には、無線ベアラが送信を中断/禁止されている場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製データを送信するための論理チャネルの両方も、データ送信を中断/禁止されてもよい。
【0100】
別の代替案では、複製データ送信のためのLCHの優先順位を変更及び/又は上げることができる。例えば、複製データのためのLCHの優先順位を、オリジナルデータを送信するためのLCHと同じ優先順位に上げることができる。
【0101】
別の例示的な方法によれば、ネットワークノードは、ランダムアクセスプリアンブル及びシステム情報のための無線リソースとシステム情報との関連付けを提供する。無線リソースは、どのセットのシステム情報が要求されるかを示す。別の例示的な方法では、ランダムアクセスプリアンブル送信のための第1の無線リソースは、システム情報の第1のセットに関連付けられる。
【0102】
1つの選択肢では、複製データ送信のためのHARQエンティティを追加することができる。HARQエンティティは、データ複製がアクティブ化されている間のみ、複製データ送信のために追加されてもよい。別の選択肢では、複製データ送信のためのHARQプロセスを追加することができる。HARQプロセスは、データ複製がアクティブ化されている間のみ、複製データ送信のために追加されてもよい。
【0103】
別の選択肢では、ULリソースの要件がアクティブ状態と非アクティブ状態とで異なるため、BSRをトリガして、ネットワークに更新されたバッファステータスを通知することができる。例えば、データ複製がアクティブにされるときは、複製データを送信しているLCHのバッファサイズを増加させることができる。より具体的には、更新されたバッファステータスは、データ複製のために使用されるLCH(又はLCG)のバッファステータスのみを報告することができる。
【0104】
BSRは、データ複製がアクティブにされたときは、複製データを送信するためのLCHを考慮してもよい。BSRは、データ複製がアクティブにされているか非アクティブにされているかにかかわらず、オリジナルデータを送信するためのLCHを考慮してもよい、又は常に考慮する。
【0105】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータ(例えば、上述のフラグ)に関連付けられてもよい。ネットワークは、オリジナルデータを送信するための論理チャネルのパラメータを「禁止されていない」に常に制御し、UEは、BSRにおいてオリジナルデータを送信するための論理チャネルのバッファステータスを報告するようにする。
【0106】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられなくてもよい。パラメータに関連付けられない論理チャネルとは、論理チャネルが送信を禁止されず、UEがBSRにおいてその論理チャネルのバッファステータスをBSRに報告するようにすることを意味する。
【0107】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、必要とするネットワークによって制御されるパラメータに関連付けられてもよい。複製データを送信する論理チャンネルのパラメータが「中断/禁止されていない」を示す場合、UEがBSRにおいて複製データを送信する論理チャンネルのバッファステータスを報告する。
【0108】
複製データを送信するために追加のビーム/TRP/セル/gNBが必要であるため、ビーム/TRP/セル/gNBがアクティブにされるべきである。複製データを送信するためのビーム/TRP/セル/gNBは、消費電力を低減するため、非アクティブ状態にあると想定する。より具体的には、アクティブ化のためのメカニズムは、3GPP TS 36.321 V14.0.0に開示されているLTEにおけるSCellメカニズムのアクティブ化/非アクティブ化のようなものである。この構成の利点は、ネットワークがアクティブ化/非アクティブ化MAC制御要素を送信する必要がないことである。他の利点としては、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することを含む。この実施形態では、ビーム/TRP/セル/gNBは、複製データを送信するために使用される。
【0109】
別の代替案では、データ複製がアクティブにされると、RA(例えば、専用プリアンブル、プリアンブルのための時間/周波数リソース)のための構成が、UEがデータ送信を複製するために使用されるTRP/セル/gNBにアクセスするために同じ時間(例えば、同じTTI)及び/又は同じシグナリングを介して、データ複製アクティブ化の指示とともに指示されてもよい。例えば、UEがTRP/セル/gNBに接続しており、データ送信を実行していると想定する。データ送信の信頼性が高められる、例えば、URLLCサービスの場合、又はUEがセルエッジの近くにある場合、UEはデータ複製についてアクティブにされる。したがって、UEには、ネットワークによるデータ複製アクティブ化の指示と共に、RAのための構成が指示されることができる。結果として、UEは、複製データを送信するために直ちに別のTRP/セル/gNBに接続することができる。この方法は、2つの指示、すなわちRAのためのものとデータ複製をアクティブにするためのものを送信するのと比較して、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することができる。
【0110】
一実施形態では、UEがデータ複製を使用して無線ベアラを提供するように構成され、UEがデータ複製のアクティブ状態にある場合、無線ベアラのためにすべてのPDCP PDUを複製するだけでもよい。UEは、無線ベアラのために第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立するように構成されてもよい。可能であれば、第1の論理チャネルは、無線ベアラ上でパケットを送信するために使用され、第2の論理チャネルは、パケットの複製を送信するために使用されてもよい。可能であれば、第1の論理チャネルは、無線ベアラ上でパケットの複製を送信するために使用され、第2の論理チャネルは、パケットを送信するために使用されてもよい。追加的に、UEは、データ複製の送信のために第1の通信リンク及び第2の通信リンクを用いて構成されてもよい。さらに、UEは、第1の論理チャネルを提供するために第1の通信リンクを使用し(使用するように構成され)、第2の論理チャネルを提供するために第2の通信リンクを使用してもよい(使用するように構成されてもよい)。様々な実施形態では、各通信リンクは、コンポーネントキャリア/サービングセル/TRP/サービングビーム/HARQエンティティ/HARQプロセスであってもよい。UEは、第1の論理チャネルを提供するために使用される第1のRLCエンティティを確立し、第2の論理チャネルを提供するために使用される第2のRLCエンティティを確立してもよい。RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングは、PDCP PDUの生成するときに/生成した後にUEがPDCP PDUを複製するかどうかを制御するために使用されてもよい。レイヤ2シグナリングは、PDCP制御PDU又はMAC制御要素であってもよい。
【0111】
最初にUEが非アクティブ状態にあると仮定する。UEのPDCPレイヤが上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤ、TCP/IPレイヤ等)からパケットを受信すると、UEは、そのパケットを含むPDCP PDUを生成し、そのPDCP PDUを第1のRLCエンティティに供給してもよい(非アクティブ状態によりPDCP PDUを第2のRLCエンティティに供給しない)。PDCPレイヤは、パケットに関連付けられたdiscardTimerを開始することができる。discardTimerが満了すると、PDCPレイヤは、パケットを含むPDCP PDU及び/又はPDCP PDUを含む任意のRLC PDUを破棄するように第1のRLCエンティティに指示することができる。非アクティブ状態では、gNBは、UEが送信のために第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしてもしなくてもよい。その結果、リソースが空の第2の論理チャネルを提供するために使用されないので、リソース効率を達成することができる。
【0112】
gNBはまた、非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替えるために使用されるレイヤ2シグナリングをUEに送信してもよい。アクティブ状態では、UEは、PDCP PDUを生成するとき/生成した後にPDCP PDUを複製し、PDCP PDUを第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティに供給することを考慮してもよい。gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングして、UEが送信のために第2の論理チャネルを提供するようにしてもよい。このようにして、信頼性要件を達成するために第2の論理チャネルを送信するためにリソースが使用されるため、リソース効率は重要ではない。
【0113】
UEがアクティブ状態に切り替えるためのレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第2のRLCエンティティに対する再確立手順を実行することができる。第2のRLCエンティティに対する再確立手順において、UEは、第2のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、もしあればRLC SDU)を破棄してもよい。また、UEは、第2のRLCエンティティに対する再確立手順において、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を複製/コピーし、複製されたPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を第2のRLCエンティティに供給してもよい。第2のRLCエンティティに対する再確立手順において、第2のRLCエンティティにバッファされたPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄した後、PDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を第1のRLCエンティティから第2のRLCエンティティに複製することができる。
【0114】
アクティブ状態に切り替えるためにレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第1のRLCエンティティに対する再確立手順を実行しない。すなわち、UEは、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄するわけではない。
【0115】
gNBがアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替える必要がある場合、gNBは、レイヤ2シグナリングをUEに送信してもよく、レイヤ2シグナリングは、アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えるために使用される。非アクティブ状態では、UEは、PDCP PDUを生成するとき/生成した後、PDCP PDUを複製して複製したPDCP PDUを第2のRLCエンティティに供給することを停止してもよい。非アクティブ状態では、gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしなくてもよく、UEは、送信のための第2の論理チャネルを提供しない。代替的には、非アクティブ状態において、gNBは、UEが第2の通信リンクを使用するようにスケジューリングしてもよいが、第2の論理チャネルが送信可能なデータを有していない可能性があるため、UEは、送信のための第2の論理チャネルを提供しない。
【0116】
非アクティブ状態に切り替えるためにレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第2のRLCエンティティに対する再確立手順を実行してよい。第2のRLCエンティティに対する再確立手順では、UEは、第2のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄してもよい。
【0117】
非アクティブ状態に切り替えるためのレイヤ2シグナリングを受信すると、UEは、第1のRLCエンティティに対する再確立手順を実行しない。すなわち、UEは、第1のRLCエンティティにバッファされたすべてのPDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄するわけではない。
【0118】
データ複製は、LTEにおけるPDCPスプリットベアラアーキテクチャを再利用して達成してもよく、PDCPエンティティは、データを複製し、スプリットベアラを介して同じPDCP PDUを供給する。上述のように、データ複製のアクティブ化/非アクティブ化は有益である。1つの方法によれば、PDCPレイヤをPDCP制御コマンド(例えば、アクティブ化/非アクティブ化は、PDCP制御PDUを介して指示されることができる)によってアクティブ/非アクティブにすることができる。例えば、図20に示すように、新しいPDUタイプをデータ複製のアクティブ化/非アクティブ化のために追加することができる。PDCPエンティティが、データ複製のアクティブ化/非アクティブ化のためのPDUタイプを含むPDCP制御PDUを受信すると、PDCPエンティティは、関連する機能を有効/無効にしなければならない(例えば、データはスプリットベアラを介して複製される、及び/又は送信されてもされなくてもよい)。追加的に、データ複製関連タイマ(例えば、discardTimer)及び/又はパラメータは、PDCP制御コマンド(例えば、PDCP制御PDU)の指示によってリセット又は設定されることができる。
【0119】
一方、データ複製が非アクティブ状態にあるとき、UEはオリジナルデータのみを送信してもよい。データ複製が必要な場合、ネットワークは、データ複製をアクティブにするようにUEに指示するためにPDCP制御PDUを送信してもよい。このシナリオでは、ネットワークは信頼性を高めるために異なる通信リンクを介してPDCP制御PDUを送信することができる。すなわち、データ複製が非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替わった場合に、PDCP制御PDUも複製することができる。UEが2つのPDCP制御PDUを受信した場合、UEはデータ複製をアクティブにすることができ、複製されたPDCP制御PDUを無視又は破棄してもよい。
【0120】
図21は、データ複製のためのPDCP制御PDUの一例を示す。データ複製のためのPDCP制御PDUは、データ/制御PDUに関する指示、PDUタイプ(データ複製アクティブ化/非アクティブ化)に関する指示、アクティブ化又は非アクティブ化のための指示、及び/又はデータ複製に関連する他の情報を含むことができる。この例では、「アクティブ化/非アクティブ化」とは、有効化/無効化を意味し、図2に示す“A/D”はアクティブ化/非アクティブ化を意味する。
【0121】
上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤ、TCP/IPレイヤなど)から受信した各パケットに対して、PDCPレイヤは、RLCエンティティに供給され得るパケットを含むPDCP PDUを生成することができる。PDCP PDUは、パケットのオリジナルデータを送信するために使用される。また、PDCPレイヤは、データ複製がアクティブ状態にあるとき、パケットを含むPDCP PDUをパケットの複製データを送信するために使用されるRLCエンティティに供給してもよい。PDCPレイヤは、データ複製が非アクティブ状態にあるとき、パケットを含むPDCP PDUをパケットの複製データを送信するために使用されるRLCエンティティに送らなくてもよい。
【0122】
図23に示すように、UL PDCP複製の非アクティブの間、PDCP PDUは、良好な無線品質を有する単一のキャリア上で送信されてもよい。ネットワークが無線リンクが不良(例えば、測定レポートに基づいて不良)になっていることを検出すると、ネットワークは、UL PDCP複製をアクティブにするようにUEに指示する。無線品質が不良になっても、直ちにUL PDCPの複製をアクティブにすることはできない。すなわち、無線品質の検出とUL PDCP複製のアクティブ化との間には反応時間がある。反応時間の間に、UEは、より信頼性の低い複数のPDCP PDUを生成し送信していてもよい。
【0123】
3GPP R2-1702642によれば、UL PDCP複製のアクティブ化も議論されている。複製のアクティブ化は、UM(Unacknowledged)モードのための新しいPDCP PDUと最後に送信されたN個のPDCP PDUに適用されることが提案された。3GPP R2-1702642における提案2の概念を図24に示す。図24において、N個は3個に設定され、UL PDCP複製のアクティブ化が最後に送信された3個の送信PDCP PDUに適用されるようにすると想定する。この場合、PDCP PDU#2を複製し再送する必要はない。
【0124】
3GPP R2-1702642と比較して、それらのPDCP PDUの送信に対して信頼性を提供するために、そのような反応時間内に送信されたそれらPDCP PDUを複製し再送信する方が良いようである。
【0125】
一実施形態では、UL PDCP複製は、UL PDCP複製のアクティブ化の前の期間内に送信されたPDCP PDUに適用されるべきである。
【0126】
一実施形態では、UL PDCP複製のアクティブ化の前にUL PDCP複製を適用するための期間は、gNB又はUEによって構成することができる。
【0127】
一方、ネットワークが無線リンクが良好になったことを検出すると、PDCP複製を非アクティブにするようにUEに指示する。無線品質が良好になっても、直ちにUL PDCP複製を非アクティブにすることはできない可能性がある。すなわち、無線品質の検出とPDCP複製の非アクティブ化との間に反応時間がある。反応時間の間に、UEは、送信を待っているいくつかの複製PDCP PDUを生成していてもよい。しかし、これらの複製PDCP PDUは、送信される場合にリソースの浪費となる。
【0128】
複製PDCP PDUの不必要な送信を回避するために、UEは、複製PDCP PDUを送信するレッグに関連付けられたRLCエンティティ上で再確立手順を実行して、それらの保留中のPDCP PDUを破棄すべきである。
【0129】
一実施形態では、UL PDCP複製の非アクティブ化は、複製PDCP PDUを送信するレッグに関連付けられたRLCエンティティ上でRLC再確立手順をトリガすべきである。
【0130】
可能であれば、PDCPレイヤ内のPDCP PDUを記憶するために使用されるバッファが考慮されてもよい。バッファに記憶されたPDCP PDUは、オリジナルデータを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティ(例えば、RLC#1)及び/又は複製データを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティ(例えば、RLC#2)に送られ得る。各PDCP PDUは、ある持続時間又は期間に対してバッファに記憶されてもよい。持続時間又は期間は、gNBによって構成/制御されるか、又はUEにおいて事前に構成され得る。持続時間又は期間の終わりに、UEは、PDCP PDUのいくつか又はすべてをバッファから除去して、これらの除去されたPDCP PDUがRLC#1及び/又はRLC#2に送られないようにしてもよい。
【0131】
一実施形態では、持続時間又は期間をゼロに設定する又は構成することができる。この場合、UEは、データ複製が非アクティブにされると考えることができる。他方、持続時間又は期間がゼロに設定されないか、又は構成されない場合、UEは、データ複製がアクティブにされると考えることができる。
【0132】
一実施形態では、UEは、持続時間又は期間を制御するためにタイマを開始してもよい。タイマが満了すると、UEは、バッファに記憶されたすべてのPDCP PDUを除去してもよい(すなわち、バッファをクリアする)。UEがデータ複製をアクティブにするよう指示されると、UEは、バッファに記憶された任意のPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給してもよい。UEは、バッファに記憶されたすべてのPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給した後、バッファをクリアしてもよい。バッファをクリアした後、UEはタイマを再開してもよい。
【0133】
一実施形態では、バッファに記憶される各PDCP PDUは、タイマを実行することができる。すなわち、UEは、各PDCP PDUをタイマに関連付け、各タイマを独立して実行する。バッファに記憶されたPDCP PDUに関連付けられたタイマが満了すると、UEは、PDCP PDUをバッファから除去してもよい。UEがデータ複製をアクティブにするよう指示されると、UEは、バッファに記憶された任意のPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給してもよい。UEは、バッファに記憶されたすべてのPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給した後、バッファをクリアしてもよい。
【0134】
一実施形態では、バッファに記憶される各PDCP PDUは、タイマを実行することができる。すなわち、UEは、各PDCP PDUをタイマに関連付け、各タイマを独立して実行する。バッファに記憶されたPDCP PDUに関連付けられたタイマが満了すると、UEは、PDCP PDUをバッファから除去してもよい。UEが予期された期間で指示されると、UEは、任意のPDCP PDUに関連付けられたタイマが動作しており、タイマが予期された期間以下の持続時間を実行した場合、バッファに記憶されたその任意のPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給してもよい。UEは、配信基準を満たし、バッファに記憶されたすべての又は所定のPDCP PDUをRLC#1及び/又はRLC#2に供給した後、バッファをクリアしてもよい。
【0135】
一実施形態では、gNBは、UEに予期された期間で指示する制御コマンドを送信してもよい。制御コマンドは、RRCシグナリング、PDCP制御PDU、RLCシグナリング、MAC制御エレメント、又は物理シグナリングとすることができる。制御コマンドを使用して、データ複製を非アクティブにすることができる。
【0136】
一実施形態では、持続時間又は期間を決定するために使用されるタイマはdiscardTimerであってもよい。
【0137】
各RLCエンティティは、論理チャネルに関連付けられてもよい。データ複製の場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティ(例えば、RLC#1)と、複製データを送信するための論理チャネルを提供するために使用されるRLCエンティティ(例えば、RLC#2)がある。オリジナルデータを送信するための論理チャネルと、複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。RLC#1は、UM RLCエンティティ又はAM(Acknowledged)RLCエンティティであってもよい。RLC#2は、UM RLCエンティティ又はAM RLCエンティティであってもよい。
【0138】
例えば、送信可能な3つのPDCP PDUがある。PDCP PDU#1、PDCP PDU#2、及びPDCP PDU#3である。
【0139】
データ複製がアクティブにされている場合、UEは、送信のためにこれらのPDCP PDUをRLC#1及びRCL#2に供給してもよい。データ複製が非アクティブされている場合、UEは、送信のためにこれらのPDCP PDUをRLC#1に供給してもよい。UEは、RRCシグナリング、PDCPシグナリング、RLCシグナリング、MAC制御エレメント、又は物理シグナリングを介して、データ複製をアクティブ又は非アクティブにするように指示されてもよい。
【0140】
UEは、これらのPDCP PDUのうち送信のためにいくつかのRLC PDUを生成してもよい。これらのRLC PDUの考えられるケースは、(i)PDCP PDU#1を含むRLC PDU#1、(ii)PDCP PDU#2の第1のセグメントを含むRLC PDU#2、(iii)残余PDCP PDU#2を含むRLC PDU#3及び、(iv)PDCP PDU#3を含むRLC PDU#4である。上記のデータフローを図22に示す。
【0141】
ケース1:データ複製の非アクティブ化とRLC#2におけるRLC PDUの破棄
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製を非アクティブにするように指示されてもよい。
【0142】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製を非アクティブにするように指示された場合、完全PDCP PDU(例えば、RLC PDU#1、RLC PDU#4)を含むRLC PDUを破棄してもよい。この実施形態では、データ複製が不要であるため、リソースを節約するために、RLC PDU#1(及びRLC PDU#4)が破棄される。
【0143】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製を非アクティブにするように指示された場合、第1のセグメントPDCP PDU(例えば、RLC PDU#3)ではないセグメントPDCP PDUを含むRLC PDUを破棄しなくてよい。この場合、データ複製が不要であるが、完全PDCP PDUの送信のためにRLC PDU#3が破棄されるべきではない。
【0144】
可能であれば、UEは、複製データの論理チャネルを提供するためのULリソースを受信している間に、データ複製を非アクティブにするように指示されてもよい。ULリソースに基づいて、UEは、RLC PDUの送信のためにトランスポートブロック(TB)を処理する。TBがRLC PDU#1及びRLC PDU#2を含むことが可能な例を与える。
【0145】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、完全PDCP PDU(例えば、RLC PDU#1)を含むRLC PDUを破棄しなくてもよい。この実施形態では、リソースがUEのために割り当てられているため、RLC PDU#1は破棄されなくてよく、UEはそのリソースに基づいて送信を実行する。リソース効率の観点から、TB内のRLC PDU#1を送信することは、TB内のパディングを送信することと比較して意味がある。
【0146】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、第1のセグメントPDCP PDU(例えば、RLC PDU#2)であるセグメントPDCP PDUを含むRLC PDUを破棄しなくてもよい。この場合、RLC PDU#2は破棄されなくてもよい。
【0147】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、第1のセグメントPDCP PDU(例えば、RLC PDU#3)ではないセグメントPDCP PDUを含むRLC PDUを破棄しなくてもよい。この実施形態では、RLC PDU#3は、完全PDCP PDUの送信のために破棄されるべきではない。
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、TBに含むことができない完全PDCP PDU(例えば、RLC PDU#4)を含むRLC PDUを破棄してもよい。この実施形態では、データ複製が不要であるため、RLC PDU#4が破棄されてもよい。
【0148】
上記で開示した実施形態は、図25に示した表に要約している。
【0149】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEはRLC#2での再確立手順を開始してもよい。RLC#2での再確立手順の間、UEは、RLC#2においてバッファされた任意のRLC PDU(たとえ完全PDCP PDU又は部分PDCP PDUを含んでいても)を破棄してもよい。
【0150】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、RLC#2においてバッファされた任意のRLC PDU(たとえ完全PDCP PDU又は部分なPDCP PDUを含んでいても)を破棄してもよい。
【0151】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、ポールを再送信するために、RLC#2(の送信側)によって使用されるタイマを停止及び/又はリセットしてもよい。
【0152】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、下位レイヤでRLC PDUの損失を検出ために、RLC#2の(の受信側)によって使用されるタイマを停止及び/又はリセットしてもよい。
【0153】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、STATUS PDUの送信を禁止するために、RLC#2(の受信側)によって使用されるタイマを停止及び/又はリセットしてもよい。
【0154】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、RLCプロトコルをその初期値に指定するために、RLC#2において使用される任意の状態変数をリセットしてもよい。
【0155】
一実施形態では、データ複製を非アクティブにする指示があると、UEは、RLC#2での再確立手順を開始してもよい。RLC#2での再確立手順の間、RLC SDUのセグメントがRLC PDUにマッピングされていない場合、UEは、各PDCP PDU(すなわち、RLC SDU)を破棄してもよい。
【0156】
ケース2:データ複製のアクティブ化とRLC#1からのRLC SDUの複製
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示されてもよい。
【0157】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#1、RLC PDU#4)の完全RLC SDU(すなわち、完全PDCP PDU)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#1のRLC SDU(及び/又はRLC PDU#4のRLC SDU)は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2のための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成してもよい。
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUが以前に複製されており、)ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#3)のセグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を複製してもよい。この場合、RLC PDU#3のRLC SDUは、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2のための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成してもよい。
【0158】
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUがいまだ複製されておらず、)ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#3)のセグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を複製しなくてもよい。この実施形態では、RLC PDU#3のRLC SDUは、RLC#1から複製されてRLC#2に供給されなくてもよい。
【0159】
一実施形態では、UEは、複製データの論理チャネルを提供するためのULリソースを受信している間に、データ複製をアクティブにするように指示されてもよい。ULリソースに基づいて、UEは、RLC PDUの送信のためのトランスポートブロック(TB)を処理する。例えば、TBは、RLC PDU#1及びRLC PDU#2を含むことが可能である。
【0160】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#1)の完全RLC SDU(すなわち、完全PDCP PDU)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#1のRLC SDUは、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2のための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成してもよい。
【0161】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製を非アクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#2)のセグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDU)を複製してもよい。この場合、RLC PDU#2のRLC SDUは、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2のための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成してもよい。
【0162】
一実施形態では、UEは(第1のセグメントRLC SDUが以前に複製されており、)ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#3)のセグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#3のRLC SDUは、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2ための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成してもよい。
【0163】
一実施形態では、UEは(第1のセグメントRLC SDUがいまだ複製されておらず、)ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、RLC PDU(例えば、RLC PDU#3)のセグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を複製しなくてもよい。この実施形態では、RLC PDU#3のRLC SDUは、RLC#1から複製されてRLC#2に供給されなくてもよい。
【0164】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、TBに含むことができないRLC PDU(例えば、RLC PDU#4)の完全RLC SDUを複製することができる。この実施形態では、RLC PDU#4のRLC SDUは、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。UEは、RLC#2のための新しいヘッダと、RLC#1から複製されたRLC SDUとを含む新しいRLC PDUを生成することができる。
【0165】
上記に開示した実施形態は、図26に示す表に要約している。
【0166】
一実施形態では、データ複製をアクティブにする指示があると、UEは、まず、RLC#2での再確立手順を開始し、RLC#1からのRLC SDUの複製を実行し、RLC SDUの複製をRLC#2に供給してもよい。
【0167】
ケース3:データ複製のアクティブ化とRLC#1からのRLC PDUの複製
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示されてもよい。
【0168】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、完全RLC SDUを含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#1、RLC PDU#4)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#1(及び/又はRLC PDU#4)は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0169】
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUを含むRLC PDUが以前に複製されており、)ULを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#3)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#3は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0170】
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUを含むRLC PDUがいまだ複製されておらず、)ULを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#3)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#3は、RLC#1から複製されてRLC#2に供給されなくてもよい。
【0171】
可能であれば、UEは、複製データの論理チャネルを提供するためのULリソースを受信している間に、データ複製をアクティブにするように指示されてもよい。ULリソースに基づいて、UEは、RLC PDUの送信のためにトランスポートブロック(TB)を処理する。一例では、TBがRLC PDU#1及びRLC PDU#2を含むことが可能である。
【0172】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、完全RLC SDUを含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#1)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#1は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0173】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1セグメントRLC SDU)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#2)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#2は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0174】
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUを含むRLC PDUが以前に複製されており、)ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#3)を複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#3は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0175】
一実施形態では、UEは、(第1のセグメントRLC SDUがいまだ複製されておらず、)ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#3)を複製しなくてもよい。この実施形態では、RLC PDU#3は、RLC#1から複製されてRLC#2に供給されなくてもよい。
【0176】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する)前に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、TBに含むことができない完全RLC SDU(例えば、RLC PDU#4)を含むRLC PDUを複製してもよい。この実施形態では、RLC PDU#4は、RLC#1から複製され、RLC#2に供給されてもよい。
【0177】
上記に開示した実施形態は、図27に示す表に要約している。
【0178】
一実施形態では、データ複製をアクティブにする指示があると、UEは、まず、RLC#2の再確立手順を開始し、RLC#1からのRLC PDUの複製を実行し、RLC PDUの複製をRLC# 2に供給してもよい。
【0179】
一実施形態では、UEは、RLC#2において、RLC#1から複製されたRLC PDUのシーケンス番号(SN)を変更/修正しない。
【0180】
一実施形態では、UEは、RLC#1から複製されたRLC PDUのSNに基づいて、RLC#2において次に新たに生成されるRLC PDUに対して割り当てられるSNの値を保持する状態変数(例えば、3GPP TS 36.22 V13.1.0で定義されるVT(US)又はVT(S))を設定してもよい。例えば、UEは、状態変数を、RLC#1から最後に複製されたRLC PDUのSNに設定(し、状態変数を1だけインクリメントする)してもよい。
【0181】
一実施形態では、UEは、gNBから受信した制御状に基づいて、RLC#2において次に新たに生成されるRLC PDUに対して割り当てられるSNの値を保持する状態変数(例えば、3GPP TS 36.22 V13.1.0で定義されるVT(US)又はVT(S))を設定してもよい。制御情報は、UE内の状態変数を更新/変更するために使用される。制御情報は、RRCシグナリング、PDCPシグナリング、RLCシグナリング、MAC制御エレメント、又は物理シグナリングを介して送信されてもよい。
ケース4:データ複製のアクティブ化とRLC#1からのRLC PDUのピギーバック
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするように指示されてもよい。
【0182】
一実施形態では、UEは、ULリソースを受信する前にデータ複製をアクティブにするよう指示された場合、UE(のRLC#2)は、RLC#1にバッファされた任意のRLC PDUをピギーバックするための特別なRLC PDUを生成しなくてもよい。
【0183】
可能であれば、UEは、複製データの論理チャネルを提供するためのULリソースを受信している間に、データ複製をアクティブにするように指示されてもよい。ULリソースに基づいて、UEは、RLC PDUの送信のためにトランスポートブロック(TB)を処理する。例えば、TBは、RLC PDU#1及びRLC PDU#2を含むことが可能である。
【0184】
一実施形態では、UE(のRLC#2)は、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、完全RLC SDUを含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#1)をピギーバックする特別なRLC PDUを生成してもよい。RLC PDU#1は、RLC#2に供給される特別なRLC PDUに含まれてもよい。この実施形態では、特別なRLC PDUのヘッダは、ピギーバックされたRLC PDU#1を示してもよい。UEは、特別なRLC PDUをgNBに送信してもよい。RLC#2の受信側(例えば、gNB内)は、特別なRLC PDUにピギーバックされたRLC PDU#1を(gNB内の)RLC#1の受信側に供給してもよい。
【0185】
一実施形態では、UE(のRLC#2)は、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1セグメントRLC SDUである)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#2)をピギーバックする特別なRLC PDUを生成してもよい。RLC PDU#2は、RLC#2に供給される特別なRLC PDUに含まれてもよい。この実施形態では、特別なRLC PDUのヘッダは、ピギーバックされたRLC PDU#2を示してもよい。UEは、特別なRLC PDUをgNBに送信してもよい。RLC#2の受信側(例えば、gNB内)は、特別なRLC PDUにピギーバックされたRLC PDU#2を(gNB内の)RLC#1の受信側に供給してもよい。
【0186】
一実施形態では、UE(のRLC#2)は、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、セグメントRLC SDU(第1のセグメントRLC SDUではない)を含むRLC PDU(例えば、RLC PDU#3)をピギーバックする特別なRLC PDUを生成してもよい。RLC PDU#3は、RLC#2に供給される特別なRLC PDUに含まれてもよい。この実施形態では、特別なRLC PDUのヘッダは、ピギーバックされたRLC PDU#3を示してもよい。UEは、特別なRLC PDUをgNBに送信してもよい。RLC#2の受信側(例えば、gNB内)は、特別なRLC PDUにピギーバックされたRLC PDU#3を(gNB内の)RLC#1の受信側に供給してもよい。
【0187】
一実施形態では、UE(のRLC#2)は、ULリソースを受信した後(及びTBを送信する前)に、データ複製をアクティブにするように指示された場合、TBに含むことができない完全RLC SDU(例えば、RLC PDU#4)を含むRLC PDUをピギーバックする特別なRLC PDUを生成しなくてもよい。
【0188】
上記に開示した実施形態は、図28に示す表に要約している。
【0189】
一実施形態では、データ複製をアクティブにする指示があると、UEは、まず、RLC#2での再確立手順を開始し、RLC#2にバッファされる特別なRLC PDUを生成してもよい。特別なRLC PDUは、(RLC PDUが送信される場合)RLC#1からのRLC PDUをピギーバックする。RLC#1から到来するRLC PDUは、特別なRLC PDUに含まれるRLC SDUとすることができる。UEは、RLC#2にバッファされた特別なRLC PDUをgNBに送信する。
【0190】
一実施形態では、UEは、特別なRLC PDUにピギーバックされたRLC PDUのSNを変更しない。特別なRLC PDUのSNは、RLC PDUのSNと異なっていてもよい。
【0191】
MACエンティティにおいて、上位レイヤ(例えば、PDCPレイヤ又はRRCレイヤ)は、データ複製のためのアクティブ状態又は非アクティブ状態を指示することができる。したがって、いくつかのメカニズム又は手順は、データ複製がアクティブ/非アクティブにされると、影響を受ける可能性がある。インパクトを解決するための方法は、以下の説明では2つの場合に分けられる。ケース1は非アクティブ化についてのもの、ケース2はアクティブ化についてのものである。各ケースには、異なるメカニズムに関連するいくつかの箇条書きを含む。
【0192】
ケース1:データ複製が非アクティブにされるとき
UEは、データ複製が非アクティブにされると、複製データを送信するために使用される論理チャネルにULリソースを割り当てることを回避しなければならない。例えば、複製データを送信するためのLCHが送信可能なデータを有する場合(例えば、PDCPエンティティが依然としてPDCP PDUを複製しており、両方の論理チャネルを介して送信している場合)、(例えば、複製データ送信のための)これらの論理チャネルの1つにアップリンクリソースが割り当てられるべきではない。
【0193】
第1の選択肢では、LCH禁止及び/又は中断がある。複製データ送信のためのLCHは、データ複製が非アクティブにされると、禁止/中断されてもよい。LCHは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられていてもよい。RRCシグナリング(例えば、LogicalChannelConfig)は、LCHをパラメータに関連付けるかどうかを決定するように構成されてもよい。追加的に、ネットワークは、RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングを使用して、UEが送信のためのLCHを禁止/中断すべきかどうかを指示するパラメータを制御することができる。代替的には、UEは、パラメータを制御することができる。例えば、UEは、データ複製状態が変化したときに、パラメータの値を変更することができる。
【0194】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルがパラメータに関連付けられてもよく、ネットワークは、パラメータを「禁止されていない」に常に制御してもよく、UEがオリジナルデータを送信するために論理チャネルを提供するようにする。
【0195】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータと関連付けられなくてもよい。パラメータと関連付けられない論理チャネルとは、たとえデータ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルは送信を禁止されないことを意味する。
【0196】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルはパラメータに関連付けられてもよく、パラメータは必要とするネットワークによって制御されてもよい。より具体的には、オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されているときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。無線ベアラが送信を中断/禁止されている場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製したデータを送信するための論理チャネルの両方が、送信を中断/禁止されてもよい。
【0197】
第2の選択肢では、複製データ送信のためのLCHの優先順位を下げることができる。LCHの優先順位が下げられると、LCHは、他のLCHのデータが使い果たされた後でも依然として残っているリソースがあるまで、ULリソースを割り当てられない。複製データを送信していない他のLCHのデータが使い果たされ、ULリソースがまだ残っている場合、これらのリソースは、リソースの浪費を回避するために複製データを送信しているLCHに割り当てることができる。
【0198】
第3の選択肢では、複製データのためのHARQバッファをフラッシュすることができる。データ複製が非アクティブにされ、複製データがHARQバッファ内に存在する場合、複製データが送信/再送される必要がないため、HARQバッファをフラッシュすることができる。
【0199】
第4の選択肢では、複製データ送信のためのHARQエンティティを解放することができる。HARQエンティティが複製データ送信に関連付けられる(又は構成されている)場合、データ複製が非アクティブにされている間、HARQエンティティは必要でない可能性があるため、HARQエンティティを解放することができる。
【0200】
第5の選択肢では、複製データ送信のためのHARQプロセスを解放することができる。HARQプロセスが複製データ送信に関連付けられる(又は構成されている)場合、データ複製は非アクティブにされている間、HARQプロセスは必要でない可能性があるため、HARQプロセスを解放することができる。
【0201】
別の実施形態では、ULリソースの要件がアクティブ状態と非アクティブ状態とで異なるため、BSRをトリガして、更新されたバッファステータスをネットワークに通知することができる。例えば、データ複製が非アクティブにされると、複製データを送信しているLCHのためのバッファサイズを縮小又は省略することができる。例えば、更新されたバッファステータスは、データ複製のために使用されるLCH(又はLCG)のバッファステータスのみを報告してもよい。
【0202】
BSRは、データ複製が非アクティブにされると、複製データを送信するためのLCHを考慮しなくてもよい。BSRは、データ複製がアクティブにされているか非アクティブにされているかにかかわらず、オリジナルデータを送信するためのLCHを考慮してもよい(、又は常に考慮する)。
【0203】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられてもよく、ネットワークは、パラメータを「禁止されていない」に制御してもよく(、又は常に制御して)、UEがBSRにおいてオリジナルデータを送信する論理チャネルのバッファステータスを報告するようにする。
【0204】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられなくてもよい。パラメータと関連付けられない論理チャネルとは、たとえデータ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルは送信を禁止されないことを意味する。その結果、UEは、BSRにおいてその論理チャネルのバッファステータスを報告する。
【0205】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられてもよく、パラメータは、必要とするネットワークによって制御されてもよい。複製データを送信するための論理チャネルのパラメータが中断/禁止を示す場合、UEは、BSRにおいて複製データを送信するための論理チャネルのバッファステータスを報告しない。より具体的には、オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されるときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。無線ベアラが送信を中断/禁止されているときは、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製したデータを送信するための論理チャネルの両方が、送信を中断/禁止されてもよい。この状況では、UEは、BSRにおいてオリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製データ送信するための論理チャネルの両方のバッファステータスを報告しない。
【0206】
別の代替案では、データ複製が非アクティブにされると、対応するビーム/TRP/セル/gNB(複製データ伝送のために使用される)は省電力のために非アクティブにすることができる。より具体的には、データ複製を非アクティブにするためのメカニズムは、LTEにおけるSCellsのアクティブ化/非アクティブ化のメカニズムのようなものである。利点は、ネットワークがアクティブ化/非アクティブ化MAC制御要素を送信する必要がないことである。他の利点としては、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することを含む。実施形態では、ビーム/TRP/セル/gNBは、複製データを送信するために使用される。
【0207】
データ複製が非アクティブにされると、構成されたアップリンク許可が利用されないため、UEは構成されたUL許可を直ちにクリアしなければならない。構成されたUL許可がクリアされない場合、ULリソースが無駄になる。
【0208】
ケース2:データ複製がアクティブにされるとき
データ複製がアクティブにされると、論理チャネル優先順位付け(LCP)は、どの論理チャネルが複製データを送信するために使用されるかを考慮しなくてはならない。第1の選択肢では、複製データ送信のためのLCHが禁止/中断されている場合、LCHを許可しなければならない(すなわち、LCHを禁止することはできない)。ネットワークは、LCHが禁止されているかどうかを表すパラメータ(例えば、フラグ)をUEに構成することができる。例えば、パラメータは、RRCシグナリングを介してLogicalChannelConfigを用いて示すことができる。代替的には、パラメータは、UEによって制御することができる。例えば、データ複製がアクティブにされたときに、UEは、パラメータの値を変更することができる。
【0209】
複製データ送信のためのLCHは、データ複製が非アクティブにされたときに禁止/中断されてもよい。LCHは、パラメータ(例えば、フラグ)に関連付けられてもよい。RRCシグナリング(例えば、LogicalChannelConfig)は、LCHをパラメータに関連付けるかどうかを決定するように構成されてもよい。追加的に、ネットワークは、RRCシグナリング又はレイヤ2シグナリングを使用して、送信のためのLCHを禁止/中断するかどうかをUEに指示するためのパラメータを制御してもよい。代替的には、UEがパラメータを制御してもよい。例えば、データ複製状態が変化したときに、UEがパラメータの値を変更することができる。
【0210】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられてもよい。ネットワークは、パラメータを「禁止されていない」に制御してもよく、UEがオリジナルデータを送信するための論理チャネルを提供する。
【0211】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータと関連付けられなくてもよい。パラメータと関連付けられない論理チャネルとは、データ複製が非アクティブ状態にあっても、論理チャネルは送信を禁止されないことを意味する。
【0212】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられてもよく、パラメータは必要とするネットワークによって制御されてもよい。オリジナルデータを送信するための論理チャネル及び複製データを送信するための論理チャネルは、共通/同一の無線ベアラに関連付けられてもよい。複製データを送信するための論理チャネルが中断/禁止されているときは、複製データを送信するための論理チャネルに関連付けられた無線ベアラは中断/禁止されなくてもよい。無線ベアラが送信を中断/禁止されている場合、オリジナルデータを送信するための論理チャネルと複製データを送信するための論理チャネルの両方も、送信を中断/禁止されてもよい。
【0213】
第2の選択肢では、データ複製がアクティブにされるとき、複製データ送信のためのLCHの優先順位を上げることができる。例えば、複製データのためのLCHの優先順位を、オリジナルデータを送信するためのLCHと同じ優先順位に上げることができる。
【0214】
第3の選択肢では、データ複製がアクティブにされている間のみ、複製データ送信のためにHARQエンティティを追加してもよい。
【0215】
第4の選択肢では、データ複製がアクティブにされている間のみ、複製データ送信のためにHARQプロセスを追加してもよい。
【0216】
別の選択肢では、データ複製がアクティブにされるときは、ULリソースの要件がアクティブ状態と非アクティブ状態とで異なるため、BSRをトリガして、ネットワークに更新されたバッファステータスを通知することができる。例えば、データ複製がアクティブにされるときは、複製データを送信しているLCHのバッファサイズを増加させることができる。より具体的には、更新されたバッファステータスは、データ複製のために使用されるLCH(又はLCG)のバッファステータスのみを報告することができる。
【0217】
BSRは、データ複製がアクティブにされたときは、複製データを送信するためのLCHを考慮してもよい。BSRは、データ複製がアクティブにされているか非アクティブにされているかにかかわらず、オリジナルデータを送信するためのLCHを考慮してもよい(、又は常に考慮する)。
【0218】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられてもよい。ネットワークは、オリジナルデータを送信するための論理チャネルのパラメータを「禁止されていない」に制御し、UEは、BSRにおいてオリジナルデータを送信するための論理チャネルのバッファステータスを報告する。
【0219】
一実施形態では、オリジナルデータを送信するための論理チャネルは、パラメータに関連付けられなくてもよい。パラメータに関連付けられない論理チャネルとは、論理チャネルが送信を禁止されず、その結果、UEがBSRにおいてその論理チャネルのバッファステータスをBSRに報告するようにすることを意味する。
【0220】
一実施形態では、複製データを送信するための論理チャネルは、必要とするネットワークによって制御されるパラメータに関連付けられてもよい。複製データを送信する論理チャンネルのパラメータが「中断/禁止されていない」を示す場合、UEがBSRにおいて複製データを送信するための論理チャンネルのバッファステータスを報告する。
【0221】
別の代替案では、データ複製がアクティブにされると、対応するビーム/TRP/セル/gNBがアクティブにされてもよい。複製データを送信するために追加のビーム/TRP/セル/gNBが必要であるため、ビーム/TRP/セル/gNBがアクティブにされるべきである。複製データを送信するためのビーム/TRP/セル/gNBは、消費電力を低減するため、非アクティブ状態にあると想定する。より具体的には、アクティブ化のためのメカニズムは、3GPP TS 36.321 V14.0.0に開示されているLTEにおけるSCellメカニズムのアクティブ化/非アクティブ化のようなものである。同様のメカニズムの利点は、ネットワークがアクティブ化/非アクティブ化MAC制御要素を送信する必要がないことである。他の利点としては、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することを含む。これらの実施形態では、ビーム/TRP/セル/gNBは、複製データを送信するために使用される。
【0222】
別の代替案では、データ複製がアクティブにされると、RA(例えば、専用プリアンブル、プリアンブルのための時間/周波数リソース)のための構成が、UEがデータ送信を複製するために使用されるTRP/セル/gNBにアクセスするために同じ時間(例えば、同じTTI)及び/又は同じシグナリングを介して、データ複製アクティブ化の指示とともに指示されてもよい。例えば、UEがTRP/セル/gNBに接続しており、データ送信を実行していると想定する。データ送信の信頼性が高められる(例えば、URLLCサービスの場合、又はUEがセルエッジの近くにある)場合、データ複製がUEにおいてアクティブにされる。したがって、UEには、ネットワークによるデータ複製アクティブ化の指示と共に、RAのための構成が指示されることができる。次いで、UEは、複製データを送信するために直ちに別のTRP/セル/gNBに接続することができる。この方法は、2つの指示、すなわちRAのためのものとデータ複製をアクティブにするためのものを送信するのと比較して、シグナリングオーバーヘッド及び遅延を低減することができる。
【0223】
図29は、データ複製を用いて構成されるUEの観点からの、例示的な一実施形態によるフローチャート2900である。ステップ2905では、UEは、データユニットを第1データユニット及び第2データユニットに複製する。ステップ2910では、UEは、第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)を構築する。第2のデータユニットは、第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である。ステップ2915では、UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信し、制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される。ステップ2920では、UEは、第2のRLC PDUが第2のRLC SDUを含む場合、第2のRLC PDUを破棄する。
【0224】
別の方法では、第2のRLC PDUが第2のRLC SDUのセグメント(のみ)を含む場合、UEは第2のRLC PDUを破棄しない。この方法では、第2のRLC SDUのセグメントは、第2のRLC SDUの先頭を含まない。この方法では、第2のRLC SDUのセグメントは、第2のRLC SDUの第1バイトを含まない。この方法では、第2のRLC SDUの第1バイトは第2のRLC PDUに含まれない。
【0225】
別の方法では、第2のRLC PDUが破棄されない場合、UEは、第2のRLC PDUをネットワークノードに送信する。
【0226】
別の方法では、UEは、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立し、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルは、無線ベアラに関連付けられる。 UEは、第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティも確立し、第1のRLCエンティティは第1の論理チャネルに関連付けられ、第2のRLCエンティティは第2の論理チャネルに関連付けられる。1つの方法では、第1のRLCエンティティは第1のUM(Unacknowledged Mode)RLCエンティティであり、第2のRLCエンティティは第2のUM RLCエンティティである。この方法では、UEは、第1のサービングセルを使用して第1の論理チャネルを提供し、第2のサービングセルを使用して第2の論理チャネルを提供する。
【0227】
別の方法では、UEは、第1のデータユニットを送信するために使用される第1のRLC PDUを構成し、第1のデータユニットとは、第1のRLC SDUを意味する。より具体的には、第1のデータユニットは、第1のRLC SDUである。追加的には、UEは、第1のRLC PDUをネットワークノードに送信する。この方法では、第1のRLC PDUは、第1のRLCエンティティ内に構築される。
【0228】
1つの方法において、第2のRLC PDUは、UMD(Unacknowledged Mode Data)PDUである。
【0229】
1つの方法では、第2のRLC PDUは、第2のRLCエンティティ内に構築される。
【0230】
1つの方法において、データユニットは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)PDUである。
【0231】
1つの方法では、第1のデータユニットの内容は、第2のデータユニットの内容と同じである。
【0232】
1つの方法では、制御コマンドは媒体アクセス制御(MAC)制御要素である。別の方法では、制御コマンドを使用して、データ複製をアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替える。
【0233】
1つの方法では、UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信すると、第1のRLCエンティティ内のRLC SDUを破棄しない。代替的な方法では、UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信すると、第2のRLCエンティティ内のRLC SDUを破棄する。
【0234】
1つの方法では、データ複製は、UEのパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)エンティティがPDCP PDUを第1のPDCP PDU及び第2のPDCP PDUに複製し、第1のPDCP PDUを第1のRLCエンティティに供給し、第2のPDCP PDUを第2のRLCエンティティに供給するメカニズムである。
【0235】
別の例示的な方法では、UEは、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立し、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルは、無線ベアラに関連付けられる。UEは、第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティを確立し、第1のRLCエンティティは第1の論理チャネルに関連付けられ、第2のRLCエンティティは第2の論理チャネルに関連付けられる。UEは、制御コマンドを受信する前に、第1のRLC PDUを生成し、第1のRLC PDUを第1のRLCエンティティのバッファに記憶する。第1のRLC PDUは、第1のRLC SDUを含む。UEは、制御コマンドを受信する前に、第2のRLC PDUを生成し、第2のRLC PDUを第2のRLCエンティティのバッファに記憶する。第2のRLC PDUは、第2のRLC SDUを含む。UEは制御コマンドをネットワークノードから受信し、制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される。UEは、制御コマンドに応答して、第2のRLCエンティティでの再確立を実行する。UEは、第1のRLC PDUをネットワークノードに送信する。
【0236】
別の例示的な方法では、UEは、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立し、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルは、無線ベアラに関連付けられる。UEは、第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティも確立し、第1のRLCエンティティは第1の論理チャネルに関連付けられ、第2のRLCエンティティは第2の論理チャネルに関連付けられる。UEは、制御コマンドを受信する前に、第1のRLC PDUを生成し、第1のRLC PDUを第1のRLCエンティティのバッファに記憶する。第1のRLC PDUは、第1のRLC SDUを含む。UEは、制御コマンドを受信する前に、第2のRLC PDUを生成し、第2のRLC PDUを第2のRLCエンティティのバッファに記憶する。第2のRLC PDUは、第2のRLC SDUを含む。UEは制御コマンドをネットワークノードから受信し、制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される。UEは、第2のRLC SDUが完了したかどうかに基づいて制御コマンドを受信した後、第2のRLCエンティティのバッファに記憶された第2のRLC PDUを破棄するかどうかを決定する。UEは、第1のRLC PDUをネットワークノードに送信する。
【0237】
別の例示的な方法では、第2のRLC SDUが完了したRLC SDUである場合、UEは第2のRLC PDUを破棄する。第2のRLC SDUがセグメントRLC SDUである場合、UEは第2のRLC PDUを破棄しない。
【0238】
別の例示的な方法では、UEは、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立し、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルは、無線ベアラに関連付けられる。UEは、第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティも確立し、第1のRLCエンティティは第1の論理チャネルに関連付けられ、第2のRLCエンティティは第2の論理チャネルに関連付けられる。UEは、制御コマンドを受信する前に、第1のRLC PDUを生成し、第1のRLC PDUを第1のRLCエンティティのバッファに記憶する。第1のRLC PDUは、第1のRLC SDUを含む。UEは、制御コマンドを受信する前に、第2のRLC PDUを生成し、第2のRLC PDUを第2のRLCエンティティのバッファに記憶する。第2のRLC PDUは、第2のRLC SDUを含む。UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信し、制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される。UEは、第2のRLC SDUが送信されるかどうかに基づいて制御コマンドを受信した後、第2のRLCエンティティのバッファに記憶された第2のRLC PDUを破棄するかどうかを決定する。UEは、第1のRLC PDUをネットワークノードに送信する。
【0239】
別の例示的な方法では、第2のRLC PDUがULリソースに基づいて送信されない場合、UEは第2のRLC PDUを破棄しない。第2のRLC PDUがULリソースに基づいて送信されない場合、UEは第2のRLC PDUを破棄する。
【0240】
上記で開示した方法のうちの1つ以上において、第2のRLC PDUが破棄されない場合、UEは、第2のRLC PDUをネットワークノードに送信する。UEは、制御命令を受信した後、第3のRLC PDUを生成し、第3のRLC PDUを第1のRLCエンティティのバッファに記憶する。第3のRLC PDUは、第3のRLC SDUを含む。UEは、制御コマンドを受信した後、第2のRLCエンティティのバッファに記憶される第4のRLC PDUを生成しない。
【0241】
上記で開示した方法のうちの1つ以上において、UEは、制御コマンドを受信する前に、送信のための第1のパケットを生成し、第1のパケットは第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティに供給される。
【0242】
上記に開示した方法のうちの1つ以上において、UEは、制御コマンドを受信した後に、送信のために第2のパケットを生成し、第2のパケットは第1のRLCエンティティにのみ供給される。
【0243】
上記に開示した方法のうちの1つ以上において、第1のRLC SDU及び第2のRLC SDUは第1のパケットを含む。
【0244】
上記に開示した方法のうちの1つ以上において、第3のRLC SDUは、第2のパケットを含む。
【0245】
別の例示的な方法では、UEは、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立し、第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルは無線ベアラに関連付けられ、第2の論理チャネルは第1の状態にある。第2の論理チャネルが第1の状態にある場合、UEは送信のために第2の論理チャネルに提供する。UEは、制御コマンドをネットワークノードから受信し、制御コマンドは、第2の論理チャネルを第1の状態から第2の状態に変更するために使用される。UEは、第2の論理チャネルの第2の状態により、制御コマンドを受信した後に、送信のために第2の論理チャネルを提供しない。
【0246】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第1の状態とはデータ複製がアクティブにされ、第2の状態とはデータ複製が非アクティブにされることを意味する。
【0247】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第2の論理チャネルは、制御コマンドを受信する前に中断されず、第2の論理チャネルは、制御コマンドを受信した後に中断される。
【0248】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第1の論理チャネルは、制御コマンドを受信した後に中断されない。
【0249】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、無線ベアラは、制御コマンドを受信した後に中断されない。
【0250】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、UEは第1の通信リンクを使用して第1の論理チャネルを提供し、第2の通信リンクを使用して第2の論理チャネルを提供する。
【0251】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第1及び/又は第2の通信リンクは、サービングセル、コンポーネントキャリア、サービングビーム、HARQプロセス又はHARQエンティティである。
【0252】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、ネットワークノードは基地局である。
【0253】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第1、第2、又は第3のRLC SDUはPDCP PDUである。
【0254】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、第1及び/又は第2のパケットは、PDCP PDUである。
【0255】
上記に開示された方法のうちの1つ以上において、制御コマンドは、RRCシグナリング、PDCPシグナリング、RLCシグナリング、MAC制御エレメント、又は物理シグナリングである。
【0256】
図3及び図4に戻って参照すると、一実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、データ複製を用いて構成されるUEが(i)データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製することと、(ii)第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)を構築することであって、第2のデータユニットは第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である、構築することと、(iii)制御コマンドをネットワークノードから受信することであって、制御コマンドはデータ複製を非アクティブにするために使用される、受信することと、(iv)第2のRLC PDUが第2のRLC SDUを含む場合、第2のRLC PDUを破棄することと、を可能にすることができる。
【0257】
さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述したすべての動作及びステップ又は本明細書で説明した他の方法を実行することができる。
【0258】
本明細書で開示した様々な方法及び実施形態では、データ複製のアクティブ化又は非アクティブ化により、関連するメカニズム及び対応する反応のパフォーマンスが、シグナリングオーバーヘッド、電力消費、及び送信遅延を低減するとともに、信頼性とリソース使用率を向上することによって無線システムのロバスト性を高めることができる。
【0259】
以上、本開示の種々の態様を説明した。当然のことながら、本明細書の教示内容を多種多様な形態で具現化してよく、本明細書に開示されている如何なる特定の構造、機能、又は両者も代表的なものに過ぎない。本明細書の教示内容に基づいて、当業者には当然のことながら、本明細書に開示される態様は、他の如何なる態様からも独立に実装されてよく、これら態様のうちの2つ以上が種々組み合わされてよい。例えば、本明細書に記載された態様のうちの任意の数の態様を用いて、装置が実装されてよく、方法が実現されてよい。追加的に、本明細書に記載された態様のうちの1つ以上の追加又は代替で、他の構造、機能、又は構造と機能を用いて、このような装置が実装されるようになっていてもよいし、このような方法が実現されるようになっていてもよい。上記概念の一部の一例として、いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数に基づいて、同時チャネルが確立されてよい。いくつかの態様においては、パルス位置又はオフセットに基づいて、同時チャネルが確立されてよい。いくつかの態様においては、時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルが確立されてよい。
【0260】
当業者であれば、多様な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して、情報及び信号を表わしてよいを理解するであろう。例えば、上記説明全体で言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、又はこれらの任意の組合せによって表わしてよい。
【0261】
さらに、当業者には当然のことながら、本明細書に開示された態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、及びアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア(例えば、ソースコーディング又はその他何らかの技術を用いて設計することがあるデジタル実装、アナログ実装、又はこれら2つの組合せ)、命令を含む種々の形態のプログラム若しくは設計コード(本明細書においては便宜上、「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)、又は両者の組合せとして実装されてよい。このハードウェア及びソフトウェアの互換性を明確に示すため、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、概略的にそれぞれの機能の側面から上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定用途及びシステム全体に課される設計上の制約によって決まる。当業者であれば、特定各用途に対して、説明した機能を様々なやり方で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因として解釈されるべきではない。
【0262】
追加的に、本明細書に開示される態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、又はアクセスポイント内で実装される、あるいはこれらによって実行されてよい。ICとしては、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、又は本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せを含み、IC内、IC外、又はその両方に存在するコード又は命令を実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてよいが、代替として、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械としてよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサ、又はその他任意のこのような構成である、コンピュータデバイスの組合せとして実装されてよい。
【0263】
任意の開示プロセスにおけるステップの如何なる特定の順序又は階層は、実例的な手法の一例であることが了解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層を、本開示の範囲内に留まりつつ、再構成してよいことが了解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素を実例的な順序で示しており、提示の特定順序又は階層に限定されることを意図していない。
【0264】
本明細書に開示される態様に関連して記載された方法又はアルゴリズムのステップを、ハードウェアにおいて直接具現化してよく、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化してよく、これら2つの組合せにおいて具現化してよい。(例えば、実行可能な命令及び関連するデータを含む)ソフトウェアモジュール及び他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムバーブルディスク、CD-ROM等のデータメモリ、又は当技術分野において知られているその他任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在してよい。実例的な記憶媒体がコンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上、「プロセッサ」と称されることがある)等の機械に結合されてよい、このようなプロセッサは、記憶媒体からの情報(例えば、コード)の読み出し及び記憶媒体への情報の書き込みが可能である。実例的な記憶媒体は、プロセッサと一体化されてよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ機器に存在していてもよい。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ機器に存在してよい。さらに、いくつかの態様においては、任意の適当なコンピュータプログラム製品が、本開示の態様のうちの1つ以上に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでよい。
【0265】
以上、種々の態様に関連して本発明を説明したが、本発明は、さらに改良可能であることが了解される。本願は、概して本発明の原理に従うと共に、本発明が関係する技術分野における既知で慣習的な実施となるような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、又は適応を網羅することを意図している。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ複製を用いて構成されるユーザ装置(UE)の方法であって、当該方法は、
データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製することと、
前記第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)を構築することであって、前記第2のデータユニットは第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である、構築することと、
制御コマンドをネットワークノードから受信することであって、前記制御コマンドは、前記データ複製を非アクティブにするために使用される、受信することと、
前記第2のRLC PDUが前記第2のRLC SDUを含み、前記第2のRLC SDUは、完全RLC SDUである場合、前記データ複製を非アクティブにするために使用される前記制御コマンドを受信することに応じて、前記第2のRLC PDUを破棄すること、とを含む方法。
【請求項2】
前記第2のRLC PDUが前記第2のRLC SDUのセグメントのみを含み、前記第2のRLC SDUのセグメントが、完全RLC SDUではない場合、前記第2のRLC PDUを破棄しないことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のRLC SDUの第1バイトは、前記第2のRLC PDUに含まれない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の論理チャネル及び第2の論理チャネルを確立することであって、該第1の論理チャネル及び該第2の論理チャネルは、無線ベアラに関連付けられ、
第1のRLCエンティティ及び第2のRLCエンティティを確立することであって、前記第1のRLCエンティティは前記第1の論理チャネルに関連付けられ、前記第2のRLCエンティティは前記第2の論理チャネルに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のRLCエンティティは、第1のUM(Unacknowledged Mode)RLCエンティティであり、前記第2のRLCエンティティは、第2のUM RLCエンティティである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1のサービングセルを使用して前記第1の論理チャネルを提供することと、
第2のサービングセルを使用して前記第2の論理チャネルを提供することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のデータユニットを送信するために使用される第1のRLC PDUを構築すること、前記第1のデータユニットは第1のRLC SDUである、構築することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のRLC PDUは、第1のRLCエンティティ内に構築される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のRLC PDUは、UMD(Unacknowledged Mode Data)PDUである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のRLC PDUは、第2のRLCエンティティ内に構築される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記データユニットは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)PDUである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のデータユニットの内容は、前記第2のデータユニットの内容と同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記制御コマンドは、媒体アクセス制御(MAC)制御要素である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記制御コマンドは、データ複製をアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えるために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記UEが前記制御コマンドを前記ネットワークノードから受信したときは、第1のRLCエンティティ内のRLC SDUを破棄しないことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記UEが前記制御コマンドを前記ネットワークノードから受信したときは、第2のRLCエンティティ内のRLC SDUを破棄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記データ複製とは、前記UEのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)エンティティがPDCP PDUを第1のPDCP PDUと第2のPDCP PDUに複製し、該第1のPDCP PDUを第1のRLCエンティティに送り、該第2のPDCP PDUを第2のRLCエンティティに送信するメカニズムである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
データ複製を用いて構成されるUEであって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路に設けられ、前記プロセッサに結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行して、
データユニットを第1のデータユニットと第2のデータユニットに複製することと、
前記第2のデータユニットを送信するために使用される第2の無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)を構築することであって、前記第2のデータユニットは第2のRLCサービスデータユニット(SDU)である、構築することと、
制御コマンドをネットワークノードから受信することであって、該制御コマンドは、前記データ複製を非アクティブにするために使用される、受信することと、
前記第2のRLC PDUが前記第2のRLC SDUを含み、前記第2のRLC SDUは、完全RLC SDUである場合、前記データ複製を非アクティブにするために使用される前記制御コマンドを受信することに応じて、前記第2のRLC PDUを破棄すること、を行うように構成される、UE。
【図面】





























 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2020-01-23 
結審通知日 2020-01-28 
審決日 2020-02-12 
出願番号 特願2018-88514(P2018-88514)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 桑原 聡一  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 相澤 祐介
本郷 彰
登録日 2019-08-30 
登録番号 特許第6577087号(P6577087)
発明の名称 無線通信システムにおいて、データ複製を送信する方法及び装置  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  

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