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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08J
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08J
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08J
管理番号 1361435
異議申立番号 異議2019-700496  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-06-20 
確定日 2020-02-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6443605号発明「樹脂ペレットの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6443605号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?10]について訂正することを認める。 特許第6443605号の請求項1ないし3、9及び10に係る特許を維持する。 特許第6443605号の請求項4ないし8に係る特許異議申立てを却下する。  
理由 第1 主な手続の経緯等

特許第6443605号(設定登録時の請求項の数は10。以下、「本件特許」という。)は、2018(平成30年)5月15日(優先日 平成29年5月26日)を国際出願日とする特願2018-546919号に係るものであって、平成30年12月7日に設定登録され、同年同月26日に特許掲載公報が発行された。
特許異議申立人 平居博美(以下、単に「異議申立人」という。)は、令和1年6月20日、本件特許の請求項1ないし10に係る発明についての特許に対して特許異議の申立てをした。
当審において、令和1年9月18日付けで取消理由を通知したところ、特許権者 三菱瓦斯化学株式会社(以下、単に「特許権者」という。)は、同年11月19日に訂正請求書(当該訂正請求書による訂正を「本件訂正請求」という。)及び意見書を提出した。
当該訂正請求書に関し、当審から、令和1年11月21日に異議申立人に対して特許法第120条の5第5項に基づく通知をしたところ、異議申立人は、同年12月26日付けで意見書を提出した。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下の訂正事項1ないし8のとおりである。ここで、訂正事項1ないし8は、訂正前の請求項1?10という一群の請求項を訂正するものである。また、下線は、訂正箇所に当審が付したものである。

訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、
「ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり」
という記載を、
「前記熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sであり、
前記工程2が、スライダー冷却方式にて行われ、
前記工程2における冷媒の温度が10?70℃であり、
前記工程2における冷媒が水であり、
前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であり、
ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり」
に訂正するとともに、
「下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たすことを特徴とする
樹脂ペレットの製造方法。」
という記載を、
「下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たし、
二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上であることを特徴とする
樹脂ペレットの製造方法。」
に訂正する。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2、3、9及び10についても同様に訂正する。

訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項4を削除する。

訂正事項3
訂正前の特許請求の範囲の請求項5を削除する。

訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項6を削除する。

訂正事項5
訂正前の特許請求の範囲の請求項7を削除する。

訂正事項6
訂正前の特許請求の範囲の請求項8を削除する。

訂正事項7
訂正前の特許請求の範囲の請求項9における
「請求項1?8のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。」
という記載を、
「請求項1?3のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。」
に訂正する。

訂正事項8
訂正前の特許請求の範囲における
「請求項1?9のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。」
という記載を、
「請求項1?3、9のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1) 訂正事項1について
ア この訂正は、訂正前の請求項1において、「前記熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sである」という要件、
「前記工程2が、スライダー冷却方式にて行われる」という要件、
「前記工程2における冷媒の温度が10?70℃である」という要件、
「前記工程2における冷媒が水である」という要件、
「前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒である」という要件を直列的に付加するとともに、「二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上である」との要件を付加してどのような樹脂ペレットが製造されるのかを限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮の目的とするものである。

イ 訂正事項1の訂正は、願書に添付した明細書の段落【0021】、【0025】、【0027】、【0028】、【0029】の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

ウ そして、訂正事項1は、訂正前の請求項1に上記アのとおりの限定を施したものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項1の請求項1の訂正に伴って訂正される請求項2、3、9及び10についても同様である。

(2) 訂正事項2ないし6ついて
訂正事項2ないし6は、訂正前の請求項4ないし8を削除するものであるから、特許請求の範囲を減縮の目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正といえ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3) 訂正事項7及び8について
ア 訂正事項7及び8は、上記訂正事項2ないし6で請求項4ないし8が削除されたことから、訂正前の請求項9及び10において、いずれも引用する請求項が削除された請求項4ないし8を引用しないように書き下したもので、多数項を引用している請求項の引用請求項数の削減であるから、当該訂正事項7及び8は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 訂正事項7及び8は、いずれも上記アのように請求項9及び10において削除された請求項4ないし8が引用されないように、引用する請求項から請求項4ないし8を除いたものであり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正といえ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?10]について訂正することを認める。

第3 本件発明

上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は認められるので、本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明10」といい、これらを総称して「本件発明」ともいう。)は、令和1年11月19日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される以下に記載のとおりのものである。

「【請求項1】
下記工程1?工程3を有し、
工程1:溶融状態の熱可塑性樹脂を、ダイからストランド状に抜き出す工程
工程2:抜き出されたストランド状の樹脂を冷媒を用いて冷却する工程
工程3:冷却されたストランド状の樹脂を裁断して樹脂ペレットを得る工程
前記熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sであり、
前記工程2が、スライダー冷却方式にて行われ、
前記工程2における冷媒の温度が10?70℃であり、
前記工程2における冷媒が水であり、
前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であり、
ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり
ストランド状に抜き出す引取り速度が1.5m/s?10m/sであり、
前記ダイが、10以上のダイホールを有し、
下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たし、
二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上であることを特徴とする
樹脂ペレットの製造方法。
1.73×a≦X^(b)≦2.81×a 式1
ここで、a、b、及びXは、以下の通りである。
a=0.524
b=0.367
X(cm)={(有効ダイプレート幅)(cm)-(ストランド径)(cm)×(ストランド数-1)}/{(ストランド数)-1} 式2
有効ダイプレート幅は、ダイの両端のダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの最大距離である。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項1に記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記ダイホールの穴径が0.2?1.5cmである、請求項1又は2に記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂が、炭素数4?20のα,ω-脂肪族ジカルボン酸を30モル%以上含むジカルボン酸成分と、キシリレンジアミン及びビス(アミノメチル)シクロヘキサンから選ばれるジアミンを合計して70モル%以上含むジアミン成分とを溶融重合して得られたポリアミド樹脂である、請求項1?3のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項10】
前記工程1が、反応槽から熱可塑性樹脂を加圧下に抜き出す工程であり、該圧力が0.1?1MPaGである、請求項1?3、9のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。」

第4 特許異議申立書に記載した申立理由の概要

令和1年6月20日に異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した理由の概要は次のとおりである。

1 申立理由1(特許法第29条第1項第3号:新規性)
本件発明1ないし8は、下記の本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証に記載された発明であるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

2 申立理由2(特許法第29条第2項:進歩性)
本件発明1ないし10は、下記の本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第3-3号証に記載の技術事項に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

3 申立理由3(特許法第36条第4項第1号:実施可能要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

4 申立理由4(特許法第36条第6項第1号:サポート要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

5 申立理由5(特許法第36条第6項第2号:明確性)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

6 証拠方法
甲第1号証 : 特開2008-238791号公報
甲第2号証 : 特開平8-290454号公報
甲第3-1号証: 特開2017-75271号公報
甲第3-2号証: 特開2016-79203号公報
甲第3-3号証: 特開2014-1257号公報
甲第3-4号証: 特開2011-232705号公報
甲第3-5号証: 特開2003-136528号公報
甲第3-6号証: 特開2013-173872号公報
甲第3-7号証: 特開2012-12439号公報
甲第3-8号証: 特開平11-12364号公報

また、異議申立人は、令和1年12月26日に提出した意見書に添付して、以下の証拠を記載不備を裏付けるものとして提出した。
甲第4号証 : 角田光雄、「ポリマー表面の物理化学」、高分子、Vol.17、No.196、1968、p680-687
甲第5号証 : 特開2016-64514号公報

以下、甲第1号証から甲第5号証については、それぞれ「甲1」から「甲5」という。

第5 取消理由の概要

令和1年9月18日付けで通知した取消理由は、概ね次のとおりである。

「1(新規性) 本件特許の請求項1ないし7に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、請求項1ないし7に係る発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
2(進歩性) 本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし10に係る発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
3(実施可能要件) 本件特許の請求項1ないし10についての特許は、下記の点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
4(サポート要件) 本件特許の請求項1ないし10についての特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

・・・
第4 当審の取消理由
1(理由4)サポート要件について
・・・
(2) サポート要件A(冷媒中でのストランドの状態)について
ア 本件発明1についてのサポート要件Aの判断
上記(1)ア及びイの記載から、本件発明1は、「二連ペレット、並びに多連ペレット及び異形ペレット等のその他の不良ペレットの発生が抑制された樹脂ペレットの製造方法を提供すること」(上記(1)イ)を発明が解決しようとする課題としており、「上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、抜き出すストランド状の樹脂の直径と、引取り速度を特定の範囲とし、更に、ストランド間隔を特定の式を満たす範囲にすることにより、二連ペレット、多連ペレット、異形ペレット等の不良ペレットの発生が抑制されることを見出」(上記(1)ウ)すことにより発明されたものであって、請求項1に記載の事項で特定される製造方法によって解決されるものである。
ここで、本件発明1の
「下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たすこと
1.73×a≦X^(b)≦2.81×a 式1
ここで、a、b、及びXは、以下の通りである。
a=0.524
b=0.367
X(cm)={(有効ダイプレート幅)(cm)-(ストランド径)(cm)×(ストランド数-1)}/{(ストランド数)-1} 式2
有効ダイプレート幅は、ダイの両端のダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの最大距離である。」(以下、「式1特定事項」という。)
との事項に関して、本件特許明細書の上記(1)ウ、エ及びカの記載によれば、「ストランド間隔Xのb乗と、二連ペレットの発生確率は正規分布とよく一致し、また、そのときに標準偏差として特定の値(a)を採用することで、実際の二連ペレットの発生確率とよく一致することを見出した」ものであって、その具体的なa及びbの値については、「式1中のa及びbが、a=0.524、b=0.367、を採用することによって、実測した二連ペレットの発生確率と、式1から算出される発生確率がよく一致することを見出した」ものであるから、実測を行った具体的な樹脂及びダイストランド並びに抜き出すストランド状の樹脂の直径と、引取り速度、冷却条件で製造された事例において導出されたものといえる。
そして、上記(1)エ及びカのとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明では、二連ペレットの発生は、冷媒中で引取られているストランドが揺らぐことで生じるのであるから、二連ペレットの発生確率は、ストランド間の距離に加えて、冷媒中でのストランドの状態に依存するものといえ、ストランドの冷却方法や、冷媒の種類、流量、冷媒温度、冷却時間によって変化すると考えるのが自然である。
また、二連ペレットの発生は、押し出されたストランドの粘度及びダイホール間の間隔により大きく変化するであろうことは当業者の技術常識といえる。
さらに、冷媒中でストランドが揺らぐことによる二連ペレットの発生において、樹脂の種類、粘度、冷却方法や冷媒の種類、温度、冷却時間には無関係に二連ペレットが発生することが当業者の技術常識であったとも認められない。
そうすると、「a=0.524、b=0.367」という式1特定事項の定数を算出した事例の条件を特定しない樹脂ペレット製造方法である本件発明1、すなわち、当該定数を算出した樹脂の状態と異なる樹脂を含み(樹脂の種類や粘度の影響する添加剤等の配合条件)、当該定数を算出したストランドの冷却条件(冷却方法、冷媒の種類、流量、冷媒温度、冷却時間)以外を含む樹脂ペレットの製造方法が、上記本件発明1の課題を解決できると当業者は認識できない。
よって、本件発明1は、発明の詳細な説明において当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えたものであるから、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明とすることはできない。
・・・
(3) サポート要件B(ダイホールの分散状態)の判断
ア 本件発明1についてのサポート要件Bの判断
本件発明1は、上記(2)アのとおりの課題及び技術的知見に基づきなされたものであって、請求項1に記載の事項で特定される製造方法によって解決されるものである。
ここで、「式1特定事項」におけるストランド間隔Xを求める式2をみれば、当該ストランド間隔は、一定値に特定されていて、ダイプレートに設けられたダイホールの分散状態は特定されていないといえる。
しかしながら、当業者の技術常識からみて、分散状態にかかわらず所望とする不良ペレット発生抑制効果が得られるとは到底考えられない。例えば、図1は、本発明に使用されるダイプレートからストランドを抜き出している際の平面模式図の一例である(段落0016)が、図1のようにダイホールが均等に分散しているダイプレートと、同じ有効ダイプレート幅を有するがダイホールの分散状態に偏りがあるダイプレート(例えば、ダイプレートの左部に半数個のダイホールが集まり、右部に半数個のダイホールが集まった場合)は、式2に従うと同じストランド間隔Xの値となる。しかし、ダイホールの分散状態に偏りがあるダイプレートの場合では、ダイホール間の間隔が小さいものも含むこととなるから、ダイホールが均等に分散しているものと同じ効果が得られるとは到底考えられない。
してみれば、ダイプレートに設けられたダイホールの分散状態を特定しない樹脂ペレットの製造方法が、上記本件発明1の課題を解決できると当業者は認識できない。
よって、本件発明1は、発明の詳細な説明において当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えたものであるから、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明とすることはできない。
・・・
2(理由3) 実施可能要件について
・・・
(2) 本件特許明細書の詳細な説明には、ダイホールの分散状態は全く記載されていないが、分散状態にかかわらず所望とする不良ペレット発生抑制効果が得られるとは到底考えられない。すなわち、図1は、本発明に使用されるダイプレートからストランドを抜き出している際の平面模式図の一例である(段落0016)が、図1のようにダイホールが均等に分散しているダイプレートと、同じ有効ダイプレート幅を有するがダイホールの分散状態に偏りがあるダイプレート(例えば、ダイプレートの左部に半数個のダイホールが集まり、右部に半数個のダイホールが集まった場合)で、同じストランド間隔Xの値となり得る。しかし、ダイホールの分散状態に偏りがあるダイプレートの場合でも所望の効果が得られるとは到底考えられない。また、図2におけるダイホールの分散は、均等ではなくランダムに配置されているようにさえ見える。
よって、本件特許の詳細な説明は、当業者が本件発明の実施をすることができる程度に明確且つ十分に記載されておらず、実施可能要件を充足しない。
・・・
3(理由1、2)新規性進歩性について
(1) 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
・・・」

なお、上記取消理由1ないし4は、異議申立人の申立理由1ないし4と同旨である。

第6 取消理由についての当審の判断

以下に示すように、上記取消理由1ないし4は、いずれも理由がないと判断する。

1 取消理由4(サポート要件)について
(1) 本件特許明細書の記載
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。なお、下線については当審において付与した。

ア 「【0004】
熱可塑性樹脂の造粒には数種の方法があるが、比較的低コストで機構が単純かつメンテナンスが容易であり、ペレット形状も安定していることから、溶融ストランドを冷媒で冷却固化した後、カッター等で切断してペレット化する方法が一般的である。この際、隣のストランドと接触又は接着した状態でペレット化されると、複数のペレットが接着した二連ペレット及び多連ペレットができる。また、冷却が不十分であるなどの原因で、排出中に気泡の生成が生じたりすると、異形ペレットができる場合がある。このような二連ペレット、多連ペレット、及び異形ペレットは、射出・押出成形時に供給不良や射出成形機、押出機の不調の原因となるため、一般にふるい等の選別機にかけて工程外に取り除かれる。
【0005】
特許文献1には、異形ペレットの発生を抑制することを目的として、特定の形状を有するポリアミド成形用口金が記載されている。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のポリアミド成形用口金は、特定の樹脂に合わせた形状とされており、その応用範囲が限られるという問題があり、同じ反応槽で他の樹脂を製造する場合に、成形用口金を交換する必要がある。
造粒工程において二連ペレット、多連ペレット、異形ペレット等の不良ペレットが発生すると、結果として熱可塑性樹脂ペレットの歩留まりが悪化するという問題があった。
本発明は、二連ペレット、並びに多連ペレット及び異形ペレット等のその他の不良ペレットの発生が抑制された樹脂ペレットの製造方法を提供することを目的とする。」

ウ 「【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、抜き出すストランド状の樹脂の直径と、引取り速度を特定の範囲とし、更に、ストランド間隔を特定の式を満たす範囲にすることにより、二連ペレット、多連ペレット、異形ペレット等の不良ペレットの発生が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。」

エ 「【0015】
ストランド同士の接着を原因とする二連ペレット及び多連ペレットの発生や、冷却不良を原因とする異形ペレットの発生は、ストランド間隔を大きくし、ストランド同士の接着を抑制すると共に、ストランドに対する冷媒の量を増加することによって抑制されると考えられる。しかし、ストランド間隔を大きくすると、製造効率が低下するという問題がある。
そこで、発明者等は、特定のストランド径及び特定の引取り速度において、不良ペレットの発生を抑制しつつ、生産性に優れた樹脂ペレットの製造方法を得ることを目的として、鋭意検討した結果、ストランド同士の接着の発生が、冷却中のストランドの揺らぎに起因するものであり、ストランド間隔Xを用いると、特定の数式によく合致し、その発生確率が正規分布的挙動を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
不良ペレットの発生においては、特に二連ペレットの発生が多く、また、二連ペレットの発生を抑制することで、多連ペレットを含むその他の不良ペレットの発生も抑制されることを見出した。」

オ 「【0017】
本発明において、ストランド間隔X(cm)は、下記式2で定義される。
X(cm)={(有効ダイプレート幅)(cm)-(ストランド径)(cm)×(ストランド数-1)}/{(ストランド数)-1} 式2
ここで、有効ダイプレート幅とは、ダイの両端のダイホールの一方の外側の穴中心から他方の外側の穴中心までの最大距離である。図1中、有効ダイプレート幅は、D_(max)で表されている。有効ダイプレート幅は、両端のストランドのダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの最大距離であり、後述する工程2がスライダー冷却方式で行われる場合には、スライダー上の両端のストランドのダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの距離である。図1中、ストランド径はStにて示されている。
【0018】
なお、図2に示すように、円形のダイを使用する場合に、有効ダイプレート幅は、D_(max)で表されるように、ストランドの抜き出し方向に垂直、すなわち、スライダー冷却方式の場合には、冷媒の流れ方向(スライダー方向)に垂直な方向における、ダイの両端のダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの距離である。」

カ 「【0021】
本発明者等は、冷媒中で引取られているストランドが揺らぐことで、隣接するストランドと接触し、接着するために、二連ストランドが生じることに着目し、ストランド間隔Xと、二連ペレットの発生確率は、正規分布的な相関を示すと考え、検討したが、ストランド間隔Xのみでは、十分な正規分布的な相関が得られなかった。
そこで、鋭意検討した結果、ストランド間隔Xのb乗と、二連ペレットの発生確率は正規分布とよく一致し、また、そのときに標準偏差として特定の値(a)を採用することで、実際の二連ペレットの発生確率とよく一致することを見出した。
二連ペレットの発生を8.5%未満に抑制することで、不良ペレット全体の発生が10%以下に抑制されると考え、X^(b)の下限として、正規分布から外れる面積が8.5%未満となる、1.73×a(標準偏差)を選択した。
更に、ストランド間隔Xを大きくすれば、二連ペレットの発生確率は減少するものの、二連ペレットの発生が0.5%未満であると、歩留まりは良好であるが、樹脂ペレットの生産性が低下し、経済的効果は低いと考え、正規分布から外れる面積が0.5%以上となる、2.81×a(標準偏差)をX^(b)の上限として選択した。
これにより、X^(b)は、以下の式1を満たす必要がある。
1.73×a≦X^(b)≦2.81×a 式1
式1中のa及びbが、a=0.524、b=0.367、を採用することによって、実測した二連ペレットの発生確率と、式1から算出される発生確率がよく一致することを見出した。」

キ 「【0048】
[実施例1]
<ポリアミドの製造>
温調されたオイルが流通する分縮器、全縮器、窒素ガス導入管、反応槽全面をオイルが流通するジャケットで覆われ、ジアミン滴下用のタンク及びポンプを備えた500リットルステンレス製回分式反応装置を用いて、次のようにポリアミドを合成した。
アジピン酸(純度99.85質量%)150.0kg(1024.9mol)を仕込み、十分窒素置換した後、圧力0.3MPaGで撹拌しながらアジピン酸を190℃まで加熱した。温度到達後、メタキシリレンジアミン(純度99.99質量%)138.8kg(1018.8mol)を、反応装置内の圧力を0.3MPaGに維持しながら80分かけて滴下した。ジアミンの滴下終了時の温度が240℃になるように加熱を調整し、分縮器出口側蒸気温度を143?147℃に制御し、留出する蒸気は全縮器を通して凝縮させ、系外に放出した。ジアミン滴下終了後、撹拌しながら圧力0.3MPaGで20分間保持した後、0.01MPa/分の速度で30分かけて常圧まで落圧し、更に80kPaまで減圧して更に20分間撹拌保持した。ジアミン滴下終了から減圧終了までに反応液温を256℃まで昇温した。
【0049】
<樹脂ペレットの製造>
〔工程1〕
反応終了後、撹拌を停止し、窒素で反応装置内を0.37MPaGに加圧して溶融ポリマーを装置ボトムのダイバルブを通して、有効ダイプレート幅27.55cm、ダイ穴直径0.74cmのストランドダイから、256℃でダイホール当たり、21.63cm^(3)/sの流量で、20本のストランドとして抜き出した。このストランドの溶融粘度は、せん断速度122sec^(-1)の条件で、246Pa・sであった。
〔工程2〕
抜き出したストランドは、30℃の冷却水を30m^(3)/hで流している2.3mのウォータースライダー型冷却水槽で冷却しつつ、ペレタイザーによって引取りながら切断してペレット化した。この時のストランド径は0.29cmで、ストランド間隔は1.16cmであった。ペレタイザーにおけるカッターの引き取り速度は3.3m/sであり、この時の冷却水との接触時間は0.7秒であった。
〔工程3〕
冷却されたストランドは、ロータリーカッターで切断され、得られたペレットは、長さ3.0mm、長径3.1mm、短径2.6mmのペレットが得られた。
【0050】
得られた樹脂ペレットについて、該不良品を二連ペレットとその他の不良ペレットに選別した。選別方法は、得られたペレットから約100gサンプリングを行い、目視により、二連ペレット及びその他の不良ペレットを選別し、その質量を測定した。その他の不良ペレットは三連ペレット以上及び異形ペレットの総和とした。不良率は二連又はその他の不良ペレットの質量を、サンプリングしたペレットの総量で割ったものとした。
結果を以下の表2に示す。
【0051】
[実施例2及び3、並びに比較例1?3]
使用したダイ及び製造条件を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂ペレットを製造した。二連ペレット及びその他の不良ペレットの評価結果を以下の表2に示す。
実施例1?3及び比較例1?3において使用したダイプレート、ポリマー、ペレタイジング条件、及び得られたペレットについて以下の表1(a)?表1(d)に示した。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】



ク 「【0054】
式1を満たす実施例1では、二連ペレットの発生が4.4%に抑制されており、また、全体としての不良ペレット(二連ペレットとその他の不良ペレットの合計)の発生も4.9%と抑制された。また、実施例2では、二連ペレットの発生が4.2%に抑制されており、また、全体としての不良ペレット(二練ペレットとその他の不良ペレットの合計)の発生も4.6%と抑制された。更に、実施例3では、二連ペレットの発生が7.6%に抑制され、全体としての不良ペレットの発生率も9.0%であった。
一方、式1を満たさない比較例1では、二連ペレットの発生が10.4%であり、また、全体としての不良ペレットの発生も12.7%であった。同様に、式1を満たさない比較例2では、二連ペレットの発生が12.2%であり、また、全体としての不良ペレットの発生が15.2%であった。更に、比較例3では、二連ペレットの発生が20.1%であり、全体としての不良ペレットの発生が27.4%であった。
ここで、実施例1のストランド間隔Xは、1.16cmであり、下記表3に示すように、正規分布表から求めた二連ペレットの発生確率と、実測値はよく一致した。実施例2及び3についても、正規分布表から求めた二連ペレットの発生確率と、実測値はよく一致した。また、比較例1のストランド間隔Xは0.65cmであり、比較例1についても、正規分布表から求めた二連ペレットの発生確率と実測値はよく一致した。比較例2及び3についても、正規分布表から求めた二連ペレットの発生確率と、実測値はよく一致した。
【0055】
【表3】



ケ 「



(2) 取消理由4(サポート要件)の判断
ア サポート要件の判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。

イ 検討
そこで、検討する。
上記(1)ア及びイの記載によると、本件発明1ないし3、9及び10の解決しようとする課題(以下、「発明の課題」という。)は、「二連ペレット、並びに多連ペレット及び異形ペレット等のその他の不良ペレットの発生が抑制された樹脂ペレットの製造方法を提供すること」である。
そして、特許請求の範囲の請求項1ないし3、9及び10の記載は、上記第3の【請求項1】ないし【請求項3】、【請求項9】及び【請求項10】のとおりである。
一方、発明の詳細な説明においては、「不良ペレットの発生においては、特に二連ペレットの発生が多く、また、二連ペレットの発生を抑制することで、多連ペレットを含むその他の不良ペレットの発生も抑制されることを見出した」(上記(1)エ)とされていて、「二連ペレットの発生を8.5%未満に抑制することで、不良ペレット全体の発生が10%以下に抑制され・・・二連ペレットの発生が0.5%未満であると、歩留まりは良好であるが、樹脂ペレットの生産性が低下し、経済的効果は低い・・」(上記(1)カ)と記載されると共に、具体的な実施例及び比較例において、本件発明1で具体的に特定された事項に対応する工程2の冷却方式がスライダー冷却方式であって冷媒が水であるものにおいて、ストランド状の樹脂の直径の条件、ストランド状に抜き出す引取り速度の条件、ストランド間隔Xの式1の条件、工程1における熱可塑性樹脂の抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度条件、工程2における冷媒の温度条件、ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間というそれぞれの条件が所定範囲を満たし、二連ペレットの発生確率が8.5未満の場合には、全体としての不良ペレットの発生が抑制されていることが確かめられているから、当業者は、これらの条件を満たし、二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上である製造方法は、発明の課題を解決するものと理解する。
そして、本件発明1は、「工程2が、スライダー冷却方式にて行われ」、「工程2における冷媒が水であ」ると特定されていると共に、「ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであ」ること、「ストランド状に抜き出す引取り速度が1.5m/s?10m/sであ」ること、「ストランド間隔Xが式1を満た」すこと、「熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sであ」ること、「工程2における冷媒の温度が10?70℃であ」ること、「ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であ」ること、及び「二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上であること」を特定するものであるから、発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである。
また、本件発明1で特定する事項を全て含み、さらに請求項2、3、9及び10に記載されている事項でさらに発明特定事項を特定するものである本件発明2、3、9及び10についても、同様に、発明の課題を解決できると認識できる。
よって、本件発明1ないし3、9及び10に関して、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえるので、本件特許の特許請求の範囲の記載はサポート要件に適合する。

ウ 異議申立人の主張の検討
異議申立人は、令和1年12月26日提出の意見書において、本件訂正請求により訂正された本件発明に対する取消理由4(サポート要件違反)について、概略「訂正発明1(本件発明1)は、定数a、bを定めた条件とは、樹脂の状態が相違し、冷却条件も相違するから、発明の詳細な説明に記載されているとはいえない。・・・ダイホールの分散状態を特定しない訂正発明1(本件発明1)は発明の詳細な発明に記載されているとはいえない。」と主張する。
当該主張について検討すると、本件発明1においては、確かに、ダイホールの分散状態が特定されておらず、樹脂の粘度条件やストランドの冷却条件についての特定が、定数a、bを算出した時の数値に比べて幅のある特定であることに加え、一部特定されていない条件もあるが、本件発明1において「二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上」と特定されていることで、結果的に、本件発明1の製造条件は定数a、bを算出した時に行ったものに合致したもの(定数a、bを算出した製造条件と異なる場合には、二連ペレットの発生確率が異なることになるので、本件発明1に包含されない)になる。
また、ダイホールの分散状態についても、本件発明1において二連ペレットの発生確率が特定されていることにより、本件発明1のダイホールの分散状態が実施例に記載されているものと同等なものに限定されるものといえる。
よって、異議申立人の上記主張は失当であって採用できない。

エ 取消理由4についてのまとめ
したがって、本件特許の請求項1ないし3、9及び10に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえず、取消理由4によっては取り消すことはできない。

2 取消理由3(実施可能要件)について
(1) 本件特許明細書の発明の詳細な説明には、上記1(1)の記載がある。

(2) 取消理由3(実施可能要件)の判断
実施可能要件の判断基準
物を生産する方法の発明について実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その方法により物を生産することができる程度の記載があることを要する。

イ 検討
そこで、検討する。
本件特許の発明の詳細な説明(特に、【0016】?【0032】、【0046】?【0055】、図1?4等を参照。)には、本件発明1?3、9及び10の個々の発明特定事項について詳細に記載されており、その具体的な実施例も記載されている。
したがって、本件発明1?3、9及び10に関して、明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識とに基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産する方法を使用することができる程度に記載されているといえるので、発明の詳細な説明の記載は、実施可能要件に適合する。
なお、本件発明1ないし3、9及び10は、樹脂ペレットの製造方法に係る発明であるから、樹脂ペレットの製造時に利用するダイホールについて、当業者は、ランダムで不均一となるような分散状態のものを利用することは考えられないといえる。

ウ 異議申立人の主張の検討
異議申立人は、令和1年12月26日提出の意見書において、上記取消理由3について、特許権者の「実際のストランド間隔」を「ストランドの抜き出し方向に対して垂直な面でみ」ること当然の前提としている様であるが、このような主張を裏付ける公知事実は存在せず、単に特許権者の独自の見解に基づくものにすぎないことは甲第5号証の図4からも明かである旨主張する。
しかしながら、ダイホールの分散状態については、ダイホールがペレットを製造するために用いられていることから、その分散状態は均等に分散されているものとすることは当然のことであって、例えば、本件特許の発明の詳細な説明の図1、図3のような形態で二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上と特定されている本件発明に係る樹脂ペレットの製造方法が実施できることは発明の詳細な説明の記載から明らかであるから、本件発明は実施可能といえ、異議申立人の上記主張は採用できない。

エ 取消理由3についてのまとめ
したがって、本件特許の請求項1ないし3、8及び9に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえず、取消理由3によっては取り消すことはできない。

3 取消理由1及び2(新規性及び進歩性)について
(1) 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
ア 甲1には、以下の記載がある。

「【請求項1】
溶融ポリマーを複数の孔を有するダイヘッドを通してストランドを得、当該ストランドを切断して粒子状のポリマーを製造する粒子状ポリマーの製造方法であって、
前記溶融ポリマーの前記ダイヘッドにおける出口温度の最高値と最低値との差を5℃以内に制御することを特徴とする粒子状ポリマーの製造方法。」

「【請求項3】
前記ストランドの引き取り速度が、50m/min?250m/minであることを特徴とする請求項1または2に記載の粒子状ポリマーの製造方法。」

「【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート等の樹脂ポリマーは、その製造装置において重合反応等が行われ、押出機にて添加剤等が添加された後、ダイヘッドによりストランド状に押し出され、冷却後、カッター等によりペレット形状等の粒子状ポリマーに成形されて、製品となるのが通常である。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の溶融押出し温度を単に管理するだけではペレットの長さや径の分布は十分に均一にならず、上記の精度を達成できないという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の技術が有する上記の問題点に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、均一な大きさのペレット形状等の粒子状ポリマーを製造することができる粒子状ポリマーの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、均一な大きさのペレット形状等の粒子状ポリマーを製造することができる造粒装置を提供することにある。」

「【0018】
重縮合反応後は、押出機などの混練機で各種添加剤がそれぞれ供給され、次いでダイヘッドより排出されたストランド状のポリカーボネートは冷却水により冷却された後にカットされ、ペレット化される。
ポリマーのストランド化の条件としては、例えば、ダイ孔部から排出される溶融ポリマーの流量は、せん断速度で100?1000s^(-1)であり、樹脂温度は、溶融粘度が200?2000Pa・sの範囲になるように通常250?370℃の範囲で設定される。そして、このとき本実施の形態が適用される造粒装置が使用される。
最後に脱水機にて水分除去した後に貯蔵容器である貯槽サイロに導入される。」

「【0020】
溶融したポリマーは、ダイヘッド11の突起部12にAで示した方向から供給され、ダイヘッドプレート13から押出される。
図3は、ダイヘッドプレート13の構造を説明する図である。
ダイヘッドプレート13は溶融したポリマーを排出する孔19が40個開けられており、この孔19を通してストランド状に加工され、引き取られる。」

「【0022】
図1におけるダイヘッド11から押出されたポリマーは、冷却されつつ引き取られ、カッターにより切断され、粒子状ポリマーとなる。
図4は、本実施の形態が適用される造粒装置を説明する図である。
図4において、ダイヘッド11より押出されたストランドは、ストランド冷却装置20に送られ、そこで冷却水により冷却される。
その後、カッター30により切断されるが、その際の引き取り速度は、50m/min?250m/minが好ましい。」

「【0024】
なお、溶融したポリマーは、上記の例では、ポリカーボネートを使用したが、上記のようなダイヘッドを用いてストランドを得、それを切断することにより粒子状のポリマーを製造する工程を有するものであれば特に限定されることはない。例えば、ポリエチレンテレフタレートやナイロンなどが挙げられる。
また、粒子状ポリマーは、上述の例ではペレットであり円柱形状であったが、形状について特に限定されることはなく、ストランド状のポリマーをカッターにより切断することにより実現できる形状であれば何でもよく、例えば、切断面が円形や楕円形状であるもの、四角形状であるものなどが挙げられる。
また、粒子状ポリマーの大きさは、特に限定されるものではないが、粒子状ポリマーが円柱形状のペレットであった場合は、長さが10mm以下に加工されたものが好ましい。
押出機で押出すポリマーの溶融粘度については、特に制限はないが、200?2000Pa・Sであることが好ましい。」

「【0026】
(実施例1)
ポリマーとしてポリカーボネートを使用し、熱電対の配置以外は、図1に示したようなダイヘッドを有する造粒装置を使用して、重合完了後のポリカーボネート(粘度平均分子量(Mv)=26000)を、大きさが500mm×120mmで、孔径φ7mm、孔数40個のダイヘッドプレートよりストランド状に押出しながら水冷されたストランド冷却シュート(ストランド冷却装置)に落下させた。このときの引き取り速度は150m/minであった。
また、このときの出口部における溶融ポリマーの温度は、熱電対を均等な間隔でダイヘッド上部に横並びに5箇所設置して測定を行った。
出口温度の制御は、所定の中心温度を設定し、この範囲より低くなりすぎた場合は、その熱電対周辺の加熱器の加熱強度を強くし、また高くなりすぎた場合は、その熱電対周辺の加熱器の加熱強度を弱くすることにより行った。
その結果、測定された出口温度は、ダイヘッドの前面左端から順に350℃、352℃、353℃、352℃、350℃であり、全て5℃以内の範囲に収まっていた。
ストランド状に引き取ったポリマーを、カッターでペレット状にカットしたところ、得られたペレットは、平均長さ3.0mmで、真円換算平均直径は2.9mmであった。そして、大きさがいずれかの平均値から0.1mmより乖離したペレットの比率は10%であった。
なお大きさの測定に使用したペレットの個数は1000個である。」





イ 甲1の上記特許請求の範囲の請求項1、3、段落【0002】、【0018】、【0020】、【0022】、【0024】、【0026】、図1?4の記載からみて、甲1の実施例1として記載されているペレットの製造方法の発明として、次のとおりの発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。

「ダイヘッドを有する造粒装置を使用して、重合完了後のポリカーボネート(粘度平均分子量(Mv)=26000)を、大きさが500mm×120mmで、孔径φ7mm、孔数40個のダイヘッドプレートよりストランド状に押出しながら水冷されたストランド冷却シュート(ストランド冷却装置)に落下させ、このときの引き取り速度は150m/minであり、ストランド状に引き取ったポリマーを、カッターでペレット状にカットした、平均長さ3.0mmで、真円換算平均直径は2.9mmである、ペレットの製造方法。」

(2) 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「ペレット」は、本件発明1の「樹脂ペレット」に相当する。
甲1発明の「ダイヘッドを有する造粒装置を使用して、重合完了後のポリカーボネート(粘度平均分子量(Mv)=26000)を」「ダイヘッドプレートよりストランド状に押出」する工程は、本件発明1の「工程1:溶融状態の熱可塑性樹脂を、ダイからストランド状に抜き出す工程」に相当する。
甲1発明の「水冷されたストランド冷却シュート(ストランド冷却装置)に落下させ」の工程は、本件発明1の「工程2:抜き出されたストランド状の樹脂を冷媒を用いて冷却する工程」に相当し、本件発明1の「前記工程2が、スライダー冷却方式で行われ」、「前記工程2における冷媒が水であり」との条件を満足している。
甲1発明の「ストランド状に引き取ったポリマーを、カッターでペレット状にカットした」工程は、本件発明1の「工程3:冷却されたストランド状の樹脂を裁断して樹脂ペレットを得る工程」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明1の工程1?工程3を有している。
甲1発明の「引取り速度は150m/min」は、その速度を換算すると「2.5m/s」であるから、本件発明1における「ストランド状に抜き出す引取り速度が1.5m/s?10m/sであり」を満足する。
甲1発明のペレットは、「平均長さ3.0mmで、真円換算平均直径は2.9mmである」から、本件発明1の「ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり」を満足する。
甲1発明のダイヘッドプレートの孔数は40であるから、本件発明1の「前記ダイが、10以上のダイホールを有し」を満足する。
そうすると、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点はそれぞれ次のとおりである。

<一致点>
「下記工程1?工程3を有し、
工程1:溶融状態の熱可塑性樹脂を、ダイからストランド状に抜き出す工程
工程2:抜き出されたストランド状の樹脂を冷媒を用いて冷却する工程
工程3:冷却されたストランド状の樹脂を裁断して樹脂ペレットを得る工程
前記工程2が、スライダー冷却方式で行われ、
前記工程2における冷媒が水であり、
ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり、
ストランド状に抜き出す引取り速度が1.5m/s?10m/sであり、
前記ダイが、10以上のダイホールを有する、
樹脂ペレットの製造方法。」
である点。

<相違点1>
工程1においての特定に関し、本件発明1は、「前記熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sである」と特定するのに対して、甲1発明においては、この点を特定しない点。

<相違点2>
工程2においての特定に関し、本件発明1は、「冷媒の温度が10?70℃であり」と特定すると共に、「前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であり」と特定するのに対して、甲1発明においては、この点を特定しない点。

<相違点3>
本件発明1は、「二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上である」と特定するのに対し、甲1発明においては、この点を特定しない点。

<相違点4>
本件発明1は、
「下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たすこと
1.73×a≦X^(b)≦2.81×a 式1
ここで、a、b、及びXは、以下の通りである。
a=0.524
b=0.367
X(cm)={(有効ダイプレート幅)(cm)-(ストランド径)(cm)×(ストランド数-1)}/{(ストランド数)-1} 式2
有効ダイプレート幅は、ダイの両端のダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの最大距離である。」(式1特定事項)と特定するのに対し、甲1発明は、この点を特定しない点。

事案に鑑み、相違点3から検討する。
甲1発明は、「均一な大きさのペレット形状等の粒子状のポリマーを製造すること」(上記(1)アの段落【0006】)を目的としているから、異形ペレットが望ましくないものとしているとは言いえるが、異形ペレットに包含されている「二連ペレット」に特に着目して、その発生確率を所定範囲とすることについての言及はなく、示唆もされていない。そして、当業者において、ペレットの製造時の二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上であることが技術常識であるとも認められない。
してみれば、相違点3は、本件発明1と甲1発明との間での実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲1発明とは少なくとも相違点3で相違し、甲1発明ではない。
また、異議申立人が提出したいずれの証拠にも、異形ペレットにおける二連ペレットの発生確率に着目しその発生確率を所定範囲とすることについて記載されているものはない。そして、二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上とすることが設計事項ということもできない。
そうすると、相違点3に係る発明特定事項とすることは当業者においても想到容易とはいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(3) 本件発明2、3、9および10について
請求項2、3、9及び10は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明2、3、9及び10は、本件発明1をさらに限定したものであるから、本件発明1と同様に、甲1発明ではないし、甲1発明及び他の甲号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 取消理由で採用しなかった特許異議申立書に記載の申立理由について

当審からの取消理由で採用しなかった特許異議申立書に記載の申立理由は、請求項8に対する申立理由1(新規性)と申立理由5(明確性)である。
請求項8に対する申立理由1については、本件訂正請求により、訂正前の請求項8は削除されているので、請求項8に対する申立理由1は存在しない。
申立理由5についての判断を以下に示す。

1 異議申立人の申立理由5の概要
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
(1) 請求項1及び2に記載の樹脂の種類が不明確である。
(2) 請求項2に記載のポリアミド樹脂が添加剤を含むかどうか不明確である。
(3) 請求項1の工程2に記載の冷媒温度および冷却時間が不明確である。

2 明確性要件の判断基準
特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。

3 明確性要件の判断
(1) 本件発明1に関する特許請求の範囲の記載は、上記第3の請求項1のとおりであり、意味内容が不明な記載はなく、また、上記第6 2(2)イのとおり、特許請求の範囲の記載に関わる事項について発明の詳細な説明に詳細に記載されているから、各工程がどのようなものか、また、それらを発明特定事項とする本件発明1がどのようなものかを当業者は理解することができるといえる。
したがって、本件発明1に関して、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。
よって、本件発明1に関して、特許請求の範囲の記載は明確性要件に適合する。本件発明2、3、9及び10についても同様である。

(2) 請求人の主張について検討する。
請求項1及び2に記載の「樹脂」については、「工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・s」であると特定されているから、このような性質を有する樹脂であることは明確に理解できる。
請求項2の「ポリアミド樹脂」に添加剤を含むかどうかの点については、請求項の記載において特定されていない事項については、請求項に記載されている樹脂に関する条件を満足する限りにおいて、添加剤を含むものも含まないものも包含されるものであることは明らかであるので、何ら不明確な点はない。
また、工程2における冷媒温度及び冷却時間については、「前記工程2における冷媒の温度が10?70℃であり」及び「前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であり」と特定されており、明確である。
してみれば、請求人の主張は失当であって採用できない。

4 申立理由5についてのむすび
したがって、本件発明1ないし3、9及び10は、明確であり、それらについての特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではなく、同法第123条第1項第4号に該当しないので、申立理由5は理由がない。

第8 むすび

以上のとおりであるから、当審において通知した取消理由及び特許異議申立書に記載した申立理由によっては、本件特許の請求項1ないし3、9及び10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし3、9及び10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
本件特許の請求項4ないし8に係る特許は、上記第2のとおり、本件訂正請求により削除された。これにより、請求項4ないし8に係る特許に対する申立人による特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。

よって、結論のとおり決定する。



 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1?工程3を有し、
工程1:溶融状態の熱可塑性樹脂を、ダイからストランド状に抜き出す工程
工程2:抜き出されたストランド状の樹脂を冷媒を用いて冷却する工程
工程3:冷却されたストランド状の樹脂を裁断して樹脂ペレットを得る工程
前記熱可塑性樹脂の工程1における抜き出し時の樹脂温度における溶融粘度が、せん断速度122sec^(-1)の条件で、50?3,000Pa・sであり、
前記工程2が、スライダー冷却方式にて行われ、
前記工程2における冷媒の温度が10?70℃であり、
前記工程2における冷媒が水であり、
前記ストランド状の樹脂と冷媒との接触時間が、0.1?6.7秒であり、
ストランド状の樹脂の直径が1.5?4.5mmであり、
ストランド状に抜き出す引取り速度が1.5m/s?10m/sであり、
前記ダイが、10以上のダイホールを有し、
下記式2で定義されるストランド間隔Xが下記式1を満たし、
二連ペレットの発生確率が8.5%未満0.5%以上であることを特徴とする
樹脂ペレットの製造方法。
1.73×a≦X^(b)≦2.81×a 式1
ここで、a、b、及びXは、以下の通りである。
a=0.524
b=0.367
X(cm)={(有効ダイプレート幅)(cm)-(ストランド径)(cm)×(ストランド数-1)}/{(ストランド数)-1} 式2
有効ダイプレート幅は、ダイの両端のダイホールの外側の穴中心から外側の穴中心までの最大距離である。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項1に記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記ダイホールの穴径が0.2?1.5cmである、請求項1又は2に記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂が、炭素数4?20のα,ω-脂肪族ジカルボン酸を30モル%以上含むジカルボン酸成分と、キシリレンジアミン及びビス(アミノメチル)シクロヘキサンから選ばれるジアミンを合計して70モル%以上含むジアミン成分とを溶融重合して得られたポリアミド樹脂である、請求項1?3のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。
【請求項10】
前記工程1が、反応槽から熱可塑性樹脂を加圧下に抜き出す工程であり、該圧力が0.1?1MPaGである、請求項1?3、9のいずれかに記載の樹脂ペレットの製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-02-06 
出願番号 特願2018-546919(P2018-546919)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08J)
P 1 651・ 537- YAA (C08J)
P 1 651・ 536- YAA (C08J)
P 1 651・ 121- YAA (C08J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 加賀 直人  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 大島 祥吾
植前 充司
登録日 2018-12-07 
登録番号 特許第6443605号(P6443605)
権利者 三菱瓦斯化学株式会社
発明の名称 樹脂ペレットの製造方法  
代理人 大谷 保  
代理人 大谷 保  
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