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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
管理番号 1361509
異議申立番号 異議2020-700067  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-02-07 
確定日 2020-04-27 
異議申立件数
事件の表示 特許第6556577号発明「水中油型乳化組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6556577号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6556577号の請求項1に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成27年9月25日に特許出願され、令和1年7月19日にその特許権の設定登録がなされ、同年8月7日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、令和2年2月7日に特許異議申立人 佐藤智美(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
本件特許に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、特許第6556577号の請求項1に係る発明を「本件発明1」という。)。

「【請求項1】
次の成分(A)?(D)
(A)液状炭化水素油、
(B)テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、
(C)ネオペンタン酸イソステアリル、及び
(D)ソルビタン脂肪酸エステル類とショ糖脂肪酸エステル類
を含有する水中油型乳化組成物。」

第3 申立理由の概要及び提出した証拠
1.申立理由の概要
申立人は、甲第1?8号証を提出し、本件特許は、以下の申立理由1及び2により、取り消されるべきものである旨主張している。なお、以下では、各甲号証を指して、それぞれ、単に「甲1」?「甲8」という。

(1)申立理由1(新規性)
本件発明1は、甲1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

(2)申立理由2(進歩性)
本件発明1は、甲1に記載された発明に基づいて、又は甲1に記載された発明及び甲2?8に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

2.証拠方法
(1)甲第1号証:特開2015-51961号公報
(2)甲第2号証:特開2015-67545号公報
(3)甲第3号証:特開2012-20965号公報
(4)甲第4号証:特開2014-218441号公報
(5)甲第5号証:The Journal of Applied Research,2005,Vol.5,No.1,p.96-108
(6)甲第6号証:Journal of Pharmaceutical Sciences,1976,Vol.65,No.12,p.1780-1783のアブストラクト
(7)甲第7号証:”食品 乳化・可溶化・分散剤”、[online]、日本サーファクタント工業株式会社、インターネット<URL,https://web.archive.org/web/20150219235803/https://www.ns-utsunomiya.com/product/industry/food.html>、インターネット・アーカイブ ウェイバック・マシン(Internet Archive Wayback Machine)の保存日:平成27年2月19日
(8)甲第8号証:特開2014-237728号公報

第4 甲号証の記載事項
甲1?4には、それぞれ以下の記載がある(下線は当合議体による。以下同様。)。
1.甲1
(1-1)
「【請求項1】
下記式(1)乃至式(3)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうちの少なくとも一種からなる脂質ペプチド型化合物と、
炭素原子数8乃至20の脂肪酸のエステル、スクワラン、オリーブ油、プロピレングリコールジカプリレート及び流動パラフィンからなる群から選択される少なくとも一種の経皮吸収促進剤、及び水を含有する、経皮吸収基材。
【化1】


(式中、R^(1)は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R^(2)は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R^(3)は-(CH_(2))_(n)-X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、-CONH_(2)基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)
【化2】


(式中、R^(4)は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R^(5)乃至R^(7)はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は-(CH_(2))_(n)-X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、-CONH_(2)基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)
【化3】

(式中、R^(8)は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R^(9)乃至R^(12)はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は-(CH_(2))_(n)-X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、-CONH_(2)基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)」

(1-2)
「【0030】
[経皮吸収促進剤]
本発明の経皮吸収基材には、経皮吸収促進剤として炭素原子数8乃至20の脂肪酸のエステル、スクワラン、オリーブ油、プロピレングリコールジカプリレート及び流動パラフィンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を使用する。
上記炭素原子数8乃至20の脂肪酸のエステルとしては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル等が挙げられる。
これら経皮吸収促進剤の中でも、ミリスチン酸イソプロピルが好適に使用される。
本発明において、上記化合物の配合量は、得られるゲル(経皮吸収基材)の総質量に対して、例えば1乃至50質量%、好ましくは、10乃至50質量%である。
【0031】
また上記化合物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、従来皮膚での吸収促進作用が認められている化合物を添加することもできる。例えば、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸ジエタノールアミド、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、クレゾール、乳酸セチル、乳酸ラウリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール、チモール、オイゲノール、テルピネオール、L-メントール、ボルネオロール、d-リモネン、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネロール、dl-カンフル、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ホホバオイル、シリコン油、n-メチル-2-ピロリドン、dl-カンフル、ハッカ油などが挙げられる。
【0032】
[界面活性剤]
本発明の経皮吸収基材、すなわちo/wエマルションゲルの調製に際し、エマルション自体の経時的安定性を向上でき、またエマルション中の均一な上記経皮吸収促進剤の液滴を形成を容易とすることから、o/wエマルションに界面活性剤を配合することが好ましい。
【0033】
上記界面活性剤としては、より低毒性のもの、特に無毒性のものが好ましい。界面活性剤のHLBは、好ましくは1.0?20.0、より好ましくは2.0?17.0、さらに好ましくは8.0?17.0の範囲内である。界面活性剤のHLBが上記範囲内にあることによって、o/wエマルションの分散性を良好にすることができる。
こうした界面活性剤の具体例としては、ソルビタンモノラウレート〔和光純薬工業(株)製「Span20」(登録商標)HLB=8.6〕などのソルビタンモノ脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート〔和光純薬工業(株)製「Tween20」(登録商標)、HLB=16.7〕、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート(HLB=9.6)、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート(HLB=10.0)、ポリオキシエチレン(4)ソルビタントリステアレート(HLB=10.5)、ポリオキシエチレン(4)ソルビタントリオレエート(HLB=11.0)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(HLB=14.9)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;等を挙げることができる。
中でも、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートが最も好ましい。
上記界面活性剤の配合量は、得られるゲル(経皮吸収基材)の総質量に対して、例えば0.1乃至20質量%、好ましくは、0.5乃至10質量%である。
【0034】
[プレミックス]
本発明の経皮吸収基材(すなわちo/wエマルションゲル)は、上記特定の経皮吸収促進剤と水、所望により界面活性剤を含有するo/wエマルションに、ゲル化剤である脂質ペプチド型化合物を添加し、これらを高められた温度で撹拌して均一に分散させた後、室温(約25℃)で静置することにより得られる。
但し本発明の経皮吸収基材は、化粧品又は医薬部外品への適用を考慮すると、経皮吸収製剤の有効成分として配合する成分等の熱的安定性の観点からより温和な条件下で調製されることが好ましい。
すなわち、より低温条件で調製工程を実施できること、具体的には上記脂質ペプチド型化合物が例えば100℃未満の温度にてo/wエマルションゲルの形成が可能となり、また冷却時に撹拌をしながらでもゲルが形成できる条件を備えることが望ましい。
こうした条件を考慮すると、本発明においては、脂質ペプチド型化合物をそのままo/wエマルションに添加するのではなく、該化合物の溶解性が高い溶媒に一旦溶解・分散させて溶液(分散液)とし、これを謂わばゲル化材料のプレミックスとしてo/wエマルションに配合することにより経皮吸収基材を製造することが好ましい。こうしたプレミックスを用いることにより、上述の温和な条件下でもo/wエマルションゲルを得ることができる。」

(1-3)
「【0045】
[その他添加剤]
本発明の経皮吸収基材には、必要に応じて一般的に化粧品用添加剤及び医薬部外品用添加剤として使用可能な添加剤を配合することができる。化粧品又は医薬部外品等の皮膚外用剤に配合される生理活性物質及び機能性物質等の添加成分としては、例えば油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、消炎剤、抗炎症剤、抗喘息、抗慢性閉塞性肺疾患、抗アレルギー、免疫調整剤、抗感染症剤及び抗真菌剤等が挙げられる。
【0046】
これらの添加成分を例示すると、油性基剤としては、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級(多価)アルコール類;ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及びその誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類、及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の金属石けん類、並びにアミド等の含窒素誘導体類;流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類;サポゲニン類;サポニン類;酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類;リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類;乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油等のオキシ酸エステル類;トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類が、好ましいものとして挙げられる。」

(1-4)
「【0048】
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が好ましいものとして挙げられる。界面活性剤として好ましいものを例示すると、陰イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ココイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸メチルアラニンナトリウム等のアシルN-メチルアミノ酸塩;ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、ココイルアラニントリエタノールアミン等のアシルアミノ酸塩;ラウレス酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム等のコハク酸エステル塩;脂肪酸アルカノールアミドエーテルカルボン酸塩;アシル乳酸塩;ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩;脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の脂肪酸グリセリド硫酸塩;アルキルベンゼンポリオキシエチレン硫酸塩;α-オレフィンスルホン酸ナトリウム等のオレフィンスルホン酸塩;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;スルホコハク酸ラウレス2ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルエーテルスルホコハク酸塩;テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩;アシルイセチオン酸塩;アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩;アルキルスルホ酢酸塩;ラウレスリン酸ナトリウム、ジラウレスリン酸ナトリウム、トリラウレスリン酸ナトリウム、モノオレスリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウリルリン酸カリウム等のアルキルリン酸エステル塩;カゼインナトリウム;アルキルアリールエーテルリン酸塩;脂肪酸アミドエーテルリン酸塩;ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等のリン脂質類;カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン等のシリコーン系陰イオン性界面活性剤等;非イオン界面活性剤としては、ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)類、セテス(ポリオキシエチレンセチルエーテル)類、ステアレス(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)類、ベヘネス類(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル)、イソステアレス(ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル)類、オクチルドデセス(ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル)類等の種々のポリオキシエチレン付加数のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のヒマシ油及び硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンフィトステロール;ポリオキシエチレンコレステロール;ポリオキシエチレンコレスタノール;ポリオキシエチレンラノリン;ポリオキシエチレン還元ラノリン;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン2-デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリンエーテル等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール;PPG-9ジグリセリル等の(ポリ)グリセリンポリオキシプロピレングリコール;ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリン脂肪酸部分エステル類;ステアリン酸ポリグリセリル-2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、同10、トリステアリン酸ポリグリセリル-2、デカステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(ジイソステアリン酸ジグリセリル)、同3、同10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-2、同3、同4、同5、同6、同8、同10、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、トリオレイン酸ポリグリセリル-2、デカオレイン酸ポリグリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸エチレングリコール等のエチレングリコールモノ脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル;ペンタエリスリトール部分脂肪酸エステル;ソルビトール部分脂肪酸エステル;マルチトール部分脂肪酸エステル;マルチトールエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、ウンデシレン酸トレハロース等の糖誘導体部分エステル;カプリリルグルコシド等のアルキルグルコシド;アルキルポリグリコシド;ラノリンアルコール;還元ラノリン;ポリオキシエチレンジステアレート、ポリチレングリコールジイソステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸モノ及びジエステル;ポリオキシエチレン・プロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ等のポリオキシエチレン動植物油脂類;イソステアリルグリセリルエーテル、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル類;多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン-エチレンジアミン縮合物類;サポニン、ソホロリピッド等の天然系界面活性剤;ポリオキシエチレン脂肪酸アミド;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類;ラウラミンオキシド、コカミンオキシド、ステアラミンオキシド、ベヘナミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;ポリオキシエチレンアルキルメルカプタン;ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン等のシリコーン系非イオン性界面活性剤等;陽イオン性界面活性剤としては、ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ラウリルトリモニウムクロリド等のアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルトリモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウムブロミド;ジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロリド;ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン等の脂肪酸アミドアミン及びその塩;ステアロキシプロピルジメチルアミン等のアルキルエーテルアミン及びその塩又は四級塩;エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12?31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の脂肪酸アミド型四級アンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩又は四級塩;アルキルアミン塩;脂肪酸アミドグアニジウム塩;アルキルエーテルアミンモニウム塩;アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩;塩化セチルピリジニウム等のピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系陽イオン性界面活性剤等;両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)等のN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ酸ベタイン;コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドアルキル-N,N-ジメチルアミノ酸ベタイン;ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム等のイミダゾリン型ベタイン;アルキルジメチルタウリン等のアルキルスルホベタイン;アルキルジメチルアミノエタノール硫酸エステル等の硫酸型ベタイン;アルキルジメチルアミノエタノールリン酸エステル等のリン酸型ベタイン;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、リゾレシチン、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質、水酸化レシチン等のリン脂質類;シリコーン系両性界面活性剤等;高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントガム、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体;シリコーン系各種界面活性剤が好ましいものとして挙げられる。」

(1-5)
「【0081】
[合成例1:脂質ペプチド(N-パルミトイル-Gly-His)の合成]
本実施例において、ゲル化剤として用いた脂質ペプチドは、以下に示す方法で合成した
500mLの4つ口フラスコに、ヒスチジン14.2g(91.6mmol)、N-パルミトイル-Gly-メチル30.0g(91.6mmol)、トルエン300gを投入し、塩基であるナトリウムメトキサイド 28%メタノール溶液35.3g(183.2mmol)を加え、油浴で60℃に加熱し1時間撹拌を続けた。その後、油浴を外し、25℃まで放冷し、この溶液をアセトン600gで再沈殿させ、濾取した。ここで得られた固体を、水600gとメタノール750gの混合溶液に溶解し、ここに6規定塩酸30.5ml(183.2mmol)を加えて中和し固体を析出させ、ろ過した。次に、得られた固体をテトラヒドロフラン120gと水30gの混合液に60℃で溶解させ、酢酸エチル150gを加え、60℃から30℃まで冷却した。その後、析出した固体をろ過した。さらに得られた固体を、テトラヒドロフラン120gとアセトニトリル60g溶剤中に溶解し、60℃に加熱し、1時間撹拌した後に冷却し、ろ過した。ここで得られた固体を水120gで洗浄し、ろ過後に減圧乾燥を行いN-パルミトイル-Gly-Hisフリー体(以下、単にPal-GHとも称する)の白色の結晶、26.9g(収率65%)を得た。
【0082】
[製造例1:プレミックスの調製]
サンプル管(No.7、(株)マルエム社製)に、上記合成例で得られたPal-GH、アルギン酸プロピレングリコール(アルギン酸PGとも称する)、1,2-ヘキサンジオール、ステアリン酸及び水を表1に示す組成(質量%)となるように秤量して投入し、80℃で加熱撹拌を行い、Pal-GH分散液(プレミックス)を得た。なお撹拌はアズワン(株)製のLABORATORY HIGH MIXERを用いて、200rpmで行った。
【0083】
【表1】



(1-6)
「【0098】
[実施例6:o/wエマルションゲルの皮膚浸透性試験(3)]
表6に示す組成にて、製造例1で調製したプレミックス、スクワラン(0?30質量%にて濃度変化))、Tween20、水、並びに蛍光標識ヒアルロン酸をサンプル管(No.7、(株)マルエム社製)に投入し、加熱撹拌(70℃、10分、200rpm)後、室温(およそ25℃)にて放冷し、ゲル形成させた。
また別途、カーボポール0.75質量%、蛍光標識ヒアルロン酸0.1質量%、Tween20 0.5質量%、水98.65質量%をサンプル管(No.7、(株)マルエム社製)に投入し、加熱撹拌(70℃、10分、200rpm)後、室温(およそ25℃)にて放冷し、ゲル形成させた。
【0099】
【表6】

【0100】
-80℃で保存されているYucatan Micro Pig(YMP)皮膚(日本チャールズ・リバー(株))を室温(およそ25℃)で解凍後、脂肪除去を行い(脂肪除去後の皮膚の厚さが約2mm)、約2cm平方のYMP皮膚を用意した。縦式フランツ型拡散セル(有効面積:0.785cm3)のレシーバー相に、5.0mLのリン酸緩衝整理食塩水(PBS:pH7.4℃、500rpmにて撹拌)を添加し、前記YMP皮膚(PBSの皮膚表面の温度:32.5℃)をセットした。縦式フランツ型拡散セルのドナー相に、表5に示す各ゲル及びカーボポールゲル(200mg)を設置した(図4参照)。PBSとアセトニトリルとメタノールの2:2:1(v/v/v)混合液を調製し、これを抽出液とした。
24時間後に皮膚を取り出し、前記抽出液で皮膚を洗浄しキムワイプ(登録商標)にて抽出液を拭きとった。その後カッターナイフにて皮膚を16分割に切り刻み、これを遮光マイクロチューブに入れ、ここに前記抽出液5mLを加え、ボルテックスミキサーに3時間かけて撹拌し、皮膚中の蛍光標識ヒアルロン酸を抽出した。蛍光標識ヒアルロン酸を抽出させた抽出液中の蛍光標識ヒアルロン酸量を蛍光光度計で定量した。具体的には、該抽出液をシリンジに採り、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタ(0.45μm)を通したろ液を測定時まで遮光マイクロチューブにて保管し、このろ液の蛍光強度を蛍光分光光度計LS-55(パーキンエルマー社製、励起波長:495nm、測定波長:521nm)を用いて測定した。
得られた結果を図8に示す。
【0101】
図8に示すように、Pal-GH含有ゲルは、カーボポール(CP)含有ゲルと比べて、ヒアルロン酸の皮膚への浸透量が格段に増加し、またゲル中のスクワラン含有量が増加するに伴い、ヒアルロン酸の皮膚浸透量がさらに増加するという結果を得た。
この結果は、本発明の経皮吸収基材(ゲル)が角層のバリア機能を緩和し、ヒアルロン酸の皮膚への浸透を促進したこと、そして、スクワランの配合によってさらに角層のバリア機能の緩和を高め、ヒアルロン酸の浸透をさらに促進することを示唆するものであった。」

2.甲2
(2-1)
「【請求項1】
酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び炭酸ガスの経皮吸収促進剤を含有することを特徴とする固形状、顆粒状、細粒状又は粉末状の炭酸ガス発泡性皮膚外用剤であって、炭酸ガスの経皮吸収促進剤が液状油剤であることを特徴とする前記炭酸ガス発泡性皮膚外用剤。」

(2-2)
「【0034】
化粧品、医薬品、医薬部外品に使用される一般的な液状油剤としては、オリーブ油、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、茶実油、コメヌカ油、小麦胚芽油、胚芽油、落花生油、ヒマワリ油、アーモンド油、トウモロコシ油、タートル油、ミンク油、パーシック油、サザンカ油、アマニ油、エノ油、カヤ油、日本キリ油、メドゥフォーム油、スクワレン、スクワラン、植物性スクワラン、ホホバアルコール、流動パラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、イソステアリン酸イソセチル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸2-ヘキシルデシル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソプロピルミリステート、2-オクチルドデシルオレエート、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、2-エチルヘキシルパルミテート、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、ドデシルオレエート、オレイン酸オレイル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、コハク酸2-エチルヘキシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリグリセリン、オレイン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ポリシロキサン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸へキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、コハク酸ジオクチル、フッ素変性油、トリオクタノイン、ジピバリン酸トリプロピレングリコール等の25℃で液状のものが知られており、経皮吸収促進作用の点から、ホホバ油などの植物油、スクワランなどの天然炭化水素油、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、2-エチルヘキサン酸セチル及びトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルなどの合成エステル油、メチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを使用するのが好ましく、ホホバ油、スクワラン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル及び、メチルポリシロキサンを使用するのが特に好ましい。前記経皮吸収促進剤は、炭酸ガス発泡性皮膚外用剤中に0.001?10重量%で含有されることが好ましく、0.01?5重量%であることが特に好ましい。」

3.甲3
(3-1)
「【請求項1】
固形油分及び液状油分を含有する油相と、水及び水溶性増粘剤を含有する水相とからなり、前記油相は、平均一次粒子径が0.1?300μmの粒子として前記水相中に分散している組成物であって、さらに、ポリアクリル酸系皮膜剤、ポリウレタン系皮膜剤、ポリビニル系皮膜剤及び重量流動イソパラフィンからなる群の成分から選ばれる1種又は2種以上を含有する組成物である、ハンドケア用組成物。」

(3-2)
「【0018】
本発明の組成物の油相を構成する液状油分としては、例えば、オリーブ油、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、茶実油、コメヌカ油、小麦胚芽油、胚芽油、落花生油、ヒマワリ油、アーモンド油、トウモロコシ油、タートル油、ミンク油、パーシック油、サザンカ油、アマニ油、エノ油、カヤ油、日本キリ油、メドゥフォーム油、スクワレン、スクワラン、植物性スクワラン、ホホバアルコール、流動パラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、イソステアリン酸イソセチル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸2-ヘキシルデシル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソプロピルミリステート、2-オクチルドデシルオレエート、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、2-エチルヘキシルパルミテート、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、ドデシルオレエート、オレイン酸オレイル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、コハク酸2-エチルヘキシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリグリセリン、オレイン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ポリシロキサン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸へキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、コハク酸ジオクチル、フッ素変性油、トリオクタノイン、ジピバリン酸トリプロピレングリコール等が挙げられる。特に、外用剤として皮膚に適用した際に肌なじみがよいことから、ジメチコン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、又は、ホホバアルコールを液状油分として配合することが好ましい。」

4.甲4
(4-1)
「【請求項1】
シリコーンオイルと、エステル油と、を含有し、
前記エステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、並びにステアリン酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種以上のモノカルボン酸エステル、及び/又はエステル基を2以上有するエステル化合物である皮膚粘着剤用剥離組成物。」

(4-2)
「【0038】
[皮膚保護成分]
剥離組成物には、前述のシリコーンオイル及びエステル油のほかに、皮膚保護成分(エモリエント剤、抗炎症剤、及びコンディショニング剤等)が含まれていることが好ましい。皮膚保護成分は、経皮吸収性が高まる点から、分子量が500以下、融点が200℃以下、及びJIS Z7260-107又はJIS Z7260-117に準拠して測定される分配係数(いわゆる油水分配係数)が1?4であることが好ましい。
【0039】
このような皮膚保護成分として、具体的には、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリルからなる群から選択される1種以上(エモリエント剤)と、グアイアズレン(抗炎症剤)とが、剥離組成物に含まれるのが好ましい。また、剥離組成物に、オレイルアルコール(エモリエント剤)と、グアイアズレン(抗炎症剤)との組み合わせを含有することがより好ましい。
なお、オレイルアルコール及びグアイアズレンは、何れも前述のシリコーンオイルとして好適なヘキサメチルジシロキサンに溶解する点でも好ましい。」

5.甲5
甲5は英語の文献であるので、翻訳文により記載する。
(5-1)(96頁左欄要約9行?13行)
「非イオン性界面活性剤であるソルビタンモノラウレート20(Span20)を、薬物(ジクロフェナクジエチルアミン)への皮膚浸透促進剤として、濃度(0.1%wt/vol)に加えた。」

6.甲6
甲6は英語の文献であるので、翻訳文により記載する。
(6-1)(要約5行?9行)
「モノパルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポロキサマー231、ポロキサマー182、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン2オレイルエーテル、又はポリオキシル8ステアレートをジメチルスルホキシド、サリチル酸、及び白色ワセリンを含む軟膏に添加したとき、サリチル酸の経皮吸収は大幅に増加した。」

7.甲7
(7-1)(1頁)
「ソルビタン脂肪酸エステル
食品用乳化剤としても使用される安全性の高い親油性界面活性剤です。難溶性物質の溶解助剤、経皮吸収助剤としても使われます。」

8.甲8
(8-1)
「【0003】
しかし、大多数の薬物は一般に皮膚透過性が低く、経皮投与製剤の開発は困難である。皮膚の構造は大別して表皮、真皮、皮下組織からなり、表皮の最外側は角質層といわれる厚さ10?15μmの死滅しケラチン化した細胞で覆われている。この角質層は、薬物を含む化学物質の流入や流出、水の蒸発に対して制御バリアとして働いている。すなわち、経皮吸収の律速段階は角質層透過過程であることから、テープ製剤を開発する上では、この角質層の薬物透過性を高めることが最も重要な課題であった。
【0004】
このため、角質層のバリア機能を弱めて十分な量の薬物を吸収させるために、経皮吸収促進剤の研究が盛んになされている。経皮吸収促進剤としては、例えば、炭素鎖数6?20の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、アミド、又はエーテル類、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステル又はエーテル、さらに、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、エイゾン、エイゾン誘導体、ピロチオデカン、グリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、植物油等が挙げられる。また、アルキルグリコシド類などの界面活性剤についても経皮吸収促進剤としての用途が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。」

第5 当審の判断
1.申立理由1及び2について
(1)甲1に記載された発明
甲1の記載事項(1-6)の実施例6には、「プレミックス、蛍光標識ヒアルロン酸、スクワラン、Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、及び水からなるo/wエマルションゲル」が記載されている。そして、これに含まれる「プレミックス」について、記載事項(1-5)の表1には、「N-パルミトイル-Gly-Hisフリー体、アルギン酸プロピレングリコール、1、2-ヘキサンジオール、ステアリン酸及び水」から構成されることが記載されている。
そうすると、甲1の表1の記載を踏まえた実施例6の記載に基づいて、甲1には、以下の発明が記載されていると認められる。
「N-パルミトイル-Gly-Hisフリー体、アルギン酸プロピレングリコール、1、2-ヘキサンジオール、ステアリン酸及び水からなるプレミックス、蛍光標識ヒアルロン酸、スクワラン、Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、並びに水からなるo/wエマルションゲル。」(以下、「甲1発明」という。)

(2)対比及び判断
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
本件明細書の段落【0009】には、液状炭化水素油としてスクワランが例示されていることからみて、甲1発明の「スクワラン」は、本件発明1の「液状炭化水素油」に相当する。
甲1発明の「Tween20」は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートであることは技術常識であるところ、これは、本件発明1の「ソルビタン脂肪酸エステル類」に相当する。
甲1発明における「o/wエマルションゲル」は、本件発明1における「水中油型乳化組成物」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「液状炭化水素油(A成分)、及びソルビタン脂肪酸エステル類(D成分のうちの1つ)を含有する水中油型乳化組成物。」

(相違点1)
本件発明1は、「テトラオクタン酸ペンタエリスリチル」(B成分)、「ネオペンタン酸イソステアリル」(C成分)、及び「ショ糖脂肪酸エステル類」(D成分のうちの1つ)を含むのに対し、甲1発明はこれらの成分を含まない点

新規性についての判断
本件発明1と甲1発明は、上記相違点1で相違するものであるから、本件発明1は甲1発明ではない。

進歩性についての判断
上記相違点1について検討する。
甲1には、経皮吸収基材にスクワランを配合することによって、さらに角層のバリア機能の緩和を高め、ヒアルロン酸の浸透をさらに促進する旨記載され(記載事項(1-6)の【0101】)、甲2には、炭酸ガスの経皮吸収促進剤としてスクワランなどの天然炭化水素油が記載され(記載事項(2-2)の【0034】)、甲3には、テトラオクタン酸ペンタエリスリチルは肌なじみがよいことが記載され(記載事項(3-2)【0018】)、甲4には、皮膚粘着剤用剥離組成物に含まれる皮膚保護成分として、経皮吸収性が高い観点から、ネオペンタン酸イソステアリルが好ましいことが記載され(記載事項(4-2)の【0038】)、甲5には、ソルビタンモノラウレート20は、薬物の皮膚浸透促進剤であることが記載され(記載事項(5-1))、甲6には、モノパルミチン酸ソルビタンを含む軟膏は、サリチル酸の経皮吸収が増加したことが記載され(記載事項(6-1))、甲7には、ソルビタン脂肪酸エステルは経皮吸収助剤として使用されることが記載され(記載事項(7-1))、甲8には、経皮吸収促進剤として、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類が記載されている(記載事項(8-2))。

これらの甲号証の記載からみて、成分(A)、成分(D)は、同時に配合した他の成分の経皮吸収促進作用があること(甲1、2、5?8)、成分(B)は肌なじみがよいこと(甲3)、及び成分(C)は経皮吸収性がよいこと(甲4)は知られていたとしても、「液状炭化水素油」及び「ソルビタン脂肪酸エステル類」を含む甲1発明に、さらに、「テトラオクタン酸ペンタエリスリチル」、「ネオペンタン酸イソステアリル」及び「ショ糖脂肪酸エステル類」の特定の成分を組み合わせて配合することを動機付ける記載は甲1?8には見当たらない。
そして、本件発明1により奏される効果について、本件明細書をみると、本件発明1の実施態様である、成分(A)?(D)のすべてを含む組成物(実施例1、2)は、4成分のうち(A)を含まない組成物(比較例10)、4成分のうち(B)を含まない組成物(比較例3、4、6、11)、4成分のうち(C)を含まない組成物(比較例5、8、9、12)と比較して、本件発明1の組成物を塗布した後に塗布した化粧水の肌なじみ及び浸透感を良くする効果及び50℃で1か月経過後に安定である効果を奏することが確認されており(表1、2)、本件発明1で規定する成分(A)?(D)の4成分すべてを含む組成物により奏される上記の効果は、甲1?8に記載された事項から当業者が予測できるものではない。

エ まとめ
したがって、本件発明1は甲1発明ではなく、また、甲1発明及び甲1?8に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)小括
以上のとおりであるから、申立人が主張する申立理由1及び2は理由がない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、申立人が主張する申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、特許法第114条第4項の規定により、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2020-04-13 
出願番号 特願2015-188243(P2015-188243)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (A61K)
P 1 651・ 121- Y (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 星 浩臣  
特許庁審判長 關 政立
特許庁審判官 冨永 みどり
山内 達人
登録日 2019-07-19 
登録番号 特許第6556577号(P6556577)
権利者 株式会社ノエビア
発明の名称 水中油型乳化組成物  
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