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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1362152
審判番号 不服2019-7769  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-11 
確定日 2020-05-07 
事件の表示 特願2014-140583号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年2月1日出願公開、特開2016-16112号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月8日の出願であって、平成30年2月19日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月26日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月27日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年10月29日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年3月20日付け(謄本の送達日:同年同月26日)で、平成30年10月29日付け手続補正書でした補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、令和1年6月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対し、当審において、同年12月19日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年2月20日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A-Mは、本願発明を分説するために当審で付した)。

「A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動領域と、
B 前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が不可能若しくは困難な第1の態様、およびこの第1の態様よりも遊技球の入球が容易な第2の態様に変位する可変始動領域と、
C 前記始動領域または前記可変始動領域への遊技球の入球により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
D 前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記遊技領域に設けられた特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
E 前記特別遊技判定手段による判定が第1の判定基準で判定される低確率遊技、前記特別遊技判定手段により、前記特別遊技をおこなうと判定される割合が前記第1の判定基準よりも高い第2の判定基準にて判定される高確率遊技、のいずれか一方の遊技を制御する確率遊技制御手段と、
F 前記可変始動領域を所定の割合で前記第2の態様に変位させる非時短遊技または前記所定の割合よりも高い割合で前記可変始動領域を前記第2の態様に変位させる時短遊技で遊技を制御する時短遊技制御手段と、
G 前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
H 前記特別可変入賞装置内に設けられるとともに、所定条件が成立したときに当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球が進入可能となる特定領域と、
I 前記特定領域に遊技球が進入したことを検知する特定領域入球検知手段と、
J 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から所定期間における遊技が前記確率遊技制御手段により前記高確率遊技に制御された高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定手段と、
K 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から特定期間における遊技が前記時短遊技制御手段により前記時短遊技に制御された時短遊技状態に設定する時短遊技状態設定手段と、
を備え、
L 前記時短遊技状態設定手段による前記特定期間の付与は前記特別遊技をおこなうと判定されたときの遊技状態に応じて段階的に異なるようにした、
M ことを特徴とする遊技機。」

第3 拒絶の理由
令和1年12月19日付けで当審において通知した拒絶の理由の概略は、以下のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1
・引用文献等 1-4

引用文献等一覧
1.特開2014-117405号公報
2.特開2014-14491号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2014-18476号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2013-42899号公報(周知技術を示す文献)


第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1
(1)当審における拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-117405号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は説明の便宜のために当審で付した。以下同様)。

ア 「【0018】
[第1実施例]
まず、第1実施例のパチンコ機10について説明する。図1はパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。」

イ 「【0024】
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲を囲むように配置されたセンター役物50と、センター役物50の下側に配置され遊技球の入賞を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、センター役物50の左部に形成され遊技球の入賞を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、第2始動口38に取り付けられた開閉可能なチューリップ式の普通電動役物39と、遊技領域31の右下部に配置され遊技球の入賞を検知する第1大入賞口スイッチ44a(図3参照)を有する第1大入賞口44と、第1大入賞口44の左下に配置され遊技球の入賞を検知する第2大入賞口スイッチ51a(図3参照)を有する第2大入賞口51と、遊技領域31の左下部に配置され一般入賞口スイッチ46a(図3参照)を有する一般入賞口46と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口47と、を備える。また、遊技盤30は、この他に、普通図柄作動ゲート32の下側には風車48が設けられ、上述した各入賞口の周辺には遊技球をガイドしたり弾いたりする図示しない多数の釘が設けられている。
【0025】
普通電動役物39は、第2始動口38に設けられた翼片部39aと、翼片部39aを作動させる普通電動役物ソレノイド39b(図3参照)と、を備える。この普通電動役物39では、翼片部39aが直立しているときには第2始動口38への遊技球の入賞の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部39aが左側に開いているときには第2始動口38への遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部39aが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
・・・
【0028】
この第2大入賞口51の内部を含む構成の概略を図5に示す。図示するように、第2大入賞口51内には、遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ53a(図3参照)を有する特定領域53(いわゆるV領域)と、遊技球の通過を検知する非特定領域通過スイッチ54a(図3参照)を有する非特定領域54(いわゆる外れ領域)と、遊技球を特定領域53に誘導するよう特定領域53側に向かってわずかに傾斜した特定領域用誘導部55と、第2大入賞口51のフレームの一部(下端)を構成すると共に遊技球を非特定領域54に誘導するよう非特定領域54側に向かってわずかに傾斜した非特定領域用誘導部56と、第2大入賞口51内に入球した遊技球を平板状の振分板57aで受けて特定領域用誘導部55か非特定領域用誘導部56のいずれかに振り分ける振分装置57とが設けられている。振分装置57は、振分ソレノイド57bの駆動によって、振分板57aがその一端の回転軸57cを中心として下方に回動可能となっている。
【0029】
振分装置57が遊技球を振り分ける様子を図6に示す。図示するように、振分装置57は、振分ソレノイド57bが駆動してない非駆動状態では、振分板57aで受けた遊技球を特定領域53側(特定領域用誘導部55)に振り分け(図6(a))、振分ソレノイド57bが駆動している駆動状態では、振分板57aが下方に回動することにより振分板57aで受けた遊技球を非特定領域54側(非特定領域用誘導部56)に振り分ける(図6(b))。即ち、第2大入賞口51に入球した遊技球は、振分装置57による機械式振分を経て、特定領域53か非特定領域54のいずれかを通過することになる。本実施形態では、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側(特定領域用誘導部55)に遊技球を振り分ける状態か、非特定領域54側(非特定領域用誘導部56)に遊技球を振り分ける状態のいずれかに固定する(いずれかで作動させる)ものとしており、詳細は後述する。
・・・
【0033】
ここで、第1確変大当りでは、第1大入賞口44の開放動作を15回に亘って繰り返してから第2大入賞口51の開放動作を1回行う大当り遊技、即ち16ラウンド中、1?15ラウンドで第1大入賞口44を開放して特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行される。この第1確変大当りでは、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態で固定する。このため、特定ラウンド中に第2大入賞口51に入球した遊技球のすべてを特定領域53に誘導することになる。そして、大当り遊技の終了後には、大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に所定回数(例えば120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を高確率状態に設定し、且つ、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに普通電動役物39の開放時間が電サポなし状態(非時短状態)に比べて延長される電サポあり状態(時短状態)に設定して、電サポあり高確率状態を発生させる。なお、第1確変大当りでは、大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過しなかった場合、大当り遊技の終了後には、大当り確率を低確率状態に設定し、且つ、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、電サポあり状態(時短状態)に設定して、電サポあり低確率状態を発生させる。また、第2確変大当りでは、第1確変大当りと同様に、1?15ラウンドで第1大入賞口44を開放して特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行され、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態で固定する。そして、大当り遊技の終了後も第1確変大当りと同様に、大当り遊技中に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に電サポあり高確率状態を発生させる。ただし、後述するように、高確率状態に設定されたことを遊技者に分からせないようにする(いわゆる潜伏確変状態とする)点で、第1確変大当りと異なる。なお、第2確変大当りでも、大当り遊技中に特定領域53を遊技球が通過しなかった場合には、第1確変大当りと同様に、電サポあり低確率状態を発生させる。また、通常大当りでは、第1確変大当りや第2確変大当りと同様に、1?15ラウンドで第1大入賞口44を開放して特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行される。ただし、通常大当りでは、第1確変大当りや第2確変大当りとは異なり、特定ラウンド中に振分装置57を、非特定領域54側に遊技球を振り分ける状態で固定する。このため、特定ラウンド中に第2大入賞口51に入球した遊技球のすべてを特定領域53ではなく非特定領域54に誘導することになる。そして、大当り遊技の終了後には、大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過しないために大当り確率を低確率状態に設定し、且つ、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、電サポあり状態(時短状態)に設定して、電サポあり低確率状態を発生させる。なお、本実施例では、大入賞口44の開放回数(ラウンド数)として、16Rだけを用意したが、これに限定されるものではなく、12Rや10R,4Rなど他のラウンド数を用意してもよい。
【0034】
ここで、本実施例のパチンコ機10の遊技モードについて説明する。図10は、遊技モードの変遷を説明する説明図である。本実施例では、遊技モードとして、電サポなし低確率状態で遊技を進行させる「通常モード」と、電サポあり高確率状態で遊技を進行させる「確変確定モード」と、電サポあり高確率状態か電サポあり低確率状態のいずれかで遊技を進行させる「チャンスモード」と、電サポなし高確率状態で遊技を進行させる「電サポなし確変モード」との4つのモードがある。」

ウ 「【0048】
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図8参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、時短状態にないときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルを用いて行われ、時短状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルを用いて行われる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、時短状態にないときには長時間(例えば、30秒)に設定され、時短状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、普通電動役物39の開放時間を設定し、普通電動役物39の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。普通電動役物39の開放時間は、時短状態にないときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、時短状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、普通電動役物39の開放は、上述したように、普通電動役物ソレノイド39bを駆動制御することによって、翼片部39aを左に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。このように、時短状態においては、普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮機能を作動させると共に普通図柄の当選確率を向上させる確率変動機能を作動させ、且つ、普通電動役物39の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の時短状態を、開放延長機能作動状態または確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。
・・・
【0050】
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図14?図16に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入賞したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入賞したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報などが挙げられる。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、判定用情報を示すコマンドや保留数を示すコマンドなどが含まれている。これらのコマンドは、共通のコマンドとして送信するものとしてもよいし、別個のコマンドとして送信するものとしてもよい。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入賞していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204?S208の処理をスキップして次の処理に進む。
【0051】
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2始動口38に遊技球が入賞したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入賞したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第2特別図柄表示部42bに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報などが挙げられる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、判定用情報を示すコマンドや保留数を示すコマンドなどが含まれている。これらのコマンドは、共通のコマンドとして送信するものとしてもよいし、別個のコマンドとして送信するものとしてもよい。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入賞していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214?S218の処理をスキップして次の処理に進む。
【0052】
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S228)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
【0053】
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S234)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226?S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(いわゆる特図2優先変動)。勿論、保留の消化は、これに限定されるものではなく、第1始動口36および第2始動口38のうち遊技球が入球した順、即ち、判定用情報記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数および第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものから順に消化するものとしてもよい。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図17のフローチャート)を用いて説明する。
【0054】
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図18に示す。なお、図18(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図18(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで同一の大当り判定テーブルを用いるものとし、低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0?796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは当り判定用乱数が値0?796のうち値60?79のときに大当りとするものとした(1/39.85の大当り確率)。
【0055】
S306で大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図19に例示する第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図20に例示する第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
・・・
【0060】
図14?図16の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S248)。
【0061】
S248で大当り図柄と判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S250)、現在の遊技状態(大当り発生時の確変フラグの状態)を記憶して(S252)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S254)。これにより、後述する大当り遊技演出処理で大当り遊技開始演出などが実行されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S256,S258)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S260?S264)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。」

エ 「【0075】
図24の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S450)、変動短縮カウンタを100回に設定して(S452)、変動短縮フラグをオンとすると共に(S454)、開放延長フラグをオンとして(S456)、演出カウンタを100回に設定する(S458)。ここで、本実施例では、大当り図柄が第1確変大当り図柄であって遊技球が特定領域53を通過した場合には、大当り遊技後に電サポあり高確率状態となる確変確定モードに設定する。また、大当り図柄が第1確変大当り図柄であっても遊技球が特定領域53を通過していない場合や大当り図柄が第2確変大当り図柄や通常大当り図柄の場合には、大当り遊技後に電サポあり高確率状態か電サポあり低確率状態となるチャンスモードに設定する。これらのいずれの場合であっても、100回の図柄変動遊技を上限として電サポあり状態が継続することは共通するから、S452?S456では、変動短縮カウンタに100回を設定し、変動短縮フラグと開放延長フラグとをオンにするのである。また、確変確定モードとチャンスモードは、いずれも、100回の電サポあり状態が終了した時点で終了するから、演出カウンタに100回を設定するのである。」

(2)上記(1)の記載事項ア-エから、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる(見出し(a)-(m)は、本願発明の分説A?Mに対応させて付与した)。

(a)記載事項イ(【0024】)から、遊技領域31に配置され遊技球の入賞を検知する第1始動口スイッチ36aを有する第1始動口36が記載されていると認められる。

(b)記載事項イ(【0024】-【0025】)から、遊技領域31に形成され、遊技球の入賞を検知する第2始動口スイッチ38aを有し、遊技球の入球が不可能となる通常状態と、遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態とになる、開閉可能なチューリップ式の普通電動役物39が取り付けられた第2始動口38が記載されていると認められる。

(c)記載事項ウ(【0050】-【0051】)から、主制御基板70のCPU70aは、第1始動口36に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があり、第2始動口38に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があることが記載されていると認められる。

(d、e)記載事項ウ(【0050】、【0052】、【0054】)から、主制御基板70のCPU70aは、変動表示関連処理において、現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定し、現在の遊技状態が低確率状態のときには、大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い、現在の遊技状態が高確率状態のときには、大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って、その判定結果が大当りか否かを判定することが記載されていると認められる。
また、記載事項イ(【0033】)から、第1確変大当りでは、1?15ラウンドで第1大入賞口44を開放して特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行され、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態で固定することが記載されていると認められる。

(f)記載事項ウ(【0048】)から、主制御基板70のCPU70aは、普通電動役物39の開放時間を、時短状態にないときには短時間に設定し、時短状態にあるときには長時間に延長することが記載されていると認められる。

(g)記載事項ウ(【0050】、【0052】、【0054】-【0055】)から、主制御基板70のCPU70aは、変動表示関連処理において、大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、停止表示させる大当り図柄を選択して決定することが記載されていると認められる。
また、記載事項ウ(【0060】-【0061】)から、主制御基板70のCPU70aは、特別図柄の変動表示が開始され、特別図柄の停止表示がなされた後に、停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとし、大当り遊技処理を行うことが記載されていると認められる。

(h、i)記載事項イ(【0028】-【0029】)から、第2大入賞口51内には、遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ53aを有する特定領域53(いわゆるV領域)と、非特定領域54と、振分装置57とが設けられており、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態か、非特定領域54側に遊技球を振り分ける状態のいずれかに固定するものとしていることが記載されていると認められる。

(j、k)記載事項イ(【0033】)から、第1確変大当りでは、大当り遊技の終了後には、大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に所定回数(例えば120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を高確率状態に設定し、且つ、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに普通電動役物39の開放時間が電サポなし状態(非時短状態)に比べて延長される電サポあり状態(時短状態)に設定して、電サポあり高確率状態を発生させることが記載されていると認められる。
また、記載事項エ(【0075】)から、主制御基板70のCPU70aは、大当り図柄が第1確変大当り図柄であって遊技球が特定領域53を通過した場合には、大当り遊技後に電サポあり高確率状態となる確変確定モードに設定することが記載されていると認められる。

(l)記載事項イ(【0034】)から、遊技モードとして、電サポなし低確率状態で遊技を進行させる「通常モード」と、電サポあり高確率状態で遊技を進行させる「確変確定モード」と、電サポあり高確率状態か電サポあり低確率状態のいずれかで遊技を進行させる「チャンスモード」と、電サポなし高確率状態で遊技を進行させる「電サポなし確変モード」との4つのモードがあることが記載されていると認められる。

(m)記載事項ア(【0018】)から、パチンコ機10が記載されていると認められる。

(3)上記(1)の記載事項ア-エ及び上記(2)の認定事項(a)-(m)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(分説a-mは、本願発明の分説A-Mに対応させて付与した)。

「a 遊技領域31に配置され遊技球の入賞を検知する第1始動口スイッチ36aを有する第1始動口36と、
b 遊技領域31に形成され、遊技球の入賞を検知する第2始動口スイッチ38aを有し、遊技球の入球が不可能となる通常状態と、遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態とになる、開閉可能なチューリップ式の普通電動役物39が取り付けられた第2始動口38と、を備え、
c 主制御基板70のCPU70aは、第1始動口36に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があり、第2始動口38に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があり、
h、i 第2大入賞口51内には、遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ53aを有する特定領域53(いわゆるV領域)と、非特定領域54と、振分装置57とが設けられており、特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態か、非特定領域54側に遊技球を振り分ける状態のいずれかに固定するものとしており、
d、e 主制御基板70のCPU70aは、変動表示関連処理において、現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定し、現在の遊技状態が低確率状態のときには大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い、現在の遊技状態が高確率状態のときには大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って、その判定結果が大当りか否かを判定し、第1確変大当りでは、1?15ラウンドで第1大入賞口44を開放して特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行され、特定ラウンド中に振分装置57を特定領域53側に遊技球を振り分ける状態で固定し、
f 主制御基板70のCPU70aは、普通電動役物39の開放時間を、時短状態にないときには短時間に設定し、時短状態にあるときには長時間に延長し、
g 主制御基板70のCPU70aは、大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、停止表示させる大当り図柄を選択して決定し、特別図柄の変動表示が開始され、特別図柄の停止表示がなされた後に、停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとし、大当り遊技処理を行い、
j、k 主制御基板70のCPU70aは、第1確変大当りでは、大当り遊技の終了後には、大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に所定回数(例えば120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を高確率状態に設定し、且つ、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに普通電動役物39の開放時間が電サポなし状態(非時短状態)に比べて延長される電サポあり状態(時短状態)に設定して、電サポあり高確率状態を発生させ、
l 遊技モードとして、電サポなし低確率状態で遊技を進行させる「通常モード」と、電サポあり高確率状態で遊技を進行させる「確変確定モード」と、電サポあり高確率状態か電サポあり低確率状態のいずれかで遊技を進行させる「チャンスモード」と、電サポなし高確率状態で遊技を進行させる「電サポなし確変モード」との4つのモードがある、
m パチンコ機10。」

2 引用文献2
(1)当審における拒絶の理由で周知技術の例として引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-14491号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0018】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。」

イ 「【0101】
図示のとおり、大当たりに当選した場合には、特別図柄の種別に拘わらず、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定される。なお、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は8回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大当たりの抽選結果が8回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。
【0102】
また、特別遊技の終了後には、高確率遊技状態に設定されるとともに、必ず時短遊技状態に設定されることとなるが、この時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は、大当たり当選時の遊技状態に応じて次のようにして決定される。すなわち、大当たり当選時の遊技状態が、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態であった場合には、特別図柄(大当たり図柄)の種別を問わず、時短回数が8回に設定され、その他の遊技状態であった場合には、特別図柄(大当たり図柄)の種別を問わず、時短回数が100回に設定される。」

(2)上記(1)の記載事項ア及びイから、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

「遊技機1において、遊技状態が、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態であった場合に、大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が8回の時短遊技状態となり、その他の遊技状態であった場合に、大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が100回の時短遊技状態となること。」

3 引用文献3
(1)当審における拒絶の理由で周知技術の例として引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-18476号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0022】
遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を設けており、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。」

イ 「【0147】
(大当たり終了時設定データテーブル)
図6は、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブルである。図6に示す大当たり終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された当選時の遊技状態とに基づき、高確率遊技フラグの設定、時短遊技フラグの設定、時短遊技状態の残り変動回数(J)の設定が行われる。
【0148】
なお、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態バッファの「00H」は、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない遊技状態情報を示し、「01H」は、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている遊技状態情報を示し、「02H」は、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない遊技状態情報を示し、「03H」は、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている遊技状態情報を示すものである。
【0149】
図6のテーブルの特徴としては、第1特定用特別図柄2(停止図柄データ02、短当たりに対応)、第1特定用特別図柄3(停止図柄データ03、短当たりに対応)が決定された場合には、遊技状態バッファに記憶された当選時の遊技状態に基づいて時短遊技フラグの設定や時短回数を異ならせている。
【0150】
具体的には、第1特定用特別図柄2(停止図柄データ02)の場合において、遊技状態バッファに高確率遊技フラグと時短遊技フラグとの両方がセットされていない遊技状態を示すデータ(00H:低確率遊技状態、非時短遊技状態)が記憶されていれば、大当たり終了後には高確率遊技フラグをセットするとともに、時短遊技フラグもセットして、時短遊技状態の残り変動回数(J)を30回にセットする。
【0151】
一方、遊技状態バッファに、高確率遊技フラグがセットされているが、時短遊技フラグがセットされていない遊技状態を示すデータ(01H:高確率遊技状態、非時短遊技状態)、高確率遊技フラグがセットされていないが時短遊技フラグがセットされている遊技状態を示すデータ(02H:低確率遊技状態、時短遊技状態)または、高確率遊技フラグと時短遊技フラグとの両方がセットされている遊技状態を示すデータ(03H:高確率遊技状態、時短遊技状態)が記憶されていれば、大当たり終了後には高確率遊技フラグをセットするとともに、時短遊技フラグもセットして、時短遊技状態の残り変動回数(J)も100回にセットする。
【0152】
これにより、時短遊技状態の残り変動回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態が何であるかの楽しみを遊技者に付与することができる。」

(2)上記(1)の記載事項ア及びイから、引用文献3には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

「遊技機1において、遊技状態が、低確率遊技状態、非時短遊技状態であったときに、第1特定用特別図柄2の大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が30回の時短遊技状態となり、遊技状態が、高確率遊技状態、時短遊技状態であったときに第1特定用特別図柄2の大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が100回の時短遊技状態となること。」

4 引用文献4
(1)当審における拒絶の理由で周知技術の例として引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-42899号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0014】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。」

イ 「【0235】
図27は、遊技状態の主な移行ルートを説明する状態遷移図である。遊技機1は、その初期状態(通常遊技状態)として、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。この状態では、上記したように、遊技球がゲート24を通過しても、ほとんど第2始動口22が開放されないため、遊技者は第1始動口20に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域16aを狙った所謂「左打ち」を行っている。
【0236】
そして、第1始動口20に遊技球が入球すると、第1保留に基づく大当たりの抽選が行われる。この第1保留に基づく大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大当たり図柄A、B、C、Dのいずれかが決定される。これら大当たり図柄A、B、C、Dが決定された場合には、作動テーブル1に基づいて短当たり遊技(4回のラウンド遊技)が実行される。
【0237】
このとき、大当たり図柄B、C、Dが決定された場合には、遊技状態が状態1(高確率遊技状態および時短遊技状態)に移行し、高確回数が128回、時短回数が20回に設定される。ここで、遊技状態が時短遊技状態に設定されると、第2始動口22に遊技球を容易に入球させることが可能となり、遊技者はゲート24および第2始動口22に遊技球を進入させるべく、第2遊技領域16bを狙った所謂「右打ち」を行う。
【0238】
本実施形態においては、第2遊技領域16bに進入した遊技球は第1始動口20に入球しない盤面構成となっており、また、第1保留に優先して第2保留が処理される。したがって、状態1に設定されているとき、遊技者は第2保留に基づく大当たりの抽選のみを行うことが可能となっている。第2保留によって大当たりに当選した場合には、必ず、大当たり図柄Eが決定されるが、大当たり図柄Eが決定された場合には、長当たり遊技(10回のラウンド遊技)が実行されることから、時短遊技状態は遊技者にとって多量の賞球を獲得可能な状態といえる。
【0239】
そして、状態1に設定されてから、20回以内に大当たりに当選した場合、すなわち、時短遊技状態が継続している間に大当たりに当選した場合には、特別遊技の終了後に状態2に移行する。この状態2は、高確率遊技状態および時短遊技状態であって、高確回数が128回、時短回数が128回に設定される状態である。このように、高確回数と時短回数が同数に設定されるため、高確率遊技状態が終了するまで、遊技者は遊技球の費消を低減しながら次回の大当たりを狙うことが可能となっている。」

(2)上記(1)の記載事項ア及びイから、引用文献4には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

「遊技機1において、遊技状態が、低確率遊技状態、非時短遊技状態であったときに、大当たり図柄B、C、Dの大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が20回の時短遊技状態となり、その時短遊技状態が継続している間に大当たりに当選した場合には、高確率遊技状態に設定されるとともに、時短回数が128回の時短遊技状態となること。」

第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する(見出し(a)-(m)は、本願発明の分説A-Mに対応させて付与した)。

(a)引用発明の「a 遊技領域31に配置され遊技球の入賞を検知する第1始動口スイッチ36aを有する第1始動口36」は、本願発明の「A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動領域」に相当する。

(b)引用発明の「b 遊技領域31に形成され、遊技球の入賞を検知する第2始動口スイッチ38aを有し、遊技球の入球が不可能となる通常状態と、遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態とになる、開閉可能なチューリップ式の普通電動役物39が取り付けられた第2始動口38」は、本願発明の「B 前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が不可能若しくは困難な第1の態様、およびこの第1の態様よりも遊技球の入球が容易な第2の態様に変位する可変始動領域」に相当する。

(c)引用発明の構成cの「第1始動口36に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があり、第2始動口38に遊技球が入賞したと判定すると、判定用情報を取得し、判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数があ」るという動作を行う「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「C 前記始動領域または前記可変始動領域への遊技球の入球により判定情報を取得する判定情報取得手段」に相当する。

(d、e)引用発明の構成d、eの「大当り判定用乱数」「を用いて」「大当り判定を行って、その判定結果が大当りか否かを判定」し「第1確変大当り」では「特定ラウンドである最終の16ラウンドで第2大入賞口51を開放する大当り遊技が実行され」る処理を行う「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「D 前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記遊技領域に設けられた特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段」に相当する。
また、引用発明の構成d、eの「現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定し、現在の遊技状態が低確率状態のときには大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い、現在の遊技状態が高確率状態のときには大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行」う「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「E 前記特別遊技判定手段による判定が第1の判定基準で判定される低確率遊技、前記特別遊技判定手段により、前記特別遊技をおこなうと判定される割合が前記第1の判定基準よりも高い第2の判定基準にて判定される高確率遊技、のいずれか一方の遊技を制御する確率遊技制御手段」に相当する。

(f)引用発明の構成fの「普通電動役物39の開放時間を、時短状態にないときには短時間に設定し、時短状態にあるときには長時間に延長」する「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「F 前記可変始動領域を所定の割合で前記第2の態様に変位させる非時短遊技または前記所定の割合よりも高い割合で前記可変始動領域を前記第2の態様に変位させる時短遊技で遊技を制御する時短遊技制御手段」に相当する。

(g)引用発明の構成gの「大当り判定の結果が大当りと判定されたとき」は、上記(d、e)で示したことを踏まえると、本願発明の構成Gの「前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合」に相当する。また、引用発明の構成gの「停止表示させる大当り図柄を選択して決定し、特別図柄の変動表示が開始され、特別図柄の停止表示がなされた後に、停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとし、大当り遊技処理を行」うことは、本願発明の構成Gの「前記特別遊技を実行する」ことに相当する。
そうすると、引用発明の構成gの「大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、停止表示させる大当り図柄を選択して決定し、特別図柄の変動表示が開始され、特別図柄の停止表示がなされた後に、停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとし、大当り遊技処理を行」う「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「G 前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段」に相当する。

(h、i)引用発明の構成h、iの「第2大入賞口51内に」「設けられ」た「特定領域53(いわゆるV領域)」は、「特定ラウンド中に振分装置57を、特定領域53側に遊技球を振り分ける状態」となるものであるから、本願発明の「H 前記特別可変入賞装置内に設けられるとともに、所定条件が成立したときに当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球が進入可能となる特定領域」に相当する。
また、引用発明の構成h、iの「特定領域53(いわゆるV領域)」が「有する」「遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ53a」は、本願発明の「I 前記特定領域に遊技球が進入したことを検知する特定領域入球検知手段」に相当する。

(j、k)引用発明の構成j、kの「第1確変大当りでは」、「大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に」、「大当り遊技の終了後には」、「所定回数(例えば120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を高確率状態に設定」する「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「J 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から所定期間における遊技が前記確率遊技制御手段により前記高確率遊技に制御された高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定手段」に相当する。
また、引用発明の構成j、kの「第1確変大当りでは」、「大当り遊技中(特定ラウンド中)に特定領域53を遊技球が通過したことを条件に」、「大当り遊技の終了後には」、「所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに普通電動役物39の開放時間が電サポなし状態(非時短状態)に比べて延長される電サポあり状態(時短状態)に設定」する「主制御基板70のCPU70a」は、本願発明の「K 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から特定期間における遊技が前記時短遊技制御手段により前記時短遊技に制御された時短遊技状態に設定する時短遊技状態設定手段」に相当する。

(m)引用発明の「m パチンコ機10」は、本願発明の「M 遊技機」に相当する。

以上の(a)-(m)から、本願発明と引用発明とは、
[一致点]
「A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動領域と、
B 前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が不可能若しくは困難な第1の態様、およびこの第1の態様よりも遊技球の入球が容易な第2の態様に変位する可変始動領域と、
C 前記始動領域または前記可変始動領域への遊技球の入球により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
D 前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記遊技領域に設けられた特別可変入賞装置が所定の態様で開閉する特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
E 前記特別遊技判定手段による判定が第1の判定基準で判定される低確率遊技、前記特別遊技判定手段により、前記特別遊技をおこなうと判定される割合が前記第1の判定基準よりも高い第2の判定基準にて判定される高確率遊技、のいずれか一方の遊技を制御する確率遊技制御手段と、
F 前記可変始動領域を所定の割合で前記第2の態様に変位させる非時短遊技または前記所定の割合よりも高い割合で前記可変始動領域を前記第2の態様に変位させる時短遊技で遊技を制御する時短遊技制御手段と、
G 前記特別遊技判定手段により前記特別遊技をおこなうと判定された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
H 前記特別可変入賞装置内に設けられるとともに、所定条件が成立したときに当該特別可変入賞装置内に入球した遊技球が進入可能となる特定領域と、
I 前記特定領域に遊技球が進入したことを検知する特定領域入球検知手段と、
J 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から所定期間における遊技が前記確率遊技制御手段により前記高確率遊技に制御された高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定手段と、
K 前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から特定期間における遊技が前記時短遊技制御手段により前記時短遊技に制御された時短遊技状態に設定する時短遊技状態設定手段と、
を備えた、
M 遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点 本願発明では「L 前記時短遊技状態設定手段による前記特定期間の付与は前記特別遊技をおこなうと判定されたときの遊技状態に応じて段階的に異なるようにした」のに対し、引用発明では、電サポあり状態(時短状態)に設定する所定回数(例えば、100回)を、大当り判定の結果が大当りと判定されたときの遊技モードに応じて段階的に異ならせることは行っていない点。

第6 判断
1 上記相違点について検討する。
大当り当選時の遊技状態と、特別遊技の終了後に時短遊技状態に設定される時短回数について、上記引用文献2-4に記載された技術的事項からすると、遊技状態が、低確率遊技状態、非時短遊技状態であったときに、大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、少ない時短回数(8回、30回または20回)の時短遊技状態とし、遊技状態が、高確率遊技状態、時短遊技状態であったときに大当たりに当選すると、高確率遊技状態に設定されるとともに、多い時短回数(100回、100回または128回)の時短遊技状態とすること、すなわち、付与する時短回数を、大当たりに当選したときの遊技状態に応じて異ならせることは、遊技機における周知の技術であるといえる。
引用発明では、時短状態となる回数は、「所定回数(例えば、100回)」(構成j、k)とされているが、引用発明においても低確率状態であるか、高確率状態であるか、また、電サポあり状態(時短状態)であるか、電サポなし状態(非時短状態)であるかに応じて、4つの遊技モードが設定されており(構成l)、引用文献1における当り遊技後の遊技興趣を向上させるという目的のために(【0005】)、引用発明に上記周知の技術を適用することで、付与する電サポあり状態の回数(時短回数)を、大当たりに当選したときの遊技モードに応じて異ならせ、遊技モードが、「通常モード」(電サポなし低確率状態)であったときに、大当たりに当選すると、高確率状態に設定されるとともに、少ない回数の電サポあり状態として、少ない時短回数の「確変確定モード」とし、少ない時短回数の「確変確定モード」のときに大当たりに当選すると、高確率状態に設定されるとともに、多い回数の電サポあり状態として、多い時短回数の「確変確定モード」とするようにして、電サポあり状態の回数(時短回数)の付与が大当り当選時の遊技モードに応じて段階的に異なるようにし、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
そうすると、引用発明に、上記周知の技術を適用し、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

2 効果について
本願発明が、時短遊技状態設定手段による特定期間の付与は特別遊技をおこなうと判定されたときの遊技状態に応じて段階的に異なるようにした(本願発明の構成L)ことで、
確率変動状態での遊技回数に対して、付与される時短遊技状態での遊技回数が変化し得る遊技機を提供することができること(本願の明細書【0015】)や、段階式に遊技モードがアップ(上昇)していくゲーム性を付与することができ(本願の明細書【0400】)、メリハリのあるゲーム性を有する遊技機を提供することができる(本願の明細書【0402】)との作用効果は、引用発明に上記周知の技術を適用し、付与する電サポあり状態の回数(時短回数)を、大当たりに当選したときの遊技モードに応じて異ならせることで、「通常モード」(電サポなし低確率状態)から、少ない時短回数の「確変確定モード」、多い時短回数の「確変確定モード」へ、遊技モードが段階的に異なり、付与する電サポあり状態の回数(時短回数)も段階的に異なるようになるという、引用発明及び上記周知の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

3 小括
したがって、本願発明は、引用発明及び上記周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第7 請求人の主張について

1 審判請求人は、令和2年2月20日付け意見書において、次のとおり主張している。

(1)「本願発明は、「前記時短遊技状態設定手段による前記特定期間の付与は前記特別遊技をおこなうと判定されたときの遊技状態に応じて段階的に異なるようにした」点に特徴がありますが、審判合議体の拒絶理由には、「前記特定期間の付与」の「前記」を見落としているといえます。拒絶理由において、相違点の認定までは正しくても、判断において「前記」について全く検討していません。
すなわち、「前記特定期間」というのは、「前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から特定期間における遊技が前記時短遊技制御手段により・・・」という期間を指しております。したがって、特定期間の付与について、本願発明は大当たり遊技中において特定領域に遊技球が進入したことを条件としていますが、引用文献2?4は、特定領域がなく、大当たり時に決まってしまいます。
したがいまして、引用文献1に引用文献2?4に記載の事項を適用する動機付けがありません。仮に動機付けを無視して引用文献1の引用発明に周知例(引用文献2?4)を適用したとしても、特定期間の付与のタイミングを大当たり確定時から大当たり確定後の大当たり遊技中において特別領域に遊技球が進入するタイミングにシフトする必要が生じてきます。更なる相違点をどうやって埋めるか不明ですが、本願発明に至るには、容易の容易になるということです。しかも、本願発明に到達するには本願発明を見たあとではないと適用できませんので、いわゆる後知恵となります。」(下線は審判請求人による。)

(2)「さらに、引用文献2?4には、付与する時短回数を大当たりに当選したときの遊技状態に応じて異なるようにしたことが記載されていますが、段階的に異なるようにしたことまでは記載されていません。」

(3)「そして、上記(1)で説明したように、本願発明は、遊技状態が変遷する遊技機において、付与される時短遊技状態での遊技回数が変化し得るため、段階式に遊技モードがアップ(上昇)していくゲーム性を付与することができ、メリハリのあるゲーム性を有する遊技機を提供することができるという(段落400?段落402参照)、本願特有の効果を奏するものです。」

2 上記審判請求人の主張に対しては、それぞれ以下のとおりである。
(1)上記「第5 対比(j、k)」で示したとおり、引用発明の「特定領域53を遊技球が通過したことを条件に」及び「所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで」は、それぞれ本願発明の「前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として」及び「特定期間」に相当し、審判請求人が主張する「「前記特定期間」というのは、「前記特定領域に遊技球が進入したことを条件として、前記特別遊技の終了後から特定期間における遊技が前記時短遊技制御手段により・・・」という期間を指して」いるとの点は、引用発明との対比において一致点である。
また、引用発明の、「特定領域53を遊技球が通過したことを条件に」、「大当り遊技の終了後には」、「所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで」「電サポあり状態(時短状態)に設定」されることにおける「所定回数(例えば100回)」を、大当り判定の結果が大当りと判定されたときの遊技モードに応じて段階的に異ならせることは行っていない点を、上記のとおり相違点としたものである。
すなわち、本願発明の「特定期間」については、「大当たり遊技中において特定領域に遊技球が進入したことを条件として」という、「特定期間」が付与される条件と、「前記特別遊技をおこなうと判定されたときの遊技状態に応じて段階的に異なるようにした」という、付与される「特定期間」の長さ(時短回数)をどのようにするか、の二点が特定されているが、「特定期間」が付与される条件に関して、本願発明と引用発明とは一致しており、付与される「特定期間」の長さをどのようにするかに関して、本願発明と引用発明とは相違するとしたものである。そして、上記相違点については、上記「第6 判断 1」に示したとおりである。
ここで、「特定期間」が付与される条件をどのようにするか、また、付与される「特定期間」の長さをどのようにするか、については、互いに独立して決めることができる事項であることを考慮すると、審判請求人の主張は、これらの二つの事項を混同したものであり、採用することができない。

(2)上記「第6 判断 1」に示したとおり、上記引用文献2-4に記載された技術的事項から、付与する時短回数を、大当たりに当選したときの遊技状態に応じて異ならせることを周知の技術であるとしたものであり、「段階的に異なるようにしたこと」まで周知の技術であるとしたものではない。
そして、上記周知の技術を、引用発明に適用することで、電サポあり状態の回数(時短回数)の付与が大当り当選時の遊技モードに応じて段階的に異なるようになることは、上記「第6 判断 1」において示したとおりである。

(3)効果については、上記「第6 判断 2」で示したとおりである。

してみれば、審判請求人の主張は、いずれも理由がない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-03-09 
結審通知日 2020-03-10 
審決日 2020-03-24 
出願番号 特願2014-140583(P2014-140583)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 湊 和也藤脇 沙絵  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 田邉 英治
鉄 豊郎
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
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