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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1362202 |
審判番号 | 不服2019-334 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-01-11 |
確定日 | 2020-05-14 |
事件の表示 | 特願2017-506875「LED用担体」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月11日国際公開、WO2016/020537、平成29年 8月24日国内公表、特表2017-524261〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年8月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理平成26年8月8日 独国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 2月 6日付け:拒絶理由通知書 平成30年 7月12日 :意見書、手続補正書の提出 平成30年 9月 5日付け:拒絶査定(謄本送達日平成30年9月12日) 平成31年 1月11日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 平成31年1月11日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成31年1月11日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「 1つのLED(2)用の担体(1)であって、1つの基体(5)を備え、前記担体は1つの上面(3)を備え、当該上面上に1つのLED(2)を固定するための少なくとも1つの第1のコンタクト面領域(13)を備え、前記担体(1)上に固定されたLED(2)を、静電放電に対して保護するために、1つの保護装置(6)が前記基体(5)内に一体化され、1つのヒートスプレッダ(14)が前記担体(1)に一体化されており、当該ヒートスプレッダは、前記基体(5)に一体化された複数の金属板(15)を備え、前記ヒートスプレッダ(14)の前記複数の金属板(15)は、前記担体(1)の前記上面(3)に対して平行に揃えられ、前記保護装置(6)は、前記基体(5)内に一体化された複数の内部電極(7)を備え、前記ヒートスプレッダ(14)は、前記一体化された内部電極(7)よりも前記担体(1)の上面(3)の近くに配設され、前記LEDの固定用のコンタクト面領域は、1つの積層構造を備え、当該積層構造は、少なくとも1つの金層および少なくとも1つの錫層を備え、当該少なくとも1つの金層および当該少なくとも1つの錫層の厚さは、当該積層構造における前記金層と前記錫層との厚さの比が75:25?85:15となるように選択されている、ことを特徴とする担体。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成30年7月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「1つのLED(2)用の担体(1)であって、1つの基体(5)を備え、前記担体は1つの上面(3)を備え、当該上面上に1つのLED(2)を固定するための少なくとも1つの第1のコンタクト面領域(13)を備え、前記担体(1)上に固定されたLED(2)を、静電放電に対して保護するために、1つの保護装置(6)が前記基体(5)内に一体化され、1つのヒートスプレッダ(14)が前記担体(1)に一体化されており、当該ヒートスプレッダは、前記基体(5)に一体化された複数の金属板(15)を備え、前記ヒートスプレッダ(14)の前記複数の金属板(15)は、前記担体(1)の前記上面(3)に対して平行に揃えられ、前記保護装置(6)は、前記基体(5)内に一体化された複数の内部電極(7)を備え、前記ヒートスプレッダ(14)は、前記一体化された内部電極(7)よりも前記担体(1)の上面(3)の近くに配設されている、ことを特徴とする担体。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1のコンタクト面領域(13)」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2) 引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2011-187855号公報(平成23年9月22日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0013】 本実施の形態の多層セラミック基板は、図1に示すように電子部品として発光ダイオード素子28を実装した発光ダイオードモジュール用の多層セラミック基板である。多層セラミック基板はセラミック基板11を有しセラミック基板11の上面18の中央に実装部20が設けられている。セラミック基板11は酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等を主成分とする絶縁性焼結体を基体とするもので四角・円形状等の平板に設けられている。」 「【0015】 実装部20にはセラミック基板11の上面18の表面に形成された1対の実装電極21、22が形成され、実装電極21、22は発光ダイオード素子28の端子電極にバンプ等を介して接合され、発光ダイオード素子28の端子電極の形状に対応して実装電極21と実装電極22とは互いに異なる面積に形成され実装電極22の方が大きい面積に設けられている」 「【0017】 多層セラミック基板の底面側にはセラミック基板11の下面19上に積層されたバリスタ機能層14が設けられ、バリスタ機能層14はバリスタ層15と内部電極16、17とが交互に積層されバリスタ層15の少なくとも一部が1対の内部電極間に挟まれているものである。一方の内部電極17はセラミック基板11の下面19上に形成されている。」 「【0018】 さらに多層セラミック基板はバリスタ機能層14の下面に積層された第1のセラミック層12を有し、この第1のセラミック層12の一方の表面は露出し多層セラミック基板の底面とするものである。この第1のセラミック層12は多層セラミック基板を実装する回路基板とバリスタ機能層14とを電気的に絶縁するための絶縁保護層となる。」 「【0019】 また多層セラミック基板の底面には第1のセラミック層12の表面に形成された1対の端子電極23、24が設けられ、1対の端子電極23、24と1対の実装電極21、22は多層セラミック基板に厚み方向に埋め込まれた1対の接続ビア25、26を介して夫々電気的に接続され、接続ビア25、26はさらにバリスタ機能層14の内部電極16、17と夫々電気的に接続されている。」 「【0020】 サーマルビア27は発熱部品である発光ダイオード素子28の熱の放熱性を向上するためにセラミック基板11を貫通して設けられている。サーマルビア27の上方端部27aは実装された発光ダイオード素子28の直下方に配設され実装電極22に接合し、下方端部27bは実装電極22と電気的に接続した一方の内部電極17に接続している。このようにサーマルビア27の下方端部27bを内部電極17に接続し多層セラミック基板の底面に露出させないことにより放熱性と多層セラミック基板をマザーボード基板等に実装する際の実装性を確保することができる。」 また、引用文献1の図1は次のものである。 (イ)上記(ア)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「発光ダイオード素子28を実装した発光ダイオードモジュール用の多層セラミック基板であって、多層セラミック基板はセラミック基板11を有し、その上面18の中央に実装部20が設けられ、実装部20にはセラミック基板11の上面18の表面に形成された1対の実装電極21、22が形成され、多層セラミック基板の底面側にはセラミック基板11の下面19上に積層されたバリスタ機能層14が設けられ、バリスタ機能層14はバリスタ層15と内部電極16、17とが交互に積層されバリスタ層15の少なくとも一部が1対の内部電極間に挟まれ、さらに多層セラミック基板はバリスタ機能層14の下面に積層された第1のセラミック層12を有し、多層セラミック基板の底面には第1のセラミック層12の表面に形成された1対の端子電極23、24が設けられ、1対の端子電極23、24と1対の実装電極21、22は多層セラミック基板に厚み方向に埋め込まれた1対の接続ビア25、26を介して夫々電気的に接続され、接続ビア25、26はさらにバリスタ機能層14の内部電極16、17と夫々電気的に接続され、サーマルビア27は発熱部品である発光ダイオード素子28の熱の放熱性を向上するためにセラミック基板11を貫通して設けられ、サーマルビア27の上方端部27aは実装された発光ダイオード素子28の直下方に配設され実装電極22に接合し、下方端部27bは実装電極22と電気的に接続した一方の内部電極17に接続している発光ダイオードモジュール用の多層セラミック基板。」 イ 引用文献2 同じく原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-116411号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【0002】 発光素子搭載用基板に関して、基体の発光素子の搭載領域の直下に設けられたサーマルビアを有する構造が提案されている。」 「【0004】 発光素子の搭載領域の直下にサーマルビアが設けられていると、発光素子搭載用基板の上面の発光素子の搭載領域において十分な平坦性を確保することができない場合がある。なお、十分な平坦性を確保することができない場合、例えば、発光素子が傾いて搭載されてしまい、発光強度分布における偏りが生じて、発光特性を十分に確保することができない可能性がある。」 「【0005】 本願発明の一つの態様による発光素子搭載用基板は、発光素子の搭載領域を含む上面を有する基体と、基体内に設けられた伝熱部材および埋設伝熱層とを含んでいる。伝熱部材は、平面視において搭載領域の周囲の領域に配置されている。埋設伝熱層は、平面視において搭載領域に重なるように配置されているとともに、伝熱部材に熱的に結合されている。」 「【0010】 発光素子搭載用基板1は、基体11と、基体11内に設けられた複数の伝熱部材12と、基体11内に設けられており複数の伝熱部材12に接続された複数の埋設伝熱層13とを含んでいる。また、発光素子搭載用基板1は、基体11の上面に設けられており複数の伝熱部材13に接続された上面伝熱層14と、基体11の下面に設けられており複数の伝熱部材13に接続された下面伝熱層15と、例えば基体11の表面に設けられた複数の配線導体16とを含んでいる。」 「【0019】 複数の埋設伝熱層13は、図1(b)に示されているように、互いに上下方向に配置されており、図1(a)に示されているように、平面視において発光素子2の搭載領域に重なるように配置されている。複数の埋設伝熱層13は、例えば、銅、銅-タングステン、タングステン、モリブデン、銀等の金属材料から成る。」 「【0038】 また、図7(a)および(b)に示されているように、複数の伝熱部材12、複数の埋設伝熱層13および複数の下面伝熱層15が電気的に独立した2つの構造体に分けられたものであれば、複数の伝熱部材12の上端が複数の配線導体16の端部に接続されて熱的に結合されているものであってもよい。複数の伝熱部材12の上端が複数の配線導体16の端部に熱的に結合されていることによって、発光素子2から複数の配線導体16の端部を介して複数の伝熱部材12へ伝導される熱の量が増大されて、発光素子2の放熱性をさらに向上させることができる。」 また、引用文献2の図7は次のものである。 図7より、引用文献2の埋設伝熱層13は板状であることが見て取れる。 (イ)上記(ア)から、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「発光素子搭載用基板1であって、発光素子の搭載領域を含む上面を有する基体11と、基体11内に設けられた複数の伝熱部材12および板状の金属材料からなる埋設伝熱層13とを含み、複数の伝熱部材12の上端が複数の配線導体16の端部に接続されて熱的に結合され、基体11の下面に設けられており複数の伝熱部材12に接続された下面伝熱層15を備える発光素子搭載用基板1。」 (3) 対比 ア 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「発光ダイオードモジュール用の多層セラミック基板」は本件補正発明の「1つのLED(2)用の担体(1)」に相当する。 (イ)引用発明1は「セラミック基板11」の「上面18の中央に実装部20が設けられ、実装部20にはセラミック基板11の上面18の表面に形成された1対の実装電極21、22が形成され」ているから、このことは、本件補正発明における「担体は1つの上面(3)を備え、当該上面上に1つのLED(2)を固定するための少なくとも1つの第1のコンタクト面領域(13)を備え」に相当するといえる。 (ウ)引用発明1は、「バリスタ機能層14が設けられ、バリスタ機能層14はバリスタ層15と内部電極16、17とが交互に積層されバリスタ層15の少なくとも一部が1対の内部電極間に挟まれ」ているから、このことは、本件補正発明における「担体(1)上に固定されたLED(2)を、静電放電に対して保護するために、1つの保護装置(6)が」設けられ、「保護装置(6)は、」「複数の内部電極(7)を備え」ることに相当するといえる。 (エ)引用発明1は、「サーマルビア27」を設けて、「発光ダイオード素子28の熱の放熱性を向上」させており、本件補正発明は「1つのヒートスプレッダ(14)」を「担体(1)に一体化」させることにより「LED(2)」の放熱性を向上させているから、両者は、放熱部材を設ける点で共通するといえる。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 1つのLED(2)用の担体(1)であって、前記担体は1つの上面(3)を備え、当該上面上に1つのLED(2)を固定するための少なくとも1つの第1のコンタクト面領域(13)を備え、前記担体(1)上に固定されたLED(2)を、静電放電に対して保護するために、1つの保護装置(6)が設けられ、前記保護装置(6)は複数の内部電極(7)を備え、放熱部材を設ける担体。 [相違点1] 本件補正発明が、担体が1つの基体(5)を備え、1つの保護装置(6)が前記基体(5)内に一体化され、前記基体(5)内に一体化された複数の内部電極(7)を備えるようにしたのに対し、引用発明1では、セラミック基板11、バリスタ機能層14、第1のセラミック層12からなる多層セラミック基板を備え、バリスタ機能層14にバリスタ層15と内部電極16、17とを設けた点。 [相違点2] 放熱部材につき、本件補正発明が、1つのヒートスプレッダ(14)が担体(1)に一体化されており、当該ヒートスプレッダは、基体(5)に一体化された複数の金属板(15)を備え、ヒートスプレッダ(14)の複数の金属板(15)は、担体(1)の上面(3)に対して平行に揃えられ、ヒートスプレッダ(14)は、一体化された内部電極(7)よりも担体(1)の上面(3)の近くに配設されるようにしたのに対し、引用発明1がサーマルビア27を備えた点。 [相違点3] LEDの固定用のコンタクト面領域につき、本件補正発明が、「1つの積層構造を備え、当該積層構造は、少なくとも1つの金層および少なくとも1つの錫層を備え、当該少なくとも1つの金層および当該少なくとも1つの錫層の厚さは、当該積層構造における金層と錫層との厚さの比が75:25?85:15となるように選択されるようにしたのに対し、引用発明1がそのような構成を採用していない点。 (4) 判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 担体を1つの基体で構成すること自体は、周知の技術(以下、「周知技術1」という)であり(このことを証左する文献としては、例えば、引用文献2がある)、引用発明1の多層セラミック基板を単層とすること、それに伴い、内部電極16、17を単層のセラミック基板に一体化することは、当業者が適宜選択可能な設計上の事項に過ぎない。 イ 相違点2について 引用発明2は、複数の伝熱部材12および板状の金属材料からなる埋設伝熱層13を用い、複数の伝熱部材12の上端を複数の配線導体16の端部に接続して熱的に結合させ、下端を基体11の下面に設けられた下面伝熱層15に接続して放熱を行うものである。そして、引用発明1と引用発明2とは、ともに「LED用の担体」という、同一の技術に関するものであり、引用発明2は、従来の、放熱のためサーマルビアを用いたときの問題を解決するべく上記の構成を採用している(引用文献2の【0002】、【0004】)から、サーマルビアを用いて放熱を行っている引用発明1に適用する動機があるといえる。そして、引用発明2の上記の構成を、引用発明1のサーマルビアに替えて適用すれば、結果として、「ヒートスプレッダ(14)は、一体化された内部電極(7)よりも担体(1)の上面(3)の近くに配設される」こととなる(引用文献1の図1も参照のこと)。 してみれば、引用発明1において、引用発明2を適用することにより、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 相違点3について LEDの固定用のコンタクト面領域を積層構造金層と錫層との積層構造とすることは従来周知の技術(以下、「周知技術2」という。)である(このことを証左する文献としては、特開2005-150386号公報(【0020】等)、特開平7-94786号公報(【請求項1】等)がある)。また、金錫ハンダにおける金の組成比を大きくすれば、共晶温度(溶融温度)が高くなることは技術常識である。そして、引用発明1において、周知技術2を適用することに格別の困難性はなく、また、その際、所望の共晶温度(溶融温度)とするために金層と錫層の層厚を最適化・好適化することは当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、「金層と錫層との厚さの比が75:25?85:15となるように」することも何ら格別のこととはいえない。 エ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明1及び引用発明2及び周知技術1、2の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (5) 小括 よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 平成31年1月11日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年7月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、という内容を含むものである。 引用文献1:特開2011-187855号公報 引用文献2:特開2014-116411号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「第1のコンタクト面領域(13)」に係る限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加 したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明1及び引用発明2及び周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明1及び引用発明2及び周知技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2019-12-02 |
結審通知日 | 2019-12-11 |
審決日 | 2019-12-25 |
出願番号 | 特願2017-506875(P2017-506875) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小濱 健太 |
特許庁審判長 |
井上 博之 |
特許庁審判官 |
瀬川 勝久 近藤 幸浩 |
発明の名称 | LED用担体 |
代理人 | 特許業務法人ナガトアンドパートナーズ |