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審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  C08G
審判 全部申し立て 特29条特許要件(新規)  C08G
審判 全部申し立て 産業上利用性  C08G
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08G
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08G
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08G
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
管理番号 1362346
異議申立番号 異議2018-700937  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-22 
確定日 2020-04-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6329235号発明「難燃性ウレタン樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6329235号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 特許第6329235号の請求項1及び3ないし5に係る特許を維持する。 特許第6329235号の請求項2に係る特許に対する本件の特許異議の申立てをいずれも却下する。 
理由 第1 手続の経緯・本件異議申立の趣旨・審理範囲

1.本件特許の設定登録までの経緯
本件特許第6329235号に係る出願(特願2016-228416号、以下「本願」という。)は、平成26年1月20日(優先権主張:平成25年1月20日及び平成25年9月27日、特願2013-7956号及び特願2013-201596号)の国際出願日に出願人積水化学工業株式会社(以下「特許権者」ということがある。)によりされたものとみなされる特許出願の一部を平成28年11月24日に新たに出願したものであり、平成30年4月27日に特許権の設定登録(請求項の数5)がされ、平成30年5月23日に特許掲載公報が発行されたものである。

2.本件特許異議の申立ての趣旨
本件特許につき、いずれも平成30年11月22日に、
(1)特許異議申立人御園貴美代(以下「申立人1」という。)により、「特許第6329235号の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された発明についての特許を取り消すべきである。」という趣旨の本件特許異議の申立てが、
(2)特許異議申立人本間賢一(以下「申立人2」という。)により、「特許第6329235号の特許請求の範囲の全請求項に記載された発明についての特許を取り消すべきである。」という趣旨の本件特許異議の申立てが、
それぞれされた。(以下、各人からの申立てをそれぞれ「申立て1」及び「申立て2」ということがある。)

3.審理すべき範囲
上記2.の各申立ての趣旨を総合すると、「特許第6329235号の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された発明についての特許を取り消すべきである。」、すなわち、全請求項を審理の対象とすべきものとなり、特許異議の申立てがない請求項は存しない。

4.以降の手続の経緯
以降の手続の経緯は以下のとおりである。

平成31年 2月21日付け 取消理由通知
平成31年 4月24日 訂正請求書・意見書
平成31年 4月26日付け 通知書(両申立人あて)
令和 元年 6月 6日 意見書(申立人1)
令和 元年 6月 7日 意見書(申立人2)
令和 元年 9月11日付け 取消理由通知(決定の予告)
令和 元年11月12日 訂正請求書・意見書
令和 元年11月20日付け 通知書(両申立人あて)
令和 元年12月24日 意見書(申立人1)
同日 意見書(申立人2)
(なお、令和元年11月12日付けで訂正請求がされたことにより、平成31年4月24日付けの訂正請求は、取り下げられたものとみなす。)

第2 申立人が主張する取消理由
各申立人が主張する取消理由はそれぞれ以下のとおりである。

1.申立人1の取消理由
申立人1は、同人が提出した本件特許異議申立書(以下、「申立書1」ということがある。)において、下記甲第1号証ないし甲第19号証を提示し、具体的な取消理由として、概略、以下の(1)ないし(7)が存するとしている。

(1)本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、いずれも甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができるものではなく、本件の請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第29条に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(2)本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、いずれも発明該当性及び産業上の利用可能性に係る要件を満たさないものであり、特許法第29条第1項柱書の要件を満たさないものであるから、本件の請求項1ないし5に係る発明についての特許は特許法第29条の規定に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(3)本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、いずれも甲第1号証ないし甲第19号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明についての特許は特許法第29条の規定に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(4)本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載では、本件特許の請求項1ないし5に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明を当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(5)本件特許の請求項1ないし5の記載では、同各項に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明が本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものでないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、同法同条同項(柱書)に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(6)本件特許の請求項1ないし5の記載では、同各項に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に適合するものではなく、同法同条同項(柱書)に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(7)本願請求項1につき特許査定の前の平成30年2月9日付けでされた手続補正は、本願の願書に最初に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でされたものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないものであって、本件特許の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5に係る発明についての特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第1号に該当し、取り消すべきものである。
(以下、項番(1)ないし(7)に従い、「取消理由1-1」ないし「取消理由1-7」という。)

・申立人1提示の甲号証
甲第1号証:中国特許第102585148号明細書(全文訳添付)
甲第2号証:特開昭57-36114号公報
甲第3号証:特開2008-88356号公報
甲第4号証:特開昭46-82225号公報
甲第5号証:米国特許第3330783号明細書(抄訳添付)
甲第6号証:Advanced Materials Research,Vol.374-377(2012年),pp.1563-1566(抄訳添付)
甲第7号証:特開2004-123972号公報
甲第8号証:特許第3950980号公報
甲第9号証:特開2003-64209号公報
甲第10号証:特開平10-168150号公報
甲第11号証:本願に係る平成28年11月24日付け手続補正書
甲第12号証:本願に係る平成29年6月26日付け拒絶理由通知書
甲第13号証:本願に係る平成29年10月26日付け手続補正書
甲第14号証:本願に係る平成29年10月26日付け意見書
甲第15号証:平成30年3月29日に審査官によって作成された本願に係る特許メモ
甲第16号証:日本ウレタン工業協会火災問題対策委員会が2009年5月に作成し2011年5月に一部修正追加した「硬質ポリウレタンフォームの火災及び防災に関するQ&A集 第2版」第28頁
甲第17号証:西原一監修「難燃性高分子材料の高性能化技術」2002年6月20日、株式会社シーエムシー出版発行、第172?177頁
甲第18号証:藤本登編「【新しい】難燃剤・難燃化技術-講演データ資料集&最新特許情報-」2008年7月31日、株式会社技術情報協会発行、第52頁及び第94頁
甲第19号証:工業化学雑誌、第70巻、第9号(1967年)第1592?1598頁
(以下、「甲1-1」ないし「甲1-19」と略していう。)

2.申立人2の取消理由
申立人2は、同人が提出した本件異議申立書(以下、「申立書2」ということがある。)において、下記甲第1号証ないし甲第4号証を提示し、具体的な取消理由として、概略、以下の(1)ないし(6)が存するとしている。

(1)本件特許の請求項1、2、4及び5に係る発明は、いずれも甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができるものではなく、本件の請求項1、2、4及び5に係る発明についての特許は、特許法第29条に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(2)本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、いずれも甲第1号証に記載された発明に基づいて又は甲第1号証に記載された発明に甲第2号証あるいは甲第3号証に記載された事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明についての特許は特許法第29条の規定に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(3)本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載では、本件特許の請求項1ないし5に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明を当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(4)本件特許の請求項1ないし5の記載では、同各項に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明が本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものでないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、同法同条同項(柱書)に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(5)本願請求項1につき特許査定の前の平成30年2月9日付けでされた手続補正は、本願の願書に最初に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でされたものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないものであって、本件特許の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5に係る発明についての特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第1号に該当し、取り消すべきものである。
(6)本願請求項1に係る事項は、本願の出願の分割に係る原出願の願書に最初に添付された明細書等及び分割直前の原出願の願書に添付された明細書等に記載された事項の範囲内ではなく、分割出願の実体的要件を満たしていないから、本願の出願日は平成28年11月24日となるところ、本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、いずれも甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するか、甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により、いずれにしても特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明についての特許は特許法第29条の規定に違反してされたものであって、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消すべきものである。
(以下、項番(1)ないし(6)に従い、「取消理由2-1」ないし「取消理由2-6」という。)

・申立人2提示の甲号証
甲第1号証:特公昭41-13154号公報
甲第2号証:特開2010-53267号公報
甲第3号証:特開2006-321882号公報
甲第4号証:国際公開第2014/112394号
(以下、「甲2-1」ないし「甲2-4」と略していう。)

第3 当審が通知した取消理由(決定の予告)の概要
当審は、本件特許第6329235号に対する上記第2に示した2件の特許異議の申立てを併合して審理し、上記令和元年9月11日付けで、概略、以下の取消理由を通知した。

1.本件の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、同法同条同項(柱書)に規定する要件を満たしていないから、本件の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第6項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。(以下「取消理由1」という。)
2.本件特許に係る明細書(以下「本件特許明細書」という。)の発明の詳細な説明の記載では、本件特許の請求項1ないし5に記載された事項で特定される特許を受けようとする発明を当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないものであって、本件請求項1ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。(以下「取消理由2」という。)

第4 令和元年11月12日付け訂正請求の適否

1.訂正請求の内容
上記令和元年11月12日にされた訂正請求は、本件特許に係る特許請求の範囲を、上記訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし5について訂正することを求めるものであり、以下の訂正事項からなるものである。(なお、下記の訂正事項に係る下線は、当審が付したもので訂正箇所を表す。)

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および難燃剤を含み、前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。」とあるのを、「難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および難燃剤を含み、前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有し、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3において、「請求項1又は2のいずれかに」とあるのを、「請求項1に」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4において、「請求項1?3のいずれかに」とあるのを、「請求項1又は3のいずれかに」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5において、「請求項1?4のいずれかに」とあるのを、「請求項1、3、4のいずれかに」に訂正する。

2.検討
なお、本件訂正前の請求項2ないし5は、いずれも請求項1を直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項1ないし5につき、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
また、以下の検討において、この訂正請求による訂正を「本件訂正」といい、本件訂正前の特許請求の範囲における請求項1ないし5を「旧請求項1」ないし「旧請求項5」、本件訂正後の特許請求の範囲における請求項1ないし5をそれぞれ「新請求項1」ないし「新請求項5」という。

(1)訂正の目的要件について
上記各訂正事項による訂正の目的につき検討すると、訂正事項1に係る訂正では、旧請求項1における「難燃剤」につき、「難燃剤が、赤リンを必須成分とし、」とのみされていたものに、旧請求項2に記載された「前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有すること」を直列的に付加し、実質的に減縮された新請求項1とされているから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
また、訂正事項2に係る訂正では、旧請求項2につき、その記載事項を全て削除しているのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
さらに、訂正事項3ないし5に係る訂正では、上記訂正事項2に係る訂正により、旧請求項2に記載された事項が全て削除されたことに伴い、引用関係が不整合となった点を単に正すものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、上記訂正事項1ないし5による各訂正は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に規定の目的要件に適合するものである。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更について
上記(1)に示したとおり、上記訂正事項1に係る訂正をすることにより、旧請求項1につき、旧請求項2に記載された事項を付加した上で、訂正事項2に係る訂正によって旧請求項2に記載された事項を全て削除することにより、特許請求の範囲が実質的に減縮されて新請求項1及び2とされているか、新請求項3ないし5は、引用関係が正されて明瞭化が図られていることが明らかであって、上記訂正事項1ないし5に係る訂正は、新たな技術的事項を導入しないものであり、また、特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものではないことが明らかである。
してみると、上記訂正事項1ないし5に係る各訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定を満たすものである。

(3)独立特許要件
本件特許異議の申立てにおいては、旧請求項1ないし5、すなわち全請求項につき申立ての対象であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定の独立特許要件につき検討することを要しない。

(4)訂正に係る検討のまとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし5について訂正を認める。

第5 本件特許に係る請求項に記載された事項
上記訂正後の本件特許に係る請求項1ないし5には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および難燃剤を含み、
前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有し、
前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記難燃剤が、前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部を基準として4.5?70重量部の範囲であり、
前記赤リンが、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として3?18重量部の範囲であり、
前記赤リンを除く難燃剤が、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として1.5?52重量部の範囲である、請求項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスが120?1000の範囲である、請求項1又は3のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1、3、4のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする発泡体。」
(以下、上記請求項1ないし5に係る各発明につき、項番に従い「本件発明1」ないし「本件発明5」といい、併せて「本件発明」と総称することがある。)

第6 当審の判断
当審は、申立人1及び申立人2の申立てを併合して審理した上で、
・本件の請求項2に係る特許に対する本件特許異議の申立ては、上記適法な訂正されたことにより同請求項2の記載が全て削除されたから、却下すべきものであり、
・上記訂正後の本件の請求項1及び3ないし5に係る発明についての特許については、上記当審が通知した理由及び各申立人が主張する理由は、いずれも理由がないものであり、いずれも維持すべきものである、と判断する。
以下、各取消理由につき検討・詳述する。

I.請求項2に対する特許異議の申立てについて
請求項2に係る発明についての特許に対する両申立人からの特許異議の申立ては、上記第4で示したとおり、上記適法な訂正により請求項2の記載が全て削除されたことにより、申立ての対象を欠く不適法なものとなって、その治癒ができないから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、いずれも却下すべきものである。

II.当審が通知した取消理由について

1.取消理由1について
取消理由1は、上記第3に示したとおり、
「本件の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合するものではなく、同法同条同項(柱書)に規定する要件を満たしていないから、本件の請求項1及び同項を引用する請求項2ないし5に係る発明についての特許は、特許法第36条第6項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。」
というものである。
以下、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載に基づき検討する。

(1)本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。(各摘示における下線は、当審が付した。)

(a)
「【0021】
本発明の目的は、取り扱いが容易であり、難燃性に優れ、加熱されたときに一定の形状を保つ発泡体を形成することのできる難燃性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。」

(b)
「【0022】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、前記添加剤が赤リンを必須成分とする難燃性ウレタン樹脂組成物が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
すなわち、本発明は、
[1]ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、
前記三量化触媒が、窒素含有芳香族化合物、カルボン酸アルカリ金属塩、3級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
前記添加剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0024】
また本発明の一つは、
[2]前記添加剤が、前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部を基準として4.5?70重量部の範囲であり、
前記赤リンが、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として3?18重量部の範囲であり、
前記赤リンを除く添加剤が、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として1.5?52重量部の範囲である、上記[1]に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0025】
また本発明の一つは、
[3]前記難燃性ウレタン樹脂組成物が、触媒を含み、
前記触媒が、前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部を基準として、前記三量化触媒を0.6?10重量部の範囲で含む、上記[1]または[2]に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0026】
また本発明の一つは、
[4]前記発泡剤が、前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部を基準として0.1?30重量部の範囲である、上記[1]?[3]のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0027】
また本発明の一つは、
[5]前記ホウ酸含有難燃剤が、酸化ホウ素、ホウ酸およびホウ酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]?[4]のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0028】
また本発明の一つは、
[6]前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂のイソシアネートインデックスが、120?1000の範囲である、上記[1]?[5]のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0029】
また本発明は、
[7]上記[1]?[6]のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を成形してなる、発泡体を提供するものである。
【0030】
また本発明は、
[8]上記[1]?[6]のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物を構造物に被覆してなる、難燃被覆構造物を提供するものである。
【0031】
また本発明は、
[9]ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を混合することを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法であって、
前記三量化触媒が、窒素含有芳香族化合物、カルボン酸アルカリ金属塩、3級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
前記添加剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる、難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法を提供するものである。」

(c)
「【0056】
次に本発明に使用する添加剤について説明する。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、添加剤を含む。
前記添加剤は、赤リンを必須成分とし、赤リン以外に、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる。
【0057】
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
【0058】
また本発明に係る耐火ウレタン樹脂組成物に使用する赤リンの添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、3.0重量部?18重量部の範囲であることが好ましい。
前記赤リンの範囲が3.0重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また18重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0059】
また本発明に使用する前記リン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。
【0060】
前記モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、・・(中略)・・等が挙げられる。
【0061】
前記縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ-2,6-キシリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX-200)、ハイドロキノンポリ(2,6-キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げられる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR-733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR-741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名FP-600、FP-700)等を挙げることができる。
【0062】
上記の中でも、硬化前の組成物中の粘度の低下させる効果と初期の発熱量を低減させる効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、トリス(β?クロロプロピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。
【0063】
前記リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0064】
また本発明に使用するリン酸エステルの添加量は、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記リン酸エステルの範囲が1.5重量部以上の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0065】
また本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤はリン酸を含むものである。
前記リン酸塩含有難燃剤に使用されるリン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
【0066】
前記リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、前記各種リン酸と周期律表IA族?IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
前記周期律表IA族?IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
また前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよく、メラミン、ペンタエリスリトール等の公知の発泡助剤を加えても良い。
【0067】
前記リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
【0068】
前記モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、・・(中略)・・等が挙げられる。
【0069】
また前記ポリリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
【0070】
これらの中でも、前記リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
【0071】
前記リン酸塩含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0072】
本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤の添加量は、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記リン酸塩含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0073】
また本発明に使用する前記臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、・・(中略)・・が挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
【0074】
前記臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0075】
本発明に使用する臭素含有難燃剤の添加量は、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記臭素含有難燃剤の範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0076】
また本発明に使用するホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。
・・(中略)・・
【0077】
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛であればより好ましい。
【0078】
前記ホウ素含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0079】
本発明に使用するホウ素含有難燃剤の添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記ホウ素含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0080】
また本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
・・(中略)・・
【0081】
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
【0082】
前記アンチモン含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0083】
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤の添加量は、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記アンチモン含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
【0084】
また本発明に使用する金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等があげられる。
【0085】
前記金属水酸化物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0086】
本発明に使用する金属水酸化物の添加量は、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部?52重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量部?20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部?15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部?10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記金属水酸化物の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また52重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。」

(d)
「【0090】
本発明に使用する添加剤は、赤リンを必須成分とし、赤リン以外に、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる。
【0091】
本発明に使用する添加剤の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記の(a)?(n)のいずれか等が挙げられる。
(a)赤リンおよびリン酸エステル
(b)赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤
(c)赤リンおよび臭素含有難燃剤
(d)赤リンおよびホウ素含有難燃剤
(e)赤リンおよびアンチモン含有難燃剤
(f)赤リンおよび金属水酸化物
(g)赤リン、リン酸エステルおよびリン酸塩含有難燃剤
(h)赤リン、リン酸エステルおよび臭素含有難燃剤
(i)赤リン、リン酸エステルおよびホウ素含有難燃剤
(j)赤リン、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(k)赤リン、リン酸塩含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(l)赤リン、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(m)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(n)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
【0092】
また本発明に使用する添加剤の添加量は前記ウレタン樹脂100重量部に対して、ウレタン樹脂以外の添加剤の全量の範囲は4.5重量部?70重量部の範囲であることが好ましく、4.5重量部?40重量部の範囲であることがより好ましく、4.5重量部?30重量部の範囲であることが更に好ましく、4.5重量部?20重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記添加剤の範囲が4.5重量部以上の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、70重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
・・(中略)・・
【0100】
次に前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体について実施する耐火試験について説明する。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備する。
前記コーンカロリーメーター試験用サンプル用いて、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて20分間加熱したときのコーンカロリーメーター試験による総発熱量を測定することができる。」

(e)
「【0101】
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。なお本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0102】
表1に示した配合により、実施例1に係る難燃性ウレタン樹脂組成物を(A)成分?(C)成分の三つに分割して準備した。なお表1?10に示した各成分の詳細は次の通りである。
【0103】
(A)成分:ポリオール化合物
(a)ポリオール化合物
・A-1:ポリオール1
p-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK-505、水酸基価=250mgKOH/g)
・A-2:ポリオール2
o-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRDK-142、水酸基価:400mgKOH/g)
・A-3:ポリオール3
o-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRDK-121、水酸基価:260mgKOH/g)
・A-4:ポリオール4
p-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRLK-035、水酸基価:150mgKOH/g)
・A-5:ポリオール5
ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールT-400、水酸基価:399mgKOH/g)
・A-6:ポリオール6
ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールT-700、水酸基価:250mgKOH/g)
・A-7:ポリオール7
ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールGR84T、水酸基価:454mgKOH/g)
・A-8:ポリオール8
ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールSOR400、水酸基価:397mgKOH/g)
(b)整泡剤
ポリアルキレングリコールを含む整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH-193)
(c)触媒
[三量化触媒]
・B-1:2-エチルヘキサン酸カリウム(東京化成工業社製、製品コード:P0048)
・B-2:3量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT-TR20)
・B-3:3量化触媒(東栄化工社製、製品名:ヘキサエートカリウム15%)
[ウレタン化触媒]
・ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT-DT)
(d)発泡剤
・水
・HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、セントラル硝子社製)
HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、日本ソルベイ社製)
混合比率:HFC-365mfc:HFC-245fa = 7:3(重量比。以下「HFC」という)
・ペンタン
【0104】
(B)成分:イソシアネート化合物(以下、「ポリイソシアネート」という。)
MDI(日本ウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR-200)粘度:167mPa・s
【0105】
(C)成分:添加剤
・C-1:赤リン(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
・C-2:リン酸二水素アンモニウム(太平化学産業社製)
・C-3:トリス(β?クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCPP、以下「TMCPP」という。)
・C-4:ヘキサブロモベンゼン(マナック社製、製品名:HBB-b、以下「HBB」という。)
・C-5:ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
・C-6:三酸化アンチモン(日本精鉱社製、製品名:パトックスC)
・C-7:水酸化アルミニウム(アルモリックス社製、製品名:B-325)
・C-8:リン酸水素二アンモニウム(太平化学産業社製)
・C-9:第一リン酸アルミニウム(太平化学産業社製)
・C-10:第一リン酸ナトリウム(太平化学産業社製)
・C-11:ポリリン酸アンモニウム(クラリアントジャパン社製、製品名:AP422)
・C-12:含ハロゲン縮合リン酸エステル(大八化学社製、製品名:DAIGUARD-540)
・C-13:非ハロゲン縮合リン酸エステル(大八化学社製、製品名:CR-733S)
・C-14:エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)(アルベマール社製、製品名:SAYTEXBT-93、以下「EBTBPI」という。)
・C-15:エチレン-ビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール社製、製品名:SAYTEX8010、以下「EBPBP」という。)
【0106】
次に下記の表1の配合に従い、ポリオール化合物の(A)成分および添加剤の(C)成分を1000mLポリプロピレンビーカーにはかりとり、25℃、1分間手混ぜで撹拌した。
撹拌後の(A)成分および(C)成分の混練物に対して(B)成分を加え、ハンドミキサーで約10秒間攪拌し発泡体を作成した。
得られた難燃性ウレタン樹脂組成物は時間の経過と共に流動性を失い、難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡体を得た。前記発泡体を下記の基準により評価し、結果を表1に示した。
【0107】
[熱量の測定]
硬化物から10cm×10cm×5cmになるようにコーンカロリーメーター試験用サンプルを切り出し、ISO-5660に準拠し、放射熱強度50kW/m^(2)にて20分間加熱したときの最大発熱速度、総発熱量を測定した。
結果を表1?10に記載した。
この測定方法は、建築基準法施行令第108条の2に規定される公的機関である建築総合試験所にて、コーンカロリーメーター法による基準に対応するものとして規定された試験法であり、ISO-5660の試験方法に準拠したものである。
【0108】
[膨張の測定]
前記ISO-5660の試験を実施したときに、膨張後の成形体が点火器に接触した場合は×、接触しなかった場合は○として表1?10に記載した。
【0109】
[変形(ヒビ割れ)の測定]
前記ISO-5660の試験を実施したときに、前記試験用サンプルの裏面まで到達する変形が見られた場合は×、裏面まで到達する変形が見られなかった場合は○として表1?10に記載した。
【0110】
[収縮の測定]
前記ISO-5660の試験を実施したときに、前記試験用サンプルの横方向に1cm以上かつ厚み方向に5mm以上の変形が見られた場合は×、変形が見られなかった場合は○として表1?10に記載した。
【0111】
[総合評価]
前記熱量の測定、膨張の測定、変形(ヒビ割れ)の測定および収縮の測定の全ての測定結果が○のものを「OK」、それ以外を「NG」として表1?10に記載した。
【0112】
【表1】


【実施例2】
【0113】
実施例1の場合と比較して、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から3.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例3】
【0114】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から4.6重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から12.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から6.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例4】
【0115】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から4.8重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から18.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から6.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例5】
【0116】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から4.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から10.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から10.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例6】
【0117】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から3.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてTMCPPを7.0重量部したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例7】
【0118】
実施例6の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例6の3.7重量部から4.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例6の6.0重量部から13.3重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例6の7.0重量部から6.7重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例8】
【0119】
実施例7の場合と比較して、赤リンの使用量を実施例7の13.3重量部から10.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例7の6.7重量部から10.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例9】
【0120】
実施例8の場合と比較して、赤リンの使用量を実施例8の10.0重量部から4.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例8の10.0重量部から16.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例10】
【0121】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から3.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から3.3重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてHBBを1.7重量部したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例11】
【0122】
実施例10の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例10の3.7重量部から3.8重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例10の3.3重量部から6.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例10の1.7重量部から3.0重量部に変更したこと以外は実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例12】
【0123】
実施例10の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例10の3.7重量部から4.5重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例10の3.3重量部から13.3重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例10の1.7重量部から6.7重量部に変更したこと以外は実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例13】
【0124】
実施例10の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例10の3.7重量部から4.3重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例10の3.3重量部から10.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例10の1.7重量部から10.0重量部に変更したこと以外は実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例14】
【0125】
実施例10の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例10の3.7重量部から4.1重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例10の3.3重量部から4.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例10の1.7重量部から16.0重量部に変更したこと以外は実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例15】
【0126】
実施例11の場合と比較して、HBBに代えてホウ酸亜鉛を6.0重量部使用したこと以外は実施例11の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例16】
【0127】
実施例11の場合と比較して、HBBに代えて三酸化アンチモンを3.0重量部使用したこと以外は実施例11の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例17】
【0128】
実施例11の場合と比較して、HBBに代えて水酸化アルミニウムを3.0重量部使用したこと以外は実施例11の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例18】
【0129】
実施例1の場合と比較して、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から3.8重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から1.9重量部に変更したこと、TMCPPを4.4重量部使用したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例19】
【0130】
実施例18の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例18の3.9重量部から4.6重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例18の3.8重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例18の1.9重量部から3.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例18の4.4重量部から7.0重量部に変更したこと以外は実施例18の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【実施例20】
【0131】
実施例19の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例19の4.6重量部から4.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例19の6.0重量部から7.5重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例19の3.0重量部から3.8重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例19の7.0重量部から8.8重量部に変更したこと以外は実施例19の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表2に示す。
【0132】
【表2】


【実施例21】
【0133】
実施例20の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例20の4.7重量部から6.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例20の7.5重量部から15.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例20の3.8重量部から7.5重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例20の8.8重量部から17.5重量部に変更したこと以外は実施例20の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例22】
【0134】
実施例1の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例1の3.9重量部から35重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例1の3.0重量部から5.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例1の9.0重量部から2.5重量部に変更したこと、HBBを2.5重量部使用したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例23】
【0135】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から3.9重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例22の2.5重量部から3.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例22の2.5重量部から3.0重量部に変更したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例24】
【0136】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から4.5重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から10.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例22の2.5重量部から5.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例22の2.5重量部から5.0重量部に変更したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例25】
【0137】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から5.5重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から20.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例22の2.5重量部から10.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例22の2.5重量部から10.0重量部に変更したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例26】
【0138】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から3.9重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から3.8重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてTMCPPを4.4重量部使用したこと、HBBの使用量を実施例22の2.5重量部から1.9重量部に変更したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例27】
【0139】
実施例26の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例26の3.9重量部から4.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例26の3.8重量部から6.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例26の4.4重量部から7.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例26の1.9重量部から3.0重量部に変更したこと以外は実施例26の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例28】
【0140】
実施例26の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例26の3.9重量部から4.6重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例26の3.8重量部から7.5重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例26の4.4重量部から8.8重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例26の1.9重量部から3.8重量部に変更したこと以外は実施例26の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例29】
【0141】
実施例26の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例26の3.9重量部から6.1重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例26の3.8重量部から15.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例26の4.4重量部から17.5重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例26の1.9重量部から7.5重量部に変更したこと以外は実施例26の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【実施例30】
【0142】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から4.3重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例22の2.5重量部から3.0重量部に変更したこと、HBBに代えてホウ酸亜鉛を6.0重量部使用したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
【0143】
【表3】


【実施例31】
【0144】
実施例22の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例22の3.5重量部から4.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例22の5.0重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてTMCPPを7.0重量部使用したこと、HBBに代えてホウ酸亜鉛を6.0重量部使用したこと以外は実施例22の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例32】
【0145】
実施例31の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例31の4.4重量部から4.2重量部に変更したこと、TMCPPに代えてHBBを3.0重量部使用したこと以外は実施例31の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例33】
【0146】
実施例18の場合と比較して、赤リンの使用量を実施例18の3.8重量部から3.2重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例18の1.9重量部から1.6重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例18の4.4重量部から3.6重量部に変更したこと、HBBを1.6重量部使用したこと以外は実施例18の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例34】
【0147】
実施例33の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から4.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から3.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から7.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から3.0重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例35】
【0148】
実施例33の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から6.0重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から9.5重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から4.7重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から11.1重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から4.7重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例36】
【0149】
実施例33の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から6.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から12.6重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から6.3重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から14.8重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から6.3重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例37】
【0150】
実施例33の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から7.9重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から15.8重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から7.9重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から18.4重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から7.9重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例38】
【0151】
実施例33の場合と比較して、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から4.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から6.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から3.0重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から7.0重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から3.0重量部に変更したこと、ホウ酸亜鉛を6.0重量部使用したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例39】
【0152】
実施例34の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例34の21.8重量部から35.8重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例34の78.2重量部から64.2重量部に変更したこと、発泡剤HFCの使用量を実施例34の4.7重量部から4.6重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【実施例40】
【0153】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から27.1重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から72.9重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表4に示す。
【0154】
【表4】


【実施例41】
【0155】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から18.2重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から81.8重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例42】
【0156】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から15.7重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から84.3重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例43】
【0157】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から13.7重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から86.3重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例44】
【0158】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から12.2重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から87.8重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例45】
【0159】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から11.0重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から89.0重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例46】
【0160】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から10.0重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から90.0重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例47】
【0161】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-2を16.6重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から83.4重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例48】
【0162】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-3を21.4重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.6重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例49】
【0163】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-4を27.6重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から72.4重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【実施例50】
【0164】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-5を21.8重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表5に示す。
【0165】
【表5】


【実施例51】
【0166】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-6を16.6重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から83.4重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例52】
【0167】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-7を15.3重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から84.7重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例53】
【0168】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1に代えてポリオール化合物A-8を16.7重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から83.3重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例54】
【0169】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から21.8重量部に変更したこと、三量化触媒の使用量を実施例39のB-1を0.5重量部およびB-2を0.7重量部から、それぞれB-1を1.3重量部およびB-2を1.7重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例55】
【0170】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から21.8重量部に変更したこと、三量化触媒B-1およびB-2に代えて、B-3を0.8重量部使用したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例56】
【0171】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から21.8重量部に変更したこと、三量化触媒のB-1の使用量を0.5重量部から1.0重量部に変更したこと、B-2を使用しなかったこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例57】
【0172】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から29.5重量部に変更したこと、発泡剤の水を使用せず、HFCの使用量を4.6重量部から10.0重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から70.5重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例58】
【0173】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から21.8重量部に変更したこと、HFCの使用量を4.6重量部から16.0重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例59】
【0174】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から21.8重量部に変更したこと、HFCを使用しなかったこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から78.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【実施例60】
【0175】
実施例39の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の35.8重量部から24.8重量部に変更したこと、発泡剤の水の使用量を0.6重量部から0.3重量部に変更したこと、HFCを使用しなかったこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例39の64.2重量部から75.2重量部に変更したこと以外は実施例39の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表6に示す。
【0176】
【表6】


【実施例61】
【0177】
実施例6の場合と比較して、HFCの使用量を3.7重量部から3.5重量部に変更したこと、TMCPPに代えてリン酸水素二アンモニウムを3.0重量部使用したこと以外は実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例62】
【0178】
実施例61の場合と比較して、リン酸水素二アンモニウムに代えて第一リン酸アルミニウムを3.0重量部使用したこと以外は実施例61の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例63】
【0179】
実施例61の場合と比較して、リン酸水素二アンモニウムに代えて第一リン酸ナトリウムを3.0重量部使用したこと以外は実施例61の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例64】
【0180】
実施例61の場合と比較して、リン酸水素二アンモニウムに代えてポリリン酸アンモニウムを3.0重量部使用したこと以外は実施例61の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例65】
【0181】
実施例61の場合と比較して、HFCの使用量を3.5重量部から4.0重量部に変更したこと、リン酸水素二アンモニウムに代えてリン酸エステル1を7.0重量部使用したこと以外は実施例61の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例66】
【0182】
実施例65の場合と比較して、リン酸エステル1に代えてリン酸エステル2を7.0重量部使用したこと以外は実施例65の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例67】
【0183】
実施例61の場合と比較して、リン酸二水素アンモニウム3.0重量部およびTMCPPを7.0重量部使用し、リン酸水素二アンモニウムに代えてEBTBPIを3.0重量部使用したこと以外は実施例61の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例68】
【0184】
実施例67の場合と比較して、EBTBPIに代えてEBTBPを3.0重量部使用したこと以外は実施例67の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例69】
【0185】
実施例33の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例33の21.8重量部から15.8重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例33の78.2重量部から84.2重量部に変更したこと、発泡剤HFCの使用量を実施例33の3.9重量部から4.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から3.8重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から1.9重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から4.4重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から1.9重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【実施例70】
【0186】
実施例33の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の21.8重量部から17.7重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例33の78.2重量部から82.3重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から3.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から1.5重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から3.5重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から1.5重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表7に示す。
【0187】
【表7】


【実施例71】
【0188】
実施例33の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例39の21.8重量部から16.8重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例33の78.2重量部から83.2重量部に変更したこと、HFCの使用量を3.9重量部から6.0重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例33の3.2重量部から9.6重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例33の1.6重量部から4.8重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例33の3.6重量部から11.2重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例33の1.6重量部から4.8重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【実施例72】
【0189】
実施例71の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例71の16.8重量部から30.6重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例71の83.2重量部から69.4重量部に変更したこと以外は実施例71の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【実施例73】
【0190】
実施例71の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例71の16.8重量部から26.4重量部に変更したこと、HFCの使用量を6.0重量部から6.4重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例71の83.2重量部から70.6重量部に変更したこと、赤リンの使用量を実施例71の9.6重量部から13.3重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を実施例71の4.8重量部から6.6重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を実施例71の11.2重量部から15.5重量部に変更したこと、HBBの使用量を実施例71の4.8重量部から6.6重量部に変更したこと以外は実施例33の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【実施例74】
【0191】
実施例34の場合と比較して、整泡剤の使用量を実施例34の1.7重量部から6.8重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【実施例75】
【0192】
実施例34の場合と比較して、整泡剤の使用量を実施例34の1.7重量部から10.0重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【実施例76】
【0193】
実施例34の場合と比較して、ウレタン化触媒を使用しなかったこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表8に示す。
【0194】
【表8】


【0195】
[比較例1]
実施例1の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例1の21.8重量部から52.7重量部に変更したこと、三量化触媒を使用しなかったこと、HFCの使用量を3.9重量部から6.4重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例1の78.2重量部から47.3重量部に変更したこと、添加剤を使用しなかったこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0196】
[比較例2]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から3.2重量部に変更したこと、添加剤を使用しなかったこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0197】
[比較例3]
比較例2の場合と比較して、HFCの使用量を3.2重量部から3.3重量部に変更したこと、赤リンを3.0重量部使用したこと以外は実施例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0198】
[比較例4]
比較例2の場合と比較して、HFCの使用量を3.2重量部から3.4重量部に変更したこと、赤リンを6.0重量部使用したこと以外は実施例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0199】
[比較例5]
比較例2の場合と比較して、HFCの使用量を3.2重量部から4.0重量部に変更したこと、赤リンを12.0重量部使用したこと以外は実施例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0200】
[比較例6]
比較例2の場合と比較して、HFCの使用量を3.2重量部から4.8重量部に変更したこと、赤リンを24.0重量部使用したこと以外は実施例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0201】
[比較例7]
実施例34の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例34の21.8重量部から25.0重量部に変更したこと、発泡剤を使用しなかったこと、HFCの使用量を4.7重量部から6.4重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例34の78.2重量部から75.0重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0202】
[比較例8]
実施例34の場合と比較して、HFCの使用量を4.7重量部から4.4重量部に変更したこと、赤リンを使用しなかったこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0203】
[比較例9]
比較例8の場合と比較して、HFCの使用量を4.4重量部から4.5重量部に変更したこと、HBBに代えてホウ酸亜鉛を6.0重量部使用した以外は比較例8の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0204】
[比較例10]
比較例8の場合と比較して、HFCの使用量を4.4重量部から4.3重量部に変更したこと、TMCPPに代えてホウ酸亜鉛を6.0重量部使用した以外は比較例8の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表9に示す。
【0205】
【表9】


【0206】
[比較例11]
比較例9の場合と比較して、リン酸二水素アンモニウムに代えてHBBを3.0重量部使用した以外は比較例9の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0207】
[比較例12]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から3.7重量部に変更したこと、赤リンの使用量を3.0重量部から2.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を9.0重量部から1.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0208】
[比較例13]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から5.8重量部に変更したこと、赤リンの使用量を3.0重量部から24.0重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を9.0重量部から12.0重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0209】
[比較例14]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から4.6重量部に変更したこと、赤リンの使用量を3.0重量部から2.3重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてTMCPPを2.7重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0210】
[比較例15]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から5.8重量部に変更したこと、赤リンの使用量を3.0重量部から18.5重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてTMCPPを21.5重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0211】
[比較例16]
実施例1の場合と比較して、HFCの使用量を3.9重量部から5.8重量部に変更したこと、赤リンの使用量を3.0重量部から26.7重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムに代えてHBBを13.3重量部に変更したこと以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0212】
[比較例17]
実施例34の場合と比較して、HFCの使用量を4.7重量部から3.4重量部に変更したこと、赤リンの使用量を6.0重量部から1.6重量部に変更したこと、リン酸二水素アンモニウムの使用量を3.0重量部から0.8重量部に変更したこと、TMCPPの使用量を7.0重量部から1.8重量部に変更したこと、HBBの使用量を3.0重量部から0.8重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0213】
[比較例18]
実施例34の場合と比較して、ポリオール化合物A-1の使用量を実施例34の21.8重量部から52.7重量部に変更したこと、HFCの使用量を4.7重量部から4.6重量部に変更したこと、ポリイソシアネートの使用量を実施例34の78.2重量部から47.3重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0214】
[比較例19]
実施例34の場合と比較して、三量化触媒のB-1の0.5重量部およびB-2の0.7重量部をそれぞれB-1の0重量部およびB-2の0.1重量部に変更したこと、HFCの使用量を4.7重量部から4.6重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0215】
[比較例20]
実施例34の場合と比較して、三量化触媒のB-1の0.5重量部およびB-2の0.7重量部をそれぞれB-1の0.3重量部およびB-2の0重量部に変更したこと、HFCの使用量を4.7重量部から4.6重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0216】
[比較例21]
実施例34の場合と比較して、三量化触媒のB-1の0.5重量部およびB-2の0.7重量部をそれぞれB-1の0.2重量部およびB-2の0.3重量部に変更したこと、HFCの使用量を4.7重量部から4.6重量部に変更したこと以外は実施例34の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表10に示す。
【0217】
【表10】


【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物により得られる成形体は、燃焼する際の発熱量が少なく、燃焼後の残渣が一定の形状を保つことから、優れた耐火性を発揮することができる。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の成形物は耐火性に優れることから、建築物等に本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物を広く応用することができる。」

(2)検討

ア.本件発明の解決しようとする課題
本件発明の解決しようとする課題は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載(特に摘示(a)【0021】)からみて、「取り扱いが容易であり、難燃性に優れ、加熱されたときに一定の形状を保つ発泡体を形成することのできる難燃性ウレタン樹脂組成物」の提供にあるものと認められる。

イ.「難燃剤」及び「添加剤」について
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、本件発明に係る「難燃剤」及び「添加剤」につき、
「前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、前記添加剤が赤リンを必須成分とする難燃性ウレタン樹脂組成物が、本発明の目的に適うことを見出し」たことが記載されている(摘示(b)【0022】)のに対して、「すなわち」との表現により、
「本発明は、
[1]ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み、
前記三量化触媒が、窒素含有芳香族化合物、カルボン酸アルカリ金属塩、3級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
前記添加剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物を提供する」と記載されている(摘示(b)【0023】)から、本件発明における「難燃剤」及び「添加剤」としては、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせることが特徴とされているものと理解するのが自然である。
また、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、本件発明に係る「難燃剤」及び「添加剤」につき、
「本発明に使用する添加剤について説明する。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、添加剤を含む。
前記添加剤は、赤リンを必須成分とし、赤リン以外に、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる。」
とも記載され(摘示(c)【0056】)、赤リン以外の上記各難燃剤の使用量につき、ウレタン樹脂に対して、0重量%ではない特定の重量比範囲で使用することも記載されている(摘示(c)【0064】、【0072】、【0075】、【0079】、【0083】及び【0086】)とともに、
「本発明に使用する添加剤は、赤リンを必須成分とし、赤リン以外に、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる。」
とも記載され(摘示(d)【0090】)、
「本発明に使用する添加剤の添加量は前記ウレタン樹脂100重量部に対して、ウレタン樹脂以外の添加剤の全量の範囲は4.5重量部?70重量部の範囲であることが好ましく」、「添加剤の範囲が4.5重量部以上の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、70重量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない」ことも記載されている(摘示(d)【0092】)。
さらに、本件特許明細書の発明の詳細な説明の実施例(及び比較例)に係る記載につき検討すると、本件発明に係る「三量化触媒」並びに「難燃剤」及び「添加剤」について「実施例1」ないし「実施例76」(摘示(e)【表1】ないし【表8】)では、「三量化触媒」並びに「赤リン」と「赤リン以外」の「リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてな」る「難燃剤」を使用する場合であれば、いずれも、発泡体を製造することができる程度の「取り扱い性」を有すると共に、製造された発泡体につき加熱時の「形状保持性」を有するものであり、更に「ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」ことを具備するものと具備しないものとが記載されている。(なお、当該総発熱量に係る事項を具備しない実験例の場合は、本件発明に係る実施例でないことはいうまでもない。)
それに対して、「比較例1」ないし「比較例21」(摘示(e)【表9】及び【表10】)では、そもそも発泡体が製造できないほど「取り扱い性」に劣るものであるか(比較例19又は20)、発泡体を含む成形体が製造できる程度の「取り扱い性」を有したとしても、上記「総発熱量」に係る事項を具備せず、加熱時の「形状保持性」につき劣るものである(比較例1ないし18及び21)。
してみると、上記「実施例」に係る記載と「比較例」に係る記載との対比からみて、請求項1に記載された「三量化触媒」並びに「赤リン」と「赤リン以外」の「リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてな」る「難燃剤」を使用し、「総発熱量」に係る規定を具備する場合であれば、発泡体の難燃性のみならず、発泡体製造時の取り扱い性及び/又は発泡体の形状保持性についても優れるという、上記解決課題を解決できるような効果が奏されることを看取することができるものといえる。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、ウレタン樹脂組成物において、本件発明に係る解決課題を解決できると当業者が認識できるように記載したものということができる。

ウ.小括
よって、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件請求項1及び同項を引用する請求項3ないし5に記載された事項を具備する発明であれば、本件発明に係る上記(1)で示した課題を解決できると当業者が認識することができるように記載したものということができるから、本件請求項1及び同項を引用する請求項3ないし5の記載では、同各項に記載した事項で特定される発明が、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載したものではないということはできない。

(3)取消理由1についてのまとめ
以上のとおりであるから、本件の請求項1及び同項を引用する請求項3ないし5の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合するものというべきであるから、取消理由1については理由がない。

2.取消理由2について
上記第5において示したとおり、本件の請求項1には、「前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物」と記載されている。
そこで、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載を検討すると、発明の詳細な説明のうち実施例(比較例)に係る部分以外の部分(【0001】ないし【0100】及び【0218】)には、「赤リン」及び「赤リン以外」の「難燃剤」の使用量の下限値につき、この下限値以上であれば「自己消火性」が保持されることは記載されている(上記I.1.の摘示(c)の下線部、特に【0058】等参照)ものの、当該「自己消火性の保持」がどの程度の「自己消火性」を示すものであるか不明であり、当該「自己消火性の保持」が上記「総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」ことを意味すると認識することもできないから、上記「総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下」とすることが「難燃性」に関係する物性値であることのみは少なくとも直接開示されているものといえる。
なお、申立人1が提示した甲1-16に照らすと、上記「総発熱量」は、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.0MJ/m^(2)以下である場合、「不燃材料」と評価されるものであるから、本件発明における上記「総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下」なる上限値は、本件発明に係る「難燃性ウレタン樹脂組成物」からなる発泡体が、当業者にとって、おおよそ「不燃材料」と評価されるべき「難燃性」を有することのみを意味するものと理解できるものと認められる。
そして、一般に、ウレタン樹脂組成物において難燃剤を増量した場合、他の物性はさておき、難燃性については向上する傾向を示すことが当業者の技術常識であるから、ウレタン樹脂組成物につき上記「総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下」なる難燃性に係る物性値に調節することは、上記技術常識に基づき難燃剤を増量すること等により、当業者が適宜なし得ることである。
また、発明の詳細な説明のうち実施例(比較例)に係る部分(【0101】ないし【0217】)の記載を検討すると、「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」との事項を具備するものも具備しないものも並列的に「実施例」として記載されており、比較例については上記「総発熱量」に係る事項を具備しないものであるが、当該「実施例」のうち上記「総発熱量」に係る事項を具備しない場合並びに「比較例」の場合の各「ウレタン樹脂組成物」は、いずれも本件発明に係る「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」との発明を特定する事項を具備しないのであるから、本件発明の範囲外の組成物であることが明らかであって、当業者が本件発明を実施するにあたってその実施を妨げるものではない。
以上を総合すると、本件特許明細書の発明の詳細な説明に接した当業者ならば、本件発明の「難燃性ウレタン樹脂組成物」を過度の試行錯誤なく実施することができるものと認められるから、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件発明を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載したものということができる。
よって、上記取消理由2は、理由がない。

3.当審が通知した取消理由に係る検討のまとめ
以上のとおり、当審が通知した取消理由1及び2は、いずれも理由がなく、当該理由により、本件の請求項1及び3ないし5に係る発明についての特許を取り消すことはできない。

III.各申立人が主張する取消理由について
各申立人が主張する取消理由は、上記第2で示したとおりであるが、要約すると、以下のとおりであるものと認められる。

(A)申立人1
取消理由1-1:甲1-1発明、甲1-2発明又は甲1-10発明に基づく新規性欠如による特許法第113条第2号該当
取消理由1-2:発明該当性要件及び産業上の利用可能性要件に係る特許法第29条第1項柱書違反に基づく特許法第113条第2号該当
取消理由1-3:甲1-1発明又は甲1-3発明に基づく進歩性欠如による特許法第113条第2号該当
取消理由1-4:明細書の記載の実施可能要件違反による特許法第113条第4号該当
取消理由1-5:特許請求の範囲の記載のサポート要件違反による特許法第113条第4号該当
取消理由1-6:特許請求の範囲の記載の明確性要件違反による特許法第113条第4号該当
取消理由1-7:拒絶査定不服審判請求時の補正の特許法第17条の2第3項違反による特許法第113条第1号該当

(B)申立人2
取消理由2-1:甲2-1発明に基づく新規性欠如による特許法第113条第2号該当
取消理由2-2:甲2-1発明に基づく進歩性欠如による特許法第113条第2号該当
取消理由2-3:明細書の記載の実施可能要件違反による特許法第113条第4号該当
取消理由2-4:特許請求の範囲の記載のサポート要件違反による特許法第113条第4号該当
取消理由2-5:拒絶査定不服審判請求時の補正の特許法第17条の2第3項違反による特許法第113条第1号該当
取消理由2-6:本願に係る出願の分割の実体的要件違反を前提とする甲2-4発明に基づく新規性又は進歩性の欠如による特許法第113条第2号該当

以下、事案に鑑み、取消理由2-6、取消理由1-7及び2-5、取消理由1-6、取消理由1-4及び2-3、取消理由1-5及び2-4、取消理由1-1ないし1-3並びに取消理由2-1及び2-2の順に、それぞれ詳述する。

1.取消理由2-6について
申立人2が主張する取消理由2-6は、申立書2の記載(第28頁?第29頁「カ 特許出願の分割の実体的要件を満たしていないことについて」の欄)からみて、本願に係る出願の分割の実体的要件違反を前提とするものであるところ、本件特許における当該「実体的要件違反」は、本願の審査中にされた補正により、いわゆる新規事項の追加が行われたことに起因すると主張しているものと認められる。
しかしながら、本願の出願当初の明細書等において、原出願の明細書等に記載されていない事項が追加されているのであればともかく、本願の審査中の補正により事後的にいわゆる新規事項の追加がされたからといって、本願の出願の分割自体が不適法であるとすべき理由となるものとは認められない。
なお、原出願に係る国際公開である甲2-4の内容を検討すると、請求の範囲において、難燃性ウレタン樹脂組成物が三量化触媒並びに赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外に、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせてなる添加剤を含むことが記載され、「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」実施例に係る記載も存在するから、そもそも、上記本願の審査中にされた補正により、いわゆる新規事項の追加があったものとも認めることができず、出願の分割に係る実体的要件違反であるということもできない。
したがって、上記取消理由2-6は、本願の出願の分割が不適法であるという前提を欠くものであって、理由がない。

2.取消理由1-7及び2-5について
申立人1が主張する取消理由1-7及び申立人2が主張する取消理由2-5は、申立書1の記載(第27頁「(4-5)補正要件違反」の欄)及び申立書2の記載(第27頁?第28頁「オ 新規事項について」の欄)からみて、いずれも、本願に係る拒絶査定不服審判の請求時である平成30年2月9日付けでされた補正により、赤リンのみを添加剤(難燃剤)として含む難燃性ウレタン樹脂組成物に係る態様まで包含することとなった点につき、いわゆる新規事項の追加であるというものと認められる。
しかしながら、上記第4で示したとおりの理由により適法にされたものと認められる本件訂正により、上記第5で示したように「難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および難燃剤を含み、前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有」するものに限定されたから、赤リンのみを含む態様につき、本件発明に包含されるものではない。
したがって、上記取消理由1-7及び2-5はいずれも理由がない。

3.取消理由1-6について
申立人1が主張する取消理由1-6は、申立書1の記載(第25頁下から第4行?第26頁末行)からみて、それぞれ、
(a)他の構成事項については公知であり、「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」との事項(構成C)が、本件発明が解決しようとする課題(効果)そのものであることを踏まえると、他の構成だけでは足らず、なぜゆえに、構成Cを奏したのかという構成が記載されている必要があって、本件の請求項1には当該記載がないことにより明確性を欠く、
(b)仮に構成Cが構成要件として認められる(即ち、構成Cが物の物性を表す)とし、本件の請求項1の記載が、その特性により発明を特定したものであるとしても、その特性を発現するための構成(当然に新規な構成)につき記載がないため、明確性を欠く、
との2点で、本件の請求項1の記載が、特許法第36条第6項第2号に適合せず、同法同条同項(柱書)に規定の要件を満たしていないというものと認められる。
そこで検討すると、上記「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」との事項(構成C)は、技術的に意味するところは明確であって、請求項1の「難燃性ウレタン樹脂組成物」につき、発泡条件等の製造条件を問わず、常法により発泡体とした場合に当然発現する発泡体物性により規定し、発明を特定する技術事項としたものと認められ、技術的に明確でないとすべきところもない。
なお、構成Cに係る事項は、上記(a)で申立人1が主張するように、本件発明の解決課題に則する効果の一部ではあるものの、上記II.1.(2)ア.で示したとおり、本件発明の解決課題は、「取り扱いが容易であり、難燃性に優れ、加熱されたときに一定の形状を保つ発泡体を形成することのできる難燃性ウレタン樹脂組成物」の提供であり、難燃性のほかにも取り扱い性及び発泡体の形状保持性を有すべきものであるから、構成Cに係る事項が本件発明の解決課題(効果)そのものである旨の主張は、当を得ないものであるとともに、また、請求項1の「難燃性ウレタン樹脂組成物」なる物の発明につき規定するにあたり、その物から製造される発泡体なる物の物性により規定することを妨げる技術的要因等が存するものとも認めることができない。
してみると、上記(a)及び(b)の主張は、いずれも当を得ないものである。
したがって、申立人1が主張する取消理由1-6は、理由がない。

4.取消理由1-4及び2-3について
申立人1が主張する取消理由1-4及び申立人2が主張する取消理由2-3は、いずれも、申立書1の記載(第24頁下から第3行?第25頁第16行)及び申立書2の記載(第21頁第12行?第27頁第23行)からみて、上記II.2.で示した当審が通知した取消理由2と略同旨の点を主張するものと認められる。
してみると、申立人1が主張する取消理由1-4及び申立人2が主張する取消理由2-3は、いずれも、上記II.2.で取消理由2につき説示した理由と同一の理由により、取消理由1-4及び2-3についても、理由がない。

5.取消理由1-5及び2-4について
申立人1が主張する取消理由1-5及び申立人2が主張する取消理由2-4は、いずれも、申立書1の記載(第25頁第17行?第30行)及び申立書2の記載(第21頁第12行?第27頁第23行)からみて、上記II.1.で示した当審が通知した取消理由1と略同旨の点を主張するものと認められる。
してみると、申立人1が主張する取消理由1-5及び申立人2が主張する取消理由2-4は、いずれも、上記II.1.で取消理由1につき説示した理由と同一の理由により、取消理由1-5及び2-4についても、理由がない。

6.取消理由1-1ないし1-3並びに取消理由2-1及び2-2について
申立人1が主張する上記取消理由1-1ないし1-3並びに申立人2が主張する取消理由2-1及び2-2は、いずれも特許法第29条に係る取消理由であるが、事案に鑑み、まず、取消理由1-2につき独立して検討し、次に、残る取消理由1-1及び1-3並びに取消理由2-1及び2-2について、併合して検討する。

(1)取消理由1-2について
申立人1が主張する取消理由1-2は、申立書1の記載(第19頁第1行?第25行)からみて、要約すると、本件発明1につき、上記「構成C」の点が発明の解決課題そのものであり、その解決手段が明細書に具体的に記載されていないことにより、当該課題を到底解決することができない実現不可能なものであることをもって、発明該当性要件及び産業上の利用可能性(要件)を満たさないものであるから、特許法第29条第1項柱書の要件を満たしていないというものと認められる。
しかしながら、上記3.でも説示したとおり、上記「構成C」に係る事項は、請求項1の「難燃性ウレタン樹脂組成物」につき、発泡条件等の製造条件を問わず、常法により発泡体とした場合に当然発現する発泡体物性により規定し、発明を特定する技術事項としたものと認められると共に、本件特許明細書では、当該「構成C」を具備し、「取り扱い性」及び「発泡体の形状保持性」にも優れた発泡体を形成できる「難燃性ウレタン樹脂組成物」に係る具体的実験例が「実施例」として記載されている(例えば「実施例1」等)のであって、当該実施例が常識的にみて何らかの技術的不備があるものとも認められない。
してみると、本件発明1及びそれを引用する本件発明3ないし5が、解決しようとする課題を解決することができない実現不可能なものということはできない。
したがって、申立人1が主張する取消理由1-2は、当を得ないものであることが明らかであって、理由がない。

(2)取消理由1-1及び1-3並びに取消理由2-1及び2-2について

ア.対比
取消理由1-1で主たる引用発明として引用される甲1-1に記載された発明、甲1-2に記載された発明及び甲1-10に記載された発明、取消理由1-3で主たる引用発明として引用される甲1-3に記載された発明並びに取消理由2-1及び2-2で主たる引用発明として引用される甲2-1に記載された発明と本件発明1とをそれぞれ対比すると、その余の点は差し置き、少なくとも以下の点で相違するものといえる。

相違点:本件発明1では「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」のに対して、上記各甲号証に記載された発明では、当該「総発熱量」につき特定されていない点

イ.検討
上記相違点につき検討すると、「難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下である」との点(構成C)は、申立人1が提示した甲1-16に照らすと、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.0MJ/m^(2)以下である場合、「不燃材料」と評価されるものであるから、本件発明1における上記「総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下」なる上限値は、本件発明に係る「難燃性ウレタン樹脂組成物」からなる発泡体が、当業者にとって、おおよそ「不燃材料」と評価されるべき「難燃性」を有することを意味するところ、上記各甲号証に記載された発明は、いずれも「難燃性を有する発泡体」を形成できる「難燃性ウレタン樹脂組成物」に係るものではあるものの、当該各発明において、おおよそ「不燃材料」と評価されるべき高度な「難燃性」を有する「発泡体」を構成することまで当業者に自明であるものとは認められない。
よって、上記相違点は実質的な相違点であるというべきである。
また、上記相違点につき、他の甲号証に記載された事項に照らしても、上記各甲号証に記載された「難燃性ウレタン樹脂組成物」に係る発明において、「発泡条件等の製造条件を問わず、常法により発泡体とした場合に当然発現する発泡体物性」である「ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下」と規定すべき動機となる事項が各甲号証に記載されているものとは認められず、上記各甲号証に記載された引用発明において、当業者が適宜なし得ることということもできない。
してみると、本件発明1と上記各甲号証に記載された引用発明とは、それぞれ、上記相違点で実質的に相違しており、また、当該相違点につき当業者が適宜なし得たものということもできない。
なお、本件発明3ないし5はいずれも本件発明1を引用するものであるから、本件発明3ないし5についても、同様である。
したがって、本件発明1及び3ないし5はいずれも、上記各甲号証に記載された発明であるということはできず、また、上記各甲号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということもできない。

ウ.小括
以上のとおりであるから、取消理由1-1及び1-3並びに取消理由2-1及び2-2はいずれも理由がない。

7.申立人が主張する取消理由に係る検討のまとめ
以上のとおり、申立人1及び申立人2が主張する取消理由は、いずれも理由がない。

IV.当審の判断のまとめ
よって、本件の請求項1及び3ないし5に係る発明についての特許について、両申立人が主張する理由及び提示した証拠ではいずれも取り消すことができるものではなく、その他の取消理由についても発見できないから、いずれも維持すべきものである。

第7 むすび
以上のとおり、上記訂正請求における訂正については、適法であるから、訂正後の請求項〔1-5〕について、これを認容すべきものである。
そして、訂正後の請求項1及び3ないし5に係る発明についての特許は、取り消すことはできず、維持すべきものである。
また、本件の請求項2に係る特許に対する本件特許異議の申立ては、いずれも却下すべきものである。
よって、上記結論のとおり、決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、三量化触媒、発泡剤、整泡剤および難燃剤を含み、
前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リン以外にリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有し、
前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体を、ISO-5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/m^(2)にて加熱したときに、20分経過時の総発熱量が8.2MJ/m^(2)以下であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
前記難燃剤が、前記ポリイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物からなるウレタン樹脂100重量部を基準として4.5?70重量部の範囲であり、
前記赤リンが、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として3?18重量部の範囲であり、
前記赤リンを除く難燃剤が、前記ウレタン樹脂100重量部を基準として1.5?52重量部の範囲である、請求項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスが120?1000の範囲である、請求項1又は3のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1、3、4のいずれかに記載の難燃性ウレタン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする発泡体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-03-25 
出願番号 特願2016-228416(P2016-228416)
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (C08G)
P 1 651・ 113- YAA (C08G)
P 1 651・ 14- YAA (C08G)
P 1 651・ 1- YAA (C08G)
P 1 651・ 121- YAA (C08G)
P 1 651・ 55- YAA (C08G)
P 1 651・ 537- YAA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小森 勇  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 近野 光知
橋本 栄和
登録日 2018-04-27 
登録番号 特許第6329235号(P6329235)
権利者 積水化学工業株式会社
発明の名称 難燃性ウレタン樹脂組成物  
代理人 田口 昌浩  
代理人 田口 昌浩  
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