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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
審判 全部申し立て 特174条1項  A63F
管理番号 1363135
異議申立番号 異議2019-700781  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-10-01 
確定日 2020-04-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6496526号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6496526号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 特許第6496526号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 【目次】
第1 手続の経緯

第2 訂正請求について
1 訂正の内容
2 訂正の適否
3 まとめ

第3 本件訂正発明

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
2 甲号証について
3 当審における判断
(1)理由1(新規事項)について
(2)理由2(サポート要件)について
(3)理由3(新規性)について
4 特許異議申立人の意見について

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

第6 むすび


【本文】
第1 手続の経緯
本件特許第6496526号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成26年11月7日の特許出願であって、平成31年3月15日にその特許権の設定登録がなされ、同年4月3日に特許掲載公報が発行され、令和1年10月1日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審において同年11月20日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より令和2年1月17日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、特許異議申立人より同年3月3日付けで意見書が提出されたものである。


第2 訂正請求について
1 訂正の内容
令和2年1月17日付け訂正請求書による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1(以下「訂正前の請求項1」という。)の「遊技を行う遊技機であって、」の後に「複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、」を加える(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)。

(2)訂正事項2
訂正前の請求項1に「第1制御に係る第1プログラムが記憶される第1プログラム記憶領域と、」と記載されているのを、
「遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、」に訂正する。

(3)訂正事項3
訂正前の請求項1に「第2制御に係る第2プログラムが記憶される第2プログラム記憶領域と、」と記載されているのを、
「遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、」に訂正する。

(4)訂正事項4
訂正前の請求項1に「前記第1制御において更新及び参照され、前記第2制御において更新されない第1変動データが記憶される第1変動データ記憶領域と、」と記載されているのを、
「前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない遊技用変動データが記憶される遊技用変動データ記憶領域と、」に訂正する。

(5)訂正事項5
訂正前の請求項1に「前記第2制御において更新及び参照され、前記第1制御において更新されない第2変動データが記憶される第2変動データ記憶領域と、」と記載されているのを、
「前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない非遊技用変動データが記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、」に訂正する。

(6)訂正事項6
訂正前の請求項1の「を備え、」の後に「前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、」を加える。

(7)訂正事項7
訂正前の請求項1の「遊技機の状態が特定状態である場合に、」の前に、「前記プログラム実行手段は、
・・・
前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、」を加える。

(8)訂正事項8
訂正前の請求項1に「遊技機の状態が特定状態である場合に、前記第1変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す第1特定情報を記憶させるとともに、前記第2変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す第2特定情報を記憶させ、」と記載されているのを、
「遊技機の状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、」に訂正する。

(9)訂正事項9
訂正前の請求項1に「前記第1制御においては、前記第1変動データ記憶領域に記憶された前記第1特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記第2制御においては、前記第2変動データ記憶領域に記憶された前記第2特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、」と記載されているのを、
「前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、」に訂正する。

(10)訂正事項10
本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0006】に
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1の遊技機は、
遊技を行う遊技機であって、
第1制御に係る第1プログラムが記憶される第1プログラム記憶領域と、
第2制御に係る第2プログラムが記憶される第2プログラム記憶領域と、
前記第1制御において更新及び参照され、前記第2制御において更新されない第1変動データが記憶される第1変動データ記憶領域と、
前記第2制御において更新及び参照され、前記第1制御において更新されない第2変動データが記憶される第2変動データ記憶領域と、
を備え、
遊技機の状態が特定状態である場合に、前記第1変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す第1特定情報を記憶させるとともに、前記第2変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す第2特定情報を記憶させ、
前記第1制御においては、前記第1変動データ記憶領域に記憶された前記第1特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記第2制御においては、前記第2変動データ記憶領域に記憶された前記第2特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する
ことを特徴としている。・・・」
と記載されているのを、
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1の遊技機は、
遊技を行う遊技機であって、
複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、
遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、
遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、
前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない遊技用変動データが記憶される遊技用変動データ記憶領域と、
前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない非遊技用変動データが記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、
を備え、
前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、
前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、
遊技機の状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、
前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する
ことを特徴としている。・・・」
に訂正する。

2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に「複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、」という発明特定事項を加えて「遊技機」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0006】の「前記遊技プログラム及び前記非遊技プログラムを実行するプログラム実行手段(CPU41a)と、」との記載、段落【0059】の「CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。」との記載、段落【0217】の「CPU41aは、図9に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、CPU41aが演算に用いる演算用のレジスタ(A、F、BC、DE、HLレジスタ、以下では、演算用のレジスタを単にレジスタと称す)の値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。そして、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、その後、遊技プログラムに基づく処理に復帰するようになっている。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
本件特許の課題は、本件特許明細書の段落【0002】-【0005】の記載によれば、「一の記憶領域において遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらないプログラムと、が混在していると、どのプログラムが遊技の進行に係わるプログラムであるか、の判別が困難であること」と認められるところ、訂正事項2は、上記課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「第1制御に係る第1プログラム」、「第1プログラム記憶領域」を、それぞれ、上記課題に対応する「遊技の進行に係わる遊技プログラム」、「遊技プログラム記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、本件特許明細書の段落【0006】の「遊技の進行に係わる遊技プログラム(遊技プログラム)が記憶される遊技プログラム記憶領域(遊技プログラム領域)と、」との記載、段落【0197】の「さらにROM領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、・・・を含む。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項2は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、上記(2)で説示した課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「第2制御に係る第2プログラム」、「第2プログラム記憶領域」を、それぞれ、上記(2)で説示した課題に対応する「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」、「非遊技プログラム記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、本件特許明細書の段落【0006】の「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム(非遊技プログラム)が記憶される非遊技プログラム記憶領域(非遊技プログラム領域)と、」との記載、段落【0197】の「さらにROM領域は、・・・遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、・・・を含む。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項3は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、上記(2)で説示した課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「前記第1制御」、「前記第2制御」、「第1変動データ」及び「第1変動データ記憶領域」を、それぞれ、上記(2)で説示した課題に対応する「前記遊技プログラムに基づく制御」、「前記非遊技プログラムに基づく制御」、「遊技用変動データ」及び「遊技用変動データ記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、本件特許明細書の段落【0006】の「前記遊技プログラムが参照する遊技用変動データ(遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)と、」との記載、段落【0200】の「RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、・・・非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、・・・を含む。」との記載、段落【0220】の「CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。」との記載、段落【0221】の「CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項4は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、上記(2)で説示した課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「前記第2制御」、「前記第1制御」、「第2変動データ」及び「第2変動データ記憶領域」を、それぞれ、上記(2)で説示した課題に対応する「前記非遊技プログラムに基づく制御」、「前記遊技プログラムに基づく制御」、「非遊技用変動データ」及び「非遊技用変動データ記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項5は、本件特許明細書の段落【0006】の「前記非遊技プログラムが参照する非遊技用変動データ(非遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)と、」との記載、段落【0200】の「RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、・・・非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、・・・を含む。」との記載、段落【0220】の「CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。」との記載、段落【0221】の「CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項5は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項5は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項1に「前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、」という発明特定事項を加えて「遊技機」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項6は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項6は、本件特許明細書の段落【0216】の「本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図8に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。」との記載、段落【0217】の「CPU41aは、図9に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合・・・」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項6は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項6は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
訂正事項7は、訂正事項1により特許請求の範囲の請求項1に加えられた「プログラム実行手段」は、「前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、」という発明特定事項を加えて「遊技機」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項7は、本件特許明細書の段落【0237】の「尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。」との記載、段落【0274】の「CPU41aは、図13に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す場合に、まず、レジスタの値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。・・・非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、遊技プログラムに基づく処理に復帰し、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、遊技プログラムに基づく処理を再開するようになっている。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項7は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項7は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
訂正事項8は、上記(2)で説示した課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「前記第1変動データ記憶領域」、「前記第2変動データ記憶領域」を、それぞれ、上記(2)で説示した課題に対応する「前記遊技用変動データ記憶領域」、「前記非遊技用変動データ記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであり、また、訂正前の請求項1の「第1特定情報」と「第2特定情報」の意味は、令和1年11月20日付け取消理由通知書の「第2 ●理由1(3)」で説示したとおり、(a)「第1特定情報」と「第2特定情報」の内容が異なるもの、(b)「第1特定情報」と「第2特定情報」の内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶されるため、単に名称を変えて区別したもの、が存在すると解釈されるところ、訂正事項8は、訂正前の請求項1の「前記特定状態である旨を示す第1特定情報」と「前記特定状態である旨を示す第2特定情報」を、上記(b)の意味に対応するように、ともに、「前記特定状態である旨を示す特定情報」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項8のうち、訂正前の請求項1の「前記第1変動データ記憶領域」、「前記第2変動データ記憶領域」を、それぞれ、「前記遊技用変動データ記憶領域」、「前記非遊技用変動データ記憶領域」に限定する訂正は、上記「(4)ウ、(5)ウ」にて説示したとおり、本件特許明細書の段落【0200】の「RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、・・・非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、・・・を含む。」との記載、段落【0220】の「CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。」との記載、段落【0221】の「CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。」との記載等に基づくものである。
また、訂正事項8のうち、訂正前の請求項1の「第1特定情報」と「第2特定情報」を、ともに、「前記特定状態である旨を示す特定情報」に限定する訂正は、本件特許明細書の段落【0006】の「遊技状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)に前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)にも前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させる」との記載、、段落【0278】の「また、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照しない構成であっても、遊技状態が特定状態である場合に、遊技RAM領域に特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるとともに、非遊技RAM領域にも特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるようになっており、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方にて遊技状態が特定状態であることを特定し、それぞれ特定状態に応じた制御を行わせることができる。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項8は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項8は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
訂正事項9は、上記(2)で説示した課題に対応しない技術事項も包含する訂正前の請求項1の「前記第1制御」、「前記第1変動データ記憶領域」、「前記第2制御」及び「前記第2変動データ記憶領域」を、それぞれ、上記(2)で説示した課題に対応する「前記遊技プログラムに基づく制御」、「前記遊技用変動データ記憶領域」、「前記非遊技プログラムに基づく制御」及び「前記非遊技用変動データ記憶領域」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであり、また、訂正前の請求項1の「前記第1特定情報」と「前記第2特定情報」を、上記(8)アで説示した(b)の意味に対応するように、ともに、「前記特定状態である旨を示す特定情報」に限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、構成要件の削除ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項9のうち、訂正前の請求項1の「前記第1制御」、「前記第1変動データ記憶領域」、「前記第2制御」及び「前記第2変動データ記憶領域」を、それぞれ、「前記遊技プログラムに基づく制御」、「前記遊技用変動データ記憶領域」、「前記非遊技プログラムに基づく制御」及び「前記非遊技用変動データ記憶領域」に限定する訂正は、上記「(4)ウ、(5)ウ」にて説示したとおり、上記「(4)ウ、(5)ウ」にて説示したとおり、本件特許明細書の段落【0200】の「RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、・・・非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、・・・を含む。」との記載、段落【0220】の「CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。」との記載、段落【0221】の「CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。」との記載等に基づくものである。
また、訂正事項9のうち、訂正前の請求項1の「第1特定情報」と「第2特定情報」を、ともに、「前記特定状態である旨を示す特定情報」に限定する訂正は、上記「(8)ウ」にて説示したとおり、本件特許明細書の段落【0006】の「遊技状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)に前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)にも前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させる」との記載、、段落【0278】の「また、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照しない構成であっても、遊技状態が特定状態である場合に、遊技RAM領域に特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるとともに、非遊技RAM領域にも特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるようになっており、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方にて遊技状態が特定状態であることを特定し、それぞれ特定状態に応じた制御を行わせることができる。」との記載等に基づくものである。
したがって、訂正事項9は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項9は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
訂正事項10は、訂正事項1?9により、本件特許明細書の段落【0006】の記載が特許請求の範囲の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アのとおり、訂正事項10は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実施例の追加ではなく、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項10は、本件特許明細書の段落【0006】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合を取るためのものであるから、訂正事項1?9それぞれのウで説明したとおり、訂正事項10は、本件特許明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
よって、訂正事項10は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(11)小括
訂正事項1?9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5?6項の規定に適合するものである。
また、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5?6項の規定に適合するものである。

3 まとめ
上記1、2において検討したとおりであるから、本件特許明細書及び特許請求の範囲についての訂正を認める。


第3 本件訂正発明
訂正前の請求項1に係る発明は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA?Gに分説した)。
「【請求項1】
A 遊技を行う遊技機であって、
B 第1制御に係る第1プログラムが記憶される第1プログラム記憶領域と、
C 第2制御に係る第2プログラムが記憶される第2プログラム記憶領域と、
D 前記第1制御において更新及び参照され、前記第2制御において更新されない第1変動データが記憶される第1変動データ記憶領域と、
E 前記第2制御において更新及び参照され、前記第1制御において更新されない第2変動データが記憶される第2変動データ記憶領域と、
を備え、
F 遊技機の状態が特定状態である場合に、前記第1変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す第1特定情報を記憶させるとともに、前記第2変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す第2特定情報を記憶させ、
G 前記第1制御においては、前記第1変動データ記憶領域に記憶された前記第1特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記第2制御においては、前記第2変動データ記憶領域に記憶された前記第2特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、遊技機。」

そして、本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA、H、B1?E1、I、F1、G1に分説した。なお、B1?G1は、訂正前の請求項1に係る発明の構成B?Gに対応し、構成H、Iは、本件訂正により付加されたものであり、下線は、訂正された箇所を示す)。
(本件訂正発明)
「【請求項1】
A 遊技を行う遊技機であって、
H 複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、
B1 遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、
C1 遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、
D1 前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない遊技用変動データが記憶される遊技用変動データ記憶領域と、
E1 前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない非遊技用変動データが記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、
を備え、
I 前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、
前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、
F1 遊技機の状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、
G1 前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、遊技機。」


第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
当審において令和1年11月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次の(1)?(3)のとおりである。
(1)理由1.(新規事項)平成30年4月25日付け手続補正書でした補正、及び同年10月10日付け手続補正書でした補正が、訂正前の請求項1に係る発明の構成B?Gについて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願についてされたものである。

(2)理由2.(サポート要件)訂正前の請求項1に係る発明構成B?Gは本件特許明細書に記載されておらず、本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものである。

(3)理由3.(新規性)訂正前の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物(甲第1号証)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2014-73180号公報(公知日:平成26年4月24日)

2 甲号証について
甲第1号証には、次の事項が記載されている(下線は当審にて付した)。
(1)「【0050】
次に、パチスロ10の電気的構成を図3にしたがって説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0051】
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。そして、主制御用CPU40aには、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)、リールセンサSE1?SE3、メダルセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。」

(2)「【0055】
次に、主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1,T2,T3について、図4に基づき説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選役の種類と、抽選対象となる各当選役の当選確率(抽選対象となる各当選役に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。そして、各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。一般遊技において、低確RT遊技に当選役決定テーブルT1が、高確RT遊技に当選役決定テーブルT2が、BN遊技に当選役決定テーブルT3がそれぞれ対応付けられている。」

(3)「【0065】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部17の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払い出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー26に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー26に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払い出させるように制御する。」

(4)「【0067】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー22の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選とする当選役を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して遊技状態を把握している。本実施形態では、このようにして役抽選を行う主制御用CPU40aが当選役決定手段として機能する。」

(5)上記(1)?(4)の記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。a、h、b1?e1、i、f1、g1は、本件訂正発明の分説(A、H、B1?E1、I、F1、G1)に対応させて、当審にて付与した。)が開示されていると認められる。
「a パチスロ10であって(【0050】)、
h メイン制御プログラムに基づき処理を実行する主制御用CPU40aと(【0065】)、
b1、c1 遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40b(【0050】、【0051】)、を備え、
d1、e1 主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して遊技状態を把握し(【0067】)、
i 主制御用CPU40aは、メイン制御プログラムに基づき処理を実行し(【0065】)、
f1 遊技状態には低確RT遊技と高確RT遊技とBN遊技とがあり(【0055】)、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定し(【0067】)、
g1 主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに設定した遊技状態を示す状態情報(フラグなど)により遊技状態を把握して遊技機全体を制御する(【0050】、【0067】)、パチスロ10。(【0050】)」

3 当審における判断
(1)理由1(新規事項)について
取消理由1は、本件特許の課題は、「一の記憶領域において遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらないプログラムと、が混在していると、どのプログラムが遊技の進行に係わるプログラムであるか、の判別が困難であること」と認められるところ、平成30年4月25日付け手続補正書でした補正により、補正前の「遊技の進行に係わるプログラム」、「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」が、それぞれ、訂正前の請求項1に係る発明の構成B、Cの発明特定事項である「第1制御に係る第1プログラム」、「第2制御に係る第2プログラム」に変更され、当該「第1制御に係る第1プログラム」及び「第2制御に係る第2プログラム」は、上記課題に対応しない任意のプログラムの組み合わせも包含されるようになったため、平成30年4月25日付け手続補正書でした、「遊技の進行に係わるプログラム」、「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」を、それぞれ、「第1制御に係る第1プログラム」、「第2制御に係る第2プログラム」に変更する補正、及び当該補正に関連して、「遊技プログラム記憶領域」を「第1プログラム記憶領域」に変更する補正、「非遊技プログラム記憶領域」を「第2プログラム記憶領域」に変更する補正、「遊技用変動データ記憶領域」を「第1変動データ記憶領域」に変更する補正、「非遊技用変動データ記憶領域」を「第2変動データ記憶領域」に変更する補正は、新規事項を追加するものであるというものであった。
また、平成30年10月10日付け手続補正書でした補正により、補正前の「第1変動データ記憶領域に」「記憶させる」「特定状態である旨を示す情報」、「第2変動データ記憶領域にも」「記憶させる」「特定状態である旨を示す情報」が、それぞれ、訂正前の請求項1に係る発明の構成F、Gの発明特定事項である「第1特定情報」、「第2特定情報」である旨の特定がなされ、当該「第1特定情報」及び「第2特定情報」の意味は、(a)「第1特定情報」と「第2特定情報」の内容が異なるもの、(b)「第1特定情報」と「第2特定情報」の内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶されるため、単に名称を変えて区別したもの、が存在すると解釈されるが、当初明細書等の記載から、当該「第1特定情報」及び「第2特定情報」が意味するところは、上記(b)のみであると認められるから、上記(a)の解釈も包含する、「特定情報」を「第1特定情報」及び「第2特定情報」に特定する補正は、新規事項を追加するものであるというものであった。
しかしながら、上記「第2 1(2)?(5)」にて説示のとおり、訂正前の請求項1に係る発明の「第1制御に係る第1プログラム」、「第2制御に係る第2プログラム」、「第1プログラム記憶領域」、「第2プログラム記憶領域」、「第1変動データ記憶領域」及び「第2変動データ記憶領域」は、それぞれ、本件訂正発明の「遊技の進行に係わる遊技プログラム」、「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」、「遊技プログラム記憶領域」、「非遊技プログラム記憶領域」、「遊技用変動データ記憶領域」及び「非遊技用変動データ記憶領域」に訂正され、また、上記「第2 1(8)、(9)」にて説示のとおり、訂正前の請求項1に係る発明の「第1特定情報」及び「第2特定情報」は、ともに、本件訂正発明の「特定情報」に訂正され、上記「第2 2(2)ウ、(3)ウ、(4)ウ、(5)ウ、(8)ウ、(9)ウ」にて説示のとおり、本件訂正発明の当該構成は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されているものである。
そして、本件特許明細書における段落【0006】以外の各段落及び本件特許の願書に添付した図面の記載内容は、本件特許の願書に最初に添付した明細書の段落【0006】以外の各段落および願書に最初に添付した図面の記載内容と同じであり、また、本件特許明細書における段落【0006】において、訂正の根拠とした記載内容は、本件特許の願書に最初に添付した明細書における段落【0006】にも同様に記載されている。
そうすると、本件訂正発明は、本件特許の願書に最初に添付した明細書又は図面においても記載されたものといえる。
したがって、本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

(2)理由2(サポート要件)について
取消理由2は、訂正前の請求項1に係る発明の構成B?Gにおける「第1制御に係る第1プログラム」及び「第2制御に係る第2プログラム」は、上記(1)で説示したとおり、本件特許の課題に対応しない任意のプログラムの組み合わせを包含するが、当該任意のプログラムの組み合わせ、及び当該プログラムに関連する「第1プログラム記憶領域」、「第2プログラム記憶領域」、「第1変動データ記憶領域」、「第2変動データ記憶領域」については、当初明細書等に記載も示唆もされていない上に、当初明細書等の記載から当業者にとって自明であるともいえないというもの、また、訂正前の請求項1に係る発明の構成F、Gにおける「第1特定情報」及び「第2特定情報」について、「第1特定情報」と「第2特定情報」の内容が異なるものについては、当初明細書等に記載も示唆もされていない上に、当初明細書等の記載から当業者にとって自明であるともいえないというものであった。
しかしながら、上記(1)で説示したとおり、訂正前の請求項1に係る発明の「第1制御に係る第1プログラム」、「第2制御に係る第2プログラム」、「第1プログラム記憶領域」、「第2プログラム記憶領域」、「第1変動データ記憶領域」及び「第2変動データ記憶領域」は、それぞれ、本件訂正発明の「遊技の進行に係わる遊技プログラム」、「遊技プログラム記憶領域」、「遊技用変動データ記憶領域」、「非遊技プログラム記憶領域」、「遊技用変動データ記憶領域」及び「非遊技用変動データ記憶領域」に訂正され、また、訂正前の請求項1に係る発明の「第1特定情報」、「第2特定情報」は、ともに、本件訂正発明の「特定情報」に訂正され、本件訂正発明の当該構成については、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものとなっているとともに、上記「第2 2(2)ウ、(3)ウ、(4)ウ、(5)ウ、(8)ウ、(9)ウ」で説示したとおり、本件特許明細書に記載した事項の範囲内のものである。
そうすると、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。
したがって、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

(3)理由3(新規性)について
取消理由3は、訂正前の請求項1に係る発明は、甲1発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当する、というものであった。
ア 対比
本件訂正発明と甲1発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)、(h)、(b1)?(e1)、(i)、(f1)、(g1)は、本件訂正発明のA、H、B1?E1、I、F1、G1に対応させている。
(a)甲1発明の構成aにおける「パチスロ10」は、本件訂正発明の構成Aの「遊技機」に相当する。
してみると、甲1発明の構成aは、本件訂正発明の構成Aに相当する。

(h)甲1発明の構成hにおける「メイン制御プログラムに基づき処理を実行する」こと、「主制御用CPU40a」は、それぞれ、本件訂正発明の構成Hの「プログラムに基づく制御を実行する」こと、「プログラム実行手段」に相当する。
してみると、甲1発明の構成hは、本件訂正発明の構成Hと、「プログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段」である点で共通する。

(b1)、(c1)甲1発明の構成b1、c1において、「主制御基板40」は「遊技機全体を制御する」ということは、「主制御基板40」は遊技の進行に係わる制御、及び遊技の進行に係わらない制御を実行するものといえるから、甲1発明の構成b1、c1における「主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラム」、「主制御用ROM40b」は、それぞれ、本件訂正発明の構成B1の「遊技の進行に係わる遊技プログラム」と本件訂正発明の構成C1の「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」、本件訂正発明の構成B1、C1の「プログラム記憶領域」に相当する。
してみると、甲1発明の構成b1、c1は、本件訂正発明の構成B1、C1と、「遊技の進行に係わる遊技プログラム」と「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」が「記憶される」「プログラム記憶領域」を備える点で共通する。

(d1)、(e1)甲1発明の構成d1、e1における「主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定」することは、本件訂正発明の構成D1の「前記遊技プログラムに基づく制御において更新」「され」る「変動データ」を「変動データ記憶領域」に「記憶」することと、本件訂正発明の構成E1の「前記非遊技プログラムに基づく制御において更新」「され」る「変動データ」を「変動データ記憶領域」に「記憶」することに相当する。
また、甲1発明の構成d1、e1において、「主制御用CPU40aは」「遊技状態を把握」するにあたり「遊技状態を示す状態情報(フラグなど)」を参照することは自明であるから、甲1発明の構成d1、e1は、本件訂正発明の構成D1における「前記遊技プログラムに基づく制御において」「変動データ」を「参照」する構成と、本件訂正発明の構成E1における「前記非遊技プログラムに基づく制御において」「変動データ」を「参照」する構成を備えるものといえる。
してみると、甲1発明の構成d1、e1は、本件訂正発明の構成D1、E1と、「前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され」る「変動データ」と、「前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され」る「変動データが記憶される」「変動データ記憶領域」を備える点で共通する。

(i)甲1発明の構成iは、本件訂正発明の構成Iと、「前記プログラム実行手段は、前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、」「前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であ」る点で共通する。

(f1)甲1発明の構成f1において、「低確RT遊技」、「高確RT遊技」、「BN遊技」のいずれかの遊技が行われていれば、そのときの遊技状態は「特定状態」であるといえるから、甲1発明の構成f1において、「低確RT遊技と高確RT遊技とBN遊技」のいずれかの遊技が行われているときに「遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定」することは、本件訂正発明の構成F1における「遊技機の状態が特定状態である場合に、」「前記」「変動データ記憶領域に」「前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ」ることに相当する。
してみると、甲1発明の構成f1は、本件訂正発明の構成F1と、「遊技機の状態が特定状態である場合に、」「前記」「変動データ記憶領域に」「前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ」る点で共通する。

(g1)甲1発明の構成g1における「主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに設定した遊技状態を示す状態情報(フラグなど)により遊技状態を把握して遊技機全体を制御」することは、本件訂正発明の構成G1の「前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記」「変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記」「変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する」ことに相当する。
してみると、甲1発明の構成g1は、本件訂正発明の構成G1と、「前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記」「変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記」「変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、遊技機」である点で共通する。

ゆえに、本件訂正発明と甲1発明とは、
「A 遊技を行う遊技機であって、
H’ プログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、
B1’、C1’ 遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶されるプログラム記憶領域と、
D1’、E1’ 前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照される変動データと、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照される変動データが記憶される変動データ記憶領域と、
を備え、
I’ 前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、
F1’ 遊技機の状態が特定状態である場合に、前記変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、
G1’ 前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、
前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成H)
「プログラム実行手段」が「プログラムに基づく制御を実行する」にあたり、本件訂正発明は、「複数のレジスタを用い」るのに対し、甲1発明は、レジスタを用いることについて明記されていない点。

[相違点2](構成B1、C1)
「プログラムが記憶される」「プログラム記憶領域」について、本件訂正発明は、プログラムが「遊技の進行に係わる遊技プログラム」と「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」に区別され、それぞれ、「遊技プログラム記憶領域」と「非遊技プログラム記憶領域」に記憶されるのに対し、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラムが、遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明な点。

[相違点3](構成D1)
「前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、」「変動データ記憶領域」に「記憶される」「変動データ」について、本件訂正発明は、「遊技用変動データ」として「遊技用変動データ記憶領域」に「記憶され」、「前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない」のに対し、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラム、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)、及び当該状態情報が設定される主制御用RAM40cが、遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明な点。

[相違点4](構成E1)
「前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、」「変動データ記憶領域」に「記憶される」「変動データ」について、本件訂正発明は、「非遊技用変動データ」として「非遊技用変動データ記憶領域」に「記憶され」、「前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない」のに対し、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラム、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)、及び当該状態情報が設定される主制御用RAM40cが、遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明な点。

[相違点5](構成I)
「前記プログラム実行手段」が「前記遊技プログラムに基づく制御」及び「前記非遊技プログラムに基づく制御を実行」するにあたり、本件訂正発明は、「前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行」するのに対し、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラムが遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明であり、主制御用CPU40aがレジスタを用いることについて明記されていない点。

[相違点6](構成F1)
「遊技機の状態が特定状態である場合に、」「前記」「変動データ記憶領域に」「前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ」るにあたり、本件訂正発明は、「前記遊技用変動データ記憶領域」と「前記非遊技用変動データ記憶領域」に「前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ」るのに対し、甲1発明は、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を設定する主制御用RAM40cを遊技用と非遊技用に区別しているか否かが不明である点。

[相違点7](構成G1)
「前記」「変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する」にあたり、本件訂正発明は、「前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する」のに対し、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラム、及び遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を設定する主制御用RAM40cを、遊技用と非遊技用に区別しているか否かが不明である点。

イ 判断
上記相違点1?7は、プログラム実行手段がプログラムに基づく制御を実行する場合に互いに関連する、複数のレジスタ、遊技プログラム、遊技プログラム記憶領域、非遊技プログラム、非遊技プログラム記憶領域、遊技用変動データ、遊技用変動データ記憶領域、非遊技用変動データ、及び非遊技用変動データ記憶領域という技術事項に関するものであるため、まとめて検討する。
本件訂正発明は、構成H、B1?E1、I、F1、G1を備えることで、本件特許明細書の段落【0006】に記載の、「遊技プログラム、遊技用固定データ及び遊技用変動データと、非遊技プログラム、非遊技用固定データ及び非遊技用変動データと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる」という格別の効果、及び本件特許明細書の段落【0237】に記載の、「非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない」という格別の効果を奏するものである。
これに対して、甲1発明は、遊技機全体を制御する主制御基板40に設けられた主制御用CPU40aの制御プログラムは、遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明であることに加え、プログラム記憶領域、変動データ、及び変動データ記憶領域についても遊技用、非遊技用に区別されているか否かが不明である。
また、甲1発明には、主制御用CPU40aが複数のレジスタを用いることについて明記されておらず、プログラム実行手段が2つのプログラムに基づく制御を実行するにあたり、一方のプログラムに基づく制御から他方のプログラムに基づく制御に切り換える場合、一方のプログラムに基づく制御においてレジスタに記憶したデータを退避して、他方のプログラムに基づく制御を実行し、他方のプログラムに基づく制御の終了後、退避したデータを復帰して一方のプログラムに基づく制御を実行することが技術常識であるとしても、甲1発明は、本件訂正発明の遊技プログラム、遊技プログラム記憶領域、非遊技プログラム、非遊技プログラム記憶領域、遊技用変動データ、遊技用変動データ記憶領域、非遊技用変動データ、及び非遊技用変動データ記憶領域を特定する構成H、B1?E1、I、F1、G1を備えるものではなく、甲第1号証には、本件訂正発明の、遊技プログラム、遊技プログラム記憶領域、非遊技プログラム、非遊技プログラム記憶領域、遊技用変動データ、遊技用変動データ記憶領域、非遊技用変動データ、及び非遊技用変動データ記憶領域を特定する構成H、B1?E1、I、F1、G1について記載も示唆もされていない。
よって、本件訂正発明と甲1発明には、上記相違点1?7があり、甲第1号証には上記相違点1?7に係る各構成について記載も示唆もなされていないのだから、本件訂正発明は、甲1発明と同一であるということはできない。

4 特許異議申立人の意見について
(1)特許異議申立人は、本件訂正発明は、「プログラム実行手段」を含む構成H、Iが追加されたため、訂正前の請求項1に係る発明の課題が、「遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行と係わらないプログラムと、を容易に判別できる遊技機を提供すること」であったにもかかわらず、本件訂正発明の課題が、「遊技用変動データが非遊技プログラムによって更新されないことに加え、非遊技プログラムから遊技プログラムが使用するレジスタの値を書き換えることも不可能となり、非遊技プログラムが遊技プログラムの制御に影響しないことを担保すること」となり、発明の課題が実質的に変更され、また、訂正前の請求項1に係る発明の課題を解決するための手段が、「第1プログラム記憶領域」、「第2プログラム記憶領域」、「第1変動データ記憶領域」、「第2変動データ記憶領域」とを備えることであったにもかかわらず、本件訂正発明の課題を解決するための手段は、さらに「プログラム実行手段」を備え、当該「プログラム実行手段」が、遊技プログラム及び非遊技プログラムを呼び出し、それぞれに基づく制御を実行することに変更され、本件訂正により、課題を解決するための手段も実質的に変更され、特許請求の範囲を実質上、変更するものであるから、本件訂正は認められるべきではないと主張する。
しかしながら、訂正前の請求項1に係る発明は、特許異議申立人が主張する「遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行と係わらないプログラムと、を容易に判別できる遊技機を提供すること」という課題に加え、本件特許明細書の段落【0006】に記載のとおり、「遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方の設計も容易」とするという課題も前提としており、訂正前の請求項1に係る発明の課題は、遊技機において実行される制御、そのためのプログラム、プログラム記憶領域、変動データ、及び変動データ記憶領域を、それぞれ、「第1制御」と「第2制御」、「第1プログラム」と「第2プログラム」、「第1プログラム記憶領域」と「第2プログラム記憶領域」、「第1変動データ」と「第2変動データ」、及び「第1変動データ記憶領域」と「第2変動データ記憶領域」に区別した訂正前の請求項1に係る発明の構成B?Gにより解決されるものであり、上記「第2 1(2)?(5)、(8)、(9) 」で説示したとおり、訂正前の請求項1に係る発明の構成B?Gは、それぞれ、本件訂正発明の構成B1?G1に訂正され、これらの訂正は、上記「第2 2(2)ア、(3)ア、(4)ア、(5)ア、(8)ア、(9)ア 」で説示したとおり、訂正前の請求項1に係る発明の「第1制御に係る第1プログラム」、「第1プログラム記憶領域」、「第2制御に係る第2プログラム」、「第2プログラム記憶領域」、「前記第1制御」、「前記第2制御」、「第1変動データ」、「第1変動データ記憶領域」、「第2変動データ」、「第2変動データ記憶領域」、及び「前記特定状態である旨を示す第1特定情報」と「前記特定状態である旨を示す第2特定情報」を、それぞれ、「遊技の進行に係わる遊技プログラム」、「遊技プログラム記憶領域」、「遊技の進行に係わらない非遊技プログラム」、「非遊技プログラム記憶領域」、「前記遊技プログラムに基づく制御」、「前記非遊技プログラムに基づく制御」、「遊技用変動データ」、「遊技用変動データ記憶領域」、「非遊技用変動データ」、「非遊技用変動データ記憶領域」、及び「前記特定状態である旨を示す特定情報」に限定するもの、つまり、本件訂正発明の構成B1?G1は、訂正前の請求項1に係る発明の課題を解決するために必要不可欠の構成となっているから、訂正前の請求項1に係る発明の課題と本件訂正発明の課題が異なるものではない。
仮に、本件訂正発明の課題が、特許異議申立人が主張する、「遊技用変動データが非遊技プログラムによって更新されないことに加え、非遊技プログラムから遊技プログラムが使用するレジスタの値を書き換えることも不可能となり、非遊技プログラムが遊技プログラムの制御に影響しないことを担保すること」であると認定した場合について検討すると、本件訂正発明は、構成H、Iにより、レジスタの値の保護処理及び復帰処理を、「遊技プログラムに基づく制御」と「非遊技プログラムに基づく制御」に区別して実行するように構成されていることから、当該構成H、Iは、「遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方の設計も容易」とするという訂正前の請求項1に係る発明の課題を解決できることは明らかであり、当該構成H、Iは、訂正前の請求項1に係る発明の課題を解決するための手段である本件訂正発明の構成B1?G1の延長線上の構成にすぎないから、訂正前の請求項1に係る発明の課題と特許異議申立人が主張する本件訂正発明の課題が異なるものではない。
してみると、本件訂正発明の課題は、訂正前の請求項1に係る発明の課題を変更したものとはいえず、本件訂正により特許請求の範囲を変更するものであるとはいえないから、上記主張は採用できない。

(2)特許異議申立人は、訂正前の請求項1に係る発明の構成F、Gにおける「第1特定情報」及び「第2特定情報」は、出願時は、いずれも「特定状態であることを示す情報」であったものを、審査過程で、敢えて、内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶されるために、「第1特定情報」及び「第2特定情報」と限定し、区別したもの、すなわち、両者は、「(b)内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶されるため、単に名称を変えて区別したもの」であることは明確であり、「(a)内容が異なるもの」が存在すると解釈されるとの特許権者による主張は、「第1特定情報」及び「第2特定情報」を「特定情報」に上位概念化することを、「限定」と糊塗することを意図した作為的なものであるから、「第1特定情報」及び「第2特定情報」をいずれも「特定情報」に訂正することは、不明瞭な記載の釈明には相当せず、上位概念化であり、単なる拡張であるから、本件訂正は認められるべきではないと主張する。
しかしながら、特許異議申立人は、令和1年10月1日付け特許異議申立書において、当初明細書等の段落【0278】には、遊技RAM領域、非遊技RAM領域の両領域に「特定状態であることを示す情報」が記憶され、遊技プログラムと非遊技プログラムが、遊技状態が特定状態であることを特定し、遊技状態に応じた制御を行うことは記載されているところ、訂正前の請求項1に係る発明の構成F、Gで特定した、両領域に記憶される情報が、それぞれ区別可能な「第1特定情報」及び「第2特定情報」であって、遊技プログラムと非遊技プログラムが、それぞれ、「第1特定情報」と「第2特定情報」に基づいて、特定状態に応じた制御を行う構成は、当初明細書等に記載されていないことを指摘しており、当審においても令和1年11月20日付け取消理由通知書で同様の趣旨の指摘をしたところである。
そうすると、「第1特定情報」及び「第2特定情報」をともに「特定情報」に訂正することは、訂正前の請求項1に係る発明において、「(a)内容が異なるもの」及び「(b)内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶されるため、単に名称を変えて区別したもの」という意味に解釈されるものを、本件訂正により「内容は同じであるが別個の記憶領域に記憶される」という当初明細書等の記載内容に解釈されるように限定するものであって、上位概念化とは認められないから、上記主張は採用できない。


第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、令和1年10月1日付け特許異議申立書において、申立ての理由2として、仮に訂正前の請求項1に係る発明と甲1発明とに相違点があったとしても、その相違点は、設計事項程度のものにすぎないから、訂正前の請求項1に係る発明は、甲1発明から、当業者が容易に想到し得たものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである、と主張する。
しかしながら、上記「第4 3(3)」で説示したとおり、甲1発明は、上記相違点1?7に係る本件訂正発明の構成を備えておらず、甲第1号証に記載された事項を参酌しても、当該構成は、設計事項程度のものとはいえず、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
よって、本件訂正発明が、甲1発明に基いて当業者が容易に想到し得たものではない。


第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機としては、例えば、遊技者の操作に応じて抽選や各部の動作を行わせるための遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらない異常検知(例えば、異常入賞判定)等に係るプログラムと、が一の記憶領域に混在して格納されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-222418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機では、一の記憶領域において遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらないプログラムと、が混在していると、どのプログラムが遊技の進行に係わるプログラムであるか、の判別が困難であった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行と関わらないプログラムと、を容易に判別できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の遊技機は、
遊技を行う遊技機であって、
複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、
遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、
遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、
前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない遊技用変動データが記憶される遊技用変動データ記憶領域と、
前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない非遊技用変動データが記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、
を備え、
前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、
前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、
遊技機の状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、
前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、
遊技の進行に係わる遊技プログラム(遊技プログラム)が記憶される遊技プログラム記憶領域(遊技プログラム領域)と、
前記遊技プログラムが参照する遊技用固定データ(遊技データ)が読み出し可能に記憶される遊技用固定データ記憶領域(遊技データ領域)と、
前記遊技プログラムが参照する遊技用変動データ(遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)と、
前記遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム(非遊技プログラム)が記憶される非遊技プログラム記憶領域(非遊技プログラム領域)と、
前記非遊技プログラムが参照する非遊技用固定データ(非遊技データ)が読み出し可能に記憶される非遊技用固定データ記憶領域(非遊技データ領域)と、
前記非遊技プログラムが参照する非遊技用変動データ(非遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)と、
前記遊技プログラム及び前記非遊技プログラムを実行するプログラム実行手段(CPU41a)と、
を備え、
前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムを実行する際に、前記非遊技用固定データ記憶領域(非遊技データ領域)及び前記非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)を参照せず、
前記非遊技プログラムを実行する際に、前記遊技用固定データ記憶領域(遊技データ領域)及び前記遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)を参照せず、
遊技状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)に前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)にも前記特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等)を記憶させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、遊技プログラムが参照する遊技用固定データが読み出し可能に記憶される遊技用固定データ記憶領域と、遊技プログラムが参照する遊技用変動データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技用変動データ記憶領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技用固定データが読み出し可能に記憶される非遊技用固定データ記憶領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技用変動データが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技用固定データ及び遊技用変動データと、非遊技プログラム、非遊技用固定データ及び非遊技用変動データと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、プログラム実行手段が、遊技プログラムを実行する際に、非遊技用固定データ記憶領域及び非遊技用変動データ記憶領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技用固定データ記憶領域及び遊技用変動データ記憶領域を参照しないため、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方の設計も容易となる。
また、遊技プログラムを実行する際に、非遊技用変動データ記憶領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技用変動データ記憶領域を参照しない構成であっても、遊技状態が特定状態である場合に、遊技用変動データ記憶領域に特定状態であることを示す情報を記憶させるとともに、非遊技用変動データ記憶領域にも特定状態であることを示す情報を記憶させるようになっており、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方にて遊技状態が特定状態であることを特定し、それぞれ特定状態に応じた制御を行わせることができる。
【0007】
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
プログラム実行手段が用いる特定記憶領域(レジスタ)を備え、
プログラム実行手段は、前記遊技プログラムにおいて特定記憶領域(レジスタ)に記憶させた値を前記非遊技プログラムが使用できるように受け渡す
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技プログラムにおいて使用するデータを非遊技プログラムにおいても使用することが可能となる。
【0008】
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
プログラム実行手段が用いる特定記憶領域(レジスタ)を備え、
プログラム実行手段は、前記非遊技プログラムにおいて特定記憶領域(レジスタ)に記憶させた値を特定値(スタックに退避した値)に更新してから前記遊技プログラムに復帰する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、非遊技プログラムにおいて特定記憶領域に記憶された値が遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
【0009】
本発明の手段4の遊技機は、手段1?3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技プログラム及び前記非遊技プログラムは、それぞれ処理内容が同じ判定プログラム(共通判定プログラム)を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、互いの結果に影響を及ぼさずに同様の判定を行うことができる。
【0010】
本発明の手段5の遊技機は、手段1?4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記非遊技プログラムは、特定条件が成立したとき(異常が検知されたとき)に遊技の進行を不能化させる処理(エラー処理)を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
【0011】
本発明の手段6の遊技機は、手段1?5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技プログラムは、遊技の進行に係わる複数種類の処理から呼び出されて実行される第1の共通プログラム(遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラム)を含み、
前記非遊技プログラムは、遊技の進行に係らない複数種類の処理から呼び出されて実行されるプログラムであり前記第1の共通プログラムと同じ処理を行う第2の共通プログラム(非遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラム)を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、処理内容が同じ共通プログラムであっても遊技プログラムと非遊技プログラムとでそれぞれ備えるため、処理内容が同じ共通プログラムであっても遊技プログラムに含まれるものか非遊技プログラムに含まれるものかを容易に特定することができる。
【0012】
本発明の手段7の遊技機は、手段1?6のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技の進行に用いられない非遊技検出手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)を備え、
前記非遊技検出手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、非遊技検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
【0013】
本発明の手段8の遊技機は、手段1?7のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技の進行に用いられる遊技検出手段(投入メダルセンサ31、払出センサ34c)を備え、
前記遊技検出手段(投入メダルセンサ31、払出センサ34c)の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、前記遊技検出手段(投入メダルセンサ31、払出センサ34c)により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、遊技検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、遊技検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても遊技検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
【0014】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用された実施例1?3のスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】メイン制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】メイン制御部におけるアドレスマップの一例を示す図である。
【図7】実施例1における遊技プログラム及び非遊技プログラムの構成を示す図である。
【図8】実施例1における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図9】実施例1において非遊技プログラムを呼び出す際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施例1のメイン制御部における起動処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】実施例1のメイン制御部における電断処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】実施例2における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図13】実施例2において非遊技プログラムを呼び出す際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施例3における遊技プログラム及び非遊技プログラムの構成を示す図である。
【図15】実施例3における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図16】変形例1における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図17】変形例2における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図18】変形例3における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図19】変形例4における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図20】変形例5における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【図21】変形例6における遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0018】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0019】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。
【0020】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0021】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0022】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの裏面には、裏面側から表示領域51aを照射するための導光板(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、表示領域51aのうち透過領域51bを除く領域に内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。液晶表示器51は、液晶素子を、導光板により照射された光を通過させる状態と通過させない状態とのいずれかに制御することにより、表示態様を変化させることが可能な表示装置である。
【0023】
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0024】
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0025】
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0026】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0027】
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0028】
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0029】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
【0030】
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては遊技者にとっての有利度(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0031】
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0032】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0033】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0034】
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1?4を設定している。無効ラインLM1?4は、これら無効ラインLM1?4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1?4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル-ベル-ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
【0035】
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル-スイカ-チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1?LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ-スイカ-スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1?LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1?LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
【0036】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0037】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0038】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0039】
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
【0040】
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0041】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0042】
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0043】
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
【0044】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0045】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。尚、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
【0046】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0047】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、投入口センサ26、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0048】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0049】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
【0050】
メイン制御部41は、主に遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0051】
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、図5に示すクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、図5に示す乱数回路508a、508bに供給される。
【0052】
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路47は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
【0053】
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
【0054】
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。
【0055】
リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
【0056】
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。
【0057】
クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。
【0058】
照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
【0059】
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
【0060】
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。
【0061】
RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部(本実施例ではRAM41cの全領域)は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
【0062】
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを4チャネル搭載している。
【0063】
乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。
【0064】
タイマ回路509は、8ビットプログラマブルタイマであり、メイン制御部41は、タイマ回路509として、8ビットのカウンタを3チャネル備える。本実施例では、タイマ回路509を用いてユーザプログラムによる設定により、リアルタイム割込要求や時間計測を行うことが可能である。
【0065】
割込コントローラ510は、PI5/XINT端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。
【0066】
パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポート(PIP)を内蔵する。また、図5に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポート(POP)を内蔵する。
【0067】
シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。尚、メイン制御部41は、シリアル通信回路512として、送受信両用の1チャネルの回路と、送信用のみの3チャネルの回路と、を備える。
【0068】
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
【0069】
本実施例においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0070】
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
【0071】
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0072】
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
【0073】
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0074】
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0075】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0076】
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0077】
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0078】
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
【0079】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
【0080】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
【0081】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0082】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0083】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0084】
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
【0085】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0086】
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
【0087】
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0088】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0089】
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
【0090】
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0091】
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0092】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0093】
本実施例においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、ボーナス終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
【0094】
初期化1は起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、ボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
【0095】
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりするようにしても良い。
【0096】
また、本実施例では、初期化1においてRAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される構成であるが、RAM41cの全ての領域が初期化される構成としても良い。
【0097】
また、特別ワークは、遊技状態を示す遊技状態フラグが格納される遊技状態格納ワーク及び内部当選フラグが格納される内部当選フラグ格納ワークを含み、前述のように設定変更状態に移行する場合にも特別ワークは初期化されることがないため、設定変更がされた場合でも設定変更前の遊技状態及び内部当選フラグが維持されるようになっている。
【0098】
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
【0099】
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
【0100】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
【0101】
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0102】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0103】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0?65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
【0104】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0105】
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0106】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
【0107】
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0108】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態という)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0109】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0110】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0111】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0?335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0?20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0?20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0?20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0112】
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0113】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0114】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0115】
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0116】
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0117】
また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0118】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
【0119】
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0120】
また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
【0121】
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0122】
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
【0123】
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
【0124】
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0125】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。
【0126】
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
【0127】
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。
【0128】
これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
【0129】
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、RT(リプレイタイム)中の旨を示すRT中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
【0130】
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。
【0131】
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。
【0132】
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
【0133】
本実施例では、遊技制御基板40が、インターフェイス(IF)基板を介して試験装置と接続可能とされており、試験用信号が試験装置から遊技制御基板40に対して入力されるとともに、遊技の結果に関連して発生する試験信号が遊技制御基板40から試験装置に対して出力されるようになっており、遊技制御基板40と試験装置を接続することにより自動的にシミュレーション試験を行うことが可能とされている。
【0134】
本実施例では、投入要求ランプ信号、スタート可能ランプ信号、BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号、第1?3リールストップ可能ランプ信号、第1?3リールインデックス信号、払出要求信号、払出カウント信号、打止信号、設定値表示用7セグメント表示a?g信号、内部当選フラグ信号、第1リールモータ励磁信号、第2リールモータ励磁信号、第3リールモータ励磁信号が、試験信号として遊技制御基板40から試験装置に対して出力される。
【0135】
これら遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される試験信号は、メイン制御部41の制御によって出力されるようになっている。
【0136】
投入要求ランプ信号は、投入要求LED17の駆動信号、すなわち投入要求LED17が点灯しているか否かを示す信号であり、メダルの投入が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
【0137】
スタート可能ランプ信号は、スタート有効LED18の駆動信号、すなわちスタート有効LED18が点灯しているか否かを示す信号であり、ゲームの開始操作が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
【0138】
BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号は、各々遊技状態がBB中、RB中、リプレイゲーム中を示す信号であり、その時点の遊技状態を特定可能とされている。
【0139】
第1?3リールストップ可能ランプ信号は、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの駆動信号、すなわち左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯しているか否かを示す信号であり、左リール、中リール、右リールの停止操作が可能か否かを特定可能とされている。
【0140】
第1?3リールインデックス信号は、リールセンサ33L、33C、33Rの検出信号であり、左リール、中リール、右リールの基準位置の通過を特定可能とされている。
【0141】
払出要求信号は、ホッパーモータ34bの駆動信号、すなわちホッパーモータ34bが駆動しているか否かを示す信号であり、メダルの払出動作が行われている旨を特定可能とされている。
【0142】
払出カウント信号は、入賞に伴うメダルの払出を検出する毎に出力される信号であり、試験装置1300側でメダルの払出をカウントさせるための信号である。
【0143】
打止信号は、打止状態に制御されている旨を示す信号である。
【0144】
設定値表示用7セグメント表示a?g信号は、設定値表示器24の各セグメントを構成するLEDの駆動信号であり、設定値表示器24に表示されている設定値を特定可能とされている。
【0145】
内部当選フラグ信号は、役の当選状況を示す信号である。
【0146】
第1?3リールモータ励磁信号は、リールモータ32L、32C、32R、すなわち左リール、中リール、右リールを駆動するリールモータの駆動信号であり、各リールの駆動状況を特定可能とされている。
【0147】
本実施例では、投入スイッチ信号、リールスタートスイッチ信号、第1?3リールストップスイッチ信号、払出スイッチ信号、打止解除スイッチ信号、設定キースイッチ信号、設定スイッチ信号が、試験用信号として試験装置から遊技制御基板40に対して入力される。これら試験用信号は、スロットマシン1が備える各種スイッチやセンサの検出信号と同様に機能する信号であり、これら試験用信号は、遊技制御基板40が備えるスイッチ検出回路44により検出され、メイン制御部41により各試験用信号に対応したスイッチやセンサの検出が判定されるようになっている。
【0148】
投入スイッチ信号は、投入メダルセンサ31に対応する信号であり、リールスタートスイッチ信号は、スタートスイッチ7に対応する信号である。第1?3リールストップスイッチ信号は、ストップスイッチ8L、8C、8Rに各々対応する信号である。払出スイッチ信号は、払出センサ34cに対応する信号である。打止解除スイッチ信号は、リセットスイッチ23に対応する信号である。設定キースイッチ信号は、設定キースイッチ37に対応する信号である。設定スイッチ信号は、リセット/設定スイッチ38に対応する信号である。
【0149】
また、本実施例において遊技制御基板40には、IF基板からの配線を接続可能な接続端子が設けられているともに、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された試験信号を接続端子に伝達するための配線パターン、及び接続端子からスイッチ検出回路44へ試験用信号を伝達するための配線パターンが形成されており、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された試験信号がこれら配線パターン及び接続端子を介して出力されるとともに、接続端子及び配線パターンを介して入力された試験用信号がスイッチ検出回路44に入力されるようになっている。
【0150】
また、接続端子は、例えば、IF基板からのプローブを接続可能な信号ピンやIF基板からのケーブルを接続可能なコネクタにて構成されているため、これら接続端子を介してIF基板からの配線を簡単に接続することが可能となる。
【0151】
また、接続端子は、IF基板を接続するために便宜的に設けられたものであり、これらの試験信号及び試験用信号の入出力が行われる接続端子は、遊技店に出荷されるスロットマシンの遊技制御基板40には必要のないものである。このため、本実施例の遊技制御基板40には、接続端子が設けられた部分を切断するための複数の切断孔が形成され、これら切断孔に沿って切断できるようになっており、遊技店への出荷時には、接続端子が設けられた部分を切断して不用な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、例えば、ホール機器にて内部当選フラグ信号を検出し、内部当選フラグ信号から内部当選フラグの当選状況を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、遊技制御基板40に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
【0152】
尚、第3者機関が試験を行うために提供するスロットマシンは通常数台程度であり、その他、遊技店に出荷される量産用のスロットマシンは、これら試験信号や試験用信号の入出力を行う必要性が低いことから、これら量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した接続端子を設けない遊技制御基板40を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、遊技制御基板40に試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、接続端子を実装するのみでIF基板や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターン及びIF基板や試験装置と接続するための接続端子を設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンや接続端子を設けない構成としても良い。すなわちメイン制御部41が試験信号の出力制御を行うが、実際に試験信号が出力されない構成としても良い。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
【0153】
本実施例では、このような試験用信号、試験信号のやりとりをスロットマシンと試験装置との間で行うことにより、自動的にシミュレーション試験が行われるようになっており、試験装置では、これらの試験結果としてスロットマシンの払出率を出力することが可能とされている。
【0154】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
【0155】
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンド、停止順コマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0156】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0157】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0158】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0159】
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
【0160】
AT状態コマンドは、当該ゲームがアシストタイム(遊技者にとって有利な操作態様が報知される遊技状態、以下ATと称す)であるか否か等を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
【0161】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの送信後に送信される。内部当選コマンドは、ゲームが開始したときであって、AT状態コマンドの後に送信される。
【0162】
遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
【0163】
また、内部当選コマンドは、操作態様に応じて有利度の異なる特定役のいずれかが当選したことは特定可能であるが、どの種類が当選したか、すなわち特定役の当選時に、遊技者にとって有利な操作態様が特定できないようになっている。
【0164】
停止順コマンドは、特定役当選時の遊技者にとって有利な操作態様を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、後述のナビ報知を行うときに、内部当選コマンドの送信後に送信される。
【0165】
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
【0166】
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
【0167】
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
【0168】
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
【0169】
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0170】
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨及び次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
【0171】
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
【0172】
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0173】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0174】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0175】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0176】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0177】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0178】
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0179】
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
【0180】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
【0181】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
【0182】
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0183】
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0184】
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0185】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技(以下では、後述の擬似遊技と区別するため、ゲームの進行に伴う遊技を通常遊技とする)のためのリールの回転を開始させる。
【0186】
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態で通常遊技の開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点で通常遊技におけるリールの回転を開始させる。
【0187】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0188】
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0189】
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
【0190】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
【0191】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0192】
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0193】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0194】
本実施例におけるスロットマシンでは、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
【0195】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0196】
図6は、メイン制御部41におけるアドレスマップの一例を示している。メイン制御部41が管理するメモリ領域は、図6に示すように、ROM41bに割り当てられたROM領域と、RAM41cに割り当てられたRAM領域と、を含む。
【0197】
さらにROM領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域と、を含む。
【0198】
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
【0199】
遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データはそれぞれ連続するアドレス領域に割り当てられており、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、は未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられている。
【0200】
また、RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、遊技RAM領域の未使用領域1と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、非遊技RAM領域の未使用領域2と、未使用スタック領域と、使用中スタック領域と、を含む。
【0201】
遊技RAM領域と非遊技RAM領域とは未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられている。
【0202】
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2をまとめて未使用領域と称す場合がある。
【0203】
遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。
【0204】
一方、非遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
【0205】
遊技プログラムは、図7に示すように、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラム双方に含まれる共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
【0206】
遊技専用プログラムは、例えば、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理、外部出力1処理を含む。BET処理は、1ゲームの制御の終了後、メダルの投入等により賭数を設定し、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されることでゲームを開始させるための処理であり、内部抽選処理は、内部抽選を行い、当選フラグの設定等を行う処理であり、リール回転処理は、リールの回転を開始し、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることでリールを停止させるための処理であり、払出処理は、停止したリールの停止位置に応じて入賞が発生したか否かを判定し、メダルの払出、再遊技の設定、遊技状態の移行等を行うための処理であり、外部出力1処理は、外部出力信号のうちメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、RT中信号の出力制御を行うための処理である。また、特に図示しないが、遊技プログラムは、ATに関連する処理(ATに係る抽選やナビ報知に係る制御等)も含む。
【0207】
遊技プログラムにおける共通判定プログラムは、例えば、投入判定処理、払出判定処理を含む。投入判定処理は、投入メダルセンサ31によるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、賭数の設定等のためにメダルの投入が可能な状態において実行される処理である。払出判定処理は、払出センサ34cによるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、小役の入賞時やクレジットの精算時にメダルの払出が許可されている状態において実行される処理である。
【0208】
遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。カウンタ更新処理は、指定されたカウンタ値を更新するための処理であり、ポート入力処理は、指定されたポートの入力状態を取得する処理であり、データ変換処理は、遊技データを用いて入力されたデータを変換して出力する処理であり、LED表示処理は、指定された値をLEDに表示させるために設定する処理であり、データ設定処理は、指定されたデータを設定する処理であり、コマンド設定処理は、指定されたコマンドをコマンドキューに設定する処理である。
【0209】
非遊技プログラムは、図7に示すように、非遊技プログラムだけに含まれる非遊技専用プログラムと、遊技プログラムと同じ共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
【0210】
非遊技専用プログラムは、例えば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、外部出力2処理、投入メダルエラー判定処理、払出メダルエラー判定処理、起動処理、設定値異常確認処理、エラー処理を含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理であり、異物検知処理は、投入口センサ26によるメダル通路内の異物を検知するための処理であり、ドア監視処理は、前面扉1bの開放を検知するための処理であり、外部出力2処理は、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力制御を行うための処理であり、投入メダルエラー判定処理は、投入メダルセンサ31の検出状況に基づいて投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知を行うための処理であり、払出メダルエラー判定処理は、払出センサ34aの検出状況に基づいて払出メダルの逆流検知、払出口付近のメダル詰り検知、払出口付近の異物検知を行うための処理であり、起動処理は、電源投入時においてゲームを可能な状態とするための処理(乱数異常確認、RAM異常確認、バックアップ異常確認、レジスタ初期化等)であり、設定値異常確認処理は、設定値が正常な範囲の値であるか否かを判定するための処理であり、エラー処理は、各種の異常(メダルの投入異常、メダルセレクタ29内の異物検知、リール回転異常、メダルの払出異常、払出口付近の異物検知、RAM異常、設定値異常、ホッパータンク34aの空、オーバーフロータンク35の満タン検知等)が検知された場合に遊技を不能化するための処理である。
【0211】
非遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムにおける共通汎用プログラムと同様に、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。
【0212】
特に、非遊技プログラムは、上述のように異常が検知された場合に、異常の種別に応じた解除条件(乱数異常、RAM異常、バックアップ異常、設定値異常の場合は、設定値の再設定、それ以外の異常の場合はリセット操作)が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含む。
【0213】
また、非遊技プログラムは、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含む。
【0214】
また、非遊技プログラムは、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含む。尚、このような判定処理は、遊技プログラムにおいて遊技の進行に係わる制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理と同じ処理であるため、共通判定プログラムに該当する。
【0215】
尚、遊技プログラムに含まれる処理のうち、外部出力1処理、BET処理においてメダルの投入数を計数する処理、流路切替ソレノイド30を切り替える処理、払出処理においてメダルの払出数を計数する処理、ホッパータンク34aが空になったことを検知する処理、ソフトウェア乱数を更新する処理、ATに関連する処理等、ゲームの進行に直接的には関連しないものであればこれらの処理の全部または一部が非遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。一方で、非遊技プログラムに含まれる処理のうち起動処理、設定値異常確認処理等、遊技の進行に間接的に関連するものであればこれらの処理の全部または一部が遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。
【0216】
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図8に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
【0217】
CPU41aは、図9に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、CPU41aが演算に用いる演算用のレジスタ(A、F、BC、DE、HLレジスタ、以下では、演算用のレジスタを単にレジスタと称す)の値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。そして、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、その後、遊技プログラムに基づく処理に復帰するようになっている。
【0218】
尚、本実施例では、遊技プログラムが使用していたレジスタの値をスタック領域に退避することで保護する構成であるが、表レジスタと裏レジスタの値を変更することで遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護する構成としても良い。
【0219】
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成であるが、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良い。
【0220】
図8に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
【0221】
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0222】
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
【0223】
ただし、起動処理におけるRAM異常確認、バックアップ異常確認、RAM41cの初期化、後述する電断処理は、非遊技プログラムに含まれるが、これらの処理は例外として、RAM41cの全領域へのアクセスが可能とされている。
【0224】
また、本実施例では、メイン制御部41のIAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されており、これら指定エリアとして設定された遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域以外でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力するようになっている。そして、CPU41aは、IAT発生信号が出力された場合に、エラー状態に制御し、遊技を不能化するようになっている。この場合は、通常のエラーと異なり、新たに設定値が設定されるまでゲームを進行可能な状態には復帰することがない。
【0225】
尚、本実施例では、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域が未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられているが、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域が連続するアドレス領域に割り当てられている場合でも、IAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されていることが好ましい。
【0226】
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
【0227】
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
【0228】
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【0229】
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
【0230】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、異常が検知された場合に、異常の種別に応じて解除条件が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含むため、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
【0231】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技プログラムに含まれる共通判定プログラム(例えば、投入判定処理、払出判定処理)と同じ内容の共通判定プログラムを含むため、遊技プログラム及び非遊技プログラムが互いの結果に影響を及ぼさずに同様の判定を行うことができる。
【0232】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラムと同様の共通汎用プログラムを含むため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムと非遊技プログラムとでそれぞれ備えるため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムに含まれるものか非遊技プログラムに含まれるものかを容易に特定することができる。
【0233】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含むため、遊技の進行に係わらない検知手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
【0234】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含むため、上記のような検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、当該検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、当該検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
【0235】
また、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
【0236】
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
【0237】
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
【0238】
また、本実施例では、メイン制御部41のIAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されており、これら指定エリアとして設定された遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域以外でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力するようになっている。そして、CPU41aは、IAT発生信号が出力された場合に、エラー状態に制御し、遊技を不能化するようになっている。また、IAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されているので、遊技プログラム領域の遊技プログラムや非遊技プログラム領域の非遊技プログラムが変更された場合でも指定領域として設定された記憶領域を簡単に再設定することができる。
【0239】
次に、メイン制御部41が、電源投入に伴う起動時またはリセット信号の入力に伴う再起動時に実行する起動処理及び電断を検出したときに実行する電断処理について説明する。尚、本実施例において起動処理及び電断処理は、非遊技プログラムに含まれる。
【0240】
図10に示すように、起動処理では、まず割込を禁止に設定して(Sa1)、パラレル出力ポート513を初期化し(Sa2)、内蔵レジスタを初期化する(Sa3)。次いで電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否か、すなわち電圧が不安定な状態か否かを判定し(Sa4)、電圧低下信号が検出されている場合には、電圧低下信号が検出されなくなるまで待機する。
【0241】
ステップSa4において電圧低下信号が検出されない場合には、乱数回路の異常を判定する乱数異常確認処理を行い(Sa6)、割込発生時に実行するプログラムのアドレスをIレジスタに設定して(Sa6)、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、さらにスタックポインタを設定する(Sa8)。
【0242】
次いで、RAM41cの遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域1を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ1と称す)及び非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域2及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ2と称す)、スタック領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ3と称す)を計算し(Sa9)、RAMパリティ1?3が0か否かを判定する(Sa10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理が行われていれば、RAMパリティ1?3がいずれも0になるはずであるので、Sa10のステップにおいてRAMパリティ1?3のいずれか1つでも0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、ステップSa14に進む。
【0243】
一方、Sa10のステップにおいてRAMパリティ1?3が0であれば、更に遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ1、非遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ2、スタック領域に格納されている破壊診断用データ3が正常か否かを判定する(Sa11)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理が行われていれば、破壊診断用データ1が遊技RAM領域に設定され、破壊診断用データ2が非遊技RAM領域に設定され、破壊診断用データ3がスタック領域に設定されているはずであり、Sa11のステップにおいて破壊診断用データ1?3が正常でない場合(破壊診断用データ1?3が電断時に格納される5A(H)(00(H)以外の特定の値)以外の場合)には、RAM41cのデータが正常ではなく、Sa14のステップに進む。
【0244】
Sa11のステップにおいて破壊診断用データ1?3が正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データ1?3をクリアし(Sa12)、RAM41cのデータが正常である旨を示すRAM正常フラグをRAM41cに設定し(Sa13)、Sa14のステップに進む。
【0245】
Sa14のステップでは、設定キースイッチ37がonか否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、RAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域を初期化する初期化1を実行する(Sa14)。初期化1では、遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域1を初期化する初期化処理と、非遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域2を初期化する初期化処理と、スタック領域を初期化する初期化処理と、をそれぞれ別個に行う。尚、初期化1において、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域を分けずに、全ての領域を一括して初期化する構成であっても良い。
【0246】
Sa15のステップにおける初期化1の後、割込を許可し(Sa16)、設定値を変更可能な設定変更状態に制御される設定変更処理に移行し(Sa17)、新たに設定値が設定されることにより設定変更処理が終了した後、レジスタを初期化し(Sa18)、遊技プログラムのうちのBET処理の先頭に移行する。
【0247】
Sa14のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM正常フラグの設定の有無に基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定し(Sa22)、RAM41cのデータが正常でないと判定された場合には、Sa15のステップと同様の初期化1を実行してRAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域を初期化し(Sa19)、割込を許可する(Sa20)。そして、RAM異常を示すエラーコードを設定し(Sa21)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。また、RAM異常エラーは、通常のエラーと異なり、新たに設定値が設定されるまでゲームを進行可能な状態には復帰することがない。
【0248】
Sa22のステップにおいてRAM41cのデータが正常であると判定された場合には、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域1、未使用領域2及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行う(Sa23)。その後、スタックポインタを電断前の状態に復帰し(Sa24)、パラレル入力ポート511に入力された各種スイッチ類等の検出信号の入力状態が格納される入力バッファを初期化し(Sa25)、パラレル出力ポート513の出力状態を電断前の状態に復帰し(Sa26)、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタック領域に保存されている状態に復帰し(Sa27)、割込を許可して(Sa28)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
【0249】
図11に示すように、電断処理においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。
【0250】
次いで、破壊診断用データ1を遊技RAM領域に、破壊診断用データ2を非遊技RAM領域に、破壊診断用データ3をスタック領域に、それぞれセットする(Sm2)。破壊診断用データは、いずれも5A(H)である。次いで、パラレル出力ポート513を初期化(Sm3)、遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域1を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ1を計算して遊技RAM領域にセットし、非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域2を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ2を計算して非遊技RAM領域にセットし、スタック領域の全ての領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ3を計算してスタック領域にセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止し(Sm5)、ループ処理に入る。
【0251】
ループ処理では、電圧低下信号の出力状況を監視した状態で待機する(Sm6)。この状態で、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理からプログラムをスタートさせる。一方、電圧低下信号が入力されたまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。
【0252】
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理が実行され、破壊診断用データ1?3及びRAMパリティ調整用データ1?3がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされる。
【0253】
このように本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行うため、これらの処理を設計するうえで必要なデータの記憶領域を容易に特定することができる。
【0254】
尚、本実施例では、電断処理において対象となる領域の演算結果が特定の値(本実施例では0)となるように調整用データを対象となる領域に設定し、起動処理において対象となる領域の演算結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、電断処理において対象となる領域の演算結果と、起動処理において対象となる領域の演算結果と、が一致するか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成としても良い。また、演算方法は、排他的論理和に限らず、他の演算方法(例えば、総和)を用いても良い。
【0255】
また、本実施例では、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定するようになっており、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
【0256】
尚、本実施例では、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成であるが、未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良い。
【0257】
また、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域1に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
【0258】
また、電断処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
【0259】
また、本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行う構成であるが、電断処理において、遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となる調整用データを算出して遊技RAM領域または非遊技RAM領域に設定し、起動処理において遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となるか否かに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成、すなわち電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域を区別することなく行う構成としても良く、このような構成とすることで、電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理に必要なプログラム容量を削減できる。
【0260】
また、このような構成においても、電断処理において遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域1、2を含む全ての領域のデータを用いて調整用データを算出し、起動処理においても遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域1、2を含む全ての領域のデータを用いて算出した結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成とすることが好ましく、このような構成においても、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
【0261】
また、本実施例では、RAM41cのデータを初期化する場合に、遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域1を初期化する初期化処理と、非遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域2を初期化する初期化処理と、をそれぞれ別個に行うようになっており、例えば、遊技RAM領域、非遊技RAM領域のサイズ等を変更した場合でも、容易に対応することができる。
【0262】
尚、本実施例では、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域がそれぞれ連続するアドレス領域に割り当てられた構成であるが、遊技RAM領域の全部または一部が連続しないアドレス領域に割り当たられた構成、非遊技RAM領域の全部または一部が連続しないアドレス領域に割り当てられた構成としても良い。
【0263】
また、このような構成とした場合には、例えば、初期化2により初期化される遊技RAM領域の一般ワークと、初期化2により初期化される非遊技RAM領域の一般ワークと、を連続するアドレス領域に割り当てる等、遊技RAM領域のうち特定の初期化条件が成立した場合に初期化される領域と、非遊技RAM領域のうち特定の初期化条件が成立した場合に初期化される領域と、が連続するアドレス領域に割り当てることで、特定の初期化条件が成立した場合に、初期化される遊技RAM領域の先頭アドレスから初期化される非遊技RAM領域の終了アドレスまで一括して初期化することが可能となり、初期化処理に要するプログラム容量を削減することができる。
【0264】
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0265】
実施例1では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0266】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0267】
また、実施例1では、遊技の制御を行うメイン制御部41において遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成であるが、遊技の制御の一部(例えば、リール制御、クレジットの制御、メダルの払出制御、ATに関連する制御)を、メイン制御部41以外の一または複数の制御部に行わせる構成とした場合には、これらの制御部において、遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成としても良い。
【0268】
また、実施例1では、本発明をスロットマシンに適用しているが、遊技領域に遊技球を発射させて遊技を行うパチンコ遊技機に適用しても良い。この場合には、パチンコ遊技機において遊技の制御を行う遊技制御部が、遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成とすれば良い。
【0269】
尚、パチンコ遊技機において遊技の進行とは、パチンコ球が入賞口に入賞する段階、入賞することによりパチンコ球を付与する段階を進行させること、パチンコ球が入賞口に入賞する段階、入賞することにより識別情報を変動する段階、識別情報に表示結果を導出させる段階、導出された表示結果に応じて大当り状態等の価値を付与する段階を進行させることである。
【0270】
また、パチンコ遊技機においても、遊技の制御の一部(例えば、識別情報の表示制御、パチンコ球の増減を得点やポイント数で管理する得点管理式のパチンコ遊技機における得点やポイント数に係る制御、パチンコ球の払出制御)を、遊技制御部以外の一または複数の制御部に行わせる構成とした場合には、これらの制御部において、遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成としても良い。
【実施例2】
【0271】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例2について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1と同一の構成を含むため、ここでは異なる点について主に説明する。
【0272】
実施例1では、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である構成であったが、本実施例では、図12に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技RAM領域を更新も参照もすることがなく、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技RAM領域を更新することも参照することもないようになっている。
【0273】
また、本実施例では、CPU41aは、遊技RAM領域のデータ等のうち非遊技プログラムで必要なデータについては、レジスタを介して受け渡すことができるようになっている。
【0274】
詳しくは、CPU41aは、図13に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す場合に、まず、レジスタの値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。次いで、呼び出す遊技プログラムにおいて必要なデータ、例えば、内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等を遊技RAM領域から読み出してレジスタにセットする。そして、非遊技プログラムを呼び出す。非遊技プログラムでは、レジスタの値を読み出して、受け渡されたデータ、すなわち内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータを非遊技RAM領域に格納することで、以後、非遊技プログラムにおいてもこれらのデータを特定可能となる。その後、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、遊技プログラムに基づく処理に復帰し、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、遊技プログラムに基づく処理を再開するようになっている。
【0275】
本実施例では、実施例1と同様に、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
【0276】
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
【0277】
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技データ領域及び遊技RAM領域を参照しないため、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方の設計も容易となる。
【0278】
また、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照せず、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照しない構成であっても、遊技状態が特定状態である場合に、遊技RAM領域に特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるとともに、非遊技RAM領域にも特定状態であることを示す情報(内部当選フラグの設定内容、遊技状態の種類、RTの種類等のデータ)を記憶させるようになっており、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方にて遊技状態が特定状態であることを特定し、それぞれ特定状態に応じた制御を行わせることができる。
【0279】
また、本実施例では、遊技プログラムにおいてレジスタに記憶させた値を非遊技プログラムが使用できるように受け渡すので、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照しない構成であっても、遊技プログラムにおいて使用するデータを非遊技プログラムにおいても使用することが可能となる。
【0280】
また、本実施例では、非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰する際に、レジスタの値がスタックに退避して保護されていた値に更新されるようになっており、非遊技プログラムにおいてレジスタに記憶された値が遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
【0281】
尚、非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰する際に、レジスタの値をクリアする等、特定の値に更新する構成とした場合でも、非遊技プログラムにおいてレジスタに記憶された値が遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
【0282】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、異常が検知された場合に、異常の種別に応じて解除条件が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含むため、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
【0283】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、遊技プログラムに含まれる共通判定プログラム(例えば、投入判定処理、払出判定処理)と同じ内容の共通判定プログラムを含むため、遊技プログラム及び非遊技プログラムが互いの結果に影響を及ぼさずに同様の判定を行うことができる。
【0284】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラムと同様の共通汎用プログラムを含むため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムと非遊技プログラムとでそれぞれ備えるため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムに含まれるものか非遊技プログラムに含まれるものかを容易に特定することができる。
【0285】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含むため、遊技の進行に係わらない検知手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
【0286】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含むため、上記のような検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、当該検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、当該検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
【0287】
以上、本発明の実施例2を説明してきたが、本発明はこの実施例2に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1と同一もしくは類似する構成については、実施例1で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1について例示した変形例についても実施例2に適用可能である。
【実施例3】
【0288】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例3について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1と同一の構成を含むため、ここでは異なる点について主に説明する。
【0289】
実施例1では、遊技プログラムが、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラム双方に含まれる共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む構成であったが、本実施例では、図14に示すように、遊技プログラムが、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラムの双方で呼び出される共通プログラムと、を含む。共通プログラムは、実施例1における共通判定プログラム及び共通汎用プログラムを含む。
【0290】
また、実施例1では、非遊技プログラムが、非遊技プログラムだけに含まれる非遊技専用プログラムと、遊技プログラムと同じ共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む構成であったが、本実施例では、図14に示すように、非遊技専用プログラムのみを含み、共通判定プログラム及び共通汎用プログラムは含まない。
【0291】
また、実施例1では、非遊技プログラムに基づく処理が、遊技プログラムに含まれるプログラムを呼び出すことのない構成であったが、本実施例では、図15に示すように、非遊技プログラムに基づく処理から遊技プログラムのうち共通プログラムを呼び出して実行し、その後、非遊技プログラムに復帰できるようになっている。
【0292】
また、実施例1では、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技RAM領域を参照することは可能である構成であったが、本実施例では、図15に示すように、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技RAM領域を更新することも参照することもなく、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0293】
また、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。
【0294】
ただし、起動処理におけるRAM異常確認、バックアップ異常確認、RAM41cの初期化、電断処理は、非遊技プログラムに含まれるが、これらの処理は例外として、RAM41cの全領域へのアクセスが可能とされている。
【0295】
本実施例では、実施例1と同様に、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
【0296】
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
【0297】
また、本実施例では、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技RAM領域を参照することは可能であるため、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【0298】
また、本実施例では、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
【0299】
また、本実施例では、実施例1と同様に遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
【0300】
また、本実施例では、実施例1と同様に遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
【0301】
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
【0302】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、異常が検知された場合に、異常の種別に応じて解除条件が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含むため、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
【0303】
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される共通汎用プログラムを、遊技の進行に係わらない複数の処理から呼び出して実行することが可能であり、遊技プログラムにおいて複数種類の処理で共通する共通汎用プログラムを非遊技プログラムにおいても利用することが可能となる。
【0304】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含むため、遊技の進行に係わらない検知手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
【0305】
また、本実施例では、実施例1と同様に非遊技プログラムが、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含むため、上記のような検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、当該検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、当該検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
【0306】
以上、本発明の実施例3を説明してきたが、本発明はこの実施例3に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1、2と同一もしくは類似する構成については、実施例1、2で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1、2について例示した変形例についても実施例3に適用可能である。
【0307】
次に、遊技領域と非遊技領域との関係についての変形例について以下に説明する。
【0308】
[変形例1]
変形例1では、図16に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を参照することもない。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することが可能であり、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0309】
このように、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【0310】
また、非遊技プログラムは遊技データ領域の遊技データを参照することが可能であるため、遊技データ領域と非遊技データ領域とで重複するデータを記憶せずに済み、ROM容量を削減することができる。
【0311】
[変形例2]
変形例2では、図17に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を参照することもない。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することが可能であるが、遊技RAM領域を更新するも参照することもない。
【0312】
このように、非遊技プログラムは遊技データ領域の遊技データを参照することが可能であるため、遊技データ領域と非遊技データ領域とで重複するデータを記憶せずに済み、ROM容量を削減することができる。
【0313】
また、遊技プログラムを実行する際に、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域を参照しないため、遊技プログラムの設計が容易となる。
【0314】
[変形例3]
変形例3では、図18に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を参照することもない。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはないが、遊技RAM領域を更新することも参照することも可能である。
【0315】
このように、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することも更新することも可能であるため、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができるとともに、非遊技プログラムが直接更新することも可能となるので、遊技プログラムと非遊技プログラムとの連携が取りやすくなる。
【0316】
[変形例4]
変形例4では、図19に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を参照することもない。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することが可能であり、遊技RAM領域を更新することも参照することも可能である。
【0317】
このように、非遊技プログラムは遊技データ領域の遊技データを参照することが可能であるため、遊技データ領域と非遊技データ領域とで重複するデータを記憶せずに済み、ROM容量を削減することができる。
【0318】
また、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することも更新することも可能であるため、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができるとともに、非遊技プログラムが直接更新することも可能となるので、遊技プログラムと非遊技プログラムとの連携が取りやすくなる。
【0319】
[変形例5]
変形例5では、図20に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能である。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することが可能であり、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0320】
このように、非遊技プログラムは遊技データ領域の遊技データを参照することが可能であるため、遊技データ領域と非遊技データ領域とで重複するデータを記憶せずに済み、ROM容量を削減することができる。
【0321】
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【0322】
[変形例6]
変形例6では、図21に示すように、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することが可能であり、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能である。一方で、CPU41aは、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することが可能であり、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0323】
このように、遊技プログラムは非遊技データ領域の非遊技データを参照することが可能であり、非遊技プログラムは遊技データ領域の遊技データを参照することが可能であるため、遊技データ領域と非遊技データ領域とで重複するデータを記憶せずに済み、ROM容量を削減することができる。
【0324】
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【符号の説明】
【0325】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
41a CPU
41b ROM
41c RAM
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機であって、
複数のレジスタを用いてプログラムに基づく制御を実行するプログラム実行手段と、
遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、
遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、
前記遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記非遊技プログラムに基づく制御において更新されない遊技用変動データが記憶される遊技用変動データ記憶領域と、
前記非遊技プログラムに基づく制御において更新及び参照され、前記遊技プログラムに基づく制御において更新されない非遊技用変動データが記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、
を備え、
前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムに基づく制御を実行するとともに、前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出すことで、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行可能であり、
前記遊技プログラムに基づく制御において前記非遊技プログラムを呼び出す場合に、前記レジスタの値を保護する保護処理を前記遊技プログラムにおいて実行した後、前記非遊技プログラムを呼び出して前記非遊技プログラムに基づく制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御を実行した後に、保護されていた前記レジスタの値を復帰させる復帰処理を前記遊技プログラムにおいて実行し、
遊技機の状態が特定状態である場合に、前記遊技用変動データ記憶領域に前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させるとともに、前記非遊技用変動データ記憶領域にも前記特定状態である旨を示す特定情報を記憶させ、
前記遊技プログラムに基づく制御においては、前記遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行し、前記非遊技プログラムに基づく制御においては、前記非遊技用変動データ記憶領域に記憶された前記特定状態である旨を示す特定情報に基づいて前記特定状態に応じた制御を実行する、遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-03-30 
出願番号 特願2014-227365(P2014-227365)
審決分類 P 1 651・ 55- YAA (A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F)
P 1 651・ 537- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 金子 和孝牧 隆志  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 田邉 英治
大谷 純
登録日 2019-03-15 
登録番号 特許第6496526号(P6496526)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 林 修身  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 重信 和男  
代理人 溝渕 良一  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 溝渕 良一  
代理人 石川 好文  
代理人 林 修身  
代理人 石川 好文  
代理人 重信 和男  
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