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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 E06B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 E06B |
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管理番号 | 1363178 |
異議申立番号 | 異議2020-700219 |
総通号数 | 247 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-03-31 |
確定日 | 2020-06-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6586191号発明「遮水板、および遮水板の設置方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6586191号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第6586191号の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成26年9月1日に出願された特願2014-177501号の一部を平成30年4月26日に新たな特許出願としたものであって、令和1年9月13日にその特許権の設定登録がされ、令和1年10月2日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和2年3月31日に特許異議申立人赤松智信(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 2.本件発明 特許第6586191号の請求項1?5の特許に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 床面と隣接し側方に向けて開口する開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う遮水板であって、 前記遮水板の上端部から上方に向けて突出し、前記開口部の縁部に設けられた第一の引掛部に下側および屋内側から引っ掛けられ、上側および屋外側への移動が抑制される板状の第二の引掛部と、 前記遮水板の下端部に設けられ、前記下端部と前記床面との間をシールする弾性変形可能な第一シール部材と、 前記遮水板の側端部に設けられ、かつ前記第一引掛部および前記第二引掛部よりも下方に位置され、前記側端部と前記開口部の縁部との間をシールする弾性変形可能な第二シール部材と、 を有した、遮水板。 【請求項2】 前記第二の引掛部は、前記第一の引掛部によってさらに前記開口部の左右方向への移動が抑制される、請求項1に記載の遮水板。 【請求項3】 前記第二の引掛部の屋内側の後面は、下方へ向かうにつれて屋内側へ向かうよう傾斜した傾斜面に構成される、請求項1または2に記載の遮水板。 【請求項4】 請求項1?3のうちいずれか一つに記載の遮水板の設置方法であって、 前記遮水板を上昇させながら、前記第一の引掛部の下側から前記第二の引掛部を挿入させる第一ステップと、 前記遮水板の下部を屋内側へ押し込むことで、前記遮水板を前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う位置まで移動させる第二ステップと、 を含む、遮水板の設置方法。 【請求項5】 請求項1?3のうちいずれか一つに記載の遮水板の設置方法であって、 前記遮水板の下部を、屋内側へ向けて押す第一ステップと、 前記遮水板の上部を屋内側へ向けて押し、前記第二の引掛部が前記第一の引掛部に当接することにより、当該第一の引掛部から前記第二の引掛部が押圧され前記第一シール部材が上下方向に弾性的に圧縮されて前記遮水板が下方へ沈み込みながら屋内側へ移動する第二ステップと、 前記遮水板の上部をさらに屋内側へ向けて押すことで、前記第二の引掛部が前記第一の引掛部に引っ掛けられ、前記遮水板が前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆った状態で前記遮水板が前記開口部の縁部に設置される第三ステップと、 を含む、遮水板の設置方法。」 3.申立理由の概要 申立人は、主たる証拠として実願昭58-62394号(実開昭59-168488号)のマイクロフィルム(以下「文献1」という。)を、従たる証拠として特開2008-180061号公報(以下「文献3」という。)及び特開2005-68964号公報(以下「文献4」という。)を提出し、請求項1、2に係る特許は、特許法第29条第1項第3号又は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項5に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、また、主たる証拠として実願平5-59961号(実開平7-21928号)のCD-ROM(以下「文献2」という。)を提出して、請求項1?4に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 4.文献の記載 (1)文献1 文献1には、以下の事項が記載されている。(下線は決定で付した。以下同様。) ア 「2.実用新案登録請求の範囲 出入口の左右前壁面に固定した門柱の前壁面の下端前方に床溝を設け、該床溝内に設けた段部に扉板の下端を支持する当金を係脱自在に対応させ、上記扉板の左右両側縁と下縁とにはゴム製パッキンを取付け、門柱の上端には回動自在に締螺子付の締金具を取付けて扉板の上端に設けて二股状の受金に対応させてなる取外し式防水扉。」(明細書1頁4?11行) イ 「本考案は建物並びに地下街とか地下鉄駅等の構内各所に設けられた出入口に取付けて使用する取外し式防水扉に関するものである。」(明細書1頁13?15行) ウ 「図中(1)(1)は建物並びに地下街とか地下鉄駅等の構内各所に設けた出入口の左右前壁面(2)(2)に固定した金属製門柱、(3)は門柱(1)(1)の前壁面(4)(4)の下端前方に於けるコンクリート床層(5)に設けた床溝で、図面第3図に示す様にステンレス鋼板(6)で壁面を形成してありその内底部に段部(7)を設けてある。(8)は骨材(9)とこの骨材(9)を挟装した前板材(10)及び後板材(11)とからなるアルミニウム製扉板で、後板材(11)の左右両側縁と下縁とには図面第4図に示す様に外面を湾曲状に形成し且つ半円型の空洞(12)を設けたゴム製パッキン(13)を取付けてあり又、この扉板(8)の下端には前記床溝(3)の段部(7)に対応させて当金(14)を固定してあり左右上端には二股状の受金(15)(15)を取付けてある。(16)(16)は門柱(1)(1)の上端に着脱自在に螺着した締金具で、取付基部(17)に上記受金(15)に対応させて螺杆(18)を枢着し且つこの螺杆に摘まみ付き締螺子(19)を螺合してある。 本考案は上記の様に構成されているから平常時は扉板(8)を取付けることなく床溝(3)には化粧蓋(図中略)をし又、締金具(16)(16)も取付けることなく門柱(1)の上端に設けた該締金具(16)の取付け用螺子孔(20)はめくら蓋(図中略)で塞いでおくものであるが、集中豪雨とか高潮に備える場合は保管しておいた扉板(8)を取出して図面第3図に鎖線で示す様に出入口の外側から床溝(3)内に斜めにその下部を嵌め込んで下端に設けた当金(14)を段部(7)に係合させながら起こして門柱81)の上端に設けた締金具(16)の螺子杆(18)を二股上の受金(15)に嵌め合せて締螺子(19)を締込んで行けば扉板(8)の下端に設けた当金(14)が段部(7)に係合して扉板の下部を支持しているから扉板(8)の後板材(11)の左右両側縁と下縁とに取り付けたゴム製パッキン(13)が門柱(1)(1)の前壁面(4)(4)及び床溝(3)の後壁面(21)に接触し、さらに締螺子(19)を緊締することにより上記ゴム製パッキン(13)の空洞(12)が押し潰される程に門柱(1)の前壁面(4)及び床溝(3)の後壁面(21)に密接して漏水を完全に防止し得るものであるから例え水が浸入してきても扉板(8)から出入口の内側へは水が流入する虞れなく設備とか商品を浸水から守ることが出来るものである。」(明細書2頁末行?5頁6行) エ 第1図?第3図は以下のとおりである。 第1図 第2図 第3図 オ 第1図?第3図を参照すると、出入口の左右前壁面(2)を示す線の位置からみて、扉板(8)は、出入口の下部を屋外側から覆っていることが看取できる。また、同図から、ゴム製パッキン(13)は、扉板(8)の側面側に取り付けられ、受金(15)及び締金具(16)よりも下方に位置していることが看取できる。 カ 上記アないしオからみて、文献1には次の発明(以下「文献1発明」という。)が記載されているものと認める。 「出入口の左右前壁面(2)に固定した門柱(1)の前壁面(4)の下端前方に於けるコンクリート床層(5)に床溝(3)を設け、該床溝(3)内に設けた段部(7)に出入口の下部を屋外側から覆っている扉板(8)の下端を支持する当金(14)を係脱自在に対応させ、上記扉板(8)の側面側の左右両側縁と下縁とにはゴム製パッキン(13)を取付け、門柱(1)の上端には回動自在に締螺子(19)付の締金具(16)を取付けて扉板(8)の上端に設けて二股状の受金(15)に対応させてなり、 締螺子(19)を緊締することにより、ゴム製パッキン(13)の空洞(12)が押し潰される程に門柱(1)の前壁面(4)及び床溝(3)の後壁面(21)に密接して漏水を完全に防止し得るものである、 取外し式防水扉。」 (2)文献2 文献2には、以下の事項が記載されている。 ア 「 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、先に出願した、実用新案出願番号平成3-111874の「土石流および洪水の侵入予防装置と設置方法」を元にして作成した、台風や集中豪雨などの災害時に付随して起きる土石流および洪水などに対して、商店、工場などの店内や各種施設に通じる通路面への土石流および洪水などの侵入防止を目的とする装置であり、保険に加入していて被害を受けても、まったく保証を受けられない免責範囲の浸水や冠水を防ぎ、同時に避難誘導、脱出口の確保を目的とする、脱出口付き土石流洪水侵入防止装置とその付随装置にかんするものである。」 イ 「 【0014】 【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決するため、本考案では、図1のように縁の部分に浸水防止クッション2を取り付けた侵入防止板1と押され込み機構3を持つ、設置基礎4または、図3にしめす、排水設置溝付き設置基礎5から成り立つ土石流および洪水の侵入被害軽減装置と付随装置を用いる。 【0015】 使用する侵入防止板1の高さは、図2のように免責範囲の高さと流れに沿って起きる波および、万一の場合の脱出、救助などに容易に越えて行ける高さということで、設置場所の床面16より60cmとする。 【0016】 ただし、設置部分の場所や周辺強度の都合に応じて、侵入防止板1の高さは、適宜加減しても良い。 【0017】 また、侵入防止板1の縁の部分の垂直面と水平面を曲面により繋ぎ、浸水防止クッション2が適切な圧力を受け、防水効果が増すようにるようにする。 【0018】 設置基礎4、および、排水設置溝付き設置基礎5は、設置部分の場所や周辺強度の都合により、図1のような補助基礎6、7などを用いて、壁面15並びに床面16に固定する。」 ウ 「 【0026】 土石流および洪水などの災害発生時に被害が予想される場所に、設置基礎4または、排水設置溝付き設置基礎5をあらかじめ、図2や図4のように、壁面に繋がる床面に埋め込むか、壁面に繋がる床面上に取り付け、設置しておく。 【0027】 災害の発生が予想される場合、速やかに侵入防止板1を設置基礎4、または、排水設置溝付き設置基礎5にはめ込む。 【0028】 今回の説明に用いたタイプのはめ込み方は、侵入防止板1の上部を押され込み機構3の下に差し入れ、持ち上げつつ、侵入防止板1の下部を設置基礎4、または、排水設置溝付き設置基礎5の溝に合わせて、侵入防止板1を立てるという方法を取る。 【0029】 押され込み機構3により、侵入防止板1は、設置基礎4または、排水設置溝付き設置基礎5に固定される。」 エ 【図1】は以下のとおり。 オ 上記エの図1を参照すると、「侵入防止板1の上下端縁及び両側端の側面側に浸水防止クッション2を取り付けた侵入防止板1」が看取できる。 カ 上記アないしオからみて、文献2には、次の発明(以下「文献2発明」という。)が記載されているものと認める。 「上下端縁及び両側端の側面側に浸水防止クッション2を取り付けた侵入防止板1と押され込み機構3を持つ設置基礎4から成り立つ、通路面への土石流及び洪水の侵入防止装置において、 侵入防止板1の高さは、設置場所の床面16より60cmとし、 設置基礎4は、壁面に繋がる床面に埋め込むか、壁面に繋がる床面上に取り付け、設置しておき、 侵入防止板1の上部を押され込み機構3の下に差し入れ、持ち上げつつ、侵入防止板1の下部を設置基礎4の溝に合わせて、侵入防止板1を立て、侵入防止板1は、押され込み機構3により、設置基礎4に固定される、 土石流及び洪水の侵入防止装置。」 5.当審の判断 (1)本件発明1について ア 文献1を主引用例として検討 (ア)対比 本件発明1と文献1発明とを対比する。 文献1発明の「出入口」、「扉板(8)」、「締金具(16)」、「受金(15)」、扉板(8)の側面側の左右両側縁に取り付けた「ゴム製パッキン(13)」、同下縁に取り付けた「ゴム製パッキン(13)」は、本件発明1の「開口部」、「遮水板」、「第一の引掛部」、「第二の引掛部」、「第二シール部材」、「第一シール部材」にそれぞれ相当する。 文献1発明の「扉板(8)の側面側の」「下縁」、「床溝(3)の後壁面(21)」と、本件発明1の「遮水板の下端部」、「床面」とは、それぞれ「遮水板の下端付近」、「床部」で共通する。 よって、本願発明1と文献1発明とは、 「床部と隣接する開口部の下部を屋外側から覆う遮水板であって、 前記遮水板の上端部から上方に向けて突出し、前記開口部の縁部に設けられた第一の引掛部に下側および屋内側から引っ掛けられ、屋外側への移動が抑制される板状の第二の引掛部と、 前記遮水板の下端付近に設けられ、前記下端付近と前記床部との間をシールする弾性変形可能な第一シール部材と、 前記遮水板の側端部に設けられ、かつ前記第一引掛部および前記第二引掛部よりも下方に位置され、前記側端部と前記開口部の縁部との間をシールする弾性変形可能な第二シール部材と、 を有した、遮水板。」で一致するものの、(A)開口部について、本件発明1は、側方に向けて開口するものであるのに対し、文献1発明は、そのようなものか不明な点、(B)第二の引掛部について、本件発明1は、上側への移動が抑制されるのに対し、文献1発明は、上側への移動が抑制されるかどうか不明な点、(C)第一シール部材について、本件発明1は、遮水板の下端部に設けられ、下端部と床面との間をシールするのに対し、文献1発明は、扉板(8)の側面側の下縁に取付けられ、床溝(3)の後壁面(21)に密接して漏水を完全に防止し得るものである点、で相違している。 (イ)判断 a 事案に鑑み、まず、上記相違点(B)について検討する。 文献1発明の締金具(16)は、門柱(1)の上端に回動自在に螺着したものであるから、締金具(16)は、受金(15)の上側への移動を抑制するものではない。仮に、受金(15)の上側への移動が抑制されていたとしても、受金(15)を上端に取り付けた扉板8、締螺子(19)を緊締することにより、ゴム製パッキン(13)の空洞(12)が押し潰される程に門柱(1)の前壁面(4)及び床溝(3)の後壁面(21)に密接することによって、上側への移動が抑制されるものであるから、受金15の上側への移動を締金具(16)が中心となって抑制しているものではない。 よって、相違点(B)は、実質的な相違点である。 また、上記相違点(B)に係る発明を容易想到とする理由及び証拠は示されていない。 よって、文献1発明において、上記相違点(B)に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 b 続いて、上記相違点(C)について検討する。 上記aで説示したように、文献1発明の締金具(16)は、扉板(8)の上端に設けた受金(15)の上側への移動を抑制するものではないから、仮に、文献2?文献4に記載されるように、遮水板の下端部にシール部材を設けることが、周知の技術であったとしても、扉板(8)の側面側の下縁に取り付けられ、床溝(3)の後壁面(21)に密接しているゴム製パッキン(13)の位置を、扉板(8)の下端部に替えることは、ゴム製パッキン(13)の圧縮力の方向が上下方向になることから、当業者が容易になし得たことではない。 さらに、ゴム製パッキン(13)の位置を替えるには、床部の構造も変える必要があることから、文献1発明において、相違点(C)に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 c 以上のとおりであるから、相違点(A)について検討するまでもなく、本件発明1は、文献1発明と同一ではなく、かつ、文献1発明及び文献2?4に記載の周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 イ 文献2を主引用例として検討 (ア)対比 本件発明1と文献2発明を対比すると、両発明は、 「床面と隣接する開口部の下部を屋外側から覆う遮水板であって、 前記遮水板の上端部が、前記開口部の縁部に設けられた第一の引掛部に下側および屋内側から引っ掛けられ、上側および屋外側への移動が抑制される板状の第二の引掛部と、 前記遮水板の下端部に設けられ、前記下端部と前記床面との間をシールする弾性変形可能な第一シール部材と、 前記遮水板の側端部に設けられ、かつ前記第一引掛部および前記第二引掛部よりも下方に位置され、前記側端部と前記開口部の縁部との間をシールする弾性変形可能な第二シール部材と、 を有した、遮水板。」で一致するものの、(i)開口部について、本件発明1は、側方に向けて開口するものであるのに対し、文献2発明は、そのようなものか不明な点、(ii)第一の引掛部に引っ掛けられるものが、本件発明1は、遮水板の上端部から上方に向けて突出する板状の第二の引掛部であるのに対し、文献2発明は、侵入防止板1の上端部である点、で相違している。 (イ)判断 事案に鑑み、まず、上記相違点(ii)について検討する。 申立人は、文献2発明の侵入防止板1の上端を板状にすることは、設計事項である旨主張する。 しかしながら、文献2発明において、侵入防止板1の上端が、押さえ込み機構3に下側及び屋内側から引っ掛けられて、上側及び屋外側への移動が抑制されているから、侵入防止板1の上端の構成や、押さえ込み機構3の構成を替える動機付けはない。しかも、侵入防止板1の上端を板状に替えるには、該板状のものが引っ掛かる対象である押さえ込み機構3の構成も含めて替える必要があることから、文献2発明の侵入防止板1の上端を板状とすることは、当業者が容易になし得たこととは言えない。 したがって、相違点(i)について検討するまでもなく、本件発明1は、文献2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2?5について 本件発明2?5は、本件発明1にさらに限定事項を追加したものである。よって、上記(1)に示した理由と同様の理由により、本件発明2は、文献1発明と同一ではなく、かつ、本件発明2?5は、文献1発明及び文献3、4に記載の事項に基いて、または文献2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 6.むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2020-05-29 |
出願番号 | 特願2018-85682(P2018-85682) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
Y
(E06B)
P 1 651・ 121- Y (E06B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 秋山 斉昭 |
特許庁審判長 |
秋田 将行 |
特許庁審判官 |
住田 秀弘 西田 秀彦 |
登録日 | 2019-09-13 |
登録番号 | 特許第6586191号(P6586191) |
権利者 | 文化シヤッター株式会社 |
発明の名称 | 遮水板、および遮水板の設置方法 |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |