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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) G06F
管理番号 1363194
判定請求番号 判定2019-600026  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2020-07-31 
種別 判定 
判定請求日 2019-09-20 
確定日 2020-06-11 
事件の表示 上記当事者間の特許第5028578号の判定請求事件について,次のとおり判定する。 
結論 イ号製品「Community Cloud」は,特許第5028578号の特許請求の範囲(請求項1)に記載された発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨および答弁の趣旨

1 請求の趣旨

本件判定の請求の趣旨は,イ号の説明書に示す製品「Community Cloud」は,特許第5028578号発明の技術的範囲に属する,との判定を求めるものであり,具体的には,本件特許の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属する,との判定を求めている。

2 答弁の趣旨

本件判定の答弁の趣旨は,イ号説明書に示す製品「Community Cloud」は,特許第5028578号発明の技術的範囲に属しない,との判定を求めるものである。

第2 本件特許発明

1 手続の経緯

平成19年 2月14日 本件特許出願
(特願2007-33875号)
平成23年 9月29日付 拒絶理由通知
平成23年11月30日 意見書
平成24年 4月20日付 特許査定
平成24年 7月 6日 設定登録(特許第5028578号)
令和 元年 9月19日付 判定請求書
(令和 元年 9月20日差出)
令和 元年11月14日 判定請求答弁書
令和 元年12月15日 判定請求弁駁書

2 特許請求の範囲の記載

本件特許の特許請求の範囲の請求項1は以下のように記載されている。

「【請求項1】
Webサイトのメタデータと,配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィードを格納するためのコンテナリソースと,
会員毎に提供され,前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィードを格納し,前記会員毎に提供される利用者ポータル(利用者ページ)に前記フィードを提供するためのサービスコンテナと,
前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し,前記フィードを作成して,前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納するフィード生成エンジンと
を具備するフィード格納システム。」

本件特許の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(「本件特許発明」)は,上記特許請求の範囲の記載及び本件特許明細書の記載からみて,次のとおりである(符号を付して構成要件<A>?<D>に分説した。)。

「<A> Webサイトのメタデータと,配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィードを格納するためのコンテナリソースと,

<B> 会員毎に提供され,前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィードを格納し,前記会員毎に提供される利用者ポータル(利用者ページ)に前記フィードを提供するためのサービスコンテナと,

<C> 前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し,前記フィードを作成して,前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納するフィード生成エンジンと

<D> を具備するフィード格納システム。」

3 本件特許明細書の記載

本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明の技術分野や,背景技術,課題(目的),および,作用効果に関連して,以下の記載がある。

(1)「【技術分野】
【0001】
本発明は,フィード格納システムに関し,特にRSSフィードを循環・流通させるフィード格納システムに関する。」

(2)「【背景技術】
【0002】
現在,Webページ(Webサイト)や電子メールに続く新たなメディアとして,RSS(Rich Site Summary(別名:Really Simple Syndication,又は,RDF Site Summary))が注目されている。
【0003】
RSSは,Webページの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマットであり,主にページの更新情報を公開するために使われている。RSSに対応しているWebページは,RSSフィードと呼ばれるRSSデータを提供する。フィードとは,Webページから提供されるRSSやAtomといったフォーマット上のメタデータで記述された情報である。RSS形式のフォーマットで記述されたフィードをRSSフィードと呼ぶ。
【0004】
RSSフィードを閲覧するためのソフトウェアとして,RSSリーダが知られている。RSSリーダには,PC(パソコン)にインストールして使用するアプリケーション型と,RSS配信を管理するインターネット上のサービスを利用するオンライン型(サーバサイド型)がある。RSSリーダは,Webページを巡回してRSS形式の更新情報を受信し,リンク一覧の形で表示する。例えば,指定したページのRSS情報を一定時間毎に自動的にダウンロードし,更新があると記事へのリンクを表示してユーザに知らせる。リンクをクリックするとWebブラウザのウィンドウが開いて目的の記事が表示される。また,RSSフィードに対しても,Webページと同様にクローラ(検索ロボット)が存在しており,定期的にRSSフィードを回収している場合がある。
【0005】
更に,著名なポータルサイトやBlog(ブログ),ニュースサイトにおいても,RSSに対応しているものが徐々に増加している。
【0006】
このように,ユーザレベルでのRSSの利用及び普及は進んでおり,RSSを利用した広告配信やマーケティングといったビジネス面での活用も期待されている。
【0007】
関連する技術として,特開2006-252227号公報(特許文献1)にインターネットWEBページ更新情報(見出し要約等)リアルタイム配信供給システムが開示されている。
この従来技術では,インターネットWEBページがRSSデータを作成できる場合は,そのRSSデータをほぼリアルタイムでRSSサーバ経由,ポータルサイト(複合商用WEBサイト)等に供給,配信して,最新のRSSデータで,WEBページの最新の更新情報を閲覧可能にする。インターネットWEBページがRSSデータを作成できない場合は,RSSサーバがそのWEBサイトに最短1分おきに接続,RSSデータを作成してポータルサイト(複合商用WEBサイト)等に供給,配信して,最新のRSSデータで,WEBページの最新の更新情報を閲覧可能にする。
【0008】
また,特開2006-318278号公報(特許文献2)に情報生成装置が開示されている。
この情報生成装置は,ユーザによりドラッグされたアイテムのドロップイベントを受け付けるドロップ受付装置と,アイテムからデータを取得するデータ読込み装置と,取得したデータから,このデータのフィードを生成するフィード生成装置と,フィード生成装置によって生成されたフィードを登録するフィード登録装置とを備える。
【0009】
また,特開2006-221388号公報(特許文献3)に広告配信システムが開示されている。
この従来技術では,広告のために作成された広告用RSSフィードが各広告主側サーバから管理サーバに送信され,管理サーバはそれら広告用RSSフィードを所定の各アフィリエイトサーバに配信し,アフィリエイトサーバはネット訪問者の情報端末装置に広告用RSSフィードに基づく広告を表示させる。このRSSフィードは,ウェブサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLサマリデータで,時系列で羅列されたテキストデータであるので,その内容を容易に随時更新し得る。このため,各広告主における広告を各アフィリエイタのウェブサイトに対してリアルタイムに配信することができる。
【0010】
しかし,現状においては,RSSもWebページと同様,積極的な閲覧者へのアプローチ手段が無く検索エンジンのヒットに依存している。
【0011】
また,Blog(ブログ)やSNS(Social Networking Service)などのCGM(Consumer Generated Media)にてページを生成しても,閲覧者からの限られた一方向のアクセスのみである。
【0012】
更に,Webページを更新しても,以前閲覧して関心を持っている閲覧者以外への通知手段がない。」

(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は,公開通知又は生成通知を流通させる通信インフラ(Infrastructure)となるフィード格納システムを提供することである。
本発明の他の目的は,Webコンタクトにおいて双方向の通信インフラとなるフィード格納システムを提供することである。」

(4)「【発明の効果】
【0030】
ネットワーク上でフィードを循環・流通させることが可能になる。」

第3 イ号製品について

1 イ号製品特定に関する請求人主張概要

(1)請求人によるイ号製品の特定

請求人は,後記(2)の証拠に基づいて,イ号製品は,以下の構成<a>ないし<d>を備える旨主張している(判定請求書10?11頁。なお,充足性判断の際の便宜のため,分説の仕方(分説記号)を,当審が変更している。)。

<a> HTMLで編集される元ページのフィード要素と,コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットとを含むコミュニティを格納するためのコミュニティワークスペース(記憶装置)と,

<b> ユーザ毎に提供され,前記コミュニティの URLと前記コミュニティに含まれるフィード要素の複写とを含むChatterフィードを作成しユーザの共通ソーシャルサービスレイヤーにあるChatterタブにChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)と,

<c> 前記コミュニティを作成し前記コミュニティワークスペースに格納し,前記Chatterフィードを生成し,権限セットとプロファイルに基づきコミュニティーのメンバーのFeed記憶域(記憶装置)にChatterフィードを格納するコミュニティビルダー

<d> を具備するイ号製品「Community Cloud」

(注)請求人はイ号製品に係わる用語「コミュニティ」と「コミュニティー」を切り分けており,「コミュニティー」はインターネット上で一定の範囲のユーザーが集まる空間,場所ないし環境を総体として示す概念であるとし,「コミュニティ」とは特定の「コミュニティー」のメンバー間にて共有する情報の単位を示すものとして使い分けている(弁駁書2頁8?14行)。

(2)証拠方法

イ号製品を特定するため等の証拠方法として,以下の書証が提出された。

甲第1号証:特許第5028578号(本件特許)の特許公報
甲第2号証の1:イ号製品「Community Cloud」カタログ
甲第3号証の1-a1: エディタの更新
URL:https://help.salesforce.com/articleView?id=community_builder_migrate_rce.htm&type=5
甲第3号証の1-a2: metaタグを編集
URL:https://help.salesforce.com/articleView?id=community_builder_page_prop.htm&type=5
甲第3号証の1-b1: ユーザのアクセス権の制御
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=security_data_access.htm&language=ja&type=0
甲第3号証の1-c1: コミュニティへのメンバーの追加
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_customize_members.htm&type=0&language=ja&release=208.14#firstQueryMeta=%5Bobject%20Object%5D
甲第3号証の1-d1: コミュニティ設定の更新
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_customize_settings.htm&type=0
甲第3号証の1-d2: コミュニティワークスペースへのアクセス
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_community_workspaces_access.htm&type=0&language=ja&release=208.15#firstQueryMeta=%5Bobject%20Object%5D
甲第3号証の1-f1: コミュニティへのリンクの共有
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_share_link.htm&type=0&language=ja&release=208.15
甲第3号証の1-f2: Communities Home Feed リソース
URL: https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.208.0.chatterapi.meta/chatterapi/connect_resource_feeds_communities_home.htm
甲第3号証の1-h1: Chatterフィードの概要
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=collab_feed_overview.htm&type=0&language=ja&release=208.15
甲第3号証の1-i1: Chatterとコミュニティはどう違うのですか?
URL:https://www.salesforce.com/jp/products/community-cloud/faq
甲第3号証の1-i2: Chatterタブの概要
URL:https://help.salesforce.com/articleView?id=collab_home_overview.htm&type=5
甲第3号証の1-i3: Chatterフィードのデータをエクスポートする
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=000232269&type=1
甲第3号証の1-i4: FeedItem
URL: https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.220.0.api.meta/api/sforce_api_objects_feeditem.htm
甲第3号証の1-j1: コミュニティワークスペースを使用したコミュニティの管理
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_workspaces.htm&type=0&language=ja&release=208.14
甲第3号証の1-l1: コミュニティビルダーの概要
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=community_designer_overview.htm&type=5
甲第3号証の1-l2: コミュニティビルダーでのコミュニティのページとそのプロパティの管理
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=community_builder_page_access_settings.htm&type=0&language=ja&release=208.15#firstQueryMeta=%5Bobject%20Object%5D
甲第3号証の1-l3: コミュニティへのメンバーの追加
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_customize_members.htm&type=0
甲第3号証の2: Chatterとコミュニティはどう違うのですか?
URL:https://www.salesforce.com/jp/products/community-cloud/faq
甲第3号証の3Snapshot1:イ号製品「Chatter」のデモ画面
甲第3号証の3Snapshot2:イ号製品「Community Cloud」のデモ画面
甲第3号証の4: Chatterの概要
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=collab_overview.htm
甲第3号証の5: Chatter REST API
URL: https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.salesforce1api.meta/salesforce1api/apis_chatter_introducing.htm
甲第3号証の6: Chatter REST APIの例
URL: https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.chatterapi.meta/chatterapi/quickreference.htm

2 イ号製品特定に関する被請求人反論概要と証拠方法

(1)イ号製品特定に関する被請求人反論概要

イ号製品特定に関して被請求人は概ね以下のように主張している。

ア 「Chatterフィード」について

「Chatterフィード」とは,被請求人が販売するイ号製品dftとは別の製品であるChatterによって作成されるものであって(請求人が提出した甲第3号証の1-h1に,「Chatterフィード」の概要についての記載があるが,甲第3号証の1-h1はイ号製品ではなくChatterのヘルプページである。),イ号製品における「コミュニティビルダー」によって作成されるものではない。(判定請求答弁書6頁2行?6行)

イ 「コミュニティビルダー」の機能について

「コミュニティビルダー」の機能は,甲第3号証の1-l1に記載のとおりであり,その中に「投稿されたFeedを・・・利用者のFeed記憶域に格納」することが含まれると理解することはできないし,また,現に「コミュニティビルダー」の機能に「投稿されたFeedを・・・利用者のFeed記憶域に格納」することは含まれてもいない。(判定請求答弁書6頁18行?22行)

ウ 「Feed記憶域」について

「Feed記憶域」がイ号製品のいかなる構成要素を指しているのかが定かでない。(判定請求答弁書7頁10行?11行)

エ 「metaタグを編集」について

甲第3号証の1-a2は,コミュニティビルダーによってコミュニティを構成する各種ページを表示・編集する方法に関するヘルプページであるが(請求人はその一部のみを抜粋した上,誤導的に用いているため,当該ヘルプページ全体を乙第5号証として提出する。),請求人が依拠する「metaタグを編集」という項目の記載は,コミュニティを構成するページの単位でmetaタグを設定できることを述べるものであって,請求人のいう「元ページ」(つまり,会員が作成するコメント・投稿)の単位でmetaタグを設定することの可否について述べたものではない。(判定請求答弁書8頁15行?22行)

(2) 証拠方法

イ号製品を特定するため等の証拠方法として,以下の書証が提出された。

乙第1号証 Salesforceコミュニティの設定および管理
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_overview.htm&type=5
乙第2号証 パーソナライズ
URL: https://www.salesforce.com/jp/products/community-cloud/features/customer-community-personalization/
乙第3号証 コミュニティワークスペースを使用したコミュニティの管理
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_workspaces.htm&type=5
乙第4号証 コミュニティワークスペースへのアクセス
URL: https://help.salesforce.com/articleView?id=networks_community_workspaces_access.htm&type=5
乙第5号証 コミュニティビルダーでのページプロパティと種別
URL:https://help.salesforce.com/articleView?id=community_builder_page_prop.htm&type=5

3 書証の記載

(1)甲第2号証の1

ア (1頁)
「Salesforce Community Cloudは,従来の常識を超える革新的なオンライン・コミュニティ・プラットフォームです。
(中略)
Community Cloudを使用すると,効率に優れたセルフサービス型コミュニティから,プレミアムサポートを利用している顧客向けの,心の触れ合いを大切にした上級なコミュニティまで,対話型のさまざまなカスタマーサービスを独自に構築し,提供できます。」

イ (2頁)
「Salesforce Community Cloudは,ビジネスデータとソーシャルメディアのパワーを一体化し企業と顧客との新しいコミュニケーションを実現します。Community Cloudなら,市場最高レベルの信頼性を備えたクラウド・コンピューティング・プラットフォームの機能をすべて利用し,最高水準のソリューションを速やかに導入できます。

ビジネスを統合 重要なファイルをコミュニティ内で共有し,チームメンバーと共同で作業可能。ファイルの共有や,リードの優先順位付け,サポート業務を効率よく行えます。

ソーシャルフィード 重要な個人やグループをフォローし,コラボレーションすることが可能。リアルタイムフィード機能を使用すれば,進展の速い問題やプロジェクトをチームで連携して進められるため,案件の成約率が高まります。また,顧客の問題を速やかに解消し,マーケティングキャンペーンを効率的に展開できます。

ブランディング/カスタマイズ 独自のブランドエレメントやコンテンツで,コミュニティをカスタマイズ可能。御社Webサイトの外観と操作性を,Community Cloudにそのまま反映できます。

(中略)

ソーシャルインテリジェンス Community Cloudでは,個人の関心事や行動履歴に基づいてアドバイスやコンテンツを提供できます。そのため,メンバーの関心を素早く喚起し,コミュニティの活用を促すことができます。

各種テンプレート どのような企業のお客様でも,テンプレートを使ってコミュニティをすぐにセットアップできます。テンプレートは,面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能。しかもコーディング作業なしで編集できます。

(中略)

統合プラットフォーム メンバーは,複数のコミュニティに所属できます。また,シングルサインオン対応で,コミュニティ間を簡単に行き来できます。1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもコミュニティを作成できます。」

ウ (3頁)
「Community Cloud
- トピック
トピック
コミュニティでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されてトピックページに表示されます。収集されるのは関連する投稿や回答ですが,トピックに直接関係するグループやエキスパート,ファイルなどのリソースも表示されます。トピックページは自動的に作成され,コミュニティのメンバーなら誰でもフォローできます。

検索の手間を省略
トピックページには,ユーザーが選んだテーマに関連するコミュニティ内のすべてのコンテンツが収集され,表示されます。」

エ (4頁)
「関心のあるトピックをフォロー
社員による最新のディスカッションや,最新のリソースを確認できます。

共通のつながりを発見
トピックに関連する投稿やファイル,グループ,エキスパートを推奨できます。

新しいトピックがあると新規ページを自動で作成
ディスカッションの新しいテーマが生まれると,新しいトピックページが自動的に作成されます。」

オ (5頁)(乙第2号証)
「Community Cloud
- パーソナライズ
パーソナライズ
個人のニーズや関心にマッチしたお勧めの情報が提示されます。Community Cloudでは,個人の関心事や行動履歴などにもとづいて,関連のありそうなエキスパート,グループ,コンテンツが自動表示されるため,コミュニティを徹底的に活用することができます。」

カ (6頁)
「パーソナライズされたフィードを表示
ファイル,記事,トピックなど,コミュニティ内の全コンテンツの中から好きなものを選び,関連情報をカスタマイズして表示できます。」

(2)甲第3号証の1-a1

「SALESFORCEヘルプ(/) > ドキュメント(・・・) > SALESFORCEコミュニティの設定および管理(・・・)

エディタの更新
ページコンテンツの編集方法を改善するために,HTMLの編集が専用のHTMLエディタコンポ-ネントに移動しました。

(中略)

コンテンツを編集することがない場合,既存のリッチコンテンツエディタコンポーネントをアップグレードする必要はありません。・・・

どちらのエディタを選択すればよいかわからない場合は,両方とも試してください。・・・

1.ページで既存のリッチコンテンツエディタをクリックします。
2.エディタを選択します。
単純なリッチコンテンツを作成および編集してリンク,画像,動画をすばやく追加するには,更新されたリッチコンテンツエディタコンポーネントを使用します。・・・
(中略)

複数のインライン画像を使用しており,位置揃えやテキストの書式設定を制御する場合は,HTMLエディタコンポーネントを使用します。
テキストや動画をきれいに中央に配置するには,リッチコンテンツエディタコンポーネントを使用します。」

(3) 乙第5号証(甲第3号証の1-a2の記載を包含している。)
「コミュニティビルダーでのページプロパティと種別
[ページ] メニューとページのプロパティを使用して,コミュニティを構成する各種ページのプロパティを表示および編集します。
(中略)
ページ種別 (1)
[ページ] メニューではコミュニティのページが種別ごとにグループ化されています。
私のApexページ
ユーザが作成する標準ページです (作成したオブジェクトページは [オブジェクト] に表示されます)。
テンプレートページ
コミュニティテンプレートに付属するデフォルトのページです。
オブジェクト
コミュニティのオブジェクトのページで,オブジェクトのレコード詳細,リスト,関連リストページが含まれます。
汎用レコードページ
これらの汎用ページは,カスタムオブジェクトページが存在しない場合に,Salesforceオブジェクトのレコード情報を表示するために使用されます。
ログインページ
コミュニティテンプレートに付属するデフォルトのログインページです。
ページプロパティ (2)
各ページで使用可能なプロパティは,選択したページ種別によって異なります。
名前
ページの名前。コミュニティビルダーにこのとおり表示されます。ユーザが作成した標準ページでのみ編集できます。
URL
ページのURL。カスタムの標準ページでのみ編集可能です。

(中略)

タイトル
ページのタイトル。ブラウザのタブまたはウィンドウのタイトルにこのとおり表示されます。ページのブックマークに使用され,検索エンジンの結果にも表示されます。
動的にタイトルを設定するテンプレートページセクションのページ (記事の詳細ページやトピックの詳細ページなど) では使用できません。
デフォルトでは,オブジェクトセクションの詳細ページとリストページのタイトルは動的に設定されます。そのため,タイトル項目はありますが,その値は上書きされます。ただし,ページのデフォルトコンポーネントを,ページタイトルを動的に設定しないカスタム Lightningコンポーネントで置き換えた場合,ここで設定したタイトルが使用されます。

説明
検索エンジン最適化の目的で使用され,検索エンジンの結果に表示されます。[カスタマーサポートへの連絡],[エラー],[ホーム],[トピックカタログ] テンプレートページと,[私のApexページ] および [ログインページ] に表示されるすべてのページで使用できます。

meta タグを編集
コミュニティの検索エンジンの最適化を支援するために,ページに特定のタグを入力する機会を提供します。標準のHTML metaタグに加え,名前,タイトル,特定の項目の値など,このページに関連付けられているレコードの値にアクセスする式を入力できます。」

(4) 甲第3号証の1-b1
「ユーザのアクセス権の制御
Salesforceは階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしています。権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できます。組織の共有設定,ユーザロール,共有ルールを使用すると,ユーザが参照および編集できる個々のレコードを指定できます。」

(5) 甲第3号証の1-c1 (甲第3号証の1-l3)
「コミュニティへのメンバーの追加

設定プロセス時にプロファイルと権限セットを使用して,コミュニティのメンバーシップを管理します。

(中略)

プロファイルおよび権限セットを使用して,次の操作を実行できます。

・ユーザグループのアクセス権を付与または削除する。プロファイルまたは権限セットを追加すると,そのプロファイルまたは権限セットに割り当てられたすべてのユーザがコミュニティのメンバーになります。
・メンバー種別ポリシーを適用する。コミュニティにすでに関連付けられているプロファイルまたは権限セットに追加された新しいユーザには,アクセス権が自動的に付与されます。

権限セットを使用すると,メンバーを柔軟に追加できます。プロファイルをコピーしなくても,同じプロファイルのユーザのサブセットにコミュニティアクセス権を付与できます。

標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルは,コミュニティに追加できます。顧客を含む非公開グループのChatter顧客は,コミュニティに関連付けられたプロファイルまたは権限セットが割り当てられていてもコミュニティには追加できません。

メモ コミュニティに関連づけられたプロファイルまたは権限セットは,Salesforceから削除できません。まず,プロファイルまたは権限セットをコミュニティから削除する必要があります。」

(6)甲第3号証の1-d1
「コミュニティ設定の更新
コミュニティの名前,説明,コミュニティの状況,コミュニティテンプレートをすべて1か所で管理します。

(中略)

コミュニティ名とURLはコミュニティを有効にした後に変更できますが,ユーザは新しいURLにリダイレクトされません。したがって,名前またはURLを変更する前に,必ずコミュニティメンバーに通知してください。

1.コミュニティワークスペース(・・・)または [コミュニティ管理](・・・)を開きます。
2.[管理][設定] をクリックします。
3.必要に応じてコミュニティ設定を編集します。」

(7) 甲第3号証の1-d2,乙第4号証
「SALESFORCEヘルプ(/) > ドキュメント(・・・) > SALESFORCEコミュニティの設定および管理(・・・)

コミュニティワークスペースへのアクセス

合理化されたコミュニティワークスペースでは,コミュニティのモデレーション,作成,および管理が一元化されています。」

(8) 甲第3号証の1-f1
「コミュニティヘのリンクの共有
有効化する前に,コミュニティのプレビューをメンバーに許可することができます。

(中略)

必要なユーザ権限
コミュニティのプレビューURLを共有する 「コミュニティの作成および設定」

プレビューコミュニティのリンクは,コミュニティのメンバーとして追加されたユーザとのみ共有できます。

[プレビュー] 状況のコミュニティへのリンクを共有すると,関係者のフィードバックを簡単に収集できます。コミュニティは有効化した場合と同じように機能するため,関係者はすべての機能を試してブランドおよびカスタマイズを確認できます。また,メンバーが最初のログインから有効なコミュニティに入るようにするため,レコードを投稿,コメント,共有できる初期メンバーを活用することもできます。

1.コミュニティワークスペース(・・・)または [コミュニティ管理] (・・・)を開きます。
2.[管理][設定] をクリックします。
3.ページに表示されるURLをコピーし,関係者と共有します。
URLは,コミュニティのメンバーとして追加したユーザのみと共有できます。」

(9) 甲第3号証の1-f2
「Chatter REST API 開発者ガイド

(中略)

Communities Home Feedリソース
コミュニティホームからのフィード要素とコメントを含むフィード。
次のリソースを使用できます。

リソース 説明
/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home コミュニティホームフィードおよびフィード要素のページへのURLを取得します。
/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elements コミュニティホームフィードからすべてのフィード要素を取得します。

Communities Home Feed URL
コミュニティホームフィードおよびフィード要素のページへのURLを取得します。
リソース
1 /connect/communities/communityId/chatter/feeds/home」

(10) 甲第3号証の1-h1
「Chatterフィードの概要

プロファイル,グループ,Chatterタブ,トピックの詳細ページ,レコード詳細ページのChatterフィードでは,ユーザとレコードをフォローし,更新を参照します。

(中略)

通常,フォローすることで次に関する更新を参照できます。
・Chatterフィードのコメントと投稿
・自分がメンバーになっている Chatterグループに対する投稿,コメント,ファイル
・共有ファイルおよびリンク
・ToDoと行動
・取引開始済みのリード数
・レコード所有者の変更,完了した商談,クローズケースのようなレコード項目の変更
レコードの更新は,システム生成された投稿ともいいます。これらは,誰かが新しいレコードを作成するか,レコードで追跡されている項目を変更したときに Salesforceが自動生成する更新です。表示されるレコードの更新は,システム管理者がどのようにフィード追跡を設定したか,およびレコードへのアクセス権があるかどうかによって異なります。」

(11) 甲第3号証の1-i1 (甲第3号証の2)
「Chatterとコミュニティはどう違うのですか?

ChatterはSalesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーです。全社規模の社内ソーシャルネットワークでは,誰でも発見を共有したりアイデアを提案したりすることができ,チーム同士で直接フィードバックできます。

コミュニティは企業が提供するブランドサイトです。サイト内では,顧客,パートナー,社員がエキスパートとつながり,情報交換や交流を行うことができます。Chatterは各コミュニティ内でも,ソーシャルレイヤーとしてメンバー同士の交流や連携を促進します。」

(12) 甲第3号証の1-i2
「Chatterタブの概要

Chatterタブは,コラボレーションの起点であり,ここから,Chatterのほぼすべてのコラボレーション機能にすぐにアクセスできます。

(中略)

Chatterタブから,次の操作が可能です。

・投稿(・・・)して自分をフォローしている人と共有したり,他のユーザの投稿にコメントしたりする。
・投稿またはコメントにいいね!と言って(・・・)賛同を示す。
・プロファイルまたはグループへの投稿を共有(・・・)したり,投稿へのリンクを他のChatterユーザにメールまたはインスタントメッセージで送信する。
・左側でフィードを表示,フィルタ,並べ替え(・・・)して,自分がフォローしている人およびレコードからの投稿と,自分がメンバーであるグループからの投稿,自分にメンションしている投稿,自分がブックマークした投稿,会社からのすべての投稿を表示する。
・フィードを検索(・・・)して,Chatterタブのフィード投稿やコメント内にある情報をすばやく検索する。
・投稿をブックマーク(・・・)して,投稿に対する以降のコメントを追跡したり,後で投稿をフォローアップすることを記憶したりする。
・投稿にトピックを追加(・・・)して,投稿を分類し,見つけやすくする。
・人(・・・),グループ(・・・),ファイル(・・・),およびトピック(・・・)リストにアクセスする。」

(13) 甲第3号証の1-i3
「Chatterフィードのデータをエクスポートする

(中略)

説明 Chatterフィードの活動をエクスポートするには,データローダを使用して「FeedItem」のオブジェクトを選択します。FeedItemは,組織のすべての Chatterフィードの活動のデータを保持しています。」

(14) 甲第3号証の1-i4
「FeedItem

FeedItemは,レコードフィードの変更 (テキスト投稿,リンク投稿,およびコンテンツ投稿を含む) などのフィードのエントリを表します。このオブジェクトは,API バージョン 21.0 以降で使用できます。このオブジェクトはFeedPostに代わって使用されます。」

(15) 甲第3号証の1-j1,乙第3号証
「コミュニティワークスペースを使用したコミュニティの管理
コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができます。コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができます。コミュニティマネージャは,グループ,メンバー,フィード活動,ライセンス利用状況に関するダッシュボードを表示したり,コミュニティの評価システムを管理したりできます。モデレータは,レビュー用のフラグが付けられた項目を表示できます。」

(16) 甲第3号証の1-l1
「コミュニティビルダーの概要

コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開できます。テンプレートを選択してコミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定できます。

(中略)

必要なユーザ権限
コミュニティを作成,カスタマイズ,公開する (中略)

コミュニティビルダーでは,次のことができます。
・コミュニティのスタイルをすばやく設定(・・・)し,会社のブランド設定に合わせる。
・コミュニティビルダーでコミュニティページおよびコンポーネントを編集(・・・)し,ページのデザインとコンテンツをカスタマイズする。
・コミュニティをプレビュー(・・・)し,さまざまなデバイスに正しく表示されることを確認する。
・変更を公開(・・・)してコミュニティの全員が使用できるようにする。

・コミュニティビルダーのナビゲーション(・・・)
コミュニティビルダーを使用すると,カスタムコミュニティをすばやく作成し,組織のブランド設定に合わせてスタイルを設定できます。

・テーマについて(・・・)
テーマは,サイトの視覚フローとエクスペリエンスを顧客用に定義する情報のコレクションです。」

(17) 甲第3号証の1-l2
「コミュニティビルダーでのコミュニティのページとそのプロパティの管理

[ページ]メニューとページのプロパティで,ページの作成から利用者の条件に基づくページ表示までページに関するあらゆる作業を一元化します。」

(18) 甲第3号証の3
Snapshot1 (製品「Chatter」のデモ画面)略
Snapshot2 (製品「Community Cloud」のデモ画面)略

(19) 甲第3号証の4
「Chatterの概要

フィード,プロファイル,グループなどの Chatter機能を使用して,社内で情報共有やコラボレーションを行ったり,常に最新の更新を入手したりできます。

(中略)

Chatterは,Salesforce組織のすべてのセキュリティ設定および権限設定に従って機能します。2010 年 6 月 22 日より後に作成された組織では,Chatterがデフォルトで有効になります。既存の組織では,システム管理者がChatterを有効にする必要があります。どのページにも右上隅に表示されるアプリケーションメニューからChatterアプリケーションにアクセスできます。システム管理者が「Chatter」タブを他のアプリケーションに追加した場合,自分の表示をすでにカスタマイズしていれば,手動でタブを追加する必要があります。

(中略)

Chatterは組織単位での使用に限られます。Chatterを使用して相互に通信できるのは,同じ Salesforce組織内のユーザのみです。ただし,会社のメールドメイン外の人を追加して,所有または管理するグループの顧客として組織のChatterを使用できます。

メモ「会社」と「組織」 (または「org」) という言葉は,ほとんど同義です。組織とは,Salesforceの1つのリリースです。ライセンスを受けたユーザセットが定義されており,ユーザはChatterを使用してもしなくてもかまいません。「会社」と「組織」という言葉は,Chatterではほとんど同義です。たとえば,「社内のすべての Chatterユーザでファイルを共有する」とあれば,Chatterを使用する特定のSalesforce組織内の全員で共有することを意味します。」

(20) 甲第3号証の5
「Salesforce1 Platform API サービスガイド
(中略)
Chatter REST API

Chatter REST APIを使用すると,プログラムを介して Salesforce組織の Chatterフィード,グループ,およびソーシャルデータにアクセスできます。

Chatter REST APIを使用するケース

Chatter REST APIは,Chatterフィードと,ユーザ,グループ,フォロワー,ファイルなどのソーシャルデータへのプログラムを使用したアクセスを提供します。Chatter REST APIを使用して,モバイルアプリケーション,イントラネットサイト,およびサードパーティWebアプリケーションなど,さまざまなアプリケーションにChatterを統合します。Chatter REST APIは,FacebookやTwitterなどのフィードを提供する他の企業から公開されているAPIに類似しています。

次の場合は,Chatter REST APIを使用してください。
・Chatterフィードを表示するモバイルクライアントを作成する。
・サードパーティ製WebアプリケーションをChatterと統合して,ユーザのグループに行動について通知する。
・ユーザが認証された後,Chatterフィードをイントラネットサイトなどの外部システムに表示する。
・フィードをサードパーティサイトに統合して利用可能にする。たとえば,投稿に#tweet ハッシュタグが含まれる場合は常にChatter項目をTwitterに投稿するアプリケーションなどがあります。
・Chatterと連動し,フィード上で通知を行える簡単なゲームを作成する。たとえば,インセンティブが支給されるセールスコンテストなどが考えられます。
・組織のブランド情報を含むカスタムのChatter用スキンを作成する。」

(21) 甲第3号証の6
「Chatter REST API 開発者ガイド
(中略)

Chatter REST APIの例

(中略)
・フィード投稿を編集する」

(22) 乙第1号証
「Salesforceコミュニティの設定および管理

コミュニティとは,従業員,顧客,パートナーをつなぐブランド空間です。ビジネスニーズに合わせてコミュニティをカスタマイズしながら作成することができ,その後もコミュニティ間をシームレスに移行できます。

(中略)

コミュニティは次の目的で使用できます。
・従業員と流通業者,再販業者,納入業者を接続し,販売を促進する
・顧客から回答を得られる一元的な場所を用意することにより,世界クラスのサービスを提供する
・ソーシャルな聴取,内容,取り組み,およびワークフローのすべてを一元管理する

ドラッグアンドドロップコンポーネントを使用して事前設定されたLightningコミュニティテンプレートをコミュニティのベースにするか,標準のSalesforceの機能とタブをベースにします。コミュニティで,Salesforce社内組織の機能やデータのサブセットを共有し,会社のブランドを使用するようにコミュニティをカスタマイズできます。

コミュニティは組織内に存在し,Lightning Experienceのアプリケーションランチャーから,または Salesforce Classicのグローバルヘッダーから簡単にアクセスできます。

(中略)

・Salesforceコミュニティの概要(・・・)
コミュニティは,カスタマー,パートナー,従業員のような,ビジネスプロセスに重要な人と情報を共有し,コラボレーションするための便利な機能です。ポータル,ヘルプフォーラム,サポートサイト,HRセントラルなどさまざまな呼び方がありますが,オンラインコミュニティは,仕事をしていく上で重要な人々とこれまでとは違った新しい方法でつながることができる,すばらしい場所です。絶えず進化する Lightningテンプレートでポイント & クリックの簡単なブランド設定ツールを使用するか,Visualforceを使用して,ブランド化されたコラボレーション環境を作成します。

(中略)

・コミュニティビルダーを使用したコミュニティのカスタマイズ(・・・)
テンプレートを使用してコミュニティをすばやく設定し,会社のブランドでカスタマイズしたり,コミュニティメンバーと Salesforceレコードを共有したり,ニーズに合ったコラボレーティブな空間でこれらのメンバーと連携したりできます。

・コミュニティパフォーマンスの向上(・・・)
コミュニティページオプティマイザを使用して,コミュニティパフォーマンスを分析します。Community Cloudコンテンツ配信ネットワークとブラウザキャッシュを使用して,ページの読み込み時間を短縮します。

(中略)

・コミュニティ管理(・・・)
[コミュニティ管理]で,コミュニティの管理とモデレートを一元的に行うことができます。

(中略)

・トピックを使用したコミュニティの整理(・・・)
ナビゲーショントピック,主要トピック,コンテンツトピックは,コミュニティの情報とコンテンツを整理する優れた方法です。トピックを使用してコミュニティのコンテンツを構造化したり,主要なディスカッションを強調表示したりできます。トピックを作成することも,コミュニティメンバーの投稿から有機的に発生したトピックを使用することもできます。

・コミュニティのおすすめ情報のカスタマイズ(・・・)
おすすめを作成して,コミュニティのエンゲージメントを促進し,ユーザに動画の閲覧やトレーニングの受講などを促します。特定の利用者を対象にしたり,チャネルを使用しておすすめの場所を指定したりします。」

4 当審によるイ号製品等の特定

以下では,まず,上記3の証拠の記載に基づいて,イ号製品として請求人が製品名を挙げた製品「Community Cloud」の構成に基づいてイ号製品を特定し(後記(1)),次に,請求人がイ号製品の備える構成として主張した構成<a>ないし<c>について検討する(後記(2))。

(1)イ号製品「Community Cloud」

ア 「Community Cloud」

上記3(1)アの「Salesforce Community Cloudは,従来の常識を超える革新的なオンライン・コミュニティ・プラットフォームです。(中略)Community Cloudを使用すると,効率に優れたセルフサービス型コミュニティから,プレミアムサポートを利用している顧客向けの,心の触れ合いを大切にした上級なコミュニティまで,対話型のさまざまなカスタマーサービスを独自に構築し,提供できます。」という記載(下線部は当審で付加した。以下,同様。),および,上記3(1)イの「Salesforce Community Cloudは,ビジネスデータとソーシャルメディアのパワーを一体化し企業と顧客との新しいコミュニケーションを実現します。Community Cloudなら,市場最高レベルの信頼性を備えたクラウド・コンピューティング・プラットフォームの機能をすべて利用し,最高水準のソリューションを速やかに導入できます。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」は,オンライン・コミュニティ・プラットフォームであって,Community Cloudを使用すると,効率に優れたセルフサービス型コミュニティから,プレミアムサポートを利用している顧客向けの,心の触れ合いを大切にした上級なコミュニティまで,対話型のさまざまなカスタマーサービスを独自に構築し,提供でき, Community Cloudは,ビジネスデータとソーシャルメディアのパワーを一体化しており,クラウド・コンピューティング・プラットフォームの機能を利用しており,ソリューションを速やかに導入できるものであると認められる。
すなわち,イ号製品「Community Cloud」は,対話型のカスタマーサービスとして,さまざまなオンライン・コミュニティを構築して提供することが可能なクラウド・コンピューティング・プラットフォームであるといえる。

イ イ号製品「Community Cloud」によるオンライン・コミュニティの構築

(ア)上記3(1)イの「ブランディング/カスタマイズ 独自のブランドエレメントやコンテンツで,コミュニティをカスタマイズ可能。御社Webサイトの外観と操作性を,Community Cloudにそのまま反映できます。」という記載から,ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,ユーザ企業のWebサイトの外観と操作性を反映させるように,ユーザ企業独自のブランドエレメントやコンテンツで,オンライン・コミュニティをカスタマイズ可能であると認められる。

(イ)上記3(1)イの「各種テンプレート どのような企業のお客様でも,テンプレートを使ってコミュニティをすぐにセットアップできます。テンプレートは,面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能。しかもコーディング作業なしで編集できます。」という記載,および,上記
3(16)の「コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開できます。テンプレートを選択してコミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定できます。」という記載から,ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,テンプレートを使ってオンライン・コミュニティをセットアップでき,テンプレートは面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能であり,コーディング作業なしで編集でき,コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開でき,テンプレートを選択してコミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定できると認められる。

(ウ)上記3(1)イの「1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもコミュニティを作成できます。」という記載から,ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもコミュニティを作成できると認められる。

(エ)以上(ア)?(ウ)より,ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,ユーザ企業のWebサイトの外観と操作性を反映させるように,ユーザ企業独自のブランドエレメントやコンテンツで,オンライン・コミュニティをカスタマイズ可能であり,テンプレートを使ってオンライン・コミュニティをセットアップでき,テンプレートは面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能であり,コーディング作業なしで編集でき,コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開でき,テンプレートを選択してオンライン・コミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定でき,1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもオンライン・コミュニティを作成できるといえる。

ウ イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティ

(ア)上記3(1)イの「ビジネスを統合 重要なファイルをコミュニティ内で共有し,チームメンバーと共同で作業可能。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティは,重要なファイルを共有することで,チームメンバーと共同で作業可能となると認められる。

(イ)上記3(15)の「コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができます。コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができます。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティは,コミュニティワークスペースで,オンライン・コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができ,コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができると認められる。

(ウ)上記3(1)ウの「Community Cloud・・・トピック コミュニティでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されてトピックページに表示されます。収集されるのは関連する投稿や回答ですが,トピックに直接関係するグループやエキスパート,ファイルなどのリソースも表示されます。トピックページは自動的に作成され,コミュニティのメンバーなら誰でもフォローできます。 検索の手間を省略 トピックページには,ユーザーが選んだテーマに関連するコミュニティ内のすべてのコンテンツが収集され,表示されます。」という記載,および,上記3(1)エの「関心のあるトピックをフォロー 社員による最新のディスカッションや,最新のリソースを確認できます。 共通のつながりを発見 トピックに関連する投稿やファイル,グループ,エキスパートを推奨できます。 新しいトピックがあると新規ページを自動で作成 ディスカッションの新しいテーマが生まれると,新しいトピックページが自動的に作成されます。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティは,トピックページを含んでおり,当該トピックページにでは,オンライン・コミュニティでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されて表示され,オンライン・コミュニティのメンバーによる最新のディスカッションや,最新のリソースを確認でき,トピックに関連する投稿やファイル,グループ,エキスパートを推奨でき,ディスカッションの新しいテーマが生まれると,新しいトピックページが自動的に作成されると認められる。

(エ)上記3(5)の「コミュニティへのメンバーの追加 設定プロセス時にプロファイルと権限セットを使用して,コミュニティのメンバーシップを管理します。(中略)プロファイルおよび権限セットを使用して,次の操作を実行できます。 ・ユーザグループのアクセス権を付与または削除する。プロファイルまたは権限セットを追加すると,そのプロファイルまたは権限セットに割り当てられたすべてのユーザがコミュニティのメンバーになります。(中略)標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルは,コミュニティに追加できます。」という記載,および,上記3(4)の「ユーザのアクセス権の制御 Salesforceは階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしています。権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できます。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティは,プロファイルと権限セットを使用して,コミュニティのメンバーシップを管理しており,プロファイルおよび権限セットを使用して,ユーザグループのアクセス権の付与または削除の操作が実行でき,プロファイルには,標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルなどがあって,これらのプロファイルをコミュニティに追加でき,Salesforceにおけるユーザのアクセス権の制御では,階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしており,権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できることが認められる。

(オ)以上(ア)?(エ)より,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティは,重要なファイルを共有することで,チームメンバーと共同で作業可能となり,コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができ,コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができ,トピックページを含んでおり,当該トピックページにでは,コミュニティでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されて表示され,オンライン・コミュニティのメンバーによる最新のディスカッションや,最新のリソースを確認でき,トピックに関連する投稿やファイル,グループ,エキスパートを推奨でき,ディスカッションの新しいテーマが生まれると,新しいトピックページが自動的に作成され,プロファイルと権限セットを使用して,コミュニティのメンバーシップを管理しており,プロファイルおよび権限セットを使用して,ユーザグループのアクセス権の付与または削除の操作が実行でき,プロファイルには,標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルなどがあって,これらのプロファイルをコミュニティに追加でき,Salesforceにおけるユーザのアクセス権の制御では,階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしており,権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できることが認められる。

エ イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティとChatter

(ア)上記3(11)の「Chatterとコミュニティはどう違うのですか?・・・ChatterはSalesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーです。・・・コミュニティは企業が提供するブランドサイトです。サイト内では,顧客,パートナー,社員がエキスパートとつながり,情報交換や交流を行うことができます。Chatterは各コミュニティ内でも,ソーシャルレイヤーとしてメンバー同士の交流や連携を促進します。」という記載,上記3(1)イの「ソーシャルフィード 重要な個人やグループをフォローし,コラボレーションすることが可能。」という記載,および,上記3(10)の「Chatterフィードの概要・・・プロファイル,グループ,Chatterタブ,トピックの詳細ページ,レコード詳細ページのChatterフィードでは,ユーザとレコードをフォローし,更新を参照します。・・・通常,フォローすることで次に関する更新を参照できます。 ・Chatterフィードのコメントと投稿 ・自分がメンバーになっている Chatterグループに対する投稿,コメント,ファイル ・共有ファイルおよびリンク」という記載から,Salesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーであるChatterが,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティ内でも,ソーシャルレイヤーとしてメンバー同士の交流や連携を促進しており,ソーシャルレイヤーであるChatterのソーシャルフィードにより重要な個人やグループなどをフォローし,コラボレーションすることが可能であり,Chatterフィードのコメントと投稿,自分がメンバーになっている Chatterグループに対する投稿,コメント,ファイル,共有ファイルおよびリンクなどをフォローすることで更新を参照できると認められる。

(イ)上記3(9)の「Chatter REST API 開発者ガイド・・・Communities Home Feedリソース コミュニティホームからのフィード要素とコメントを含むフィード。次のリソースを使用できます。・・・/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsコミュニティホームフィードからすべてのフィード要素を取得します。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティのソーシャルレイヤーであるChatterのソーシャルフィードであるChatterフィードのフィード要素が/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsというディレクトリに保管されていると認められる。

(ウ)上記3(12)の「Chatterタブから,次の操作が可能です。(中略)・左側でフィードを表示,フィルタ,並べ替え(・・・)して,自分がフォローしている人およびレコードからの投稿と,自分がメンバーであるグループからの投稿,自分にメンションしている投稿,自分がブックマークした投稿,会社からのすべての投稿を表示する。(中略)・投稿をブックマーク(・・・)して,投稿に対する以降のコメントを追跡したり,後で投稿をフォローアップすることを記憶したりする。 ・投稿にトピックを追加(・・・)して,投稿を分類し,見つけやすくする。 ・人(・・・),グループ(・・・),ファイル(・・・),およびトピック(・・・)リストにアクセスする。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供したChatterのChatterタブでは,左側でフィードを表示,フィルタ,並べ替えして,自分がフォローしている人およびレコードからの投稿と,自分がメンバーであるグループからの投稿,自分にメンションしている投稿,自分がブックマークした投稿,会社からのすべての投稿を表示する操作,投稿をブックマークして,投稿に対する以降のコメントを追跡したり,後で投稿をフォローアップすることを記憶したりする操作,投稿にトピックを追加して,投稿を分類し,見つけやすくする操作人,グループ,ファイル,およびトピックリストにアクセスする操作等が可能であると認められる。

(エ)上記3(13)の「Chatterフィードのデータをエクスポートする(中略)説明 Chatterフィードの活動をエクスポートするには,データローダを使用して「FeedItem」のオブジェクトを選択します。FeedItemは,組織のすべての Chatterフィードの活動のデータを保持しています。」という記載,および,上記3(13)の「FeedItemは,レコードフィードの変更 (テキスト投稿,リンク投稿,およびコンテンツ投稿を含む) などのフィードのエントリを表します。」という記載から,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供したChatterによるChatterフィードの活動のデータは,FeedItemに保持されており,データローダを使用して「FeedItem」のオブジェクトを選択することで,組織のすべての Chatterフィードの活動のデータをエクスポート可能であると認められる。

(オ)以上(ア)から(エ)より,Salesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーであるChatterが,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティ内でも,ソーシャルレイヤーとしてメンバー同士の交流や連携を促進しており,ソーシャルレイヤーであるChatterのソーシャルフィードにより重要な個人やグループなどをフォローし,コラボレーションすることが可能であり,Chatterフィードのコメントと投稿,自分がメンバーになっている Chatterグループに対する投稿,コメント,ファイル,共有ファイルおよびリンクなどをフォローすることで更新を参照でき,オンライン・コミュニティのソーシャルレイヤーであるChatterのソーシャルフィードであるChatterフィードのフィード要素が/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsというディレクトリに保管されており,ChatterのChatterタブでは,左側でフィードを表示,フィルタ,並べ替えして,自分がフォローしている人およびレコードからの投稿と,自分がメンバーであるグループからの投稿,自分にメンションしている投稿,自分がブックマークした投稿,会社からのすべての投稿を表示する操作,投稿をブックマークして,投稿に対する以降のコメントを追跡したり,後で投稿をフォローアップすることを記憶したりする操作,投稿にトピックを追加して,投稿を分類し,見つけやすくする操作,人,グループ,ファイル,およびトピックリストにアクセスする操作等が可能であり,ChatterによるChatterフィードの活動のデータは,FeedItemに保持されており,データローダを使用して「FeedItem」のオブジェクトを選択することで,組織のすべての Chatterフィードの活動のデータをエクスポート可能であると認められる。

オ 上記アおよびイより,イ号製品「Community Cloud」は,以下のようなものであると認められる(充足性判断の便宜のため,構成<a’>?<c’>に分説した。)。

「<a’> 対話型のカスタマーサービスとして,さまざまなオンライン・コミュニティを構築して提供することが可能なクラウド・コンピューティング・プラットフォームであって,

<b’> ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,ユーザ企業のWebサイトの外観と操作性を反映させるように,ユーザ企業独自のブランドエレメントやコンテンツで,オンライン・コミュニティをカスタマイズ可能であり,テンプレートを使ってオンライン・コミュニティをセットアップでき,テンプレートは面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能であり,コーディング作業なしで編集でき,コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開でき,テンプレートを選択してオンライン・コミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定でき,1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもオンライン・コミュニティを作成できる

<c’> クラウド・コンピューティング・プラットフォーム。」

カ また,上記ウより,ユーザ企業が,イ号製品「Community Cloud」を用いることで構築したオンライン・コミュニティは,以下<d’1>?<d’5>のような構成を備えているといえる。

「<d’1> 重要なファイルを共有することで,チームメンバーと共同で作業可能となり,

<d’2> コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができ,コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができ,

<d’3> トピックページを含んでおり,当該トピックページにでは,コミュニティでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されて表示され,オンライン・コミュニティのメンバーによる最新のディスカッションや,最新のリソースを確認でき,トピックに関連する投稿やファイル,グループ,エキスパートを推奨でき,ディスカッションの新しいテーマが生まれると,新しいトピックページが自動的に作成され,

<d’4> プロファイルと権限セットを使用して,コミュニティのメンバーシップを管理しており,プロファイルおよび権限セットを使用して,ユーザグループのアクセス権の付与または削除の操作が実行でき,プロファイルには,標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルなどがあって,これらのプロファイルをコミュニティに追加でき,Salesforceにおけるユーザのアクセス権の制御では,階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしており,権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できる

<d’5> オンライン・コミュニティ。」

なお,上記構成は,あくまでも,イ号製品「Community Cloud」を用いて構築されたオンライン・コミュニティが有する構成であって,イ号製品「Community Cloud」それ自体が有する構成とは認められない。

キ さらに,上記エより,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティにおいて,Salesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーであるChatterは,以下のような構成<e’1>?<e’7>を備えているといえる。

「<e’1> Salesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーであるChatterであって,

<e’2> イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティ内において,ソーシャルレイヤーとしてメンバー同士の交流や連携を促進しており,

<e’3> Chatterフィードにより重要な個人やグループなどをフォローし,コラボレーションすることが可能であり,Chatterフィードのコメントと投稿,自分がメンバーになっている Chatterグループに対する投稿,コメント,ファイル,共有ファイルおよびリンクなどをフォローすることで更新を参照でき,

<e’4> Chatterフィードのフィード要素が/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsというディレクトリに保管されており,

<e’5> ChatterのChatterタブでは,左側でフィードを表示,フィルタ,並べ替えして,自分がフォローしている人およびレコードからの投稿と,自分がメンバーであるグループからの投稿,自分にメンションしている投稿,自分がブックマークした投稿,会社からのすべての投稿を表示する操作,投稿をブックマークして,投稿に対する以降のコメントを追跡したり,後で投稿をフォローアップすることを記憶したりする操作,投稿にトピックを追加して,投稿を分類し,見つけやすくする操作,人,グループ,ファイル,およびトピックリストにアクセスする操作等が可能であり,

<e’6> ChatterによるChatterフィードの活動のデータは,FeedItemに保持されており,データローダを使用して「FeedItem」のオブジェクトを選択することで,組織のすべての Chatterフィードの活動のデータをエクスポート可能である

<e’7> Chatter。」

なお,上記構成は,あくまでも,イ号製品「Community Cloud」を用いて構成されたオンライン・コミュニティにおいて,Salesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーであるChatterが有する構成であって,イ号製品「Community Cloud」それ自体が有する構成とは認められない。

(2)請求人がイ号製品の備える構成として主張した構成<a>ないし<c>について

ア 構成<a>について

(ア)請求人は,イ号製品「Community Cloud」が以下の構成<a>を備えている旨主張している。

<a> HTMLで編集される元ページのフィード要素と,コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットとを含むコミュニティを格納するためのコミュニティワークスペース(記憶装置)

(イ)「HTMLで編集される元ページのフィード要素」について

上記(1)キで,<e’4>「Chatterフィードのフィード要素が/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsというディレクトリに保管されており」と認定したように,Chatterフィードのフィード要素は,ユーザ企業がオンライン・コミュニティを作成した後に,当該オンライン・コミュニティのIDであるcommunityIdに対応したディレクトリに格納されていると認められる。

したがって,「Chatterフィードのフィード要素」は,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティに対応したディレクトリに格納されていることは認められるものの,当該ディレクトリがイ号製品「Community Cloud」内に存在するか否かは証拠上明らかでない(例えば,上記ディレクトリは,Salesforce組織が共通して管理するファイルシステム内に格納されているものである可能性を排除できない。)。

(ウ)「コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットとを含むコミュニティ」について

上記3(5)の「標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルは,コミュニティに追加できます。」という記載から,プロファイルには,標準プロファイル,Chatterプロファイル,およびパートナープロファイルなどがあり,これらのプロファイルをオンライン・コミュニティに追加できると認められる。

上記3(5)の「顧客を含む非公開グループのChatter顧客は,コミュニティに関連付けられたプロファイルまたは権限セットが割り当てられていてもコミュニティには追加できません。」および「メモ コミュニティに関連づけられたプロファイルまたは権限セットは,Salesforceから削除できません。まず,プロファイルまたは権限セットをコミュニティから削除する必要があります。」という記載から,プロファイルや権限セットをオンライン・コミュニティに追加することは,オンライン・コミュニティに割り当てたり,関連づけたりすることであると認められる。

したがって,プロファイルや権限セットは,オンライン・コミュニティに割り当てたり,関連付けたりすることにとどまり,証拠上,イ号製品「Community Cloud」内にプロファイルや権限セットを含んでいると認めることができない(例えば,プロファイルや権限セットは,Salesforce組織が共通して管理保管しているものであり,オンライン・コミュニティでは,それらを流用しているだけである可能性を排除できない。)。
また,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ内に,プロファイルや権限セットを含んでいるとも,同様の理由で,証拠上認めることはできない。

(エ)「コミュニティを格納するためのコミュニティワークスペース(記憶装置)」について

上記3(15)のコミュニティワークスペースに関する「コミュニティワークスペースを使用したコミュニティの管理 コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができます。コミュニティビルダーや [管理] ワークスペースにアクセスして,コミュニティの設定およびブランド設定を行うことができます。コミュニティマネージャは,グループ,メンバー,フィード活動,ライセンス利用状況に関するダッシュボードを表示したり,コミュニティの評価システムを管理したりできます。モデレータは,レビュー用のフラグが付けられた項目を表示できます。」という記載からは,コミュニティワークスペースでコミュニティの設定等を行うことが可能であると認められるものの,証拠上,コミュニティワークスペースが記憶装置であったり,オンライン・コミュニティを格納していたりすることを認めることはできない(証拠の記載からは,コミュニティワークスペースを単なる設定画面と解釈する方が自然である。)。

イ 構成<b>について

(ア)請求人は,イ号製品「Community Cloud」が以下の構成<b>を備えている旨主張している。

<b> ユーザ毎に提供され,前記コミュニティの URLと前記コミュニティに含まれるフィード要素の複写とを含むChatterフィードを作成しユーザの共通ソーシャルサービスレイヤーにあるChatterタブにChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)

(イ)上記(1)キ<e’5>で述べたように,イ号製品「Community Cloud」で構築されたオンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供したChatterのChatterタブでは,左側でChatterフィードを表示していることが認められる。
しかし,Chatterフィード表示等は,イ号製品「Community Cloud」とは別製品のChatterが行っている処理であるから,証拠上,イ号製品「Community Cloud」がChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)を備えていることを認めることはできない(証拠の記載からは,イ号製品「Community Cloud」ではなく,別製品のChatterが,記憶領域を管理していると解釈する方が自然である。)。

ウ 構成<c>について

(ア)請求人は,イ号製品「Community Cloud」が以下の構成<c>を備えている旨主張している。

<c> 前記コミュニティを作成し前記コミュニティワークスペースに格納し,前記Chatterフィードを生成し,権限セットとプロファイルに基づきコミュニティーのメンバーのFeed記憶域(記憶装置)にChatterフィードを格納するコミュニティビルダー

(イ)「前記コミュニティを作成し前記コミュニティワークスペースに格納し」について
コミュニティビルダーは,オンライン・コミュニティを作成するものであるとは認められるが,上記ア(エ)で述べたように,証拠上,コミュニティワークスペースがオンライン・コミュニティを格納していることを認めることはできない。

(ウ)「前記Chatterフィードを生成し,権限セットとプロファイルに基づきコミュニティーのメンバーのFeed記憶域(記憶装置)にChatterフィードを格納する」について

上記イ(イ)で述べたように,Chatterフィードを生成したり,表示したりする処理等は,イ号製品「Community Cloud」とは別製品のChatterが行っている処理であるから,証拠上,コミュニティビルダーが,Chatterフィードを生成したり,Feed記憶域(記憶装置)にChatterフィードを格納したりしていると認めることはできない。

エ 小括

請求人によるイ号製品「Community Cloud」の特定は,上記(1)オで述べたイ号製品「Community Cloud」の構成,上記(1)カで述べたようなユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記(1)キで述べたような別製品Chatterの構成を区別することなく,一つの製品の構成として特定した点で誤っており,また,上記ア?ウに述べたように,その内容にも証拠に基づかない点がみられるから,採用できない。

第4 本件特許発明の各構成要件の充足性

1 構成要件充足性に関する請求人主張概要

請求人は,構成要件充足性に関して,概ね以下のように主張している。

(1)文言充足性

イ号製品は,以下アないしエのように,本件特許発明の構成要件<A>ないし構成要件<D>をいずれも充足している旨主張している(判定請求書10?14頁。なお,以下では,請求人が,「完全一致」すると表現した構成要件を「相当する」とし,「部分一致」すると表現した構成要件を「対応する」と言い換えている。)

ア 構成要件<A>について

イ号製品の構成<a>の「HTMLで編集される元ページのフィード要素と」が,本件特許発明の構成要件<A>の「Webサイトのメタデータと」に相当し,
イ号製品の構成<a>の「コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットと」が,本件特許発明の構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データと」に対応し,
イ号製品の構成<a>の「を含むコミュニティ」が,本件特許発明の構成要件<A>の「を含む共通仕様フィード」に相当し,
イ号製品の構成<a>の「を格納するためのコミュニティワークスペース(記憶装置)」が,本件特許発明の構成要件<A>の「を格納するためのコンテナリソース」に相当する。

イ号製品の構成<a>の「コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットと」と,本件特許発明の構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データと」との対応において,イ号製品は,プロファイルおよび権限セットを使用してコミュニティーへのユーザのアクセス権の制御をしているから,「フィード配信制御データ」という用語は異なるとしても,配信対象となる会員を判定する点においては,実質的な差異はない。
仮に差異があるとしても,「アクセス権の制御」と言う言葉の用語の解釈の範囲に含まれる。

したがって,イ号製品は,本件特許発明の構成要件<A>を充足する。

イ 構成要件<B>について

イ号製品の構成<b>の「ユーザ毎に提供され,」が,本件特許発明の構成要件<B>の「会員毎に提供され,」に相当し,
イ号製品の構成<b>の「前記コミュニティのURLと」が,本件特許発明の構成要件<B>の「前記共通仕様フィードのURLと」に相当し,
イ号製品の構成<b>の「前記コミュニティに含まれるフィード要素の複写と」が,本件特許発明の構成要件<B>の「前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写と」に相当し,
イ号製品の構成<b>の「とを含むChatterフィードを作成し」が,本件特許発明の構成要件<B>の「を含むフィードを格納し,」に相当し,
イ号製品の構成<b>の「ユーザの共通ソーシャルサービスレイヤーにあるChatterタブにChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)と,」が,本件特許発明の構成要件<B>の「前記会員毎に提供される利用者ポータル(利用者ページ)に前記フィードを提供するためのサービスコンテナと,」に対応する。

イ号製品の構成<b>の「ユーザの共通ソーシャルサービスレイヤーにあるChatterタブにChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)と,」と,本件特許発明の構成要件<B>の「前記会員毎に提供される利用者ポータル(利用者ページ)に前記フィードを提供するためのサービスコンテナと,」との対応において,ユーザ毎に提供されるソーシャルサービスレイヤ内のChatterタブは,利用者の公開したFeedを表示(イ号製品その他製品群とポータル画面として共有)し,ポータルとして連携しているが,利用者ポータルそのものは本特許発明の請求範囲外の機能となる。FeedItem(Feedの記憶域)はすべてのChatterフィードの活動のデータを保持しているという。コミュニティビルダーはChatterタブがFeedを表示出来るよう,システム内の記憶領域であるFeed記憶域(本件でのサービスコンテナ)にChatterフィードを格納している。かかる点に実質的な差異はない。
仮に差異があるとしても,Feed記憶域という記憶域の名称の範囲に含まれる。

したがって,イ号製品は,本件特許発明の構成要件<B>を充足する。

ウ 構成要件<C>について

イ号製品の構成<c>の「前記コミュニティを作成し前記コミュニティワークスペースに格納し,」が,本件特許発明の構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し,」に相当し,
イ号製品の構成<c>の「前記Chatterフィードを生成し,」が,本件特許発明の構成要件<C>の「前記フィードを作成して,」に相当し,
イ号製品の構成<c>の「権限セットとプロファイルに基づきコミュニティーのメンバーのFeed記憶域(記憶装置)に Chatterフィードを格納するコミュニティビルダー」が,本件特許発明の構成要件<C>の「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納するフィード生成エンジンと」に相当するから,イ号製品は,本件特許発明の構成要件<C>を充足する。

エ 構成要件<D>について

イ号製品の構成<d>の「を具備するイ号製品「Community Cloud」」が,本件特許発明の構成要件<D>の「を具備するフィード格納システム」に相当するから,イ号製品は,本件特許発明の構成要件<D>を充足する。

(2)均等論について

請求人は,均等論について,以下アおよびイのように主張している。(判定請求書15頁1行?16頁20行)。

ア 非本質的かつ不本意な部分〈被請求人との交渉における主な争点〉

イ号製品「Community Cloud」と被請求人の他のクラウド製品群の共通のソーシャルサービスレイヤー「Chatter」との関連性について,甲第3号証の2「Chatter」の位置づけ に以下の通り,「ChatterはSalesforceの全製品にまたがるソーシャルレイヤーです」と記載している。
本特許発明の構成要件では,利用者ポータル(利用者ページ)にフィードを提供し表示するための,サービスコンテナ(記憶装置)について定めたもので,利用者ポータルそのものについては任意のポータルで構わない。「Community Cloud」では,ユーザの共通ソーシャルサービスレイヤー「Chatter」がそのポータル「Chatterタブ」を提供している。コミュニティビルダーは,Chatterフィードを表示する為に,そのFeed記憶域(記憶装置)へChatterフィードを格納している。その先の利用者ポータル「Chatter」については本特許発明の構成要件には含まれていないので本件請求の範囲外の機能である。
したがって,製品「Chatter」が,イ号製品「Community Cloud」とは独立した製品であるとの被請求人の主張については,本質的な部分でない。

「フィード配信制御データ」という用語について,被請求人は本特許発明の独自の用語であり,その意義を甲第1号証の1本特許発明の特許公報に記載の特許明細書の段落【0019】の中から,自らに都合のよい要素だけを取り上げその解釈に援用し,本特許発明の技術的範囲を勝手に拡大しようとしている。
しかしながら,段落【0035】では「ユーザプロファイル」のみを「フィード配信制御データ」の要素と定めており,したがって段落【0019】は本特許発明に想定し得る要素をすべて網羅したに過ぎないことは明白である。因みに段落【0058】の事例では,代理人が段落【0019】で主張する8項目の中で5項目だけを選択しその「フィード配信制御データ」の項目例として取り上げている。
したがって,明細書の各段落にすべて共通指定された「ユーザプロフィル」は,被請求人がイ号製品「Community Cloud」内のアクセス権の制御には採用していないとするような,特段の根拠がない限り,イ号製品「Community Cloud」は本特許発明の技術的範囲に属すると解することが社会通念上妥当である。

イ 同一目的・作用効果

本特許発明は,従来のRSSフィードシステムとは異なり,情報伝達の仕組みをさらに一歩すすめて,いかに効率的に的確に利用者ターゲティングを行えるかがその最大の特徴としている。一方,被請求人のイ号製品「Community Cloud」においても,特定のコミュニティーへの情報共有とその効率的な情報伝達ツールを特徴としており,その作用効果に格別の差異が生じるものでない。
具体的には,甲第2号証の1(Web上で掲載されている被請求人発行のカタログ)イ号製品「Community Cloud」カタログの3頁第1行目に,「トピック コミュニティーでディスカッションされたあらゆるテーマについて,最新のコンテンツが収集されてトピックページに表示されます。収集されるのは関連する投稿や回答ですが,トピックに直接関係するグループやエキスパート,ファイルなどのリソースも表示されます。トピックスページは自動的に作成され,コミュニティーのメンバーなら誰でもフォローできます。」という本特許発明と同様の目的・作用効果が記載されている。
よって,イ号製品は,本特許発明と同一目的・作用効果をもつ。

2 構成要件充足性に関する被請求人反論概要

被請求人は,構成要件充足性に関して,概ね以下のように主張している。

(1)文言充足性

ア イ号製品は「共有仕様フィードを格納するコンテナリソース」に対応する構成を備えていない

(ア) イ号製品は「共通仕様フィード」に対応する構成を備えていない

イ号製品における「コミュニティ」とは,「従業員,顧客,パートナーをつなぐブランド空間」,「仕事をしていく上で重要な人々とこれまでとは違った新しい方法でつながることができる,すばらしい場所」,あるいは「ブランド化されたコラボレーション環境」と説明されていることから明らかなとおり,インターネット上で一定の範囲のユーザーが集まる空間,場所ないし環境を総体として指し示す概念である(乙第1号証1頁)。
他方,本件特許発明における「共通仕様フィード」とは,請求人によれば,「会員が作成する元ページ(コメント・投稿)のメタデータと,フィードの配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データでもって構成される情報を意味する」とされており(判定請求書3頁),概念レベルにおいて,イ号製品における「コミュニティ」とは異なるものであるといわざるを得ない。
また,判定請求書の5(8)ないし(10)のいずれにおいても,イ号製品における「コミュニティ」に「会員が作成する元ページ(コメント・投稿)のメタデータ」が含まれることはそもそも主張されておらず,当然ながらそのような主張を裏付ける証拠も示されていない。
仮にイ号製品における「コミュニティ」が本件特許発明における「共通仕様フィード」に当たるとすれば,本件特許発明の作用効果を達し得ないことにもなる。すなわち,本件特許発明とは,「Webサイト」が新規に作成又は更新された際に,当該Webサイトのメタデータを含む「共通仕様フィード」を介して,当該Webサイトのメタデータの複写を含む「フィード」を,特定の会員に紐づく「サービスコンテナ」に格納するシステムであると解され,そうだとすると,「共通仕様フィード」と,新規に作成又は更新された「Webサイト」とは,一対一の関係を有しているはずである。
そして,請求人の主張によれば,イ号製品においては,「会員が作成する元ページ(コメント・投稿)」が本件特許発明にいう「Webサイト」に対応するとされており,そうすると,「共通仕様フィード」に対応する「コミュニティ」は,「Webサイト」に対応する「会員が作成する元ページ(コメント・投稿)」と一対一の関係を有していなければならないこととなる。 しかし,イ号製品における「コミュニティ」には,ファイル,記事,トピック等の様々な情報が含まれるのであり(乙第2号証1頁),その中には複数の「会員が作成する元ページ(コメント・投稿)」が同時に含まれ得る。
したがって,「コミュニティ」が「共通仕様フィード」に当たるとすると,イ号製品においては,「共通仕様フィード」と「Webサイト」との関係が一対多となってしまい,上述したような本件特許発明の作用効果を達成することはできなくなる。以上の点からも,イ号製品における「コミュニティ」が本件特許発明における「共通仕様フィード」に当たらないのは明らかである。(判定請求答弁書3頁7行?4頁下から5行)

(イ) イ号製品は「コンテナリソース」に対応する構成を備えていない

本件特許の発明の詳細な説明によれば,本件特許発明における「コンテナリソース」とは,「各装置に含まれるデータベース装置(記憶装置)」であるとされている(段落【0023】)。そして,請求人も,「コンテナリソース」とは,「会員が作成する元ページを共通仕様フィードの形式で格納するための記憶装置」を意味するとして,それに沿う主張をしている(判定請求書4頁)。
これに対し,イ号製品における「コミュニティワークスペース」とは,請求人も認めるとおり(判定請求書6頁,13頁),「コミュニティの作成,設定,および監視を一元的に行うことができ」るツールであり(乙第3号証1頁,乙第4号証2頁),何らかの情報を格納・記憶するための物理的な記憶装置ではない。
したがって,そもそもイ号製品が「共通仕様フィード」に対応する構成を備えていないことは上述したとおりであるが,その点を措くとしても,イ号製品における「コミュニティワークスペース」は,本件特許発明における「コンテナリソース」に当たらない。(判定請求答弁書4頁下から4行?5頁13行)

イ イ号製品は「フィードを格納するサービスコンテナ」に対応する構成も,「フィード生成エンジン」に対応する構成も備えていない

(ア) イ号製品は「フィード」及び「フィード生成エンジン」に対応する構成を備えていない

本件特許の請求項1の記載によれば,本件特許発明における「フィード」は,「フィード生成エンジン」によって作成されるものとされている。しかし,「Chatterフィード」とは,被請求人が販売するイ号とは別の製品であるChatterによって作成されるものであって(請求人が提出した甲第3号証の1-h1に,「Chatterフィード」の概要についての記載があるが,甲第3号証の1-h1はイ号製品ではなくChatterのヘルプページである。),イ号製品における「コミュニティビルダー」によって作成されるものではない。
したがって,請求人の主張は,「Chatterフィード」がイ号製品の構成要素であることを前提としている点において誤っており,そのような「Chatterフィード」が本件特許発明における「フィード」に当たると解した上で,それが「コミュニティビルダー」によって作成されているとする点において,二重に誤っているといわなければならない。
また,請求人は,イ号製品の「コミュニティビルダー」が,本件特許発明における「フィード生成エンジン」に対応しており,「コミュニティの利用者のアクセス条件(プロファイル)を判定し投稿されたFeedを,判定されたプロファイルを持つ利用者のFeed記憶域に格納している」と主張している(判定請求書6頁,14頁)。しかし,請求人がかかる主張の根拠として挙げている甲第3号証の1-l1ないしl3をどのように理解すれば,上記のような主張が導かれるのか不明である。
「コミュニティビルダー」の機能は,請求人自らの提出した甲第3号証の1-l1に記載のとおりであり,その中に「投稿されたFeedを・・・利用者のFeed記憶域に格納」することが含まれると理解することはできないし,また,現に「コミュニティビルダー」の機能に「投稿されたFeedを・・・利用者のFeed記憶域に格納」することは含まれてもいない。
したがって,イ号製品が「フィード」及び「フィード生成エンジン」に対応する構成を備えているということはできない。(判定請求答弁書5頁下から5行?6頁最終行)

(イ) イ号製品は「サービスコンテナ」に対応する構成を備えていない

まず,「Feed記憶域」がイ号製品のいかなる構成要素を指しているのかが定かでない。本件特許の発明の詳細な説明において,本件特許発明における「サービスコンテナ」とは,「コンテナリソース」と同様,「各装置に含まれるデータベース装置(記憶装置)」であるとされていることから(段落【0023】),仮に「Feed記憶域」が,イ号製品のシステムを構成する何らかの装置に含まれる物理的な記憶装置(記憶領域)を指していると解するにしても,そのような「Feed記憶域」が本件特許発明における「サービスコンテナ」に当たらないのは明らかである。
なぜなら,本件特許の請求項1の記載によれば,本件特許発明における「サービスコンテナ」とは「会員毎に提供され」るものとされており,「サービスコンテナ」と「会員」とは,一対一の関係を有していなければならないところ,イ号製品において,そのシステムを構成する何らかの装置の記憶装置(記憶領域)を「会員」ごとに割り当てる処理を行うというようなことは,甲第3号証の1-i3にも,1-l1ないしl3にも記載されておらず,現にイ号製品においてそのような処理は行われていない。
したがって,イ号製品が「サービスコンテナ」に対応する構成を備えているということもできない。(判定請求答弁書7頁1行?最終行)

ウ イ号製品は本件特許発明のその他の構成要件も充足していない

(ア) 構成要件<A>の「Webサイトのメタデータ」について

請求人の主張(判定請求書12頁)の趣旨は不明確であるが,甲第3号証の1-a1及びa2を根拠として,「元ページ」(これは,判定請求書3頁によれば,会員が作成するコメント・投稿を指している。)の作成にHTMLエディタが用いられていることから,「元ページ」がHTMLで記述された「Webサイト」であるということを主張しているのかもしれない。
しかし,甲第3号証の1-a1は,「元ページ」ではなく,「コミュニティ」自体のページを作成・設定するのにHTMLエディタを用いることができることを述べるものである。
また,甲第3号証の1-a2は,コミュニティビルダーによってコミュニティを構成する各種ページを表示・編集する方法に関するヘルプページであるが(請求人はその一部のみを抜粋した上,誤導的に用いているため,当該ヘルプページ全体を乙第5号証として提出する。),請求人が依拠する「metaタグを編集」という項目の記載は,コミュニティを構成するページの単位でmetaタグを設定できることを述べるものであって,請求人のいう「元ページ」(つまり,会員が作成するコメント・投稿)の単位でmetaタグを設定することの可否について述べたものではない。
以上によれば,イ号製品は構成要件<A>の「Webサイトのメタデータ」を充足しない。(判定請求答弁書8頁7行?最終行)

(イ) 構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データ」について

本件特許の請求項1における「フィード配信制御データ」という用語は,本件特許発明に独自のものであり,その意義は,特許請求の範囲の記載のみからは明らかとはいえないため,発明の詳細な説明の記載を考慮して解釈する必要がある(特許法第70条第2項)。請求人も,そのことを理解してか,本件特許発明における「フィード配信制御データ」とは,「明細書の段落【0035】の記載からみて,会員がコミュニティーへの閲覧対象者か否か,会員からの閲覧の要求の有無や,登録時に入力された閲覧者へのアクセス権を判定する為の情報,を意味するものである」としている(判定請求書4頁)。
しかし,段落【0035】の記載は,本件特許発明の実施形態の一つについて述べたものにすぎず,特許請求の範囲の記載における「フィード配信制御データ」の意義を解釈するにあたって依拠するのに適切なものとは言い難い。むしろ考慮すべきは,「フィード配信制御データ」という用語を定義している段落【0019】の記載である。
段落【0019】の記載によれば,「フィード配信制御データ」とは,「WebサイトがWeb1.0かWeb2.0かを示す属性コードと,Webサイトのジャンル及びカテゴリを示す分類コードと,Webサイトの閲覧に好適なユーザデバイスを示す情報と,Webサイトの内容に関連する位置情報と,フィードの配信数の上限を指定するフィード複写カウンタと,フィードの配信時刻を示す情報と,共通仕様フィードの所在情報を一意的に示すURLを変換したQRコード画像のURLと,フィードの配信対象のユーザプロファイル(地域,年齢,性別,趣味,職業)を示す情報」によって構成されると定義されている。請求人は,イ号製品における「コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セット」が,本件特許発明における「フィード配信制御データ」に対応すると主張しているようであるが,請求人が依拠する甲第3号証の1-b1は,イ号製品におけるプロファイルと権限セットが,段落【0019】に記載された「フィード配信制御データ」の構成を有することを何ら示していないし,現にイ号製品におけるプロファイルと権限セットは,段落【0019】に記載された「フィード配信制御データ」の構成を有するものではない。
したがって,イ号製品は構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データ」を充足しない。(判定請求答弁書9頁1行?10頁3行)

(ウ) 構成要件<B>の「会員毎に提供され」について

請求人は,当該構成要件における「会員」と,イ号製品のコミュニティのメンバーである「ユーザー」との間に実質的な差異がないということを述べるにとどまり(判定請求書13頁),イ号製品の構成のうち本件特許発明の「サービスコンテナ」に対応するものが,「ユーザー」毎に提供されるか否かという点については,何らの主張立証もしていない。
したがって,イ号製品は構成要件<B>の「会員毎に提供され」を充足しない。(判定請求答弁書10頁10行?16行)

(エ) 構成要件<B>の「共通仕様フィードのURL」について

そもそもイ号製品における「コミュニティ」が本件特許発明における「共通仕様フィード」に当たらないことは,前述のとおりである。
また,イ号製品が当該構成要件を充足するというためには,請求人としては,イ号製品における「Chatterフィード」が「コミュニティのURL」を含むということを主張立証しなければならないはずであるが,そのような主張は見当たらず,また,請求人が証拠として掲げる甲第3号証の1-f1及びf2も,上記の立証命題とどのような関係を有するのか不明である。
したがって,イ号製品は構成要件<B>の「共通仕様フィードのURL」を充足しない。(判定請求答弁書10頁下から4行?11頁5行)

(オ) 構成要件<B>の「共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写」について

そもそもイ号製品における「コミュニティ」が本件特許発明における「共通仕様フィード」に当たらないことは,前述のとおりである。
また,イ号製品が当該構成要件を充足するというためには,請求人としては,イ号製品における「Chatterフィード」が「コミュニティに含まれるメタデータの複写」を含むということを主張立証しなければならないはずである。
この点,請求人は,突如として「フィード要素」なる概念を持ち出し,何の説明もなくそれを「メタデータ」と同義のものとして扱い(判定請求書7頁参照),かかる「フィード要素」が「コミュニティ」に由来するものであることを示すことによって,イ号製品が構成要件を充足することの主張立証に代えようとしているようである(判定請求書13頁)。
しかし,そのような主張立証自体に成功しているとは言い難く,また,仮にそれに成功していたとしても,上述した立証命題(イ号製品における「Chatterフィード」が「コミュニティに含まれるメタデータの複写」を含むということ)との関係では,何ら意味を有さないといわなければならない。
したがって,イ号製品は構成要件<B>の「共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写」を充足しない。(判定請求答弁書11頁6行?下から4行)

(カ) 構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し」について

請求人は,イ号製品が,「コミュニティワークスペースで,コミュニティの作成・・・を一元的に行う」ことを根拠に,当該構成要件を充足していると主張している(判定請求書14頁)。
しかし,本件特許発明において,当該構成要件における「前記共通仕様フィードを作成」する主体は,構成要件<B>の「コンテナリソース」ではなく,構成要件<C>の「フィード生成エンジン」である。
したがって,イ号製品の「コミュニティワークスペース」(請求人によれば,本件特許発明の構成要件<B>の「コンテナリソース」に対応する。)が「コミュニティ」(請求人によれば,本件特許発明の「共通仕様フィード」に対応する。)の作成を行うとする請求人の主張は,イ号製品の構成が本件特許発明の構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し」と一致しないことを自認するものであるということができる。
したがって,イ号製品は構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し」を充足しない。(判定請求答弁書12頁4行?15行)

(サ) 構成要件<C>の「フィード」について

請求人は,構成要件<C>における「フィード」と,イ号製品の構成に含まれると請求人が主張している「Chatterフィード」との間に,実質的な差異はなく,仮に差異があるとしても名称の違いの範囲に含まれると述べるにとどまり(判定請求書14頁),イ号製品の構成のうち本件特許発明の「フィード生成エンジン」に対応するものが,「Chatterフィード」を生成するか否かという点については,何らの説明もしていない。したがって,イ号製品が構成要件<C>の「フィード」を充足することの主張立証は全くなされていない。
また,イ号製品の「コミュニティビルダー」が,請求人の主張するように本件特許発明の「フィード生成エンジン」に対応するのだとすれば,上述したとおり「Chatterフィード」は「コミュニティビルダー」によって作成されるものではないから,イ号製品が構成要件<C>の「フィード」を充足しないことは明らかである。(判定請求答弁書12頁16行?13頁4行)

(2)均等論について

判定請求書の5(11)の記載は,均等論としての主張の体を成してもいないため,これに対する反論は不要であると考える。(判定請求答弁書3頁3?4行)

3 当審の構成要件充足性判断

(1)文言充足性

ア イ号製品「Community Cloud」

上記第3の4(1)オで述べたように,イ号製品として請求人が製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」は,以下のようなものであると認められる。

「<a’> 対話型のカスタマーサービスとして,さまざまなオンライン・コミュニティを構築して提供することが可能なクラウド・コンピューティング・プラットフォームであって,

<b’> ユーザ企業は,イ号製品「Community Cloud」を用いることで,ユーザ企業のWebサイトの外観と操作性を反映させるように,ユーザ企業独自のブランドエレメントやコンテンツで,オンライン・コミュニティをカスタマイズ可能であり,テンプレートを使ってオンライン・コミュニティをセットアップでき,テンプレートは面倒な設定作業を行うことなく使用でき,カスタマイズ可能であり,コーディング作業なしで編集でき,コミュニティビルダーとセルフサービス用コミュニティテンプレートを使用すれば,モバイルデバイスに適したカスタムコミュニティを作成,ブランド設定,公開でき,テンプレートを選択してオンライン・コミュニティをすばやく開始し,会社のブランド設定に合わせてページのスタイルを設定でき,1つのプラットフォーム内に,必要に応じていくつでもオンライン・コミュニティを作成できる

<c’> クラウド・コンピューティング・プラットフォーム。」

構成要件充足性について

(ア) イ号製品「Community Cloud」は,上記認定のような構成<a’>ないし<c’>を備えた,ユーザ企業がオンライン・コミュニティを生成するのを支援するクラウド・コンピューティング・プラットフォームであって,イ号製品「Community Cloud」自体は,フィード配信に関する機能を有しておらず,上記第3の4(1)オで述べたように,フィード配信は,イ号製品「Community Cloud」とは別の製品である「Chatter」が実行する機能であるから,イ号製品「Community Cloud」は,構成要件<A>の,「Webサイトのメタデータと、配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィードを格納するためのコンテナリソース」を充足しない。

(イ)同様に,イ号製品「Community Cloud」は,構成要件<B>の「会員毎に提供され、前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィードを格納し、前記会員毎に提供される利用者ポータル(利用者ページ)に前記フィードを提供するためのサービスコンテナ」を充足しない。

(ウ)同様に,イ号製品「Community Cloud」は,構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し、前記フィードを作成して、前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納するフィード生成エンジン」を充足しない。

(エ)同様に,イ号製品「Community Cloud」は,構成要件<D>の「フィード格納システム」を充足しない。

(オ)小括

以上から,イ号製品「Community Cloud」は,構成要件<A>ないし<D>をいずれも充足しない。

ウ 請求人の主張について

上記第3の4(2)エで述べたように,請求人によるイ号製品の特定は,イ号製品として請求人が製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」の範囲を超えて,上記第3の4(1)カで述べたユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記第3の4(1)キで述べたような別製品Chatterの構成までを,区別することなく,一つの製品の構成として特定した点で誤っている。
したがって,請求人の充足論における主張は,当該誤ったイ号製品の特定に基づくものであり,前提において誤っているから,採用できない。

エ 付言

念のため,請求人が製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」の構成(上記ア)に加えて,上記第3の4(1)カで述べたユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記第3の4(1)キで述べたような別製品Chatterの構成を含めた仮想イ号製品を特定して,構成要件充足性の検討をおこなう。

(ア)構成要件<A>について

a 「HTMLで編集される元ページのフィード要素」について

請求人は,「HTMLで編集される元ページのフィード要素」である「Chatterフィードのフィード要素」が,構成要件<A>の「HTMLで編集される元ページのフィード要素」に相当する旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)ア(イ)で述べたように,「Chatterフィードのフィード要素」は,「/connect/communities/communityId/chatter/feeds/home/feed-elementsというディレクトリに保管されて」おり,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業がオンライン・コミュニティを作成した後に,当該オンライン・コミュニティのIDであるcommunityIdに対応したディレクトリに格納されていることは認められるものの,当該ディレクトリがイ号製品「Community Cloud」内に存在するのか,当該ディレクトリが,仮想イ号製品に含まれるオンライン・コミュニティ内部に存在するのか,あるいは,オンライン・コミュニティに関連付けられたSalesforce組織(仮想イ号製品に含まれない)内に存在するのか証拠上明らかでない。(上記第3の3(4)で摘記した甲第3号証の1-b1の「Salesforceは階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしています。」という記載からは,当該ディレクトリもSalesforce組織内に設けられた階層化されたデータ共有ディレクトリである蓋然性は高いと思量され,この場合,当該ディレクトリは,仮想イ号製品に含まれないことになる)

b 「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」について

請求人は,「コミュニティーのメンバーシップを管理するためのプロファイルと権限セットを含むコミュニティ」が,構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」に相当する旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)ア(ウ)で述べたように,プロファイルや権限セットは,オンライン・コミュニティに割り当てたり,関連付けたりすることにとどまり,証拠上,イ号製品「Community Cloud」内にプロファイルや権限セットを含んでいると認めることができない。

また,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ内(すなわち,仮想イ号製品内)に,プロファイルや権限セットを含んでいるとも,証拠上認めることはできない。
かえって,上記第3の3(4)で摘記した甲第3号証の1-b1の「Salesforceは階層化された柔軟なデータ共有設計で,異なるデータセットを異なるユーザセットに公開し,ユーザが必要のないデータを表示することなく作業できるようにしています。権限セットおよびプロファイルを使用すると,ユーザがアクセスできるオブジェクトおよび項目を指定できます。組織の共有設定,ユーザロール,共有ルールを使用すると,ユーザが参照および編集できる個々のレコードを指定できます。」という記載からは,プロファイルや権限セットを含んでおり,管理しているのは,Salesforce組織であり,オンライン・コミュニティは,投稿等へのアクセス制限の際に,その機能を流用している蓋然性が高いと思量され,この場合,プロファイルや権限セットは,仮想イ号製品内に含まれないことになる。
そして,プロファイルや権限セットは,オンライン・コミュニティに対するアクセス制限に用いられるものであって,Chatterフィードのユーザへの配信は,ユーザによるフォローの有無により定まるものであるから,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterにおいて,プロファイルや権限セットがChatterフィードのフィード配信制御データであるということもできない。
したがって,イ号製品「Community Cloud」に加えて,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ,および,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterとからなる仮想イ号製品であっても,構成要件<A>の「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」に相当する構成を備えているとはいえない。

c 「コンテナリソース」について

請求人は,「コミュニティを格納するためのコミュニティワークスペース(記憶装置)」が,本件特許発明の構成要件<A>の「コンテナリソース」に相当する旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)ア(エ)で述べたように,コミュニティワークスペースでコミュニティの設定等を行うことが可能であると認められるものの,証拠上,コミュニティワークスペースが記憶装置であったり,オンライン・コミュニティを格納していたりすることを認めることはできない。

(イ) 構成要件<B>について

a 「前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィードを格納」について

請求人は,Chatterフィードが,本件特許発明の構成要件<B>の「前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィード」に相当し,「Community Cloud」がChatterフィードを格納するためのFeed記憶域(記憶装置)を備えている旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)イ(イ)で述べたように,Chatterフィードは,イ号製品「Community Cloud」とは別製品のChatterが生成し,Chatterタブに表示するものであるから,イ号製品「Community Cloud」がChatterフィードを格納していることを認めることはできない。
また,Chatterも,上記(ア)bで述べたように,「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」を備えていない。
したがって,イ号製品「Community Cloud」に加えて,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ,および,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterとからなる仮想イ号製品であっても,構成要件<B>の「前記共通仕様フィードのURLと前記共通仕様フィードに含まれるメタデータの複写とを含むフィードを格納し」を充足していない。

(ウ) 構成要件<C>について

a 「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し」について

請求人は,「前記コミュニティを作成し前記コミュニティワークスペースに格納し,」が,本件特許発明の構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して前記コンテナリソースに格納し,」に相当する旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)ア(エ)で述べたように,コミュニティワークスペースでコミュニティの設定等を行うことが可能であると認められるものの,コミュニティワークスペースが,オンライン・コミュニティを格納していることを証拠上認めることはできない。

また,上記(ア)bで述べたように,イ号製品「Community Cloud」を用いてユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティも,当該オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterも,「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」を備えていないから,構成要件<C>の「前記共通仕様フィードを作成して」に相当する構成を備えているとはいえない。

b 「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納する」について

請求人は,「権限セットとプロファイルに基づきコミュニティーのメンバーのFeed記憶域(記憶装置)に Chatterフィードを格納するコミュニティビルダー」が,本件特許発明の構成要件<C>の「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納するフィード生成エンジンと」に相当する旨主張している。

しかし,上記第3の4(2)ウ(ウ)で述べたように,Chatterフィードを生成したり,Chatterタブに表示したりする処理等は,イ号製品「Community Cloud」とは別製品のChatterが行っている処理である。
そして,上記イ(イ)bで述べたように,Chatterも,ユーザのフォローの有無に基づいて,Chatterフィードのフィード配信制御を行っており,権限セットやプロファイルに基づいて,Chatterフィードのフィード配信制御を行っていないから,本件特許発明の構成要件<C>の「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納」しているとはいえない。

したがって,イ号製品「Community Cloud」に加えて,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ,および,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterとからなる仮想イ号製品であっても,,本件特許発明の構成要件<C>の「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納する」を充足するとはいえない。

(エ) 構成要件<D>について

請求人は,イ号製品「Community Cloud」が,本件特許発明の構成要件<D>の「フィード格納システム」に相当する旨主張している。

しかし,上述したように,Chatterフィードを生成したり,表示したりといった処理は,イ号製品「Community Cloud」とは別製品のChatterが行っている処理であるから,イ号製品「Community Cloud」が,本件特許発明の構成要件<D>の「フィード格納システム」に相当するとはいえない。
また,上記(ア)ないし(ウ)で述べたように,イ号製品「Community Cloud」に加えて,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ,および,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterとからなる仮想イ号製品であっても,本件特許発明の構成要件<A>ないし<C>のいずれも充足していないから,構成要件<D>の「を具備する」を充足していない。

(オ) 作用効果について

a 従来技術のRSSフィードが「Webサイトのメタデータ」しか含んでおらず,「以前から関心を持っている閲覧者」への配信しかできないものであるのに対して,本件特許発明は,「共通仕様フィード」に,「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データ」を含み(構成要件<A>),当該「フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納」する(構成要件<C>)ことで,ユーザが「以前から関心を持っている閲覧者」でなくても,フィード配信が可能となる作用効果を奏している。

b イ号製品「Community Cloud」や,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティは,フィード配信のための構成を備えていないから,本件特許発明の上記作用効果を奏しているとはいえない。

c また,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティに対して,ソーシャルレイヤーを提供しているChatterフィードも,フォローしたユーザに対して配信されるものであるから,従来技術のRSSフィードと同様に,「以前から関心を持っている閲覧者」への配信しかできないものであり,本件特許発明の上記作用効果を奏しているとはいえない。

d したがって,イ号製品「Community Cloud」に加えて,イ号製品「Community Cloud」を用いて,ユーザ企業が作成したオンライン・コミュニティ,および,オンライン・コミュニティにソーシャルレイヤーを提供しているChatterとからなる仮想イ号製品であっても,従来技術のRSSフィードと同様に,「以前から関心を持っている閲覧者」への配信しかできないものであり,本件特許発明の上記作用効果を奏しているとはいえない。

(カ) 小括

したがって、イ号製品「Community Cloud」の構成(上記ア)に加えて,上記第3の4(1)カで述べたユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記第3の4(1)キで述べたようなChatterの構成を含めた仮想イ号製品を特定して検討しても,本件特許発明の構成要件<A>ないし<D>をいずれも充足しない。

(2) 均等論について

上記(1)ア(オ)で述べたように,請求人がイ号製品として製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」は,構成要件<A>ないし<D>をいずれも充足しないから,後記アの(要件1:発明の本質的な部分)を満たしていないことは明らかである。
念のため,請求人が製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」の構成(上記ア)に加えて,上記第3の4(1)カで述べたユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記第3の4(1)キで述べたようなChatterの構成を含めるような置換を行った均等論を検討する。

ア 均等論の判断枠組み

均等の判断は,最高裁のボールスプライン判決(平成6年(オ)第1083号(平成10年2月24日判決言渡))で判示された以下の要件をすべて満たしたとき均等と判断する。

(要件1:発明の本質的な部分)
特許請求の範囲に記載された構成中のイ号と異なる部分が発明の本質的な部分ではないこと。

(要件2:置換可能性)
前記異なる部分をイ号のものと置き換えても特許発明の目的を達成することができ,同一の作用効果を奏すること。

(要件3:置換容易性)
前記異なる部分をイ号のものと置き換えることが,イ号の実施の時点において当業者が容易に想到することができたものであること。

(要件4:自由技術の除外)
イ号が特許発明の出願時における公知技術と同一又は当業者が公知技術から出願時に容易に推考できたものではないこと。

(要件5:禁反言,出願等の経緯の参酌)
イ号が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外される等の特段の事情がないこと。

上記要件の内,要件1ないし3については,請求人に主張立証責任があり,要件4および5については,被請求人に主張立証責任がある。

イ 要件2(置換可能性,同一の作用効果)について

上記(1)ウ(オ)で述べたように,Chatterフィードは,ユーザフォローした人(メンバー)や,共有ファイルの更新等を通知するものであり,「配信対象となる会員」は,フォローしたユーザ,すなわち,「以前から関心を持っている閲覧者」にとどまるものであるから,本件特許発明の,「配信対象となる会員」が「以前から関心を持っている閲覧者」でなくても,フィード配信が可能となる作用効果を有しているとはいえない。

したがって,異なる部分(「配信対象となる会員を決定するためのフィード配信制御データとを含む共通仕様フィード」および「前記フィード配信制御データに基づき前記配信対象となる会員のサービスコンテナに格納する」)を,ユーザフォローした人(メンバー)や,共有ファイルの更新等を通知するChatterフィードに置換しても,同一の作用効果を有するものではないから,少なくとも均等論の要件2を満たしているとはいえない。

ウ 小括

したがって,請求人が製品名を挙げたイ号製品「Community Cloud」の構成(上記ア)に加えて,上記第3の4(1)カで述べたユーザ企業が構築したオンライン・コミュニティの構成,および,上記第3の4(1)キで述べたような別製品Chatterの構成を含めるような置換を行ったものは,少なくとも,均等論の要件2を満たしていない。

また,請求人は,要件3(置換容易性)についても,主張立証責任を有しているところ,要件3(置換容易性)について,なんら主張立証していない。

第5 むすび

以上のとおりであるから,イ号製品「Community Cloud」は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。

よって,結論のとおり判定する。
 
判定日 2020-06-02 
出願番号 特願2007-33875(P2007-33875)
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (G06F)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 野崎 大進
岩田 玲彦
登録日 2012-07-06 
登録番号 特許第5028578号(P5028578)
発明の名称 フィード格納システム、フィード格納方法、及びプログラム  
代理人 矢倉 千栄  
代理人 稲瀬 雄一  
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