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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1363837
審判番号 不服2019-15831  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-25 
確定日 2020-07-28 
事件の表示 特願2015-223156号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月25日出願公開、特開2017- 86676号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年11月13日の出願であって、平成31年3月7日付けで拒絶の理由が通知され、令和1年5月13日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月17日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、令和1年11月25日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
令和1年11月25日に提出された手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を 却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和1年5月13日に提出された手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技者により操作可能な操作手段と、
各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段と、
前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段と、
前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における前記操作手段の操作に応じた加算値を操作値として加算し、前記操作値が予め設定された規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
前記操作有効期間における前記操作手段の操作タイミングに応じて前記加算値を変更する手段と、
前記操作有効期間の残り時間が減少するほど前記加算値が増加するように前記残り時間と前記加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、

「遊技者により操作可能な操作手段と、
各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段と、
前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段と、
前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における最初の前記操作手段の操作が、予め設定された特定期間に行われた場合にその操作時に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間外に行われた場合は、前記操作手段の操作に応じて加算される操作が予め設定された規定値以上に達した場合に前記演出結果を表示させる手段と、
前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合、前記操作値が前記規定値以上に達する加算値を前記操作値に一度で加算し、前記操作値が前記規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
を備え、
前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる、
ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「演出実行手段」に関して、「前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における前記操作手段の操作に応じた加算値を操作値として加算し、前記操作値が予め設定された規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、前記操作有効期間における前記操作手段の操作タイミングに応じて前記加算値を変更する手段と、前記操作有効期間の残り時間が減少するほど前記加算値が増加するように前記残り時間と前記加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出する手段と、を備える」とあったものを、「前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における最初の前記操作手段の操作が、予め設定された特定期間に行われた場合にその操作時に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間外に行われた場合は、前記操作手段の操作に応じて加算される操作が予め設定された規定値以上に達した場合に前記演出結果を表示させる手段と、 前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合、前記操作値が前記規定値以上に達する加算値を前記操作値に一度で加算し、前記操作値が前記規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、を備え、前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる、」とする補正。

2 合議体の判断
(1)上記1(2)の補正事項は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「前記操作有効期間の残り時間が減少するほど前記加算値が増加するように前記残り時間と前記加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出する手段」なる構成を削除することを含むものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでないことは明らかである。
また、上記補正事項による補正が、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的とするものではないことも明らかである。

(2)以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれを目的とするものではない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 独立特許要件について
ここで、請求項1に係る本件補正が仮に特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとして、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下、一応検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしIは、分説するため合議体が付した。

「A 遊技者により操作可能な操作手段と、
B 各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段と、
C 前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段と、
D 前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
E 前記演出実行手段は、
前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における最初の前記操作手段の操作が、予め設定された特定期間に行われた場合にその操作時に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
F 前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間外に行われた場合は、前記操作手段の操作に応じて加算される操作(審決注:「操作」は「操作値」の誤記であると認める。)が予め設定された規定値以上に達した場合に前記演出結果を表示させる手段と、
G 前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合、前記操作値が前記規定値以上に達する加算値を前記操作値に一度で加算し、前記操作値が前記規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
を備え、
H 前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる、
I ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-121400号公報(平成25年6月20日出願公開、以下「引用例」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作可能な演出用ボタンが操作されたことに伴って演出を実行する遊技機に関するものである。
・・・略・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、演出用ボタンを連打したとしても最終的に導出される演出結果が同じであるため、遊技者の中には演出用ボタンを連打することを恥ずかしいと感じる等、演出用ボタンを連打することに対して煩わしさを感じている遊技者もいる。そのような遊技者は、ある程度(例えば、1回や3回)だけ演出用ボタンを連打した後、連打することを中断してしまい、その結果、連打することによって行われる演出が実行されずに図柄変動ゲームが終了してしまうようなことが考えられる。つまり、演出用ボタンを連打することに対して煩わしさを感じている遊技者を十分に楽しませることのできない虞があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、演出用ボタンを操作させ易くすることで、遊技を楽しませることのできる遊技機を提供することにある。」

イ 「【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1?図12にしたがって説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
・・・略・・・
【0023】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、操作手段としての演出用ボタンBTが装備されている(図2に示す)。この演出用ボタンBTは、パチンコ遊技機において、例えば、遊技球を貯留するための球皿ユニットの上面など、遊技者が遊技を行いながら(発射ハンドルを操作しながら)、操作可能な位置に配設されている。
・・・略・・・
【0027】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。 大当り遊技は、図柄変動ゲームにて、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示され、該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、11ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定個数(入球上限個数(本実施形態では、9個))の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
・・・略・・・
【0040】
次に、特別図柄開始処理について説明する。 主制御用CPU30aは、まず、大当り遊技中又は図柄変動ゲームの実行中であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、前記判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに格納されている保留記憶数を読み出し、その保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。そして、保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算した後、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納した乱数に基づき、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。
・・・略・・・
【0046】
一方、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に非当選の場合、リーチ演出を含まないはずれ通常演出用の変動パターンを選択し、決定する。このように、本実施形態において変動パターンを決定する主制御用CPU30aが変動パターン決定手段として機能する。
【0047】
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動させるように特図表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。また、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、特別図柄を確定停止表示させるように特図表示装置12の表示内容を制御する。」

ウ 「【0051】
また、本実施形態では、演出用ボタンBTの操作に応じて演出結果が導出される導出演出を実行可能に構成している。なお、本実施形態では、導出演出として、変動サイクル示唆演出と大当り期待度演出を実行可能に構成している。本実施形態において、変動サイクル示唆演出は左図柄が一旦停止表示されるよりも前に実行され得る一方で、大当り期待度演出はリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された後に実行され得るようになっている。
【0052】
まず、変動サイクル示唆演出について説明する。 本実施形態における変動サイクル示唆演出は、連続演出を実行する図柄変動ゲームでは最初の変動サイクルにおいて飾り図柄(本実施形態では、左図柄)が一旦停止表示されるよりも前に行われ、連続演出を実行しない図柄変動ゲームでは飾り図柄(本実施形態では、左図柄)が一旦停止表示されるよりも前に行われるようになっている。そして、変動サイクル示唆演出では、導出する演出結果によって、実行された図柄変動ゲームにおける変動サイクルの回数を示唆するようになっている。なお、変動サイクル「1回」とは、変動サイクルの回数が複数回でないことから連続演出を行わない図柄変動ゲームのことを指し示す。この変動サイクル示唆演出で導出される演出結果は、複数段階(本実施形態では、「0?8」の9段階)にて構成されている。
【0053】
具体的には、図3(a)に示す円形状の示唆ゲージSGによって演出結果が、演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。この示唆ゲージSGは、レベル表示領域L1?L8の8つのレベル表示領域から構成されおり、示唆ゲージSGを構成するレベル表示領域L1?L8の表示内容によって、変動サイクル示唆演出にて導出される演出結果の段階数を特定できるようになっている。
【0054】
なお、本実施形態では、レベル表示領域L1?L8のうち変動サイクル示唆演出の演出結果の段階数に対応する数のレベル表示領域に黄色の画像(図面では、斜線で示す)が表示される。
【0055】
例えば、変動サイクル示唆演出の演出結果の段階数が「6」である場合には、図3(a)に示すように、レベル表示領域L7,L8以外のレベル表示領域L1?L6に黄色の画像が表示されるようになっている。因みに、変動サイクル示唆演出の演出結果の段階数が「0」である場合には、全てのレベル表示領域L1?L8に黄色の画像が表示されないようになっている。
【0056】
次に、大当り期待度演出について説明する。 また、本実施形態における大当り期待度演出は、リーチ演出が実行されているときに行われるようになっている。そして、大当り期待度演出では、導出する演出結果によって、実行された図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆するようになっている。また、大当り期待度演出で導出される演出結果は、複数段階(本実施形態では、「0?10」の11段階)にて構成されている。
【0057】
具体的には、図3(b)に示す直方形状の期待度ゲージKGによって演出結果が、演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。この期待度ゲージKGは、段階表示領域D1?D10の10つの段階表示領域から構成されており、期待度ゲージKGを構成する段階表示領域D1?D10の表示内容によって、大当り期待度演出にて導出される演出結果の段階数を特定できるようになっている。
【0058】
なお、本実施形態では、段階表示領域D1?D10のうち大当り期待度演出の演出結果の段階数に対応する数の段階表示領域に青色の画像(図面では、横縞で示す)が表示される。
【0059】
例えば、大当り期待度演出の演出結果の段階数が「6」である場合には、図3(b)に示すように、段階表示領域D7?D10以外の段階表示領域D1?D6に青色の画像が表示されるようになっている。因みに、大当り期待度演出の演出結果の段階数が「0」である場合には、全ての段階表示領域D1?D10に青色の画像が表示されないようになっている。
【0060】
そして、導出演出(変動サイクル示唆演出と大当り期待度演出)では、図柄変動ゲームの内容に応じて、導出演出の演出結果として到達可能な段階数が予め定められている。このため、導出演出にて導出された演出結果の段階数を視認することで、各導出演出にて示唆する内容(例えば、大当りへの期待度が高いことなど)を予測することができるようになっている。
【0061】
また、本実施形態における導出演出(変動サイクル示唆演出と大当り期待度演出)が実行された際には、演出用ボタンBTの操作を有効とする操作有効期間が設定される。本実施形態における操作有効期間には、演出用ボタンBTの操作を複数回有効とする連打期間と、演出用ボタンBTの操作を1回だけ有効とする一打期間の2種類がある。連打期間が設定されているときには、演出用ボタンBTが操作される毎に、到達可能な段階数まで段階的に導出演出の演出結果の段階数を上昇し得るようになっている。その一方で、一打期間が設定されているときには、演出用ボタンBTが操作されたことを契機に、到達可能な段階数の演出結果が導出され得るようになっている。すなわち、連打期間は、演出用ボタンBTを複数回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得る。一方で、一打期間は、演出用ボタンBTを1回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得る。
【0062】
そして、本実施形態では、図4に示すように、導出演出のうち第1導出演出となる変動サイクル示唆演出の実行が開始されるとき、連打期間(以下、「前半連打期間」と示す場合がある)が所定時間(時間Zt)だけ設定されるようになっている。なお、本実施形態では、変動サイクル示唆演出の実行開始時点から設定される前半連打期間は、「4秒間(=時間Zt)」だけ設定されるようになっている。また、前半連打期間が設定されてから時間Ztが経過して前半連打期間の設定が終了する時、当該前半連打期間が設定されている間に演出用ボタンBTが1回以上操作されていた場合には、前半連打期間の設定が終了した後に連打期間(以下、「後半連打期間」と示す)が所定時間(時間Kt)だけ設定される。一方、前半連打期間が設定されてから時間Ztが経過して前半連打期間の設定が終了する時、当該前半連打期間が設定されている間に演出用ボタンが操作されていない場合には、前半連打期間の設定が終了した後に一打期間が最大で所定時間(時間Kt)だけ設定される。すなわち、前半連打期間が設定されているときに演出用ボタンBTが操作された際には、前半連打期間の設定が終了した後(切替時点)に後半連打期間が設定されることで連打期間が設定され続ける。一方で、前半連打期間が設定されているとき演出用ボタンBTが操作されなかった際には、前半連打期間の設定が終了した後に一打期間が設定されることで、連打期間から一打期間へと設定される期間が切り替えられる。なお、本実施形態では、変動サイクル示唆演出における前半連打期間の設定が終了してから設定される後半連打期間及び一打期間は、「2秒間(=時間Kt)」だけ設定されるようになっている。
・・・略・・・
【0065】
以下、各導出演出の実行に係る制御について説明する。 まずは、変動サイクル示唆演出の実行に係る制御について説明する。 演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンを入力した場合、左列の飾り図柄を一旦停止表示させる前に、前半連打期間を設定するとともに、示唆ゲージSGを表示させて変動サイクル示唆演出の実行を開始するように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、前半連打期間の設定中に演出用ボタンBTからの操作信号を入力する毎に、演出用ボタンBTが操作された時点での演出結果の段階数から演出用ボタンBTの操作後に導出する演出結果の段階数を決定する。
・・・略・・・
【0081】
また、同じ変動パターンが指定されるときであっても、変動サイクル示唆演出用の後半連打期間テーブルでは、変動サイクル示唆演出用の前半連打期間テーブルよりも、演出用ボタンBTが操作された時点から段階数が上昇しやすいようにボタン演出用乱数の値が振り分けられている。このため、変動サイクル示唆演出における連打期間の序盤で演出用ボタンBTを操作してもなかなか演出結果の段階数が上昇しないことで大当りへの期待感が低い(変動サイクルの回数が少ない)かもしれないと焦る遊技者を、連打期間の終盤で演出結果の段階数を上昇させることでより興奮させて、遊技への注目度を高めることができる。
【0082】
次に、大当り期待度演出の実行に係る制御について説明する。 演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンを入力した場合、リーチ演出の実行を開始すると同時に、前半連打期間を設定するとともに、期待度ゲージKGを表示させて大当り期待度演出の実行を開始するように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、前半連打期間の設定中に演出用ボタンBTからの操作信号を入力する毎に、演出用ボタンBTが操作された時点での演出結果の段階数から演出用ボタンBTが操作された時点での演出結果の段階数から演出用ボタンBTの操作後に導出する演出結果の段階数を決定する。」

エ 「【0121】
・上記実施形態において、導出演出の演出結果を複数段階に構成しなくても良い。例えば、大当り期待度演出を実行する際には、演出用ボタンBTの操作によって、大当りの場合は「大当り」、はずれの場合は「はずれ」と表示させるようにしても良い。この場合、連打期間では、演出用ボタンBTが操作される毎に、最終結果(大当りか否か)を報知するか否かについての抽選が行われ、一打期間では演出用ボタンBTが操作されたことを契機に最終結果が報知されるようにしても良い。
・・・略・・・
【0125】
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aが、指定された変動パターンの種類に応じて導出演出の演出結果として到達可能な段階数を決定するようにしても良い。そして、連打期間が設定されているときには、演出用ボタンBTが操作される毎に演出結果の段階数を所定数(例えば、「1」)だけ上昇させるか否かの上昇抽選を行い、当該抽選に当選した場合には所定数だけ段階数を上昇させた演出結果を導出するようにしても良い。また、一打期間が設定されているときには、演出用ボタンBTが操作されたことを契機に、到達可能な段階数の演出結果を導出させるようにしても良い。このように構成した場合、演出制御用CPU31aが演出結果決定手段として機能する。」

オ 上記アないしエからみて、引用例には、実施形態として、次の発明が記載されている。なお、aないしiについては本願補正発明のAないしIに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている、操作手段としての演出用ボタンBT(【0023】)と、
b 図柄変動ゲームにて、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う主制御用CPU30a(【0027】、【0040】)と、
c、d はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンを入力した場合、演出用ボタンBTを複数回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得る連打期間が設定され、変動サイクル示唆演出又は大当り期待度演出の実行を開始するように演出表示装置11の表示内容を制御する演出制御用CPU31a(【0051】、【0061】、【0065】、【0082】)と、
を備え、
e、g、h 連打期間のうち前半連打期間が設定されていて、当該前半連打期間が設定されている間に、演出用ボタンBTが操作されなかった際には、前半連打期間の設定が終了した後に一打期間が設定され(【0062】)、一打期間は、演出用ボタンBTを1回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得(【0061】)、
f、h 前半連打期間が設定されているときに演出用ボタンBTが操作された際には、前半連打期間の設定が終了した後に後半連打期間が設定されることで連打期間が設定され続け(【0062】)、連打期間は、演出用ボタンBTを複数回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得る(【0061】)、
i パチンコ遊技機(【0016】)。」(以下「引用発明」という。)

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(i)は、本願補正発明のAないしiに対応させている。

(a)引用発明のaの「遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている、操作手段としての演出用ボタンBT」は、本願補正発明のAの「遊技者により操作可能な操作手段」に相当する。

(b)引用発明において、大当りと判定された後、大当り遊技状態(特定遊技状態)となることが技術常識であるとともに、大当り判定が各「図柄変動ゲーム」について行われることも技術常識(例.引用例の【0040】、【0046】)である。そして、引用発明の各「図柄変動ゲーム」は、本願補正発明のBの「各遊技回」に相当するから、引用発明のbの「大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う主制御用CPU30a」は、本願補正発明のBの「各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段」に相当する。

(c)(d)引用発明のc、dの「演出制御用CPU31a」は、「はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンを入力した場合、導出演出として、連打期間が設定される変動サイクル示唆演出又は大当り期待度演出の実行を開始するように演出表示装置11の表示内容を制御する」ものである。
引用発明のc、dにおける、はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンの入力が、主制御用CPU30a(主制御手段)の各ゲーム(各遊技回)における判定結果に基づいてなされることは技術常識である。また、引用発明において、(非リーチはずれでなく)はずれリーチ演出用又は大当り演出用の変動パターンの入力がなされた場合、演出用ボタンBTを複数回操作(連打操作)することによって到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得る連打期間が設定される導出演出が表示されるものである。
そうすると、引用発明のc、dの「演出制御用CPU31a」は、本願補正発明の「C 前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段」及び「D 前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段」を備えることは明らかである。

(e)(g)引用発明の「一打期間」及び「到達可能な段階数」は、それぞれ本願補正発明のE、Gの「特定期間」及び「規定値」に相当する。
そして、引用発明のe、g、hにおいて、前半連打期間が設定されているとき演出用ボタンBTが操作されなかった際には、前半連打期間の設定が終了した後に一打期間(特定期間)が設定され、一打期間(特定期間)は、演出用ボタンBT(操作手段)を1回操作することによって、到達可能な段階数(規定値)の演出結果が導出演出にて導出され得るものである。
そうすると、引用発明は、一打期間(特定期間)で演出用ボタンBT(操作手段)を1回操作しただけで、複数回数操作することによって到達可能な段階数(規定値)の演出結果を表示させることが可能であるから、前記1回操作で、所定の段階数(加算値)を現時点の段階数(操作値)に一度で加算し、前記現時点の段階数(操作値)が到達可能な段階数(規定値)以上に必ず達するとは限らないが、達した場合に演出結果を表示させるものであるといえる。
また、上記(c)(d)のとおり、引用発明の演出制御用CPU31a(演出実行手段)は、導出演出を制御(連打操作演出処理)するものである。
してみると、引用発明は、本願補正発明の「E 前記演出実行手段」が「前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における最初の前記操作手段の操作が、予め設定された特定期間に行われた場合にその操作時に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段」「を備え」との特定事項を具備する。
また、引用発明のe、g、hと、本願発明の特定事項Gとは、「前記演出実行手段」が、「前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合、」所定の「加算値を前記操作値に一度で加算し、前記操作値が前記規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段」「を備え」る点で共通する。

(f)引用発明のf、hの「前半連打期間」は、一打期間(特定期間)外であるから、本願補正発明のFの「特定期間外」に相当する。
そして、引用発明のf、hにおいて、前半連打期間(特定期間外)が設定されているときに演出用ボタンBT(操作手段)が操作された際には、前半連打期間の設定が終了した後に後半連打期間が設定されることで連打期間が設定され続け、連打期間は、演出用ボタンBTを複数回操作することによって、到達可能な段階数(規定値)の演出結果が導出演出にて導出され得るものである。言い換えれば、連打期間において、演出用ボタンBTを複数回操作することによって得られる段階数が、到達可能な段階数(規定値)以上に達した場合、演出結果が表示されるものである。
また、上記(c)(d)のとおり、引用発明の演出制御用CPU31a(演出実行手段)は、導出演出(連打操作演出)を制御するものである。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「前記演出実行手段」が「F 前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間外に行われた場合は、前記操作手段の操作に応じて加算される操作が予め設定された規定値以上に達した場合に前記演出結果を表示させる手段」「を備え」るとの特定事項を具備する。

(h)引用発明のe、g、h及びf、hからみて、一打期間は、演出用ボタンBTを1回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出され得、連打期間は、演出用ボタンBTを複数回操作することによって、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて導出されるものであるから、各期間における演出表示が、その進行度合いについて、相互に異なることは自明である。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「H 前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる」との特定事項を具備する。

(i)引用発明の「遊技機」は、本願補正発明の「パチンコ遊技機」に相当する。

イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 遊技者により操作可能な操作手段と、
B 各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段と、
C 前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段と、
D 前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
E 前記演出実行手段は、
前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における最初の前記操作手段の操作が、予め設定された特定期間に行われた場合にその操作時に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
F 前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間外に行われた場合は、前記操作手段の操作に応じて加算される操作が予め設定された規定値以上に達した場合に前記演出結果を表示させる手段と、
G’前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合、所定の加算値を前記操作値に一度で加算し、前記操作値が前記規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
を備え、
H 前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる、
I 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点1(特定事項G)
「前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合」に「前記操作値に一度で加算」される「加算値」は、
本願補正発明では、「前記操作値が前記規定値以上に達する」ものであるのに対し、
引用発明では、そのような特定がない点。

ウ 上記相違点1についての判断
引用例には、「【0125】・・・また、一打期間が設定されているときには、演出用ボタンBTが操作されたことを契機に、到達可能な段階数の演出結果を導出させるようにしても良い。このように構成した場合、演出制御用CPU31aが演出結果決定手段として機能する。」と記載されており、当該記載された事項を考慮すれば、引用発明の一打期間において、演出用ボタンBTを1回操作することによって、段階数を加算して、到達可能な段階数の演出結果が導出演出にて必ず導出されるようになすことは当業者が適宜なし得たことである。
してみると、引用発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項のようになすことは、当業者が引用例に記載された事項に基づいて適宜なし得たことである。

エ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人は、審判請求書の【請求の理由】の「2.拒絶理由の解消について」において、以下のとおり概略主張している。
「本願発明によれば、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われ、前記操作値が前記規定値以上に達する加算値が前記操作値に一度で加算された後も、それ以前から参照されていた前記規定値に基づいて前記連打操作演出処理の演出結果を表示させることになるため、異なる規定値を予め準備しておく必要がありません。
一方、ご指摘の引用文献1では、前半連打期間テーブル及び一打期間テーブルの二つのテーブルが準備されており、そのテーブルが切り替えられることによって、導出させる演出結果を切り替えることが開示されております。そのため、前半連打期間テーブル及び一打期間テーブルの二つのテーブルが必要になります。
そして、本願発明のような前記操作値の加算手法と、前記操作値及び前記規定値に基づく前記演出結果の表示の判定手法との組み合わせについて、引用文献1には記載も示唆もなされておりません。
また、本願発明は、「前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる」との技術的特徴を有しております。そのため、本願発明は、本願と実施形態が同一で同日出願である特願2015-223155に係る請求項1に係る発明と同一でもございません。」

(イ)上記(ア)の請求人の主張について検討すると、本願発明のような前記操作値の加算手法と、前記操作値及び前記規定値に基づく前記演出結果の表示の判定手法との組み合わせについては、上記(3)アで述べたとおり、引用発明が実質的に備えるか、又は、上記(3)ウで述べたとおり、当業者が適宜なし得たことである。
また、本願補正発明の「前記操作手段の連打操作に応じて前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示と、前記操作有効期間における最初の前記操作手段の操作が前記特定期間に行われた場合に前記演出結果が表示されるまでに表示される前記演出表示とが異なる」との特定事項については、上記(3)アで述べたとおり、引用発明が実質的に備えるといえる。
さらに、引用文献1(引用例)では2つのテーブルが必要になるとの主張については、本願補正発明では、「加算値」の導出方法は特定されていないから、請求項の記載に基づかない主張である。
してみると、審判請求人の主張については採用することができない。

(5)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、引用発明及び引用例に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
よって、本件補正は、特許法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和1年11月25日提出の手続補正書による補正は、上記のとおり却下されているの で、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和1年5月13日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「A 遊技者により操作可能な操作手段と、
B 各遊技回について特定遊技状態への移行の有無を判定する主制御手段と、
C 前記操作手段の連打操作を前記主制御手段による判定結果に基づく演出表示に反映させる連打操作演出処理を実行するか否かを判定する処理を前記各遊技回において実行する演出判定手段と、
D 前記演出判定手段によって前記連打操作演出処理を実行すると判定された場合に前記連打操作演出処理を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
F’前記演出実行手段は、
前記連打操作演出処理において、予め設定された操作有効期間内における前記操作手段の操作に応じた加算値を操作値として加算し、前記操作値が予め設定された規定値以上に達した場合に前記連打操作演出処理の演出結果を表示させる手段と、
J 前記操作有効期間における前記操作手段の操作タイミングに応じて前記加算値を変更する手段と、
K 前記操作有効期間の残り時間が減少するほど前記加算値が増加するように前記残り時間と前記加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出する手段と、を備える
I ことを特徴とする遊技機。」(なお、記号AないしKは、分説するため、合議体が付した。)

2 原査定の拒絶の理由の概要
(進歩性)この出願の令和1年5月13日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.特開2013-121400号公報(上記引用例)

3 対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 上記第2の3(3)のとおり、引用発明は、本願発明の特定事項AないしD、Iを備えるといえる。

イ 本願発明の特定事項F’については、本願補正発明の特定事項Fを上位概念化したものといえるから、引用発明が、本願補正発明の特定事項Fを備えるならば、本願発明の特定事項F’を当然備えるといえる。

ウ 上記ア及びイからみて、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違し、その余の点で一致する。

・相違点2(特定事項J、K)
「前記演出実行手段は、」
本願発明では、「前記操作有効期間における前記操作手段の操作タイミングに応じて前記加算値を変更する手段と、前記操作有効期間の残り時間が減少するほど前記加算値が増加するように前記残り時間と前記加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出する手段と、を備える」のに対し、
引用発明では、そのような特定がない点。


(2)相違点2についての判断
ア 引用例には、「【0081】 また、同じ変動パターンが指定されるときであっても、変動サイクル示唆演出用の後半連打期間テーブルでは、変動サイクル示唆演出用の前半連打期間テーブルよりも、演出用ボタンBTが操作された時点から段階数が上昇しやすいようにボタン演出用乱数の値が振り分けられている。・・・」と記載され、残り時間が減少するほど加算値が増加することの示唆がなされているものの、具体的に、残り時間と加算値との関係が定められた演算式と前記残り時間とに基づいて前記加算値を算出することについては、引用例に記載も示唆もされておらず、周知であるともいえない。

イ したがって、引用発明及び引用例に記載された技術的事項から、相違点2に係る本願発明の特定事項を容易に想到することはできない。

ウ よって、本願発明は、当業者であっても、引用発明及び引用例に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できるものとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-07-08 
出願番号 特願2015-223156(P2015-223156)
審決分類 P 1 8・ 572- WY (A63F)
P 1 8・ 575- WY (A63F)
P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小泉 早苗  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 瀬津 太朗
鉄 豊郎
発明の名称 遊技機  
代理人 種村 一幸  
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