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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61B 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61B |
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管理番号 | 1364248 |
審判番号 | 訂正2020-390023 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-03-19 |
確定日 | 2020-07-10 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6637523号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6637523号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6637523号(以下、「本件特許」という。)は、2016年(平成28年)1月28日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2015年2月3日(CH)スイス連邦)を国際出願日とする特願2017-558795号に係り、令和1年12月27日に特許権の設定登録がなされ、令和2年3月19日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、次のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 請求項1の「スリーブ(9)が前記コア(2)を取り巻き、分解速度BDを有する生物学的に分解可能な材料を備え、かつ直径D_(S)≦D_(A)を有し」の記載を、「スリーブ(9)が前記コア(2)を取り巻き、分解速度BDを有する生物学的に分解可能な材料を備え、かつ前記スリーブ(9)が直径D_(S)≦D_(A)を有し」に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項12の「ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid (PLGA), poly‐D/L‐lactic acid, poly‐L‐lactic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)」の記載を、「ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸(poly‐D/L‐lactic acid)、ポリ‐L‐乳酸(poly‐L‐lactic acid)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)」に訂正する。 (3)訂正事項3 明細書の段落[0034]の「ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid (PLGA), poly‐D/L‐lactic acid, poly‐L‐lactic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)」の記載を、「ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸(poly‐D/L‐lactic acid)、ポリ‐L‐乳酸(poly‐L‐lactic acid)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1 (1)訂正の目的について 訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1の記載における「直径D_(S)≦D_(A)を有し」の主語は「スリーブ(9)が」であると解釈できるものの、それが明示されていなかったところ、主語は「スリーブ(9)が」であることが明確になるように、当該記載を「前記スリーブ(9)が直径D_(S)≦D_(A)を有し」と訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加について 訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項1の記載において明示されていなかった主語を明示するものであり、実質的に請求項1に係る発明の発明特定事項を変更するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項1の記載において明示されていなかった主語を明示するものであり、実質的に請求項1に係る発明の発明特定事項を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 2 訂正事項2 (1)訂正の目的について 訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項12の記載における「ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid (PLGA), poly‐D/L‐lactic acid, poly‐L‐lactic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)」のうち、誤記及び誤訳のある「ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid (PLGA), poly‐D/L‐lactic acid, poly‐L‐lactic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸)」の部分を本件特許の国際出願であるPCT/IB2016/050445号の国際出願日時点における請求の範囲の請求項14に記載された「poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid (PLGA), poly‐D/L‐lactic acid, poly‐L‐lactic acid」の記載に基づいて訂正するものであり、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加について 訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、本件特許の国際出願の国際出願日時点における請求の範囲の請求項14の記載に基づくものであり、同請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、誤記及び誤訳を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同条第7項の規定に適合するものであるかどうか検討したところ、訂正後の請求項1?15に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は発見しない。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項3 (1)訂正の目的について 訂正事項3に係る訂正は、請求項12に対応する明細書の段落[0034]の記載を、訂正事項2に係る訂正に伴い、請求項12の記載と整合させるために行うものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加について 訂正事項3に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正事項2に係る請求項12の訂正に伴う明細書の訂正であり、同請求項に記載した事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項3に係る訂正は、訂正事項2に係る請求項12の訂正に伴う明細書の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 骨片の可変固定のための装置 【技術分野】 【0001】 本願は、請求項1の前置きに係る骨固定装置に関する。この骨固定装置は一般的に、骨折を治療するために使用される医療装置の分野に関する。具体的には、この固定装置は、限定されるわけではないが、骨折治癒期間中の骨片への可変固定を提供するための特徴及び/又は特性を有する骨ねじに関する。 【背景技術】 【0002】 骨格は、最適な局所的歪レベルを回復するために、骨量及び分布を調整する歪の変化に応答する。好適な境界条件の下では、骨折に引き続き一次又は二次修復プロセスのいずれかが生じ、これら一次又は二次修復プロセスでは、解剖学的及び機能的な骨格要素の能力が異なる段階を経て修復される。これら修復プロセスもまた、機械的環境の変化によって調節される。 【0003】 50年以上に亘って、骨折治療は、骨片に修復プロセスのうちの1つを促進する安定性を提供するために、例えば骨ねじにおけるような固定要素と組み合わせて必要に応じて使用される場合に、骨髄内、骨髄外の例えば釘、骨プレート等のような内部又は外部負荷キャリア(load carrier)を通じて日常的に行われている。その後、再吸収可能な/分解可能な物質と再吸収不可能な物質との関連性を特徴とする様々な骨固定装置が、治癒プロセスの後期において、再吸収可能な/分解可能な材料が一旦移植されると経験する、分子量の減少、機械的強度の低下、及び最終的には質量損失の段階を利用して、治療された骨/骨片に漸進的に負荷を与えるために発明された。その目的は、応力遮蔽(stress shielding)の減少(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)、又は化合物の異なる部分間の安定性を変化させる(特許文献6、特許文献7、特許文献8)、若しくは複合医療装置を変化させる(特許文献9)ことであった。 【0004】 CERYNIK等による特許文献6からは、骨折を治療するための固定装置における使用のための整形外科用ねじが既知である。この既知のねじは、ねじの軸を取り囲むとともにねじの軸に固定された生体吸収可能な材料から成るスリーブを有し、それによってスリーブの直径は軸の直径よりも大きい。 【0005】 特許文献6の目的は、プレートのねじへの接続の性能を変化させることを通じて複合体固定装置の特性を変化させること、すなわち、ねじとプレートとの間のロック機構を、時間をかけてノンロック機構となるように変化させることである。プレートの直下の仮骨に追加的な歪を徐々にもたらす機能は、意図したものではない。ポリマの再吸収によって、プレート/ねじの構造物はロックからノンロックの状態になり、したがってロックの安定性の肯定的な一面が、治療の残りの期間、失われる。 【0006】 したがって、骨プレートが取り除かれるまでロック固定の利益を失うことなく、骨インプラントの構造体の剛性を徐々に減少させるのを可能にする、骨固定のための装置に対する必要性が残っている。最近、骨折治療の早い段階で、骨折した骨片に対して柔軟な係合を、動的な又は遠い方の皮質のロックを通じて提供するために、いくつかの固定要素が発明された(特許文献10、特許文献11、特許文献12)。この増強又は追加的な柔軟性は、骨折治療の初めに十分に提供され、医療処置中に変化することはない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 【特許文献1】米国特許出願公開第4756307号明細書 【特許文献2】米国特許出願公開第4655203号明細書 【特許文献3】米国特許出願公開第4338926号明細書 【特許文献4】米国特許出願公開第4773406号明細書 【特許文献5】米国特許出願公開第5013315号明細書 【特許文献6】米国特許出願公開第8506608号明細書 【特許文献7】米国特許出願公開第2007/233073号明細書 【特許文献8】米国特許出願公開第2008/317812号明細書 【特許文献9】米国特許出願公開第2012/029564号明細書 【特許文献10】米国特許第8114141号明細書 【特許文献11】米国特許出願公開第2006/195099号明細書 【特許文献12】米国特許出願公開第2012/029579号明細書 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 したがって、本発明の目的は、漸進的にその時のより大きなフラグメント間の(interfragmentary)動きを可能にする骨固定装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、発生する問題を、請求項1の特徴を備える骨固定用装置によって解決し、この装置は、骨折治療中の骨片間の動きに抗して骨固定装置によって提供される抵抗を徐々に変化させることを可能にする。 【0010】 骨片の可変固定のための装置(骨固定のための装置)は、何らかの形で安定ではあるが可変な固定を骨片に提供するように配置された、請求項1による生物学的に分解可能な材料及び生物学的に分解不可能な材料を特徴とする。骨折を治療するための骨固定のための装置の使用は、骨片に提供される安定性の漸進的な変化を通じて治癒を促進することを意図されている。この段階的な変化は、機械的‐生物学的介在経路を通じて組織分化を刺激するように意図されている。 【0011】 本発明に係る骨固定装置は、生物学的に分解不可能な材料と、生物学的に分解可能な材料と、を備える複合材料インプラントである。 【0012】 材料の分解速度並びに、生物学的に分解可能な材料及び生物学的に分解不可能な材料の定義は、本発明において骨折治癒に必要な時間に関連することを意図されている。したがって、分解速度BDを特徴とする材料は、骨折治癒期間中に細胞外体液(生理学的な骨折の特徴的体積、pH、イオン及びタンパク濃度を特徴とする)に曝された際に、その機械的特性が実質的に減少する材料(例えば、それに限定されるわけではないが、短期生体吸収性ポリマ)として定義される。一方で、分解速度BNDを特徴とする材料は、骨折治癒期間中に同様の細胞外体液に曝された際に、その機械的特性は実質的に減少することがない材料(例えば、それに限定されるわけではないが、長期生体吸収性ポリマ及び金属)として定義される。 【0013】 本発明に係る骨固定装置は、従来技術のCERYNIKと比較して以下の利点を提供する。 1)CERYNIKにおけるポリマの吸収では、構造はロック構造から非ロック構造に動く。したがって、ロック安定性のプラス面は治療の残りの部分に対して失われる。しかし、本発明の利点は、ロック状態の固定の利点を失うことなく、フラグメント間の変位の段階的な増加がみられることである。骨インプラントの構造は、多少硬くはなくなるが、緩くはならない。 【0014】 2)CERYNIKにおいてロック状態から非ロック状態に移行すると、相対的なフラグメントの変位は、フラグメントがまだ融合(fuse)していない場合には、時間とともにわずかに増加する場合がある。しかし、フラグメントの変位の軌道は、ロック構造と非ロック構造との間で殆ど同じとなる。本発明の装置によれば、フラグメントの軌道は時間とともに変化し、プレート(シス皮質)の下の皮質をより刺激するのを可能にする。プレートの下の仮骨形成の不足は、臨床的問題として報告されている(Lujan、他)。大腿遠位骨折のロックされた平板固定は、不整合かつ非対称な仮骨形成をもたらす(非特許文献1)。 【0015】 3)CERYNIKにおける吸収は、骨折治癒の後期において行われるように意図されている。それは応力遮蔽の問題を減少させることを意図されている。しかし、本発明の装置によれば、生物学的に分解可能な材料の機械的特性の低下は主に骨折治療の初期に生じ、したがって仮骨形成を段階的に刺激する。同時に、一旦生物学的に分解可能な材料の機械的特性が実質的に変化すると、シス皮質の失われた1回転の獲得(screw purchase)が同様に応力遮蔽の低減を可能にする。 【0016】 本発明のさらなる有利な実施形態を以下のようにコメントすることができる。 【0017】 本発明のさらなる実施形態において、スリーブは、装置の遠位部分に設けられたねじ山の外径より小さい一定な外径を有する。 【0018】 さらなる実施形態では、スリーブは、装置の遠位部分に設けられたねじ山の外径より大きな、一定な外径を有する。 【0019】 またさらなる実施形態では、スリーブは、装置の遠位部分に設けられたねじ山の外径に等しい、一定な外径を有する。 【0020】 さらなる実施形態では、シャフトの近位部分のコアの直径は、シャフトの遠位部分の内部コアの直径より小さい。 【0021】 さらなる実施形態において、装置のスリーブにはマクロ構造(例えば、外側ねじ山、部分的ねじ山、縁部、又は周縁グローブ)が設けられている。 【0022】 別の一実施形態では、装置のスリーブは滑らかな外側装置を有する。 【0023】 骨に加えられる負荷がいくらであっても、スリーブは金属のコアと骨の孔の壁部との間で圧迫される。弾性率が高ければ高いほど、この圧迫に対して提供される抵抗は大きくなり、したがって骨片の相対的な変位は小さくなる。 【0024】 また別の一の実施形態では、装置の遠位部分の外径に対するコアの直径の比は、0.6?0.9の範囲にある。 【0025】 さらなる実施形態では、骨固定のための遠位部分は、生物学的に分解不可能な材料から成る。 【0026】 骨固定のための装置の生物学的に分解不可能な部分(コア、近位部分3b)と、(シス)皮質近傍の骨孔の内側と、の間の許容される最大相対的変位は、一旦生物学的に分解可能なスリーブの材料の分解が完了したときには、遠位部分のねじ山の外径D_(A)の好ましくは5?10%の範囲にある。しかし、生物学的に分解可能なスリーブの厚さ及びスリーブ材料の分解速度は使用の適用によって異なる。 【0027】 さらなる実施形態では、装置の遠位部分に設けられたねじ山は連続的ではなく、すなわちねじ山のピッチは変化する場合があり、及び/又はねじ山のらせん構造は例えばフルート(flutes)によって切断されている場合がある。 【0028】 さらなる実施形態では、スリーブは吸収性材料を備える。 【0029】 さらなる実施形態では、スリーブは、0.5?20GPaの範囲、好ましくは0.5?3.0GPa及び/又は12?17GPaの範囲の圧縮弾性率を有する材料を備える。 【0030】 本発明のまた別の一実施形態では、吸収性材料の分子量は、1?3週間の間に50%、好ましくは6?9週間の間に90%減少する。 【0031】 さらなる実施形態では、吸収性材料の圧縮強度は、4?8週間の間に50%、好ましくは10?14週間の間に90%低下する。 【0032】 他の一実施形態では、吸収性材料の弾性係数は、4?8週間の間に50%、好ましくは10?14週間の間に90%減少する。 【0033】 だいたい1週間の当初の安定期の後に、材料は加水分解的に又は酵素的に最大約12?14週間の間に、その分子量、及び固定要素の軸とスリーブを直接取り巻く骨との間のより大きな相対的な変位を可能にする力の殆どを失う。 【0034】 生物学的に分解可能な材料は、生体適合性を有し、生理学的プロセス又は外部エネルギー源のおかげで骨折治癒段階中にその機械的特性を加水分解的に又は酵素的に変化させる、合成の又は天然の、密な又は疎な材料である。これらポリマ材料及び/又はポリマ‐ガラス/セラミック材料は、限定されるわけではないが、ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸(poly‐D/L‐lactic acid)、ポリ‐L‐乳酸(poly‐L‐lactic acid)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)及びそれらの異なる比率での組み合わせを含む。 【0035】 さらなる実施形態では、スリーブの生物学的に分解可能な材料は、以下の材料:異なる比率でのラクティックグリコリック酸共重合体、分解可能な自己拡張型ポリ‐L,D‐ラクチド及びポリ‐ε‐カプロラクトンホモポリマの1つ以上を備える。 【0036】 さらなる実施形態では、スリーブはヒドロキシアパタイト及び/又はβ‐リン酸三カルシウムを備える。 【0037】 これら材料の特性及び分配(distribution)は、骨固定装置に少なくとも1つの追加的機能を提供する。すなわち、一旦移植されると、骨折治療の前に、折れた骨に適用される所与の力又はモーメントに対して、材料の特性及び分配が2つ以上の骨片間の相対的な動きを変化させるのを可能にする。さらに、依然として移植された状態にあるときに、X線による検査が骨折による隙間の閉止を示した後に、骨に適用された所与の力又はモーメントに対して、材料の特性及び分配が、医療装置が移植された骨組織を引っ張るのを可能にする。これら機能の期待される結果は、骨折治癒プロセスにおける骨折治癒を開始し、促進し、シス皮質における仮骨の形成を刺激し、治療された骨領域における応力遮蔽を減少されることの改善である。 【0038】 さらなる実施形態では、コアの生物学的に分解不可能な材料は、以下の材料:チタン、チタン合金のうちの1つ(例えばTi‐6Al‐4V又はTi‐6Al‐7Ni)、ステンレス鋼、金属合金(CoCr、CoCrMo、CoCrMoC、CoCrNi又はCoCr‐WNi)等、又はそれに限定するわけではないが、長期生分解性ポリマLPLA、PCI、PDO等、のうちの1つ以上を備える。 【0039】 さらなる実施形態では、シャフトの遠位部分には、ヒドロキシアパタイトのコーティングが表面処理によって設けられる。この実施形態は、骨形成(osteointegration)を促進し、装置の遠位部分の耐疲労性を増加させる。 【0040】 本発明の特定の実施形態では、装置は骨ねじの形状である。 【0041】 さらなる実施形態では、骨固定のための装置は、遠位部分のねじ山の外径より大きな直径を有する。 【0042】 さらなる実施形態では、ねじ頭は円錐形状である。 【0043】 また、本発明は、本発明による骨固定のための装置と、骨プレート内での骨固定のための装置の安定した固定を可能にするロック機構を有する少なくとも1つのロックプレート孔を有する骨プレートと、を備える骨折の治療のためのキットを包含する。他の方法の中でもとりわけ、プレート孔中の骨固定のための装置の安定した固定が、骨固定のための装置の頭部及び孔の内面に設けられたねじ山によって、装置の円錐形状の頭部及び骨プレートの円錐状孔によって形成された不明瞭な接続によって、並びにプレートの孔内の装置の頭部の変形又はその逆、すなわちねじ頭のねじ切りを通じた孔の変形、又は骨ねじを骨プレートに十分に拘束するために使用されるいずれかの方法によって達成可能である。 【0044】 本発明は、筋骨格システムの再構築のための本発明による装置の使用を包含する。 【0045】 本発明のいくつかの実施形態が、例示の方法によって、添付の図面を参照しつつ以下に説明される。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明による皮質ねじの概略図である。 【図2】本発明による皮質ねじの斜視図である。 【図3】本発明による他の一の皮質ねじの概略図である。 【図4】本発明による他の一の皮質ねじの斜視図である。 【図5】本発明による網目状ねじの概略図である。 【図6a】手術直後の期間における、本発明によるねじプレートシステムの挙動を示す図である。 【図6b】手術直後の期間における、本発明によるねじプレートシステムの挙動を示す図である。 【図7a】装置の吸収可能な部分がその機械的特性を失った時の、本発明によるねじプレートシステムの挙動を示す図である。 【図7b】装置の吸収可能な部分がその機械的特性を失った時の、本発明によるねじプレートシステムの挙動を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0047】 本発明は、骨外科的固定装置及び、生理学的治癒プロセスがロック機構を特徴とするプレートに関連して使用される場合に行うことができる、安定性を有する骨片又は骨を提供するために使用される方法に関する。骨固定のための装置は、好ましくは先細の前部分及び、頭部と、この先細の前部分と、の間のシャフトを含む。シャフトは、一定の外径を有するねじ山を設けられた遠位部分と、生物学的に分解不可能なコア及びこのコアを取り巻く生物学的に分解可能なスリーブを有する近位部分と、を有する。スリーブの生物学的に分解可能な材料は、骨に直接係合して、可能性のある解剖学的骨の再構築にしたがって骨片をはじめに固定する外面を有する。所与の荷重又はモーメントに対して、骨片の相対的な変位が、スリーブの分解時に時間とともに段階的に増加する。 【0048】 スリーブのコアへの固定を達成するいくつかの可能性、例えば: ‐近位部分3bの表面が、この表面に沿って長手方向に、かつ不連続的に延び、分解可能な材料の中に把持される、断面が放射状の押し出し部を特徴とする。 ‐近位部分3bの表面が、この表面に沿って長手方向に、かつ不連続的に延びる断面が放射状の溝を特徴とし、分解可能な材料が分解不可能な材料の中に把持される。 ‐近位部分3bの表面がしわを特徴とし、このしわは、スリーブがねじの挿入中にねじの軸の周りに回転するのを妨げる。 ‐生体適合性を有する接着剤が、スリーブを近位部分3bに接着する。 ‐製造プロセスが、スリーブの制御された半径方向収縮の発生を前提とする。 【0049】 本発明及び本発明のさらなる実施形態が、いくつかの実施形態の図を参照しつつ、以下に説明される。 【0050】 図1は、頭部部分5、先細の前部部分8、及び頭部部分5と先細の前部部分8との間のシャフト3を有する皮質ねじの形態の骨固定のための装置を示す。シャフト3は、先細の前部部分8に隣接する遠位部分3aと、前記頭部部分5に隣接する近位部分3bを有する。遠位部分3aは、一定の外径D_(A)と、内部コア直径D_(I)と、を有するねじ山を設けられた面を有する。シャフト3の近位部分3bは、遠位部分3aの内部コア直径D_(I)よりも小さい直径dを有する生物学的に分解不可能なコア2と、このコア2を取り巻く生物学的に分解可能なスリーブ9と、を備える。 【0051】 図2は、本発明による装置の斜視図を示す。図2に示すような装置のスリーブ9の遠位部分3a並びにスリーブ9の外面には、外側ねじ山が設けられている。 【0052】 図1及び図2に示された実施形態の前部部分は、セルフカッティング及びセルフタッピングの特徴を組み込むことができ、これら特徴は予備的ドリル穴開け及びタッピングそれぞれに対する必要無しに、骨の中へのねじの挿入を可能にする。シャフト3の遠位部分3aは、この特定の場合にねじを皮質骨の中に固定するように構成される。遠位部分3aの外径D_(A)は、限定されるわけではないが、1.5mm?8.0mmの範囲にある。より具体的には、骨固定のための装置は、約1.5、2.0、2.4、2.7、3.5、4.0、4.5、5.0、6.5、7.0、7.3、及び8mmの外径D_(A)を有することができる。骨固定のための装置は、典型的には20?80mmの長さを有する。シャフト3の遠位部分3a及び近位部分3bの相対的な長さは略同様であるが、異なる骨のサイズ及び解剖学的特徴に応じた使用目的によって、骨固定のための装置が移植されるときに、シャフト3の遠位部分3aが遠い方の(トランス)皮質に係合し、それによってシャフト3の近位部分3bが近い方の(シス)皮質内に配置されるように、よりよく規定される。シャフト3の近位部分3bの生物学的に分解不可能なコアを取り巻くスリーブ9の生物学的に分解可能な材料は、近い方の(シス)皮質に係合している。複数の部分から構成される装置の剛性は、予想される負荷の下での期待される曲げ耐性を提供するのに十分である。近位部分3bの生物学的に分解可能な材料と、遠位部分3aの生物学的に分解不可能な材料との間の接合部には、後部切断要素(例えば切断フルート)が設けられた、治療の終わりに装置の容易な取り外しを可能にするシャフト3の中央部分がある。 【0053】 シャフト3の遠位部分3aには、一定の外径D_(A)と、内部コア直径D_(I)と、を有するねじ山が設けられている。シャフト3の近位部分3bは、固定された直径、又は可変な直径(スリーブを拘束し、回転を回避するために使用することができる)のいずれかを有するコア2と、このコア2を取り巻くスリーブ9を備える。スリーブ9には、外径D_(S)を有するねじ山が設けられる。図1及び2の実施形態によれば、スリーブ9の外径D_(S)は、シャフト3の遠位部分3aに設けられたねじ山の外径D_(A)に等しい。 【0054】 図3は、頭部部分5、先細の前部部分8、及びシャフト3を有する皮質ねじの形態の骨固定のための別の装置を示す。シャフト3は、先細の前部部分8に隣接する遠位部分3aと、前記頭部部分5に隣接する近位部分3bを有する。遠位部分3aは、一定の外径D_(A)と、内部コア直径D_(I)と、を有するねじ山を設けられた面を有する。シャフト3の近位部分3bは、直径d=D_(I)及びコア2を取り巻くスリーブ9を備える。スリーブ9の外面は、ねじを切られていない。近位部分3bのスリーブ9の生物学的に分解可能な材料と、遠位部分3aの生物学的に分解不可能な材料との間の接合部には、治療の終わりに骨固定のための装置の挿入を通じて生じる骨グラフトの取り外し及び装置の容易な取り外しを可能にする、それぞれ前部及び後部切断要素を特徴とするシャフト3の中央部分がある。 【0055】 さらなる実施形態(図示されず)では、近位部分3bのスリーブの外面を、部分的にねじ切りすることができる。 【0056】 図4は、頭部部分5、先細の前部部分8、及びシャフト3を有する皮質ねじの形態の本発明による装置を示す。シャフト3は、先細の前部部分8に隣接する遠位部分3aと、前記頭部部分5に隣接する近位部分3bを有する。遠位部分3aは、一定の外径D_(A)と、内部コア直径D_(I)と、を有するねじ山を設けられた面を有する。近位部分3bは、生物学的に分解可能な材料からなるとともに一定の外径を有するスリーブ9から成る。スリーブ9は、生物学的に分解不可能な材料からなるコア2を取り巻いている。 【0057】 図5は、本発明による装置の図を示す。図5に示すように、網目状のねじは頭部部分5、細長の前部部分8、及び頭部部分5と細長の前部部分8との間のシャフト3を備える。シャフト3は、細長の前部部分8に隣接する遠位部分3aと、前記頭部部分5に隣接する近位部分3bと、を有する。 【0058】 この実施形態は、皮質骨の外皮によって取り巻かれた大量の網目状の骨によって特徴づけられた骨片を固定するように図示されている。この装置は、先細の前部部分8及び、頭部部分5と、この先細の前部部分8と、の間のシャフト3を好ましくは含む。先細の前部部分は切断フルートを特徴とし、このフルートは、この特定の場合において網目状の骨中にねじを固定するように構成されている。シャフトは、生物学的に分解可能な材料から成り、かつ生物学的に分解不可能な材料から成るコア2の周りに一定の外径を有する、ねじを切られた、部分的にねじを切られた、又は平らなスリーブ表面を特徴とする。スリーブ9は、網目状の骨の固定のために特に誂えられた機械的特性及び分解速度を特徴とする。このねじは、骨と医療装置との界面における応力を低下させること、及びスリーブの分解を通じた骨片間の荷重伝達を漸進的に再配分することを目的とする。スリーブ9の生物学的に分解可能な材料と、遠位部分3aの生物学的に分解不可能な材料と、の間の接合部には、治療の終わりにおける装置の容易な取り外しを可能にする後部切断要素を特徴とするシャフト区画があってもよい。 【0059】 図6及び図6bはそれぞれ、第2の骨折治癒の非常に早い段階中の、プレート及び複数の骨固定のための装置を備える骨折の治療のためのキットの機械的挙動を示す。図6bには、長骨のクリティカルサイズの欠陥及び近位及び遠位周辺の骨片が示されている。手術直後の期間において、キットは、十分なフラグメント間の安定性と、理論的な非対称な骨折仮骨の歪と、を提供する従来のシステムのように挙動する。この場合には、(シス)皮質近傍と、ねじの対称軸と、の間には相対的な変位はないか、又は小さい相対的変位しかない。 【0060】 図7a及び図7bはそれぞれ、生物学的に分解可能なスリーブが実質的にそれらの機械的特性を失うか、又は完全に吸収されたときの、プレート及び複数の骨固定のための装置を備える骨折の治療のためのキットの機械的挙動を示す。骨固定のための装置の生物学的に分解可能な部分によって提供される支持の不足は、フラグメント間の変位の増加をもたらす。これは特に、2つの骨片の(シス)皮質近傍間の仮骨の部分において明白である。 【0061】 すべての骨固定のための装置に対して、骨固定のための装置の生物学的に分解不可能な部分(コア、近位部分3b)と、(シス)皮質近傍における骨孔の内面と、の間の許容される最大相対変位は、一旦生物学的に分解可能なスリーブの材料の分解が完了すると、遠位部分3aのねじ山の外径D_(A)の5?10%の範囲である。しかし、生物学的に分解可能なスリーブの厚さ及びスリーブの分解時間は、使用目的に従って異なる。ねじの可変長は、骨固定のための装置の遠位部分のねじ山の外径に比例し、加えられた不荷の質量中心によって決まる。 【0062】 以下に示された表1は、いくつかのねじに対して5%及び10%の許容される変位の例を報告するが、骨固定のための装置の可能性のある特性の包括的な記載とすることを意図されたものでも、本発明の範囲をいずれかの方法で限定することを意図したものでもない。この装置の寸法は、実際には、その使用目的、構成材料、及び製造工程の効果に依存する。 【0063】 【表1】 【0064】 本発明が、その特定の実施形態に関連して説明されたが、多くの代替形態、変態形態、及び変形が当業者に明らかであることは明白である。したがって、特許請求の範囲の記載の範囲内にあるそのような代替形態、変態形態、及び変形の全てが包含されることが意図されている。 【0065】 明瞭性のために、別々の実施形態の文章中に記載された本発明の所定の特徴はまた、1つの実施形態に組み合わせの形で提供することができることが理解される。逆に、簡潔さのために、1つの実施形態の中で説明された本発明の様々な特徴はまた、別々に、又は好適な別のサブコンビネーションにおいて、又は本発明のいずれか別の説明された実施形態において好適であるように提供することができる。様々な実施形態の内容に記載された所定の特徴は、実施形態がそれら要素無しでは正常に動作しない場合を除き、それら実施形態の本質的な特徴と考えられるべきではない。 【符号の説明】 【0066】 2 コア 3 シャフト 3a 遠位部分 3b 近位部分 5 頭部部分 8 先細の前部部分 9 スリーブ d、Dh 直径 D_(A、)Ds 外径 D_(I) 内部コア直径 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 頭部部分(5)、先細の前部部分(8)、及び前記頭部部分(5)と、前記先細の前部部分(8)と、の間のシャフト(3)と、を備える骨固定のための装置であって、前記シャフト(3)が前記先細の前部部分(8)に隣接する遠位部分(3a)と、前記頭部部分(5)に隣接する近位部分(3b)と、を有する骨固定のための装置において、 a)前記遠位部分(3a)は、ねじ山が設けられるとともに、一定の外径D_(A)及び内部コア直径D_(I)を有し; b)前記シャフト(3)の少なくとも前記近位部分(3b)は、分解速度BNDを有する生物学的に分解不可能な材料を備えるとともに直径d≦D_(I)を有するコア(2)を有し、 c)スリーブ(9)が前記コア(2)を取り巻き、分解速度BDを有する生物学的に分解可能な材料を備え、かつ前記スリーブ(9)が直径D_(S)≦D_(A)を有し、 d)BD>BNDであり、 e)前記スリーブ(9)は、前記コア(2)に回転しない態様で固定されている、 骨固定のための装置。 【請求項2】 前記スリーブ(9)は、一定の外径Ds<D_(A)を有する、請求項1に記載の骨固定のための装置。 【請求項3】 前記スリーブ(9)は、一定の外径Ds=D_(A)を有する、請求項1に記載の骨固定のための装置。 【請求項4】 d≦D_(I)である、請求項1?3のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項5】 前記スリーブ(9)には、外側ねじ山が設けられている、請求項1?4のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項6】 前記スリーブ(9)は、滑らかな外面を有する、請求項1?4のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項7】 比d:D_(A)は、0.6?0.9の範囲にある、請求項1?6のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項8】 前記シャフト(3)は、チタン、チタン合金(Ti‐6Al‐4V又はTi‐6Al‐7Ni)、ステンレス鋼、金属合金(CoCr、CoCrMo、CoCrMoC、CoCrNi又はCoCr‐WNi)、及び長期生分解性ポリマから成る群から選択された1つ以上の生物学的に分解不可能な材料を備える、請求項1?7のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項9】 前記生物学的に分解可能なスリーブ(9)は、吸収性材料を備える、請求項1?8のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項10】 吸収性を有する前記スリーブ(9)は、0.5?20.0GPaの当初の圧縮弾性率を有する材料を備える、請求項9に記載の骨固定のための装置。 【請求項11】 前記吸収性材料の分子量、圧縮強度、及び弾性率は、4?8週間で50%低下し、10?14週間で90%低下する、請求項9又は10に記載の骨固定のための装置。 【請求項12】 前記スリーブ(9)の前記生物学的に分解可能な材料は、 ポリ(グリコール酸)(PGA)、4つの形態学的に異なるポリマ(D、L、DL、メソ)を生じさせる立体異性体でのポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジオキサノン)(Poly(dioxanone))(PDS)、ポリ‐L‐ラクティック‐コ‐グリコール酸(poly‐L‐lactic‐co‐glycolic acid)(PLGA)、ポリ‐D/L‐乳酸(poly‐D/L‐lactic acid)、ポリ‐L‐乳酸(poly‐L‐lactic acid)、ポリカプロラクトン(PLC)、ポリカプロラクトン‐リン酸カルシウム(PLC‐CaP)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐D,L‐ラクチド)(PLADLA又はPLDLLA)及びそれらの組み合わせから成る群から選択された1つ以上の材料を備えることを特徴とする請求項1?11のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項13】 前記スリーブ(9)の前記生物学的に分解可能な材料は、以下の材料: 異なる比率でのラクティックグリコリック酸共重合体、分解可能な自己拡張型ポリ‐L,D‐ラクチド及びポリ‐ε‐カプロラクトンホモポリマ のうちの1つ以上を備えることを特徴とする請求項1?12のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項14】 前記遠位部分(3a)の前記ねじ山は連続的ではないことを特徴とする請求項1?13のいずれか一項に記載の骨固定のための装置。 【請求項15】 a)請求項1?14のいずれか一項に記載の骨固定のための装置と、 b)骨プレート内における前記骨固定のための装置の安定した固定を可能にするロック機構を有する少なくとも1つのロックプレート孔を有する前記骨プレートと、 によって特徴づけられる、骨折の治療のためのキット。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-06-09 |
結審通知日 | 2020-06-15 |
審決日 | 2020-06-29 |
出願番号 | 特願2017-558795(P2017-558795) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(A61B)
P 1 41・ 853- Y (A61B) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 宮下 浩次 |
特許庁審判長 |
芦原 康裕 |
特許庁審判官 |
津田 真吾 栗山 卓也 |
登録日 | 2019-12-27 |
登録番号 | 特許第6637523号(P6637523) |
発明の名称 | 骨片の可変固定のための装置 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 田中 研二 |
代理人 | 田中 研二 |