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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W |
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管理番号 | 1364590 |
審判番号 | 不服2019-12519 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-09-20 |
確定日 | 2020-07-30 |
事件の表示 | 特願2018-520065「通信制御装置、通信制御装置の制御方法、通信制御装置を制御するプログラム、通信システム、および、通信アダプタ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月 7日国際公開、WO2017/208297〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2016年(平成28年)5月30日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年12月 5日付け 拒絶理由通知書 平成31年 2月 5日 意見書、手続補正書の提出 令和 元年 7月 4日付け 拒絶査定 令和 元年 9月20日 拒絶査定不服審判の請求 第2 本願発明について 本願の請求項1?14に係る発明は、平成31年2月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定されるところ、その請求項8に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。 「複数のクライアント機器との間で無線通信ネットワークを形成するための通信制御装置の制御方法であって、前記通信制御装置は、前記複数のクライアント機器の各々と通信するための通信部と、第1のユーザ操作を受ける操作部と、コンピュータを有する制御部とを含み、 前記制御方法は、 前記操作部に対する前記第1のユーザ操作を検知すると、前記複数のクライアント機器の各々の前記無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号を受付可能とする第1のモードを起動するステップと、 前記第1のモードの起動に応じて接続受付を開始するステップと、 前記接続受付の開始後において、前記通信部が前記複数のクライアント機器のうちの1つのクライアント機器において第2のユーザ操作に応じて生成された前記要求信号を受信すると、前記1つのクライアント機器との間で前記接続設定を実行するステップと、 前記第1のモードにおいて、所定の遷移条件が成立すると前記第1のモードから前記要求信号を受付不能とする第2のモードへのモード遷移を実行する一方で、前記遷移条件が成立するまでの間は、前記要求信号に応じて前記1つのクライアント機器との間で前記接続設定が確立されたとき、または、前記複数のクライアント機器のうちのいずれとも前記接続設定が確立されることなく、前記接続受付の開始から所定の第1のタイムアウト時間が経過したときに、新たな前記接続受付を開始して前記第1のモードを維持するステップとを備え、 前記遷移条件は、前記第1のモードが起動されてからの経過時間が前記第1のタイムアウト時間も長い所定の第2のタイムアウト時間に達した場合、または、前記第1のモードが起動されてから前記接続受付が開始された回数が所定の複数回に達した場合に成立する 、制御方法。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、 「(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」 というものであり、請求項8に対して特開2009-038579号公報が引用されている。 第4 引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された特開2009-038579号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (1)「【背景技術】 【0002】 IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANに代表される無線通信では、使用前に設定しなければならない設定項目が数多く存在する。例えば、設定項目として、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要な通信パラメータがあり、ユーザが手入力により設定するには非常に煩雑である。 【0003】 そこで、様々なメーカーから、通信パラメータを簡単に無線機器に設定するための自動設定方法が考案されている。これら自動設定方法は、接続する機器間で予め定められた手順、及びメッセージにより、一方の機器から他方の機器に通信パラメータを提供し、通信パラメータの設定を自動的に行っている。 (中略) 【0005】 (中略) 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 通信パラメータの自動設定方法においては、通信パラメータを他の無線機器に提供する提供装置と、提供装置から提供された通信パラメータを受信し、自装置に設定する受信装置の役割が必要である。 【0007】 よって、無線機器が自動設定により通信パラメータの提供を受ける場合には、その無線機器は、通信パラメータの提供装置を探さなければならない。 【0008】 しかしながら、提供装置を探索するための信号に対して、必ずしも提供装置が応答するとは限らないという問題が存在するために、通信パラメータの提供機器を簡単に探すことができない。 【0009】 例えば、IEEE802.11規格のIBSSアドホックネットワークでは、探索要求信号であるプローブリクエストに対して応答を返す局は、ビーコンを最後に送信した局とされている。そのため、提供装置を探索するためにプローブリクエストを送信しても、提供装置以外の機器が応答してしまう場合があり、通信パラメータ提供装置の確定が難しいという問題があった。 【0010】 そこで本発明は、通信パラメータを提供する提供装置の確定を、容易にかつ迅速に行えるようにすることを目的とする。」 (2)「【0016】 図1は本発明を適用できる実施形態に係る、後述の各端末構成の一例を表すブロック図である。 【0017】 101は端末全体を示す。102は、記憶部103に記憶される制御プログラムを実行することにより端末全体を制御する制御部である。制御部102は、他の端末との間で通信に用いられる通信パラメータの設定制御も行う。 (中略) 【0019】 104は無線通信を行うための無線部である。105は各種表示を行う表示部でありLCDやLEDのように視覚で認知可能な情報の出力、あるいはスピーカなどの音出力が可能な機能を有する。表示部105は、設定の状況、設定の結果、その他エラー表示等を行うる。 【0020】 106はユーザが通信パラメータ自動設定処理に関連する各種操作を行うために用いられる設定操作部である。ユーザは設定操作部106により、通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するためのボタン押下、相手端末との間で認証処理を行うための暗証番号の入力等が可能である。また設定操作部106は、物理的なボタンでもソフトウエアによるユーザインタフェースで実現される仮想的なボタンでも構わない。制御部102はユーザによる設定操作部106の操作を検出することにより、後述する通信パラメータの設定動作を開始する。 【0021】 107はアンテナ制御部、108はアンテナである。 【0022】 図2は本発明を適用できある実施形態に係る、後述の各端末が実行するソフトウエア機能ブロックの構成の一例を表すブロック図である。このソフトウエア機構を制御するための制御プログラムは、記憶部103に記憶されており、制御部102が当該制御プログラムを実行することにより、ソフトウエア機能の動作が行われる。 【0023】 201は端末全体を示している。202は通信パラメータ自動設定処理において、提供装置から通信パラメータを受理する通信パラメータ受理部である。203は、通信パラメータ自動設定処理において、受理装置に対して通信パラメータを提供する通信パラメータ提供部である。202と203を併せて、通信パラメータ自動設定機能ブロックが形成される。本実施形態では、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要な通信パラメータの自動設定を行う。 」 (3)【0041】 図11は、端末A、端末B、および端末Aが構成するアドホックネットワーク1101を示した図である。 【0042】 同様に、図12は端末A、端末B、端末C、および端末Aと端末Bが構成するアドホックネットワーク1201を示した図である。 【0043】 各端末は、IEEE802.11無線LAN通信機能を備えており、無線LANアドホック(以下、アドホック)通信により無線通信を行い、先に説明した図1、図2の構成を有する。 【0044】 図11は、端末Aが構成したアドホックネットワークに端末Bが参加して、通信パラメータの自動設定処理を行う状況を示している。 【0045】 ここでは、端末Aが提供装置、端末Bが受理装置として動作し、端末Aから端末Bへ通信パラメータが提供される。 【0046】 図12は、端末Aと端末Bとの間で通信パラメータの自動設定処理が完了した後、当該通信パラメータによりネットワーク1201が形成され、その後、新たに通信パラメータの受理装置として端末Cがネットワーク1201に参加する状況を示している。」 (4)「【0047】 図3は、端末Aと端末Bとの間で最初に通信パラメータの自動設定処理を行い、その後設定された通信パラメータで通信を行うまでの端末Bの動作を示したフローチャート図である。 (中略) 【0053】 通信パラメータ自動設定の実行が可能であれば、端末Bは通信パラメータ自動設定処理を実行する(S307)。通信パラメータの受理に成功すれば(S308のYes)、端末Bはタイマ1を停止し(S309)、受理した通信パラメータを記憶する(S310)。そして、端末Bは、受理した通信パラメータを用いた無線通信を起動する(S311)。こうして、端末Bには端末Aと共通の通信パラメータが設定され、図12に示すアドホックネットワーク1201が形成される。 【0054】 その後、図5に進み、端末Bは通信パラメータの提供機能を有効にし、アドホックネットワーク1201への参加を希望する端末Cに対して通信パラメータの提供を行う(S315)。 【0055】 以下、図5のフローチャート図について説明する。ここでは、端末Cにおいて、ボタン押下による通信パラメータ自動設定処理が起動された場合の端末Bの動作について説明する。 【0056】 まず端末Bは、通信パラメータ提供部の機能を有効に設定する(S502)。つづけて、端末Bは、提供機能の有効期間を設定したタイマ2を起動する(S503)。さらに、端末Bは、アドホックネットワーク1201へ参加可能な端末の上限数(通信パラメータの設定を許可する端末の上限数)を示す許可台数Nを設定する(S504)。許可台数Nに1より大きい値が設定された場合には、一度の設定操作(ボタン押し)によって複数台の端末の通信パラメータ自動設定処理が行えることを意味する。なお、許可台数Nは、設定操作部106によりユーザが決定できるようにしてもよいし、予め端末の記憶部103に記憶させるようにしてもよい。 【0057】 つぎに、端末Bでは、探索信号であるプローブリクエストの受信があったかどうか確認する(S505)。プローブリクエストを受信した場合は、端末Bは通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報を付加したプローブレスポンスを送信する(S506)。なお、この時点では、端末Aと端末Bの両端末ともに提供機能が有効に設定されている。そのため、端末Cからのプローブリクエストに対して端末A、端末Bのいずれかが通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報を付加したプローブレスポンスを返送する。結果として、端末Cは確実に通信パラメータ提供装置を発見することができる。 【0058】 次に、端末Bが通信パラメータの提供要求を受信したら(S507)、通信パラメータ自動設定処理を実行する(S508)。ここでは、端末Bは通信パラメータの提供装置として動作し、受理装置である端末Cに対して通信パラメータを提供する。そして、通信パラメータの提供が成功した場合には(S509のYes)、許可台数Nを1減じてN-1として更新する(S510)。 【0059】 ここでフローチャート上には示していないが、端末Bは、更新された許可台数を、同一ネットワーク上の他の提供装置(ここでは端末A)に対して容易に通知可能である。例えば、ビーコン、プローブリクエスト/レスポンス、EAPパケット(OSIのレイヤ2に位置するプロトコル)等を用いることによって現在ネットワークへの参加を許可されている台数を通知することができる。 【0060】 つぎに、許可台数Nが0(ゼロ)でなければ(S511のNo)、端末Bは新たな端末の追加登録を継続して実行する。 【0061】 許可台数が0になった場合(S511のYes)、あるいは提供機能の有効期間を示すタイマ2が満了した場合(S512のYes)には、端末Bは通信パラメータ提供機能を無効に設定する(S513)。さらには、端末Bは、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録処理が完了したことを通知する(S514)。その後端末Bは終了の処理を行う(S515)。」 (5)「【0091】 図9は、端末Aと端末Bとの間で通信パラメータ自動設定処理を実行後、続けて端末Cに対する通信パラメータの設定を行うまでの制御を示したシーケンス図である。 【0092】 最初の段階では、端末Aと端末B、及び端末Cはまだ通信パラメータを設定していないunconfigured状態にある(F901、F902、F903)。 【0093】 まず、端末Aで通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための設定開始の操作が行われると(F904)、端末Aは、提供装置として動作し、通信パラメータ自動設定が可能であることを示す情報を付加したビーコンの送信を開始する(F905)。 【0094】 つぎに、端末Bでも同様に設定開始の操作が行われると(F906)、端末Bは通信パラメータの提供装置を探索するために、通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストを送信する(F907)。 【0095】 端末Aは提供装置として動作しているので、当該プローブリクエストを受信すると、提供機能が有効であることを示す情報を付加したプローブレスポンスを送信する(F908)。 【0096】 端末Bは、当該プローブレスポンスを受信することにより提供装置Aを発見し、通信パラメータを端末Aから受理する(F909)。通信パラメータの提供、及び受理が成功した後、端末Aと端末Bは通信パラメータが設定された状態をあらわすconfigured状態になる(F910、F911)。 【0097】 引き続いて端末Bは、自己の通信パラメータ提供機能を有効に変更する(F912)。端末Aがビーコンの送信を開始し(F913)、同様に端末Bもビーコンの送信を開始する(F914)。ここで、先に述べたようにIEEE802.11準拠のIBSSアドホックネットワークにおいては、ビーコンを最後に送信した端末が、プローブリクエストに対する応答であるプローブレスポンスを返信すると規定されている。 【0098】 ここで、端末Cにおいて設定開始の操作がされると(F915)、端末Cは提供機能が有効な端末を探索するために、通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストを送信する(F916)。前述の規定により、ここではビーコンを最後に送信した端末Bが、提供機能が有効であることを示す情報を付加したプローブレスポンスを応答する(F917)。 【0099】 端末Cは、当該プローブレスポンスを受信することにより提供装置Bを発見し、通信パラメータを端末Bから受理する(F918)。 【0100】 通信パラメータの提供、及び受理が成功した後、端末Cも通信パラメータが設定された状態をあらわすconfigured状態になる(F919)。同様に、端末Cは、自己の通信パラメータ提供機能を有効に変更する(F920)。 【0101】 こうして、端末A、端末B、及び端末Cとの間で、無線通信が可能となる。 (中略) 【0113】 このように、本実施形態によれば、端末Bは、受理装置として通信パラメータを受理した後に、通信パラメータの提供機能を有効にする。その結果、端末Cが提供装置を探索するためにプローブリクエストを送信した場合、端末A又は端末Bのいずれかが、提供機能が有効であることを示すプローブレスポンスを返信する。従って、端末Cは容易かつ迅速に提供装置を検出し、通信パラメータを受理することができる。」 (6)「【図1】 」 (7)「【図2】 」 (8)「【図5】 」 (9)「【図9】 」 (10)「【図11】 」 引用例1の上記記載及びこの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 ア 上記(2)の段落【0019】、【0020】、【0022】の記載、上記(3)の段落【0043】の記載、上記(5)の段落【0101】の記載、及び、(6)の図1によれば、端末Aは、端末B及び端末Cとの間で無線通信を行うための無線部と、ユーザが通信パラメータ自動設定処理の開始を指示する操作を行うための設定操作部と、制御プログラムを実行する制御部とを含む。 また、上記(1)の【0002】、上記(2)の【0023】の記載によれば、通信パラメータとは、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要な通信パラメータである。 よって、引用例には、「端末Aは、端末B及び端末Cとの間で無線通信を行う無線部と、ユーザが通信パラメータ自動設定処理の開始を指示する操作を行うための設定操作部と、制御プログラムを実行する制御部を含み、通信パラメータとは、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要なパラメータである」ことが記載されているといえる。 イ 上記(5)の段落【0093】の記載、及び、(9)の図9によれば、端末Aにおいて、ユーザによる操作設定部に対する通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための操作が検知されると、端末Aは、提供装置として動作するから、端末Aは、ユーザによる操作設定部に対する通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための操作が検知されると、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されることは自明である。 ウ 上記(4)の段落【0053】?【0061】、(5)の段落【0091】、【0097】?【0099】、及び、(8)の図5、(9)の図9には、端末Aが端末Bに通信パラメータを提供した後、続けて、端末Bが端末Cに通信パラメータを提供する手順が記載されている。 上記段落【0056】の記載及び図5によれば、端末Bは、端末Aと共通の通信パラメータが設定された後、通信パラメータ提供機能部が有効な状態に設定し、続けて、アドホックネットワークへの参加可能な端末の上限数を示す許可台数Nを設定する。 そして、上記段落【0056】、【0057】、【0098】の記載及び図5、図9によれば、端末Bは、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されると、端末Cの設定開始の操作に応じて送信された通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストの受信があったか否か確認する。 さらに、上記段落【0057】、【0058】、【0099】の記載及び図5、図9によれば、プローブリクエストの受信があったか否か確認した後、通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報が付加されたプローブレスポンスを送信し、さらに、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、提供装置として動作する端末Bが受理装置である端末Cに対して通信パラメータを提供する。 また、上記段落【0058】、【0060】、【0061】の記載及び図5によれば、端末Bは、通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新され、許可台数Nが0になった場合、通信パラメータ提供機能を無効な状態に設定し、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録の処理が完了したことを通知する一方、許可台数Nが0でない場合、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認し、新たな端末追加の登録を継続して実行する。 エ 上記(3)の段落【0043】によれば、端末A、端末B、端末Cは、上記(6)、(7)の各図面に示される構成をそれぞれ有する。 そして、上記(1)の段落【0008】?【0010】に記載された課題・目的、及び、上記(4)の段落【0057】の「なお、この時点では、端末Aと端末Bの両端末ともに提供機能が有効に設定されている。そのため、端末Cからのプローブリクエストに対して端末A、端末Bのいずれかが通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報を付加したプローブレスポンスを返送する。結果として、端末Cは確実に通信パラメータ提供装置を発見することができる。」との記載、上記(5)の段落【0113】の「その結果、端末Cが提供装置を探索するためにプローブリクエストを送信した場合、端末A又は端末Bのいずれかが、提供機能が有効であることを示すプローブレスポンスを返信する。従って、端末Cは容易かつ迅速に提供装置を検出し、通信パラメータを受理することができる。」との記載からすれば、端末Aが端末Bに通信パラメータを提供した後、端末Cがプローブリクエストを送信する時点でも、端末Aの通信パラメータ提供機能が有効に設定されており、端末Aが端末Cから送信されたプローブリクエストに対応するプローブレスポンスを送信する場合も含まれているといえる。 さらに、上記(4)の段落【0059】の記載によれば、端末Bは、端末Aに更新された許可台数を通知し、端末Bと端末Aは更新された許可台数を共有しているといえる。 以上からすれば、引用例には、端末Aが端末Bに通信パラメータを提供した後、端末Aが、上記ウで述べた端末Bの動作と同様な動作を行うことにより、端末Cに対して通信パラメータの提供を行うことが想定されているといえる。 オ よって、上記イ?エの点を踏まえれば、引用例の端末Aは、「ユーザによる操作設定部に対する通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための操作が検知されると、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定され、続けて、アドホックネットワークへの参加可能な端末の上限数を示す許可台数Nを設定すること」、「通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されると、端末Cの設定開始の操作に応じて送信された通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストの受信をあったか否か確認すること」、「プローブリクエストの受信があったか否か確認した後、通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報が付加されたプローブレスポンスを送信し、さらに、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、端末Cに対して通信パラメータを提供すること」、及び、「通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新し、許可台数Nが0になった場合、通信パラメータ提供機能を無効な状態に設定し、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録の処理が完了したことを通知する一方、許可台数Nが0でない場合、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認し、新たな端末追加の登録を継続して実行すること」が、記載されているといえる。 カ 上記(3)の段落【0041】、及び、上記(10)の図11によれば、端末Aは、アドホックネットワークを構成する。 よって、上記イ?オで述べた点を踏まえれば、引用例には、「端末Bに通信パラメータを提供した後、端末Cに対して通信パラメータの提供する、アドホックネットワークを構成する端末Aの制御方法」が記載されているといえる。 以上を総合すると、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「端末Bに通信パラメータを提供した後、端末Cに対して通信パラメータの提供する、アドホックネットワークを構成する端末Aの制御方法において、 端末Aは、端末B及び端末Cとの間で無線通信を行う無線部と、ユーザが通信パラメータ自動設定処理の開始を指示する操作を行うための設定操作部と、制御プログラムを実行する制御部を含み、通信パラメータは、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要なパラメータであること、 制御方法は、 ユーザによる操作設定部に対する通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための操作が検知されると、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定され、続けて、アドホックネットワークへの参加可能な端末の上限数を示す許可台数Nを設定することと、 通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されると、端末Cの設定開始の操作に応じて送信された通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストの受信をあったか否か確認することと、 プローブリクエストの受信があったか否か確認した後、通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報が付加されたプローブレスポンスを送信し、さらに、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、端末Cに対して通信パラメータを提供することと、 通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新し、許可台数Nが0になった場合、通信パラメータ提供機能を無効な状態に設定し、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録の処理が完了したことを通知する一方、許可台数Nが0でない場合、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認し、新たな端末追加の登録を継続して実行することとを、 備える制御方法。」 第5 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 1 引用発明の「端末B」及び「端末C」と、本願発明の「複数のクライアント機器」とは、「複数の機器」である点で共通する。 そして、引用発明において、端末Aが、通信パラメータを提供することで端末B及び端末Cとともに無線通信ネットワークであるアドホックネットワークを形成していることは明らかである。 さらに、引用発明の「端末A」は、通信パラメータ提供機能が有効に設定された場合、プローブリクエストを受信すると、プローブレスポンスを送信することから、無線通信を制御していることは明らかであって、「端末A」を「通信制御装置」と称することは任意である。 よって、本願発明の「複数のクライアント機器との間で無線通信ネットワークを形成するための通信制御装置の制御方法」と、引用発明の「端末Bに通信パラメータを提供した後、端末Cに対して通信パラメータの提供する、アドホックネットワークを構成する端末Aの制御方法」とは、「複数の機器との間で無線通信ネットワークを形成するための通信制御装置の制御方法」という点で共通する。 2 引用発明の「無線通信を行う無線部」は、本願発明の「通信するための通信部」に相当する。 そして、引用発明の「ユーザが通信パラメータ自動設定処理の開始を指示する操作」を、「第1のユーザ操作」と称することは任意である。よって、引用発明の「設定操作部」は、本願発明の「操作部」に含まれる。 さらに、引用発明の制御部は、制御プログラムを実行するものであるから、該制御部がコンピュータを有することは自明である。 よって、本願発明の「前記通信制御装置は、前記複数のクライアント機器の各々と通信するための通信部と、第1のユーザ操作を受ける操作部と、コンピュータを有する制御部とを含み」と、引用発明の「端末Aは、端末B及び端末Cとの間で無線通信を行う無線部と、ユーザが通信パラメータ自動設定処理の開始を指示する操作を行うための設定操作部と、制御プログラムを実行する制御部とを含み」とは、「記通信制御装置は、前記複数の機器の各々と通信するための通信部と、第1のユーザ操作を受ける操作部と、コンピュータを有する制御部とを含」む点で共通する。 3 引用発明では、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定され、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、端末Cに対して通信パラメータを提供し、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新し、許可台数Nが0でない場合、新たな端末追加の登録を継続して実行することから、引用発明は、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されると、複数の端末の通信パラメータの提供要求を受信可能であるといえる。 ここで、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定」に関し、本件明細書段落【0002】、【0025】、【0049】の記載によれば、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定」は、初回接続時におけるセキュリティ設定のために実行され、実行の際に認証のための情報が送受信されることが含まれるといえ、引用発明の通信パラメータは、ネットワーク識別子としてのSSID、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信を行うために必要なパラメータであることからすれば、引用発明の「通信パラメータの提供要求」は、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号」に相当する。 また、引用発明では、「通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定される」ことにより、「通信パラメータ提供機能が有効な状態」が「起動」しているといえる。 そして、引用発明の「通信パラメータ提供機能が有効な状態」を「第1のモード」と称することは任意である。 してみれば、本願発明の「前記操作部に対する前記第1のユーザ操作を検知すると、前記複数のクライアント機器の各々の前記無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号を受付可能とする第1のモードを起動するステップ」と、引用発明の「ユーザによる設定操作部に対する通信パラメータ自動設定処理の開始を指示するための操作が検知されると、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されること」とは、「前記操作部に対する前記第1のユーザ操作を検知すると、前記複数の機器の各々の前記無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号を受付可能とする第1のモードを起動するステップ」の点で共通する。 4 本願発明には、「接続受付の開始」後、1つのクライアント機器において第2のユーザ操作に応じて生成された要求信号を受信すると、前記クライアント機器との間で接続設定を実行し、遷移条件が成立するまでの間は、前記要求信号に応じて前記クライアント機器との間で前記接続設定が確立されたときに、「新たな接続受付を開始」するものが含まれる。 一方、引用発明は、「プローブリクエストの受信をあったか否か確認」し、プローブレスポンスを送信し、さらに、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新し、許可台数Nが0でない場合、「新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認」し、新たな端末追加の登録を継続して実行するものであって、「プローブリクエストの受信があったか否か確認」していることから、プローブリクエストの受付を開始していることは当然のことである。 そして、上記3で述べたように、引用発明の「通信パラメータの提供要求」は、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号」に相当するから、引用発明の「プローブリクエストの受付を開始する」ことは、本願発明の「接続受付を開始する」ことに含まれる。 よって、引用発明の「通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されると、端末Cの設定開始の操作に応じて送信された通信パラメータ自動設定処理を要求するための情報が付加されたプローブリクエストの受信をあったか否か確認すること」は、本願発明の「前記第1のモードの起動に応じて接続受付を開始するステップ」に含まれる。 5 引用発明において、通信パラメータの提供要求は、端末Aが含む「無線部」により受信されることは明らかである。 また、引用発明において、上記通信パラメータの提供要求を受信すると、端末Cに対して通信パラメータが提供されるのであるから、通信パラメータの提供要求は、端末Cの設定開始の操作に応じて生成されることは明らかであり、端末Cの設定開始の操作を「第2のユーザ操作」と称することは任意である。 そして、上記3で述べたように、引用発明の「通信パラメータの提供要求」は、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号」に相当するから、引用発明の「通信パラメータ自動設定処理を実行し、端末Cに対して通信パラメータを提供すること」することは、本願発明の「前記接続設定を実行する」ことに相当する。 よって、本願発明の「前記接続受付の開始後において、前記通信部が前記複数のクライアント機器のうちの1つクライアント機器において第2のユーザ操作に応じて生成された前記要求信号を受信すると、前記1つのクライアント機器との間で前記接続設定を実行するステップ」と、引用発明の「プローブリクエストの受信があったか否か確認した後、通信パラメータの提供機能が有効であることを示す情報が付加されたプローブレスポンスを送信し、さらに、通信パラメータの提供要求を受信すると、通信パラメータ自動設定処理を実行し、端末Cに対して通信パラメータを提供すること」とは、「前記接続受付の開始後において、前記通信部が前記複数の機器のうちの1つの機器において第2のユーザ操作に応じて生成された前記要求信号を受信すると、前記1つの機器との間で前記接続設定を実行するステップ」である点で共通する。 6 引用発明において、更新された許可台数Nが0になった場合、通信パラメータ提供機能を無効な状態に設定し、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録の処理が完了したことを通知することからすれば、通信パラメータ提供機能が無効な状態では、追加の通信パラメータ提供要求を受信できないことは明らかであって、「通信パラメータ提供機能が無効な状態」を「第2のモード」と称することには任意である。 さらに、引用発明において、通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功し、更新された許可台数が0になった場合、通信パラメータ提供機能が無効な状態に設定されるから、引用発明も、更新された許可台数が0になる条件が成立すると、通信パラメータ提供機能が有効な状態から通信パラメータ提供機能が無効な状態に遷移しているといえ、このような更新された許可台数が0になる条件を「遷移条件」と称することは任意である。 また、上記3で述べたように、引用発明の「通信パラメータの提供要求」は、本願発明の「無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号」に相当するから、引用発明の「通信パラメータの提供が成功」することは、本願発明の「接続設定が確立」することに相当する。 そして、引用発明では、通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nが0でない場合、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認し、新たな端末追加の登録を継続して実行するから、引用発明も、許可台数Nが0になるまでの間は、通信パラメータの提供要求に応じて他の端末との間で通信パラメータの提供が成功したとき、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認するといえ、新たな端末追加の登録を継続して実行する場合、通信パラメータ提供機能が有効な状態が継続されることは当然のことである。 よって、本願発明の「前記第1のモードにおいて、所定の遷移条件が成立すると前記第1のモードから前記要求信号を受付不能とする第2のモードへのモード遷移を実行する一方で、前記遷移条件が成立するまでの間は、前記要求信号に応じて前記1つのクライアント機器との間で前記接続設定が確立されたとき、または、前記複数のクライアント機器のうちのいずれとも前記接続設定が確立されることなく、前記接続受付の開始から所定の第1のタイムアウト時間が経過したときに、新たな前記接続受付を開始して前記第1のモードを維持するステップ」と、引用発明の「通信パラメータ提供機能が有効な状態において、通信パラメータの提供が成功すると、許可台数Nを1減じてN-1として更新し、許可台数Nが0になった場合、通信パラメータ提供機能を無効な状態に設定し、ネットワークへの追加参加者を締め切った旨の表示を行い、ユーザに追加登録の処理が完了したことを通知する一方、許可台数Nが0でない場合、新たな端末からのプローブリクエストの受信があったか否か確認し、新たな端末追加の登録を継続して実行することと」とは、「前記第1のモードにおいて、所定の遷移条件が成立すると前記第1のモードから前記要求信号を受付不能とする第2のモードへのモード遷移を実行する一方で、前記遷移条件が成立するまでの間は、前記要求信号に応じて前記1つの機器との間で前記接続設定が確立されたときに、新たな前記接続受付を開始して前記第1のモードを維持するステップ」である点で共通する。 7 引用発明において、更新された許可台数Nが0になった場合とは、アドホックネットワークへの参加可能な端末の上限数N分、通信パラメータの自動設定処理が行われたこと、即ち、通信パラメータ提供機能が有効な状態に設定されてから、プローブリクエストの受信確認、プローブレスポンスの送信、通信パラメータの提供要求の受信、通信パラメータ自動設定処理の実行の各工程の回数がN回に達したことであることは自明である。 よって、本願発明と引用発明とは、「遷移条件は、前記第1のモードが起動されてから前記接続受付が開始された回数が所定の複数回に達した場合に成立する」点で共通する。 以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「複数の機器との間で無線通信ネットワークを形成するための通信制御装置の制御方法であって、前記通信制御装置は、前記複数の機器の各々と通信するための通信部と、第1のユーザ操作を受ける操作部と、コンピュータを有する制御部とを含み、 前記制御方法は、 前記操作部に対する前記第1のユーザ操作を検知すると、前記複数の機器の各々の前記無線通信ネットワークへの接続設定の要求信号を受付可能とする第1のモードを起動するステップと、 前記第1のモードの起動に応じて接続受付を開始するステップと、 前記接続受付の開始後において、前記通信部が前記複数の機器のうちの1つの機器において第2のユーザ操作に応じて生成された前記要求信号を受信すると、前記1つの機器との間で前記接続設定を実行するステップと、 前記第1のモードにおいて、所定の遷移条件が成立すると前記第1のモードから前記要求信号を受付不能とする第2のモードへのモード遷移を実行する一方で、前記遷移条件が成立するまでの間は、前記要求信号に応じて前記1つの機器との間で前記接続設定が確立されたときに、新たな前記接続受付を開始して前記第1のモードを維持するステップとを備え、 前記遷移条件は、前記第1のモードが起動されてから前記接続受付が開始された回数が所定の複数回に達した場合に成立する、 制御方法。」 (相違点) 「機器」に関し、本願発明は、「クライアント機器」であるのに対し、引用発明は「クライアント」について明記されていない点。 上記相違点について検討する。 引用発明は、アドホックネットワークを構成する端末Aが、端末B、端末C、又は、新たな端末に対して、通信ネットワークの提供を行うものであることからすれば、端末B、端末C、又は、新たな端末を、端末Aに対するクライアントと称することは当業者が任意に行うことである。 よって、上記相違点は実質的な相違点とは認められない。 また、仮にそうでないとしても、格別困難なことではなく、当業者が容易に想到しうる。 したがって、本願発明は、引用発明と同一であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に想到しうる。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 また、本願発明は、当業者が引用例に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 |
審理終結日 | 2020-04-28 |
結審通知日 | 2020-05-12 |
審決日 | 2020-06-10 |
出願番号 | 特願2018-520065(P2018-520065) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04W)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田畑 利幸 |
特許庁審判長 |
中木 努 |
特許庁審判官 |
原田 聖子 畑中 博幸 |
発明の名称 | 通信制御装置、通信制御装置の制御方法、通信制御装置を制御するプログラム、通信システム、および、通信アダプタ |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |