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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1364754
審判番号 不服2019-4172  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-29 
確定日 2020-07-29 
事件の表示 特願2016-567998「偏光板の切断方法およびこれを用いて切断された偏光板」拒絶査定不服審判事件〔平成28年4月7日国際公開,WO2016/052902,平成29年10月26日国内公表,特表2017-531813〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続等の経緯
特願2016-567998号(以下「本件出願」という。)は,2015年(平成27年)9月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年9月30日 韓国)を国際出願日とする出願であって,その手続等の経緯の概要は,以下のとおりである。
平成30年 8月28日付け:拒絶理由通知書
平成30年11月21日 :意見書
平成30年11月21日 :手続補正書
平成30年11月27日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
平成31年 3月29日 :審判請求書
平成31年 3月29日 :手続補正書
令和元年 9月30日 :上申書

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年3月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
(1) 本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前(平成30年11月21日にされた手続補正後の)特許請求の範囲の請求項1及び請求項9の記載は,次のとおりである。
「【請求項1】
レーザを用いた偏光板の切断方法において,
前記レーザのビーム形状は楕円形状であり,前記楕円形状の長径が切断方向に平行なものである偏光板の切断方法。」

「【請求項9】
前記偏光板の切断面に形成されるテーパの大きさは,50μm?150μmである請求項1から8のいずれか1項に記載の偏光板の切断方法。」

(2) 本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正後の特許請求の範囲の記載は,次のとおりである。なお,下線は補正箇所を示す。
「 レーザを用いた偏光板の切断方法において,
前記レーザのビーム形状は楕円形状であり,前記楕円形状の長径が切断方向に平行なもので,
前記切断方向は,偏光板の延伸方向と同一又は垂直であり,前記偏光板の切断面に形成されるテーパの大きさは,80?120μmである偏光板の切断方法。」

(3) 本件補正の内容
本件補正は,本件補正前の請求項9に係る発明を特定するために必要な事項である,「切断方向」及び「テーパの大きさ」を,国際出願日における国際特許出願の明細書の翻訳文の【0023】の記載に基づいて,それぞれ,「偏光板の延伸方向と同一又は垂直」及び「80?120μm」に限定して,本件補正後の請求項1に係る発明とするものである。また,本件補正前の請求項9に係る発明と,本件補正後の請求項1に係る発明の,産業上の利用分野及び発明が解決しようとする課題は,同一である(本件出願の明細書の【0002】及び【0009】)。
そうしてみると,本件補正は特許法17条の2第3項の規定に適合するとともに,同条第5項2号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正後発明」という。)が,同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。

2 独立特許要件
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2012-30243号公報(以下「引用文献1」という。)は,本件出願の優先権主張の日(以下「本件優先日」という。)前に頒布された刊行物であるところ,そこには,以下の記載がある。なお,下線は当合議体が付したものであり,引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。
ア 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,偏光板切断方法および当該方法によって切断された偏光板に関する。具体的には,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含む偏光板を切断する方法および当該方法によって切断された偏光板に関する。
…(省略)…
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
…(省略)…
【0010】
しかしながら,特許文献1に示したような従来の方法では,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルム(以下,「低吸収率フィルム」ともいう)(例えば,シクロオレフィンポリマーフィルム,ポリプロピレンフィルム,ポリメタクリル酸メチルフィルム等)の層を含む積層型偏光板を切断する場合に,レーザ光の出力が小さいと,積層型偏光板の高吸収率フィルムの層を切断することはできるが,低吸収率フィルムの層を切断することができない。一方,レーザ光の出力を大きくすると,積層型偏光板の高吸収率フィルムの層だけでなく低吸収率フィルムの層をも切断することが可能である。しかし,この場合は,高吸収率フィルムの層に過剰の熱が加わるため,切断された偏光板の端部が溶融して切断端部が変形してしまう(図6を参照)。切断面の形状が変形した偏光板は,断面品位が低下する。さらに,当該断面品位の低下によって種々の問題が生じ得る。例えば,偏光板がガラス基板に貼合されるときには,高い密着性が要求される。しかし,偏光板の切断面の凹凸によってガラス基板との貼合面に気泡が噛み込まれるなどの問題が生じる。
【0011】
本発明は,上記従来の問題点に鑑みなされたものであって,その主たる目的は,レーザ光を用いた偏光板の切断において,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含む偏光板を,切断面に変形を生じさせることなく切断する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために,本願発明は,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含む偏光板を切断する方法であって,出力および/または移動速さを調整したレーザ光を照射することによって,上記フィルムに溝を形成する溝形成工程と,引裂角度および偏光板に与える張力を調整しながら,上記溝に沿って,上記溝形成工程後の上記偏光板を引き裂く引裂工程と,を含むことを特徴としている。
…(省略)…
【0020】
本発明に係る方法では,上記フィルムは,シクロオレフィンポリマーフィルム,ポリプロピレンフィルム,またはポリメタクリル酸メチルフィルムであってもよい。
…(省略)…
【0024】
本発明に係る偏光板は,上述した本発明に係る方法によって切断されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
…(省略)…
【0028】
本発明に係る方法は,従来のレーザ切断方法のように,偏光板に含まれる低吸収率フィルムの層を,レーザ光の出力を大きくして熱によって切断しない。それゆえ,レーザ光を用いた偏光板の切断において,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含む偏光板を,切断面に変形を生じさせることなく切断することができるという効果を奏する。そして,本発明に係る方法によって切断された偏光板は,切断面に変形が生じていない。それゆえ,本発明に係る偏光板は,断面品位の高い偏光板となり得る。」

イ 「【発明を実施するための形態】
【0030】
以下,本発明に係る実施の形態の一例について,詳細に説明する。
…(省略)…
【0035】
本発明に係る方法の切断対象となる偏光板(以下,「切断対象偏光板」,または単に「切断対象」ともいう)は,上述したような低吸収率フィルムを含む複数のフィルムが,粘着剤層または接着剤層を介して積層された偏光板である。すなわち,上述した低吸収率フィルム以外に,ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム,ポリビニルアルコール(PVA)フィルム,トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の高吸収率フィルムの層を含む偏光板が意図される。
…(省略)…
【0038】
(1)溝形成工程
溝形成工程は,出力および/または移動速さを調整したレーザ光を照射することによって,偏光板を構成している高吸収率フィルムの層をレーザ光によって切断し,かつ,低吸収率フィルムの層に,レーザ光によって溝を形成する工程である。ここで,上記「フィルムに溝を形成する」とは,レーザ光を照射した部分のフィルムの厚さを,他の部分の厚さよりも薄くすること,すなわち,レーザ光を照射した部分をいわゆる肉薄の状態にすることを指している。より具体的には,後述する実施例の図3に示すような「U」字状または「V」字状の溝を低吸収率フィルムに形成することを指している。溝形成工程では,続く引裂工程において力を加えることによって低吸収率フィルムを引き裂くことが可能な程度にレーザ光を照射した部分が肉薄の状態になるような深さの溝を形成すればよいが,低吸収率フィルムの厚さの1/3以上の深さの溝を形成することが好ましい。低吸収率フィルムの厚さの1/3以上の深さの溝を形成することによって,後に続く引裂工程において,低吸収率フィルムを容易に引き裂くことができる。
…(省略)…
【0041】
後述する実施例に示すように,具体的には,レーザ光の移動速さに応じてレーザ光の出力を適宜調整する,または,レーザ光の出力に応じてレーザ光の移動速さを適宜調整することによって,切断対象偏光板に含まれている低吸収率フィルムに溝を形成することができる。
【0042】
但し,レーザ光の移動速さが遅すぎると生産性が低下し,一方,レーザ光の移動速さが速すぎるとこれに併せてレーザ光の出力を大きくする必要がある。それゆえ,例えば,二酸化炭素レーザ(CO_(2)レーザ)を用いて,発振波長が9.4±0.2μmのレーザ光を照射する場合は,レーザ光の出力が24W?77Wの範囲であり,かつ,レーザ光の移動速さが300mm/秒?1000mm/秒の範囲で,これら出力および/または移動速さを調整することによって,切断対象偏光板に含まれている低吸収率フィルムに効率よく溝を形成することができる。
【0043】
レーザ光の移動速さは,レーザ光照射装置に対して切断対象偏光板を相対的に移動させる速さを変化させることによって調整してもよく,切断対象偏光板に対してレーザ光照射装置を相対的に移動させる速さを変化させることによって調整してもよい。
【0044】
レーザ光は,従来公知のレーザ照射装置を用いて照射することができる。具体的には,例えば,CO_(2)レーザを挙げることができる。
【0045】
レーザ光の移動速さおよび出力以外のレーザ光照射条件についても,必要に応じて適宜設定され得る。例えば,レーザ光のスポット径を調整することによって,溝の幅を制御することが可能となる。レーザ光のスポット径は,通常40μm?50μmである。
【0046】
また,レーザ照射装置の種類に応じて,照射するレーザ光の波長は適宜選択し得る。後述する実施例では,CO_(2) レーザを用いて,発振波長が9.4±0.2μmのレーザ光を照射しているが,本発明はこれに限定されない。…(省略)…
【0047】
切断対象偏光板におけるレーザ光を照射される側の上面から,レーザ光の焦点までの長さ(以下,「焦点距離」ともいう)についても特に限定されないが,切断対象偏光板に含まれている低吸収率フィルムに効率よく溝を形成する観点から,上記「焦点距離」が,切断対象偏光板におけるレーザ光を照射される側の上面から,低吸収率フィルムの層の上面までの厚さ以上であり,かつ,切断対象偏光板におけるレーザ光を照射される側の上面から,低吸収率フィルムの層の下面までの厚さ以下となるように,レーザ光の照射条件を調整することが好ましい。
…(省略)…
【0049】
(2)引裂工程
引裂工程は,引裂角度および切断対象偏光板に与える張力を調整しながら,溝形成工程において形成した溝に沿って,溝形成工程後の低吸収率フィルムを引き裂く工程である。
【0050】
一実施形態において,引裂角度および切断対象偏光板に与える張力を調整したスリッター機を用いて溝形成工程後の切断対象偏光板を引き裂くことができる。
…(省略)…
【0056】
なお,本発明に係る方法では,必要に応じて,切断刃(例えば,この分野で従来用いられている丸刃やトムソン刃)を組み合わせて用いてもよい。例えば,溝形成工程において,レーザ光の照射によって低吸収率フィルムに溝を形成した後で,当該溝の部分を,切断刃を用いて切断してもよい。
【0057】
〔2.本発明に係る偏光板〕
…(省略)…
【0058】
上述したように,本発明に係る方法では,レーザ光を用いた偏光板の切断において,切断面に変形を生じさせることなく低吸収率フィルムの層を含んでいる偏光板を切断することができる。このため,本発明に係る方法によって切断された偏光板は,切断面に変形が生じていない。それゆえ,本発明に係る偏光板は,断面品位の高い偏光板となり得る。」

ウ 「【実施例】
【0060】
以下,実施例により本発明をさらに詳細に説明するが,本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
…(省略)…
【0066】
〔実施例1〕
切断対象として,シクロオレフィンポリマー(COP)偏光板(SRD341量産原反)を用いた。COP偏光板は,上から,保護フィルムとしてのPETフィルム(58μm),TACフィルム(80μm),偏光子としてのPVAフィルム(25μm),COPフィルム(70μm),粘着剤層(25μm),セパレートフィルムとしてのPETフィルム(38μm)が積層された構成となっている。
【0067】
(溝形成工程)
実施例1の溝形成工程では,レーザ光照射装置(CO_(2)レーザ,型番:Diamond E-400i,製造元:米国 Coherent社製)を用い,移動速さを300mm/秒,出力を25Wに調整したレーザ光(発振波長:9.4±0.2μm)をCOP偏光板に照射することによって,COP偏光板を構成しているTACフィルム層,PVAフィルム層,粘着剤層およびPETフィルム層を切断し,COPフィルム層に溝を形成した。その他のレーザ光照射条件は,表2に示したとおりである。尚,表2に示した「焦点」は,保護フィルム層の上面からレーザ光の焦点までの長さを表している。
【0068】
【表2】

【0069】
レーザ光照射後のCOP偏光板を図3に示す。図3のCOP偏光板は幅方向が横方向となるように示されており,切断面が中央に位置している。図3に示すように,COP偏光板の保護フィルム層6(PETフィルム層),TACフィルム層7,PVAフィルム層8,粘着剤層10およびセパレートフィルム層11(PETフィルム層)は,レーザ光の照射によって切断されていた。これに対して,COPフィルム層9は,フィルムの上面および下面に溝が形成されていた。COPフィルム層9の上面に形成された溝は,深さが22μmであり,COPフィルム層9の下面に形成された溝は,深さが22μmであった。
【0070】
(引裂工程)
次いで,図1に示したスリッター機5を用いて,偏光板3である溝形成工程後のCOP偏光板を引き裂いた。
…(省略)…
【0071】
引裂工程後のCOP偏光板を図4に示す。図4のCOP偏光板は幅方向が横方向となるように示されており,切断面が右側に位置している。図4に示すように,COP偏光板の切断面(切断端部)において,COPフィルム層9の切断端部には変形が認められなかった。
…(省略)…
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る方法によれば,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含んでいる偏光板であっても,切断面に変形を生じさせることなく切断することができる。このため,本発明は,偏光板を用いる分野において好適に利用可能である。」

エ 図3


オ 図4


(2) 引用発明
引用文献1には,【0001】に記載の技術分野に属し,【0011】に記載の課題を解決することを目的として,【0012】に記載された手段を具備してなる,「偏光板切断方法」が記載されている。また,【0012】に記載の,「出力および/または移動速さを調整したレーザ光を照射すること」に関して,【0042】には,「レーザ光の移動速さが遅すぎると生産性が低下し,一方,レーザ光の移動速さが速すぎるとこれに併せてレーザ光の出力を大きくする必要がある。」と記載されている。
そうしてみると,引用文献1には,次の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。
「 レーザ光を用いた偏光板の切断において,照射されるレーザ光の発振波長範囲におけるレーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの層を含む偏光板を,切断面に変形を生じさせることなく切断することを目的とし,
出力および/または移動速さを調整したレーザ光を照射することによって,フィルムに溝を形成する溝形成工程と,引裂角度および偏光板に与える張力を調整しながら,溝に沿って,溝形成工程後の上記偏光板を引き裂く引裂工程と,を含み,
レーザ光の移動速さが遅すぎると生産性が低下し,レーザ光の移動速さが速すぎるとこれに合わせてレーザ光の出力を大きくする必要がある,
偏光板切断方法。」

(3) 引用文献4の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-289388号(以下「引用文献4」という。)は,本件優先日前に頒布された刊行物であるところ,そこには,以下の記載がある。なお,下線は当合議体が付したものであり,判断等に活用した箇所を示す(以下の他の文献についても同様である。)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物に所定の加工ラインに沿ってレーザー加工を施すレーザー加工方法に関する。
…(省略)…
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レーザー加工は切削加工に比して加工速度を速くすることができるとともに,サファイヤのように硬度の高い素材からなるウエーハであっても比較的容易に加工することができる。しかるに,各加工ラインに沿って均一なレーザー加工溝を所望の深さに形成することは非常に難しい。
…(省略)…
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり,その主たる技術的課題は,被加工物に所定の加工ラインに沿って均一なレーザー加工を施すことができるレーザー加工装置を提供することである。」

イ 「【発明の効果】
【0010】
本発明によりレーザー加工装置においては,レーザー光線のスポットは短軸と長軸との長さの比を1:5?1:20の範囲に設定された楕円形に整形され,この楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし,パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし,加工送り速度をV (μm/秒)とした場合,楕円形のスポットの重なり率{1-V/(H×L)}×100%=75?95%の範囲になるように該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御するので,レーザー光線のスポットが適正な重なり状態で加工するため,各ラインに沿って均一な加工を効率よく行うことができる。」

(4) 引用文献5の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-51517号(以下「引用文献5」という。)は,本件優先日前に頒布された刊行物であるところ,そこには,以下の記載がある。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体ウエーハ等の被加工物に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインに沿ってレーザー加工を施すレーザー加工方法に関する。
…(省略)…
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
…(省略)…
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので,その主たる技術課題は,1回のレーザー加工によって形成されるレーザー加工溝の加工深さを深くすることができるとともに,レーザー光線を照射することにより発生するデブリが既にレーザー加工させている加工溝に堆積することなく加工することができるレーザー加工方法を提供することにある。」

イ 「【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するために,本発明によれば,被加工物に形成された分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し,該分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成するレーザー加工方法であって,
パルスレーザー光線は集光スポットが楕円形に形成され,該楕円形の集光スポットにおける長軸を該分割予定ラインに沿って位置付け,該集光スポットと被加工物とを該分割予定ラインに沿って相対的に加工送りする,
ことを特徴とするレーザー加工方法が提供される。
【0009】
上記楕円形の集光スポットの長軸の長さd1(mm)と短軸の長さd2(mm)との比が,4:1?12:1に設定されていることが望ましい。また,上記楕円形の集光スポットの長軸の長さをd1(mm)とし,パルスレーザー光線の周波数をZ(Hz)とし,加工送り速度をX(mm/秒)とした場合,d1>X÷Zの関係を満足するように設定することが望ましい。更に,上記楕円形の集光スポットの短軸側のエネルギー分布は,ガウシアン分布からトップハット分布に変換されることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば,集光スポットが楕円形に形成されているので,長軸側においては集光率は短軸側より小さくなり,スポットの面積の変化率はスポットが円形のレーザー光線のスポットの面積の変化率より小さい。このため,集光点において所定の単位面積当たりの出力が得られるレーザー光線を照射した場合,集光点から所定間隔を置いた位置においては,スポットが楕円形のレーザー光線の方がスポットが円形のレーザー光線より単位面積当たりの出力は大きく,スポットが楕円形のレーザー光線Lはスポットが円形のレーザー光線より加工可能な深度(焦点深度)が大きくなり,1回のレーザー加工によって形成されるレーザー加工溝の加工深さを深くすることができる。」

(5) 引用文献6の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-61677号(以下「引用文献6」という。)は,本件優先日前に頒布された刊行物であるところ,そこには,以下の記載がある。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,レーザ切断装置およびレーザ切断装置を利用した切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示器(Liquid Crystal Display:LCD)は,小型,軽量化,および低消費電力などの長所を有し,最近,陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)の代替として脚光を浴びている平板表示器の一種である。
…(省略)…
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記のような問題点に鑑みてなされたものであり,その第1の目的は,ガラス母基板から単位パネルを切断する際,切断線部および切断線の交差点における切断不良を防止することが可能なレーザ切断装置および切断方法を提供することにある。」

イ 「【0111】図16に示したように,LCDパネル100の切断線に対するレーザビーム228(フォーカシングビーム)の形状を楕円とする。切断方向がY方向である場合,レーザビーム228は,切断線120bに平行な直径Y1が長軸であり,切断線120bに直交する直径X1が短軸である楕円形とされる。逆に,切断方向がX方向である場合,レーザビーム228は,切断線120aに平行な直径X1が長軸であり,切断線120aに直交する直径Y1が短軸である楕円形とされる。
【0112】切断方向がY方向であり,レーザビーム228の長軸となる直径Y1および短軸となる直径X1を各々パラメータとして切断速度を測定した結果を表1に示す。
【0113】
【表1】

【0114】表1から明らかなように,短軸となる直径X1を長軸となる直径Y1に比べて相対的に大幅に小さくしてレーザビーム228をシャープなスリット状とした場合,切断速度が向上することになる。」

(6) 一致点及び相違点
引用発明の「偏光板切断方法」は,「レーザ光を用いた偏光板の切断」に関するものである。
ここで,引用発明でいう「レーザ光」,「偏光板」及び「切断」は,その用語が意味するとおりのものである。
そうしてみると,引用発明の「レーザ光」,「偏光板」及び「切断」は,それぞれ本件補正後発明の「レーザ」,「偏光板」及び「切断」に相当する。また,引用発明の「偏光板切断方法」は,本件補正後発明の,「レーザを用いた」という要件を満たす,「偏光板の切断方法」に相当する。
したがって,本件補正後発明と引用発明は,「レーザを用いた偏光板の切断方法」である点で一致し,以下の点で相違する。
(相違点1)
「レーザ」に関して,本件補正後発明は,「ビーム形状は楕円形状であり,前記楕円形状の長径が切断方向に平行なもので」あるのに対して,引用発明は,このように特定されたものではない(円形と推察される)点。

(相違点2)
「切断方向」が,本件補正後発明は,「偏光板の延伸方向と同一又は垂直」であるのに対して,引用発明は,一応,このように特定されたものではない点。

(相違点3)
「前記偏光板の切断面に形成されるテーパの大きさ」が,本件補正後発明は,「80?120μmである」のに対して,引用発明は,このように特定されたものではない点。

(7) 判断
ア 相違点1について
引用発明の「偏光板切断方法」は,「切断面に変形を生じさせることなく切断することを目的とし」,偏光板に,「出力および/または移動速さを調整したレーザ光を照射する」ところ,「レーザ光の移動速さが遅すぎると生産性が低下し,レーザ光の移動速さが速すぎるとこれに合わせてレーザ光の出力を大きくする必要がある」とされている。また,引用文献1の【0045】には,「レーザ光の移動速さおよび出力以外のレーザ光照射条件についても,必要に応じて適宜設定され得る。」と記載されている。
そうしてみると,[A]切断面に変形を生じさせることなく偏光板を切断すること,[B]生産性が低下しないようにすること,[C]レーザ光の出力を大きくしないこと,を目的として,レーザ光の移動速さおよび出力以外のレーザ光照射条件を工夫して引用発明を改良することは,引用文献1の記載の示唆にしたがう当業者における通常の創意工夫であるといえる。

ところで,引用文献4の【0010】には,[4A]レーザー光線のスポットの短軸と長軸との長さの比を1:5?1:20の範囲に設定された楕円形に整形し,[4B]この楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし,パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし,加工送り速度をV(μm/秒)としたとき,楕円形のスポットの重なり率{1-V/(H×L)}×100%=75?95%の範囲になるようにレーザー光線照射手段および加工送り手段を制御する技術が記載されている(以下「引用文献4記載技術」という。)。
ここで,引用文献4記載技術の「被加工物」としては,「半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等」(【0001】)が挙げられている。しかしながら,引用文献4記載技術は,「レーザー光線のスポットが適正な重なり状態で加工するため,各ラインに沿って均一な加工を効率よく行うことができる」(【0010】)という技術的思想に基づくものであるから,引用文献4記載技術が,半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等以外の被加工物(偏光板)にも適用可能であることは,技術的にみて明らかである。
また,この技術を,引用発明のレーザ光照射条件に取り込むことは,上記[A]?[C]の目的と整合するとともに,引用文献1の【0045】の示唆に適うものである。
そうしてみると,引用発明において,レーザ光のビーム形状を,長径が切断方向に平行な楕円形状に変更することは,引用文献4記載技術を心得た当業者が容易に発明をすることができた事項である。
(当合議体注:楕円形のスポットの長軸,パルスレーザー光線の繰り返し周波数,及び加工送り速度の関係式から明らかなとおり,引用文献4記載技術における,楕円形のスポットの長軸と加工方向は,平行である。)

あるいは,引用文献5の【0008】には,[5A]被加工物に形成された分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し,分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成するレーザー加工方法であって,[5B]パルスレーザー光線の集光スポットを楕円形に形成し,[5C]楕円形の集光スポットにおける長軸を分割予定ラインに沿って位置付け,[5D]集光スポットと被加工物とを分割予定ラインに沿って相対的に加工送りするレーザー加工方法が記載されている(以下「引用文献5記載技術」という。)。
ここで,引用文献5記載技術の「被加工物」としては,「半導体ウエーハ等」(【0001】)が挙げられている。しかしながら,引用文献5記載技術は,「集光点において所定の単位面積当たりの出力が得られるレーザー光線を照射した場合,集光点から所定間隔を置いた位置においては,スポットが楕円形のレーザー光線の方がスポットが円形のレーザー光線より単位面積当たりの出力は大きく,スポットが楕円形のレーザー光線Lはスポットが円形のレーザー光線より加工可能な深度(焦点深度)が大きくなり,1回のレーザー加工によって形成されるレーザー加工溝の加工深さを深くすることができる」(【0010】)という技術的思想に基づくものであるから,引用文献5記載技術が,半導体ウエーハ等以外の被加工物(偏光板)にも適用可能であることは,技術的にみて明らかである。
また,この技術を,引用発明のレーザ光照射条件に取り込むことは,上記[A]?[C]の目的と整合するとともに,引用文献1の【0045】の示唆に適うものである。
そうしてみると,引用発明において,レーザ光のビーム形状を,長径が切断方向に平行な楕円形状に変更することは,引用文献5記載技術を心得た当業者が容易に発明をすることができた事項である。

あるいは,引用文献6の【0111】及び【0001】には,[6A]LCDパネル100の切断線に対するレーザビーム228(フォーカシングビーム)の形状を楕円とし,[6B]切断方向がY方向である場合,レーザビーム228は,切断線120bに平行な直径Y1が長軸であり,切断線120bに直交する直径X1が短軸である楕円形とする,[6C]レーザ切断装置を利用した切断方法が記載されている(以下「引用文献6記載技術」という。)。
ここで,引用文献6記載技術は,「LCDパネル100」を切断対象とするものである。しかしながら,引用文献6記載技術は,「短軸となる直径X1を長軸となる直径Y1に比べて相対的に大幅に小さくしてレーザビーム228をシャープなスリット状とした場合,切断速度が向上することになる」(【0114】)という技術的思想に基づくものであるから,引用文献6記載技術が,LCDパネル以外の被加工物(偏光板)にも適用可能であることは,技術的にみて明らかである。
また,この技術を,引用発明のレーザ光照射条件に取り込むことは,上記[A]?[C]の目的と整合するとともに,引用文献1の【0045】の示唆に適うものである。
そうしてみると,引用発明において,レーザ光のビーム形状を,長径が切断方向に平行な楕円形状に変更することは,引用文献6記載技術を心得た当業者が容易に発明をすることができた事項である。

イ 相違点2について
例示するまでもなく,一般的に行われている事項にすぎない。

ウ 相違点3について
引用文献1の【図4】からは,本件補正後発明でいう「前記偏光板の切断面に形成されるテーパの大きさ」が,100μm程度である切断面が看取される。ただし,前記アで述べたとおり,引用発明において,レーザ光のビーム形状を,長径が切断方向に平行な楕円形状に変更した場合には,切断端部の変形が小さくなると考えられる(本件補正後発明のテーパーの大きさの下限値である80μmを下回る結果となるかもしれない。)。
しかしながら,レーザ光のビーム形状(ビームウエストを最小径とし,集光・発散角に起因する拡がりを持った形状)を考慮すると,切断対象の偏光板が比較的厚い場合には,切断端部の変形が小さいとしても,依然として,テーパの大きさが「80?120μm」の範囲内となる場合もあるといえる。
あるいは,切断端部の変形と生産性のバランスを取る当業者ならば,引用文献1の【図4】から看取される程度の変形を許容するとも考えられる。
相違点3に係る本件補正後発明の構成は,当業者が望む偏光板の厚さや生産性等に応じて,自ずと到る構成にすぎない。

(8) 発明の効果について
本件補正後発明の効果に関して,本件出願の明細書の【0011】及び【0012】には,それぞれ「本発明により切断された偏光板は,切断面に変形が生じることなく,ヒューム(FUME)発生の最小化が可能なため,断面品質に非常に優れる。また,本発明により切断された偏光板を液晶セルに適用する場合,気泡発生率を顕著に低減させることにより,外観品質および光学特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。」及び「本発明の偏光板の切断方法は,大型偏光板の切断にも簡単に適用可能であり,偏光板切断工程を単純化可能なため,生産性を向上させることができるという利点がある。」と記載されている。
しかしながら,このような効果は,引用発明が奏する効果であるか,少なくとも,引用発明において前記(7)アで述べた創意工夫をする当業者が予測可能な範囲内の効果にすぎない。

(9) 審判請求人の主張について
審判請求人は,審判請求書の4.(3)において,引用発明と,引用文献4?引用文献6に記載された技術とは,切断対象や加工方法等が異なるため,両者を組み合わせることはできないと主張する。
しかしながら,特表2012-521339号公報の【0051】には,レーザービームを楕円形状とする技術について,「通常の当業者は,本発明の教示の観点から,有機ポリマーシートおよびフィルム,金属シートおよびフィルム,異なる組成および/または性質を有する材料からなる複数のシートを含むラミネート材料など,他のシート材料の精密切断に,本発明のプロセスおよび装置を必要な変更を加えて適合させることができることを理解できる。」と記載されている。また,特開2003-107452号公報の【0041】?【0043】には,切断対象が有機ポリマーフィルム(カラーフィルタ偏光板)である場合のレーザ加工の条件が例示されている。
審判請求人の主張は採用できない。

(10)上申書について
請求人は,令和元年9月30日提出の上申書において,次の補正案を示している。
「 レーザを用いた,シクロオレフィン系フィルム又はポリオレフィン系フィルムを含む偏光板の切断方法において,
前記レーザのビーム形状は楕円形状であり,前記楕円形状の長径が切断方向に平行なもので,
前記切断方向は,偏光板の延伸方向と同一又は垂直であり,前記偏光板の切断面において,レーザ照射側に形成されるテーパの大きさは,80?120μmであり,
引き裂き工程を行わず,偏光板を切断する,
偏光板の切断方法。」

しかしながら,「引き裂き工程を行わず,偏光板を切断する」という発明特定事項を追加する補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正ではない(当合議体注:
補正案で示された補正は,請求項に記載した事項の記載表現を残したままで,請求項に係る発明に包含される一部の事項のみをその請求項に記載した事項から除外することを明示したものというよりは,「引き裂き工程を行わず,偏光板を切断する」という工程を,発明特定事項を付加するものと解するのが自然である。そうしてみると,補正案で示された補正は,いわゆる「除くクレーム」の要件を満たさない。)。
また,引用文献1の【0056】には,「溝形成工程において,レーザ光の照射によって低吸収率フィルムに溝を形成した後で,当該溝の部分を,切断刃を用いて切断してもよい。」と記載されている。この場合には,事実上,「引き裂き工程を行わず,偏光板を切断する」こととなる。
あるいは,レーザ光の平均吸収率が2%以下であるフィルムの厚さが,比較的薄い偏光板に対して,前記(7)アで述べた創意工夫をした場合においては,引用文献1の【図3】から看取される肉薄となったフィルムも含めて,切断されてしまうことは明らかである(当合議体注:引用文献4の【0010】,引用文献5の【0009】及び引用文献6の【0113】の【表1】に開示された楕円形状は,極めて扁平なものであるから,均一かつ効率的な切断が可能なものと認められる。)。

いずれにせよ,審判請求人の主張は採用できない。

(11)小括
本件補正後発明は,当業者が,引用文献1に記載された発明,及び引用文献4?引用文献6のいずれかに記載された技術に基づいて,容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

3 補正却下のまとめ
本件補正は,特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので,同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって,前記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり,本件補正は却下されたので,本件出願の請求項1に係る発明は,前記「第2」[理由]1(1)に記載のとおりのものである(以下「本願発明」という。)。

2 原査定の拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由は,本願発明は,本件優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明,及び引用文献4?引用文献6のいずれかに記載された技術に基づいて,本件優先日前の当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,という理由を含むものである。

3 引用文献及び引用発明
引用文献1等の記載及び引用発明は,前記「第2」[理由]2(1)?(6)に記載したとおりである。

4 対比及び判断
本願発明は,前記「第2」[理由]2で検討した本件補正後発明から,「前記切断方向は,偏光板の延伸方向と同一又は垂直であり,前記偏光板の切断面に形成されるテーパの大きさは,80?120μmである」という発明特定事項を除いたものである。そして,本件補正後発明は,前記「第2」[理由]2(6)?(11)に記載したとおり,引用文献1に記載された発明,及び引用文献4?引用文献6のいずれかに記載された技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
そうしてみると,本願発明も,引用文献1に記載された発明,及び引用文献4?引用文献6のいずれかに記載された技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお,本願発明に替えて,請求項9に係る発明を本願発明として検討しても,同様である。

第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本件出願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-02-28 
結審通知日 2020-03-03 
審決日 2020-03-16 
出願番号 特願2016-567998(P2016-567998)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 572- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 徹中村 説志  
特許庁審判長 里村 利光
特許庁審判官 河原 正
樋口 信宏
発明の名称 偏光板の切断方法およびこれを用いて切断された偏光板  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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