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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1365627
審判番号 不服2019-13153  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-02 
確定日 2020-09-15 
事件の表示 特願2017-537156「情報処理装置及び情報処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日国際公開,WO2017/037914,請求項の数(8)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2015年9月3日を国際出願日とする国際出願による出願であって,平成29年11月17日に特許法第184条の5第1項に規定される書面の提出がなされ,出願審査の請求がなされるとともに手続補正がなされ,平成31年1月17日付けで拒絶理由が通知され,その指定期間内である同年2月15日に意見書が提出されたが,令和1年7月10日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がなされ,これに対し,同年10月2日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。


第2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,次のとおりのものである。

1 理由1
この出願は,特許請求の範囲の記載が請求項1-8に関し明確でなく,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2 理由2
この出願の請求項1-8に係る発明は,本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1-3に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。

引用文献1:特開2009-181560号公報
引用文献2:特開平6-66603号公報
引用文献3:特開2011-9994号公報


第3 本願発明について

本願の請求項1-8に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は, 平成29年11月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
通信試験を行う試験機及び前記通信試験を受ける被試験機の複数の組み合わせに含まれる特定の組み合わせを示す試験構成情報の入力を受ける入力部と、
前記試験構成情報と、前記複数の組み合わせの各々における全ての試験項目を示す動作仕様情報と、を記憶する記憶部と、
前記試験構成情報で示される前記特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目を前記動作仕様情報から特定し、当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する制御部と、を備えること
を特徴とする情報処理装置。」

なお,本願発明2-8の概要は以下のとおりである。

本願発明2-7は,本願発明1を減縮した発明である。

本願発明8は,本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。


第4 引用文献,引用発明等

1 引用文献1
(1)本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献であって,原査定の拒絶の理由である平成31年1月17日付けの拒絶理由通知において引用文献1として引用された特開2009-181560号公報(平成21年8月13日出願公開。以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに次の記載がある。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

「【0023】
ここで、試験項目生成装置2は、上述した機能のうち試験項目自動生成機能を実現するべく、入力手段11、プロトコル定義部12、生成条件設定部13、試験項目自動生成部14、表示手段15を備えて概略構成される。また、ネットワーク試験支援装置3は、上記試験項目生成装置2の各構成に加え、上述した実施網羅度自動測定機能を実現するべく、フィルタ条件設定部16、パケットモニタ部17、試験結果解析部18を備えている。以下、各構成について説明する。
【0024】
入力手段11は、例えばGUI(Graphical User Interface)で構成され、プロトコル定義として、2つの装置4間(例えば装置Aと装置B間)でやり取りされるパケットのメッセージフォーマットとプロトコル規約上の条件とを定義するべく、図2(a)の「試験対象プロトコル設定」でのプロトコル選択、図2(b)の「試験対象装置の設定」での試験対象装置と通信相手装置とを指定する入力、図3の「メッセージフォーマット入力フォーム」での各項目の入力・編集、「生成条件設定」での各項目の入力・編集、図7の「固定値設定」での固定値の入力、上記各種設定画面の切り替えなどを表示手段15と連動しながら選択的に入力を行っている。」

「【0061】
試験項目自動生成部14は、プロトコル定義部12で管理されるメッセージパラメータテーブル12a及びメッセージシーケンス定義テーブル12bと、生成条件設定部13の生成条件の設定内容とに基づいて試験項目(シーケンス定義及び生成条件に基づくあらゆるメッセージとパラメータのパターンの組み合わせ)を自動生成する試験項目自動生成機能(生成した試験項目を表示する機能も含む)を有しており、対象メッセージテーブル14a、試験項目記憶部14b、試験開始条件記憶部14cを備えている。
・・・中略・・・
【0063】
試験項目記憶部14bは、後述する試験項目自動生成機能によって生成される試験項目を、各パターンにそれぞれ識別情報(図11,14における組み合わせパターン番号)を付与して記憶している。」

「【0099】
以上説明した手順によって試験項目が自動生成されると、この自動生成された試験項目は、例えば図15に示すような「試験項目生成結果一覧」として表示手段15に表示される。図15の「試験項目生成結果一覧」には、図2(a)の「試験対象プロトコル設定」の設定画面で設定されたプロトコル設定の内容、結果として生成された試験項目の数を示す試験項目生成結果、図6の「生成条件設定」の設定画面で設定された条件内容がそれぞれ表示される。
【0100】
また、図15の「試験項目生成結果一覧」には、「開始」、「停止」、「クリア」のソフトキーが設けられている。「開始」は試験の開始を指示するときに操作され、「停止」は試験の停止を指示するときに操作され、「クリア」は試験を中断して最初からやり直すときに操作される。」

(2)上記(1)の記載について,次のことがいえる。
ア 【0063】に記載された「生成される試験項目」は,【0099】に記載された「自動生成された試験項目」と同じ対象を表している。

(3)上記(1)の記載,及び,上記(2)での検討を踏まえると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「試験項目生成装置2であって,

試験項目生成装置2は,入力手段11,プロトコル定義部12,生成条件設定部13,試験項目自動生成部14,表示手段15を備えて概略構成され,

入力手段11は,GUI(Graphical User Interface)で構成され,プロトコル定義として,2つの装置4間(例えば装置Aと装置B間)でやり取りされるパケットのメッセージフォーマットとプロトコル規約上の条件とを定義するべく,「試験対象プロトコル設定」でのプロトコル選択,「試験対象装置の設定」での試験対象装置と通信相手装置とを指定する入力,「生成条件設定」での各項目の入力・編集などを表示手段15と連動しながら選択的に入力を行っており,

試験項目自動生成部14は,プロトコル定義部12で管理されるメッセージパラメータテーブル12a及びメッセージシーケンス定義テーブル12bと,生成条件設定部13の生成条件の設定内容とに基づいて試験項目(シーケンス定義及び生成条件に基づくあらゆるメッセージとパラメータのパターンの組み合わせ)を自動生成する試験項目自動生成機能(生成した試験項目を表示する機能も含む)を有しており,試験項目記憶部14bを備えており,

試験項目記憶部14bは,自動生成された試験項目を記憶しており,

自動生成された試験項目は,「試験項目生成結果一覧」として表示手段15に表示され,
「試験項目生成結果一覧」には,「開始」のソフトキーが設けられており,「開始」は試験の開始を指示するときに操作される,

試験項目生成装置2。」

2 引用文献2
(1)本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献であって,原査定の拒絶の理由である平成31年1月17日付けの拒絶理由通知において引用文献2として引用された特開平6-66603号公報(平成6年3月11日出願公開。以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに次の記載がある。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

「【0012】図6は図3のシステムにおけるテスタ221の詳細なシステムの構成を例示するブロック図で、図中の2211は中央処理装置(CPU)、2212は通信制御装置、2213は記憶装置である。図7は本発明による相互接続試験方式の一実施例の処理手順の一部の詳細を示す流れ図である。図8は本発明による相互接続試験方式の一実施例の処置手順の一部の詳細を説明するための図で、試験スイートの構成図である。図1を用いて本発明における相互接続試験方式の処理手順につき説明すれば、
(1) まず試験者により状態と状態間の遷移情報として与えられた仕様を試験スイート生成装置1に入力し、試験スイートを生成する。
【0013】(2) 次に、上記の(1)により得られた試験スイートに基づき相互接続試験装置2により試験対象である端末31?3nに対して入力試験イベントを与え、端末31?3nによる出力試験イベントを観測し、結果を試験ログとして出力する。ようにした相互接続試験方式により達成される。」

(2)上記(1)の記載を踏まえると,引用文献2には,以下の技術的事項が記載されているものと認められる。

「相互接続試験方式において,
試験者により状態と状態間の遷移情報として与えられた仕様を試験スイート生成装置1に入力し,試験スイートを生成し,
得られた試験スイートに基づき相互接続試験装置2により試験対象である端末31?3nに対して入力試験イベントを与え,端末31?3nによる出力試験イベントを観測し,結果を試験ログとして出力すること。」

3 引用文献3
(1)本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献であって,原査定の拒絶の理由である平成31年1月17日付けの拒絶理由通知において引用文献3として引用された特開2011-9994号公報(平成23年1月13日出願公開。以下,「引用文献3」という。)には,図面とともに次の記載がある。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

「【0007】
次に、テスト結果の確認を行う診断装置の動作について説明する。図11は、テスト結果の確認を行う診断装置の動作を示す。
【0008】
図11に示すように、まず、テストプログラムはテストを実行するためのパケットであるテストパケットを生成し(S701)、ソケット及びプロトコルスタックを介してターゲット装置にテストパケットを送出する(S702)。テストパケットの送出後、テストプログラムは、所定時間が経過したかどうかを判断する(S703)。
・・・中略・・・
【0012】
また、ステップS703において、所定時間が経過した場合(S703,YES)、テストプログラムはタイムアウトし(S707)、その診断結果(タイムアウトによる異常)を記録する(S706)。」

(2)上記(1)の記載を踏まえると,引用文献3には,以下の技術的事項が記載されているものと認められる。

「テスト結果の確認を行う診断装置において,テストプログラムはテストを実行するためのパケットであるテストパケットを生成し,ターゲット装置にテストパケットを送出し,テストパケットの送出後,所定時間が経過した場合,テストプログラムはタイムアウトし,その診断結果(タイムアウトによる異常)を記録すること。」

第5 対比・判断

1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明は,「入力手段11は,GUI(Graphical User Interface)で構成され,プロトコル定義として,2つの装置4間(例えば装置Aと装置B間)でやり取りされるパケットのメッセージフォーマットとプロトコル規約上の条件とを定義するべく,「試験対象プロトコル設定」でのプロトコル選択,「試験対象装置の設定」での試験対象装置と通信相手装置とを指定する入力,「生成条件設定」での各項目の入力・編集などを表示手段15と連動しながら選択的に入力を行」うものである。
ここで,引用発明の「試験対象装置」は,試験を受けるものであることが明らかであり,また,「プロトコル定義として,2つの装置4間(例えば装置Aと装置B間)でやり取りされるパケットのメッセージフォーマットとプロトコル規約上の条件とを定義するべく」通信相手装置とともに入力手段により入力されるものであるから,当該試験は通信試験であることが明らかである。よって,本願発明1の「被試験機」と引用発明の「試験対象装置」とは,“通信試験を受ける被試験機”である点で一致する。
また,引用発明の「通信相手装置」は,上記通信試験において,被試験機の通信の相手方となるものであることが明らかであるところ,被試験機に対して通信試験を行うものであるといえる。よって,本願発明1の「試験機」と引用発明の「通信相手装置」とは,“通信試験を行う試験機”である点で一致する。

イ また,引用発明の「入力手段11」は,上記アで検討したとおり,「試験対象装置と通信相手装置とを指定する入力」を行うものであり,組み合わせとして入力される当該「試験対象装置と通信相手装置」の情報は,試験を行うために必要な情報であることが明らかであり,試験を構成する情報であるといえるから,試験対象装置と通信相手装置の“特定の組み合わせを示す試験構成情報”であるといえる。
してみると,引用発明の「入力手段11」は,試験対象装置と通信相手装置の“特定の組み合わせを示す試験構成情報”の入力を受ける入力部であるといえるから,上記アでの検討も踏まえると,本願発明1の「入力部」と引用発明の「入力手段11」とは,後記する点で相違するものの,“通信試験を行う試験機及び前記通信試験を受ける被試験機の特定の組み合わせを示す試験構成情報の入力を受ける入力部”である点で一致する。

ウ 引用発明は,「試験項目記憶部14bは,自動生成された試験項目を記憶して」いるものである。
ここで,上記「自動生成された試験項目」は,試験項目を示す情報であることが明らかであるから,本願発明1の「動作仕様情報」と引用発明の「自動生成された試験項目」とは,後記する点で相違するものの,“試験項目を示す情報”(以下,当該「情報」を「試験項目情報」という。)である点において一致する。
また,引用発明の「試験項目記憶部14b」は,当該「自動生成された試験項目」,すなわち,“試験項目を示す試験項目情報”を記憶するものであるから,本願発明1の「記憶部」と引用発明の「試験項目記憶部14b」とは,後記する点で相違するものの,“試験項目を示す試験項目情報を記憶する記憶部”である点において一致する。

エ 引用発明の「試験項目生成装置2」は,「入力手段11,プロトコル定義部12,生成条件設定部13,試験項目自動生成部14,表示手段15を備え」るものである。
また,引用発明の「試験項目自動生成部14」は,「試験項目記憶部14bを備え」るものである。
そして,「試験項目生成装置2」は,試験項目の生成という情報処理を行う情報処理装置であることが明らかである。
よって,引用発明の「試験項目生成装置2」は,入力手段11と,試験項目記憶部14bとを備える情報処理装置であるといえるから,上記イ-ウでの検討も踏まえると,本願発明1の「情報処理装置」と引用発明の「試験項目生成装置2」とは,後記する点で相違するものの,“入力部と、記憶部と、を備える情報処理装置”である点で一致する。

オ 以上から,本願発明1と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違する。

<一致点>
「通信試験を行う試験機及び前記通信試験を受ける被試験機の特定の組み合わせを示す試験構成情報の入力を受ける入力部と、
試験項目を示す試験項目情報を記憶する記憶部と、
を備えること
を特徴とする情報処理装置。」

<相違点1>
本願発明1において,入力される試験構成情報が示す「特定の組み合わせ」は,「複数の組み合わせに含まれる」ものであるのに対し,引用発明において,入力される「試験対象装置と通信相手装置」は,そのような特定がなされていない点。

<相違点2>
試験項目情報に関し,本願発明1の「動作仕様情報」は,「前記複数の組み合わせの各々における全ての試験項目」を示すものであるのに対し,引用発明の「自動生成された試験項目」は,そのような特定がなされていない点。

<相違点3>
本願発明1の「記憶部」は,「試験構成情報」を記憶するのに対し,引用発明の「試験項目記憶部14b」は,「試験対象装置と通信相手装置」の情報を記憶することについては特定されていない点。

<相違点4>
本願発明1の「情報処理装置」は,「前記試験構成情報で示される前記特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目を前記動作仕様情報から特定し、当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する制御部」備えるものであるのに対し,引用発明の「試験項目生成装置2」は,そのような制御部を有することは特定されていない点。

(2)判断
事案に鑑み,相違点4について,先に検討する。

本願発明1の「通信試験を行う試験機及び前記通信試験を受ける被試験機の複数の組み合わせ」は,入力部により入力が受け付けられる試験構成情報が示す「特定の組み合わせ」以外の試験機及び被試験機の組み合わせ,すなわち,入力部により入力が受け付けられない組み合わせを含むものであると認められる。
また,本願発明1の「前記複数の組み合わせの各々における全ての試験項目」は,入力部により入力が受け付けられる試験構成情報が示す上記「特定の組み合わせ」の各々における全ての試験項目に加え,入力部により入力が受け付けられない組み合わせである,「特定の組み合わせ」以外の試験機及び被試験機の組み合わせの各々における全ての試験項目をも含むものであると認められる。
そして,本願発明1の「制御部」は,かような入力部により入力が受け付けられない組み合わせの各々における全ての試験項目をも含む「複数の組み合わせの各々における全ての試験項目」を示す「動作仕様情報」から,入力部により入力が受け付けられる「試験構成情報で示される特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目」を特定した上で,「当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する」ものである。
しかしながら,このような,相違点4に係る本願発明1の「前記試験構成情報で示される前記特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目を前記動作仕様情報から特定し、当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する制御部」の構成は,引用文献2及び引用文献3には記載されておらず,また,当業者にとって自明のものでもない。
したがって,当業者といえども、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項から,相違点4に係る本願発明1の上記構成を容易に想到することはできない。

したがって,相違点1-3について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-7について
本願発明2-7は,本願発明1の「前記試験構成情報で示される前記特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目を前記動作仕様情報から特定し、当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する制御部」の構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明8について
本願発明8は,本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明1の「前記試験構成情報で示される前記特定の組み合わせに対応する前記全ての試験項目を前記動作仕様情報から特定し、当該特定された全ての試験項目を検査する試験プログラムを生成する制御部」の構成に対応する構成を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第6 むすび

以上のとおり,本願発明1-8は,当業者が引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

 
審決日 2020-08-26 
出願番号 特願2017-537156(P2017-537156)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三坂 敏夫  
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 山崎 慎一
▲はま▼中 信行
発明の名称 情報処理装置及び情報処理方法  
代理人 山形 洋一  
代理人 篠原 昌彦  
代理人 前田 実  
代理人 佐藤 賢改  

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