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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1365880
審判番号 不服2019-7018  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-29 
確定日 2020-09-29 
事件の表示 特願2017-225005「表示装置及び表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日出願公開、特開2018- 60561、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年2月5日を出願日とする特願2014-20662号の一部を、平成29年11月22日に新たに特許出願したものであって、平成30年8月7日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月12日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成31年3月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和元年5月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の理由の概要

原査定(平成31年3月22日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1-6、12
・引用文献等 A、B

・請求項 7、8
・引用文献等 A-C

・請求項 9-11
・引用文献等 A-D

<引用文献等一覧>
A.特開2007-323343号公報
B.米国特許出願公開第2011/0302528号明細書
C.国際公開第2011/122402号
D.特開2013-61380号公報

第3 本願発明

本願の請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、令和元年5月29日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
表示面の任意の位置に配置される表示領域を表示する表示装置であって、
複数の表示領域を重畳することなく前記表示面に配置させるための複数の異なる配置パターンを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶した複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付ける選択受付部と、
前記表示面の任意の位置で表示されている複数の表示領域を、前記選択受付部で選択された配置パターンに応じて配置して表示する表示制御部と、
整列操作を受け付ける受付部を表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数の表示領域のうち、最前面に位置する表示領域のみに前記受付部を表示し、
前記選択受付部は、前記受付部で整列操作を受け付けた場合、前記記憶部から読み出されて表示された複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付けることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記表示領域の縁の近傍の位置に前記受付部を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記表示領域のタイトルバーの位置に前記受付部を表示することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記複数の表示領域のうち、ユーザが最後に操作を行った表示領域に前記受付部を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記一の配置パターンを選択する操作を受け付けた場合、選択された配置パターンの配置順序に従って、前記複数の表示領域を定められた順に配置して表示するようにしてあることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示面に表示されている複数の表示領域が操作された順序を特定する特定部を備え、
前記表示制御部は、
選択された配置パターンの配置順序に従って前記複数の表示領域の直近に操作された順に配置して表示するようにしてあることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
選択された配置パターンに応じて前記表示面に表示されている複数の表示領域を配置して表示する場合、該複数の表示領域それぞれの縮小画像を表示する縮小画像表示部を備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記表示面に表示されている複数の表示領域の一部又は全部を、選択された配置パターンに応じて配置して表示するようにしてあり、
前記縮小画像表示部は、
前記複数の表示領域の一部が前記配置パターンに応じて配置して表示される場合、該配置パターンに応じて表示されていない表示領域の縮小画像を表示するようにしてあることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記縮小画像表示部は、
前記複数の表示領域の縮小画像のうち、選択された配置パターンに応じて配置して表示された表示領域の縮小画像と前記配置パターンに応じて表示されていない表示領域の縮小画像とを異なる表示態様で表示するようにしてあることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
選択された配置パターンに応じて表示されていない表示領域の縮小画像を前記配置パターンに応じて表示された表示領域へ移動させる操作を受け付ける移動受付部を備え、
前記表示制御部は、
前記移動受付部で前記操作を受け付けた場合、移動先の表示領域を、移動させた縮小画像に対応する表示領域に置き換えて表示するようにしてあることを特徴とする請求項7から9までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示面へのタッチ操作の入力を受け付ける操作パネルを備えることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
表示面の任意の位置に配置される表示領域を表示する表示方法であって、
複数の表示領域を重畳することなく前記表示面に配置させるための複数の異なる配置パターンを記憶部に記憶しておき、
該記憶部に記憶した複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を選択受付部が受け付けるステップと、
前記表示面の任意の位置で表示されている複数の表示領域を、選択された配置パターンに応じて表示制御部が配置して表示するステップと、
前記複数の表示領域のうち、最前面に位置する表示領域のみに、整列操作を受け付ける受付部を表示部が表示するステップと、
前記受付部で整列操作を受け付けた場合、前記記憶部から読み出されて表示された複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付けるステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。」

第4 引用文献

1.引用文献A・引用発明
原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0036】
図2は、実施例1のウィンドウ表示制御装置の構成例を示す図であり、制御部10と記憶部20と表示部30と入力部40とにより構成される。そして、制御部10は、本発明にかかるウィンドウ制御方法を実現するためのウィンドウ表示制御部を構成するアプリケーションプログラム起動指示受付部11とウィンドウ情報取得部12とウィンドウ整列判断部13とウィンドウ整列処理部14とアプリケーションプログラム起動処理部15とを含む。なお、アプリケーションプログラム起動指示受付部11は表示条件読み出し手段および整列処理開始指示受付手段としての動作を行う。ウィンドウ情報取得部12はウィンドウ情報読み出し手段としての動作を行う。ウィンドウ整列判断部13は整列対象ウィンドウ識別子選択手段としての動作を行う。ウィンドウ整列処理部14はウィンドウ整列指示出力手段としての動作を行う。アプリケーションプログラム起動処理部15は請求項14のウィンドウ整列指示出力手段としての動作を行う。
【0037】
また、記憶部20は、自身の特定の領域内に、後述するウィンドウ整列表示処理を実行する際に使用する情報を格納するためのウィンドウ情報記憶部21を含む。また、図示していないが、記憶部20は、上述した制御部10の各部が各処理を行う際に使用するワーク用メモリ領域を含み、制御部10の各部は、必要に応じてワーク用メモリ領域の全部または一部を使用して後述する処理を実行する。
・・・中略・・・
【0039】
また、図示していないが、表示部30は、上記ウィンドウ表示制御部からの指示に従い、LCDなどで構成される表示装置に対するウィンドウ表示を含む表示内容の更新制御を行う表示内容更新制御部と、表示パネルに対する表示内容の状態を保持するための表示情報記憶部と、を含んでいる。」

「【0057】
図10は、実施例2のウィンドウ表示制御装置の構成例を示す図である。本実施例のウィンドウ表示制御装置は、上述した実施例1のウィンドウ表示制御装置の制御部10に代えて制御部10aを備えた構成となる。制御部10aは、制御部10と比較して、アプリケーションプログラム起動指示受付部11およびウィンドウ整列判断部13に代えて、それぞれウィンドウ整列指示受付部16およびウィンドウ整列判断部13aを備え、また、アプリケーションプログラム起動処理部15が削除された構成をとる。その他の部分については、上述した実施例1のウィンドウ表示制御装置と同様であるため同一の符号を付与してその説明を省略する。なお、ウィンドウ整列指示受付部16は表示条件読み出し手段および整列処理開始指示受付手段としての動作を行う。
【0058】
図11は、実施例2のウィンドウ表示制御動作の概要を示す図である。図11に示したように、本実施例においては、ユーザが行う単純な操作(たとえば動作開始を指定するためのアイコンをクリックする)に従って、既に画面上に表示されているウィンドウを指定された条件で整列表示する。
【0059】
図12は、実施例2のウィンドウ表示制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、上述した実施例1におけるウィンドウ表示制御動作と同様の処理については、同じステップ番号を付与してその説明を省略する。以下、図10および図12を使用してウィンドウ表示制御動作の説明を行う。
【0060】
まず、ウィンドウ整列指示受付部16は、基本情報(初期情報)として整列ウィンドウ数情報(N)をウィンドウ情報記憶部21から取得する(ステップS11a)。なお、ウィンドウ整列指示受付部16は、ステップS11aにおいて、ユーザに予め選択された(またはデフォルトの)整列パターン情報をあわせて取得するようにしてもよい。
【0061】
次に、ウィンドウ整列指示受付部16は、選択可能な全てのウィンドウ整列パターンについての整列パターン情報をウィンドウ情報記憶部21から取得する。そして、取得した整列パターン情報に基づいて、ウィンドウ整列パターン選択画面(ウィンドウ整列パターンの一覧)を表示するように、表示部30の表示内容更新制御部に対して指示を出す(ステップS12a)。その後、ウィンドウ整列指示受付部16はユーザが選択したウィンドウ整列パターンの情報が入力部40を介して入力されるのを待ち、選択されたウィンドウ整列パターンの情報を取得する(ステップS13a)。なお、選択されたウィンドウ整列パターンの情報を取得すると、そのウィンドウ整列パターンを示す整列パターン情報を、選択された整列パターン情報としてウィンドウ情報記憶部21へ格納しておく。
【0062】
なお、ウィンドウ表示制御装置は、ユーザにより予め選択され、ウィンドウ情報記憶部21に格納されている選択された整列パターン情報(選択された整列パターン情報が格納されていない場合にはデフォルトの整列パターン情報)をステップS11aにおいて取得し、その取得した情報を使用してステップS15以降の処理を実行することとしてもよい。この場合、上記ステップS12aおよびS13aを省略することが可能となり、ユーザにとって操作の煩雑さが解消される。また、制御部10(ウィンドウ整列指示受付部16)が行う処理の削減が図れる。
【0063】
次に、ウィンドウ情報取得部12による処理(ステップS15およびS16)を実行後、ウィンドウ整列判断部13aは、表示部30に表示されているウィンドウ数(表示ウィンドウ数とする)情報をウィンドウ情報記憶部21から取得し、表示ウィンドウ数と、上記整列ウィンドウ数(N)とを比較する(ステップS17a)。ステップS17aにおける比較結果が「表示ウィンドウ数≧N」である場合(ステップS17a,Yes)、直ちにステップS19aへ遷移する。これに対して、ステップS17aにおける比較結果が「表示ウィンドウ数<N」である場合(ステップS17a,No)、ウィンドウ整列判断部13aは、「N=(表示ウィンドウ数)」として(ステップS18)、ステップS19aへ遷移する。
【0064】
次に、ウィンドウ整列判断部13aは、表示部30に表示されている各ウィンドウの使用順番についての情報をウィンドウ情報記憶部21から取得する。そして、直近に使用したものから順番に、N番目までのウィンドウの情報(識別子)を選択し、選択した識別子を整列対象ウィンドウの識別子としてウィンドウ情報記憶部21へ格納する(ステップS19a)。また、ウィンドウ整列判断部13aは、ウィンドウ整列処理部14に対して、整列対象ウィンドウについての情報を渡し、整列処理を実行するように指示を出す。
【0065】
次に、ウィンドウ整列処理部14は、ウィンドウ情報記憶部21から整列対象ウィンドウの識別子を読み出し、上記ステップS13aにおいて取得したウィンドウ整列パターンの情報に従って、整列対象ウィンドウの位置変更(整列)およびサイズ変更を行い、整列対象ウィンドウを並び替えるように、表示部30の表示内容更新制御部に対して指示を行う(ステップS20a)。本実施例では、整列対象ウィンドウ数が整列ウィンドウ数と同じであるため、実施例1の場合と異なり、画面上(表示部30)の分割された全ての領域には、整列対象ウィンドウが表示される(ウィンドウが表示されていない領域は存在しない)。
【0066】
ここで、図13に示したように、整列対象ウィンドウの数が“0個”の場合、ウィンドウ整列処理部14は整列処理(上記ステップS20aの処理)を実行しない(ウィンドウ整列判断部13aは、ウィンドウ整列処理部14に対して整列処理の実行指示を行わない)。これに対して、整列対象ウィンドウの数が “1個”の場合、ステップS20aにおいて、ウィンドウ整列処理部14は、整列対象ウィンドウを画面中央に表示する。また整列対象ウィンドウの数が“2個以上”の場合、ステップS20aにおいて、ウィンドウ整列処理部14は、上記ステップS13aにおいて取得した整列パターンに従って画面をN分割し、整列対象ウィンドウを再配置(整列)する。たとえば、整列対象ウィンドウが“2個”であれば、ステップS21実行後の画面表示は図9に示したようなものとなる。
【0067】
なお、本実施例のウィンドウ表示制御装置が、実施例1のウィンドウ表示制御装置のアプリケーションプログラム起動指示受付部11を備える、または、本実施例のウィンドウ整列指示受付部16が、上述した処理に加えて、実施例1のアプリケーションプログラム起動指示受付部11が実行する処理を実行するようにしてもよい。すなわち、ウィンドウ整列指示受付部16が、アプリケーションプログラム起動指示受付部11が実行する処理をあわせて実行する場合、上記ステップS11aの処理に続いて、表示部30へ整列パターン選択画面(整列パターンの一覧)を表示し、どの整列パターンを使用するか(初期整パターン)をユーザに選択させるようにする。
【0068】
このように、本実施例においては、ウィンドウの並べ替え(整列表示)を行う場合、ユーザは整列パターンの選択のみを行い、ウィンドウ表示制御装置は、直近に使用されたものから順番に選択したウィンドウを、選択された整列パターンに従って自動的に整列表示させることとした。これにより、ウィンドウを整列表示させるための細かい操作(整列表示させるウィンドウの選択、各ウィンドウの表示位置の指示、各ウィンドウの表示サイズの調整、など)をユーザが行うことなく複数のウィンドウを同時に見ることが可能となり、操作の煩雑さを解消することができる。」

「【図11】



上記記載及び図面によれば、引用文献Aには、実施例2のウィンドウ表示制御装置について、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

〈引用発明〉
「ユーザが行う単純な操作(たとえば動作開始を指定するためのアイコンをクリックする)に従って、既に画面上に表示されているウィンドウを指定された条件で整列表示するウィンドウ表示制御装置であって、制御部10aと記憶部20と表示部30と入力部40とにより構成され、
制御部10aは、ウィンドウ整列指示受付部16、ウィンドウ情報取得部12、ウィンドウ整列判断部13aおよびウィンドウ整列処理部14を備え、
ウィンドウ整列指示受付部16は、基本情報(初期情報)として整列ウィンドウ数情報(N)をウィンドウ情報記憶部21から取得し、選択可能な全てのウィンドウ整列パターンについての整列パターン情報をウィンドウ情報記憶部21から取得した整列パターン情報に基づいて、ウィンドウ整列パターン選択画面(ウィンドウ整列パターンの一覧)を表示するように、表示部30の表示内容更新制御部に対して指示を出し、ユーザが選択したウィンドウ整列パターンの情報が入力部40を介して入力されるのを待ち、選択されたウィンドウ整列パターンの情報を取得し、選択された整列パターン情報としてウィンドウ情報記憶部21へ格納し、
ウィンドウ整列判断部13aは、表示部30に表示されている各ウィンドウの使用順番についての情報をウィンドウ情報記憶部21から取得し、直近に使用したものから順番に、N番目までのウィンドウの情報(識別子)を選択し、選択した識別子を整列対象ウィンドウの識別子としてウィンドウ情報記憶部21へ格納し、ウィンドウ整列処理部14に対して、整列対象ウィンドウについての情報を渡し、整列処理を実行するように指示を出し、
ウィンドウ整列処理部14は、ウィンドウ情報記憶部21から整列対象ウィンドウの識別子を読み出し、取得したウィンドウ整列パターンの情報に従って、整列対象ウィンドウの位置変更(整列)およびサイズ変更を行い、整列対象ウィンドウを並び替えるように、表示部30の表示内容更新制御部に対して指示を行い、
ウィンドウを整列表示させるための細かい操作(整列表示させるウィンドウの選択、各ウィンドウの表示位置の指示、各ウィンドウの表示サイズの調整、など)をユーザが行うことなく複数のウィンドウを同時に見ることが可能となり、操作の煩雑さを解消することができる、
ウィンドウ表示制御装置。」

2.引用文献B
原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0030] FIG.1 shows tilingnavigator for resizing a window to particular display location on a display device. Display 100 displays window 110 at an initial location, such as the center of display 100. Display 100 may be, for example, a computer display, a television monitor, a mobile phone display, a net bookdisplay, etc. Window 110 includes drop down detection area 120, whose boundary may or may not be viewable. For example, drop down detection area 120 may include window 110's “minimize” and/or “maximize” icons. Drop down detection area 120 may also be in the form of a separate icon, such as tiling navigator icon 430 shown in FIG.4B. Drop down detection area 120 may also be located as a separate element of a graphical user interface that is not associated with a window, and it may be located anywhere on the display 100. As computer users may be accustomed to using maximize/minimize icons associated with windows, however, FIG.1 depicts aconvenient location for detection area 120.」
(当審訳:
[0030] 図1は、表示装置上の特定の位置にウィンドウをリサイズするためのタイリングナビゲータの実施例を示している。ディスプレイ100は、ディスプレイ100の中心のような初期位置にウィンドウ110を表示する。ディスプレイ100は、例えば、コンピュータのディスプレイ,テレビのモニタ,携帯電話のディスプレイ,ネットブックのディスプレイなどである。ウィンドウ110は、その境界が表示可能、あるいは表示可能ではないドロップダウン検出エリア120を含む。例えば、ドロップダウン検出エリア120は、ウィンドウ110の“最小化”そして/または“最大化”アイコンを含んでいる。ドロップダウン検出エリア120は、図4Bに示されたタイリングナビゲータアイコン430のような別個のアイコンの形でありえる。ドロップダウン検出エリア120は、また、ウィンドウと関係ないグラフィカルユーザインタフェースの別個の要素として位置することができ、それはディスプレイ100上のどこにでも配置することができる。コンピュータユーザはウィンドウに関連する最大化/最小化アイコンを使うことに慣れており、図1はドロップダウン検出エリア120の使い勝手がよい位置を示している。)

「[0040] FIG.3 shows that, even though window 310 is inactive, when a user places cursor 130 to hover over drop down detection area 120, tiling navigator 140 is displayed. In turn, the user may select one of tiling navigator 140's window resizing options to resize inactive window 310 to a particular display location. In one embodiment, a user may configure navigational options to change inactive window 310 to an active window after inactive window 310 is resized to the particular display location.」
(当審訳:
[0040] 図3は、ウィンドウ310がアクティブでなくても、ユーザがドロップダウン検出エリア120上にカーソル130をホバリングするように置くと、タイリングナビゲータ140が表示されることを示している。次に、ユーザは、アクティブでないウィンドウ310を特定の表示位置にリサイズするために、タイリングナビゲータ140のウィンドウリサイズオプションを選択できる。一実施例において、アクティブでないウィンドウ310が特定の表示位置にリサイズされた後、ユーザは、アクティブでないウィンドウ310をアクティブなウィンドウに変更するナビゲーションのオプションを設定することができる。)

「[0047] FIG.5A shows an embodiment of a tiling navigator that includes predefined window arrangements. Tiling navigator 500 includes predefined window arrangements 505 - 520. Each of predefined window arrangements shows a particular arrangement of windows to be displayed on a display device, such as display 100 shown in FIG.1.」
(当審訳:
[0047] 図5Aは、予め定義されたウィンドウ配置を含むタイリングナビゲータの実施例を示す。タイリングナビゲータ500は、予め定義されたウィンドウ配置505-520を含む。予め定義されたウィンドウの配置のそれぞれは、図1で示されるディスプレイ100のような表示装置上に表示されるウィンドウの特定の配置を示す。)

FIG.3(図3)

FIG.5A(図5A)


第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「ウィンドウ」は、画面上の任意の位置に表示されるものであるから、本願発明1の「表示面の任意の位置に配置される表示領域」に相当する。
(イ)引用発明の「ウィンドウ整列パターン情報」は、本願発明1の「複数の表示領域を重畳することなく前記表示面に配置させるための複数の異なる配置パターン」に相当し、引用発明の「ウィンドウ情報記憶部21」は、本願発明1の「複数の表示領域を重畳することなく前記表示面に配置させるための複数の異なる配置パターンを記憶する記憶部」に相当するといえる。
(ウ)引用発明の「ウィンドウ情報記憶部21から取得した整列パターン情報に基づいて、ウィンドウ整列パターン選択画面(ウィンドウ整列パターンの一覧)を表示」し、「ユーザが」「入力部40を介して」、「ウィンドウ整列パターンの情報」を選択する構成は、本願発明1の「該記憶部に記憶した複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付ける選択受付部」に相当するといえる。
(エ)引用発明の「ウィンドウ整列指示受付部16、ウィンドウ情報取得部12、ウィンドウ整列判断部13aおよびウィンドウ整列処理部14」を備える「制御部10a」は、本願発明1の「前記表示面の任意の位置で表示されている複数の表示領域を、前記選択受付部で選択された配置パターンに応じて配置して表示する表示制御部」に相当するといえる。
(オ)引用発明の「動作開始を指定するためのアイコン」は、本願発明1の「整列操作を受け付ける受付部」に相当するといえ、引用発明の当該「アイコン」を表示する構成は、本願発明1の「整列操作を受け付ける受付部を表示する表示部」に相当するといえる。
そして、引用発明は、「アイコン」をクリックすると動作を開始し、「ウィンドウ情報記憶部21から取得した整列パターン情報に基づいて、ウィンドウ整列パターン選択画面(ウィンドウ整列パターンの一覧)を表示」し、「ユーザが」「入力部40を介して」、「ウィンドウ整列パターンの情報」を選択する」から、本願発明1の「前記選択受付部は、前記受付部で整列操作を受け付けた場合、前記記憶部から読み出されて表示された複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付ける」構成を備えているといえる。
(カ)引用発明の「ウィンドウ表示制御装置」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「表示装置」に相当するといえる。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点があるといえる。

(一致点)
「表示面の任意の位置に配置される表示領域を表示する表示装置であって、
複数の表示領域を重畳することなく前記表示面に配置させるための複数の異なる配置パターンを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶した複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付ける選択受付部と、
前記表示面の任意の位置で表示されている複数の表示領域を、前記選択受付部で選択された配置パターンに応じて配置して表示する表示制御部と、
整列操作を受け付ける受付部を表示する表示部と、
を備え、
前記選択受付部は、前記受付部で整列操作を受け付けた場合、前記記憶部から読み出されて表示された複数の配置パターンから一の配置パターンを選択する操作を受け付けることを特徴とする表示装置。」

(相違点)
本願発明1では、「前記表示部は、前記複数の表示領域のうち、最前面に位置する表示領域のみに前記受付部を表示し」ているのに対し、引用発明では、そのような表示部の構成は特定されていない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
引用文献Bには、複数のウィンドウ300、310を表示する表示装置100において、重ねられて配置された各ウィンドウの上縁に、ウィンドウの位置及びサイズを変更するためのタイリングナビゲータ140を表示するためのドロップダウン検出エリア120を表示することが記載されており、この「タイリングナビゲータ140を表示するためのドロップダウン検出エリア120」は、本願発明1の「整列操作を受け付ける受付部」に相当するといえる。
しかしながら、引用文献Bに記載される「ドロップダウン検出エリア120」は、最前面に位置するアクティブなウィンドウ300のみならず、(最前面に位置していない)アクティブでないウィンドウ310にも同じように表示されているところ、複数のウィンドウのうち、最前面に位置するアクティブなウィンドウ300のみに「ドロップダウン検出エリア120」を表示することは記載されておらず、示唆されてもいない。
特に、段落[0040]には、「ドロップダウン検出エリア120」をアクティブではないウィンドウ310に表示することにより、アクティブではないウィンドウであっても位置及びサイズを変更することができるようにするものであることが記載されており、この記載からみて、「ドロップダウン検出エリア120」を(最前面に位置していない)アクティブでないウィンドウ310に表示しないようにすること(最前面に位置するアクティブなウィンドウ300のみに表示するようにすること)は、引用文献Bに開示されているに等しい事項であると認めることはできない。
そうしてみると、仮に、引用発明に引用文献Bの技術的事項を適用できたとしても上記相違点に係る本願発明1の構成には至らない。

また、上記相違点に係る本願発明1の構成は、原査定の拒絶理由に引用された引用文献C、Dにも記載されておらず、さらに、本願出願日前に周知技術であったともいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明および引用文献B記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

2.本願発明2-11について
本願発明2-11は、上記相違点に係る本願発明1と同じ構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明12について
本願発明12は、上記相違点に係る本願発明1の構成と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-09-14 
出願番号 特願2017-225005(P2017-225005)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 酒井 優一  
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 ▲吉▼田 耕一
林 毅
発明の名称 表示装置及び表示方法  
代理人 馬場 信幸  
代理人 神田 正義  
代理人 宮尾 明茂  
代理人 藤本 英介  

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