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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  E04B
管理番号 1366088
異議申立番号 異議2020-700252  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-04-10 
確定日 2020-09-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第6596243号発明「耐震スリット芯材及び耐震スリット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6596243号の請求項1ないし3、5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6596243号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年6月22日に特許出願され、令和1年10月4日に特許の設定登録がされ、令和1年10月23日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1ないし3、5に係る特許に対し、令和2年4月10日に特許異議申立人鈴木ようこ(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において令和2年6月29日付けで申立人に対し審尋し、その指定期間内である同年7月21日付けで申立人より回答書が提出された。

第2 本件発明
特許第6596243号の請求項1ないし3、5の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」などという。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし3,5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
建築物の構造柱と非構造壁との間に介在させる耐震スリットの耐震スリット芯材であって、該耐震スリット芯材は、変形復帰性75%以上の合成樹脂発泡板と、その長手方向に沿った端面の少なくとも一面側に備えられた耐火材とからなり、上記合成樹脂発泡板は、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、硬質ウレタン系樹脂又はフェノール系樹脂からなり、かつ上記合成樹脂発泡板の長手方向寸法が100?3000mm、短手寸法が90?400mm、厚み方向の寸法が15?60mmであり、上記耐火材が断面コの字状の金属箔であり、該断面コの字状の金属箔により合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われており、上記断面コの字状の金属箔の突き出し部の長さが5?20mmであり、上記断面コの字状の金属箔は、少なくとも上記突き出し部において合成樹脂発泡板の板面に接着固定されていることを特徴とする、耐震スリット芯材。
【請求項2】
上記合成樹脂発泡板が、その両板面に補強層を有することを特徴とする、請求項1に記載の耐震スリット芯材。
【請求項3】
上記金属箔が、アルミ箔であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐震スリット芯材。」
「【請求項5】
合成樹脂発泡板と、その長手方向に沿った端面側の少なくとも一方側を挟持する力骨材とを備え、合成樹脂発泡板と力骨材との間に耐火材を有する、建築物の構造柱と非構造壁との間に介在させる耐震スリットにおいて、上記合成樹脂発泡板は、変形復帰性75%以上の合成樹脂発泡板からなり、上記合成樹脂発泡板は、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、硬質ウレタン系樹脂又はフェノール系樹脂からなり、かつ上記合成樹脂発泡板の長手方向寸法が100?3000mm、短手寸法が90?400mm、厚み方向の寸法が15?60mmであり、上記耐火材が断面コの字状の金属箔であり、該断面コの字状の金属箔により合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われており、上記断面コの字状の金属箔の突き出し部の長さが5?20mmであり、上記断面コの字状の金属箔は、少なくとも上記突き出し部において合成樹脂発泡板の板面に接着固定されていることを特徴とする、耐震スリット。」

第3 申立理由の概要
申立人が主張する申立理由の概要は以下のとおりである。
1 申立理由1
(1)本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(2)本件発明2、3は、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(3)本件発明5は、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。

[証拠方法]
甲第1号証:特開2002-180694号公報
甲第2号証:特開2001-288926号公報
甲第3号証:スリットンPAT施工要領 コスモスイニシア仕様、岡部株式会社 ドラーフタイト工業株式会社、平成19年3月23日、目次、p.1?15
甲第4号証:社団法人日本建築構造技術者協会、鉄筋コンクリート造建築物における構造スリット設計指針、技報堂出版株式会社、2009年8月25日、p.115、118、119、120、124、126、127、129、131、133、135、137、139
甲第5号証:特開2012-255269号公報
甲第6号証:特開2005-54371号公報

第4 各甲号証の記載
1 甲第1号証について
(1)甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、以下の事項が記載されている(下線は当決定で付した。以下同様)。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート建築物の柱部又は梁部と壁部との接合部相互間に設置される耐震スリット材に関する。特に、地震よる耐震スリット材の変形によって生じる隙間に起因する耐火性能の低下を防止するための改良技術に関する。」

イ「【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決するために発明したものであり、地震作用や火炎によりスリット材本体の部分やコンクリート部との界面部分などに形成される間隙によって派生する耐火能力の低下を解消して、耐火性能の良好な耐震スリット材を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため、コンクリート建築物の柱部又は梁部と壁部との接合部相互間に設置される前記耐震スリット材において、その耐震スリット材を構成するスリット材本体の表面に加熱により膨張するシート状の熱膨張耐火材を貼付するという技術手段を採用した。しかして、熱膨張耐火材が所定温度以上の高熱に晒されると熱膨張して、地震時の変形によりできるスリット材本体とコンクリート部との隙間や、火炎により消失してできる空隙部などにも入り込み、それらの火炎や熱風が侵入するおそれのある間隙部を耐火材によって遮断する。これにより、所期の耐火能力が維持されるので、耐火性能の良好な耐震スリット材を提供できる。なお、耐火材の設置に関しては、スリット材本体を支持する支持部材の表面に貼付したり、スリット材本体に溝部を形成し、その溝部に設置したりすることも可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係る耐震スリット材は、柱部と壁部との間に設置される垂直スリット材や、梁部と壁部との間に設置される水平スリット材などとして広く適用することが可能である。前記熱膨張耐火材としては、加熱により熱膨張する適宜の耐火材を使用することができる(例えば、特開2000-1927号公報、特開2000-38785号公報、特開2000-159903号公報、特開2000-192570号公報、特開2000-202846号公報、特開2000-230287号公報参照)。その耐火材の裏面に接着剤を塗布して離型紙を貼付しておくことにより貼付作業の利便性を図ることも可能である。なお、前記熱膨張耐火材により耐火性能が補完されることから、耐震スリット材を構成するスリット材本体として、発泡ポリエチレンや発泡ウレタン等の変形能力は大きいが、耐火性能の劣る材質を選定した場合に生じる耐火上の問題も解消できる。また、前記熱膨張耐火材によって高熱の移動空間が埋められることから、耐火性能は優れているが、地震による圧縮変形後の復元能力の乏しいケイ酸カルシウム板や、復元能力が不十分で完全には復元しないロックウールやセラミックファイバー等の使用も可能である。なお、シート状の熱膨張耐火材の場合は、そのシートの厚み方向に膨張する特性を有しているので、スリット材本体の表面に貼付する際には、壁厚方向にシートの幅方向が向くように貼付することが望ましい。スリット材本体を支持する支持部材の表面に貼付する場合には、外表面だけでなく、内表面に貼付してスリット材本体との間に挟まれるように設置してもよい。また、スリット材本体に溝部を形成して熱膨張耐火材を設置する場合には、その熱膨張耐火材の形状はシート状に限定されず、適宜の断面形状を採用できる。以上のほか、コンクリートの側圧に対応して適宜の補強手段を施す等の、耐震スリット材として一般的に採用されている種々の技術手段を適用し得ることはいうまでもない。
【0006】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明の一実施例に係る耐震スリット材を型枠に設置した状態を示した斜視図であり、図2はその平面図である。図示のように、本実施例に係る耐震スリット材1は、スリット材本体2、該スリット材本体2を両側から係合支持する略コ字状断面を有する支持部材3,4及びそれらの支持部材3,4相互間に架設される補強部材5等から構成される。そして、耐震スリット材1を型枠6,7へ取付る場合には、本実施例では目地棒を兼ねた固定部材8,9を介して取付けられる。すなわち、前記支持部材3,4には、それらの固定部材8,9に係合し得るように係合片10,11がテーパ状に一体形成されており、型枠6,7に釘等により固定された固定部材8,9を係合片10,11の間に係合することにより、耐震スリット材1を型枠6,7へ取付けるように構成されている。なお、以下の実施例においても、支持部材としてスリット材本体2を両側から係合支持する支持部材3,4を使用した場合を例示したが、本発明は、スリット材本体2を片側から支持する形態にも適用し得る。また、固定部材に関しても、以下の実施例において目地棒を兼ねた固定部材8,9を使用した場合を例示したが、支持部材3,4を介してスリット材本体2を型枠6,7へ固定し得るものであればよく、目地棒を兼ねない形態など、適宜の形態の固定部材が使用可能である。」

ウ「【0012】図8に示した実施例は、熱膨張耐火材25をスリット材本体2の端部と支持部材3のコ字状部分の内面との間に設置する場合を示したものである。すなわち、本実施例では、シート状の熱膨張耐火材25をスリット材本体2の端部あるいは支持部材3の内面に沿ってコ字状に折曲げて貼付した上、それらのスリット材本体2の端部と支持部材3のコ字状部分の内面との間に設置される。」

エ 図面
(ア)図1




上記図1より、スリット材本体2は、断面が矩形で上下方向に延びる板状である点が看取できる。

(イ)図8





上記図8から以下の点が看取できる。
・熱膨張耐火材25が、断面コの字状をしていて、スリット材本体2の長手方向に沿った端面の一方側に備えられている点。
・支持部材3,4が、それぞれ内面にコ字状部分を有している点。

また、上記図1及び図8から、以下の点が看取できる。
・耐震スリット材1が、熱膨張耐火材25を含んでいる点。

(2)甲第1号証に記載された発明
上記(1)ア?エを踏まえると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(甲1発明)
「コンクリート建築物の柱部と壁部との接合部相互間に設置される耐震スリット材1であって、
耐震スリット材1は、板状のスリット材本体2、該スリット材本体2を両側から係合支持する略コ字状断面を有する支持部材3,4及びそれらの支持部材3,4相互間に架設される補強部材5、シート状の熱膨張耐火材25等から構成されるものであって、
板状のスリット材本体2は、発泡ポリエチレンや発泡ウレタン等の変形能力が大きいものであって、
支持部材3,4は、それぞれ内面にコ字状部分を有しており、
シート状の熱膨張耐火材25は、断面コの字状をしていて、板状のスリット材本体2の長手方向に沿った端面の一方側に備えられているとともに、板状のスリット材本体2の端部と支持部材3、4のコ字状部分の内面との間に設置され、板状のスリット材本体2の表面に貼付されており、熱膨張耐火材25は、所定温度以上の高熱に晒されると熱膨張して、地震時の変形によりできるスリット材本体とコンクリート部との隙間や、火炎により消失してできる空隙部などにも入り込み、それらの火炎や熱風が侵入するおそれのある間隙部を耐火材によって遮断するものである、
耐震スリット材。」

2 甲第2号証について
(1)甲第2号証の記載事項
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート製建築物の耐震強度を向上させるために、柱と壁又は梁と壁との接合部付近に埋設される耐震用スリット材に関する。」

イ「【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の耐震用スリット材は、芯材の表面に防火用シートを貼着したことを特徴とする。
【0007】前記防火用シートは、溶接作業等の行なわれる側を考慮して、前記芯材の両側表面に貼着してもよい。
【0008】前記防火用シートをアルミニウム製とすれば、不燃性で、薄肉シート状とするのが容易であり、芯材の剛性をも向上させるので、好ましい。」

ウ「【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐震用スリット材の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、柱と壁との間に埋設される耐震用スリット材を型枠に固定した状態を示す断面図、図2は、梁と壁との間に埋設される耐震用スリット材を型枠に固定した状態を示す断面図である。【0010】図1に示す耐震用スリット材1は、板状の芯材2の両端部に支持材3,4を嵌合したものである。
【0011】芯材2は、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡合成樹脂成形体2aの表面に防火用シート2b,2bを貼着したものである。防火用シート2bは、不燃性又は難燃性の材料、例えば、アルミニウム等の金属、難燃性の合成樹脂等からなるシートである。特に、アルミニウムは、不燃性で、薄肉シート状とするのが容易であり、芯材2の剛性をも向上させるので、好ましい。
【0012】図1において、防火用シート2bを、発泡合成樹脂成形体2aの両側表面に貼着しているが、溶接作業等の行なわれる側を考慮して、片側表面にのみ貼着するようにしてもよい。尚、防火用シート2bは、接着剤、粘着テープ等による接着等、適宜方法により貼着すればよい。」

エ 図1




(2)甲第2号証に記載された事項
上記(1)ア?エを踏まえると、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲第2号証に記載の事項」という。)が記載されていると認められる。
(甲第2号証に記載の事項)
ア 柱と壁との接合部付近に埋設される耐震用スリット材1が、板状の芯材2の両端部に支持材3,4を嵌合したものであって、芯材2は、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡合成樹脂成形体2aの表面に防火用シート2b,2bを貼着したものである点。
イ 耐震用スリット材1の芯材2の両側表面に防火用シート2bを貼着し、前記防火用シート2bを不燃性のアルミニウム製とし、芯材の剛性をも向上させた点。

3 甲第3号証について
(1)甲第3号証の記載事項
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
ア 1頁第5-7行
「1-2 適用範囲
本施工要領書は、新築工事における非構造壁(非耐力壁)において、スリットンを使用した構造スリット(耐震スリット工事)に適用します。」

上記記載から、甲第3号証の「スリットンPAT施工要領」は、新築工事における非構造壁における耐震スリット工事に適用される要領書であるといえる。

イ 3頁左上




上記図1から、垂直スリット(A2-RC)において、板状のスリット材の長手方向に沿った端部に、スリット材と力骨の間に挟み込んで、断面コ字状のアルミシートが設けられ、スリット材の端部側がスリット材の板面に沿う折り返し部を有するアルミシートで覆われている点が看取できる。
なお、上記の図の赤い下線は、当決定で付与したものではなく、甲第3号証に記載の事項を認定するに当たって考慮はしていない。

(2)甲第3号証に記載の事項
上記(1)ア?イを踏まえると、甲第3号証には、次の事項(以下、「甲第3号証に記載の事項」という。)が記載されていると認められる。
(甲第3号証に記載の事項)
ア 新築工事における非構造壁における耐震スリット工事に適用される垂直スリット(A2-RC)において、板状のスリット材の長手方向に沿った端部に、スリット材と力骨の間に挟み込んで、断面コ字状のアルミシートが設けられ、スリット材の端部側がスリット材の板面に沿う折り返し部を有するアルミシートで覆われている点。

4 甲第4号証について
(1)甲第4号証の記載事項
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
ア 115頁 「表2 鉛直スリット性能試験結果一覧」
(ア)最も左の欄の記載とこれに対応する「変形復帰性変形量^(*1)」の欄の数値。
以下、順に、最も左の欄の記載、「変形復帰性変形量^(*1)」の欄の1段目の数値、同2段目の数値を摘記する。
「アクシス(株)NX-3O」、「31.4/28.7」、「91.4%」
「(株)朝日建装 イージースリット」、「26.8/26.8」、「100%」
「エキスパンウォール(株)カンタンスリット」、「29.6/28.5」、「96.3%」
「(株)カネカ^(*2) 鉛直スリット」、「25.9/23.2」、「89.6」
「(株)東京パイロン販売^(*2)P-30ロックウール」、「31.4/31.0」、「98.7%」
「丸井産業(株) 紋次郎AZ」、「25.9/23.6」、「91.1%」
「(株)ロンビックジャパン Z00Mスリット」、「30.1/30.1」、「100%」
「ドラーフタイト工業(株)^(*2)スリットン」、「24.6/23.4」、「95.1%」
(イ)欄外の「(注)」の記載
「^(*)1 1段目:スリット材の元厚/試験後の復帰厚,
2段目:残存率=試験後の復帰厚/スリット材の元厚.」
「^(*)2 2000年の試験方法による結果を示す.」

イ 118?120、124、126、127、129、131、133、135、137、139頁の資料に記載された事項
以下、順に、「緩衝(スリット)材」、「スリット幅(スリット材厚さ)」、「対応壁厚」、「定尺長さ」の欄の事項を摘記する。
118頁「ポリスチレンフォーム」、「20・30・35・40・50mm」、「100 ?900mm ※255mm以上は特注仕様」、「2025mm・2250mm」
119頁「ポリスチレンフォーム」、「25・30mm」、「120?900mm ※27 5mm以上は特注仕様」、「2025mm・2250mm」
120頁「ポリスチレンフォーム」、「15?90mm」、「60?900mm ※220 mm以上は特注仕様」、「2025mm・2250mm」
124頁「ポリエチレンフォーム」、「25(標準)・30・40・50mm」、「 100?700mm」、「2100mm」
126頁「ポリスチレンフォーム」、「25・30・35mm」、「100?300mm *規格外対応可」、「2000mm・2250mm」
127頁「ポリエチレン独立発泡体」、「15?50mm *規格外対応可」、 「100?220mm*規格外対応可」、「2000mm・2250mm」
129頁「押出しポリスチレンフォーム」、「25?35mm」、「120?200mm 」、「2000mm」
131頁「ポリエチレンフォーム」、「15?90mm」、「60?900mm ※220 以上は特注仕様」、「2000mm・2250mm」
133頁「ポリエステル(耐火EMTパネル)」、「25・30・35・40mm」、 「100?250mm 250mm以上対応可」、「2000mm・2300mm」
135頁「ポリエステル(耐火EMHパネル)」、「25・30・35・40mm」、 「100?250mm 250mm以上対応可」、「2000mm・2300mm」
137頁「ポリスチレンフォーム」、「25・30・35mm」、「120?250mm 規格外受注生産」、「2000mm・2250mm」
139頁「高性能フェノールフォーム」、「25・30・35・50mm」、「120 ?230mm 230mm?補強付き」、「2000mm L寸カット対応可」

5 甲第5号証について
(1)甲第5号証の記載事項
甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
本発明は、耐震スリット材及びその製造方法に関する。耐震スリット材とは、コンクリート建造物におけるコンクリートとコンクリートとの間に部分的又は全面的に埋設して地震発生時の衝撃を緩和するために使用するものである。」

イ「【0025】
本発明の耐震スリット材は、セメント(水硬性無機質結合剤)と、合成高分子製の発泡ビーズ粒体とを、副資材とともに混合してなるスラリー組成物を硬化させて、圧縮試験(「独立行政法人都市再生機構」制定の「機材の品質判定基準(平成20年5月版);スリット材の性能試験方法」)の変形復帰性が83%(望ましくは、85%、さらに望ましくは88%)以上を示すものである。
【0026】
この耐震スリット材は、発泡ビーズ粒体として、一置換エチレンモノマーの重合体(ビーズ重合体)及び/又は一置換エチレンモノマーをゴム系重合体に対してグラフトさせた重合体からなるものを使用することが望ましい。」

ウ「【0042】
上記一置換エチレンモノマー重合体としては、ポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン(単独重合体)、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂の中でも、強度と柔軟性のバランスに優れており、且つ発泡粒子をつぶしても元の形状に戻りやすい等の観点から、ポリオレフィン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂であることが好ましい。」

6 甲第6号証について
(1)甲第6号証の記載事項
甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート建造物における柱部または梁部と壁部の間に埋設される耐震用スリット材に関する。」

イ「【0011】
本発明の耐震用スリット材は、熱硬化性樹脂に属するフェノール樹脂の発泡体を選択した点に大きな特徴がある。すなわち、フェノール樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂からなる従来の発泡体と同様に適度な弾性と高い断熱性能を有するが、高温に曝されたときに融解や収縮することがなく、設置場所内でほぼそのままの形態で維持されることから、耐震用スリット材としての機能に変化が生じないという利点がある。特に、フェノール樹脂発泡体は、従来の耐震用スリット材に適用されている上記熱可塑性樹脂に比べて熱分解温度が高く、しかも加熱により表面層が炭化(グラファイト化)し、その炭化膜が酸素を遮断して内部への燃焼を抑制する特性がある。これにより、ケイ酸カルシウム板やロックウール等の耐火材が不要になると同時に、施工時において型枠間に耐震用スリット材を固定する際に用いる支持部材の簡略化あるいは小型化が可能であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
さらに、上記フェノール樹脂発泡体は、その少なくとも片面にシート状補強材が積層されたものであると好適である。シート状補強材としては、例えばアルミ箔等の金属箔、紙、硬質の合成樹脂シートなどを単独で、あるいはそれら素材を適宜組み合わせて使用することができる。この場合には、フェノール樹脂発泡体と一体になったシート状補強材が、曲げや剪断もしくは引張りに対する抵抗部材として機能するので、耐震用スリット材の剛性が大幅に高まる。このため、コンクリート打設中に突発的にコンクリート圧が急上昇したり、あるいは打設コンクリートの高さが高くなってコンクリート圧が上昇した場合においても、型枠間に設置された耐震用スリット材が変形したり、位置ずれを生じることがない。」

ウ「【0019】
図3は、耐震用スリット材の他の実施例である。図示の耐震用スリット材20は、フェノール樹脂発泡体21の両面に不織布22とアルミ箔23を順次積層したものである。この場合、フェノール樹脂発泡体21は、それよりも強度または剛性の高い素材である不織布22とアルミ箔23で挟まれることにより補強されることになる。このため、フェノール樹脂発泡体21は打設コンクリートの圧力を受けても変形することなく、位置ずれを生じることもない。なお、不織布22とアルミ箔23は、フェノール樹脂発泡体21の片側のみの設けてもよい。」

エ 図3





(2)甲第6号証に記載された事項
上記(1)ア?エを踏まえると、甲第6号証には、次の事項(以下、「甲第6号証に記載の事項」という。)が記載されていると認められる。
(甲第6号証に記載の事項)
ア 耐震用スリット材が、フェノール樹脂発泡体21の両面に、補強材である不織布22とアルミ箔23を順次積層した点。

第5 対比・判断
1 申立理由1(進歩性)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「耐震スリット材1」は、本件発明1の「耐震スリット」に相当する。
また、甲1発明の「板状のスリット材本体2」と「シート状の熱膨張耐火材25」とからなる構成体と、本件発明1の「合成発泡樹脂板」と「耐火材」からなる「耐震スリット芯材」とは、「合成発泡樹脂板」と「耐火材」からなる「耐震スリット芯材」である点で共通する。

(イ)甲1発明の「コンクリート建築物の柱部」は、本件発明1の「建築物の構造柱」に、相当する。
また、甲1発明の「耐震スリット材1」は、「コンクリート建築物の柱部と壁部との接合部相互間に設定」されていて、「壁部」は、構造体である「柱部」とは区分されているといえることから、非構造体の部材(壁)であるといえる。そうすると、甲1発明の「壁部」は、本件発明1の「非構造壁」に相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明1の「建築物の構造柱と非構造壁との間に介在させる耐震スリット」の構成を有しているといえる。

(ウ)甲1発明の「発泡ポリエチレン」を材質として選定した「板状のスリット材本体2」は、本件発明1の「ポリオレフィン系樹脂」からなる「合成樹脂発泡板」に相当する。なお、甲1発明は、本件発明1の「合成樹脂発泡板」が「ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、硬質ウレタン系樹脂又はフェノール系樹脂からな」る点に相当する構成を有さないが、本件発明1の上記箇所は、択一的事項であるため、この点は相違点とはならない。

(エ)甲1発明の「スリット材本体2の長手方向に沿った端面の1方側に備えられている」「シート状の熱膨張耐火材25」と、本件発明1の「合成樹脂発泡板」の「長手方向に沿った端面の少なくとも一面側に備えられた耐火材」であって「金属箔である」こととは、「合成樹脂発泡板」の「長手方向に沿った端面の少なくとも一面側に備えられた耐火材」である「シート状部材」の点で共通する。
また、甲1発明の「シート状の熱膨張耐火材25」が「断面コの字状」をしていることは、本件発明1の「耐火材」が「断面コの字状」をしていることに相当する。さらに、甲1発明の「シート状の熱膨張耐火材25」により合成樹脂発泡板の端面側が覆われていることは明らかであり、この点と、本件発明1の「金属箔により合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われて」いることとは、「耐火材」により「合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われて」いる点で共通する。
さらに、甲1発明の「熱膨張耐火材25」は、スリット材本体2の表面に貼付されていることから、板状のスリット材本体2の板面に接着固定されていること明らかであり、この点と、本件発明1の「金属箔」が「少なくとも上記突き出し部において合成樹脂発泡板の板面に接着固定されていること」とは、「耐火材」が「合成樹脂発泡板の板面に接着固定されて」いる点で共通する。

以上のことから、甲1発明と本件発明1とは、「その(合成樹脂発泡板の)長手方向に沿った端面の少なくとも一面側に備えられた耐火材」であって「上記耐火材が断面コの字状」の「シート状の部材」であり、「該断面コの字状のシート状部材」により「合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われており」、「上記断面コの字状」の「シート状部材」は、合成樹脂発泡板の板面に接着固定されている」点で共通する。

そうすると、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)
「建築物の構造柱と非構造壁との間に介在させる耐震スリットの耐震スリット芯材であって、該耐震スリット芯材は、合成樹脂発泡板と、その長手方向に沿った端面の少なくとも一面側に備えられた耐火材とからなり、上記合成樹脂発泡板は、ポリオレフィン系樹脂からなり、上記耐火材が断面コの字状のシート状部材であり、該断面コの字状のシート状部材により合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われており、上記断面コの字状のシート状部材は、合成樹脂発泡板の板面に接着固定されている耐震スリット芯材。」

(相違点1)
「合成樹脂発泡板」が、本件発明1では、「変形復帰性75%以上」のものであるのに対し、甲1発明では、変形能力が大きいものであるものの変形復帰性75%以上のものと特定されていない点。
(相違点2)
「合成樹脂発泡板」の寸法について、本件発明1では、「長手方向寸法が100?3000mm、短手寸法が90?400mm、厚み方向の寸法が15?60mm」であるのに対し、甲1発明では、いずれの方向の寸法も特定されていない点。
(相違点3)
「シート状部材」である「耐火材」が、本件発明1では、「金属箔」であるのに対し、甲1発明では、熱膨張耐火材である点。
(相違点4)
「シート状部材」である「耐火材」の突き出し部の長さが、本件発明1では、「5?20mm」と特定されているのに対し、甲1発明では、特定されていない点。
(相違点5)
「シート状部材」である「耐火材」の合成樹脂発泡板の板面への接着固定について、本件発明1では、「少なくとも突き出し部」において「接着固定」しているのに対し、甲1発明ではそのように特定されていない点。

イ 判断
事案に鑑みて、相違点3から検討する。
(ア)相違点3について
甲第2号証及び甲第3号証には、上記第4の2(2)イ及び同3(2)のとおりのアルミ製のシートについての技術が記載されている。
しかしながら、甲1発明の「シート状部材」である「耐火材」は、熱膨張耐火材であって、所定温度以上の高熱に晒されると熱膨張して、地震時の変形によりできるスリット材本体とコンクリート部との隙間や、火炎により消失してできる空隙部などにも入り込み、それらの火炎や熱風が侵入するおそれのある間隙部を耐火材によって遮断するものであるのに対して、甲第2号証及び甲第3号証に記載されたアルミ製のシートは、耐火性能を有しているとしても、高温により膨張して、地震時の変形によってできる合成樹脂発泡板の隙間などに入り込むなどの機能を有していない。よって、甲1発明の熱膨張耐火材と、甲第2号証及び甲第3号証に記載されたアルミ製のシートとは同じ作用効果を有していない。
また、甲第2号証に記載されたアルミニウム製の「防火用シート2b」は、「芯材2」の両側表面に貼着されるものであって、甲1発明の熱膨張製耐火材が貼着される位置とは異なっている。また、甲第3号証に記載された「アルミシート」は、当該「アルミシート」を含む垂直スリット(A2-RC)を適用する工事が、非構造壁における耐震スリット工事であることから、甲1発明の耐震スリット材とは、適用される工事の種類が異なっている。
以上のことから、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載の技術を適用する動機付けはないというべきである。
また、甲第4号証ないし甲第6号証をみても、相違点3に係る本件発明1の構成は、記載も示唆もされていない。
したがって、甲1発明において、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者であっても容易に想到することはできない。

(イ)申立人は、本件発明1と甲1発明との相違点として、合成樹脂発泡板の板面に接着固定される「耐火材」について、本件発明1では、「金属箔」であるが、甲1発明では、「熱膨張耐火材25」である点(相違点1)(上記アの「相違点3」に相当)とした上で、本件発明1の合成樹脂発泡板の板面に接着固定される「耐火材」が「金属箔」であるとの点は、耐震スリットなる甲1発明と技術分野を一にする甲第2号証及び甲第3号証に記載されている旨主張する。(申立書14頁13-15行、15頁1-12行)
しかしながら、上記のとおり、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載の技術を適用する動機付けはないというべきであるから、甲1発明において、相違点3(申立人のいう「相違点1」)に係る本件発明1の構成とすることは、当業者であっても容易に想到することはできない。
以上のとおりであるから、申立人の主張を採用することはできない。

ウ 小括
したがって、本件発明1は、その他の相違点を検討するまでもなく、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、本件発明1の構成を全て含み更に減縮したものであるから、本件発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)本件発明5について
ア 対比
(ア)甲1発明の「板状のスリット状本体2」と、「支持部材3,4」とを備え、「板状のスリット状本体2」と「支持部材3」との間に「シート状の熱膨張耐火材25」を有する「耐震スリット材1」と、本件発明5の「合成樹脂発泡板」と、「力骨材」とを備え、「合成樹脂発泡板」と「力骨材」との間に「耐火材」を有する「耐震スリット」とは、「合成樹脂発泡板」と、「力骨材」とを備え、「合成樹脂発泡板」と「力骨材」との間に「耐火材」を有する「耐震スリット」である点で共通する。

(イ)甲1発明の「板状のスリット材本体2を両側から係合支持」する「支持部材3、4」は、本件発明5の「合成樹脂発泡板」の「端面側の少なくとも一方側を挟持する力骨材」に相当する。また、甲1発明の「支持部材3、4」が、「板状のスリット材本体2」の長手方向に沿った端面側を挟持していることは明らかである。
そうすると、甲1発明が、本件発明5の「合成樹脂発泡板と、その長手方向に沿った端面側の少なくとも一方側を挟持する力骨材とを備え」の構成を有しているといえる。

(ウ)甲1発明の「板状のスリット材本体2の端部と支持部材3のコ字状部分の内面との間」に「シート状の熱膨張耐火材25」を設置することと、本件発明5の「合成樹脂発泡板と力骨材との間に耐火材を有する」とは、「合成樹脂発泡板と力骨材との間に耐火材を有する」点で共通する。

その他の点については、上記(1)アの(イ)ないし(エ)を援用する。

そうすると、本件発明5と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)
「合成樹脂発泡板と、その長手方向に沿った端面側の少なくとも一方側を挟持する力骨材とを備え、合成樹脂発泡板と力骨材との間に耐火材を有する、建築物の構造柱と非構造壁との間に介在させる耐震スリットにおいて、上記合成樹脂発泡板は、ポリオレフィン系樹脂からなり、上記耐火材が断面コの字状のシート状部材であり、該断面コの字状のシート状部材により合成樹脂発泡板の前記端面側が覆われており、上記断面コの字状のシート状部材は、合成樹脂発泡板の板面に接着固定されている耐震スリット。」

(相違点6)
合成樹脂発泡板が、本件発明5では、変形復帰性75%以上のものであるのに対し、甲1発明では、変形能力が大きいものであるものの変形復帰性75%以上のものと特定されていない点。
(相違点7)
合成樹脂発泡板の寸法について、本件発明5では、長手方向寸法が100?3000mm、短手寸法が90?400mm、厚み方向の寸法が15?60mmであるのに対し、甲1発明では、いずれの方向の寸法も特定されていない点。
(相違点8)
耐火材が、本件発明5では、金属箔であるのに対し、甲1発明では、シート状の熱膨張耐火材である点。
(相違点9)
耐火材の突き出し部の長さが、本件発明5では、5?20mmと特定されているのに対し、甲1発明では、特定されていない点。
(相違点10)
耐火材の合成樹脂発泡板の板面への接着固定について、本件発明5では、耐火材の少なくとも突き出し部において接着固定しているのに対し、甲1発明では特定されていない点。

イ 判断
上記相違点6ないし10は、上記(1)アの相違点1ないし5と同様である。
そして、事案に鑑みて、相違点8から検討すると、上記(1)イ(ア)と同様の検討結果になる。

ウ 小括
本件発明5は、その他の相違点を検討するまでもなく、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)まとめ
以上のとおり、申立人が主張する理由によって、本件発明1ないし3、5に係る特許を取り消すことはできない。

第6 むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし3、5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし3,5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-08-27 
出願番号 特願2015-124752(P2015-124752)
審決分類 P 1 652・ 121- Y (E04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 秋田 将行
特許庁審判官 西田 秀彦
森次 顕
登録日 2019-10-04 
登録番号 特許第6596243号(P6596243)
権利者 株式会社ジェイエスピー
発明の名称 耐震スリット芯材及び耐震スリット  
代理人 梶 俊和  

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