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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G09G 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G09G |
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管理番号 | 1367884 |
審判番号 | 不服2019-15326 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-11-15 |
確定日 | 2020-12-03 |
事件の表示 | 特願2017-242556「電界発光表示装置及びその駆動方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月21日出願公開、特開2019- 28426、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成29年12月19日にされた特許出願(パリ条約による優先権主張、平成29年7月27日、韓国)である。 平成30年12月7日付けで拒絶理由が通知(発送日:平成30年12月13日)された後、平成31年3月13日付けで特許請求の範囲についての補正がされ、さらに平成31年4月3日付けで最後の拒絶理由が通知(発送日:平成31年4月9日)された後、令和元年7月1日付けで特許請求の範囲についての補正がされ、同年7月17日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、同年7月23日に査定の謄本が送達された。 これに対して、令和元年11月15日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に特許請求の範囲についての補正(以下「本件補正」という。)がされ、同年12月5日付けで前置報告がされた。 第2 原査定の概要 原査定(令和元年7月17日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。 2.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 1-4 ・引用文献等 1 出願人は、令和1年7月1日付け提出の意見書において、 『(II) 審査官殿は、請求項1の第3、第4段落に関して、第1カラーのセンシングデータに基づいてピクセルの特性が一括して補償されている構成であるのか、又は、ピクセルを形成する複数カラーのピクセルが各々独立して補償されている構成であるのか、どちらの構成であるのか不明である、と指摘なさいました。前者は本願明細書の段落[0071]?[0092]、図9?14に記載される1カラーセンシング方式を、後者は本願明細書の段落[0062]?[0070]、図6?8に記載される4カラー順次センシング方式を意図しているものと思料します。 現在の請求項1に係る発明は、これら2つの方式をどちらも含むものです。したがって、そのことを強調するために、「前記第1カラーのセンシングデータに基づいて少なくとも前記第1カラーのピクセルの電気的特性の補償値を計算する」と補正しました。これにより、1カラーセンシング方式と4カラー順次センシング方式の両方を含むことが明確になったものと思料します。』旨主張している。 しかしながら、令和1年7月1日付けの補正により、第1カラーのセンシングデータに基づいて(他の色のピクセルも含めて)ピクセルの特性が一括して補償されている構成以外に、第1カラーのセンシングデータに基づいて第1カラーのピクセルの電気的特性を補償してなる構成(1つのサブピクセルに対応して、1つのセンシング回路が設けられてなる構成)をも含み得るものとなった(補正後の請求項においては、発明特定事項が上位概念化されたものと認められる。)。 ここで、第1カラーのセンシングデータに基づいて第1カラーのピクセルの電気的特性を補償してなる構成、即ち、1つのサブピクセルに対応して1つのセンシング回路が設けられてなる構成は、平成30年12月7日付け拒絶理由通知書において提示した引用文献1に記載されている。 してみると、上記意見書における出願人の主張を採用し、特許とすることはできない。 <拒絶理由が解消されているか否かについての判断を行っていない請求項> 令和1年7月1日付け手続補正書による補正により、平成30年12月7日付け拒絶理由が解消していないこととなった。ここで、平成30年12月7日付け拒絶理由においては、請求項5?17(補正後の請求項5?15に相当する。)に関して、新規性及び進歩性等の判断を行っていない。 よって、請求項5?15に係る発明については、平成30年12月7日付け拒絶理由通知に記載した拒絶理由が解消されているか否かについての判断を行っていない。 <引用文献等一覧> 1.特開2016-009185号公報 第3 本願発明 本願請求項1-15に係る発明(以下、それぞれを「本願発明1」-「本願発明15」という。)は、令和元年11月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-15に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 複数のデータラインと、 複数のセンシングライン及び複数のゲートラインが備えられ、前記複数の前記データラインと前記複数の前記ゲートラインとの交点ごとにマトリクス状に配置され、複数の表示ラインを構成するピクセルが備えられた表示パネルであって、前記ピクセルが複数カラーのピクセルを含む、表示パネルと、 前記複数カラーの内の第1カラーのピクセルに流れるピクセル電流をセンシングして第1カラーのセンシング電圧を得て、第1カラーのセンシング動作期間の間、前記センシング電圧に基づいて第1カラーのセンシングデータを生成するセンシング回路と、 前記第1カラーのセンシングデータに基づいて前記複数カラーの2つ以上のカラーの前記ピクセルの電気的特性の補償値を計算する補償部とを含む電界発光表示装置。 【請求項2】 前記センシング回路は、センシングユニットを含み、 前記センシングユニットは、 前記センシングラインに接続され、前記センシングラインから前記ピクセル電流を受信する反転入力端子、基準電圧を受信する非反転入力端子及び前記センシング電圧を出力する出力端子を含む増幅器と、 前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された積分キャパシターと、 前記積分キャパシターの両端に接続された第1スイッチとを含む、請求項1に記載の電界発光表示装置。 【請求項3】 前記複数カラーのピクセルのそれぞれは、 前記ピクセル電流に応じて発光するOLEDと、 第1ノードに接続されたゲート電極、高電位駆動電圧に接続されたドレイン電極及び第2ノードに接続されたソース電極を含み、ゲート-ソース間電圧に応じて前記ピクセル電流を生成する駆動TFTと、 前記ゲートラインの内、いずれか1つに接続されるゲート電極、前記データラインの内、いずれか1つに接続されるドレイン電極と前記第1ノードに接続されるソース電極を含む第1スイッチTFTと、 前記ゲートラインの内、いずれか1つに接続されたゲート電極、前記センシングラインの内、いずれか1つに接続されたドレイン電極及び前記第2ノードに接続されたソース電極を含む第2スイッチTFTとを含む、請求項2に記載の電界発光表示装置。 【請求項4】 前記センシング動作期間は、初期化期間とセンシング期間を含み、 前記初期化期間において、前記第1スイッチ、前記第1スイッチTFT及び前記第2スイッチTFTがターンオンされ、前記第2ノードを前記基準電圧に初期化しデータラインを介して前記第1ノードにセンシング用データ電圧を印加し、前記駆動TFTに前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電位差に対応するピクセル電流が流れるようにし、 前記センシング期間において、前記第1スイッチTFTと、前記第2スイッチTFTがターンオンされた状態で維持され、前記第1スイッチがターンオフされて、前記駆動TFTに流れるピクセル電流を前記増幅器に統合させて前記センシング電圧を出力する、請求項3に記載の電界発光表示装置。 【請求項5】 前記センシング回路は、2ポイント電流センシング方式を用いて、1ラインセンシングオン時間の内、前記第1カラーのピクセルに含まれた駆動TFTの閾値電圧と電子の移動度を連続的にセンシングし、 前記1ラインセンシングオン時間は、一つの表示ラインに配列された一つの特定の色のピクセルだけを感知するように割り当てられた時間を意味する、請求項1に記載の電界発光表示装置。 【請求項6】 前記補償部はメモリから閾値電圧に関連する補償パラメータ及び電子移動度に関する補償パラメータを検索し、 前記センシング回路は、前記表示ラインのそれぞれについて、前記第1カラーのピクセルを繰り返して、2ポイントセンシングして前記閾値電圧をセンシングするための第1センシングデータと前記電子移動度をセンシングするための第2センシングデータを得て、 前記補償部は、前記第1カラーのピクセルに対して獲得された前記第1センシングデータに基づいて前記第1カラーのピクセルと他の色のピクセル間の駆動TFTの閾値電圧補償値と電子移動度補償値を計算し、前記第1カラーのピクセルに対して獲得された前記第2センシングデータに基づいて前記第1カラーのピクセルと他の色のピクセル間の駆動TFTに対する前記閾値電圧に関連補償パラメータを更新し、前記電子移動度補償値としてメモリ内の電子の移動度に関連する補償パラメータを更新する、請求項5に記載の電界発光表示装置。 【請求項7】 前記センシング回路は、 低階調領域の第1ポイントと高階調領域の第2ポイントを電圧‐電流曲線上で使用して、前記第1ポイントに対応する第1センシング用データ電圧と前記第2ポイントに対応する第2センシング用データ電圧を生成し、 前記1ラインセンシングオン時間に含まれ、前記閾値電圧を感知するための第1区間で前記第1センシング用データ電圧に応じた第1ピクセル電流を感知し、 前記第1区間は、第1初期化期間と第1センシング期間を含み、前記第1初期化期間の内に対応する表示ラインの前記第1カラーのピクセルには、前記第1ピクセル電流が流れ、 前記第1センシング期間の内、前記1つの第1カラーのピクセルに流れる前記第1ピクセル電流を積分して第1センシング電圧を出力し、前記第1センシング電圧に基づいて、 第1センシングデータを生成し、 前記1ラインセンシングオン時間に含まれており、前記電子移動度を感知するための第2区間で前記第2センシング用データ電圧に応じた第2ピクセル電流を感知し、 前記第2区間は、第2初期化期間と第2センシング期間を含み、前記第2初期化期間の内に対応する表示ラインの前記第1カラーのピクセルには、前記第2ピクセル電流が流れ、 前記第2センシング期間の内、前記1つの第1カラーのピクセルに流れる前記第2ピクセル電流を積分して第2センシング電圧を出力し、前記第2センシング電圧に基づいて第2センシングデータを生成する、請求項6に記載の電界発光表示装置。 【請求項8】 前記第1区間は、前記第2区間より長い、請求項7に記載の電界発光表示装置。 【請求項9】 前記補償部は、 前記第1センシングデータに係る閾値電圧変化量を導出し、前記閾値電圧に関連する補償パラメータに含まれた初期閾値電圧補償値に前記閾値電圧の変化量を加算した後、その加算結果に各色のオフセットを加えて、それぞれの色のピクセルで駆動TFTを駆動するための閾値電圧補償値を計算し、 前記第2センシングデータによる電子移動度の変化を導出し、前記電子移動度に関連する補償パラメータに含まれた初期電子移動度補償値に前記電子移動度の変化量を加算した後、前記加算結果に各色の加重値を乗じて、各色のピクセルで駆動TFTを駆動するための電子移動度補償値を計算する、請求項6に記載の電界発光表示装置。 【請求項10】 複数のデータライン、複数の感知ライン、複数のゲートライン、及び前記複数の前記データラインと前記複数の前記ゲートラインとの間の各交差点でマトリックス形態に配列された複数カラーのピクセルを含む表示パネルを含む電界発光表示装置の駆動方法において、 センシング動作区間の間に、前記複数カラーの内の第1カラーのピクセルのピクセル電流をセンシングする段階と、 前記第1カラーのセンシング電圧を得るために、前記ピクセル電流を統合し、前記センシング電圧に基づいて前記第1カラーのセンシングデータを生成する段階と、 前記第1カラーのセンシングデータに基づいて前記複数カラーの2つ以上のカラーの前記ピクセルの電気的特性の補償値を計算する段階とを含む電界発光表示装置の駆動方法。 【請求項11】 前記第1カラーのピクセルに含まれた駆動TFTの閾値電圧と電子移動度は2ポイント電流センシング方式を使用して、1ラインセンシングオン時間内で連続的にセンシングされ、 前記1ラインセンシングオン時間は、一つの表示ラインに配置された第1カラーのピクセルだけを感知するように割り当てられた時間を意味する、請求項10に記載の電界発光表示装置の駆動方法。 【請求項12】 前記2ポイント電流センシング方式を用いて、前記1ラインセンシングオン時間の内で、前記第1カラーのピクセルに含まれた駆動TFTの前記閾値電圧と電子の移動度を連続的に感知する段階は、 メモリから前記閾値電圧に関連する補償パラメータ及び電子移動度に関する補償パラメータを検索する段階と、 前記表示ラインのそれぞれについて、前記第1カラーのピクセルを繰り返して、2ポイントセンシングして前記閾値電圧をセンシングするための第1センシングデータと前記電子移動度をセンシングするための第2センシングデータを得る段階と、 前記第1カラーのピクセルに対して獲得された前記第1センシングデータに基づいて前記第1カラーのピクセルと他の色のピクセル間の駆動TFTの閾値電圧補償値と電子移動度補償値を計算する段階と、 前記第1カラーのピクセルに対して獲得された前記第2センシングデータに基づいて前記第1カラーのピクセルと他の色のピクセル間の駆動TFTに対する前記閾値電圧に関連する補償パラメータを更新し、前記電子移動度補償値でメモリ内の電子の移動度に関連する補償パラメータを更新する段階を含む、請求項11に記載の電界発光表示装置の駆動方法。 【請求項13】 前記1つの第1カラーのピクセルについて前記2ポイントセンシングを実行する段階は、 低階調領域の第1ポイントと高階調領域の第2ポイントを電圧‐電流曲線上で使用して、前記第1ポイントに対応する第1センシング用データ電圧と前記第2ポイントに対応する第2センシング用データ電圧を生成する段階と、 前記1ラインセンシングオン時間に含まれ、前記閾値電圧を感知するための第1区間で前記第1センシング用データ電圧に応じた第1ピクセル電流を感知し、前記第1区間は、 第1初期化期間と第1センシング期間を含み、前記第1初期化期間の内に対応する前記表示ラインの前記第1カラーのピクセルには、前記第1ピクセル電流が流れる段階と、 前記第1センシング期間の内、前記1つの第1カラーのピクセルに流れる前記第1ピクセル電流を積分して第1センシング電圧を出力し、前記第1センシング電圧に基づいて、 第1センシングデータを生成する段階と、 前記1ラインセンシングオン時間に含まれ、前記電子移動度を感知するための第2区間で前記第2センシング用データ電圧に応じた第2ピクセル電流を感知し、前記第2区間は、第2初期化期間と第2センシング期間を含み、前記第2初期化期間の内に対応する前記表示ラインの前記第1カラーのピクセルには、前記第2ピクセル電流が流れる段階と、 前記第2センシング期間の内に前記第1カラーのピクセルに流れる前記第2ピクセル電流を積分して第2センシング電圧を出力し、前記第2センシング電圧に基づいて第2センシングデータを生成する段階を含む、請求項12に記載の電界発光表示装置の駆動方法。 【請求項14】 前記第1区間は、前記第2区間より長い、請求項13に記載の電界発光表示装置の駆動方法。 【請求項15】 前記閾値電圧補償値を算出する段階は、 前記第1センシングデータによる閾値電圧変化量を導出し、前記閾値電圧に関連する補償パラメータに含まれた初期閾値電圧補償値に前記閾値電圧の変化量を加算した後、その加算結果に各色のオフセットを加えて、それぞれの色のピクセルで駆動TFTを駆動するための前記閾値電圧補償値を計算し、 前記電子移動度補償値を算出する段階は、 前記第2センシングデータによる電子移動度の変化を導出し、前記電子移動度に関連する補償パラメータに含まれた初期電子移動度の補償値に前記電子移動度の変化量を加算した後、前記加算結果に各色の加重値を乗じて、各色のピクセルで駆動TFTを駆動するための電子移動度の補償値を計算する、請求項12に記載の電界発光表示装置の駆動方法。」 第4 引用文献及び引用発明等 1 引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。 「【0001】 本発明は、有機発光表示装置に関し、特に、駆動素子の電気的特性の偏差を補償することができる有機発光表示装置に関する。」 「【0004】 有機発光表示装置は、OLEDをそれぞれ含む画素をマトリックス形態に配列し、ビデオデータの階調に応じて画素の輝度を調節する。画素それぞれは、自身のゲート電極とソース電極との間にかかる電圧(Vgs)に応じて、OLEDに流れる駆動電流を制御する駆動素子、すなわち、駆動TFT(Thin Film Transistor)を含む。しきい値電圧、移動度などの駆動TFTの電気的特性は、駆動時間の経過に応じて劣化して、画素ごとに偏差が生じることがある。駆動TFTの電気的特性が画素ごとに変われば、同じビデオデータに対して画素間の輝度が変化するため、所望する画像実現が難しい。 【0005】 駆動TFTの電気的特性の偏差を補償するために、内部補償方式と外部補償方式が知られている。内部補償方式は、駆動TFT間のしきい値電圧偏差を画素回路内部で自動的に補償する。内部補償のためにはOLEDに流れる駆動電流が、駆動TFTのしきい値電圧に関係なく決定されるようにしなければならないので、画素回路の構成が非常に複雑である。さらに、内部補償方式は、駆動TFT間の移動度偏差を補償するには不適合である。 【0006】 外部補償方式は、駆動TFTの電気的特性( しきい値電圧、移動度) に対応するセンシング電圧を測定し、このセンシング電圧に基づいて、外部回路でビデオデータを変調することにより、電気的特性の偏差を補償する。最近では、このような外部補償方式の研究が盛んに行われている。」 「【0022】 図1は、本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置を示し、図2は図1の表示パネルに形成された画素アレイを示す。 【0023】 図1及び図2を参照すると、本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置は、表示パネル10、タイミングコントローラ11、データ駆動回路12、ゲート駆動回路13、及びメモリ16を備える。 【0024】 表示パネル10には、複数のデータラインとセンシングライン(14A、14B)と、複数のゲートライン15が交差され、この交差領域ごとに画素(P)がマトリックス形態に配置される。」 「【0036】 図3及び図4は、本発明の電流センシング方式が適用される、画素(P)とセンシングユニットの接続構造、及びセンシング原理を示す。」 「【0040】 本発明のセンシングユニットに属する電流積分器(CI)は、センシングライン(14B)に接続されて、センシングライン(14B)から駆動TFTのソース-ドレイン間電流(Ids)の入力を受ける反転入力端子(-)、基準電圧(Vpre)の入力を受ける非反転入力端子(+)、積分値(Vsen)を出力する出力端子を含むアンプ(AMP)と、アンプ(AMP)の反転入力端子(-)と出力端子との間に接続された積分キャパシター(Cfb)と、積分キャパシター(Cfb)の両端に接続された第1スイッチ(SW1)を含む。 【0041】 そして、本発明のセンシングユニットに属するサンプリング部(SH)は、サンプリング信号(SAM)の信号に応じてスイッチングされる第2スイッチ(SW2)、ホールディング信号(HOLD)信号に応じてスイッチングされる第3スイッチ(SW3)、及び第2スイッチ(SW2)と第3スイッチ(SW3)との間に一端が接続され、他端が基底電圧源(GND)に接続されたホールディングキャパシター(Ch)を含む。」 「【0045】 センシング期間(Tsen)において、第1スイッチ(SW1)のターンオフにより、アンプ(AMP)は、電流積分器(CI)で動作して、駆動TFT(DT)に流れるソース-ドレイン間電流(Ids)を積分する。・・・このような原理で、センシング期間(Tsen)で、センシングライン(14B)を介して流される電流(Ids)は、積分キャパシター(Cfb)を介して電圧値の積分値(Vsen)に生成される。電流積分器出力値(Vout)の立ち下がりの傾きは、センシングライン(14B)を介して流される電流量(Ids)が大きいほど増加するので、積分値(Vsen)の大きさは、前記電流量(Ids)が大きいほど、むしろ小さくなる。センシング期間(Tsen)において、積分値(Vsen)は、第2スイッチ(SW2)を経由してホールディングキャパシター(Ch)に貯蔵される。 【0046】 サンプリング期間(Tsam)において、第3スイッチ(SW3)がターンオンされると、ホールディングキャパシタ(Ch)に貯蔵された積分値(Vsen)が、第3スイッチ(SW3)を経由して、ADCに入力される。積分値(Vsen)は、ADCからのデジタルセンシング値(SD)に変換された後、タイミングコントローラ11に伝送される。デジタルセンシング値(SD)は、タイミングコントローラ11で駆動TFTのしきい値電圧偏差(△Vth)と移動度偏差(△K)を導出するために使用される。・・・ タイミングコントローラ11は、駆動TFT(DT)に流れるソース-ドレイン間電流(Ids)を補償アルゴリズムに適用して、偏差値(しきい値電圧偏差(△Vth)と移動度偏差(△K))と偏差補償のための補償データ(Vth+△Vth、K+△K)を導出する。補償アルゴリズムは、ルックアップテーブルまたは、計算ロジックで実現することができる」 「【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 」 また、図1,2から、「画素(P)」が複数の表示ラインを構成することが読み取れる。 これらの記載から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「複数のデータラインとセンシングライン(14A、14B)と、複数のゲートライン15が交差され、この交差領域ごとに画素(P)がマトリックス形態に配置され、複数の表示ラインを構成するようにされた表示パネル10と、(【0024】、図1、図2) 電流積分器(CI)及びサンプリング部(SH)が属するセンシングユニットであって、 前記電流積分器(CI)は、アンプ(AMP)と、積分キャパシター(Cfb)と、第1スイッチ(SW1)を含み、 前記サンプリング部(SH)は、第2スイッチ(SW2)、第3スイッチ(SW3)、及びホールディングキャパシター(Ch)を含む、センシングユニットと、(【0040】、【0041】、図2) センシング期間(Tsen)において、第1スイッチ(SW1)のターンオフにより、アンプ(AMP)は、電流積分器(CI)で動作して、駆動TFT(DT)に流れるソース-ドレイン間電流(Ids)を積分し、センシングライン(14B)を介して流される電流(Ids)は、積分キャパシター(Cfb)を介して電圧値の積分値(Vsen)に生成され、積分値(Vsen)は、第2スイッチ(SW2)を経由してホールディングキャパシター(Ch)に貯蔵され(【0045】、図3、図4) サンプリング期間(Tsam)において、ホールディングキャパシタ(Ch)に貯蔵された積分値(Vsen)が、第3スイッチ(SW3)を経由して、ADCに入力され、積分値(Vsen)は、ADCからのデジタルセンシング値(SD)に変換された後、タイミングコントローラ11に伝送され、(【0046】、図3、図4) デジタルセンシング値(SD)は、タイミングコントローラ11で駆動TFTのしきい値電圧偏差(△Vth)と移動度偏差(△K)を導出するために使用され、偏差値(しきい値電圧偏差(△Vth)と、移動度偏差(△K))と、駆動TFTの電気的特性の偏差を補償する偏差補償のための補償データ(Vth+△Vth、K+△K)を導出する、タイミングコントローラ11と、(【0005】、【0046】) を備えた有機発光表示装置。(【0023】)」 2 その他の文献について 前置報告書において引用された引用文献2(特表2010-503007号公報)及び引用文献3(特開2009-276672号公報)には、それぞれ以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。 引用文献2 「【0021】 OLEDディスプレイに付随する問題の1つは、時間とともに画素が「焼き付く」こと、すなわち、使用するにつれて所与の駆動電流(従って明度)のために必要な駆動電圧が増えてしまうことである。具体的には、所与の電流における明度は、OLEDディスプレイの駆動初期に急激に下がることがあり、その後、より一様に明度が減衰していく。従って、異なるが関連性のある2つの問題が焼き付きから発生し得る。第1に、使用につれて進むディスプレイの全体的なエージングであり、第2に、画像の焼き付き、すなわち画像を持続的に表示することによりディスプレイの画素のエージングがまちまちになり得るこ とである。スクリーンセーバーはこの問題に対処するための1つの技術となるが、それはコンピュータモニタディスプレイ関連だけの話であり、例えば、テレビチャンネルでは、ロゴなどの印を控えめに画面の隅に表示し続けることがますます一般的になってきている。OLEDディスプレイに付随するさらなる問題は、長期間にわたって駆動されないまま保管されたディスプレイが、長期にわたって保管されることなく駆動されたディスプレイと比べて、明度の低下という損害を被る場合があるということである。この明度低下の理由として考えられるのは、封止が不完全なディスプレイへの水分と酸素の侵入や、あるい はディスプレイのある層から他の層への化学種の移動( 例えば、金属イオンのカソード層から有機層への移動) である。 【0022】 多くのOLED材料システムにとって、所与の電流および温度についての、駆動時間にともなう駆動電圧の上昇は、デバイスの効率の衰えと相互に関連し得るものである。OLEDの端子間の電圧降下を監視しそれに応じて駆動信号を補正するという補償手法の実装を試みることは可能であろう。しかしながら、この手法には、OLEDの端子間の電圧降下が温度にもつれて変化し、その結果ディスプレイ各所の明るさがディスプレイ各所の温度に応じて変化しかねない、という点で欠点がある。」 「【0023】 そこで、本発明によれば、OLEDディスプレイデバイスをOLEDディスプレイの画素の焼き付きについて補償する方法であって、ディスプレイの少なくとも1つの試験画素の端子間の第1の電圧降下を測定し、ディスプレイの少なくとも1つの他の画素の端子間の第2の電圧降下を測定し、第1および第2の電圧と、焼き付きによるディスプレイの効率の損失のための駆動電圧上昇を表す値(V1)とから、焼き付きによるディスプレイの効率の推定低下を決定し、推定効率低下を用いてディスプレイに対する駆動を補償することを含む方法が提供される。」 「【0030】 通常の表示用途ではアクティブである画素で試験画素が構成される本方法の実施の形態では、本方法は、監視される画素を基準として、1つ以上の他の画素の効率の低下(など)を求めることによって、ディスプレイに対する駆動を補償してよい。具体的には、本方法は、アクティブな試験画素が、例えば、5 0パーセントといった閾値駆動水準よりも大きな水準で点灯している時間を測定することを含んでよい。この点灯時間が分かったら、推定駆動電圧上昇が(試験画素の効率の推定低下を予測することによって)予測されてよく、実際の電圧降下は測定されるので、これを用いて試験画素の温度、ひいてはディスプレイの温度を間接的に測定することが可能である。随意にディスプレイの実際の推定温度が決定されてもよいが、必須ではない。そして、この情報を用い、測定された点灯時間を用いてディスプレイの温度を補償することによって、より詳しくは、試験画素の測定された電圧降下を予測された電圧降下と比較することによって、ディスプレイの他の画素に対する駆動を補償してよい。このような方法の実施の形態により、ディスプレイ各所の多数の試験画素を用いて、実施の形態では複数の「アクティブな」試験画素の電圧降下を平均することによって、ディスプレイ各所の予想される温度の違いを考慮に入れた、改善された補償を行ってよい。」 「【0031】 当業者は、上述の技術がモノクロおよびカラーの両ディスプレイに適用可能であることを理解するであろう。従って、画素に関する言及は、カラーディスプレイのサブピクセルを含む。カラーディスプレイでは、典型的には赤、青、および緑の、異なる色のうちの2色または3色が別々に監視され補償されてよく、あるいは平均補償が決定されて、随意には色により異なる調整係数とともに、すべての色に適用されてもよい。例えば、青色サブピクセルの効率低下を赤色および/ または緑色のサブピクセルとは別に推定し補償することが望ましい場合がある。」 引用文献3 「【0004】 ところで、有機EL素子においては、発光することで輝度が低下し、電圧が上昇する変化が起こることが知られている。」 「【0007】 つまり、前記の輝度の低下は、焼きつきとして認識され画質を著しく悪化させてしまう。」 「【0068】 有機EL素子は、発光層、電荷注入層他の多層膜からなっており、異なる色の有機EL素子は、発光材料が異なるだけでなく、各膜の厚さが色ごとに異なっている。 【0069】 R、G、Bのように色の異なる有機EL素子からなる表示装置においては、劣化量と表示しようとする輝度によって決まる補正量が、それぞれの色毎に異なっても良い。第一の色の有機EL素子11(この場合、R)の劣化量は、第一の劣化検出手段41によって検出され、第一の補正手段5 1 によって、劣化量と表示輝度から補正係数を決定する。同様に、第二、第三の色の有機EL 素子12、13の劣化量と表示輝度から、それぞれ第二、第三の補正手段52、53によって補正係数を決める。この場合、それぞれの色に応じて異なる有機EL素子の劣化特性に合わせて補正することができるので、輝度の変化をより小さくすることができるため、好ましい。また、本実施形態においては劣化検出手段は異なる色毎に設けたが、一つの劣化検出手段で全ての色の素子の劣化量を検出してもよい。 【0070】 劣化量を判断する手段は、必ずしも補正をかける画素そのものから検出する必要はない。該画素と同等の駆動を行なった別の画素での劣化量をもって、該画素の劣化量を推定してもよい。」 第5 対比、判断 1 本願発明1について (1)対比 ア 引用発明の「複数のデータラインとセンシングライン(14A、14B)と、複数のゲートライン15が交差され、この交差領域ごとに画素(P)がマトリックス形態に配置され、複数の表示ラインを構成するようにされた表示パネル10」と、本願発明1の「複数のデータラインと、複数のセンシングライン及び複数のゲートラインが備えられ、前記複数の前記データラインと前記複数の前記ゲートラインとの交点ごとにマトリクス状に配置され、複数の表示ラインを構成するピクセルが備えられた表示パネルであって、前記ピクセルが複数カラーのピクセルを含む、表示パネル」とは、「複数のデータラインと、複数のセンシングライン及び複数のゲートラインが備えられ、前記複数の前記データラインと前記複数の前記ゲートラインとの交点ごとにマトリクス状に配置され、複数の表示ラインを構成するピクセルが備えられた表示パネル」である点で共通する。 イ 引用発明において「駆動TFT(DT)に流れるソース-ドレイン間電流(Ids)を積分し、」「電圧値の積分値(Vsen)に生成され」ることは、本願発明1において「ピクセルに流れるピクセル電流をセンシングして」「センシング電圧を得」ることに相当し、また、引用発明において「サンプリング期間(Tsam)において、」「ホールディングキャパシタ(Ch)に貯蔵された積分値(Vsen)が、」「デジタルセンシング値(SD)に変換され」ることが、本願発明1において「センシング動作期間の間、前記センシング電圧に基づいて」「センシングデータを生成する」ことに相当する。 そうすると、これらの処理を実施する引用発明の「電流積分器(CI)及びサンプリング部(SH)が属するセンシングユニット」及び「ADC」は、本願発明1の「センシング回路」に相当するといえる。 以上より、引用発明の「駆動TFT(DT)に流れるソース-ドレイン間電流(Ids)を積分し、」「電圧値の積分値(Vsen)に生成」して「サンプリング期間(Tsam)において、」「ホールディングキャパシタ(Ch)に貯蔵された積分値(Vsen)が、」「デジタルセンシング値(SD)に変換され」る「電流積分器(CI)及びサンプリング部(SH)が属するセンシングユニット」及び「ADC」と、本願発明1の「前記複数カラーの内の第1カラーのピクセルに流れるピクセル電流をセンシングして第1カラーのセンシング電圧を得て、第1カラーのセンシング動作期間の間、前記センシング電圧に基づいて第1カラーのセンシングデータを生成するセンシング回路」とは、「ピクセルに流れるピクセル電流をセンシングしてセンシング電圧を得て、センシング動作期間の間、前記センシング電圧に基づいてセンシングデータを生成するセンシング回路」である点で共通する。 ウ 引用発明の「駆動TFTの電気的特性の偏差を補償する偏差補償のための補償データ(Vth+△Vth、K+△K)」は、本願発明1の「ピクセルの電気的特性の補償値」に相当するから、引用発明の「デジタルセンシング値(SD)は、タイミングコントローラ11で駆動TFTのしきい値電圧偏差(△Vth)と移動度偏差(△K)を導出するために使用され、偏差値(しきい値電圧偏差(△Vth)と移動度偏差(△K))と偏差補償のための補償データ(Vth+△Vth、K+△K)を導出する、タイミングコントローラ11」と、本願発明1の「前記第1カラーのセンシングデータに基づいて前記複数カラーの2つ以上のカラーの前記ピクセルの電気的特性の補償値を計算する補償部」とは、「センシングデータに基づいて前記ピクセルの電気的特性の補償値を計算する補償部」である点で共通する。 エ 引用発明の「有機発光表示装置」は、本願発明1の「電界発光表示装置」に相当する。 (2)一致点及び相違点 前記(1)の対比の結果をまとめると、本願発明1と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。 ア 一致点 「複数のデータラインと、 複数のセンシングライン及び複数のゲートラインが備えられ、前記複数の前記データラインと前記複数の前記ゲートラインとの交点ごとにマトリクス状に配置され、複数の表示ラインを構成するピクセルが備えられた表示パネルである、表示パネルと、 ピクセルに流れるピクセル電流をセンシングしてセンシング電圧を得て、センシング動作期間の間、前記センシング電圧に基づいてセンシングデータを生成するセンシング回路と、 センシングデータに基づいて前記ピクセルの電気的特性の補償値を計算する補償部とを含む電界発光表示装置。」 イ 相違点 本願発明1では、表示パネルの「ピクセルが複数カラーのピクセルを含」むものであり、センシングデータが生成されるピクセルは「前記複数カラーの内の第1カラーのピクセル」であり、生成されたセンシングデータに基づいて電気的特性の補償値が計算されるピクセルは「前記複数カラーの2つ以上のカラーの前記ピクセル」であるのに対し、引用発明の表示パネルは複数カラーのピクセルを含むかどうか不明であって、センシング対象の画素(P)と偏差補償のための補償データを導出する画素とが異なるカラーを含むとはされていない点。 (3)相違点についての判断 有機発光表示装置の構成として、複数カラーのピクセルを含むものは、特に例を示すまでもなく周知であるから、引用発明に対してこれを適用して複数カラーのピクセルを含むようにする程度のことは、当業者が容易になし得たものであるといえる。 しかしながら、引用発明は「駆動TFTの電気的特性の偏差を補償する」ようにした有機発光表示装置であって、「駆動TFTの電気的特性の偏差」とピクセルのカラーについては、相関関係を有するなどの知見の存在は認められないものであるから、引用発明においては、そもそもセンシングデータが生成されるピクセルのカラーや補償値が計算されるピクセルのカラーを特定しようとする動機が存在しない。 したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 なお、前置報告書において引用された引用文献2及び引用文献3には、監視されるピクセルのカラーを選定することや他のピクセルについて補償に関する推定を行うことが記載されていると認められるが、これらの文献に記載されている技術は、いずれも発光素子自体の焼き付きによる輝度の変化を補償するものであって、駆動TFTの電気的特性の偏差を補償する引用発明とは補償対象となる事象が異なる技術である。 したがって、引用文献2又は引用文献3に記載の技術事項を引用発明に適用することが直ちに容易であるということはできない。また、そのような適用を動機付ける記載も引用文献1-3のいずれにも認められない。 まとめ 上記のとおり、引用発明と本願発明1は上記相違点を有しており、本願発明1は引用発明と同一の発明ではない。また、本願発明1は引用発明から当業者が容易に発明できたものであるともいえない。 2 本願発明2-9について 本願発明2-9も、本願発明1の上記相違点に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明であるとはいえない。また、当業者であっても、引用文献1に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3 本願発明10-15について 本願発明10-15は、本願発明1に対応する駆動方法の発明であり、本願発明1の上記相違点に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用文献1に記載された発明であるとはいえない。また、当業者であっても、引用文献1に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 本願発明1-15は、上記相違点に係る構成又はそれに対応する構成を有するものであり、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明であるとはいえない。また、当業者であっても、引用文献1に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2020-11-20 |
出願番号 | 特願2017-242556(P2017-242556) |
審決分類 |
P
1
8・
113-
WY
(G09G)
P 1 8・ 121- WY (G09G) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西島 篤宏 |
特許庁審判長 |
岡田 吉美 |
特許庁審判官 |
中塚 直樹 濱本 禎広 |
発明の名称 | 電界発光表示装置及びその駆動方法 |
代理人 | 吉澤 弘司 |
代理人 | 岡部 讓 |