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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
審判 全部申し立て 特39条先願  A23L
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23L
管理番号 1369032
異議申立番号 異議2020-700481  
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-07-13 
確定日 2020-12-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第6630020号発明「カテキン類由来の苦味が軽減された飲料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6630020号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯の概要
特許第6630020号の請求項1?3に係る特許についての出願は、平成31年2月22日を出願日とする特願2019-31086号の一部を、令和1年10月2日に新たな特許出願としたものであって、令和1年12月13日にその特許権の設定登録がされ、令和2年1月15日にその特許公報が発行され、その後、その全請求項に係る発明の特許に対し、令和2年7月13日に斉藤 出(以下「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審から、令和2年9月28日付けで取消理由が通知され、令和2年10月28日付けで特許権者より意見書が提出されたものである。

第2 本件発明
本件特許の請求項1?3に係る発明は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下「本件発明1」などと、それらをまとめて「本件発明」ということがある。)である。

「【請求項1】
(a)カテキン類を1?500ppm含有し、
(b)ゲラニオールを40ppm以上含有し、
(c)pHが5.0?8.0である、
飲料。
【請求項2】
Brixが1以下である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
茶抽出物を含有する、請求項1又は2に記載の飲料。」

第3 取消理由の概要
当審が令和2年9月28日付けで通知した取消理由及び当該取消理由の通知で採用しなかった特許異議申立人が申し立てた取消理由の概要は次のとおりである。

1 当審が令和2年9月28日付けで通知した取消理由の概要
本件発明1?3は、同一出願人が同日出願した下記の出願1に係る発明と同一と認められるから、この通知書と同日に発送した特許庁長官名による指令書に記載した届出がないときは、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。

出願1:特願2019-31086号

2 当審の取消理由通知において採用しなかった特許異議申立人が申し立てた取消理由の概要
[理由1]本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?甲第7号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明2?3は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?甲第9号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
[理由2]本件発明1?3について、発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に適合しない。
したがって、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
[理由3]本件発明1?3について、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合しない。
したがって、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
[理由4]本件発明1?3について、特許を受けようとする発明が明確でないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合しない。
したがって、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

第4 当審の判断
1 当審が令和2年9月28日付けで通知した取消理由について
当該取消理由は、本件発明1?3は、同一出願人が同日出願した出願1に係る発明と同一と認められることを理由とするものである。
そこで、検討する。
出願1(特願2019-31086号)については、上記取消理由の通知後である令和2年10月27日付けで特許請求の範囲が補正され、その記載は次のとおりであるところ、出願1の特許請求の範囲の請求項1?3に係る発明(以下「出願1発明1」などという。)は、当該特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。

「【請求項1】
カテキン類を1?500ppm、ゲラニオールを40ppm以上含有し、pHが5.0?8.0である飲料を調製する工程を含む、飲料を製造する方法。
【請求項2】
前記飲料のBrixが1以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飲料が茶抽出物を含有する、請求項1又は2に記載の方法。」

本件発明1と出願1発明1とを対比すると、本件発明1は「飲料」という物の発明であるのに対し、出願1発明1は「飲料を製造する方法」という物を生産する方法の発明であって、両発明は、少なくともこの点において相違し、この点が実質的な相違点ではないということもできない。
したがって、本件発明1が出願1発明1と同一であるとはいえない。
本件発明1と出願1発明2?3との関係、本件発明2?3と出願1発明1?3との関係についても同様である。
よって、本件発明1?3は、同一出願人が同日出願した出願1に係る発明と同一であるとはいえず、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができないということはできない。

2 当審の取消理由通知において採用しなかった特許異議申立人が申し立てた取消理由について
(1)理由1について
ア 甲各号証及びそれらの記載事項
甲各号証及びそれらの記載事項は以下のとおりである(なお、以下甲第1号証を「甲1」などという)。

甲1:特開2005-348619号公報
甲2:韓国公開特許第10-2018-0017807号公報
甲3:国際公開第2014/136774号
甲4:日本味と匂学会誌,1998年4月,Vol.5,No.1,pp.41?48
甲5:特開2012-95646号公報
甲6:村松敬一郎編,シリーズ≪食品の科学≫ 茶の科学,株式会社朝倉書店,1991年3月15日 初版第1刷,pp.108?113
甲7:Agric.Biol.Chem.,(1990),54(10),pp.2537?2542
甲8:国際公開第2012/029132号
甲9:国際公開第2010/098443号
甲10:食品添加物「サンフェノン90LB-OP」のパンフレット、太陽化学株式会社、2015年7月8日発行
甲11:武田善行編著,茶のサイエンス-育種から栽培・加工・喫茶まで,筑波書房,2004年4月30日 第1版第1刷発行,pp.202?205
甲12:衛藤英男他6名編,新版 茶の機能-ヒト試験から分かった新たな役割,一般社団法人農山漁村文化協会,2013年11月1日 第1刷発行,pp.382?387
甲13:醸協,(2013),第108巻,第2号,pp.88?97
甲14:J.Agric.Food Chem.,(1990),Vol.38,No.2,pp.471-477

甲1:
1a)「【請求項1】
紅茶葉1重量部に対し、50?90℃の高温水を1?5重量部加え、30秒?5分間蒸らす工程と、
上記工程で蒸らした葉に、30℃未満の低温水を15?40重量部加え、10?30℃で20?60分間抽出する工程と、を具備する紅茶飲料の製造方法。
・・・
【請求項7】
請求項1?6の何れか一項に記載の製造方法によって製造された紅茶飲料。
【請求項8】
請求項7に記載の紅茶飲料であって、該紅茶飲料の原料に用いた紅茶葉と同一の紅茶葉を約70℃の温水で約4分間抽出した紅茶液と比較して、タンニン及びカフェインの含有量が少なく、リナロール及びゲラニオールの含有量が多いことを特徴とする紅茶飲料。
【請求項9】
請求項8に記載の紅茶飲料であって、該紅茶飲料の原料に用いた紅茶葉と同一の紅茶葉を、約70℃の温水で約4分間抽出した紅茶液と比較して、タンニン量が約0.7?0.9倍、カフェイン量が約0.5?0.7倍、リナロール量が約1.4?2.1倍、ゲラニオール量が約1.1?1.4倍であることを特徴とする紅茶飲料。」

1b)「【0001】
本発明は、紅茶飲料の製造方法及び該方法による紅茶飲料に関する。特に、紅茶特有の香り、濃度感を引き出すための製造方法及び該方法による紅茶飲料に関する。」

1c)「【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、香りが強く、適度な濃度感がありながら、苦渋味が弱いという優れた風味を有する紅茶飲料の製造方法を提供することを目的とする。
・・・
【0008】
また、本発明の他の観点から、上記製造方法によって製造された紅茶飲料が提供される。該紅茶飲料は、約70℃の温水で約4分間抽出した紅茶液と比較して、タンニン及びカフェインの含有量が少なく、リナロール及びゲラニオールの含有量が多いことが好ましく、・・・
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法に拠れば、紅茶葉を温水で蒸らした後に冷水を加えて抽出する方法により、香りが強く、適度な濃度感がありながら、苦渋味が弱いという優れた風味を有する紅茶飲料を製造することができる。」

1d)「【実施例】
【0021】
以下、本発明の方法によって製造された紅茶飲料と、従来の方法によって製造された紅茶飲料を比較した実験例を記載する。
【0022】
1.紅茶液の調製
<実施例1>
本発明の方法に従い、図1のフローチャートに示した手順で紅茶飲料を調製した。ダージリンの紅茶葉120gをステンレスビーカーに均一にいれ、高温水240mlを加えて茶葉を均一に湿らせた。高温水の温度は、90℃、80℃、70℃、60℃、及び50℃とした。3分間静置して蒸らした後、16?18℃の低温水3600mlを加えて20℃にし、30分間抽出した。抽出後、ステンレスメッシュで濾過し、濾液をさらに微細濾過し、紅茶抽出液を得た。この紅茶抽出液に糖類及び適切な添加物を添加した後、pH5.9に調整した。次いで、イオン交換水を加えて10Lにまで希釈し、紅茶飲料を得た。UHT殺菌(超高温殺菌法)を行い、適切な容器に充填した。
【0023】
<実施例2>
高温水の温度を70℃とした他は、実施例1と同様の手順で紅茶飲料を調製した。但し、実施例2においては、高温水を加えて3分間蒸らした後、液分を廃棄した。
【0024】
<比較例1>
従来の方法に従い、紅茶飲料を調製した。ダージリンの紅茶葉120gに、90℃、70℃、50℃、及び20℃の温水3600mlを加え、抽出した。抽出時間はそれぞれ、2分、4分、7分、及び30分間とした。抽出後、ステンレスメッシュで濾過し、得られた濾液を20℃に冷却した。以後の工程は実施例1と同様に行った。
【0025】
<比較例2>
特許第3435188号に記載の方法に従い、図2のフローチャートに示した手順で紅茶飲料を調製した。同公報に記載された方法は、高温水で抽出した後、低温水で抽出する方法である。
【0026】
ダージリンの紅茶葉120gに、80℃の温水2400mlを加えて1分30秒間抽出した。さらに、5℃の冷水4800mlを加えて30℃に調節し、5分間抽出した。抽出後の工程は、実施例1と同様に行った。
【0027】
2.分析試験
<香気成分量の測定>
実施例1及び2、比較例1及び2で調製した紅茶飲料について、紅茶に特徴的なフラワリーな香りの成分であるリナロール、ゲラニオールの含有量を測定した。
・・・
【0031】
測定結果を表1に示す。表1は、比較例1の3-IIの試料、即ち、70℃で4分間抽出した紅茶液の測定値(殺菌前:リナロール12.8μg/100ml、ゲラニオール6.5μg/100ml;殺菌後:リナロール8.4μg/100ml、ゲラニオール5.9μg/100ml)を基準とし、それぞれの試料の測定値を比で表した。
【表1】

【0032】
この結果をグラフで表したものを図3および4に示した。
【0033】
以上の結果から、実施例1及び2は、比較例1及び2よりリナロール及びゲラニオールを多量に含んでいることが示された。実施例の中では、蒸らし温度が70℃及び60℃のとき(1-III,1-IV)で両成分が最も多く含まれた。これは、高温過ぎると香気成分の一部が熱により気化し、低温過ぎると紅茶葉のひらきが足りず、続く抽出工程において十分に抽出できなかったためと考えられる。
【0034】
<タンニン及びカフェインの含有量の測定>
紅茶飲料における苦渋味の主要成分である、タンニン及びカフェインの含有量を測定した。・・・
【0035】
測定結果を表2に示す。表2は、比較例1の3-IIの試料、即ち、70℃で4分間抽出した紅茶液の測定値(タンニン68.3 mg/100g、カフェイン21.0 mg/100ml)を基準としたときのそれぞれの試料の値を比で表した。
【表2】

【0036】
この結果をグラフで表したものを図5および6に示した。
【0037】
以上の結果から、実施例1及び2は、比較例1の3-I?III及び比較例2よりもタンニン及びカフェインの両成分の含有量が小さいことが示された。従って、本発明の方法によれば、従来の方法によるよりも、苦渋味の原因となるタンニン、カフェインが抑えられた紅茶飲料を製造可能であることが示された。
【0038】
比較例1において20℃の低温水で抽出した紅茶(3-IV)は、タンニン、カフェインの含有量が著しく小さく、抽出が不十分であることが示唆された。一方で、本発明に従った実施例は蒸らし工程を備えているために、20℃の低温水で抽出したにも関わらず、タンニン及びカフェインが適度に抽出された。このことから、蒸らし工程を備えることによって、低温水でも十分に抽出できることが示された。
【0039】
また、比較例2(4-I)は、低温水で抽出する前に高温で抽出する工程を含むが、タンニン、カフェインが比較例1(3-I?III)(90℃、70℃、50℃抽出)と同程度抽出されている。従って、このような製造方法では、苦渋味の原因となるタンニン、カフェインが十分に抑えられていないことが示された。
【0040】
<官能試験>
実施例1及び2、比較例1及び2で調製した紅茶飲料について官能評価を行った。紅茶の品質管理を担当する訓練された5名のパネラーにより、香り、濃度感及び苦渋味の評価を行い、表3に示した結果を得た。
【表3】

【0041】
実施例1及び2は全体的に苦渋味が弱く、濃度感が適度に有り、香りも強く、風味のバランスが良かった。特に、実施例1の70℃及び60℃で蒸らし工程を行った紅茶は、香りが非常に強く、苦渋味が弱いながらも濃度感が適度にあり、最もバランスのよい風味を有した。
【0042】
一方、比較例1及び2は、全体的に濃度感は強いが苦渋味も強かった。これは、表2の結果において、タンニン・カフェインが多く含有されたことと一致している。
【0043】
比較例1において20℃で抽出した紅茶(3-IV)は、苦渋味が非常に弱く、同時に濃度感も極めて弱かった。
【0044】
また、比較例1において90℃、70℃、及び50℃で抽出された紅茶(3-I?III)は、苦渋味が全体的に強く、香りが弱かった。90℃、70℃での抽出(3-I?II)では特にその傾向が強かった。
【0045】
比較例2(4-I)は、濃度感は適度にあるが苦渋味がやや強く、また香りもやや弱い。結果として全体のバランスがあまり良好ではなかった。これは、蒸らし工程よりも加水量の多い高温水を用いて抽出しているため、香気成分が気化すると考えられる。
【0046】
以上の結果をまとめると、香気成分に関しては、実施例1が比較例1及び2に比べ、リナロールやゲラニオールを多量に含んでいることが示された。特に1-IIIや1-IVではその傾向が強く、両成分が多く含まれていた。また実施例2は実施例1と同様にリナロールやゲラニオールを多く含んでいた。
【0047】
タンニン・カフェインに関しては、実施例1及び2は、比較例1及び2(3-I?III、4-I)に比べて、タンニン・カフェイン量が少なかった。一方、比較例1(3-IV)と比較した場合、タンニン・カフェイン量は多く含まれていた。これらのことは高温抽出の場合、過剰にタンニン・カフェインが抽出されてしまい、逆に低温抽出の場合は抽出されにくいことを示している。しかし実施例1および2では適度にタンニン・カフェインを抽出することができた。
【0048】
官能評価では、実施例1および2は、比較例(3-I?III、4-I)に比較して、苦渋味が弱いが香りが強く、香味のバランスも優れていた。また実施例1-IIIや1-IVは、香味のバランスが特に優れており、良好であった。比較例3-IVと比較した場合は苦渋味・香りが共にやや強く、適度な濃度感があった。これらについては成分分析の結果とも一致していた。
【0049】
以上から、本発明は蒸らし工程を備えることにより、内容成分を抽出することなく、茶葉を湿潤させることができ、後の低温抽出において苦渋味が少ないにも関わらず、香りが強く、適度な濃度感がある紅茶飲料を製造することができる。さらに低温水による抽出でも抽出時間を極端に長くする必要がないため、飲料の連続生産にも適した方法である。」

1e)「【図4】



1f)「【図5】



甲2(訳文で示す。):
2a)「請求項1
1?10℃の水を利用したコールドドリップ (cold drip)方式に抽出された緑茶抽出物を有効成分で含む飲料組成物。
請求項2
第1項において、前記緑茶抽出物はすべてアミノ酸160?200ug/ml及びカテキン280?450ug/mlを含むことを特徴とする飲料組成物。
請求項3
第1項において、前記緑茶抽出物は香り成分計100重量部に対してリナルル (linalool) 20?40重量部、アミルアルコール(amyl alcohol)10?30重量部、ゲラニオール (geraniol)5?20重量部及びヘキセナール(hexanal)10?30重量部を含むことを特徴とする飲料組成物。」(特許請求の範囲)


2b)「[0054] <実施例1?6>コールドドリップ方式で抽出した緑茶抽出物の製造(緑茶と水の重量比の変更)
・・・
[0076] <実施例7?11>コールドドリップ方式で抽出した緑茶抽出物の製造(抽出流速の変更)
・・・
[0095] <比較例1?2>アンフリュラージュ及び温浸法で抽出した緑茶抽出物の製造
・・・
[0102] <実験例1>緑茶と水の重量比によるエキス成分分析及び記号図の調査
[0103] 緑茶と水の重量比を変更しながら抽出した前記実施例1?6の緑茶抽出物内の成分調査をした。前記成分調査はカテキン、カフェイン、すべてアミノ酸及び香り成分であるリナルル、アミルアルコール、ゲラニオール、ヘキセナールの含量を測定することで実行した。
・・・
[0112] 前記香り成分分析結果を下記表4に示した。
[0113] 表4
項目 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
リナルル 24.0 25.0 28.0 29.0 26.0 25.0
(%)
アミルアル 9.0 9.0 10.0 14.0 12.0 11.0
コール(%)
ゲラニオー 4.0 6.0 6.0 8.0 6.0 4.0
ル(%)
ヘキセナー 38.0 33.0 26.0 24.0 27.0 30.0
ル(%)
・・・
[0122] <実験例2>抽出流速によるエキス成分分析及び記号図の調査
[0123] 抽出速度を変更しながら抽出した前記実施例7?11の緑茶抽出物内の成分調査をした。前記成分調査はカテキン、カフェイン、すべてアミノ酸及び香り成分であるリナルル、アミルアルコール、ゲラニオール、ヘキセナールの含量を測定することで実行した。
・・・
[0129] また前記実施例7?11の香り成分分析結果を下記表7に示した。
[0130] 表7
項目 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11
リナルル 20.0 27.0 29.0 28.0 26.0
(%)
アミルアル 10.0 13.0 14.0 13.0 11.0
コール(%)
ゲラニオー 5.0 6.0 8.0 8.0 7.0
ル(%)
ヘキセナー 30.0 32.0 24.0 29.0 33.0
ル(%)
・・・
[0139] <実験例3>抽出法によるエキス成分分析及び記号図の調査
[0140] コールドドリップ方式、アンフリュラージュ及び温浸法によってそれぞれ抽出した前記比較例1及び2と実施例4の緑茶抽出物内の成分調査をした。前記成分調査はカテキン、カフェイン、すべてアミノ酸及び香り成分であるリナルル、アミルアルコール、ゲラニオール、ヘキセナールの含量を測定することで実行した。
・・・
[0146]また前記比較例1及び2と実施例4の香り成分分析結果を下記表10に示した。
[0147] 表10
項目 実施例4 比較例1 比較例2
リナルル(%) 36.0 30.0 25.0
アミルアルコール(%) 21.0 16.0 11.0
ゲラニオール(%) 11.0 9.0 5.0
ヘキセナール(%) 16.0 24.0 34.0」

甲3:
3a)「[請求項1] 以下の成分(a)及び(b);
(a)50?400ppmのカテキン類、
(b)0.5?100ppmのバリン、
を含有する容器詰緑茶飲料。」(請求の範囲)

3b)「[0001] 本発明は、低濃度のカテキン類と特定量のバリンとを含有する緑茶飲料に関する。
・・・
[0007] 本発明の課題は、加熱殺菌及び長期保存を伴う容器詰茶飲料において、旨味やコク味が強く、かつ、渋味の抑えられた緑茶飲料を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、苦味を有するアミノ酸として知られているバリンを低カテキン茶飲料に特定量含有させると、顕著にコク味・旨味が増強され、飲用性が高まるとの知見を得た。また、低カテキン茶飲料で顕著に知覚される加熱臭の抑制にも効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
・・・
[0012] また別の態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1)50?400ppmの濃度のカテキン類と、2?15mg/100mLの濃度のリン酸を含有する、容器詰茶飲料。
(2)リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオール及びフェニルアセトアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1以上の香気成分を含む、(1)に記載の緑茶飲料。
(3)リン酸及が茶葉の抽出物として配合されたものである、(1)又は(2)に記載の緑茶飲料。
・・・
[0015] 本発明の緑茶飲料は、低カテキン茶飲料でありながら、適度なコク味・旨味を有し、良質な香気香味を有する飲料である。オフィス等で長時間に渡って少量ずつ飲用する場合にも時間経過に伴う香気香味の変化が少なく、特に常温の温度帯でも美味しく飲用することができる。」

3c)「[0040] 本発明者らは、リン酸によりエンハンスされる緑茶独特の清々しい香りが、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオール、フェニルアセトアルデヒド等の香気成分であることを確認した。したがって、この閾値以下のリン酸を含有する緑茶飲料は、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオール及びフェニルアセトアルデヒドの少なくとも1成分を含むことが好ましく、これら全ての成分を含むことがより好ましい。」

甲4:
4a)「茶の苦渋味に対する茶香気の影響」(41ページ、表題)

4b)「本研究は、香気特性が異なる緑茶と紅茶を試料とし、それぞれの特徴的な香りが、茶の主要な感覚特性である苦味や渋味に及ぼす影響について調べることを目的とした。緑茶、紅茶の香気を嗅がせながら、苦味・渋味成分水溶液の味を評価させる官能検査により、刺激閾値および味強度を測定し、香気関与の有無について検討した。」(41ページ、左欄下から4行?右欄3行)

4c)「実験方法
1 官能検査方法
・・・
○2(当審中:原文は○の中に2) 実施方法
本論文の官能検査は、全て次の方法で行った。透明なポリエチレン製のコップを用意し、各濃度の味試料溶液10または20mlを入れる。グラスウールにしみこませた香気試料を褐色のサンプル管(・・・)に入れ、パネルの鼻の位置にあわせてコップに図1のようにセットした。官能検査を実施する際、パネルに、香気試料の香りを嗅ぎながら味試料溶液を口の中でころがし吐き出すよう指示した。」(41ページ、右欄6行?42ページ、左欄9行)

4d)「

」(42ページ、左欄)

4e)「3 味試料の調製
○1(当審中:原文は○の中に1) 味試料
茶の全体の味を呈するモデルとしてポリフェノン100 (三井農林株式会社供試品)を用いた。ポリフェノン100中のカテキン類およびカフェインの組成を表1に示した。ポリフェノン100は、緑茶の熱水抽出物を乾燥してつくられたものであるから緑茶と類似しており、苦味および渋味を呈し(-)-EGCgを最も多く含む。」(42ページ、右欄25?33行)

4f)「

」(43ページ、左欄)

4g)「結果
・・・
3 茶香気が苦渋味の味強度に及ぼす影響
・・・
ポリフェノン100、カフェイン、(-)-EGCgの味強度の評点の平均値を、図4に示した。ポリフェノン100については、どの濃度においても香気を付与した場合に、味強度の評点が高くなった。・・・
カフェインについては、有意な差は認められなかったが、200 ppm以上の濃度の場合、緑茶の香気を付与すると、苦味強度が強まる傾向が見られた。400 ppmにおいては、紅茶および5倍濃度の緑茶香気を付与した場合に、苦味強度がやや弱まる傾向が見られた。5倍濃度の緑茶香気は紅茶に近い特性がみられたことより、紅茶様の香気は苦味を和らげる効果を持つことが示唆された。
(-)-EGCgについては、有意な差は認められなかったが、香気付与により渋味強度が強まる傾向が見られた。また、300 ppm以上の濃度になると、香気付与による味強度の変化が小さくなったが、この範囲では渋味が非常に強いため強度の差が感じられなかったと思われる。
考察
緑茶、紅茶の香気を付与しつつ、茶の苦渋味成分の剌激閾値および味強度を測定したところ次のような結果となった。ポリフェノン100については、緑茶、紅茶香気の付与により、刺激閾値が上昇し、味強度が増強された。カフェインについては、緑茶香気の付与により、刺激閾値が上昇し、味強度がやや増強された。(-)-EGCgについては、ポリフェノン100と同様、緑茶、紅茶の香気付与により、刺激閾値が上昇し、味強度が増強された。いずれの味試料においても、香気の付与により刺激閾値が上昇する場合は、味強度が増強されていた。・・・
緑茶香気が、苦渋味、苦味、渋味の剌激閾値を上昇させ、味強度を強めたのに対し、紅茶香気は、苦渋味と渋味においてのみ同様の傾向が見られた。紅茶香気付与により、苦味の刺激閾値はほぼ変わらず、高濃度の苦味溶液において苦味が弱まる傾向が見られた。」(43ページ、右欄9行?45ページ、左欄4行)

甲5:
5a)「【請求項1】
メチルサリシレートを有効成分として含有する、苦味抑制剤。」

5b)「【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不快な苦味を有効に抑制することができる。また、本発明の苦渋味抑制剤は、安全性が高いため、飲食品、医薬品、医薬部外品の分野で使用することが可能である。」

5c)「【0016】
これら飲食品中の苦味成分としては、例えば、アミノ酸、ポリフェノール類、カフェイン、ペプチド、サポニン、リモニン、ナリンギン、オリゴ糖等が例示される。
アミノ酸としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等が例示される。
ポリフェノール類としては、その代表例としてフラボノイド、クロロゲン酸類等が例示される。フラボノイドとしては、非重合体カテキン類、タンニン等が例示される。なお、タンニンの含有量は、酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めることができる。また、「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルラキナ酸、4-フェルラキナ酸及び5-フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸及び4,5-ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。クロロゲン酸類の含有量は、上記9種の合計量に基づいて定義され、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりUV-VIS検出器を用いて測定することができる。
・・・
【0020】
・・・本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートの非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートのエピ体カテキン類を併せての総称であり、本発明においてはこれらのうち少なくとも1種を含有すればよい。」

5d)「【0042】
製造例2
紅茶抽出物の製造
90℃のイオン交換水を用いてケニア産CTC紅茶を浴比60で90秒間抽出し、冷却後、金網によりろ過した。更に、2号ろ紙にて濾過を行い、紅茶抽出物を得た。紅茶抽出物中の非重合体カテキン類の含有量は0.011質量%であり、また非重合体カテキン類中のガレート体の割合は60質量%であった。また、紅茶抽出物中の固形分は0.53質量%であった。」

甲6:
6a)「・・・いわゆる,タンニンに関しては,茶芽や緑茶では,カテキンが大半を占めている.」(108ページ、表4.15の下2?3行)

6b)「

」(110ページ)

6c)「

」(112ページ)

甲7(訳文で示す。):
7a)「1. レトルト殺菌後の茶香パターンにおける変化
表Iに示すように、ほとんどすべてのウーロン茶及び紅茶の抽出物に含まれている揮発性化合物は、レトルト殺菌後に減少した。」(2538ページ、左欄5?9行)

7b)「表I.レトルト殺菌前後の緑茶、ウーロン茶及び紅茶の抽出物に含まれる茶香化合物の変化

・・・

」(2538ページ)

甲8:
8a)「[請求項1] 還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が75ppm?250ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0?8.0であり、90積算質量%の粒子径(D90)が2500μm以上である容器詰緑茶飲料。
[請求項2] ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)が0.5?3.0である請求項1に記載の容器詰緑茶飲料。」(請求の範囲)

8b)「[0001] 本発明は、緑茶から抽出された緑茶抽出液を主成分とする緑茶飲料であって、これをプラスチックボトルや缶などに充填した容器詰緑茶飲料に関する。」

8c)「[0022] 本容器詰緑茶飲料における総カテキン類濃度は、350ppm?920ppmであるのが好ましい。
総カテキン類濃度は、特に350ppm?850ppmであるのがより好ましく、中でも特に400ppm?850ppmであるのがさらに好ましい。
この際、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類濃度とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。」

8d)「[0033] 本容器詰緑茶飲料のpHは、20℃で6.0?6.5であることが好ましい。本容器詰緑茶飲料のpHは6.0?6.4であるのがより好ましく、中でも特に6.1?6.3であるのがさらに好ましい。」

8e)「[0075]《評価試験2》
以下の抽出液E,Fを作製し、これらを用いて実施例5?9を作製して官能評価により、後味、香味のバランスの評価を行った。
[0076](抽出液E)
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、・・・抽出液Eを得た。・・・
[0077](抽出液F) 摘採後の茶葉(やぶきた種、宮崎県産3番茶)を、・・・抽出液Fを得た。・・・
[0080](配合)
抽出液E,Fを、以下の表5に示す割合で配合し、・・・実施例5?9の緑茶飲料を作製した。
実施例5?9の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表6に示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
[0081][表5]


[0082]
[表6]


・・・
[0089]《評価試験3》
以下の抽出液G,Hを作製し、これらを用いて実施例10?14の緑茶飲料を作製して経時後の官能評価を行なった。
[0090](抽出液G)
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、・・・抽出液Gを得た。・・・
[0091](抽出液H)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、・・・抽出液Hを得た。・・・
[0094](配合)
抽出液G,Hを、以下の表8に示す割合で配合し、・・・実施例10?14を作製した。実施例10?14の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表9示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
[0095][表8]


[0096][表9]




甲9:
9a)「[請求項1] 単糖と二糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm?500ppmであり、単糖の濃度に対する二糖の濃度の比率(二糖/単糖)が2.0?8.0であり、前記糖類の濃度に対する電子局在カテキンの濃度の比率(電子局在カテキン/糖類)が1.8?4.0であり、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)が0.5?3.0である容器詰緑茶飲料。」

9b)「[0001] 本発明は、緑茶から抽出された緑茶抽出液を主成分とする緑茶飲料であって、これをプラスチックボトルや缶などに充填した容器詰緑茶飲料に関する。」

9c)「[0021] 本容器詰緑茶飲料における総カテキン類濃度は、300ppm?920ppmであるのが好ましい。
総カテキン類濃度は、特に350ppm?850ppmであるのがより好ましく、中でも特に400ppm?850ppmであるのがさらに好ましい。
この際、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類濃度とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。」

9d)「[0032] 本容器詰緑茶飲料のpHは、20℃で6.0?6.5であることが好ましい。本容器詰緑茶飲料のpHは6.0?6.4であるのがより好ましく、中でも特に6.1?6.3であるのがさらに好ましい。」

9e)「[0060]《評価試験2》
以下の抽出液E,Fを作製し、これらを用いて実施例5?9を作製して官能評価により、香味のバランスの評価を行った。
[0061](抽出液E)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、・・・抽出液Eを得た。
[0062](抽出液F)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、・・・抽出液Fを得た。
・・・
[0065](配合)
抽出液E,Fを、以下の表5に示す割合で配合し、・・・実施例5?9の緑茶飲料を作製した。実施例5?9の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表6に示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
[0066][表5]


[0067][表6]


・・・
[0072]《評価試験3》
以下の抽出液G,Hを作製し、これらを用いて実施例10?14の緑茶飲料を作製して経時後の官能評価を行なった。
[0073](抽出液G)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、・・・抽出液Gを得た。
[0074](サンプルH)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、・・・抽出液Hを得た。
・・・
[0077](配合)
抽出液G,Hを、以下の表8に示す割合で配合し、・・・実施例10?14を作製した。実施例10?14の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表9に示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
[0078][表8]


[0079]
[表9]




甲10:
10a)「 サンフェノン90LB-OP
緑茶中に含まれる緑茶ポリフェノール(カテキン類)は、抗菌・抗酸化などの効果を持つ事が知られています。本品は、緑茶の茶葉から抽出・精製したポリフェノール粉末であり・・・。
・・・
【用途】
食品全般、特に飲料にご利用いただけます。
【成分】
チャ抽出物 100%(ポリフェノール含量 80%以上、カテキン含量
70%以上、EGCg含量 40%以上 カフェイ
ン含量 1%以下)」(2?13行)

甲11:
11a)「

・・・

・・・」(203ページ)

甲12:
12a)「1.茶の苦渋味物質
茶には,ポリフェノール,カフェイン,アミノ酸,糖類,有機酸などが含まれている。これらの成分のうち,茶の苦渋味に関与するのは,主にポリフェノールやカフェインである。ポリフェノールとしては,カテキン類,テアフラビン類およびテアルビジン類が,緑茶や紅茶の主要な苦渋味物質である。また,茶に含まれる量は少ないものの,フラバン類やフラボン類なども苦渋味を呈することが知られている^(2))。カフェインは,コーヒーやココアなどの苦味成分としても有名であるが,味を感じるための閾値(味を感じる最低濃度)が他の苦味成分に比較して高く(0.7mM程度)^(3)),それだけで茶の苦味を説明するには至っていない(一般的な煎茶に含まれる量は?2mM程度)。アミノ酸は,一般的には旨味,甘味あるいは酸味などを呈する成分として知られているが, 苦味を呈するものもある^(4))。苦味を呈するアミノ酸としては,アルギニン,チロシン,バリン,フェニルアラニン,ヒスチジン,リジン,ロイシンおよびイソロイシンがある。また,玉露の旨味の主要成分であるテアニンも,濃度によっては苦味を呈する可能性がある。そのほかにも,サポニンのように強いえぐ味を与え,微量であっても茶の品質に影響するものもある。茶浸出液中や口腔内で様々な成分が相互作用することで,茶の苦渋味の強さが増強あるいは減弱する可能性があるが,詳細な解析はなされておらず,十分に解明されていない。」(382ページ、14?28行)

甲13:
13a)「5. モノテルペンアルコール類の官能特性
次に,モノテルペンアルコール類の官能特性を検討した。過去の文献ではモノテルペンアルコール類の閾値は,linaloolでは既に述べた通りおよそ1?2ppbと低いのに対して,geraniolでは40ppb^(22)),・・・と,いずれもlinaloolと比べると高い閾値が報告されていた。しかし,近年の文献で,geraniolで4?5ppb^(25),26)),・・・など,より低い閾値が報告されている例もあった。」(91ページ、左欄16?25行)

甲14(訳文で示す。):
14a)「表II. アプリコットの揮発性成分:真空蒸気蒸留ブレンドフルーツ

・・・

・・・」(474ページ左欄)

14b)「表IIは、 真空水蒸気蒸留抽出によって調製されたサンプルで同定されたアプリコット化合物の一覧である。表に記載されている濃度は、それぞれの化合物の回収率とFID応答係数が決定されていないため、概算値としてのみ考慮する。図2はアプリコットを真空水蒸気蒸留抽出により得られた揮発性物質のGC/FIDクロマトグラムを示している。」(475ページ左欄45?52行)

イ 引用発明
甲1(摘示1a?1f)には、紅茶飲料の製造方法、及び当該製造方法により製造された紅茶飲料についての記載があるところ(摘示1a)、実施例1として、高温水の温度を種々変えた例が、実施例2として、高温水を加えて蒸らした後、液分を廃棄した例が記載されている(摘示1d)。
また、当該実施例1及び2により調製した紅茶飲料について、比較例1の3-IIの試料を基準としたリナロール及びゲラニオールの含有量並びにタンニン及びカフェインの含有量の測定結果が示されているところ、各実施例の香気成分比、成分比の記載(表1、表2)、比較例1の3-IIの試料についての「殺菌後:・・・ゲラニオール5.9μg/100ml」及び「タンニン68.3 mg/100g」との記載から、実施例1(試験区1-I?1-V)、実施例2(試験区2-I)について、ゲラニオール及びタンニンの含有量は、ゲラニオールが、約6.5、7.7、8.3、8.3、8.3、8.3μg/100ml、タンニンが、約61.5、54.6、54.6、54.6、54.6、47.8mg/100gと計算される。
したがって、甲1には次に示す発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認める。
「ダージリンの紅茶葉120gに、温度を90℃、80℃、70℃、60℃、及び50℃とした高温水240mlを加えて茶葉を均一に湿らせ、3分間静置して蒸らした後、16?18℃の低温水3600mlを加えて20℃にし、30分間抽出し、抽出後、濾過し、濾液をさらに微細濾過し、紅茶抽出液を得、この紅茶抽出液に糖類及び適切な添加物を添加した後、pH5.9に調整し、次いで、イオン交換水を加えて10Lにまで希釈し、紅茶飲料を得、UHT殺菌(超高温殺菌法)を行い、適切な容器に充填する製造方法により製造した紅茶飲料、又は当該製造方法において、高温水の温度を70℃とし、高温水を加えて3分間蒸らした後液分を廃棄した他は、同様の手順で製造した紅茶飲料であって、上記高温水の温度及び液分の廃棄の有無の順に応じて、ゲラニオールの含有量が約6.5、7.7、8.3、8.3、8.3、8.3μg/100mlであり、タンニンの含有量が約61.5、54.6、54.6、54.6、54.6、47.8mg/100gである、紅茶飲料。」(引用発明1)

ウ 対比・判断
(ア)本件発明1について
本件発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1は、ゲラニオールを含有する紅茶飲料であり、紅茶抽出液に糖類及び適切な添加物を添加し、イオン交換水を加えて製造される紅茶飲料であるから、「ゲラニオールを含有する飲料」である点で、本件発明1と一致する。
引用発明1はタンニンを含有する。
甲6には、タンニンについて、茶芽等ではカテキンが大半を占めていることが記載されているから(摘示6a)、カテキンは、タンニンの1種であることが理解できる。
甲6には、紅茶の味成分の分析例として、未酸化ポリフェノール(カテキン)等のポリフェノール類が記載されており(摘示6b)、甲5には、紅茶抽出物中の非重合体カテキン類の含有量は0.011質量%であり、また非重合体カテキン類中のガレート体の割合は60質量%であったことが記載されており(摘示5d)、また、甲5には、「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートの非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートのエピ体カテキン類を併せての総称であることが記載されている(摘示5c)。
一方、本件明細書には、本件発明1の「カテキン類」について、「本明細書において、「カテキン類」とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの総称を表す。」と記載されているところ(【0008】)、これらの化合物は、上記甲5に記載された非重合体カテキン類と同じ化合物である。
以上のことから、引用発明1はカテキン類を含有するといえるから、カテキン類を含有する点において、本件発明1と一致する。
引用発明1は、その製造過程においてpHを5.9に調整するものであり、該調整の後にイオン交換水で希釈するところ、当該希釈によってpHが大きくなることはあったとしても中性のpHである7より大きくなることはなく、該調整の後に他にpHが変化するような工程はないと認められるから、引用発明1のpHは本件発明1の「pHが5.0?8.0である」ことに相当する。
したがって、本件発明1と引用発明1とは、
「(a)カテキン類を含有し、(b)ゲラニオールを含有し、(c)pHが5.0?8.0である、飲料。」である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1:カテキン類の濃度について、本件発明1が「1?500ppm」と特定しているのに対し、引用発明1は不明であり、「タンニンの含有量が約61.5、54.6、54.6、54.6、54.6、47.8mg/100g」とされている点

相違点2:ゲラニオールの濃度について、本件発明1が「40ppm以上」と特定しているのに対し、引用発明1は「約6.5、7.7、8.3、8.3、8.3、8.3μg/100ml」である点

<相違点2について>
事案に鑑み、相違点2から検討する。
引用発明1のゲラニオールの含有量を「ppm」の値に換算すると、約0.065、0.077、0.083、0.083、0.083、0.083ppmである。
甲4には、緑茶、紅茶の特徴的な香りが、茶の主要な感覚特性である苦味や渋味に及ぼす影響について調べることを目的とした実験についての記載があり、具体的には、緑茶の熱水抽出物を乾燥してつくられた各種濃度のポリフェノン100、カフェイン、(-)-EGCgを味試料とし、グラスウールにしみこませた香気試料をサンプル管に入れたものを摘示4dの図1のとおりに被験者に提示して茶香気が苦渋味に及ぼす影響を実験した結果が記載されているところ(摘示4a?4g)、結果及び考察として、ポリフェノン100については、紅茶香気の付与により味強度が増強されたこと、カフェインについては、有意な差は認められなかったが、400ppmにおいては、紅茶香気を付与した場合に、苦味強度がやや弱まる傾向が見られ、紅茶様の香気は苦味を和らげる効果を持つことが示唆されたこと、(-)-EGCgについては、有意な差は認められなかったが、香気付与により渋味強度が強まる傾向が見られ、また、300 ppm以上の濃度になると、香気付与による味強度の変化が小さくなったこと、紅茶の香気付与により、刺激閾値が上昇し、味強度が増強されたこと、紅茶香気付与により、苦味の刺激閾値はほぼ変わらず、高濃度の苦味溶液において苦味が弱まる傾向が見られたこと等が記載されている(摘示4g)。
一方、甲5には、メチルサリシレートを有効成分として含有する苦味抑制剤が記載され(摘示5a?5d)、甲7には、紅茶抽出物にゲラニオール及びサリチル酸メチル(甲5に記載のメチルサリシレートと同一の物質である。)が含まれることが記載されている(摘示7a、7b)。
甲4の記載から、高濃度の苦味溶液において紅茶香気付与により苦味が弱まるといえるとしても、甲4に記載の方法は、香気を苦味溶液とは別体として用いるものであり、また、苦味溶液も紅茶飲料ではない。さらに、当該紅茶香気がどのような成分を含有するかは不明であり、甲5及び甲7の記載をみても、ゲラニオールが苦味を弱める成分であると特定することはできない。そして、仮に苦味溶液にゲラニオールを配合するとしても、紅茶飲料においてどの程度の量を配合すれば苦味を抑制できるかも不明である。
したがって、甲4、甲5、甲7に記載された技術的事項に基いて、引用発明1において、ゲラニオールの含有量を40ppm以上とすることが、当業者が容易になし得た事項であるとはいえない。

甲2には、1?10℃の水を利用したコールドドリップ (cold drip)方式に抽出された緑茶抽出物を有効成分で含む飲料組成物において、緑茶抽出物が香り成分計100重量部に対してゲラニオール (geraniol)を5?20重量部含むことに関する記載があるところ(摘示2a?2b)、当該飲料組成物は紅茶飲料に関するものではなく、また、ゲラニオールが飲料組成物においてどの程度の濃度であるかも不明であり、甲3には、低濃度のカテキン類と特定量のバリンとを含有する緑茶飲料に関する記載、リン酸によりエンハンスされる緑茶独特の清々しい香りが、ゲラニオール等の香気成分であることを確認した旨の記載があるところ(摘示3a?3c)、当該飲料は紅茶飲料ではなく、ゲラニオール等がリン酸によりエンハンスされる緑茶独特の香りに関する事項が記載されているに過ぎず、甲6には、紅茶の味成分の分析例等に関する記載がある(摘示6a?6c)が、いずれの文献にも、紅茶飲料において、ゲラニオールの含有量を40ppm以上とすることについての記載はないから、これら文献に記載された事項に基いて、引用発明1の紅茶飲料において、ゲラニオールの含有量を40ppm以上とすることが、当業者が容易になし得た事項であるとはいえない。

以上のとおりであるから、引用発明1において、ゲラニオールの含有量を40ppm以上とすることが、当業者が容易になし得た事項であるとはいえない。

そして、本件明細書、特許請求の範囲(以下「本件明細書等」という。)の記載からみて、本件発明1はカテキン類由来の苦味が軽減されたpHが5.0以上の飲料を提供することができるという効果を奏するものである。

よって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲第2?甲第7号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(イ)本件発明2、3について
本件発明2、3は、本件発明1を直接的・間接的に引用してさらに技術的に特定するものであるから、引用発明1との対比において、上記相違点2と同様の相違点が存在する。
甲8、甲9には、容器詰緑茶飲料に関する事項が記載されているところ(摘示8a?8e、9a?9e)、いずれの証拠にも、紅茶飲料において、ゲラニオールの含有量を40ppm以上とすることについては記載も示唆もされていないから、甲2?7に甲8及び甲9を加えても上記相違点2に係る技術的事項は当業者が容易になし得た事項であるとはいえない。
したがって、上記(ア)で本件発明1について述べたのと同様の理由により、本件発明2、3は、甲1に記載された発明及び甲第2?甲第9号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

エ 特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、特許異議申立書12?13ページにおいて、甲6、11、13、14にカテキン類、ゲラニオールの閾値が示されているとし、本件明細書等に記載された実施例1は、味を感じにくい飲料に大量の香料を添加している状態であり、ゲラニオールの香味を強く感じて、カテキン類の苦味を感じにくくなるのは当然である旨、実施例2においてカテキンの低濃度等からみると、30ppmと40ppmとの間に顕著な効果があるとは言えず、従来技術から実施例の効果は容易に想到することができる旨主張するが、実施例1において、特定のpHにおいて特定量のゲラニオールの添加の有無に応じて苦味の感じ方に差異があることが理解でき、実施例2において、カテキン類の濃度が1、5、60、500ppmのそれぞれにおいてゲラニオールの濃度を大きくすることにより苦味が減じられることが理解でき(サンプル1と2の比較、サンプル3?7の比較、サンプル8と9の比較、サンプル10と11の比較)、ゲラニオールの濃度が40ppm以上の場合にコントロールと比較して苦味が少なくなることが理解できる(サンプル2、5?7、9、11)一方、飲料のカテキン類による苦味を40ppm以上のゲラニオールによって軽減できるという本件特許に係る出願時の技術常識はないから、上記特許異議申立人の主張は採用できない。

オ まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1?3は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえず、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるとはえいない。

(2)理由2について
ア 申立理由
理由2についての特許異議申立人の主張の具体的な理由の概要は次のとおりである。
本件明細書等の発明の詳細な説明には、従来の飲料が有する課題を解決する手段として、本件発明1の配合を採用したことが記載されているものの、その配合を採用することの有効性を示すための具体例として記載された実施例1、2のうち、実施例2では、どのような紅茶抽出物を用いたか等の記載がないから、実質的に検証されたものは実施例1のみである。そうすると、発明の詳細な説明は、本件発明1の広範な範囲について、発明を実施するために、当業者に試行錯誤を強いるものである。
また、精製されていない紅茶抽出物にカテキン類以外の苦味成分が含まれていることは公知であるが、それら苦味成分が本件発明1を満たす発明にどう影響するかは推測できず、当業者に試行錯誤を強いるものであり、さらに、精製されていない紅茶抽出物には、アミノ酸や糖類など様々な成分が存在し、これらの成分の共存下において、カテキン類の苦味をゲラニオールで抑制することを示すことが理解できるほどに十分な説明や実施例はなされていない。
実施例1で用いたサンフェノン90LB-OPのパンフレットによると、紅茶抽出物ではなく、緑茶抽出物である(摘示10a)から、適切な実施例が記載されているとはいえない。
したがって、本件特許は、特許法第36条第4項第1号を満たすものではない。
本件発明2及び3についても同様である。

イ 判断
以下の観点に立って、検討する。
物の発明における発明の「実施」とは、その物の生産、使用等をする行為をいう(特許法第2条第3項第1号)から、特許法第36条第4項第1号の「その実施をすることができる」(実施可能要件)とは、その物を生産することができ、かつ、その物を使用できることである。したがって、物の発明については、明細書の発明の詳細な説明の記載又はその示唆及び出願当時の技術常識に基づき、当業者がその物を生産することができ、かつ、その物を使用できるのであれば、上記の実施可能要件を満たすということができる。

(ア)本件明細書等の記載
本件明細書等には、以下の記載がある。
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
pH5.0以上の飲料にカテキン類を含有させると、pHが5.0未満の飲料と比較して、カテキン類由来の苦味が一層強く感じられることが本発明者により見いだされた。本発明は、カテキン類を含有するpH5.0以上の飲料において、飲用時に感じられるカテキン類由来の刺激的な苦味を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の事情に鑑み、本発明者は、飲料に関し、カテキン類の苦味の軽減に有効な成分を探索した。鋭意検討の結果、ゲラニオールが当該苦味の軽減に寄与し得ることを見出した。このような知見に基づいて、本発明を完成させた。」
「【0008】
(カテキン類)
本発明の飲料は、カテキン類を含有する。
本明細書において、「カテキン類」とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの総称を表す。従って、本発明の実施の形態では、カテキン類は、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる群から選択される1以上を含んでいればよい。なお、確認のために記載するが、上記のカテキン類の含有量は、前記8種の各化合物の含有量の合計を意味するものとする。
【0009】
本発明のカテキン類は、特に限定されないが、精製品の他、粗製品でも良く、カテキン類を含有する天然物もしくはその加工品、例えば茶抽出物やその濃縮物の形態であってもよい。カテキン類を含有する植物の抽出物又はその濃縮物は、紅茶、緑茶、烏龍茶、プーアル茶などのカメリア・シネンシスに属する茶葉類等を原料として用い、調製することができる。中でも、本発明の効果の側面から、紅茶葉より得られる抽出物を好適に用いることができる。
【0010】
本発明の飲料中のカテキン類の濃度は、1?500ppmであり、・・・
【0011】
飲料中のカテキン類の濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、測定又は定量できる。・・・」
「【0012】
(ゲラニオール)
本発明の飲料は、ゲラニオールを特定量で含有する。これにより、カテキン類由来の苦味を軽減することができる。本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は、40ppm以上であり、好ましくは40?800ppm、好ましくは50?700ppm、より好ましくは60?600ppm、さらに好ましくは70?500ppmである。飲料中のゲラニオールの含有量が40ppmより小さいとガレート型カテキン由来の苦味の軽減効果が不十分になることがある。一方、飲料中のゲラニオールの含有量が800ppmを超えるとゲラニオールの風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。
・・・
【0014】
本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は、公知のGC-MS法にて測定できる。・・・
【0015】
本発明で用いるゲラニオールは、特に限定されないが、精製品の他、粗製品であってもよい。・・・」
「【0016】
(pH)
本発明の飲料のpHは5.0?8.0であり、・・・飲料のpH調整は、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、重曹等のpH調整剤を用いて適宜行うことができる。飲料のpHは市販のpHメーターを使用して容易に測定することができる。
【0017】
(Brix)
本発明の飲料のBrix(ブリックス)は、特に限定されないが、1以下であることが好ましい。・・・Brixは、糖度計や屈折計などを用いて得られるBrix値によって評価することができる。・・・」
「【0019】
(飲料)
本発明の飲料は、清涼飲料であれば特に限定されない。例えば、栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などいずれであってもよい。本発明の飲料は、一実施形態において、茶飲料であることが好ましい。ここで「茶飲料」とは、茶葉の抽出物や穀類の抽出物を主成分として含有する飲料であり、具体的には、緑茶、ほうじ茶、ブレンド茶、麦茶、マテ茶、ジャスミン茶、紅茶、ウーロン茶、杜仲茶などが挙げられる。本発明において特に好ましい茶飲料は、紅茶飲料である。」
「【0021】
(発明の効果)
本発明によれば、カテキン類由来の苦味が軽減されたpHが5.0以上の飲料を提供することができる。本明細書において「苦味」というときは、飲用時に瞬間的に感じる、舌を刺すような刺激的な苦味を意味する。」
「【実施例】
【0022】
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0023】
[実施例1]pHの苦味に対する影響
カテキン類として、紅茶抽出物(サンフェノン90LB-OP(太陽化学株式会社;カテキン類70%)を用いた。飲料中のカテキン類濃度が5ppmとなるように水にチャ抽出物を添加し飲料を調製した。クエン酸又は水酸化ナトリウムを用いて飲料のpHを表1に示すように調整した(サンプル1?5)。また、このように調製した飲料に、さらにゲラニオールを40ppmとなるように添加した飲料も調製した。Brixは全ての飲料で1以下であった。
【0024】
それぞれの飲料について、苦味に関する評価を行った。以下の基準に沿って、専門パネル3名が各自で苦味を評価した後、パネル全員で協議して最終的な評価を決定した。
○:苦味をほとんど感じない
△:苦味を少し感じる
×:苦味を強く感じる
結果を表1に示す。ゲラニオールを添加していない飲料の評価結果より、カテキン類由来の不快な苦味は、飲料のpHが5.0以上のときに知覚されることがわかった。これらの飲料にゲラニオールを添加すると、不快な苦味が軽減されることが示された。
【0025】
一方、pH3.5の飲料では、ガレート型カテキン由来の不快な苦味はあまり問題にならないことがわかった。また、この飲料にゲラニオールを添加しても苦味の強さは変わらないこともわかった。
【0026】
【表1】

【0027】
[実施例2]カテキン類とゲラニオールの含有量の苦味に対する影響
水に紅茶抽出物とゲラニオールを添加し、カテキン類とゲラニオールの濃度を表2の濃度となるように調整し、各飲料を調製した。調製した飲料を500ml容量のPET容器に充填した。調製した飲料のpHは5.9であった。Brixは全ての飲料で1以下であった。
【0028】
調製した飲料の苦味の強さに関して官能評価を行った。専門パネル3名が、カテキン類を1ppm、ゲラニオールを添加していない飲料をコントロール(サンプル1)として、以下の基準に沿って評価を行った。3名の専門パネルの点数の平均を算出し、3.0点以下を合格とした。官能評価結果を表2に示した。
5点:コントロールと比較して苦味が強い。
4点:コントロールと同等の苦味がある。
3点:コントロールと比較して、苦味が少ない。
2点:コントロールと比較して、苦味がかなり少ない。
1点:苦味を感じない。
【0029】
【表2】

【0030】
カテキン類を1?500ppm含有する飲料に対して、ゲラニオールを40ppm以上、40?800ppm添加すると、カテキン類に由来する不快な苦味が軽減され、飲みやすくなった。」

(イ)判断
発明の詳細な説明には、一般的な記載として、本発明は、ゲラニオールが飲料のカテキン類の苦味の軽減に寄与し得ることを見出したことに基づくものであることが記載されているところ(【0006】)、「カテキン類」とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの総称を表すこと、カテキン類は、精製品の他、粗製品でもよいこと、飲料中のカテキン類の濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定できること(【0008】?【0011】)、飲料中のゲラニオールの含有量は、公知のGC-MS法にて測定できること、ゲラニオールは、精製品の他、粗製品であってもよいこと(【0014】?【0015】)、本発明の飲料は、清涼飲料であれば特に限定されないが、特に好ましい茶飲料は、紅茶飲料であること(【0019】)、本発明によれば、カテキン類由来の苦味が軽減されたpHが5.0以上の飲料を提供することができること(【0021】)が記載されている。
そして、実施例1(pHの苦味に対する影響)として、カテキン類として、紅茶抽出物(サンフェノン90LB-OP(太陽化学株式会社;カテキン類70%)を用い、飲料のpHを表1に示すように調整したこと(サンプル1?4)(なお、【0023】の該当箇所には「サンプル1?5」と記載があるが、「サンプル1?4」の誤記と認める。)、また、このように調製した飲料に、さらにゲラニオールを40ppmとなるように添加した飲料を調製したこと、Brixは全ての飲料で1以下であったこと、実施例2(カテキン類とゲラニオールの含有量の苦味に対する影響)として、水に紅茶抽出物とゲラニオールを添加し、カテキン類とゲラニオールの濃度を表2の濃度となるように調整し、各飲料を調製し、調製した飲料を500ml容量のPET容器に充填したこと、調製した飲料のpHは5.9であり、Brixは全ての飲料で1以下であったことが記載されている(【0022】?【0030】)。
してみると、実施例2における紅茶抽出物が具体的にどのようなものであるか、また、当該紅茶抽出物におけるカテキン類以外の苦味物質の存在の有無が不明であったとしても、紅茶抽出物は本件出願時に周知であり、カテキン類が紅茶抽出物に含まれることは本件明細書等の記載から理解することができ(【0009】)、さらに、本件明細書等には、ゲラニオール、カテキン類の濃度の測定方法、pHの調整方法についての記載もあるから、当業者は、適当な量の通常の紅茶抽出物、ゲラニオールを用いて、実施例2に記載のとおりの方法により、本件発明1の飲料を製造することができるといえる。そして、実施例2のカテキン類を1?500ppm含有する飲料に対して、ゲラニオールを40ppm以上である40?800ppm添加したものは、カテキン類に由来する不快な苦味が軽減され、飲みやすいものであるところ、通常の紅茶抽出物を用いた場合にそれに存在するカテキン類以外の苦味物質によって、飲料として使用できないものとなるとは考えられないから、紅茶抽出物におけるカテキン類以外の苦味物質の存在の有無が不明であったとしても、飲料として使用できるものであるといえる。
さらに、実施例2に記載のように、カテキン類、ゲラニオールの濃度を変更することは、紅茶抽出物等のカテキン類及びゲラニオールの添加量を変えることにより行えることは明らかであるし、実施例1に記載のように、クエン酸、水酸化ナトリウム等を用いてpHを調整することができるといえるから、本件発明1の範囲全体ついて、過度の試行錯誤をすることなく、当業者は、飲料を生産することができ、また、使用できるといえる。
そして、上記判断は、実施例1に記載の「サンフェノン90LB-OP」が緑茶抽出物であること、実施例2でどのような紅茶抽出物を用いたか不明であることに左右されるものではない。
したがって、本件発明1について、発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。
本件発明2、3についても同様である。

ウ まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1?3について、発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1号に適合しないとはいえず、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。

(3)理由3について
ア 申立理由
理由3についての特許異議申立人の主張の具体的な理由の概要は、上記(2)で示した理由の概要で述べたのと同様であり、参酌されるべき実施例は実施例1のみであり、本件発明1は実施例1に対してあまりに広く、実施例2が参酌されるとしても、未精製品まで実施例でサポートされておらず、本件発明3においては、「茶抽出物」は、実施例ではカテキン類70%の紅茶抽出物のみであって、紅茶等の様々な種類、またアミノ酸や糖類を含む茶抽出物にまで広げることはできず、本件発明1?3は発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであり、本件特許は、特許法第36条第6項第1号を満たすものではない、というものである。

イ 判断
以下の観点に立って判断する。
特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件(いわゆる「明細書のサポート要件」)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。そして、特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合することは、当該特許の特許権者が証明責任を負うと解するのが相当である。

(ア)本件明細書等の記載
本件明細書等の記載は、上記(2)イ(ア)に示したとおりである。

(イ)本件発明の課題
発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識からみて、本件発明の課題は、「カテキン類を含有するpH5.0以上の飲料において、飲用時に感じられるカテキン類由来の刺激的な苦味を軽減すること」であると認める。

(ウ)判断
上記(2)イで述べたとおり、本件発明1の範囲全体ついて、過度の試行錯誤をすることなく、当業者は、飲料を生産することができ、また、使用できるといえ、本件発明1について、発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるから、本件発明1の飲料自体は、発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。
そして、実施例2に、カテキン類を1?500ppm含有する飲料に対して、ゲラニオールを40ppm以上である40?800ppm添加すると、カテキン類に由来する不快な苦味が軽減され、飲みやすくなったことが記載されており、当該飲料は当業者が上記課題を解決できると認識できるといえる。
ここで、精製されていない茶抽出物が、テアフラビン等のカテキン類以外の苦味成分、アミノ酸等の様々な成分を含有するとしても、それらの成分がゲラニオールによるカテキン類由来の刺激的な苦味の軽減を妨害するという技術的な根拠はないから、それら成分が存在しても、当業者が上記課題を解決できると認識できるといえる。
また、実施例1によりpHが5.0?8.0の範囲においてゲラニオールの添加によりカテキン類由来の苦味が軽減されること、実施例2によりゲラニオールが40ppm以上の範囲、カテキン類が1?500ppmの範囲において、カテキン類に由来する不快な苦味が軽減されることが示されており、カテキン類由来の苦味を軽減するという点では、どのような茶由来であるかは無関係であり、本件明細書等には、カテキン類の由来を問わず、カテキン類由来の苦味を軽減することが記載されているといえるから(【0009】、【0021】)、当業者が、本件発明1の範囲全体にわたって上記課題を解決できると認識できるといえる。
したがって、本件発明1は発明の詳細な説明に記載したものである。
本件発明2、3についても同様である。

ウ まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1?3について、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合しないとはいえず、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。

(4)理由4について
ア 申立理由
理由4についての特許異議申立人の主張の具体的な理由の概要は、本件明細書には、飲料中のゲラニオールの含有量が800ppmを超えるとゲラニオールの風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがあるとの記載がある(【0012】)ところ、本件発明1においてゲラニオールの含有量は上限がないため、ゲラニオールの含有量が800ppmより高い場合も含まれ、その場合は、ゲラニオールの風味が強くて、より飲みやすい飲料を提供する(【0030】)ことは難しいと考えられるから、本件発明1?3は明確でなく、本件発明2には、Brixが0の場合も含まれているところ、茶飲料に可溶性固形分が含まれていないことは実質的に考えられないから、本件発明2は明確でなく、本件発明3の「茶抽出物」について、実施例では、カテキン類70%の紅茶抽出物のみであって、紅茶等の様々な種類、またアミノ酸等を含む茶抽出物を意味するものか不明確であるから、本件発明3は明確でなく、本件特許は特許法第36条第6項第2号を満たすものではない、というものである。

イ 判断
以下の観点に立って判断する。
特許法第36条第6項第2号は、特許請求の範囲の記載に関し、特許を受けようとする発明が明確でなければならない旨規定する。この趣旨は、特許請求の範囲に記載された発明が明確でない場合には、特許の付与された発明の技術的範囲が不明確となり、第三者に不測の不利益を及ぼすことがあり得るため、そのような不都合な結果を防止することにある。そして、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載のみならず、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。

本件発明1は、ゲラニオール、カテキン類の含有量、pHを特定した飲料に係るものであり、ゲラニオールの含有量について、「ゲラニオールを40ppm以上含有し」と特定しているところ、その上限についての特定はない。そして、発明の詳細な説明には、「(ゲラニオール)本発明の飲料は、ゲラニオールを特定量で含有する。これにより、カテキン類由来の苦味を軽減することができる。本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は、40ppm以上であり、好ましくは40?800ppm、好ましくは50?700ppm、より好ましくは60?600ppm、さらに好ましくは70?500ppmである。飲料中のゲラニオールの含有量が40ppmより小さいとガレート型カテキン由来の苦味の軽減効果が不十分になることがある。一方、飲料中のゲラニオールの含有量が800ppmを超えるとゲラニオールの風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。」(【0012】)と記載され、上限が800ppmであることについての記載はない。
したがって、本件発明1は、ゲラニオールの含有量が800ppmより高い場合を含むと解されるところ、上記摘示のとおり、本件発明の詳細な説明には、ゲラニオールの含有量が800ppmを超えると、ゲラニオールの風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがあることが記載されている。
しかし、飲料が飲みやすいことについては発明特定事項とはされていないから、仮にゲラニオールの含有量が800ppmより高い場合であって、ゲラニオールの風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれることによって、飲料が飲みやすいとはいえない場合があったとしても、そのことによって本件発明1が明確でないということはできない。
したがって、本件発明1について、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえず、本件発明1は明確である。
本件発明2及び3についても同様である。

本件発明2は、Brixが1以下であることを特定するものであるところ、Brixの下限についての特定はない。そして、発明の詳細な説明には、「(Brix)本発明の飲料のBrix(ブリックス)は、特に限定されないが、1以下であることが好ましい。理論に拘束されないが、Brixが1以下である場合、苦味のマスキング成分として作用する可溶性固形分が少ないために、カテキン類の苦味が顕著に感じられることが考えられるため、本発明による苦味の軽減効果を得る上で好ましい。Brixは、糖度計や屈折計などを用いて得られるBrix値によって評価することができる。ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である。単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。」(【0017】)と記載され、Brixが0の場合を含まないことについての記載はない。
しかし、特許異議申立人も主張するように、茶飲料が可溶性固形分を含有しないことは実質的に考えられず、また、カテキン類、ゲラニオールを含有する本件発明2の飲料についてBrixが0の場合が含まれないことは明らかであり、この点で本件発明2が明確でないとはいえない。
したがって、本件発明2について、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえず、本件発明2は明確である。

本件発明3は、「茶抽出物」を含有することを特定するものであるところ、「茶抽出物」という語で特定される物自体が明確でないという理由はなく、また、発明の詳細な説明には、「本発明のカテキン類は、特に限定されないが、精製品の他、粗製品でも良く、カテキン類を含有する天然物もしくはその加工品、例えば茶抽出物やその濃縮物の形態であってもよい。カテキン類を含有する植物の抽出物又はその濃縮物は、紅茶、緑茶、烏龍茶、プーアル茶などのカメリア・シネンシスに属する茶葉類等を原料として用い、調製することができる。」(【0009】)との記載があり、当該記載からみて、茶抽出物には、紅茶、緑茶、烏龍茶、プーアル茶の抽出物が含まれると解され、甲12の記載(摘示12a)からみて、それらには、アミノ酸等が含まれる場合もあると解される。
したがって、本件発明3について、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえず、本件発明3は明確である。

ウ まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1?3について、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合しないとはいえず、本件発明1?3に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、当審が通知した取消理由及び特許異議申立人が申し立てた取消理由によっては、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-12-04 
出願番号 特願2019-182020(P2019-182020)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A23L)
P 1 651・ 4- Y (A23L)
P 1 651・ 536- Y (A23L)
P 1 651・ 537- Y (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 清野 千秋  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 冨永 保
関 美祝
登録日 2019-12-13 
登録番号 特許第6630020号(P6630020)
権利者 サントリーホールディングス株式会社
発明の名称 カテキン類由来の苦味が軽減された飲料  
代理人 中村 充利  
代理人 中西 基晴  
代理人 鶴喰 寿孝  
代理人 小野 新次郎  
代理人 山本 修  
代理人 宮前 徹  
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