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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A01M
管理番号 1369199
審判番号 訂正2020-390088  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2020-09-18 
確定日 2020-11-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6684506号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6684506号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第6684506号(以下「本件特許」という。)は、令和 1年 8月29日に特許出願され、令和 2年 4月 1日にその特許権の設定登録がなされ、その後、令和2年 9月18日に本件訂正審判が請求されたものである。

2 請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正すること認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「レーザー光を照射する光源と、
前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、」と記載されているのを、
「レーザー光を照射する光源と、
前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、を備え、」
に訂正する(請求項1の記載を直接または他の請求項を介して引用する請求項2、3、4、5および6も同様に訂正する)。

(2)訂正事項2
明細書の段落【0005】に
「上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
〔1〕レーザー光を照射する光源と、前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、」
と記載されているのを、
「上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
〔1〕レーザー光を照射する光源と、前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、を備え、」
に訂正する。

3 当審の判断

(1)訂正事項1

ア 訂正の目的について
訂正前の請求項1における、
「レーザー光を照射する光源と、
前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、」
との記載が、発明特定事項である「光源」及び「回折格子」と「動物忌避装置」との関係において不明瞭であったところ、本件特許明細書の段落【0014】に「・・・動物忌避装置10は、レーザー光Lを照射する光源11と、光源から放射されたレーザー光Lの進行方向を変化させる回折格子12を有する板状部材13とを備えている。」(下線は当審で付した)と記載されていることを根拠に、訂正前の請求項1の上記構成に続けて「を備え、」を加えることにより、「動物忌避装置」が「光源」と「回折格子」とを備えたものであることを明瞭にしたものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更する訂正ではないことについて

上記アに示したとおり、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明であり、請求項1ないし6に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。

新規事項の追加について

(ア)本件特許明細書には、以下の記載がある。

「【0014】 図1(a)および図1(b)に示される動物忌避装置10は、レーザー光Lを照射する光源11と、光源から放射されたレーザー光Lの進行方向を変化させる回折格子12を有する板状部材13とを備えている。・・・」

(イ)上記(ア)の記載からみて、本件特許明細書には、動物忌避装置が、レーザー光を照射する光源と、前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、を備え」ることが記載されていたといえるから、訂正事項1は、新たな技術的事項を導入したものではない。

よって、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

エ 独立特許要件について

上記アで検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。

(2)訂正事項2
訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様のものであるから、訂正の目的、実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更する訂正ではないこと、新規事項の追加がないこと、及び独立特許要件についても、上記(1)ア、イ、ウ、エと同様である。すなわち、訂正事項2は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新たな技術的事項を導入したものでもなく、独立特許要件は課されない。

4 むすび

以上のとおり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。


 
発明の名称 (54)【発明の名称】
動物忌避装置および動物忌避方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物忌避装置および動物忌避方法に関し、具体的には、例えば、夜間に屋内の配置物や屋外の耕作地などに被害を及ぼす動物が忌避するような光を放出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源と、前記光源から放射された光の一部を集光させる集光部と、前記集光部の光源に対する相対位置を変化させて、床に形成される集光部からの光の光照射領域を変位させる第1変位部と、を備え、前記集光部は、凸レンズを備える動物忌避装置が記載されている。特許文献1に記載の動物忌避装置は、光源から放射された光を集光部の備える凸レンズによって集光して、床面や壁面に光照射領域を形成するものである。このため、光の光照射領域を変位させるための機構を小さくして装置を小型化することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特許第6387501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光の光照射領域を変位させる新たな機構を備えた、小型化に適した動物忌避装置および動物忌避方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
〔1〕レーザー光を照射する光源と、前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、を備え、前記回折格子の前記光源に対する相対位置を変化させることにより、前記回折格子を通過した前記レーザー光の光照射領域の照射対象における位置を変化させ、前記回折格子が板状部材に設けられており、前記板状部材を回転させることにより、前記回折格子の前記光源に対する相対位置を変化させ、前記板状部材は、第1の回折格子と第2の回折格子とを異なる領域に備えており、前記第1の回折格子と前記第2の回折格子とは、前記レーザー光を通過させることにより前記照射対象の表面に形成する、第1の光照射領域の模様と第2の光照射領域の模様が異なることを特徴とする動物忌避装置。
【0007】
〔2〕前記光源が複数である〔1〕に記載の動物忌避装置。
〔3〕複数の前記光源は、波長の異なる前記レーザー光を出射する光源を含んでいる、〔2〕に記載の動物忌避装置。
【0008】
〔4〕複数の前記光源は、波長が異なる前記レーザー光を出射する2種類の光源をそれぞれ二つ備えており、同波長の前記レーザー光を出射する二つの前記光源から出射される前記レーザー光は、一方が前記第1の回折格子を通過可能な状態において、他方が前記第2の回折格子を通過可能である、〔2〕に記載の動物忌避装置。
【0009】
〔5〕〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載される動物忌避装置を天井または壁に取り付けて、前記動物忌避装置により、照射対象物の表面に形成される前記レーザー光の光照射領域を変位させる、動物忌避方法。
〔6〕前記動物忌避装置により、ステンレス製の屋内配置物に対してレーザー光を照射し、屋内配置物の表面における光照射領域を変位させると同時に、前記屋内配置物から反射された反射レーザー光の前記照射対象物の表面に形成される光照射領域を変位させる、〔5〕に記載の動物忌避方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、レーザー光を照射する光源と回折格子とを組み合わせることにより、光照射領域を変位させるための回転機構を小さくできるから、小型化に適した動物排除装置を提供することが可能である。また、本発明の動物排除装置を用いることにより、屋内の配置物に被害を与える動物を屋内から追い出したり、屋外の耕作地などに動物が近づかないようにしたりすることが実現される。本発明により動物忌避方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)第1の実施形態に係る動物忌避装置の構造を説明する図であり、(b)動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域の模様を示す図である。
【図2】(a)第1の実施形態に係る動物忌避装置の要部構造および動作を示す図であり、(b)動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域が移動する様子を示す図である。
【図3】(a)第2の実施形態に係る動物忌避装置の要部構造を示す図であり、(b)動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域の模様を示す図である。
【図4】(a)第3の実施形態に係る動物忌避装置の要部構造を示す図であり、(b)動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域の模様を示す図である。
【図5】(a)(b)(c)第3の動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域を示す図である。
【図6】第4の実施形態に係る、屋内における動物忌避方法の実施態様を説明する図である。
【図7】第4の実施形態に係る、ステンレス製の屋内配置物に対して光を照射する動物忌避方法の実施態様を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0013】
図1(a)は本発明の一実施形態に係る動物忌避装置の構造および動作を説明する図であり、図1(b)は動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域の模様を示す図である。
【0014】
図1(a)および図1(b)に示される動物忌避装置10は、レーザー光Lを照射する光源11と、光源から放射されたレーザー光Lの進行方向を変化させる回折格子12を有する板状部材13とを備えている。板状部材13は、回転機構14を介して本体15に取り付けられており、本体15は取付部材16を用いて天井Sに設置されている。回転機構14により板状部材13を回転することにより、回折格子12の光源11に対する相対位置を変化させることができる。これにより、回折格子12を通過したレーザー光の床面Fにおける光照射領域SP1の位置を変化させることができる。
【0015】
図1(a)には、光源11から出射されるレーザー光の光軸AxがY軸と平行になるように動物忌避装置10が設けられた場合を示している。この場合、動物忌避装置10の板状部材13は、その面がXZ平面と平行な状態を維持したまま、光軸Ax(Y軸)に平行な方向を回転軸として回転する。光軸Axと、板状部材13の回転軸と、Y軸との関係は、これに限られるものではなく。レーザー光の光軸AxがY軸と交差するように動物忌避装置10を設けてもよく、また、回転軸が光軸Axと平行とならないように板状部材13を設けてもよい。
【0016】
板状部材13には、レーザー光Lが通過する領域に回折格子12が設けられている。このため、光源11から照射されたレーザー光Lは、回折格子12を通過することにより、照射対象である床面Fに光照射領域SP1の模様を形成する。ここで、「模様」とは、床面Fの表面(XZ平面)に二次元的にすなわちX軸方向およびZ軸方向の両方向に広がるように形成された光照射領域SP1をいう。このため、例えば、一つの直線のみからなる光照射領域SP1は「模様」には含まれない。
【0017】
図1(b)には、光照射領域SP1がX軸方向とY軸方向とに均等に広がった例を示したが、模様は均等に広がったものでなくても良い。しかし、広い範囲で動物忌避効果を発揮する観点から、均等に広がった模様が好ましい。例えば、光照射領域SP1におけるX軸方向の幅(WX)とY軸方向の幅(WY)とアスペクト比(WX/WY)は、0.5?2程度が好ましい。
【0018】
図2(a)は動物忌避装置の要部の構造を示す図であり、図2(b)は動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域SP1が移動する様子を示す図である。図2(b)では、光照射領域SP1の模様が移動する軌跡を白抜きの丸で示している。
【0019】
板状部材13は回転機構14により回転されることにより、光源11に対する回折格子12の相対位置が変化する。これにより、床面Fにおける光照射領域SP1の位置が移動して、例えば、図2(b)に示すような軌跡を形成する。回折格子12は、レーザー光が通過する領域に設けられていればよく、板状部材13の全体に設けられる必要はない。
【0020】
光照射領域SP1の模様が、軌跡を形成するように床面Fを移動することにより、効果的に動物を忌避させることができる。忌避対象となる動物には、ネズミやモグラなどの哺乳類やカラスなどの鳥類のみならず、ゴキブリやハエなどの昆虫類やクモ類を含む節足動物も含まれる。光照射領域SP1が床面Fを動き回ると、忌避対象の動物は、光照射領域SP1を自らの捕食者や駆除物などと誤認し、床面Fに近づくことが困難になる。
【0021】
また、回折格子12を備えた板状部材13は、小さく軽い部材で構成することが容易である。このため、床面Fにおける光照射領域SP1の位置を移動させる際の回転機構14にかかる負荷が小さくなる。したがって、動物忌避装置10の耐久性および信頼性を高くするために有用である。また、回折格子12を備えた板状部材13を用いることにより動物忌避装置10を小型化することができる。
【0022】
光照射領域SP1は、図2(b)に示す移動可能な領域(移動領域)の全部を移動する必要はない。例えば、光源11が点滅することにより、光照射領域SP1が移動領域の一部を移動するようにしてもよい。この点滅を不規則に行えば、光照射領域SP1が領域内のみを移動することを忌避対象の動物が気付きにくくなり、動物を忌避する効果高まる場合もある。
【0023】
なお、本実施形態に係る動物忌避装置10は、光源11および板状部材13を、レーザー光Lを出射可能な状態で取り囲む筐体をさらに備えていてもよい。筐体により光源11からの漏れ光を防ぐことが可能になるから、集光性の動物(昆虫など)が動物忌避装置10に近づくことを防止できる。
【0024】
(第2の実施形態)
本実施形態の動物忌避装置10Aは、板状部材13が回折格子を通過した光の光照射領域により形成される模様が異なる回折格子(第1の回折格子)12Aと回折格子(第2の回折格子)12Bとを備えている点、および、2つの光源11を備えている点において、図1に示される動物忌避装置10と相違する。
【0025】
図3(a)は本発明の他の一実施形態に係る動物忌避装置の要部構造を示す図であり、図3(b)は動物忌避装置が照射対象物の表面に形成する光照射領域の模様を示す図である。
【0026】
図3(a)に示すように、光源11からのレーザー光が回折格子12Aを通過した場合と、光源11からのレーザー光が回折格子12Bを通過した場合とで、異なる模様が床面F(図1参照)に形成される。図3(b)では、一例として光照射領域SP1が小さな点が放射状に並んだ模様を形成し、光照射領域SP2が4つの輪が均等にならんだ模様を形成する場合を示している。回転機構14により板状部材13を回転させることにより、光照射領域SP1の模様と、光照射領域SP2の模様とが、床面Fを移動する。
【0027】
このように、各光源11に対向する各領域に回折格子12Aと回折格子12Bとを設けることで、異なる模様を床面Fに同時に形成できる。これにより、動物の忌避効果を向上させることができる。
【0028】
また、光照射領域SP1と光照射領域SP2とが異なった軌跡で移動するように回折格子12Aと回折格子12Bとを設計してもよい。これにより、床面Fにおけるレーザー光Lの模様の動きが複雑になるから、忌避対象動物に対する忌避効果を高めることができる。なお、本実施形態では、2つの光源11を同じもので構成した例を説明したが、波長の異なるレーザー光を照射するものを用いてもよい。
【0029】
(第3の実施形態)
本実施形態の動物忌避装置10Bは、波長が異なるレーザー光を出射する2種類の光源11Aおよび光源11Bをそれぞれ二つずつ、合計4つの光源を備えている点において、図3に示す動物忌避装置10Aと相違している。
【0030】
光源11Aと光源11Bとは異なる波長(色)のレーザー光を出射するものであり、二つの光源11Aから出射されるレーザー光は、一方が回折格子12Aを通過可能であると同時に、他方が回折格子12Bを通過可能に構成されている。また、二つの光源11Bから出射されるレーザー光Lも、光源11Aから出射さされるレーザー光L同様に、一方が回折格子12Aを通過可能である状態において、他方が回折格子12Bを通過可能に構成されている。
【0031】
図4(a)は、本実施形態に係る動物忌避装置10Bの要部構造を示す図であり、図4(b)は、動物忌避装置10Bが床面F(図1参照)の表面に形成する光照射領域SP1および光照射領域SP2の模様を示す図である。
【0032】
図4(a)に示すように、光源11Aと光源11Bとは、回折格子12Aを通過させたレーザー光を出射可能な位置に一つずつ設けられている。また、回折格子12Bを通過させたレーザー光を出射可能な位置にも、光源11Aと光源11Bとが一つずつ設けられている。この構成により、回折格子12Aおよび回折格子12Bのいずれも、光源11Aまたは光源11Bから選択的にレーザー光を出射することができる。
【0033】
回折格子12Aと回折格子12Bのそれぞれについて、光源11Aまたは光源11Bのいずれからレーザー光を出射するかによって、図4(b)および図5(a)?図5(c)に示すレーザー光と模様との四つの組み合わせを容易に変更することができる。これにより、忌避対象動物に適した組合せを選択することにより忌避効果を高めたり、多様なパターンを用いることにより忌避効果を長期間維持したりすることができる。
【0034】
上述した実施形態では、レーザー光を出射する光源のみを用いる態様について説明したが、レーザー光を出射する光源に加えて、レーザー光以外の光を出射する光源を併用してもよい。このような光源として、例えば、LEDランプが挙げられる。レーザー光を出射する光源とLEDランプとを併用することにより、照射パターンをより多様化することができる。
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、例えば、屋内の動物が屋内に留まることができない、あるいは、屋外の耕作地などに侵入することができない程度に驚かせる動物忌避装置を提供することが可能になる。
【0036】
(第4の実施形態)
本実施形態では、上述した本発明の動物忌避装置を用いた動物忌避方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る、屋内における動物忌避方法の実施態様を説明する図である。本実施形態の動物忌避方法は、動物忌避装置10を天井Sに取り付けて、動物忌避装置10により、床面Fに形成されるレーザー光の光照射領域SP1を変位させる方法である。なお、図6では、動物忌避装置10を天井Sに取り付けた例を示したが、本実施形態の動物忌避方法は、動物忌避装置10を壁面Wに取り付けて実施することもできる。
【0037】
光源11と回折格子12との相対位置を変化させることにより、床面Fや壁面Wに形成された光源11に基づく光照射領域SP1が、所定の領域内を移動することにより(図2(a)および図2(b)参照)、室内の動物を忌避することができる。
【0038】
図7は、屋内配置物20に対して光を照射する動物忌避方法の実施態様を説明する図である。室内において特に動物を忌避する必要性が高い場所である飲食店の厨房には、清掃の便宜等のため、ステンレス製の調理台、カウンター、器具が用いられることが多い。動物忌避装置により、ステンレス製の屋内配置物20に対してレーザー光Lを照射して位置を変化させることで、屋内配置物20から反射された反射レーザー光LRの光照射領域SP2をも変位させる。この方法によれば、屋内配置物20の表面から反射したレーザー光LRが壁面Wや天井Sにも到達して、レーザー光Lの照射領域SP1と同時に照射領域SP2を変位させることができる。光照射領域SP1・SP2が屋内配置物20の表面や床面Fや壁面Wや天井Sを移動すると、忌避対象動物は、パニック状態に陥る。しかも、床面Fだけでなく、壁面Wや天井Sにも光照射領域SP1・SP2が形成されると、忌避対象動物は逃げ道を断たれたと認識し、さらに錯乱状態になる。このため、通常であれば容易に回避可能な粘着型の動物捕獲装置に捕獲されることもある。
【0039】
屋内で使用する場合、屋内から屋外への移動のみが可能とされた扉DRが壁面Wに設けられていてもよい。この場合には、動物忌避装置10Bが作動している間に、動物はこの扉DRから屋外に逃げ出すことができ、動物の捕獲の手間が不要となる。このように、動物忌避装置10、10A、10Bと屋内から屋外への移動のみが可能とされた扉DRとにより、屋内動物排除装置を構成すれば、屋内の動物を効率的に排除することができる。
【0040】
上述の実施形態では、主に動物忌避装置を屋内において用いる態様について説明したが、動物忌避装置は屋外において使用することも可能である。
【0041】
上記に本発明の各実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の構成例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0042】
10、10A、10B:動物忌避装置
11、11A、11B:光源
12 :回折格子
12A :第1の回折格子
12B :第2の回折格子
13 :板状部材
14 :回転機構
15 :本体
16 :取付部材
20 :屋内配置物
L :レーザー光
LR :反射レーザー光
SP1、SP2:光照射領域
F :床面
S :天井
W :壁面
Ax :光軸
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を照射する光源と、
前記光源から放射された前記レーザー光の進行方向を変化させる回折格子と、を備え、
前記回折格子の前記光源に対する相対位置を変化させることにより、前記回折格子を通過した前記レーザー光の光照射領域の照射対象における位置を変化させ、
前記回折格子が板状部材に設けられており、前記板状部材を回転させることにより、前記回折格子の前記光源に対する相対位置を変化させ、
前記板状部材は、第1の回折格子と第2の回折格子とを異なる領域に備えており、前記第1の回折格子と前記第2の回折格子とは、前記レーザー光を通過させることにより前記照射対象の表面に形成する、第1の光照射領域の模様と第2の光照射領域の模様が異なることを特徴とする動物忌避装置。
【請求項2】
前記光源が複数である請求項1に記載の動物忌避装置。
【請求項3】
複数の前記光源は、波長の異なる前記レーザー光を照射する光源を含んでいる、請求項2に記載の動物忌避装置。
【請求項4】
複数の前記光源は、波長が異なる前記レーザー光を出射する2種類の光源をそれぞれ二つ備えており、同波長の前記レーザー光を出射する二つの前記光源から出射される前記レーザー光は、一方が前記第1の回折格子を通過可能な状態において、他方が前記第2の回折格子を通過可能である、請求項2に記載の動物忌避装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載される動物忌避装置を天井または壁に取り付けて、前記動物忌避装置により、照射対象物の表面に形成される前記レーザー光の光照射領域を変位させる、動物忌避方法。
【請求項6】
前記動物忌避装置により、ステンレス製の屋内配置物に対して前記レーザー光を照射し、前記照射対象物の表面に形成される前記屋内配置物から反射された反射レーザー光の光照射領域を変位させる、請求項5に記載の動物忌避方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2020-10-29 
結審通知日 2020-11-04 
審決日 2020-11-19 
出願番号 特願2019-156977(P2019-156977)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A01M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉原 健太門 良成  
特許庁審判長 住田 秀弘
特許庁審判官 土屋 真理子
長井 真一
登録日 2020-04-01 
登録番号 特許第6684506号(P6684506)
発明の名称 動物忌避装置および動物忌避方法  
代理人 大窪 克之  
代理人 大窪 克之  
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