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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B01F
審判 全部申し立て 2項進歩性  B01F
管理番号 1370023
異議申立番号 異議2020-700684  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-11 
確定日 2021-01-06 
異議申立件数
事件の表示 特許第6664161号発明「遠隔監視操作装置を備えた現場吹付け型発泡機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6664161号の請求項1?9に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6664161号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成27年 7月30日に出願され、令和 2年 2月20日にその特許権の設定登録がされ、同年 3月13日に特許掲載公報が発行され、その後、全請求項に係る特許に対して、同年 9月11日付けで、特許異議申立人 カイル ビー. リウダールにより甲第1?5号証を証拠方法として特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件特許発明
特許第6664161号の請求項1?9に係る発明(以下、「本件発明1」?「本件発明9」といい、まとめて「本件発明」という。)は、それぞれ、本件特許の特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
被着体に発泡材層を形成するために、少なくとも二種の液体を混合して前記被着体に吹き付ける現場吹付け型発泡機であって、
主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ、前記第1の液体を貯留する第1タンク、及び前記第1タンクから前記第1の液体を汲み上げる第1汲上ポンプを有する第1供給系統と、
硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ、前記第2の液体を貯留する第2タンク、及び前記第2タンクから前記第2の液体を汲み上げる第2汲上ポンプを有する第2供給系統と、
前記第1及び第2の液体を加熱する加熱装置と、
前記第1及び第2供給系統の端部に結合されて、前記第1の液体と前記第2の液体とを混合して噴射するスプレーガンと、
前記第1及び第2の液体の状態の制御、及び該現場吹付け型発泡機の始動と停止の操作が可能であるように構成された制御装置と、
前記第1及び第2の液体の温度の監視、前記第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに前記第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置と、を具備し、
前記制御装置と前記遠隔監視操作装置は、それらの間の双方向の携帯電話の通信規格を用いた無線通信が可能である、現場吹付け型発泡機。
【請求項2】
前記遠隔監視操作装置は、前記第1及び第2の液体の温度に加えて圧力又は流量を監視するとともに、前記第1及び第2の液体の温度に加えて圧力又は流量の制御目標値を設定することができる、請求項1に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項3】
前記制御装置は、前記設定された制御目標値に基づいて、前記第1及び第2ポンプ並びに前記加熱装置の作動を制御する、請求項1又は2に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項4】
発泡剤としての第3の液体を圧送する第3供給系統であって、前記第1供給系統に合流する第3供給系統を更に具備する、現場吹付け型発泡機であって、
前記第3供給系統は、前記第3の液体を圧送する第3ポンプと開閉弁とを有し、
前記遠隔監視操作装置は、前記第3の液体の圧力又は流量を監視するとともに、前記第3の液体の圧力又は流量の制御目標値を設定することが更にでき、
前記制御装置は、設定された前記制御目標値に基づいて前記第3ポンプ及び前記開閉弁の作動も制御する、請求項1?3のいずれか一項に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第3供給系統内の前記第3の液体の圧力が合流箇所における前記第1供給系統の前記第1の液体の圧力よりも高いときに、前記開閉弁を開弁するように、前記開閉弁を制御する、請求項4に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項6】
前記遠隔監視操作装置は、前記第3供給系統の前記開閉弁の開弁時間を設定することができる、請求項4又は5に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項7】
前記無線通信は無線LANである、請求項1?6のいずれか一項に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項8】
前記制御装置と前記遠隔監視操作装置とが、中継器を介して無線接続されている、請求項7に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項9】
前記遠隔監視操作装置は、制御情報を入力するための制御アプリケーションを所定のウェブサイトからダウンロードすることにより取得できる携帯型情報端末である、請求項1?8のいずれか一項に記載の現場吹付け型発泡機。」

第3 特許異議申立理由の概要
1 各甲号証
甲第1号証:特開2014-162146号公報
甲第2号証:特表2007-502703号公報
甲第3号証:特開2006-328282号公報
甲第4号証:米国特許第8561921号明細書
甲第5号証:国際公開第2014/124416号

2 特許法第29条第2項(進歩性)について
(1)甲第1号証を主引用例とする場合について
本件発明1、2、7、9は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明3?6は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明8は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項、本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)甲第4号証を主引用例とする場合について
本件発明1、2、7、9は、甲第4号証に記載された発明及び甲第1?2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明3?6は、甲第4号証に記載された発明及び甲第1?3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明8は、甲第4号証に記載された発明及び甲第1?2号証に記載された事項、本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)甲第5号証を主引用例とする場合について
本件発明1?3、7、9は、甲第5号証に記載された発明及び甲第1?2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明4?6は、甲第5号証に記載された発明及び甲第1?3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明8は、甲第5号証に記載された発明及び甲第1?2号証に記載された事項、本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3 特許法第36条第6項第2号について
本件発明1は「前記制御装置と前記遠隔監視操作装置は、それらの間の双方向の携帯電話の通信規格を用いた無線通信が可能である」、との発明特定事項を有するのに対して、本件発明7は「前記無線通信は無線LANである」ものである。
そして、本件特許の出願時における技術常識に基づけば、「無線LAN」は「携帯電話の通信規格」の下位概念にはあたらず、両技術は並列の関係を有することは明らかであり、このことは、本件特許明細書の【0040】?【0041】の記載とも合致するから、本件特許明細書及び本件特許の出願時における技術常識を考慮しても、当業者は本件発明7に係る請求項7に記載された用語の意味を理解できないため、本件発明7は明確でない。

第4 特許異議申立理由についての当審の判断
1 特許法第29条第2項(進歩性)について
(1)各甲号証の記載事項等
(1-1)甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明
(ア)甲第1号証には、以下(1a)?(1b)の記載事項がある(当審注:下線は当審が付与した。また、「…」は記載の省略を表す。以下、同様である。)。
(1a)「【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細を説明する。
この混合噴射装置の異常予告装置は、混合噴射装置としてウレタン発泡機に適用したものであり、このウレタン発泡機10では、2つの原料であるポリオール原液Aとイソシアネート原液Bとがそれぞれ原料タンク11A,11Bに入れられており、それぞれの原料が原料供給ポンプ12A,12Bで計量されて原料供給ホース13A,13Bを介して加圧用のプロポーションポンプ14A,14Bに送られる。
それぞれのプロポーションポンプ14A,14Bは1つの油圧シリンダ15のロッドに共通ロッド16を介して連結されて駆動されるようになっており、油圧シリンダ15には、作動油を加圧給排することで往復駆動する油圧ポンプ17が油圧配管18を介して接続してある。
プロポーションポンプ14A,14Bで加圧された原料は、ヒータ19で加熱されてそれぞれが18?120mの長い高圧ホース20A,20Bを介して施工現場のスプレーガン21に供給され、スプレーガン21内で混合されて壁面や天井などに噴射される。
【0018】
また、このウレタン発泡機10では、別添加装置30が設けてあり、発泡剤として高圧ガスを別に添加するようにしてある。ここでは炭酸ガスが発泡剤として2つの原料とは別に第3の成分の原料として別に添加され、CO_(2)ボンベ31からチラー(冷却器)32を介して別添加ポンプ33に送られる。この別添加ポンプ33は、プロポーションポンプ14A,14Bを駆動する油圧シリンダ15に連結された共通ロッド16を介して往復駆動され、高圧ガス管34を介してヒータ19の手前に供給される。

【0019】
このウレタン発泡機10では、所定の品質のポリウレタンフォームを得るためには、2つの原料を定められた比率で混合するとともに、別に添加する発泡剤を所定の条件(圧力、温度や量など)で供給する必要があり、ウレタン発泡機10で発生した異常を検出してウレタン発泡機10の運転を制御し、施工現場の作業者に異常を予告する異常予告装置40が設けてある。この異常予告装置40では、異常時に直ちにウレタン発泡機10を自動停止することなく所定の品質での噴射を継続した状態で異常を感知させ、その後、噴射作業を中止してウレタン発泡機を停止するなどの異常に対応できるようにしている。

【0022】
次に、この異常状態設定手段43で設定した設定値を超えた異常状態あるいは異常予告状態となった場合には、ウレタン発泡機10を直ちに自動停止することなく、異常状態設定手段43から間欠制御手段44に信号が出力される。
この間欠制御手段44では、スプレーガン21で噴射される混合された原料の噴射圧力を発生する油圧ポンプ17を間欠的に運転して正常噴射圧力の範囲内で変化(低下)させることで、噴射される噴射物の性状を良好に保ったまま、施工現場の作業者には噴射圧力変化による噴射パターンの変化(小さくなること)から異常を感知させ、予告するためのものである。
この間欠制御手段44は、例えば図2に示すように、有接点リレー方式のシーケンス制御回路が用いられ、フリッカタイマ45とマグネットスイッチ46とリレーおよびリレー接点とを備えて構成され、油圧ポンプ17の駆動用モータの電源をマグネットスイッチ46でON-OFFすることを繰り返して間欠運転し、噴射圧力を正常範囲で変化させる。
これにより、油圧ポンプ17を連続運転する場合に比べ間欠運転により噴射圧力(平均値)は停止時間分に応じて低下することになるが、この低下した噴射圧力自体は、ウレタン発泡機10での正常な噴射圧力の範囲となるようにしてある。」

(1b)「【図1】



(イ)前記(ア)(1a)、(1b)によれば、甲第1号証には「ウレタン発泡機」が記載されており、前記「ウレタン発泡機」は、2つの原料であるポリオール原液とイソシアネート原液とがそれぞれ原料タンクに入れられており、それぞれの原料が原料供給ポンプで計量されて原料供給ホースを介して加圧用のプロポーションポンプに送られ、それぞれのプロポーションポンプは1つの油圧シリンダのロッドに共通ロッドを介して連結されて駆動されるようになっており、プロポーションポンプで加圧された原料は、ヒータで加熱されてそれぞれが18?120mの長い高圧ホースを介して施工現場のスプレーガンに供給され、スプレーガン内で混合されて壁面や天井などに噴射されるものである。
また、この「ウレタン発泡機」では、別添加装置が設けられて、発泡剤として高圧ガスを別に添加するようにしてあり、ここでは炭酸ガスが発泡剤として2つの原料とは別に第3の成分の原料として別に添加され、CO_(2)ボンベからチラー(冷却器)を介して別添加ポンプに送られるものであり、この別添加ポンプは、プロポーションポンプを駆動する油圧シリンダに連結された共通ロッドを介して往復駆動され、高圧ガス管を介してヒータの手前に供給されるものである。
更に、前記「ウレタン発泡機」には、「ウレタン発泡機」で発生した異常を検出して「ウレタン発泡機」の運転を制御し、施工現場の作業者に異常を予告する異常予告装置が設けてあり、この異常予告装置では、異常時に直ちにウレタン発泡機を自動停止することなく所定の品質での噴射を継続した状態で異常を感知させ、その後、噴射作業を中止してウレタン発泡機を停止するなどの異常に対応できるようにしているものであり、異常状態設定手段で設定した設定値を超えた異常状態あるいは異常予告状態となった場合には、「ウレタン発泡機」を直ちに自動停止することなく、異常状態設定手段から間欠制御手段に信号が出力され、この間欠制御手段は、スプレーガンで噴射される混合された原料の噴射圧力を発生する油圧ポンプを間欠的に運転して正常噴射圧力の範囲内で変化(低下)させることで、噴射される噴射物の性状を良好に保ったまま、施工現場の作業者には噴射圧力変化による噴射パターンの変化(小さくなること)から異常を感知させ、予告するものであり、これにより、油圧ポンプを連続運転する場合に比べ間欠運転により噴射圧力(平均値)は停止時間分に応じて低下することになるが、この低下した噴射圧力自体は、「ウレタン発泡機」での正常な噴射圧力の範囲となるようにしてあるものである。

(ウ)前記(イ)によれば、甲第1号証には、
「2つの原料であるポリオール原液とイソシアネート原液とがそれぞれ原料タンクに入れられており、それぞれの原料が原料供給ポンプで計量されて原料供給ホースを介して加圧用のプロポーションポンプに送られ、それぞれのプロポーションポンプは1つの油圧シリンダのロッドに共通ロッドを介して連結されて駆動されるようになっており、プロポーションポンプで加圧された原料は、ヒータで加熱されてそれぞれが18?120mの長い高圧ホースを介して施工現場のスプレーガンに供給され、スプレーガン内で混合されて壁面や天井などに噴射されるウレタン発泡機であり、
前記ウレタン発泡機では、別添加装置が設けられて、発泡剤として高圧ガスを別に添加するようにしてあり、ここでは炭酸ガスが発泡剤として2つの原料とは別に第3の成分の原料として別に添加され、CO_(2)ボンベからチラー(冷却器)を介して別添加ポンプに送られるものであり、この別添加ポンプは、プロポーションポンプを駆動する油圧シリンダに連結された共通ロッドを介して往復駆動され、高圧ガス管を介してヒータの手前に供給されるものであり、
前記ウレタン発泡機には、ウレタン発泡機で発生した異常を検出してウレタン発泡機の運転を制御し、施工現場の作業者に異常を予告する異常予告装置が設けてあり、この異常予告装置では、異常時に直ちにウレタン発泡機を自動停止することなく所定の品質での噴射を継続した状態で異常を感知させ、その後、噴射作業を中止してウレタン発泡機を停止するなどの異常に対応できるようにしているものであり、異常状態設定手段で設定した設定値を超えた異常状態あるいは異常予告状態となった場合には、ウレタン発泡機を直ちに自動停止することなく、異常状態設定手段から間欠制御手段に信号が出力され、この間欠制御手段は、スプレーガンで噴射される混合された原料の噴射圧力を発生する油圧ポンプを間欠的に運転して正常噴射圧力の範囲内で変化(低下)させることで、噴射される噴射物の性状を良好に保ったまま、施工現場の作業者には噴射圧力変化による噴射パターンの変化(小さくなること)から異常を感知させ、予告するものであり、
これにより、油圧ポンプを連続運転する場合に比べ間欠運転により噴射圧力(平均値)は停止時間分に応じて低下することになるが、この低下した噴射圧力自体は、ウレタン発泡機での正常な噴射圧力の範囲となるようにしてある、ウレタン発泡機。」
の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(1-2)甲第2号証の記載事項
甲第2号証には以下(2a)?(2d)の記載がある。
(2a)「【請求項1】
第1の動作場所にあり、動作時に第1の動作機能に従って材料を表面に塗布する少なくとも1つの塗布装置と、
互いに、且つ前記塗布装置の第1の場所からそれぞれ物理的に、オペレータが前記場所間を移動するような距離だけ離れており、そこに配置された関連する動作機能をそれぞれ有し、関連する各動作機能はオペレータアクセス機能を有する、1つ又は複数の追加動作場所と、
前記各追加動作場所及び前記塗布装置の第1の場所において前記塗布装置及び前記各動作機能に関連付けられ、ワイヤレスに通信可能な一意のIDがそれぞれ関連付けられる各ワイヤレス通信識別子と、
オペレータ使用時に前記識別子を検出するワイヤレスアクセス装置と、
を備える、材料塗布システム。」

(2b)「【0009】
したがって、粉体吹き付けシステム等の従来の材料塗布システムには、手動、自動、又は手動と自動を組み合わせて制御される多数の機能及び動作があることが明らかである。こういった制御及び動作機能は作業現場又は設備内で物理的に離れていることがある。中央制御コンソールを利用することができるが、それでもオペレータは通常、各場所を歩き回って設定の調整、作業のモニタリング、色替え手順の実施等を行わなければならない。中央制御コンソールと機能場所の1つ又は複数の間を行き来する必要があることは、厄介であるとともに時間を浪費する。また、色替え時間の短縮という高まり続ける需要により、作業現場でたとえ短い距離でも動作場所間を歩く必要があるという非効率性が明白になっている。」

(2c)「【0018】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1を参照すると、例示的な一実施形態では、材料塗布システム、たとえば、物体(図示せず)に粉体被覆材料14を内部で吹き付ける粉体スプレーブース12を備えるタイプの通常の粉体スプレー装置10等において本発明を具現して示す。…

【0020】
装置10は通常、スプレーブース12内に完全に、或いは一部配置されるスプレーガン18等、1つ又は複数の塗布装置をさらに備える。…
【0021】
図1の装置では、制御コンソール16は通常、オペレータが調整を行い、パラメータを設定し、全般的に吹き付け動作を制御するための中央制御場所として使用される。コンソール16は、プログラマブルコントローラ又は他の電子論理回路、及びガン18、ガン動力機20、粉体ポンプ26、粉体供給源28、及び再利用システム30の動作を制御するための種々の装置及びインタフェースを備えることができる。…

【0023】
本発明は、アクセス装置1を使用して材料塗布システム10に使用される制御コンソール16の機能、パラメータ、及び他の特徴の制御を増大することを意図する。図1に示すように、アクセス装置1は必ずしもではないが好ましくは、プログラマブルハンドヘルドワイヤレス装置、たとえばPDA等の形態で実現される。本発明の一態様によれば、アクセス装置1は、図1に破線34で示すようにオペレータと制御コンソール16の間に任意のワイヤレスリンクを提供する。ワイヤレスリンクは、オペレータが粉体スプレーブース12又はコンソール16から離れた他の場所、又はその付近にいながらにして制御コンソール16に命令を送信できるようにする。このようにしてオペレータは吹き付け動作を観察し、1つ又は複数のパラメータ又は機能を変更する命令を制御コンソール16に送信し、同時にブース12で結果を観察することができる。」

(2d)「【図1】



(1-3)甲第3号証の記載事項
甲第3号証には以下(3a)?(3c)の記載がある。
(3a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を発泡剤とし、ポリオール化合物とポリイソシアネートとを混合して作製するウレタンフォームの製造方法であって、
供給されるポリオール化合物について二酸化炭素の超臨界状態を維持する温度および圧力条件に制御するとともに、液化二酸化炭素を前記圧力以上に加圧し液体状態で該ポリオール化合物に混合後、該混合流体をポリイソシアネートと攪拌混合することを特徴とする液化二酸化炭素を利用したウレタンフォームの製造方法。」

(3b)「【0049】
(1)製造条件の設定
予め構成例における設定条件を確定し、各構成要素を制御する手段(図示せず。以下「制御手段」という。)に入力する。具体的には、(a)ポリオール化合物の流量・温度・圧力、(b)ポリイソシアネートの流量・温度・圧力、(c)液化二酸化炭素の流量・圧力、(d)その他、反応触媒、界面活性剤などの流量、が該当する。
【0050】
(2)ポリオール化合物溶液の準備
ポリオール化合物供給路1において、ポリオール用熱交換器14を始動し、ミキシングヘッド5を循環系にセットした状態でポリオール用高圧ポンプ12を始動する。このときミキシングヘッド5はウレタンフォームの形成に必要な温度に加熱し温度調整することが好ましい。

【0052】
(4)液化二酸化炭素の準備
液化二酸化炭素供給路3において、停止弁38aを閉にした状態で液化二酸化炭素用高圧ポンプ32を始動する。
圧力センサ36の出力を基に、制御手段によって液化二酸化炭素用高圧ポンプ32を制動し、流量圧力調節部37によって所定の圧力、つまり二酸化炭素の臨界圧力7.4MPa以上で、かつポリオール化合物供給路1の設定圧力以上に調整する。具体的には、15?18MPaとなるように調整する。
また、流量圧力調節部37は、予め液化二酸化炭素における上記圧力との相関を求めておき、圧力に応じ、所定の流量となるように調整する。

【0053】
(5)ポリオール化合物と液化二酸化炭素の混合
液化二酸化炭素供給路3に設けられた停止弁38aを開状態にする。なお、図2(A)および(B)の構成の場合には3方切換弁38bの通常時閉口部を開状態にする。このとき、安定した温度・圧力・流量を有する液化二酸化炭素が、停止弁38aあるいは3方切換弁38bを介して接合部Mにおいてポリオール化合物と混合する混合流体供給路4に導入される。…」

(3c)「【図1】



(1-4)甲第4号証の記載事項及び甲第4号証に記載された発明
(ア)甲第4号証には以下(4a)?(4h)の記載がある。
(4a)「The present invention relates generally to systems for mixing liquid materials, and more particularly to systems for mixing and applying two or more liquid components to form a polyurethane based item.」(1欄12行?15行)
(当審訳:本発明は、一般に、液体材料を混合するためのシステムに関し、より詳細には、ポリウレタンベースの製品を形成するために、2つ以上の液体成分を混合し、塗布するためのシステムに関する。)

(4b)「FIG. 3 is a diagram that illustrates the primary components of the mixing system 10 that can be used to mix and apply insulation 12, according to one embodiment of the present invention. The mixing system 10 includes a first reservoir 14 that contains component A 16, which typically will be an isocyanate liquid. A second reservoir 18 contains component B 20, which will typically be a polymer resin. …A mixing apparatus, such as a spray gun 22 is provided as part of the system 10 in order to apply the insulation 12. …The mixing system 10 provides an effective and efficient apparatus for moving the components A and B from the reservoirs 14 and 18 to the gun 22.」(6欄14行?33行)
(当審訳:図3は、本発明の一実施形態による、断熱材12を混合し、塗布するために使用することができる混合システム10の主要成分を表す図である。混合システム10は、典型的にはイソシアネート液体である成分A16を貯蔵する第1リザーバ14を含む。第2リザーバ18は、典型的にはポリマー樹脂である成分B20を含む。…断熱材12を塗布するために、システム10の一部としてスプレーガン22のような混合装置が設けられている。…混合システム10は、成分A、Bをリザーバ14、18からガン22に搬送するための効果的かつ効率的な装置を提供する。」

(4c)「The components A and B are provided to the proportioner 28 at a relatively low pressure through inlet pipes 30. The proportioner 28 pressurizes the components A and B and provides them to the heat exchanger 34 through outlet pipes 32. Within the heat exchanger 34 heat is transferred from the engine coolant to the components A and B to heat the components A and B to a desired temperature. The components A and B then flow out of the heat exchanger 34 through heat exchanger outlets 54 which lead to bleed valves 50 and 52.…In operation the components A and B pass through the bleed valves 50 and 52 to insulated hose 60 that leads to gun 22. Pressure sensors 56 and 58 measure the pressure of components A and B respectively at the bleed valves 50 and 52. Pressure sensors 56 and 58 are connected either through wires, or by a wireless router, with computer 62. …If the pressure difference sensed by sensors 56 and 58 is too great, the control valve 50 or 52 that is associated with the higher pressure will be opened for a short period of time to bleed off pressure so that the pressures in the two lines are brought into balance.

A touch screen 66 may be associated with the computer 62 to display information about the system 10, and to permit a user to provide inputs to the computer 62. …

The flow of components A and B through the system may be better understood by reference to FIG. 4. …The pressurized component A 102 flows from the proportioner 106 through heat exchanger 108 where the component A 102 is heated to a desired temperature range for mixing with component B and spraying. The heated component A 102 flows from the heat exchanger to manifold 110 that includes a bleed valve 112. …The component A 102 flows from the manifold 110 to spray gun 114 through insulated hose 116.
Reservoirs 118, which may include two or more reservoirs 118, contain resin component B 120. …Valves 122 which may be provided separately or as part of a single manifold, are used to selectively provide a flow of component B 120 from reservoirs 118 to the proportioner pump 106.… Preferably, the proportioner pump 106 will be the same proportioner 106 as is used to pressurize component A 102. The pressurized component B 120 flows from the proportioner 106 through heat exchanger 108 which preferably will be the same heat exchanger 108 that is used to heat component A 102. The component B 120 flows from the heat exchanger 108 to manifold 124 that includes one or more bleed valves 126. …The bulk of the component B 120 flows through the manifold 124 to the gun 114 through insulated hose 116 where it can be sprayed and mixed with component A 102 to form the foam insulation.

While not shown in FIG. 4, the reservoirs 100 and 118 may be provided with sensors for measuring the remaining amount of component within the reservoirs 100 and 118. …Additionally, temperature sensors (not shown in FIG. 4) may also be provided at various locations to monitor the temperature of the components 102 and 120. These temperatures may be communicated to the CPU 132, which in turn may display that information on the touch screen 134 so a user can monitor the temperatures. Additionally, the CPU 132 may be programmed to control the flow of coolant to the heat exchanger 108 to regulate the temperature of the components 102 and 120 as desired.
These components may also be used to perform an improved parking function when the system is being shut down for an extended idle period, for example at the end of the work day, or when finishing at a work site.」(7欄42行?10欄36行)
(当審訳:成分A及びBは、比較的低い圧力で、入口パイプ30を通してプロポーショナ28に供給される。プロポーショナ28は、成分A及びBを加圧し、それらを出口パイプ32を介して熱交換器34に供給する。熱交換器34内で、熱は、エンジン冷却液から成分A及びBに伝達され、成分A及びBを所望の温度に加熱する。次いで、成分A及びBは、抽気弁50及び52につながる熱交換器出口54を通って熱交換器34から流出する。…操作において、成分A及びBは、抽気弁50及び52を通過して、ガン22につながる断熱ホース60に到達する。圧力センサ56及び58は、抽気弁50及び52でそれぞれ成分A及びBの圧力を測定する。圧力センサ56及び58は、ワイヤを介して、又は無線ルータによって、コンピュータ62に接続される。…センサ56及び58によって感知される圧力差が大きすぎる場合、より高い圧力に関連づけされた抽気弁50又は52は、圧力を抜き取るために短時間開かれ、これにより、2つのライン内の圧力がバランスする。

タッチスクリーン66は、システム10に関する情報を表示し、ユーザがコンピュータ62への入力を可能にするために、コンピュータ62に関連づけられてもよい。…

システムを通る成分A及びBの流れは、図4を参照することによってよりよく理解できる。…加圧された成分A102は、プロポーショナ106から熱交換器108を通って流れ、そこで成分A102は成分Bと混合して噴霧するために所望の温度範囲まで加熱される。加熱された成分A102は抽気弁112を含む熱交換器からマニホルド110に流れる。…成分A102は、断熱ホース116を通ってマニホルド110からスプレーガン114に流れる。
リザーバ118は、2つ以上のリザーバを含むことができ、樹脂成分B120を含む。…弁122は、個別にまたは単一のマニホルドの一部として設けることができ、リザーバ118からプロポーショナルポンプ106へ成分B120の流れを選択的に供給するために使用される。…好ましくは、プロポーショナルポンプ106は成分A102を加圧するために使用されるものと同じプロポーショナ106であろう。加圧成分B120は、成分A102を加熱するために使用される同じ熱交換器であることが望ましい熱交換器108を通ってプロポーショナル106から流れる。成分B120は熱交換器108から1つ又は複数の抽気弁126を含むマニホルド124に流れる。…成分B120のバルクは、断熱ホース116を通ってマニホルド124を通ってガン114に流れ、そこで成分A102に噴霧混合して発泡断熱材を形成することができる。

図4には示されていないが、リザーバ100及び118には、リザーバ100及び118内の成分の残量を測定するためのセンサを設けることができる。…加えて、温度センサ(図4には示されていない)もまた、成分102及び120の温度を監視するために様々な場所に設けられてもよい。これらの温度は、CPU132に伝達され、次いで、ユーザが温度を監視できるようにタッチスクリーン134上にその情報を表示することができる。更に、CPU132は、必要に応じて、成分102及び120の温度を調節するために、熱交換器108への冷却剤の流れを制御するようにプログラムすることができる。
また、これらの構成要素は、システムが長期間の休止期間、例えば作業日の終わりにシャットダウンされているとき、又は作業終了するときに、改善された「停止」機能を実行するために使用されてもよい。)

(4d)「FIG. 7 is a schematic diagram illustrating the control and monitoring features according to one embodiment of the present invention. A computer central processing unit (CPU) 400 is provided to receive and log information from sensors provided as part of the system. Preferably the CPU 400 will be part of a programmable logic controller (PLC). The CPU 400 is also programmed to automatically control many of the elements of the system. A touch screen 402 is operationally connected with the CPU 400 to display output from the CPU 400 and permit a user to input data and responses into the CPU 400. As an alternative, a display screen with a separate key board and monitor may be used to perform the functions of touch screen 402. A communications device 409, such as a wireless modem or cellular phone may be associated with the CPU 400, such that a user can send and receive data from the CPU 400.」(12欄4行?19行)
(当審訳:図7は、本発明の一実施形態による制御及び監視機能を示す概略図である。コンピューター中央処理装置(CPU)400は、システムの一部として提供されるセンサから情報を受信し記録をとるために提供される。好ましくは、CPU400はプログラマブルロジックコントローラ(PLC)の一部である。CPU400はまた、システムの多くの要素を自動的に制御するようにプログラムされている。タッチスクリーン402は、CPU400と動作的に接続され、CPU400からの出力を表示し、ユーザがCPU400にデータ及び応答を入力することを可能にする。代替として、個別のキーボード及びモニタを有するディスプレイスクリーンを使用して、タッチスクリーン402の機能を実行することができる。ユーザがCPU400からデータを送受信できるように、無線モデムや携帯電話などの通信装置409をCPU400に関連づけることができる。)

(4e)「Various temperature sensors 414 may also be connected with the CPU 400 . The temperature sensors 414 can provide information to the CPU 400 about the temperature of the components A and B so that the CPU 400 may control the flow of coolant and compressor oil into the heat exchanger to maintain a proper temperature. If the system cannot maintain the an appropriate pressure ratio or if the temperature of the components A or B reach an unsafe level, the controller can be programmed to automatically shut down the system to prevent damage. …This can permit a user to solve a problem before damaging the equipment, or spraying faulty insulation that will need to be replaced at significant expense.」(12欄59行?13欄11行)
(当審訳:CPUには、各種温度センサ414が接続されていてもよい。温度センサ414は、成分A及びBの温度に関する情報をCPU400に提供することができ、その結果、CPU400は、適切な温度を維持するために、冷却剤及びコンプレッサオイルの熱交換器への流れを制御することができる。システムが適切な圧力比率を維持できない場合、または成分AまたはBの温度が安全でないレベルに達した場合、損傷を防ぐためにシステムを自動的にシャットダウンするようにコントローラをプログラムすることができる。…これにより、使用者は、装置を損傷する前に、またかなりの犠牲を払って交換する必要がある不完全な断熱材を噴霧する前に、問題を解決することができる。)

(4f)「



(4g)「



(4h)「



(イ)前記(ア)(4a)?(4h)によれば、甲第4号証には、ポリウレタンベースの製品を形成するために、2つ以上の液体成分を混合し、塗布するための「混合システム」が記載されており、前記「混合システム」は、典型的にはイソシアネート液体である成分Aを貯蔵する第1リザーバを含み、第2リザーバは、典型的にはポリマー樹脂である成分Bを含み、断熱材を塗布するために、システムの一部としてスプレーガンのような混合装置が設けられて、成分A、Bをリザーバからガンに搬送するための効果的かつ効率的な装置を提供するものである。
そして、成分A及びBは、比較的低い圧力で、入口パイプを通してプロポーショナに供給され、プロポーショナは、成分A及びBを加圧し、それらを出口パイプを介して熱交換器に供給し、熱交換器内で、熱は、エンジン冷却液から成分に伝達され、成分A及びBを所望の温度に加熱し、次いで、成分A及びBは、抽気弁につながる熱交換器出口を通って熱交換器から流出するものであり、操作において、成分A及びBは、抽気弁を通過して、ガンにつながる断熱ホースに到達し、圧力センサ、抽気弁でそれぞれ成分の圧力を測定し、圧力センサは、ワイヤを介して、又は無線ルータによって、コンピュータに接続され、センサによって感知される圧力差が大きすぎる場合、より高い圧力に関連づけされた抽気弁は、圧力を抜き取るために短時間開かれ、これにより、2つのライン内の圧力がバランスするものである。
また、タッチスクリーンは、システムに関する情報を表示し、ユーザがコンピュータへの入力を可能にするために、コンピュータに関連づけられてもよいものであり、加圧された成分Aは、プロポーショナから熱交換器を通って流れ、そこで成分Aは成分Bと混合して噴霧するために所望の温度範囲まで加熱され、加熱された成分Aは抽気弁を含む熱交換器からマニホルドに流れ、断熱ホースを通ってマニホルドからスプレーガンに流れるものであり、リザーバは、2つ以上のリザーバを含むことができ、樹脂成分Bを含み、弁は、個別にまたは単一のマニホルドの一部として設けることができ、リザーバからプロポーショナルポンプへ成分Bの流れを選択的に供給するために使用されるものであり、このとき、好ましくは、プロポーショナルポンプは成分Aを加圧するために使用されるものと同じプロポーショナであり、加圧成分Bは、成分Aを加熱するために使用される同じ熱交換器であることが望ましい熱交換器を通ってプロポーショナルから流れ、熱交換器から1つ又は複数の抽気弁を含むマニホルドに流れ、成分Bのバルクは、断熱ホースを通ってマニホルドを通ってガンに流れ、そこで成分Aに噴霧混合して発泡断熱材を形成することができるものである。
更に、温度センサもまた、成分の温度を監視するために様々な場所に設けられてもよいものであり、これらの温度は、CPUに伝達され、次いで、ユーザが温度を監視できるようにタッチスクリーン上にその情報を表示することができ、更に、CPUは、必要に応じて、成分の温度を調節するために、熱交換器への冷却剤の流れを制御するようにプログラムすることができ、これらの構成要素は、システムが長期間の休止期間、例えば作業日の終わりにシャットダウンされているとき、又は作業終了するときに、改善された「停止」機能を実行するために使用されてもよいものである。
そして、タッチスクリーンは、CPUと動作的に接続され、CPUからの出力を表示し、ユーザがCPUにデータ及び応答を入力することを可能にするが、代替として、個別のキーボード及びモニタを有するディスプレイスクリーンを使用して、タッチスクリーンの機能を実行することができるものであり、ユーザがCPUからデータを送受信できるように、無線モデムや携帯電話などの通信装置をCPUに関連づけることができるものであり、CPUには、各種温度センサが接続されていてもよく、温度センサは、成分A及びBの温度に関する情報をCPUに提供することができ、その結果、CPUは、適切な温度を維持するために、冷却剤及びコンプレッサオイルの熱交換器への流れを制御することができるものであり、システムが適切な圧力比率を維持できない場合、または成分AまたはBの温度が安全でないレベルに達した場合、損傷を防ぐためにシステムを自動的にシャットダウンするようにコントローラをプログラムすることができ、これにより、使用者は、装置を損傷する前に、またかなりの犠牲を払って交換する必要がある不完全な断熱材を噴霧する前に、問題を解決することができるものである。

(ウ)前記(イ)によれば、甲第4号証には、
「ポリウレタンベースの製品を形成するために、2つ以上の液体成分を混合し、塗布するための混合システムであって、
前記混合システムは、典型的にはイソシアネート液体である成分Aを貯蔵する第1リザーバを含み、第2リザーバは、典型的にはポリマー樹脂である成分Bを含み、断熱材を塗布するために、システムの一部としてスプレーガンのような混合装置が設けられて、成分A、Bをリザーバからガンに搬送するための効果的かつ効率的な装置を提供するものであり、
成分A及びBは、比較的低い圧力で、入口パイプを通してプロポーショナに供給され、プロポーショナは、成分A及びBを加圧し、それらを出口パイプを介して熱交換器に供給し、熱交換器内で、熱は、エンジン冷却液から成分に伝達され、成分A及びBを所望の温度に加熱し、次いで、成分A及びBは、抽気弁につながる熱交換器出口を通って熱交換器から流出するものであり、操作において、成分A及びBは、抽気弁を通過して、ガンにつながる断熱ホースに到達し、圧力センサ、抽気弁でそれぞれ成分の圧力を測定し、圧力センサは、ワイヤを介して、又は無線ルータによって、コンピュータに接続され、センサによって感知される圧力差が大きすぎる場合、より高い圧力に関連づけされた抽気弁は、圧力を抜き取るために短時間開かれ、これにより、2つのライン内の圧力がバランスするものであり、
タッチスクリーンは、システムに関する情報を表示し、ユーザがコンピュータへの入力を可能にするために、コンピュータに関連づけられてもよいものであり、
加圧された成分Aは、プロポーショナから熱交換器を通って流れ、そこで成分Aは成分Bと混合して噴霧するために所望の温度範囲まで加熱され、加熱された成分Aは抽気弁を含む熱交換器からマニホルドに流れ、断熱ホースを通ってマニホルドからスプレーガンに流れるものであり、
リザーバは、2つ以上のリザーバを含むことができ、樹脂成分Bを含み、弁は、個別にまたは単一のマニホルドの一部として設けることができ、リザーバからプロポーショナルポンプへ成分Bの流れを選択的に供給するために使用されるものであり、このとき、好ましくは、プロポーショナルポンプは成分Aを加圧するために使用されるものと同じプロポーショナであり、加圧成分Bは、成分Aを加熱するために使用される同じ熱交換器であることが望ましい熱交換器を通ってプロポーショナルから流れ、熱交換器から1つ又は複数の抽気弁を含むマニホルドに流れ、成分Bのバルクは、断熱ホースを通ってマニホルドを通ってガンに流れ、そこで成分Aに噴霧混合して発泡断熱材を形成することができるものであり、
温度センサもまた、成分の温度を監視するために様々な場所に設けられてもよいものであり、これらの温度は、CPUに伝達され、次いで、ユーザが温度を監視できるようにタッチスクリーン上にその情報を表示することができ、更に、CPUは、必要に応じて、成分の温度を調節するために、熱交換器への冷却剤の流れを制御するようにプログラムすることができ、これらの構成要素は、システムが長期間の休止期間、例えば作業日の終わりにシャットダウンされているとき、又は作業終了するときに、改善された停止機能を実行するために使用されてもよいものであり、
タッチスクリーンは、CPUと動作的に接続され、CPUからの出力を表示し、ユーザがCPUにデータ及び応答を入力することを可能にするが、代替として、個別のキーボード及びモニタを有するディスプレイスクリーンを使用して、タッチスクリーンの機能を実行することができるものであり、ユーザがCPUからデータを送受信できるように、無線モデムや携帯電話などの通信装置をCPUに関連づけることができるものであり、
CPUには、各種温度センサが接続されていてもよく、温度センサは、成分A及びBの温度に関する情報をCPUに提供することができ、その結果、CPUは、適切な温度を維持するために、冷却剤及びコンプレッサオイルの熱交換器への流れを制御することができるものであり、システムが適切な圧力比率を維持できない場合、または成分AまたはBの温度が安全でないレベルに達した場合、損傷を防ぐためにシステムを自動的にシャットダウンするようにコントローラをプログラムすることができ、これにより、使用者は、装置を損傷する前に、またかなりの犠牲を払って交換する必要がある不完全な断熱材を噴霧する前に、問題を解決することができる、混合システム。」
の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

(1-5)甲第5号証の記載事項及び甲第5号証に記載された発明
(ア)甲第5号証には以下(5a)?(5e)の記載がある。
(5a)「FIG. 1 is a pictorial schematic diagram illustrating one embodiment of remote monitoring system 10, which comprises fluid handling system 12, communications module 14, communications network 16, data storage server 18, and end user interface (EUI) 20. The illustrated embodiment is shown merely by way of example, and not limitation.
Fluid handling system 12 is a fluid system such as a polyurethane sprayer or hot melt sprayer. Fluid handling system 12 comprises fluid hookups 22, pump module 24, heater module 26, and local operator interface (LOI) 28, as well as further logic components described below, with respect to FIG. 2. Pump module 24 is disposed to draw fluid from reservoirs (not shown) attached to fluid hookups 22, and to pressurize fluid to desired setpoint pressures. Pump module 24 can, for example, comprise a motorized pump or set of pumps driven by one or more electric, hydraulic, or pneumatic motors. Heater module 26 is configured to heat fluid pressurized by pump module 24 to desired setpoint temperatures. Heater module 26 can, for example, comprise a fluid channel or set of channels outfitted with electrically resistive or chemical heating elements. Pump module 24 and heater module 26 together make up a fluid delivery subsystem that brings fluids to specified pressures and temperatures (and thereby viscosities) suitable for spraying or other application to a work surface.…
LOI 28 is an interface device that enables a local operator to read off substantially real-time sensed values of fluid temperature and pressure, and specify setpoint temperatures and pressures to act as commanded values governing the operation of pump module 24 and heater module 26.」(2頁28行?3頁23行)
(当審訳:図1は遠隔監視システム10の一実施形態を示す概略図であり、これは、流体処理システム12、通信モジュール14、通信ネットワーク16、データ記憶サーバ18、及びエンドユーザーインターフェース(EUI)20を備える。図示された実施形態は、単に例として示されており、限定するものではない。
流体処理システム12は、ポリウレタン噴霧器またはホットメルト噴霧器などの流体システムである。流体処理システム12は、流体接続部22、ポンプモジュール24、ヒータモジュール26、及びローカルオペレータインターフェース(LOI)28、並びに後述する図2に関連する更なる論理構成要素を含む。ポンプモジュール24は、流体接続部22に取り付けられたリザーバ(図示せず)から流体を引き出し、流体を所望の設定値圧力まで加圧するように配置される。ポンプモジュール24は、例えば、1つまたは複数の電気モータ、油圧モータ、または圧空モータによって駆動される電導ポンプまたはポンプセットを備えることができる。ヒータモジュール26は、ポンプモジュール24によって加圧された流体を所望の設定温度に加熱するように構成される。ヒータモジュール26は、たとえば、電気抵抗または化学的加熱要素を装着した流体チャネルまたはチャネルセットを備えることができる。ポンプモジュール24及びヒータモジュール26は、一緒になって、流体を、作業表面への噴霧またはほかの適用に適した特定の圧力及び温度(及びそれによって粘度)にする流体搬送サブシステムを構成する。…
LOI28は、現場オペレータが流体の温度及び圧力の実質的にリアルタイムで感知された値を読み取ることを可能にし、温度設定値及び圧力設定値を指定して、ポンプモジュール24及びヒータモジュール26の動作を支配する指令値として作用することを可能にするインターフェース装置である。)

(5b)「Communications module 14 transmits reports (either periodically, or on demand) through communications network 16 to data storage server 18 via communications network 16. …In particular, communications network 16 can include a cellular or other wireless network, either a dedicated network purposed specifically for use with remote monitoring system 10, or a general purpose network shared with other applications.…
Data storage server 18 archives reports from communications module 14, either indefinitely or for a predetermined time (e.g. for the last week, or the last six months), so that history data is accessible at EUI 20. EUI 20 can be dedicated hardware terminal designed for use with remote monitoring system 10, a general purpose computing device with suitable memory and processor capabilities running application software specific to remote monitoring system 10, or a general purpose computing device such as a personal computer or cellular device capable of running a general purpose web browser that accesses information archived at data storage server 18. EUI 20 can, for example, be a personal computer or a wireless tablet or cellular device running an appropriate task-specific software application. EUI 20 has graphical user interface (GUI) 30, which provides end users with a range of aggregated, historical, and real-time data about fluid handling system 12, as described in greater detail below. Although GUI 30 is displayed on EUI 20, the information displayed in GUI 30 can be assembled (i.e. by aggregating operational parameter data form reports, producing metadata, and calculating secondary quantities from reported data) either at data storage server 18, or at EUI 20. In many embodiments, data storage server 18 and EUI 20 can communicate via communication network 16 with a plurality of communications modules 14 attached to fluid handling systems 12. In this way, EUI 20 enables end users to remotely access aggregated, historical, and realtime data about multiple, geographically distributed fluid handling devices.」(4頁6行?5頁4行)
(当審訳:通信モジュール14は、通信ネットワーク16を介して(定期的に、またはオンデマンドで)レポートをデータ記憶サーバ18に送信する。…特に、通信ネットワーク16は、携帯電話のネットワークまたは、遠隔監視システム10と共に使用するために意図された専用ネットワーク、またはほかのアプリケーションと共有される汎用ネットワークのいずれかのほかの無線ネットワークを含むことができる。…
データ記憶サーバ18は、履歴データがEUI20でアクセス可能であるように、無期限に、または所定の時間(例えば、先週または過去6ヶ月間)にわたって、通信モジュール14からの報告をアーカイブする。EUI20は、遠隔監視システム10と共に使用するために設計された専用ハードウエア端末、遠隔監視システム10に特有のアプリケーションソフトウエアを実行する適切なメモリ及びプロセッサ能力を有する汎用処理装置、またはデータ記憶サーバ18にアーカイブされた情報にアクセスする汎用ウエブブラウザを実行することができるパーソナルコンピュータまたは携帯電話のような汎用処理装置とすることができる。EUI20は、例えば、適切なタスク固有のソフトウエアアプリケーションを実行するパーソナルコンピュータまたは無線タブレットまたは携帯電話とすることができる。EUI20には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)30があり、これは、以下に詳細に説明するように、流体処理システム12に関する集約、履歴、及びリアルタイムのデータの範囲をエンドユーザに提供する。GUI30はEUI20上に表示されるが、GUI30に表示される情報は、データ記憶サーバ18またはEUI20のいずれかで(動作パラメータデータのフォームレポートを集約し、メタデータを生成し、レポートされたデータから二次的量を計算することによって)組み立てることができる。多くの実施形態では、データ記憶サーバ18及びEUI20は、通信ネットワーク16を介して、液体処理システム12に取り付けられた複数の通信モジュール14と通信することができる。このようにして、EUI20は、エンドユーザが、複数の物理的に分散された液体処理装置に関する、集約された、履歴の、及びリアルタイムのデータに遠隔的にアクセスすることを可能にする。)

(5c)「In addition to heating and pressurizing fluid (see FIG. 1), fluid handling system 12 collects, receives, and produces data regarding a range of operational parameters, including actual and commanded temperatures and pressures, error or event codes and states, and "duty data" such as device on- time, hours of use, pump cycle counts and other duty cycle data.…

Fluid handling processor 100 (and, in some embodiments, sub- processor 106) receives user inputs specifying setpoint temperatures and pressures for fluid handling system 12. These setpoint temperatures and pressures act as commanded or target values towards which heater module 26 and pump module 24 respectively operate. Fluid handling 100 also generates and/or gathers (e.g. from sub- processor 106) error and event codes corresponding to events such as malfunctions, overheating events, pump jams, and the like, and counts pump cycles of pump(s) in pump module 24. In some embodiments, fluid handling processor 100 displays some or all of this operational data on LOI 28, and receives inputs (including temperature and pressures setpoints) from LOI 28. Fluid handling processor 100 transmits some or all of this operational data to local transceiver 108, which transmits the operational data to communications module 14. Local transceiver 108 can transmit operational data periodically, continuously, on demand, or as retrieved/produced by fluid handling processor 100.」(5頁17行?6頁30行)
(当審訳:流体の加熱及び加圧に加えて(図1参照)、流体処理システム12は、実際の及び指令された温度及び圧力、エラーまたはイベントコード及び状態、並びにデバイスオンタイム、使用時間、ポンプサイクルカウント及びほかのデューティサイクルデータなどの「デューティデータ」を含む、動作パラメータの範囲に関するデータを収集し、受信し、生成する。…

流体処理プロセッサ100(及びいくつかの実施例では補助プロセッサ106)は、流体処理システム12の設定温度値及び設定圧力値を指定するユーザ入力を受け取る。これらの設定温度値及び設定圧力値は、ヒータモジュール26及びポンプモジュール24がそれぞれ動作する指令値または目標値として作用する。流体処理プロセッサ100はまた、誤動作、過熱事象、ポンプ詰まりなどの事象に対応するエラー及び事象コードを(例えば補助プロセッサ106から)生成及び/または収集し、ポンプモジュール24内のポンプのポンプサイクルをカウントする。いくつかの実施形態では、流体処理プロセッサ100は、この動作データのいくつかまたは全てをLOI28上に表示し、LOI28から入力(温度設定値及び圧力設定値を含む)を受け取る。流体処理プロセッサ100は、この動作データの一部または全部をローカルトランシーバ108に送信し、ローカルトランシーバ108は、この動作データを通信モジュール14に送信する。ローカルトランシーバ108は、周期的に、連続的に、オンデマンドで、または流体処理プロセッサ100によって取り出され/生成されるように、動作データを送信することができる。…)

(5d)「



(5e)「



(イ)前記(ア)(5a)?(5e)によれば、甲第5号証には「遠隔監視システム」が記載されており、前記「遠隔監視システム」は、流体処理システム、通信モジュール、通信ネットワーク、データ記憶サーバ、及びエンドユーザーインターフェース(EUI)を備えるものであり、流体処理システムは、ポリウレタン噴霧器またはホットメルト噴霧器などの流体システムであって、流体接続部、ポンプモジュール、ヒータモジュール、及びローカルオペレータインターフェース(LOI)、並びに更なる論理構成要素を含むものであり、ポンプモジュールは、流体接続部に取り付けられたリザーバから流体を引き出し、流体を所望の設定値圧力まで加圧するように配置され、ヒータモジュールは、ポンプモジュールによって加圧された流体を所望の設定温度に加熱するように構成され、ポンプモジュール及びヒータモジュールは、一緒になって、流体を、作業表面への噴霧またはほかの適用に適した特定の圧力及び温度(及びそれによって粘度)にする流体搬送サブシステムを構成するものである。
ここで、LOIは、現場オペレータが流体の温度及び圧力の実質的にリアルタイムで感知された値を読み取ることを可能にし、温度設定値及び圧力設定値を指定して、ポンプモジュール及びヒータモジュールの動作を支配する指令値として作用することを可能にするインターフェース装置であり、通信モジュールは、通信ネットワークを介して(定期的に、またはオンデマンドで)レポートをデータ記憶サーバに送信するものであり、通信ネットワークは携帯電話のネットワークを含むことができるものであり、データ記憶サーバは、履歴データがEUIでアクセス可能であるように、無期限に、または所定の時間(例えば、先週または過去6ヶ月間)にわたって、通信モジュールからの報告をアーカイブするものであり、EUIは、遠隔監視システムと共に使用するために設計された専用ハードウエア端末、遠隔監視システムに特有のアプリケーションソフトウエアを実行する適切なメモリ及びプロセッサ能力を有する汎用処理装置、またはデータ記憶サーバにアーカイブされた情報にアクセスする汎用ウエブブラウザを実行することができるパーソナルコンピュータまたは携帯電話のような汎用処理装置とすることができるものであり、EUIには、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)があり、これは、流体処理システムに関する集約、履歴、及びリアルタイムのデータの範囲をエンドユーザに提供するものであり、GUIに表示される情報は、データ記憶サーバ18またはEUI20のいずれかで(動作パラメータデータのフォームレポートを集約し、メタデータを生成し、レポートされたデータから二次的量を計算することによって)組み立てることができ、データ記憶サーバ及びEUIは、通信ネットワークを介して、液体処理システムに取り付けられた複数の通信モジュールと通信することができ、このようにして、EUIは、エンドユーザが、複数の物理的に分散された液体処理装置に関する、集約された、履歴の、及びリアルタイムのデータに遠隔的にアクセスすることを可能にするものである。
そして、流体処理システムは、実際の及び指令された温度及び圧力、エラーまたはイベントコード及び状態、並びにデバイスオンタイム、使用時間、ポンプサイクルカウント及びほかのデューティサイクルデータなどのデューティデータを含む、動作パラメータの範囲に関するデータを収集し、受信し、生成するものであり、流体処理プロセッサ(及びいくつかの実施例では補助プロセッサ)は、流体処理システムの設定温度値及び設定圧力値を指定するユーザ入力を受け取り、これらの設定温度値及び設定圧力値は、ヒータモジュール及びポンプモジュールがそれぞれ動作する指令値または目標値として作用するものであり、流体処理プロセッサはまた、誤動作、過熱事象、ポンプ詰まりなどの事象に対応するエラー及び事象コードを(例えば補助プロセッサから)生成及び/または収集し、ポンプモジュール内のポンプのポンプサイクルをカウントし、流体処理プロセッサは、この動作データのいくつかまたは全てをLOI上に表示し、LOIから入力(温度設定値及び圧力設定値を含む)を受け取るものであり、流体処理プロセッサは、この動作データの一部または全部をローカルトランシーバに送信し、ローカルトランシーバは、この動作データを通信モジュールに送信するものであり、ローカルトランシーバは、周期的に、連続的に、オンデマンドで、または流体処理プロセッサによって取り出され/生成されるように、動作データを送信することができるものである。

(ウ)前記(イ)によれば、甲第5号証には、
「流体処理システム、通信モジュール、通信ネットワーク、データ記憶サーバ、及びエンドユーザーインターフェース(EUI)を備える遠隔監視システムであって、
流体処理システムは、ポリウレタン噴霧器またはホットメルト噴霧器などの流体システムであり、流体接続部、ポンプモジュール、ヒータモジュール、及びローカルオペレータインターフェース(LOI)、並びに更なる論理構成要素を含むものであり、
ポンプモジュールは、流体接続部に取り付けられたリザーバから流体を引き出し、流体を所望の設定値圧力まで加圧するように配置され、ヒータモジュールは、ポンプモジュールによって加圧された流体を所望の設定温度に加熱するように構成され、ポンプモジュール及びヒータモジュールは、一緒になって、流体を、作業表面への噴霧またはほかの適用に適した特定の圧力及び温度(及びそれによって粘度)にする流体搬送サブシステムを構成するものであり、
LOIは、現場オペレータが流体の温度及び圧力の実質的にリアルタイムで感知された値を読み取ることを可能にし、温度設定値及び圧力設定値を指定して、ポンプモジュール及びヒータモジュールの動作を支配する指令値として作用することを可能にするインターフェース装置であり、
通信モジュールは、通信ネットワークを介して(定期的に、またはオンデマンドで)レポートをデータ記憶サーバに送信するものであり、通信ネットワークは携帯電話のネットワークを含むことができるものであり、
データ記憶サーバは、履歴データがEUIでアクセス可能であるように、無期限に、または所定の時間(例えば、先週または過去6ヶ月間)にわたって、通信モジュールからの報告をアーカイブするものであり、
EUIは、遠隔監視システムと共に使用するために設計された専用ハードウエア端末、遠隔監視システムに特有のアプリケーションソフトウエアを実行する適切なメモリ及びプロセッサ能力を有する汎用処理装置、またはデータ記憶サーバにアーカイブされた情報にアクセスする汎用ウエブブラウザを実行することができるパーソナルコンピュータまたは携帯電話のような汎用処理装置とすることができるものであり、EUIには、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)があり、これは、流体処理システムに関する集約、履歴、及びリアルタイムのデータの範囲をエンドユーザに提供するものであり、GUIに表示される情報は、データ記憶サーバまたはEUIのいずれかで(動作パラメータデータのフォームレポートを集約し、メタデータを生成し、レポートされたデータから二次的量を計算することによって)組み立てることができ、データ記憶サーバ及びEUIは、通信ネットワークを介して、液体処理システムに取り付けられた複数の通信モジュールと通信することができ、このようにして、EUIは、エンドユーザが、複数の物理的に分散された液体処理装置に関する、集約された、履歴の、及びリアルタイムのデータに遠隔的にアクセスすることを可能にするものであり、
流体処理システムは、実際の及び指令された温度及び圧力、エラーまたはイベントコード及び状態、並びにデバイスオンタイム、使用時間、ポンプサイクルカウント及びほかのデューティサイクルデータなどのデューティデータを含む、動作パラメータの範囲に関するデータを収集し、受信し、生成するものであり、
流体処理プロセッサ(及びいくつかの実施例では補助プロセッサ)は、流体処理システムの設定温度値及び設定圧力値を指定するユーザ入力を受け取り、これらの設定温度値及び設定圧力値は、ヒータモジュール及びポンプモジュールがそれぞれ動作する指令値または目標値として作用するものであり、流体処理プロセッサはまた、誤動作、過熱事象、ポンプ詰まりなどの事象に対応するエラー及び事象コードを(例えば補助プロセッサから)生成及び/または収集し、ポンプモジュール内のポンプのポンプサイクルをカウントし、流体処理プロセッサは、この動作データのいくつかまたは全てをLOI上に表示し、LOIから入力(温度設定値及び圧力設定値を含む)を受け取るものであり、流体処理プロセッサは、この動作データの一部または全部をローカルトランシーバに送信し、ローカルトランシーバは、この動作データを通信モジュールに送信するものであり、ローカルトランシーバは、周期的に、連続的に、オンデマンドで、または流体処理プロセッサによって取り出され/生成されるように、動作データを送信することができるものである、遠隔監視システム。」
の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)甲第1号証を主引用例とする場合について
(2-1)本件発明1について
(ア)本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明が「遠隔監視操作装置」を有しないことは明らかであるから、甲1発明は、「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」を具備しないものである。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、少なくとも以下の点で相違する。
相違点1:本件発明1は、「現場吹付け型発泡機」が、「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」「を具備」する、との発明特定事項を有するのに対して、甲1発明は前記発明特定事項を有しない点。

(イ)以下、前記(ア)の相違点1について検討すると、本件特許明細書には、以下の記載がある。
「【0018】
本発明によると、施工者は、制御装置と双方向通信をする遠隔監視操作装置を使って、第1及び第2の液体の状態を吹き付け場所において容易に調節することができるので、原料液体の温度あるいは圧力に対する変動要因が大きい場合であっても、そのような調節に要する時間を短縮することが可能になり、ひいては生成される発泡材の品質のばらつきを抑えることが可能になる。」
そして、前記記載によれば、本件発明1は、前記相違点1に係る発明特定事項を有することにより、第1及び第2の液体の状態を吹き付け場所において容易に調節することができるので、原料液体の温度あるいは圧力に対する変動要因が大きい場合であっても、そのような調節に要する時間を短縮することが可能になり、ひいては生成される発泡材の品質のばらつきを抑えることが可能になる、との作用、効果(以下、「本件作用、効果」という。)を奏するものである。

(ウ)これに対して、前記(1)(1-2)(2a)によれば、甲第2号証には、第1の動作場所にあり、動作時に第1の動作機能に従って材料を表面に塗布する少なくとも1つの塗布装置と、互いに、且つ前記塗布装置の第1の場所からそれぞれ物理的に、オペレータが前記場所間を移動するような距離だけ離れており、そこに配置された関連する動作機能をそれぞれ有し、関連する各動作機能はオペレータアクセス機能を有する、1つ又は複数の追加動作場所と、前記各追加動作場所及び前記塗布装置の第1の場所において前記塗布装置及び前記各動作機能に関連付けられ、ワイヤレスに通信可能な一意のIDがそれぞれ関連付けられる各ワイヤレス通信識別子と、オペレータ使用時に前記識別子を検出するワイヤレスアクセス装置と、を備える、材料塗布システムが記載されている。
そして、同(2b)?(2d)によれば、前記材料塗布システムは、ワイヤレスアクセス装置を使用して制御コンソールの機能、パラメータ、及び他の特徴の制御を増大することで、中央制御コンソールを利用することができるが、それでもオペレータは通常、各場所を歩き回って設定の調整、作業のモニタリング、色替え手順の実施等を行わなければならないという課題、中央制御コンソールと機能場所の1つ又は複数の間を行き来する必要があることは、厄介であるとともに時間を浪費するという課題、色替え時間の短縮という高まり続ける需要により、作業現場でたとえ短い距離でも動作場所間を歩く必要があるという非効率性が明白になっているという課題を解決するものであることがわかる。
更に、前記ワイヤレスアクセス装置は「遠隔監視操作装置」といえるから、甲第2号証には、材料塗布システムにおいて「遠隔監視操作装置」を具備することにより、前記課題を解決することが開示されているといえる。

(エ)ところが、甲第2号証には、前記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項のような液体の温度監視・設定、ポンプの始動・停止の遠隔操作についてまでは記載も示唆もされておらず、当然のことながら、当業者といえども、「現場吹付け型発泡機」が前記発明特定事項を有することにより本件作用、効果を奏することを、甲第2号証に記載された事項に基づいて予測することも困難である。

(オ)してみれば、甲1発明において、「現場吹付け型発泡機」を、「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」「を具備」する、との前記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲第2号証の記載事項に基づいて当業者が容易になし得るものとはいえないので、本件発明1を、甲1発明及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2-2)本件発明2?9について
本件発明2?9は、いずれも、直接的または間接的に本件発明1を引用するものであるから、本件発明2?9と甲1発明とを対比した場合、いずれの場合であっても、少なくとも前記(2-1)(ア)の相違点1の点で相違する。
そして、甲第3号証にも、前記相違点1に係る発明特定事項に関連する遠隔操作及びそれにより奏される本件作用、効果について記載も示唆もされていないし、このことが本件特許の出願時における技術常識であったことを裏付ける証拠もないので、前記(2-1)(エ)?(オ)に記載したのと同様の理由により、本件発明2?9を、甲1発明並びに甲第2?3号証に記載された事項及び本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2-3)小括
したがって、前記第3の2(1)の特許異議申立理由は理由がない。

(3)甲第4号証を主引用例とする場合について
(3-1)本件発明1について
(ア)本件発明1と甲4発明とを対比すると、甲4発明における「プロポーショナルポンプ」は、成分A及びBを加圧するものであるから、液体を圧送するポンプといえるものである。
ところが、甲4発明においては、「成分Bの流れ」を加圧する「プロポーショナルポンプ」は、「好ましくは」「成分Aを加圧するために使用されるものと同じプロポーショナ」であるから、甲4発明は、「主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ」及び「硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ」を具備するものではない。
すると、本件発明1と甲4発明とは、少なくとも以下の点で相違する。
相違点2:本件発明1は、「現場吹付け型発泡機」が、「主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ」「を有する第1供給系統と、硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ」「を有する第2供給系統と」「を具備」する、との発明特定事項を有するのに対して、甲4発明は前記発明特定事項を有しない点。

(イ)以下、前記(ア)の相違点2について検討すると、甲4発明においては、「成分Bの流れ」を加圧する「プロポーショナルポンプ」は、「好ましくは」「成分Aを加圧するために使用されるものと同じプロポーショナ」であって、甲4発明は、「成分A及びB」を圧送するポンプを同じポンプとすることが好ましいものである。
そして、そのような甲4発明において、「成分A及びB」を圧送するポンプを、「主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ」及び「硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ」の二つの異なるポンプとする動機付けは存在しないのであり、このことは、甲第1?2号証に記載された事項に左右されるものでもない。

(ウ)したがって、甲4発明において、「現場吹付け型発泡機」を、「主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ」「を有する第1供給系統と、硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ」「を有する第2供給系統と」「を具備」する、との前記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲第1?2号証の記載事項に基づいて当業者が容易になし得るものとはいえないので、本件発明1を、甲4発明及び甲第1?2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3-2)本件発明2?9について
本件発明2?9は、いずれも、直接的または間接的に本件発明1を引用するものであるから、本件発明2?9と甲1発明とを対比した場合、いずれの場合であっても、少なくとも前記(3-1)(ア)の相違点2の点で相違する。
そして、甲4発明において、「成分A及びB」を圧送するポンプを、「主剤としての第1の液体を圧送する第1ポンプ」及び「硬化剤としての第2の液体を圧送する第2ポンプ」の二つのポンプとする動機付けは存在しないことは、甲第3号証に記載された事項及び本件特許の出願時における技術常識にも左右されないので、前記(3-1)(ウ)に記載したのと同様の理由により、本件発明2?9を、甲1発明並びに甲第2?3号証に記載された事項及び本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3-3)小括
したがって、前記第3の2(2)の特許異議申立理由は理由がない。

(4)甲第5号証を主引用例とする場合について
(4-1)本件発明1について
(ア)本件発明1と甲5発明とを対比すると、甲5発明は、エンドユーザーインターフェース(EUI)を備えるものであるが、前記EUIは、エンドユーザが、複数の物理的に分散された液体処理装置に関する、集約された、履歴の、及びリアルタイムのデータに遠隔的にアクセスすることを可能にするものに過ぎず、本件発明1における「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」に相当するものとはいえない。
また、甲5発明におけるローカルオペレータインターフェース(LOI)も、本件発明1における「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」に相当するものとはいえないから、本件発明1と甲5発明とは、少なくとも以下の点で相違する。
相違点1’:本件発明1は、「現場吹付け型発泡機」が、「第1及び第2の液体の温度の監視、第1及び第2の液体の温度を制御するための制御目標値の設定、並びに第1及び第2ポンプの始動と停止の遠隔操作が可能であるように構成された遠隔監視操作装置」「を具備」する、との発明特定事項を有するのに対して、甲5発明は前記発明特定事項を有しない点。

(イ)そして、前記(ア)の相違点1’は前記(2)(2-1)(ア)の相違点1と同じものであり、前記(2)(2-1)(ウ)?(エ)に記載したとおり、甲第2号証には、前記相違点1’に関連する遠隔操作及びそれにより奏される本件作用、効果について記載も示唆もされていないし、甲第1号証についてみても同様である。

(ウ)そうすると、前記(2)(2-1)(エ)?(オ)に記載したのと同様の理由により、当業者が、「現場吹付け型発泡機」が前記相違点1’に係る発明特定事項を有することにより前記作用、効果を奏することを、甲第1?2号証に記載された事項に基づいて予測することは困難であるから、本件発明1を、甲5発明及び甲第1?2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4-2)本件発明2?9について
本件発明2?9は、いずれも、直接的または間接的に本件発明1を引用するものであるから、本件発明2?9と甲5発明とを対比した場合、いずれの場合であっても、少なくとも前記相違点1’の点で相違する。
そして、前記(2-2)のとおり、甲第3号証の記載及び本件特許の出願時における技術常識に照らしても、この点を容易想到の事項ということはできないので、前記(4-1)(イ)?(ウ)に記載したのと同様の理由により、本件発明2?9を、甲1発明並びに甲第1?3号証に記載された事項及び本件特許の出願時における技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4-3)小括
したがって、前記第3の2(3)の特許異議申立理由は理由がない。

(5)まとめ
以上のとおりであるので、前記第3の2の特許異議申立理由はいずれも理由がない。

2 特許法第36条第6項第2号について
(ア)本件発明1は「前記制御装置と前記遠隔監視操作装置は、それらの間の双方向の携帯電話の通信規格を用いた無線通信が可能である」との発明特定事項を有するものである一方、本件発明1を直接的または間接的に引用する本件発明7は「前記無線通信は無線LANである」との発明特定事項を有するものである。
ここで、本件特許明細書には、以下の記載がある。
「【0038】
遠隔監視操作装置35と制御装置33との間の双方向通信は、本実施形態では、無線LANによって行われる。…このように無線LANを利用することにより、インターネットを介さずに接続が可能である。その結果、通信の暗号化が可能であることからセキュリティーを強固にでき、また通信を行うための構成要素を容易に入手でき、無線通信システムの設定及び構築も容易に可能であるという利点が得られる。さらに、携帯電話の通信規格や広帯域移動無線アクセスシステムが使用できない僻地においても遠隔監視操作装置35を使用することが可能になる。また、中継機を準備すれば通信距離を延ばせるので、大きな建築物であっても通信を行うことが可能になる。そのような中継機は、通常、建築物内にある商用電源コンセントから電源を取得できるため、発泡機1の制御部33等から電源ケーブルを配線する必要がなく容易に設置可能である。また、中継機の設置場所の変更も、電源コンセントがある場所なら可能であるので、同一建築物内での施工場所の移動にも容易に対応できる。
【0039】
また、無線LANであれば、電源が無い等の理由から中継機を介して接続できない場合に、代りに携帯電話の通信規格でテザリング可能な通信機器や無線LANに接続可能な広帯域移動無線アクセスシステムの通信機器を用いることにより、インターネットを介して接続することもできる。
【0040】
本実施形態では、遠隔監視操作装置35と制御装置33との間の双方向通信は、前述したとおり無線LANによって行われるが、前記双方向通信が、その他の無線通信方式、あるいは有線LAN、あるいは光ファイバケーブル通信等によって行われる実施形態も可能である。…
【0041】
ところで、前記その他の無線通信方式には、携帯電話の通信規格に従うもの、広帯域移動無線アクセスシステム、及び無線LAN以外の近距離無線通信規格に従うもの等が含まれる。
【0042】
携帯電話の通信規格としては、第2世代移動通信システムとしてPDC,GSM(登録商標),cdmaOne等、第3世代移動通信システムとしてW-CDMA,CDMA2000,HSPA,EV-DO,LTE等、第4世代移動通信システムとしてLTE-Advanced等が挙げられる。広帯域移動無線アクセスシステムとしては、WiMAX、XGP、モバイルWiMAX、WiMAX2、WiMAX2+、AXGP等が挙げられる。これらの通信規格により、インターネットを介して制御装置と入力装置を接続することができる。近距離無線通信規格としては、前述した無線LAN以外に、ZigBee,Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。」
そして、前記【0042】によれば、「携帯電話の通信規格を用いた無線通信」とは、第2世代移動通信システムとしてPDC、GSM(登録商標)、cdmaOne等、第3世代移動通信システムとしてW-CDMA、CDMA2000、HSPA、EV-DO、LTE等、第4世代移動通信システムとしてLTE-Advanced等が挙げられるものであるが、「無線LAN」は、通常これらの通信規格によるものではなく、「携帯電話の通信規格」の下位概念には当たらず、「無線LAN」と「携帯電話の通信規格」は並列の関係を有する技術と認められる。

(イ)一方、前記【0038】によれば、遠隔監視操作装置と制御装置との間の双方向通信を「無線LAN」によって行う場合、「携帯電話の通信規格」や広帯域移動無線アクセスが使用できないへき地においても遠隔監視操作装置を使用することが可能になるものであり、また、前記【0039】によれば、「無線LAN」であれば、電源が無い等の理由から中継器を介して接続できない場合に、代わりに「携帯電話の通信規格」でテザリング可能な通信機器や「無線LAN」に接続可能な広帯域移動無線アクセスシステムの通信機器を用いることにより、インターネットを介して接続することもできるものであり、前記【0040】?【0041】によれば、遠隔監視操作装置と制御装置との間の双方向通信は、「無線LAN」以外の無線通信方式によって行われる実施形態も可能であるものであり、そのような無線通信方式には、「携帯電話の通信規格」に従うものが含まれるものであることを理解することができる。

(ウ)そして、本件特許明細書の前記記載に接した当業者は、本件発明においては、「無線LAN」や「携帯電話の通信規格」といった種々の無線通信方式を、装置の使用場所や電源の有無等の条件に応じて選択的に、あるいは併用して使用することができるものであり、本件発明7は、本件発明1の「携帯電話の通信規格を用いた無線通信」に代えて、「無線通信」として「無線LAN」を用いるものであることを理解するから、確かに、「無線LAN」は「携帯電話の通信規格」の下位概念には当たらず、これらは並列の関係を有する技術であるものの、本件発明7における通信規格が、第三者に不測の不利益を及ぼすほど不明確であるとはいえない。

(エ)したがって、前記第3の3の特許異議申立理由は理由がない。

第5 むすび
以上のとおりであるので、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1?9に係る特許を取り消すことはできない。
また、ほかに本件発明1?9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-12-22 
出願番号 特願2015-151103(P2015-151103)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B01F)
P 1 651・ 537- Y (B01F)
最終処分 維持  
特許庁審判長 日比野 隆治
特許庁審判官 金 公彦
岡田 隆介
登録日 2020-02-20 
登録番号 特許第6664161号(P6664161)
権利者 旭有機材株式会社
発明の名称 遠隔監視操作装置を備えた現場吹付け型発泡機  
代理人 伊藤 健太郎  
代理人 伊藤 公一  
代理人 青木 篤  
代理人 特許業務法人ナガトアンドパートナーズ  
代理人 三橋 真二  

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