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審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  G01F
審判 全部申し立て 1項2号公然実施  G01F
審判 全部申し立て 1項1号公知  G01F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G01F
審判 全部申し立て 2項進歩性  G01F
管理番号 1370889
異議申立番号 異議2020-700880  
総通号数 255 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-11-17 
確定日 2021-02-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第6698928号発明「液面センサ装置及び自動給液システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6698928号の請求項1?5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6698928号(以下「本件特許」という。)の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成28年12月15日(優先権主張 平成28年5月19日)に出願された特願2016-243745号の一部を令和元年10月25日に新たな特許出願としたものであって、令和2年5月1日にその特許権の設定登録がされ、令和2年5月27日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和2年11月17日に特許異議申立人奥村一正(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
本件特許の請求項1?5の特許に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件発明1」などという。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1?5は次のとおり記載されている。

「【請求項1】
液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
軸線方向の端部に開口が形成され内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
前記収容体の開口を覆う蓋部と、
を備え、
前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、
前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている
ことを特徴とする液面センサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液面センサ装置であって、
前記蓋部は着脱可能に取り付けられている
ことを特徴とする液面センサ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液面センサ装置であって、
前記切欠きの幅は前記液面センサのリード線の外径程度である
ことを特徴とする液面センサ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の液面センサ装置であって、
前記収容体には、地盤に埋設されない位置に前記収容空間と外部とを連通する連通孔が形成されている
ことを特徴とする液面センサ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の液面センサ装置と、
前記液面センサ装置の前記液面センサに接続され、前記液面センサの検出結果に基づいて前記液体を供給する自動給液装置と、
を備えることを特徴とする自動給液システム。」

第3 申立理由の概要及び証拠方法
1 申立理由の概要
(1)申立理由1-1
本件発明1?4は、甲第1-1号証?甲第1-14号証(以下、証拠の番号に従って「甲1-1」などという。)にて構成が特定され、甲1-15?甲1-20により、本件特許の優先日前に公然知られた又は公然実施をされたと認められるアスザック株式会社製の水見センサ(ASZ-M0917)と同一である。したがって、請求項1?4に係る特許は、特許法29条1項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?4に係る特許は取り消されるべきものである。

(2)申立理由1-2
本件発明1?4は、水見センサ(ASZ-M0917)から容易に想到できたものであり、また、本件発明4は、水見センサ(ASZ-M0917)及び甲2-1、甲2-2及び甲3に示される周知技術に基づいて、本件発明5は、水見センサ(ASZ-M0917)及び甲2-2、甲2-3、甲2-4、甲2-5及び甲3に示される周知技術に基づいて、いずれも容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(3)申立理由2-1
本件発明1?4は、甲2-1に記載の発明及び甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものであり、また、本件発明5は、甲2-1に記載の発明、甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術及び甲2-2、甲2-3、甲2-4、甲2-5及び甲3に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(4)申立理由2-2
本件発明1?5は、甲2-2に記載の発明及び甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(5)申立理由2-3
本件発明1?3、5は、甲2-3に記載の発明及び甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものであり、また、本件発明4は、甲2-3に記載の発明、甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術及び甲2-1、甲2-2及び甲3に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(6)申立理由2-4
本件発明1?3、5は、甲2-4に記載の発明及び甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものであり、また、本件発明4は、甲2-4に記載の発明、甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術及び甲2-1、甲2-2及び甲3に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(7)申立理由2-5
本件発明1?3、5は、甲2-5に記載の発明及び甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものであり、また、本件発明4は、甲2-5に記載の発明、甲4、甲5、甲6、甲7及び甲8に示される周知技術及び甲2-1、甲2-2及び甲3に示される周知技術に基づいて容易に想到できたものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(8)申立理由3
令和2年2月7日付け手続補正書でした補正(以下「本件補正」という。)は、「液面センサ装置」において「液面センサに接続されるリード線」が「収容体の外部に引き出されている」という技術的事項を導入するものであるところ、本件補正は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「当初明細書等」という。)の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

(9)申立理由4
本件発明1?5は、「液面センサ装置」において「液面センサに接続されるリード線」が「収容体の外部に引き出されている」という技術的事項を含んでいるところ、当該技術的事項は、発明の詳細な説明に記載したものでない。また、本件発明3及び請求項3を直接又は間接的に引用する本件発明4?5は、「前記切欠きの幅は前記液面センサのリード線の外径程度である」という技術的事項を含んでいるところ、当該技術的事項は、発明の詳細な説明に記載したものでない。したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、請求項1?5に係る特許は取り消されるべきものである。

2 証拠方法
申立人は、上記申立理由の主張を裏付ける証拠として、次のものを挙げている。

(1)甲1-1 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の全体正面写真(蓋部及びキャップは筒体に装着されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(2)甲1-2 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の全体背面写真(蓋部及びキャップは筒体に装着されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(3)甲1-3 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の部分拡大背面写真(蓋部は筒体に装着されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(4)甲1-4 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の全体正面写真(蓋部及びキャップは筒体から外されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(5)甲1-5 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の平面写真(蓋部は筒体から外されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(6)甲1-6 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の全体正面写真(蓋部、キャップ及び液面センサは筒体から外されている。)の原本、2020年10月作成、申立人
(7)甲1-7 令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)の液面センサとリード線との接続部の部分拡大写真の原本、2020年10月作成、申立人
(8)甲1-8 アスザック株式会社の水見センサ(ASZ-M0917)のインターネットオンライン表示画面(http://www.asuzac-pd.jp/seihin/mizumisensa.htm)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(9)甲1-9 アスザック株式会社の水見センサ(ASZ-M0917)のインターネットオンライン注文確認画面(https://asuzacgroup.jp/my-cgi/asuzac_pd.cgi)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(10)甲1-10 アスザック株式会社から申立人宛ての、甲1-1?甲1-7に示される物が梱包されていた箱(開梱前)の写真の原本、2020年10月作成、申立人
(11)甲1-11 アスザック株式会社から申立人宛ての、甲1-1?甲1-7に示される物が梱包されていた箱(開梱前)の送り状の拡大写真の原本、2020年10月作成、申立人
(12)甲1-12 アスザック株式会社から申立人宛ての、甲1-1?甲1-7に示される物が梱包されていた箱(開梱後)及び同封物の写真の原本、2020年10月作成、申立人
(13)甲1-13 アスザック株式会社から申立人宛ての、甲1-1?甲1-7に示される物が梱包されていた箱に同封されていた納品書の写真の原本、2020年10月作成、申立人
(14)甲1-14 アスザック株式会社の水見センサ(ASZ-M0917)の取扱説明書(http://www.asuzac-pd.jp/wp/wp-content/themes/wk_asuzac_pd/pdf/mizumi-siyo.pdf)の写し、2020年10月作成、申立人
(15)甲1-15 アスザック株式会社の2012年1月1日付けの新着情報のインターネットオンライン表示画面(http://www.asuzac-pd.jp/ASZ-M0917/)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(16)甲1-16 アスザック株式会社の水見センサ(ASZ-M0917)のQ&Aのインターネットオンライン表示画面(http://www.asuzac-pd.jp/question_cat/水見センサ/)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(17)甲1-17 アスザック株式会社の「研究者の方へ」インターネットオンライン表示画面(http://www.asuzac-pd.jp/researcher/)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(18)甲1-18 農林水産技術会議の農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業の研究紹介のインターネットオンライン表示画面(https://www.affrc.maff.go.jp/docs/kankoubutu/fundresults2018.htm)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(19)甲1-19 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業の研究紹介2013の研究紹介1(https://www.affrc.maff.go.jp/docs/kankoubutu/attach/pdf/fundresults2017-53.pdf)の写し、2020年10月作成、申立人
(20)甲1-20 福井県農業情報ポータルサイトふくいアグリネットの平成25年度の実用化技術および指導活用技術のインターネットオンライン表示画面(http://www.agri-net.pref.fukui.jp/shiken/hukyu/h25.html)の出力の原本、2020年10月作成、申立人
(21)甲2-1 特開2005-13202号公報の写し、2005年1月20日公開
(22)甲2-2 特開2004-350501号公報の写し、2004年12月16日公開
(23)甲2-3 特開平10-304782号公報の写し、1998年11月17日公開
(24)甲2-4 特開2005-143491号公報の写し、2005年6月9日公開
(25)甲2-5 特開昭63-3734号公報の写し、1988年1月8日公開
(26)甲3 特開2011-115059号公報の写し、2011年6月16日公開
(27)甲4 実願昭54-110622号(実開昭56-28263号)のマイクロフィルムの写し、1981年3月17日公開
(28)甲5 実願昭55-180822号(実開昭57-104757号)のマイクロフィルムの写し、1982年6月28日公開
(29)甲6 特開昭60-244009号公報の写し、1985年12月3日公開
(30)甲7 実願昭61-59266号(実開昭62-172252号)のマイクロフィルムの写し、1987年10月31日公開
(31)甲8 実願昭62-23223号(実開昭63-131499号)のマイクロフィルムの写し、1988年8月29日公開

第4 当審の判断
1 申立理由1-1について
(1)申立人購入製品について
令和2年10月に申立人がアスザック株式会社から購入した水見センサ(ASZ-M0917)(以下「申立人購入製品」という。)は、甲1-1?甲1-7によりその構成が特定されるものであるところ、以下に示すとおり、申立人購入製品と同一の構成を有する物が、本件特許の優先日前に公然知られた又は公然実施をされたとの事実は、これを認めるに足りる証拠がない。

(2)申立人購入製品と販売申出製品の同一性について
甲1-15には、アスザック株式会社の2012年1月1日付けの新着情報として、「水見センサ(水位検知・検出・測定)ASZ-M0917を開発しました」という記載とともに、次の写真が示されている。



甲1-15から、本件特許の優先日前にアスザック株式会社により販売の申出がなされていた物(以下「販売申出製品」という。)が、申立人購入製品と同じ型番(ASZ-M0917)を有し、申立人購入製品と類似の外観を備える水見センサであることは認められる。しかしながら、上記写真からは、販売申出製品が「収容体の端部」に「切欠きが形成され、前記切欠きは」、「蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し」、「リード線が前記収容体の外部に引き出されている」構成を備えていることまでは、認めることができない。
また、同じ型番といえども、2012年における販売申出の開始から、令和2年における申立人購入製品の販売までの間に、設計変更が施される可能性があることは否定できないから、販売申出製品が申立人購入製品と同じ型番であるという事実だけからでは、販売申出製品が申立人購入製品と同一の構成を備えたものであるとまでは、いうことができない。
甲1-16?甲1-20には、水見センサ(ASZ-M0917)の開発経緯や福井県との共同研究開発の成果が示されているが、販売申出製品の詳細な構成は示されていない。
したがって、申立人購入製品と販売申出製品が同一の構成を有することについては、これを認めるに足りる証拠がない。
なお、甲1-8及び甲1-14は、水見センサの外形図が記載されたものであるが、本件特許の優先日前に公開されたことを特定できないので、申立人購入製品と販売申出製品が同一の構成を有することの証拠とすることはできない。

(3)販売申出製品の公知性及び公用性について
仮に、販売申出製品が申立人購入製品と同一の構成を有するものであったとしても、次に示すとおり、販売申出製品が本件特許の優先日前に公然知られた又は公然実施をされたという事実については、これを認めるに足りる証拠がない。
ある発明が公然知られたというためには、その発明が守秘義務のない不特定の者に知られたという事実を証明する必要があり、また、ある発明が公然実施をされたというためには、発明が公然知られうる状況で実施されたということの証明が必要であると解されるところ、発明の実施品に該当する物の販売の申出があったという事実は、守秘義務のない者に知られたということに該当せず、また、発明の内容を知られうる状況で発明が実施されたということにも該当しない。少なくとも、公然知られた発明又は公然実施をされた発明に該当するというためには、発明の実施品に該当する物が守秘義務を有しない者に実際に販売されたという事実の証明が必要であると解される。
このような理解に立って本件特許異議の申立ての証拠である甲1-15を精査するに、販売申出製品が本件特許の優先日前に守秘義務を有しない者に実際に販売されたという事実を認める証拠は、見当たらない。
甲1-16?甲1-20には、水見センサ(ASZ-M0917)の開発経緯や福井県との共同研究開発の成果が示されているが、そもそも、それらの開発におけるセンサが、前記のような切り欠きを有するかどうか不明である。また、アスザック株式会社と福井県などとの間での守秘義務の有無は示されておらず、水見センサ(ASZ-M0917)が実際に譲渡ないし販売されたか否かも定かではない。
したがって、販売申出製品が本件特許の優先日前に公然知られたとは認められず、また、公然実施をされたとも認められない。

(4)小括
以上検討のとおり、申立人購入製品と同一の構成を有する物が、本件特許の優先日前に公然知られた又は公然実施をされたとの事実は認められない。
したがって、本件発明1?4は、特許法29条1項1号の本件特許の優先日前に日本国内又は外国において公然知られた発明であるとはいえず、同法29条1項2号の本件特許の優先日前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるともいえないから、請求項1?4に係る特許は、同法29条1項の規定に違反してされたものではない。

2 申立理由1-2について
申立理由1-2は、申立人購入製品と同一の構成を有する物が、本件特許の優先日前に公然知られた又は公然実施されたとの事実を前提とする申立理由であるところ、前記1で検討したとおり、当該事実は認められないから、申立理由1-2は、その前提を欠いている。
したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。

3 申立理由2-1?申立理由2-5について
(1)引用文献に記載された発明等
ア 甲2-1
(ア)甲2-1には、以下の記載がある。(下線は当審が付した。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は稲作時灌漑用水を田に引くが、給水時の天候、稲の成育状況を見て手で水門を開きシャッターをロックさせ水を流入させる、水位が所定の高さに達すればセンサーが感知してロックを外しシャッターを閉じ流入水を停止させる装置に関する。」

「【0003】
【発明が解決しようとする課題】
田に給水後、止水時間帯は通常仕事時間帯となるため最適止水は困難であった、これを自動止水にして水の無駄と装置の低価格化、時間の節約を計ることとした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は図中の参照符号を付して示すならば請求項1にあっては図1、図2に示すとおり設置基準線6を引いた外筒7の中に中心穴を設けた非磁性体金属又はプラスチック、発泡樹脂製のフロート8の同心円上に永久環状磁石9を埋め込んだフロートで、フロート自体は外筒菅内で浮力によって自由に上下出来るようにしている。一方フロート中心穴の中には非磁性菅10を貫通し内部にはリードリレー11を装着した水位センサー、外筒菅内には通水孔31を通じて水が流入し、流入した水量分だけの空気が通気孔32を通って逃げる様にして外筒管内を大気圧に保っている。更に水の深さを調節するための非磁性菅10には目盛12を刻み板バネ13で半固定にしている、駆動源は電池を使っているためシャッター本体とセンサーの高さ、位置関係は生じない、従ってどのような高さの水路にも設置できる。」

「【0015】
【発明の効果】
本実施形態によれば田面水位即ちセンサー内に流入する水位と設定した水位が一致した時リードリレーがオンしロック爪が外れて側圧が解除されシャッターが落下、確実に止水される、朝、稲の成育状況、天候を見て水の深さを加減しシャッターを開き仕事にでる、止水については気にすることなく本来の仕事に専念出来る。給水期間が終わればベースブロックをそのままにして、本体とセンサーを取り外して格納し次期に備える。」

「【図2】



(イ)甲2-1の【図2】から、外筒7の上端の開口に非磁性管10が貫通する蓋部が設けられていることと、リードリレー11に接続されたリード線が前記蓋部を貫通する前記非磁性管10の内部を通って前記外筒7の外部に引き出されていることが見てとれる。

(ウ)前記(イ)を踏まえつつ、前記(ア)の記載をまとめると、甲2-1には、以下の発明(以下「甲2-1発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲2-1発明>
「外筒7と、前記外筒7の中に設けられ、浮力によって自由に上下でき、永久環状磁石9が埋め込まれた同心円上のフロート8と、前記フロート8の中心穴を貫通し、内部にリードリレー11が設けられた非磁性管10と、前記外筒7の上端の開口に設けられ、前記非磁性管10が貫通する蓋部と、前記リードリレー11に接続され、前記蓋部を貫通する前記非磁性管10の内部を通って前記外筒7の外部に引き出されるリード線と、を備え、前記外筒7に設けられた通水孔31を通じて流入した水の水位と設定した水位が一致したときに前記リードリレー11がオンする水位センサ。」

イ 甲2-2
(ア)甲2-2には、以下の記載がある。(下線は当審が付した。)

「【0031】
図4は、上記した制御スイッチ12と電気的に接続される水位センサ20の内部構造図であり、外筒体21に穿設される小孔21aの一部の図示を省略している。図4に示すように、水位センサ20は、上記した給水装置1とは別体に形成されており、中空円筒状の外筒体21を備えている。このように、水位センサ20を給水装置1とは別体にするこで、水位センサ20を圃場60(図5参照)内の任意の場所に設置することができる。この外筒体21の下側部分には、その外筒体21の外周から内周に達する複数の小孔21aが全周に穿設されている。外筒体21内には球形状のフロート22が内挿されており、このフロート22の頂部中央にはフロート22の上下動を支持する棒状の主軸23の下端が取着されている。
【0032】
この主軸23は、外筒体21の上端開口に覆設される蓋体24を摺動可能に貫通して外筒体21より更に上方へ立設されている。蓋体24の上面には、主軸23と略平行に支柱25が立設されており、この支柱25の上端部には主軸23側へ向けて略水平にアーム26が延設されている。アーム26の先端部には、主軸23の上端部分が摺動可能に挿通されており、このアーム26から蓋体24の間部分には、主軸23に固定用ねじを介して取着された上部ドッグ27及び下部ドッグ28が配設されている。
【0033】
また、支柱25には、上部ドッグ27の上下動によりオンオフされる上限リミットスイッチ29と、下部ドッグ28の上下動によりオンオフされる下限リミットスイッチ30とが取着されている。これらの各スイッチ29,30はそれぞれ接続ケーブル31を介して、給水装置1の制御スイッチ12と電気的に接続されている。このように構成された水位センサ20は、蓋体24より上方に配設される各部材25?30がフード32によって被包されている。このフード32は、電気機器を風雨等から保護するための覆いであり、その頂部が閉塞された筒状体に形成されている。」

「【図4】



(イ)甲2-2の【図4】から、接続ケーブル31がフード32を介して外部に引き出されていることが見てとれる。

(ウ)前記(イ)を踏まえつつ、前記(ア)の記載をまとめると、甲2-2には、以下の発明(以下「甲2-2発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲2-2発明>
「外筒体21内に設けられたフロート22と、前記外筒体21の上端開口に覆設される蓋体24と、前記フロート22の頂部中央に取着され前記蓋体24を摺動可能に貫通する棒状の主軸23と、前記主軸23に取着された上部ドッグ27及び下部ドッグ28の上下動によりオンオフされる上限リミットスイッチ29及び下限リミットスイッチ30と、前記蓋体24より上方に配設され、前記上限リミットスイッチ29及び下限リミットスイッチ30を被包するフード32と、前記上限リミットスイッチ29及び前記下限リミットスイッチ30に接続され、前記フード32を介して外部に引き出される接続ケーブル31と、を備える水位センサ20。」

ウ 甲2-3
(ア)甲2-3には、以下の記載がある。(下線は当審が付した。)

「【0016】図4は水位検出器3の縦断面図である。フロート21の中央部には、フロート21の上下動を支持するように主軸22が貫入され、主軸22の両側面には、上下に移動できる調整軸23,24が嵌合されて、調整軸23,24の一端側方を貫通する固定ネジにより主軸22に取り付けられている。調整軸23,24の他端は、フロート21が係合するようにストッパー25,26が設けられており、調整軸23のストッパー25はフロート21の上側に位置し、調整軸24のストッパー26はフロート21を貫通して、略フロート21の下側に位置するように設置されている。ストッパー25,26の位置を動かすことにより、水田水位の上限、及び下限の設定が行われる。
【0017】次に水位検出器3の作動について説明する。水田の水位が下降して下限水位Bに達すると、フロート21はそれに伴い下降して、ストッパー26に接触し、その荷重で主軸22を実線のように押し下げ、主軸22の他端部に回転自在に取り付けられた枝軸27が、枝軸27の略中央部を支点にして右回転し、枝軸27の一方端に当接したマイクロスイッチ28が復帰される。(すなわち枝軸27とマイクロスイッチ28が非接触状態となる;図4の状態)次にこの状態から、水田の水位が上昇して上限水位Aに達すると、フロート21はそれに伴い上昇して、ストッパー25に接触し、フロート21の浮力により調整軸23と共に主軸22を押し上げ、枝軸27の一方端がマイクロスイッチ28に当接して該マイクロスイッチ28が起動される(点線位置)。このように、水田の水位に連動してフロート21が上下動し、主軸22の先端に連結された枝軸27を経由して、マイクロスイッチ28がON-OFFされることにより、駆動部1へと動作指令が出力される。バネ29はフロート21が水田水位の上限、下限を捉えると、主軸22の上下移動による枝軸27の回転によって、直ちにマイクロスイッチ28の起動、復帰を行わせるために設けられたもので、枝軸27の軸心を線対称にして主軸22と固定軸30とを結ぶように取り付けられている。
【0018】次に、本実施例における水位検出器3の概略寸法及び材質を示す。水位検出器3の保護ケースの寸法は、直径約220mm、高さ約500mmである。フロート21は、プロピレン樹脂製で、直径180mm、厚さ35mmの円筒形状をしており、水位検出器内を約20cm程度、上下動できるように装着されている。バネ29は、ステンレス鋼製である。マイクロスイッチ28を除く、その他部品の材質は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂であるが、本実施例に限定されることなく、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体樹脂等の、耐衝撃性及び耐候性に優れる樹脂を使用してもよい。さらに、駆動部1と水位検出器3とを連結する電線35の長さは、1.5?2m程度である。」


「【図1】



「【図4】



(イ)甲2-3の【図1】から、フロート21及びマイクロスイッチ28が水位検出器3の保護ケース内に収容され、マイクロスイッチ28に接続された電線35が水位検出器3の保護ケースを介して外部に引き出されていることが見てとれる。

(ウ)前記(イ)を踏まえつつ、前記(ア)の記載をまとめると、甲2-3には、以下の発明(以下「甲2-3発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲2-3発明>
「フロート21と、前記フロート21の上下動に応じてON-OFFされるマイクロスイッチ28と、前記フロート21及び前記マイクロスイッチ28を収容する保護ケースと、前記マイクロスイッチ28に接続され、前記保護ケースを介して外部に引き出される電線35と、を備える水位検出器3。」

エ 甲2-4
(ア)甲2-4には、以下の記載がある。(下線は当審が付した。)

「【0004】
本発明は、水田内に設置した水位検出部1と用水路19の取水口12に設置した給水制御がケーブル6でつながった構成で、夕方及び早朝の水位の増減を水位検出部1が検知し信号を給水制御部2に送り、モーターにより給水ゲート11を開閉し、水田への給水及び止水を自動で行うものである。本装置は小型で安価で設置や撤去が簡単であり、電源として市販の乾電池を用い維持管理が容易である。」

「【0006】
以下、本装置の(1)設置方法、(2)作動原理を説明する。
(1)本装置の設置は水田内に水位検出部1を挿入し、用水路19の取水口12上に給水制御部7を設置し、杭15又はコンクリートブロック16などで固定する。水位・給水ゲート11の間隔はマイクロスイッチ(以下スイッチという)3・4・13・14をネジで調節する。また、給水ゲート部11を取り替えることにより多くの既存の用水路に設置できる。
(2)日中、水田内の水が蒸発し夕方になると水位17が下がり水位感知部1のフロート2が下がるとスイッチ3が入り、ケーブルにより信号が給水制御部7に送られ、ギヤードモーター9(以下モーターという)により給水ゲート11が上がり、給水ゲートが上がりきるとスイッチ14になり水田内の水位が上昇18すると、水位感知部1のフロートが上がりスイッチ4が入りケーブルにより給水制御部のリレー10を介してモーター9が逆転し給水ゲート11が下がり、下がりきるとスイッチ13が切れ給水が止まる。以上の動作を毎日繰り返す。
又、電源に乾電池を使用していることとギヤードモーター使用の為、動作は非常に遅いが、ギヤードモーターの使用により強力な力で給水ゲートを開閉する為、ゴミ、土砂などに対しても確実に作動する。」

「【図1】



「【図2】



(イ)甲2-4の【図1】及び【図2】から、フロート2及びマイクロスイッチ3、4が水位検出部1の筐体内に収容され、ケーブル6が水位検出部1の筐体を介して外部に引き出されていることが見てとれる。

(ウ)前記(イ)を踏まえつつ、前記(ア)の記載をまとめると、甲2-4には、以下の発明(以下「甲2-4発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲2-4発明>
「フロート2と、前記フロート2の上下動に応じて切り換えられるマイクロスイッチ3、4と、前記フロート2及び前記マイクロスイッチ3、4を収容する筐体と、前記マイクロスイッチ3、4に接続され、前記筐体を介して外部に引き出されるケーブル6と、を備える水位検出器3。」

オ 甲2-5
(ア)甲2-5には、以下の記載がある。(下線は当審が付した。)

(第2ページ左下欄3?20行)
「この取水堰4付近の水田2には水位を検出するフロート11を上下動自在に設け水田2と連通した水位計12が立設されている。また、この水位計12に沿って地中の温度を検出する地中温度センサ13、水中の温度を検出する水温温度センサ14及び空中の温度を検出する気温温度センサ15が各々適宜位置に設けられている。そして、水位計12の上端にはゲート7の開閉を制御する制御手段16が防水性のハウジング17に収納されている。ハウジング17の上面には太陽熱により充電される太陽電池18及びアンテナ19が配設され、制御手段16は巻取りドラム8とケーブル20により接続されている。
第2図は制御手段16のブロック図を示しており、21は前記水位計及び温度センサ13、14、15から計測部であり、水位,地中温度,水温及び気温等を出力する。」

「第1図



「第2図



(イ)甲2-5の第1図から、フロート11は筒体内に収容され、ケーブル20が接続された制御手段16は前記筒体の外側に配置されていることが見てとれる。

(ウ)前記(イ)を踏まえつつ、前記(ア)の記載をまとめると、甲2-5には、以下の発明(以下「甲2-5発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲2-5発明>
「フロート11と、前記フロート11を収容する筒体と、前記筒体の外側に配置された制御手段16と、前記制御手段16に接続されたケーブル20と、を備え、前記制御手段16は水位を出力する計測部21を含む、水位計12。」

カ 甲3?甲8
甲3?甲8には、それぞれ、以下の記載がある。
(ア)甲3
「【0001】
水田の水位を自動的に適正に保つための、水田用自動給水装置に関するものである。」

「【0024】
水位検出器3は下部に水田の水位を検出するための多数の孔が穿設された函体よりなる水位フロート室30に、水位検出のための水位フロート31が浮動自在に内設されている。該水位フロート31の上部中央より上方に棒状の水位フロート杆32を立設し、該水位フロート杆32を水位フロート室30の上方の架台に穿孔されたガイド孔に貫装し、また水位フロート杆32には水田の水位を任意に設定するための水位設定片(上限、下限)33、34を設置する。また水位検出器3には前記自動給水器1と同様に水田へ強固に、且水平に設置するための棒状の設置杭50、50、50、50を長さが自在に調整できるよう、水位フロート室30の外側に設置する。
【0025】
水位伝達手段は水田の水位の変動により水位フロート31が上昇または下降することにより、水位フロート杆32に設置の水位設定片(上限、下限)33、34の押動により、水位フロート室30上方の架台に設置の水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43を動作させ、該水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43よりの接点信号は水位検出器3から自動給水器1間に配設されたケーブル40により自動給水器1に設置の自動制御ボックス41に送信される。
【0026】
また自動給水器1ではゲート吊杆13の中途部にゲート保持片(上限、下限)18、19が凸設されている。該ゲート保持片(上限、下限)18、19は断面が直角三角形状をなし、上限ゲート保持片18は下方に直角部を有し、下限ゲート保持片19は上方に直角部を有する。該ゲート保持片(上限、下限)18、19に対応するようにゲート保持開放器(上限、下限)44、45が自動給水器1の架台に設置されている。該ゲート保持開放器(上限、下限)44,45は自動制御ボックス41の信号によりソレノイドコイルに通電されると、プランジャーが吸引されプランジャー先端部が後退し、前記ゲート保持片(上限、下限)18、19の係止を解除する機能を有し、またソレノイドコイルが無通電時はスプリングの反発力によりプランジャー先端部が伸長しゲート吊杆13に近接しゲート保持片(上限、下限)18、19を係止する機能を有する。尚ゲート11の昇降時以外ゲート保持片(上限、下限)18,19の何れかは対応するゲート保持開放器(上限、下限)44,45により係止されている。
【0027】
前記自動制御ボックス41には図11で示すように、制御電源用のバッテリー、電磁リレー及び配線等より構成した制御回路有し、該自動制御ボックス41には水位検出器3よりの水位リミットスイッチ(上限、下限)42、43からの入力信号と、ゲート11の昇降を制御するためのゲート保持開放器(上限、下限)44、45への出力信号があり、これらの信号によりゲート11の昇降を制御する。また電力の使用は制御回路図(図15)でも分かるようにリレー等を動作させるための微少電力であり、ゲート11の上昇の駆動源として使用しないため、電力の消耗は極めて少ない。尚図11の制御回路は一例を示したものに過ぎず、同様な動作を奏する制御回路であれば特に限定されるものではない。」

「【図1】



(イ)甲4
(明細書4ページ1?3行)
「(27)は、前記豆球(25)の保持筒(28)を内底面中心に有する有底筒状の蓋体にして、前記本体(1)の下面開口(29)に内側から嵌合し」

(明細書4ページ13?18行)
「蓋体(27)の周壁(34)一端には、前記本体(1)の周面切欠孔(35)に嵌め込まれる給電コード(36)の下部押えとなる突起(37)が形成されており、この突起(37)が第(1)図の様に、コード付根部のブッシング(38)の周溝(39)に嵌め込まれている。」

(明細書8ページ4?5行)
「筒状本体(1)の下面開口を施蓋する蓋体(27)」

(明細書8ページ13?17行)
「給電コードのブッシング(38)は本体(1)の周面に下端より形成した切欠孔(35)に挿入された後、その下部はこの切欠孔(35)に嵌まる前記蓋体周縁の突起(37)にて押さえ込まれて下にずれ落ちないように切欠孔(35)の端縁(35)との間で挟持されている構造とし」

「第1図




「第4図




(ウ)甲5
(明細書3ページ9?18行)
「モータの入力端子部(不図示)に半田等で接着固定したリード線3をシールドケースの外部に導出するためのシールドケース本体1の開口端部に切欠溝4を設け、モータ(不図示)のリード線3をこの切欠溝4より導出した後、上記シールドケース蓋2をシールドケース本体1に圧入して僅かにリード線3を押圧する程度にとどめ、リード線3が非所望に切断されないようにリード線3の周りに多少隙間ができる程度にしていた。」

(明細書5ページ15行?6ページ2行)
「第1図乃至第3図に於いて、21は一端面のみ開口していて長円筒状の強磁性体からなるシールドケース本体で、22はこのシールドケース本体21に圧入接合することのできる径を有する短円筒状で一端面のみ開口していて強磁性体からなるシールドケース蓋である。そして前記シールドケース本体21の開口部周辺一部には、リード線3を導出する為の切欠21Aが設けられている」

(明細書7ページ4?8行)
「シールドケースに組込まれたモータの端子部に接続されたリード線3はシールドケース本体21へのシールドケース蓋22の圧入嵌合時、空間23で傾方向に導かれ切欠21Aからシールドケース本体21の外方に導出される。」





(エ)甲6
(2ページ左上欄18行?右上欄16行)
「以下、本発明の一実施例について、図面(第2図、第3図)に基づいて説明する。
図において、11はケース本体、12はこのケース本体11の上端開口部を覆う蓋で、これらケース本体11と蓋12により電源ユニット用ケースが構成され、電気的絶縁等の役目をなす。13はリード線で、このリード線13の一部には結束バンド14による締付部がある。15はケース本体11の一側壁16に上端から形成されたU状の溝で、前記側壁16の内側に結束バンド14締付部が位置するようにリード線13を溝15に嵌入する。17は前記溝15に嵌入されたリード線13を上方より押さえるために前記蓋12の裏面に設けられた押さえ片で、この押さえ片17の下端はリード線13の形状に沿うように円弧状となっている。従って前記溝15に嵌入されたリード線13は溝15に嵌入する押さえ片17によって上方から押さえられて支持される。このとき前記結束バンド14はリード線13の抜け防止の役目をなす。18は前記リード線13の端部に設けられたコネクタである。」

「第2図



(オ)甲7
(明細書5ページ3?5行)
「図面において、(1)は有底円筒状のモータケース、(2)はケース(1)の上面開口を閉塞した円板状の閉塞板、(3)はケース(1)の前上端部に形成された切欠部」

(明細書7ページ8?11行)
「モータケース(1)の上面開口に閉塞板(2)が配置され、両リード線(6)が切欠部(3)に配設され、閉塞板(2)がモータケース(1)の上面開口に嵌着されて該上面開口が閉塞される。」





(カ)甲8
(明細書2ページ6?19行)
「圧電ブザーとしては、たとえば第5図に示すようなものが周知である。
上記圧電ブザーは、一端開口状の外装ケース1の内部に圧電発音体2が収容され、この圧電発音体2から引き出されたリード線3および4が、上記外装ケース1の周壁5に開口端面から上記外装ケース1内方に向かって切り欠かれた切欠き部6より上記外装ケース1の外に引き出されるとともに、上記外装ケース1の開口部に嵌合して固定される蓋部材7に形成された押え部8が上記切欠き部6に嵌合しており、上記切欠き部6の最奥部に形成されている切欠き部底面6aとそれに対向する上記押え部8の対向面8aとの間に上記リード線3および4が挟持されてなるものである。」

(明細書6ページ5?19行)
「本考案を適用した圧電ブザーを第1図に示す。
上記圧電ブザーは第5図において説明した圧電ブザーにおいて、外装ケース1の周壁5に形成された切欠き部6の切欠き部底面6a側には、リード線3,4の引出し方向に直交する方向に走る横断面が三角形状の突状15を形成して凹凸面を形成する一方、蓋部材7の押え部8の対向面8a側にも、上記と同様の突条16を形成して凹凸面を形成したもので、第5図に対応する部分には対応する符号を付して、重複した説明は省略する。
このようにすれば、リード線3および4は外装ケース1の切欠き部6の切欠き部底面6aと蓋部材7に形成された押え部8の対向面8aとの間で、上記突条15および16により夫々形成される凹凸面に噛み込まれる」

「第1図



「第5図




(2)対比・判断
ア 申立理由2-1について
本件発明1と甲2-1発明を対比すると、以下のとおりである。

(ア)甲2-1発明の「リードリレー11」は、「外筒7に設けられた通水孔31を通じて流入した水の水位と設定した水位が一致したときにオンする」ものであるから、本件発明1の「液体の液面の位置を検出する液面センサ」に相当する。

(イ)甲2-1発明の「リード線」は、「リードリレー11」に接続されたものであるから、本件発明1の「前記液面センサに接続されるリード線」に相当する。

(ウ)甲2-1発明の「外筒7」は、上端に開口を有し、「リードリレー11」を収容するものであるから、本件発明1の「軸線方向の端部に開口が形成され内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体」に相当する。

(エ)甲2-1発明の「蓋部」は、「外筒7」の上端の開口に設けられたものであるから、本件発明1の「前記収容体の開口を覆う蓋部」に相当する。

以上の対比の結果をまとめると、本件発明1と甲2-1発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
軸線方向の端部に開口が形成され内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
前記収容体の開口を覆う蓋部と、
を備える、液面センサ装置。」

<相違点>
リード線の引き出し構造について、本件発明1は、「前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている」ものであるのに対して、甲2-1発明は、蓋部を貫通する非磁性管10の内部を通ってリード線が外筒7の外部に引き出されている点。

前記相違点について検討する。
甲2-1発明は、非磁性管10の内部に設けられたリードリレー11からリード線を引き出すために、蓋部を貫通する非磁性管10の内部を通ってリード線が外筒7の外部に引き出される構成を採用したものである。
ここで、甲4?甲8のそれぞれに記載の技術事項を精査すると、甲4、5、7、8はコードをケースに対して保持固定することを目的とし、甲6はケースに設けた引き出し穴を通す煩雑さを解消することを目的とするものであるから、蓋部を貫通する非磁性管10の内部を通ってリード線が外筒7の外部に引き出される構成を既に有する甲2-1発明と、甲4?甲8のそれぞれに記載の技術事項は、課題を共有し得ないものである。
よって、たとえ甲4?甲8が知られていたとしても、甲2-1発明において、リード線を外筒7の端部に設けた切欠きを介して外部に引き出して相違点に係る構成を満たすようにする動機付けを、当業者は有さない。また、甲2-2?2-5及び甲3にも相違点に係る構成は示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2-1発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
また、本件発明2?5は、本件発明1が備える構成を全て備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲2-1発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

イ 申立理由2-2について
本件発明1と甲2-2発明を対比すると、以下のとおりである。

(ア)甲2-2発明の「上限リミットスイッチ29及び下限リミットスイッチ30」は、「フロート22」に取着された「主軸23」に更に取着された「上部ドッグ27及び下部ドッグ28」の上下動によりオンオフされるものであるから、本件発明1の「液体の液面の位置を検出する液面センサ」に相当する。

(イ)甲2-2発明の「接続ケーブル31」は、「上限リミットスイッチ29及び下限リミットスイッチ30」に接続されたものであるから、本件発明1の「前記液面センサに接続されるリード線」に相当する。

(ウ)甲2-2発明の「フード32」は、「上限リミットスイッチ29及び下限リミットスイッチ30」を被包するものであるから、本件発明1の「内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体」に相当する。

以上の対比の結果をまとめると、本件発明1と甲2-2発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
を備える、液面センサ装置。」

<相違点>
本件発明1は、「前記収容体の開口を覆う蓋部」を有するのに対して、甲2-2発明は、フード32の開口を覆う蓋部に相当する部材を有しておらず、リード線の引き出し構造について、本件発明1は、「前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている」ものであるのに対して、甲2-2発明は、フード32を介して外部に引き出される接続ケーブル31を有するものの、詳細な引き出し構造は不明である点。

前記相違点について検討する。
甲4?甲8に記載されているのは、いずれも、蓋を有するケースを前提としたリード線の引き出し構造であるところ、甲2-2発明は、フード32の開口を覆う蓋部に相当する部材を有さないから、甲4?甲8に記載の技術事項を適用するための前提を欠いている。また、甲2-1、甲2-3?2-5及び甲3にも相違点に係る構成は示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2-2発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
また、本件発明2?5は、本件発明1が備える構成を全て備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲2-2発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

ウ 申立理由2-3について
本件発明1と甲2-3発明を対比すると、以下のとおりである。

(ア)甲2-3発明の「マイクロスイッチ28」は、「フロート21」の上下動に応じてON-OFFされるものであるから、本件発明1の「液体の液面の位置を検出する液面センサ」に相当する。

(イ)甲2-3発明の「電線35」は、「マイクロスイッチ28」に接続されたものであるから、本件発明1の「前記液面センサに接続されるリード線」に相当する。

(ウ)甲2-3発明の「保護ケース」は、「マイクロスイッチ28」を収容するものであるから、本件発明1の「内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体」に相当する。

以上の対比の結果をまとめると、本件発明1と甲2-3発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
を備える、液面センサ装置。」

<相違点>
本件発明1は、「前記収容体の開口を覆う蓋部」を有するのに対して、甲2-3発明は、保護ケースの開口を覆う蓋部に相当する部材を有しておらず、リード線の引き出し構造について、本件発明1は、「前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている」ものであるのに対して、甲2-3発明は、保護ケースを介して外部に引き出される電線35を有するものの、詳細な引き出し構造は不明である点。

前記相違点について検討する。
甲4?甲8に記載されているのは、いずれも、蓋を有するケースを前提としたリード線の引き出し構造であるところ、甲2-3発明は、保護ケースの開口を覆う蓋部に相当する部材を有さないから、甲4?甲8に記載の技術事項を適用するための前提を欠いている。また、甲2-1?2-2、甲2-4?2-5及び甲3にも相違点に係る構成は示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2-3発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
また、本件発明2?5は、本件発明1が備える構成を全て備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲2-3発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

エ 申立理由2-4について
本件発明1と甲2-4発明を対比すると、以下のとおりである。

(ア)甲2-4発明の「マイクロスイッチ3、4」は、「フロート2」の上下動に応じて切り換えられるものであるから、本件発明1の「液体の液面の位置を検出する液面センサ」に相当する。

(イ)甲2-4発明の「ケーブル6」は、「マイクロスイッチ3、4」に接続されたものであるから、本件発明1の「前記液面センサに接続されるリード線」に相当する。

(ウ)甲2-4発明の「筐体」は、「マイクロスイッチ3、4」を収容するものであるから、本件発明1の「内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体」に相当する。

以上の対比の結果をまとめると、本件発明1と甲2-4発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
を備える、液面センサ装置。」

<相違点>
本件発明1は、「前記収容体の開口を覆う蓋部」を有するのに対して、甲2-4発明は、筐体の開口を覆う蓋部に相当する部材を有しておらず、リード線の引き出し構造について、本件発明1は、「前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている」ものであるのに対して、甲2-4発明は、筐体を介して外部に引き出されるケーブル6を有するものの、詳細な引き出し構造は不明である点。

前記相違点について検討する。
甲4?甲8に記載されているのは、いずれも、蓋を有するケースを前提としたリード線の引き出し構造であるところ、甲2-4発明は、筐体の開口を覆う蓋部に相当する部材を有さないから、甲4?甲8に記載の技術事項を適用するための前提を欠いている。また、甲2-1?2-3、甲2-5及び甲3にも相違点に係る構成は示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2-4発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
また、本件発明2?5は、本件発明1が備える構成を全て備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲2-4発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

オ 申立理由2-5について
本件発明1と甲2-5発明を対比すると、以下のとおりである。

(ア)甲2-5発明の「制御手段16」は「水位を出力する計測部21を含む」ものであるから、甲2-5発明の「フロート11」及び「制御手段16」は、本件発明1の「液体の液面の位置を検出する液面センサ」に相当する。

(イ)甲2-5発明の「ケーブル20」は、「制御手段16」に接続されたものであるから、本件発明1の「前記液面センサに接続されるリード線」に相当する。

(ウ)甲2-5発明の「筒体」は、「フロート11」を収容するものであるから、本件発明1の「内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体」に相当する。

以上の対比の結果をまとめると、本件発明1と甲2-5発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「液体の液面の位置を検出する液面センサと、
前記液面センサに接続されるリード線と、
内部に前記液面センサを収容する収容空間が形成された収容体と、
を備える、液面センサ装置。」

<相違点>
本件発明1は、「前記収容体の開口を覆う蓋部」を有するのに対して、甲2-5発明は、筐体の開口を覆う蓋部に相当する部材を有しておらず、リード線の引き出し構造について、本件発明1は、「前記収容体の端部には、前記収容体の側面から前記収容空間に達するとともに前記収容体の軸線方向に延びる切欠きが形成され、前記切欠きは、前記蓋部が前記収容体の開口を覆った状態で少なくとも一部が前記蓋部の外部に露出し、前記リード線が前記収容体の外部に引き出されている」ものであるのに対して、甲2-5発明は、筒体の外側に配置された制御手段16にケーブル20が接続されたものである点。

前記相違点について検討する。
甲4?甲8に記載されているのは、いずれも、蓋を有するケースを前提としたリード線の引き出し構造であるところ、甲2-5発明は、筒体の開口を覆う蓋部に相当する部材を有さないだけでなく、筒体の外側に配置された制御手段16にケーブル20が接続されたものであって、筒体内部からケーブル20を引き出すものではないから、甲4?甲8に記載の技術事項を適用するための前提の大部分を欠いている。また、甲2-1?2-4及び甲3にも相違点に係る構成は示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2-5発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
また、本件発明2?5は、本件発明1が備える構成を全て備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲2-5発明を主たる引用発明として当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

(3)小括
以上検討のとおり、本件発明1?5は、甲2-1発明?甲2-5発明と甲3?甲8に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。

4 申立理由3について
申立人は、特許異議申立書において、「本件当初明細書等から、水位センサ(液面センサ)12を含む液面センサ装置51とは別の構成要素である自動給液装置46のリード線47が収容パイプ(収容体)16の外部に引き出されるという技術的事項を導き出すことはできるものの、水位センサ(液面センサ)12に接続されている液面センサ装置51のリード線19が収容パイプ(収容体)16の外部に引き出されるという技術的事項を本件当初明細書等から導き出すことはできない。」と主張している。
しかしながら、当初明細書等の【0017】、【0033】、【図1】には、自動給液装置46のリード線47と、水位センサ(液面センサ)12に接続されているリード線19が、それぞれの端部に設けられたコネクタ48、20を介して電気的に接続されること、すなわち、リード線47が、コネクタ48、20及びリード線19を介して水位センサ(液面センサ)12に接続されることが記載されているから、自動給液装置46のリード線47が「液面センサに接続されるリード線」であり、かつ、「収容体の外部に引き出されている」ものであるという技術的事項は、当初明細書等に記載されたものである。
さらに、当初明細書等の【0060】、【0066】、【図12】には、第2実施形態において、液面センサ装置71のリード線19が収容パイプ74の外部に引き出されるという技術的事項が明示されている。
したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものではない。

5 申立理由4について
(1)申立人は、特許異議申立書において、「本件特許明細書等には、水位センサ(液面センサ)12を含む液面センサ装置51とは別の構成要素である自動給液装置46のリード線47が収容パイプ(収容体)16の外部に引き出されるという技術的事項は記載されているものの、水位センサ(液面センサ)12に接続されている液面センサ装置51のリード線19が収容パイプ(収容体)16の外部に引き出されるという技術的事項は、本件特許明細書等に記載されていない。」と主張している。
しかしながら、本件特許明細書等の【0017】、【0033】、【図1】には、自動給液装置46のリード線47と、水位センサ(液面センサ)12に接続されているリード線19が、それぞれの端部に設けられたコネクタ48、20を介して電気的に接続されること、すなわち、リード線47が、コネクタ48、20及びリード線19を介して水位センサ(液面センサ)12に接続されることが記載されているから、自動給液装置46のリード線47が「液面センサに接続されるリード線」であり、かつ、「収容体の外部に引き出されている」ものであるという技術的事項は、本件特許明細書等に記載されたものである。
さらに、本件特許明細書等の【0060】、【0066】、【図12】には、第2実施形態において、液面センサ装置71のリード線19が収容パイプ74の外部に引き出されるという技術的事項が明示されている。

(2)申立人は、特許異議申立書において、「本件特許明細書等には、収容パイプ(収容体)16の切欠き(第二切欠き36)の幅は液面センサ装置51とは別の構成要素である自動給液装置46のリード線47の外径程度であるという技術的事項が記載されているものの、収容パイプ(収容体)16の切欠き(第二切欠き36)の幅が液面センサ装置51のリード線19の外径程度であるという技術的事項は、本件特許明細書等に記載されていない。」と主張している。
しかしながら、前記(1)で示したとおり、「液面センサに接続されるリード線」が「収容体の外部に引き出されている」という技術的事項は、本件特許明細書等に記載されたものであるから、「前記切欠きの幅は前記液面センサのリード線の外径程度である」という技術的事項も、本件特許明細書等に記載されたものである。

(3)したがって、請求項1?5に係る特許は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

第5 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。


 
異議決定日 2021-01-21 
出願番号 特願2019-194634(P2019-194634)
審決分類 P 1 651・ 537- Y (G01F)
P 1 651・ 121- Y (G01F)
P 1 651・ 111- Y (G01F)
P 1 651・ 55- Y (G01F)
P 1 651・ 112- Y (G01F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡田 卓弥  
特許庁審判長 岡田 吉美
特許庁審判官 岸 智史
中塚 直樹
登録日 2020-05-01 
登録番号 特許第6698928号(P6698928)
権利者 積水化学工業株式会社
発明の名称 液面センサ装置及び自動給液システム  
代理人 大槻 真紀子  
代理人 山口 洋  
代理人 西澤 和純  
代理人 川越 雄一郎  
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