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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  G06T
管理番号 1372671
異議申立番号 異議2020-700054  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-01-31 
確定日 2021-02-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6554198号発明「ごみ質の推定システムおよびそのごみ質の推定システムを用いたクレーン運転制御システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6554198号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 特許第6554198号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6554198号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし3に係る特許は、平成30年 3月16日に特許出願され、令和元年 7月12日にその特許権の設定登録(特許掲載公報の発行日:令和元年 7月31日)がされ、これに対して令和2年 1月31日に特許異議申立人 新井誠一(以下、「申立人」という。)により、本件特許の請求項1ないし3に係る特許について特許異議の申立てがされたものである。

そして、その後の手続は以下のとおりである。
・令和2年 6月11日付け取消理由通知(発送日:令和2年 6月1
6日)
・令和2年 8月 6日に特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
・令和2年 9月24日に申立人による意見書の提出
・令和2年12月10日付け訂正拒絶理由通知(発送日:令和2年12
月16日)
・令和2年12月25日に特許権者による意見書及び令和2年 8月
6日付け訂正請求書(以下、単に「訂正請求書」という。)に添付さ
れた訂正特許請求の範囲についての手続補正書の提出

第2 訂正の請求について
1 令和2年12月25日付け手続補正書による補正について
(1)補正の適否の判断
訂正事項1の補正は、請求項1に追加する「ごみ質教師データ」の記載について、
「ごみの組成の濃度またはごみの量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)」とあったのを、
「ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)」と補正するものである。
そこで、訂正事項1の補正が訂正請求書の要旨を変更するものであるか検討すると、訂正請求書の「訂正事項の「前記ごみ質教師データが、ごみの組成の濃度またはごみの量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)」は、明細書の段落の0009の『「ごみ質教師データ」は、例えば、ごみの組成(水、炭素、水素、排ガス中の塩化水素(HCl)および二酸化硫黄(SO_(2))など)の濃度あるいは量』に基づいている。」(4頁12行ないし15行)との記載によれば、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0009】における「『ごみ質教師データ』は、例えば、ごみの組成(水、炭素、水素、排ガス中の塩化水素(HCl)および二酸化硫黄(SO_(2))など)の濃度あるいは量」との記載と同一の内容を追加する意図があったことは明らかである。
そうすると、訂正事項1の補正は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1において、「ごみ質教師データ」の記載について、「ごみの組成の濃度またはごみの量」との誤記を本来記載すべき「ごみの組成の濃度または量」とするものであり、軽微な瑕疵の補正と認められるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。
(2)小括
したがって、令和2年12月25日付け手続補正書による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、これを認める。

2 訂正の請求の趣旨
令和2年12月25日付け手続補正書により補正された訂正請求書による訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし3について訂正すること(以下、「本件訂正」という。)を求めるものである。

3 本件訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に記載の「ごみ質の推定システム」において、
「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、」とあるのを、
「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、
前記入力データが、
評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)、
および/または、
前記ごみ質教師データが、
ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)、」
に訂正する(下線部は、訂正箇所を示す。)。

4 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1の「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データ」について「評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)」という特定事項を追加するもの、および/または、請求項1の「ごみ質教師データ」について「ごみの組成の濃度またはごみの量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)」という特定事項を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
特許明細書等の明細書の段落【0009】には、
「上記『ごみ質教師データ』は、例えば、ごみの組成(水、炭素、水素、排ガス中の塩化水素(HCl)および二酸化硫黄(SO_(2))など)の濃度あるいは量、発熱量などである。」
と記載されており、また、段落【0011】には、
「前記撮像部がスペクトルカメラである場合、前記入力データ作成部(あるいは吸光度の面積率算出システム)は、
スペクトル画像データから区分けされた波長ごとに吸光度を基準としてスペクトル二値化画像を生成するスペクトル二値化画像生成部と、
各評価エリアのそれぞれの波長ごとに対して閾値以上(または以下)の面積を計算し、評価エリアに対する面積率を算出する面積率算出部と、を有してもよい。この場合、入力データは、面積率である。
前記撮像部がスペクトルカメラである場合、前記入力データ作成部(あるいは吸光度平均値算出システム)は、
スペクトル画像データから区分けされた波長ごとに各評価エリア内の吸光度の平均値を算出する吸光度平均値算出部を有してもよい。この場合、入力データは「吸光度平均値」である。
前記撮像部が可視カメラである場合、前記入力データ作成部(あるいは混合度評価システム)は、
画像データを所定の処理をして各評価エリアのごみの混合度を評価する混合度評価部を有してもよい。この場合、入力データは、混合度である。
入力データは、面積率、吸光度平均値、混合度の内1種または2種以上であってもよい。」
と記載されており、訂正事項1の訂正後の内容が記載されている。
したがって、訂正事項1は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データ」および/または「ごみ質教師データ」を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

5 一群の請求項について
本件訂正請求は、請求項1-3という一群の請求項について請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。

6 まとめ
以上のとおり、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、また、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項の規定に適合するから、結論のとおり訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 訂正後の本件特許発明
本件特許の請求項1ないし3に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」ないし「本件特許発明3」という。)は、それぞれ本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、
前記入力データが、
評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)、
および/または、
前記ごみ質教師データが、
ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)、
前記投入ごみ質推定モデル生成部は、
燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め設定されている時間遅れ量に基づいて、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、または、
投入口へ投入したごみの量と、燃焼炉に供給したごみの量から、特定の投入されたごみが燃焼炉に供給されたタイミングを算出することで、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、ごみ質の推定システム。
【請求項2】
ごみピット表面が撮像された画像データから投入ごみの入力データを作成する入力データ作成部を有する、請求項1に記載のごみ質の推定システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のごみ質の推定システムで生成された投入ごみ質推定モデルを記憶するモデル記憶部と、
投入されるごみの入力データを前記投入ごみ質推定モデルに入力し、ごみ質を推定するごみ質推定部と、
前記投入ごみ質推定モデルから出力された推定ごみ質に応じて、クレーンを自動制御する自動運転制御部を有する、クレーン運転制御システム。」

2 取消理由の概要
令和2年 6月11日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。なお、当該取消理由は、本件特許異議申立において申し立てられたすべての特許異議申立理由を含んでいる。

取消理由(拡大先願)
本件特許の請求項1ないし3に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の先の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

<甲号証一覧>
甲第1号証(以下、「甲1」という。):特願2018-46867号(特開2019-158256号公報)
甲第2号証(以下、「甲2」という。):特願2017-153861号(特開2019-32123号公報)

3 甲1
(1)甲1の記載
本件特許出願の出願前に特許出願がされ、その出願後に出願公開がされた甲1には、「ごみ質推定システム及び方法、並びに、ごみ貯蔵設備」に関して次のような記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。)。


「【0001】
本発明は、ごみ焼却炉に供給されるごみのごみ質を推定する技術に関する。」


「【0028】
〔第1実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るごみ質推定システム7が適用されるごみ焼却プラント100の一例を示す概略図である。
【0029】
図1に示すごみ焼却プラント100は、ごみを貯蔵するごみ貯蔵設備3と、ごみを焼却する焼却炉1と、焼却炉1の排熱を回収するボイラ2と、ボイラ2で回収された焼却炉1の排熱を利用して発電を行う発電設備8とを備える。ごみ貯蔵設備3及び発電設備8は焼却プラント100に隣接して設けられてもよい。
【0030】
〔ごみ貯蔵設備3〕
ごみ貯蔵設備3には、焼却炉1に隣設されて、焼却炉1で処理されるごみを一時的に貯蔵するピット60が設けられている。ピット60の上方には、ピット60内のごみを焼却炉1へ投入するクレーン6が設けられている。クレーン6は、ピット60のごみを焼却炉1へ搬送する搬送装置の一例である。クレーン6は、走行レール61、走行レール61上を走行するガーダ62、ガーダ62を横行するトロリ63、トロリ63にワイヤロープを介して昇降可能に支持されたバケット64、及び、クレーン6の動作を制御するクレーン制御装置65を備える。バケット64は、ガーダ62の走行、トロリ63の横行、及びワイヤロープの巻き上げ・巻き下げの組み合わせにより、ピット60上の任意の位置へ移動することができる。但し、クレーン6は、上記構成に限定されない。」


「【0039】
〔ごみ質推定システム7〕
上記のように焼却プラント100は自動燃焼制御されるが、安定した燃焼制御を実現するためには、焼却炉1に供給されるごみのごみ質(特に、発熱量)を均質化させることが望ましい。そこで、本実施形態に係る焼却プラント100のごみ貯蔵設備3は、ごみ質推定システム7を備える。ごみ質推定システム7は、ピット60に堆積しているごみ(以下、「堆積ごみ」と称する)のごみ質を推定する。貯蔵設備3では、推定されたごみ質に基づいて堆積ごみの均質化が行われる。
【0040】
図2は、ごみ質推定システム7の構成を示すブロック図である。図2に示すごみ質推定システム7は、水分量評価部71と、多様性評価部72と、ごみ質推定部73とを含む。
【0041】
〔水分量評価部71〕
水分量評価部71は、ごみの水分量を評価する水分指標を求める処理を行う。水分量評価部71は、撮像装置91(第1撮像装置)と、水分指標演算装置92とを含む。
【0042】
撮像装置91は、ピット60の堆積ごみの表面を撮像するカメラ93と、カメラ93の撮像範囲に光を照射する照明装置94とを含む。なお、カメラ93及び照明装置94は、ピット60の規模に応じて複数組が設けられてもよい。照明装置94には、ピット60に既設の照明装置が含まれていてよい。また、後述するオプション(a)の場合を除いて、自然光で光量が十分であれば、照明装置94が省略されてもよい。この撮像装置91により、水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像(以下、「水分評価画像」と称する)と、水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像(以下、「参照画像」と称する)とを得る。」


「【0051】
水分指標演算装置92は、撮像装置91で生成された水分評価画像と参照画像とを含む画像データを取得し、画像データから水分指標を算出する。水分指標は、ごみ質の評価指標のうちの一種である。撮像装置91と水分指標演算装置92とは、有線又は無線で通信可能に接続されていてよい。或いは、水分指標演算装置92は、記憶媒体を介して撮像装置91で生成された画像データを取得してもよい。」


「【0065】
〔ごみ質推定部73〕
図6に示すように、ピット60内(又は、ピット60内の所定領域)は、平面視において仮想的に格子状に区画され、m個(mは実数)のセルが規定されている。各セルのサイズは、クレーン6のバケット64が一掴みできる大きさに設定されている。水分指標演算装置92は、一つのセルを一つの評価範囲とし、各セルについて水分指標を求める。同様に、多様性指標演算装置97は、各セルについて多様性指標を求める。
【0066】
ごみ質推定部73は、ごみ質推定装置90を含む。ごみ質推定装置90 は、いわゆるコンピュータであって、CPU等の演算処理部、ROM、RAM等の記憶部を有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データが記憶されている。演算処理部は、外部装置とのデータ送受信を行う。ごみ質推定装置90では、記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを演算処理部が読み出して実行することにより、各セルのごみ質を推定する処理と、各セルを分類する処理とが行われる。なお、ごみ質推定装置90は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働により各処理を実行してもよい。
【0067】
図5は、上のグラフが焼却炉1に間欠的に投入されたごみの水分指標を表し、下のグラフが蒸気流量計39で計測された主蒸気流量に基づく推定発熱量の時間変化を表し、上下のグラフの横軸(時間)は対応している。ごみは、間欠的に焼却炉1へ投入される。投入されたごみの水分指標の値の平均値を、標準値とする。図5の上下のグラフを比較すると、水分指標の値が標準値より小さいごみが投入されておよそΔTが経過してから推定発熱量のピークが表れる。また、水分指標の値が標準値より大きいごみが投入されておよそΔTが経過してから推定発熱量のボトムが表れる。ΔTは、投入されたごみが燃焼するまでのタイムラグに相当する。」


「【0070】
例えば、ごみ質推定装置90は、相関式を利用して水分指標から推定発熱量を求める。更に、ごみ質推定装置90は、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係に基づいて、この推定発熱量を補正する。ごみ質推定装置90の記憶部には、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係についての大量のデータが記憶されている。このデータには、理論値、実測値、及びシミュレーション結果の少なくとも一つが含まれていてよい。更に、ごみ質推定装置90には、このデータを利用して演算を行う数学モデルが予め記憶されている。ごみ質推定装置90は、この数学モデルを用いて、各セルの水分指標及び多様性指標の組み合わせからごみ質を推定し、推定したごみ質に基づいてm個のセルを所定数のクラスに分類する。なお、本実施形態では、m個のセルが所定数にクラスタ分類されるが、予め発熱量の範囲が規定された複数のクラスにm個のセルがクラス分類されてもよい。
【0071】
図6に例示するごみ質マップは、m個のセルのごみ質推定結果をマッピングしたものである。このようなごみ質マップを用いて、焼却炉1へごみ質の均質化されたごみの投入を行うことができる。また、このようなごみ質マップを用いて、ピット60内の堆積ごみのごみ質の均質化を行うことができる。
【0072】
〔ごみ質マップの利用例〕
例えば、搬出装置としてのクレーン制御装置65は、ごみ質マップを取得し、ごみ質マップを利用して焼却炉1へのごみの投入順序を決定することにより、ごみ質の均質化されたごみの投入を実現する。クレーン制御装置65は、投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均発熱量に基づいて、投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均ごみ質が標準クラスに近づくように次にごみを取り出すべきセルのクラスを決定する。投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均発熱量は、過去所定回数に投入されたごみのクラスに基づいて推定することができる。続いて、クレーン制御装置65は、ごみ質マップを利用して決定したクラスに分類されたセルを特定し、その中から一つのセルを選択する。そして、クレーン制御装置65は、選択されたセルのごみが投入ホッパ12へ供給されるようにクレーン6を動作させる。」


「【0085】
〔変形例1〕
次に、上記第1実施形態の変形例1を説明する。第1実施形態に係るごみ質推定システム7では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標及び多様性指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定するのに対し、変形例1では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定する。この点を除いて、変形例1に係るごみ質推定システム7は、第1実施形態に係るごみ質推定システム7と実質的に同一である。」


「【0103】
焼却炉1において、投入ホッパ12にごみが投入されたタイミングから、そのごみの持つ発熱量が蒸気流量計39で検出される主蒸気流量に表れるタイミングまでのタイムラグΔt1は、実験又はシミュレーションにより知ることができる。つまり、上記のごみ質推定システム7’で推定されたごみのごみ質は、そのごみが投入された後、Δt1が経過したときの主蒸気流量に影響を与える。また、投入ホッパ12にごみが投入されたタイミングから、そのごみがストーカ15上へ移動するタイミングまでのタイムラグΔt2は、実験又はシミュレーションにより知ることができる。つまり、上記のごみ質推定システム7’で推定されたごみのごみ質は、そのごみが投入された後、Δt2が経過したときのストーカ15上の燃焼状況に影響を与える。そこで、燃焼制御装置10は、ごみ質推定システム7’から投入ホッパ12に投入されたごみのごみ質に係る情報を取得し、この情報を焼却炉1の自動燃焼制御に利用する。このように焼却炉1に投入されたごみのごみ質が推定されるので、燃焼制御装置10は、より安定した燃焼制御を実現することができる。
【0104】
また、ごみ質推定システム7’は、ごみが投入されてからΔt1が経過したときの主蒸気流量を燃焼制御装置10(又は蒸気流量計39)から取得する。主蒸気流量は、ごみの発熱量の指標となる。ごみ質推定システム7’のごみ質推定装置90は、ごみのごみ質の推定に利用した水分指標及び多様性指標の組み合わせと、そのごみの実際の発熱量との関係を、記憶部に記憶する。これにより、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係についてのデータが更新され、そのデータの精度を向上させることができる。」




」(図1)




」(図2)




」(図5)

(2)甲1に記載された事項
上記(1)の記載された事項から、甲1には次の事項が記載されていると認められる。


ごみ質推定装置は、ピットの堆積ごみの表面が撮像された画像データから作成された、ピット内を区画した各セルの水分指標と、それと関係づけられたごみの発熱量を用いてコンピュータの演算処理により、ごみ質を推定する数学モデルを生成するごみ質推定装置を有する(段落【0042】、【0051】、【0070】、【0085】、【0104】)。


ごみ質推定装置は、燃焼炉の投入ホッパにごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め実験またはシミュレーションにより知られているタイムラグに基づいて、水分指標とそのごみの実際の発熱量との関係づけを行って(すなわち、発熱量と水分指標との時間的対応付けを行って)、水分指標と発熱量との関係についてのデータを更新し、このデータを利用してごみ質を推定する数学モデルを生成する(段落【0067】、【0070】、【0103】、【0104】)。


ごみ質推定システムは、撮像装置によりピットの堆積ごみの表面を撮像することで得られた、水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像である参照画像とを含む画像データから水分指標を算出する水分指標演算装置を有する(段落【0042】、【0051】)。


ごみ質推定装置は記憶部を有し、ごみ質推定システムで生成されたごみ質を推定する数学モデルを記憶する(段落【0066】、【0070】)。


ごみ質推定装置は、ピット内の各セルの堆積ごみの水分指標を、ごみ質を推定する数学モデルに入力し、ごみ質を推定する(段落【0070】)。


クレーン制御装置は、ごみ質を推定する数学モデルから出力されたごみ質推定結果に応じて、クレーンの動作を制御する(段落【0030】、【0072】)

(3)甲1に記載された発明
上記(1)及び(2)より、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という)が記載されていると認められる。
「ピットの堆積ごみの表面が撮像された画像データから作成された、ピット内を区画した各セルの水分指標と、ごみの発熱量を用いてコンピュータの演算処理により、ごみ質を推定する数学モデルを生成するごみ質推定装置を有し、
ピット内を区画した各セルの水分指標は、撮像装置によりピットの堆積ごみの表面を撮像することで得られた、水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像である参照画像とを含む画像データから算出されるものであり、
ごみ質推定装置は、
焼却炉の投入ホッパに投入してから燃焼が開始されるまでの、予め実験またはシミュレーションにより知られているタイムラグに基づいて、発熱量と水分指標との時間的対応づけを行って、ごみ質を推定する数学モデルを生成する、ごみ質推定システム。」

4 甲2
(1)甲2の記載
本件特許出願の出願前に特許出願がされ、その出願後に出願公開がされた甲2には、「発熱量推定方法、発熱量推定装置、及びごみ貯蔵設備」に関して次のような記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。)。


「【0001】
本発明は、ごみ焼却炉に供給されるごみの発熱量を推定する技術に関する。」


「【0007】
ごみ質のなかでも、とりわけ発熱量はごみ焼却炉の運転制御に重要である。」


「【0023】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、ごみ焼却プラント100の全体的な構成を示す概略図である。この焼却プラント100は、本発明の一実施形態に係る発熱量推定方法が適用されるごみ貯蔵設備3を含んでいる、又は、ごみ貯蔵設備3に隣設されている。
【0024】
図1に示すように、ごみ焼却プラント100は、ごみを貯蔵するごみ貯蔵設備3と、ごみを焼却する焼却炉1と、焼却炉1の排熱を回収するボイラ2とを備えている。更に、ごみ焼却プラント100は、ボイラ2で回収された焼却炉1の排熱を利用して発電を行う蒸気タービン84及び発電機85を備えている。
【0025】
〔ごみ貯蔵設備3〕
ごみ貯蔵設備3は、焼却炉1に隣設されて、焼却炉1で処理されるごみを一時的に貯蔵するピット60が設けられている。ピット60の上方には、ピット60内のごみを焼却炉1へ投入するクレーン6が設けられている。クレーン6は、ピット60のごみを焼却炉1へ搬送する搬送装置の一例である。クレーン6は、走行レール61、走行レール61上を走行するガーダ62、ガーダ62を横行するトロリ63、トロリ63 にワイヤロープを介して昇降可能に支持されたバケット64、及び、クレーン6の動作を制御するクレーン駆動装置65を備えている。バケット64は、ガーダ62の走行、トロリ63の横行、及びワイヤロープの巻き上げ・巻き下げの組み合わせにより、ピット60上の任意の位置へ移動することができる。なお、クレーン6は、上記構成に限定されず、公知の構成のクレーン6を採用することができる。」


「【0040】
図1及び図2に示すように、貯蔵設備3は、ピット60に対応して設けられた発熱量推定装置7を備えている。発熱量推定装置7は、ピット60の堆積ごみの発熱量を推算する発熱量演算部71と、クレーン6の動作を制御するクレーン制御部72とを有する。クレーン制御部72は、発熱量演算部71が求めた堆積ごみの発熱量の分布に基づいて、クレーン6が堆積ごみを撹拌したり、クレーン6が堆積ごみのうち選択された箇所のごみを焼却炉1へ投入したりするように、クレーン駆動装置65を動作させる。」


「【0042】
発熱量推定装置7は、いわゆるコンピュータであって、プロセッサと、メモリ及び通信インターフェイスなどとを備えている(いずれも図示略)。メモリは、各種のRAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現されてよい。メモリには、プロセッサによって実行される、OS、各種の制御プログラム、並びにプロセッサによって読み出される各種データを格納する。通信インターフェイスは、プロセッサによって制御されることによって、無線又は有線
の通信手段を利用して、燃焼制御装置10、クレーン駆動装置65、カメラ66などとデータを送受信する。
【0043】
発熱量推定装置7のプロセッサは、メモリに記憶されている各種のプログラムを実行することによって、発熱量演算部71及びクレーン制御部72として機能するための各種処理を実行する。換言すれば、発熱量推定装置7における処理は、各ハードウェア及びプロセッサにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ又は他の記憶媒体に予め記憶されている。
【0044】
発熱量推定装置7は、ピット60又はクレーン6に設置された単数又は複数のカメラ66から、ピット60の堆積ごみの表面の撮像画像を取得する。カメラ66は、ピット60の全域を撮像するものに限られず、堆積ごみの表面のうち発熱量を推定する領域を撮像できればよい。
【0045】
また、発熱量推定装置7は、燃焼制御装置10から所定の発熱量評価値を取得する。なお、発熱量推定装置7は燃焼制御装置10から発熱量評価値を逐次取得してもよいし、所定時間ごとにまとめて取得してもよい。但し、発熱量推定装置7は、燃焼制御装置10で蓄積された発熱量評価値に係るデータを記憶媒体を介して受け取ってもよい。
【0046】
発熱量評価値とは、クレーン6による一掴みのごみを焼却炉1で焼却したときの発熱量の絶対値又は相対値と相関関係のある値である。本実施形態では、発熱量評価値として、ごみ焼却プラント100の運転制御に利用されるプロセスデータのうち、ごみの燃焼によって得られた熱量の絶対値又は相対値と相関関係のあるプロセスデータを利用している。このようなプロセスデータには、蒸気流量計39で検出されたボイラ2の主蒸気量、温度センサ38で検出された焼却炉1からボイラ2へ流入する燃焼排ガスの温度、燃焼制御装置10からフィーダ41へ出力されるごみ供給量指令値、発電機85の発電量などがある。発熱量評価値としてごみ焼却プラント100のプロセスデータを利用すれば、発熱量評価値のために別途の計測や試験が不要となり、また、実際のごみの発熱量と相関関係の高い発熱量評価値を得ることができる。
【0047】
続いて、図3?6を用いて、発熱量推定装置7の発熱量演算部71による発熱量推定処理の流れを説明する。発熱量推定装置7は、発熱量推定処理として、学習処理と、学習処理の前処理と、発熱量演算処理とを行う。図3は、前処理の流れを示す図、図4は、学習処理の流れを示す図、図5は、発熱量推定処理において規定されたセル、撮像画像のヒストグラム、及びラベルを説明する図である。
【0048】
図5に示すように、ピット60内(又は、ピット60内の所定領域)は、平面視において仮想的に格子状に区画され、m個のセルが規定されている。各セルのサイズは、クレーン6のバケット64が一掴みできる大きさに設定されている。
【0049】
初めに、発熱量推定装置7は、前処理を行う。図3に示すように、発熱量推定装置7は、或る時刻Tαにピット60の堆積ごみの表面の撮像画像を取得する(ステップS1)。
【0050】
また、発熱量推定装置7は、上記時刻Tαの堆積ごみにおいて、或るセルのごみの発熱量評価値を取得する(ステップS2)。但し、発熱量推定装置7が発熱量評価値を後述するステップS5よりも前に取得すれば、その取得タイミングは問わない。発熱量評価値は、望ましくは、時刻Tα、時刻Tαの撮像画像、及び、セルの識別情報(例えば位置など)と関連付けられている。
【0051】
ここでは、発熱量評価値として、蒸気流量計39で検出された主蒸気量を利用する。但し、前述の通り、発熱量評価値は主蒸気量に限定されない。また、発熱量推定装置7は、発熱量評価値から熱量を推算し、その推算された熱量(即ち、ごみの発熱量の推算値)を発熱量評価値に代えて利用してもよい。
【0052】
ごみが焼却炉1の主燃焼室14へ供給されてから、そのごみの燃焼によって生じた熱量が主蒸気量に表れるまでの時間Δtは、実験により、また、シミュレーションにより、求めることができる。例えば、時刻Tαの堆積ごみのうち、或るセルのごみの燃焼によって得られた熱量は、当該或るセルのごみが主燃焼室14へ供給されてから時刻Δtが経過したときの主蒸気量に表れる。従って、時刻Tαの堆積ごみを各セルから一掴みずつ時間差で焼却炉1へ投入し、或るセルのごみが主燃焼室14へ供給されてから時刻Δtが経過したときに検出された主蒸気量を、時刻Tαの堆積ごみの前記或るセルの発熱量評価値として利用することができる。
【0053】
次に、発熱量推定装置7は、堆積ごみの撮像画像から各セルの輝度値ヒストグラムを作成する(ステップS3)。なお、撮像画像がグレースケール以外である場合には、輝度値ヒストグラムを作成する前に、撮像画像がグレースケールに変換されてよい。グレースケールに変換すれば、処理がより単純となる。一方で、撮像画像がRGBカラーであり、RGBカラーの輝度値ヒストグラムが作成される場合は、併せてRGB各成分のヒストグラムも作成される。これにより、撮像画像に緑色系画素量や茶色系画素量が多い場合には有機ごみが多く含まれている、などといったごみ質に係るより詳細な情報を得ることができる。
【0054】
続いて、発熱量推定装置7は、m個のセルを、n個のラベルLi(i=1・・・n)にクラス分類する(ステップS4)。このクラス分類の結果は大きく偏りがでることがある。ここで、セルがどのラベルLに分類されるかは、そのセルの輝度値ヒストグラムに基づいて、所定の分類基準に従って決定される。分類基準は、例えば、輝度値ヒストグラムの、黒色系の画素量の割合、白色系の画素量の割合、黒色系の画素量の偏り、白色系の画素量の偏りなどのうち、少なくとも1つであってよい。
【0055】
続いて、発熱量推定装置7は、取得した発熱量評価値と関連付けられたセルが分類されたラベルL_(N)に発熱量評価値x_(N)を与える(ステップS5)。つまり、或るラベルL_(N)に対し、そのラベルL_(N)に分類されたセルの発熱量評価値x_(N)を関連付ける。なお、ラベルLの添え字の「N」は処理回数を表している。
【0056】
発熱量推定装置7は、処理回数Nが所定のクラスタ数kより1少ない数となるまで(ステップS6でNO)、ステップS1?ステップS5の処理を繰り返し、処理回数Nが所定のクラスタ数kより1少ない数となれば(ステップS6でYES)、前処理を終了する。クラスタ数kは任意の実数であるが、例えば、発熱量評価値(又は発熱量)の高い方から高質ごみクラス、基準ごみクラス、及び低質ごみクラスの各クラスを設定するために、クラスタ数kを3としてよい。
【0057】
発熱量推定装置7は、前処理が終わると、学習処理を開始する。図4に示すように、学習処理では、発熱量推定装置7は、先ず、前処理のステップS1?ステップS5と同様に、ステップS1’?ステップS5’を行う。ステップS1’?ステップS5’の内容は、ステップS1?ステップS5の内容と実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0058】
続いて、発熱量推定装置7は、k‐平均法を用いて、それまでに発熱量評価値が与えられた総数で(k-1+α)個のラベルL群をk個のクラスタに分類する、クラスタ分析を行う(ステップS7)。ここで「α」は学習回数を表し、前処理を含めた処理回数Nとの関係では「N=k-1+α」が成立する。なお、本実施形態ではクラスタ分析にk‐平均法を用いているが、クラスタ分析のアルゴリズムはk‐平均法に限らず、例えば、統計的なクラスタ分析手法や、ニューラルネットワークなどを用いて(k-1+α)個のラベルL群をk個にクラスタ分析してもよい。」


「【0060】
以上のステップS1’?S5’,S7の処理で、発熱量推定装置7は学習1回目のクラスタ分析結果を得る。そして、発熱量推定装置7は、ステップS1’?S5’,S7を学習処理の1サイクルとして繰り返し、複数のクラスタ分析結果を得る。通常、クラスタ分析結果ごとに、各クラスタの持つ領域(即ち、クラスタに割り当てられたラベルの発熱量評価値の範囲)は異なる。そこで、得られたクラスタ分析結果の重み付けを行う。
【0061】
発熱量推定装置7は、クラスタ分析結果が得られるごとに重みvを算出する(ステップS8)。」


「【0063】
発熱量推定装置7は、学習回数αが2回目以降である場合には(ステップS9でYES)、前回(α-1回目)までのクラスタ分析結果の重みの累計値W(α-1)に、今回(α回目)のクラスタ分析結果の重みv(α,p,Li)を加えて正規化を行い、今回のクラスタ分析結果の重みの累計値W(α)を更新する(ステップS10)。
W(α)=W(α-1)+v(α,p,Li)
【0064】
そして、この重みの累計値Wを用いることにより、或るラベルLi(i=1,・・・,n) がどのクラスタに割り当てられる確率が最も高いかを判断することができる。つまり、或るラベルLiについて、求めた或るクラスタの重みの累計値Wは、その或るクラスタに前記或るラベルLiが分類される「期待値」と規定することができる。従って、或るセルがラベルLiに分類された場合、ラベルLiに関して最大の重みの累計値Wを持つクラスタが、ラベルLiが振り分けられる期待値の最も高いクラスタとなる。そして、そのクラスタの発熱量評価値の平均値をごみの発熱量に換算したものが、上記の或るセルの推定発熱量である。
【0065】
各ラベルについての重みの累計値Wの正確性は、クラスタ分析結果の数、即ち、学習回数αに対応して増加する。発熱量推定装置7は、以上の学習処理で得られた重みの累計値Wやクラスタの範囲を用いて発熱量演算処理を行う。以下、図7を参照して、或る時刻Tβのピット60の堆積ごみの発熱量を推算する場合の、発熱量推定処理に含まれる発熱量演算処理の流れを説明する。図7は、発熱量推定処理に含まれる発熱量演算処理の流れを示す図である。
【0066】
先ず、発熱量推定装置7は、カメラ66から或る時刻Tβのピット60の堆積ごみの表面の撮像画像を取得する(ステップS11)。次に、発熱量推定装置7は、取得した撮像画像から、対象セルの輝度値ヒストグラムを作成する(ステップS12)。続いて、発熱量推定装置7は、対象セルの輝度値ヒストグラムに基づいて、セルをいずれかのラベルに分類する(ステップS13)。続いて、発熱量推定装置7は、対象セルが分類されたラベルの各クラスタの重みの累計値Wを期待値として求め(ステップS14)、最も期待値の大きいクラスタを、対象セルが分類されたラベルが割り当てられるクラスタと決定する(ステップS15)。なお、クラスタは、前述の重みの累計値Wを求める処理におけるクラスタと対応している。そして、発熱量推定装置7は、決定したクラスタの発熱量評価値の平均値をごみの発熱量に換算して、対象セルの推定発熱量を求める。」


「【0076】
また、上記実施形態に係るごみ貯蔵設備3は、焼却炉1に供給されるごみを貯蔵するピット60と、ピット60のごみを焼却炉1へ搬送する搬送装置であるクレーン6と、ピット60内のごみを撮像するカメラ66と、カメラ66の撮像画像を利用してピット60内のごみの発熱量を推算する発熱量推定装置7とを備えている。
【0077】
そして、上記実施形態に係る発熱量推定装置7は、
B1)焼却炉1に供給されるごみを貯蔵するピット60内のごみの撮像画像を取得し、
B2)撮像画像を所定の複数のセルに分割し、セルの各々について撮像画像の輝度値ヒストグラムを作成し、
B3)輝度値ヒストグラムに基づいてセルの各々を所定の分類基準によって複数のラベルに分類し、
B4)セルのうち或るセルについて、そのセルのごみを焼却炉で焼却したときの発熱量を直接的又は間接的に表す発熱量評価値を取得し、
B5)複数のラベルのうち前記或るセルが分類されたラベルに取得した発熱量評価値を与え、
B6)以上のB1)?B5)を繰り返して得られた、発熱量評価値が与えられたラベル群を発熱量評価値に基づいて所定の数のクラスタにクラスタ分析し、
B7)クラスタ分析の結果から、クラスタの各々についてラベルごとの出現率を任意の補正値により数値化した重みを求めるように構成されている。
更に、発熱量推定装置7は、以上を繰り返して得られる重みの累計値を期待値と規定し、複数のラベルのうち任意のラベルについてクラスタの期待値をそれぞれ求め、期待値が最も高いクラスタの発熱量評価値に基づいて任意のラベルに分類されるセルのごみの発熱量を推算するように構成されている。なお、発熱量推定装置7の以上の各処理は、発熱量演算部71によって行われる。」




」(図1)




」(図2)




」(図3)




」(図4)




」(図7)

(2)甲2に記載された事項
上記(1)の記載された事項から、甲2には次の事項が記載されていると認められる。


発熱量推定装置は、ピットの堆積ごみの表面の撮像画像から作成された、ピット内を区画した各セルの輝度値ヒストグラムと、ごみの発熱量評価値とを用いてクラスタ分析を含む学習処理により、ごみの発熱量を推定するラベルごとの各クラスタの重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルを生成する発熱量演算部を有する(段落【0040】、【0047】、【0049】、【0050】、【0053】?【0058】、【0060】、【0061】、【0063】?【0065】、【0077】)。


発熱量評価値として利用されるデータは、ごみ焼却プラントの運転制御に利用されるプロセスデータのうち、ごみの燃焼によって得られた熱量の絶対値又は相対値と相関関係のあるプロセスデータであって、ボイラの主蒸気量、焼却炉からボイラへ流入する燃焼排ガスの温度、燃焼制御装置からフィーダへ出力されるごみ供給量指令値、発電機の発電量などである(段落【0046】)。


時刻Tαの堆積ごみの発熱量評価値は、時刻Tα、時刻Tαの撮像画像と関連付けられており、ここで、ごみが焼却炉の主燃焼室へ供給されてから、そのごみの燃焼によって生じた熱量が主蒸気量に表れるまでの時間Δtは、実験またはシミュレーションにより求めることができ、時刻Tαの堆積ごみを焼却炉へ投入して主焼却室へ供給されてから時間Δtが経過したときに検出された主蒸気量が時刻Tαの堆積ごみの発熱量評価値として利用される。
すなわち、発熱量演算部は、燃焼炉にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め実験またはシミュレーションより求められる時間Δtに基づいて、時刻Tαの堆積ごみの発熱量評価値と時刻Tαの撮像画像との時間的対応付け(すなわち時刻Tαの堆積ごみの発熱量評価値と時刻Tαの撮像画像から作成される輝度値ヒストグラムとの時間的対応付け)を行って重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルを生成する(段落【0050】、【0052】、【0077】)


発熱量推定装置の発熱量演算部は、ピットの堆積ごみの表面の撮像画像から輝度値ヒストグラムを作成する(段落【0066】、【0077】)。


発熱量推定装置はメモリを有し、発熱量推定装置のプロセッサは、メモリに記憶されている各種のプログラムを実行することによって発熱量演算部として機能するための各種処理を実行する。
ここで、発熱量演算部は、発熱量演算部で生成された重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルを用いてごみの発熱量を推定する処理を行うから、当該処理を実行するためのプログラムとして、発熱量演算部で生成された重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルがメモリに記憶されている(段落【0042】、【0043】、【0077】)。


発熱量演算部は、堆積ごみの撮像画像の輝度値ヒストグラムを、発熱量演算部で生成された重みの累計値(期待値)に基づく推定モデル(すなわち、対象セルの輝度値ヒストグラムに基づいてセルをいずれかのラベルに分類し、対象セルが分類されたラベルの各クラスタの重みの累計値を期待値として求め、最も期待値の大きいクラスタを対象セルが分類されたラベルが割り当てられるクラスタと決定し、決定したクラスタの発熱量評価値の平均値をごみの発熱量に換算して、対象セルの推定発熱量を求める推定モデル)に入力し、堆積ごみの発熱量を推定する(段落【0065】、【0066】、【0077】)。


クレーン制御部は、発熱量演算部が求めた堆積ごみの推定発熱量に基づいて、クレーン駆動装置を介してクレーンの動作を制御する(段落【0040】、【0068】)。

(3)甲2に記載された発明
上記(1)及び(2)より、甲2には次の発明(以下、「甲2発明」という)が記載されていると認められる。
「ピットの堆積ごみの表面の撮像画像から作成された、ピット内を区画した各セルの輝度値ヒストグラムと、ごみの発熱量評価値とを用いてクラスタ分析を含む学習処理により、ごみの発熱量を推定する重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルを生成する発熱量演算部を有し、
発熱量評価値は、ごみ焼却プラントの運転制御に利用されるプロセスデータのうち、ごみの燃焼によって得られた熱量の絶対値又は相対値と相関関係のあるプロセスデータであって、ボイラの主蒸気量、焼却炉からボイラへ流入する燃焼排ガスの温度、燃焼制御装置からフィーダへ出力されるごみ供給量指令値、発電機の発電量などを含んでおり、
発熱量演算部は、
焼却炉にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め実験またはシミュレーションにより求められる時間Δtに基づいて、発熱量評価値と撮像画像から作成される輝度値ヒストグラムとの時間的対応付けを行って重みの累計値(期待値)に基づく推定モデルを生成する、発熱量推定装置。」

5 判断
(1)甲1号証について
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲1発明とを、その機能、構造または技術的意義を考慮して対比する。
甲1発明における「ピットの堆積ごみの表面が撮像された画像データ」は、本件特許発明1における「ごみピット表面が撮像された画像データ」に、
甲1発明における「コンピュータの演算処理」は、本件特許発明1における「知的情報処理技術」に、
甲1発明における「ごみ質を推定する数学モデル」は、本件特許発明1における「ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデル」に、
甲1発明における「ごみ質推定装置」は、本件特許発明1における「投入ごみ質推定モデル生成部」に、
甲1発明における「焼却炉の投入ホッパに投入してから燃焼が開始されるまでの、予め実験またはシミュレーションにより知られているタイムラグ」は、本件特許発明1における「燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め設定されている時間遅れ量」に、
甲1発明における「ごみ質推定システム」は、本件特許発明1における「ごみ質の推定システム」に、それぞれ相当する。
そして、甲1発明における「ピット内を区画した各セルの水分指標」は、ごみ質を推定するためにごみ質推定装置に入力されるものであるから、「投入ごみの入力データ」といえる。
また、甲1発明における「ごみの発熱量」は、ごみ質を推定する数学モデルを生成するためにごみ質の指標として用いられるものであるから、「ごみ質教師データ」といえる。

したがって、両者は、
「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、
前記投入ごみ質推定モデル生成部は、
燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め設定されている時間遅れ量に基づいて、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、ごみ質の推定システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
「投入ごみの入力データ」または「ごみ質教師データ」に関して、本件特許発明1では、「前記入力データが、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)、および/または、前記ごみ質教師データが、ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)、」としているのに対し、甲1発明では、投入ごみの入力データとして「撮像装置によりピットの堆積ごみの表面を撮像することで得られた、水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像である参照画像とを含む画像データから算出される」「ピット内を区画した各セルの水分指標」を、また、ごみ質教師データとして「ごみの発熱量」を用いる点。

以下、上記相違点1について検討する。
ごみ質を推定するにあたって、投入ごみの入力データとして、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を用いること、および、ごみ質の指標として、ごみの組成の濃度または量を用いることのいずれも、本願出願時前から広く知られていた周知技術や慣用技術であるとはいえない。
そのため、上記相違点1は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえない。
よって、上記相違点1は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえないから、甲1発明と本件特許発明1とが実質的に同一であるとはいえない。

イ 本件特許発明2ないし3について
本件特許の請求項2ないし3において、請求項1を引用しており、本件特許発明2ないし3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含むものである。
そして、上記アの本件特許発明1についての検討を踏まえると、本件特許発明2ないし3は、甲1発明との間に少なくとも上記相違点1を有しているから、本件特許発明2ないし3についても、甲1発明と実質的に同一であるとはいえない。

(2)甲2号証について
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲2発明とを、その機能、構造または技術的意義を考慮して対比する。
甲2発明における「ピットの堆積ごみの表面の撮像画像」は、本件特許発明1における「ごみピット表面が撮像された画像データ」に、
甲2発明における「クラスタ分析を含む学習処理」は、本件特許発明1における「知的情報処理技術」に、
甲2発明における「ごみの発熱量」は、本件特許発明1における「ごみ質」に、
甲2発明における「重みの累計値(期待値)に基づく推定モデル」は、本件特許発明1における「投入ごみ質推定モデル」に、
甲2発明における「発熱量演算部」は、本件特許発明1における「投入ごみ質推定モデル生成部」に、
甲2発明における「焼却炉にごみを投入してから燃焼が開始されるまで」は、本件特許発明1における「燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまで」に、
甲2発明における「予め実験またはシミュレーションにより求められる時間Δt」は、本件特許発明1における「予め設定されている時間遅れ量」に、それぞれ相当する。
そして、甲2発明における「ピット内を区画した各セルの輝度値ヒストグラム」は、ごみ質であるごみの発熱量を推定するために、発熱量推定装置に入力されるものであるから、「投入ごみの入力データ」といえる。
また、甲2発明における「発熱量評価値」は、ごみ質を推定する推定モデルを生成するためにごみ質の指標として用いられるものであるから、「ごみ質教師データ」といえる。
また、甲2発明における「発熱量推定装置」は、ごみ質であるごみの発熱量を推定するものであるから、「ごみ質の推定システム」といえる。

したがって、両者は、
「ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、
前記投入ごみ質推定モデル生成部は、
燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め設定されている時間遅れ量に基づいて、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、ごみ質の推定システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点2>
「投入ごみの入力データ」または「ごみ質教師データ」に関して、本件特許発明1では、「前記入力データが、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)、および/または、前記ごみ質教師データが、ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)、」としているのに対し、甲2発明では、投入ごみの入力データとして「ピット内を区画した各セルの輝度値ヒストグラム」を、また、ごみ質教師データとして「ごみ焼却プラントの運転制御に利用されるプロセスデータのうち、ごみの燃焼によって得られた熱量の絶対値又は相対値と相関関係のあるプロセスデータであって、ボイラの主蒸気量、焼却炉からボイラへ流入する燃焼排ガスの温度、燃焼制御装置からフィーダへ出力されるごみ供給量指令値、発電機の発電量などを含」む「発熱量評価値」を用いる点。

以下、上記相違点2について検討する。
ごみ質を推定するにあたって、投入ごみの入力データとして、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を用いること、および、ごみ質の指標として、ごみの組成の濃度または量を用いることのいずれも、本願出願時前から広く知られていた周知技術や慣用技術であるとはいえない。
そのため、上記相違点2は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえない。
よって、上記相違点2は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえないから、甲2発明と本件特許発明1とが実質的に同一であるとはいえない。

イ 本件特許発明2ないし3について
本件特許の請求項2ないし3において、請求項1を引用しており、本件特許発明2ないし3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含むものである。
そして、上記アの本件特許発明1についての検討を踏まえると、本件特許発明2ないし3は、甲2発明との間に少なくとも上記相違点2を有しているから、本件特許発明2ないし3についても、甲2発明と実質的に同一であるとはいえない。

(3)まとめ
以上のとおりであるから、請求項1ないし3に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものではない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、令和2年 6月11日付けの取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみピット表面が撮像された画像データから作成された投入ごみの入力データと、ごみ質教師データとを用いて知的情報処理技術により、ごみ質を推定する投入ごみ質推定モデルを生成する投入ごみ質推定モデル生成部を有し、
前記入力データが、
評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度の面積率、評価エリアごとのスペクトル画像データから求められる吸光度平均値、画像データから求められる評価エリアのごみの混合度の内、1種または2種以上を少なくとも含み(ただし、入力データから水分指標および波長に対する輝度値ヒストグラムを除く。)、
および/または、
前記ごみ質教師データが、
ごみの組成の濃度または量を少なくとも含み(ただし、ごみ質教師データから発熱量を除く。)、
前記投入ごみ質推定モデル生成部は、
燃焼装置の投入口にごみを投入してから燃焼が開始されるまでの、予め設定されている時間遅れ量に基づいて、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、または、
投入口へ投入したごみの量と、燃焼炉に供給したごみの量から、特定の投入されたごみが燃焼炉に供給されたタイミングを算出することで、前記ごみ質教師データと前記入力データとの時間的対応づけを行って前記投入ごみ質推定モデルを生成する、ごみ質の推定システム。
【請求項2】
ごみピット表面が撮像された画像データから投入ごみの入力データを作成する入力データ作成部を有する、請求項1に記載のごみ質の推定システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のごみ質の推定システムで生成された投入ごみ質推定モデルを記憶するモデル記憶部と、
投入されるごみの入力データを前記投入ごみ質推定モデルに入力し、ごみ質を推定するごみ質推定部と、
前記投入ごみ質推定モデルから出力された推定ごみ質に応じて、クレーンを自動制御する自動運転制御部を有する、クレーン運転制御システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-01-22 
出願番号 特願2018-49327(P2018-49327)
審決分類 P 1 651・ 161- YAA (G06T)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩▲崎▼ 則昌  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 後藤 健志
槙原 進
登録日 2019-07-12 
登録番号 特許第6554198号(P6554198)
権利者 株式会社タクマ
発明の名称 ごみ質の推定システムおよびそのごみ質の推定システムを用いたクレーン運転制御システム  
代理人 特許業務法人ユニアス国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所  
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