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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1373317
審判番号 不服2020-4381  
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-02 
確定日 2021-05-11 
事件の表示 特願2018-534534「通信方法およびデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 7月 6日国際公開、WO2017/113264、平成31年 1月10日国内公表、特表2019-500810、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)12月31日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 8月 8日 手続補正書の提出
平成31年 4月11日付け 拒絶理由通知書
令和 元年 7月10日 手続補正書、意見書の提出
令和 元年11月28日付け 拒絶査定
令和 2年 4月 2日 拒絶査定不服審判の請求、
手続補正書の提出
令和 2年 8月21日 上申書の提出
令和 2年11月18日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和 3年 2月22日 手続補正書、意見書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和元年11月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(特許法第29条第1項第3号)について

・請求項 1、7、17ないし20
・引用文献等 1

●理由2(特許法第29条第2項)について

・請求項 1ないし20
・引用文献等 1ないし4

<引用文献等一覧>
1.特表2013-529409号公報
2.特表2013-513308号公報
3.特開2002-335255号公報
4.米国特許出願公開第2007/0183374号明細書

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

記 (引用例等については引用例等一覧参照)

●理由1(進歩性)について

・請求項 1ないし6、17、19、20
・引用例等 1又は1ないし4

●理由2(明確性)について

(1)請求項 5、6
請求項5に「前記プロセッサはさらに、予め設定された条件が満たされる場合に、グループを解除するよう決定するよう構成されている」との記載があるが、請求項5及び請求項5が引用する請求項1ないし4には、当該記載以外にグループについて記載がなく、何のグループであって、いつどのように構築されたグループが解除されるのか不明確である。
請求項5を引用する請求項6についても同様である。
よって、請求項5、6に係る発明は明確でない。

(2)請求項 19、20
請求項19に係る発明は、発明特定事項が、各段階の動作の主体がウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器である方法と、各段階の動作の主体が第2のユーザ機器である方法という選択肢で表現されており、当該選択肢同士が類似の性質又は機能を有しないため、発明が不明確である。
請求項20についても同様である。
よって、請求項19、20に係る発明は明確でない。

<引用例等一覧>
1.特表2013-529409号公報(拒絶査定時の引用例1)
2.特表2013-513308号公報(拒絶査定時の引用例2)
3.特開2002-335255号公報(拒絶査定時の引用例3)
4.米国特許出願公開第2007/0183374号明細書(拒絶査定時の引用例4)

第4 本願発明について
本願の請求項1ないし13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明13」という。)は、令和3年2月22日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
ユーザ機器であって、前記ユーザ機器は第2のユーザ機器であり、
ネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行するよう構成されているプロセッサであって、前記第1の結果は、ページング情報、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報もしくは更新済みシステム情報、セル選択もしくはセル再選択の後に取得されるキャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセルのアップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、または、サービングセルのアップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報のうち少なくとも1つの情報を含む、プロセッサと、
ウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信するよう構成されている送信機と
を備え、
前記送信機はさらに、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器を利用して前記第1のタスクを実行する前に、ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで第1の指示情報を送信するように構成され、前記第1の指示情報は、第2のタスクを実行するよう命令するために利用される、
ユーザ機器。
【請求項2】
前記プロセッサはさらに、
セル測定を実行して、サービングセル測定結果および/もしくは隣接セル測定結果を取得すること、
セル選択もしくはセル再選択を実行し、選択もしくは再選択されたセルに関する情報を決定すること、
キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報をリスニングして、前記キャンプオンする予定のセルもしくは前記サービングセルの前記システム情報が変化する場合に前記キャンプオンする予定のセルもしくは前記サービングセルの変化後のシステム情報を決定すること、または、
ページングメッセージをリスニングして、ページングオブジェクトが前記第1のユーザ機器であるページングメッセージがリスニングによって取得されると決定すること、
のうち少なくとも1つを実行するよう構成されており、
前記送信機はさらに、第4の要求メッセージを前記ネットワークデバイスに送信するよう構成されており、前記第4の要求メッセージは、前記ネットワークデバイスが提供するサービスについて必要なパラメータ情報を取得するために利用され、前記ユーザ機器はさらに、
前記ネットワークデバイスが送信する第1の応答メッセージを受信するよう構成されている受信機であって、前記第1の応答メッセージは、前記パラメータ情報を含み、前記パラメータ情報は、アップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、アップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報、または、設定パラメータのうち少なくとも1つを含み、前記設定パラメータは、物理層設定パラメータ、媒体アクセス制御(MAC)層設定パラメータ、無線リンク制御(RLC)層設定パラメータ、パケットデータコンバーゼンスプロトコル(PDCP)層設定パラメータ、または、無線リソース制御(RRC)設定パラメータのうち少なくとも1つのパラメータを含む、受信機を備える
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記第1のユーザ機器が送信する第1の要求メッセージを受信するよう構成されている受信機であって、前記第1の要求メッセージは前記第1の結果を要求するために利用される、受信機をさらに備える
請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記プロセッサはさらに、前記第1のユーザ機器と前記第2のユーザ機器との間にグループを構築するよう決定するよう構成されており、前記グループは、前記第1のユーザ機器および前記第2のユーザ機器が前記ネットワークデバイスとの通信のために利用される少なくとも1つの情報を共有する旨を示し、
前記送信機はさらに、前記グループが前記第1のユーザ機器と前記第2のユーザ機器との間に構築されている旨を示すべく、前記第1のユーザ機器にグループ構築確認メッセージを送信するよう構成されている
請求項3に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記受信機はさらに、前記ネットワークデバイスが送信するページングメッセージを受信するよう構成されており、
前記ページングメッセージは
前記グループのグループ情報、
前記第1のユーザ機器の識別子、
前記第1のユーザ機器の前記識別子およびグループ処理を実行するか否かを示す指示、
前記第1のユーザ機器の前記識別子および前記ページングメッセージを前記第1のユーザ機器に転送するか否かを示す指示、または、
前記第1のユーザ機器の前記識別子および前記第2のユーザ機器の識別子
のうち1つを含む
請求項4に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記送信機はさらに、前記ページングメッセージを前記第1のユーザ機器に転送するか、または、前記ページングメッセージのコンテンツの一部または全てを前記第1のユーザ機器に送信するか、または、サービス通知メッセージを前記第1のユーザ機器に送信するよう構成されており、前記サービス通知メッセージは、前記ネットワークデバイスが送信する受信した前記ページングメッセージにしたがって前記第2のユーザ機器が決定する
請求項2から5のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、予め設定された条件が満たされる場合に、前記グループを前記第2のユーザ機器によって解除するよう構成されている
請求項4に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記予め設定された条件が満たされることは、
前記第1のユーザ機器と前記第2のユーザ機器との間の距離もしくは信号の品質がしきい値に到達すること、または、
前記第2のユーザ機器が、前記第1のユーザ機器もしくは前記ネットワークデバイスが送信するグループ解除指示情報を受信すること、または、
前記第2のユーザ機器が、人間-機械インターフェースを利用することで、または、アプリケーション層から、グループ解除指示情報を受信すること
を含む
請求項7に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記送信機はさらに、グループ解除指示情報を前記ネットワークデバイスに送信するよう構成されており、前記グループ解除指示情報は、前記第1のユーザ機器と前記第2のユーザ機器との間の前記グループを解除するよう命令するために利用される
請求項7または8に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記プロセッサはさらに、前記ネットワークデバイスへのランダムアクセスプロセスまたはロケーション更新プロセスを実行するよう構成されており、前記送信機はさらに、前記ランダムアクセスプロセスまたは前記ロケーション更新プロセスにおいて、前記グループ解除指示情報を前記ネットワークデバイスに、送信するよう構成されている
請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項11】
ウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器のネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを第2のユーザ機器が実行する段階であって、前記第1の結果は、ページング情報、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報もしくは更新済みシステム情報、セル選択もしくはセル再選択の後に取得されるキャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセルのアップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、または、サービングセルのアップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報のうち少なくとも1つの情報を含む、段階と、
前記第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第2のユーザ機器が前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信する段階と、
前記第2のユーザ機器が前記第1のタスクを実行する前に、ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで前記第2のユーザ機器が第1の指示情報を送信する段階であって、前記第1の指示情報は、前記第1のユーザ機器が第2のタスクを実行するよう命令するために利用される、段階と
を備える方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項11に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。」

第5 引用例の記載事項及び引用発明
1.引用例1について
原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由で引用された特表2013-529409号公報(以下、「引用例1」という)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。)

(1)「【0014】
図1Aに示すように、通信システム100は、無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、およびその他のネットワーク112を含み得るが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を考慮することが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境内で動作および/または通信するように構成された任意の種類のデバイスである可能性がある。例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家庭用電化製品などを含み得る。」

(2)「【0025】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示すように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非取外し式メモリ106、取外し式メモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、およびその他の周辺機器138を含み得る。WTRU102は、実施形態に準拠したまま、上述の要素の任意の部分的な組み合わせを含み得ることが理解されるであろう。
【0026】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、通常のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意のその他の種類の集積回路(IC)、状態機械などである可能性がある。プロセッサ118は、信号の符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする任意のその他の機能を実行することができる。プロセッサ118は、トランシーバ120に結合されることができ、トランシーバ120は、送信/受信要素122に結合されることができる。図1Bはプロセッサ118およびトランシーバ120を別個のコンポーネントとして示すが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子的なパッケージまたはチップに一緒に統合され得ることが理解されるであろう。」

(3)「【0125】
マスタ機器(例えば、マスタUE)は、グループのUEと通信することができる可能性がある。マスタ機器は、マスタ機器が制御するUEの代わりに手順を実行することができる。」

(4)「【0159】
UEは、マスタ機器にキャンプオンしたままであることができる。ネットワークは、そのネットワークがUEにページングする必要がある場合、マスタ機器にページングすることができる。マスタ機器は、ページングをグループ内のUEに転送することができる。ネットワークからのページングは、UEに固有であるか、またはグループに固有である可能性がある。
【0160】
UEは、DRXにある可能性があり、マスタ機器からのページングを受信するためにページング機会を監視する必要がある可能性がある。これらは、ネットワークに関するページング機会と同じであるか、または異なるページング機会である可能性がある。ページング機会は、UEの間で同じである可能性があり、したがって、マスタ機器は、ページングを一回転送する可能性がある。ページング機会は、UEに固有である可能性があり、したがって、ネットワークからのUEに固有のページングが到着する場合、その他のUEはその情報を受信する必要がない。UEがマスタ機器に登録するとき、そのUEは、そのUEがページング機会を計算することができる一時的なグループ識別情報もしくは一時的なUEの識別情報を得ることができるか、またはそのUEが、ページング機会情報(例えば、いつ監視すべきか)、ページング機会のフレーム番号、および/またはページングインジケータ(page indicator)を得ることができる。一時的な識別情報またはUEの識別情報は、ネットワークによってやはり受信される可能性がある。
【0161】
マスタ機器がネットワークからページングを受信するとき、そのマスタ機器は、そのマスタ機器の制御下の対応する(1つまたは複数の)UEにページングすることができる。ページングは、ネットワークからのページングの転送である可能性がある。マスタ機器は、ページングをUEへ、またはUEのグループへ中継することができる。マスタ機器は、1つのUE(または複数のUE)にウェイクアップし、マクロセルに接続/マクロセルを選択してページングを受信するように命じるために本明細書において開示される技術のうちの1つを用いて、ページングによって1つのUE(または複数のUE)に指示を送信するために使用され得る。」

(5)「【0166】
ページングメッセージのないページングの指示が、UEに、そのUEがウェイクアップし、最良のセルへのセルの選択を実行すべきであることを指示する可能性がある。そのとき、UEは、ネットワークにRRCコネクション要求を送信する可能性がある。UEは、実際のページングメッセージを受信するために新しいセルで待つ可能性もある。
【0167】
ページングメッセージまたは新しいメッセージが、以下、すなわち、ネットワークがUEに接続するように試みていること、1ビットの情報が与えられること、またはマスタ機器がUEがマクロセルもしくはマスタが接続されているセルに接続するのを支援するための情報を提供することのうちの1つまたは複数を示すためにUEに送信され得る。
【0168】
ページングを受信すると、UEは、セルへの選択を行うことができ、ページングメッセージを受信するために事前に決定された期間アウェイク状態のままであることができるか、またはUEは、即座にRRCコネクション要求を開始することができる。」

(6)「【0188】
図2は、ネットワークおよびグループ内の1つまたは複数UEを制御し、および/またはそれらと通信するためにマスタ機器を例示的に使用するシステムを示す。図2は、さまざまな機器、例えば、UEのグループ内のUE210と、マスタ機器220と、ネットワーク230とにおいて、および/またはそれらの間で行われるアクションを示す。例えば、図2は、UE210がマスタ機器220を発見すること、マスタ機器220に登録すること、およびマスタ機器220から登録の承認を受信することを示す。マスタ機器220は、登録されたUEのリストをネットワーク230に送信することができ、ネットワーク230は、リストを承認することができる。
【0189】
図2は、マスタ機器220が、測定およびエリアの変化の検出を含むその他の機能を実行することができることを示す。マスタ機器220は、ネットワーク230を更新し、ネットワーク230からの承認を受信することができる。
【0190】
図2は、ネットワーク230が、マスタ機器220を介したページングを用いることによってUE210(または複数のUE)と通信することができることを示す。」

(7)「【図2】



引用例1の上記記載、及びこの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記(1)の「WTRU102a、102b、102c、102dは、・・・ユーザ機器(UE)、・・・を含み得る。」及び上記(2)の段落【0025】の「WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、・・・を含み得る。」との記載によれば、WTRUはユーザ機器(UE)であり、プロセッサとトランシーバとを含む。また、上記(2)の段落【0026】の「プロセッサ118は、・・・WTRU102が無線環境で動作することを可能にする任意のその他の機能を実行することができる。」との記載も合わせると、ユーザ機器(UE)であるWTRUは、無線環境で動作することを可能にする機能を実行するプロセッサと、トランシーバとを含む。
そして、上記(3)の「マスタ機器(例えば、マスタUE)」との記載によれば、マスタ機器もUE、すなわち、ユーザ機器であるといえる。さらに、マスタ機器もユーザ機器なのであるから、ユーザ機器(UE)であるWTRUと同様に、マスタ機器は、無線環境で動作することを可能にする機能を実行するプロセッサと、トランシーバとを含むことは明らかである。
してみると、引用例1のユーザ機器であるマスタ機器は、無線環境で動作することを可能にする機能を実行するプロセッサと、トランシーバとを含むといえる。

イ 上記(6)の段落【0190】の「ネットワーク230が、マスタ機器220を介したページングを用いることによってUE210(または複数のUE)と通信することができる」との記載によれば、ページングは、UEがネットワークと通信するために用いられるものである。また、上記(4)の段落【0161】の「マスタ機器がネットワークからページングを受信する」との記載と合わせれば、マスタ機器は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングをネットワークから受信する。

ウ 上記イで説示したとおり、ページングは、UEがネットワークと通信するために用いられるものであり、上記(5)の【0166】の「UEは、ネットワークにRRCコネクション要求を送信する可能性がある。」及び段落【0168】の「ページングを受信すると、・・・UEは、・・・RRCコネクション要求を開始することができる。」との記載を合わせると、UEは、UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始する。
さらに、上記(4)の段落【0159】の「マスタ機器は、ページングをグループ内のUEに転送することができる。」の記載も合わせると、マスタ機器は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始するように、ページングをUEに転送するといえる。

エ 上記(6)の段落【0188】の「図2は、UE210がマスタ機器220を発見すること、マスタ機器220に登録すること、およびマスタ機器220から登録の承認を受信することを示す。」との記載及び上記(7)の【図2】を参照すれば、マスタ機器は、UEから登録要求を受信することでUEに登録の承認を送信する。また、上記(7)の【図2】を参照すれば、UEからの登録要求の受信や、マスタ機器からUEへの登録の承認の送信は、マスタ機器がネットワークからのページングを受信する前に行われていることは明らかである。
そうすると、引用例1のマスタ機器は、マスタ機器がネットワークからのページングを受信する前に、UEから登録要求を受信することでUEに登録の承認を送信しているといえる。
また、上記(4)の段落【0160】の「UEは、・・・マスタ機器からのページングを受信するためにページング機会を監視する」及び同段落の「UEがマスタ機器に登録するとき、そのUEは、そのUEがページング機会を計算することができる」との記載によれば、UEは、監視するページング機会を計算するためにマスタ機器に登録する必要があるから、UEは、マスタ機器に登録して、ページング機会を監視することは明らかである。
以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 ユーザ機器であるマスタ機器であって、
マスタ機器は、無線環境で動作することを可能にする機能を実行するプロセッサと、トランシーバとを含み、
マスタ機器は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングをネットワークから受信し、
マスタ機器は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始するように、ページングをUEに転送し、
マスタ機器は、マスタ機器がネットワークからのページングを受信する前に、UEから登録要求を受信することでUEに登録の承認を送信し、UEは、マスタ機器に登録して、ページング機会を監視する、
マスタ機器。」

2.引用例2について
原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由で引用された特表2013-513308号公報(以下、「引用例2」という)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。)

「【0052】
ブロック314では、機能に基づいてタスクが委任され、処理はブロック316に進みうる。例えば、アクセス端末102は、ホスト端末104が実行しうるタスクを判定すると、1または複数の特定のタスクをホスト端末104へ委任しうる。このようなタスクは、GNSSナビゲーション、ネットワーク探索および獲得、基地局信号モニタリング、パターン識別および/または分類、感知等でありうる。」

上記記載によれば、引用例2には、「アクセス端末は、1又は複数の特定のタスクをホスト端末へ委任するものであり、タスクにはネットワーク探索及び獲得がある」という技術的事項が記載されていると認められる。

3.引用例3について
原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由で引用された特開2002-335255号公報(以下、「引用例3」という)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。)

「【0028】図1の例では、ラップトップ102がモニタリング端末としての役割を果たしている。ラップトップ102は、GSM無線通信ネットワークを監視し、取得したネットワーク情報を、WPANリンク108を介してシステム10内の携帯電話100やPDA101と共用する。ネットワーク情報には、ページング要求、同期情報、近隣のセルやアクセスポイントのモニタリング情報、信号の干渉、サービスの品質、ネットワーク構成、搬送波周波数やエアインターフェイスモードに関する情報などが含まれる。選定されるモニタリング端末は必ずしもひとつだけとは限らない。」

上記記載によれば、引用例3には、「モニタリング端末としての役割を果たすラップトップは、取得したネットワーク情報を、携帯電話やPDAと共用するものであり、ネットワーク情報に近隣のセルやアクセスポイントのモニタリング情報が含まれる」という技術的事項が記載されていると認められる。

4.引用例4について
原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由で引用された米国特許出願公開第2007/0183374号明細書(以下、「引用例4」という)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。)

「[0021] As illustrated, user terminal 205 is initially located outside of the cell 220. Prior to entering the cell 220, the user terminal 205 has minimal knowledge, if any, about the base station 210, including various communication protocols required for communicating with the base station 210. These protocols may be location-dependent parameters such as modulation level and coding rate, transmit power, timing advance for uplink transmissions, and/or the identities of neighboring base stations.
[0022] Accordingly, when a user terminal 205 enters into the cell 220, the user terminal 205 has to acquire these parameters. As discussed above, the user terminal 205 may acquire these parameters from other user terminals, such as the user terminal denoted by reference numeral 200, already within the cell 220.」
(当審仮訳:
[0021] 図示のように、ユーザ端末205は、最初にセル220の外側に配置されている。セル220に入る前に、ユーザ端末205は、もしあれば、基地局210と通信するために必要とされる種々の通信プロトコルを含む基地局210についての最小限の知識を有する。これらのプロトコルは、変調レベル、符号化率、送信電力、アップリンク送信のためのタイミング・アドバンス、および/または隣接する基地局の識別情報のような位置依存パラメータであってもよい。
[0022] したがって、ユーザ端末205は、セル220に入るとき、ユーザ端末205はこれらのパラメータを取得しなければならない。上述したように、ユーザ端末205は、既にセル220内にある、参照番号200で示されるユーザ端末などの他のユーザ端末からこれらのパラメータを取得することができる。)

上記記載によれば、引用例4には、「ユーザ端末205は、ユーザ端末200から送信電力、タイミング・アドバンスのようなパラメータを取得する」という技術的事項が記載されていると認められる。

第6 対比・判断
1.本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「UE」及び「マスタ機器」はいずれもユーザ機器であるから、それぞれ、第1のユーザ機器、第2のユーザ機器と呼ぶことができ、本願発明1の「ウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器」と引用発明の「UE」とは、「第1のユーザ機器」である点で共通し、引用発明の「マスタ機器」は、本願発明1の「第2のユーザ機器」に相当する。
また、引用発明では、UEがネットワークと通信するのであるから、引用発明の「ネットワーク」がUEと通信するデバイスを有することは明らかであって、本願発明1の「ネットワークデバイス」に相当する。

(2)引用発明の「ページング」は、「ネットワークとUEとが通信するために用いられる」ものであるから、本願発明1と同様に「ネットワークデバイスとの通信に必要な」ものといえる。また、引用発明の「ページング」は、「ページングをネットワークから受信」するというページングを得るためのタスクを実行することにより得られる結果であるともいえるから、引用発明の「ページング」は、本願発明1の「第1の結果」に含まれ、引用発明の「ページングをネットワークから受信」することは、本願発明1の「第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行する」ことに含まれる。そうすると、引用発明の「ネットワークとUEとが通信するために用いられるページングをネットワークから受信」することは、本願発明1の「ネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行する」ことに含まれる。
そして、引用発明のマスタ機器は、無線環境で動作することを可能にする機能を実行するプロセッサを含むことから、引用発明の「プロセッサ」は、「ネットワークとUEとが通信するために用いられるページングをネットワークから受信」するように構成されていることは明らかであって、本願発明1の「ネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行するよう構成されているプロセッサ」に含まれる。
また、引用発明の「ページング」は、本願発明1の「ページング情報」に相当するから、引用発明の「ページング」は、本願発明1の「前記第1の結果は、ページング情報、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報もしくは更新済みシステム情報、セル選択もしくはセル再選択の後に取得されるキャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセルのアップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、または、サービングセルのアップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報のうち少なくとも1つの情報を含む」に含まれる。
してみれば、本願発明1と引用発明とは、ユーザ機器が「ネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行するよう構成されているプロセッサであって、前記第1の結果は、ページング情報、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報もしくは更新済みシステム情報、セル選択もしくはセル再選択の後に取得されるキャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセルのアップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、または、サービングセルのアップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報のうち少なくとも1つの情報を含む、プロセッサ」を備える点で共通する。

(3)上記(2)で説示したように、引用発明の「ページング」は、本願発明1の「第1の結果」に含まれ、また、上記(1)で説示したように、本願発明1の「ウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器」と引用発明の「UE」とは、「第1のユーザ機器」である点で共通する。そして、引用発明において、UEが開始するRRCコネクション要求は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信することにより行われるから、UEはページングを利用しているといえ、引用発明の「UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始する」ことは、本願発明1と同様に「第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して」いるといえる。さらに、引用発明のUEは、RRCコネクション要求を開始して、ネットワークと通信することは明らかであるから、引用発明において、「UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始する」ことは、本願発明1の「第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信する」ことに含まれる。
また、引用発明の「ページングをUEに転送」することは、本願発明1の「前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信する」ことに含まれる。そうすると、引用発明において、「UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始するように、ページングをUEに転送」することは、本願発明1の「第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信する」に含まれる。
そして、引用発明の「トランシーバ」は、信号を送信することは明らかであり、本願発明と同様に「送信機」であるといえ、また、引用発明において、UEへのページングの転送がマスタ機器に含まれるトランシーバにより行われること、すなわち、ページングをUEに転送するようにトランシーバが構成されていることは明らかであるから、引用発明の「トランシーバ」は、本願発明1の「送信機」と同様に「前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信するように構成されている」といえる。
してみれば、本願発明1で、ユーザ機器が「ウェアラブルデバイスである第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信するよう構成されている送信機」を備えることと、引用発明において、マスタ機器が「トランシーバ」を含み、「マスタ機器は、UEがネットワークと通信するために用いられるページングを受信するとUEがRRCコネクション要求を開始するように、ページングをUEに転送」することとは、ユーザ機器が「第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信するよう構成されている送信機」を備える点で共通する。

(4)引用発明において、UEが行うページング機会の監視は、1つのタスクであるといえ、引用発明のマスタ機器が行う「ページングをネットワークから受信」するというタスクとも異なるから、引用発明のUEが行う「ページング機会を監視する」ことは、本願発明1の「第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行する」ことと異なる本願発明1の「第2のタスクを実行する」ことに含まれる。また、引用発明のマスタ機器は、登録の承認を送信し、UEは、マスタ機器に登録して、ページング機会を監視するのであるから、引用発明のマスタ機器から送信する「登録の承認」は、UEにおいてページング機会の監視することを命令するために利用されるといえ、本願発明1と同様に「第2のタスクを実行するよう命令するために利用される」といえる。よって、引用発明のマスタ機器から送信する「登録の承認」は、「第2のタスクを実行するよう命令するために利用される」ことから、本願発明1の「第1の指示情報」に含まれる。
さらに、上記(2)で説示したように引用発明の「ページングをネットワークから受信」することは、本願発明1の「第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行する」ことに含まれる。また、引用発明では、マスタ機器がネットワークから受信したページングをUEに転送するのであるから、UEは、マスタ機器を利用してネットワークからページングを受信するといえる。そうすると、引用発明の「マスタ機器がネットワークからのページングを受信する前」とは、本願発明1と同様に「前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器を利用して前記第1のタスクを実行する前」である。
そして、上記(3)で説示したように、引用発明の「トランシーバ」は、本願発明1と同様に「送信機」であるといえ、また、引用発明において、登録の承認の送信が、マスタ機器に含まれるトランシーバにより行われること、すなわち、トランシーバは登録の承認を送信するように構成されていることは明らかであるから、引用発明の「トランシーバ」は、本願発明1の「送信機」と同様に「第1の指示情報を送信するように構成され」ているといえる。
してみれば、本願発明1の「前記送信機はさらに、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器を利用して前記第1のタスクを実行する前に、ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで第1の指示情報を送信するように構成され、前記第1の指示情報は、第2のタスクを実行するよう命令するために利用される」ことと、引用発明のマスタ機器が「トランシーバ」を含み、「マスタ機器は、マスタ機器がネットワークからのページングを受信する前に、UEから登録要求を受信することでUEに登録の承認を送信し、UEは、マスタ機器に登録して、ページング機会を監視する」こととは、「前記送信機はさらに、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器を利用して前記第1のタスクを実行する前に、第1の指示情報を送信するように構成され、前記第1の指示情報は、第2のタスクを実行するよう命令するために利用される」点で共通する。

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 ユーザ機器であって、前記ユーザ機器は第2のユーザ機器であり、
ネットワークデバイスとの通信に必要な第1の結果を取得するべく第1のタスクを実行するよう構成されているプロセッサであって、前記第1の結果は、ページング情報、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果、キャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルのシステム情報もしくは更新済みシステム情報、セル選択もしくはセル再選択の後に取得されるキャンプオンする予定のセルもしくはサービングセルに関する情報、サービングセルのアップリンク送信電力情報もしくはアップリンク送信電力調整情報、または、サービングセルのアップリンクタイミング事前情報もしくはアップリンク事前調整情報のうち少なくとも1つの情報を含む、プロセッサと、
第1のユーザ機器が前記第1の結果を利用して前記ネットワークデバイスと通信するように、前記第1の結果を前記第1のユーザ機器に送信するよう構成されている送信機と
を備え、
前記送信機はさらに、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器を利用して前記第1のタスクを実行する前に、第1の指示情報を送信するように構成され、前記第1の指示情報は、第2のタスクを実行するよう命令するために利用される、
ユーザ機器。」

(相違点1)
第1のユーザ機器について、本願発明1では、「ウェアラブルデバイスである」のに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点。

(相違点2)
第2のタスクを実行するよう命令するために利用される第1の指示情報の送信について、本願発明1では、「ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで」行われるのに対し、引用発明では、「UEから登録要求を受信することで」行われる点。

上述のとおり、本願発明1と引用発明とは、上記相違点1及び2で相違するから、本願発明1は引用発明ではない。

また、事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、本願発明1のように、第2のタスクを実行するよう命令するために利用される第1の指示情報の送信を「ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで」行うことは、引用例2ないし4に記載も示唆もされていない。また、本願発明1の「第1の指示情報」に相当する引用発明の「登録の承認」は、UEから登録要求を受信することで送信されるものであって、UEからの登録要求を前提とするものであるから、これを本願発明1のように「ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで」送信すること、すなわちUEからの登録要求なしに登録の承認を送信するような構成とすることは、技術常識にも反することであるので、当業者であっても、引用発明に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、上記相違点1を検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用例2ないし4のそれぞれに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2ないし10について
本願発明2ないし10は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、引用発明ではなく、また、当業者であっても、引用発明及び引用例2ないし4のそれぞれに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明11ないし13について
本願発明11ないし13は、本願発明1の上記相違点2の発明特定事項と対応する「前記第2のユーザ機器が前記第1のタスクを実行する前に、ユーザによる前記第1のタスクの実行を求める要求が前記第2のユーザ機器でトリガされることで前記第2のユーザ機器が第1の指示情報を送信する段階であって、前記第1の指示情報は、前記第1のユーザ機器が第2のタスクを実行するよう命令するために利用される、段階」という発明特定事項を備えるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明ではなく、また、当業者であっても、引用発明及び引用例2ないし4のそれぞれに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
本願発明1ないし13は、上記「第6」の「1.」ないし上記「第6」の「3.」のとおり、原査定において引用された引用例1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、原査定において引用された引用例1に記載された発明及び引用例2ないし4のそれぞれに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由の判断
令和3年2月22日にされた手続補正により、
1.請求項1ないし6を削除したので、理由1の拒絶理由は解消された。

2.請求項5及び6を削除したので、理由2の(1)の拒絶理由は解消された。

3.補正前の請求項19及び20に対応する補正後の請求項12及び13は、各段階の動作の主体が第2のユーザ機器である補正後の請求項11に記載の方法のみを引用することとなったため、理由2の(2)の拒絶理由は解消された。

第9 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし13は、引用例1に記載された発明ではなく、また、当業者が引用例1に記載された発明及び引用例2ないし4のそれぞれに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-04-14 
出願番号 特願2018-534534(P2018-534534)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04W)
P 1 8・ 121- WY (H04W)
P 1 8・ 113- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉村 真治▲郎▼  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 廣川 浩
永田 義仁
発明の名称 通信方法およびデバイス  
代理人 龍華国際特許業務法人  
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