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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W |
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管理番号 | 1373478 |
審判番号 | 不服2020-12905 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-09-15 |
確定日 | 2021-05-11 |
事件の表示 | 特願2018-566274「ローカル・ネットワーク・コネクション方法、装置、及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月 3日国際公開、WO2018/076826、令和 1年 6月27日国内公表、特表2019-518395、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)7月21日(パリ条約による優先権主張外国庁受理、2016年10月31日、中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年12月17日 :手続補正書の提出 令和 元年10月18日付け:拒絶理由通知書 令和 2年 1月23日 :意見書の提出 令和 2年 6月15日付け:拒絶査定 令和 2年 9月15日 :拒絶査定不服審判の請求 第2 原査定の概要 原査定(令和2年6月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 理由1(新規性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 理由1: ・請求項1、8-10、16-19に対して、引用文献1 理由2: ・請求項1-19に対して、引用文献1 引用文献等一覧 1.特表2014-509820号公報(以下、「引用文献1」という。) 第3 本願発明 本願請求項1ないし19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明19」という。)は、平成30年12月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 制御プレーン・ノードに適用されるローカル・ネットワーク・コネクション方法であって、当該方法は: アクセス・ノードからロケーション・エリア・アイデンティティを受信するステップであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティは、ユーザー装置からアクセス・リクエストを受信した場合の前記アクセス・ノードからのものであり、且つ前記ユーザー装置が現在位置するロケーション・エリアを示すために使用される、ステップ; 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定し、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するステップ; 前記ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するステップであって、前記コネクション設定リクエストは、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置により選択された第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを運ぶ、ステップ;及び 前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と第1ローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定するステップ; を有する方法。 【請求項2】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティ・リストは、複数のロケーション・エリア・アイデンティティと、対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティとを保存する、ステップ;及び 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップ; 前記ユーザー装置からの前記アクセス・リクエストを前記アクセス・ノードを利用することにより受信するステップであって、前記アクセス・リクエストはローカル・ネットワーク・アクセス指示情報を運び、前記ローカル・ネットワーク・アクセス指示情報は、前記ユーザー装置がローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されているか否かを示すために使用される、ステップ;及び 前記ローカル・ネットワーク・アクセス指示情報が、前記ユーザー装置は前記ローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されていることを示す場合に、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップ; 前記ユーザー装置のローカル・ネットワーク加入情報を取得するステップであって、前記ローカル・ネットワーク加入情報はローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報を有し、前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報は、前記ユーザー装置がアクセスするのを許可するローカル・ネットワークのアイデンティティである、ステップ;及び 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティと前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報とに基づいて前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップ; 前記ユーザー装置のローカル・ネットワーク加入情報を取得するステップであって、前記ローカル・ネットワーク加入情報はネットワーク・ケーパビリティ指示情報を有し、前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報は、前記ユーザー装置がローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されているか否かを示すために使用される、ステップ;及び 前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報が、前記ユーザー装置は前記ローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されていることを示す場合に、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップ; オペレータ・ポリシーを取得するステップであって、前記オペレータ・ポリシーはローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報を有し、前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報は、前記ユーザー装置がアクセスするのを許可するローカル・ネットワークのアイデンティティである、ステップ;及び 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティと前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報とに基づいて前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する前記ステップが: 保存されたロケーション・エリア・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得するステップ; オペレータ・ポリシーを取得するステップであって、前記オペレータ・ポリシーはネットワーク・ケーパビリティ指示情報を有し、前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報は、前記ユーザー装置がローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されているか否かを示すために使用される、ステップ;及び 前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報が、前記ユーザー装置は前記ローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されていることを示す場合に、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定するステップ; を有する、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 前記アクセス・リクエストはロケーション・エリア・アップデート・リクエスト又はアタッチ・リクエストを有し、前記ロケーション・エリア・アップデート・リクエストは、前記ユーザー装置が位置する前記ロケーション・エリアが変わった場合に前記ユーザー装置により送信され、前記アタッチ・リクエストは前記ユーザー装置がイネーブルにされた場合に前記ユーザー装置により送信される、請求項1ないし7のうちの何れか一項に記載の方法。 【請求項9】 前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と第1ローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定する前記ステップの前に、当該方法は: 前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティが前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを有するか否かを決定するステップ;及び 前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティが前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを有する場合に、前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と前記第1ローカル・ネットワークとの間に前記コネクションを設定するステップ; を更に有する、請求項1ないし8のうちの何れか一項に記載の方法。 【請求項10】 前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティは、ローカル・ネットワークに対応するアクセス・ポイント名、前記ローカル・ネットワークのネットワーク名、又は前記ローカル・ネットワークの企業名である、請求項1ないし9のうちの何れか一項に記載の方法。 【請求項11】 ローカル・ネットワーク・コネクション装置であって、当該装置は: アクセス・ノードからロケーション・エリア・アイデンティティを受信するように構成される第1受信モジュールであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティは、ユーザー装置からアクセス・リクエストを受信した場合の前記アクセス・ノードからのものであり、且つ前記ユーザー装置が現在位置するロケーション・エリアを示すために使用される、第1受信モジュール; 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定し、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するように構成される決定モジュール; 前記ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するように構成される第2受信モジュールであって、前記コネクション設定リクエストは、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置により選択された第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを運ぶ、第2受信モジュール;及び 前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と第1ローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定するように構成されるコネクション設定モジュール; を有する装置。 【請求項12】 前記決定モジュールは: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得することであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティ・リストは、複数のロケーション・エリア・アイデンティティと、対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティとを保存する、こと;及び 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定すること; を行うように構成される、請求項11に記載の装置。 【請求項13】 前記決定モジュールは: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得すること; 前記ユーザー装置からの前記アクセス・リクエストを前記アクセス・ノードを利用することにより受信することであって、前記アクセス・リクエストはローカル・ネットワーク・アクセス指示情報を運び、前記ローカル・ネットワーク・アクセス指示情報は、前記ユーザー装置がローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されているか否かを示すために使用される、こと;及び 前記ローカル・ネットワーク・アクセス指示情報が、前記ユーザー装置は前記ローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されていることを示す場合に、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定すること; を行うように構成される、請求項11に記載の装置。 【請求項14】 前記決定モジュールは: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得すること; 前記ユーザー装置のローカル・ネットワーク加入情報を取得することであって、前記ローカル・ネットワーク加入情報はローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報を有し、前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報は、前記ユーザー装置がアクセスするのを許可するローカル・ネットワークのアイデンティティである、こと;及び 前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティと前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティ情報とに基づいて前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定すること; を行うように構成される、請求項11に記載の装置。 【請求項15】 前記決定モジュールは: 保存されたロケーション・エリア・アイデンティティ・リストから、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応するローカル・ネットワーク・アイデンティティを取得すること; 前記ユーザー装置のローカル・ネットワーク加入情報を取得することであって、前記ローカル・ネットワーク加入情報はネットワーク・ケーパビリティ指示情報を有し、前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報は、前記ユーザー装置がローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されているか否かを示すために使用される、こと;及び 前記ネットワーク・ケーパビリティ指示情報が、前記ユーザー装置は前記ローカル・ネットワークへアクセスするのを許可されていることを示す場合に、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに対応する前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティとして決定すること; を行うように構成される、請求項11に記載の装置。 【請求項16】 前記アクセス・リクエストはロケーション・エリア・アップデート・リクエスト又はアタッチ・リクエストを有し、前記ロケーション・エリア・アップデート・リクエストは、前記ユーザー装置が位置する前記ロケーション・エリアが変わった場合に前記ユーザー装置により送信され、前記アタッチ・リクエストは前記ユーザー装置がイネーブルにされた場合に前記ユーザー装置により送信される、請求項11ないし15のうちの何れか一項に記載の装置。 【請求項17】 ローカル・ネットワーク・コネクション・システムであって、当該システムは、アクセス・ノードと、制御プレーン・ノードとを有し、 前記アクセス・ノードは:ユーザー装置からの前記アクセス・リクエストを受信した場合に、ロケーション・エリア・アイデンティティを前記制御プレーン・ノードへ送信するように構成され、前記ロケーション・エリア・アイデンティティは、前記ユーザー装置が現在位置するロケーション・エリアを示すために使用され; 前記制御プレーン・ノードは:前記ロケーション・エリア・アイデンティティを受信し、前記ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定し、前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するように構成され;及び 前記制御プレーン・ノードは、前記ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するように構成され、前記コネクション設定リクエストは前記少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置により選択された第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを運び、前記制御プレーン・ノードは、前記第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と第1ローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定するように構成される、システム。 【請求項18】 請求項1ないし9のうちの何れか一項に記載の方法を実行するために保存されたコンピュータ・プログラムによりエンコードされた非一時的なコンピュータ読み取り可能なストレージ媒体。 【請求項19】 請求項1ないし9のうちの何れか一項に記載の方法を装置のコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラム。」 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用発明等 原査定の拒絶の理由に引用された、特表2014-509820号公報(引用文献1)には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) (1)「【0003】 選択IPトラフィックオフロード(SIPTO:SelectedIPtrafficoffload)は、アクセスネットワークに対するWTRUの接続ポイント近くのIPネットワークに向う選択されたトラフィック(例えば、インターネット)をオフロードすることを可能にすることができる。1つのシナリオにおいて、選択されたトラフィックが、事業者の領域内のゲートウェイ間でオフロードされることが可能である。別のシナリオにおいて、ローカルネットワークにおけるSIPTO(SIPTO@LN)に関して、フェムトセルからの選択されたトラフィックフローが、インターネットに直接にオフロードされて、これにより、事業者のコアネットワークをバイパスすることが可能である。」 (2)「【0063】 MME/SGSN915は、このAPNに関するSIPTO許可、ならびにTAU/RAU手順中、またはMME/SGSN915が、HeNBへのWTRUのハンドオーバについて知らされた際のローカルネットワーク情報に基づいて(すなわち、ハンドオーバ中、またはTAU/RAU中に報告されたCSG-ID、HeNB-ID、および/またはLHN-IDが、SIPTO@LNを許可されているかどうかを確認することによって)、SIPTO@LNが可能であることを認識するようになることが可能であり、さらに、その後、SIPTO@LNを開始することを決定することが可能である(955)。SIPTO@LNを開始する決定は、事業者ポリシーに基づくことが可能である。例えば、MME/SGSN915が、ネットワーク輻輳、またはMME/SGSN915の過負荷のためにトラフィックをオフロードすることを決定してもよい。ローカルネットワーク情報は、MME/SGSN915にローカルで格納されること、またはHSS920の中に格納されることが可能である。 【0064】 MME/SGSN915は、SIPTP@LNを開始し、さらにPDN解放および再接続手順を実行するようWTRU905に命令することが可能である(960)。MME/SGSN915は、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRU905に示すことが可能である。このAPNは、加入者のPDNサブスクリプションコンテキストの一部であること、またはMME/SGSN915において事前構成されることが可能である。このAPNは、MME/SGSN915が、「再活性化が要求される」理由値を使用して関係のあるPDN接続を非活性化する際、WTRU905に供給されることが可能である。MME/SGSN915は、SIPTO@LNが実行されるという指示を含めてもよい。そのような事例において、MME/SGSN915は、「再活性化が要求される」理由値の中にこの指示を含めることが可能である。PDN解放(すなわち、打ち切り)を開始するのに先立って、MME/SGSN915は、WTRU905のユーザが、ホームネットワークを介するオフロードを承認するかどうかを確認することが可能である。ユーザは、SIPTO@LNを承認している、または事業者が、SIPTO@LNが承認され得るかどうかの指示をユーザに与えていないものと想定されることが可能である。 【0065】 WTRU905は、PDN接続要求965を送信することによって、LHN(HeNB910)を介してMME/SGSN915に対するPDN接続を確立することが可能である。APNの構成に関する選択肢に基づいて、WTRU905は、マクロネットワークを介してPDN接続を確立するのに使用されたのと同一のAPNを再使用してもよい。構成に基づいて、同一のAPNが、LIPAPDN接続を確立するために使用されることも可能である。WTRU905は、MME/SGSN915によって供給されたAPNを使用してもよい。WTRU905は、MME/SGSN915からのPDN再接続シグナリングの中にSIPTO@LN指示が含められている場合、事前構成されたAPNを使用することが可能である。」 上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 ア 上記「(1)」の段落【0003】には、「選択IPトラフィックオフロード(SIPTO:SelectedIPtrafficoffload)」、「ローカルネットワークにおけるSIPTO(SIPTO@LN)」と記載されているから、SIPTO@LNは、ローカルネットワークにおける選択IPトラフィックオフロードである。また、上記「(2)」の段落【0063】には、「MME/SGSN915は、・・・TAU/RAU手順中、・・・SIPTO@LNが可能であることを認識するようになることが可能であり、さらに、その後、SIPTO@LNを開始することを決定することが可能である(955)。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「MME/SGSNは、TAU手順中、ローカルネットワークにおける選択IPトラフィックオフロードを開始する」ことが記載されているといえる。 イ 上記「(2)」の段落【0065】には、「WTRU905は、PDN接続要求965を送信することによって、LHN(HeNB910)を介してMME/SGSN915に対するPDN接続を確立することが可能である。」、「構成に基づいて、同一のAPNが、LIPAPDN接続を確立するために使用されることも可能である。WTRU905は、MME/SGSN915によって供給されたAPNを使用してもよい。」と記載されているから、WTRUがPDN接続要求を送信する際、APNが使用され、MME/SGSN915に対するPDN接続を確立するものであるといえる。また、上記「(2)」の段落【0064】には、「MME/SGSN915は、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRU905に示すことが可能である。」と記載されているから、MME/SGSN915は、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRU905に示すものである。 そうすると、引用文献1には、「MME/SGSNは、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRUに示すものであり、WTRUがPDN接続要求を送信する際、APNが使用され、MME/SGSNに対するPDN接続を確立する」ことが記載されている。 ウ そして、上記「ア」、「イ」によれば、ローカルネットワークにおける選択IPトラフィックオフロードにおいて、WTRUがMME/SGSNから取得したAPNを用いてMME/SGSNに対するPDN接続を確立するものであるから、ローカルネットワークにおける接続方法であるといえ、MME/SGSNは、ネットワーク接続を行うための制御情報を司るものであることは技術常識である。 そうすると、MME/SGSNに着目すれば、引用文献1には、「MME/SGSNに適用されるローカルネットワークにおける接続方法」が記載されている。 したがって、以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「MME/SGSNに適用されるローカルネットワークにおける接続方法であって、 MME/SGSNは、TAU手順中、ローカルネットワークにおける選択IPトラフィックオフロードを開始するものであり、 MME/SGSNは、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRUに示すものであり、WTRUがPDN接続要求を送信する際、APNが使用され、MME/SGSNに対するPDN接続を確立する、 方法。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 引用発明の「MME/SGSN」は、ネットワーク接続を行うための制御情報を司るものであることは技術常識であるから、引用発明の「MME/SGSN」は、本願発明1の「制御プレーン・ノード」に含まれる。そして、引用発明の「ローカルネットワークにおける接続方法」は、ローカルネットワークコネクションの方法であるから、本願発明1と引用発明は「制御プレーン・ノードに適用されるローカル・ネットワーク・コネクション方法」という点で一致する。 そして、引用発明の「MME/SGSN」はTAU手順中、ローカルネットワークにおける選択IPトラフィックオフロードを開始するものであり、また、TAUとはトラッキングエリアアップデートの略であること、トラッキングアップデートの際に、現在のWTRUが存在するトラックイングエリアを表すトラッキングエリアアイデンティティ(TAI)は、TAU中において、WTRUからアクセスノードであるeNBを介してMME/SGSNが受信するものであり、TAUはWTRUである端末からeNBに対して送信されることは技術常識であるから、TAUはアクセス・リクエストに含まれるものである。そして、引用発明のTAU手順中において、トラッキングエリアアイデンティティは現在のWTRUの存在位置を表し、トラッキングエリアアイデンティティは、WTRUからアクセスノードを介して受信されるものであるといえる。よって、引用発明のトラッキングエリアアイデンティティは、WTRUが存在しているロケーション・エリアを表しているといえ、引用発明のトラッキングエリアアイデンティティはロケーション・エリア・アイデンティティに含まれ、引用発明の「WTRU」は、本願発明1の「ユーザー装置」に含まれるといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「アクセス・ノードからロケーション・エリア・アイデンティティを受信するステップであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティは、ユーザー装置からアクセス・リクエストを受信した場合の前記アクセス・ノードからのものであり、且つ前記ユーザー装置が現在位置するロケーション・エリアを示すために使用される、ステップ」を有する点で共通する。 また、引用発明は「MME/SGSN915は、LHNに対するPDN接続を確立する際に使用すべきAPNをWTRU905に示す」ものであるから、APNは、ローカルネットワークに接続するための指標、すなわち、ローカルネットワークアイデンティティに含まれる。 そうすると、制御プレーン・ノードであるMME/SGSNは、ローカルネットワークアイデンティティをWTRUに示す、すなわちローカルネットワークアイデンティティをユーザー装置に送信するものであるといえるから、本願発明1と引用発明は、「ローカル・ネットワーク・アイデンティティをユーザー装置へ送信するステップ」を有する点で共通する。 また、引用発明は「WTRUがPDN接続要求を送信する際、APNが使用され、MME/SGSN915に対するPDN接続を確立する」ものであるから、WTRUが送信する「PDN接続要求」は、コネクション接続リクエスト、すなわち、コネクション設定リクエストといえる。そして、引用発明の「WTRU」は、APN、すなわちローカルネットワークアイデンティティが使用されることによって、PDN接続要求を行われるものであり、APNはWTRUからMME/SGSNに対して送信される、すなわちMME/SGSNは、ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するものであるから、引用発明のMME/SGSNは、ユーザー端末からコネクション設定リクエストを受信するものである。 そして、WTRUは、APNが使用されPDN接続を確立するのであるから、ローカルネットワークアイデンティティに基づいてユーザー装置とローカルネットワークとの間にコネクションを設定するものであるといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明は「ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するステップであって、ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置とローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定するステップ」を有する点で共通する。 以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 制御プレーン・ノードに適用されるローカル・ネットワーク・コネクション方法であって、当該方法は: アクセス・ノードからロケーション・エリア・アイデンティティを受信するステップであって、前記ロケーション・エリア・アイデンティティは、ユーザー装置からアクセス・リクエストを受信した場合の前記アクセス・ノードからのものであり、且つ前記ユーザー装置が現在位置するロケーション・エリアを示すために使用される、ステップ; 前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するステップ; 前記ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するステップであって、前記ローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいて前記ユーザー装置と前記ローカル・ネットワークとの間にコネクションを設定するステップ; を有する方法。」 (相違点1) ローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するステップについて、本願発明1においては、「ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する」のに対し、引用発明においては、その旨の特定されていない点。 (相違点2) ユーザー装置からコネクション設定リクエストを受信するステップについて、本願発明1においては、「コネクション設定リクエストは、少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティに基づいてユーザー装置により選択された第1ローカル・ネットワーク・アイデンティティを運ぶ、ステップ」を有しているのに対し、引用発明においては、その旨を有することが特定されていない点。 (2)新規性(特許法第29条第1項第3号)についての判断 本願発明1と引用発明は、上記「(1)」で説示した相違点1及び2で相違するから、本願発明1は引用発明であるとはいえない。 (3)進歩性(特許法第29条第2項)についての判断 相違点1に係る本願発明1のローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するステップについて「ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する」という発明特定事項は、引用文献1には記載も示唆もされていない。また、当該技術分野において周知技術であるともいえない。 よって、当業者といえども、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明1のローカル・ネットワーク・アイデンティティを前記ユーザー装置へ送信するステップについて「ロケーション・エリア・アイデンティティに基づいて少なくとも1つのローカル・ネットワーク・アイデンティティを決定する」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。 したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明8ないし10について 本願発明8ないし10は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえないし、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.本願発明2ないし7について 本願発明2ないし7は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4.本願発明11ないし16について 本願発明16は、本願発明1に記載の方法を装置として動作するように記載したものであって、本願発明16は、本願発明1における制御プレーン・ノードを装置として動作するように構成されたローカル・ネットワーク・コネクション装置の発明であり、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえないし、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 また、本願発明11ないし15は、本願発明1に記載の方法を装置として動作するように記載したものであって、本願発明11ないし15は、本願発明1における制御プレーン・ノードを装置として動作するように構成されたローカル・ネットワーク・コネクション装置の発明であり、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5.本願発明17について 本願発明17は、本願発明1に記載の方法に、アクセス・ノードを追加して、システムとして記載したものであって、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえないし、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 6.本願発明18について 本願発明18は、本願発明1ないし9に記載の方法を実行するためのコンピュータ・プログラムを保存したコンピュータ読み取り可能なストレージ媒体として記載したものであって、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえないし、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 7.本願発明19について 本願発明19は、本願発明1ないし9に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラムとして記載したものであって、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえないし、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1、8ないし10、16ないし19は、引用発明であるとはいえず、当業者が引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。また、本願発明2ないし7及び本願発明11ないし15は、当業者が引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-04-14 |
出願番号 | 特願2018-566274(P2018-566274) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04W)
P 1 8・ 113- WY (H04W) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 浩兵 |
特許庁審判長 |
中木 努 |
特許庁審判官 |
本郷 彰 望月 章俊 |
発明の名称 | ローカル・ネットワーク・コネクション方法、装置、及びシステム |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 大貫 進介 |
代理人 | 伊東 忠彦 |