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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B29C |
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管理番号 | 1373588 |
審判番号 | 不服2020-6230 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-05-07 |
確定日 | 2021-04-30 |
事件の表示 | 特願2016- 16666「射出成形システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月 3日出願公開,特開2017-132229〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 経緯 本願は,平成28年 1月29日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 1年 6月25日付け:拒絶理由通知 同年 9月 2日 :手続補正書及び意見書の提出 令和 2年 1月28日付け:拒絶査定 同年 5月 7日 :手続補正書及び審判請求書の提出 第2 令和 2年 5月 7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 2年 5月 7日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 令和 2年 5月 7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。) 本件補正は特許請求の範囲の全文を変更する補正事項からなるものであるところ,特許請求の範囲全体の記載のうち,本件補正前の請求項2及びこれに対応する本件補正後の請求項2の記載を掲記すると,それぞれ以下のとおりである(なお,当審において,下線を補正箇所をわかりやすくするために付与している。)。 ・本件補正前の請求項2(令和 1年 9月 2日の手続補正書) 「複数の射出成形機と,複数の前記射出成形機を接続するネットワークとを有する,射出成形システムであって, 一の前記射出成形機は,記憶部に記憶された設定を,前記ネットワークを介して他の前記射出成形機に送信し, 送信先の前記射出成形機は,送信元の前記射出成形機から送信される設定を,反映するか否か選択する,射出成形システム。」 ・本件補正後の請求項2 「複数の射出成形機と,複数の前記射出成形機を接続するネットワークとを有する,射出成形システムであって, 一の前記射出成形機は,記憶部に記憶された設定を,前記ネットワークを介して他の前記射出成形機に送信し, 送信先の前記射出成形機は,送信元の前記射出成形機から送信される設定を,反映するか否か選択し,設定を反映するか否かの選択結果を送信元の前記射出成形機に返信する,射出成形システム。」 2 補正の適否 本件補正のうちの上記請求項2に係る補正は,本件補正前の請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項である「射出成形システム」について,「設定を反映するか否かの選択結果を送信元の前記射出成形機に返信する」なる限定を付加するものであって,補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項2に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項2に記載される発明が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。 (1)本件補正発明 本件補正後の請求項2に記載される発明(以下,「本件補正発明」という。)は,上記1の本件補正後の請求項2に記載したとおりのものである。 (2)引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である,特開平3-198967号公報(平成 3年 8月30日出願公開。以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の記載がある(下線は当審が付加。)。 「(7)それぞれがダイカストマシンを制御する機能とともに通信機能を有する複数のダイカストマシン制御・通信装置を具備し, 該複数のダイカストマシン制御・通信装置相互間が所定の通信方式によって接続され, あるダイカストマシン制御・通信装置に設定されたダイカストマシンの制御データが,他のダイカストマシン制御・通信装置に通信により入力されるように構成したことを特徴とするダイカストマシンの制御データ設定装置。」(第2頁右上欄第14行ないし左下欄第3行) 「(発明が解決しようとする課題) 本発明は,作業能率の向上,省力化を図り,上述した作業能率が低いという課題を解決するものである。 また,本発明は,複数のダイカストマシン制御装置に対して,誤りなく同じ制御データを設定することを可能にし,上述した制御データの誤設定を解決するものである。 したがって,本発明の目的は,ダイカストマシン制御装置に対する制御データの自動設定を可能にし,制御データ設定の省力化ならびに迅速化を図ることにある。 また,本発明の目的は,複数のダイカストマシン制御装置に誤りなく同じ制御データを設定し,同じ制御条件で複数のダイカストマシンを運転制御させることにある。」(第3頁左下欄第14行ないし右下欄第9行) 「上記課題を解決するため,本発明の第2の形態として,それぞれがダイカストマシンを制御する機能とともに通信機能を有する複数のダイカストマシン制御・通信装置を具備し,該複数のダイカストマシン制御・通信装置相互間が所定の通信方式によって接続され,あるダイカストマシン制御・通信装置に設定されたダイカストマシンの制御データが,他のダイカストマシン制御・通信装置に通信により入力されるように構成したことを特徴とするダイカストマシンの制御データ設定装置が提供される。 好適には,前記あるダイカストマシン制御・通信装置の制御データは金型に対応した制御データであり,該金型またはその金型と同等の金型が用いられる他のダイカストマシン制御・通信装置に前記制御データを通信するように構成される。 また好適には,前記あるダイカストマシン制御・装置が特定のダイカストマシン制御・通信装置であり,該ダイカストマシン制御・通信装置に設定された制御データを,同じ金型を使用する他のダイカストマシン制御・通信装置に通信するように構成される。」(第4頁左下欄第9行ないし右下欄第10行) 「(実施例) 以下,本発明の実施例について添付図面を参照して述べる。 以下に述べる実施例においては,本発明の第1および第2のいずれの形態にも適用できる。 第1図は本発明の第1実施例のダイカストマシンの制御データ設定装置の構成を示す図である。 第1図において,ダイカストマシンの制御データ設定装置は,複数のダイカストマシン30?38のそれぞれを制御するとともに通信機能を有する,複数のダイカストマシン制御・通信装置20?28を有している。そして,これらのダイカストマシン制御・通信装置はデージィチェーンバス10を介して,デージィチェーン方式で通信接続されている。 まず,上述した本発明の第1の形態適用した場合について述べる。 この実施例においては,第1のダイカストマシン制御・通信装置20にダイカストマシン運転制御のための制御データが設定され,そこに設定された制御データが,他のダイカストマシン制御・通信装置22?28にデージィチェーンバス10を介して通信され,これらのダイカストマシン制御・通信装置内に設定されるように構成されている。 第2図に第1図のダイカストマシン制御・通信装置20の構成を示す。このダイカストマシン制御・通信装置20は,マイクロコンピュータ(MPU)で構成されたダイカストマシン制御部210と,同じくマイクロコンピュータ(MPU)で構成されたダイカストマシン通信部220との組合せとして構成されている。 まず,ダイカストマシン制御部210について述べる。ダイカストマシン制御部210は,CPU211と,このCPU211で行われるダイカストマシン30の制御を行う処理プログラムを記憶しているROM213と,制御処理データを記憶するRAM214と,ダイカストマシン30を制御するためのダイカストマシン30の状態信号を入力する入力処理装置215と,ダイカストマシン30に駆動させるための制御信号を出力する出力処理装置216と,これらの機器間を相互に接続するバス217を有している。これらのダイカストマシン制御部210の構成は,従来のダイカストマシン制御装置と同様であり,その制御処理内容も,後述するものを除いて従来と同様である。」(第5頁左上欄第12行ないし左下欄第18行) 「次に第1図の構成において,本発明の第2の形態を適用する例について述べる。 通信制御処理,制御データの妥当性のチェックなどは上述したものと同様であるので,詳細については説明を省略する。 まず,ある金型Aが第1のダイカストマシン30で使用するため,その運転制御に必要な制御データが作業者によって第1の制御・通信装置20に設定される。そして,その金型Aで所定量のダイカスト製品を製造した後,その金型Aをダイカストマシン30から取り外し,休止させる。 その後,その金型Aを最後のダイカストマシン38で使用する場合,作業者は,第1のダイカストマシン制御・通信装置20で,上記金型Aについて設定した制御データを,第1のダイカストマシン制御・通信装置20から最後のダイカストマシン制御・通信装置28に通信させるるように指令する。具体的には,制御データの行き先ダイカストマシン制御・通信装置28を指定する。第1のダイカストマシン制御・通信装置20は制御データに行き先コードを付加してディジー・チェーンバス10を介して第2のダイカストマシン制御・通信装置22に出力する。 このダイカストマシン制御・通信装置20は自己に対する通信か否かを判断して,自己に対する通信でない場合,受信した行き先コードと制御データを次のダイカストマシン制御・通信装置に出力する。そして,最後のダイカストマシン制御・通信装置28までその行き先コードと制御データが到達する。 この対象となるダイカストマシン制御・通信装置28は自己に対する通信であることを確認し,上述したと同様の受信処理,内容判断処理などを行う。 これにより,ダイカストマシン制御・通信装置20に設定された制御データがダイカストマシン制御・通信装置28に送信され,制御データをその都度,各ダイカストマシン制御・通信装置に設定するという手続きを省略することができる。」(第9頁左下欄第5行ないし第10頁左上欄第3行) 「第9図に本発明の第4の実施例としてのダイカストマシンの制御データ設定装置を示す。 まず,本発明の第1の形態に適用する場合について述べる。 この実施例は,制御データが直接設定される第1のダイカストマシン制御・通信装置20のダイカストマシン通信部を通信上のスーパーバイザリィ装置として,他のダイカストマシン制御・通信装置22?28のダイカストマシン通信部を通信上のスレーブ装置として構成したものである。通信上のスーパーバイザリィ装置とは,通信のみスレーブ装置に対して上位に位置し,制御は各個独立に行われることを意味する。 スーパーバイザリィ装置としての第1のダイカストマシン通信部が設定された制御データの妥当性を判断して,その制御データを,スレーブ装置としての各ダイカストマシン制御・通信装置22?28のダイカストマシン通信部に送信する。各スレーブ装置としてのダイカストマシン通信部は受信した制御データを一度スーパーバイザリィ装置としての第1のダイカストマシン通信部に返送する。起動信号の送出などについては,上述したものと同様である。 第9図を本発明の第2の形態に適用した場合について述べる。 第1のダイカストマシン制御・通信装置20に設定された制御データを必要とするスレーブ装置としてのダイカストマシン制御・通信装置に送出する。 この送信形態の例として,同じ制御データを複数のスレーブ装置としてのダイカストマシン制御・通信装置に一括して送出することもできる。 本発明の実施にあたっては,以上に述べたものの他,種々の通信方式および通信形態で制御データの送受信を行うことができる。 また,通信回線も,光ケーブル,光通信などを適用することができる。」(第11頁右上欄第13行ないし右下欄第7行) 「第9図は本発明のダイカストマシンの制御データ設定装置の第4の実施例として,各ダイカストマシン制御・通信装置のダイカストマシン通信部を第1のダイカストマシン通信部をスーパーバイザリィ装置としたのダイカストマシン通信部をスレーブ装置として構成した階層化構成を示す図である。」(第12頁左下欄第2ないし8行) 「 」(第9図) (3)引用発明 上記(2)より(特に,特許請求の範囲(7)及び第4の実施例における第2の形態に関する記載より。),引用文献2には,下記の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「ダイカストマシン制御・通信装置を備えた複数のダイカストマシンと,該複数のダイカストマシン制御・通信装置相互間が所定の通信方式によって接続された,ダイカストマシンの制御データ設定装置であって, 通信上のスーパーバイザリィ装置となるダイカストマシン制御・通信装置のRAMに記憶されて設定されたダイカストマシンの制御データが,行き先コードを付加された上で一括してスレーブ装置としての各ダイカストマシン制御・通信装置に送出され,送出先のダイカストマシン制御・通信装置では,この行き先コードに基づいて自己に対する通信であるか否かを確認した上で,受信処理,内容判断処理などを行い,制御データの設定を行う, ダイカストマシンの制御データ設定装置。」 (4)対比・判断 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「ダイカストマシン」,「RAM」,「設定されたダイカストマシンの制御データ」は,本件補正発明の「射出成形機」,「記憶部」及び「設定」に相当する。 引用発明の「ダイカストマシン」は,「ダイカストマシン制御・通信装置」を備え,「ダイカストマシン制御・通信装置相互間が所定の通信方式によって接続された」ものであるから,「複数の射出成形機を接続するネットワーク」を有するものであり,引用発明の「送出」される「制御データ」は,この「ネットワークを介して送信される」ものと言える。 引用発明において制御データの通信を行う「通信上のスーパーバイザリィ装置となるダイカストマシン制御・通信装置」及び「スレーブ装置としての各ダイカストマシン制御・通信装置」は,それぞれダイカストマシンに備えられているものであるから,これらの「ダイカストマシン制御・通信装置」が備えられているダイカストマシンは,本件補正発明の「送信元」の射出成形機である「一の射出成形機」及び「送信先」の射出成形機である「他の射出成形機」に相当する。 そして,上記の制御・通信装置を備える引用発明の「ダイカストマシンの制御データ設定装置」は,本件補正発明の「射出成形システム」に相当する。 そうすると,本件補正発明と引用発明とは以下の点で一致する。 「複数の射出成形機と,複数の前記射出成形機を接続するネットワークとを有する,射出成形システムであって, 一の前記射出成形機は,記憶部に記憶された設定を,前記ネットワークを介して他の前記射出成形機に送信する, 射出成形システム。」 そして,本件補正発明と引用発明は,以下の点で相違する。 ・相違点1 送信先の射出成形機について,本件補正発明は「送信元の射出成形機から送信される設定を,反映するか否かを選択する」と特定するのに対し,引用発明はこのように特定しない点。 ・相違点2 送信先の射出成形機について,本件補正発明は「設定を反映するか否かの選択結果を送信元の射出成形機に返信する」と特定するのに対し,引用発明はこのように特定しない点。 上記相違点について検討する。 ・相違点1について 引用発明の「送信先のダイカストマシン制御・通信装置」が,「行き先コードに基づいて自己に対する制御データであるか否かを確認した上で,受信処理,内容判断処理などを行い,制御データの設定を行う」ことは,「送信元の射出成形機から送信される設定を,反映する」選択を行うことになり,一方で,行き先コードによって自己に対する制御データでないことが確認された送信先のダイカストマシン制御・通信装置は,制御データの設定を行わなわず,送信元の射出成形機から送信される設定を,反映しない」選択を行うものと言える。 そうすると,相違点1は,実質的な相違点でない。 仮に,実質的な相違点であったとしても,制御データ送出先のダイカストマシンの状況や状態等に応じて設定変更を行うか否かを決定し,選択することは技術常識であるから,引用発明において,上記相違点1に係る事項を適用することは,上記技術常識に基づいて当業者が容易に想到し得たことであり,また,これにより当業者が予測し得ない効果が奏されるものでもない。 相違点2について 引用発明は,制御データを送出する「通信上のスーパーバイザリィ装置となるダイカストマシン制御・通信装置」と,制御データの送出先の「スレーブ装置としての各ダイカストマシン制御・通信装置」とを備えるものである。 そして,「スーパーバイザリィ装置」すなわち管理装置と制御データ送信先の装置とからなるシステムにおいて,送信された制御データを送信先の装置が正しく反映したか,あるいはそうではないかを管理装置側で把握する必要性から,送信先の装置が管理装置へと反映に対する選択結果の返信を行うことは周知慣用の技術である(必要であれば,原査定の拒絶の理由で引用された,本願出願前に,頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-74903号公報(平成24年 4月12日公開)の【0003】参照。)。 してみると,引用発明における,制御データの送出先のダイカストマシン制御・通信装置が備えられているダイカストマシンについて,上記の管理装置への返信に係る周知慣用の技術を採用し,これらのダイカストマシンが制御データを反映したか否かの選択結果をスーパーバイザリィ装置となるダイカストマシン制御・通信装置を備えたダイカストマシンへと返信するものとすることは当業者が容易に想到し得たことであり,また,これにより当業者が予測し得ない効果が奏されるものでもない。 よって,本件補正発明は,引用発明,すなわち引用文献2に記載された発明,当業者の技術常識及び周知慣用の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)本件補正についてのむすび 以上のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり,同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和 2年 5月 7日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし10に係る発明は,令和 1年 9月 2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項2に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,前記第2[理由]1の本件補正前の請求項2に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は,本願発明は,本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献2に記載された発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,という理由を含むものである。 引用文献2:特開平3-198967号公報 引用文献4:特開2012-74903号公報(周知技術を示す文献) 3 引用文献等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2の記載事項は,前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は,前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から,「設定を反映するか否かの選択結果を送信元の前記射出成形機に返信する」なる限定事項を削除したものである。 そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が,前記第2の[理由]2(4)に記載したとおり,引用発明,すなわち引用文献2に記載された発明,当業者の技術常識及び周知慣用の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,上記他の事項に対して周知慣用の技術が適用されているものであるから,本願発明は,引用発明,すなわち引用文献2に記載された発明,及び当業者の技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2021-02-19 |
結審通知日 | 2021-02-24 |
審決日 | 2021-03-12 |
出願番号 | 特願2016-16666(P2016-16666) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B29C)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田口 裕健、塩見 篤史 |
特許庁審判長 |
大島 祥吾 |
特許庁審判官 |
細井 龍史 神田 和輝 |
発明の名称 | 射出成形システム |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠彦 |