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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1374124
審判番号 不服2020-15072  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-29 
確定日 2021-06-01 
事件の表示 特願2019-506488「RACH-lessハンドオーバのためのターゲット基地局によるタイミングアドバンスの決定」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月15日国際公開、WO2018/031764、令和 1年 9月 5日国内公表、特表2019-525626、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)8月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年8月12日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 元年12月 5日付け :拒絶理由通知書
令和 2年 2月17日 :意見書の提出
令和 2年 7月28日付け :拒絶査定
令和 2年10月29日 :拒絶査定不服審判の請求

第2 原査定の概要
原査定(令和2年7月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由1(新規性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

理由1:
・請求項1、4ないし6、8、11ないし14、18ないし20に対して、引用文献1又は引用文献2
理由2:
・請求項1、4ないし6、8、11ないし14、18ないし20に対して、引用文献1又は引用文献2
・請求項2、3、7、9、10、15ないし17に対して、引用文献1並びに引用文献3及び引用文献4、又は引用文献2並びに引用文献3及び引用文献4

引用文献等一覧
1.Qualcomm Incorporated,Further details of RACH-less handover[online],3GPP TSG-RAN WG2#94 R2-164239,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_94/Docs/R2-164239.zip>,2016年 5月23日(以下、「引用文献1」という。)
2.米国特許出願公開第2008/0267127号明細書(以下、「引用文献2」という。)
3.Kyocera Corp,Preamble-based solution for CA_HetNet_ICIC macro-pico UL interference scenario[online],3GPP TSG-RAN WG3#75bis R3-120663,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_75bis/Docs/R3-120663.zip>,2012年 3月26日(以下、「引用文献3」という。)
4.米国特許出願公開第2008/0267131号明細書(以下、「引用文献4」という。)

第3 本願発明
本願請求項1ないし20に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明20」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ソース基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報をターゲット基地局に送信することと、
前記UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信することと、
前記ターゲット基地局が、前記第1の送信を受信することと、
前記ターゲット基地局が、前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定することと、
前記タイミング差を判定した後、前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置のハンドオーバを開始することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記UE装置無線送信設定情報は、
前記UE装置に割り当てられたプリアンブルと、
前記割り当てられたプリアンブルを前記第1の送信の一部として送信するために、前記UE装置によって使用されるサブフレームを識別するサブフレーム識別子と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の送信を送信することは、
前記UE装置が、前記割り当てられたプリアンブル及び前記サブフレーム識別子によって識別された前記サブフレームを使用して、ランダムアクセスチャネル(RACH)送信を送信することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
タイミングアドバンスを前記UE装置に送信することを更に含み、前記タイミングアドバンスは、前記タイミング差に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記タイミングアドバンスは、ハンドオーバコマンドの一部として送信される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記タイミングアドバンスは、ハンドオーバプロシージャ中に送信される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲット基地局にUE装置無線送信設定情報を送信することは、リソースステータス要求メッセージを送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基地局であって、
他の基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報を受信することと、
前記UE装置から、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を受信することと、を行うように構成された受信部と、
前記受信部に連結された制御部であって、
前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定することと、
前記他の基地局から前記基地局への前記UE装置のハンドオーバに協働することであって、前記ハンドオーバは、前記タイミング差が判定された後に前記他の基地局によって開始される、ことと、を行うように構成された制御部と、を備える、基地局。
【請求項9】
前記UE装置無線送信設定情報は、
前記UE装置に割り当てられたプリアンブルと、
前記第1の送信の一部として前記割り当てられたプリアンブルを送信するために前記UE装置によって使用されるサブフレームを識別するサブフレーム識別子と、を含む、請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記第1の送信は、
前記割り当てられたプリアンブル及び前記サブフレーム識別子によって識別された前記サブフレームを使用して送信されるランダムアクセスチャネル(RACH)送信を含む、請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記制御部に連結された送信部であって、前記送信部は、前記タイミング差に少なくとも部分的に基づいているタイミングアドバンスを前記UE装置に送信するように構成されている、送信部を更に備える、請求項8に記載の基地局。
【請求項12】
前記送信部は、ハンドオーバコマンドの一部として前記タイミングアドバンスを送信するように更に構成されている、請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
前記送信部は、前記ハンドオーバプロシージャ中に前記タイミングアドバンスを送信するように更に構成されている、請求項11に記載の基地局。
【請求項14】
ユーザ機器(UE)装置と、
前記UE装置にサービス提供するソース基地局であって、前記ソース基地局は、前記UE装置に関連するUE装置無線送信設定情報を送信するように構成された送信部と、
前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置のハンドオーバを開始するように構成された制御部と、を含む、ソース基地局と、
ターゲット基地局であって、
前記UE装置無線送信設定情報を受信することと、
前記UE装置から、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を用いた第1の送信を受信することと、を行うように構成された受信部と、
前記受信部に連結された制御部であって、
前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定することと、
前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置の前記ハンドオーバに協働することであって、前記ハンドオーバは、前記タイミング差が判定された後に前記ソース基地局によって開始される、ことと、を行うように構成された制御部と、を含む、ターゲット基地局と、を備える、システム。
【請求項15】
前記ソース基地局の前記送信部は、前記UE装置無線送信設定情報をリソースステータス要求メッセージとして送信するように更に構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記UE装置無線送信設定情報は、
前記UE装置に割り当てられたプリアンブルと、
前記第1の送信の一部として前記割り当てられたプリアンブルを送信するために前記UE装置によって使用されるサブフレームを識別するサブフレーム識別子と、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の送信は、前記割り当てられたプリアンブル及び前記サブフレーム識別子によって識別された前記サブフレームを使用して送信されるランダムアクセスチャネル(RACH)送信を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ターゲット基地局は、
前記制御部に連結された送信部であって、前記送信部は、前記タイミング差に少なくとも部分的に基づいているタイミングアドバンスを前記UE装置に送信するように構成されている、送信部を更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ターゲット基地局の前記送信部は、ハンドオーバコマンドの一部として前記タイミングアドバンスを送信するように更に構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ターゲット基地局の前記送信部は、前記ハンドオーバプロシージャ中に前記タイミングアドバンスを送信するように更に構成されている、請求項18に記載のシステム。」

第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された、Qualcomm Incorporated,Further details of RACH-less handover(当審訳:RACHレスハンドオーバの詳細)[online],3GPP TSG-RAN WG2#94 R2-164239,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_94/Docs/R2-164239.zip>には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「2. Discussion
(中略)

The changes to the legacy LTE Handover is as follows:
・Step 2: The source eNB configures the UE with uplink transmission. If PRACH is used, this is signaled via PDCCH for non-contention based RACH. If SRS is used, the configuration is done via RRC.
・Step 3: The source eNB signals the uplink signal configuration to the target eNB in the Handover Request message.
・Step 4: The UE transmits the configured uplink signals (PRACH or SRS) which is used by the eNB for TA calculation.
・Step 5: The target eNB signals the Timing Advance to the source eNB in addition to the PUSCH resources needed for uplink access. This can either be sent in the transparent RRC container or in X2-AP.
・Step 6: The source eNB signals the Timing Advance and PUSCH resources in RRC Reconfiguration.
・Step 7: The UE transmits RRC Configuration Complete on the signaled PUSCH resources.
・Step 8-10 are same as legacy LTE handover.
(後略)」(1ページ11行目?2ページ12行目)

(当審訳:
2.討論
(図略)
従来のLTEハンドオーバへの変更は次のとおりである。
・ステップ2:ソースeNBは、UEにアップリンク送信の設定を行う。PRACHが使用されている場合、これは非競合ベースのRACHのためにPDCCHを介して通知される。SRSを使用する場合、構成はRRCを介して行われる。
・ステップ3:ソースeNBは、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBにアップリンクシグナルコンフィギュレーションを通知する。
・ステップ4:UEは、TA計算のためにeNBによって使用される設定されたアップリンクシグナル(PRACHまたはSRS)を送信する。
・ステップ5:ターゲットeNBは、アップリンクアクセスに必要なPUSCHリソースに加えて、タイミングアドバンスをソースeNBに通知する。これは、透過的なRRCコンテナーまたはX2-APのいずれかで送信できる。
・ステップ6:ソースeNBは、RRC再構成でタイミングアドバンスとPUSCHリソースを通知する。
・ステップ7:UEは、送信されたPUSCHリソースでRRC構成完了を送信する。
・ステップ8-10は、従来のLTEハンドオーバと同じである。
(後略))

上記の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

(1)上記「2.討論」には、「ステップ3において、ソースeNBは、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBにアップリンクシグナルコンフィギュレーションを通知する」と記載され、図1のステップ2からは、アップリンクシグナルコンフィギュレーションがソースeNBからUEに送信されていることが見て取れる。
そうすると、引用文献1には、「ソースeNBによって、UEに送信されたアップリンクシグナルコンフィギュレーションを、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBに通知する」ことが記載されている。
(2)上記「2.討論」には、「ステップ4において、UEは、TA計算のためにeNBによって使用される設定されたアップリンクシグナル(PRACHまたはSRS)を送信する」と記載され、図1のステップ4からは該送信がターゲットeNBに対して送信されるものであることが見て取れる。
そうすると、引用文献1には、「UEは、TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルをターゲットeNBに送信する」ことが記載されている。
(3)上記「2.討論」には、「ステップ5において、ターゲットeNBは、アップリンクアクセスに必要なPUSCHリソースに加えて、タイミングアドバンスをソースeNBに通知する」と記載されている。
そうすると、引用文献1には、「ターゲットeNBは、タイミングアドバンスをソースeNBに通知する」ことが記載されている。
(4)上記「2.討論」には、ステップ8-10において「従来のLTEハンドオーバと同じである。」と記載されている。
また、「ステップ6において、ソースeNBは、RRC再構成でタイミングアドバンスとPUSCHリソースを通知する。」と記載されており、図1には、ステップ6において、ソースeNBが通知する先が、UEであることが見て取れる。
そうすると、上記(1)ないし(3)、ステップ6、及びステップ8-10からは、ソースeNBからターゲットeNBへのUEのハンドオーバを行う際の各ステップが記載されているといえるから、引用文献1には、「ソースeNBからターゲットeNBへのUEのハンドオーバを行う」ことであって、「ハンドオーバの方法」が記載されている。

以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「ハンドオーバの方法であって、
ソースeNBによって、UEに送信されたアップリンクシグナルコンフィギュレーションを、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBに通知し、
UEは、TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルをターゲットeNBに送信し、
ターゲットeNBは、タイミングアドバンスをソースeNBに通知し、
ソースeNBは、RRC再構成でタイミングアドバンスとPUSCHリソースを通知し、
ソースeNBからターゲットeNBへのUEのハンドオーバを行う、
方法。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された、米国特許出願公開第2008/0267127号明細書には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「[0055] FIG. 4 is an exemplary signal diagram illustrating the operation of a wireless system according to another embodiment. In step 405, the mobile station 110 and the source base station 120 can establish a connection and exchange data. In step 410, the mobile station can send a measurement report to the source base station 120. In step 415, the source base station 120 can decide to perform a handover of the mobile station to the target base station 130. In step 425, the source base station 120 can acknowledge the measurement report in a message that can include a transmit/receive gap assignment and a RACH preamble. The T/R gap can allow the mobile station 110 to switch to the target base station 130, send the RACH preamble, and return to the source base station 120. The mobile station 110 may not be scheduled by the source base station 120 during the gap. The RACH preamble can be assigned by the source base station 120 without any interaction with the target base station. In step 420, the source base station 120 can send a message to the target base station 130 indicating that a handover is starting. The message can include the mobile station identity and the reserved RACH preamble. In step 430, the mobile station 110 can send the reserved RACH preamble to the target base station 130. The mobile station does not have to wait for a response from the target base station 130. Instead it can continue the UL and DL traffic with source base station 120. With this scheme, the gaps can be very small, such as about 2 ms, so the source base station 120 can still schedule traffic for the mobile station 110 without significant delay. Upon receipt of the reserved RACH preamble, the target base station 130 can calculate the mobile station's timing advance. The target base station can then construct and send to the source base station 120, in step 435, a handover command that includes the timing advance, a MAC ID, and an UL grant. In step 440, the source base station 120 can forward the handover command to the mobile station 110. In step 445, the mobile station 110 can send a handover complete message to the target base station 130 and start UL data transfer to establish a connection. In step 450, the mobile station 110 can exchange data with the target base station 130.」

(当審仮訳:
[0055] 図4は、別の実施形態による無線システムの動作を示す例示的な信号図である。ステップ405では、移動局110およびソース基地局120は、接続を確立し、データを交換することができる。ステップ410において、移動局は、ソース基地局120に測定レポートを送信することができる。ステップ415において、ソース基地局120は、ターゲット基地局130への移動局のハンドオーバを実行することを決定することができる。ステップ425において、ソース基地局120は、送受信ギャップ割り当ておよびRACHプリアンブルを含むことができるメッセージにおいて、測定レポートを確認することができる。T/Rギャップは、移動局110がターゲット基地局130に切り替え、RACHプリアンブルを送信し、ソース基地局120に戻ることを可能にすることができる。移動局110は、ギャップの間、ソース基地局120によってスケジュールされなくてもよい。RACHプリアンブルは、ターゲット基地局との相互作用なしに、ソース基地局120によって割り当てられ得る。ステップ420では、ソース基地局120は、ハンドオーバが開始されることを示すメッセージをターゲット基地局130に送信することができる。このメッセージは、移動局のアイデンティティおよび予約済みRACHプリアンブルを含むことができる。ステップ430では、移動局110は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局130に送信することができる。移動局は、ターゲット基地局130からの応答を待つ必要はない。代わりに、移動局は、ソース基地局120とのULおよびDLトラフィックを継続することができる。この方式では、ギャップは約2msなど、非常に小さくすることができるので、ソース基地局120は、大幅な遅延なしに移動局110のためのトラフィックをスケジューリングすることができる。予約済みRACHプリアンブルを受信すると、ターゲット基地局130は、移動局のタイミングアドバンスを計算することができる。その後、ターゲット基地局は、ステップ435において、タイミングアドバンス、MAC ID、およびULグラントを含むハンドオーバコマンドを構築し、ソース基地局120に送信することができる。ステップ440において、ソース基地局120は、ハンドオーバコマンドを移動局110に転送することができる。ステップ445において、移動局110は、ハンドオーバ完了メッセージをターゲット基地局130に送信し、ULデータ転送を開始して接続を確立することができる。ステップ450では、移動局110は、ターゲット基地局130とデータを交換することができる。)

上記の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

(1)上記「段落[0055]」には、「ステップ415において、ソース基地局120は、ターゲット基地局130への移動局のハンドオーバを実行することを決定することができる。」と記載されている。
そうすると、引用文献2には、「ソース基地局は、ターゲット基地局への移動局のハンドオーバを実行することを決定する」ことが記載されている。
(2)上記「段落[0055]」には、「ステップ420では、ソース基地局120は、ハンドオーバが開始されることを示すメッセージをターゲット基地局130に送信することができる。」と記載されている。
そうすると、引用文献2には、「ソース基地局は、ハンドオーバが開始されることを示すメッセージをターゲット基地局に送信する」ことが記載されている。
(3)上記「段落[0055]」には、「ステップ430では、移動局110は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局130に送信することができる。」と記載されている。
そうすると、引用文献2には、「移動局は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局に送信する」ことが記載されている。
(4)上記「段落[0055]」には、「予約済みRACHプリアンブルを受信すると、ターゲット基地局130は、移動局のタイミングアドバンスを計算することができる。」と記載されている。
そうすると、引用文献2には、「ターゲット基地局は、予約済みRACHプリアンブルを受信すると、移動局のタイミングアドバンスを計算する」ことが記載されている。
(5)そして、上記(1)ないし(4)によれば、UEをソース基地局からターゲット基地局にハンドオーバの際に行われる処理が記載されているといえる。
よって、引用文献2には、「ハンドオーバの方法」が記載されている。

以上を総合すると、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「ハンドオーバの方法であって、
ソース基地局は、ターゲット基地局への移動局のハンドオーバを実行することを決定し、
ソース基地局は、ハンドオーバが開始されることを示すメッセージをターゲット基地局に送信し、
移動局は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局に送信し、
ターゲット基地局は、予約済みRACHプリアンブルを受信すると、移動局のタイミングアドバンスを計算する、
方法。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された、Kyocera Corp,Preamble-based solution for CA_HetNet_ICIC macro-pico UL interference scenario[online],3GPP TSG-RAN WG3#75bis R3-120663,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_75bis/Docs/R3-120663.zip>には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「2.2 Proposed preamble-based solution
2.2.1 General description
(中略)
In order for an eNB to receive a non-contention-based RACH preamble transmission from an UE, it must know the PRACH configuration and preamble index being used. Exchanging "common" PRACH configuration information between eNBs is already supported in the X2 Setup Request/Response and ENBConfigurationUpdate messages. For this proposal, it is also required for an eNB to send the preamble index and subframe information for a specific ("dedicated configuration") preamble transmission to another eNB. It is also required for an eNB to send received preamble index and signal strength information to another eNB. It is proposed that these capabilities are added to the Resource Status Reporting procedures.
」(1ページ34行目ないし2ページ7行目)

(当審仮訳:
eNBがUEから非競合ベースのRACHプリアンブル送信を受信するためには、使用されているPRACH構成とプリアンブルインデックスを知っている必要がある。eNB間で「共通の」PRACH構成情報を交換することは、X2 Setup Request/ResponseおよびENBConfigurationUpdateメッセージですでにサポートされている。本提案では、eNBが特定の(「専用構成」)プリアンブル送信のためのプリアンブルインデックスとサブフレーム情報を他のeNBに送信することも要求される。また、eNBが、受信したプリアンブルインデックスと信号強度情報を他のeNBに送信することも必要である。これらの機能をResource Status Reporting手順に追加することが提案されている。)

引用文献3には、「eNBがUEから非競合ベースのRACHプリアンブル送信を受信するためには、使用されているPRACH構成とプリアンブルインデックスを知っている必要がある。」及び「eNBが特定の(「専用構成」)プリアンブル送信のためのプリアンブルインデックスとサブフレーム情報を他のeNBに送信することも要求される。」という記載によれば、引用文献3には、「eNBがUEからの非競合ベースのRACHプリアンブル送信を受信するために、使用されているPRACH構成とプリアンブルインデックスを知っている必要があり、eNBが特定の(「専用構成」)プリアンブル送信のためのプリアンブルインデックスとサブフレーム情報を他のeNBに送信する」という技術事項が記載されていると認められる。

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された、米国特許出願公開第2008/0267131号明細書には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「[0026] FIG. 3 illustrates the communications process according to a first embodiment of this invention. Initially packet data from gateway 120 is transmitted to base station 101 (step 301) the current base station for transmission to user equipment 109 (step 302). In step 302, base station 101 transmits a measurement control signal to user equipment 109. Base station 101 transmits a UL allocation signal to user equipment 109 (step 303). User equipment 109 responds with measurement reports (step 304) to base station 101. Base station 101 makes the handover decision (step 305). Base station 101 then sends a handover indication to user equipment 109 (step 306) with the reserved signature to use and the RACH slot to use with base station 102. Base station 101 also initiates a handover request to base station 102 in parallel (step 307). This also includes the communications parameters. Base station 101 knows the RACH slot when user equipment 109 accesses base station 102 and does not schedule it near that slot.」

(当審仮訳:
[0026] 図3は、この発明の第1の実施の形態による通信処理を示す図である。最初にゲートウェイ120からのパケットデータは、ユーザ機器109に送信するために現在の基地局である基地局101に送信される(ステップ301)。ステップ302では、基地局101は、ユーザ機器109に測定制御信号を送信する。基地局101は、UL割り当て信号をユーザ機器109に送信する(ステップ303)。ユーザ機器109は、測定報告を基地局101に応答する(ステップ304)。基地局101は、ハンドオーバー決定を行う(ステップ305)。そして、基地局101は、ユーザ機器109に対して、基地局102で使用する予約済みシグネチャと使用するRACHスロットを記載したハンドオーバ指示を送信する(ステップ306)。また、基地局101は、並行して基地局102へのハンドオーバ要求を開始する(ステップ307)。これには、通信パラメータも含まれる。基地局101は、ユーザ機器109が基地局102にアクセスする際のRACHスロットを知っており、そのスロット付近ではスケジューリングしない。)

引用文献4には、「基地局101は、ユーザ機器109に対して、基地局102で使用する予約済みシグネチャと使用するRACHスロットを記載したハンドオーバ指示を送信する(ステップ306)。」という記載によれば、引用文献4には、「基地局は、ユーザ機器に対して、他の基地局で使用する予約済みシグネチャと使用するRACHスロットを記載したハンドオーバ指示を送信する」という技術事項が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、以下のことがいえる。

ア 引用発明1の「ソースeNB」、「ターゲットeNB」、「UE」は、本願発明1の「ソース基地局」、「ターゲット基地局」、「ユーザ機器(UE)」に相当する。また、引用発明1の「アップリンクシグナルコンフィギュレーション」は、UEが基地局に対して送信を行うための設定情報であることは技術常識であるから、UE装置無線送信設定情報に含まれるといえるものであり、引用発明1の「アップリンクシグナルコンフィギュレーション」は、本願発明1の「UE装置無線送信設定情報」に含まれる。そして、引用発明1はソースeNBからターゲットeNBへUEのハンドオーバを行うものであるから、ソースeNBによって少なくとも通信というサービスが提供されているUEといえる。さらに、引用発明1の「アップリンクコンフィギュレーション」はソースeNBによって少なくとも通信というサービスが提供されているUEに関連するUE装置無線送信設定情報といえる。
そうすると、本願発明1の「ソース基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報をターゲット基地局に送信すること」と、引用発明1の「ソースeNBによって、UEに送信されたアップリンクシグナルコンフィギュレーションを、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBに通知し、」は、「ソース基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報をターゲット基地局に送信する」点で一致する。

イ 引用発明1のUEは、「TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルをターゲットeNBに送信」するものであって、当該送信は、UEに送信されたアップリンクシグナルコンフィギュレーションを使用して送信されるものであること、すなわちUEは、UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、アップリンクシグナルを送信するものであることは自明である。また、引用発明1は、UEが送信するアップリンクシグナルに基づいてTA計算を行うものであるから、アップリンクシグナルの送信は、本願発明1の第1の送信に相当する。
そうすると、本願発明1の「前記UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信すること」と、引用発明1の「UEは、TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルをターゲットeNBに送信し」は、「前記UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信すること」という点で一致する。

ウ 引用発明1の「TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナル」は「ターゲットeNB」に送信されるものであるから、ターゲットeNBは、TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルを受信するものであることは自明である。そして、上記「イ」で述べたとおり、引用発明1のアップリンクシグナルの送信は、本願発明1の第1の送信に相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「前記ターゲット基地局が、第1の送信を受信する」点で一致する。

エ 上記「ウ」で述べたとおり、引用発明1のターゲット基地局は、TA計算のために使用される設定されたアップリンクシグナルを受信するものであり、ターゲットeNBはタイミングアドバンスをソースeNBに通知するものであるから、ターゲット基地局において、アップリンクシグナル、すなわち第1の送信に基づいてTA計算が行われ、ここでTAとはタイミングアドバンスであることは明らかであるから、タイミングアドバンスが計算されるものといえる。そして、タイミングアドバンスを計算することは、ターゲットeNBとUEとのタイミング差を判定することであることは技術常識である。
そうすると、本願発明1と引用発明1は、「前記ターゲット基地局が、前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定する」点で一致する。

オ 引用発明1は「ソースeNBからターゲットeNBへのUEのハンドオーバを行う」ものである。
そうすると、本願発明1の「前記タイミング差を判定した後、前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置のハンドオーバを開始する」と引用発明1の「ソースeNBからターゲットeNBへのUEのハンドオーバを行う」は、「前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置のハンドオーバを行う」点で共通する。

以上を総合すると、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「ソース基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報をターゲット基地局に送信することと、
前記UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信することと、
前記ターゲット基地局が、第1の送信を受信することと、
前記ターゲット基地局が、前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定することと、
前記ソース基地局から前記ターゲット基地局への前記UE装置のハンドオーバを行うことと、を含む、方法。」

(相違点)
ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始することについて、本願発明1においては、「タイミング差を判定した後に、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始する」のに対し、引用発明においては、「ソースeNBによって、UEに送信されたアップリンクシグナルコンフィギュレーションを、ハンドオーバ要求メッセージでターゲットeNBに通知」しており、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバの開始が、タイミング差を判定した後であることが特定されていない点。

また、本願発明1と引用発明2とを対比すると、以下のことがいえる。

カ 引用発明2の「ソース基地局」、「ターゲット基地局」、「移動局」は、本願発明1の「ソース基地局」、「ターゲット基地局」、「ユーザ機器(UE)」に相当する。また、引用発明2の「予約済みRACHプリアンブル」は、ターゲット基地局に送信され、ターゲット基地局は、予約済みRACHプリアンブルを受信すると、移動局のタイミングアドバンスを計算するものであるから、予約済みRACHプリアンブルは、本願発明1の第1の送信に相当する。
そうすると、本願発明1の「前記UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信することと、」と引用発明2の「移動局は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局に送信し、」は、「UE装置が、第1の送信を送信する」点で共通する。

キ 上記「カ」で述べたとおり、引用発明2の「移動局は、予約済みRACHプリアンブルをターゲット基地局に送信」するものであるから、引用発明2のターゲット基地局は、移動局から、予約済みRACHプリアンブルを受信するものであることは自明である。また、上記「カ」で述べたとおり、引用発明2の「予約済みRACHプリアンブル」は、本願発明1の第1の送信に相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明2は、「ターゲット基地局が、第1の送信を受信する」点で一致する。

ク 引用発明2は「ターゲット基地局は、予約済みRACHプリアンブルを受信すると、移動局のタイミングアドバンスを計算する」ものである。そして、移動局のタイミングアドバンスとはターゲット基地局と移動局のタイミングの差であることは技術常識であり、上記「カ」でも述べたように、引用発明2の「予約済みRACHプリアンブル」は、本願発明1の第1の送信に相当するものであるから、引用発明2のターゲット基地局は、第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、移動局のタイミングアドバンスを計算するものであるといえる。
そうすると、本願発明2と引用発明2は、「前記ターゲット基地局が、前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定する」点で一致する。
以上を総合すると、本願発明1と引用発明2とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「 UE装置が、第1の送信を送信することと、
前記ターゲット基地局が、前記第1の送信を受信することと、
前記ターゲット基地局が、前記受信した第1の送信に少なくとも部分的に基づいて、前記ターゲット基地局と前記UE装置との間のタイミング差を判定することと、
ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを行うことと、を含む、方法。」

(相違点1)
ソース基地局について、本願発明1においては、「ソース基地局によってサービスが提供されているユーザ機器(UE)装置に関連するUE装置無線送信設定情報をターゲット基地局に送信する」のに対し、引用発明2においては、その発明特定事項が特定されていない点。

(相違点2)
UE装置について、本願発明1においては、「UE装置が、前記UE装置無線送信設定情報に関連付けられたUE装置無線送信設定を使用して、第1の送信を送信する」のに対し、引用発明2においては、その発明特定事項が特定されていない点。

(相違点3)
ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを行うことについて、本願発明1においては、「タイミング差を判定した後に、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始する」のに対し、引用発明2においては、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始することがタイミング差を判定する前であって、後であることが特定されていない点。

(2)新規性(特許法第29条第1項第3号)についての判断
本願発明1と引用発明1又は引用発明2は、上記「(1)」で説示した相違点、又は相違点1ないし相違点3で相違するから、本願発明1は引用発明1又は引用発明2であるとはいえない。

(3)進歩性(特許法第29条第2項)についての判断
引用発明1との相違点及び引用発明2との相違点3に係る本願発明1のソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始することについて「タイミング差を判定した後に、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始する」ものとする発明特定事項は、引用文献1ないし引用文献4には記載も示唆もされていない。また、本願優先日2016年8月12日の当該技術分野において周知技術であるともいえない。
よって、当業者といえども、引用発明1又は引用発明2において、上記引用発明1との相違点及び上記引用発明2との相違点3に係る本願発明1のソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始することについて「タイミング差を判定した後に、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始する」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。
したがって、上記引用発明2の相違点1及び相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2、3、7について
本願発明2、3、7は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1並びに引用文献3及び引用文献4、又は引用発明2並びに引用文献3及び引用文献4に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明4ないし6について
本願発明4ないし6は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1又は引用発明2に記載された発明ではないし、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明8について
本願発明1の「タイミング差を判定した後、ソース基地局からターゲット基地局へのUE装置のハンドオーバを開始すること」に対応する本願発明8の「ハンドオーバは、タイミング差が判定された後に他の基地局によって開始される」は、本願発明1と同じ理由により、引用発明1又は引用発明2に記載された発明ではないし、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5.本願発明9及び10について
本願発明9及び10は、本願発明8の発明特定事項を全て含むから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1並びに引用文献3及び引用文献4、又は引用発明2並びに引用文献3及び引用文献4に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6.本願発明11ないし13について
本願発明11ないし13は、本願発明8の発明特定事項を全て含むから、本願発明8と同じ理由により、引用発明1又は引用発明2に記載された発明ではないし、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

7.本願発明14ないし20について
本願発明14、18ないし20は、本願発明1に記載の方法をシステムとして記載し、一部の処理を各部位が動作するように記載したものであって、上記1.で説示した相違点に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1又は引用発明2に記載された発明ではないし、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
本願発明15ないし17は、本願発明1に記載の方法をシステムとして記載し、それぞれの処理を各部位が動作するように記載したものであって、上記1.で説示した相違点に係る本願発明1の発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1並びに引用文献3及び引用文献4、又は引用発明2並びに引用文献3及び引用文献4に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1、4ないし6、8,11ないし14、18ないし20は、引用発明1又は引用発明2に記載された発明ではないし、当業者が引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本願発明2、3、7、9,10、15ないし17は、当業者が引用発明1並びに引用文献3及び引用文献4、又は引用発明2並びに引用文献3及び引用文献4に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-05-12 
出願番号 特願2019-506488(P2019-506488)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
P 1 8・ 113- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 青木 健  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 本郷 彰
國分 直樹
発明の名称 RACH-lessハンドオーバのためのターゲット基地局によるタイミングアドバンスの決定  
代理人 キュリーズ特許業務法人  
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