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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04M 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 取り消して特許、登録 H04M |
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管理番号 | 1374145 |
審判番号 | 不服2020-13729 |
総通号数 | 259 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-09-30 |
確定日 | 2021-06-02 |
事件の表示 | 特願2019- 54022「音声/ビデオ記録通信装置からのビデオ映像のシェアリング」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月10日出願公開,特開2019-176469,請求項の数(14)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2017年2月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年2月26日 米国,2016年8月18日 米国)を国際出願日とする特願2018-544856号の一部を平成31年3月22日に新たな特許出願としたものであって,令和2年1月14日付けで拒絶理由が通知され,令和2年3月19日に手続補正がなされ,令和2年5月27日付けで拒絶査定がされ,令和2年9月30日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年9月30日の手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の内容 本件補正は,特許請求の範囲を 「【請求項1】 第1の音声/ビデオ記録通信(A/V)装置,前記第1のA/V装置と関連付けられた第1のクライアント装置,複数の他のA/V装置,ならびにプロセッサ及びコードを記憶するメモリを有するネットワーク装置の間で通信するためのシステムであって, 前記コードが前記プロセッサによって実行されると,前記ネットワーク装置は, 前記第1のA/V装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって撮影によって取り込まれた画像の第1ビデオ信号を受信し, 前記第1のクライアント装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって取り込まれた画像が,前記複数の他のA/V装置と関連付けられた1人以上のユーザーとシェアされることを示すシェア信号を受信し, 前記第1のクライアント装置から前記シェア信号を受信することに応えて,前記複数の他のA/V装置の中から,前記第1のA/V装置が第2のA/V装置から所定距離内にあると判断し, 前記第2のA/V装置と関連付けられた第2のクライアント装置にシェア通知信号を送信する, システム。 【請求項2】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記シェア通知信号に応えて前記第2のクライアント装置からプレイバック要求信号を受信するためのコードを記憶する,請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記プレイバック要求信号に応えて前記第2のクライアント装置に,前記第1のA/V装置の前記カメラによって取り込まれる前記画像を含んだ第2ビデオ信号を送信するためのコードを記憶する,請求項2に記載のシステム。 【請求項4】 前記第1のクライアント装置からの前記シェア信号が,前記第1のA/V装置の前記カメラによって取り込まれる前記画像を説明するテキストを含む,請求項3に記載のシステム。 【請求項5】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記第2のクライアント装置に,前記シェア通知信号とともに前記テキストを送信するためのコードを記憶する,請求項4に記載のシステム。 【請求項6】 前記所定距離が,前記第2のA/V装置のユーザーによって構成可能である,請求項1に記載のシステム。 【請求項7】 前記第1のA/V装置及び前記第2のA/V装置のうちの少なくとも1つが音声/ビデオ通信ドアベルである,請求項1に記載のシステム。 【請求項8】 前記第1のクライアント装置及び前記第2のクライアント装置のうちの少なくとも1つがスマートフォンである,請求項1に記載のシステム。 【請求項9】 前記ネットワーク装置がサーバである,請求項1に記載のシステム。 【請求項10】 前記ネットワーク装置が,1つ以上のネットワークサービスを備える,請求項1に記載のシステム。 【請求項11】 第1の音声/ビデオ記録通信(A/V)装置,前記第1のA/V装置と関連付けられた第1のクライアント装置,複数の他のA/V装置,ならびにネットワーク装置の間で通信するための方法であって, 前記ネットワーク装置が,前記第1のA/V装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって撮影によって取り込まれた画像を受信することと, 前記ネットワーク装置が,前記第1のクライアント装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって取り込まれる画像が,前記複数の他のA/V装置と関連付けられた1人以上のユーザーとシェアするための命令を受信することと, 前記第1のクライアント装置から前記命令を受信することに応えて,前記ネットワーク装置が,前記複数の他のA/V装置の中から,前記第1のA/V装置が第2のA/V装置から所定距離内にあると判断することと, 前記ネットワーク装置が,前記第2のA/V装置と関連付けられた第2のクライアント装置にシェア通知信号を送信することと, を含む,方法。 【請求項12】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記シェア通知信号に応えて前記第2のクライアント装置からプレイバック要求信号を受信することを含む,請求項11に記載の方法。 【請求項13】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記プレイバック要求信号に応えて前記第2のクライアント装置に,前記第1のA/V装置の前記カメラによって取り込まれる前記画像を送信することを含む,請求項12に記載の方法。 【請求項14】 前記ネットワーク装置が,前記第1のクライアント装置から,前記第1のA/V装置によって取り込まれる前記画像を説明するテキストを受信する,請求項13に記載の方法。 【請求項15】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記第2のクライアント装置に前記テキストを送信することを含む,請求項14に記載の方法。 【請求項16】 前記所定距離が,前記第2のA/V装置のユーザーによって構成可能である,請求項11に記載の方法。 【請求項17】 前記第1のA/V装置及び前記第2のA/V装置のうちの少なくとも1つが音声/ビデオ通信ドアベルである,請求項11に記載の方法。 【請求項18】 前記第1のクライアント装置及び前記第2のクライアント装置のうちの少なくとも1つがスマートフォンである,請求項11に記載の方法。 【請求項19】 前記ネットワーク装置がサーバである,請求項11に記載の方法。 【請求項20】 前記ネットワーク装置が,1つ以上のネットワークサービスを備える,請求項11に記載の方法。」(以下,「補正前発明」という。) から 「【請求項1】 一以上のプロセッサ及び命令を記憶する一以上のメモリを有するシステムであって, 前記命令が前記プロセッサによって実行されると,前記プロセッサ装置は, 第1の音声/ビデオ記録通信(A/V)装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって撮影によって取り込まれた画像のビデオデータを受信し, 第1のクライアント装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって取り込まれたビデオデータが,1人以上のユーザーとシェアできることを示すシェア信号を受信し, 前記第1のクライアント装置から前記シェア信号を受信することに応えて,前記第1のA/V装置が第2のA/V装置が含まれる領域内にあると判断し, 前記第2のA/V装置が第2のクライアント装置に関連していることを判断し, 前記第2のA/V装置が前記第2のクライアント装置に関連している判断に基づいて,前記第2のクライアント装置にシェア通知信号を送信する, システム。 【請求項2】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記第2のクライアント装置からプレイバック要求信号を受信する動作を実行させる命令を記憶する,請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記プレイバック要求信号に応えて前記第2のクライアント装置に,前記ビデオデータを送信する動作を実行させる命令を記憶する,請求項2に記載のシステム。 【請求項4】 前記第1のクライアント装置からの前記シェア信号が,前記第1のA/V装置の前記カメラによって取り込まれる前記画像を説明するテキストを表示する,請求項3に記載のシステム。 【請求項5】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記第2のクライアント装置に,前記テキストを送信する動作を実行させる命令を記憶する,請求項4に記載のシステム。 【請求項6】 前記メモリがさらに,前記プロセッサによって実行されると,前記第2のA/V装置の領域を表すデータを受信する動作を実行させる命令を記憶する,請求項1に記載のシステム。 【請求項7】 前記第1のA/V装置が音声/ビデオ通信ドアベルである,請求項1に記載のシステム。 【請求項8】 ネットワーク装置が,第1のA/V装置から,前記第1のA/V装置のカメラによって撮影によって取り込まれた画像を表示するビデオデータを受信することと, 前記ネットワーク装置が,第1のクライアント装置から,ビデオデータが,1人以上のユーザーとシェアすることができるシェア信号を受信することと, 前記第1のクライアント装置から前記シェア信号を受信することに応えて,前記ネットワーク装置が,前記第1のA/V装置が第2のA/V装置を含む領域内にあると判断することと, 前記ネットワーク装置が,前記第2のA/V装置と関連付けられた第2のクライアント装置を判断することと, 前記第2のA/V装置が前記第2のクライアント装置に関連している判断に基づいて,前記ネットワーク装置が,前記第2のクライアント装置にシェア通知信号を送信することと, を含む,方法。 【請求項9】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記第2のクライアント装置からプレイバック要求信号を受信することを含む,請求項8に記載の方法。 【請求項10】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記プレイバック要求信号に応えて前記第2のクライアント装置に,前記ビデオデータを送信することを含む,請求項9に記載の方法。 【請求項11】 前記ネットワーク装置が,前記第1のクライアント装置から,前記画像を説明するテキストを受信する,請求項10に記載の方法。 【請求項12】 さらに,前記ネットワーク装置が,前記第2のクライアント装置に前記テキストを表すデータを送信することを含む,請求項11に記載の方法。 【請求項13】 前記第2のA/V装置から前記領域を表すデータを受信する,請求項8に記載の方法。 【請求項14】 前記第1のA/V装置が音声/ビデオ通信ドアベルである,請求項8に記載の方法。」(以下,「補正後発明」という。) へ補正するものである。 2.本件補正の適否の判断 本件補正は,請求項1に係る発明の対象となるシステムについて,補正前発明の「第1の音声/ビデオ記録通信(A/V)装置,前記第1のA/V装置と関連付けられた第1のクライアント装置,複数の他のA/V装置,ならびにプロセッサ及びコードを記憶するメモリを有するネットワーク装置の間で通信するためのシステム」を,補正後発明の「一以上のプロセッサ及び命令を記憶する一以上のメモリを有するシステム」とするものであって,「通信するためのシステム」からプロセッサ及びメモリを有する単体のシステムに変更するものであるから,特許請求の範囲の減縮には該当しない。 また,請求項の削除でなく,誤記の訂正でなく,明瞭でない記載の釈明でないことも明らかであるから,特許法17条の2第5項のいずれの目的にも該当しない。 3.むすび したがって,本件補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 令和2年9月30日の手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1-20に係る発明は,令和2年3月19日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定されるとおりのもの(補正前発明)である。 そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-05-18 |
出願番号 | 特願2019-54022(P2019-54022) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04M)
P 1 8・ 57- WY (H04M) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石井 則之 |
特許庁審判長 |
佐藤 智康 |
特許庁審判官 |
吉田 隆之 丸山 高政 |
発明の名称 | 音声/ビデオ記録通信装置からのビデオ映像のシェアリング |
代理人 | 伊藤 信和 |