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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08F
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08F
管理番号 1374864
異議申立番号 異議2019-700551  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-07-12 
確定日 2021-03-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6454745号発明「冷水可溶性ポリビニルアルコール/アルキルアクリレートコポリマーおよびそれらのフィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6454745号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-10〕について訂正することを認める。 特許第6454745号の請求項2、3及び7に係る発明の特許に対する特許異議の申立てを却下する。 特許第6454745号の請求項1、4?6、8?10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
(1)特許異議申立の経緯
特許第6454745号(請求項の数10。以下、「本件特許」という。)は、平成23年12月16日(優先権主張:平成22年12月22日)を国際出願日とする特許出願(特願2013-546257号)の一部を、平成27年11月4日に新たな出願とした特許出願(特願2015-216584号)の一部を、平成29年3月22日に新たな出願としたものであって、平成30年12月21日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は、平成31年1月16日である。)。
その後、令和1年7月12日に、本件特許の請求項1?10に係る特許に対して、特許異議申立人である株式会社クラレ(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。
手続の経緯は以下のとおりである。
令和1年 7月12日 特許異議申立書
同年11月18日付け 取消理由通知書、審尋
令和2年 2月17日 意見書・回答書(特許権者)
同年 7月 2日付け 取消理由通知書(決定の予告)
同年10月 1日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年10月29日付け 通知書(申立人あて)
同年12月 7日 意見書(申立人)

(2)証拠方法
ア 申立人が提出した証拠方法は、以下のとおりである。
(ア)特許異議申立書に添付した証拠
・甲第1号証 国際公開第2007/021641号
・甲第2号証 デュポン社Elvanol^(R)(原文は○の中にRの文字である。以下同様に記載する。)80-18の製品データシート 2005年
・甲第3号証 実験結果報告書 株式会社クラレ、新居真輔作成 2019年6月26日
・甲第4号証 宣誓に代わる宣言 デュポン社 Dr.G.Michael Collins氏作成 2019年4月24日
・甲第4a号証 デュポン社Elvanol^(R)80-18の製品データシート 2005年
・甲第4b号証 Elvanol^(R)80-18の分析証明書 Melanie Miller氏作成 2002年10月24日
・参考資料1 ヨーロッパ特許2655447号に関するRichard Vicari氏のレポート

(イ)令和2年12月7日に提出した意見書に添付した証拠
・参考資料2 Tohei Moritani 外1名著、Functional modification of poly(vinyl alcohol)by copolymerization:1. Modification with carboxylic monomers、POLYMER Vol.38 No.12 1997年、p2933?2945

以下、「甲第1号証」?「甲第4b号証」を「甲1」?「甲4b」といい、「参考資料1」及び「参考資料2」を「参1」及び「参2」という。

第2 訂正の適否についての判断
特許権者は、特許法第120条の5第1項の規定により審判長が指定した期間内である令和2年10月1日に訂正請求書を提出し、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1?10について訂正することを求めた(以下「本件訂正」という。また、本件願書に添付した明細書及び特許請求の範囲を「本件明細書等」という。)。

1 訂正の内容
(1)訂正事項1
訂正前の請求項1に「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、アルキルアクリレート単位を含み、コポリマー自体が3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、上記コポリマー、」とあるのを、
「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含み、かつアルキルアクリレートがメチルアクリレートであり、コポリマー自体が3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、上記コポリマー、」に訂正する。

(2)訂正事項2
訂正前の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
訂正前の請求項3を削除する。

(4)訂正事項4
訂正前の請求項7を削除する。

(5)一群の請求項
訂正事項1?4に係る訂正前の請求項1?10について、請求項2?10はそれぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
よって、本件訂正は、一群の請求項に対してなされたものである。

2 判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1におけるアルキルアクリレート単位の含有割合を「4?8モル%」と限定し、「アルキルアクリレートがメチルアクリレートであ」ると限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
本件明細書等の【0014】には、「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレートとの、冷水可溶性の実質的にランダムなコポリマーが提供され、このコポリマーは、・・・好ましいクラスでは4?8モル%のAAを含む。」と記載され、また、同【0015】には、「AAは、メチルアクリレート(MA)、・・・から選択するのが適切である」と記載されているから、訂正事項1による訂正は本件明細書等に記載した事項の範囲内であるといえ、また、実質上特許請求の範囲の拡張又は変更に当たらないことは明らかである。

(2)訂正事項2?4について
ア 訂正の目的、新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項2?4による訂正は、請求項2、3及び7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更に当たらないことは明らかである。

(3)申立人の主張
申立人は、令和2年12月7日に提出した意見書において、特許権者が平成30年8月23日に審査段階において提出した意見書に「本願発明のコポリマーは、ラクトン基の型において・・・アルキルアクリレート単位を有しています。」と記載があるから、本件発明におけるアルキルアクリレート単位はラクトン基の型におけるアルキルアクリレート単位を意味するといえる。そして、本件明細書の段落【0014】には、ラクトン基の型におけるアルキルアクリレート単位が「4?8モル%」であることは記載されていないから、アルキルアクリレート単位の含有割合を「4?8モル%」とする訂正は当初明細書等に記載されていない旨を主張する(意見書第9頁第7行?第11頁第7行)。
そこで、この点について検討するが、申立人の主張は、本件発明のコポリマーは、ラクトン基の型におけるアルキルアクリレート単位を有することを前提とする主張であるところ、本件明細書等には、本件発明のコポリマーは、アルキルアクリレート単位がラクトン基の型であることは記載されていないから、申立人の主張は、その前提において誤りである。念のため、申立人が主張する前提に立って検討するが、本件明細書等に、アルキルアクリレート単位がラクトン型であることが具体的に明示されていなくても、上記(1)イで述べたとおり、段落【0014】には4?8モル%のAAを含むことが記載されているので、訂正事項1は新規事項の追加には当たらないといえる。
よって、申立人の主張は採用できない。

(4)まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1?4による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる目的に適合し、また、同法同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するから、本件訂正を認める。

第3 特許請求の範囲の記載
上記のとおり、本件訂正は認められたので、特許第6454745号の特許請求の範囲の記載は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1?10に記載される以下のとおりのものである。(以下、請求項1?10に記載された事項により特定される発明を「本件発明1」?「本件発明10」といい、まとめて「本件発明」ともいう。)

「【請求項1】
ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含み、かつアルキルアクリレートがメチルアクリレートであり、コポリマー自体が3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、上記コポリマー、ここで、前記冷水フィルム溶解時間は、76μm×2.3cm×3.4cmの寸法のフィルムをスライドフレームに据え付け、温度を21℃±1℃に保持した撹拌下の400mlの水中にフィルムを浸漬させ、フィルムの残留ストリングとフィルム粒子がフレーム上に残らなくなるまでの合計時間である。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】
コポリマーが2分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項5】
コポリマーが1分以下の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項6】
コポリマーが単峰性GPECクロマトグラムを有する、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項7】(削除)
【請求項8】
請求項1に記載のコポリマーから製造されるフィルム。
【請求項9】
10ミクロン?400ミクロンの厚さを有する、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
ビニルアセテートから誘導されるモノマー単位を少なくとも75モル%有する請求項1に記載のコポリマー。」

第4 特許異議申立理由及び取消理由の概要
1 取消理由通知の概要
(1)当審が令和1年11月18日付け取消理由通知で通知した取消理由の概要は、以下に示すとおりである。
ア 取消理由1
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10の記載は、同各項に記載された特許を受けようとする発明が、概略、下記の点で発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第36条第6項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。

本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明は、ビニルアルコールとアルキルアクリレートとの実質的にランダムなコポリマーのうち、アルキルアクリレートの含有割合とアルキルアクリレートの種類が特定されていない発明であるところ、本件明細書等には、アルキルアクリレートの含有割合及びアルキルアクリレートの種類が特定されていない発明の課題を解決できることを当業者が認識できるように記載されているとはいえない。また、記載や示唆がなくとも当業者であれば認識できるという本件出願時の技術常識も存在しない。

(2)当審が令和2年7月2日付け取消理由通知(決定の予告)で通知した取消理由の概要は、以下に示すとおりである。
ア 取消理由2(令和2年7月2日付け取消理由通知では取消理由1と記載したが、ここでは取消理由2と記載する。)
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10の記載は、同各項に記載された特許を受けようとする発明が、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第36条第6項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。
そして、この取消理由2は、上記「(1)ア 取消理由1」と同旨である。

2 特許異議申立理由の概要
申立人が特許異議申立書でした申立の理由の概要は、以下に示すとおりである。
(1)申立理由1
本件訂正前の請求項1?10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物である甲1に記載された発明であり、また、本件訂正前の請求項1?8及び10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物である甲2に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第29条の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。

(2)申立理由2
本件訂正前の請求項1?10に係る発明は、本件優先日前に頒布された刊行物である甲1に記載された発明及び甲2?甲4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件優先日前に頒布された刊行物である甲2に記載された発明並びに甲1、甲3及び甲4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるからから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第29条の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。

(3)申立理由3
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10の記載は、同各項に記載された特許を受けようとする発明が、下記の点で発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないから、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第36条第6項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。

ア 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が解決しようとする課題は最良の水溶性を有するフィルムを提供することであるといえるところ、この課題は、ビニルアルコール(VOH)とアルキルアクリレート(AA)との冷水可溶性の実質的にランダムなコポリマーにより解決されるといえる。ここで、実質的にランダムなコポリマーは、GPEC分析により単一ではないポリマーピークを示すコポリマーも含まれるが、単一でないポリマーピークを示すコポリマーは曖昧であり、このような曖昧なコポリマーが発明の課題を解決できるか明らかではない。

イ 本件明細書等の実施例1?10では、特定のコポリマーの場合に発明の課題が解決できたことが記載されている。そして、メチルアクリレートの含有量、ビニルアクリレートの含有量、4%粘度がコポリマーの冷水溶解性に影響を及ぼすことが技術常識であるとすれば、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えたものである。

(4)申立理由4
本件訂正前の明細書の発明の詳細な説明は、下記の点で、当業者が本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえないから、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に適合するものではない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。

ア 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る広範なコポリマーを製造し、実質的にランダム性を評価するために冷水溶解時間及びGPEC分析を実施することは当業者に対して過度の負担を強いる。

イ 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る実質的にランダムなコポリマーは、GPEC分析により単一ではないポリマーピークを示すコポリマーも含まれるが、単一でないポリマーピークを示すコポリマーとは曖昧であり、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明を実施できない。

(5)申立理由5
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10の記載は、同各項に記載された特許を受けようとする発明が、下記の点で明確とはいえないから、特許法第36条第6項第2号に適合するものでない。
よって、本件訂正前の請求項1?10に係る発明の特許は、同法第36条第6項に規定する要件を満たさない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。

ア 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー」と記載されているが、VAMとAAとを共重合させることだけではVOHとAAとのコポリマーを製造することはできない。したがって、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は明確でない。

イ 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、「実質的にランダムなコポリマー」と記載されているが、「実質的にランダム」とは、具体的にどの程度のランダム性まで含むのか不明である。また、図1及び図2の記載をみても明確でない。

第5 当審の判断
当審は、請求項2、3及び7に係る特許については、特許異議申立を却下することとし、また、当審が通知した取消理由1及び2並びに申立人がした申立理由1?5によっては、いずれも、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできないと判断する。
その理由は以下のとおりである。

1 申立ての却下
上記第2及び第3で示したとおり、請求項2、3及び7は、本件訂正により削除されているので、請求項2、3及び7についての申立てを却下する。

2 取消理由通知の理由について
(1)取消理由1及び2について
取消理由1及び2は、上記「第4 1(2)ア」で述べたように同旨であるので併せて検討する。

ア 特許法第36条第6項第1号の考え方について
特許法第36条第6項は、「第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。」と規定し、その第1号において「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」と規定している。同号は、明細書のいわゆるサポート要件を規定したものであって、特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
以下、この観点に立って検討する。

イ 本件発明の課題について
発明の詳細な説明の段落【0007】及び明細書全体の記載からみて、本件発明1、4?6及び10の課題は、大幅に改良された冷水可溶性を有するビニルアルコールとアルキルアクリレートとの実質的にランダムなコポリマーを提供することであると認められ、また、本件発明8及び9の課題は、大幅に改良された冷水可溶性を有するビニルアルコールとアルキルアクリレートとの実質的にランダムなコポリマーから製造されるフィルムを提供することであると認められる。

ウ サポート要件の充足性について
(ア)本件発明について
本件発明1は、上記「第3」で述べたとおり、「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含み、かつアルキルアクリレートがメチルアクリレートであり、コポリマー自体が3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、上記コポリマー、ここで、前記冷水フィルム溶解時間は、76μm×2.3cm×3.4cmの寸法のフィルムをスライドフレームに据え付け、温度を21℃±1℃に保持した撹拌下の400mlの水中にフィルムを浸漬させ、フィルムの残留ストリングとフィルム粒子がフレーム上に残らなくなるまでの合計時間である。」で特定される発明である。

(イ)発明の詳細な説明の記載について
発明の詳細な説明の段落【0007】には、鹸化すると、コモノマー組成分布が実質的にランダムであるPVOHは、大幅に改良された冷水可溶性を有することが記載され、このコモノマー組成分布が実質的にランダムであるPVOHとは、ビニルアルコールとアルキルアクリレートのコポリマーであるといえる。
また、同【0011】には、勾配極性溶出クロマトグラフ〔Gradient Polarity Elution Chromatograph(“GPEC”)〕の図面である図1は、本発明のポリビニルアルコール-メチルアクリレートコポリマーのGPECトレースであること、水溶解性がかなり高いこと、この溶出ポリマー組成物は、実質的に単一のピークによって示されていることが記載されている。また、図2は、水溶解性が不確かであること、ピークは、図1の場合と同様に実質的なランダム性を示していることが記載されている。さらに、図3は、水溶解性が低いことを示している。別個のピークが現れ始めることが記載されている。
さらに、【0014】には、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレートとの、冷水可溶性の実質的にランダムなコポリマーが提供されることが記載され、本発明のコポリマーは、好ましいクラスでは4?8モル%のAAを含むことが記載され、同【0015】には、AAは、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、およびこれらの混合物から選択するのが適切である(特に、メチルアクリレートまたはエチルアクリレート)ことが記載されている。
そして、同【0030】以降の実施例においては、ビニルアセテートモノマーとメチルアクリレートとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコールとメチルアクリレートとの冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、4.1?7.6モル%のメチルアクリレート単位を含むコポリマーが、請求項1に記載された方法で特定される冷水フィルムの溶解時間が3分未満を大きく下回り大幅に改良された冷水可溶性を有することが具体的なデータとともに記載されている。

(ウ)令和2年2月17日に提出した回答書における説明
特許権者は、令和2年2月17日に提出した回答書において、本件明細書等の図2に示されるコポリマーについて、コポリマー中のMAの割合は4.7モル%、転化率は56%、加水分解率は95モル%、4%粘度は17cps、特徴的冷水フィルム溶解時間は52秒であると回答した。
これにより、図2で示されるコポリマーは、本件発明1の具体例であると確認できる。

(エ)判断
上記(ア)で述べたとおり、本件訂正により、本件発明のうちアルキルアクリレート単位の含有割合は「4?8モル%」と限定され、また、アルキルアクリレートは「メチルアクリレート」であると限定された。
そして、本件発明1は、上記(イ)で示した発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえ、取消理由1及び2が解消したことは明らかである。

エ 小括
よって、取消理由1及び2によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。

3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立人がした申立理由について
(1)申立理由1及び2について
ここでは、特許異議申立人がした申立理由1及び2のうち、甲1を主引用例とした場合を併せて検討し、また、甲2を主引用例とした場合を併せて検討する。

ア 各甲号証の記載事項について
(ア)甲1について
甲1には以下の事項が記載されている。甲1の翻訳文は、申立人が提出した抄訳文を参考にして当審が作成した。
(1a)「発明の概要
本発明は、予備計量された量の安定化ペルオキシ一硫酸水素カリウムおよびバッファーを密封水溶性パウチ中に含む酸化剤を包含し、該パウチは、ビニルアセテートと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらのエステルの少なくとも1種との加水分解コポリマーを含む。」(第2頁第18?23行)

(1b)「本発明は、再循環水(特にスイミングプールおよびスパ)の処理において使用される、水溶性パウチ中にパッケージ化された安定化ペルオキシ一硫酸水素カリウムを含む、貯蔵安定な予備パッケージ化された酸化剤ブレンドを提供する。・・・具体的には、パウチに使用される冷水溶解性フィルムは、ビニルアセテートと第2アニオン性モノマーとの加水分解コポリマーを含む樹脂から作られる。このようなコポリマーフィルム中のポリ(ビニルアセテート)の加水分解度は高く、例えば>98%である。」(第4頁第3?10行)

(1c)「本発明において使用されるコポリマーフィルムの組成物は、ビニルアセテートと少なくとも1種のアクリル酸、アクリレートエステル、メタクリル酸、メタクリレートエステル、・・・との加水分解コポリマーを含む。アクリル酸のエステルが好ましく、メチルアクリレートがより好ましい。」(第4頁第13?17行)

(1d)「ビニルアセテートとメチル(メタ)アクリレートとのコポリマーは、・・・製造することができる。アクリル系コモノマーの量は、・・・好ましくは約2?約8モル%であり、より好ましくは約4?約6モル%である。コポリマーがメタノール中でトランスエステル化される際、カルボキシル基が隣接するアルコール基と反応し、ポリマー鎖に沿ってラクトン構造を形成し、・・・ラクトン形態のコポリマーは温水溶解性であるが冷水溶解性ではない。水の存在下で塩基性物質を用いる続く反応において、ラクトンの加水分解が起こり、カルボキシレート塩形態となり、これはフィルム形状において冷水溶解性である。」(第4頁第19?29行)

(1e)「好ましいフィルムを製造するための反応を以下に反応順序1に示す。

」(第5頁第1行?反応順序1)

(1f)「前記コポリマー及び上記の任意の添加剤を、約30?約100%、好ましくは約60?約80%の化学量論量の塩基(例えばアミンまたはアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム)と共に水中でスラリー化し、反応順序1に示されるように、ラクトンを加水分解する。該スラリーを70?100℃に加熱し、ポリマーを溶解させてラクトンを加水分解させる。冷水可溶性かつ加水分解形態のコポリマーを含有する溶液は、任意の従来法を用いて、フィルムへと溶液キャストされる。
・・・
フィルム、すなわち、形成されたパッケージに対する好ましい要求は、比較的短時間に水中に完全に溶解できることである。本発明の好ましいフィルムは、約1.5ミル(約0.038mm)の厚さを有する。本発明において有用なフィルムは、約10℃の水に150秒以下、好ましくは60秒以下の溶解時間を有する。」(第6頁第4?26行)

(1g)「材料と試験方法
以下の材料を本明細書の実施例において使用した。
フィルム1は、加水分解された酢酸ビニル及びアクリル酸メチルの水溶性コポリマーフィルムであり、約95モル%の酢酸ビニル/ビニルアルコールと約5モル%のアクリル酸メチルを含有し、98%を超える加水分解レベルであり、インディアナ州のポルテージにあるモノソルLLCから入手可能である。」(第11頁第14?19行)

(イ)甲2について
甲2には以下の事項が記載されている。甲2の翻訳文は、申立人が提出した抄訳文を参考にして当審が作成した。

(2a)「デュポン^(TM) Elvanol^(R)80-18
ポリビニルアルコール
製品データシート」(表題)

(2b)「説明
Elvanol^(R)80-18はポリビニルアルコールと他のモノマーとのユニークなコポリマーである。
Elvanol^(R)80-18は、苛性物質と適当に反応させる場合、最終製品において冷水溶解性を与えるように設計されている。」(第1頁左欄第1?5行)

(2c)「Elvanol^(R)80-18の代表的特性
粘度、cps^(1) 17.0-23.0
溶液、pH 5.0-7.0
揮発分、重量%、最大 5.0
灰分、重量%、最大^(2) 0.70
????????????????
^(1) 20℃(68°F)での4%固形分水溶液の、mPa.s(cP)における粘度
^(2) 乾燥量基準、Na_(2)Oとして計算」(第1頁左欄の表)

(2d)「推奨される用途
Elvanol^(R)80-18は、供給時において冷水溶解性ではないが、冷水中での最終製品の迅速な溶解が要求される用途において使用するに適している。これらの用途としては、冷水溶液中で処理される洗剤又は他の製品を含有するサシェ用のフィルムが挙げられる。これによって、化学物質との接触が除去され得るか、又は、予備計量された投与がもたらされ得る。冷水溶解性を有するためには、Elvanol^(R)80-18を適当な割合の苛性物質と反応させねばならない。さらなる詳細については、デュポン技術者にお問合せ下さい。」(第1頁左欄第6?15行)

(ウ)甲3について
甲3は、株式会社クラレの新居真輔が作成した実験結果報告書であって、甲3には、Elvanol^(R)80-18及びElvanol^(R)80-18のラクトン環開環物の勾配溶出クロマトグラフィーの分析結果並びにElvanol^(R)80-18のラクトン環開環物から製造されたフィルムの冷水溶解時間が記載されている。

(エ)甲4について
甲4には以下の事項が記載されている。甲4の翻訳文は、申立人が提出した抄訳文を参考にして当審が作成した。
(4a)「宣誓に代わる宣言
・・・
私、Dr.G.Michael Collinsは、宣誓に代えて以下を宣言する:」

(4b)「1.現在及び1989年の9月から、私は、まず初めにイー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー(・・・)において、次に、・・・クラレアメリカ(・・・)において主席エンジニアを務めている。私の大学の学位は、化学工業における理学士号、化学工業における修士号、および、1987年に与えられた化学工業における博士号である。1987年から現在まで、私は研究開発を中心にポリマー技術の分野で働いている。」

(4c)「3.デュポン及びクラレアメリカの主席エンジニアとして、私は、彼らのポリビニルアルコールポリマー製品の歴史に精通しており、歴史的な記録及びデータを利用することができる。
4.2002年、デュポンは、ポリビニルアルコール(PVOH)/メチルアクリレート(MA)コポリマーを、Elvanol^(R)の商標名のもとで供給した。Elvanol^(R)80-18の製品データシートをここに添付する。この製品データシートは、2005年から配布されていた。Elvanol^(R)80-18は、8.5?10重量%のメチルアクリレート、61?71の範囲の鹸化価、および17.0?23.0cpsの範囲の粘度を有するPVOH/MAコポリマーである。
5.この記載と一致する、Elvanol^(R)80-18(lot L2G011)の分析証明書(2002年10月24日付け)をここに添付する。分析証明書に示されるように、Elvanol^(R)80-18(lot L2G011)は、9.3重量%のメチルアクリレート(これはElvanol^(R)80-18中でラクトン環を構成する)を含み、67.05の鹸化価及び18.7cpsの粘度を有していた。9.3重量%のメチルアクリレートは、5.1モル%のメチルアクリレートに相当する。L2G011のElvanol^(R)80-18は、少なくとも90モル%のビニルアルコール単位を含んでいた。
6.Elvanol^(R)80-18のロット番号L2G009は、L2G011からロット番号が2つ離れており、lot L2G011と同時代に製造された。通常業務に従い保管されている記録によれば、ロット番号L2G009のElvanol^(R)80-18の特性は次のとおりである:

メチルアクリレート 重量%(モル%) 9.7(5.3)
鹸化価 69.48
ビニルアルコール単位(モル%) 90より大
pH 6.18
粘度(cps) 19.6
揮発分、重量% 0.78
灰分、重量% 0.51
残留メタノール、重量% 0.60
PEG200、重量% 1.5」

イ 各甲号証に記載された発明について
(ア)甲1に記載された発明について
甲1には、発明の概要に、水溶性パウチ中に酸化剤を包含することが記載され、該パウチに使用するコポリマーとしてビニルアセテートと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらのエステルの少なくとも1種との加水分解コポリマーを含むことが記載されている(摘記(1a))。また、加水分解することにより冷水溶解性となることが記載されている(摘記(1d))。そして、実施例において用いる材料のうちパウチに使用するフィルムとして、加水分解された酢酸ビニル及びアクリル酸メチルの水溶性コポリマーフィルムが記載され、約95モル%の酢酸ビニル/ビニルアルコールと約5モル%のアクリル酸メチルを含有し、98%を超える加水分解レベルであるコポリマーが記載されている(摘記(1g))。

そうすると、甲1の実施例に着目すると、甲1には、「酢酸ビニル及びアクリル酸メチルからなるコポリマーを98%を超えるレベルで加水分解して得られた冷水溶解性コポリマーであって、約95モル%の酢酸ビニル/ビニルアルコールと約5モル%のアクリル酸メチルを含有する冷水溶解性コポリマー」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(イ)甲2に記載された発明について
甲2は、デュポン^(TM) Elvanol^(R)80-18の製品データシートであり、そこには、Elvanol^(R)80-18はポリビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーであること、苛性物質と適当に反応させる場合、最終製品において冷水溶解性を与えることが記載されている(摘記(2a)及び(2b))。

そうすると、甲2には、「ポリビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーを苛性物質と反応させた冷水溶解性コポリマー」の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

ウ 対比・判断
(ア)本件発明1について
a 甲1を主引用例とした場合について
(a)対比
甲1発明の「酢酸ビニル」は、本件発明1の「ビニルアセテートモノマー」に相当し、また、甲1発明の「アクリル酸メチル」は、本件発明1の「アルキルアクリレート」であって「メチルアクリレート」に相当する。
甲1発明の「酢酸ビニル及びアクリル酸メチルからなるコポリマーを98%を超えるレベルで加水分解して得られた冷水溶解性コポリマー」は、加水分解することで、酢酸ビニルがビニルアルコールとなることは明らかであるから、本件発明1の「ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性コポリマー」に相当する。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性なコポリマーであって、かつアルキルアクリレートがメチルアクリレートであるコポリマー」の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)コポリマーが、本件発明1では、実質的にランダムであるのに対して、甲1発明では実質的にランダムか否かが明らかでない点

(相違点2)コポリマーが、本件発明1では、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含むのに対して、甲1発明では4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含むか否かが明らかでない点

(相違点3)コポリマー自体が、本件発明1では、3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示し、前記冷水フィルム溶解時間は、76μm×2.3cm×3.4cmの寸法のフィルムをスライドフレームに据え付け、温度を21℃±1℃に保持した撹拌下の400mlの水中にフィルムを浸漬させ、フィルムの残留ストリングとフィルム粒子がフレーム上に残らなくなるまでの合計時間である、のに対して、甲1発明では、上記冷水フィルム溶解時間が明らかでない点

(b)判断
事案に鑑み、相違点2から検討する。

i 新規性について
まず、相違点2のうち、甲1発明のコポリマーがアルキルアクリレート単位を含む点について検討する。
甲1には、コポリマーがメタノール中でトランスエステル化される際、カルボキシル基が隣接するアルコール基と反応し、ポリマー鎖に沿ってラクトン構造を形成すること、水の存在下で塩基性物質を用いる続く反応において、ラクトンの加水分解が起こり、カルボキシレート塩形態となり、これはフィルム形状において冷水溶解性であることが記載され(摘記(1d))、反応順序1の3段目には、このことの化学反応式が記載されている。
この記載をみるかぎり、コポリマーはカルボキシレート塩の形態となっており、アルキルアクリレート単位は含んでいない。

そうすると、相違点2は、実質的な相違点であり、本件発明1は甲1に記載された発明ではない。

ii 進歩性について
次に、この相違点2の容易想到性について検討するが、甲1には、甲1発明においてアクリレート単位を含むことについての記載はない。

ここで、甲2の記載をみてみる。
甲2には、デュポン^(TM) Elvanol^(R)80-18の製品データシートが記載され、Elvanol^(R)80-18はポリビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーであること、苛性物質と適当に反応させる場合、最終製品において冷水溶解性を与えることが記載されている(摘記(2a)及び(2b))。

しかしながら、甲1発明は、水溶性パウチに用いるフィルムの材料のためのビニルアルコールとアクリル酸メチルとの冷水可溶性コポリマーなのであって、甲2に、いくらElvanol^(R)80-18を苛性物質と適当に反応させると冷水溶解性を与えることが記載されているとしても、甲1発明の冷水可溶性コポリマーに代えて、甲2に記載されたElvanol^(R)80-18を苛性物質と適当に反応させた冷水溶解性コポリマーを使用する動機づけはない。
また、もし仮に、甲1発明に甲2に記載された事項を適用することが動機づけられたとしても、後記b(b)で述べるとおり、甲2に記載されたポリビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーを苛性物質と反応させた冷水溶解性コポリマーはアルキルアクリレート単位を含むとはいえないから、甲1発明において相違点2を構成することはできない。
さらに、甲3及び甲4をみても、甲1発明において相違点2を動機づける記載はない。

(c)申立人の主張
申立人は、甲1には、加水分解ラクトンの加水分解度は高いと記載されているから、温水可溶性ラクトン中の一部のラクトンは加水分解されず、コポリマーにはラクトン環を含む旨の主張をする(申立書第18頁第3?9行)。
しかしながら、甲1には、「コポリマーフィルム中のポリ(ビニルアセテート)の加水分解度は高く、例えば>98%である。」と記載されており(摘記(1b))、これは、加水分解によりビニルアセテートがビニルアルコールに変換する割合を述べたものであって、申立人が主張するラクトン環の加水分解度を述べたものではない。そして、甲1には、ラクトンの加水分解については、「ラクトン形態のコポリマーは温水溶解性であるが冷水溶解性ではない。水の存在下で塩基性物質を用いる続く反応において、ラクトンの加水分解が起こり、カルボキシレート塩形態となり、これはフィルム形状において冷水溶解性である。」と記載されており(摘記(1d))、ラクトンの加水分解における割合の記載はない。
よって、この申立人の主張は採用できない。

また、申立人は、甲1に記載された温水溶解性であるラクトン形態含有のコポリマーに代えて、甲2に記載されたElvanol^(R)80-18を使用することは容易であるなどと主張する(申立書第41頁第5?第43頁第24行)。
しかしながら、甲1には、水溶性パウチ中に酸化剤を包含すること、該パウチに使用するコポリマーとして、ビニルアセテートとアクリル酸エチルとのコポリマーである温水溶解性ラクトンを加水分解することにより製造された冷水溶解性コポリマーが記載されているのであって、わざわざ冷水溶解性コポリマーを製造する前段階の温水溶解性ラクトンに着目して、これを甲2に記載されたElvanol^(R)80-18に代える動機づけはない。
よって、申立人の主張は採用できない。

さらに、申立人は、令和2年12月7日に提出した意見書において、ラクトン環を含むコポリマーに苛性処理を行った場合でも、全てのラクトン環が開環するわけではなく、依然としてコポリマーには開環しないままのラクトン環が含まれる旨を主張し、参考文献2の図1におけるCのスペクトルを挙げる(意見書第7頁第15行?第8頁第16行)。
しかしながら、参考文献2の上記スペクトルをみても、1740cm-1のピークが確認できるとはいえず、開環しないままのラクトン環が含まれるとはいえない。
よって、申立人の主張は採用できない。

(d)小括
よって、相違点1及び3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明であるとはいえず、また、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

b 甲2を主引用例とした場合について
(a)対比
甲2発明の「ポリビニルアルコールと他のモノマーとの」「冷水溶解性コポリマー」は、ビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーであるから、甲2発明の「ポリビニルアルコールと他のモノマーとの」「冷水溶解性コポリマー」は、本件発明1の「ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー」と、「ビニルアルコール(“VOH”)」を含む「冷水可溶性なコポリマー」である限りにおいて一致する。

そうすると、本件発明1と甲2発明とは、
「ビニルアルコール(“VOH”)を含む冷水可溶性なコポリマー」の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点4)コポリマーが、本件発明1では、実質的にランダムであるのに対して、甲2発明では実質的にランダムか否かが明らかでない点

(相違点5)コポリマーが、本件発明1では、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含むのに対して、甲2発明では4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含むか否かが明らかでない点

(相違点6)コポリマー自体が、本件発明1では、3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示し、前記冷水フィルム溶解時間は、76μm×2.3cm×3.4cmの寸法のフィルムをスライドフレームに据え付け、温度を21℃±1℃に保持した撹拌下の400mlの水中にフィルムを浸漬させ、フィルムの残留ストリングとフィルム粒子がフレーム上に残らなくなるまでの合計時間である、のに対して、甲2発明では、上記冷水フィルム溶解時間が明らかでない点

(相違点7)コポリマーが、本件発明1では、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造されるのに対して、甲2発明では明らかでない点

(b)判断
事案に鑑み、相違点5から検討する。
i 新規性について
まず、相違点5のうち、コポリマーがアルキルアクリレート単位を含む点について検討する。

甲2発明は、ポリビニルアルコールと他のモノマーとのコポリマーを苛性物質と反応させた冷水溶解性コポリマーであるが、このコポリマーがアルキルアクリレート単位を含むことは明らかでない。

ここで、甲2は、デュポン^(TM) Elvanol^(R)80-18の製品データシートであるところ、甲3には、Elvanol^(R)80-18及びElvanol^(R)80-18のラクトン環開環物の勾配溶出クロマトグラフィーの分析結果並びにElvanol^(R)80-18のラクトン環開環物から製造されたフィルムの冷水溶解時間が記載されている。また、甲4は、Elvanol^(R)80-18を製造していたデュポン社でポリビニルアルコールポリマー製品に精通しているエンジニアであるDr.G.Michael Collinsの宣誓書であり、甲4には、Elvanol^(R)80-18は、8.5?10重量%のメチルアクリレート、61?71の範囲の鹸化価、および17.0?23.0cpsの範囲の粘度を有するPVOH/MAコポリマーであることが記載されている。
しかしながら、甲3及び甲4にも、Elvanol^(R)80-18を苛性物質と適当に反応させ、冷水溶解性の最終製品がアルキルアクリレート単位を含むことは記載されていない。

そうすると、相違点5は、実質的な相違点であり、本件発明1は甲2に記載された発明ではない。

ii 進歩性について
次に、この相違点5の容易想到性について検討するが、甲2には、甲2発明においてアクリレート単位を含むことについて動機づける記載はない。また、甲1、甲3及び甲4にも、甲2発明がアクリレート単位を含むことについて動機づける記載はない。
よって、甲2発明において相違点5を構成することはできない。

(c)申立人の主張
申立人は、甲3には、Elvanol^(R)80-18のラクトン環開環物をNaOHを0.25、0.5、1.0当量反応させ製造したフィルムの冷水溶解時間が記載されているから、これらのラクトン環開環物は、一部のラクトン環は加水分解されておらず、アルキルアクリレート単位を有すると主張する(申立書第32頁13行?第33頁第2行)。
しかしながら、甲3には、アルキルアクリレート単位を有することは明示されていない。念のため甲3の記載を検討するが、甲3には、Elvanol^(R)80-18のラクトン環開環物から製造されたフィルムの冷水溶解時間を測定するのに当たり、NaOHの量として0.25、0.5、1.0当量用いて反応させた3種類のフィルムを製造することが記載されているだけである。そして、これらの3種類のNaOHの量が甲2発明における苛性物質の量であるとはいえないから、甲3の記載から、甲2発明の冷水溶解性コポリマーがアルキルアクリレート単位を有するとはいえない。
よって、申立人の主張は採用できない。

(d)小括
よって、相違点4、6及び7について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明であるとはいえず、また、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(イ)本件発明4?6、8?10について
本件発明4?6、8?10は、本件発明1を直接的又は間接的に引用して限定した発明である。
そうすると、本件発明4?6、8?10は、上記(ア)で示した理由と同じ理由により、甲1に記載された発明であるといえない。また、甲1に記載された発明及び甲2?甲4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
さらに、本件発明4?6、8及び10は、上記(ア)で示した理由と同じ理由により、甲2に記載された発明であるといえない。また、本件発明4?6、8?10は、甲2に記載された発明及び甲1、甲3及び甲4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

エ まとめ
よって、申立理由1及び2によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。

(2)申立理由3について
ア 申立人がする申立理由3について
申立人がする申立理由3の概要は上記「第4 2(3)」で示したとおりであり、以下再掲する。
(ア)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が解決しようとする課題は最良の水溶性を有するフィルムを提供することであるといえるところ、この課題は、ビニルアルコール(VOH)とアルキルアクリレート(AA)との冷水可溶性の実質的にランダムなコポリマーにより解決されるといえる。ここで、実質的にランダムなコポリマーは、GPEC分析により単一ではないポリマーピークを示すコポリマーも含まれるが、単一でないポリマーピークを示すコポリマーは曖昧であり、このような曖昧なコポリマーが発明の課題を解決できるか明らかではない。

(イ)本件明細書等の実施例1?10では、特定のコポリマーの場合に発明の課題が解決できたことが記載されている。そして、メチルアクリレートの含有量、ビニルアクリレートの含有量、4%粘度がコポリマーの冷水溶解性に影響を及ぼすことが技術常識であるとすれば、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えたものである。

イ 特許法第36条第6項第1号の考え方及び本件発明の課題について
上記2(1)ア及びイで述べたとおりである。

ウ 判断
(ア)申立理由の(ア)について
上記2(1)ウ(ウ)で示した回答書によれば、図2のピークで示されたコポリマーは本件発明に含まれるといえ、これにより実質的にランダムなコポリマーはサポートされていないといえるほど曖昧であるとまではいえないから、申立人の申立理由の(ア)によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。

(イ)申立理由の(イ)について
上記2(1)ウ(エ)で述べたとおり、本件発明1はメチルアクリレートの含有量は4?8モル%と特定された。また、申立人がする4%粘度がコポリマーの冷水溶解性に影響を及ぼすという主張については、申立人は証拠や技術常識を挙げて主張をしているわけでもない。
よって、申立人の申立理由の(イ)によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。

エ まとめ
よって、申立理由3によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。

(3)申立理由4について
ア 申立人がする申立理由4について
申立人がする申立理由4の概要は上記「第4 2(4)」で示したとおりであり、以下再掲する。
(ア)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る広範なコポリマーを製造し、実質的にランダム性を評価するために冷水溶解時間及びGPEC分析を実施することは当業者に対して過度の負担を強いる。

(イ)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る実質的にランダムなコポリマーは、GPEC分析により単一ではないポリマーピークを示すコポリマーも含まれるが、単一でないポリマーピークを示すコポリマーとは曖昧であり、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明を実施できない。

イ 判断
(ア)申立理由の(ア)について
発明の詳細な説明の段落【0018】?【0029】には、本件発明のコポリマーの製造方法が記載され、同【0011】には、ランダム性を評価するためのGPEC分析の実施方法が記載されている。そして、同【0030】以降の実施例では、本件発明のコポリマーを製造するに当たっての具体的な方法が記載され、特に同【0046】?【0048】には、冷水溶解時間の測定方法が記載され、本件発明1で特定される要件を満足する具体例が記載されている。このような記載に従えば、当業者であれば、本件発明のコポリマーを製造することができるといえる。そして、上記記載に従えば、当業者であれば冷水溶解時間及びGPEC分析は過度の負担なく実施できるといえる。
一方、申立人は、本件発明1のコポリマーを製造できないとすること、及び冷水溶解時間及びGPEC分析を実施するのに過度の負担を強いることについて、具体的な理由を示していない。
よって、申立人の申立理由の(ア)によっては、本件特許を取り消すことはできない。

(イ)申立理由の(イ)について
上記2(1)ウ(ウ)で示した回答書によれば、図2のピークで示されたコポリマーは本件発明に含まれるといえ、これにより実質的にランダムなコポリマーが製造できないといえるほど曖昧であるとまではいえないから、申立人の申立理由の(イ)によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。

ウ まとめ
よって、申立理由4によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。

(4)申立理由5について
ア 申立人がする申立理由について
申立人がする申立理由の概要は上記「第4 2(5)」で示したとおりであり、以下再掲する。
(ア)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー」と記載されているが、VAMとAAとを共重合させることだけではVOHとAAとのコポリマーを製造することはできない。したがって、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は明確でない。

(イ)本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、「実質的にランダムなコポリマー」と記載されているが、「実質的にランダム」とは、具体的にどの程度のランダム性まで含むのか不明である。また、図1及び図2の記載をみても明確でない。

イ 判断
(ア)申立理由の(ア)について
確かに、特許請求の範囲の請求項1には、「ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー」と記載され、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させた後の工程は記載されていない。
しかしながら、当該技術分野において、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させた後に、加水分解の工程を経ることにより、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)とのコポリマーが製造されることは技術常識である。
そうすると、特許請求の範囲の請求項1に、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させた後の工程が記載されていないからといって、発明が不明確であるとまではいえない。

(イ)申立理由の(イ)について
本件発明1のコポリマーは、請求項1に記載により特定されるコポリマーであり、実質的にランダムなコポリマーという記載のみで特定されるコポリマーではなく、コポリマーを構成するモノマーの種類、その割合、冷水フィルム溶解時間により特定されるコポリマーである。そして、上記2(1)ウ(ウ)で示した回答書によれば、図2のピークで示されたコポリマーは本件発明に含まれるといえる。そうすると、本件発明1は、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとまではいえない。よって、申立人が主張するように「実質的にランダム」という記載があるからといって、本件発明1が不明確であるとまではいえず、申立理由の(イ)によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。

ウ まとめ
よって、申立理由5によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。

第6 むすび
特許第6454745号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?10]について訂正することを認める。
請求項2、3及び7に係る発明の特許に対する申立ては、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により却下する。
当審が通知した取消理由及び特許異議申立人がした申立理由によっては、本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1、4?6、8?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とアルキルアクリレート(“AA”)とを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマーであって、4?8モル%のアルキルアクリレート単位を含み、かつアルキルアクリレートがメチルアクリレートであり、コポリマー自体が3分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、上記コポリマー、ここで、前記冷水フィルム溶解時間は、76μm×2.3cm×3.4cmの寸法のフィルムをスライドフレームに据え付け、温度を21℃±1℃に保持した撹拌下の400mlの水中にフィルムを浸漬させ、フィルムの残留ストリングとフィルム粒子がフレーム上に残らなくなるまでの合計時間である。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】
コポリマーが2分未満の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項5】
コポリマーが1分以下の特徴的冷水フィルム溶解時間を示す、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項6】
コポリマーが単峰性GPECクロマトグラムを有する、請求項1に記載の、ビニルアセテートモノマー(“VAM”)とAAとを共重合させることによって製造される、ビニルアルコール(“VOH”)とアルキルアクリレート(“AA”)との冷水可溶性で実質的にランダムなコポリマー。
【請求項7】(削除)
【請求項8】
請求項1に記載のコポリマーから製造されるフィルム。
【請求項9】
10ミクロン?400ミクロンの厚さを有する、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
ビニルアセテートから誘導されるモノマー単位を少なくとも75モル%有する請求項1に記載のコポリマー。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-03-11 
出願番号 特願2017-55585(P2017-55585)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C08F)
P 1 651・ 113- YAA (C08F)
P 1 651・ 536- YAA (C08F)
P 1 651・ 121- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤井 明子  
特許庁審判長 近野 光知
特許庁審判官 佐藤 健史
橋本 栄和
登録日 2018-12-21 
登録番号 特許第6454745号(P6454745)
権利者 セキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ・アメリカ・エルエルシー
発明の名称 冷水可溶性ポリビニルアルコール/アルキルアクリレートコポリマーおよびそれらのフィルム  
代理人 虎山 滋郎  
代理人 田口 昌浩  
代理人 森住 憲一  
代理人 田口 昌浩  
代理人 虎山 滋郎  
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