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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61B
管理番号 1374938
異議申立番号 異議2021-700218  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-02-25 
確定日 2021-05-27 
異議申立件数
事件の表示 特許第6747590号発明「撮影台およびその製造方法、マンモグラフィ装置用撮影台およびその製造方法およびマンモグラフィ装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6747590号の請求項1ないし26に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6747590号(以下「本件特許」という。)の請求項1?26に係る特許についての出願は、平成31年(2019年)3月20日(優先権主張平成30年3月23日)を国際出願日とする特願2019-520765号について、令和2年8月11日に特許権の設定登録がなされ、令和2年8月26日に特許掲載公報が発行され、その後、本件特許の全請求項に係る特許に対し、特許異議申立人 田上 浩(以下「申立人」という。)より、令和3年2月25日付けで特許異議の申立てがなされたものである。

第2 本件発明
1 本件発明
特許第6747590号の請求項1?26の特許に係る発明(以下、それぞれ請求項の番号に応じて「本件発明1」などという。)は、その特許請求の範囲の請求項1?26に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
X線画像撮影装置に片持ち梁の状態で支持される撮影台であって、
前記撮影台は、装置と接続する面に開口部を有した面状体と、装置と接続する連結部材を含み、
前記面状体は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材を有し、
前記第2の部材は前記立ち壁部において第1の部材と接合し、
前記第1の部材と前記連結部材とが接合され、
前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、撮影台。
【請求項2】
マンモグラフィ装置に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台であって、
前記マンモグラフィ装置用撮影台は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材と、マンモグラフィ装置本体と接続する連結部材とを有し、
前記第2の部材は前記立ち壁部において前記第1の部材と接合し、
前記第1の部材と前記連結部材とが接合されており、
前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、マンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項3】
マンモグラフィ装置に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台であって、
前記マンモグラフィ装置用撮影台は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材と、マンモグラフィ装置本体と接続する連結部材とを有し、
前記第2の部材は前記立ち壁部において前記第1の部材と接合し、
前記第1の部材と前記連結部材とが接合されており、
前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線照射管電圧60kVでのX線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、マンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項4】
マンモグラフィ装置本体と接続する接続面を有し、前記接続面に開口部を有する、請求項2または3に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項5】
前記第1の部材は、前記天面の外周に立設された立ち壁部を有する、請求項2から4のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項6】
前記連結部材は前記第1の部材と前記第2の部材の両方に接合されている、請求項2から5のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項7】
前記第1の部材の立ち壁部と前記第2の部材の立ち壁部とが接合されている、請求項5又は6に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項8】
前記第2の部材の立ち壁部が、前記第1の部材の立ち壁部と重なり合って接合する領域(A1)を有する、請求項7に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項9】
前記第1の部材の立ち壁部および前記第2の部材の立ち壁部と接合する第3の部材を有する、請求項5から8のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項10】
被検者が接触する装置接続面の対面において、前記第1の部材と前記第2の部材の境界線がないことを特徴とする、請求項2から9のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項11】
前記第1の部材の比曲げ弾性率が2.50以上である、請求項2から10のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
(比曲げ弾性率)=(曲げ弾性率)^(1/3)×(密度)^(-1)
【請求項12】
前記第2の部材は、金属、プラスチック及びエラストマーの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2から11のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項13】
前記連結部材が金属である、請求項2から6のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台。
【請求項14】
X線撮影装置に片持ち梁の状態で支持される撮影台の製造方法であって、
前記撮影台は、前記X線撮影装置と接続する開口部を有した面状体を有し、
X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材と、前記第1の部材を補強する第3の部材とを有し、
以下に示す工程(I)?(III)を含む、撮影台の製造方法。
工程(I):連続繊維(A)とマトリックス樹脂(B)とを含むプリプレグ積層体を含むプリフォームを雌雄両面型内にて加熱及び加圧を行って、繊維複合材料によりX線照射面を含む天面を形成する前記第1の部材を成型する工程
工程(II):前記第2の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
工程(III):前記第3の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
【請求項15】
マンモグラフィ装置本体に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法であって、
X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材と、前記第1の部材を補強する第3の部材と、を有するマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法であって、
以下に示す工程(I)?(III)を含む、マンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
工程(I):連続繊維(A)とマトリックス樹脂(B)とを含むプリプレグ積層体を含むプリフォームを雌雄両面型内にて加熱及び加圧を行って、繊維複合材料によりX線照射面を含む天面を形成する前記第1の部材を成型する工程
工程(II):前記第2の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
工程(III):前記第3の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
【請求項16】
前記第1の部材を補強する前記第3の部材は、前記撮影台をマンモグラフィ装置本体に接続するための連結部材である、請求項15に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項17】
前記マトリックス樹脂(B)が、熱硬化性樹脂である、請求項15または16に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項18】
前記熱硬化性樹脂は、150℃で5分間加熱した場合のイオン粘度計で測定されるキュアインデックスが85%以上である、請求項17に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項19】
前記X線照射面は炭素繊維複合材料により形成される、請求項15から18のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項20】
前記炭素繊維複合材料の最外層に炭素繊維織物複合材料が含まれる、請求項19に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項21】
工程(I)において、前記第1の部材には前記天面の外周から立設する立ち壁が形成される、請求項15から20のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項22】
前記立ち壁は、高さ10mm以上である、請求項21に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項23】
前記第2の部材は前記底面の外周部から立ち壁が立設し、工程(II)において、前記第1の部材と前記立ち壁を一体化させる、請求項15から22のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項24】
前記連結部材を前記雌雄両面型内に配して、前記工程(I)における前記第1の部材の成型を行うことで、前記工程(I)と前記工程(III)とを同時に行う、請求項16に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項25】
前記工程(II)において、前記第1の部材を型に配置して、前記第2の部材をインサート射出成型することで前記第1の部材と一体化する、請求項15から24のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
【請求項26】
請求項2から13のいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置用撮影台における前記連結部材がマンモグラフィ装置本体に接続されてなる、マンモグラフィ装置。」

2 独立請求項に係る本件発明の構成
特許請求の範囲の記載における独立請求項とそれらの従属請求項との関係に鑑み、請求項1?3,14?15について、以下のとおり分説する(以下、「構成1A」のように呼ぶ。)。

(1)請求項1
1A X線画像撮影装置に片持ち梁の状態で支持される撮影台であって、
1B 前記撮影台は、装置と接続する面に開口部を有した面状体と、
1C 装置と接続する連結部材を含み、
1B1 前記面状体は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材を有し、
1B2 前記第2の部材は前記立ち壁部において第1の部材と接合し、
1B3 前記第1の部材と前記連結部材とが接合され、
1D 前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
1E 前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、撮影台。

(2)請求項2
2A’マンモグラフィ装置に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台であって、
2B1 前記マンモグラフィ装置用撮影台は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材と、
2C’マンモグラフィ装置本体と接続する連結部材とを有し、
2B2 前記第2の部材は前記立ち壁部において前記第1の部材と接合し、
2B3 前記第1の部材と前記連結部材とが接合されており、
2D 前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
2E’ 前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、マンモグラフィ装置用撮影台。

(3)請求項3
3A’マンモグラフィ装置に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台であって、
3B1 前記マンモグラフィ装置用撮影台は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材と、
3C’マンモグラフィ装置本体と接続する連結部材とを有し、
3B2 前記第2の部材は前記立ち壁部において前記第1の部材と接合し、
3B3 前記第1の部材と前記連結部材とが接合されており、
3D’前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線照射管電圧60kVでのX線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であり、
3E’ 前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、マンモグラフィ装置用撮影台。

(4)請求項14
14A X線撮影装置に片持ち梁の状態で支持される撮影台の製造方法であって、
14B 前記撮影台は、前記X線撮影装置と接続する開口部を有した面状体を有し、
14B1 X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材と、
14B4 前記第1の部材を補強する第3の部材とを有し、
14F 以下に示す工程(I)?(III)を含む、撮影台の製造方法。
工程(I):連続繊維(A)とマトリックス樹脂(B)とを含むプリプレグ積層体を含むプリフォームを雌雄両面型内にて加熱及び加圧を行って、繊維複合材料によりX線照射面を含む天面を形成する前記第1の部材を成型する工程
工程(II):前記第2の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
工程(III):前記第3の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程

(5)請求項15
15A’ マンモグラフィ装置本体に片持ち梁の状態で支持されるマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法であって、
15B1 X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、前記X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材と、
15B4’ 前記第1の部材を補強する第3の部材と、を有するマンモグラフィ装置用撮影台の製造方法であって、
15F’ 以下に示す工程(I)?(III)を含む、マンモグラフィ装置用撮影台の製造方法。
工程(I):連続繊維(A)とマトリックス樹脂(B)とを含むプリプレグ積層体を含むプリフォームを雌雄両面型内にて加熱及び加圧を行って、繊維複合材料によりX線照射面を含む天面を形成する前記第1の部材を成型する工程
工程(II):前記第2の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程
工程(III):前記第3の部材を、少なくとも前記第1の部材と一体化させる工程

第3 申立理由の概要
(1)特許異議申立人は、以下の甲第1号証?甲第12号証(以下、それぞれ甲号証の番号に応じて「甲1」などという。)並びに参考資料1を提出し、
ア 本件発明1?4,26は、甲1に記載された発明である(以下「申立理由1」という。)、または、同各発明は、甲1に記載された発明に基づいて(必要があれば甲5に記載された発明を組み合わせて)当業者が容易に発明をすることができたものである(以下「申立理由2」という。)、及び、
イ 本件発明5?25は、甲1に記載された発明及び甲2ないし甲12に記載された技術に基いて当業者が容易に発明することができたものである(以下「申立理由3」という。)、
から、請求項1?26に係る特許は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項に違反してなされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである旨主張している。

(2)証拠方法
ア 証拠方法
甲第1号証:特開2014-68885号公報
甲第2号証:特開平4-285541号公報
甲第3号証:特開2011-72667号公報
甲第4号証:特開2012-10963号公報
甲第5号証:特開2006-187501号公報
甲第6号証:特開2013-224949号公報
甲第7号証:特開2016-70890号公報
甲第8号証:特開2012-7945号公報
甲第9号証:再公表特許2017/110528号
甲第10号証:特開2012-211310号公報
甲第11号証:再公表特許2012/102202号
甲第12号証:再公表特許2017/047443号
参考資料1:JISZ4701-1997"医用X線装置通則"
(https://kikakurui.com/z4/Z4701-1997-01.html)

イ 証拠について
(ア)甲9の発行日(平成30年10月11日)は、本件特許の優先日(平成30年3月23日)後であるが、甲9に係る国際出願の国際公開第2017/110528号の国際公開日(平成29年6月29日)は、本件特許の優先日前である。以下では、国際公開第2017/110528号を「甲9の国際公開」という。)
(イ)甲12の発行日(平成30年7月5日)は、本件特許の優先日(平成30年3月23日)後であるが、甲12に係る国際出願の国際公開第2017/047443号の国際公開日(平成29年3月23日)は、本件特許の優先日前である。以下では、国際公開第2017/047443号を「甲12の国際公開」という。)

第4 各甲号証の記載等
1 甲1について
(1)甲1の記載
甲1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。また、改行を「\」に置き換えることがある。以下同様。)。

甲1ア 「【技術分野】\【0001】\ 本発明は、圧迫板及び放射線画像撮影装置に関し、特に被撮影体を圧迫した状態において画像の撮影を行うための圧迫板及びこの圧迫板を備えた放射線画像撮影装置に関する。」

甲1イ 「【0018】\ 本発明に係る圧迫板では、撮影面と圧迫部との間に圧迫部よりも柔らかくかつ圧迫部側に突出した局面形状を有する被撮影体が挟まれる場合、圧迫部の局面形状により被撮影体の中央部が押圧されると共にその周囲が押し広げられる。このため、撮影面と圧迫部との間に挟まれた被撮影体の厚さを均一化することができる。例えば、放射線画像撮影装置としてのマンモグラフィに取付けられた圧迫板では、撮影面と圧迫部との間に挟まれる被験者の乳房の厚さを均一化することができる。」

甲1ウ 「【発明の効果】\【0029】\ 本発明は上記構成としたので、同一の圧迫圧力状態における変形量の最適化を図ることできる圧迫板及びそれを備えた放射線画像撮影装置を提供することができる。」

甲1エ 「【0033】\(放射線画像撮影装置の全体構成)\ 図1に示されるように、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10はマンモグラフィである。この放射線画像撮影装置10では立位状態にある被験者Wの乳房(被撮影体)Nが放射線により撮影される構成とされている。なお、放射線画像撮影装置10では、椅子例えば車椅子に着座した座位状態にある被験者W、上半身だけが立位状態にある被験者Wの乳房Nも左右個別の撮影が可能とされている。
【0034】\ 放射線画像撮影装置10は、前面(被験者W)側に設けられた側面視で略C字状の形状を有する撮影部12と、撮影部12よりもY方向(背面)側に配設され撮影部12を背面側から支える基台部14とを備えている。撮影部12は、下方側から上方側に向かって、撮影台22と、保持部28と、圧迫板26と、支持部29とを備えている。撮影台22には被験者Wの乳房Nに当接される撮影面20を備えている。特に形状が限定されるものではないが、ここでは平面視において撮影面20の形状は方形状とされている。放射線透過性や機械的強度の観点から、少なくとも撮影面20は例えば炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。保持部28の下方側には撮影台22が支持されており、保持部28の撮影台22によりも上方側には圧迫板26が支持されている。
【0035】\ 圧迫板26は、撮影面20との間に乳房Nを挟込み、この乳房Nを圧迫する構成とされている。圧迫板26の形状は平面視において方形状とされており、この圧迫板26はZ方向に厚みを持つ立方体形状により構成されている。圧迫板26は、撮影面20に対して垂直方向(図1ではZ方向)に移動可能とされており、撮影面20に対して平行状態において乳房Nを圧迫する構成とされている。また、圧迫板26は、それと保持部28との間に設けられた回転支点45を中心として回転可能とされており、撮影面20に対して角度を持って乳房Nを圧迫可能な(圧迫傾斜可能な)構成とされている。つまり、圧迫板26は回転支点45を中心として乳房Nの根元側に拡がりを持って傾斜されるので、乳房Nが圧迫されたときの被験者Wの痛みを軽減することができる。図示が省略されているが、回転支点45又はその近傍には、圧迫傾斜角度を検出する角度検出センサが設けられている。なお、圧迫板26の詳細な構造並びに動作は後に詳細に説明する。
【0036】\ 支持部29は、保持部28の上方にそれとは別部品として設けられており、側面視において略逆L字状の形状により構成されている。この支持部29の上側には撮影面20に向けて撮影用或いは測定用として放射線が照射可能とされる放射線照射部24が設けられている。
【0037】\ 図1に示されるように、基台部14の上方側には前面側に向かって水平方向に突出された回動軸16が設けられており、この回動軸16には支持部29及び保持部28が取付けられている。つまり、回転軸16を回転中心として、基台部14に対して、支持部29を含む撮影部12が回転可能とされている。
【0038】\ また、回転軸16と保持部28との連結及び非連結の切替えが可能とされている。この切替えを実現するため、例えば、噛合い状態と非噛合い状態とを切替えられる歯車が回転軸16及び保持部28に設けられている。連結状態にあるとき、回転軸16の回転と共に保持部28が回転し、非連結状態にあるとき、回転軸16の回転に対して保持部28が空転する。回転軸16の回転力は、図示を省略しているが、基台部14の内部に設けられた駆動源から伝達されている。」

甲1オ 「【0041】\(放射線検出器の構成)\ 図1に示されるように、撮影台22の内部には放射線検出器42が設けられている。放射線検出器42では、放射線照射部24から圧迫板26、乳房N及び撮影面20を透過し、乳房Nの画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報が検出されている。この画像情報は、記憶部47(図4参照)に出力され、記憶部47では乳房Nの放射線画像情報として記憶されている。放射線検出器42には、例えば、放射線をデジタル信号に変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)が使用されている。」

甲1カ 「【0048】\ 放射線検出器42には検出器制御部66が設けられており、この検出器制御部66は走査信号制御回路62、信号検出回路64のそれぞれに接続されている。検出器制御部66では、信号検出回路64から出力されたデジタル信号のノイズ除去等の所定処理が行われると共に、出力電気信号の検出を制御する制御信号が信号検出回路64へ出力される。また、検出器制御部66では、走査信号の出力を制御する制御信号が走査信号制御回路62へ出力される。この検出器制御部66には、CPU(中央演算処理ユニット:Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶部とを備えている。検出器制御部66では、信号検出回路64から出力された検出素子70の出力電気信号に基づいて乳房Nの放射線画像としての画像情報が生成され、この画像情報は放射線画像撮影装置10の記憶部47(図4参照)出力される。」

甲1キ 「【0050】\(放射線画像撮影装置のシステム構成)\ 図4に示されるように、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10は、撮影装置制御部48、放射線照射部24、放射線検出器42、操作パネル46、記憶部47、通信部(I/F部)49及び駆動源264を備えている。
【0051】\ 撮影装置制御部48はCPU51と、ROM52と、RAM54と、HDD(Hard Disk Drive)56とを備えている。これらCPU51等は、コントロールバス、データバス等の共通バス57を介在して互いに接続されており、相互に信号等の送受信が可能とされている。
【0052】\ CPU51は放射線画像撮影装置10の全体の制御等を司っている。例えば、ROM52に格納されているプログラム53がCPU51に読込まれると、CPU51はプログラム53を実行して各部の制御を行う。なお、ここでは、予めROM52にプログラム53が格納されている構成とされているが、これに限定はされない。例えば、プログラム53が記録されたCDROM、リムーバブルディスク等の外部記録媒体を作成して、この外部記録媒体からROM52等にプログラム53が格納されてもよい。また、外部装置からインターネット等の通信回線を通してROM52等にプログラム53が格納されてもよい。RAM54はCPU51においてプログラム53を実行するときの作業用領域として使用されており、RAM54にはプログラム53が一時的に格納される。HDD56には放射線画像情報等の各種情報が記憶される。撮影装置制御部48は、その内部に設けられた共通バス57及びその外部に設けられた共通バス58を介在して、放射線照射部24、放射線検出器42、操作パネル46、記憶部47、通信部(I/F部)49、駆動源264のそれぞれに相互に接続されている。
【0053】\ 放射線画像撮影装置10では、操作者(オペレータ)によって操作パネル46の曝射スイッチが操作されると、放射線の照射指示が発せられる。この照射指示に従って、撮影装置制御部48では、指定された曝射条件に基づいて設定された撮影メニュー(プログラム53)が実行され、放射線照射部24から撮影面20に向かって放射線を照射する制御が行われる。」

甲1ク 「【0099】\(放射線画像撮影装置の全体構成)\ 図13に示されるように、第3実施の形態に係る放射線画像撮影装置10は、撮影台22の内部であって撮影面20と放射線検出器42との間にAEC(Automatic Exposure Control)センサ59が設けられている。このAECセンサ59は、図示が省略されているが、撮影面20を平面視で見たときにマトリックス状に複数個配置されている。例えば、AECセンサ59は、X方向に3個、Y方向に3個の合計9個を配置している。図14に示されるように、AECセンサ59は共通バス58を介在させて撮影装置制御部48等に接続されている。
【0100】\(放射線画像撮影装置及び圧迫板の動作)\ 前述の第2実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の図11に示された制御フローチャートのステップS26において、AECセンサ59は、プレ放射線撮影によって照射され、被験者Wの乳房Nを透過した放射線量を測定する。更に、放射線量を測定したときの乳房Nの厚さが測定される。放射線量の測定結果と乳房Nの厚さとから乳房Nの放射線透過率を導出することができる。この放射線透過率は、撮影装置制御部48において、AECセンサ59から送信された放射線量の測定結果と操作パネル46から入力される乳房Nの厚さとから容易に導出することができる。導出方法には、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10と同様に、テーブル、演算、専用回路のいずれかの方法が使用可能である。」

甲1ケ 図1は以下のとおりである。




甲1コ 図13は次のとおりである。






(2)認定事項
図1、図13は放射線画像撮影装置10の側面図(X軸方向からみた図)であり、該各図から、
(ア)放射線画像撮影装置10が上から撮影部12、保持部28、撮影台22、基台14からなり、
(イ)撮影部12上部には放射線照射部24が設けられ、
(ウ)撮影部12は最下部背面側で基台14に回転軸16を介し接続され、
(エ)撮影台22は、側面形状が背面側(Y軸正方向側)で相対的に厚く前面側(Y軸負方向側)が相対的に薄い、ほぼ台形状(正確には六角形を呈する)であり、
(オ)撮影台22天面に撮影面20を備え、
(カ)撮影台22の前面側端部と背面側端部との中央部よりやや背面側の天面で、保持部28の下部と側面視上、重畳しており、
(キ)撮影台22内部に放射線検出部42が設けられていること、
(ク)(キ)の放射線検出部42が破線で示されることから、撮影台22の少なくとも図1,13の側面側には壁面部を有し、該壁面部と撮影面20とで囲まれた、放射線検出部42を格納可能な空間を内部に有すること、
が看取できる。

(3)甲1に記載された発明
上記(1)の記載及び(2)の認定事項を総合すると、甲1には、次の各発明(それぞれ、以下「甲1発明1」、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。ここで、「1a」などは分説番号であり、以下、「構成1a」などと呼ぶ。

ア 甲1発明1
1a 放射線画像撮影装置10に支持されるマンモグラフィ用撮影台22であって、
1b 前記マンモグラフィ用撮影台22は、
天面にX線照射面を含む撮影面20を有し、
少なくとも一側面視において壁面部を有し、
該壁面部と撮影面20とで囲まれた、放射線検出部42を格納可能な空間を内部に有し、
1c 放射線画像撮影装置10の撮影部12(の支持部29)と接続する保持部28を有し、
1e 撮影面20は放射線透過性や機械的強度の観点から、炭素繊維強化プラスチックにより形成されている、マンモグラフィ用撮影台22。

イ 甲1発明2
2a 放射線画像撮影装置10に支持されるマンモグラフィ用撮影台22の製造方法であって、
2b 天面にX線照射面を含み、放射線透過性や機械的強度の観点から、炭素繊維強化プラスチックにより形成された撮影面20を有する、マンモグラフィ用撮影台22の製造方法。

2 甲2について
(1)甲2には以下の記載がある。

甲2ア 「【0019】図1から図6は本発明の動作環境を例示する図である。図示した乳房レントゲン造影装置はX線管ヘッド13と支持アーム14とを支承するC-アーム10から成り、支持アーム14はこれに固着されたX線フイルムカセット40とグリッドアセンブリ20とが本発明にしたがって支持されており、ともに前記カセット上に載置されている。グリッドアセンブリ20は、X線フイルムカセット40を挿入する空間40Aを有する。C-アーム10は、水平軸線12周りの回転を許容する支持部材11により乳房レントゲン造影装置の基部(図略)に装着される。被ラジオグラフィ胸部Mは、フイルムカセット40が挿入されている空間40Aを有するグリッドアセンブリ20の胸部支持パドル形状支持板上にパドル状上部圧縮板15により押圧される。胸部のレントゲン写真は、X線管ヘッド13の焦点Fから放射され、カセット40内に配置されたフイルム25上に胸部の露出を行うX線ビームXにより撮像される。これと同時に、図8に詳しく図示したグリッド板22は本発明による方法と装置により矢印Tの方向に往復振動される。
【0020】図4、図5および図6は乳房レントゲン造影装置に供する本発明による他のグリッドアセンブリを示す図である。グリッドアセンブリ20の形状は、上部圧縮板15が被撮影胸部Mを押圧する下部圧縮板として同時に作用するトレイ状に形成される。フイルムカセット40はカセット面14上に配置される。フイルムカセット40の装着は、フイルムカセット40をその動作位置にもたらすための位置10から位置10’へのC-アームの運動を許容するようにグリッドアセンブリ20から分離して装着される。
【0021】図7、図8および図9は本発明によるグリッドアセンブリの構成および動作原理を示す図である。図8は、図7の細部Dを拡大して示すもので、すなわち、グリッドアセンブリ20の詳細構造の立面断面図である。グリッドアセンブリ20は前記アセンブリの支持平面またはグクトの壁部21からなり、この壁部はX線透過材料で形成され、さらに形状の変形を受けることなしに被造影胸部Mを支持できるようにかなりの剛性を有している。壁部21はカーボンファイバ入りラミネートで構成されると好都合であり、このラミネートは非常に薄い壁に対しても十分な剛性を有している。T方向に移動自在な壁21の下方には木製またはプラスチック製X線透過スペーサ部材24により隔置された相互に平行に並べられた鉛ラメラ23からなるグリッド板22が配置される。ラメラ23の平面は、ラメラグリッド板22がX線を透過するようにX線ビームXに対して整合され、同時にこの平面は被造影物体Mで生成された後方散乱放射線および二次放射線がX線フイルム25に到達しないように作用する。グリッド板22の下方にはフイルム25を収容するフイルムカセットの上部壁が配置されその下方には光増幅器板26が配置される。グリッド板22は、本発明により、後に詳細に説明する機構にしたがい、また新規な方法で矢印Tの方向に往復振動される。」

甲2イ 図4は次のとおりである。






甲2ウ 図5は次のとおりである。





甲2エ 図9は次のとおりである。




甲2オ 図14は次のとおりである。




(2)認定事項
ア 図4,5、9、14の比較から、グリッドアセンブリ20は直方体形状を呈し、内部にフィルムカセット40を収容する空間40Aを有し、底部はフィルムカセット40を支持する要素を有さず、支持アーム14上の位置から上方へ移動する際には、フィルムカセット40を支持アーム上に残してグリッドアセンブリのみが上昇することを看取できる。


3 甲3について
(1)甲3には以下の記載がある。
甲3ア 「【0031】\ 図2は、図1に示す撮影部の構成を表す側面概念図である。同図に示すように、撮影部12は、支持台22、アーム部材24、X線源ユニット26、撮影台28、圧迫板30、操作パネル32等によって構成されている。
【0032】\ 支持台22は、各部位を支持するための所定高さの基台であり、立設されている。
【0033】\ アーム部材24は、横断面がC型のものであり、支持台22の高さ方向の中央部に回転軸34を介して固定されている。アーム部材24は、昇降手段(図示省略)により昇降され、高さ方向の位置が調整可能である。また、アーム部材24は、回転手段(図示省略)により回転軸34を中心として一方向またはその反対方向に回転され、乳房Mの撮影方向が調整可能である。
【0034】\ X線源ユニット26は、撮影時にX線を乳房Mに照射するものであり、アーム部材24の上側の端部に固定されている。X線源ユニット26は、X線源36とX線源の移動機構(図示省略)とを備えている。
【0035】\ ここでは、X線の照射角度(撮影角度)を変えて複数回のX線撮影を行うステレオ撮影を例として説明する。この場合、X線源の移動機構の制御により、X線の照射角度を変えて、異なる角度でX線を乳房Mに照射することにより、X線の照射角度の異なる複数のX線画像が撮影される。
【0036】\ 続いて、撮影台28は、撮影時に乳房Mが天板29(撮影台28の上面)に配置される矩形状の基台であり、アーム部材24の下側の端部に固定されている。撮影台28の内部には、FPD38が配置されている。」

甲3イ 図2は次のとおりである。






4 甲4について
(1)甲4には以下の記載がある。
甲4ア 「【0023】\ 図1?図3に示すように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10は、被験者Wが立った立位状態において、当該被験者Wの乳房Nを放射線(例えば、X線)により撮影する装置であり、例えば、マンモグラフィと称される。なお、以下では、撮影の際に放射線画像撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wに近い手前側を放射線画像撮影装置10の装置前方側とし、放射線画像撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wから離れた奥側を放射線画像撮影装置10の装置後方側とし、放射線画像撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wの左右方向を放射線画像撮影装置10の装置左右方向として説明する(図1?図3の各矢印参照)。
【0024】\ また、放射線画像撮影装置10の撮影対象は、乳房Nに限られず、例えば、身体の他の部位、物体であってもよい。また、放射線画像撮影装置10としては、被験者Wがイス(車イスを含む)等に座った座位状態において、その被験者Wの乳房Nを撮影する装置であってもよく、少なくとも被験者Wの上半身が立位した状態で撮影可能な装置であればよい。
【0025】\ 放射線画像撮影装置10は、図1に示すように、装置前方側に設けられた側面視略C字状(コの字状)の測定部12と、測定部12を装置後方側から支える基台部14と、を備えている。
【0026】\ 測定部12は、立位状態にある被験者Wの乳房Nと当接する平面状の撮影面20が形成された撮影台22と、乳房Nを撮影台22の撮影面20との間で圧迫するための圧迫板26と、被験者Wの顔面近傍を放射線の曝射から保護するために放射線を遮断する部材からなるフェースガード27と、撮影台22、圧迫板26、及びフェースガード27を支持する支持部28と、を備えて構成されている。なお、圧迫板26には、放射線を透過する部材が用いられる。
【0027】\ また、測定部12は、管球などの放射線源30(図4参照)が設けられ、放射線源30から撮影面20に向けて撮影用の放射線を照射すると共に、コリメータ32(図4参照)によって照射される放射線の照射野が制御可能な放射線照射手段24を備えている。
【0028】\ 測定部12には、基台部14に回動可能に支えられている回動軸16が設けられている。回動軸16と支持部28とは一体に回動するようになっている。なお、回動軸16の回動力の伝達・非伝達の切替えは、種々の機械要素を用いることができる。
【0029】\ 支持部28は、撮影面20と放射線照射手段24とが所定間隔離れるように撮影台22と放射線照射手段24とを支持するとともに、圧迫板26と撮影面20との間隔が可変であるように圧迫板26を圧迫圧昇降部54(図4参照)によりスライド移動可能に支持している。
【0030】\ 乳房Nが当接する撮影面20は、放射線透過性や強度の観点から、例えば、カーボンで形成されている。撮影台22の内部には、乳房N及び撮影面20を通過した放射線が照射され、その放射線を検出する放射線検出器42が配置されている。放射線検出器42が検出した放射線が可視化されて放射線画像が生成される。」

甲4イ 「【0056】\ さらにここで、圧迫板26の構成について説明する。具体的一例として圧迫板26の構成図を図5に示す。圧迫板26は、圧迫部80及び支持部82を備えて構成されている。圧迫部80は、乳房Nに接触する面(図5の下側の面)の板厚が略一定であり、断面形状が凹型に形成された部材からなる。圧迫部80は、放射線を透過させ易い性質を有する樹脂材料で形成されている。このような樹脂の具体的例としては、PC(ポリカーボネート)、PRT(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル、PP(ポリプロピレン)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、支持部82は、圧迫部80を指示する腕82Aと、放射線画像撮影装置10本体に取り付けるための取付部82Bと、を含んで構成されている。」

甲4ウ 図1は次のとおりである。






甲4エ 図2は次のとおりである。




甲4 オ 図5は次のとおりである。


5 甲5について
(1)甲5には以下の記載がある。
甲5ア 「【技術分野】\【0001】\ この発明は、撮影台上に載置される被検体の透過画像情報を取得するX線撮影装置およびこの透過画像情報を含むX線撮影装置の出力画像情報から、透過画像情報のみからなる表示画像領域を抽出し表示する画像処理装置を含むX線撮影システムに関する。
【背景技術】\【0002】\ マンモグラフィ等のX線撮影装置で取得される被検体の透過画像情報は、LCD等の画像表示装置あるいはイメージャ等の画像出力装置に表示あるいは出力され、オペレータによる診断が行われる。・・・。」

甲5イ 「【0027】\ 以下に添付図面を参照して、この発明にかかるX線撮影システムを実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかるX線撮影システムの全体構成について、図2を用いて説明する。図2は、X線撮影システムの全体構成を示す図である。X線撮影システムは、X線撮影装置1、画像読み取り装置40、画像処理装置50および画像読み取り装置40と画像処理装置50とを接続する通信ケーブル60を含む。
【0028】\ X線撮影装置1は、乳房用のX線撮影装置で、被検体2(被験者の乳房)をX線により投影し透過画像情報を取得する撮影部3、撮影部3を支持する支持基台20およびこれら撮影部3、支持基台20を操作・制御するコントローラ30を含む。
【0029】\ 撮影部3は、上部に下方に向けてX線を照射するX線源4が配設されており、X線源4の下部には不必要な領域へのX線の照射を制限するための、鉛等の素材で構成された照射野絞り5が配設される。また、撮影部3の略中央には、被検体2を下方から支持する撮影台6が配設されている。撮影台6の上方には、被検体2を上方から下方に向けて圧迫するための圧迫板7が昇降可能に配設されている。
【0030】\ 撮影台6は、被検体2の載置と圧迫板7とによる圧迫に耐え得る様にステンレス等の素材からなる矩形の枠組みと、この上面に被検体2を載置可能とし、かつ被検体2を透過するX線を妨げることのないようにX線が透過し易いカーボン等の素材からなる板を覆い被せる様に貼り合わせた構成となっている。
【0031】\ このような構成の撮影部3では、被験者が被検体2を撮影台6に載置し、圧迫板7が下降して被検体2を撮影台6上で圧迫・固定した状態で、撮影を行う。なお、この状態で、撮影台6により支持された被検体2は、X線源4に対峙すると共にX線源4から照射されるX線の照射野内に位置する。
【0032】\ また、撮影台6上の被検体2と対向する位置に、マーカ16が配設される。図3は、撮影台6上のマーカ16を図示している。マーカ16は、ステンレス等のX線の透過を防止する材料からなる矩形の形状を有する板である。そして、マーカ16は、被検体2側の辺縁部が、撮影台6のX線の照射野内に位置し、かつ載置される被検体2の撮影の妨げにならない所定位置に配設される。また、マーカ16は、被検体2が載置される撮影台6の上面の裏側に配置することもできる。
・・・
【0034】\ ここで、図4を参照しつつ支持台10について更に説明する。図4は、支持台10と支持台10に装着される部材とを示す斜視図である。図4に示す通り、支持台10には、カセッテ14を常に所定位置に固定するための固定部材12が配置されている。この固定部材12により、カセッテ14は支持台10の所定位置に装着される。」

甲5ウ 図2はつぎのとおりである。





甲5エ 図3は次のとおりである。





甲5オ 図4は次のとおりである。




6 甲6について
甲6には次の記載がある。

甲6ア 「【技術分野】\【0001】\ 本発明は、被写体を透過した放射線を放射線画像情報に変換する放射線画像撮影装置に関する。」

甲6イ 「【0031】\ 図2に示すように、カセッテ本体28には、四隅の角部が切り落とされた、平面視で略八角形の形状(概略長方形状)を有する筐体32と、筐体32の各角部に接着剤等で装着される衝撃緩和部材34a、34b、34c、34dとが設けられている。
【0032】\ 筐体32は、第1部材36及び第2部材38を備えており、第1部材36は、放射線16が照射される照射面部40と、照射面部40の周縁に立設された第1側面部42とを有し、第2部材38は、照射面部40と対向する背面部44と、第1側面部42に対応するように背面部44の周縁に立設された第2側面部46とを有する。なお、照射面部40及び第1側面部42と、背面部44及び第2側面部46は、それぞれ一体に形成されている。これにより、筐体32内部には、放射線16を電気信号に変換する種々の部品を収容する空間が形成されることとなる。」

甲6ウ 図2は次のとおりである。







7 甲7について
甲7には次の記載がある。
甲7ア 「【0010】\ 以下に、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明の各実施形態に係る放射線撮影装置は、放射線画像撮影用の電子カセッテであり、筐体の内部には、平板状でデジタル方式の放射線検出パネル(フラットパネルディテクタ)と、これを保持する保持基台が収納される。
【0011】\(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置1a(電子カセッテ)の構成例を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)のA?A線断面図である。なお、図1(b)中の矢印Xは、放射線撮影装置1aに入射する放射線を模式的に示す。放射線撮影装置1aは、本体筐体2と、この本体筐体2の内部に収納される放射線画像センサ3および保持基台4とを含んで構成される。
【0012】\ 放射線撮影装置1aの本体筐体2は、放射線Xが入射する側に配置される前板21と、それ以外の面を形成する前カバー22および後カバー23とで構成されている。前板21は、照射された放射線Xを透過させて放射線画像センサ3の放射線検出パネル31に照射するために、放射線透過率の高い材料からなる。前カバー22と後カバー23は、マグネシウム合金やアルミニウム合金などといった、電磁ノイズシールド性や剛性に優れた金属材料によって形成される。そして本体筐体2は、全体として例えば直方体の箱状の構成を有する。」

甲7イ 図1は次のとおりである。





8 甲8について
甲8には次の記載がある。
甲8ア 「【技術分野】\【0001】\ 本発明は、放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】\【0002】\ 近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化されている。この放射線検出器は、従来のイメージングプレートに比べて、即時に画像を確認でき、動画も確認できるといったメリットがある。なお、放射線検出器には、放射線を変換する方式として、放射線をシンチレータで光に変換した後にフォトダイオード等の半導体層で電荷に変換する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等の半導体層で電荷に変換する直接変換方式等があり、各方式でも半導体層に使用可能な材料が種々存在する。
【0003】\ この放射線検出器を内蔵し、放射線検出器から出力される放射線画像データを記憶する放射線画像撮影装置(以下、電子カセッテともいう)も実用化されている。
【0004】\ この電子カセッテは、可搬性を有するため、ストレッチャーやベッドに載せたまま患者(患者)を撮影することもでき、電子カセッテの位置を変更することにより撮影箇所を調整することができるため、動けない患者に対しても柔軟に対処することができる。
【0005】\ ところで、電子カセッテに内蔵される放射線検出器は、当該放射線検出器を構成するアクティブマトリクス基板と放射線感応層の熱膨張率(係数)やアクティブマトリクス基板と放射線感応層を蒸着するための基板の熱膨張率が互いに異なっていると、電子カセッテ内部の温度変化により熱膨張して面外方向へ反る場合がある。
【0006】\ この場合、電子カセッテ内部に反りを逃がす空間がない又は小さいと、放射線検出器は、その両面が電子カセッテの筐体に当接して筐体が抵抗となり、筐体から反力を受け、放射線検出器自体、特に放射線感応層に余計なストレスが加わり、クラック等が入る虞がある。」

甲8イ 「【0066】\ 図4は、本第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10の断面構成を示した断面図である。\ 同図に示すように、放射線画像撮影装置10の筐体18は、放射線検出器12を内蔵し、放射線検出器12の面外方向に厚さが可変とされており、具体的には、放射線検出器12を収納する収納体18Aと、収納体18Aを覆う蓋体18Bとを備えている。」

甲8ウ 図4は次のとおりである。







9 甲9の国際公開について
甲9の国際公開には次の記載がある。
甲9ア 「技術分野\[0001] 本発明は、樹脂と強化繊維と空隙からなる構造体に関するものである。」

甲9イ 「[0071](2)構造体の曲げ試験\ 構造体から試験片を切り出し、ISO178法(1993)に従い曲げ弾性率を測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、-45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数n=5とし、算術平均値を曲げ弾性率Ecとした。測定装置としては“インストロン(登録商標)”5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を使用した。得られた結果より次式により、構造体の比曲げ弾性率を算出した。
[0072] 比曲げ弾性率=Ec^(1/3)/ρ」

甲9ウ 「[0094](実施例1)\ 強化繊維マットとして強化繊維マット3、樹脂シートとしてPP樹脂を、[樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート/強化繊維マット/樹脂シート]の順番に配置した積層物を作製した。次いで、以下の工程(I)?(V)を経ることにより構造体を得た。得られた構造体では、断面観察から強化繊維を柱状の支持体とした空隙が確認された。得られた構造体の特性を表3に示す。
[0095](I)積層物を230℃に予熱したプレス成形用金型キャビティ内に配置して金型を閉じる。
(II)次いで、120秒間保持した後、3MPaの圧力を付与してさらに60秒間保持する。
(III)工程(II)の後、金型キャビティを開放し、その末端に金属スペーサーを挿入し、構造体を得る際の厚みが3.4mmとなるように調整する。
(IV)その後、再度、金型キャビティを締結し、圧力を保持した状態でキャビティ温度を50℃まで冷却する。
(V)金型を開いて構造体を取り出す。」

10 甲10について
甲10には次の記載がある。
甲10ア 「【技術分野】\【0001】\ 本発明は、炭素繊維強化複合材料、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料の製造方法に関する。」

甲10イ 「【0125】\ (炭素繊維強化複合材料の製造方法)
本実施形態において炭素繊維強化複合材料は、下記の積層工程及び成形工程を備える製造方法により、製造することができる。
【0126】\ (積層工程)\ 積層工程では、上記プリプレグを複数積層して、熱硬化性樹脂層の両主面上にそれぞれ上記炭素繊維層が配置された構造を少なくとも一つ有する、プリプレグ積層体を得る。プリプレグ積層体は、好適には、炭素繊維層と熱硬化性樹脂層とが交互に積層された構造を有する。
【0127】\ (成形工程)\ 成形工程では、上記プリプレグ積層体を加熱及び加圧して、樹脂層の平均厚さと式(1)で表される構造を有するポリアミド樹脂を含む樹脂粒子の平均粒径との差が12μm以下、好ましくは10μm以下である炭素繊維強化複合材料を成形する。ここで、加熱・加圧の方法としては、熱硬化性樹脂層中の熱硬化性樹脂組成物が硬化して、マトリックス樹脂を形成するような方法が選択される。
【0128】\ 加熱・加圧の方法としては、例えば、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が挙げられ、これらのうちオートクレーブ成形法が好ましく用いられる。」

11 甲11について
甲11には次の記載がある。
甲11ア 「【技術分野】\【0001】\ 本発明は、繊維強化複合材料に用いられるエポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた繊維強化複合材料に関するものである。」

甲11イ 「【0057】\ 誘電測定によるイオン粘度の追跡は硬化反応が速くても比較的容易である。さらにイオン粘度は、ゲル化以降も測定が可能であり、硬化の進行とともに増加し、硬化完了に伴って飽和するという性質をもつため、初期の粘度変化だけではなく硬化反応の進行を追跡するためにも用いることができる。上記のようにイオン粘度の対数を、最小値が0%になり、飽和値(最大値)が100%になるように規格化した数値をキュアインデックスといい、熱硬化性樹脂の硬化プロファイルを記述するために用いられる。初期の粘度上昇の速さに関わる指標としてキュアインデックスが10%に到達する時間を用い、硬化時間に関わる指標としてキュアインデックスが90%に到達する時間を用いると、初期の粘度上昇が小さく、短時間で硬化できるために好ましい条件を記述することができる。
【0058】\ 本発明における上記3つの関係式の意味を要約すると、特定温度Tにおいてエポキシ樹脂組成物の流動が可能となる時間(流動可能時間)に比例するt10が0.5分以上4分以下(式(a))、エポキシ樹脂組成物の硬化がほぼ完了し、脱型が可能となる時間(脱型可能時間)に比例するt90が0.5分以上10分以下(式(b))、エポキシ樹脂組成物の脱型可能時間と流動可能時間の比が1より大きく3以下(式(c))となる。すなわち、上記範囲の中ではt10が大きい場合、エポキシ樹脂組成物は強化繊維基材に含浸しやすく、t90は小さい場合、エポキシ樹脂組成物の硬化が速いことを意味するので、t90/t10は1より大きく3以下の範囲において小さい方がより好ましい。」

12 甲12の国際公開について
甲12には次の記載がある。
甲12ア 「技術分野\[0001] 本発明は、電子機器部品を内蔵する筐体(電子機器筐体)や、アタッシュケース、キャリーケースなどの筐体に関するものである。」

甲12イ 「[0041]また、補強部材3は熱溶着によって底面カバー2の平面部21に接合される。23℃における引き剥がし荷重が60N/cm^(2)以上、5000N/cm^(2)以下の範囲内にあることが望ましく、100N/cm^(2)以上、5000N/cm^(2)以下の範囲内にあることがより望ましい。熱溶着方法としては、インサート射出法、アウトサート射出法、振動溶着法、超音波溶着法、レーザ溶着法、熱板溶着法などを例示できる。また、この場合、補強部材3と平面部21の接着面は200℃における引き剥がし荷重が60N/cm^(2)未満であることが望ましい。200℃における引き剥がし荷重は、30N/cm^(2)以下であることがより望ましい。」

13 参考資料1について
参1ア 参考資料1は、JISの「医用X線通則」(JIS Z4701-1997)に関するものである。当該JISは1997年(平成9年)に改定・公表されたものであるから、本件特許の優先日である平成30年3月23日において公知であったことは明らかである。

参1イ 8.6.1「X線ビーム中の物体による減弱」項には「X線ビーム内の、患者とX線受像器との間にあるX線装置の一部を構成する物体の減弱当量は、表5に示す値を超えてはならない。」と記載され、同項中の「表5」には、「乳房用X線装置の撮影台(全部の層の合計)」の「最大減弱当量」として「0.3mmAl」が規定されている。

参1ウ 該参考資料1の「1.適用範囲」には、「管電圧10?400kVの医用X線装置を構成するX線発生装置」を対象とすることが記載されている。

第5 当審の判断
1 申立理由1及び2(新規性進歩性)について
(1)本件発明1と甲1発明1との対比
ア 構成1aの「放射線画像撮影装置10」、「マンモグラフィ用撮影台22」は、それぞれ構成1Aの「X線画像撮影装置」、「撮影台」に相当する。

イ1 構成1bの「少なくとも一側面視において」有する「壁面部」は、構成1B1の「立ち壁部」と、撮影台の面状体の「外周に立設」された壁構造である点で共通する。
イ2 また、構成1bにおいて「撮影台22」は少なくとも「天面(撮影面20)」及び図1の一側面視における前記「壁面部」の2面を備え、「該壁面部と撮影面20とで囲まれた、放射線検出部42を格納可能な空間を内部に有」するのであるから、「撮影台22」の構造は、複数の面で構成された構造である点で、構成1Bの「面状体」に相当するといえる。
イ3 そして、構成1bにおいて、「天面」に「X線照射面を含む撮影面20」を有することから、構成1bの「撮影面20」は構成1Bの「X線照射面を含む天面を形成する第1の部材」に相当するといえる。

ウ 構成1cの「撮影部12(の支持部29)」、「保持部28」は、それぞれ構成1Cの「装置」、「連結部材」に相当する。

エ 「複合材料」とは「2種類以上の異なる素材を組み合わせてつくられる材料。単一の素材よりも強度や耐熱性などに優れる。ガラス繊維強化プラスチックなど。複合素材。複合材。」(デジタル大辞泉)を意味することに照らし、構成1eの「炭素繊維強化プラスチック」は構成1Eの「炭素繊維複合材料」に相当する。

オ 甲1発明1の撮影台22は、保持部28との接合形態が不明である上に、仮に第4の1(2)(カ)認定事項のとおり、図1,13において保持部28と撮影台22とが側面視上重畳する(交わる)位置で撮影台22と保持部28とが接合されているとしても、当該接合の箇所は撮影台22の奥行き方向中央部よりやや背面側の上面部であり、このような接合形態・位置について、撮影台22が保持部28に、構成1Aにいう「片持ち梁の状態で支持」されているとはいえない。

カ 構成1Bの「接続」とは、本件特許明細書【0017】の「本発明の実施形態に係るマンモグラフィ装置用撮影台は、通常は内部が空洞となった略箱型の形状であり、内部にX線検出器が具備されることが多い。かかるX線検出器は、マンモグラフィ装置本体に直接接続されていても、撮影台内に固定されて配線でマンモグラフィ装置本体と接続していても、構わない。」なる記載からみて、マンモグラフィ装置本体との電気的な接続の意味を少なくとも含むと解される。
「接続」なる用語については、構成1Cでは、連結部材を解した装置との接続、すなわち機械的な接続についても同じ「接続」なる用語を用いており、特許明細書【0031】にはそれを裏付ける「マンモグラフィ装置本体と第1の部材とを接続する構造としては、第1の部材に接合された連結部材を介して、マンモグラフィ装置本体に具備されたフレームと接続する方法や、第1の部材がフレーム状の連結部材と接合されており、前記連結部材をマンモグラフィ装置に固定することで接続する方法が例示できる。」なる記載もあるが、本件発明1の構成1Bにおける「接続」が前記電気的接続を含むとの解釈を否定するものではない。
一方、甲1発明1の撮影台22が、その何れの面で、どのような形態で撮影部12や支持部29、保持部28と電気的な接続(配線)がなされているのか、甲1に明記はなく不明である。ただ、甲1発明1の撮影台22には電気的に作動する放射線検出部42が収容されていることや、撮影台22外の撮影部12は放射線照射を行う機能を担うものであることを考慮すると、放射線検出部42への給電や、放射線検出部42と放射線照射機構等他の電気的要素との連携のために、撮影台22と撮影部12側との間に何らかの電気的接続が必要であることは明らかであるといえる。よって、構成1bの「撮影台22」は、構成1Bにおける「装置」と少なくとも電気的な「接続」をするものである点で一致するといえる。

キ 構成1Bの「開口部」とは、本件特許明細書【0027】の「図2a及び図3aに示すマンモグラフィ装置用撮影台の第2の部材は、立ち壁部を有し、マンモグラフィ装置本体と接続する接続面(マンモグラフィ装置本体側)に、開口部を有する。図2b及び図2cに示すように、開口部10は、マンモグラフィ装置本体に接続する接続面の全てが開口したものであってよく、図3b及び図3cに示すように、接続面の一部が開口したものであってもよい。図2cは、図2aに示すマンモグラフィ装置用撮影台におけるy-z面の断面形状の一例を示す断面図であり、図3cは、図3aに示すマンモグラフィ装置用撮影台におけるy-z面の断面形状の一例を示す断面図である。\ マンモグラフィ装置用撮影台は、開口部10を有することで、マンモグラフィ装置用撮影台をマンモグラフィ装置本体に容易に脱着することができ、メンテナンスが容易となる。」なる説明、特に、装置本体への脱着の容易性という作用が期待されていることからみて、例えば配線引き出し用の、配線とほぼ同径の穴、といったものではなく、ある程度余裕をもった大きさの穴を本来意味すると解されるが、一方で「接続面の一部が開口したものであってもよい」ともされていて、その大きさに明確な基準が設けられているものではない。
また、本件発明1の「接続」が電気的・機械的双方の意味を含みうることは上記「カ」で検討したとおりである。
よって、上記「カ」で検討したとおり、甲1発明1の「撮影台22」が装置本体側と何らかの電気的接続がされているといえるのであるから、少なくともその電気線引き出し用に撮影台22に設けられているはずであるなんらかの「穴」は、構成1Bの「開口」に相当するといえる。また、甲1発明1の撮影台22が本体側と電気的に「接続」されるのはその「穴」が設けられた面であることが明らかである。

ク 構成1bにおいて、「X線照射面と対面する底面」にあたる撮影台22の底部が何らかの面部材で閉じられているのかや、ましてその部材が構成1bの「壁面部」を形成しているのか、それが撮影面20とは別の部材であるのか、については、甲1に明記がなく、不明である。

(2)本件発明1と甲1発明1との一致点・相違点
ア そうすると、本件発明1と甲1発明1とは、次の点で一致する。
「1A’ X線画像撮影装置に支持される撮影台であって、
1B 前記撮影台は、装置と接続する面に開口部を有した面状体と、
1C 装置と接続する連結部材を含み、
1B1’ 前記面状体は、X線照射面を含む天面を形成する第1の部材と、その外周に立設された立ち壁部を有し、
1E 前記第1の部材が、炭素繊維複合材料を有する、撮影台。」

イ 本件発明1と甲1発明1とは、次の各点で相違する。
(ア)相違点1-1(構成1A)
本件発明1では、撮影台がX線画像撮影装置に「片持ち梁の状態で」支持されるのに対し、甲1発明1では、支持形態が不明であり、少なくとも「片持ち梁の状態」での支持とはいえない点。

(イ)相違点1-2(構成1B1、1B2)
本件発明1では、面状体が「X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材」を有し「第2の部材は前記立ち壁部において第1の部材と接合」するのに対し、甲1発明1では、撮影台の少なくとも一側面である「外周に立設された壁面部」の存在が認められるにとどまり、「前記X線照射面と対面する底面」を「形成する第2の部材」の存在、該「第2の部材」が「外周に立設された立ち壁部を形成する」か、及び「第2の部材」が「立ち壁部において第1の部材と接合」するか、が何れも不明である点。

(ウ)相違点1-3(構成1B3)
本件発明1では「第1の部材と前記連結部材とが接合され」るのに対し、甲1発明1では、第1の部材に相当する撮影面20と連結部材に相当する保持部28とが接合されているのか不明である点。

(エ)相違点1-4(構成1D)
本件発明1では「前記第1の部材は、前記X線照射面における任意の点において、X線透過線量がアルミニウム当量0.5mmAL以下であ」ると特定されるのに対し、甲1発明1では撮影面20の定量的なX線透過量が不明である点。

(3)本件発明1と甲1発明1との相違点についての判断
ア 相違点1-1について
放射線画像撮影装置に対し、マンモグラフィ用撮影台を片持ち梁状態で支持することは、上記第4における、甲2ウの「グリッドアセンブリ20」と「C-アーム10」との接続形態、甲3イの「撮影台28」と「アーム部材24」との接続形態、甲5ウの「撮影台6」と「撮影部3」との接続形態、がいずれも該当するとおり、周知の支持形態であるといえる。
また、甲1発明1において、保持部28と撮影台22との接続位置や形態について、甲1の記載全体を参酌しても特段の特定はなく、乳房を撮影台22と対向して上方から圧迫する圧迫板26は保持部28に対し背面側で片持ち梁状態の支持となっていることからみても、撮影台22の支持形態を背面側からの片持ち梁状態とすることに特段の阻害要因も認められない。
よって、甲1発明1に上記周知技術を適用して撮影台22を保持部28に対し背面側から片持ち梁状態で支持するようにして相違点1-1の構成とすることは、当業者が容易に想到しうることである。

イ 相違点1-2について
(ア)X線画像撮影装置の撮影台において、「X線照射面を含む天面を形成する第1の部材」とは別に「X線照射面と対面する底面及びその外周に立設された立ち壁部を形成する第2の部材」からなり、「第2の部材」が「立ち壁部において第1の部材と接合」することを開示する証拠は以下のとおり、申立人の提示する甲1?甲12、及び参考資料1の中に見いだせない。
a X線画像撮影装置の撮影台に関する甲2では、上記第4の2の(2)の認定事項及び同甲2イ、甲2ウ、甲2オから明らかなとおり、撮影台に相当するグリッドアセンブリ20は、少なくとも底面全体を覆う底板を有さないし、底面を部分的に覆う底板の存在を示す記述もなく、そのような底板を設ける必要性を示す記載もない。
b X線画像撮影装置の撮影台に関する甲3,甲4にも、撮影台の各面の構成について具体的な記述は見いだせない。
c X線画像撮影装置の撮影台に関する甲5には、第4の甲5イ【0030】の記載によれば、「撮影台6は、被検体2の載置と圧迫板7とによる圧迫に耐え得る様にステンレス等の素材からなる矩形の枠組みと、この上面に被検体2を載置可能とし、かつ被検体2を透過するX線を妨げることのないようにX線が透過し易いカーボン等の素材からなる板を覆い被せる様に貼り合わせた構成」であるが、同【0034】に「支持台10には、カセッテ14を常に所定位置に固定する」とあるとおり、撮影台6下方の支持台10に載置したカセッテまでX線が透過する必要があることを考慮すると、X線透過素材ではない「ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」が撮影台6の底面も覆うと解釈することは技術常識に反し、できない。
d 甲6?8は何れも電子カセッテについてのものであり、電子カセッテは甲1発明1の構成1b「放射線検出部42」にあたる、撮影台22の内部空間に設置すべき要素であるから、これらの筐体の構成が、直接被験体を介した押圧を受ける甲1発明1の撮影台の筐体構成に適用できるものとはいえない。
e その他、甲9?12、及び参考資料1を含め、相違点1-2に係る構成が技術常識や周知・公知であることを示す証拠もない。

(イ)以上のとおりであるから、甲1発明1において、相違点1-2の構成とすることは、申立人が提出した何れの証拠、及び周知技術や技術常識を検討しても、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

ウ 相違点1-3について
甲2では、上記アで検討したとおり、本件発明1や甲1発明1の「撮影台」に相当する「グリッドアセンブリ20」がその背面部において「C-アーム10」と片持ち梁状態で接続されていることが記載されているといえる。
しかし、甲2では、グリッドアセンブリ20の天板と側面部とが同一の部材であるか(接合されたものでないか)や、前記片持ち状態とするための支持部材がどのようなもので、グリッドアセンブリ20のどの部分(天板か側面の要素か)に接合されるのかについては、明細書や図の記載から明らかでない。
また、仮に甲2の「グリッドアセンブリ20」が天板と側板とが一体のものからなるといえるとすれば、これを背面から片持ち梁状態で支持するのであるから、何らかの支持(連結)部材が側板・天板の何れかに接続されることが明らかであるとはいえる。しかし、甲2のグリッドアセンブリ20は上記イのとおり底面の少なくとも一部を覆う要素の存在が明らかでなく、仮に一部底面を覆う要素があるとしても、甲2のグリッドアセンブリ20について、天板と側面板とが一体であるとの前提は、相違点1-2に係る、「第2の部材」が「その外周に立設された立ち壁部を形成する」構成を満たさない。
その他、X線画像撮影装置の撮影台に関する甲3?甲5にも、また、甲6?12及び参考資料1にも、装置本体との連結部材が撮影台の何れの要素に接続されているのかについて明示がない。
以上のとおりであるから、申立人の証拠方法によっては、甲1発明1において相違点1-3の構成とすることが当業者にとって容易に想到できたとはいえない。

エ 相違点1-4について
参考資料1には上記第4の13のとおりの記載があり、管電圧10?400kVのX線発生装置を用いる医用X線装置である乳房用X線装置の撮影台における、患者とX線受像器との間にある物体全部の層の合計のX線透過量がアルミニウム当量0.3mmAL以下であることが規定されている。
甲1発明1において、被験体(乳房)と撮影台22内部の放射線検出部42との間に撮影台22の「撮影面20」以外のものが存在することは排除されていないが、甲1発明1の装置が上記JISの規定を満たすためには、少なくとも該「撮影面20」を構成する部材が前記規定を満たす必要があることは明らかである。
そして、甲1発明1において、撮影面20の素材は、「放射線透過性や機械的強度の観点から、炭素繊維強化プラスチックにより形成されている」(構成1e)とされているのであるから、前記規制に従う動機付けも十分に存するといえる。
そうすると、甲1発明1において撮影台の「撮影面20」を構成する部材を相違点1-4の構成とすることは、少なくとも我が国においては、JISの規定に従って、当業者が当然にかつ容易になしえたこと、なすべきことであるといえる。

(4)本件発明1についての小括
以上のとおりであるから、本件発明1は甲1に記載された発明(甲1発明1)ではなく、また、本件発明1は、甲1発明1及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(5)本件発明2について
ア 本件発明2は、本件発明1と以下の関係にあるものである。
(ア)本件発明1の構成1Aについて、「撮影台」を「マンモグラフィ装置用撮影台」と限定して構成2A’とし、
(イ)本件発明1の「開口部」及び「面状体」に関する構成1Bを削除し、
(ウ)本件発明1の構成1C,1B1、1B2、1B3、1D、1Eは、前記(ア)の限定が加味される点を除き、それぞれ構成2C’、2B1、2B2、2B3、2D,2E’にそのまま対応する。

イ そうすると、本件発明2と甲1発明1とは、上記相違点1-1?1-4と同様の相違点を有するといえるから、本件発明2は甲1に記載された発明(甲1発明1)ではなく、また、本件発明2は、上記(3)のイ、ウと同様の理由により、甲1発明1及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(6)本件発明3について
ア 本件発明3は、本件発明1と以下の関係にあるものである。
(ア)本件発明1の構成1Aについて、「撮影台」を「マンモグラフィ装置用撮影台」と限定して構成3A’とし、
(イ)本件発明1の「開口部」及び「面状体」に関する構成1Bを削除し、
(ウ)本件発明1の構成1Dについて、X線透過線量が「X線照射管電圧60kVでの」ものである点を限定して構成3D’とし、
(エ)本件発明1の構成1C,1B1、1B2、1B3、1Eは、前記(ア)の限定が加味される点を除き、それぞれ構成3C’、3B1、3B2、3B3、3E’にそのまま対応する。

イ そうすると、本件発明3と甲1発明1とは、上記相違点1-1?1-3と同様の相違点、及び上記相違点1-4に上記ア(ウ)の限定事項が追加された相違点(相違点3-4)を有するといえるから、本件発明3は甲1に記載された発明(甲1発明1)ではなく、また、本件発明3は、上記(3)のイ、ウと同様の理由により、甲1発明1及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(7)本件発明4について
本件発明4は、本件発明2,3について、構成1Bに対応する「マンモグラフィ装置本体と接続する接続面を有し、前記接続面に開口部を有する」点を付加する減縮をした発明である。
そうすると、本件発明4と甲1発明1とは、上記相違点1-1?1-4と同様の相違点を有するといえるから、本件発明4は甲1に記載された発明(甲1発明1)ではなく、また、本件発明4は、上記(3)のイ、ウと同様の理由により、甲1発明1及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(8)本件発明26について
本件発明26は、本件発明2,3をさらに減縮した発明であるから、本件発明26と甲1発明1とは、上記相違点1-1?1-4と同様の相違点を有するといえるから、本件発明26は甲1に記載された発明(甲1発明1)ではなく、また、本件発明26は、上記(3)のイ、ウと同様の理由により、甲1発明1及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

2 申立理由3(進歩性)について
(1)本件発明14と甲1発明2との対比
本件発明14は方法の発明であるが、その前提とする装置の構成に係る構成14A,14B,14B1について、上記1(1)ア、イ2、イ3、オ?クと同様の相当関係や相違事項を有する。

(2)本件発明14と甲1発明2との一致点・相違点
ア そうすると、本件発明14と甲1発明2とは、以下の点で一致する。

「14A X線撮影装置に支持される撮影台の製造方法であって、
14B 前記撮影台は、前記X線撮影装置と接続する開口部を有した面状体を有し、
14B1 X線照射面を含む天面を形成する第1の部材とを有する、
撮影台の製造方法。」

イ 本件発明14と甲1発明2とは、以下の点で相違する。
(ア)相違点14-1(構成14A)
本件発明14では、撮影台がX線画像撮影装置に「片持ち梁の状態で」支持されるのに対し、甲1発明2では、支持形態が不明であり、少なくとも「片持ち梁の状態」での支持とはいえない点。

(イ)相違点14-2(構成14B1)
本件発明14では、面状体が「前記X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材」を有するのに対し、甲1発明2では、「前記X線照射面と対面する底面」を「形成する第2の部材」の存否が不明である点。

(ウ)相違点14-3(構成14B4)
本件発明14が構成14B4として「第1の部材を補強する第3の部材とを有」するのに対し、甲1発明2は当該「第3の部材」に相当する部材を備えない点。

(エ)相違点14-4(構成14F)
本件発明14が構成14Fとして、第1?第3の部材の製造に関する「工程(I)」?「工程(III)」を備えるのに対し、甲1発明2はそのような構成を備えない点。

(3)本件発明14と甲1発明2との相違点についての判断
ア 相違点14-1について
相違点14-1は実質的に上記相違点1-1と同様のものであるから、上記1(3)アと同様の理由により、甲1発明2に上記周知技術を適用して撮影台22を保持部28に対し背面側から片持ち梁状態で支持するようにして相違点14-1の構成とすることは、当業者が容易に想到しうることである。

イ 相違点14-2について
(ア)X線画像撮影装置の撮影台において、「X線照射面を含む天面を形成する第1の部材」とは別に「X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材」を備えることを開示する証拠は以下のとおり、申立人の提示する甲1?甲12、及び参考資料1の中に見いだせない。
a X線画像撮影装置の撮影台に関する甲2では、上記第4の2の(2)の認定事項及び同甲2イ、甲2ウ、甲2オから明らかなとおり、撮影台に相当するグリッドアセンブリ20は、少なくとも底面全体を覆う底板を有さないし、底面を部分的に覆う底板の存在を示す記述もなく、そのような底板を設ける必要性を示す記載もない。
b X線画像撮影装置の撮影台に関する甲3,甲4にも、撮影台の各面の構成について具体的な記述は見いだせない。
c X線画像撮影装置の撮影台に関する甲5には、第4の甲5イ【0030】の記載によれば、「撮影台6は、被検体2の載置と圧迫板7とによる圧迫に耐え得る様にステンレス等の素材からなる矩形の枠組みと、この上面に被検体2を載置可能とし、かつ被検体2を透過するX線を妨げることのないようにX線が透過し易いカーボン等の素材からなる板を覆い被せる様に貼り合わせた構成」であるが、同【0034】に「支持台10には、カセッテ14を常に所定位置に固定する」とあるとおり、撮影台6下方の支持台10に載置したカセッテまでX線が透過する必要があることを考慮すると、X線透過素材ではない「ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」が撮影台6の底面も覆うと解釈することは技術常識に反し、できない。
d 甲6?8は何れも電子カセッテについてのものであり、電子カセッテは甲1発明1の構成1b「放射線検出部42」にあたる、撮影台22の内部空間に設置すべき要素であるから、これらの筐体の構成が、直接被験体を介した押圧を受ける甲1発明2の撮影台の筐体構成に適用できるものとはいえない。
e また、甲9?12、及び参考資料1を含め、相違点14-2に係る構成が技術常識や公知・周知であることを示す証拠もない。
(イ)以上のとおりであるから、甲1発明2において、相違点14-2の構成とすることは、申立人が提出した何れの証拠、及び周知技術や技術常識を検討しても、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

ウ 相違点14-3について
(ア)構成14B4の「第1の部材を補強する第3の部材」について本件特許明細書【0039】では「第3の部材はマンモグラフィ装置の圧迫板からの荷重がかかる第1の部材と一体化して、これを補強するものであり、例えば、第2の部材と一体化するものであってもよく、第1の部材にかかる荷重の分散または撮影台の強度向上により、マンモグラフィ装置での使用時における第1の部材の補強を図るものである。好ましくは、第3の部材は、第1の部材の補強と撮影台を着脱容易としてメンテナンス性を高める観点から、得られる撮影台がマンモグラフィ装置本体と接続可能な連結部材であるのが好ましい。」と説明されている。
(イ)上記第4の5の摘記事項甲5イの【0030】には「撮影台6は、被検体2の載置と圧迫板7とによる圧迫に耐え得る様にステンレス等の素材からなる矩形の枠組みと、この上面に被検体2を載置可能とし、かつ被検体2を透過するX線を妨げることのないようにX線が透過し易いカーボン等の素材からなる板を覆い被せる様に貼り合わせた構成となっている。」との記載がある(以下「甲5記載事項」という。)。ここでは、撮影台6において、本件発明14の「X線照射面を含む天面を形成する第1の部材」に相当する「被検体2を載置可能とし、かつ被検体2を透過するX線を妨げることのないようにX線が透過し易いカーボン等の素材からなる板」は、「被検体2の載置と圧迫板7とによる圧迫に耐え得る様に」「ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」に対し「覆い被せる様に貼り合わせ」ているのであるから、「・・・矩形の枠組み」は「・・・カーボン等の素材からなる板」を補強する作用を担っているといえる。
そうすると、甲1発明2の撮影台の側壁部材に前記甲5記載事項の「ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」を適用することで、相違点14-3の構成とし、天面のX線照射面を含む撮影面20を支持・補強するように構成することは、当業者が容易に想到しうることである。

エ 相違点14-4について
エー1 工程(I)について
甲10には、上記第4の10甲10イに摘記したとおり、炭素繊維強化複合材料の成形方法として、炭素繊維層と熱硬化性樹脂層とが交互に積層された構造のプリプレグ積層体を、プレス成形法によって加熱・加圧して成形する方法が記載されており(以下「甲10記載事項」という。)、これは工程(I)の工程に相当する。
甲1発明2の撮影台22天面部の撮影面20は「放射線透過性や機械的強度の観点から、炭素繊維強化プラスチックにより形成された」ものであり、前記甲10記載事項の「炭素繊維強化複合材料」は甲1発明2の「炭素繊維強化プラスチック」に相当する素材であるから、甲1発明2において、撮影台22天面部の炭素繊維強化プラスチック製撮影面20の製造にあたり、甲10記載事項の方法を適用することは、当業者が容易に想到できたことである。

エー2 工程(II)について
甲1発明2は、構成14Fの工程(II)が前提とする「X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材」に相当する部材を備えない。
また、X線画像撮影装置の撮影台において、「X線照射面を含む天面を形成する第1の部材」とは別に「X線照射面と対面する底面を形成する第2の部材」に相当する構成を備えることを開示する証拠が、申立人の提示する証拠である甲1?甲12及び参考資料1の中に見いだせないことは、上記イで検討したとおりである。そして、当然に、構成14Fの工程(II)に相当する製造工程を有する「第2の部材」に相当する構成を備えることの開示も前記何れの証拠中にも見いだせない。
そうすると、甲1発明2において、相違点14-4のうち工程(II)に相当する製造工程に係る構成を付加することは、申立人の証拠方法によっては、当業者が容易に想到できたとはいえない。

エ-3 工程(III)について
上記ウで検討したとおり、甲1発明2の撮影台の側壁部材に甲5に記載された「ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」を適用することで、相違点14-3の構成とし、天面のX線照射面を含む撮影面20を支持・補強するように構成することは、当業者が容易に想到しうることである。
そして、上記甲5記載事項において、構成14B4の「第3の部材」に相当する「・・・ステンレス等の素材からなる矩形の枠組み」に対し、同「第1の部材」に相当する「・・・カーボン等の素材からなる板」は、「覆い被せる様に貼り合わせ」るのであるから、これは、構成14Fの工程(III)の製造工程の構成に相当するといえる。
よって、甲1発明2において、甲5記載事項を適用して相違点14-4のうち工程(III)に係る製造工程を付加することは、当業者が容易に想到できたことである。

オ 本件発明14についての小括
以上のとおりであるから、本件発明14は甲1に記載された発明(甲1発明2)ではなく、また、本件発明14は、甲1発明2及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(4)本件発明15について
ア 本件発明15の構成は、本件発明14の構成と比較して以下の関係にある。
(ア)本件発明14の構成14Aについて、「X線撮影装置」を「マンモグラフィ装置」、「撮影台」を「マンモグラフィ装置用撮影台」と減縮し、
(イ)本件発明14の「開口部」「面状体」に係る構成14Bを削除したもの。
(ウ)本件発明14の構成14B1,14B4、14Fはそれぞれ、上記(ア)に関連する減縮を除き、それぞれ、そのまま本件発明15の構成15B1、15B4’、15F’に対応する。

イ そうすると、本件発明15と甲1発明2とは、上記(2)イと同様の相違点14-1?14-4を有するから、本件発明15は甲1に記載された発明(甲1発明2)ではなく、また、本件発明15は、上記(3)のイ、エー2と同様の理由により、甲1発明2及び甲2?甲12,並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものともいえない。

(5)本件発明5?13について
本件発明5?13は本件発明2,3を減縮した発明であるから、上記1の(5)、(6)に記載されたものと同様の理由により、甲1発明1及び甲2?12並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(6)本件発明16?25について
本件発明16?25は本件発明15を減縮した発明であるから、上記(4)に記載されたものと同様の理由により、甲1発明2及び甲2?12並びに参考資料1に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本件発明1?26に係る特許は、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては取り消すことができない。
また、上記以外に、前記各特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。


 
異議決定日 2021-05-12 
出願番号 特願2019-520765(P2019-520765)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A61B)
P 1 651・ 113- Y (A61B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 伊藤 昭治  
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 樋口 宗彦
森 竜介
登録日 2020-08-11 
登録番号 特許第6747590号(P6747590)
権利者 東レ株式会社
発明の名称 撮影台およびその製造方法、マンモグラフィ装置用撮影台およびその製造方法およびマンモグラフィ装置  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  
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